JP3571152B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するための乾式トナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
静電荷像を現像する方式には、カスケード法、磁気ブラシ法等の天然または合成の樹脂に極性制御剤、着色剤を分散含有させたトナーといわれる微粉末現像剤を用いる静電現像方式がある。近年、デジタル式複写機、レーザープリンタの発展により、高精細画像、いわゆる高画質化の要求が多い。特にプリンターのように300dpiが主流のものが、今後は480dpiや600dpiなどが予想され、高画質化が主流となる。このためトナーの小粒径化が考えられる。
【0003】
しかし、トナーの小粒径化はトナー粒子の凝集性、付着性を生じやすく、静電荷像を現像する際補給部のトナーが現像部へ補給しにくく画像濃度が低下する現象、いわゆる補給不良、現像部から感光体へ現像しにくく画像濃度が低下する現像、いわゆる現像不良、感光体から転写されにくく画像濃度が低下する現象、いわゆる転写不良が発生しやすい。これらは、いずれもトナーの小粒径化によるトナー粒子の凝集性、付着性の増加により生じるものである。小粒径化すると、トナーの比表面積が増加し、凝集性、付着性が悪化し、流動性が低下する。凝集性が悪いと、現像時、キャリアとの帯電の時、トナーの偏在が生じ、トナーとキャリアの摩擦帯電が十分生じないので、短時間での帯電立ち上がりが悪く、帯電のバラツキ、帯電量の低下が生じるのである。なお、ここでいう凝集性が悪くなることは凝集する度合が大きいことを意味する。
【0004】
このような、帯電のバラツキ、帯電量の低下が生じると、帯電量の低いトナー粒子は非画像部に顕像されやすく、地汚れの発生となる。又、画像部に現像されにくく、画像濃度低下が発生する。又、流動性が悪いと、トナー補給不良が生じ、現像部への現像量が低下し、画像濃度低下が生じる。又、付着性が悪いとトナーと感光体部との付着が強く、転写の際、感光体部残量が多く、転写紙への転写量が少ない転写不良が生じ、画像濃度低下や、画像部での白抜け部が生じる。このような凝集性、付着性、流動性の悪化は、小粒径トナーほど顕著になる。
【0005】
これらの問題に対し、従来よりトナー形状面及び製造方法面から検討されてきた。トナー形状面からはトナー形状値を規定するものも知られている。又、製造方法からはトナーに添加物を表面に付着する方法が一般的に知られている。更に、帯電のバラツキ、帯電量の低下はトナーの表面組成とも関係が深く、表面組成については、表面染料量を規定したものが知られている。
【0006】
例えば、トナー形状に関する特許は、(1)重合トナー及び球形化トナー製造例が重合トナーについては、特開昭60−117252〜5には、ワーデルの実用球形度(ルーゼックスによる画像解析)が0.95〜1.0、カーボンブラック又は樹脂又は帯電量規定の磁性重合トナーにより、トビ、チリ、カブリ、高画像濃度、定着、環境向上を目的とするもの、特開昭60−121455及び60−121457には、ワーデルの実用球形度(ルーゼックスによる画像解析)が0.95〜1.0、ワックス又は磁性体規定の重合トナーにより、定着性、オフセット、画像濃度向上を目的とするもの、特開平3−84558には、真円度(短径/長径比)が0.95〜1.0の憤霧造粒、重合トナーにより、解像度、耐久性向上を目的とするもの、特開平3−229268には、真球度(短径/長径比)≧7の重合トナーにより、耐湿性向上を目的とするもの、特開平3−248162には、添加物混合前のBET比表面積/コールター比表面積>3.0の重合トナーにより、帯電性、クリーニング性の向上を目的とするもの、特開平4−1766及び4−1767には、外接円内接円比が1.0〜1.2、周辺長内接円比が1.01〜2.0の溶融スプレー、溶剤添加、重合トナーにより、耐久性、クリーニング向上を目的とするもの、特開平4−102862〜4には、真球度(短径/長径比)≧0.8の重合カラートナーにより、画像再現性向上を目的とするものが開示されている。