JP2001117273A - トナー及びその製造方法、現像剤、並びに画像形成方法 - Google Patents

トナー及びその製造方法、現像剤、並びに画像形成方法

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JP2001117273A
JP2001117273A JP29988799A JP29988799A JP2001117273A JP 2001117273 A JP2001117273 A JP 2001117273A JP 29988799 A JP29988799 A JP 29988799A JP 29988799 A JP29988799 A JP 29988799A JP 2001117273 A JP2001117273 A JP 2001117273A
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Yasuo Matsumura
保雄 松村
Hideo Maehata
英雄 前畑
Shuji Sato
修二 佐藤
Takao Ishiyama
孝雄 石山
Manabu Serizawa
学 芹澤
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 最低定着温度が低く、かつ高温オフセットを
防止でき、画像保存性が良好で、トナーの流動性が高
く、転写性能が良好で、帯電維持性が良好で、感光体の
汚染などが発生せず、高画質を実現できる静電荷像現像
用トナーを提供しようとするものである。 【解決手段】 示差走査熱量計で測定されるトナーの融
解熱ピーク点とトナーのガラス転移オンセット点の温度
差A(℃)、及び同時に測定されるトナーの融解熱量B
(J/g)の間に次式の関係が成り立つことを特徴とす
る静電荷像現像用トナーである。 1.6≦A/B≦12.4

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法等により形成される静電潜像を現像剤で現像する
際に用いられる静電荷像現像用トナー及びその製造方
法、現像剤、並びに画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法など静電荷像を経て画像情報
を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されてい
る。電子写真法においては帯電、露光工程により感光体
上に静電潜像を形成し、トナーを含む現像剤で静電潜像
を現像し、転写、定着工程を経て可視化される。
【0003】ここで用いられる現像剤には、トナーとキ
ャリアからなる2成分現像剤と、磁性トナー又は非磁性
トナーを単独で用いる1成分現像剤とがある。それらの
トナーの製法は、熱可塑性樹脂を顔料、帯電制御剤、ワ
ックスなどの離型剤とともに溶融混練し、冷却後、微粉
砕し、さらに分級する混練粉砕法が通常用いられてい
る。これらトナーは、必要に応じて流動性やクリーニン
グ性を改善する目的で無機、有機の微粒子をトナー粒子
表面に添加することがある。
【0004】近年、カラー電子写真法の普及が著しい。
カラー画像に適度な光沢性及び優れたOHP画像の透明
性を実現するためには、ワックスなどの離型剤を用いる
ことは一般的に困難である。このため、定着ロールに多
量のオイルを付与して剥離性を確保しているが、OHP
を含む複写画像のべたつき感や、ペンなどによる画像へ
の追記が困難になることが多い。通常の白黒コピーで
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、パラフィンなどの
ワックスが一般的に使用されるが、カラー画像の形成で
は透明性が損なわれるので使用できない。また、仮に透
明性を犠牲にしても、従来の混練粉砕法によるトナーの
製造方法では、トナー表面への離型剤の露出を抑制する
ことが困難であるため、現像剤の流動性の著しい悪化
や、現像機、感光体へのフィルミングなどの問題を招
く。
【0005】これらの問題の根本的な改善方法として
は、結着樹脂を構成する単量体、着色剤及びワックスを
油相に分散し、これを水相中に微細に分散した状態で直
接重合してトナー粒子を形成し、ワックスをトナー内部
に内包して表面への露出を制御する乳化重合法が提案さ
れている。
【0006】また、トナー形状及び表面構造を制御でき
るトナーの製造方法としては、特開昭63−28275
2号公報や特開平6−250439号公報に記載の凝集
融合合一法が提案されている。この方法は、一般に乳化
重合などにより調製した樹脂粒子分散液と、溶媒に着色
剤を分散した着色剤分散液を混合し、トナー粒径に相当
する凝集粒子を形成し、これを樹脂のガラス転移温度以
上の温度に加熱することによって融合合一してトナー粒
子を製造するものである。
【0007】ところで、トナーは、電子写真プロセスに
おいて様々な機械的ストレスを受けるが、安定したトナ
ー性能を維持するためには、トナー表面への離型剤の露
出を抑制したり、トナー表面の硬度を高めたり、画像表
面の平滑性を高めたりすることが重要になる。また、離
型剤はトナー表面に単に露出しなければよいというもの
ではなく、定着時にその性能を発揮するためにはトナー
表面の近傍に存在することが望ましい。
【0008】また、近年における重要な課題は、カラー
電子写真プロセスでは消費電力を低減することである。
しかし、カラー画像は、高濃度部においてシアン、マゼ
ンタ、イエロー等の複数のトナー層が積層されるため、
トナーの層厚が白黒画像より高くなり、それだけ加熱定
着に要する消費電力も大きくなる。カラー電子写真プロ
セスの普及にともない、この定着消費電力の大きさがプ
ロセス速度を制約する条件となっている。
【0009】このため、より低温で定着可能なカラート
ナーが必要となってきているが、単純にバインダー樹脂
の分子量を下げたり、ガラス転移温度を下げる方法で
は、高温オフセットの問題や、定着後の画像保存性、即
ちドキュメントを積層したり、冊子にして高温放置する
ときに、ドキュメント間が接着するなどの不都合が生ず
る。
【0010】また、高温オフセットを回避するために、
比較的低融点のワックスを大量に使用し、かつ樹脂のガ
ラス転移温度Tgが低くなると、複写機で定着されたド
キュメントを原稿として自動原稿送り装置などにかけた
場合、原稿台からの熱と、自動原稿送り装置における摩
