JP2006208737A - 電子写真用トナーおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、帯電制御剤の分散を良好とすることにより、帯電の立ち上がりが優れ、よって、プリント開始初期から多数枚プリント後まで、画像濃度が十分であり、地カブリやトナー飛散を生じない電子写真用トナーを提供することにある。
また、本発明の目的は、上記ト電子写真用トナーの製造方法を提供することにある。
【解決手段】 少なくとも結着樹脂、着色剤、及び無機微粒子で前処理された帯電制御剤とを含有する混練組成物を粉砕してなる電子写真用トナーである。また、混練組成物に使用する原材料を同時に混合せずに、先ず無機微粒子で帯電制御剤を前処理することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法等に用いられる電子写真用トナーおよびその製造方法に関する。
一般に、電子写真方式の複写機やプリンターなどの画像形成装置は、光導電性を有する感光体上に静電潜像を形成し、その静電潜像にキャリアとの摩擦、あるいは現像装置の一部を構成する帯電部材との摩擦により、摩擦帯電電荷を得た絶縁性トナーを静電気的に付着して現像し、次いで形成されたトナー画像を、普通紙、フィルムなどの転写媒体に転写した後、加熱、加圧、溶剤蒸気等により転写媒体上に定着させることにより複写画像ないしプリント画像を形成することを基本原理とするものである。
静電潜像の現像方式としては二成分現像方式、磁性一成分現像方式、非磁性一成分現像方式に代表されるが、いずれの現像方式においても、トナーを帯電させ、その静電気力によってトナーを静電潜像に担持させて現像を行っていて、トナーの帯電性が不十分であるとトナーの帯電量が少なくなるだけでなく、逆帯電のトナー粒子が発生し、その結果、非画像部にまでトナーが付着し、得られた印刷物に地カブリが生じるという問題が生じた。
上記のとおり、使用する電子写真用トナーは、他の物質との摩擦により摩擦帯電することが必要である。そして適切な摩擦帯電量を得るために帯電制御剤を含有させることが従来から一般的に行われている。
帯電制御剤は粉体であるが、凝集して塊となっていて流動性に劣り、他の材料と乾式混合し熱溶融混練してもほぐれにくく、解砕されずに大きな塊のまま分散不良の状態でトナー中に存在しやすい。帯電制御剤の分散が悪いと、トナー粒子毎に帯電制御剤の含有量にバラツキが生じ、また、トナー粒子表面及び内部に均一に存在することが困難になり、帯電量の分布が広くなり、帯電の立ち上がり性が低下し、地カブリやトナー飛散を増加させる等の不具合を生じる。
さらに、近年、写真調、とりわけカラー写真調の高品質画像が求められ、画像の解像力や細線の再現性の向上のためにトナーの小粒径化が進んでいるが、トナーが小粒径になるほど、混練組成物中での分散状態は同一でもトナー粒子中での分散は相対的に悪くなるので、前記不具合は顕著となる。
帯電制御剤の分散を向上するには混練条件を強化すること、具体的には、例えば混練温度を下げて剪断力を高めること、混練機の吐出量を減らして長時間をかけて混練すること、混練機のスクリューを剪断力が強いパターンにすること、等で向上させることができるが生産性に劣ったり、このような手段をとっても十分な分散がなされるとは限らず、その上、結着樹脂中の高分子量成分の分子鎖が切断され、熱定着方式で定着する場合に、トナーの一部が加熱ローラーの表面に付着し、このトナーが紙等の転写媒体上に再転移して後続の印刷物を汚してしまうオフセット現象や、転写媒体が加熱ローラの表面に巻き付く、いわゆる巻き付き現象が発生するおそれが生じ、トナーの高温側の定着性が低下する傾向となった。また、現像ロールや帯電部材での融着や感光体表面でフィルミングを生じたり、トナーの流動性の低下や、保存性の低下、二成分現像剤でのキャリアの汚染(スペント)をもたらした。さらには、結着樹脂の強度が低下し、現像機内でトナーが微粉化し、地カブリの原因になったり、飛散して機内汚染を生じたりした。
特開平7−104520号公報 特開平10−90951号公報 特開平2−256071号公報 特開2002−91068号公報
本発明の目的は、帯電制御剤の分散を良好とすることにより、帯電の立ち上がりが優れ、よって、プリント開始初期から多数枚プリント後まで、画像濃度が十分であり、地カブリやトナー飛散を生じない電子写真用トナーを提供することにある。
また、本発明の目的は、上記電子写真用トナーの製造方法を提供することにある。
本発明者は、トナー中での帯電制御剤の分散を向上させ、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、無機微粒子で前処理された帯電制御剤を使用することにより、帯電制御剤の分散が顕著に改善されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の電子写真用トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、及び無機微粒子で前処理された帯電制御剤とを含有する混練組成物を粉砕してなる電子写真用トナーである(請求項1)。混練組成物中での帯電制御剤の最大長径が0.3〜5.5μmである(請求項2)。帯電制御剤に対する無機微粒子の比率が2〜50重量%である(請求項3)。無機微粒子がシリカである(請求項4)。トナー中の帯電制御剤の含有量が0.5〜5.0重量%である(請求項5)。トナーの体積平均粒子径が3〜12μmである(請求項6)。
