JP2006284693A - 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 広い温度範囲において、オフセット現象が起こりにくく、かつ巻付き現象が起きにくい、すなわち高温側の定着特性に優れ、十分なる定着強度を有し、かつ耐融着性にも優れた静電荷像現像用トナーを提供することにある。、本発明の更に他の課題は、成形性にも優れた静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することにある。
【解決手段】カルボキシル基を含有し酸価が3〜30mgKOH/gである樹脂(A)とエポキシ基を含有しエポキシ当量が250〜1000g/eqである樹脂(B)と着色剤とを溶融混練し樹脂組成物(C)を得、この樹脂組成物(C)を粉砕して得たトナーであって、測定周波数は1Hzで、かつ測定温度が160℃〜190℃における動的粘弾性測定において、貯蔵弾性率G’(Pa)の対数Log(G’)が3〜5.5とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法等に用いられる静電荷像現像用トナー及びその製造方法に関する。
一般に、電子写真方式の複写機やプリンターなどの画像形成装置は、光導電性を有する感光体上に潜像を形成し、その潜像にキャリアあるいは現像装置の一部を構成する帯電部材との摩擦により摩擦帯電電荷を得た絶縁性トナーを静電気的に付着して現像し、次いで形成されたトナー画像を、普通紙、フィルムなどの転写媒体に転写した後、加熱、加圧、溶剤蒸気等により転写媒体上に定着させることにより複写画像ないしプリント画像を形成することを基本原理とするものである。
このような画像形成装置において、トナーを定着させる方法としては、熱効率が高いこと、高速定着が可能であることなどから、熱ローラ定着方式が一般的に用いられているが、この方式は加熱ローラを有する定着機において、転写媒体を加熱ローラに接触させることによりトナーを定着させるものである。しかし、この方式では、定着時にトナーの一部が加熱ローラの表面に付着して、このトナーが転写媒体上に再転移して後続の画像を汚してしまう、いわゆるオフセット現象が発生するおそれがある。さらに、この方式では、転写媒体が加熱ローラの表面に巻付いて紙詰まりになるいわゆる巻付き現象が発生するおそれもある。このような現象は、加熱ローラにより溶融したトナーの粘弾性が適当でなく、トナーの粘性と弾性のバランスが適当でない場合に発生しやすい。なお、トナーの粘弾性的性質は、トナーの主成分である結着樹脂の種類や、その他の含有成分の種類および含有量により決まる。
このような現象の発生を防止する手段としては、トナー中に離型剤(ワックス類等)を導入する方法が従来より用いられている。しかし、この方法では、トナー粒子同士が融着したり、あるいは現像器を構成する帯電部材にトナーが融着しやすいので、均一な画像形成の妨げになるおそれがある。また、この方法では、トナーの剛性が低下して、転写媒体に対するトナーの定着強度が低下しやすい。
さらに、この方法では、トナー製造時において、結着樹脂に、離型剤を均一に分散し、かつ微分散させることが容易ではなく、この分散性が低い場合には、耐融着性がより悪化しやすい。また、この分散性を向上させるための成形条件等の選択も容易ではないので、トナーの成形性が十分でない。上記のような問題は、離型剤の導入量が多いほど発生しやすい。したがって、離型剤の導入だけで、耐融着性等の特性を低下させることなく、オフセット現象や巻付き現象などの定着特性を向上させるのは困難である。なお、成形性とは原材料の分散が良好なトナーの製造のし易さをいう。
特開2004−233983号公報 特開2005−10246号公報 特開平10−239901号公報
本発明の課題は、現像により形成されたトナー画像を通常の加熱ローラ定着機によって転写媒体に定着させる場合において、広い温度範囲において、オフセット現象が起こりにくく、かつ巻付き現象が起きにくい、すなわち高温側の定着特性に優れた静電荷像現像用トナーを提供することにある。本発明の他の課題は、高温側の定着特性に優れるとともに、十分なる定着強度を有し、かつ耐融着性にも優れた静電荷像現像用トナーを提供することにある。また、本発明の更に他の課題は、成形性にも優れた静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するために鋭意検討した結果、少なくとも、カルボキシル基を含有し酸価が3〜30mgKOH/gである樹脂(A)とエポキシ基を含有しエポキシ当量が250〜1000g/eqである樹脂(B)と着色剤とを溶融混練し樹脂組成物(C)を得、この樹脂混練物(C)を粉砕して得たトナーであって、測定周波数は1Hzで、かつ測定温度が160℃〜190℃における動的粘弾性測定において、貯蔵弾性率G’(MPa)の対数Log(G’)が3〜5.5とした静電荷像現像用トナーは、トナー定着時において、オフセット現象が起こらない温度範囲、あるいは巻付き現象が起こらない温度範囲が広くなり、十分なる定着強度を有し、かつ耐融着性が改善され、良好なトナー画像を形成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の静電荷像現像用トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤で構成されている静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂が少なくとも、カルボキシル基を含有し酸価が3〜30mgKOH/gである樹脂(A)とエポキシ基を含有しエポキシ当量250〜1000g/eqである樹脂(B)であり、測定周波数が1Hzで、かつ測定温度が160℃〜190℃における動的粘弾性測定において、貯蔵弾性率G’(Pa)の対数Log(G’)が3〜5.5である(請求項1)。