JP2016186581A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長期の繰り返し使用において、中間転写ベルトから転写材へのトナーの転写効率の向上と、クリーニングブレードの磨耗量の抑制を両立させる中間転写ベルトを備えた画像形成装置を提供する
【解決手段】 中間転写ベルトの表面が、クリーニングブレードに交差する方向に、トナー重量平均粒径の半分未満の溝形状を有し、前記中間転写ベルトの表層は、トナーの重量平均粒径四方(D4μm×D4μm)における、該中間転写ベルト表面の面内平均粗さが10nm以上30nm以下であり、トナーが式(1)および(2)を満足する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、レーザープリンター、複写機、ファクシミリ等の電子写真記録方式を利用する画像形成方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、像担持体上に電荷を形成し、画像信号を変調したレーザー光で像担持体上に静電潜像を形成した後に、トナーで静電潜像を現像して可視化し、トナー像に対して、転写装置を介して転写することにより所望の画像を得ている。
転写装置としては、像担持体上のトナー像を中間転写ベルトに一次転写し、中間転写ベルトから転写材へ二次転写して、転写材上にトナー像を形成する中間転写方式がある。
中間転写ベルト上の二次転写残トナーを除去する方式としては、二次転写部の下流に配設されたクリーニングブレードで転写残トナーを物理的に回収するブレードクリーニング方式が知られている。一般的に、クリーニングブレードにはウレタンゴム等の弾性体が用いられている。
近年、さらなる高画質化のために、トナー像を中間転写ベルトから転写材へ転写する際の効率向上が求められている。例えば、特許文献1には、中間転写ベルト表面にトナーの粒径より小さい粒径のフィラーを埋設させて、表面物性を改良し、トナーが中間転写ベルトに残留せず転写効率が向上することが記載されている。また、特許文献2には、中間転写ベルトの表面粗さを最適化することで、トナーが中間転写ベルトに残留せず転写効率が向上した中間転写ベルトが記載されている。
特開2009−75154号公報 特開2004−240176号公報
現在、画像形成装置は、さらなる耐久性が求められており、ブレードクリーニング方式を用いた中間転写ベルトにおいて、繰り返し使用による耐久性をより向上されることが必要である。
本発明者らの検討の結果、特許文献1の中間転写ベルトは、繰り返し使用によるクリーニングブレード摩耗の点で課題を有している。中間転写ベルト表面にフィラーによる突起形状を散在させた場合、繰り返しの使用によりクリーニングブレードエッジ部は突起形状との接触点から徐々に摩耗し始める。その結果、クリーニングブレードエッジ部が不均一に摩耗、あるいは欠けが生じ、トナーのすり抜け(以下、クリーニング不良)が発生する懸念がある。また、特許文献2の表面粗さ値を規定した中間転写ベルトは、特許文献1のように突起形状を有する表層を含むため、やはりクリーニングブレードエッジ部の摩耗量が増加する懸念がある。これらのブレードクリーニング方式の中間転写ベルトは、長期使用におけるクリーニングブレードの摩耗の低減について、改良の余地があるものであった。
本発明は、長期の繰り返し使用において、中間転写ベルトから転写材へのトナーの転写効率の向上と、クリーニングブレードの磨耗量の抑制を両立させる中間転写ベルトを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、像担持体を帯電手段により帯電する帯電工程、
帯電された該像担持体を露光して静電潜像を形成する露光工程、
該静電潜像をトナーで現像してトナー像を該像担持体上に形成する現像工程、
該トナー像を中間転写ベルトを介して転写材へ転写する転写工程、
該転写材上のトナー像を定着させる定着工程、および
該中間転写ベルト上に残存する転写残トナーをクリーニングブレードで除去するクリーニング工程、
を有する画像形成方法であって、
該中間転写ベルトの表面が、該クリーニングブレードに交差する方向に溝形状を有し、
該溝形状の幅が、該トナーの重量平均粒径(D4)の半分未満であり、
該トナーの重量平均粒径四方(D4μm×D4μm)における、該中間転写ベルト表面の面内平均粗さが10nm以上30nm以下であり、
該中間転写ベルトの回転方向に直交する方向における該中間転写ベルトの表面の十点平均粗さRzjisが、0.26μm以上0.67μm以下であり、
該トナーは、
結着樹脂と着色剤と離型剤を含有するトナー粒子と、
シリカ微粒子と、を含有し、
該トナーが下記式(1)および(2)を満足することを特徴とする画像形成方法に関する。
300(mJ)≦E≦450(mJ) (1)
1.00≦Ec/E≦2.30 (2)
(上記式(1)及び(2)中、
Eは、粉体流動性分析装置においてプロペラ型ブレードの最外縁部の周速を100mm/sで回転させながら容器内のトナー粉体層中に垂直に進入させ、該粉体層の底面から100mmの位置から測定を開始し、底面から10mmの位置まで進入させた時に得られる、回転トルクと垂直荷重の総和(mJ)を示す。
Ecは、3kPaの荷重負荷を与えたトナー粉体層中に上記Eを計測する要領で測定した、回転トルクと垂直荷重の総和(mJ)を示す。)
本発明によれば、長期の繰り返し使用において、中間転写ベルトから転写材へのトナーの転写効率の向上と、クリーニングブレードの磨耗量の抑制を両立させる中間転写ベルトを備えた画像形成装置を提供することができる。
中間転写ベルトの断面を示す模式図(a)(b)、および中間転写ベルトを上部から見た模式図(c)を示す。 中間転写ベルトを有する画像形成装置の構成図を示す。 中間転写ベルトのブレードクリーニング方式を説明する図である。 中間転写ベルトの表層の拡大図(a、b、c)を示す。 中間転写ベルト表層とクリーニングブレードニップ部との拡大図(a、b、c、d)を示す。 本発明に係る中間転写ベルトの他の態様を示す図である。 粉体流動性分析装置のプロペラ型ブレードの外観(a)とブレード最外縁部分のねじれ角度(b)の説明図である。
<画像形成装置>
まず、4色のトナーを用いたカラー画像形成装置について、図2を用いて説明する。なお、図2に示す形態では、第1ステーションをイエロー(Y)、第2ステーションをマゼンタ(M)、第3ステーションをシアン(C)、第4ステーションをブラック(K)としている。第1ステーションでは、1aは像担持体としての感光ドラムで、帯電手段としての帯電ローラ2a、像担持体上1aに残存する転写残トナーをクリーニングするクリーニングユニット3a、及び現像手段としての現像ユニット8aを有する。現像ユニット8aは、現像スリーブ4a、非磁性一成分現像剤(トナーとも称する)5a、現像剤塗布ブレード7aを有し、上述の1a〜8aは、一体型のプロセスカートリッジ9aとなっている。不図示の露光手段は、レーザー光を多面鏡によって走査させるスキャナユニットから構成され、画像信号に基づいて変調された走査ビーム12aを感光ドラム1a上に照射する。なお、第2〜第4ステーションでのプロセスカートリッジ9b〜9dも、第1ステーションでのプロセスカートリッジ9aと同様の構成である。
次に、画像形成動作について説明する。画像形成動作がスタートすると、感光ドラム1a〜1dや中間転写ベルト13等は、所定のプロセススピードで矢印方向に回転を始める。最初に、第1ステーションの動作について説明する。まず感光ドラム1aは、帯電ローラ2aに不図示の電源から供給される電圧によって一様に負極性に帯電される。続いて、不図示の露光手段からの走査ビーム12aによって、画像情報に従った静電潜像が、感光ドラム1a上に形成される。現像ユニット8a内のトナー5aは、現像剤塗布ブレード7aによって負極性に帯電されて、現像スリーブ4aに塗布される。そして、現像スリーブ4aには、不図示の現像電圧電源より電圧が供給される。感光ドラム1a上に形成された静電潜像が、現像スリーブ4a対向部に到達すると、感光ドラム1a上の静電潜像は負極性のトナーによって可視化され、感光ドラム1a上に第1色目(図2では、Y)のトナー像が形成される。なお、第2〜第4ステーションも、第1ステーションと同様の構成としている。
一方、トナー像担持体である中間転写ベルト13は、4つの感光ドラム1a〜1d全てに対し当接する様に配置される。中間転写ベルト13は、二次転写ローラ25の対向に位置する支持ローラ24、駆動ローラ14、テンションローラ15の3本のローラにより支持されており、適当なテンションが維持されるようになっている。駆動ローラ14を駆動させることにより、中間転写ベルト13は感光ドラム1a〜1dに対して順方向(矢印a方向)に略同速度で移動する。一次転写ローラ10aは、中間転写ベルト13を介して感光ドラム1aに所定の圧力で付勢され、一次転写ニップを形成している。
