JP3959679B2 - 非磁性一成分現像用トナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷などにおける静電荷像を現像するための非磁性一成分現像用トナーに関する。更に詳しくは、印字耐久性、印字安定性を向上させた非磁性一成分現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真、静電記録、静電印刷などに用いるトナー組成物としては、一般的にはカーボンブラックの如き黒色着色剤をバインダー樹脂中に分散させたものが多く使用されている。また、最近ではシアン顔料、マゼンタ顔料、またはイエロー顔料をバインダー樹脂中に分散させたカラートナーも多く用いられるようになった。これらのカラートナーを用いたカラー複写機やカラープリンタ等の多色画像形成装置がオフィス等に設置され、各種の報告文書やカタログ、パンフレット等のプレゼンテーション用資料の作成に使用されている。
【0003】
一般に、これらの多色画像形成装置の現像装置では、トナーとキャリアを使用した二成分現像方式が用いられている。しかしながら、二成分現像方式はトナー補給装置、トナーとキャリアからなる現像剤を混合撹拌する装置、等が必要である。さらに、写真等の色彩を損なうことなく再現するカラー印刷を行う多色画像形成装置の場合には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色の画像を形成する現像装置が必要となり、装置全体が大型化せざるを得ないのが現実である。
【0004】
そこで最近では、このような不都合を回避するため、非磁性一成分現像方式によるカラープリンタが考案されている。この方法は、二成分現像方式で発生するトナー中の成分によるキャリア表面の汚染、トナーとキャリアとの混合比の変動に起因する摩擦帯電性の変化に伴う画質の劣化等が回避でき、また、現像装置がコンパクトになり、装置全体が小型化でき、さらにメンテナンスが容易で低コスト化が達成できるという利点を有する。
【0005】
非磁性一成分現像方式においては、トナーの帯電付与機構が重要とされているが、一般的には、現像スリーブとそれに圧接された帯電部材との間にトナーを通過せしめ、トナーを摩擦帯電させる方法がとられている。その場合、現像スリーブ、帯電部材の材料選択を充分考慮し、トナーに高い帯電が与えられるようにする必要があり、そのためには、ある程度強い圧力で帯電部材が現像スリーブに押しつけられることが必要である。
【0006】
しかし、そのような条件では、トナーが摩擦により発熱して帯電部材に融着したり、或いは過粉砕されて微粒子化しやすい状態を生み出す。これらの現象が発生した場合、画像濃度低下、現像スリーブ上へのトナーの搬送阻害等を誘発し、現像時の白抜け発生等、好ましくない種々の画像トラブルを引き起こすこととなる。
【0007】
この様な状況において、トナーが現像スリーブと帯電部材との間の圧力に耐え、長期間安定した画像を形成し、印刷を行えるようにするには、例えば、特開平8−314268号公報に記載の様に、トナーの樹脂成分として三価以上のカルボン酸あるいはアルコールを用いて架橋させたポリエステルを使用するか、または高分子量の直鎖ポリエステル樹脂を使用して、トナーに耐久性を与えるのが普通である。また、特許第2754539号公報に記載のように、粒子径の異なる外添剤を併用することにより、小粒径外添剤の埋め込みを抑制し、耐久性を与えることも知られている。
【0008】
ところで、カラートナーにおいては印刷画像の鮮明さが求められる。これを達成するためには、種々の要因があるが、中でも紙上に定着したトナーが透明性の高い均一な層を形成することが重要である。そのためにはトナー粒子は定着時に比較的低温で溶融し、定着後は粒状性を完全に消失してフィルム状になることが必要である。これによって、多色印刷において異なる色のトナーが重なったときに鮮明な二次色、三次色が得られる。特にOHPシートへの印刷においては、高い透明性が必要とされ、定着画像に気泡、ブツ、粒状性等が残っていると光が散乱するため、鮮やかな投影画像は得られない。このため、非磁性一成分カラートナーにおいては、比較的低温で定着し、かつ発色性・透明性を得るために、バインダー樹脂としては架橋成分を有しない、直鎖状の、しかも比較的低分子量のバインダー樹脂を選択する必要があった。
【0009】
また、非磁性一成分現像法においては、帯電量の高い粒子から選択的に現像ロールに付着し、帯電量の低いトナーが現像されずに残っていくいわゆる「選択現像」と呼ばれる現象がある。この選択現像が起こると、トナーの帯電量が印字とともに低下し、印字寿命後半でトナーの消費量が増加し、画像濃度が増加するとともに、印字寿命が短くなるといった問題を引き起こす。このような、印字に伴う画像濃度の変動は、色の異なるトナー像を重ねて現像するカラートナーの場合、現像画像の色再現性が悪くなるため問題となる。
【0010】
かかる問題を解決するために、特許第2694571号公報には、特定の嵩密度を持ち、且つシランカップリング剤またはシリコーンオイルで処理されたシリカ微粉体を含有する非磁性トナーが、また、特開平07−036217号公報においては、ポリエステル樹脂よりなり、特定の粒径を有する非磁性トナーに、特定の粘度を有するシリコーンオイル処理による特定の粒径を有する無機微粒子よりなる流動化剤を添加した現像剤が提案されている。しかし、これらは、印字していくとともにシリカ微粉体が離脱したり、トナー粒子中に埋め込まれていくため、十分な耐久性を持ち、印字の際の濃度変動が極めて小さい非磁性一成分トナーを得ることは困難であった。
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、連続印字した際も安定な帯電挙動を示し、印字寿命の長い非磁性一成分現像用トナーを提供することにある。また、本発明の他の目的は、連続印字した際の濃度変動が小さく、カラートナーによる重ね印字の際も良好な色再現性が得られる非磁性一成分現像用トナーを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、トナー粒子の表面をシリコーンオイルで処理したトナーが前記課題を解決することを見出し本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明は、少なくともバインダー樹脂と着色剤とを含有するトナー粒子からなる非磁性一成分現像用トナーであって、前記トナー粒子がシリコーンオイルにより表面処理されていることを特徴とする非磁性一成分現像用トナーを提供するものである。
【0013】
本発明のシリコーンオイルで表面処理されたトナーは、非磁性一成分現像装置の帯電部材と現像スリーブ間を通過する際に受ける強いシェアに耐えることができ、帯電部材に融着することが無く、高い帯電性を示し、しかも長時間の印字においても安定した帯電特性を示す等、耐久性に優れた非磁性一成分現像用トナーとしての適正を有する。したがって、比較的高分子量の架橋樹脂をバインダー樹脂として用いた場合のみならず、直鎖状の比較的低分子量の樹脂をバインダー樹脂として用いても、現像装置内でのシェアに耐えることができ、低温定着性、色再現性、透明性に優れた、しかも耐久性を有するトナーが得られる。本発明のトナーは非磁性一成分現像用カラートナーとしても最適である。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に本発明を詳細に説明する。本発明で使用するトナーのバインダー樹脂としては、通常、トナーにおいてバインダー樹脂として用いられているもので有れば特に限定すること無く使用することができ、例えば、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレンブタジエン樹脂、オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、アミド系樹脂、ポリカーボネイト樹脂、エポキシ系樹脂、並びにこれらのグラフト重合体及びそれらの混合物などを上げることができる。
