JP2006208737A - 電子写真用トナーおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
また、本発明の目的は、上記ト電子写真用トナーの製造方法を提供することにある。
【解決手段】 少なくとも結着樹脂、着色剤、及び無機微粒子で前処理された帯電制御剤とを含有する混練組成物を粉砕してなる電子写真用トナーである。また、混練組成物に使用する原材料を同時に混合せずに、先ず無機微粒子で帯電制御剤を前処理することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法である。
【選択図】 図2
Description
帯電制御剤は粉体であるが、凝集して塊となっていて流動性に劣り、他の材料と乾式混合し熱溶融混練してもほぐれにくく、解砕されずに大きな塊のまま分散不良の状態でトナー中に存在しやすい。帯電制御剤の分散が悪いと、トナー粒子毎に帯電制御剤の含有量にバラツキが生じ、また、トナー粒子表面及び内部に均一に存在することが困難になり、帯電量の分布が広くなり、帯電の立ち上がり性が低下し、地カブリやトナー飛散を増加させる等の不具合を生じる。
さらに、近年、写真調、とりわけカラー写真調の高品質画像が求められ、画像の解像力や細線の再現性の向上のためにトナーの小粒径化が進んでいるが、トナーが小粒径になるほど、混練組成物中での分散状態は同一でもトナー粒子中での分散は相対的に悪くなるので、前記不具合は顕著となる。
また、本発明の目的は、上記電子写真用トナーの製造方法を提供することにある。
本発明の電子写真用トナーの製造方法は、少なくとも1)帯電制御剤と無機微粒子とを混合し、前処理された帯電制御剤を作製する工程、2)該前処理された帯電制御剤に、少なくとも結着樹脂と着色剤とを追加して混合し原材料混合物を作製する工程、3)該原材料混合物を熱溶融混練し、押出して混練組成物を作製する工程、及び4)該混練組成物を粉砕・分級しトナーとする工程、とからなる。
また、本発明の電子写真用トナーの製造方法は上記電子写真用トナーを提供することができる。
<結着樹脂>
本発明における結着樹脂としては、ポリエステル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体樹脂、熱可塑性エラストマー、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル酸系樹脂、オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのα−オレフィン樹脂など)、ビニル系樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなど)、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、テルペンフェノール樹脂、ポリ乳酸樹脂、水添ロジン、環化ゴム、シクロオレフィン共重合体樹脂(α−オレフィンとシクロオレフィンとの共重合体)等が挙げられる。これらは、単独で、または2種以上組み合わせて使用できる。これらの中でも、トナーの画質特性、耐久性、生産性などの要求をバランスよく満たすことができるという観点から、ポリエステル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体樹脂が好ましい。ここで、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸および/またはメタクリル酸を意味する。
アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等のジオール類;1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のエーテル化ビスフェノール類;その他の二価のアルコール単量体を挙げることができる。これらのアルコールは、単独で、または2種以上組み合わせて使用してもよい。
三官能以上の多官能性単量体の使用量は、アルコールおよびカルボン酸の成分の合計100モルに対して、10〜90モル、好ましくは20〜80モル、さらに好ましくは30〜80モルの割合から適宜選択できる。
スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、アルキルスチレン(o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどのビニルトルエン、ビニルキシレン、p−t−ブチルスチレンなど)またはこれら誘導体、アルコキシスチレン(p−メトキシスチレンなど)またはこれら誘導体、p−フェニルスチレンまたはこれら誘導体、ハロスチレン(o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレンなど)またはこれら誘導体などが挙げられる。これらの単量体は単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。前記誘導体としては、アルキル置換体、アルキリデン置換体、アルコキシ置換体、アシル置換体、ハロゲン置換体、ニトロ置換体、アミノ置換体、ヒドロキシ置換体、カルボキシル置換体等が挙げられる。