(2)球形化トナー製造例が粉砕トナーの球形化処理を含むものは、特開平2−87157、及び特開平2−146557にはワーデルの実用球形度(コールター比表面積/BET比表面積)が0.4〜0.8、ポリオレフィンの表面割合が10〜40%又は特定磁性体含有の、機械衝撃により粉砕トナーを球形化した磁性トナーにより、転写向上を目的とするもの、特開昭63−244052には、短径/長径比が0.7〜0.9の、粉砕分級後に熱処理、低圧ジェットミル、衝撃式粉砕機等により角とりしたトナーに壁剤を打ち込んだトナーにより、トナー表面制御、高画質向上を目的とするもの、特開平4−102861には、最大頻度粒子の形状係数(周囲長/4π投影面積)が1.05〜1.30、個数平均粒径3〜15μmの、熱風、摩滅により粉砕トナーを球形化したトナーや、重合トナーにより、クリーニング向上を目的とするもの、特開昭63−235953〜6、及び特開平2−85865には、円形度(同面積円の周長/投影面の周長)=0.7〜0.8、機械衝撃の繰り返しにより粉砕トナーを球形化した、磁性トナー又は特定ポリエステルトナー又は定着性改良剤(WAX等)含有トナー又は非磁性−成分トナーにより、現像性、クリーニング性向上を目的とするものが開示されている。
【0007】
又、トナー表面特性に関する特許では、特公平6−19593(特開昭61−36757)には、表面染料濃度0.004〜0.009g/gのトナーを使った現像剤により、現像剤の長寿命化を目的とするもの、特開平4−83266には、表面染料濃度0.004〜0.006g/gのトナーと、特定キャリアからなる現像剤により、帯電特性の安定化を目的とするもの、特開平3−31859には、粗大粒子含有率と表面染料濃度の関係を規定した粉砕トナーにより、カブリ(非画像部の汚れ)減少を目的とするもの、特開平3−171147には、表面染料濃度0.005g/g未満、電荷制御用極性基含有単体量の規定したトナーにより、画像劣化をなくすことを目的とするものが開示されている。
【0008】
しかしながら、形状に関する特許の多くは、重合法や溶液溶解法により製造した球形トナーであり、現状の製造設備(混練、粉砕、分級)と大きく異なるので、新規設備が必要である。又、重合法や溶液溶解法により製造したトナーは真球状であるが、凝集性、付着性、流動性と形状の関係からは、凝集性、付着性、流動性を向上させるためであれば、真球でなくても、不定形で鋭角部分のない、表面がやや平滑なトナーで十分であるので、現状の製造設備と大きく異なる新規設備は不必要である。
【0009】
トナーの形状を表わすものに、次のようなものがある。
短長度 短径/長径(あるいは長径/短径)
円形度 (粒子の投影面積と同じ面積を有する円の周長/粒子投影像の輪郭の長さ)
形状係数 粒子周囲長/4π投影面積
これらの形状値は、形状が円形に近いほど数値は1.0に近づく。しかし、例えば楕円のような扁平になるほど、数値は小さく(あるいは大きく)なり、不定形での鋭角部の有無、表面平滑性を表わさない。
【0010】
又、その他の形状値として次のものがある。
Wadellの真の球形度=実際の粒子と同じ体積を有する球(等体積球)の表面積/実際の粒子の表面積
Wadellの実用球形度=粒子の投影面積に等しい面積の円の直径/粒子の投影像に外接する最小円の直径
このうち、実際の粒子と同じ体積を有する球(等体積球)の表面積は、球相当比表面積を求められるコールターカウンター比表面積を、実際の粒子の表面積は、BET式比表面積を使用している方法と、粒子の投影面積に等しい面積の円の直径、粒子の投影像に外接する最小円の直径は高倍率の電子顕微鏡等の画像、写真を画像解析して求めている方法がある。Waddelの真の球形度、実用球形度のどちらかの方法でも、形状が真球に近いほど数値は1.0に近づく。このうち、BET式比表面積測定による比表面積測定は、トナー表面の外部表面積、空孔や亀裂内部の表面積である内部表面積を測定できる。