樹脂(A)はポリエステル樹脂であることが好ましい(請求項2)。樹脂(B)の含有量は樹脂(A)と樹脂(B)の合計量に対して0.5〜20重量%であることが好ましい(請求項3)。樹脂(B)はアクリル系樹脂であることが好ましい(請求項4)。本発明の静電荷像現像用トナーは、非磁性一成分現像方式用トナーに適する(請求項5)。本発明の静電荷像現像用トナーは、フルカラー用トナーに適する(請求項6)。本発明の静電荷像現像用トナーは、オイルレス定着方式に適する(請求項7)。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、少なくとも結着樹脂と着色剤とを混合、熱溶融混練し、樹脂組成物(C)を得る工程、及び該樹脂組成物(C)を粉砕、分級する工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法であって、前記結着樹脂が少なくとも、カルボキシル基を含有し酸価が3〜30mgKOH/gである樹脂(A)とエポキシ基を含有しエポキシ当量が250〜1000g/eqである樹脂(B)である(請求項8)。混練温度が60℃〜185℃で製造することが好ましい(請求項9)。測定周波数が1Hzで、かつ測定温度が160℃〜190℃における動的粘弾性測定において、貯蔵弾性率G’(Pa)の対数Log(G’)が3〜5.5である静電荷像現像用トナーを製造することが好ましい(請求項10)。
本発明の静電荷像現像用トナーは、前記の課題を解決した静電荷像現像用トナーであり、結着樹脂が、少なくともカルボキシル基を含有し酸価が3〜30mgKOH/gである樹脂(A)とエポキシ基を含有しエポキシ当量が250〜1000g/eqである樹脂(B)であり、測定周波数は1Hzで、かつ測定温度が160℃〜190℃における動的粘弾性測定において、貯蔵弾性率G’(Pa)の対数Log(G’)が3〜5.5であるため、定着の際のトナー溶融時において粘弾性特性が適当であり、オフセット現象が起こりにくい、巻き付き現象が起きにくいなど定着特性に優れると共に、転写媒体へのトナーの定着強度にも優れる。また、耐融着性にも優れる。
さらに、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法はトナーの成形性にも優れる方法である。
先ず、本発明の静電荷像現像用トナーの構成材料について説明する。
本発明の静電荷像現像用トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤、必要に応じて帯電制御剤、離型剤、その他の材料で構成され、前記結着樹脂が少なくとも、カルボキシル基を含有し酸価が3〜30mgKOH/gである樹脂(A)とエポキシ基を含有しエポキシ当量が250〜1000g/eqである樹脂(B)からなる。
以下これらについて詳細に説明する。
[樹脂(A)]
本発明に適用する樹脂(A)は、カルボキシル基を含有するスチレン−アクリル系共重合体樹脂、ポリエステル系樹脂、酸変性シクロオレフィン共重合体樹脂等が挙げられる。
本発明に適用するカルボキシル基を含有するスチレン−アクリル系共重合体樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等のカルボキシル基を含有する単量体と下記に示すその他の共重合成分とを懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法、塊状重合法等によって合成するものである。該共重合成分としてはスチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸アルキルエステル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸アルキルエステル等のメタクリル酸エステル類等を挙げることができる。また、その他の共重合成分としてはアクリロニトリル、マレイン酸エステル、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニル単量体を重合体に対して30重量%以下で含有してもよい。
本発明におけるカルボキシル基を含有するスチレン−アクリル系共重合体樹脂の例を下記に示す。
Figure 2006284693
(式中、Phはフェニル基、Rは水素又はアルキル基、nは10〜10、mは10〜10、lは10〜10、Mは10〜10を示す。)
本発明に適用するカルボキシル基を含有するポリエステル樹脂は、末端にカルボン酸を有するものが用いられ、下記に挙げた各成分を重縮合して得られるものである。
すなわち該ポリエステル樹脂のジオール成分の例としては、ポリオキシプロピレン2,2−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,0)−ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブテンジオール、1,6−ヘキセンジオール等が挙げられる。
また、3価以上の多価アルコールの例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
また、酸成分としてはフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、マロン酸、フマール酸、マレイン酸、無水マレイン酸、ヒトラコン酸、イタコン酸、コハク酸、ドデセニルコハク酸、アルケニルコハク酸、ペンテンジカルボン酸などが挙げられる。
あるいは3価以上の多価カルボン酸の例としては1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等が挙げられる。
カルボキシル基を含有する樹脂(A)としては、酸変性シクロオレフィン共重合体樹脂も好ましい。