各色毎に一次転写ニップ間の距離に応じて一定のタイミングで遅らせて、露光により静電潜像を各感光ドラム1a〜1d上に形成する。そして、各一次転写ローラ10a〜10dに、一次転写電源22a〜22dからトナーと逆極性の電圧を印加することにより、順に中間転写ベルト13にトナー像を転写し、中間転写ベルト13上に多重トナー像が形成される。
その後、露光による静電潜像の作像に合わせて、不図示の記録媒体カセットに積載されている転写材Sは、不図示の給紙ローラによりピックアップされ、不図示の搬送ローラによりレジストローラ18まで搬送される。転写材Sは、レジストローラ18によって、中間転写ベルト13上のトナー像に同期して、中間転写ベルト13と二次転写ローラ25とで形成される二次転写ニップ部へ搬送される。その後、二次転写電源26により、二次転写ローラ25にトナーと逆極性の電圧印加を行い、中間転写ベルト13上に担持された4色の多重トナー像は、転写材上Sに一括して二次転写される。
なお、本実施では、一次転写ローラ10a〜10dは、外径5mmのニッケルメッキ鋼棒の芯金に、外径14mmとなるよう発泡性弾性体を被覆して構成されている。なお、一次転写ローラ抵抗は、10〜10Ωの範囲であれば良好な画像形成を行うことができる。二次転写ローラ25は、外径8mmのニッケルメッキ鋼棒の芯金に、外径16mmとなるよう発泡性弾性体を被覆して構成されている。なお、二次転写ローラ抵抗は、10〜10Ωの範囲であれば良好な画像形成を行うことができる。駆動ローラ14は、アルミニウム芯金にカーボンを導電剤として分散した抵抗10Ω、肉厚0.085mmのシリコーンゴムを被覆した外径26.3mmのものを用いた。張架部材としてのテンションローラ15は、外径24mmのアルミニウムの金属棒を用いて、片側49N、総圧98Nのテンションを中間転写ベルト13に付与している。二次転写ローラ25の対向に位置する支持ローラ24は、アルミニウム芯金にカーボンを導電剤として分散した抵抗10Ω、肉厚1mmのEPDMゴムを被覆した外径18mmのものを用いた。転写材Sは、二次転写終了後に定着手段19へと搬送され、トナー像の定着を受けて画像形成物として画像形成装置外へと排出される。
<中間転写ベルトのブレードクリーニング>
次に、カラー画像形成装置における中間転写ベルトのクリーニングについて説明する。図3(a)に、クリーニング手段27と、中間転写ベルト13の接触する部分を模式的に示す。なお、クリーニング手段27は、ウレタンゴムで形成された弾性を有するクリーニングブレード28である。クリーニングブレード28は、メッキ鋼板を材料とする板金部30に、ポリウレタンゴムを材料とするゴム部29が接着された構成となっており、ゴム部29の厚みは、例えば2mmである。なお、ゴム部29の硬度は、JIS K6253規格で77°のものを用いた。クリーニングブレード28は揺動構成となっており、揺動軸32を不図示の中間転写ベルトユニットに固定し、加圧バネ31で板金30を加圧することで、揺動軸32を中心にクリーニングブレード28が可動する。ゴム部29に対向して、中間転写ベルト13の内側には、テンションローラ15が配置されている。クリーニングブレード28は、中間転写ベルト13の回転駆動方向に対して、カウンター方向にテンションローラ15上で接触し、ニップ部33にて転写残トナーを掻き取る(図3(b))。このようにして、二次転写を終えた後、中間転写ベルト13上に残存した転写残トナーは、中間転写ベルトクリーニング手段27により、その表面から除去、回収される。
なお、クリーニングブレード28の取り付け位置は、設定角θ(中間転写ベルト13とクリーニングブレードゴム部29の交点部におけるテンションローラ15接線とクリーニングブレードゴム部29がなす角。)が24°、侵入量δ(クリーニングブレードゴム部29がテンションローラ15に対し、重なる厚み方向の長さ。)が1.5mm、クリーニングブレード28の当接圧は0.6N/cmである。この設定位置にすることで、本実施例のカラー画像形成装置は、高温高湿環境下(温度30℃/湿度80%)でのクリーニングブレードのめくれやスリップ音、また低温低湿環境下(温度15℃/湿度10%)でのクリーニング不良を発生させることなく、良好なクリーニング性能を得ることができる。
なお、上記のクリーニング構成は、中間転写ベルト材料に応じて適宜選定されるものであるが、好ましくは、クリーニングブレードゴム部29の材料はポリウレタンゴムである。さらに、クリーニングブレードゴム部29の硬度は、JIS K6253規格で70度以上80度以下の範囲であることが好ましい。また、中間転写ベルトに対するクリーニングブレード28の当接圧は、0.4N/cm以上0.8N/cm以下が好ましい。
<中間転写ベルトの構成>
次に、本発明の中間転写ベルトの構成について説明する。中間転写ベルト13は、基層と表層を有する二層以上からなる無端のフィルム状部材であることが好ましい。図1(a)に中間転写ベルト13の表層近傍の回転駆動方向に直交する方向における拡大部分断面図を示す。基層101は、ポリエチレンナフタレート樹脂に抵抗調整剤としてカーボンブラックを分散した、厚み70μmの層を示す。表層102は、アクリル樹脂103に抵抗調整剤としてアンチモンドープ酸化亜鉛粒子105を分散し、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFE)粒子104を添加した、厚み3μmの層を示す。表層102に添加されたPTFE粒子104は、図1(a)に示すように最表層面に析出し、一部が露出した状態で突起形状を形成する他、表層中にも分散された状態で存在している。
また、表層102の表面は表面加工処理を施して、溝形状を有する。この溝形状は、クリーニングブレードに交差する方向である。図1(b)に表層102に形成された溝形状の断面図を示す。溝形状の幅(溝幅111)は、トナーの重量平均粒径(D4)の半分未満であり、図1(b)において溝形状110の溝幅111は2μmである。また、溝深さ112は1μmである。また、溝形状110のピッチ113は10〜20μmである。表層102の厚みが3μmであるため、溝形状110は基層101までは届かず、表層102のみに存在している。図1(c)に中間転写ベルト13を上部から見た図を示す。溝形状110は、中間転写ベルト13の回転駆動方向に沿って中間転写ベルト13の1周全域に存在している。図1(c)において、溝形状110は、クリーニングブレードゴム部29の長手方向の当接部に対して直交する位置関係にある。
中間転写ベルト13の体積抵抗率はHiresta・UP MCP−HT450(三菱化学社製)を用いて、10〜1012Ω・cmの範囲であれば良好な画像形成を行うことができる。
<中間転写ベルトの作製方法>
次に、中間転写ベルト13の作製方法について説明する。中間転写ベルトの表面は、アクリル共重合体で構成されていることが好ましい。具体的には、中間転写ベルトの表層がアクリル共重合体で構成されていることである。
まず、本発明の中間転写ベルト13の基層101に使用する材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン−1、ポリスチレン、ポリアミド、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルニトリル、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、サーモトロピック液晶ポリマー、ポリアミド酸などの熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは混合して2種以上使用することもできる。また、これらの熱可塑性樹脂中に導電材料などを熔融混練し、次いで、インフレーション成形、円筒押出し成形、ブロー成形などの成形方法を適宜選択して、中間転写ベルト13の基層101を得ることができる。
次に、表層102の作製方法について説明する。中間転写ベルトの表面硬度と耐久性(耐摩耗性)の向上の観点から、表層は、硬化性モノマーおよび/またはオリゴマー成分を含有する組成物の硬化物を含有することが好ましい。硬化手段としては、紫外線や、電子線などのエネルギー線の照射による硬化、熱による硬化が挙げられる。好ましくは、紫外線や、電子線の照射による硬化である。
硬化性材料としては、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、フッ素性硬化性樹脂などの硬化性樹脂が挙げられる。無機材料としては、アルコキシシラン・アルコキシジルコニウム系材料、ケイ酸塩系材料などが挙げられる。有機・無機ハイブリッド材料としては、無機微粒子分散有機高分子系材料、無機微粒子分散オルガノアルコキシシラン系材料、アクリルシリコン系材料、オルガノアルコキシシラン系材料などが挙げられる。
硬化性モノマーおよび/またはオリゴマー成分としては、不飽和二重結合含有アクリル共重合体が挙げられる。そして、基層には、不飽和二重結合含有アクリル共重合体を含有する組成物の硬化物であるアクリル共重合体を含有する。不飽和二重結合含有アクリル共重合体は、例えば、ルシフラール(商品名、日本ペイント社製)として入手可能である。
