JP5106180B2 - 電子写真用トナー - Google Patents

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本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる電子写真用トナーに関する。
トナーに要求される特性として、低温定着性及び耐ホットオフセット性が挙げられる。そこで、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立させる試みとして、軟化点の低いポリエステル樹脂と軟化点の高いポリエステル樹脂を併用するトナーが多数検討されている(特許文献1〜3等参照)。
特開2003−119351号公報 特開昭60−214368号公報 特開2000−347451号公報
これらの技術は、軟化点の低いポリエステルにより低温定着性の向上を、軟化点の高いポリエステルにより耐ホットオフセット性の向上を実現するものであり、機能分離を目的とするものである。従って、2つのポリエステルの軟化点の差は、ある程度大きいほうが望ましいが、一般的に軟化点の差が大きいポリエステルは粘度差も大きく、両者のポリエステルを併用すると、溶融混練時に2つのポリエステルが均一に混ざらず、さらに、高軟化点部位と軟化点部位が不均一状態となると、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれもが低下し、さらに定着ローラーからの剥離性やトナーの粉砕性も悪化する。従って、軟化点差の小さいポリエステルを併用することで、2つのポリエステルを均一に混ぜ合わせることができるが、機能分離ができず、低軟化点ポリエステルの軟化点が高くなる、又は高軟化点樹脂の軟化点が低くなるために、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれかが悪化する。
本発明の課題は、軟化点差の大きいポリエステルを含有していても、低温定着性、耐ホットオフセット性、定着ローラーからの剥離性及びトナーの粉砕性のいずれにも優れた電子写真用トナーを提供することにある。
本発明は、結着樹脂として、ポリエステルHとポリエステルHより軟化点が55〜80℃低いポリエステルLを含有してなる電子写真用トナーであって、前記ポリエステルLが、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物を30〜100モル%含有するアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステルである、電子写真用トナーに関する。
本発明の電子写真用トナーは、軟化点差の大きいポリエステルを含有していても、低温定着性、耐ホットオフセット性、定着ローラーからの剥離性及びトナーの粉砕性のいずれにおいても優れた効果を奏するものである。
本発明の電子写真用トナーは、結着樹脂として含有するポリエステルHとポリエステルHよりも軟化点が低いポリエステルLにおいて、軟化点が低い方のポリエステルであるポリエステルLが、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物を特定量含有するアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステルである点に特徴を有する。従来、軟化点の異なる2種類のポリエステルを含有したトナーにおいて、低温定着性、耐ホットオフセット性を両立させるために、機能分離をさせる必要があり、ポリエステルの軟化点差が大きくすると、溶融粘度特性の異なる樹脂が混ざり合うため、結着樹脂中に高軟化点部位と軟化点部位が存在し不均一状態になり定着性が低下するため、軟化点差を大きくすることができず、低軟化点ポリエステルと高軟化点ポリエステルの機能を有効に発揮できなかった。しかしながら、本発明では、低軟化点ポリエステルのアルコール成分としてビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物が特定量用いられているため、低温定着性と耐ホットオフセット性のいずれも向上し、さらに高軟化点部位と軟化点部位が存在し不均一状態になることによる、定着ローラーからのトナーの剥離性やトナーの粉砕性、すなわち、トナー生産工程におけるトナー原料の溶融混練物の粉砕性の低下も防止することができる。これは、アルコール成分としてビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物を用いることにより、得られるポリエステルの数平均分子量が、同じ軟化点のポリエステルと比べて高くできることによるものと推定される。即ち、プロピレンオキサイド付加物は、モノマー構造が剛直なため、所定の軟化点に到達するまでに反応するモノマーが比較的少なくてすむのに対し、エチレンオキサイド付加物の場合、モノマー構造が柔らかいため、所定の軟化点に到達するまでに多くのモノマーが反応する。そのため、軟化点が低いポリエステルでも数平均分子量は、高軟化点樹脂と同程度になるため、従来のような粘度差による結着樹脂の不均一状態等がおきないものと推定される。
ポリエステルHとポリエステルLの軟化点差は、トナーの低温定着性と耐ホットオフセット性の観点から、55〜80℃であり、内添剤の分散性の観点から、好ましくは57〜75℃、より好ましくは58〜72℃、さらに好ましくは59〜65℃である。
ポリエステルLは、アルコール成分とカルボン酸成分とを原料モノマーとして用い、これらを縮重合させて得られる。
アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等の、式(I):
Figure 0005106180
(式中、RO及びORはオキシアルキレン基であり、Rはエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の平均値は1〜16が好ましく、1〜8がより好ましく、1.5〜4がさらに好ましい)
で表されるビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ブテンジオール、1,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール、グリセリン等の3価以上の多価アルコール等が挙げられる。これらの中では、トナーの帯電性の観点からビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が好ましい。