シクロオレフィン共重合体樹脂は、環状構造を有するポリオレフィン樹脂であって、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン等のα−オレフィン(非環式オレフィン)と、シクロヘキセン、ノルボルネン、テトラシクロドデセン等の二重結合を有するシクロオレフィンとの共重合体であり、ランダム共重合体およびブロック共重合体のいずれであってもよい。
これらのシクロオレフィン共重合体樹脂は、例えばメタロセン系、チグラー系触媒を用いる公知の重合法によって得ることができる。
シクロオレフィン共重合体樹脂におけるα−オレフィンとシクロオレフィンの共重合比は、両者の仕込モル比を適宜設定することによって所望のものが得られるように広範囲に変えることができ、具体的には、シクロオレフィンは、両者の合計量に対して2〜98モル%、好ましくは2.5〜50モル%、より好ましくは2.5〜35モル%の範囲に設定される。
本発明において使用できる酸変性シクロオレフィン共重合体樹脂は、溶融空気酸化法または無水マレイン酸変性またはアクリル酸変性等によりカルボキシル基を導入したものである。それにより、エポキシ基を含有する樹脂(B)との反応が可能になるとともに、他の樹脂との相溶性、顔料の分散性を向上させることができる。溶融空気酸化法は、シクロオレフィン共重合体樹脂の末端にあるメチル基などのアルキル基を酸化し、カルボキシル基とする方法である。無水マレイン酸変性は、シクロオレフィン共重合体樹脂に過酸化物を加え、発生したラジカルの部分に無水マレイン酸を反応させるものである。また、シクロオレフィン共重合体樹脂と無水マレイン酸とを熱溶融混練してマレイン酸変性することもできる。
シクロオレフィン共重合体樹脂は、下記の利点を有し、新たなトナー用結着樹脂として近年注目されている。すなわち、有害物質を含まず安全性、環境保全性に優れている。また、従来からトナー用として使用されるスチレンーアクリル酸エステル系共重合体樹脂やポリエステル系樹脂と比較して、真比重が小さく、体積固有抵抗が高いため、現像性及び転写性(転写効率)に優れ、かつ単位使用重量あたりの印字枚数が多い(トナー消費量が少ない)という利点がある。さらに樹脂の破壊強度が大きいことから現像剤のロングライフ化が達成できる利点があり、また光透過性に優れているのでフルカラートナー用樹脂としても好適である。
本発明においては、 樹脂(A)の酸価は3〜30mgKOH/gであることが必要であり、4〜20mgKOH/gであることが好ましく、5〜14mgKOH/gであることがより好ましい。酸価が3mgKOH/g未満であると混練時の反応性が低く、Log(G‘)が3より小さくなり、定着時にオフセットが起こりやすくなり、かつ高温側で巻付きが発生しやすくなる。また、30mgKOH/gを越えると混練時の反応が進み過ぎトナーの溶融粘度が著しく上昇して、混練機中で固化してしまうとか、トナーが十分に定着されず定着強度が低下しひどい場合はオフセットを発生させるおそれがある。
なお、樹脂(A)の酸価は、JIS K 0070に準じて測定した値である。
本発明の樹脂(A)は、フロー軟化点が120〜190℃であることが好ましく、130〜175℃であることがより好ましく、140〜160℃であることがさらに好ましい。
フロー軟化点が120℃未満ではLog(G’)がより小さくなり、定着時にオフセットが起こりやすくなり、かつ高温側で巻付きが発生しやすくなる。190℃を越えると混練工程で、混練負荷が大きくなり、トナー化することができなくなる。また、トナー化できても定着強度が劣るものになってしまい実用性がない。
フロー軟化点の測定方法は下記のとおりである。
以下の測定機および測定条件で測定し、プランジャーの降下開始から終了までの移動距離の中間の温度をフロー軟化点とする。
測定機;島津製作所製 高化式フローテスターCFT−500
測定条件;
プランジャー:1cm
ダイの直径:1mm
ダイの長さ:1mm
荷重:20KgF
予熱温度:50〜80℃
予熱時間:300sec
昇温速度:6℃/min
[樹脂(B)]
樹脂(B)としては、エポキシ基を有するアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げられる。本発明においては、グリシジル基を有するアクリル系樹脂が好ましい。
次にグリシジル基を有するアクリル系樹脂の例を下記に示す。
Figure 2006284693
(式中、Rは水素又はアルキル基、pは10〜10、qは10〜10、Nは10〜10を示す。)
グリシジル基を有するアクリル系樹脂の市販品の例としては、アルマテックスPD6200、6100等(三井化学社製);プラスディックMA−268、(大日本インキ化学社製);ファインディックA−229−30、A−229、A−224(大日本インキ化学社製);エチレングリシジルメタクリレート共重合体とビニルポリマーのグラフトポリマーの具体例としては、日本油脂社製のモディバーA4100(エチレングリシジルメタクリレート共重合体とポリスチレンのグラフトポリマー組成比70/30),モディバーA4200(エチレングリシジルメタクリレート共重合体とポリメチルメタクリレートのグラフトポリマー組成比70/30),モディバーA4400(エチレングリシジルメタクリレート共重合体とアクリルニトリル−スチレン共重合体のグラフトポリマー組成比70/30)等が挙げられる。
本発明の電子写真用トナーに使用する樹脂(B)としては、エポキシ樹脂であってもよい。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの縮合反応により製造されるビスフェノールA型エポキシ樹脂が一般的である。例えば、東都化成社製の商品名:エポトートYD−012,YD−013,YD−014,YD−017,YD−020等様々なグレードのものが市販されている。その他のタイプのエポキシ樹脂も適宜使用できる。