【0015】
それらの中でも、帯電安定性、保存安定性、定着特性、あるいは有彩色の有機顔料等を含むカラートナー用樹脂として用いた場合の色再現性等を考慮するとポリエステル樹脂、スチレン(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂、エポキシ樹脂が好適に使用しうる。中でもポリエステル樹脂が特に好適に使用できる。
【0016】
本発明で用いられるポリエステル樹脂は、例えば2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水物及び/又はこれらの低級アルキルエステルから選ばれる多塩基酸化合物と2価以上の多価アルコールを通常の方法で反応させて得られる。本発明で用いられる、2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水物及び/又はこれらの低級アルキルエステルから選ばれる多塩基酸化合物としては、例えば無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸等のジカルボン酸又はその誘導体又はそのエステル化物が、また、例えばトリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等の三官能以上の多価カルボン酸又はその誘導体又はそのエステル化物が挙げられる。
【0017】
また、2価以上の多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ビスフェノールA、ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びその誘導体、ポリオキシプロピレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びその誘導体、等が挙げられる。
【0018】
さらに、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドランダム共重合体ジオール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体ジオール、エチレンオキサイド−テトラハイドロフラン共重合体ジオール、ポリカプロカクトンジオール等のジオールを用いることも出来る。
【0019】
また、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトラオール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリメチロールベンゼン、等の三官能以上の多価アルコールが挙げられる。
【0020】
さらに、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、等のエポキシ化合物も用いることができる。
【0021】
本発明に使用するポリエステル樹脂は、例えば触媒の存在下で上記の原料成分を用いて脱水縮合反応或いはエステル交換反応を行うことにより得ることができる。この際の反応温度及び反応時間は、特に限定されるものではないが、通常150〜300℃で2〜24時間である。
【0022】
上記反応を行う際の触媒としては、例えばテトラブチルチタネート、酸化亜鉛、酸化第一錫、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレート、パラトルエンスルホン酸等を適宜使用する事が出来る。
【0023】
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は50℃以上のものが好ましいが、中でも、そのTgが55℃以上のものが特に好ましい。Tgが50℃以下ではトナーが保存、運搬、あるいはマシンの現像装置内部で高温下に晒された場合にブロッキング現象(熱凝集)を生じやすい。
【0024】
また、ポリエステル樹脂の軟化点としては、90℃以上、中でも、90℃〜180℃の範囲のものが好ましい。より好ましくは、95℃〜160℃の範囲である。軟化点が90℃未満の場合は、トナーが凝集現象を生じやすく、保存時や印字の際にトラブルになりやすく、180℃を越える場合には定着性が悪くなることが多い。
【0025】
本発明のトナーを黒トナー、あるいは透明性がさほど要求されないビジネスカラー等のモノカラートナーとして用いる場合には、3価以上の多価カルボン酸、あるいは3価以上の多価アルコールで架橋させたポリエステル樹脂をバインダー樹脂として含有することが望ましい。そのような架橋樹脂の軟化点としては、90℃以上、中でも、90℃〜180℃の範囲のものが好ましく、より好ましくは、130℃〜180℃の範囲である。
【0026】
さらに、カラートナーとして、特に、色重ね時の色再現性やOHPシート上に定着させた際の透明性を要求される場合には、ポリエステル樹脂の軟化点としては、90℃〜130℃の範囲のものが好ましい。より好ましくは、95℃〜120℃の範囲である。
【0027】
ポリエステル樹脂の酸価としては、20mgKOH/g以下であることが、トナーの耐湿性が良好となる点で好ましい。
【0028】
本発明のトナーをカラートナーとして用いる場合には、バインダー樹脂として用いるポリエステル樹脂として、
1)2価のカルボン酸、その酸無水物及びこれらの低級アルキルエステルからなる群より選ばれる1種以上の化合物と、
2)2価のアルコール又はその誘導体と、
を反応して得られる直鎖状のポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
【0029】
かかるポリエステル樹脂を含有した非磁性一成分現像用トナーは、非磁性一成分トナーとして優れた耐久性、強度を有し、かつ定着時に比較的低温で溶融し、定着後は均一な層を形成し、定着性、耐オフセット性に優れ、連続印字した際も画像濃度の変動が少ない良好な画像を得るのに有利である。
【0030】
かかるポリエステル樹脂は、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、オレフィン樹脂、アミド系樹脂、ポリカーボネイト樹脂、エポキシ系樹脂、並びにこれらのグラフト重合体等を併用して用いることができるが、ポリエステル樹脂の合計量は、バインダー樹脂全体の50〜100重量%、特に70〜100重量%であることが好ましい。
【0031】
特に、本発明においては、軟化点の異なる2種類のポリエステル樹脂を用いてカラートナーを製造することが好ましい。かかる軟化点の差は、2〜20℃であることが好ましい。また、2〜15℃であることがより好ましく、2℃以上10℃未満であることが特に好ましい。軟化点の差が2〜20℃のポリエステル樹脂を含有する非磁性一成分現像用トナーであれば、画像濃度が十分確保され安定で、画像欠陥や地汚れがなく、印字寿命の長い、良好な品質の印刷物が得られる。また、OHPに用いた場合も良好な鮮明度が得られる。軟化点の差が20℃を超えると、画像濃度が低く、光沢がなく、またOHPに用いた場合鮮明度が悪い。また、軟化点の差が2℃未満であったり、1種類のポリエステル樹脂を用いた場合は地汚れやトナーこぼれが生じたり、ベタの均一性や印刷耐久性が悪くなる。
【0032】