又、画像解析による粒子投影面積計算や、粒子周囲長の計算も、高倍率の電子顕微鏡等の画像、写真を利用するため、空孔や亀裂などの微細表面状態の形状値、言い換えると、内部及び外部表面の形状値を計算できる。
【0011】
しかし、帯電や、凝集に寄与するのは粒子同士が摩擦、付着する外部表面積であるので、帯電、凝集に寄与する球状係数としては、内部表面積を含まない外部表面積測定値のほうがよい。内部及び外部表面積からの上記のような形状値では、細孔、亀裂を含む形状が測定できるので、形状の厳密な数値化には適当であるが、帯電、凝集に寄与する形状値して表わすことは適当ではない。又、トナー表面組成である表面染料量は、帯電に大きく寄与するが、摩擦帯電量にはトナーの表面積も大きく寄与することが知られている。表面積は、トナーの粒径や形状により異なる。従って、トナー表面の染料量を規定する場合、トナーの形状、比表面積を考慮しない規定量は帯電量を正しく制御することができないという問題もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は混練物を粉砕、分級するトナーにおいて、上記問題点を解決し、小粒径トナーでも凝集性、流動性、付着性が良好で、帯電立ち上がりが良く、補給性、現像性、転写性が良好であるトナーを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、真球ではなく、不定形で鋭角部分がなく、表面がやや平滑なトナーにより、小粒径トナーでも凝集性、流動性、付着性が良好で、帯電立ち上がりが良く、補給性、現像性、転写性が良好であることを見出し、比表面積測定手法を用いて、このトナーを特定する形状係数を見出し、また、トナー表面特性である付着力係数が高いほど、小粒径トナーでも、流動性が良好で、帯電立ち上がりが良く、転写性が良好であることを見出し、タッピング回数による嵩密度変化から測定する手法を用いて、このトナーの流動性係数を見出し本発明に至った。
即ち、本発明は以下の(1)〜(11)である。
【0013】
(1)結着樹脂、荷電制御剤、着色剤及び定着助剤からなる混練物を粉砕時に粉砕部とトナー間の摩擦による摩耗により角とり処理を行うことによって得られる乾式トナーにおいて、外部表面形状係数が0.60以上であり、かつ付着力係数が30以上であり、添加物未混合トナーの凝集度が55%以下であることを特徴とするトナー。(ここで、外部表面形状係数=等体積球相当粒子径より求めた比表面積/空気透過式より求めた実際の比表面積)
【0015】
本発明においては、上記のように樹脂、帯電制御剤、着色剤からなる混練物を粉砕、分級によりトナーを製造する方法において、トナーの外部表面形状係数が0.60以上であることにより、特に付着係数が30以上であることにより転写性が良好で、品質の高い画像が得られる。ここで、外部表面形状係数=等体積球相当粒子径より求めた比表面積/空気透過式より求めた実際の比表面積、である。この外部表面形状係数はトナー形状が不定形において鋭角部分が無く、表面が滑らかであるほど、高い値になる。通常の粉砕トナーであれば、この外部表面形状係数は0.50になる。この外部表面形状係数が0.60以上の時、不定形で鋭角部分がなく、トナー表面は平滑になるので、トナーの流動性、凝集性が良好になり、トナー補給性、現像性、転写性の向上により、画像濃度が高くなる。又、トナー流動性向上により帯電性も向上し、地汚れ(非画像部の汚れ)が減少する。外部表面形状係数が0.60未満のときはトナーの流動性、凝集性が悪くなり、トナー補給性、現像性、転写性が低下し、画像濃度低下、地肌汚れの増加が生じる。
【0016】
本発明において、等体積球相当粒子径より求めた比表面積は、コールターエレクトリク社製コールターマルチサイザー測定により求めた。空気透過式より求めた実際の比表面積は、三協電業(株)製のウェットテスター測定により求めた。ウェットテスター測定は、以下のように行う。圧密金具とコンパクタにより測定セル内に空隙率50%の粉体層を形成する。その粉体層にエアポンプを使用し空気を透過させる。比表面積が大きいほど、一定流量の空気を流すために高圧の空気が必要になる。空気圧は圧力変換機にて測定し、空気流量は流量計にて測定し、空気流量と空気圧の関係から、比表面積を求めた。
