JP2000242041A - 静電荷像現像剤 - Google Patents

静電荷像現像剤

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JP2000242041A JP22749499A JP22749499A JP2000242041A JP 2000242041 A JP2000242041 A JP 2000242041A JP 22749499 A JP22749499 A JP 22749499A JP 22749499 A JP22749499 A JP 22749499A JP 2000242041 A JP2000242041 A JP 2000242041A
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Katsunori Oba
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヒートロール定着性及び耐オフセット性に優
れ、飛散トナーを発生することなく多部数印刷における
安定した帯電挙動を示し、耐摩耗性に優れた正帯電性静
電荷像現像剤を提供する。 【解決手段】バインダー樹脂、着色剤、離型剤及び正帯
電性電荷制御剤とを含有してなる着色樹脂粒子と、樹脂
被覆磁性キャリアからなる静電荷像現像剤であって、前
記バインダー樹脂が、(A)THF不溶分を含有せず、軟
化点が80℃〜120℃で、かつガラス転移点が45℃
〜85℃である直鎖状ポリエステル樹脂 (B)THF不溶分の含有率0を越えて20%以下であ
り、軟化点が130〜180℃で、かつガラス転移点が
45℃〜85℃である架橋ポリエステル樹脂。の混合物
からなり、前記離型剤としてカルナウバワックス、モン
タン系エステルワックス及び/又はライスワックスを含
有することを特徴とする正帯電性静電荷像現像剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、あるいは静電印刷法に用いる静電荷像現像剤に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真法としては、米国特許第2,2
97,691号、特公昭42−23910号公報及び特
公昭43−24748号公報などに各種の方法が記載さ
れているが、通常は、光導電性感光体等の静電潜像担持
体上に帯電、露光により静電潜像を形成し、次いでこの
静電潜像を、バインダー樹脂中に着色剤を含有するトナ
ー組成物によって現像し、得られたトナー像を転写紙な
どの支持体に転写、定着して可視画像を形成する方法が
一般的である。
【0003】また、電子写真法における現像方法として
は多くの方法が知られているが、大別すると、鉄粉、フ
ェライト、ニッケル、ガラス等の微粒子(20〜500
μm)からなるキャリアとトナーとの混合物を現像剤と
して用いる二成分現像法と、トナーのみからなる現像剤
を用いる一成分現像法とがある。
【0004】二成分現像法の代表例としては、米国特許
第2,618,552号記載のカスケード法、及び米国
特許2,874,063号記載の磁気ブラシ法がある。
これらの方法はキャリアが現像剤の攪拌、搬送、帯電な
どの機能を分担しておりキャリアとトナーの機能分離が
明確になっている。そのためトナーの帯電制御や現像剤
層の形成が比較的容易で、高速化にも対応可能なことか
ら現在広く用いられている。
【0005】ところで、近年における情報化社会の発展
に伴い、電子写真、静電記録、静電印刷の各分野におい
ても印刷画像の高品質化、記録の高速化、高密度化、長
期保存安定性等の要求が高まり、静電潜像を非印刷媒体
上に記録するトナー特性の改善に寄せられる期待は多大
なものとなっている。特に、高速印刷に適した二成分現
像剤用トナーにおいては、キャリアとの摩擦に耐える力
学的強度、ヒートロール定着方式における広い温度領域
での安定した定着挙動、多部数印刷における安定した帯
電挙動、長期間の使用においてもマシン内部を汚染しな
い飛散トナーの解消等が重要な課題であり、これらの課
題はトナー組成物に用いられるバインダー樹脂、離型
剤、電荷制御剤の特性に負うところが非常に大きい。
【0006】これまでトナー用のバインダー樹脂として
は、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重
合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル、
エポキシ樹脂、ポリブチラール樹脂、キシレン樹脂、ク
マロンインデン樹脂等が研究使用され、これらの樹脂の
設計においては、用途に応じて種々の提案が為されてい
る。
【0007】一般的には、バインダー樹脂に求められる
特性としては、帯電、定着特性等、種々の特性がある
が、特に、ヒートロール定着用途のトナーに用いられる
バインダー樹脂には、転写紙への定着性能と耐オフセッ
ト性能の向上が要求されている。ヒートロール定着で
は、転写紙上に静電的に付着したトナー粒子は、加圧、
加熱された熱ロール間を通過することにより溶融して転
写紙に定着する。ところが、その際にロールの表面温度
が低すぎると、トナー粒子層全体が充分に加熱されず、
加熱ロールに接触した面のみが軟化して加熱ロールに付
着する。転写紙側のトナーは軟化していないため付着力
が生じず、結局、転写紙上のトナー層は転写紙に定着す
ることなく、ほとんどが定着ロール側に移行する。これ
をコールドオフセットと呼んでいる。