擦などによって、原稿台が汚染されるなどの不都合が生
じる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記の問題点を解消し、以下の特徴を有するトナー及びそ
の製造方法、現像剤、並びに画像形成方法を提供しよう
とするものである。 最低定着温度が低く、かつ高温オフセットを防止で
き、画像保存性が良好で、自動原稿送り装置における原
稿台汚染が発生しにくいトナーを提供すること。 トナーの流動性が高く、かつ転写性能が良好で、高画
質を実現できるトナーを提供すること。 帯電維持性が良好で、感光体の汚染などを発生しない
高い信頼性を有する現像剤を提供すること。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の手段を
採用することにより、上記の課題の解決に成功した。 (1) 示差走査熱量計で測定されるトナーの融解熱ピーク
点とトナーのガラス転移オンセット点の温度差A
(℃)、及び、同時に測定されるトナーの融解熱量B
(J/g)の間に、次式の関係が成り立つことを特徴と
する静電荷像現像用トナー。 1.6≦A/B≦12.4
【0013】(2) 示差走査熱量計で測定されるトナーの
ガラス転移オンセット点の温度が、48〜58℃の範囲
にあることを特徴とする前記(1) 記載の静電荷像現像用
トナー。 (3) 示差走査熱量計で測定されるトナーのガラス転移オ
ンセット点の温度が48〜58℃の範囲において、前記
の(A/B)比が2.4〜5.3の範囲にあることを特
徴とする前記(1) 又は(2) 記載の静電荷像現像用トナ
ー。 (4) 示差走査熱量計で測定されるトナーの融解熱ピーク
において、ベースラインから前記ピークへの変曲点の温
度が60℃以上であることを特徴とする前記(1) 〜(3)
のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー。
【0014】(5) 前記トナーの数平均分子量が7000
以上であることを特徴とする前記(1) 〜(4) のいずれか
1つに記載の静電荷像現像用トナー。 (6) 前記トナーの形状係数SF1が100〜140の範
囲にあることを特徴とする前記(1) 〜(5) のいずれか1
つに記載の静電荷像現像用トナー。 (7) 前記トナーの累積体積平均粒径D50が7μm以下
で、体積平均粒度分布指標GSDvが1.25以下であ
ることを特徴とする前記(1) 〜(6) のいずれか1つに記
載の静電荷像現像用トナー。
【0015】(8) X線光電子分光法(XPS)により定
量されるトナー表面の離型剤露出率が10%以下である
ことを特徴とする前記(1) 〜(7) のいずれか1つに記載
の静電荷像現像用トナー。 (9) 示差走査熱量計で測定される離型剤の融点が90〜
110℃の範囲にあることを特徴とする前記(8) 記載の
静電荷像現像用トナー。 (10)前記離型剤が、ポリエチレンワックス、フィッシャ
ートロプシュワックス及び窒素含有ワックスの群から選
択される1種以上のものであることを特徴とする前記
(8) 又は(9) 記載の静電荷像現像用トナー。
【0016】(11)少なくとも樹脂微粒子分散液、着色剤
微粒子分散液及び離型剤微粒子分散液を混合し、前記微
粒子を凝集させて凝集粒子分散液を調製した後、前記樹
脂微粒子のガラス転移点以上の温度に加熱して前記凝集
粒子を融合・合一することを特徴とする前記(1) 〜(10)
のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーの製造方
法。 (12)前記凝集粒子分散液を調製した後、樹脂微粒子分散
液を添加混合して凝集凝粒表面に樹脂微粒子を付着し、
次いで付着粒子分散液を前記樹脂微粒子のガラス転移点
以上の温度に加熱して前記付着粒子を融合・合一するこ
とを特徴とする前記(11)記載の静電荷像現像用トナーの
製造方法。
【0017】(13)トナーとキャリアからなる静電荷像現
像剤において、前記(1) 〜(9) のいずれか1つに記載の
トナーを用いたことを特徴とする静電荷像現像剤。 (14)静電荷像担持体上に静電潜像を形成する工程、現像
剤担持体上の現像剤で前記静電潜像を現像してトナー像
を形成する工程、前記トナー像を転写体上に転写する工
程、及び前記転写体上のトナー像を熱定着する工程を有
する画像形成方法において、前記(13)記載の静電荷像現
像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
【0018】
【発明の実施の形態】トナーの最低定着温度を下げ、か
つ高温オフセット発生温度を上げるには、トナーのガラ
ス転移オンセット点Tg、離型剤の融点、及び離型作用
に有効なワックス量のバランスが重要である。従来のト
ナーのガラス転移オンセット点Tgは、バインダー樹脂
のガラス転移温度に依存し、ほぼ60〜70℃の範囲に
分布していた。このガラス転移温度を50℃台とした場
合、ワックスの融点もそれに応じて下げないと離型作用
が不足する。
【0019】特に、白黒より、色再現の観点から高光沢
度の要請されるカラー画像を形成する場合は、バインダ
ー樹脂粘度が低くなるため、離型作用が不足する傾向が
強くなる。このようにガラス転移温度が低い樹脂トナー
には、90〜110℃の範囲に示差走査熱量計(DS
C)ピーク即ち融点を有する離型剤が有効である。融点
の好ましい範囲は94〜106℃である。有効な離型剤
量はDSCの融解熱量から推定される。しかし、いくら
離型剤量を多くしても、離型剤即ちワックスが樹脂と相
溶すると、原理的にDSC融解熱量として観測されず、
樹脂のガラス転移温度を下げ、ブロッキング、流動性不
良などの問題を引き起こすだけである。
【0020】そこで、本発明者等は、これらの3点のバ
ランスについて検討した結果、トナーのガラス転移オン
セット点Tgが48〜58℃の範囲において、示差走査
熱量計(DSC)におけるトナーの融解熱ピーク点と、
トナーのガラス転移オンセット点Tgの温度差(A)、
及びトナーの融解熱量(B)の(A/B)比が1.6〜
12.4の範囲、好ましくは2.4〜5.3の範囲にあ
ることが重要であることを見出した。(A/B)比が
1.6を下回るとトナーの流動性悪化や最低定着温度の
上昇などの不都合が生じ、12.4を超えると離型性能
の悪化による離型不良の発生や高温オフセットの発生な