【0017】
また、付着力係数が30以上の時、トナー表面は平滑なので、トナーの流動性、凝集性が良好になり、トナー補給性、現像性、転写性の向上により、画像濃度が高くなる。そして、トナー流動性向上により帯電性も向上し、地汚れ(非画像部の汚れ)が減少する。付着力係数が30未満のとき、トナーの流動性、凝集性が悪くなり、トナー補給性、現像性、転写性が低下し、画像濃度低下、地肌汚れの増加が生じる。
【0018】
本発明において、付着力係数は、タッピング回数による嵩密度変化から測定した。嵩密度測定は、以下のように行なう。メスシリンダー上で目開き70μmのフルイを振動させながらトナーをメスシリンダー内に投入、メスシリンダーを一定高さで上昇、落下させるタッピングを繰り返し、タッピング100回ごとの嵩密度を測定する。タッピングはホソカワミクロン(株)のパウダーテスターのタッピングモードにて行なった。タッピング回数をX、タッピング回数/嵩密度をYとしたときの単相関式を計算によりもとめ、相関式のY接片bの逆数1/bを付着力係数とする。
【0019】
又、球形化処理の時、熱風を使用した表面溶融処理など、樹脂軟化点を超える処理を行った場合、凝集性が悪化する。この時、添加物混合前のトナーの凝集度を測定すると、凝集度が高いことがわかった。これは熱風処理により、低軟化樹脂成分や低分子量樹脂成分が溶け出し、トナー表面に多くなるためと考えられる。
【0020】
上記の形状係数のトナーにおいて添加物混合前のトナーの凝集度55%以下、好ましくは50%以下であるトナーでは、帯電特性が安定し、品質の高い画像が得られる。凝集度55%より大きい値では、トナー凝集が大きく、帯電が不十分になる。なお、トナーの凝集度は、ホソカワミクロン社のパウダーテスターにより測定した。
【0021】
又、トナーの体積固有抵抗が低い場合、導電性がよくなり、帯電が生じにくい。トナーの体積固有抵抗が9.8 logΩcm以上、好ましくは10 logΩcm以上であれは、帯電しやすい。しかし、体積固有抵抗が9.8 logΩcm未満であれば、帯電しにくくなり、帯電特性が不安定となり、現像しにくくなり、画像濃度低下、地汚れの増加が生じる。なお、体積固有抵抗はステンレスセル内にトナーを挿入し、加圧圧縮しペレットを作成する。そのペレットの上下に電極板をはさみ、抵抗を測定した。
【0022】
又、トナーの標準の帯電量(標準帯電量)は、飽和帯電量あるいは飽和帯電量の80%以上達成する撹拌時間(標準撹拌時間)での帯電量である。なお、帯電量の測定はボールミル等の筒上容器にトナー、キャリアを投入し、撹拌し、ブローオフ装置にて測定する。
【0023】
一方、トナーが帯電しやすく、帯電立ち上がりが良いと、コピー中に新たなトナーが補給されても素早く帯電するので、画像濃度、地汚れとも問題ない。帯電立ち上がり良さは、標準帯電量を得る撹拌時間の1/10の撹拌時間での帯電量と、標準帯電量の比〔(標準帯電量を得る撹拌時間の1/10の撹拌時間での帯電量)/標準帯電量〕で求めることができる。この比が0.6以上、好ましくは0.7以上である、帯電立ち上がりが良く、トナー補給時地汚れが向上する。この比が0.6未満であれば、トナー補給時地汚れが生じる。
【0024】
又、トナーの撹拌時間が標準撹拌時間の1/40の撹拌時間での帯電量と、標準帯電量の比〔(撹拌時間が標準撹拌時間の1/40の撹拌時間での帯電量)/標準帯電量〕により、キャリア中へのトナーの分散性をみることができる。この比が0.3以上、好ましくは0.4以上であれば、キャリア中へのトナーの分散がよく、トナー凝集による大粒状の黒斑点、地汚れが生じない。この比が0.3未満であれば、トナー凝集による大粒上の黒斑点、地汚れが生じる。
【0025】
更に、トナーの撹拌時間が撹拌時間の3倍の撹拌時間の帯電量と、標準帯電量の比〔(撹拌時間が標準撹拌時間の3倍の撹拌時間の帯電量)/標準帯電量〕が0.7以上、好ましくは0.8以上であれば、複写機中での長時間撹拌においても帯電低下が生じないので、現像剤寿命が長い。この比が0.7未満の場合は、長時間撹拌による帯電低下が生じ、現像剤寿命が短い。