さらに、中間転写ベルト表層102には、抵抗制御のために導電材料を添加しても良い。導電材料として、電子導電性、あるいはイオン導電性の材料を用いることができる。電子導電性材料としては、カーボンブラック、PAN系炭素繊維、および膨張化黒鉛粉砕品などの粒子状、繊維状またはフレーク状のカーボン系導電性フィラーが挙げられる。さらに、銀、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、および鉄などの粒子状、繊維状、またはフレーク状の金属系導電性フィラーも挙げられる。又、アンチモンドープの酸化スズ、スズドープの酸化インジウム、およびアルミニウムドープの酸化亜鉛などの粒子状の金属酸化物系導電性フィラーが挙げられる。イオン導電性材料としては、イオン液体、導電性オリゴマー、および第4級アンモニウム塩などが挙げられる。これらの導電材料は1種、あるいは2種以上を混合して用いても良い。これらの中でも、サブミクロン以下の粒子状金属酸化物系導電性フィラーが好ましく、アンチモンドープ酸化亜鉛粒子などが挙げられる。
さらに、中間転写ベルト表層102には、固体潤滑剤を添加しても良い。固体潤滑剤としては、PTFE樹脂粉体、三フッ化塩化エチレン樹脂粉体、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン樹脂粉体、フッ化ビニル樹脂粉体、フッ化ビニリデン樹脂粉体、二フッ化二塩化エチレン樹脂粉体、フッ化黒鉛等のフッ素含有粒子、及びそれらの共重合体が適宜選択される。また、シリコーン樹脂粒子、二硫化モリブデン粉体等の固体潤滑剤でも良い。これらの中でも、中間転写ベルト表層102に当接する他部材の摩耗を低減できる点で、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂粒子が好ましい。
上述の表層102を基層101上に形成する方法として、通常のコーティング方法、例えばディップコート、スプレーコート、ロールコート、スピンコート等を挙げることができる。これらの方法から適宜選択することで、所望の膜厚の表層102を得ることができる。
上記方法で得られた中間転写ベルト表層102に溝形状110の形成を行う。中間転写ベルト13を中間転写ベルト13の内径よりも若干大きな外径を有する円筒に弾性変形させて装着する。そして、粒度9μmの酸化アルミニウムを砥粒とするラッピングフィルム(Lapika#2000(商品名)、KOVAX社製)を円筒に装着された中間転写ベルト13表面に当接させる。その後、40秒間、円筒を回転させることで、表層102に溝形状110が形成された中間転写ベルト13を得る。中間転写ベルトに溝形状110を付与する方法は、ラッピングフィルムを表層102に当接させて、中間転写ベルト13を回転させるか、ラッピングフィルムを中間転写ベルト13の回転方向に摺擦させることで、溝形状110を形成することができる。
溝形状を有する中間転写ベルト13は任意の方法で作製することができる。例えば、表層コーティング前に基層101表面に表面形態を付与しておく方法、金型またはナノインプリント技術を用いた後加工等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
<中間転写ベルト表層と転写効率との関係>
中間転写ベルト13上のトナーを、転写材Sへ転写させる際の転写効率を向上させるためには、中間転写ベルト表層102が平滑である必要がある。具体的には、トナーの重量平均粒径四方(D4μm×D4μm)における、中間転写ベルト表面の面内平均粗さが10nm以上30nm以下である。
図4(a)に示すような表層102の面内平均粗さが30nm以下で、平滑部が占める割合が支配的な場合は、トナーと表層102の接触機会(接触面積)が少なく、両者は主に点接触する。その結果、トナーと表層102との間に働く物理的な付着力が弱く、トナーの離型性が良くなるため、転写効率が向上する。
しかし、面内平均粗さが10nm未満の場合、中間転写ベルト表面に圧接することで転写残トナーを回収するクリーニングブレードとの密着性が高まるため、クリーニングブレードの摩耗が進行し易くクリーング性能が損なわれやすい。
また、図4(b)に示すように、表層102の面内平均粗さが30nmより大きく、平滑部が存在しないと、トナーと表層の接触機会(接触面積)が多く、両者は主に多点接触する。その結果、トナーと表層102との間に働く物理的な付着力が強く、トナーの離型性が悪くなるため、転写効率は低下する。
図4(c)に示すような、中間転写ベルト表面の面内平均粗さが10nm以上30nm以下であり、トナー平均粒径の半分未満の溝幅111を有する溝形状110を形成した表層102では、例えば球形トナーの場合、トナーは溝上に存在する可能性がある。溝上のトナーは、溝幅111がトナー粒径より小さいため、溝部へ埋没することなく表層102と2点接触で存在する。そのため、平滑部が存在しない表層102(図4(b))に比べて、トナーと表層102との間に働く物理的な付着力は弱く、トナー平均粒径の半分未満の溝幅形状を形成していることで転写効率を大きく損なうことがない。よって、後述するブレードクリーニングに適した表面形状を有することができる。
<中間転写ベルト表層とクリーニングブレード摩耗との関係>
中間転写ベルト13のクリーニング性能を満足するためには、中間転写ベルト表層102が適度な粗さを有する必要がある。
中間転写ベルト表層102に形成された溝形状110は、クリーニングブレードゴム部29の長手方向の当接部に対して交差する。図5(a)に、クリーニングブレードゴム部29と中間転写ベルト表層102とのニップ部近傍図を示す。クリーニングブレードゴム部29は溝部と接触しないため、ニップ部における中間転写ベルト13との接触面積が低減する。そのため、中間転写ベルト13の回転駆動中のニップ部における摩擦力が低減し、ブレード摩耗が抑制される。また、溝形状110の溝幅111がトナー平均粒径未満であることで、溝部にトナーが入り込み、クリーニングブレードからすり抜けることが抑制される。一方、図5(b)に示すように溝形状が全く存在しない表層102を有する場合、クリーニングブレードゴム部29はニップ部にて中間転写ベルト13とほぼ密着している状態となる。そのため、中間転写ベルト13の回転駆動中のニップ部における摩擦力が大きく、繰り返し使用によりブレード摩耗が進行することでクリーニング不良が発生する。また、図5(c)に示すように表層102へ形状付与し、ランダムな凹凸形状を有する場合、クリーニングブレードゴム部29はニップ部にて表層102の凸部と接触する。そのため、ニップ部にてクリーニングブレードゴム部29は、表層102との接触領域部に集中的に圧力がかかり、接触領域部での摩擦力が大きくなる。その結果、繰り返し使用によりブレード摩耗が局所的に進行し、偏摩耗や欠けが発生することで、クリーニング不良が発生する。さらに、図5(d)に示すように表層102へフィラー添加等により凸形状を有する場合も図5(c)と同様に、クリーニングブレードゴム部29はニップ部にて表層102の凸部と接触する。そのため、繰り返し使用により表層102の凸部と接触するクリーニングブレードゴム部の摩耗が局所的に進行し、偏摩耗や欠けが発生することで、クリーニング不良が発生する。
このように、長期にわたり良好なクリーニング性能を得るためには、ブレードニップ部にてクリーニングブレードと中間転写ベルトとの接触面積を低減することが望まれる。そして、これは、中間転写ベルトの平滑な表面に、中間転写ベルトの表面の移動方向に沿って(すなわち、クリーニングブレード29と中間転写ベルト13との接触部の長手方向と交差する方向に)溝110を形成することで達成される。
ベルト搬送方向と直交する方向におけるクリーニングブレード29の範囲内(ブレードとベルトとの対向領域内)における、中間転写ベルト13の表面総面積に対する中間転写ベルト13とクリーニングブレード29との接触面積の割合を接触面積率とする。接触面積率は、中間転写ベルト13の表層102の任意の領域における表面総面積とクリーニングブレード29との接触領域部の割合として、詳しくは後述する測定方法により求めることができる。この場合、上述のような摩擦力低減効果により良好なクリーニング性能を得るためには、接触面積率が80%以上97%以下であることが好ましい。接触面積率が80%未満の場合、クリーニングブレード29と接触する中間転写ベルト13の表層102が少なく、接触領域部に集中的に圧力がかかりすぎて、クリーニングブレード29の磨耗量が増加し易くなる。一方、接触面積率が97%より大きい場合、接触部減による摩擦力低減効果が発現せず、クリーニングブレード磨耗量が増加し易くなる。
以上のように、中間転写ベルト13の表面にベルト搬送方向に沿って適切に溝110を形成することで、中間転写ベルト13から転写材Sへのトナーの転写効率の向上を図りつつ、クリーニングブレード29の磨耗の抑制を図ることができる。
また、中間転写ベルトの回転方向に直交する方向における中間転写ベルトの表面の十点平均粗さRzjisは、0.26μm以上0.67μm以下である。