また、酸価および帯電特性を調整するため、無水マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基または酸無水物基含有単量体を用いることが好ましい。
95重量部であり、非磁性一成分現像方式用では、好ましくは80〜95重量部であ
る。
本発明における着色剤としては、黒トナー用としては、ブラック用顔料、カラートナー用としては、マゼンタ用顔料、シアン用顔料、イエロー用顔料等が挙げられる。
ブラック用顔料としては、通常、カーボンブラックが挙げられる。カーボンブラックの個数平均粒子径、吸油量、PH等は、特に制限されることない。市販品としては、例えば、米国キャボット社製、商品名:リーガル(REGAL)400、660、330、300、SRF−S、ステリング(STERLING)SO、V、NS、R;コロンビア・カーボン日本社製、商品名:ラーベン(RAVEN)H20、MT−P、410、420、430、450、500、760、780、1000、1035、1060、1080;三菱化学社製、商品名:#5B、#10B、#40、#2400B、MA−100等が挙げられる。これらのカーボンブラックは、単独で、または2種以上組み合わせて使用できる。
ブラック用顔料としては、カーボンブラックの他、酸化鉄、フェライトなどの黒色の磁性粉も使用できる。
イエロー用顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、74、83、93、94、97、155、180等が挙げられる。これらのイエロー用顔料は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
本発明の静電荷像現像用トナーは、無機微粒子で前処理された帯電制御剤を含有することが必要である。
正帯電性の帯電制御剤としては、例えば、ニグロシンおよび脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の第四級アンモニウム塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート;ピリジウム塩、アジン、トリフェニルメタン系化合物、カチオン性官能基を有する低分子量ポリマー等が挙げられる。これらの正帯電性の帯電制御剤は、単独で、または2種以上組み合わせて使用してもよい。これらの正帯電性の帯電制御剤の中でも、ニグロシン系化合物、第四級アンモニウム塩が好ましく用いられる。
帯電制御剤の含有量は、トナー中、通常、0.5〜5重量%が好ましく、1〜4重量%がより好ましい。
帯電制御剤は、カラートナー用には無色あるいは淡色であることが好ましい。
混練組成物中の帯電制御剤の最大長径は0.3〜5.5μmであることが好ましく、0.5〜5μmがより好ましく、0.5〜3μmがさらに好ましく、0.5〜1.5μmが特に好ましい。
混練組成物中の帯電制御剤の最大長径が0.3μm未満であると帯電制御剤としての十分な効果がなくなる。5.5μmを越えると、トナー粒子の帯電性のバラツキが大きくなり帯電の立ち上がりが悪化したり、また帯電制御剤がトナー粒子から脱離するので特に小粒径トナーにおいては、画像品質に不具合を生じる。
シート状混練組成物の押出し方向に直角な断面の切片をミクロトーム(MT6000、デユポン社製)を用いて作製する。この切片を光学顕微鏡(BHS−SW、オリンパス(株)製)を用いて倍率400倍で観察し、写真撮影する。この写真から、帯電制御剤の最大長径を求める。
上記帯電制御剤は、無機微粒子で前処理されていることが必要である。
無機微粒子で前処理されることにより、帯電制御剤は流動性が高まり、原材料混合工程や、混練工程で凝集が解砕され、トナー中での分散が向上する。
無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン等が挙げられる。これらの無機微粒子は、単独で、または2種以上組み合わせて使用してもよい。これらの無機微粒子のうち、シリカが特に好適に使用できる。さらに、無機微粒子は表面処理され疎水性のものが好ましい。
無機微粒子は、平均粒子径、BET比表面積、表面処理など特に制限されなく、適宜選択できるが、平均1次粒子径が5〜100nmが好ましく、10〜30nmがより好ましい。またBET比表面積が50〜400m2 /gの範囲にあるものが好ましく70〜200m2 /gがより好ましい。平均1次粒子径5nm未満、またはBET比表面積が400m2 /gを越えるものは粒子径が小さいため通常製造されていないので高価なものになってしまう。平均1次粒子径が100nmを越えるか、またはBET比表面積が50m2 /g未満であると流動性が不足し解砕効果が上がらず、帯電制御剤の大きな凝集粒子が残ってしまう。
