JP3677646B2 - 静電荷像現像剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、あるいは静電印刷法に用いる静電荷像現像剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法としては、米国特許第2,297,691号、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報などに各種の方法が記載されているが、通常は、光導電性感光体等の静電潜像担持体上に帯電、露光により静電潜像を形成し、次いでこの静電潜像を、バインダー樹脂中に着色剤を含有するトナー組成物によって現像し、得られたトナー像を転写紙などの支持体に転写、定着して可視画像を形成する方法が一般的である。
【0003】
また、電子写真法における現像方法としては多くの方法が知られているが、大別すると、鉄粉、フェライト、ニッケル、ガラス等の微粒子(20〜500μm)からなるキャリアとトナーとの混合物を現像剤として用いる二成分現像法と、トナーのみからなる現像剤を用いる一成分現像法とがある。
【0004】
二成分現像法の代表例としては、米国特許第2,618,552号記載のカスケード法、及び米国特許2,874,063号記載の磁気ブラシ法がある。これらの方法はキャリアが現像剤の攪拌、搬送、帯電などの機能を分担しておりキャリアとトナーの機能分離が明確になっている。そのためトナーの帯電制御や現像剤層の形成が比較的容易で、高速化にも対応可能なことから現在広く用いられている。
【0005】
ところで、近年における情報化社会の発展に伴い、電子写真、静電記録、静電印刷の各分野においても印刷画像の高品質化、記録の高速化、高密度化、長期保存安定性等の要求が高まり、静電潜像を非印刷媒体上に記録するトナー特性の改善に寄せられる期待は多大なものとなっている。特に、高速印刷に適した二成分現像剤用トナーにおいては、キャリアとの摩擦に耐える力学的強度、ヒートロール定着方式における広い温度領域での安定した定着挙動、多部数印刷における安定した帯電挙動、長期間の使用においてもマシン内部を汚染しない飛散トナーの解消等が重要な課題であり、これらの課題はトナー組成物に用いられるバインダー樹脂、離型剤、電荷制御剤の特性に負うところが非常に大きい。
【0006】
これまでトナー用のバインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリブチラール樹脂、キシレン樹脂、クマロンインデン樹脂等が研究使用され、これらの樹脂の設計においては、用途に応じて種々の提案が為されている。
【0007】
一般的には、バインダー樹脂に求められる特性としては、帯電、定着特性等、種々の特性があるが、特に、ヒートロール定着用途のトナーに用いられるバインダー樹脂には、転写紙への定着性能と耐オフセット性能の向上が要求されている。ヒートロール定着では、転写紙上に静電的に付着したトナー粒子は、加圧、加熱された熱ロール間を通過することにより溶融して転写紙に定着する。ところが、その際にロールの表面温度が低すぎると、トナー粒子層全体が充分に加熱されず、加熱ロールに接触した面のみが軟化して加熱ロールに付着する。転写紙側のトナーは軟化していないため付着力が生じず、結局、転写紙上のトナー層は転写紙に定着することなく、ほとんどが定着ロール側に移行する。これをコールドオフセットと呼んでいる。
【0008】
逆に、ロール表面の温度が高すぎると、溶融したトナーの粘度が低下する。それに伴い、溶融したトナー層の内部凝集力も急激に低下して加熱ロールへの付着力を下回る。その結果、溶融したトナー層は破断して転写紙、及び定着ロール双方に移行する。これをホットオフセットと呼び加熱ロールの汚染の原因となっている。ヒートロールに付着したトナーは転写紙に再転写して非画像部を汚し、印刷品質の低下をもたらす。
【0009】
耐オフセット性能とは、トナーがある温度においてコールドオフセット、あるいはホットオフセットを生じない能力を有することを意味し、トナー用のバインダー樹脂には広い温度領域で耐オフセット性能を有し、なおかつ優れた定着特性を有することが求められている。
【0010】
以上の目的を達成するため数多くの設計例が提唱されており、中でも加熱溶融時の粘弾性を維持する目的で、あるいは温度変動に対する粘度変化を抑える目的で、分子量分布の拡大、架橋構造の付与、ゴム弾性材料の適用等の手段が施された技術が検討されてきた。これまでの研究でポリエステル樹脂がヒートロール定着用樹脂として用い得ることは広く知られている。たとえば、特公昭52−25420号、同53−17496号、同55−49305号、特開昭55−38524号、同57−37353号、同58−11952号等の各公報がある。しかしながら、従来提案されているこれらの発明では、現在求められている広い温度領域での耐オフセット性能、定着性能を十分に満足するポリエステル樹脂は得られていない。
【0011】