エポキシ基を含有する樹脂(B)のエポキシ当量は250〜1000g/eqであることが必要であり、350〜900g/eqであることが好ましく、450〜700g/eqであることがより好ましく、500〜650g/eqであることがさらに好ましい。エポキシ当量が250g/eq未満では、混練時に反応が進み過ぎ、混練機中で増粘して混合材料の分散が悪くなるとか、極端の場合、混練中に固化してしまうなどのおそれがある。1000g/eqを越えると、反応性が悪く、Log(G’)が3未満となりやすく。定着時に高温側で巻付きを起しやすくなる。
上記エポキシ当量はHCl−ピリジン法に基づいて測定した値である。
樹脂(A)の含有量は、樹脂(A)と樹脂(B)の合計量に対して0.5〜20.0重量%であることが好ましく、1.0〜15.0重量%であることがより好ましい。0.5重量%未満であるとオフセット現象や巻付き現象を防止する効果が出にくい。20.0重量%を越えると混練時に反応が進み過ぎ、混練機中で増粘して混合材料の分散が悪くなるとか、極端の場合、混練中に固化してしまうなどの恐れがある。
[樹脂組成物(C)]
樹脂組成物(C)は、少なくとも樹脂(A)と樹脂(B)と着色剤とで構成され、必要に応じて、帯電制御剤、離型剤、その他の材料を含有する。
着色剤は、黒トナー用としては、ブラック用顔料、カラートナー用としては、マゼンタ用顔料、シアン用顔料、イエロー用顔料等が使用できる。
ブラック用顔料としては、通常、カーボンブラックが使用できる。カーボンブラックとしては、個数平均粒子径、吸油量、PH等に制限されることなく使用できるが、市販品として以下のものが挙げられる。例えば、米国キャボット社製商品名:リーガル(REGAL)400、660、330、300、SRF−S、ステリング(STERLING)SO、V、NS、R、コロンビア・カーボン日本社製商品名:ラーベン(RAVEN)H20、MT−P、410、420、430、450、500、760、780、1000、1035、1060、1080、三菱化学社製商品名:#5B、#10B、#40、#2400B、MA−100等が使用できる。これらのカーボンブラックは単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。樹脂組成物(C)に対するカーボンブラックの割合は0.1〜20重量%の範囲から選択でき、好ましくは1〜10重量%、さらに好ましくは1〜5重量%(中でも特に1〜3重量%が好ましい)である。カーボンブラックの割合が少なすぎると画像濃度が低下し、多すぎると画質が低下しやすく、トナー成形性も低下する。ブラック用顔料としてはカーボンブラックの他、酸化鉄やフェライトなどの黒色の磁性粉も使用できる。
マゼンタ用顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50,51、52、53、54、55、57、57−1、158、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207、209;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレット1、2、10、13、15、23、29、35等が使用できる。これらのマゼンタ用顔料は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
シアン用顔料としてはC.I.ピグメントブル−2、3、15、16、17;C.I.バットブル−6;C.I.アシッドブル−45等が使用できる。これらのシアン用顔料は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
イエロ−用顔料としてはC.I.ピグメントイエロ−1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、74、83、94、97、155、180等が使用できる。これらのイエロ−用顔料は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
フルカラー用のカラー用顔料としては、混色性および色再現性の観点から、マゼンタ用顔料はC.I.ピグメントレッド57、57−1、122が、シアン用顔料は、C.I.ピグメントブルー15が、イエロー用顔料は、C.I.ピグメントイエロー17、83、155、180が好適に使用できる。
カラー用顔料の割合は、樹脂組成物(C)100重量部に対して、通常、1〜20重量部の範囲から選択でき、好ましくは3〜10重量部、さらに好ましくは4〜9重量部(中でも特に4.5〜8重量部が好ましい)である。これらの顔料の割合が上記範囲より少な過ぎると画像濃度が低下し、多過ぎると帯電安定性が悪化して画質が低下しやすい。またコスト的にも不利である。
また、カラー用顔料は、予め結着樹脂となり得る樹脂中に高濃度で分散させた、いわゆるマスターバッチを使用してもよい。
<帯電制御剤>
本発明の静電荷像現像用トナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有することが好ましい。
正帯電性の帯電制御剤としては、例えばニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の第四級アンモニウム塩、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド、ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート、ピリジウム塩、アジン、トリフェニルメタン系化合物及びカチオン性官能基を有する低分子量ポリマー等が挙げられる。これらの正帯電性の帯電制御剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。これらの正帯電性の帯電制御剤は、ニグロシン系化合物、第四級アンモニウム塩が好ましく用いられる。