【0008】逆に、ロール表面の温度が高すぎると、溶
融したトナーの粘度が低下する。それに伴い、溶融した
トナー層の内部凝集力も急激に低下して加熱ロールへの
付着力を下回る。その結果、溶融したトナー層は破断し
て転写紙、及び定着ロール双方に移行する。これをホッ
トオフセットと呼び加熱ロールの汚染の原因となってい
る。ヒートロールに付着したトナーは転写紙に再転写し
て非画像部を汚し、印刷品質の低下をもたらす。
【0009】耐オフセット性能とは、トナーがある温度
においてコールドオフセット、あるいはホットオフセッ
トを生じない能力を有することを意味し、トナー用のバ
インダー樹脂には広い温度領域で耐オフセット性能を有
し、なおかつ優れた定着特性を有することが求められて
いる。
【0010】以上の目的を達成するため数多くの設計例
が提唱されており、中でも加熱溶融時の粘弾性を維持す
る目的で、あるいは温度変動に対する粘度変化を抑える
目的で、分子量分布の拡大、架橋構造の付与、ゴム弾性
材料の適用等の手段が施された技術が検討されてきた。
これまでの研究でポリエステル樹脂がヒートロール定着
用樹脂として用い得ることは広く知られている。たとえ
ば、特公昭52−25420号、同53−17496
号、同55−49305号、特開昭55−38524
号、同57−37353号、同58−11952号等の
各公報がある。しかしながら、従来提案されているこれ
らの発明では、現在求められている広い温度領域での耐
オフセット性能、定着性能を十分に満足するポリエステ
ル樹脂は得られていない。
【0011】また、一方で定着時におけるヒートロール
からの剥離性を付与し、オフセットの発生を防止するた
めにトナー中に離型剤を含有させる技術も並行して研究
されてきた。これまでは、ポリプロピレンワックス、ポ
リエチレンワックス等の合成ワックスが主として検討さ
れてきたが、特開平1−238672号、特開平3−5
764号、特開平5−119509号、等にはモンタン
ワックス、カルナバワックス、ライスワックス等の天然
ワックスを用いた例が提示されている。
【0012】電荷制御剤についてもこれまで種々検討さ
れており、高速、高耐久のセレン感光体を用いたマシン
に用いられる正帯電性トナーに用いられる電荷制御剤と
してはニグロシン系染料、4級アンモニウム塩化合物等
が知られている。これらの正帯電性電荷制御剤を単独で
あるいは組み合わせて用いた例としては特開平1−25
9371号、特開平3−7948号、特開平5−119
509号、特開平10−246991号、等がある。
【0013】しかしながら、これらの各号報には前述し
た高速印刷用トナーに要求されるすべての特性を満足す
る発明は開示されていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ヒートロー
ル定着性及び耐オフセット性に優れ、飛散トナーを発生
することなく多部数印刷における安定した帯電挙動を示
し、耐摩耗性に優れた高画質画像が得られる高耐久性・
長寿命の正帯電性静電荷像現像剤を提供することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達し
た。
【0016】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、少なくとも、バインダー樹脂、着色剤、離型剤及び
正帯電性電荷制御剤とを含有してなる着色樹脂粒子と、
樹脂被覆磁性キャリアからなる静電荷像現像剤であっ
て、前記バインダー樹脂が、(A)THF不溶分を含有せ
ず、軟化点が80℃〜120℃で、かつガラス転移点が
45℃〜85℃である直鎖状ポリエステル樹脂 (B)THF不溶分の含有率が0を越えて20%以下であ
り、軟化点が130℃ 〜180℃で、かつガラス
転移点が45℃〜85℃である架橋ポリエステ ル
樹脂の混合物からなり、前記離型剤としてカルナウバワ
ックス、モンタン系エステルワックス及び/又はライス
ワックスを含有することを特徴とする正帯電性静電荷像
現像剤を提供するものである。
【0017】本発明では、まず、少なくとも、バインダ
ー樹脂、着色剤、離型剤、帯電制御剤とを含有してなる
着色樹脂粒子を用いる。本発明におけるバインダー樹脂
は、ポリエステル樹脂であり、以下の原料より得られ
る。
【0018】本発明に用いられるTHF不溶分を含有せ
ず、軟化点が80℃〜120℃で、かつガラス転移点が
55℃〜85℃である直鎖状ポリエステルは、例えばジ
カルボン酸とジオールを通常の方法で脱水縮合して得ら
れる。ジカルボン酸としては、例えば無水フタル酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、アジピン
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、シトラコン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コ
ハク酸、マロン酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸等のジカルボン酸又はその誘導体又はそのエステル
化物が挙げられる。
【0019】また、ジオールとしては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、
ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオー
ル、ビスフェノールA、ポリオキシエチレン−(2.
