JP7243331B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
しかし、画像形成装置において外周表面に溝を有し粗さが上記範囲である中間転写体を用いた場合、画像において白抜け及び色抜けの画像欠陥が発生することがあった。
<1>
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
T1=60℃におけるトナーの粘度ηをη(T1)、T2=90℃におけるトナーの粘度ηをη(T2)、T3=130℃におけるトナーの粘度ηをη(T3)としたとき、(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)が-0.14以下であり、(lnη(T2)-lnη(T3))/(T2-T3)が-0.15以上であり、(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)よりも(lnη(T2)-lnη(T3))/(T2-T3)が大きい値である静電荷像現像用トナーを収容し、前記静電荷像現像用トナーにより、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
外周表面に複数の溝を有し、表面の面内平均粗さが10nm以上30nm以下である中間転写体と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー画像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写された前記トナー画像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、
を有する画像形成装置。
<2>
前記静電荷像現像用トナーは、T0=40℃におけるトナーの粘度ηをη(T0)としたとき、(lnη(T0)-lnη(T1))/(T0-T1)が-0.12以上であり、(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)よりも(lnη(T0)-lnη(T1))/(T0-T1)が大きい値である<1>に記載の画像形成装置。
<3>
前記静電荷像現像用トナーは、(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)が-0.16以下である<1>又は<2>に記載の画像形成装置。
<4>
前記静電荷像現像用トナーは、(lnη(T2)-lnη(T3))/(T2-T3)が-0.13以上である<1>~<3>のいずれか1項に記載の画像形成装置。
<5>
前記静電荷像現像用トナーが離型剤を含有し、
前記静電荷像現像用トナー中の前記離型剤のアスペクト比が5以上の個数をa、5より下の個数をbとしたとき、1.0<a/b<8.0である<1>~<4>のいずれか1項に記載の画像形成装置。
<6>
前記静電荷像現像用トナーが離型剤を含有し、
前記静電荷像現像用トナー中の前記離型剤のアスペクト比が5以上の面積をc、5より下の面積をdとしたとき、1.0<c/d<4.0である<1>~<5>のいずれか1項に記載の画像形成装置。
<7>
前記静電荷像現像用トナーは、最大吸熱ピーク温度が70℃以上100℃以下である<1>~<6>のいずれか1項に記載の画像形成装置。
<8>
前記静電荷像現像用トナーは、最大吸熱ピーク温度が75℃以上95℃以下である<7に記載の画像形成装置。
<9>
前記静電荷像現像用トナーは、結着樹脂として、スチレンアクリル樹脂を含む<1>~<8>のいずれか1項に記載の画像形成装置。
<10>
前記静電荷像現像用トナーは、結着樹脂として、非結晶性ポリエステル樹脂を含む<1>~<8>のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記中間転写体は、周方向に直交する方向における外周表面の十点平均粗さRzjisが、0.2μm以上0.7μm以下である<1>~<10>のいずれか1項に記載の画像形成装置。
<12>
前記中間転写体は、外周表面を構成する層が硬化性樹脂を含む層である<1>~<11>のいずれか1項に記載の画像形成装置。
<13>
前記中間転写体は、前記複数の溝における隣の溝同士の平均間隔が7μm以下である<1>~<12>のいずれか1項に記載の画像形成装置。
<14>
前記中間転写体は、前記複数の溝の平均幅が3μm以下である<1>~<13>のいずれか1項に記載の画像形成装置。
<2>に係る発明によれば、静電荷像現像用トナーにおける(lnη(T0)-lnη(T1))/(T0-T1)が-0.12未満である場合に比べ、画像における白抜け及び色抜けの発生を抑制した画像形成装置が提供される。
<3>に係る発明によれば、静電荷像現像用トナーにおける(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)が-0.16超である場合に比べ、画像における白抜け及び色抜けの発生を抑制した画像形成装置が提供される。
<4>に係る発明によれば、静電荷像現像用トナーにおける(lnη(T2)-lnη(T3))/(T2-T3)が-0.13未満である場合に比べ、画像における白抜け及び色抜けの発生を抑制した画像形成装置が提供される。
<5>に係る発明によれば、静電荷像現像用トナー中の離型剤のアスペクト比に関する前記a/bが1.0以下であるか、又は、8.0以上である場合に比べ、画像における白抜け及び色抜けの発生を抑制した画像形成装置が提供される。
<6>に係る発明によれば、静電荷像現像用トナー中の離型剤のアスペクト比に関する前記c/dが1.0以下であるか、又は、4.0以上である場合に比べ、画像における白抜け及び色抜けの発生を抑制した画像形成装置が提供される。
<7>に係る発明によれば、静電荷像現像用トナーの最大吸熱ピーク温度が70℃未満、又は、100℃超である場合に比べ、画像における白抜け及び色抜けの発生を抑制した画像形成装置が提供される。
<8>に係る発明によれば、静電荷像現像用トナーの最大吸熱ピーク温度が75℃未満、又は、95℃超である場合に比べ、画像における白抜け及び色抜けの発生を抑制した画像形成装置が提供される。
<12>に係る発明によれば、静電荷像現像用トナーにおける(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)が-0.14超である場合、又は(lnη(T2)-lnη(T3))/(T2-T3)が-0.15未満である場合に比べ、中間転写体の外周表面を構成する層が硬化性樹脂を含む層であっても、画像における白抜け及び色抜けの発生を抑制した画像形成装置が提供される。
<13>に係る発明によれば、静電荷像現像用トナーにおける(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)が-0.14超である場合、又は(lnη(T2)-lnη(T3))/(T2-T3)が-0.15未満である場合に比べ、中間転写体における隣の溝同士の平均間隔が7μm以下であっても、画像における白抜け及び色抜けの発生を抑制した画像形成装置が提供される。
<14>に係る発明によれば、静電荷像現像用トナーにおける(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)が-0.14超である場合、又は(lnη(T2)-lnη(T3))/(T2-T3)が-0.15未満である場合に比べ、中間転写体の複数の溝の平均幅が3μm以下であっても、画像における白抜け及び色抜けの発生を抑制した画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像用トナーを収容し、静電荷像現像用トナーにより像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、を有する。
そして、中間転写体は、外周表面に複数の溝を有し、表面の面内平均粗さが10nm以上30nm以下である。
また、静電荷像現像用トナーは、T1=60℃におけるトナーの粘度ηをη(T1)、T2=90℃におけるトナーの粘度ηをη(T2)、T3=130℃におけるトナーの粘度ηをη(T3)としたとき、(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)が-0.14以下であり、(lnη(T2)-lnη(T3))/(T2-T3)が-0.15以上であり、(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)よりも(lnη(T2)-lnη(T3))/(T2-T3)が大きい値である。なお、以下においては、上記の特性を有する静電荷像現像用トナーを単に「特定のトナー」とも称す。