中間転写ベルト表層を、巨視的に見た場合の表面粗さも、転写効率とクリーニングブレードの摩耗に影響を及ぼす。Rzjisを0.26μm以上にすることで、クリーニングブレードの局部的な摩耗を抑制でき、0.67μm以下にすることで、高い転写効率を維持することができる。
<トナーの構成>
本発明に用いられるトナーは、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー粒子と、シリカ微粒子とを含有する。
本発明のトナーに用いられる結着樹脂としては、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体;アクリル樹脂;メタクリル樹脂;ポリ酢酸ビニール;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は混合して使用される。
スチレン共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドジテル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル;エチレン、プロピレン、ブチレンのようなエチレン系オレフィン;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンのようなビニルケトン;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテルが挙げられる。これらビニル単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子は、従来の粉砕法、懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法のいずれによっても製造することができる。
本発明のトナーを重合方法で製造する際に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出来る。単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンのようなスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートのようなメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルのようなビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンのようなビニルケトンが挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
本発明においては、前記した単官能性重合性単量体を単独で或いは2種以上組み合わせて、又は前記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。多官能性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能である。
本発明のトナーおいては、トナーの機械的強度を高める目的で、架橋剤を用いてもよい。
2官能の架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬)、及び上記のジアクリレートをジメタクリレートに代えたもの。
多官能の架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート及びトリアリルトリメリテート。
これらの架橋剤の添加量は、重合性単量体100質量部に対して、0.001乃至1.000質量部が好ましい。
本発明のトナーを重合方法で製造する際に用いられる重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチル−パーオキシピバレートの如き過酸化物系重合開始剤。
これらの重合開始剤の使用量は、一般的には、上記重合性単量体100質量部に対して、3乃至20質量部である。重合開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、10時間半減期温度を参考に選定され、単独又は混合して使用される。
本発明においては、重合性単量体の重合度を制御する為に、公知の連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
本発明のトナーを水系媒体を用いた重合方法で製造する場合には、主成分となる結着樹脂とは別に、極性樹脂を添加することが好ましい。極性樹脂を添加することで、トナー粒子表面に極性樹脂層を設けることができ、定着性を損なうことなくトナー粒子の堅牢性を上げることができる。
極性樹脂としては、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体が挙げられる。極性樹脂の好ましい添加量は、上記重合性単量体100質量部に対して、1〜30質量部である。
本発明に使用される着色剤として、以下の有機顔料または染料、無機顔料が挙げられる。
シアン系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が利用できる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66。
マゼンタ系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254、C.I.ピグメントバイオレット19。
イエロー系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、194。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、及び、カーボンブラックに、上記イエロー系/マゼンタ系/シアン系着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明のトナーに用いられる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー中の分散性の点から選択される。
着色剤は、好ましくは結着樹脂100質量部に対して、1〜20質量部添加して用いられる。
本発明のトナーに使用可能な離型剤としては、以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタムの如き石油系ワックス及びその誘導体;モンタンワックスおよびその誘導体;フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスの如きポリオレフィンワックス及びその誘導体;カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックス及びその誘導体。これらの誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。さらには、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、あるいはその化合物、酸アミドワックス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックスが挙げられる。この中で特に、離型性に優れるという観点からエステルワックス及び炭化水素ワックスが好ましい。
本発明に用いられる離型剤は、示差走査熱量計(DSC)により測定されるDSC曲線において、60℃以上120℃以下に、離型剤に由来する吸熱ピークを有することが低温定着性と保存安定性の両立の観点から好ましい。
離型剤は、結着樹脂100質量部に対して0.5〜30質量部、好ましくは3〜20質量部含有することが好ましい。更に好ましくは5〜15質量部である。離型剤の含有量が上記の範囲内であれば、長期間の保存性を維持しつつ、低温オフセットを良好に抑制することができる。また、他のトナー材料の分散を妨げることがなく、良好な流動性や画像特性を維持できる。
本発明のトナーにおいては、必要に応じて荷電制御剤をトナー粒子と混合して用いることも可能である。荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、トナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物。他には、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類なども含まれる。さらに、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、樹脂系帯電制御剤が挙げられる。
トナーを正荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物);高級脂肪酸の金属塩;樹脂系荷電制御剤。
本発明のトナーは、これら荷電制御剤を単独で或いは2種類以上組み合わせて含有することができる。
本発明に用いられるトナーは、さらに、以下の関係式(1)及び(2)を満足することを特徴とする。
300(mJ)≦E≦450(mJ) (1)
1.00≦Ec/E≦2.30 (2)