0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン及びその誘導体、ポリオキシプロピレン−(2.0)
−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
ポリオキシプロピレン−(2.2)−ポリオキシエチレ
ン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(6)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキ
シプロピレン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−
(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシプロピレン−(3.3)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びその誘
導体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドラン
ダム共重合体ジオール、エチレンオキサイド−プロピレ
ンオキサイドブロック共重合体ジオール、エチレンオキ
サイド−テトラハイドロフラン共重合体ジオール、ポリ
カプロラクトンジオール等が挙げられる。
【0020】また、本発明で用いられるTHF不溶分の
含有率が0を越えて20%以下であり、軟化点が130
℃〜180℃で、かつガラス転移点が55℃〜85℃で
ある架橋ポリエステル樹脂は上記のジカルボン酸及びジ
オールと共に、例えばトリメリット酸、無水トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等の三官能
以上の多価カルボン酸又はその誘導体又はそのエステル
化物を、あるいは、ソルビトール、1,2,3,6−ヘ
キサンテトラオール、1,4−ソルビタン、ペンタエリ
スリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,
5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロ
パントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリ
オール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、1,3,5−トリメチロールベンゼン、等の三官能
以上の多価アルコールを通常の方法で脱水縮合して得る
ことができる。
【0021】本発明におけるポリエステル樹脂は、触媒
の存在下で上記の原料成分を用いて脱水縮合反応或いは
エステル交換反応を行うことにより得ることができる。
この際の反応温度及び反応時間は、特に限定されるもの
ではないが、通常150〜300℃で2〜24時間であ
る。
【0022】上記反応を行う際の触媒としては、例えば
酸化亜鉛、酸化第一錫、モノブチル錫オキサイド、ジブ
チル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレート、パラトル
エンスルホン酸等を適宜使用する事が出来る。
【0023】本発明で用いるポリエステル樹脂として
は、二成分現像用トナーとして適正なガラス転移点、溶
融粘度特性を有していれば良い。直鎖状ポリエステルと
しては、その軟化点が80℃〜120℃の範囲であるこ
とが好ましいが、中でも、90℃〜110℃の範囲がよ
り好ましい。分子量としては重量平均分子量(Mw)が
3000〜12000が好ましく、7000〜1200
0がより好ましい。Mw/Mnは4以下であることが好
ましい。軟化点が80℃未満、あるいはMwが7000
未満の場合は、トナーが凝集現象を生じやすく、保存時
や印字の際にトラブルになりやすく、軟化点が120℃
を越える場合、あるいはMwが12000を越える場合
には定着性が悪くなることが多い。架橋ポリエステルと
しては、その軟化点が130℃〜180℃の範囲である
ことが好ましいが、中でも、140℃〜170℃の範囲
がより好ましい。また、THF不溶分の含有率は0を越
えて20%以下、THF可溶分のMwは100000〜
400000、Mw/Mnは20以下であることが好ま
しい。軟化点が130℃未満、あるいはMwが1000
00以下の場合は、トナーが定着時にオフセット現象を
生じやすく、軟化点が180℃を越える場合、THF不
溶分が20%以上、Mwが400000を越える場合、
あるいはMw/Mnが20を越える場合には定着性が悪
くなることが多い。
【0024】直鎖状ポリエステル(A)と架橋ポリエステ
ル(B)の混合比率は(A)/(B)=2/8〜8/2であるこ
とが好ましく、3/7〜7/3であることがより好まし
い。直鎖状ポリエステルの混合比率が2より低いと定着
性が悪くなり、8より高いと耐オフセット性が悪くな
る。
【0025】一方、直鎖状ポリエステル、架橋ポリエス
テル両者ともガラス転移温度(Tg)は45℃以上のも
のが好ましく、中でも、Tgが50〜85℃のものが特
に好ましい。
【0026】さらに、酸価については20以下が望まし
く、中でも、10以下であることが特に望ましい。酸価
が高すぎると吸湿性が増し帯電量の低下を招く場合があ
り、保存性、現像性の点で好ましくない。
【0027】本発明で使用することのできる着色剤とし
ては、周知のものがあげられる。黒の着色剤としては製
法により分類されるファーネスブラック、チャンネルブ
ラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ラン
プブラック、等のカーボンブラックが、青系の着色剤と
してはフタロシアニン系のC.I.PigmentBl
ue 15−3、インダンスロン系のC.I.Pigm
ent Blue 60等が、赤系の着色剤としてはキナ
クリドン系のC.I.Pigment Red 122、
アゾ系のC.I.Pigment Red 22、C.
I.Pigment Red 48:1、C.I.Pig
ment Red 48:3、C.I.Pigment
Red 57:1等が、黄系の着色剤としてはアゾ系の
C.I.Pigment Yellow 12、C.I.
Pigment Yellow 13、C.I.Pigm
ent Yellow 14、C.I.Pigment
Yellow 17、C.I.Pigment Yell
ow 97、C.I.Pigment Yellow 1
55、イソインドリノン系のC.I.Pigment
Yellow 110、ベンズイミダゾロン系のC.
I.Pigment Yellow 151、C.I.P
igment Yellow 154、C.I.Pigm
ent Yellow 180、等がある。着色剤の含有
量は、1重量部から20重量部の範囲内にある。これら
の着色剤は1種又は2種以上の組み合わせで使用するこ
とができる。
【0028】また、本発明のトナ−に使用される離型剤
はカルナウバワックス、モンタン系エステルワックス及
び/又はライスワックスである。カルナウバワックスと
しては精製により遊離脂肪酸を除去した脱遊離脂肪酸型
カルナウバワックスを用いることが好ましい。脱遊離脂
肪酸型カルナウバワックスの酸価としては8以下が好ま
しく、より好ましくは酸価5以下である。脱遊離脂肪酸
型カルナウバワックスは従来のカルナウバワックスより
微結晶となりポリエステル樹脂中での分散性が向上す
る。モンタン系エステルワックスは鉱物より精製された
ものであり、精製によりカルナウバワックスと同様に微
結晶となりポリエステル樹脂中での分散性が向上する。
モンタン系エステルワックスでは酸価として特に30以
下であることが好ましい。また、ライスワックスは米ぬ
かロウを精製したものであり、酸価は13以下であるこ
とが好ましい。また、上記ワックスは単独で用いても組
み合わせて用いても良く、バインダー樹脂に対して0.