かかる軟化点の異なる2種類のポリエステル樹脂の重量比は、1:9〜9:1、特に2:8〜8:2が好ましい。軟化点の異なる2種類のポリエステル樹脂を1:9〜9:1で含有した非磁性一成分現像用トナーであれば、非磁性一成分現像用トナーの有する優れた特性を維持しつつ、非磁性一成分トナーとして極めて優れた耐久性、強度を有し、かつ定着時に比較的低温で溶融し、定着後は均一な層を形成し、定着性、耐オフセット性に優れ、連続印刷した際も画像濃度の変動がない良好な画像が得られ、高鮮明かつ透明性に非常に優れたものとなる。
【0033】
かかる軟化点の差が2℃〜20℃であるポリエステル樹脂は、分子量や構成モノマー等を適宜調整することにより得ることができる。また、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、オレフィン樹脂、アミド系樹脂、ポリカーボネイト樹脂、エポキシ系樹脂、並びにこれらのグラフト重合体等を併用して用いることができるが、かかる軟化点の異なる2種類のポリエステル樹脂の合計量は、バインダー樹脂全体の50〜100重量%、特に70〜100重量%であることが好ましい。
【0034】
なお、ここで、ポリエステル樹脂の軟化点とは、ポリエステル樹脂の溶融粘度を、定荷重押出し形細管式レオメーターである高架式フローテスター「CFT−500」(島津製作所製)を用いて下記の方法にて測定した溶融温度T1/2で定義する。定荷重押出し形細管式レオメーターは、溶融物が細管を通過するときの粘性抵抗を測定するものである。
【0035】
高架式フローテスターのシリンダ部の構造を第1図に示す。この装置を用いた昇温法による測定は、試験時間の経過と共に一定の割合で昇温しながら試験することで、試料が固体域から遷移域、ゴム状弾性域を経て流動域に至るまでの過程を連続的に測定することができる。この装置により、流動域における各温度のせん断速度、粘度が簡便に測定できる。
【0036】
昇温法による流動曲線を第2図に示す。ABの領域(軟化曲線)は、試料が圧縮加重を受けて変形し、内部空隙が次第に減少していく段階を示す。B点は内部空隙が消失し、不均一な応力の分布を持ったまま外観均一な1個の透明体或いは相になる温度であり、固体域から遷移域への変曲点を示し、この温度を軟化温度Tsと定義する。BCの領域(停止曲線)は、有限な時間内ではピストンの位置に明瞭な変化がなく、かつダイから試料が流出を始めるまでの領域を示す。
【0037】
C点は粘度の低下により、ダイから試料が流出し始める温度を示し、この温度が流出開始温度Tfbである。CDEの領域(流出曲線)はダイから試料が流出する領域を示し、不可逆的な粘性流動が主として行われる。E点は試料の流出が終了した温度を示し、この温度が流出終了温度Tendである。溶融温度T1/2は流出曲線におけるTfbとTend間のストロークの中間点の温度を示したものである。
【0038】
本発明におけるT1/2の測定条件は、加重10kg/cm2、ダイの穴径1.0mm×1.0mm、測定開始温度60℃、予熱時間300秒、昇温速度6.0℃/min、試料の量1cm3(約1.2g)である。
【0039】
また、本発明で用いられるスチレン−(メタ)アクリル酸エステルの共重合体樹脂に用いられるスチレンモノマーとしては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−スルホンスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等がある。
【0040】
(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートの如きアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレートの如き脂環族(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレートの如き芳香族(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの如き水酸基含有(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロキシエチルホスフェートの如きリン酸基含有(メタ)アクリレート;2−クロロエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ3−クロロプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレートの如きハロゲン原子含有(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレートの如きエポキシ基含有(メタ)アクリレート;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレートの如きエーテル基含有(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートの如き塩基性窒素原子又はアミド基含有(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
【0041】
また、これらと共に共重合可能な不飽和化合物も必要に応じ用いることができる。例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸の如きカルボキシル基含有ビニルモノマー;スルホエチルアクリルアミドの如きスルホ基含有ビニルモノマー;(メタ)アクリロニトリルの如きニトリル基含有ビニルモノマー;ビニルメチルケトン、ビニルイソプロペニルケトンの如きケトン基含有ビニルモノマー;N−ビニルイミダゾール、1−ビニルピロール、2−ビニルキノリン、4−ビニルピリジン、N−ビニル2−ピロリドン、N−ビニルピペリドンの如き塩基性窒素原子又はアミド基含有ビニルモノマー等を使用することができる。
【0042】
また、架橋剤を上記ビニルモノマーに対して0.1〜2重量%の範囲で使用してもよい。架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0043】
あるいは前記カルボキシル基含有ビニルモノマーを共重合せしめたスチレン−(メタ)アクリル酸エステルの共重合体を用いた樹脂においては、金属塩を用いて架橋樹脂とすることもできる。金属塩としてはAl、Ba、Ca、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、Hg、Mg、Mn、Ni、Pb、Sn、Sr、Zn等のハロゲン化物、水酸化物、酸化物、炭酸化物、カルボン酸塩、アルコキシレート、キレート化合物等がある。架橋反応は溶媒の存在下に加熱攪拌することにより行うことができる。
【0044】
スチレン−(メタ)アクリル酸エステルの共重合体の製造方法としては通常の重合方法を採ることが可能で、溶液重合、懸濁重合、塊状重合等、重合触媒の存在下に重合反応を行う方法が挙げられる。
【0045】
重合触媒としては、例えば、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ベンゾイルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイド、ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられ、その使用量はビニルモノマー成分の0.1〜10.0重量%が好ましい。
【0046】
また、スチレン−(メタ)アクリル酸エステルの共重合体樹脂の軟化点としては、90℃以上、中でも、90℃〜180℃の範囲のものが好ましい、より好ましくは、95℃〜160℃の範囲である。軟化点が90℃未満の場合は、トナーが凝集現象を生じやすく、保存時や印字の際にトラブルになりやすく、180℃を越える場合には定着性が悪くなることが多い。
【0047】