本発明の電子写真用トナーの製造方法は、少なくとも1)帯電制御剤と無機微粒子とを混合し、前処理された帯電制御剤を作製する工程、2)該前処理された帯電制御剤に、少なくとも結着樹脂と着色剤とを追加して混合し原材料混合物を作製する工程、3)該原材料混合物を熱溶融混練し、押出して混練組成物を作製する工程、及び4)該混練組成物を粉砕・分級しトナーとする工程、とからなる。
このような本発明の電子写真用トナーは、小粒径トナーに好適に適用できる。 また、本発明の電子写真用トナーの製造方法は、小粒径トナーの製造に好適である。
本発明の電子写真用トナーは、帯電制御剤を無機微粒子で前処理することにより、帯電制御剤の流動性が向上し、その結果、帯電制御剤の凝集粒子が解砕され易くなり、帯電制御剤の分散が良好となることにより、小粒径であっても、帯電の立ち上がりが優れ、よって、プリント開始初期から多数枚プリント後まで、画像濃度が十分であり、地カブリやトナー飛散を生じない。また、混練条件を強化することなく帯電制御剤の分散を向上させているので、結着樹脂の高分子量成分の分子鎖が切断することがなく、トナーの一部が加熱ローラーの表面に付着し、このトナーが紙等の転写媒体上に再転移して後続の印刷物を汚してしまうオフセット現象や、転写媒体が加熱ローラの表面に巻き付く、いわゆる巻き付き現象が発生せず、高温側の定着性を良好にすることが出来る。また、現像ロールや帯電部材(例えば層厚規制ブレード)での融着や感光体表面でフィルミングを生じたり、トナーの流動性の低下や、保存性の低下、二成分現像剤でのキャリアの汚染(スペント)を防ぐことができる。さらには、結着樹脂の強度の低下を抑制できるので、現像機内でトナーが微粉化し、地カブリの原因になったり、飛散して機内汚染を生じることを防止できる。
また、本発明の電子写真用トナーの製造方法は上記電子写真用トナーを提供することができる。
本発明の電子写真用トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、及び無機微粒子で前処理された帯電制御剤とを含有する混練組成物を粉砕してなるものである。また、必要に応じて離型剤や低温定着剤としてのワックスやその他の助剤を添加することが好ましい。磁性トナーの場合は磁性粉を含有する。さらに必要に応じて、トナー粒子表面に無機微粒子や樹脂微粒子を付着させることが好ましい。
先ず、本発明の電子写真用トナーについて詳細に説明する。
<結着樹脂>
本発明における結着樹脂としては、ポリエステル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体樹脂、熱可塑性エラストマー、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル酸系樹脂、オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのα−オレフィン樹脂など)、ビニル系樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなど)、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、テルペンフェノール樹脂、ポリ乳酸樹脂、水添ロジン、環化ゴム、シクロオレフィン共重合体樹脂(α−オレフィンとシクロオレフィンとの共重合体)等が挙げられる。これらは、単独で、または2種以上組み合わせて使用できる。これらの中でも、トナーの画質特性、耐久性、生産性などの要求をバランスよく満たすことができるという観点から、ポリエステル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体樹脂が好ましい。ここで、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸および/またはメタクリル酸を意味する。
ポリエステル系樹脂としては、アルコールと、カルボン酸との縮重合により得られるものが挙げられる。
アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等のジオール類;1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のエーテル化ビスフェノール類;その他の二価のアルコール単量体を挙げることができる。これらのアルコールは、単独で、または2種以上組み合わせて使用してもよい。
カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらの酸の無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸の二量体、その他の二価の有機酸単量体を挙げることができる。これらのカルボン酸は、単独で、または2種以上組み合わせて使用してもよい。
ポリエステル系樹脂は、二官能性単量体のみによる重合体のみでなく、三官能以上の多官能性単量体による成分を含有する重合体であってもよい。多官能性単量体である三価以上の多価アルコール単量体としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、その他の三価以上の多価アルコール単量体を挙げることができる。