3〜15重量部、好ましくは1〜5重量部含有させるこ
とにより良好な定着オフセット性能が得られる。0.3
重量部より少ないと耐オフセット性が損なわれ、15重
量部より多いとトナーの流動性が悪くなり、また、キャ
リア表面に付着することによりスペントキャリアが発生
し、トナーの帯電特性に悪影響を与えることになる。
【0029】また、ポリプロピレンワックス、ポリエチ
レンワックス等の合成ワックスも本発明の趣旨を損なわ
ない範囲で必要に応じて上記のワックスと併用して用い
ることができる。
【0030】本発明に用いられる正帯電性電荷制御剤と
しては、トリフェニルメタン系染料、ニグロシン系染
料、4級アンモニウム塩、4級アンモニウム基及び/又
はアミノ基を含有する樹脂、等を用いることができる
が、ニグロシン系染料、または4級アンモニウム塩を用
いるのが好ましく、特にニグロシン系染料と4級アンモ
ニウム塩化合物を併用するのがより望ましい。4級アン
モニウム塩化合物としては、下記構造の化合物(1)ま
たは(2)の中から選ばれる少なくとも一種であること
が特に好ましい。また、特に(2)の構造の化合物の中
でも(3)の構造の化合物が最も好ましい。(1)の構
造の化合物にはボントロンP−51;(オリエント化学
製)が、(2)の化合物にはTP−302、TP−61
0;(保土谷化学製)が、(3)の構造の化合物にはT
P−415;(保土谷化学製)がある。
【0031】また、構造は必ずしも明確ではないが、4
級アンモニウム塩系の正帯電性電荷制御剤として、コピ
ーチャージPSY(クラリアントジャパン製)も同様、
好適に用いることが出来る。
【0032】化合物(1)
【化3】 [式中、R1〜R3はCnH2n+1基を表す。但し、
nは1〜10の整数を示す。また、R1〜R3は同じで
あっても異なっていてもよい。]
【0033】化合物(2)
【化4】 [式中、R4、R5、R6およびR7はそれぞれ独立に
水素原子、炭素数1〜22個のアルキル基あるいはアル
ケニル基、炭素数1〜20個の未置換あるいは置換芳香
族基、炭素数7〜20個のアラルキル基を表し、A−は
モリブデン酸アニオンあるいはタングステン酸アニオ
ン、モリブデンあるいはタングステン原子を含むヘテロ
ポリ酸アニオンを表す。]
【0034】化合物(3)
【化5】 [式中、R8、R9はそれぞれ独立に炭素数8〜22個
の長鎖アルキル基あるいは炭素数8〜22個の長鎖アル
ケニル基を表し、R10は炭素数1〜4個のアルキル基
を表し、R11は炭素数1〜4個のアルキル基あるいは
ベンジル基を表し、A−はモリブデン酸アニオンあるい
はタングステン酸アニオンを表す。]
【0035】より具体的には以下の各化合物がある。
【0036】(1)の化合物として (1−1)
【化6】
【0037】(2)の化合物として (2−1)
【化7】
【0038】(2−2)
【化8】
【0039】(2−3)
【化9】
【0040】(2−4)
【化10】
【0041】(2−5)
【化11】
【0042】(2−6)
【化12】
【0043】(2−7)
【化13】
【0044】(2−8)
【化14】
【0045】(2−9)
【化15】
【0046】(2−10)
【化16】
【0047】(2−11)
【化17】
【0048】上記構造の化合物のうち、特に(3)の化
合物としては(2−1)〜(2−4)がある。ニグロシ
ン系染料と4級アンモニウム塩化合物を併用する場合の
使用比率は1/9〜9/1であることが好ましく、2/
8〜8/2であることがより好ましい。ニグロシン系染
料は一般に正帯電付与能力が高いが、帯電の均一性・安
定性が劣り、単独で使用するとカブリが発生しやすくシ
ャープネスが不足した印刷画像となりやすい。反面、4
級アンモニウム塩化合物は正帯電付与能力が低く所期の
帯電量が得られにくい。しかしながら、両者を併用する
ことにより帯電の均一性・安定性が得られ、連続印刷時
にカブリのない鮮明な印刷画像が安定して得られる。ニ
グロシン系染料の使用比率が1より低いとトナーに十分
な帯電が得られにくく、ベタ部が不均一で画線の輪郭が
不鮮明な低画質画像となりやすい。また、使用比率が9
より多いと帯電量が高くなりすぎ、不安定な帯電挙動を
示す現像剤となりやすい。このようにどちらかが多すぎ
ても少なすぎても目的の帯電量が得られず、結果として
低濃度・低画質の印刷となりトナー飛散が多く発生する
現像剤となる。両者の比率を適宜調節する事により最適
の帯電量が得られ、かぶりが無く、画線の輪郭がはっき
りとした高濃度かつ高品位の印刷が可能な、トナー飛散
の無い長寿命の現像剤を得ることができる。
【0049】電荷制御剤の含有量はバインダー樹脂10
0重量部当たり0.3〜10重量部用いることが好まし
く、より好ましくは1〜5重量部である。
【0050】本発明における着色樹脂粒子は、トナーと
して機能し、上記の様なポリエステル樹脂からなるバイ
ンダー樹脂、着色剤、離型剤、帯電制御剤を必須成分と