どの不都合が生ずる。
【0021】本発明では、自動接線処理システムを備え
た島津製作所社製の示差走査熱量計(DSC−50)に
測定対象のトナーをセットし、10℃/分の昇温速度で
室温から150℃まで加熱して温度(℃)と熱量(m
W)の関係を求め、これを繰り返して2回目のデータを
採用した。図1はこれを図示したものであり、図中の第
1の変曲点をトナーのガラス転移オンセット点Tgとし
た。また、トナーの融解熱量(J/g)は、ベースライ
ンからの融解熱ピークの面積をトナーの重量で除したも
のである。
【0022】また、トナーの流動性に影響を与えず、定
着後の画像保存性を良好に維持するためには、示差走査
熱量計で測定されるトナーの融解熱ピークにおいて、ベ
ースラインから融解熱ピークへの変曲点の温度(図1参
照)が60℃以上、好ましくは63℃以上であることが
望ましい。この第2の変曲点の温度が60℃を下回ると
トナー流動性の悪化や画像保持性の悪化などの不都合が
生ずる。
【0023】トナーの数平均分子量は、混練粉砕法トナ
ーの場合、粉砕能力制限から5000以下となる場合が
多いが、上記の最低定着温度、高温オフセット温度、画
像保存性の観点からバランスを得るためには、数平均分
子量が7000以上の範囲が必要であり、好ましくは7
000〜20000の範囲でよい。これらの条件を満た
すためには、通常のポリエチレンワックスなどを用いる
場合は、4〜12重量%という比較的多量を必要とされ
るが、これらのワックスが表面に露出した場合、その粘
着性によるブロッキング、感光体汚染、転写不良、流動
性不良などの問題を引き起こす。
【0024】この表面ワックス影響を検討した結果、光
電子分光法(XPS)による表面ワックス定量において
ワックス露出率が10%以下、好ましくは0.01〜
8.0%の範囲のあれば問題がないことを見出した。ワ
ックス露出率が10%を超えると流動性の悪化、転写効
率の悪化などの不都合が生ずる。なお、ワックス露出率
は、X線光電子分光法により定量化する。この方法は、
まずトナーを構成する材料、即ちバインダー樹脂、着色
剤、離型剤などについてそれぞれのスペクトルを測定
し、トナー粒子の測定から得たスペクトルを個別のスペ
クトルでフィッテイングさせることにより、トナー粒子
の表面露出率を求める。
【0025】しかし、ワックス露出率を制御するために
は、従来の混練粉砕法では制約があり、粒子凝集法を用
いた凝集融合合一法が有効である。この方法は、樹脂粒
子、離型剤粒子、顔料粒子などで凝集粒子を生成した
後、直ちに加熱融合する方法と、また、凝集粒子を生成
した後、その表面を樹脂粒子で覆ってシェル層を形成し
た後、加熱融合する方法があり、後者の方法の方が有効
である。なお、凝集融合合一法の融合条件は、加熱温度
と加熱時間がDSCからの融解熱量でモニターされる有
効ワックス量に影響するため、注意が必要である。多く
の場合、離型剤融点よりやや低い温度で長時間融合する
場合に、有効ワックス量が減少する傾向がみられる。前
記融合条件としては80〜98℃で2〜10時間、好ま
しくは88〜97℃で3〜8時間の範囲が適当である。
【0026】これらの条件は、特に形状係数SF1が1
00〜140の範囲、好ましくは110〜130の範囲
でやや丸いトナー、及び、累積体積平均粒径D50が7μ
m以下、好ましくは3〜6.5μmの範囲であり、体積
平均粒度分布指標GSDvが1.25以下、好ましくは
1.24以下の範囲のトナーが特に有効で、良好な転写
性能からの精細な高画質を長時間にわたって維持でき
る。
【0027】なお、体積平均粒度分布指標GSDvは、
累積体積平均粒径D16、D84を用いて次のようにして求
める。 GSDv=(D84/D160.5 形状係数SF1は次のようにして求める。 SF1=(ML2 /A)×(π/4)×100 (式中、ML:トナー粒子の絶対最大長、A:トナー粒
子の投影面積) 形状係数SF1は、主に顕微鏡画像や走査電子顕微鏡画
像を画像解析装置によって解析することによって数値化
される。
【0028】本発明で使用する離型剤としては、公知の
全てのワックスを使用可能であるが、具体的には比較的
低分子量の高結晶性ポリエチレンワックス、フィッシャ
ートロプシュワックス、アミドワックス、ウレタン結合
を有するワックス状化合物などが好適である。ウレタン
結合を有するワックス状化合物は、低分子量であっても
極性基による凝集力の強さにより固体状態を保ち、融点
も分子量のわりには高く設定できるので有利である。ま
た前記のポリエチレンワックスは分子量が1000以下
の範囲、好ましくは300〜950の範囲が特に有効で
ある。
【0029】前記のウレタン化合物の原料としては、ジ
イソシアン酸化合物類とモノアルコール類との組み合わ
せ、モノイソシアン酸とモノアルコールとの組み合わ
せ、ジアルコール類とモノイソシアン酸などの組み合わ
せ、トリアルコール類とモノイソシアン酸などの組み合
わせ、トリイソシアン酸化合物類とモノアルコール類と
の組み合わせなど種々の組み合わせがあるが、高分子量
化させないためには、多官能基の化合物と単官能基の化
合物の組み合わせとなることが好ましく、また等価の官
能基量となるようにする必要がある。
【0030】具体的な原料化合物のうち、モノイソシア
ン酸化合物としては、イソシアン酸ドデシル、イソシア
ン酸フェニル及びその誘導体、イソシアン酸ナフチル、
イソシアン酸ヘキシル、イソシアン酸ベンジル、イソシ
アン酸ブチル、イソシアン酸アリルなど;ジイソシアン
酸化合物としては、ジイソシアン酸トリレン、ジイソシ
アン酸4、4‘ジフェニルメタン、ジイソシアン酸トル
エン、ジイソシアン酸1、3−フェニレン、ジイソシア
ン酸ヘキサメチレン、ジイソシアン酸4―メチルーm―
フェニレン、ジイソシアン酸イソホロンなど;モノアル
コールとしては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタ
ノールなど、極一般的なアルコール類を全て使用可能で
ある。ジアルコール類としては、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリ
メチレングリコールなどのグリコール類;トリアルコー
ル類としては、トリメチロールプロパン、トリエチロー
ルプロパン、トリメタノールエタンなどを使用できる
が、これらに限定されない。
【0031】これらのウレタン化合物類は、通常のワッ