三価以上の多価カルボン酸単量体としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、これらの酸無水物、その他の三価以上の多価カルボン酸単量体挙げることができる。
三官能以上の多官能性単量体の使用量は、アルコールおよびカルボン酸の成分の合計100モルに対して、10〜90モル、好ましくは20〜80モル、さらに好ましくは30〜80モルの割合から適宜選択できる。
スチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体樹脂は、スチレン系単量体単位と(メタ)アクリル酸系単量体単位との共重合体で構成でき、必要に応じてその他の単量体単位を含有していてもよい。
スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、アルキルスチレン(o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどのビニルトルエン、ビニルキシレン、p−t−ブチルスチレンなど)またはこれら誘導体、アルコキシスチレン(p−メトキシスチレンなど)またはこれら誘導体、p−フェニルスチレンまたはこれら誘導体、ハロスチレン(o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレンなど)またはこれら誘導体などが挙げられる。これらの単量体は単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。前記誘導体としては、アルキル置換体、アルキリデン置換体、アルコキシ置換体、アシル置換体、ハロゲン置換体、ニトロ置換体、アミノ置換体、ヒドロキシ置換体、カルボキシル置換体等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル〔(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニルなどの(メタ)アクリル酸C1-20アルキルエステル、(メタ)アクリル酸C4-10シクロアルキルエステル〕、(メタ)アクリル酸アリールエステル、(メタ)アクリル酸C7-12アラルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル〔(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルなど〕、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキル〔(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルなど〕、ジC1-4 アルキルフォスフェートエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単量体は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
その他の単量体として、ビニル系単量体(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニルなど)、不飽和オレフィン系単量体(エチレン、プロピレンなど)、ジエン系単量体(イソプレン、ブタジエンなど)、不飽和ジカルボン酸(フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸およびこれらの無水物など)、(メタ)アクリロニトリル系単量体、(メタ)アクリルアミド系単量体、ケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンなど)、エーテル類(ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなど)等が挙げられる。これらのその他の単量体は、スチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体樹脂100重量部中、30重量部以下で含有することが好ましい。
また、酸価および帯電特性を調整するため、無水マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基または酸無水物基含有単量体を用いることが好ましい。
前記単量体により形成される好ましいスチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体樹脂としては、スチレン系単量体単位および(メタ)アクリル酸系単量体単位を主成分とする重合体、例えば、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸−n−ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸−n−ブチル共重合体などのスチレン−(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル等の多元重合体などが挙げられる。
結着樹脂の含有量は、電子写真用トナー(100重量部)中、好ましくは、40〜
95重量部であり、非磁性一成分現像方式用では、好ましくは80〜95重量部であ
る。
<着色剤>
本発明における着色剤としては、黒トナー用としては、ブラック用顔料、カラートナー用としては、マゼンタ用顔料、シアン用顔料、イエロー用顔料等が挙げられる。