その理由は以下の通り推察される。
なお、このような粘度変化の特性を示すトナーは、トナー粒子中に含まれる結着樹脂において低分子量成分と高分子量成分とが共に適度な割合で含まれているものと考えられる。すなわち、結着樹脂に低分子量成分が含まれることで60℃から90℃の範囲における粘度が変化し易くなり、一方結着樹脂に高分子量成分が含まれることで90℃から120℃の高温の範囲での粘度が変化し難くなると考えられる。
具体的には、まず粘弾性が低いトナーを高温高湿(例えば30℃、90%RH)環境で用いた場合、このトナーは柔らかくなり易くつまり変形し易い。そのため、一次転写部において像保持体と中間転写体とのニップ部で圧力を受けたトナーが、中間転写体表面の溝に埋まり込み、二次転写部においても溝に埋まり込んだまま転写されず、その結果二次転写部での転写効率が低下することがある。そのため、記録媒体への転写が行われなかった箇所において画像に白抜け又は色抜けが発生すると考えられる。
また、粘弾性が高いトナーを低温低湿(例えば10℃、15%RH)環境で用いた場合、このトナーは硬くなり易いために、中間転写体への付着力が低下する。この付着力が低いトナーと、高い離型性を示す上記の中間転写体とを用いることで、一次転写部において中間転写体に転写せずに像保持体上に残存するトナーが生じることがある。また、画像形成装置は、複数の像保持体を有しこれらの像保持体が中間転写体の駆動方向に対して上流側から下流側に向かって順に接触し、各像保持体に形成されたトナー画像を中間転写体に順次一次転写した後、中間転写体上で重ね合されたトナー画像を記録媒体に二次転写する態様(例えばタンデム方式の画像形成装置)や、1つの像保持体に対して複数の現像手段が設けられており、その像保持体上に形成されたトナー画像を中間転写体に順次一次転写した後、中間転写体上で重ね合されたトナー画像を記録媒体に二次転写する態様(例えばサークル現像方式の画像形成装置)である場合がある。前者の態様では、上流側の像保持体から一次転写されたトナーが、下流側の像保持体との接触位置で該像保持体に移行してしまう現象が起きることがあり、また後者の態様では、先に像保持体に一次転写されたトナーが、その後の一次転写時に像保持体に移行してしまう現象が起きることがある(この両現象を「リトランスファー」と称す)。その結果、中間転写体にトナーが転写しなかった箇所や、下流側の像保持体に対してトナーのリトランスファーが生じた箇所において、画像に白抜け又は色抜けが発生すると考えられる。
また、低温低湿(例えば10℃、15%RH)環境であっても、トナーが硬くなることが抑制され、トナーの付着力の低下が抑制される。そして、一次転写部において中間転写体にトナーが転写しない現象(つまり転写せずに像保持体上に残存する現象)や、下流側の像保持体に対してトナーのリトランスファーが生じる現象が抑制され、画像における白抜け及び色抜けの発生が抑制される。
まず、本実施形態に係る画像形成装置において、現像手段に収容される静電荷像現像剤について説明する。
特定のトナーはトナー粒子を有する。また、トナー粒子に加えて外添剤を有していてもよい。
特定のトナーは、T1=60℃におけるトナーの粘度ηをη(T1)、T2=90℃におけるトナーの粘度ηをη(T2)、T3=130℃におけるトナーの粘度ηをη(T3)としたとき、
(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)が-0.14以下であり、
(lnη(T2)-lnη(T3))/(T2-T3)が-0.15以上であり、
(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)よりも(lnη(T2)-lnη(T3))/(T2-T3)が大きい値である。
なお、本開示における「lnη(T1)」は、T1=60℃におけるトナーの粘度ηの自然対数の値である。
また、本開示におけるトナーの粘度の単位は、特に断りのない限り、Pa・sであるものとする。
本実施形態におけるトナーの粘度は、回転平板型レオメータ(レオメトリックス社製:RDA2、RHIOSシステムver.4.3)を用いて直径8mmのパラレルプレートを用いて、周波数1Hz、20%以下の歪みをかけ、約30℃乃至150℃の間を昇温速度1℃/min.、試料重量約0.3gで昇温測定を行い、測定された値である。
また、特定のトナーにおける特性値の1つである(lnη(T2)-lnη(T3))/(T2-T3)は、-0.15以上であり、得られる画像の白抜け及び色抜け抑制の観点から、-0.14を超えることが好ましく、-0.13以上であることがより好ましく、-0.12以上-0.03以下であることが更に好ましく、-0.11以上-0.05以下であることが特に好ましい。
更に、特定のトナーにおいて、(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)よりも(lnη(T2)-lnη(T3))/(T2-T3)が大きい値であり、得られる画像の白抜け及び色抜け抑制の観点から、{(lnη(T2)-lnη(T3))/(T2-T3)}-{(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)}の値は、0.01以上であることが好ましく、0.05以上0.5以下であることがより好ましく、0.08以上0.2以下であることが特に好ましい。
(lnη(T0)-lnη(T1))/(T0-T1)が-0.12以上であり、
(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)よりも(lnη(T0)-lnη(T1))/(T0-T1)が大きい値であることが好ましい。
更に、特定のトナーにおいて、(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)よりも(lnη(T0)-lnη(T1))/(T0-T1)が大きい値であることで、得られる画像の白抜け及び色抜けがより抑制され易くなる。なお、{(lnη(T0)-lnη(T1))/(T0-T1)}-{(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)}の値は、0.01以上であることが好ましく、0.05以上0.5以下であることがより好ましく、0.08以上0.2以下であることが特に好ましい。
・η(T0):1.0×107以上1.0×109以下(より好ましくは2.0×107以上5.0×108以下)
・η(T1):1.0×105以上1.0×108以下(より好ましくは1.0×106以上5.0×107以下)
・η(T2):1.0×103以上1.0×105以下(より好ましくは5.0×103以上5.0×104℃以下)
・η(T3):1.0×102以上1.0×104以下(より好ましくは1.0×102℃以上5.0×103℃以下)
特定のトナーの最大吸熱ピーク温度は、70℃以上100℃以下であることが好ましく、75℃以上95℃以下であることがより好ましく、83℃以上93℃以下であることが特に好ましい。
なお、特定のトナーの最大吸熱ピーク温度は、示差走査熱分析における-30℃から150℃までの範囲を少なくとも含む吸熱曲線において、最大吸熱ピークを与える温度である。
特定のトナーの最大吸熱ピーク温度の測定方法を以下に示す。
パーキンエルマー社製の示差熱走査熱量計DSC-7を用い、装置の検出部の温度補正にインジウム及び亜鉛の融点を利用し、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプル用としてはアルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、室温(例えば20℃)から150℃まで昇温速度10℃/minで昇温し、150℃から-30℃まで10℃/minの速度で降温し、更に-30℃から150℃まで10℃/minの速度で昇温し、2回目の昇温時における最も大きい吸熱ピークの温度を、最大吸熱ピーク温度とする。