クスのように、混練時に樹脂や着色剤とともに混合し
て、混練粉砕型トナーとしても使用できる。また、前記
の乳化重合凝集融合型トナーに用いる場合には、水中に
イオン性界面活性剤、高分子酸、高分子塩基などの高分
子電解質とともに分散して融点以上に加熱するととも
に、ホモジナイザーや圧力吐出型分散機などにより強い
剪断をかけて微粒子化し、1μm以下の粒子の分散液を
調製して、樹脂粒子分散液、着色剤分散液とともに凝集
・融合してトナー粒子を得る。
【0032】本発明で使用する着色剤としては、カーボ
ンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジ
ジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パ
ーメネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バル
カンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレ
ッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6
B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソー
ルレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ロー
ズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、
カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタ
ロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイ
トグリーンオクサレレートなどの種々の顔料、及び、ア
クリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、
アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキ
サジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チ
オインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック
系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニル
メタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系な
どの各種染料を、1種又は2種以上を併用することがで
きる。
【0033】本発明で使用するバインダー樹脂として
は、スチレン、パラクロルスチレンなどのスチレン類;
ビニルナフタレン、塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニ
ル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニ
ル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸n―ブチル、アク
リル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸n
―オクチル、アクリル酸2―クロルエチル、アクリル酸
フェニル、α―クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなど
のメチレン脂肪族カルボン酸エステル類;アクリロニト
リル、メタクリルロニトリル、アクリルアミド;ビニル
メチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブ
チルエーテルなどのビニルエーテル類;N―ビニルピロ
ール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドー
ル、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物など
のビニルカルボン酸類など:ビニル系モノマーの単独重
合体又は共重合体、さらには、各種ポリエステル類、各
種ワックス類などを併用することも可能である。
【0034】また、本発明では必要に応じて内添剤を配
合することができる。具体的には、フェライト、マグネ
タイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金
属、合金、又はこれら金属を含む化合物などの磁性体
や、帯電制御剤として、4級アンモニウム塩化合物、ニ
グロシン系化合物、アルミニウム、鉄、クロムなどの錯
体からなる染料、トリフェニルメタン系顔料など通常使
用される種々の帯電制御剤を使用することができる。そ
の中でも、凝集や融合時の安定性に影響するイオン強度
の制御性や、汚染廃水の減少を容易にするためには、水
に溶解しにくい材料を選択することが好ましい。
【0035】トナーに用いる無機微粒子の例としては、
シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、リン酸三カルシウムなど、通常トナーの外
添剤として使用される微粒子をイオン性界面活性剤、高
分子酸、高分子塩基で分散して使用することができる。
【0036】本発明では、乳化重合法、シード重合法、
顔料分散液の調製、樹脂粒子分散液の調製、離型剤分散
液の調製、樹脂粒子等の凝集、その安定化などに用いる
界面活性剤としては、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩
系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活
性剤や、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオ
ン系界面活性剤を使用することができる。また、必要に
応じてポリエチレングリコール系、アルキルフェノール
エチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非
イオン性界面活性剤を併用することも効果的である。前
記の分散液の調製手段としては、回転剪断型ホモジナイ
ザーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイ
ノミルなどの一般的な分散手段を使用することができ
る。
【0037】
〔実施例1〕
−ウレタン化合物Aの合成− ヘキサメレンチレンジイソシアネート(和光純薬) 208重量部 n−プロピルアルコール(和光純薬) 148.8重量部 前記成分を1リットルセパラブルフラスコ中に秤取し、
マグネットスタラーチップで攪拌しながら85℃に保持
した。約3時間で白濁し、4時間後に完全に固化した。
その後も合計8時間85℃に保持し、完全に反応を終了
させた。その後、セパラブルフラスコからウレタン化合
物を取り出し、サンプルミルで粉状に粉砕した。これを
ウレタン化合物A〔分子量:288、融点(示差走査熱
量計におけるピーク値):99.1℃〕とした。
【0038】 −トナー粒子の作製− ポリエステル樹脂 90重量部 (花王社製、試作品ビスフェノールA−フマール酸−プロピレンオキシド系、 Mw3.2万、Mw0.7万、ガラス転移点57℃) カーボンブラック(リーガル330、キャボット社製) 5重量部 ウレタン化合物A 6重量部 前記材料を秤取して予備混合した後、バンバリーミキサ
ー(神戸製鋼社製)で溶融混練し、粗粉砕した後、ジェ
ットミル(ニューマチック社製)でさらに粉砕し、小型
エルボージェット(日鉄鉱業社製)で分級してトナー粒
子を得た。
【0039】このトナー粒子は、累積平均粒径D50
6.8μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.29
であった。画像解析により測定した形状係数SF1は1
43であった。また、示差走査熱量計(島津製作所社
製、自動接線処理法を備えたDSC)により測定したガ
ラス転移オンセット点Tgは55℃、融解熱ピーク点は
96.5℃、ベースラインから融解熱ピークへの変曲点
は88.5℃、融解熱量Bは7.2J/g、A/Bの値
は5.93であった。またX線光電子分光法(日本電子
社製、XPS)によりワックスに起因するトナー表面の
窒素原子比率を定量したところ8.0%であった。また
ゲルパーミエイショククロマトグラフ(GPC、東ソー
社製)でトナーの数平均分子量を測定したところ720
0であった。
【0040】−トナーの評価− このトナー粒子にシリカ(キャボット社製、TS72
0)を0.8重量%添加混合してトナーを得た。また、
50μmのフェライトコアにポリメチルメタクリレート
(総研化学社製)を1重量%コートしてキャリアを調製
した。これらのキャリアとトナーを混合し、トナー濃度
が8重量%となるように調製して現像剤を作製した。
【0041】この現像剤を富士ゼロックス社製V500
改造機に適用して画質評価を行ったところ、定着画像は
鮮明で、かぶりはなかったが、転写効率はやや低く、細
線再現性はやや乱れが認められた。定着画像を介したド
キュメントの付着防止及び自動原稿送り装置の原稿台へ
の定着画像の付着防止についての画像保存性は良好であ
った。また、フッ素樹脂の表面層を有する熱定着ロール
を用い、定着温度を120〜200℃の範囲に設定して
画像を形成したところ、全温度領域で完璧な剥離性を示
し、ウエス摺擦により定着性を確認したところ、135
℃から十分な定着性を示したので、最低定着温度を13
5℃と判断した。また、高温オフセット温度は190℃
で僅かな発生が認められた。剥離性は、用紙として富士
ゼロックス社製S紙を用いてヒートロールへの巻きつき
の有無を測定した。ウエス摺擦による定着性は、ウエス
で擦ったときの定着画像の欠損の有無を確認した。高温
オフセットは、用紙として富士ゼロックス社製S紙を用
いて画像先端部にべた黒画像(3×3)をおいた未定着
画像を定着したときのオフセット画像が、用紙後半部に
再付着するかどうかを確認した。
【0042】 〔実施例2〕 −樹脂微粒子分散液(1) の調製− スチレン 300重量部 nブチルアクリレート 100重量部 アクリル酸 6重量部 ドデカンチオール 3重量部 4臭化炭素 4重量部 前記成分を混合溶解して溶液を調製し、他方、非イオン
性界面活性剤(ノニポール400、三洋化成社製)6重
量部、アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業
製薬社製)10重量部をイオン交換水550重量部に溶
解し、前記溶液を加えてフラスコ中で分散し乳化して1
0分間ゆっくりと混合しながら、過硫酸アンモニウム4
重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入し、系
内を窒素で置換した。その後、フラスコを攪拌しながら
オイルバスで内容物が70℃になるまで加熱し、5時間
そのまま乳化重合を継続して、樹脂微粒子分散液(1) を
調製した。分散液中の微粒子の中心径は180nm、ガ
ラス転移温度が51.5℃、重量平均分子量Mwが47
000、数平均分子量Mnが12500であった。
【0043】 −顔料分散液(1) の調製− サイアン顔料 50重量部 (銅フタロシアニン、PB15:3、大日本インク社製) アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬社製社製) 5重量部 イオン交換水 200重量部 前記成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、
ウルトラタラックス)と超音波照射により分散して中心
粒径150nmの青顔料分散液(1) を得た。
【0044】 −離型剤分散液(1) の調製− ポリエチレンワックス 50重量部 (ポリワックス725、融点:101.5℃、東洋ペトロライト社製) アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬社製社製) 5重量部 イオン交換水 200重量部 前記成分を95℃に加熱してホモジナイザー(IKA社
製、ウルトラタラックスT50)で分散した後、圧力吐
出型ホモジナイザーで分散処理し、中心径140nmの
離型剤分散液(1) を得た。
【0045】 −トナー粒子の作製− 樹脂微粒子分散液(1) 200重量部 顔料分散液(1) 30重量部 離型剤分散液(1) (約8%相当) 40重量部 (離型剤分散液を一定量採取して乾固して固形分を測定した量である) ポリ塩化アルミニウム 1.5重量部 (10重量%水溶液、浅田化学社製) 前記成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザ
ー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で混合分
散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら
48℃まで加熱し、その温度で30分間保持して凝集粒
子分散液を得た。光学顕微鏡で観察したところ、平均粒
径約4.7μmの凝集粒子が生成していた。この凝集粒
子分散液に樹脂微粒子分散液(1) を緩やかに100重量
部追加し、さらに、加熱用オイルバスの温度を50℃に
上げて1時間保持して、樹脂微粒子を付着した付着粒子
分散液を得た。光学顕微鏡で観察したところ、平均粒径
約5.6μmの付着粒子が生成していた。次いで、付着
粒子分散液に1N水酸化ナトリウムを15重量部追加
し、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールで攪拌
を継続しながら85℃まで加熱して4時間保持した。そ
の後、冷却し、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄してト
ナー粒子を得た。
【0046】トナー粒子の累積体積平均粒径D50をコー
ルターカウンターで測定したところ5.7μmであっ
た。体積平均粒度分布指標GSDvは1.25であり、
形状係数SF1は117のほぼ球形であった。このトナ
ー粒子は、示差走査熱量計で測定したガラス転移オンセ
ット点Tgが50.7℃、融解熱ピーク点は101.5
℃、ベースラインから融解熱ピークへの変曲点は75.
5℃、融解熱量Bは15.1J/g、A/Bの値は3.
36であった。また、X線光電子分光法によりワックス
に起因するトナー表面の炭素原子比率を定量したところ
0.2%であった。また、GPCでトナーの数平均分子
量を測定したところ12000であった。
【0047】−トナーの評価− このトナー粒子にシリカ(キャボット製、TS720)
を0.8重量%添加混合してトナーを得た。このトナー
を実施例1のキャリアと混合し、トナー濃度が8重量%
となるように調製して現像剤を作製した。この現像剤を
富士ゼロックス社製V500改造機に適用して画質評価
を行ったところ、転写効率は99.2%であり、定着画
像は鮮明で、かぶりは皆無であり、緻密な細線の再現性
が良好であった。定着画像を介したドキュメントの付着
防止及び自動原稿送り装置の原稿台への定着画像の付着
防止についての画像保存性は良好であった。
【0048】また、フッ素樹脂の表面層を有する熱定着
ロールを用い、定着温度を120〜200℃の範囲に設
定して画像を形成したところ、全温度領域で完璧な剥離
性を示し、ウエス摺擦により定着性を確認したところ、
125℃から十分な定着性を示したので、最低定着温度
を125℃と判断した。また、高温オフセット温度は2
00℃においても全く認められなかった。
【0049】〔比較例1〕実施例2において、離型剤分
散液の配合量を17重量部(約4%相当)に減らし、か
つ、凝集粒子分散液の調製後の樹脂微粒子分散液(1) の
追加量を40重量部に変更した以外は、実施例2と同じ
組成にし、水酸化ナトリウム水溶液の添加後の加熱条件
を95℃で7時間に変更した。得られたトナー粒子の累
積体積平均粒径D50は5.8μmであった。体積平均粒
度分布指標GSDvは1.27であり、形状係数SF1
は114のほぼ球形であった。
【0050】このトナー粒子は、ガラス転移オンセット
点Tgが45.5℃、融解熱ピーク点は101.1℃、
ベースラインから融解熱ピークへの変曲点は58.8
℃、融解熱量Bは4.2J/g、A/Bの値は13.2
であった。ガラス転移オンセット点の低下と融解熱量の
減少は離型剤の樹脂への相溶の影響と推定される。ま
た、XPSによるワックス起因のトナー表面の炭素原子
比率を定量したところ2.3%と離型剤の露出は少ない
ものの、若干露出が認められた。また、トナーの数平均
分子量を測定したところ12000であった。
【0051】−トナーの評価− このトナー粒子にシリカ(キャボット製、TS720)
を0.8重量%添加混合してトナーを得た。このトナー
を実施例1のキャリアと混合し、トナー濃度が8重量%
となるように調製して現像剤を作製した。この現像剤を
富士ゼロックス社製V500改造機に適用して画質評価
を行ったところ、定着画像にはかぶりはなかったが、実
施例2に比べて、鮮明さ及び細線再現性がやや劣り、転
写効率も若干低かった。定着画像を介したドキュメント
の付着防止及び自動原稿送り装置の原稿台への定着画像
の付着防止についての画像保存性はやや劣っており、1
00枚連続で自動原稿送り走行後、原稿台上にわずかに
汚れが見られた。
【0052】また、フッ素樹脂の表面層を有する熱定着
ロールを用い、定着温度を120〜200℃の範囲に設
定して画像を形成したところ、140℃以上で初めて剥
離が可能となり、165℃から高温オフセットが発生し
た。ウエス摺擦による最低定着温度は150℃であっ
た。したがって、定着可能温度は150〜165℃とい
う極めて狭い範囲であった。
【0053】 〔実施例3〕 −樹脂微粒子分散液(2) の調製− スチレン 290重量部 nブチルアクリレート 110重量部 アクリル酸 6重量部 ドデカンチオール 4重量部 4臭化炭素 2重量部 ジビニルベンゼン 0.4重量部 前記成分を混合溶解して溶液を調製し、他方、非イオン
性界面活性剤(ノニポール400、三洋化成社製)6重
量部、アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業
製薬社製)12重量部をイオン交換水550重量部に溶
解し、前記溶液を加えてフラスコ中で分散し乳化して1
0分間ゆっくりと混合しながら、過硫酸アンモニウム4
重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入し、系
内を窒素で置換した。その後、フラスコを攪拌しながら
オイルバスで内容物が70℃になるまで加熱し、5時間
そのまま乳化重合を継続して、樹脂微粒子分散液(2) を
調製した。分散液中の微粒子の中心径は160nm、ガ
ラス転移温度が50.5℃、重量平均分子量Mwが55