ブラック用顔料としては、通常、カーボンブラックが挙げられる。カーボンブラックの個数平均粒子径、吸油量、PH等は、特に制限されることない。市販品としては、例えば、米国キャボット社製、商品名:リーガル(REGAL)400、660、330、300、SRF−S、ステリング(STERLING)SO、V、NS、R;コロンビア・カーボン日本社製、商品名:ラーベン(RAVEN)H20、MT−P、410、420、430、450、500、760、780、1000、1035、1060、1080;三菱化学社製、商品名:#5B、#10B、#40、#2400B、MA−100等が挙げられる。これらのカーボンブラックは、単独で、または2種以上組み合わせて使用できる。
カーボンブラックの含有量は、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部、さらに好ましくは1〜5重量部である。カーボンブラックの含有量が少なすぎると画像濃度が低下し、多すぎると画質が低下しやすく、トナー粒子中での分散性も低下する。
ブラック用顔料としては、カーボンブラックの他、酸化鉄、フェライトなどの黒色の磁性粉も使用できる。
マゼンタ用顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50,51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207、209;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2,10、13、15、23、29、35等が挙げられる。これらのマゼンタ用顔料は、単独で、または2種以上組み合わせて使用できる。
シアン用顔料としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45等が挙げられる。これらのシアン用顔料は、単独で、または2種以上組み合わせて使用できる。
イエロー用顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、74、83、93、94、97、155、180等が挙げられる。これらのイエロー用顔料は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
フルカラー用トナーのカラー用顔料としては、混色性および色再現性の観点から、マゼンタ用顔料としてはC.I.ピグメントレッド57、122が、シアン用顔料としては、C.I.ピグメントブルー15が、イエロー用顔料としては、C.I.ピグメントイエロー17、93、155、180が好適に使用できる。
カラー用顔料の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、通常、1〜20重量部であり、好ましくは3〜10重量部、さらに好ましくは4〜9重量部、特に好ましくは4.5〜8重量部である。カラー用顔料の含有量が上記範囲より少な過ぎると、画像濃度が低下し、多過ぎると帯電安定性が悪化して画質が低下しやすい。またコスト的にも不利である。また、カラー用顔料としては、あらかじめ結着樹脂となり得る樹脂中にカラー用顔料を高濃度で分散させた、いわゆるマスターバッチを使用してもよい。
<帯電制御剤>
本発明の静電荷像現像用トナーは、無機微粒子で前処理された帯電制御剤を含有することが必要である。
正帯電性の帯電制御剤としては、例えば、ニグロシンおよび脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の第四級アンモニウム塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート;ピリジウム塩、アジン、トリフェニルメタン系化合物、カチオン性官能基を有する低分子量ポリマー等が挙げられる。これらの正帯電性の帯電制御剤は、単独で、または2種以上組み合わせて使用してもよい。これらの正帯電性の帯電制御剤の中でも、ニグロシン系化合物、第四級アンモニウム塩が好ましく用いられる。
負帯電性の帯電制御剤としては、例えば、アセチルアセトン金属錯体、モノアゾ金属錯体、ナフトエ酸あるいはサリチル酸系の金属錯体または塩等の有機金属化合物、キレート化合物、アニオン性官能基を有する低分子量ポリマー等が挙げられる。これらの負帯電性の帯電制御剤は、単独で、または2種類以上組み合わせて用いることができる。これらの負帯電性の帯電制御剤の中でも、サリチル酸系金属錯体、モノアゾ金属錯体が好ましく用いられる。
帯電制御剤の含有量は、トナー中、通常、0.5〜5重量%が好ましく、1〜4重量%がより好ましい。
帯電制御剤は、カラートナー用には無色あるいは淡色であることが好ましい。
帯電制御剤は通常、1〜20μmの大きさに凝集している。
混練組成物中の帯電制御剤の最大長径は0.3〜5.5μmであることが好ましく、0.5〜5μmがより好ましく、0.5〜3μmがさらに好ましく、0.5〜1.5μmが特に好ましい。
混練組成物中の帯電制御剤の最大長径が0.3μm未満であると帯電制御剤としての十分な効果がなくなる。5.5μmを越えると、トナー粒子の帯電性のバラツキが大きくなり帯電の立ち上がりが悪化したり、また帯電制御剤がトナー粒子から脱離するので特に小粒径トナーにおいては、画像品質に不具合を生じる。
混練組成物中の帯電制御剤の最大長径の測定方法は下記の通りである。