特定のトナーが、結着樹脂として、後述する非晶性ポリエステル樹脂を含む場合、得られる画像の白抜け及び色抜け抑制の観点から、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における波数720cm-1の吸光度に対する波数1,500cm-1の吸光度の比(波数1,500cm-1の吸光度/波数720cm-1の吸光度)が、0.6以下であり、かつ波数720cm-1の吸光度に対する波数820cm-1の吸光度の比(波数820cm-1の吸光度/波数720cm-1の吸光度)が、0.4以下であることが好ましい。また、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における波数720cm-1の吸光度に対する波数1,500cm-1の吸光度の比が、0.4以下であり、かつ波数720cm-1の吸光度に対する波数820cm-1の吸光度の比が、0.2以下であることがより好ましく、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における波数720cm-1の吸光度に対する波数1,500cm-1の吸光度の比が、0.2以上0.4以下であり、かつ波数720cm-1の吸光度に対する波数820cm-1の吸光度の比が、0.05以上0.2以下であることが特に好ましい。
更に、特定のトナーにおいて、得られる画像の白抜け及び色抜け抑制の観点から、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における波数720cm-1の吸光度に対する波数820cm-1の吸光度の比が、0.4以下であることが好ましく、0.2以下であることがより好ましく、0.05以上0.2以下であることが更に好ましく、0.08以上0.2以下であることが特に好ましい。
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤とを含有し、結着樹脂、及び、離型剤を含有することが好ましい。
本実施形態において、トナー粒子としては、例えば、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等のトナー粒子の他、白色トナー粒子、透明トナー粒子、光輝性トナー粒子等であってもよく、特に制限はない。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α-メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2-エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
特定のトナーは、トナーの強度及び保管安定性の観点から、結着樹脂として、スチレンアクリル樹脂を含むことが好ましい。
また、特定のトナーは、低温定着性の観点から、結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含むことが好ましい。
更に、非晶性ポリエステル樹脂としては、得られる画像の白抜け及び色抜け抑制、及び、定着性の観点から、ビスフェノール構造を有しない非晶性ポリエステル樹脂であることが好ましい。
結着樹脂としては、スチレンアクリル樹脂が好適である。
スチレンアクリル樹脂は、スチレン系単量体(スチレン骨格を有する単量体)と(メタ)アクリル系単量体((メタ)アクリル基を有する単量体、好ましくは(メタ)アクリロキシ基を有する単量体)とを少なくとも共重合した共重合体である。スチレンアクリル樹脂は、例えば、スチレン類の単量体と前述の(メタ)アクリル酸エステル類の単量体との共重合体を含む。
なお、スチレンアクリル樹脂におけるアクリル樹脂部分は、アクリル系単量体及びメタクリル系単量体のいずれか、又は、その両方を重合してなる部分構造である。また、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」のいずれをも含む表現である。
これらの中で、スチレン系単量体としては、反応し易さ、反応の制御の容易さ、さらに入手性の点で、スチレンが好ましい。
なお、(メタ)アクリル系単量体のうち、これらの(メタ)アクリルエステルの中でも、定着性の点から、炭素数2以上14以下(好ましくは炭素数2以上10以下、より好ましくは3以上8以下)のアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
中でも、(メタ)アクリル酸n-ブチルが好ましく、アクリル酸n-ブチルが特に好ましい。
2官能の架橋剤としては、例えば,ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジ(メタ)アクリレート化合物(例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、デカンジオールジアクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等)、ポリエステル型ジ(メタ)アクリレート、メタクリル酸2-([1’-メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル等が挙げられる。
多官能の架橋剤としては、トリ(メタ)アクリレート化合物(例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等)、テトラ(メタ)アクリレート化合物(例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート等)、2,2-ビス(4-メタクリロキシ、ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリールクロレンデート等が挙げられる。
中でも、架橋性単量体としては、得られる画像の白抜け及び色抜け抑制、及び、定着性の観点から、2官能以上の(メタ)アクリレート化合物が好ましく、2官能(メタ)アクリレート化合物がより好ましく、炭素数6~20のアルキレン基を有する2官能(メタ)アクリレート化合物が更に好ましく、炭素数6~20の直鎖アルキレン基を有する2官能(メタ)アクリレート化合物が特に好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好適である。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知の非晶性ポリエステル樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂と共に、結晶性ポリエステル樹脂を併用してもよい。但し、結晶性ポリエステル樹脂は、全結着樹脂に対して、含有量が2質量%以上40質量%以下(好ましくは2質量%以上20質量%以下)の範囲で用いることがよい。
一方、樹脂の「非晶性」とは、半値幅が10℃を超えること、階段状の吸熱量変化を示すこと、又は明確な吸熱ピークが認められないことを指す。
非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、非晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC-8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM-M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体が挙げられる。なお、結晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶構造を容易に形成するため、芳香族を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族を有する重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
また、トナー粒子を白色トナー粒子とする場合の結着樹脂の含有量は、白色トナー粒子全体に対して、30質量%以上85質量%以下が好ましく、40質量%以上60質量%以下がより好ましい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、塩基性炭酸鉛、硫化亜鉛-硫酸バリウム混合物、硫化亜鉛、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム等などの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