上記式(1)及び(2)中、
Eは、粉体流動性分析装置においてプロペラ型ブレードの最外縁部の周速を100mm/sで回転させながら容器内のトナーの粉体層中に垂直に進入させ、粉体層の底面から100mmの位置から測定を開始する。そして、底面から10mmの位置まで進入させた時に得られる、回転トルクと垂直荷重の総和(mJ)を示す。
Ecは、3kPaの荷重負荷を与えたトナーの粉体層中にEを計測する要領で測定した、回転トルクと垂直荷重の総和(mJ)を示す。
本発明者らは、鋭意検討の結果、上記の特徴を有する中間転写ベルトにおいて、以下のことを見出した。すなわち、粉体流動性分析装置によって測定される回転トルクと垂直荷重の総和(トータルエネルギー)を一定の範囲に制御したトナーを用いることで、良好な転写特性が得られ、クリーニングブレードの摩耗を長期間抑制できることを見出した。
Eの値を300(mJ)以上450(mJ)以下の高い流動性に制御したトナーを用いることで、本発明の面内平均粗さの低い表面特性の中間転写ベルトにおいて、効果的に転写効率を高めることができる。
Ecの値は、トナーに3kPaの荷重負荷を与えた時の粉体特性を示したものである。Ec/Eは、トナーの圧力に対する流動性の変化度合を表している。Ec/Eの値が1に近いトナーは、パッキングしても解れ易い、あるいはパッキングし難い特性を意味する。Ec/Eの値は、印刷を繰り返した末(耐久末期)のトナー劣化度合いと相関していることがわかった。トナー劣化とは、流動性の付与を目的にトナー粒子に外添された無機微粒子が、耐久時の現像器内で受ける撹拌ストレスにより、トナー粒子への埋め込まれる現象を意味する。
また、本発明者らの検討によると、トナー劣化と本発明に用いられる中間転写ベルトのクリーニングブレードの摩耗状態との間にも相関性があることを見出した。本発明者らは以下の理由によるものと考えている。すなわち、クリーニングブレードは中間転写ベルトとのニップ部において、外添剤が侵入すると潤滑性が付与されブレード摩耗が抑制されると考えられる。ブレードニップ部を観察してみると、ニップ部においては当然ニップ形成により転写残トナーはすり抜ける余地は無いが、堰き止められた成分を拡大して観察して見ると、ニップ上流側に小粒径の外添剤が、続いて大粒径の外添剤が阻止層として存在している。さらに続いて小粒径のトナー、大粒径のトナーと存在している。外添剤の阻止層の形成が、クリーニングの安定性には欠かせないことは既に知られているが、阻止層の最先端の外添剤はベルトの回転駆動により一部ニップ部に侵入することが観察された。
トナーが劣化すると、外添剤が埋め込まれるため、転写トナー成分中の遊離した外添剤量が減少し、ブレードの潤滑性が損なわれて摩耗が進む。従って、耐久を通してトナー劣化を抑制できれば、ブレードニップ部に遊離した外添剤を安定して供給することができ、ブレードの摩耗を更に効果的に抑えることができると考えられる。
本発明では、Ec/Eの値を1.00以上2.30以下に制御したトナーを用いることで、耐久を通して現像器内の撹拌トルクを低く抑えることができ、トナー劣化の抑制により、ブレード摩耗性をより抑制できる。
E及びEcの値を制御する方法は、トナー粒子に添加するシリカ粒子の種類の選択や処方の調整、添加量、添加条件によって制御する方法が挙げられる。
好ましい制御方法としては、一次粒子の個数平均粒径が4乃至20nmである小粒径のシリカ微粒子を添加する方法が好ましい。さらに、一次粒子の個数平均粒径が50nm以下の酸化チタン微粒子を添加してもよい。
本発明に用いられるシリカ微粒子は、シリカ原体をシリコーンオイル、並びに、シラン化合物及び/またはシラザン化合物によって疎水化処理することで製造されていることが好ましい。さらには、シリコーンオイル処理されているものが、ブレードニップ部における滑剤性の効果が高く好ましい。また、酸化チタン微粒子もシリコーンオイル処理されているものが好ましい。
シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が挙げられる。その際のシリコーンオイルの処理量は、シリカ微粒子100質量部に対して5〜40質量部が好ましい。
シラン化合物としては、メトキシシラン、エトキシシラン、プロポキシシラン等のアルコキシシラン類、クロルシラン、ブロモシラン、ヨードシラン等のハロシラン類、ハイドロシラン類、アルキルシラン類、アリールシラン類、ビニルシラン類、アクリルシラン類、エポキシシラン類、シリル化合物類、シロキサン類、シリルウレア類、シリルアセトアミド類、及びこれらのシラン化合物類が有する異種の置換基を同時に有するシラン化合物類があげられる。
シラザン化合物は、分子中にSi−N結合を有する化合物の総称である。具体的には、ジメチルジシラザン、トリメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン、ペンタメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、オクタメチルトリシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、テトラエチルテトラメチルシクロテトラシラザン、テトラフェニルジメチルジシラザン、ジプロピルテトラメチルジシラザン、ジブチルテトラメチルジシラザン、ジヘキシルテトラメチルジシラザン、ジオクチルテトラメチルジシラザン、ジフェニルテトラメチルジシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザンなどが挙げられる。
シリカ原体として、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成された、いわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造される、いわゆる湿式シリカの両者が使用可能である。本発明に用いられるシリカ微粒子は、疎水化処理工程中において、又は、疎水化処理工程後において解砕処理が施されたものであることが好ましい。さらに、2段階で疎水化処理を行う場合、疎水化処理工程の間に解砕処理を行うことも可能である。
シリコーンオイルによる疎水化処理、シラン化合物及び/またはシラザン化合物による疎水化処理は、乾式処理または湿式処理の何れでも構わない。
シリコーンオイルによる疎水化処理の具体的な手順は、例えば、シリコーンオイルを溶かした溶剤(好ましくは有機酸等でpH4に調整した溶剤)の中にシリカ微粒子を入れて反応させ、その後、溶剤を除去する。この後、解砕処理を施してもよい。続いて、シラン化合物及び/またはシラザン化合物による疎水化処理を行う場合、具体的な手順としては、これらを溶かした溶剤の中に、解砕された、シリコーンオイル処理済シリカ微粒子を入れて反応させ、その後、溶剤を除去し、解砕処理を施す。また、次のような方法でも良い。例えば、シリコーンオイルによる疎水化処理では、シリカ微粒子を反応槽に入れる。そして、窒素雰囲気下、撹拌しながらアルコール水を添加し、シリコーンオイルを反応槽に導入して疎水化処理を行い、さらに加熱撹拌して溶剤を除去し、解砕処理を行う。シラン化合物及び/またはシラザン化合物による疎水化処理では、窒素雰囲気下、撹拌しながら、シラン化合物及び/またはシラザン化合物を導入して疎水化処理を行い、さらに加熱撹拌して溶剤を除去した後に冷却する。本発明で用いられるシリカ微粒子において、シリコーンオイルの疎水化処理と、シラン化合物及び/またはシラザン化合物による疎水化処理の両方を実施することが好ましい態様の一つであり、当該疎水化処理はどちらを先に行ってもよい。
上記シリコーンオイルによる疎水化処理では、シリコーンオイルをシリカ原体の表面に化学的に固定化することが好ましい。そのため、化学的に固定化するために、加熱処理を行うことが好ましい。該加熱温度は100℃以上が好ましく、該加熱温度は高いほど好ましい。この加熱処理工程は、シリコーンオイル処理を行った直後に行うことが好ましいが、解砕処理を行う場合は、解砕処理工程後に加熱処理工程を行ってもよい。
本発明のトナーは、シリカ微粒子をトナー粒子100質量部あたり0.40質量部以上、2.00質量部以下含有することが好ましい。
<EおよびEcの測定方法>
本発明におけるEおよびEcは、「粉体流動性分析装置パウダーレオメータFT4」(Freeman Technology社製、以下、FT4と省略する場合がある。)を用いることによって測定する。具体的には、以下の操作により測定を行う。
全ての操作において、プロペラ型ブレードはFT4専用の48mm径ブレード(図7参照。型番:C210、材質:SUS、以下、ブレードと省略する場合がある。)を用いる。このプロペラ型ブレードは、48mm×10mmのブレード板の中心に法線方向に回転軸が存在する。そして、ブレード板は両最外縁部分(回転軸から24mm部分)が70°、回転軸から12mmの部分が35°というように、反時計回りになめらかにねじられたものである。