シート状混練組成物の押出し方向に直角な断面の切片をミクロトーム(MT6000、デユポン社製)を用いて作製する。この切片を光学顕微鏡(BHS−SW、オリンパス(株)製)を用いて倍率400倍で観察し、写真撮影する。この写真から、帯電制御剤の最大長径を求める。
<無機微粒子>
上記帯電制御剤は、無機微粒子で前処理されていることが必要である。
無機微粒子で前処理されることにより、帯電制御剤は流動性が高まり、原材料混合工程や、混練工程で凝集が解砕され、トナー中での分散が向上する。
無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン等が挙げられる。これらの無機微粒子は、単独で、または2種以上組み合わせて使用してもよい。これらの無機微粒子のうち、シリカが特に好適に使用できる。さらに、無機微粒子は表面処理され疎水性のものが好ましい。
無機微粒子は、平均粒子径、BET比表面積、表面処理など特に制限されなく、適宜選択できるが、平均1次粒子径が5〜100nmが好ましく、10〜30nmがより好ましい。またBET比表面積が50〜400m /gの範囲にあるものが好ましく70〜200m /gがより好ましい。平均1次粒子径5nm未満、またはBET比表面積が400m /gを越えるものは粒子径が小さいため通常製造されていないので高価なものになってしまう。平均1次粒子径が100nmを越えるか、またはBET比表面積が50m /g未満であると流動性が不足し解砕効果が上がらず、帯電制御剤の大きな凝集粒子が残ってしまう。
無機微粒子の平均1次粒子径の測定方法は下記のとおりである。
透過型電子顕微鏡を用い、試料支持メッシュ上に分散した微粒子の拡大投影写真を撮影し、100個の1次粒子の粒子径(長径と短径の平均)を測定し、数平均粒子径を求めた。
無機微粒子のBET比表面積の測定方法は下記のとおりである。
BET比表面積は、高濃度自動ガス吸着装置(日本ベル社製、商品名:BELSORP28)を用いて測定し、吸着用ガスとしてはNガスを用いる。測定に際しては、試料の表面に単分子層を形成するのに必要な吸着量Vm(cm/g)を測定し、次式によってBET比表面積S(m/g)を求めるものである。
S=4.35×Vm(m/g)
帯電制御剤に対する無機微粒子の比率は、2〜50重量%であることが好ましく、3〜30重量%であることがより好ましく、4〜20重量%であることがさらに好ましい。無機微粒子が2重量%未満では、帯電制御剤の解砕が十分になされない。50重量%を越えるとトナーの特性に変化をきたす。
<離型剤>
本発明の静電荷像現像用トナーは、離型剤を含有していることが好ましい。離型剤としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、変性ポリエチレンワックスなどのポリオレフィン系ワックス;フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス;みつろう、鯨ろう等の動物系ワックス;カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス等の植物系ワックス;硬化ひまし油等の硬化油;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックスが挙げられる。これらの離型剤は、単独で、または2種類以上組み合わせて用いることができる。
離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、通常、1〜20重量部程度であり、1.5〜10重量部がより好ましく、1.5〜7重量部がさらに好ましい。離型剤の含有量が20重量部を越えると、耐融着性、保存性等が悪化するおそれがある。一方、離型剤の含有量が1重量部未満では、巻き付き現象が発生しやすく、また、定着特性が悪化するおそれがある。
本発明における離型剤の少なくても1種は、示差走査熱量計により測定される融点が50〜135℃のものが好ましく、70〜130℃がより好ましい。離型剤の融点が50℃未満では、トナーの耐融着性、および保存性が低下するおそれがあり、135℃を越えると、トナーの低温定着性および定着強度が低下するおそれがある。
離型剤の融点の測定は、ASTM D3418−82に準じ下記のとおりに行う。
試料約5mgを計量してアルミ製セルに入れて、示差走査熱量計(DSC)(セイコーインスツルメント社製、商品名:SCC−5200)に載置し、1分間に50mlのNガスを吹き込む。そして、0〜200℃の間を1分間あたり10℃の割合で昇温させ、200℃で10分間保持し、次に、200℃から0℃に1分間あたり10℃の割合で降温させ、次に上記条件で2回目の昇温をし、その時の最大吸熱ピークの頂点の温度を融点とする。
<磁性粉>
本発明の電子写真用トナーは、磁性トナーの場合は磁性粉を含有する。非磁性トナーの場合は必要に応じて、磁性粉を含有していてもよい。
磁性粉としては、例えば、コバルト、鉄、ニッケル等の金属;アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、マグネシウム、スズ、亜鉛、金、銀、セレン、チタン、タングステン、ジルコニウム、その他の金属の合金;酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ニッケル等の金属酸化物;フェライト、マグネタイトなどが挙げられ、代表的なものはフェライト及びマグネタイトである。