さらに、カラートナーとして、特に、色重ね時の色再現性やOHPシート上に定着させた際の透明性を要求される場合には、スチレン−(メタ)アクリル酸エステルの共重合体樹脂の軟化点としては、90℃〜130℃の範囲のものが好ましい、より好ましくは、95℃〜120℃の範囲である。
【0048】
一方、スチレン−(メタ)アクリル酸エステルの共重合体樹脂のガラス転移温度(Tg)は40℃以上のものが好ましく、中でも、Tgが45〜85℃のものが特に好ましい。また、酸価については30以下が望ましく、15以下であることが特に望ましい。酸価が高すぎると帯電量の低下を招き所期の帯電量が得られない。
【0049】
本発明で使用することができるエポキシ樹脂としては、市販品として、例えば大日本インキ化学工業(株)製の「エピクロン3050」(軟化点94〜102℃)、「エピクロン4050」(軟化点96〜104℃)、「エピクロン7050」(軟化点122〜131℃)、油化シェルエポキシ(株)製の「エピコート1002」(軟化点83℃)、「エピコート1003」(軟化点89℃)、「エピコート1004」(軟化点98℃)、「エピコート1007」(軟化点128℃)、「エピコート1009」(軟化点148℃)、チバガイギー社(株)製の「アラルダイド7072」(軟化点75〜85℃)、「アラルダイト7072」(軟化点75〜85℃)、「アラルダイド6084」(軟化点96〜104℃)、「アラルダイド7097」(軟化点115〜125℃)、等が挙げられる。中でもビスフェノールAとエピハロヒドリンから得られるエポキシ樹脂等の芳香族エポキシ樹脂が好ましい。これらの結着性樹脂は、複数混合して用いることもでき、また少量の他のエポキシ樹脂と混合して用いることもできる。
【0050】
本発明の非磁性一成分現像用トナーを黒トナー、あるいは透明性がさほど要求されないビジネスカラー等のモノカラートナーとして用いる場合のトナーの軟化点は、90℃〜180℃の範囲のものが好ましく、より好ましくは130℃〜170℃の範囲のものが好ましい。カラートナーとして用いる場合の軟化点は、90〜130℃であることが好ましく、90〜125℃であることがより好ましく、95〜120℃であることが特に好ましい。軟化点が90〜130℃の非磁性一成分現像用トナーであれば、カラートナーとして非磁性一成分現像用トナーの有する優れた特性を維持しつつ、非磁性一成分トナーとして十分な耐久性、強度を有し、かつ定着時に比較的低温で溶融し、定着後は均一な層を形成し、定着性、耐オフセット性に優れ、連続印刷した際も画像濃度の変動がない良好な画像が得られ、高鮮明かつ透明性に優れたものとなる。なお、非磁性一成分現像用トナーの軟化点は、前記の軟化点の測定方法と同様の方法で測定することができる。
【0051】
本発明で使用するシリコーンオイルの例としては、ジメチルシリコーンオイルが好適であるが、帯電性に応じて種々の官能基で変性したいわゆる変性シリコーンオイルも用いることができる。変性シリコーンオイルの例としては、アルキル変性シリコーンオイル、メチルスチレンまたはオレフィン変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、クロロフェニルシリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、カルナバ変性シリコーンオイル、アミド変性シリコーンオイル等が挙げられる。
【0052】
また、上記シリコーンオイルの他、メチルフェニルシリコーンオイルも好適に用いることができる。したがって、本発明において使用するシリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、又はメチルフェニルシリコーンオイルが好適である。これらは、単独で使用しても良いし、併用しても良い。
【0053】
これらのシリコーンオイルは単独でも用いることができるが、トナーの電気特性や流動性などのトナー特性を所望のレベルに調整するために、場合によって、2種以上を混合して用いることが可能である。本発明に使用するシリコーンオイルは、25℃における粘度が、1〜10000センチストークスであることが好ましい。また、10〜6000センチストークスであることがより好ましく、30〜3000センチストークスであることが特に好ましい。シリコーンオイルの粘性が10000センチストークスを越えると、直接トナーに添加した場合、偏在が発生しやすくなるので好ましくない。
【0054】
本発明において、トナー粒子の表面に付着させるシリコーンオイルの量は、
トナー粒子100重量部に対して、0.001〜0.5重量部であることが好ましい。また、0.001〜0.2重量部であることがより好ましく、0.001〜0.1重量部であることが特に好ましい。シリコーンオイルの量が0.001重量部未満であると本発明の効果が得られず、0.5重量部を越えると流動性が悪くなり好ましくない。
【0055】
本発明で使用することができる着色剤としては、例えば、黒の着色剤としては製法により分類されるファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、或いは、C.I.Pigment Black 11の鉄酸化物系顔料、C.I.Pigment Black 12の鉄−チタン酸化物系顔料、フタロシアニン系のシアニンブラックBX等があげられる。また、複数の黒以外の顔料を使用して、黒色に調色することもできる。
【0056】
青系の着色剤としては、フタロシアニン系のC.I.Pigment Blue 1,2,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,15,16,17:1,27,28,29,56,60,63等が挙げられる。青系の着色剤として、好ましくは、C.I.Pigment Blue 15:3(一般名フタロシアニンブルーG),15(フタロシアニンブルーR),16(無金属フタロシアニンブルー),60(インダンスロンブルー)が挙げられ、最も好ましくは、C.I.Pigment Blue 15:3,60が挙げられる。
【0057】
また、黄色系の着色剤としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1,3,4,5,6,12,13,14,15,16,17,18,24,55,65,73,74,81,83,87,93,94,95,97,98,100,101,104,108,109,110,113,116,117,120,123,128,129,133,138,139,147,151,153,154,155,156,168,169,170,171,172,173,180,185等が挙げられる。好ましくは、C.I.Pigment Yellow 12(一般名ジスアゾイエロー AAA),13(ジスアゾイエロー AAMX),17(ジスアゾイエロー AAOA),97(ファストイエロー FGL),110(イソインドリノンイエロー 3RLT),および155(サンドリンイエロー 4G),180(ベンズイミダゾロン)が挙げられ、最も好ましくはC.I.Pigment Yellow 17,155,180が挙げられる。
【0058】
さらに、赤色系着色剤としては、例えば、C.I.Pigment Red 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,12,14,15,17,18,22,23,31,37,38,41,42,48:1,48:2,48:3,48:4,49:1,49:2,50:1,52:1,52:2,53:1,54,57:1,58:4,60:1,63:1,63:2,64:1,65,66,67,68,81,83,88,90,90:1,112,114,115,122,123,133,144,146,147,149,150,151,166,168,170,171,172,174,175,176,177,178,179,185,187,188,189,190,193,194,202,208,209,214,216,220,221,224,242,243,243:1,245,246,247等が挙げられる。好ましくは、C.I.Pigment Red 48:1(一般名バリウムレッド),48:2(カルシウムレッド),48:3(ストロンチウムレッド),48:4(マンガンレッド),53:1(レーキレッド),57:1(ブリリアントカーミン6B),122(キナクリドンマゼンタ 122)および209(ジクロロキナクリドンレッド)が挙げられ、最も好ましくはC.I.Pigment Red 57:1,122および209が挙げられる。