また、一方で定着時におけるヒートロールからの剥離性を付与し、オフセットの発生を防止するためにトナー中に離型剤を含有させる技術も並行して研究されてきた。これまでは、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックスが主として検討されてきたが、特開平1−238672号、特開平3−5764号、特開平5−119509号、等にはモンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス等の天然ワックスを用いた例が提示されている。
【0012】
電荷制御剤についてもこれまで種々検討されており、高速、高耐久のセレン感光体を用いたマシンに用いられる正帯電性トナーに用いられる電荷制御剤としてはニグロシン系染料、4級アンモニウム塩化合物等が知られている。これらの正帯電性電荷制御剤を単独であるいは組み合わせて用いた例としては特開平1−259371号、特開平3−7948号、特開平5−119509号、特開平10−246991号、等がある。
【0013】
しかしながら、これらの各号報には前述した高速印刷用トナーに要求されるすべての特性を満足する発明は開示されていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ヒートロール定着性及び耐オフセット性に優れ、飛散トナーを発生することなく多部数印刷における安定した帯電挙動を示し、耐摩耗性に優れた高画質画像が得られる高耐久性・長寿命の正帯電性静電荷像現像剤を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。
【0016】
即ち、本発明は上記課題を解決するために、少なくとも、バインダー樹脂、着色剤、離型剤及び正帯電性電荷制御剤とを含有してなる着色樹脂粒子と、樹脂被覆磁性キャリアからなる静電荷像現像剤であって、前記バインダー樹脂が、
(A)THF不溶分を含有せず、GPCにおける重量平均分子量Mwが3000〜12000、Mw/Mnが4以下であり、軟化点が80℃〜120℃で、かつガラス転移点が45℃〜85℃である直鎖状ポリエステル樹脂
(B)THF不溶分の含有率が0を越えて20%以下であり、THF可溶分のMwが100000〜400000、Mw/Mnが20以上であり、軟化点が130℃〜180℃で、かつガラス転移点が45℃〜85℃である架橋ポリエステル樹脂の混合物からなり、前記離型剤としてカルナウバワックス、モンタン系エステルワックス及び/又はライスワックスを含有することを特徴とする正帯電性静電荷像現像剤を提供するものである。
【0017】
本発明では、まず、少なくとも、バインダー樹脂、着色剤、離型剤、帯電制御剤とを含有してなる着色樹脂粒子を用いる。本発明におけるバインダー樹脂は、ポリエステル樹脂であり、以下の原料より得られる。
【0018】
本発明に用いられるTHF不溶分を含有せず、軟化点が80℃〜120℃で、かつガラス転移点が55℃〜85℃である直鎖状ポリエステルは、例えばジカルボン酸とジオールを通常の方法で脱水縮合して得られる。ジカルボン酸としては、例えば無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、アジピン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸等のジカルボン酸又はその誘導体又はそのエステル化物が挙げられる。
【0019】
また、ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ビスフェノールA、ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びその誘導体、ポリオキシプロピレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びその誘導体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドランダム共重合体ジオール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体ジオール、エチレンオキサイド−テトラハイドロフラン共重合体ジオール、ポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。
【0020】
また、本発明で用いられるTHF不溶分の含有率が0を越えて20%以下であり、軟化点が130℃〜180℃で、かつガラス転移点が55℃〜85℃である架橋ポリエステル樹脂は上記のジカルボン酸及びジオールと共に、例えばトリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等の三官能以上の多価カルボン酸又はその誘導体又はそのエステル化物を、あるいは、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトラオール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリメチロールベンゼン、等の三官能以上の多価アルコールを通常の方法で脱水縮合して得ることができる。