【0026】
本発明においては、トナーの体積平均粒径は5〜20μmが望ましく、5〜20μmであれば、画像細線の再現性がよい。
又、トナーの粒径分布は、体積平均粒径/個数平均粒径(Dw/Dn)で表わされる。この比が1.5以下、好ましくは1.3いかであれば、分布幅が狭いほど画像細線や1ドット再現性がよい。トナーの微粉分の帯電量が高いので、この比が1.5より大きい場合、帯電バラツキが大きく、地汚れ発生しやすくなる。
【0027】
本発明のトナーに用いられる結着樹脂としては、公知のものすべて使用できる。例えばポリスチレン、ポリp−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合隊、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピル共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリチメルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが単独あるいは混合して使用できる。
【0028】
又、圧力定着用結着樹脂としては、公知のものすべて混合して使用できる。例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂等のオレフィン共重合体、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸、マレイン酸変性フェノール樹脂、フェノール変性テルペン樹脂などが単独あるいは混合して使用できる。
これらの樹脂で樹脂Tgが58℃以上、好ましくは60℃以上であれば、トナージェットミル粉砕にて球形化処理を行う時に、トナー粒子同士、あるいはトナーと粉砕室壁との衝突にて生じる発熱による融着を抑えられるので、球形化加工しやすい。
【0029】
本発明においては、定着助剤を含有することにより、定着ロールにトナー固着防止用オイルを塗布しない定着システム、いわゆるオイルレスシステムにおいても使用できる。定着助剤としては、公知のものすべて混合して使用できる。例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、パラフィンワックス、アミド系ワックス、多価アルコールワックス、シリコーンワニス等使用できる。
【0030】
本発明で用いられる着色剤としては、トナー用として公知のものが使用できる。例えば黒色の着色剤としては、カーボンブラック、アニリンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等が使用できる。シアンの着色剤として、例えばフタロシアニンブルー、メチレンブルー、ビクトリアブルー、メチルバイオレット、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー等が使用できる。マゼンタの着色剤とした。例えばローダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウォッチングレッド、ローズベンガル、ローダミン6B、アリザリンレーキ等が使用できる。イエローの着色剤としては、例えばクロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリンイエロー、タートラジン等が使用できる。
【0031】
更にこれらのトナーは、より効率的な帯電付与を与えるために、例えば荷電制御剤などトナー用として公知のものが使用できる。荷電制御剤として例えば、ニグロシン、塩基性染料、塩基性染料のレーキ顔料、モノアゾ染料の金属錯体、ニトロフミン酸及びその塩、サリチル酸、ジカルボン酸のCo,Cr,Fe等の金属錯体、有機染料等がある。
【0032】