000、数平均分子量Mnが10200であった。
【0054】 −顔料分散液(2) の調製− イエロー顔料 50重量部 (PY180、クラリアントジャパン社製) アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬社製社製) 5重量部 イオン交換水 200重量部 前記成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、
ウルトラタラックス)と超音波照射により分散して中心
粒径170nmの黄色顔料分散液(2) を得た。
【0055】 −離型剤分散液(2) の調製− フィッシャートロプシュワックス 50重量部 (FP100、融点:99.5℃、日本精ロウ社製) アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬社製社製) 5重量部 イオン交換水 200重量部 前記成分を95℃に加熱してホモジナイザー(IKA社
製、ウルトラタラックスT50)で分散した後、圧力吐
出型ホモジナイザーで分散処理し中心径130nmの離
型剤分散液(2) を得た。
【0056】 −トナー粒子の作製− 樹脂微粒子分散液(2) 200重量部 顔料分散液(2) 30重量部 離型剤分散液(2) (約6%相当) 30重量部 ポリ塩化アルミニウム 1.5重量部 (10重量%水溶液、浅田化学社製) 前記成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザ
ー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で混合分
散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら
45℃まで加熱し、その温度で30分間保持して凝集粒
子分散液を得た。光学顕微鏡で観察したところ、平均粒
径約4.2μmの凝集粒子が生成していた。この凝集粒
子分散液に樹脂微粒子分散液(2) を緩やかに100重量
部追加し、さらに、加熱用オイルバスの温度を48℃に
上げて1時間保持して、樹脂微粒子を付着した付着粒子
分散液を得た。光学顕微鏡で観察したところ、平均粒径
約4.9μmの付着粒子が生成していた。次いで、付着
粒子分散液に1N水酸化ナトリウムを15重量部追加
し、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールで攪拌
を継続しながら85℃まで加熱して4時間保持した。そ
の後、冷却し、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄してト
ナー粒子を得た。
【0057】トナー粒子の累積体積平均粒径D50は5.
0μmで、体積平均粒度分布指標GSDvは1.20
で、形状係数SF1は116のほぼ球形であった。この
トナー粒子は、ガラス転移オンセット点Tgが50.2
℃、融解熱ピーク点は90.2℃、ベースラインから融
解熱ピークへの変曲点は62.2℃、融解熱量Bは1
0.2J/g、A/Bの値は3.92であった。また、
X線光電子分光法によりワックスに起因するトナー表面
の炭素原子比率を定量したところ、0.1%であった。
また、GPCでトナーの数平均分子量を測定したところ
10200であった。
【0058】−トナーの評価− このトナー粒子にシリカ(キャボット社製、TS72
0)を1.2重量%添加混合してトナーを得た。このト
ナーを実施例1のキャリアと混合し、トナー濃度が8重
量%となるように調製して現像剤を作製した。この現像
剤を富士ゼロックス社製V500改造機に適用して画質
評価を行ったところ、転写性は極めて良好であり、定着
画像は鮮明で、かぶりは皆無であり、緻密な細線の再現
性が良好であった。定着画像を介したドキュメントの付
着防止及び自動原稿送り装置の原稿台への定着画像の付
着防止についての画像保存性は良好であった。
【0059】また、フッ素樹脂の表面層を有する熱定着
ロールを用い、定着温度を120〜200℃の範囲に設
定して画像を形成したところ、全温度領域で完璧な剥離
性を示し、ウエス摺擦により定着度を確認したところ1
20℃から十分な定着性を示したので、最低定着温度を
120℃と判断した。また、高温オフセットは200℃
においても全く認められなかった。
【0060】 〔実施例4〕 −樹脂微粒子分散液(3) の調製− スチレン 310重量部 nブチルアクリレート 90重量部 アクリル酸 6重量部 ドデカンチオール 3重量部 4臭化炭素 2重量部 ジビニルベンゼン 0.4重量部 前記成分を混合溶解して溶液を調製し、他方、非イオン
性界面活性剤(ノニポール400、三洋化成社製)6重
量部、アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業
製薬社製)12重量部をイオン交換水550重量部に溶
解し、前記溶液を加えてフラスコ中で分散し乳化して1
0分間ゆっくりと混合しながら、過硫酸アンモニウム4
重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入し、系
内を窒素で置換した。その後、フラスコを攪拌しながら
オイルバスで内容物が70℃になるまで加熱し、5時間
そのまま乳化重合を継続して、樹脂微粒子分散液(3) を
調製した。分散液中の微粒子の中心径は160nm、ガ
ラス転移温度が56.5℃、重量平均分子量Mwが65
000、数平均分子量Mnが14200であった。
【0061】 −顔料分散液(3) の調製− イエロー顔料 50重量部 (PY180、クラリアントジャパン社製) アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬社製社製) 5重量部 イオン交換水 200重量部 前記成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、
ウルトラタラックス)と超音波照射により分散して中心
粒径170nmの黄色顔料分散液(3) を得た。
【0062】 −離型剤分散液(3) の調製− ポリエチレンワックス 50重量部 (200P、融点:118℃、三井石油化学社製) アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬社製社製) 5重量部 イオン交換水 200重量部 前記成分を120℃に加圧加熱して、ホモジナイザー