測定容器は、FT4専用の円筒状のスプリット容器(型番:C203、材質:ガラス、直径50mm、容積160ml、底面からスプリット部分までの高さ82mm、以下、容器と省略する場合がある。)を用いる。なお、温度23℃、湿度60%RHの環境下に3日以上放置されたトナーを、前記の測定容器に100g入れ、トナー粉体層とする。
(1)コンディショニング操作
(a)プロペラ型ブレードを、ブレードの最外縁部の周速が60mm/secとなるように、粉体層表面に対して時計回り(ブレードの回転により粉体層がほぐされる方向)に回転する。このブレードを、移動中のブレードの最外縁部が描く軌跡と粉体層表面とのなす角(以降、なす角と省略する場合がある。)が5°となる進入速度で、粉体層表面から、トナー粉体層の底面から10mmの位置まで垂直方向に進入させる。その後、なす角が2°となる進入速度に変えて、ブレードの最外縁部の周速が60mm/secとなるように、粉体層表面に対して時計回りに回転しながら、トナー粉体層の底面から1mmの位置までブレードを進入させる。さらに、なす角が5°の速度で、ブレードの最外縁部の周速が60mm/secとなるように、粉体層表面に対して時計回りに回転しながら、トナー粉体層の底面から100mmの位置までブレードを移動させ、抜き取りを行う。抜き取りが完了したら、ブレードを時計回り、反時計回りに交互に小さく回転させることでブレードに付着したトナーを払い落とす。
(b)(1)−(a)の操作を5回繰り返し、トナー粉体層中に取り込まれている空気を取り除く。
(2)圧縮操作
Ecを測定する際は、(1)でコンディショニング操作したトナー粉体層に3kPaの圧力を加えて、圧縮する。具体的には圧縮試験用ピストン(直径48mm、高さ20mm、下部メッシュ張り)を上記プロペラ型ブレードの代わりに装着する。このピストンを0.1mm/sで下降させてトナーを圧縮する。ピストンへの負荷が3kPaになったら下降を停止しそのまま60秒ホールドし、圧縮粉体層を形成する。
(3)スプリット操作
コンディショニングした粉体層もしくは圧縮粉体層を上述のFT4専用容器のスプリット部分ですり切り、粉体層上部のトナーを取り除く。尚、この操作により、トナー粉体層の体積を測定毎に同じとすることができる。
(4)測定操作
(i)Eの測定
(a)(1)−(a)と同様のコンディショニング操作を一回行う。
(b)プロペラ型ブレードを、ブレードの最外縁部の周速が100mm/secとなるように、粉体層表面に対して反時計回り(ブレードの回転により粉体層が押し込まれる方向)に回転する。このブレードを、なす角が5°となる進入速度で、粉体層表面から、トナー粉体層の底面から10mmの位置まで垂直方向に進入させる。その後、ブレードの最外縁部の周速が60mm/secとなるように、粉体層表面に対して時計回りに回転し、粉体層への垂直方向の進入速度をなす角が2°となる進入速度で、粉体層の底面から1mmの位置まで進入させる。さらに、なす角が5°の速度で、粉体層の底面から100mmの位置までブレードを移動させ、抜き取りを行う。抜き取りが完了したら、ブレードを時計回り、反時計回りに交互に小さく回転させることでブレードに付着したトナーを払い落とす。
(c)(4)−(i)−(b)の操作をさらに6回繰り返し、6回目における、トナー粉体層の底面から100mmの位置から10mmの位置までブレードを進入させた時に得られる回転トルクと垂直荷重の総和を、Eとする。
(ii)Ecの測定
圧縮粉体層に対して(4)−(i)−(b)の操作を同様に行ない、トナー粉体層の底面から100mmの位置から10mmの位置までブレードを進入させた時に得られる回転トルクと垂直荷重の総和を、Ecとする。
<シリカ微粒子の個数平均粒径>
トナーが含有するシリカ微粒子の平均一次粒径の測定は、トナー粒子100質量部に対してシリカ微粒子を1質量部添加したものを、FE−SEM S−4800(日立製作所製)により10万倍に拡大したトナー粒子表面の写真を撮影する。その拡大した写真を用いて100個以上のシリカ微粒子の粒径を測定、算術平均から求める。尚、シリカ微粒子の粒径は、形状が球形の場合はその絶対最大長を、長径と短径を有する場合は長径を、粒径としてカウントする。
<トナーの重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行なった。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetra150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
以下、実施例および比較例により本発明を詳細に説明する。はじめに、本発明の実施例及び比較例で用いたトナーの製造例について説明する。実施例中及び比較例中の部及び%は特に断りがない場合、全て質量基準である。
<トナー粒子(1)の製造例>
懸濁重合法により、以下の様にしてトナー粒子1を製造した。下記材料を混合し、2時間撹拌して極性樹脂を溶解させ、極性樹脂含有単量体組成物を得た。
・スチレン 34.0部
・アクリル酸n−ブチル 30.0部
・極性樹脂飽和ポリエステル樹脂〔テレフタル酸とPO変性ビスフェノールAから生成:Mp=9000、Tg=72℃、酸価=12.0mgKOH/g〕 5.0部
・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0部
また、下記材料を混合し、アトライター(三井鉱山社製)にてジルコニアビーズ(3/16インチ)とともに200rpmで3時間撹拌し、ビーズを分離して着色剤分散液を得た。
・スチレン 36.0部
・着色剤 C.I.Pigment Blue 15:3 6.0部
次いで、下記材料を混合した。
・極性樹脂含有単量体組成物 70.0部
・着色剤分散液 42.0部
続いて混合物を60℃に加温し、10.0部のワックス(HNP−51:日本精蝋株式会社製)を加えた。次いで、重合開始剤 パーブチルO(日油株式会社製)5.0部を添加し、5分間撹拌した。
一方、高速撹拌装置クレアミックス(エム・テクニック社製)を備えた容器中に0.1mol/L−NaPO水溶液875部および10質量%塩酸8.0部を添加し、回転数を15000rpmに調整し、60℃に加温した。ここに1.0mol/L−CaCl水溶液70部を添加し、微小な難水溶性分散剤Ca(POを含む水系媒体を調製した。重合性単量体組成物に重合開始剤投入後、5分経過後に、60℃の重合成単量体組成物を温度60℃に加温した水系媒体に投入し、クレアミックスを15000rpmで回転させながら15分間造粒した。その後高速撹拌機からプロペラ撹拌翼に撹拌機を変え、還流しながら60℃で5時間反応させた後、液温80℃とし、さらに5時間反応させた。重合終了後、液温を約20℃に降温し、希塩酸を加えて水系媒体のpHを3.0以下として難水溶性分散剤を溶解した。さらに洗浄、乾燥を行って重量平均粒径(D4)が6.0μmのトナー粒子1(外添剤を処理する前のトナー粒子)を得た。
<シリカ微粒子1の製造例>
第一処理工程として、フュームドシリカ(商品名AEROSIL380S、BET法による比表面積380m/g、一次粒子の個数平均径7nm、日本アエロジル株式会社製)100部に対し、10.0部のジメチルシリコーンオイルを噴霧し、シリカの流動化状態でシリコーンオイル処理を行なった。その後、攪拌しながら温度を300℃まで昇温させてさらに2時間攪拌することによって、ジメチルシリコーンオイルをフュームドシリカ表面に焼き付け、反応を終了した。
第二処理工程として、第一処理工程によって生成したシリカ微粒子に対し、30.0部のヘキサメチルジシラザン(以下HMDSとも言う)を内部に噴霧し、シリカの流動化状態でシラン化合物処理を行なった。この反応を60分間継続した後、反応を終了した。
<シリカ微粒子2の製造例>
シリカ微粒子1の製造例において、第一処理工程をHMDS処理、第二処理工程をシリコーンオイル処理に変更する以外は同様にしてシリカ微粒子2を得た。
<シリカ微粒子3の製造例>
シリカ微粒子2の製造例において、使用するフュームドシリカを(商品名AEROSIL200、BET法による比表面積200m/g、一次粒子の個数平均径12nm、日本アエロジル株式会社製)に変更する以外は同様にしてシリカ微粒子3を得た。
<酸化チタン微粒子1の製造例>
第一処理工程として、一次粒子の個数平均径15nmの酸化チタン微粒子(商品名MT−150A、テイカ(株)製)100部に対し、10.0部のイソブチルトリメトキシシランを内部に噴霧し、チタンの流動化状態でシラン化合物処理を行なった。この反応を60分間継続した後、反応を終了した。
第二処理工程として、第一処理工程によって生成したチタン微粒子に対し、10.0部のジメチルシリコーンオイルを噴霧し、30分間攪拌を続けた。その後、攪拌しながら温度を190℃まで昇温させてさらに3時間攪拌することによって、ジメチルシリコーンオイルを酸化チタン表面に焼き付け、反応を終了した。その後、酸化チタンの凝集体が無くなるまでジェットミルで繰り返し解砕処理を行い、酸化チタン微粒子1を得た。
<トナー1の製造例>