【0021】
本発明におけるポリエステル樹脂は、触媒の存在下で上記の原料成分を用いて脱水縮合反応或いはエステル交換反応を行うことにより得ることができる。この際の反応温度及び反応時間は、特に限定されるものではないが、通常150〜300℃で2〜24時間である。
【0022】
上記反応を行う際の触媒としては、例えば酸化亜鉛、酸化第一錫、モノブチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレート、パラトルエンスルホン酸等を適宜使用する事が出来る。
【0023】
本発明で用いるポリエステル樹脂としては、二成分現像用トナーとして適正なガラス転移点、溶融粘度特性を有していれば良い。直鎖状ポリエステルとしては、その軟化点が80℃〜120℃の範囲であることが好ましいが、中でも、90℃〜110℃の範囲がより好ましい。分子量としては重量平均分子量(Mw)が3000〜12000が好ましく、7000〜12000がより好ましい。Mw/Mnは4以下であることが好ましい。軟化点が80℃未満、あるいはMwが7000未満の場合は、トナーが凝集現象を生じやすく、保存時や印字の際にトラブルになりやすく、軟化点が120℃を越える場合、あるいはMwが12000を越える場合には定着性が悪くなることが多い。架橋ポリエステルとしては、その軟化点が130℃〜180℃の範囲であることが好ましいが、中でも、140℃〜170℃の範囲がより好ましい。また、THF不溶分の含有率は0を越えて20%以下、THF可溶分のMwは100000〜400000、Mw/Mnは20以下であることが好ましい。軟化点が130℃未満、あるいはMwが100000以下の場合は、トナーが定着時にオフセット現象を生じやすく、軟化点が180℃を越える場合、THF不溶分が20%以上、Mwが400000を越える場合、あるいはMw/Mnが20を越える場合には定着性が悪くなることが多い。
【0024】
直鎖状ポリエステル(A)と架橋ポリエステル(B)の混合比率は(A)/(B)=2/8〜8/2であることが好ましく、3/7〜7/3であることがより好ましい。直鎖状ポリエステルの混合比率が2より低いと定着性が悪くなり、8より高いと耐オフセット性が悪くなる。
【0025】
一方、直鎖状ポリエステル、架橋ポリエステル両者ともガラス転移温度(Tg)は45℃以上のものが好ましく、中でも、Tgが50〜85℃のものが特に好ましい。
【0026】
さらに、酸価については20以下が望ましく、中でも、10以下であることが特に望ましい。酸価が高すぎると吸湿性が増し帯電量の低下を招く場合があり、保存性、現像性の点で好ましくない。
【0027】
本発明で使用することのできる着色剤としては、周知のものがあげられる。黒の着色剤としては製法により分類されるファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック、等のカーボンブラックが、青系の着色剤としてはフタロシアニン系のC.I.Pigment Blue 15−3、インダンスロン系のC.I.Pigment Blue 60等が、赤系の着色剤としてはキナクリドン系のC.I.Pigment Red 122、アゾ系のC.I.Pigment Red 22、C.I.Pigment Red 48:1、C.I.Pigment Red 48:3、C.I.Pigment Red 57:1等が、黄系の着色剤としてはアゾ系のC.I.Pigment Yellow 12、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 14、C.I.Pigment Yellow 17、C.I.Pigment Yellow 97、C.I.Pigment Yellow 155、イソインドリノン系のC.I.Pigment Yellow 110、ベンズイミダゾロン系のC.I.Pigment Yellow 151、C.I.Pigment Yellow 154、C.I.Pigment Yellow 180、等がある。着色剤の含有量は、1重量部から20重量部の範囲内にある。これらの着色剤は1種又は2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0028】