このうち単位表面積当たりの表面荷電制御剤量が7.0E−4g/cm以上、好ましくは7.5E−4g/cm以上であるトナーでは、帯電特性が安定し、品質の高い画像が得られる。単位表面積当たりの表面荷電制御剤量が7.5E−4g/cm未満では、帯電量、帯電立ち上がり量とも低い。尚、表面荷電制御剤量は、荷電制御剤は溶解するが、樹脂、その他の材料は不溶解の溶剤にトナーを投入し、撹拌後、溶液を濾過し、その濾液の濃度を分光光度計により計測する。分光光度計により荷電制御剤濃度が求められる場合に、この測定値を、別途作成した染料と溶剤だけの溶液濃度と比較し、トナー中の荷電制御剤量を算出した。
【0033】
本発明においては、無機あるいは有機添加物をトナーと混合することで、トナーの流動性が向上し、トナー充填容器から複写機本体への補給が良好にすることができる。本発明にて製造されるトナーは、必要に応じて一般に広く使用されているトナー用の添加剤、例えばコロイダルシリカのような流動化剤、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属酸化物や、炭化ケイ素等の研磨剤、脂肪族金属塩などの滑剤などを含有させてもよい。添加剤をトナーに混合する方法としては、従来公知の方法でよく、ヘンシェルミキーサー、スピードニーダー等の装置により混合することができる。
【0034】
このうち、添加剤含有率が1wt%を超えるものは、感光体上に添加物が付着しやすくなる。感光体上に添加物が付着した場合、その部分にはトナーが付着するので、非画像部の地汚れが発生しやすい。従って、添加剤含有率は1wt%以下が望ましい。
【0035】
こうして得られたトナーはキャリアと混合することで、帯電特性のよい電子写真用現像剤ができる。キャリア並びに本発明のトナーの使用量としては、トナー粒子がキャリア粒子のキャリア表面に付着して、その表面積の30〜90%を占める程度に両粒子を混合するのが好ましい。キャリアとしては従来公知のものでよく、フェライト等のノンコートキャリアや、スチレン−アクリルレジン、シリコンレジン、フッ素変性アクリルレジン等をコーティングしたキャリア、造粒キャリア等が使用することができる。
【0036】
又、本発明にて製造されるトナーは、磁性材料を含有させ、磁性トナーとして使用できる。磁性材料として公知のものが使用でき、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金及びその混合物等がある。
【0037】
本発明のトナーは樹脂、着色剤、荷電制御剤を混合後、混練し、得られた混練物を粉砕する。不定形で鋭角部分がなく、表面がやや平滑なトナーは、粉砕後あるいは粉砕時に、摩擦、摩耗、熱、衝撃を与える方法などにより作成することができる。又、気流式粉砕機の粉砕圧力の調整にても作成することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0039】
実施例1〜9
ポリエステル樹脂 100重量部
カーボンブラック 10重量部
ポリプロピレン 5重量部
四級アンモニウム塩 2〜2.3重量部
上記組成の混合物を溶融混練、冷却し、混練物を得た。これを粉砕時に粉砕部とトナー間の摩耗により角とり処理を行い、分級し、平均粒径8.0μmのトナーを得た。これらを外部表面形状係数などとともに表1に示す。
【0040】
比較例1〜6
上記組成の混合物を溶融混練、冷却し、混練物を得た。これを粉砕後、分級し、平均粒径8.0μmのトナーを得た。これらを同じく表1に示す。
【0041】
【表1】
Figure 0003571152
【0042】
試験方法
上記トナーは、(株)リコー製IMAGIO−320デジタル複写機の改造機にセットし、画像濃度、地肌汚れ、帯電量について3万枚耐久性評価を行った。画像濃度、地肌汚れ(非画像部濃度)はマクベス濃度計、帯電量はブロー装置を用いて測定した。
【0043】
結果を表1に示す。表1において、帯電1とは撹拌20分の帯電量であり、同じく帯電2,3,4は撹拌2分、0.5分、60分の帯電量である。よって、2/1は撹拌時間1/10、3/1は撹拌時間1/40、4/1は撹拌時間3倍での標準帯電量の比を示す。又、Dwは体積平均粒径、Dnは個数平均粒径を表す。