透過型電子顕微鏡を用い、試料支持メッシュ上に分散した微粒子の拡大投影写真を撮影し、100個の1次粒子の粒子径(長径と短径の平均)を測定し、数平均粒子径を求めた。
BET比表面積は、高濃度自動ガス吸着装置(日本ベル社製、商品名:BELSORP28)を用いて測定し、吸着用ガスとしてはN2ガスを用いる。測定に際しては、試料の表面に単分子層を形成するのに必要な吸着量Vm(cm3/g)を測定し、次式によってBET比表面積S(m2/g)を求めるものである。
S=4.35×Vm(m2/g)
本発明の静電荷像現像用トナーは、離型剤を含有していることが好ましい。離型剤としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、変性ポリエチレンワックスなどのポリオレフィン系ワックス;フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス;みつろう、鯨ろう等の動物系ワックス;カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス等の植物系ワックス;硬化ひまし油等の硬化油;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックスが挙げられる。これらの離型剤は、単独で、または2種類以上組み合わせて用いることができる。
試料約5mgを計量してアルミ製セルに入れて、示差走査熱量計(DSC)(セイコーインスツルメント社製、商品名:SCC−5200)に載置し、1分間に50mlのN2ガスを吹き込む。そして、0〜200℃の間を1分間あたり10℃の割合で昇温させ、200℃で10分間保持し、次に、200℃から0℃に1分間あたり10℃の割合で降温させ、次に上記条件で2回目の昇温をし、その時の最大吸熱ピークの頂点の温度を融点とする。
本発明の電子写真用トナーは、磁性トナーの場合は磁性粉を含有する。非磁性トナーの場合は必要に応じて、磁性粉を含有していてもよい。
磁性粉としては、例えば、コバルト、鉄、ニッケル等の金属;アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、マグネシウム、スズ、亜鉛、金、銀、セレン、チタン、タングステン、ジルコニウム、その他の金属の合金;酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ニッケル等の金属酸化物;フェライト、マグネタイトなどが挙げられ、代表的なものはフェライト及びマグネタイトである。
磁性粉としては、その平均一次粒子径が0.01〜3μmのものを好適に使用できる。 また、磁性粉の形状は、粒状、球状、6面体、8面体、多面体、針状、不定形のものを必要に応じて適宜選択すればよい。
透過型電子顕微鏡を用い、試料支持メッシュ上に分散した磁性粉の拡大投影写真を撮影し、100個の1次粒子の粒子径(長径と短径の平均)を測定し、数平均粒子径を求めた。
(無機微粒子)
本発明の静電荷像現像用トナーは、流動性向上や帯電安定性のために無機微粒子が表面に付着していることが好ましい。無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、カーボンブラック粉末、磁性粉等が挙げられる。これらの無機微粒子は、単独で、または2種以上組み合わせて使用してもよい。これらの無機微粒子のうち、シリカが特に好適に使用できる。さらに、表面処理された疎水性無機微粒子が好ましい。
無機微粒子は、平均粒子径、BET比表面積、表面処理など特に制限されなく、適宜選択できるが、平均1次粒子径が5〜100nmが好ましく、10〜30nmがより好ましい。またBET比表面積が50〜400m2/gの範囲にあるものが好ましく70〜200m2/gがより好ましい。平均1次粒子径5nm未満、またはBET比表面積が400m2/gを越えるものは粒子径が小さいため通常製造されていないので高価なものになってしまう。平均1次粒子径が100nmを越えるか、またはBET比表面積が50m2/g未満であると流動性向上の効果が不足し、また、トナー粒子から脱離しやすくなり感光体汚染を引き起こす。
本発明の電子写真用トナーは、前記無機粉粒子に加えて、さらに、ポリ4フッ化エチレン樹脂粉末、ポリフッ化ビニリデン樹脂などの樹脂微粉末が表面に付着していてもよい。 無機微粒子や樹脂微粉末を添加する割合は、電子写真用トナー100重量部に対して、0.01〜8重量部の範囲から適宜選択でき、好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜3重量部である。添加する割合が0.01重量部未満では、トナーの流動性や帯電安定性への効果が少なく、均一な画像が形成されにくく、8重量部を越えると、無機微粒子などが遊離しやすくなり、感光体や現像機部材に付着して画像品質を低下させる。