磁性粉の含有量は、電子写真用トナー(100重量部)中、通常、70重量部以下であり、非磁性トナーの場合は、15重量部以下である。磁性トナーの場合は、15〜70重量部であり、好ましくは25〜60重量部である。
磁性粉としては、その平均一次粒子径が0.01〜3μmのものを好適に使用できる。 また、磁性粉の形状は、粒状、球状、6面体、8面体、多面体、針状、不定形のものを必要に応じて適宜選択すればよい。
磁性粉の平均一次粒子径の測定方法は下記の通りである。
透過型電子顕微鏡を用い、試料支持メッシュ上に分散した磁性粉の拡大投影写真を撮影し、100個の1次粒子の粒子径(長径と短径の平均)を測定し、数平均粒子径を求めた。
<外添剤>
(無機微粒子)
本発明の静電荷像現像用トナーは、流動性向上や帯電安定性のために無機微粒子が表面に付着していることが好ましい。無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、カーボンブラック粉末、磁性粉等が挙げられる。これらの無機微粒子は、単独で、または2種以上組み合わせて使用してもよい。これらの無機微粒子のうち、シリカが特に好適に使用できる。さらに、表面処理された疎水性無機微粒子が好ましい。
無機微粒子は、平均粒子径、BET比表面積、表面処理など特に制限されなく、適宜選択できるが、平均1次粒子径が5〜100nmが好ましく、10〜30nmがより好ましい。またBET比表面積が50〜400m/gの範囲にあるものが好ましく70〜200m/gがより好ましい。平均1次粒子径5nm未満、またはBET比表面積が400m/gを越えるものは粒子径が小さいため通常製造されていないので高価なものになってしまう。平均1次粒子径が100nmを越えるか、またはBET比表面積が50m/g未満であると流動性向上の効果が不足し、また、トナー粒子から脱離しやすくなり感光体汚染を引き起こす。
(樹脂微粉末)
本発明の電子写真用トナーは、前記無機粉粒子に加えて、さらに、ポリ4フッ化エチレン樹脂粉末、ポリフッ化ビニリデン樹脂などの樹脂微粉末が表面に付着していてもよい。 無機微粒子や樹脂微粉末を添加する割合は、電子写真用トナー100重量部に対して、0.01〜8重量部の範囲から適宜選択でき、好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜3重量部である。添加する割合が0.01重量部未満では、トナーの流動性や帯電安定性への効果が少なく、均一な画像が形成されにくく、8重量部を越えると、無機微粒子などが遊離しやすくなり、感光体や現像機部材に付着して画像品質を低下させる。
<電子写真用トナー>
本発明の電子写真用トナーは、現像方式によって特に使用が制限されるものではなく、非磁性一成分現像方式、磁性一成分現像方式、二成分現像方式、その他の現像方式に使用できる。磁性一成分現像方式においては、磁性粉を結着樹脂に混合し磁性トナーとして使用する。二成分現像方式においては、トナーをキャリアと混合して使用する。近年、装置の簡便性やコスト的な観点から、一成分現像方式、特に非磁性一成分現像方式が好まれている。本発明の電子写真用トナーは、前記のとおり帯電部材や現像スリーブ等の現像機の各部材にトナーが融着しにくくすることが可能であり、一成分方式に適する。
二成分現像方式におけるキャリアとしては、例えば、ニッケル、コバルト、酸化鉄、フェライト、マグネタイト、鉄、ガラスビーズなどが使用できる。これらのキャリアは、単独で、または2種以上組み合わせて使用してもよい。キャリアとしては、その平均粒子径が20〜150μmであるものが好ましい。また、キャリアの表面は、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂などの被覆剤で被覆されていていてもよい。また、磁性体を結着樹脂中に分散したものでもよい。
本発明の電子写真用トナーは、モノカラー用トナーであっても、フルカラー用トナーであってもよく、特に小粒径を指向するフルカラー用として好ましく使用される。モノカラー用トナーでは、着色剤としてカーボンブラック等が使用でき、フルカラー用トナーでは、着色剤として、前記カラー用顔料が使用できる。
本発明の電子写真用トナーの体積平均粒子径は、特に限定されないが3〜12μm程度であり、4〜11μmが好ましく、5〜10μmがさらに好ましい。体積平均粒子径が3μm未満では、生産性が悪化する、帯電量が増大してカブリが増える、トナー粒子中の帯電制御剤の分散が相対的に悪化するなどの不具合が生じる。12μmを越えると高精細な画像を得難い。
体積平均粒子径は、粒度分布測定装置(マルチザイザーII、ベックマン・コールター社製)を用いて測定した体積50%径である。
<電子写真用トナーの製造方法>
本発明の電子写真用トナーの製造方法は、少なくとも1)帯電制御剤と無機微粒子とを混合し、前処理された帯電制御剤を作製する工程、2)該前処理された帯電制御剤に、少なくとも結着樹脂と着色剤とを追加して混合し原材料混合物を作製する工程、3)該原材料混合物を熱溶融混練し、押出して混練組成物を作製する工程、及び4)該混練組成物を粉砕・分級しトナーとする工程、さらに、5)必要に応じて該トナー粒子の表面に外添剤を付着させる工程により構成される。
原材料混合物を得る工程は、先ず、タービン型攪拌機、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の攪拌機に帯電制御剤と無機微粒子とを投入し攪拌する。次に、結着樹脂、着色剤、及び必要に応じてその他の原材料を投入し攪拌し原材料混合物とする。