白色顔料としては、酸化チタン及び酸化亜鉛が好ましく、酸化チタンがより好ましい。
また、トナー粒子を白色トナー粒子とする場合の白色顔料の含有量は、白色トナー粒子全体に対して、15質量%以上70質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
また、特定のトナーのトナー粒子は、得られる画像の白抜け及び色抜け抑制の観点から、トナー中の離型剤のアスペクト比が5以上の面積をc、5より下の面積をdとしたとき、1.0<c/d<4.0であることが好ましく、1.5<c/d<3.5であることがより好ましく、2.0<c/d<3.0であることが特に好ましい。
トナーをエポキシ樹脂に混合して、エポキシ樹脂を固化する。得られた固化物を、ウルトラミクロトーム装置(Leica社製UltracutUCT)により切断し、厚さ80nm以上130nm以下の薄片試料を作製する。次に、薄片試料を30℃のデシケータ内で四酸化ルテニウムにより3時間染色する。そして、超高分解能電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)(例えば、(株)日立ハイテクノロジーズ製S-4800)にて、染色された薄片試料のSEM画像を得る。一般的に離型剤は結着樹脂よりも四酸化ルテニウムに染色されやすいので、染色度合いに起因する濃淡で離型剤が識別される。試料の状態などにより濃淡が判別しにくい場合は、染色時間を調整する。なお、トナー粒子断面において、着色剤ドメインは一般的に、離型剤ドメインよりも小さいので、大きさによって区別可能である。
前記SEM画像には様々な大きさのトナー粒子断面が含まれるところ、径がトナー粒子の体積平均粒径の85%以上であるトナー粒子断面を選択し、その中から無作為に100個のトナー粒子断面を選択し、これを観察する。ここで、トナー粒子断面の径とは、トナー粒子断面の輪郭線上の任意の2点に引いた最大の長さ(いわゆる長径)をいう。
前記SEM画像において、前記のように選択したトナー粒子断面100個それぞれにおいて、画像解析ソフト(三谷商事(株)製WinROOF)を用いて、0.010000μm/pixel条件で画像解析を行う。この画像解析により、包埋に用いたエポキシ樹脂とトナー粒子の結着樹脂との輝度差(コントラスト)により、トナー粒子の断面の画像を観察することができる。観察された画像をもとに、トナー粒子中の離型剤ドメインの長軸方向の長さ、及び前記比(長軸方向の長さ/短軸方向の長さ)、面積を求めることができる。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5質量%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積について小径側から累積分布を描いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vと定義する。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA-3000)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
なお、トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナー(現像剤)を分散させた後、超音波処理をおこなって外添剤を除去したトナー粒子を得る。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
次に、特定のトナーの製造方法について説明する。
特定のトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA-700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
また、離型剤の融解温度以上に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成してもよい。融合・合一工程では、樹脂粒子のガラス転移温度以上、且つ離型剤の融解温度以上で、樹脂および離型剤が融和した状態にある。その後、冷却してトナーを得る。
トナー中の離型剤のアスペクト比を調整する方法としては、冷却時に離型剤の凝固点周辺温度で一定時間保持することで結晶成長さる方法、融解温度の異なる離型剤を2種類以上使用することにより冷却中の結晶成長を促す方法、等が挙げられる。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、気流乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリアおよび樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
次いで、本実施形態に係る画像形成装置の構成を、図面を用いて説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、を備える。なお、画像形成装置は、さらに記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段を備えていてもよい。
そして、静電荷像現像剤として、前述の特定のトナーを含む静電荷像現像剤が適用される。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が-600V乃至-800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10-6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
ここで、本実施形態に係る画像形成装置が備える中間転写体について説明する。
中間転写体は、外周表面に複数の溝を有する。
溝が伸びる方向は、特に限定されるものではないが、中間転写体の外周表面に転写残トナー等を清掃するためのクリーニングブレードが接触するよう配置されている場合には、中間転写体の駆動方向(つまり中間転写体の周方向)に沿った方向に、溝が伸びていることが好ましい。
図2は、ベルト状の中間転写体(中間転写ベルト)13を外周表面側から見た模式図である。溝110は、中間転写ベルト13が回転する際の駆動方向(矢印で示す方向)に沿って、中間転写ベルト13の1周全域に存在している。また、図3は、中間転写ベルト13において外周表面を構成する層である表層102に形成された溝110の断面図である。溝110の断面形状は、特に限定されるものではないが、底辺側に近いほど幅が狭くなる形状であることが好ましい。
例えば、中間転写体の駆動方向(つまり周方向)に沿った方向に伸びる溝でなくてもよく、駆動方向に対して斜め方向に角度を有する方向に伸びる溝や、駆動方向に対して直交する方向に伸びる溝であってもよい。
中間転写体は、外周表面の面内平均粗さが10nm以上30nm以下である。なお、トナーの離型性向上による転写効率の向上の観点から、面内平均粗さは14nm以上26nm以下であることが好ましく、18nm以上22nm以下であることがより好ましい。
測定には走査型プローブ顕微鏡(SPI3800:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)を用いる。カンチレバーはシリコーン製で、先端半径15nm以下、バネ定数15N/m、共振周波数136KHzのものを用いる。測定モードには、試料を破壊することなく像を得ることができるダイナミックフォースモードを用いる。測定周波数は、0.3Hz以上1.0Hz以下とする。中間転写体の外周表面の6μm四方における面内平均粗さ(Ra)を測定する。なお、外周表面の面内平均粗さは、重複しない任意の10カ所の平均値を測定結果とする。
測定には表面粗さ/輪郭形状測定器サーフコム1500SD(東京精密製)を用い、規格JIS B0601:2001に準拠し、カットオフ波長0.25mm、測定基準長さ0.25mm、測定長1.25mmの条件で測定する。外周表面の十点平均粗さRzjisは、中間転写体の外周表面の駆動方向と直交する方向に測定器の触針をスキャンさせて測定し、任意の少なくとも5か所の平均値を測定結果とする。