負帯電性の帯電制御剤としては、例えばアセチルアセトン系金属錯体、モノアゾ系金属錯体、ナフトエ酸系あるいはサリチル酸系の金属錯体、ホウ素系錯体または塩等の有機金属化合物、キレート化合物、アニオン性官能基を有する低分子量ポリマー、カリックスアレーン化合物等が挙げられる。これらの負帯電性の帯電制御剤は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。これらの負帯電性の帯電制御剤は、サリチル酸系金属錯体、モノアゾ系金属錯体、ホウ素系錯体が好ましく用いられる。
帯電制御剤の添加量は、樹脂組成物100重量%に対して、通常、0.1〜5重量%の範囲で選択でき、好ましくは0.5〜4重量%、さらに好ましくは1〜4重量%である。 また、帯電制御剤は、カラートナー用には無色あるいは淡色であることが好ましく、例えば第四級アンモニウム塩、カチオン性官能基を有する低分子量ポリマー、ホウ素系錯体、カリックスアレーン化合物、アニオン性官能基を有する低分子量ポリマーなどが好ましい。
樹脂組成物(C)は離型剤を含有することが好ましい。離型剤としてはワックス類が挙げられる。
ワックス類としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、変性ポリエチレンワックスなどのポリオレフィン系ワックス;フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス;カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、硬化ひまし油などの植物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシンなどの鉱物系ワックスなどが挙げられる。上記ワックスの内、結着樹脂中への分散性の点で、カルボキシル基を有するものが好ましく、特にカルナウバワックスが好ましい。
本発明においては、少なくとも1種のワックスの融点は60〜130℃が好ましく、70〜120℃がより好ましく、75〜105℃がさらに好ましい。融点が60℃未満では耐融着性や保存性に問題を生じやすく、130℃を越えると定着強度が低下するおそれがある。
上記融点の測定方法は、ASTM D3418−82に準じ下記のとおりである。
試料約5mg計量してアルミ製セルに入れて、示差走査熱量計(DSC)(セイコーインスツルメンツ社製、商品名:SSC−6200)に載置し、1分間に50mlのNガスを吹き込む。そして、20〜200℃の間を1分間あたり10℃の割合で昇温させ、200℃で10分間保持し、次に、200℃から20℃に1分間あたり10℃の割合で降温させ、次に上記条件で2回目の昇温をし、その時の吸熱ピークの頂点の温度を本発明の融点とする。
上記のワックス類は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。ワックス類の総添加量は、樹脂組成物100重量%に対して、通常、0.1〜10重量%の範囲で選択でき、好ましくは0.5〜7重量%、さらに好ましくは1〜5重量%、特に好ましくは1〜2.5重量%である。ワックスの添加量が10重量%を越えると、耐融着性およびトナー成形性が悪化し、0.1重量%未満であると、離型性が不十分で、定着特性が悪化する。本発明においては、前記樹脂(A)及び樹脂(B)を併用することにより、オイルレス定着システムにおいても、ワックス類の使用量を少なく抑えることができるので、耐融着性に優れ、フルカラー用としても適する。
樹脂組成物(C)には、さらに必要に応じて磁性粉、例えば、コバルト、鉄、ニッケル等の金属、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、マグネシウム、スズ、亜鉛、金、銀、セレン、チタン、タングステン、ジルコニウム、その他の金属の合金、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ニッケル等の金属酸化物、フェライト、マグネタイトなどが使用できる。磁性粉の添加量は、樹脂組成物100重量%に対して、通常、70重量%以下、好ましくは50重量%以下である。磁性粉の平均粒子径は、0.01〜3μmのものが好適に使用できる。
樹脂組成物(C)には、さらに必要に応じて種々の添加剤、例えば、安定剤(例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤など)、難燃剤、防曇剤、分散剤、核剤、可塑剤(フタル酸エステル系可塑剤、脂肪酸系可塑剤、リン酸系可塑剤など)、高分子帯電防止剤、低分子帯電防止剤、相溶化剤、導電剤、充填剤、流動性改良剤などを添加してもよい。
樹脂組成物(C)には、さらに必要に応じて他の樹脂、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのαオレフィン樹脂など)、ビニル系樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなど)、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、テルペンフェノール樹脂、ポリ乳酸樹脂、水添ロジン、環化ゴム、シクロオレフィン共重合体樹脂等を結着樹脂の一部として添加してもよい。これらの樹脂の添加量は、結着樹脂100重量%に対して30重量%以下の範囲内から適宜選択できる。
[静電荷像現像用トナー]
本発明の静電荷像現像用トナーは、定着特性に優れるとともに、耐融着性にも優れるという特徴がある。このような特徴を発揮するために、本発明のトナーは、動的粘弾性など、特定のレオロジー特性を有している。