トナー粒子1:100.0部に対して、シリカ微粒子1:0.8部と酸化チタン微粒子1:0.8部を加えてヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用い、4000rpmで10分間混合してトナー1を得た。
トナー1の重量平均粒径(D4)は6.0μm、Eは400mJであり、Ec/Eは1.90であった。トナー1の物性を表1に示す。
<トナー2〜トナー5の製造例>
トナー1の製造例において、添加するシリカ微粒子と酸化チタン微粒子の種類と添加量を表1に記載のものに変更する以外はトナー1の製造例と同様にして、トナー2〜トナー5を得た。尚トナー5においては、酸化チタン微粒子を添加しなかった。トナー2〜トナー5の物性を表1に示す。
Figure 2016186581
(実施例1)
実施例1では、基層102と表層101の二層からなる中間転写ベルト13を用いた。以下に、中間転写ベルト13の作製方法について説明する。
<基層の作製>
まず、基層101の作製方法について説明する。ポリエチレンナフタレート樹脂をブロー成形することで、ボトル状成形体を得て、これを超音波カッターにより切断することで、無端状のベルト体を得た。なお、ポリエチレンナフタレート樹脂中には、抵抗調整剤としてカーボンブラックを分散している。このようにして得られた厚さ70μmのポリエチレンナフタレート樹脂ベルトを中間転写ベルト13の基層101として用いた。
<表層形成用塗工液の調製>
次に、表層形成用の塗工液の作製方法について説明する。紫外線を遮蔽した容器中に、
摺動性付与粒子:粒径200nmのPTFE粒子、
ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびペンタエリスリトールテトラアクリレートを含有するアクリル系紫外線硬化型ハードコート材料であるルシフラール(商品名、日本ペイント社製)を混合した。そこにPTFE粒子の分散剤としてフッ素系グラフトポリマーGF400(商品名、東亞合成社製)とメチルイソブチルケトンを添加して、高速せん断式分散器(ホモジナイザー)で処理することにより、粗分散を行った。
その後、粗分散処理を行った液を、高圧乳化分散器(ナノベータ:吉田機械興業社製)を用いて本分散処理を行った。さらに導電性粒子としてセルナックス(商品名、210IP:日産化学工業社製)に、分散剤として低分子量であるアミンを添加した液を撹拌しながら、PTFEの本分散処理が終了した液を滴下し、表層形成用の塗工液を得た。
<表層付与した中間転写ベルトの作製>
次に、基層上への表層形成方法について説明する。中間転写ベルト用の基層上に、表層形成用の塗工を、温度25℃、相対湿度60%の塗布環境でディップコートした。そして、塗工終了から10秒後に塗工環境と同じ場所にある紫外線照射装置(商品名:UE06/81−3、アイグラフィック社製、積算光量:1000mJ/cm)を用いて紫外線を照射し、表層102を硬化させた。その結果、厚さ3μmの樹脂硬化膜が形成され、この樹脂硬化膜を中間転写ベルト表層102とした。このようにして表層102を有する中間転写ベルト13を作製した。
次に、上記方法で得られた中間転写ベルト表層102に溝形状110の形成を行った。中間転写ベルト13を中間転写ベルト13の内径よりも若干大きな外径を有する円筒に弾性変形させて装着する。そして、粒度9μmの酸化アルミニウムを砥粒とするラッピングフィルム(Lapika#2000(商品名)、KOVAX社製)を前記円筒に装着された中間転写ベルト表面に面圧1.96N/mmで当接させ、40sec前記円筒を回転させた。これにより、表層102に溝幅111が2μm、溝深さ112が1μmの溝形状110が形成された中間転写ベルト13を得た。
<表層の観察評価1>
作製した中間転写ベルト13の表層102の観察視野(トナー平均粒径)四方における、表層102の面内平均粗さの測定を行った。測定には走査型プローブ顕微鏡(SPI3800:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)を用いた。カンチレバーはシリコーン製で、先端半径15nm以下、バネ定数15N/m、共振周波数136KHzのものを用いた。測定モードには、試料を破壊することなく、ナノオーダで精度の高い像を得ることができるダイナミックフォースモードを用いた。測定周波数は、0.3〜1.0Hzとした。前記トナー平均粒径の測定から得られたトナー平均粒径から観察視野を決定し、本実施例では6μm四方における表層102の面内平均粗さを測定した。なお、表層102の面内平均粗さは、重複しない任意の10カ所の平均値を測定結果とした。
<表層の観察評価2>
作製した中間転写ベルト13の表層102における、十点平均粗さRzjisの測定は以下の条件でおこなった。表面粗さ/輪郭形状測定器サーフコム1500SD(東京精密製)を用い、規格JIS B0601:2001に準拠し、カットオフ波長0.25mm、測定基準長さ0.25mm、測定長1.25mmで測定した。表層102の十点平均粗さRzjisは、中間転写ベルト13の回転駆動方向に直交する方向に、測定器の触針をスキャンさせて、任意の少なくとも5か所の平均値を測定結果とした。
<表層の観察評価3>
作製した中間転写ベルト13の表層102における接触面積率の測定は、コンフォーカル顕微鏡(OPTELICS、レーザーテック社製)を用いた。観察領域は100μm四方、測定波長は546nm、中間転写ベルトの厚み方向のスキャン頻度を0.2μmとし、表層厚み3μmのスキャンを行った。得られた表面形状に対し、以下の方法で接触面積率を算出する。
測定領域の最表面部から0.3μm基層側に閾値を設けて、最表面から0.3μm未満を接触領域、最表面から0.3μm以上を非接触領域と定義し、次式、
接触面積率%=(接触領域の面積/観察領域の面積)×100で算出した。上記方法で任意の少なくとも5か所の平均値を測定結果とした。
この値は、中間転写ベルト13の表面の移動方向と直交する方向におけるクリーニングブレード29の範囲内における、中間転写ベルト13の表面総面積に対する中間転写ベルト13の表面とクリーニングブレード29との接触面積の割合を代表することができる。
<転写効率評価>
作製した中間転写ベルト13とトナー1を、図2に記載の画像形成装置に装着し、転写効率の評価を行った。なお、トナー1は図2に記載のYMCKで示された全てのプロセスカートリッジのトナー容器5に充填して評価を行った。
画像パターンはYMCの各ステーションよりベタ画像を重ね、中間転写ベルト上の単位面積当たりのトナー量を1.3mg/cmとしたものとし、転写材Sに最適な二次転写バイアスにおいて、二次転写前後のトナー量から、転写効率を算出した。なお、転写効率の評価は、温度25℃、相対湿度50%環境下で、坪量90g/mの25% COTTON CONTENT(商品名)転写材を用いた。このとき、転写効率が94%未満だと、目視で確認できるレベルの画像不良(トナーの粒状感、白抜け)が発生していた。
<クリーニング耐久性評価>
画像形成装置のクリーニング性能の耐久性を調べるために図2のカラー画像形成装置を用いて通紙耐久評価を行った。作製した中間転写ベルト13を用い、トナーはYMCKの全てのカートリッジにトナー1を充填して評価した。
温度25℃、相対湿度50%環境下にてOCE社製Extra坪量80g/m、A4紙を用いて2枚間欠印刷で印字率1%の画像を100000枚まで通紙を行い、クリーニング不良の発生を確認した。クリーニング評価方法は、二次転写電圧をオフ(0V)にした状態で2次色画像(Y、Mステーションのトナー)をA4サイズ全面に印字した後に二次転写電圧を適正値に設定して3枚白紙状態で連続通紙する。そうすることで、二次転写部で転写材Sへほとんど転写されずに残ったY、Mステーションのトナーがクリーニングブレードに突入する。それらがクリーニングできていれば、その後通紙する3枚は全くの白紙状態で出力されるが、クリーニングできなければ、クリーニングブレードをすり抜けたトナーが白紙上に転写されてクリーニング不良画像として出力される。以上のような評価を10000枚通紙毎に行い、100000枚通紙後にクリーニングできていれば「A」、できなければ「B」とした。なお、トナーは印字が薄くなる毎にプロセスカートリッジを交換して補充を行った。実施例及び比較例の性能評価結果を表2に示す。
(実施例2)
実施例2では、実施例1よりも溝深さ112を大きくし、溝幅111が2μm、溝深さが1.5μmの溝形状110が形成された中間転写ベルト13を用い、転写効率とクリーニング性能を確認した。表層102に溝形状110を形成する際の中間転写ベルトに対するラッピングフィルムの当接時間を80secとした以外は、実施例1と同様にして表層102を有する中間転写ベルト13を得た。転写効率評価およびクリーニング耐久性評価結果を表2に示す。
(実施例3〜5)
本実施例3〜5では、実施例2において使用するトナーをトナー2〜4に変更した以外は、実施例2と同様にして評価を行った。各実施例で用いたトナー、転写効率評価およびクリーニング耐久性評価結果を表2に示す。
(実施例6)