中間転写体の層構成は、特に限定されるものではなく、少なくとも外周表面を構成する層が表面に、前述の構成を満たす溝を有していればよい。
ただし、ベルト状の中間転写体(つまり中間転写ベルト)は、基層と表層とを有する二層以上の構成であることが好ましい。
例えば、単層の中間転写ベルトであってもよい。また、3層以上の層を有していてもよく、例えば上述の基層に対応する層が複数層からなっていたり、上述の基層に対応する層の内周側に単数又は複数の層が設けられていてもよい。
中間転写体の基層101に使用する材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン-1、ポリスチレン、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルニトリル、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、サーモトロピック液晶ポリマー、ポリアミド酸などの熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは混合して2種以上使用することもできる。
表層102は、中間転写体の表面硬度と耐久性(耐摩耗性)の向上の観点から、硬化性材料(より好ましくは硬化性樹脂)を含有することが好ましい。
硬化性樹脂は、硬化性モノマーおよびオリゴマーの少なくとも一方を含有する組成物を硬化させることで得られる。硬化手段としては、紫外線や、電子線などのエネルギー線の照射による硬化、熱による硬化が挙げられる。好ましくは、紫外線や、電子線の照射による硬化である。
また、中間転写ベルト13の表層102に溝110を形成する方法は、ラッピングフィルムを用いた加工に限定されるものではない。例えば、表層102の塗布前に基層101の表面に溝を付与する方法、金型やナノインプリント技術を用いた後加工による方法などが挙げられる。
中間転写体が、基層及び表層を有する場合、基層の厚さ(平均厚さ)は、10μm以上1000μm以下が好ましく、より好ましくは30μm以上600μm以下であり、さらに好ましくは50μm以上400μm以下である。
また、表層の厚さ(平均厚さ)は、1μm以上100μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以上50μm以下であり、さらに好ましくは1μm以上20μm以下である。
なお、中間転写体の軸方向とは、中間転写体が中間転写ベルトである場合には、複数のロールに張力がかかった状態で掛け渡された際に、該ロールの軸方向となる方向を指す。また、中間転写体が中間転写ロールである場合には、その軸方向を指す。
中間転写体の外周表面の表面抵抗率は、転写性の観点から、常用対数値で9(LogΩ/□)以上13(LogΩ/□)以下であることが好ましく、10(LogΩ/□)以上12(LogΩ/□)以下であることがより好ましい。
なお、表面抵抗率の常用対数値は、樹脂の種類、導電剤の種類、導電剤の添加量等により制御される。
式:ρs=π×(D+d)/(D-d)×(V/I)
なお、表面抵抗率は、円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極部の外径Φ16mm、リング状電極部の内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧500V、10秒印加後の電流値を求め算出する。
式ρv=19.6×(V/I)×t
なお、体積抵抗率は、円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極部Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧500V、10秒印加後の電流値を求め算出する。
例えば、中間転写体の形状は特に限定されず、無端状のベルト状であっても、ロール状であってもよい。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
-スチレンアクリル樹脂粒子分散液の調製-
<樹脂粒子分散液(1)の作製>
スチレン:200部
n-ブチルアクリレート:50部
アクリル酸:1部
β-カルボキシエチルアクリレート:3部
プロパンジオールジアクリレート:1部
2-ヒドロキシエチルアクリレート:0.5部
ドデカンチオール:1部
フラスコに、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製ダウファックス)4部をイオン交換水550部に溶解した溶液を入れ、そこに上記の原料を混合した混合液を入れて乳化した。乳化液を10分間ゆっくりと撹拌しながら、過硫酸アンモニウム6部を溶解したイオン交換水50部を投入した。次いで、系内の窒素置換を充分に行い、オイルバスで系内が75℃になるまで加熱し、30分間重合した。
スチレン:110部
n-ブチルアクリレート:50部
β-カルボキシエチルアクリレート:5部
1,10-デカンジオールジアクリレート:2.5部
ドデカンチオール:2部
上記の原料を混合した混合液を入れて乳化し、乳化液を上記フラスコに120分間添加し、そのまま4時間乳化重合を継続した。これにより、重量平均分子量32,000、ガラス転移温度53℃、体積平均粒径240nmの樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を得た。前記樹脂粒子分散液にイオン交換水を加え、固形分量を20質量%に調整して、樹脂粒子分散液(1)とした。
スチレン:200部
n-ブチルアクリレート:50部
アクリル酸:1部
β-カルボキシエチルアクリレート:3部
プロパンジオールジアクリレート:1部
2-ヒドロキシエチルアクリレート:0.5部
ドデカンチオール:1.5部
フラスコに、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製ダウファックス)4部をイオン交換水550部に溶解した溶液を入れ、そこに上記の原料を混合した混合液を入れて乳化した。乳化液を10分間ゆっくりと撹拌しながら、過硫酸アンモニウム6部を溶解したイオン交換水50部を投入した。次いで、系内の窒素置換を充分に行い、オイルバスで系内が75℃になるまで加熱し、30分間重合した。
スチレン:110部
n-ブチルアクリレート:50部
β-カルボキシエチルアクリレート:5部
1,10-デカンジオールジアクリレート:2.5部
ドデカンチオール:2.5部
上記の原料を混合した混合液を入れて乳化し、乳化液を上記フラスコに120分間添加し、そのまま4時間乳化重合を継続した。これにより、重量平均分子量30,000、ガラス転移温度53℃、体積平均粒径220nmの樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を得た。前記樹脂粒子分散液にイオン交換水を加え、固形分量を20質量%に調整して、樹脂粒子分散液(2)とした。
スチレン:200部
n-ブチルアクリレート:50部
アクリル酸:1部
β-カルボキシエチルアクリレート:3部
プロパンジオールジアクリレート:1部
2-ヒドロキシエチルアクリレート:0.5部
ドデカンチオール:1.5部
フラスコに、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製ダウファックス)4部をイオン交換水550部に溶解した溶液を入れ、そこに上記の原料を混合した混合液を入れて乳化した。乳化液を10分間ゆっくりと撹拌しながら、過硫酸アンモニウム7部を溶解したイオン交換水50部を投入した。次いで、系内の窒素置換を充分に行い、オイルバスで系内が80℃になるまで加熱し、30分間重合した。
スチレン:110部
n-ブチルアクリレート:50部
β-カルボキシエチルアクリレート:5部
1,10-デカンジオールジアクリレート:2.5部
ドデカンチオール:3.0部
上記の原料を混合した混合液を入れて乳化し、乳化液を上記フラスコに120分間添加し、そのまま4時間乳化重合を継続した。これにより、重量平均分子量28,000、ガラス転移温度53℃、体積平均粒径230nmの樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を得た。前記樹脂粒子分散液にイオン交換水を加え、固形分量を20質量%に調整して、樹脂粒子分散液(3)とした。