すなわち、特定のレオロジー特性としては、測定周波数が1Hzで、かつ測定温度が160〜190℃における動的粘弾性測定において、貯蔵弾性率G’(Pa)の対数Log(G’)が3〜5.5であることが必要であり、3.5〜5がより好ましく、3.5〜4.5がさらに好ましい。上記温度範囲において最小値が3未満であると定着時に高温側で巻付きが発生してしまう。最大値が5.5を越えるような場合は、樹脂(A)と樹脂(B)との反応性が大きい場合であり、混練工程で固化するなどしてトナー化できないことが多い。また、トナー化できても定着強度が劣るものになってしまい実用性がない。3〜5.5の範囲内であると、トナーとして粘弾性のバランスに優れ、定着特性および耐融着性に優れるとともに、トナーの成形性にも優れ、トナーの製造面でも有利である。
トナーの動的粘弾性測定は、動的粘弾性測定装置(レオストレスRS75型 、HAAKE社製)を用いて、測定周波数1Hz,測定温度30〜250℃で貯蔵弾性率G’(Pa)を測定し、G’の対数Log(G’)を求め、160〜190℃間でのLog(G’)の数値範囲を求めた。
本発明の静電荷像現像用トナーは、160〜190℃間の全範囲でLog(G’)が3〜5.5であることが必要である。
本発明の静電荷像現像用トナーは、無機微粒子が表面に付着していることが好ましい。 無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、カーボンブラック粉末、磁性粉等が挙げられる。これらの無機微粒子は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。これらの無機微粒子のうち、シリカが特に好適に使用できる。
無機微粒子は、平均粒子径、BET比表面積、表面処理の有無など特に制限されず、用途に応じ適宜選択できるが、BET比表面積は50〜400m/gの範囲にあるのが好ましく、表面処理された疎水性無機微粒子であるのが好ましい。
さらに、上記無機微粒子としては、平均一次粒子径が25〜75nm、好ましくは20〜55nmの無機微粒子1と、平均一次粒子径が5〜25nm、好ましくは7〜15nmの無機微粒子2とを併用することが好ましい。無機微粒子2はトナー表面の角張りやざらつきを緩和し表面を滑らかにすることにより、現像スリーブの表面を傷付けず、現像スリーブ融着を防止する機能を有する。しかし、無機微粒子2のみでは、トナーの帯電性を低下させ画像濃度が低下し、連続プリントではさらに画像濃度が低下したり、余剰の無機微粒子が感光体表面にフィルミングを起して黒点(ブラックスポット、BS)の発生の原因になりやすい。無機微粒子1には、帯電性安定の効果があり、上記問題点が解消する。
無機微粒子1の平均一次粒子径が25nm未満では、トナーの帯電性を低下させ、75nmを越えるとトナーの流動性保持の効果を損なう。無機微粒子2の平均一次粒子径が5nm未満では、多数枚の連続プリントの際、トナーの帯電性に変化をもたらし、画像濃度の低下をきたす。トナー粒子の表面に埋没してしまい、流動性向上の効果がない。25nmを越えるとトナーの凹み部に入らない。
無機微粒子の平均一次粒子径の測定方法は下記のとおりである。
透過型電子顕微鏡を用い、試料支持メッシュ上に分散した微粒子の拡大投影写真を撮影し、100個の一次粒子の粒子径(長径と短径の平均)を測定し、数平均粒子径を求めた。
無機微粒子1の添加量は、トナー粒子に対して0.1〜1.0重量%が好ましく、0.2〜0.5重量%がさらに好ましい。0.1重量%未満ではトナーに帯電性を付与する効果がでない。1.0重量%を越えると流動性向上の効果を損なう。
無機微粒子2の添加量は、トナー粒子に対して0.5〜2.0重量%が好ましく、0.7〜1.2重量%がさらに好ましい。0.5重量%未満ではトナーの形状を滑らかにする効果がでない。2.0重量%を越えるとトナー流動性が増し過ぎ、トナー表面の摩擦性が低下し、帯電性が低下する。また、余剰の無機微粒子が感光体表面にフィルミングを起こして黒点の発生の原因となる。
前記無機微粒子に加えて、トナーには更に、ポリ4フッ化エチレン樹脂粉末、ポリフッ化ビニリデン樹脂などの樹脂微粉末を付着してもよい。
トナーに対してこれらの無機微粒子や樹脂微粉末を添加する割合は、トナー粒子に対して、総量で0.1〜8重量部の範囲から適宜選択でき、好ましくは0.5〜5重量部、さらに好ましくは0.6〜3.0重量部(特に0.9〜1.7重量部)である。添加する割合が前記範囲から外れると、トナーの流動性や帯電安定性が低下して、均一な画像が形成されにくい。
本発明の静電荷像現像用トナーは、現像方式によって特に使用が制限されるものではなく、非磁性一成分現像方式、磁性一成分現像方式、二成分現像方式、その他の現像方式に使用できる。磁性一成分現像方式用トナーは、前記の磁性粉を結着樹脂に混合し磁性トナーとして使用し、二成分現像方式用トナーはキャリアと混合して使用する。装置の簡便性やコスト的な観点から、非磁性一成分現像方式用トナーとして使用されることが好ましい。
二成分現像方式でのキャリアとしては、例えば、ニッケル、コバルト、酸化鉄、フェライト、鉄、ガラスビーズなどが使用できる。これらのキャリアは単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。キャリアの平均粒子径は20〜150μmであるのが好ましい。また、キャリアの表面は、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂などの被覆剤で被覆されていていてもよい。
本発明の静電荷像現像用トナーは、モノクロ用トナーであってもよくフルカラー用トナーであってもよい。モノクロ用トナーでは、着色剤として前記のカーボンブラック等が使用でき、フルカラー用トナーでは、着色剤として、前記のカラー用顔料が使用できる。本発明の静電荷像現像用トナーは、非磁性一成分現像方式用、オイルレス定着方式用、およびフルカラー用として好適に使用できる。