【0044】
【表2】
Figure 0003571152
【0045】
表2の結果より以下のことが分かる。
【0046】
実施例1のトナーは、外部表面形状係数が0.60以上であり、また付着係数が30以上であり、初期画像、コピー後画像とも、地汚れは0.07以下、画像濃度1.35以上であり、形状係数が0.60未満か付着係数が30未満の比較例1〜3に比べ良好であった。
【0047】
実施例2のトナーは、荷電制御剤量を多くし、外部表面形状係数が0.60以上、単位表面積当たりの表面荷電制御剤量が7.5E−4g/cm以上であり、初期画像、コピー後画像とも、地汚れは0.07以下、画像濃度1.40以上であり、実施例1、比較例4〜6に比べ良好であった。
【0048】
実施例3のトナーは、外部表面形状係数が実施例1より高く、添加物未混合のトナーの凝集度が50以下であり、初期画像、コピー後画像とも、地汚れは0.07以下、画像濃度1.40以上であり、実施例1に比べ良好であった。
【0049】
実施例4のトナーは、外部表面形状係数が0.60以上で、時間当たりの混練処理量を低下させて、体積固有抵抗が10logΩcm以上であり、初期画像、コピー後画像とも、地汚れは0.07以下、画像濃度1.40以上であり、実施例1、比較例7,8に比べ良好であった。
【0050】
実施例5のトナーは、外部表面形状係数を実施例1より高くし、トナーの標準帯電量を得る撹拌時間の1/10の撹拌時間での帯電量と、標準帯電量の比〔(標準帯電量を得る撹拌時間の1/10の撹拌時間での帯電量)/標準帯電量〕が0.7以上であり、初期画像、コピー後画像とも、地汚れは0.07以下、画像濃度1.40以上であり、実施例1に比べ良好であった。
【0051】
実施例6のトナーは、外部表面形状係数を実施例1より高くし、トナーの撹拌時間が標準撹拌時間の1/40の撹拌時間での帯電量と、標準帯電量の比〔(撹拌時間が標準撹拌時間の1/40の撹拌時間での帯電量)/標準帯電量〕が0.4以上であり、初期画像、コピー後画像とも、地汚れは0.07以下、画像濃度1.40以上であり、実施例1に比べ良好であった。
【0052】
実施例7のトナーは、外部表面形状係数を実施例1より高くし、トナーの撹拌時間が標準撹拌時間の3倍の撹拌時間の帯電量と、標準帯電量の比〔(撹拌時間が標準撹拌時間の3倍の撹拌時間の帯電量)/標準帯電量〕が0.8以上であり、初期画像、コピー後画像とも、地汚れは0.07以下、画像濃度1.40以上であり、実施例1に比べ良好であった。
【0053】
実施例8のトナーは、外部表面形状係数が0.60以上、体積平均粒径/個数平均粒径の比が1.3以下であり、初期画像、コピー後画像とも、地汚れは0.07以下、画像濃度1.40以上であり、実施例1に比べ良好であった。
【0054】
実施例9のトナーは、樹脂Tgが60℃以上であるポリエステル樹脂を使っており、実施例1より外部表面形状係数が高く、初期画像、コピー後画像とも、地汚れは0.07以下、画像濃度1.40以上であり、実施例1に比べ良好であった。
【0055】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1〜9記載のような特定のトナーを使用することによって、トナーの凝集性が良好になり、トナー補給性、現像性、転写性が向上し、画像濃度が高く、地汚れの少ないトナーを得ることができる。

Claims (1)

  1. 結着樹脂、荷電制御剤、着色剤及び定着助剤からなる混練物を粉砕時に粉砕部とトナー間の摩擦による摩耗により角とり処理を行うことによって得られる乾式トナーにおいて、外部表面形状係数が0.60以上であり、かつ付着力係数が30以上であり、添加物未混合トナーの凝集度が55%以下であることを特徴とするトナー。(ここで、外部表面形状係数=等体積球相当粒子径より求めた比表面積/空気透過式より求めた実際の比表面積)
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