また、本発明のトナ−に使用される離型剤はカルナウバワックス、モンタン系エステルワックス及び/又はライスワックスである。カルナウバワックスとしては精製により遊離脂肪酸を除去した脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスを用いることが好ましい。脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスの酸価としては8以下が好ましく、より好ましくは酸価5以下である。脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスは従来のカルナウバワックスより微結晶となりポリエステル樹脂中での分散性が向上する。モンタン系エステルワックスは鉱物より精製されたものであり、精製によりカルナウバワックスと同様に微結晶となりポリエステル樹脂中での分散性が向上する。モンタン系エステルワックスでは酸価として特に30以下であることが好ましい。また、ライスワックスは米ぬかロウを精製したものであり、酸価は13以下であることが好ましい。また、上記ワックスは単独で用いても組み合わせて用いても良く、バインダー樹脂に対して0.3〜15重量部、好ましくは1〜5重量部含有させることにより良好な定着オフセット性能が得られる。0.3重量部より少ないと耐オフセット性が損なわれ、15重量部より多いとトナーの流動性が悪くなり、また、キャリア表面に付着することによりスペントキャリアが発生し、トナーの帯電特性に悪影響を与えることになる。
【0029】
また、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックスも本発明の趣旨を損なわない範囲で必要に応じて上記のワックスと併用して用いることができる。
【0030】
本発明に用いられる正帯電性電荷制御剤としては、トリフェニルメタン系染料、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、4級アンモニウム基及び/又はアミノ基を含有する樹脂、等を用いることができるが、ニグロシン系染料、または4級アンモニウム塩を用いるのが好ましく、特にニグロシン系染料と4級アンモニウム塩化合物を併用するのがより望ましい。4級アンモニウム塩化合物としては、下記構造の化合物(1)または(2)の中から選ばれる少なくとも一種であることが特に好ましい。また、特に(2)の構造の化合物の中でも(3)の構造の化合物が最も好ましい。(1)の構造の化合物にはボントロンP−51;(オリエント化学製)が、(2)の化合物にはTP−302、TP−610;(保土谷化学製)が、(3)の構造の化合物にはTP−415;(保土谷化学製)がある。
【0031】
また、構造は必ずしも明確ではないが、4級アンモニウム塩系の正帯電性電荷制御剤として、コピーチャージPSY(クラリアントジャパン製)も同様、好適に用いることが出来る。
【0032】
化合物(1)
【化3】
Figure 0003677646
[式中、 〜R 2n+1 基を表し、(但し、nは1〜10の整数を示す。また、 〜R は同じであっても異なっていてもよい。]
【0033】
化合物(2)
【化4】
Figure 0003677646
[式中、 、R 、R および はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜22個のアルキル基若しくはアルケニル基、炭素数1〜20個の未置換若しくは置換芳香族基、又は炭素数7〜20個のアラルキル基を表し、 はモリブデン酸アニオンタングステン酸アニオン、又はモリブデン若しくはタングステン原子を含むヘテロポリ酸アニオンを表す。]
【0034】
化合物(3)
【化5】
Figure 0003677646
[式中、 およびR はそれぞれ独立に炭素数8〜22個の長鎖アルキル基あるいは炭素数8〜22個の長鎖アルケニル基を表し、 10 は炭素数1〜4個のアルキル基を表し、 11 は炭素数1〜4個のアルキル基あるいはベンジル基を表し、 はモリブデン酸アニオンあるいはタングステン酸アニオンを表す。]
【0035】
より具体的には以下の各化合物がある。
【0036】
(1)の化合物として
(1−1)
【化6】
Figure 0003677646
【0037】
(2)の化合物として
(2−1)
【化7】
Figure 0003677646
【0038】
(2−2)
【化8】
Figure 0003677646
【0039】
(2−3)
【化9】
Figure 0003677646
【0040】
(2−4)
【化10】
Figure 0003677646
【0041】
(2−5)
【化11】
Figure 0003677646
【0042】
(2−6)
【化12】
Figure 0003677646
【0043】
(2−7)
【化13】
Figure 0003677646
【0044】
(2−8)
【化14】
Figure 0003677646
【0045】
(2−9)
【化15】
Figure 0003677646
【0046】
(2−10)
【化16】
Figure 0003677646
【0047】
(2−11)
【化17】
Figure 0003677646
【0048】
上記構造の化合物のうち、特に(3)の化合物としては(2−1)〜(2−4)がある。