[トナーの製造方法]
トナーの製造方法としては、特に制限されないが、結着樹脂、着色剤、およびその他の添加剤を混合して熱溶融混練して樹脂組成物(C)を作製し、ついで前記樹脂組成物(C)を粉砕および分級して所望の粒子径および粒子形状のトナーを得ることができる。トナーの製造方法は、結着樹脂を重合しながらトナー粒子を得る方法であってもよい。 熱溶融混練方法としては、種々の方法、例えば、2軸押出機による方法、バンバリーミキサーによる方法、加圧ローラによる方法、加圧ニーダーによる方法等が使用できる。成形性および汎用性の観点から2軸押出機による方法が好ましい。樹脂組成物(C)は、2軸押出機により溶融混練し、2軸押出機の先端部の口金(ダイ)より押出すことにより得られる。
2軸押出機の混練温度は、好ましくは60〜185℃、より好ましくは80〜175℃、さらに好ましくは90〜175℃である。60℃未満では、結着樹脂の分子鎖の切断が起き、かつ樹脂(A)と樹脂(B)との反応が進まないので、Log(G’)が3未満になりやすい。185℃を越えると、樹脂(A)と樹脂(B)との反応が進み過ぎ、混練機中で増粘して混合材料の分散が悪くなるとか、極端な場合、混練機中で固化してしまうおそれがある。なお、混練温度とは、2軸押出機の出口側ゾーンの温度を指す。
粉砕方法としては、ハンマーミル、カッターミルあるいはジェットミル等の装置による粉砕方法が挙げられる。また、分級方法としては、通常、乾式遠心分級機のような気流分級機が使用できる。
このようにして得られた本発明のトナーの体積平均粒子径は、5〜12μmであり、好ましくは6〜9μm、さらに好ましくは6〜8μmである。体積平均粒子径は、粒度分布測定装置(マルチザイザーII、ベックマン・コールター社製)を用いて測定した体積50%径である。
また、トナー表面には、タービン型攪拌機、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の攪拌機を用いて攪拌することにより、前記の無機微粒子および樹脂微粉末を付着させてもよい。
本発明の静電荷現像用トナーはフロー軟化点が、120℃〜190℃であることが好ましく、130℃〜175℃であることが好ましく、135℃〜160℃であることがさらに好ましい。フロー軟化点が、120℃未満ではLog(G’)がより小さくなり、定着時にオフセットが起こりやすくなり、かつ高温側で巻付きが発生しやすくなる。190℃を越えると定着強度が劣るものになってしまい実用性がない。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例、比較例で用いた材料成分、およびトナーの評価方法を以下に示す。
[材料成分]
<樹脂A>
樹脂A1:ポリエステル樹脂 (大日本インキ化学工業社製、商品名:DZ500、酸価9mgKOH/g、フロー軟化点175℃)
樹脂A2:ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業社製、商品名:DZ200、酸価12mgKOH/g、フロー軟化点128℃)
樹脂A3:スチレンーアクリル酸系共重合体樹脂(藤倉化成社製、商品名:TTR−791、酸価12mgKOH/g、フロー軟化点150℃)
樹脂A4:マレイン酸変性シクロオレフィン共重合体樹脂(Ticona社製、商品名:TOPAS TBをマレイン酸変性したもの、酸価7mgKOH/g、フロー軟化点150℃)
<樹脂B>
樹脂B1:アクリル系樹脂(大日本インキ化学工業社製、商品名:プラスディックMA−268、エポキシ当量:584g/eq)
樹脂B2:エポキシ樹脂(東都化成社製、商品名:YD−017、エポキシ当量1925g/eq)
樹脂B3:エポキシ樹脂(東都化成社製、商品名:YD−128、エポキシ当量189g/eq)
<着色剤>
PIG.:トナーマゼンタ6B(クラリアントジャパン製、C.I.ピグメント57−1)
<帯電制御剤>
CCA: ホウ素系帯電制御剤(日本カーリット社製、商品名:LR−147)
<離型剤>
WAX:カルナウバワックス(加藤洋行社製、商品名:カルナウバワックス2号粉末、融点82℃)
[トナーの評価方法]
1.[定着特性]
トナー5重量部と、ノンコートフェライトキャリア(商品名:FL−1025、パウダーテック(株)製)95重量部とを混合して、二成分系現像剤を作製した。
次に、この現像剤を使用して市販の複写機(AR−405、シャープ(株)製)により、坪量60g/mのA4の転写紙に縦3cm、横6cmの帯状の未定着画像を作成した。
転写紙上のトナー付着量は、トナー濃度、感光体の表面電位、現像電位、露光量、転写条件等により、約2.1〜2.2mg/cmに調整した。
ついで、表層がポリ4フッ化エチレンで形成された熱定着ローラと、表層がシリコーンゴムで形成された圧力定着ローラとが対になって回転する定着機を、ローラ圧力が1Kgf/cm、ローラスピードが125mm/secになるように調節し、熱定着ローラの表面温度を140〜215℃の間で5℃の間隔で段階的に上昇させて、各表面温度において上記未定着画像を有した転写紙のトナー像の定着をおこなった。
定着後、余白部分にトナー汚れが生じるか否かの観察をおこない、汚れが生じない温度領域を非オフセット温度領域とした。
非オフセット温度領域において、未定着画像を有する転写紙が熱定着ローラの表面に巻付くか否かの観察を行ない、巻付きが発生しない温度領域を非巻付き温度領域とし、非巻付き温度領域の上限温度を確認した。非巻付き温度が160〜190℃の範囲で確保できるトナーが実用上問題ないトナーである。
2.[耐融着性]