して構成されるが、着色樹脂粒子には、その他の添加剤
を含める様にしても良い。
【0051】一例として、例えば金属石鹸、ステアリン
酸亜鉛等の滑剤が、研磨剤として、例えば酸化セリウ
ム、炭化ケイ素等が使用できる。
【0052】本発明のトナーは、特定の製造方法によら
ず極めて一般的な製造方法に依って得る事ができるが、
例えば樹脂と着色剤と帯電制御剤とを、樹脂の融点(軟
化点)以上で溶融混練した後、粉砕し、分級することに
より得ることが出来る。
【0053】具体的には例えば、上記の樹脂、着色剤、
離型剤、及び帯電制御剤とを必須成分として、2本ロー
ル、3本ロール、加圧ニーダー、又は2軸押し出し機等
の混練手段により混合する。この際、樹脂中に、着色剤
等が均一に分散すればよく、その溶融混練の条件は特に
限定されるものではないが、通常80〜180℃で30
秒〜2時間である。着色剤は樹脂中に均一に分散するよ
うにあらかじめフラッシング処理、あるいは樹脂と高濃
度で溶融混練したマスターバッチを用いても良い。
【0054】次いで、それを冷却後、ターボミル、クリ
プトロン等の機械式粉砕機、渦巻き式ジェットミル、カ
ウンタージェットミル、衝突板式ジェットミル等のエア
ー式粉砕機で微粉砕し、風力分級機等により分級すると
いう方法が挙げられる。
【0055】トナー母体を構成する粒子の平均粒径は、
特に制限されないが、通常5〜15μmとなる様に調整
される。
【0056】通常、この様にして得られたトナー母体に
対しては、外添剤が、例えばヘンシェルミキサー等の混
合機を用いて混合される。
【0057】外添剤は、例えばトナーの流動性向上、帯
電特性改良などトナー母体の表面改質のために用いられ
るもので、二酸化珪素、酸化チタン、アルミナ等の無機
微粉体及びそれらをシリコーンオイルなどの疎水化処理
剤で表面処理したもの、樹脂微粉体等が用いられる。
【0058】シリカとしては、二酸化珪素のうちで疎水
性等を有するものが挙げられ、二酸化珪素を各種のポリ
オルガノシロキサンやシランカップリング剤等で表面処
理したものが挙げられる。例えば、次のような商品名で
市販されているものがある。
【0059】 AEROSIL R972,R974,R202,R805,R812, RX200,RY200、 R809,RX50, RA200HS,RA200H 〔日本アエロジル(株)〕
【0060】 WACKER HDK H2000、H2050EP HDK H3050EP、HVK2150 〔ワッカーケミカルズイーストアジア(株)〕
【0061】 Nipsil SS−10、SS−15,SS−20,SS−50, SS−60,SS−100、SS−50B,SS−50F, SS−10F、SS−40、SS−70,SS−72F、 〔日本シリカ工業(株)〕
【0062】 CABOSIL TG820F 〔キャボット・スペシャルティー・ケミカルズ・インク〕
【0063】これらのシリカは、異なる平均粒子径の2
種以上を併用してもよい。また、シリカの使用割合はト
ナー母体に対して、通常0.05〜5重量%、好ましく
は0.1〜3重量%である。
【0064】本発明の静電荷像現像剤は、着色樹脂粒子
を含むトナーと、表面に樹脂被覆した磁性キャリアとか
らなる。
【0065】本発明に用いられるキャリアのコア剤は通
常の二成分現像方式に用いられる鉄粉、マグネタイト、
フェライト等が使用できるが、中でも真比重が低く、高
抵抗であり、環境安定性に優れ、球形にし易いため流動
性が良好なフェライト、またはマグネタイトが好適に用
いられる。コア剤の形状は球形、不定形等、特に差し支
えなく使用できる。平均粒径は一般的には10〜500
μであるが、高解像度画像を印刷するためには30〜8
0μが好ましい。
【0066】また、これらのコア剤を被覆するコーティ
ング樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニル
アセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラ
ール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリ
ビニルエーテルポリビニルケトン、塩化ビニル/酢酸ビ
ニル共重合体、スチレン/アクリル共重合体、オルガノ
シロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂あるい
はその変性品、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポ
リエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、フェノ
ール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミ
ン樹脂、ユリア樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂等が使
用できる。これらの中でも、特にシリコン樹脂、フッ素
樹脂、(メタ)アクリル樹脂が帯電安定性、被覆強度等
に優れ、より好適に使用し得る。つまり本発明で用いら
れる樹脂被覆キャリアは、コア剤としてフェライト、あ
るいはマグネタイトを用い、シリコーン樹脂、フッ素樹
脂、(メタ)アクリル樹脂から選ばれる1種以上の樹脂
で被覆された樹脂被覆磁性キャリアであることが好まし
い。
【0067】キャリア芯材表面への樹脂の被覆方法は特
に手段を選ぶものではないが、被覆樹脂の溶液中に浸漬
する浸漬法、被覆樹脂溶液をキャリア芯材表面へ噴霧す
るスプレー法、あるいはキャリアを流動エアーにより浮
遊させた状態で噴霧する流動床法、ニーダーコーター中
でキャリア芯材と被覆樹脂溶液を混合し、溶剤を除去す
るニーダーコーター法などが挙げられる。
【0068】被覆樹脂溶液中に使用される溶剤は被覆樹
脂を溶解するものであれば特に限定されるものではない
が、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエ
チルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が使用
できる。キャリア表面への被覆層の厚さは、通常0.1
〜3.0μである。
【0069】着色樹脂粒子を含むトナーと、樹脂被覆磁
性キャリアとの重量割合は特に制限されるものではない
が、通常キャリア100重量部当たり、トナー0.5〜
5重量部である。
【0070】
【発明の実施形態】1. 少なくとも、バインダー樹
脂、着色剤、離型剤及び正帯電性電荷制御剤とを含有し
てなる着色樹脂粒子と、樹脂被覆磁性キャリアからなる
静電荷像現像剤であって、前記バインダー樹脂が、(A)
THF不溶分を含有せず、軟化点が80℃〜120℃
で、かつガラス転移点が45℃〜85℃である直鎖状ポ
リエステル樹脂 (B)THF不溶分の含有率が0を越えて20%以下であ
り、軟化点が130℃ 〜180℃で、かつガラス
転移点が45℃〜85℃である架橋ポリエステ ル
樹脂 の混合物からなり、前記離型剤としてカルナウバワック
ス、モンタン系エステルワックス及び/又はライスワッ
クスを含有することを特徴とする正帯電性静電荷像現像
剤。
【0071】2. 前記直鎖状ポリエステル樹脂(A)
と架橋ポリエステル樹脂(B)との混合比率が(A)/(B)=
2/8〜8/2である上記1記載の正帯電性静電荷像現
像剤。
【0072】3. 前記直鎖状ポリエステル樹脂(A)
のGPCにおける重量平均分子量Mwが3000〜12
000、Mw/Mnが4以下であり、前記架橋ポリエス
テル樹脂(B)のTHF可溶分のMwが100000〜4
00000、Mw/Mnが20以上である上記1及び2
記載の正帯電性静電荷像現像剤。
【0073】4. 前記正帯電性電荷制御剤としてニ
グロシン系染料及び4級アンモニウム塩化合物を含有す
ることを特徴とする上記1記載の正帯電性静電荷像現像
剤。
【0074】5. 前記4級アンモニウム塩化合物が
上記構造の化合物(1)または(2)の中から選ばれる
少なくとも一種であることを特徴とする上記4記載の正
帯電性静電荷像現像剤。
【0075】6. 前記樹脂被覆磁性キャリアが、シ
リコーン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂から
選ばれる1種以上の樹脂で被覆された樹脂被覆磁性キャ
リアである上記1記載の正帯電性静電荷像現像剤。
【0076】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を
更に詳細に説明する。なお、以下において、組成表内の
数値は『重量部』を表わす。最初にトナーを調製するに
あたって用いたバインダー樹脂の合成例を下記に示す。
【0077】 (直鎖ポリエステルAの合成) テレフタル酸 332重量部 イソフタル酸 332重量部 ポリオキシプロピレン−(2.2)−2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 1500重量部 を攪拌器、コンデンサー、温度計をセットした四つ口フ
ラスコに入れ、窒素ガス気流下、4重量部のテトラブチ
ルチタネートを添加し、脱水縮合により生成した水を除
去しながら、240℃にて15時間常圧で反応させた。
その後順次減圧し5mmHgで反応を続行した。反応は
ASTM・E28-517に準じる軟化点により追跡し、軟化点が
95℃に達した時反応を終了した。得られた線状ポリエ
ステルの分子量は、Mw:9500、Mw/Mn:3.
1であり、軟化点は96℃、酸価は4、DSC測定法に
よるTgは63℃であった。
【0078】(直鎖ポリエステルBの合成)直鎖ポリエ
ステルAの合成におけるポリオキシプロピレン−(2.