(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で分散した
後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し中心径18
0nmの離型剤分散液(3) を得た。
【0063】 −トナー粒子の作製− 樹脂微粒子分散液(3) 200重量部 顔料分散液(3) 30重量部 離型剤分散液(3) (約12%相当) 60重量部 ポリ塩化アルミニウム 1.5重量部 (10重量%水溶液、浅田化学社製) 前記成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザ
ー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で混合分
散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら
45℃まで加熱し、その温度で30分間保持して凝集粒
子分散液を得た。光学顕微鏡で観察したところ、平均粒
径約4.3μmの凝集粒子が生成していた。この凝集粒
子分散液に樹脂微粒子分散液(3) を緩やかに100重量
部追加し、さらに、加熱用オイルバスの温度を48℃に
上げて1時間保持して、樹脂微粒子を付着した付着粒子
分散液を得た。光学顕微鏡で観察したところ、平均粒径
約5.1μmの付着粒子が生成していた。次いで、付着
粒子分散液に1N水酸化ナトリウムを15重量部追加
し、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールで攪拌
を継続しながら82℃まで加熱して3時間保持した。そ
の後、冷却し、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄してト
ナー粒子を得た。
【0064】トナー粒子の累積体積平均粒径D50は5.
1μmで、体積平均粒度分布指標GSDvは1.22
で、形状係数SF1は135のジャガイモ状であった。
このトナー粒子は、ガラス転移オンセット点Tgが5
5.8℃、融解熱ピーク点は112.2℃、ベースライ
ンから融解熱ピークへの変曲点は80.2℃、融解熱量
Bは34.2J/g、A/Bの値は1.65であった。
また、X線光電子分光法によりワックスに起因するトナ
ー表面の炭素原子比率を定量したところ、0.7%であ
った。また、GPCでトナーの数平均分子量を測定した
ところ14000であった。
【0065】−トナーの評価− このトナー粒子にシリカ(キャボット製、TS720)
を1.2重量%添加混合してトナーを得た。このトナー
を実施例1のキャリアと混合し、トナー濃度が8重量%
となるように調製して現像剤を作製した。この現像剤を
富士ゼロックス社製V500改造機に適用して画質評価
を行ったところ、転写性は極めて良好であり、定着画像
は鮮明で、緻密な細線の再現性が良好で、かぶりは皆無
であった。定着画像を介したドキュメントの付着防止及
び自動原稿送り装置の原稿台への定着画像の付着防止に
ついての画像保存性は良好であった。
【0066】また、フッ素樹脂の表面層を有する熱定着
ロールを用い、定着温度を120〜200℃の範囲に設
定して画像を形成したところ130℃まではやや不安定
であったが、135℃以降は良好な剥離性を示した。ウ
エス摺擦により定着度を確認したところ、140℃から
十分な定着性を示したので最低定着温度を140℃と判
断した。また、高温オフセットは200℃においても全
く認められなかった。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用することに
より、最低定着温度を低く、高温オフセット温度を高
く、剥離性及び画像保存性を確保し、転写性能が良好
で、帯電維持性が優れ、高画質の実現を可能にするトナ
ーの提供を可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】示差走査熱量計によるトナーの融解熱量及びト
ナーのガラス転移オンセット点の説明図である。
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 修二 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 石山 孝雄 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 芹澤 学 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AB03 BA06 CA02 CA14 DA05 DA06 DA07 EA03 FA02 2H077 EA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 示差走査熱量計で測定されるトナーの融
    解熱ピーク点とトナーのガラス転移オンセット点の温度
    差A(℃)、及び同時に測定されるトナーの融解熱量B
    (J/g)の間に次式の関係が成り立つことを特徴とす
    る静電荷像現像用トナー。 1.6≦A/B≦12.4
  2. 【請求項2】 少なくとも樹脂微粒子分散液、着色剤微
    粒子分散液及び離型剤微粒子分散液を混合し、前記微粒
    子を凝集させて凝集粒子分散液を調製した後、前記樹脂
    微粒子のガラス転移点以上の温度に加熱して前記凝集粒
    子を融合・合一することを特徴とする請求項1記載の静
    電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 【請求項3】 トナーとキャリアからなる静電荷像現像
    剤において、請求項1記載のトナーを用いたことを特徴
    とする静電荷像現像剤。
  4. 【請求項4】 静電荷像担持体上に静電潜像を形成する
    工程、現像剤担持体上の現像剤で前記静電潜像を現像し
    てトナー像を形成する工程、前記トナー像を転写体上に
    転写する工程、及び前記転写体上のトナー像を熱定着す
    る工程を有する画像形成方法において、請求項3記載の
    静電荷像現像剤を用いることを特徴とする画像形成方
    法。
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