熱溶融混練方法としては、種々の方法、例えば、2軸押出機による方法、バンバリーミキサーによる方法、加圧ローラによる方法、加圧ニーダーによる方法等が挙げられる。分散性および汎用性の観点から2軸押出機による方法が好ましい。混練組成物は、原材料混合物を2軸押出機により熱溶融混練し、2軸押出機の先端部の口金(ダイ)より押出すことにより得られる。2軸押出機の混練温度は、70〜250℃、好ましくは70〜200℃、さらに好ましくは90〜200℃程度である。
粉砕方法としては、ハンマーミル、カッターミルあるいはジェットミル等の装置による粉砕方法が挙げられる。また、分級法としては、通常、乾式遠心分級機のような気流分級機による方法が挙げられる。
また、必要に応じて、トナー粒子表面に、タービン型攪拌機、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の攪拌機を用いて攪拌することにより、前記[0043]及び[0044]に記載の無機微粒子および樹脂微粉末を付着させてもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、原材料の配合量は重量部である。
<実施例1>
・原材料配合
・帯電制御剤(アゾ系クロム錯塩、負帯電性) 3.0部
(オリエント化学工業社製、商品名:ボントロンS−34)
・疎水性シリカ 0.2部
(日本アエロジル社製:商品名:R972、平均一次粒子径16μm、比表面積110m/g)
・スチレンーアクリル酸系共重合体樹脂(三井化学社製、商品名:CPR100)
89.3部
・ポリエチレンワックス(ヘキスト社製、商品名:PE−130、融点130℃)
2.5部
・カーボンブラック(三菱化学社製、商品名:MA−100) 5.0部

上記帯電制御剤と疎水性シリカとをスーパーミキサーで2分間混合し、帯電制御剤を疎水性シリカで前処理した後、スチレンーアクリル酸系共重合体樹脂、ポリエチレンワックス、カーボンブラックを追加し10分間混合し、原材料混合物を得た。その後、前記原材料混合物を2軸混練機(池貝社製、商品名:PCM−65)に投入し、設定温度120℃で熱溶融混練し、吐出量90kg/Hで押出し、厚さ約1.5mmのシート状の混練組成物を得た。得られた混練組成物を粗粉砕した後、ジェットミルで粉砕し、乾式気流分級機で分級し、体積平均粒子径が9.0μmのトナーを得た。前記トナー100部に対し疎水性シリカ(日本アエロジル社製:商品名:R972)1部をヘンシェルミキサーで3分間混合し、表面に疎水性シリカが付着した本発明の電子写真用トナー(非磁性トナー)を得た。混練組成物中の帯電制御剤の最大長径は1.2μmであった。
<実施例2>
・原材料配合
・帯電制御剤(アゾ系クロム錯塩、負帯電性) 3.0部
(オリエント化学工業社製、商品名:ボントロンS−34)
・疎水性シリカ 0.5部
(日本アエロジル社製:商品名:R972、平均一次粒子径16μm、比表面積110m/g)
・スチレンーアクリル酸系共重合体樹脂(三井化学社製、商品名:CPR100)
54.0部
・ポリエチレンワックス(ヘキスト社製、商品名:PE−130、融点130℃)
2.5部
・磁性粉(マグネタイト) 40.0部
(戸田工業社製、商品名:EPT−1000、平均1次粒子径0.30μm、8面体)
上記帯電制御剤と疎水性シリカとをスーパーミキサーで2分間混合し、帯電制御剤を疎水性シリカで前処理した後、スチレンーアクリル酸系共重合体樹脂、ポリエチレンワックス、磁性粉を追加し10分間混合し、原材料混合物を得た。その後、前記原材料混合物を2軸混練機(池貝社製、商品名:PCM−65)に投入し、設定温度120℃で熱溶融混練し、吐出量90kg/Hで押出し、厚さ約1.5mmのシート状の混練組成物を得た。得られた混練組成物を粗粉砕した後、ジェットミルで粉砕し、乾式気流分級機で分級し、体積平均粒子径が9.0μmのトナーを得た。前記トナー100部に対し疎水性シリカ(日本アエロジル社製:商品名:R972)1部をヘンシェルミキサーで3分間混合し、表面に疎水性シリカが付着した本発明の電子写真用トナー(磁性トナー)を得た。混練組成物中の帯電制御剤の最大長径は1.1μmであった。
<比較例1>
実施例1の混練用の原材料のすべてを同時にスーパーミキサーで混合した以外は実施例1と同様にして比較用の電子写真用トナーを得た。混練組成物中の帯電制御剤の最大長径は7.0μmであった。
<比較例2>
実施例1の混練用原料のうち、疎水性シリカを除いた他の4種を同時にスーパーミキサーで混合した以外は実施例1と同様にして比較用の電子写真用トナーを得た。混練組成物中の帯電制御剤の最大長径は7.0μmであった。
<比較例3>
実施例2の混練用の原材料のうち、疎水性シリカを除いた他の4種を同時にスーパーミキサーで混合した以外は実施例2と同様にして比較用の電子写真用トナーを得た。混練組成物中の帯電制御剤の最大長径は7.1μmであった。
<比較例4>
実施例1の混練用の原材料のうち、疎水性シリカを除いた他の4種を同時にスーパーミキサーで混合し、2軸混練機の設定温度を90℃、吐出量を60kg/Hとした以外は実施例1と同様にして比較用の電子写真用トナーを得た。混練組成物中の帯電制御剤の最大長径は1.5μmであった。
<トナーの評価試験>