2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン1500重量部をポリオキシプロピレン−(2.2)
−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン8
00重量部、ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン700重量
部とする以外はポリエステルAと同様に合成を行った結
果、軟化点108℃、Mw:11000、Mw/Mn:
3.2、酸価3、DSC測定法によるTgが64℃の樹
脂が得られた。
【0079】 (架橋ポリエステルCの合成) テレフタル酸 332重量部 イソフタル酸 332重量部 ポリオキシプロピレン−(2.2)−2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 700重量部 トリメチロールプロパン 80重量部 エチレングリコール 130重量部 を攪拌器、コンデンサー、温度計をセットした四つ口フ
ラスコに入れ、窒素ガス気流下、4重量部のテトラブチ
ルチタネートを添加し、脱水縮合により生成した水を除
去しながら、240℃にて10時間常圧で反応させた。
その後順次減圧し5mmHgで反応を続行した。反応は
ASTM・E28-517に準じる軟化点により追跡し、軟化点が
151℃に達した時反応を終了した。得られた架橋ポリ
エステルのTHF不溶分は5%、THF可溶分の分子量
は、Mw:180000、Mw/Mn:48であり、軟
化点は153℃、酸価は4、DSC測定法によるTgは
65℃であった。THF不溶分は合成した樹脂粉末1g
を専用の濾紙にとり、THFを溶媒としてソックスレー
型環流装置にて8時間環流することにより求めた。
【0080】(架橋ポリエステルDの合成)架橋ポリエ
ステルCの合成におけるトリメチロールプロパン80重
量部にかえてトリメリット酸125重量部、エチレング
リコールを200重量部とする以外は架橋ポリエステル
Cと同様にして合成を行った。得られた架橋ポリエステ
ルのTHF不溶分は12%、THF可溶分の分子量は、
Mw:320000、Mw/Mn:47であり、軟化点
は167℃、酸価は7、DSC測定法によるTgは66
℃であった。
【0081】 (実施例1) <トナーの製造> ・直鎖ポリエステルA 30重量部 ・架橋ポリエステルC 70重量部 ・カーボンブラック ブラックパールズ460(キャホ゛ット・スヘ゜シャルティー・ケミカルス゛・インク製) 5重量部 ・帯電制御剤(正帯電制御剤) ボントロン N−04(オリエント化学工業(株)製) 1.5重量部 4級アンモニウム塩化合物(2−1) 1.5重量部 ・ワックス 精製カルナウバワックスNo.1 (酸価5、セラリカNODA(株)製) 2重量部 をヘンシェルミキサーで混合し、2軸混練機で混練す
る。このようにして得た混練物を粉砕、分級して体積平
均粒子径10.1ミクロンのトナー原体A’を得た。
【0082】 ・上記トナー原体A’ 100重量部 ・シリカHDK3050EP(ワッカーケミカルズ(株)) 1 重量部 をヘンシェルミキサーで混合の後、篩いかけをして、ト
ナーA”を得た。
【0083】 <現像剤の調整> ・上記トナーA” 5重量部 ・キャリア(シリコン樹脂被覆フェライトキャリア) 95重量部 を混合攪拌して現像剤Aを調整した。
【0084】以下同様に表1、表2の配合にてトナーを
製造し現像剤A(実施例1)〜現像剤G(実施例7)、
及び現像剤H(比較例1)〜現像剤J(比較例3)を製
造した。
【0085】
【表1】表1.配合表 実施例
【表2】表2. 比較例 カルナウバワックス;カルナウバワックスNo.1(酸
価5)セラリカNODA(株)製 モンタンワックス ;ヘキストワックスE(酸価20)
クラリアントジャパン(株)製 ライスワックス ;ライスワックスF−1(酸価8)
セラリカNODA(株)製 ビスコール550P;三洋化成(株)製ポリプロピレン
ワックス
【0086】上記実施例及び比較例で得られた現像剤に
ついて、定着開始温度、ホットオフセット開始温度、印
刷テストを以下の通り行った。
【0087】(ヒートロール定着・オフセット性能評
価)市販複写機改造機にてA−4紙サイズの未定着画像
サンプルを作成し、下記仕様のヒートロール定着ユニッ
トを用いて、定着開始温度、およびオフセット現象の有
無を確認した。
【0088】
【0089】定着強度は次式で計算される画像濃度残存
比率で判定した。画像濃度はマクベス画像濃度計RD−
918にて測定した。
【0090】画像濃度残存比率=堅牢度試験後画像濃度
/同左試験前画像濃度ここで、堅牢度試験後画像濃度と
は、学振型摩擦堅牢度試験機(荷重:200g,擦り操
作:5ストローク)を用いて測定した。
【0091】定着強度としては、残存比率80%以上で実
用上問題ないレベルとし、その最低温度を定着開始温度
とした。オフセット開始温度は定着画像サンプルを観察
し、目視にてオフセット現象が認められる温度とした。
【0092】(印刷テスト)市販のレーザービームプリ
ンター(セレン感光体搭載)を用いて連続プリントによる
印字品質を評価すると共に、現像剤の帯電量を測定し
た。なお、帯電量はブローオフ帯電量測定機で測定し
た。画像濃度はマクベス濃度計RD−918で測定、地
汚れは白地部濃度からプリント前白紙濃度を差し引いて
求めた。
【0093】(トナー飛散量)50KP(5万枚)印刷
後のマシン内部を観察し感光体、現像装置周辺部等に飛
散トナーによる汚れがほとんどない場合を○、やや汚れ
が発生した場合を△、激しい汚れが発生した場合を×と
した。
【0094】以上の評価結果を表3、表4に示す。
【0095】
【表3】表3.評価結果 実施例 表中の表示は次の通り。 *「帯電量」; μC/g *「地汚れ評価」○:0.01未満、△:0.01〜0.03未満,
×:0.03以上 *「トナー飛散」;50KP(5万枚)印刷後の目視観