実施例6では、実施例1よりも溝幅111を小さくし、溝幅111が1μm、溝深さが1μmの溝形状110が形成された中間転写ベルト13を用い、転写効率とクリーニング性能を確認した。表層102に溝形状110を形成する際のラッピングフィルムの押圧力を面圧0.98N/mmで行った以外は、実施例1と同様にして表層102を有する中間転写ベルト13を得た。転写効率評価およびクリーニング耐久性評価結果を表2に示す。
(実施例7)
実施例7では、実施例1よりも溝幅111を大きくし、溝幅111が2.5μm、溝深さが1μmの溝形状110が形成された中間転写ベルト13における、転写効率とクリーニング性能を確認した。表層102に溝形状110を形成する際のラッピングフィルムの押圧力を面圧3.92N/mmで行った以外は、実施例1と同様にして表層102を有する中間転写ベルト13を得た。転写効率評価およびクリーニング耐久性評価結果を表2に示す。
(実施例8)
実施例8では、実施例1よりも溝幅111、溝深さ112を大きくし、溝幅111が2.5μm、溝深さが2μmの溝形状110が形成された中間転写ベルト13を用い、転写効率とクリーニング性能を確認した。表層102に溝形状110を形成する際のラッピングフィルムの砥粒径を12μmとした以外は、実施例1と同様にして表層102を有する中間転写ベルト13を得た。転写効率評価およびクリーニング耐久性評価結果を表2に示す。
(比較例1)
比較例1では、中間転写ベルト表層102に溝形状110を形成していない中間転写ベルト13を用い、転写効率とクリーニング性能を確認した。表層102形成後に、ラッピングによる溝形状110を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして表層102を有する中間転写ベルト13を得た。転写効率評価およびクリーニング耐久性評価結果を表2に示す。
(比較例2)
比較例2では、トナー4よりもさらにEc/Eの値が大きいトナー5を用いた。さらに、実施例6で用いたベルトよりもさらに溝形状110を小さくし、溝幅111が0.5μm、溝深さが0.3μmの溝形状110が形成された中間転写ベルト13を用い、転写効率とクリーニング性能を確認した。表層102形成後に、中間転写ベルト表層102に溝形状110を形成する際のラッピングフィルムの砥粒径を5μmとした以外は、実施例1と同様にして表層102を有する中間転写ベルト13を得た。転写効率評価およびクリーニング耐久性評価結果を表2に示す。
(比較例3)
比較例3では、実施例8よりもさらに溝形状110を大きくし、溝幅111が4μm、溝深さが2.5μmの溝形状110が形成された中間転写ベルト13を用い、転写効率とクリーニング性能を確認した。表層102形成後に、中間転写ベルト表層102に溝形状110を形成する際のラッピングフィルムの砥粒径を12μmとし、中間転写ベルトに対するラッピングフィルムの当接時間を80secとした。それ以外は、実施例1と同様にして表層102を有する中間転写ベルト13を得た。転写効率評価およびクリーニング耐久性評価結果を表2に示す。
(比較例4)
比較例4では、中間転写ベルト表層102にフィラーを添加して、ランダムな凹凸形状を付与した中間転写ベルト13を用いて転写効率とクリーニング性能を確認した。表層形成用塗工液の調製時に、表層102への形状付与を目的として粒径1μmのスチレン・アクリル樹脂微粒子(ファインスウェア:日本ペイント社製)を樹脂の重量に対し50重量部添加した。それ以外は、比較例1と同様にして表層102を有する中間転写ベルト13を得た。転写効率評価およびクリーニング耐久性評価結果を表2に示す。
(比較例5)
比較例5では、比較例4よりも大粒径のフィラーを添加して、ランダムな凹凸形状を付与した中間転写ベルト13を用いて転写効率とクリーニング性能を確認した。表層形成用塗工液の調製時に、表層102への形状付与を目的として、粒径2μmのメラミンシリカ樹脂粒子(オプトビーズ:日産化学社製)を樹脂の重量に対し50重量部添加した。それ以外は、比較例1と同様にして表層102を有する中間転写ベルト13を得た。転写効率評価およびクリーニング耐久性評価結果を表2に示す。
Figure 2016186581
以上の評価結果から、転写効率が94%以上を得るためには、実施例8と比較例3および比較例5の結果から、6μm四方面内平均粗さが30nm以下である必要がある。次にクリーニング耐久性を満足するための表層形状は、実施例8と比較例4の結果から、ランダムな凹凸形状ではなく、クリーニングブレードに交差する溝形状が必要である。
1(1a、1b、1c、1d) 感光ドラム
8(8a、8b、8c、8d) 現像ユニット
9(9a、9b、9c、9d) プロセスカートリッジ
10(10a、10b、10c、10d) 一次転写ローラ
13 中間転写ベルト
14 駆動ローラ
15 テンションローラ
19 定着手段
25 二次転写ローラ
27 クリーニング手段
28 クリーニングブレード
101 中間転写ベルト基層
102 中間転写ベルト表層
103 アクリル樹脂
104 PTFE粒子

Claims (11)

  1. 像担持体を帯電手段により帯電する帯電工程、
    帯電された該像担持体を露光して静電潜像を形成する露光工程、
    該静電潜像をトナーで現像してトナー像を該像担持体上に形成する現像工程、
    該トナー像を中間転写ベルトを介して転写材へ転写する転写工程、
    該転写材上のトナー像を定着させる定着工程、および
    該中間転写ベルト上に残存する転写残トナーをクリーニングブレードで除去するクリーニング工程、
    を有する画像形成方法であって、
    該中間転写ベルトの表面が、該クリーニングブレードに交差する方向に溝形状を有し、
    該溝形状の幅が、該トナーの重量平均粒径(D4)の半分未満であり、
    該トナーの重量平均粒径四方(D4μm×D4μm)における、該中間転写ベルト表面の面内平均粗さが10nm以上30nm以下であり、
    該中間転写ベルトの回転方向に直交する方向における該中間転写ベルトの表面の十点平均粗さRzjisが、0.26μm以上0.67μm以下であり、
    該トナーは、
    結着樹脂と着色剤と離型剤を含有するトナー粒子と、
    シリカ微粒子と、を含有し、
    該トナーが下記式(1)および(2)を満足することを特徴とする画像形成方法。
    300(mJ)≦E≦450(mJ) (1)
    1.00≦Ec/E≦2.30 (2)
    (上記式(1)及び(2)中、
    Eは、粉体流動性分析装置においてプロペラ型ブレードの最外縁部の周速を100mm/sで回転させながら容器内のトナー粉体層中に垂直に進入させ、該粉体層の底面から100mmの位置から測定を開始し、底面から10mmの位置まで進入させた時に得られる、回転トルクと垂直荷重の総和(mJ)を示す。
    Ecは、3kPaの荷重負荷を与えたトナー粉体層中に上記Eを計測する要領で測定した、回転トルクと垂直荷重の総和(mJ)を示す。)
  2. 前記クリーニングブレードの接触面積率が、前記中間転写ベルトの表面総面積に対して80%以上97%以下である請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記中間転写ベルトの表面は、アクリル共重合体で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記中間転写ベルトは二層以上の層からなり、
    表層が、硬化性モノマーおよび/またはオリゴマー成分を含有する組成物の硬化物を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  5. 前記中間転写ベルトの表層が、さらに、フッ素含有粒子を含有する請求項4に記載の画像形成方法。
  6. 前記フッ素含有粒子は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である請求項5に記載の画像形成方法。
  7. 前記トナーが、さらに、酸化チタン微粒子を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  8. 前記シリカ微粒子および前記酸化チタン微粒子が、シリコーンオイルで処理されている請求項7に記載の画像形成方法。
  9. 前記クリーニングブレードは、ポリウレタンゴムを材料とするブレードである請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  10. 前記クリーニングブレードの硬度が、JIS K6253規格で70度以上80度以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  11. 前記クリーニングブレードは、前記中間転写ベルトに対して、カウンター方向で当接し、
    前記クリーニングブレードの前記中間転写ベルトに対する当接圧が0.4N/cm以上0.8N/cm以下である請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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