【0059】
これら着色剤の含有量は、トナー全体に対して、1〜20重量%であることが好ましい。中でも2〜15重量%であることが更に好ましく、2〜10重量%であることが特に好ましい。これらの着色剤は1種又は2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0060】
本発明では必要に応じ帯電制御剤を用いることができる。例えば正帯電制御剤としてニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、4級アンモニウム基及び/又はアミノ基を含有する樹脂等が、負帯電制御剤としてトリメチルエタン系染料、サリチル酸の金属錯塩、ベンジル酸の金属錯塩、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、金属錯塩アゾ系染料、アゾクロムコンプレックス等の重金属含有酸性染料、カリックスアレン型のフェノール系縮合物、環状ポリサッカライド、カルボキシル基及び/又はスルホニル基を含有する樹脂、等がある。
【0061】
特に、本発明において、黒色の着色剤を使用しない場合は、無色の帯電制御剤を使用するのが望ましく、負の帯電制御剤としてはサリチル酸の金属錯化合物としてオリエント化学社製「ボントロンE−84」が、また、無色の正帯電制御剤としては4級アンモニウム塩構造のTP−302、TP−415、TP−610;(保土谷化学製)、ボントロンP−51;(オリエント化学製)、コピーチャージPSY(クラリアントジャパン)等が好適に用いられる。また、4級アンモニウム基及び/又はアミノ基を含有する正帯電性の樹脂型帯電制御剤としては、「FCA−201−PS」(藤倉化成(株))等が挙げられる。
【0062】
中でも、本発明において特に好適に用いることができる帯電制御剤としては、下記<一般式1>の化合物、及び<一般式2>の化合物がある。
<一般式1>
【0063】
【化1】
(式中、R1は4級炭素、メチン、メチレンであり、N、S、O、Pのヘテロ原子を含んでいてもよく、Yは飽和結合又は不飽和結合で結ばれた環状構造を表し、R2、R3は相互に独立してアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基又はアリールオキシ基又はアラルキル基又はアラルキルオキシ基、ハロゲン基、水素、水酸基、置換基を有しても良いアミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホニル基、シアノ基を表し、R4は水素又はアルキル基を表し、tは0ないし1から12の整数、mは1から20の整数、nは0ないし1から20の整数、kは0ないし1から4の整数、pは0ないし1から4の整数、qは0ないし1から3の整数、rは1から20の整数、sは0又は1ないし20の整数である。)
【0064】
<一般式2>
【0065】
【化2】
(式中、R1およびR4は水素原子、アルキル基、置換又は非置換の芳香環(縮合環も含む)を示し、R2およびR3は置換又は非置換の芳香環(縮合環も含む)を示し、MはB、Al、Fe、Ti、Co、Crから選ばれる1種の3価の金属を示し、X+はカチオンを示す)
【0066】
<一般式1>の化合物の具体的な例としては、以下の<帯電制御剤1>〜<帯電制御剤3>がある。
【0067】
<帯電制御剤1>
【0068】
【化3】
【0069】
<帯電制御剤2>
【0070】
【化4】
【0071】
<帯電制御剤3>
【0072】
【化5】
【0073】
また、<一般式2>の化合物の具体的な例としては、以下の<帯電制御剤4>、<帯電制御剤5>がある。
【0074】
<帯電制御剤4>
【0075】
【化6】
【0076】
<帯電制御剤5>
【0077】
【化7】
【0078】
上記の帯電制御剤は単独で用いても組み合わせて用いても良く、バインダー樹脂に対して0.3〜15重量部、好ましくは0.5〜5重量部含有させることにより良好な帯電性能が得られる。
【0079】
また、本発明のトナ−にはこれまで公知の種々のワックス、例えばポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、ポリアミド系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、カルナバワックス、エステルワックス等を離型剤として適宜用いることができる。
【0080】
上記ワックスは単独で用いても組み合わせて用いても良く、バインダー樹脂に対して0.3〜15重量部、好ましくは1〜5重量部含有させることにより良好な定着オフセット性能が得られる。0.3重量部より少ないと耐オフセット性が損なわれ、15重量部より多いとトナーの流動性が悪くなり、非磁性一成分現像方式においては、現像ロールに圧接された層厚規制部材に付着したりしてトナーの帯電を阻害し、画像欠陥の原因になる。
【0081】
本発明のトナーを得るための製造方法は、公知慣用の任意の手段に依って得る事ができるが、例えば樹脂及び着色剤と必要に応じて各種添加剤を樹脂の融点(軟化点)付近で溶融混練した後、粉砕し、分級することにより得ることが出来る。着色剤を用いる場合は、樹脂中に均一に分散するようにあらかじめフラッシング処理、あるいは樹脂と高濃度で溶融混練したマスターバッチを用いても良い。
【0082】
具体的には例えば、上記の樹脂と着色剤とを必須成分として、2本ロール、3本ロール、加圧ニーダー、又は2軸押し出し機等の混練手段により混合する。この際、樹脂中に着色剤が均一に分散すればよく、その溶融混練の条件は特に限定されるものではないが、通常80〜180℃で10分〜2時間である。
【0083】
また、必要に応じて、微粉砕工程における負荷の軽減及び粉砕効率の向上を目的とした粗粉砕を行う。粗粉砕に使用する装置、条件は特に限定されるものではないが、ロートプレックス、パルペライザー等により3mmメッシュパス以下の粒径に粗粉砕するのが一般的である。
【0084】
次いで、ターボミル、クリプトロン等の機械式粉砕機、渦巻き式ジェットミル、カウンタージェットミル、衝突板式ジェットミル等のエアー式粉砕機で微粉砕し、風力分級機等により分級するという方法が挙げられる。微粉砕、及び分級の装置、条件は所望の粒径、粒径分布、粒子形状になるように選択、設定すれば良い。
【0085】
本発明において、シリコーンオイルをトナー粒子に付着させる方法としては、ヘンシェルミキサーなどの粉体混合機を用いて直接添加しても良いし、撹拌中にスプレー等で噴霧する方法で添加しても良い。
【0086】
本発明では、トナー粒子の表面にシリコーンオイルを付着させた後、トナーの流動性向上、帯電特性改良などトナー母体の表面改質のために種々の添加剤(外添剤と呼ぶ)を用いることが好ましい。
【0087】
本発明で用いられる外添剤としては、例えばシリカ、酸化チタン、酸化アルミ、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム等の無機微粉体及びそれらをシリコーンオイル、シランカップリング剤などの疎水化処理剤で表面処理したものが好適に使用できる。また、必要に応じてポリスチレン、アクリル、スチレンアクリル、ポリエステル、ポリオレフィン、セルロース、ポリウレタン、ベンゾグアナミン、メラミン、ナイロン、シリコン、フェノール、フッ化ビニリデン等の樹脂微粉体等を用いることができる。