察 ○:飛散ほとんどなし △:やや飛散による汚れが発生 ×:激しい飛散が発生
【表4】表4.評価結果 比較例 表中の表示は次の通り。 *「帯電量」; μC/g *「地汚れ評価」○:0.01未満、△:0.01〜0.03未満,
×:0.03以上 *「トナー飛散」;50KP(5万枚)印刷後の目視観
察 ○:飛散ほとんどなし △:やや飛散による汚れが発生 ×:激しい飛散が発生
【0096】表3、表4から明らかな通り、本発明によ
る直鎖状ポリエステルと架橋ポリエステル、及びニグロ
シン系染料と4級アンモニウム塩化合物を併用し、カル
ナウバワックス、モンタンワックス、ライスワックスか
ら選ばれた一種以上を使用した現像剤では、直鎖状樹
脂、架橋樹脂を単独で使用した比較例1及び比較例2の
現像剤と比較して定着性、高温での耐オフセット性の両
方を満足する。比較例1のトナーは高温での耐オフセッ
ト性が得られず実機での連続印刷テストができなかっ
た。比較例2のトナーでは融点が高すぎ良好な定着性が
得られず、擦りにより紙から剥離しやすいグロスのない
低濃度の印刷画像となった。また、合成ワックスを用い
た比較例3と比較すると、地汚れ、トナー飛散が発生せ
ず帯電の安定した現像剤となっている。比較例3で用い
たトナー中のポリプロピレンワックスの分散状態を顕微
鏡にて観察したところ、本発明で用いたワックスの分散
と比較して非常に大きな分散粒子となっていることが判
った。また、50KP印刷後のキャリア表面にはポリプ
ロピレンの付着がありスペントキャリアの発生が認めら
れたことから、ワックスの分散性の違いが地汚れ、トナ
ー飛散、現像剤寿命の差として現れていることが推察さ
れる。本発明による実施例ではスペントキャリアの発生
は認められなかった。
【0097】
【発明の効果】上記実施例に示したように、本発明によ
れば、直鎖状ポリエステルと架橋ポリエステルを併用
し、正帯電性電荷制御剤、及びカルナウバワックス、モ
ンタンワックス、ライスワックスから選ばれた一種以上
のワックスを使用する事により、より広範囲な温度領域
において良好な定着特性、耐オフセット性を示す現像剤
が得られる。また、同時に十分な力学的強度および安定
した帯電挙動を有するため現像装置内でのキャリアとの
摩擦に耐え、スペントキャリアおよびトナー飛散を発生
することなく、カブリのない高濃度かつ高品位の印刷画
像が安定して得ることができる現像剤を提供することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/10 354 (72)発明者 大場 克則 栃木県小山市乙女3−12−21 エミネンス 小山1−306 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 BA02 BA06 CA02 CA08 CA11 CA12 CA14 CA17 CA28 DA03 DA06 EA03 EA06 EA07 FA01 FB01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、バインダー樹脂、着色剤、離
    型剤及び正帯電性電荷制御剤とを含有してなる着色樹脂
    粒子と、樹脂被覆磁性キャリアからなる静電荷像現像剤
    であって、前記バインダー樹脂が、 (A)THF不溶分を含有せず、軟化点が80℃〜120
    ℃で、かつガラス転移点が45℃〜85℃である直鎖状
    ポリエステル樹脂 (B)THF不溶分の含有率が0を越えて20%以下であ
    り、軟化点が130℃ 〜180℃で、かつガラス
    転移点が45℃〜85℃である架橋ポリエステ ル
    樹脂の混合物からなり、前記離型剤としてカルナウバワ
    ックス、モンタン系エステルワックス及び/又はライス
    ワックスを含有することを特徴とする正帯電性静電荷像
    現像剤。
  2. 【請求項2】前記直鎖状ポリエステル樹脂(A)と架橋ポ
    リエステル樹脂(B)との混合比率が(A)/(B)=2/8〜
    8/2である請求項1記載の正帯電性静電荷像現像剤。
  3. 【請求項3】前記直鎖状ポリエステル樹脂(A)のGPC
    における重量平均分子量Mwが3000〜12000、
    Mw/Mnが4以下であり、前記架橋ポリエステル樹脂
    (B)のTHF可溶分のMwが100000〜40000
    0、Mw/Mnが20以上である請求項1及び2記載の
    正帯電性静電荷像現像剤。
  4. 【請求項4】前記正帯電性電荷制御剤としてニグロシン
    系染料及び4級アンモニウム塩化合物を含有することを
    特徴とする請求項1記載の正帯電性静電荷像現像剤。
  5. 【請求項5】前記4級アンモニウム塩化合物が下記構造
    の化合物(1)または(2)の中から選ばれる少なくと
    も一種であることを特徴とする請求項2記載の正帯電性
    静電荷像現像剤。 化合物(1) 【化1】 [式中、R1〜R3はCnH2n+1基を表す。但し、
    nは1〜10の整数を示す。また、R1〜R3は同じで
    あっても異なっていてもよい。] 化合物(2) 【化2】 [式中、R4、R5、R6およびR7はそれぞれ独立に
    水素原子、炭素数1〜22個のアルキル基あるいはアル
    ケニル基、炭素数1〜20個の未置換あるいは置換芳香
    族基、炭素数7〜20個のアラルキル基を表し、A−は
    モリブデン酸アニオンあるいはタングステン酸アニオ
    ン、モリブデンあるいはタングステン原子を含むヘテロ
    ポリ酸アニオンを表す。]
  6. 【請求項6】前記樹脂被覆磁性キャリアが、シリコーン
    樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂から選ばれる
    1種以上の樹脂で被覆された樹脂被覆磁性キャリアであ
    る請求項1記載の正帯電性静電荷像現像剤。
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