ニグロシン系染料と4級アンモニウム塩化合物を併用する場合の使用比率は1/9〜9/1であることが好ましく、2/8〜8/2であることがより好ましい。ニグロシン系染料は一般に正帯電付与能力が高いが、帯電の均一性・安定性が劣り、単独で使用するとカブリが発生しやすくシャープネスが不足した印刷画像となりやすい。反面、4級アンモニウム塩化合物は正帯電付与能力が低く所期の帯電量が得られにくい。しかしながら、両者を併用することにより帯電の均一性・安定性が得られ、連続印刷時にカブリのない鮮明な印刷画像が安定して得られる。ニグロシン系染料の使用比率が1より低いとトナーに十分な帯電が得られにくく、ベタ部が不均一で画線の輪郭が不鮮明な低画質画像となりやすい。また、使用比率が9より多いと帯電量が高くなりすぎ、不安定な帯電挙動を示す現像剤となりやすい。このようにどちらかが多すぎても少なすぎても目的の帯電量が得られず、結果として低濃度・低画質の印刷となりトナー飛散が多く発生する現像剤となる。両者の比率を適宜調節する事により最適の帯電量が得られ、かぶりが無く、画線の輪郭がはっきりとした高濃度かつ高品位の印刷が可能な、トナー飛散の無い長寿命の現像剤を得ることができる。
【0049】
電荷制御剤の含有量はバインダー樹脂100重量部当たり0.3〜10重量部用いることが好ましく、より好ましくは1〜5重量部である。
【0050】
本発明における着色樹脂粒子は、トナーとして機能し、上記の様なポリエステル樹脂からなるバインダー樹脂、着色剤、離型剤、帯電制御剤を必須成分として構成されるが、着色樹脂粒子には、その他の添加剤を含める様にしても良い。
【0051】
一例として、例えば金属石鹸、ステアリン酸亜鉛等の滑剤が、研磨剤として、例えば酸化セリウム、炭化ケイ素等が使用できる。
【0052】
本発明のトナーは、特定の製造方法によらず極めて一般的な製造方法に依って得る事ができるが、例えば樹脂と着色剤と帯電制御剤とを、樹脂の融点(軟化点)以上で溶融混練した後、粉砕し、分級することにより得ることが出来る。
【0053】
具体的には例えば、上記の樹脂、着色剤、離型剤、及び帯電制御剤とを必須成分として、2本ロール、3本ロール、加圧ニーダー、又は2軸押し出し機等の混練手段により混合する。この際、樹脂中に、着色剤等が均一に分散すればよく、その溶融混練の条件は特に限定されるものではないが、通常80〜180℃で30秒〜2時間である。着色剤は樹脂中に均一に分散するようにあらかじめフラッシング処理、あるいは樹脂と高濃度で溶融混練したマスターバッチを用いても良い。
【0054】
次いで、それを冷却後、ターボミル、クリプトロン等の機械式粉砕機、渦巻き式ジェットミル、カウンタージェットミル、衝突板式ジェットミル等のエアー式粉砕機で微粉砕し、風力分級機等により分級するという方法が挙げられる。
【0055】
トナー母体を構成する粒子の平均粒径は、特に制限されないが、通常5〜15μmとなる様に調整される。
【0056】
通常、この様にして得られたトナー母体に対しては、外添剤が、例えばヘンシェルミキサー等の混合機を用いて混合される。
【0057】
外添剤は、例えばトナーの流動性向上、帯電特性改良などトナー母体の表面改質のために用いられるもので、二酸化珪素、酸化チタン、アルミナ等の無機微粉体及びそれらをシリコーンオイルなどの疎水化処理剤で表面処理したもの、樹脂微粉体等が用いられる。
【0058】
シリカとしては、二酸化珪素のうちで疎水性等を有するものが挙げられ、二酸化珪素を各種のポリオルガノシロキサンやシランカップリング剤等で表面処理したものが挙げられる。例えば、次のような商品名で市販されているものがある。
【0059】
Figure 0003677646
【0060】
Figure 0003677646
【0061】
Figure 0003677646
【0062】
Figure 0003677646
【0063】
これらのシリカは、異なる平均粒子径の2種以上を併用してもよい。また、シリカの使用割合はトナー母体に対して、通常0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0064】
本発明の静電荷像現像剤は、着色樹脂粒子を含むトナーと、表面に樹脂被覆した磁性キャリアとからなる。
【0065】
本発明に用いられるキャリアのコア剤は通常の二成分現像方式に用いられる鉄粉、マグネタイト、フェライト等が使用できるが、中でも真比重が低く、高抵抗であり、環境安定性に優れ、球形にし易いため流動性が良好なフェライト、またはマグネタイトが好適に用いられる。コア剤の形状は球形、不定形等、特に差し支えなく使用できる。平均粒径は一般的には10〜500μであるが、高解像度画像を印刷するためには30〜80μが好ましい。
【0066】