【0088】
具体的には、次のような商品名で市販されているものがある。
AEROSIL;R972,R974,R202,R805,R812,RX200,NAX50,RX200,RY50,RY200、 R809,RX50,RA200HS,RA200H〔日本アエロジル(株)〕
WACKER;HDK H2000、H2050、H3050、HVK2150〔ワッカーケミカルズ(株)〕、
HDK H13TM,HDK H13TD,HDK H13TX〔クラリアントジャパン〕
Nipsil;SS−10、SS−15,SS−20,SS−50,SS−60,SS−100、SS−50B,SS−50F,SS−10F、SS−40、SS−70,SS−72F、〔日本シリカ工業(株)〕、
CABOSIL;TS−500、TS−530、TS−610、TS−720、TG−308F、TG−709F、TG−810G、TG−811F、TG820F〔キャボット・スペシャルティー・ケミカルズ・インク〕、
などである。
【0089】
また、酸化チタンとしては親水性グレードであってもよく、オクチルシラン等で表面処理した疎水性グレードのものであってもよい。例えば、下記のような商品名で市販されているものがある。
酸化チタン T805〔デグサ(株)〕、酸化チタン P25〔日本アエロジル(株)〕などである。
【0090】
また、アルミナとしては、酸化アルミニウムC〔デグサ(株)〕等が挙げられる。
【0091】
これらの外添剤の粒子径はトナー粒子の直径の1/3以下であることが好ましく、特に好適には1/10以下である。また、本発明においては外添剤として異なる平均粒子径の外添剤を2種以上併用することが好ましい。つまり、平均粒子径の小さな微粉体(以下、第一微粉体という)と平均粒子径の大きな微粉体(以下、第二微粉体という)を組み合わせて用いるのが好ましい。
【0092】
本発明における第一微粉体の平均一次粒子径としては、30nm未満、1nm以上であることが好ましく、25nm〜5nmであることがより好ましい。さらに、20nm〜5nmであることが特に好ましい。第一微粉体としては、従来から流動性向上剤として用いられている前記の様々な材料を使用することができる。例えば、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等を単独あるいは2種以上混合して使用することができる。特に好ましい第一微粉体はシリカである。中でも、疎水化処理剤により表面処理されたコロイダルシリカが好ましい。このような疎水化処理剤による表面処理は湿度の影響によるトナー帯電量の変化を防ぐためであり、疎水化度は80%以上であることが望ましい。
【0093】
疎水化剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル等の従来から使用されている疎水化剤が用いられる。好ましくはシラン系カップリング剤を用いる。さらに好ましくは、シリコーンオイルを用いる。さらに好ましくは、シランカップリング剤とシリコーンオイルの両方を用いる。シラン系カップリング剤としては、例えば、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ジエチルテトラエチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等が使用できる。シリコーンオイルとしては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等が使用できる。疎水化剤は疎水化度が80%以上を達成できる使用量にて、従来公知の方法により処理すればよい。
【0094】
本発明において、第一微粉体の平均一次粒子径が30nm以上であると流動性向上剤としての効果が低下し、所望の流動性を得ようとすると多量の微粉体が必要となる。本発明において、第一微粉体の含有量は、トナー粒子100重量部に対して、0.1〜3重量部が好ましく、より好ましくは0.3〜1.5重量部含有することが望ましい。含有量が0.1重量部未満では、所望の流動性を得ることができず、印字ムラやカブリが発生し好ましくない。3重量部を越えると、遊離した微粉体がトナー層規制部材等に付着して、トナー固着を誘発したりトナー飛散が起こりやすくなり好ましくない。
【0095】
本発明においては、トナーの流動性及び現像耐久性を向上させ、現像機のブレードへの固着及びカブリの防止、ランニング時における帯電の安定性等を得るために、第一微粉体に加えて平均一次粒径の大きな第二微粉体を併用することが好ましいが、第二微粉体としては、平均一次粒子径が30nm〜100nmであることが好ましい。また、平均一次粒子径は30nm〜80nmであることがより好ましく、30nm〜70nmであることが特に好ましい。
【0096】
第二微粉体としては、従来から流動性向上剤として用いられている前記の様々な材料を使用することができる。例えば、チタニア、アルミナ、シリカ、チタン酸バリウム、酸化亜鉛等が使用できるが、特に好ましいのは、シリカである。本発明における、第二微粉体は、トナーが現像装置内で繰り返しシェアを受けた際に、第一微粉体がトナー粒子中への埋め込まれ、埋没するのを防止する機能を持つ。本発明における第二微粉体は上記第一微粉体と同様に、前記の疎水化剤により表面処理されたものを使用するのが好ましい。
【0097】
本発明において、第二微粉体の含有量は、トナー粒子100重量部に対して、0.3〜2.0重量部、より好ましくは0.3〜1.5重量部含有されるのが望ましい。第二微粉体の含有量が0.3重量部以下では、第一微粉体のトナー粒子中への埋め込み防止機能が充分に発揮されず、印字耐久性が短くなり好ましくない。また、2.0重量部を越えると、前記したように遊離したものや、凝集物がトナー層規制部材に付着して、印字の際にスジが発生するなど画像に悪影響を及ぼす。
【0098】
前記微粉体を、トナー粒子に外添させる方法としては、例えば通常の粉体用混合機であるヘンシェルミキサーなどや、ハイブリダイザー等のいわゆる表面改質機を用いて行うことができる。
【0099】
本発明のトナーを非磁性一成分現像用トナーとして用いる現像方法としては、本発明のトナーをキャリアと混合せずに現像スリーブ上に担持させ、これを静電潜像が形成された感光体ドラムと接触させて現像する接触型の非磁性一成分現像方法がある。
【0100】
本発明のトナーを非磁性一成分現像用トナーとして用いる場合は、現像スリーブとそれに圧接された帯電付与部材との間をトナーが通過することにより摩擦帯電し、次いで感光体の表面に形成された静電潜像を現像するような接触型の非磁性一成分現像装置に特に有効に使用することが出来る。
【0101】
本発明のトナーを非磁性一成分現像用トナーとして用いる場合は、通常の使用条件であれば特に現像装置の帯電付与部材の材質等を限定するものではない。例えばアルミニウム、ステンレス、ウレタンゴム、シリコンゴム製の現像スリーブ、アルミニウム、ステンレス、ジュラルミン、銅、あるいはそれらにウレタンゴム、シリコンゴムを貼り合わせた層厚規制部材等が好適に使用できる。
【0102】
本発明のトナーが効果を発現するのに適した現像方法は、現像スリーブと帯電付与部材とのいずれか一方がアルミニウム、ステンレス等の金属である場合であり、最も有効な組み合わせ(現像スリーブ/帯電付与部材)は、
(1)ウレタンゴムまたはシリコンゴム製の現像スリーブとステンレス製の帯電付与部材の組み合わせ、
または、
(2)ステンレス製の現像スリーブとウレタンゴムまたはシリコンゴム製の帯電付与部材の組み合わせ、