スチレン:200部
n-ブチルアクリレート:50部
アクリル酸:1部
β-カルボキシエチルアクリレート:3部
プロパンジオールジアクリレート:1部
2-ヒドロキシエチルアクリレート:0.5部
ドデカンチオール:2.0部
フラスコに、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製ダウファックス)4部をイオン交換水550部に溶解した溶液を入れ、そこに上記の原料を混合した混合液を入れて乳化した。乳化液を10分間ゆっくりと撹拌しながら、過硫酸アンモニウム7.5部を溶解したイオン交換水50部を投入した。次いで、系内の窒素置換を充分に行い、オイルバスで系内が85℃になるまで加熱し、30分間重合した。
スチレン:110部
n-ブチルアクリレート:50部
β-カルボキシエチルアクリレート:5部
1,10-デカンジオールジアクリレート:2.5部
ドデカンチオール:3.5部
上記の原料を混合した混合液を入れて乳化し、乳化液を上記フラスコに120分間添加し、そのまま4時間乳化重合を継続した。これにより、重量平均分子量26,500、ガラス転移温度53℃、体積平均粒径210nmの樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を得た。前記樹脂粒子分散液にイオン交換水を加え、固形分量を20質量%に調整して、樹脂粒子分散液(4)とした。
スチレン:200部
n-ブチルアクリレート:50部
アクリル酸:1部
β-カルボキシエチルアクリレート:3部
プロパンジオールジアクリレート:1部
2-ヒドロキシエチルアクリレート:0.5部
ドデカンチオール:0.8部
フラスコに、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製ダウファックス)4部をイオン交換水550部に溶解した溶液を入れ、そこに上記の原料を混合した混合液を入れて乳化した。乳化液を10分間ゆっくりと撹拌しながら、過硫酸アンモニウム5.5部を溶解したイオン交換水50部を投入した。次いで、系内の窒素置換を充分に行い、オイルバスで系内が85℃になるまで加熱し、30分間重合した。
スチレン:110部
n-ブチルアクリレート:50部
β-カルボキシエチルアクリレート:5部
1,10-デカンジオールジアクリレート:2.5部
ドデカンチオール:1.7部
上記の原料を混合した混合液を入れて乳化し、乳化液を上記フラスコに120分間添加し、そのまま4時間乳化重合を継続した。これにより、重量平均分子量36,000、ガラス転移温度53℃、体積平均粒径260nmの樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を得た。前記樹脂粒子分散液にイオン交換水を加え、固形分量を20質量%に調整して、樹脂粒子分散液(5)とした。
・C.I.Pigment Red 122:50部
・イオン系界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):5部
・イオン交換水:220部
上記成分を混合し、アルティマイザ((株)スギノマシン製)により240MPaで10分処理し、マゼンタ着色粒子分散液(固形分濃度:20%)を調製した。
・エステルワックス(日油(株)製WEP-2):100部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):2.5部
・イオン交換水:250部
上記材料を混合して120℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径330nmの離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液(1)(固形分量29.1%)を得た。
・フィッシャートロプシュワックス(日本精鑞(株)製HNP-9):100部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):2.5部
・イオン交換水:250部
上記材料を混合して120℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径340nmの離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液(2)(固形分量29.2%)を得た。
・パラフィンワックス(日本精鑞(株)製FNP0090):100部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):2.5部
・イオン交換水:250部
上記材料を混合して120℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径360nmの離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液(3)(固形分量29.0%)を得た。
・ポリエチレンワックス(東洋アドレ(株)製ポリワックス725):100部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):2.5部
・イオン交換水:250部
上記材料を混合して100℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径370nmの離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液(4)(固形分量29.3%)を得た。
イオン交換水:400部
樹脂粒子分散液(3):200部
マゼンタ着色粒子分散液:40部
離型剤粒子分散液(2):12部
離型剤粒子分散液(3):24部
上記成分を、温度計、pH計、撹拌機を具備した反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、撹拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
ホモジナイザー(IKAジャパン(株)製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム(PAC、王子製紙(株)製:30%粉末品)2.1部をイオン交換水100部に溶解させたPAC水溶液を添加した。その後、50℃まで昇温し、コールターマルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径を5.0μmとした。その後樹脂粒子分散液(1)115部を追添加し、凝集粒子の表面に樹脂粒子を付着(シェル構造)させた。
続いて、10質量%のNTA(ニトリロ三酢酸)金属塩水溶液(キレスト70:キレスト(株)製)を20部加えた後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、昇温速度を0.05℃/分にして91℃まで昇温し、91℃で3時間保持した後、得られたトナースラリーを85℃まで冷却し、1時間保持した。その後25℃まで冷却してマゼンタトナーを得た。これを更にイオン交換水にて再分散し、ろ過することを繰り返して、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
トナーA1:8部とキャリア:92部とをVブレンダーにて混合し、現像剤A1(静電荷像現像剤A1)を作製した。
使用する樹脂粒子分散液、離型剤粒子分散液、凝集剤量、合一温度、保持温度、保持時間を表1のように変更したこと以外、トナーA1と同様にして、トナーA2~A13、並びに、トナーB1及びB2のマゼンタトナーをそれぞれ得た。
また、得られたトナーをそれぞれ用いたこと以外、現像剤A1と同様の方法で、現像剤A2~A13、並びに、現像剤B1及びB2の静電荷像現像剤をそれぞれ作製した。
使用する樹脂粒子分散液、離型剤粒子分散液、凝集剤量、合一温度、保持温度、保持時間を表1のように変更したこと以外、トナーA1と同様にして、トナーB3のマゼンタトナーを得た。
また、得られたトナーを用いたこと以外、現像剤A1と同様の方法で、現像剤B3の静電荷像現像剤を作製した。
基層と表層の2層からなる中間転写ベルトを作製した。