また、これらのコア剤を被覆するコーティング樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテルポリビニルケトン、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、スチレン/アクリル共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂あるいはその変性品、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂等が使用できる。これらの中でも、特にシリコン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂が帯電安定性、被覆強度等に優れ、より好適に使用し得る。つまり本発明で用いられる樹脂被覆キャリアは、コア剤としてフェライト、あるいはマグネタイトを用い、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂から選ばれる1種以上の樹脂で被覆された樹脂被覆磁性キャリアであることが好ましい。
【0067】
キャリア芯材表面への樹脂の被覆方法は特に手段を選ぶものではないが、被覆樹脂の溶液中に浸漬する浸漬法、被覆樹脂溶液をキャリア芯材表面へ噴霧するスプレー法、あるいはキャリアを流動エアーにより浮遊させた状態で噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア芯材と被覆樹脂溶液を混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法などが挙げられる。
【0068】
被覆樹脂溶液中に使用される溶剤は被覆樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が使用できる。キャリア表面への被覆層の厚さは、通常0.1〜3.0μである。
【0069】
着色樹脂粒子を含むトナーと、樹脂被覆磁性キャリアとの重量割合は特に制限されるものではないが、通常キャリア100重量部当たり、トナー0.5〜5重量部である。
【0070】
【発明の実施形態】
1. 少なくとも、バインダー樹脂、着色剤、離型剤及び正帯電性電荷制御剤とを含有してなる着色樹脂粒子と、樹脂被覆磁性キャリアからなる静電荷像現像剤であって、前記バインダー樹脂が、
(A)THF不溶分を含有せず、軟化点が80℃〜120℃で、かつガラス転 移点が45℃〜85℃である直鎖状ポリエステル樹脂
(B)THF不溶分の含有率が0を越えて20%以下であり、軟化点が130℃ 〜180℃で、かつガラス転移点が45℃〜85℃である架橋ポリエステ ル樹脂
の混合物からなり、前記離型剤としてカルナウバワックス、モンタン系エステルワックス及び/又はライスワックスを含有することを特徴とする正帯電性静電荷像現像剤。
【0071】
2. 前記直鎖状ポリエステル樹脂(A)と架橋ポリエステル樹脂(B)との混合比率が(A)/(B)=2/8〜8/2である上記1記載の正帯電性静電荷像現像剤。
【0072】
3. 前記直鎖状ポリエステル樹脂(A)のGPCにおける重量平均分子量Mwが3000〜12000、Mw/Mnが4以下であり、前記架橋ポリエステル樹脂(B)のTHF可溶分のMwが100000〜400000、Mw/Mnが20以上である上記1及び2記載の正帯電性静電荷像現像剤。
【0073】
4. 前記正帯電性電荷制御剤としてニグロシン系染料及び4級アンモニウム塩化合物を含有することを特徴とする上記1記載の正帯電性静電荷像現像剤。
【0074】
5. 前記4級アンモニウム塩化合物が上記構造の化合物(1)または(2)の中から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記4記載の正帯電性静電荷像現像剤。
【0075】
6. 前記樹脂被覆磁性キャリアが、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂から選ばれる1種以上の樹脂で被覆された樹脂被覆磁性キャリアである上記1記載の正帯電性静電荷像現像剤。
【0076】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を更に詳細に説明する。なお、以下において、組成表内の数値は『重量部』を表わす。最初にトナーを調製するにあたって用いたバインダー樹脂の合成例を下記に示す。
【0077】
(直鎖ポリエステルAの合成)
テレフタル酸 332重量部
イソフタル酸 332重量部
ポリオキシプロピレン−(2.2)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 1500重量部
を攪拌器、コンデンサー、温度計をセットした四つ口フラスコに入れ、窒素ガス気流下、4重量部のテトラブチルチタネートを添加し、脱水縮合により生成した水を除去しながら、240℃にて15時間常圧で反応させた。その後順次減圧し5mmHgで反応を続行した。反応はASTM・E28-517に準じる軟化点により追跡し、軟化点が95℃に達した時反応を終了した。得られた線状ポリエステルの分子量は、Mw:9500、Mw/Mn:3.1であり、軟化点は96℃、酸価は4、DSC測定法によるTgは63℃であった。
【0078】
(直鎖ポリエステルBの合成)