本発明の電子写真用トナーは、現像方式によって特に使用が制限されるものではなく、非磁性一成分現像方式、磁性一成分現像方式、二成分現像方式、その他の現像方式に使用できる。磁性一成分現像方式においては、磁性粉を結着樹脂に混合し磁性トナーとして使用する。二成分現像方式においては、トナーをキャリアと混合して使用する。近年、装置の簡便性やコスト的な観点から、一成分現像方式、特に非磁性一成分現像方式が好まれている。本発明の電子写真用トナーは、前記のとおり帯電部材や現像スリーブ等の現像機の各部材にトナーが融着しにくくすることが可能であり、一成分方式に適する。
体積平均粒子径は、粒度分布測定装置(マルチザイザーII、ベックマン・コールター社製)を用いて測定した体積50%径である。
本発明の電子写真用トナーの製造方法は、少なくとも1)帯電制御剤と無機微粒子とを混合し、前処理された帯電制御剤を作製する工程、2)該前処理された帯電制御剤に、少なくとも結着樹脂と着色剤とを追加して混合し原材料混合物を作製する工程、3)該原材料混合物を熱溶融混練し、押出して混練組成物を作製する工程、及び4)該混練組成物を粉砕・分級しトナーとする工程、さらに、5)必要に応じて該トナー粒子の表面に外添剤を付着させる工程により構成される。
粉砕方法としては、ハンマーミル、カッターミルあるいはジェットミル等の装置による粉砕方法が挙げられる。また、分級法としては、通常、乾式遠心分級機のような気流分級機による方法が挙げられる。
・原材料配合
・帯電制御剤(アゾ系クロム錯塩、負帯電性) 3.0部
(オリエント化学工業社製、商品名:ボントロンS−34)
・疎水性シリカ 0.2部
(日本アエロジル社製:商品名:R972、平均一次粒子径16μm、比表面積110m2/g)
・スチレンーアクリル酸系共重合体樹脂(三井化学社製、商品名:CPR100)
89.3部
・ポリエチレンワックス(ヘキスト社製、商品名:PE−130、融点130℃)
2.5部
・カーボンブラック(三菱化学社製、商品名:MA−100) 5.0部
上記帯電制御剤と疎水性シリカとをスーパーミキサーで2分間混合し、帯電制御剤を疎水性シリカで前処理した後、スチレンーアクリル酸系共重合体樹脂、ポリエチレンワックス、カーボンブラックを追加し10分間混合し、原材料混合物を得た。その後、前記原材料混合物を2軸混練機(池貝社製、商品名:PCM−65)に投入し、設定温度120℃で熱溶融混練し、吐出量90kg/Hで押出し、厚さ約1.5mmのシート状の混練組成物を得た。得られた混練組成物を粗粉砕した後、ジェットミルで粉砕し、乾式気流分級機で分級し、体積平均粒子径が9.0μmのトナーを得た。前記トナー100部に対し疎水性シリカ(日本アエロジル社製:商品名:R972)1部をヘンシェルミキサーで3分間混合し、表面に疎水性シリカが付着した本発明の電子写真用トナー(非磁性トナー)を得た。混練組成物中の帯電制御剤の最大長径は1.2μmであった。
・原材料配合
・帯電制御剤(アゾ系クロム錯塩、負帯電性) 3.0部
(オリエント化学工業社製、商品名:ボントロンS−34)
・疎水性シリカ 0.5部
(日本アエロジル社製:商品名:R972、平均一次粒子径16μm、比表面積110m2/g)
・スチレンーアクリル酸系共重合体樹脂(三井化学社製、商品名:CPR100)
54.0部
・ポリエチレンワックス(ヘキスト社製、商品名:PE−130、融点130℃)
2.5部
・磁性粉(マグネタイト) 40.0部
(戸田工業社製、商品名:EPT−1000、平均1次粒子径0.30μm、8面体)
上記帯電制御剤と疎水性シリカとをスーパーミキサーで2分間混合し、帯電制御剤を疎水性シリカで前処理した後、スチレンーアクリル酸系共重合体樹脂、ポリエチレンワックス、磁性粉を追加し10分間混合し、原材料混合物を得た。その後、前記原材料混合物を2軸混練機(池貝社製、商品名:PCM−65)に投入し、設定温度120℃で熱溶融混練し、吐出量90kg/Hで押出し、厚さ約1.5mmのシート状の混練組成物を得た。得られた混練組成物を粗粉砕した後、ジェットミルで粉砕し、乾式気流分級機で分級し、体積平均粒子径が9.0μmのトナーを得た。前記トナー100部に対し疎水性シリカ(日本アエロジル社製:商品名:R972)1部をヘンシェルミキサーで3分間混合し、表面に疎水性シリカが付着した本発明の電子写真用トナー(磁性トナー)を得た。混練組成物中の帯電制御剤の最大長径は1.1μmであった。
実施例1の混練用の原材料のすべてを同時にスーパーミキサーで混合した以外は実施例1と同様にして比較用の電子写真用トナーを得た。混練組成物中の帯電制御剤の最大長径は7.0μmであった。
実施例1の混練用原料のうち、疎水性シリカを除いた他の4種を同時にスーパーミキサーで混合した以外は実施例1と同様にして比較用の電子写真用トナーを得た。混練組成物中の帯電制御剤の最大長径は7.0μmであった。