ポリエチレンナフタレート樹脂をブロー成形することで、ボトル状成形体を得て、これを超音波カッターにより切断することで、無端状のベルト体を得た。なお、ポリエチレンナフタレート樹脂中には、抵抗調整剤としてカーボンブラックを分散した。こうして得られた厚さ70μmのポリエチレンナフタレート樹脂ベルトを、中間転写ベルトの基層として用いた。
次に、紫外線を遮蔽した容器中に、固体潤滑剤(粒径200nmのPTFE粒子、ルブロン:ダイキン工業社製)、ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびペンタエリスリトールテトラアクリレートを含有するアクリル系紫外線硬化型ハードコート材料であるルシフラール(商品名、日本ペイント社製)を混合した。そこにPTFE粒子の分散剤として高分子量のフッ素系グラフトポリマーGF400(商品名、東亞合成社製)とメチルイソブチルケトンを添加して、高速せん断式分散器(ホモジナイザー)で処理することにより、粗分散を行った。
次に、基層上に、表層形成用塗工液を、25℃、相対湿度60%の塗布環境でディップ塗布した。そして、塗工終了してから10秒後に塗工環境と同じ場所にある紫外線照射装置(商品名:UE06/81-3、アイグラフィック社製、積算光量:1000mJ/cm2)を用いて紫外線を照射し、表層を硬化させた。その結果、厚さ3μmの樹脂硬化膜が形成され、この樹脂硬化膜を表層とした。
次に、上述の方法で得られた中間転写ベルトの表層に溝の形成を行った。表層が形成されたベルトを、該ベルトの内径よりも若干大きな外径を有する円筒に、弾性変形させて装着した。粒度9μmの酸化アルミニウムを砥粒とするラッピングフィルム(Lapika#2000(商品名)、KOVAX社製)を、上述の円筒に装着されたベルトの表面に面圧1.96N/mm2で押し当てた。そして、40secの間上述の円筒を回転させ、表層に、平均幅が2μm、平均深さが1μmの溝が形成された中間転写ベルトA1を得た。
中間転写ベルトA1の作製において、表層への溝の形成を行わなかったこと以外は、同様にして表層を有する中間転写ベルトB1を得た。
市販の電子写真複写機(Docu Centre Color450、富士ゼロックス(株)製)に対し、表2に示す現像剤を現像器に充填し、且つ表2に示す中間転写ベルトを装着した。
・高温高湿環境
各実施例、比較例、及び参考例の電子写真複写機により、高温高湿(30℃、90%RH)環境で、A4普通紙(富士ゼロックス社製、製品名:P紙(坪量64g/m2、紙厚88μm))に、画像(画像密度20%、トナー載り量4g/m2)を、1000枚出力した。
各実施例、比較例、及び参考例の電子写真複写機により、低温低湿(10℃、15%RH)環境で、A4普通紙(富士ゼロックス社製、製品名:P紙(坪量64g/m2、紙厚88μm))に、画像(画像密度20%、トナー載り量4g/m2)を、1000枚出力した。
高温高湿環境、及び低温低湿環境のそれぞれで出力された画像のうち最後の画像について、下記の基準で白抜けの発生度合いを評価した。
A:白抜けが目視でもルーペ観察でも確認されなかった。
B:白抜けが目視では確認できないが、ルーペ観察(拡大率10倍)では1視野(fΦ32mm)に3箇所未満の軽微な抜けが確認された。
C:白抜けが目視では確認できないが、ルーペ観察では1視野に3箇所以上5箇所未満の軽微な抜けが確認された。
D:白抜けが目視では確認できないが、ルーペ観察では1視野に5箇所以上10箇所未満の軽微な抜けが確認された。
E:白抜けが目視で軽微に確認された。
F:白抜けが確認された。許容できないレベル。
高温高湿環境において、上記枚数の画像を出力した後の中間転写ベルトの画像形成面にセロハンテープを貼り付けて剥がすことで、中間転写ベルト上に残存したトナーをセロハンテープの粘着面に移行させた。このセロハンテープ上に移行したトナーの数を、ルーペ観察により測定し、(個/m2)に換算した。
低温低湿環境において、上記枚数の画像を出力した後の下流側(中間転写ベルト駆動方向の下流側)の電子写真感光体の表面にセロハンテープを貼り付けて剥がすことで、電子写真感光体上に中間転写ベルトから移行したトナー又は、転写されずに残存したトナーをセロハンテープの粘着面に移した。このセロハンテープ上に移したトナーの数を、ルーペ観察により測定し、(個/m2)に換算した。
-非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液の調製-
<樹脂粒子分散液(101)の作製>
内部を乾燥させた三口フラスコに、テレフタル酸ジメチル60部と、フマル酸ジメチル74部と、ドデセニルコハク酸無水物30部と、トリメリット酸22部と、プロピレングリコール138部と、ジブチルすずオキサイド0.3部と、を添加し、窒素雰囲気下で、反応により生成された水は系外へ除去しながら、185℃で3時間反応させた。その後、徐々に減圧しながら240℃まで温度を上げて、更に4時間反応させた後、冷却した。こうして、重量平均分子量が39,000の非晶性ポリエステル樹脂(101)を作製した。
表3の条件に変更した以外は、樹脂粒子分散液(101)と同様にし、樹脂粒子分散液(102)~(105)を得た。
イオン交換水:400部
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(103):200部
マゼンタ着色粒子分散液:40部
離型剤粒子分散液(2):12部
離型剤粒子分散液(3):24部
上記成分を、温度計、pH計、撹拌機を具備した反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、撹拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
ホモジナイザー(IKAジャパン(株)製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム(PAC、王子製紙(株)製:30%粉末品)2.1部をイオン交換水100部に溶解させたPAC水溶液を添加した。その後、50℃まで昇温し、コールターマルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径を4.9μmとした。その後非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(101)115部を追添加し、凝集粒子の表面に樹脂粒子を付着(シェル構造)させた。
続いて、10質量%のNTA(ニトリロ三酢酸)金属塩水溶液(キレスト70:キレスト(株)製)を20部加えた後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、昇温速度を0.05℃/分にして91℃まで昇温し、91℃で3時間保持した後、得られたトナースラリーを85℃まで冷却し、1時間保持した。その後25℃まで冷却してマゼンタトナーを得た。これを更にイオン交換水にて再分散し、ろ過することを繰り返して、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
トナーA101:8部とキャリア:92部とをVブレンダーにて混合し、現像剤A101(静電荷像現像剤A101)を作製した。
使用する樹脂粒子分散液、離型剤粒子分散液、凝集剤量、合一温度、保持温度、保持時間を表4のように変更したこと以外、トナーA101と同様にして、トナーA102~A113、並びに、トナーB101及びB102のマゼンタトナーをそれぞれ得た。
また、得られたトナーをそれぞれ用いたこと以外、現像剤A101と同様の方法で、現像剤A102~A113、並びに、現像剤B101及びB102の静電荷像現像剤をそれぞれ作製した。
使用する樹脂粒子分散液、離型剤粒子分散液、凝集剤量、合一温度、保持温度、保持時間を表4のように変更したこと以外、トナーA101と同様にして、トナーB103のマゼンタトナーを得た。
また、得られたトナーを用いたこと以外、現像剤A101と同様の方法で、現像剤B103の静電荷像現像剤を作製した。
市販の電子写真複写機(Docu Centre Color450、富士ゼロックス(株)製)に対し、表5に示す現像剤を現像器に充填し、且つ表5に示す中間転写ベルトを装着した。
前記同様、高温高湿環境及び低温低湿環境において、<白抜け(画像欠陥)評価>、<転写残トナー数>、及び<リトランスファートナー数>の評価を実施した。
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