実施例1及び比較例1、2及び4のトナーを、非磁性一成分方式のプリンター(エプソン社製、商品名:LP−9200)に搭載し、また、実施例2及び比較例3のトナーを、磁性一成分方式の複写機(パナソニック社製、商品名:DP−3200)に搭載し、A4の転写紙(68g/m)を用い、初期及び耐久後(20000枚連続複写後)の画像特性として画像濃度、地カブリを測定した。
また、外部定着機を用いて耐オフセット特性を評価した。
なお、評価試験は、20℃、55%RHの環境で実施した。
測定結果を表1に示した。
<測定方法>
1.画像濃度(ID)
反射濃度計(マクベス社製、商品名:RD914)で25mm×25mmのベタ画像の濃度を測定した。
2.地カブリ(BG)
白色度計(日本電色工業社製、商品名:MODEL Z−1001DP)を用い、プリント後の非画像部の白色度と、プリント前の白色度との差を地カブリの値とした。
3.耐オフセット性
上記プリンタまたは複写機を用い、A4の転写紙(68g/m)に縦3cm、横6cmの帯状の未定着画像を作製した。ついで、表層がポリ4フッ化エチレンで形成された熱定着ローラと、表層がシリコーンゴムで形成された圧力定着ローラとが、対になって回転するオイルレス方式定着機を、ローラ圧力が1Kgf/cm 、ローラスピードが200mm/secになるように調節し、熱定着ローラの表面温度を120〜240℃の間で10℃の間隔で段階的に上昇させて、各表面温度において上記未定着画像を有した転写紙のトナー像の定着をおこなった。定着後、余白部分にトナー汚れが生じるか否かの観察を行い、汚れが生じない温度領域を非オフセット温度領域とした。
Figure 2006208737
<評価結果>
実施例1及び2の本発明の電子写真用トナーは、帯電制御剤の最大長径が1.5μm以下であり、良く分散されていた。その結果、画像特性は、初期、耐久後とも画像濃度、地カブリとも実用上何ら問題ないレベルであった。
一方、比較例1、2のトナーは、帯電制御剤の分散最大長径が7.0μmと大きく、分散が悪かった。その結果、画像特性は初期、耐久後とも地カブリが多く、実用に耐えられないものであった。
比較例3のトナーは、帯電制御剤の分散最大長径が7.1μmと大きく、分散が悪かった。その結果、画像特性は初期、耐久後とも画像濃度が小さく、かつ地カブリが多く、実用に耐えられないものであった。
比較例4のトナーは、2軸混練機の温度を下げて剪断力を高め、吐出量を減らし時間をかけて混練をした。従って混練組成物中の帯電制御剤の最大長径は1.5μmと実施例1に近似し画像特性も同等であったが、高温側の非オフセット温度が低かった。
図1〜図4の電子顕微鏡写真及び光学顕微鏡写真の模式図を用いて実施例および比較例を補足説明すれば、図1に示すように実施例1の帯電制御剤の未処理のものは、帯電制御剤が大きな粒子として見ることができるが、図2に示すように実施例1の帯電制御剤の前処理したものは、帯電制御剤の粒子の表面に疎水性シリカが全面的に付着しているのが判る。また、図3は実施例1の混練組成物の光学顕微鏡写真で、帯電制御剤は小さな粒子としてよく分散していることが判り、図4は比較例2の混練組成物の光学顕微鏡写真で、帯電制御剤は大きな粒子として凝集したままであることが判る。
本発明の電子写真用トナーは、あらゆる現像方式、転写方式、定着方式に好適である。モノカラー用にもフルカラー用にも適用できる。小粒径トナーにも適用できる。また、特殊用途(例えばMICR用)にも適用できる。
本発明の電子写真用トナーの製造方法は、上記電子写真用トナーを製造することができる。
実施例1に用いた帯電制御剤の未処理の状態の電子顕微鏡写真の模式図である。 実施例1に用いた帯電制御剤の前処理後の電子顕微鏡写真の模式図である。 実施例1の混練組成物の光学顕微鏡写真の模式図である。 比較例2の混練組成物の光学顕微鏡写真の模式図である。

Claims (7)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤、及び無機微粒子で前処理された帯電制御剤とを含有する混練組成物を粉砕してなることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 上記混練組成物中での帯電制御剤の最大長径が0.3〜5.5μmであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 帯電制御剤に対する無機微粒子の比率が2〜50重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナー。
  4. 無機微粒子がシリカであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  5. 帯電制御剤の含有量が0.5〜5.0重量%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  6. 体積平均粒子径が3〜12μmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  7. 少なくとも1)帯電制御剤と無機微粒子とを混合し、前処理された帯電制御剤を作製する工程、2)該前処理された帯電制御剤に、少なくとも結着樹脂と着色剤とを追加して混合し原材料混合物を作製する工程、3)該原材料混合物を熱溶融混練し、押出して混練組成物を作製する工程、及び4)該混練組成物を粉砕・分級しトナーとする工程、とからなる電子写真用トナーの製造方法。
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