実施例2の混練用の原材料のうち、疎水性シリカを除いた他の4種を同時にスーパーミキサーで混合した以外は実施例2と同様にして比較用の電子写真用トナーを得た。混練組成物中の帯電制御剤の最大長径は7.1μmであった。
実施例1の混練用の原材料のうち、疎水性シリカを除いた他の4種を同時にスーパーミキサーで混合し、2軸混練機の設定温度を90℃、吐出量を60kg/Hとした以外は実施例1と同様にして比較用の電子写真用トナーを得た。混練組成物中の帯電制御剤の最大長径は1.5μmであった。
実施例1及び比較例1、2及び4のトナーを、非磁性一成分方式のプリンター(エプソン社製、商品名:LP−9200)に搭載し、また、実施例2及び比較例3のトナーを、磁性一成分方式の複写機(パナソニック社製、商品名:DP−3200)に搭載し、A4の転写紙(68g/m2)を用い、初期及び耐久後(20000枚連続複写後)の画像特性として画像濃度、地カブリを測定した。
また、外部定着機を用いて耐オフセット特性を評価した。
なお、評価試験は、20℃、55%RHの環境で実施した。
測定結果を表1に示した。
1.画像濃度(ID)
反射濃度計(マクベス社製、商品名:RD914)で25mm×25mmのベタ画像の濃度を測定した。
2.地カブリ(BG)
白色度計(日本電色工業社製、商品名:MODEL Z−1001DP)を用い、プリント後の非画像部の白色度と、プリント前の白色度との差を地カブリの値とした。
上記プリンタまたは複写機を用い、A4の転写紙(68g/m2)に縦3cm、横6cmの帯状の未定着画像を作製した。ついで、表層がポリ4フッ化エチレンで形成された熱定着ローラと、表層がシリコーンゴムで形成された圧力定着ローラとが、対になって回転するオイルレス方式定着機を、ローラ圧力が1Kgf/cm2 、ローラスピードが200mm/secになるように調節し、熱定着ローラの表面温度を120〜240℃の間で10℃の間隔で段階的に上昇させて、各表面温度において上記未定着画像を有した転写紙のトナー像の定着をおこなった。定着後、余白部分にトナー汚れが生じるか否かの観察を行い、汚れが生じない温度領域を非オフセット温度領域とした。
実施例1及び2の本発明の電子写真用トナーは、帯電制御剤の最大長径が1.5μm以下であり、良く分散されていた。その結果、画像特性は、初期、耐久後とも画像濃度、地カブリとも実用上何ら問題ないレベルであった。
一方、比較例1、2のトナーは、帯電制御剤の分散最大長径が7.0μmと大きく、分散が悪かった。その結果、画像特性は初期、耐久後とも地カブリが多く、実用に耐えられないものであった。
比較例3のトナーは、帯電制御剤の分散最大長径が7.1μmと大きく、分散が悪かった。その結果、画像特性は初期、耐久後とも画像濃度が小さく、かつ地カブリが多く、実用に耐えられないものであった。
比較例4のトナーは、2軸混練機の温度を下げて剪断力を高め、吐出量を減らし時間をかけて混練をした。従って混練組成物中の帯電制御剤の最大長径は1.5μmと実施例1に近似し画像特性も同等であったが、高温側の非オフセット温度が低かった。
本発明の電子写真用トナーの製造方法は、上記電子写真用トナーを製造することができる。
Claims (7)
- 少なくとも結着樹脂、着色剤、及び無機微粒子で前処理された帯電制御剤とを含有する混練組成物を粉砕してなることを特徴とする電子写真用トナー。
- 上記混練組成物中での帯電制御剤の最大長径が0.3〜5.5μmであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
- 帯電制御剤に対する無機微粒子の比率が2〜50重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナー。
- 無機微粒子がシリカであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真用トナー。
- 帯電制御剤の含有量が0.5〜5.0重量%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真用トナー。
- 体積平均粒子径が3〜12μmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真用トナー。
- 少なくとも1)帯電制御剤と無機微粒子とを混合し、前処理された帯電制御剤を作製する工程、2)該前処理された帯電制御剤に、少なくとも結着樹脂と着色剤とを追加して混合し原材料混合物を作製する工程、3)該原材料混合物を熱溶融混練し、押出して混練組成物を作製する工程、及び4)該混練組成物を粉砕・分級しトナーとする工程、とからなる電子写真用トナーの製造方法。
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