13、20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
101 基層
102 表層
103 硬化性樹脂
104 固体潤滑剤
105 導電材料
110 溝
111 溝幅
112 溝深さ
113 溝ピッチ
P 記録紙(記録媒体の一例)
Claims (16)
- 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
T1=60℃におけるトナーの粘度ηをη(T1)、T2=90℃におけるトナーの粘度ηをη(T2)、T3=130℃におけるトナーの粘度ηをη(T3)としたとき、(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)が-0.14以下であり、(lnη(T2)-lnη(T3))/(T2-T3)が-0.15以上であり、(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)よりも(lnη(T2)-lnη(T3))/(T2-T3)が大きい値である静電荷像現像用トナーを収容し、前記静電荷像現像用トナーにより、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
外周表面に複数の溝を有し、表面の面内平均粗さが10nm以上30nm以下である中間転写体と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー画像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写された前記トナー画像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、
を有し、
前記静電荷像現像用トナーが離型剤を含有し、
前記静電荷像現像用トナー中の前記離型剤のアスペクト比が5以上の個数をa、5より下の個数をbとしたとき、1.0<a/b<8.0である画像形成装置。 - 前記静電荷像現像用トナーが離型剤を含有し、
前記静電荷像現像用トナー中の前記離型剤のアスペクト比が5以上の面積をc、5より下の面積をdとしたとき、1.0<c/d<4.0である請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記中間転写体は、前記複数の溝における隣の溝同士の平均間隔が7μm以下である請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
T1=60℃におけるトナーの粘度ηをη(T1)、T2=90℃におけるトナーの粘度ηをη(T2)、T3=130℃におけるトナーの粘度ηをη(T3)としたとき、(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)が-0.14以下であり、(lnη(T2)-lnη(T3))/(T2-T3)が-0.15以上であり、(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)よりも(lnη(T2)-lnη(T3))/(T2-T3)が大きい値である静電荷像現像用トナーを収容し、前記静電荷像現像用トナーにより、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
外周表面に複数の溝を有し、表面の面内平均粗さが10nm以上30nm以下である中間転写体と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー画像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写された前記トナー画像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、
を有し、
前記静電荷像現像用トナーが離型剤を含有し、
前記静電荷像現像用トナー中の前記離型剤のアスペクト比が5以上の面積をc、5より下の面積をdとしたとき、1.0<c/d<4.0である画像形成装置。 - 前記中間転写体は、前記複数の溝における隣の溝同士の平均間隔が7μm以下である請求項4に記載の画像形成装置。
- 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
T1=60℃におけるトナーの粘度ηをη(T1)、T2=90℃におけるトナーの粘度ηをη(T2)、T3=130℃におけるトナーの粘度ηをη(T3)としたとき、(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)が-0.14以下であり、(lnη(T2)-lnη(T3))/(T2-T3)が-0.15以上であり、(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)よりも(lnη(T2)-lnη(T3))/(T2-T3)が大きい値である静電荷像現像用トナーを収容し、前記静電荷像現像用トナーにより、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
外周表面に複数の溝を有し、表面の面内平均粗さが10nm以上30nm以下である中間転写体と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー画像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写された前記トナー画像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、
を有し、
前記中間転写体は、前記複数の溝における隣の溝同士の平均間隔が7μm以下である画像形成装置。 - 前記静電荷像現像用トナーは、T0=40℃におけるトナーの粘度ηをη(T0)としたとき、(lnη(T0)-lnη(T1))/(T0-T1)が-0.12以上であり、(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)よりも(lnη(T0)-lnη(T1))/(T0-T1)が大きい値である請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記静電荷像現像用トナーは、(lnη(T1)-lnη(T2))/(T1-T2)が-0.16以下である請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記静電荷像現像用トナーは、(lnη(T2)-lnη(T3))/(T2-T3)が-0.13以上である請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記静電荷像現像用トナーは、最大吸熱ピーク温度が70℃以上100℃以下である請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記静電荷像現像用トナーは、最大吸熱ピーク温度が75℃以上95℃以下である請求項10に記載の画像形成装置。
- 前記静電荷像現像用トナーは、結着樹脂として、スチレンアクリル樹脂を含む請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記静電荷像現像用トナーは、結着樹脂として、非結晶性ポリエステル樹脂を含む請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記中間転写体は、周方向に直交する方向における外周表面の十点平均粗さRzjisが、0.2μm以上0.7μm以下である請求項1~請求項13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記中間転写体は、外周表面を構成する層が硬化性樹脂を含む層である請求項1~請求項14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記中間転写体は、前記複数の溝の平均幅が3μm以下である請求項1~請求項15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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