直鎖ポリエステルAの合成におけるポリオキシプロピレン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1500重量部をポリオキシプロピレン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン800重量部、ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン700重量部とする以外はポリエステルAと同様に合成を行った結果、軟化点108℃、Mw:11000、Mw/Mn:3.2、酸価3、DSC測定法によるTgが64℃の樹脂が得られた。
【0079】
(架橋ポリエステルCの合成)
テレフタル酸 332重量部
イソフタル酸 332重量部
ポリオキシプロピレン−(2.2)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 700重量部
トリメチロールプロパン 80重量部
エチレングリコール 130重量部
を攪拌器、コンデンサー、温度計をセットした四つ口フラスコに入れ、窒素ガス気流下、4重量部のテトラブチルチタネートを添加し、脱水縮合により生成した水を除去しながら、240℃にて10時間常圧で反応させた。その後順次減圧し5mmHgで反応を続行した。反応はASTM・E28-517に準じる軟化点により追跡し、軟化点が151℃に達した時反応を終了した。得られた架橋ポリエステルのTHF不溶分は5%、THF可溶分の分子量は、Mw:180000、Mw/Mn:48であり、軟化点は153℃、酸価は4、DSC測定法によるTgは65℃であった。THF不溶分は合成した樹脂粉末1gを専用の濾紙にとり、THFを溶媒としてソックスレー型環流装置にて8時間環流することにより求めた。
【0080】
(架橋ポリエステルDの合成)
架橋ポリエステルCの合成におけるトリメチロールプロパン80重量部にかえてトリメリット酸125重量部、エチレングリコールを200重量部とする以外は架橋ポリエステルCと同様にして合成を行った。得られた架橋ポリエステルのTHF不溶分は12%、THF可溶分の分子量は、Mw:320000、Mw/Mn:47であり、軟化点は167℃、酸価は7、DSC測定法によるTgは66℃であった。
【0081】
Figure 0003677646
をヘンシェルミキサーで混合し、2軸混練機で混練する。このようにして得た混練物を粉砕、分級して体積平均粒子径10.1ミクロンのトナー原体A’を得た。
【0082】
・上記トナー原体A’ 100重量部
・シリカHDK3050EP(ワッカーケミカルズ(株)) 1重量部
をヘンシェルミキサーで混合の後、篩いかけをして、トナーA”を得た。
【0083】
<現像剤の調整>
・上記トナーA” 5重量部
・キャリア(シリコン樹脂被覆フェライトキャリア) 95重量部
を混合攪拌して現像剤Aを調整した。
【0084】
以下同様に表1、表2の配合にてトナーを製造し現像剤A(実施例1)〜現像剤G(実施例7)、及び現像剤H(比較例1)〜現像剤J(比較例3)を製造した。
【0085】
【表1】
表1.配合表
実施例
Figure 0003677646
【表2】
表2.
比較例
Figure 0003677646
Figure 0003677646
【0086】
上記実施例及び比較例で得られた現像剤について、定着開始温度、ホットオフセット開始温度、印刷テストを以下の通り行った。
【0087】
(ヒートロール定着・オフセット性能評価)
市販複写機改造機にてA−4紙サイズの未定着画像サンプルを作成し、下記仕様のヒートロール定着ユニットを用いて、定着開始温度、およびオフセット現象の有無を確認した。
【0088】
Figure 0003677646
【0089】
定着強度は次式で計算される画像濃度残存比率で判定した。画像濃度はマクベス画像濃度計RD−918にて測定した。
【0090】
画像濃度残存比率=堅牢度試験後画像濃度/同左試験前画像濃度
ここで、堅牢度試験後画像濃度とは、学振型摩擦堅牢度試験機(荷重:200g,擦り操作:5ストローク)を用いて測定した。
【0091】
定着強度としては、残存比率80%以上で実用上問題ないレベルとし、その最低温度を定着開始温度とした。オフセット開始温度は定着画像サンプルを観察し、目視にてオフセット現象が認められる温度とした。
【0092】
(印刷テスト)
市販のレーザービームプリンター(セレン感光体搭載)を用いて連続プリントによる印字品質を評価すると共に、現像剤の帯電量を測定した。なお、帯電量はブローオフ帯電量測定機で測定した。画像濃度はマクベス濃度計RD−918で測定、地汚れは白地部濃度からプリント前白紙濃度を差し引いて求めた。
【0093】
(トナー飛散量)
50KP(5万枚)印刷後のマシン内部を観察し感光体、現像装置周辺部等に飛散トナーによる汚れがほとんどない場合を○、やや汚れが発生した場合を△、激しい汚れが発生した場合を×とした。
【0094】
以上の評価結果を表3、表4に示す。
【0095】
【表3】
表3.評価結果
実施例
Figure 0003677646
表中の表示は次の通り。
*「帯電量」; μC/g