または
(3)アルミニウム製の現像スリーブとウレタンゴム又はシリコンゴム製の帯電付与部材の組み合わせ、
である。
【0103】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を更に詳細に説明する。なお、以下において、組成表内の数値は『重量部』を表わす。最初にトナーを調製するにあたって用いたバインダー樹脂の合成例を下記に示す。
【0104】
【0105】
を攪拌器、コンデンサー、温度計をセットした四つ口フラスコに入れ、窒素ガス気流下、全酸成分に対して0.07重量%のジブチル錫オキサイドを添加し、脱水縮合により生成した水を除去しながら、230℃にて15時間反応させた。得られたポリエステル樹脂の軟化点T1/2は155℃、DSC法によるTgは62℃、酸価は10であった。
【0106】
を、四つ口フラスコに入れ、攪拌器、コンデンサー、温度計をセットして、窒素ガスを吹き込み、触媒であるジブチル錫オキサイドを全酸成分に対して0.7重量部添加し、220℃にて脱水縮合により生成した水を除去しながら10時間反応させた。その後順次減圧し5mmHgで反応を続行した。反応はASTME28−517に準じる軟化点により追跡し、軟化点が103゜Cに達した時反応を終了した。得られた線状のポリエステル樹脂の酸価は12であり、水酸基価は27であった。また、軟化点T1/2は105℃であり、Tgは62℃であった。また、分子量は、Mw:9500、Mn:3600であった。TgはDSCにより測定した。
【0107】
を使用して、樹脂合成例1と同様に反応を進め、ASTM E28−517に準じる軟化点が105゜Cに達した時反応を終了した。得られた線状のポリエステル樹脂の酸価は11であり、水酸基価は25であった。また、軟化点T1/2は108℃であり、Tgは62℃であった。また、分子量は、Mw:10500、Mn:4000であった。TgはDSCにより測定した。
【0108】
(樹脂合成例4)
スチレン 380重量部
ブチルメタアクリレート 120重量部
ジビニルベンゼン 5重量部
過酸化ベンゾイル 5重量部
【0109】
温度計、ガラス製気流導入管、耐真空シール装置付撹拌棒及び水冷ジムロート型コンデンサーを付属した2容量の4つ口丸底フラスコに、キシレン500重量部と上記モノマー及び開始剤の全量を投入した。ガラス製気流導入管から窒素ガスを導入して反応器内を不活性雰囲気に置換した後、内容物をスライダツク付マントルヒーターにより徐々に加熱して75℃迄上昇せしめた。反応は75℃〜80℃に保ちつつ行なわれ、10〜12時間後に反応を終了せしめるべく温度を130℃迄上昇せしめて重合を完結した。次に水冷コンデンサー及びガラス製気流導入管をフラスコから取除き、かわりに減圧蒸留用のキヤピラリーとクライゼン分溜管を装着した。クライゼン分溜管には温度計と水冷リービツヒコンデンサーを連結し、コンデンサーの排出口は吸引アダプターを経てナス型フラスコへと連結せしめた。吸引アダプターと真空ポンプをマノメーター及びトラップを介して減圧用ゴム管で結び減圧蒸溜の準備を終了した。マントルヒーターを加熱し、内容物を充分に撹拌しつつ真空ポンプを作動させ20mmHg迄減圧すると液温75℃、溜出温度38℃でキシレン或は場合により未反応のモノマーが溜出を始めた。最後は液温180℃に於て0.5mmHg迄減圧して溶剤を完全に除去した。得られた重合体は高温溶融状態のうちにステンレスパンにあけ、室温迄冷却後破砕した。
【0110】
得られた重合体の軟化点T1/2は145℃、Tgは55℃であつた。
【0111】
(実施例1)
<トナーの製造>
ポリエステル樹脂2 92重量部
顔料Fastgen Super Magenta R「大日本インキ化学工業」製 5重量部
ワックス ビスコール550P「三洋化成工業(株)」製 2重量部
前記帯電制御剤 4 1重量部
をヘンシェルミキサーにて混合後、二軸の押し出し混練機で溶融混練した。混練物を室温まで冷却後、ハンマーミルにて粗砕し、さらにジェットミルで微粉砕後、風力分級機で分級して体積50%径:7.5ミクロンの「トナー粒子(1)」を得た。
【0112】
次いで
上記「トナー粒子(1)」とジメチルシリコーンオイル KF−96−50CSを上記配合比で混合し、この後、疎水性シリカを上記配合比で投入し均一混合を行った。この後、篩をかけて、「非磁性一成分現像用トナーA」を得た。
【0113】
(実施例2)
実施例1において、ジメチルシリコーンオイルをKF−96−50CSの代わりにKF−96−300CS(粘度 300センチストークス)を用いた以外は同様にしてトナーを作製し、「非磁性一成分現像用トナーB」を得た。
【0114】
(実施例3)
ポリエステル樹脂2 46重量部
ポリエステル樹脂3 46重量部
顔料Fastgen Super Magenta R「大日本インキ化学工業」製 5重量部
ワックス ビスコール550P「三洋化成工業(株)」製 2重量部
前記帯電制御剤 4 1重量部
を実施例1と同様にしてヘンシェルミキサーにて混合後、二軸の押し出し混練機で溶融混練した。混練物を室温まで冷却後、ハンマーミルにて粗砕し、さらにジェットミルで微粉砕後、風力分級機で分級して体積50%径:7.5ミクロンの「トナー粒子(2)」を得た。
【0115】
次いで
(日本アエロジル社製シリカ 一次粒子の平均粒子径;12nm)上記「トナー粒子(2)」とジメチルシリコーンオイル(KF−96−100CS)をヘンシェルミキサーを用いて上記配合比で混合し、この後、疎水性シリカを上記配合比で投入し均一混合を行った。この後、篩をかけて、「非磁性一成分現像用トナーC」を得た。2種類のポリエステル樹脂の軟化点の差は、3℃であった。また、非磁性一成分現像用トナーBの軟化点は、106℃であった。
【0116】
上記「トナー粒子(2)」とジメチルシリコーンオイル KF−96−100CSを上記配合比で混合し、この後、疎水性シリカを上記配合比で投入し均一混合を行った。この後、篩をかけて、「非磁性一成分現像用トナーD」を得た。
【0117】
(比較例1)
実施例1においてジメチルシリコーンオイル(KF−96−50CS;信越化学工業(株)社製、粘度50センチストークス)を用いない以外は、実施例1と同様にしてトナーを作製し、「比較トナー1」を得た。
【0118】
(比較例2)
実施例3においてジメチルシリコーンオイル(KF−96−100CS;信越化学工業(株)社製、粘度100センチストークス)を用いない以外は、実施例3と同様にしてトナーを作製し、「比較トナー2」を得た。
【0119】
実施例1〜4及び比較例で製造したトナーを用いて以下の試験を行った。
(1)印刷耐久性テスト
市販の非磁性一成分現像方式のカラープリンタ(アルミニウム製現像スリーブとウレタンゴム製帯電付与部材で構成された現像器を有する)のカートリッジから専用トナーを抜き、洗浄したカートリッジに非磁性一成分現像用トナーAを200g充填し、画像濃度5%の連続印字を行い、1000枚毎にベタ画像を印字した。カートリッジ中の残りのトナーが50g以下になった時点で印刷を終了した。この時の印刷枚数を印字寿命とした。
【0120】
この時点で現像装置周辺にトナーがこぼれていたり、プリンタの内部にトナーが飛散していない状態を○とし、トナーのこぼれや飛散がある場合を△、トナーのこぼれや飛散が多く、現像装置周辺を激しく汚染した場合を×と判断した。
【0121】
また、印刷物の画像濃度及び地汚れはマクベス濃度計RD−918で測定した。また、印刷開始時の画像濃度と印刷終了時の画像濃度を測定し、印刷終了時の画像濃度から印刷開始時の画像濃度を引いて、印刷時の濃度変動を評価した。ベタ画像の評価は、濃度の均一性(ベタ追従性)がどこまで確保されるかで判断し、4000枚以上まで濃度が均一な場合を○、4000枚未満の場合を×とした。
【0122】