トナーを非磁性一成分方式のQMS2200型プリンタ(ミノルタQMS社製)の現像機に投入し、画像比率が5%のA4原稿を、A4の転写紙に5000枚複写した。5000枚複写後に、現像機の帯電部材(帯電ブレード)にトナーの融着が見られるかどうか、目視により確認した。
○:トナーの融着なし
×:トナーの融着あり
[トナーの作製]
実施例1〜7、比較例1〜6
トナーの原料としては、カルボキシル基を含有する樹脂(A)、エポキシ基を含有する樹脂(B)、着色剤、帯電制御剤、及び離型剤とを表1、表2に示す割合で用いた。
前記各材料を2軸混練押出機(PCM−30、池貝(株)製)を用いて、表1、表2に示した温度、吐出量3.5kg/h、回転数150rpmで溶融混練し、厚さ2〜3mmの板状の樹脂組成物(C)を得た。ついで、樹脂組成物(C)を、ジェットミルにて粉砕し、その後乾式気流分級機で分級して、体積平均粒径が8.0μmのトナー粒子を得た。次に、得られたトナー粒子に対して、疎水性シリカ1(RY−50、日本アエロジル(株)製、平均一次粒子径40nm)を0.3重量%と、(H300、ワッカーケミカル社製、平均一次粒子径11nm)を1.0重量%とを添加し、ヘンシェルミキサーにて、周速40m/secで10分間攪拌混合し、実施例1〜7及び比較例1〜6のトナーを得た。得られたトナーの、フロー軟化点、動的粘弾性特性、定着特性、耐融着性を評価し、結果を表1、表2に示した。
Figure 2006284693
Figure 2006284693
<評価結果>
表1から明らかなように、実施例1〜7のトナーは、定着特性、耐融着性、及び成形性の各種特性に優れている。
一方、表2に示すように、比較例1のトナーは、樹脂(A)の酸価が3mgKOH/g未満であるため、フロー軟化点が低くLog(G’)のMin値が3未満であり、非巻付き温度の上限が低く、かつ耐融着性が劣っていた。
比較例2においては、樹脂(A)の酸価が30mgKOH/gを越えるため、混練機内で固化してしまいトナー化ができなかった。
比較例3のトナーは、樹脂(B)のエポキシ当量が1000g/eqを越えるため、フロー軟化点が低くLog(G’)のMin値が3未満であり、非巻付き温度の上限が低く、かつ耐融着性が劣っていた。
比較例4においては、樹脂(B)のエポキシ当量が250g/eq未満であるため、混練機内で固化してしまいトナー化ができなかった。
比較例5においては、混練温度が60℃未満であったため、溶融が不十分でトナー化ができなかった。
比較例6においては、混練温度が185℃を越えたため、混練機内で固化してしまいトナー化できなかった。
本発明の静電荷像現像用トナーは、高温側での耐オフセット性、非巻付き性に優れるとともに、耐融着性にも優れ、あらゆる現像方式に使用可能であるが、特に非磁性一成分方式に適する。また、オイルレス定着方式、フルカラー用としても好適である。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は上記トナーを製造することに適する。

Claims (10)

  1. 少なくとも結着樹脂と着色剤で構成されている静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂が少なくとも、カルボキシル基を含有し酸価が3〜30mgKOH/gである樹脂(A)とエポキシ基を含有しエポキシ当量が250〜1000g/eqである樹脂(B)であり、測定周波数が1Hzで、かつ測定温度が160℃〜190℃における動的粘弾性測定において、貯蔵弾性率G’(Pa)の対数Log(G’)が3〜5.5であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 樹脂(A)は、ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 樹脂(B)の含有量は、樹脂(A)と樹脂(B)の合計量に対して0.5〜20.0重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 樹脂Bはアクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 非磁性一成分現像方式用トナーであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  6. フルカラー用トナーであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  7. オイルレス定着方式に使用されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 少なくとも結着樹脂と着色剤とを混合、熱溶融混練し、樹脂組成物(C)を得る工程、及び該樹脂組成物(C)を粉砕、分級する工程を有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法であって、前記結着樹脂が少なくとも、カルボキシル基を含有し酸価が3〜30mgKOH/gである樹脂(A)とエポキシ基を含有しエポキシ当量が250〜1000g/eqである樹脂(B)であることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  9. 混練温度が60℃〜185℃であることを特徴とする請求項8に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  10. 測定周波数が1Hzで、かつ測定温度が160℃〜190℃における動的粘弾性測定において、貯蔵弾性率G’(Pa)の対数Log(G’)が3〜5.5である静電荷像現像用トナーを製造することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。






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