*「地汚れ評価」○:0.01未満、△:0.01〜0.03未満,×:0.03以上
*「トナー飛散」;50KP(5万枚)印刷後の目視観察
○:飛散ほとんどなし
△:やや飛散による汚れが発生
×:激しい飛散が発生
【表4】
表4.評価結果
比較例
Figure 0003677646
表中の表示は次の通り。
*「帯電量」; μC/g
*「地汚れ評価」○:0.01未満、△:0.01〜0.03未満,×:0.03以上
*「トナー飛散」;50KP(5万枚)印刷後の目視観察
○:飛散ほとんどなし
△:やや飛散による汚れが発生
×:激しい飛散が発生
【0096】
表3、表4から明らかな通り、本発明による直鎖状ポリエステルと架橋ポリエステル、及びニグロシン系染料と4級アンモニウム塩化合物を併用し、カルナウバワックス、モンタンワックス、ライスワックスから選ばれた一種以上を使用した現像剤では、直鎖状樹脂、架橋樹脂を単独で使用した比較例1及び比較例2の現像剤と比較して定着性、高温での耐オフセット性の両方を満足する。比較例1のトナーは高温での耐オフセット性が得られず実機での連続印刷テストができなかった。比較例2のトナーでは融点が高すぎ良好な定着性が得られず、擦りにより紙から剥離しやすいグロスのない低濃度の印刷画像となった。また、合成ワックスを用いた比較例3と比較すると、地汚れ、トナー飛散が発生せず帯電の安定した現像剤となっている。比較例3で用いたトナー中のポリプロピレンワックスの分散状態を顕微鏡にて観察したところ、本発明で用いたワックスの分散と比較して非常に大きな分散粒子となっていることが判った。また、50KP印刷後のキャリア表面にはポリプロピレンの付着がありスペントキャリアの発生が認められたことから、ワックスの分散性の違いが地汚れ、トナー飛散、現像剤寿命の差として現れていることが推察される。本発明による実施例ではスペントキャリアの発生は認められなかった。
【0097】
【発明の効果】
上記実施例に示したように、本発明によれば、直鎖状ポリエステルと架橋ポリエステルを併用し、正帯電性電荷制御剤、及びカルナウバワックス、モンタンワックス、ライスワックスから選ばれた一種以上のワックスを使用する事により、より広範囲な温度領域において良好な定着特性、耐オフセット性を示す現像剤が得られる。また、同時に十分な力学的強度および安定した帯電挙動を有するため現像装置内でのキャリアとの摩擦に耐え、スペントキャリアおよびトナー飛散を発生することなく、カブリのない高濃度かつ高品位の印刷画像が安定して得ることができる現像剤を提供することができる。

Claims (5)

  1. 少なくとも、バインダー樹脂、着色剤、離型剤及び正帯電性電荷制御剤とを含有してなる着色樹脂粒子と、樹脂被覆磁性キャリアからなる静電荷像現像剤であって、前記バインダー樹脂が、
    (A)THF不溶分を含有せず、GPCにおける重量平均分子量Mwが3000〜12000、Mw/Mnが4以下であり、軟化点が80℃〜120℃で、かつガラス転移点が45℃〜85℃である直鎖状ポリエステル樹脂
    (B)THF不溶分の含有率が0を越えて20%以下であり、THF可溶分のMwが100000〜400000、Mw/Mnが20以上であり、軟化点が130℃〜180℃で、かつガラス転移点が45℃〜85℃である架橋ポリエステル樹脂の混合物からなり、前記離型剤としてカルナウバワックス、モンタン系エステルワックス及び/又はライスワックスを含有することを特徴とする正帯電性静電荷像現像剤。
  2. 前記直鎖状ポリエステル樹脂(A)と架橋ポリエステル樹脂(B)との混合比率が(A)/(B)=2/8〜8/2である請求項1記載の正帯電性静電荷像現像剤。
  3. 前記正帯電性電荷制御剤としてニグロシン系染料及び4級アンモニウム塩化合物を含有する請求項1又は2記載の正帯電性静電荷像現像剤。
  4. 前記4級アンモニウム塩化合物が下記構造の化合物(1)または(2)でる請求項記載の正帯電性静電荷像現像剤。
    化合物(1)
    Figure 0003677646
    [式中、 〜R 2n+1 基を表し、(但し、nは1〜10の整数を示す。また、 〜R は同じであっても異なっていてもよい。]
    化合物(2)
    Figure 0003677646
    [式中、 、R 、R および はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜22個のアルキル基若しくはアルケニル基、炭素数1〜20個の未置換若しくは置換芳香族基、又は炭素数7〜20個のアラルキル基を表し、 はモリブデン酸アニオンタングステン酸アニオン、又はモリブデン若しくはタングステン原子を含むヘテロポリ酸アニオンを表す。]
  5. 前記樹脂被覆磁性キャリアが、シリコーン樹脂、フッ素樹脂および(メタ)アクリル樹脂から選ばれる1種以上の樹脂で被覆された樹脂被覆磁性キャリアである請求項1記載の正帯電性静電荷像現像剤。
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