上記評価結果を表1に示した。
【表1】
【0123】
(実施例5)
ポリエステル樹脂1 92重量部
カーボンブラック(エルフテックス8:キャボット製) 5重量部
ワックス ビスコール550P「三洋化成工業(株)」製 2重量部
帯電制御剤 S−34「オリエント化学工業(株)」製 1重量部
をヘンシェルミキサーにて混合後、二軸の押し出し混練機で溶融混練した。混練物を室温まで冷却後、ハンマーミルにて粗砕し、さらにジェットミルで微粉砕後、風力分級機で分級して体積50%径:9.0μmの「トナー粒子(3)」を得た。
【0124】
次いで
上記「トナー粒子(3)」とジメチルシリコーンオイル(KF−96−100CS)をヘンシェルミキサーを用いて上記配合比で混合し、この後、疎水性シリカを上記配合比で投入し均一混合を行った。この後、篩をかけて、「非磁性一成分現像用トナーE」を得た。
【0125】
(実施例6)
実施例5で疎水性シリカとしてHDK13TMの代わりにHDK H13TD(クラリアント社製シリコーンオイル処理シリカ一次粒子径20nm)1.0重量部を用いた以外は実施例5と同様にして、トナーを作製し、「非磁性一成分現像用トナーF」を得た。
【0126】
(実施例7)
実施例5で疎水性シリカとしてHDK H13TMの代わりに、HDK H13TX(クラリアント社製 シランカップリング剤/シリコーンオイル処理シリカ 一次粒子径20nm)を用いた以外は、実施例5と同様にして、トナーを作製し「非磁性一成分現像用トナーG」を得た。
【0127】
(実施例8)
実施例7におけるポリエステル樹脂1の代わりに樹脂合成例4のスチレンアクリル樹脂を用いた以外は、実施例7と同様にして、トナーを作製し「非磁性一成分現像用トナーH」を得た。
【0128】
(実施例9)
実施例7におけるポリエステル樹脂1の代わり「エピクロン4050」(軟化点T1/2=100℃、大日本インキ化学工業(株)製エポキシ樹脂)を用いた以外は、実施例7と同様にして、トナーを作製し「非磁性一成分現像用トナーI」を得た。
【0129】
(比較例3)
実施例5においてジメチルシリコーンオイルKF96−100CS(信越化学工業(株)社製 粘度100センチストークス)を用いない以外は同様にしてトナーを作製し、「比較トナー3」を得た。
【0130】
(比較例4)
実施例6においてジメチルシリコーンオイルKF96−100CS(信越化学工業(株)社製 粘度100センチストークス)を用いない以外は同様にしてトナーを作製し、「比較トナー4」を得た。
【0131】
(比較例5)
実施例6においてジメチルシリコーンオイルKF96−100CS(信越化学工業(株)社製 粘度100センチストークス)を用いない以外は同様にしてトナーを作製し、「比較トナー5」を得た。
【0132】
上記実施例5〜9及び比較例3〜5で得られたトナーをウレタンゴム現像スリーブとステンレス帯電ブレードで構成された現像機を有する市販のモノクロプリンターを用いて印字試験を行った。印字寿命は印刷画像のカスレが発生した印字枚数で評価した。評価結果を表2に示した。
【0133】
【表2】
【0134】
(実施例10)
実施例1におけるジメチルシリコーンオイルをKF−96−50CSの代わりにメチルフェニルシリコーンオイルKF−50−100CS(信越化学工業(株)社製 粘度100センチストークス)を用いた以外は実施例1と同様にしてトナーを作製し、「非磁性一成分現像用トナーJ」を得た。
【0135】
(実施例11)
実施例4におけるジメチルシリコーンオイルをKF−96−100CSの代わりにメチルフェニルシリコーンオイルKF−50−300CS(信越化学工業(株)社製 粘度300センチストークス)を用いた以外は実施例4と同様にしてトナーを作製し、「非磁性一成分現像用トナーK」を得た。
【0136】
実施例10、実施例11について、実施例1〜4及び比較例1〜2と同様に印刷耐久性テストを行った。結果を表3に示す。
【0137】
【表3】
【0138】
(実施例12)
実施例5におけるジメチルシリコーンオイルをKF−96−100CSの代わりにメチルフェニルシリコーンオイルKF−50−100CS(信越化学工業(株)社製 粘度100センチストークス)を用いた以外は実施例5と同様にしてトナーを作製し、「非磁性一成分現像用トナーL」を得た。
【0139】
(実施例13)
実施例8におけるジメチルシリコーンオイルをKF−96−100CSの代わりにメチルフェニルシリコーンオイルKF−50−100CS(信越化学工業(株)社製 粘度100センチストークス)を用いた以外は実施例8と同様にしてトナーを作製し、「非磁性一成分現像用トナーM」を得た。
【0140】
(実施例14)
実施例9におけるジメチルシリコーンオイルをKF−96−100CSの代わりにメチルフェニルシリコーンオイルKF−50−100CS(信越化学工業(株)社製 粘度100センチストークス)を用いた以外は実施例9と同様にしてトナーを作製し、「非磁性一成分現像用トナーN」を得た。
【0141】
実施例12〜実施例14について、実施例5〜9及び比較例3〜5と同様に印字試験を行った。結果を表4に示す。
【0142】
【表4】
【0143】
【発明の効果】
本発明のトナーによれば連続印字した際も安定な帯電挙動を示し、印字寿命の長い非磁性一成分現像用トナーを提供することができる。また、連続印字した際の濃度変動が小さく、カラートナーによる重ね印字の際も良好な色再現性が得られる非磁性一成分現像用トナーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 定荷重押出し形細管式レオメーターのシリンダ部の構造を示す模式図。
【図2】 昇温法による流動曲線の一例である。
【符号の説明】
1 ピストン
2 シリンダ
3 ヒーター
4 ダイ
5 ダイ押え
6 試料
Claims (8)
- 少なくともバインダー樹脂と着色剤とを含有するトナー粒子からなる非磁性一成分現像用トナーであって、前記トナー粒子がジメチルシリコーンオイル及び/又はメチルフェニルシリコーンオイルにより表面処理され、前記表面処理されたトナー粒子に微粉体が付着した非磁性一成分現像用トナー。
- 前記バインダー樹脂が架橋ポリエステル樹脂を含有し、該架橋ポリエステル樹脂を含有する前記非磁性一成分現像用トナーの軟化点が90℃〜180℃である請求項1記載の非磁性一成分現像用トナー。
- 前記バインダー樹脂が、軟化点の異なる2種類のポリエステル樹脂からなり、前記軟化点の差が2〜20℃であり、該ポリエステル樹脂を含有する前記非磁性一成分現像用トナーの軟化点が90〜130℃である請求項1記載の非磁性一成分現像用トナー。
- 前記2種類のポリエステル樹脂が、(1)2価のカルボン酸、その酸無水物及びこれらの低級アルキルエステルからなる群より選ばれる1種以上の化合物と、(2)2価のアルコール又はその誘導体と、を反応して得られる直鎖状のポリエステル樹脂である請求項3記載の非磁性一成分現像用トナー。
- 前記ジメチルシリコーンオイル及び/又はメチルフェニルシリコーンオイルの含有量が前記トナー粒子100重量部に対して0.001〜0.1重量部である請求項1〜4のいずれかに記載の非磁性一成分現像用トナー。
- 前記表面処理されたトナー粒子の表面に、平均一次粒子径が1nm以上かつ30nm未満の第一微粉体と、平均一次粒子径が30〜100nmの第二微粉体とが付着した請求項1〜5のいずれかに記載の非磁性一成分現像用トナー。
- 前記第一微粉体および第二微粉体が、疎水化処理剤により表面処理されたコロイダルシリカである請求項6に記載の非磁性一成分現像用トナー。
- 前記第一微粉体および第二微粉体の疎水化度が80%以上である請求項7に記載の非磁性一成分現像用トナー。
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