ポリエステルLのアルコール成分は、前記の如く、トナーの低温定着性、耐ホットオフセット性及び定着ローラーからの剥離性及び粉砕性の観点から、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(BPA-EO)を、アルコール成分中、30〜100モル%、好ましくは50〜95モル%、より好ましくは70〜90モル%含有する。また、トナーの定着ローラーからの剥離性の観点から、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(BPA-PO)の含有量は、アルコール成分中、0〜70モル%が好ましく、5〜50モル%がより好ましく、10〜20モル%がさらに好ましい。BPA-EOとBPA-POのモル比(BPA-EO/BPA-PO)は、トナーの定着ローラーからの剥離性と耐ホットオフセット性の観点から、1.0〜20がより好ましく、4.0〜10がさらに好ましい。
本発明において、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物は、式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物において、Rがエチレン基である化合物が好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲で、エチレン基の一部がプロピレン基を含む他のアルキレン基で置換されていてもよい。同様に、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物は、式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物において、Rがプロピレン基である化合物が好ましく、本発明の効果を損なわない範囲で、エチレン基を含む他のアルキレン基で置換されていてもよい。
カルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、n-ドデシルコハク酸、n-ドデセニルコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸;及びこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル;ロジン;フマル酸、マレイン酸、アクリル酸等で変性されたロジン等が挙げられる。上記のような酸、これらの酸の無水物、及び酸のアルキルエステルを、本明細書では総称してカルボン酸化合物と呼ぶ。ポリエステルH及びポリエステルLの少なくともいずれか一方のカルボン酸成分が、芳香族ジカルボン酸化合物を好ましくは50モル%以上、より好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは75モル%以上含有していることが望ましい。
ポリエステルLのカルボン酸成分としては、トナーの低温定着性の観点から、脂肪族ジカルボン酸化合物が好ましく、フマル酸及びマレイン酸の少なくともいずれかがより好ましい。脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量は、トナーの低温定着性の観点から、カルボン酸成分中、15〜70モル%が好ましく、18〜60モル%がより好ましくは、20〜40モル%がさら好ましい。脂肪族ジカルボン酸以外のカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸化合物が好ましい。
なお、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、ポリエステルの分子量調整や、該ポリエステルを含有するトナーの耐オフセット性向上の観点から、適宜含有されていてもよい。
アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合は、例えば、不活性ガス雰囲気中にて、さらには減圧下、オクチル酸錫(II)、酸化ジブチル錫等のエステル化触媒の存在下、180〜250℃の温度で行うことができる。
ポリエステルLの軟化点は、トナーの低温定着性の観点から、75〜95℃が好ましく、80〜92℃がより好ましく、83〜90℃がさらに好ましい。
ポリエステルLのガラス転移点は、トナーの粉砕性の観点から、30〜70℃が好ましく、35〜65℃がより好ましく、40〜60℃がさらに好ましい。
ポリエステルLの酸価は、トナーの帯電性の観点から、5〜20mgKOH/gが好ましく、8〜19mgKOH/gがより好ましく、10〜18mgKOH/gがさらに好ましい。
ポリエステルLの数平均分子量は、トナーの耐ホットオフセット性、定着ローラーからの剥離性及び粉砕性の観点から、1000〜3500が好ましく、1500〜3000がより好ましく、1600〜2500がさらに好ましい。
ポリエステルHも、ポリエステルLと同様に、アルコール成分とカルボン酸成分とを原料モノマーとして用い、これらを縮重合させて得られる。アルコール成分とカルボン酸成分としても同様の化合物が例示されるが、ポリエステルHのアルコール成分としては、トナーの粉砕性の観点から、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(BPA-EO)の含有量は、アルコール成分中、10〜100モル%が好ましく、20〜50モル%がより好ましく、30〜40モル%がよりさらに好ましい。また、トナーの粉砕性の観点から、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(BPA-PO)の含有量は、アルコール成分中、0〜90モル%が好ましく、50〜80モル%がより好ましく、60〜70モル%がさらに好ましい。BPA-EOとBPA-POのモル比(BPA-EO/BPA-PO)は、トナーの粉砕性の観点から、0.2〜1.0が好ましく、0.3〜0.7がより好ましい。
また、ポリエステルHのカルボン酸成分としては、トナーの帯電性の観点から、芳香族ジカルボン酸化合物が好ましく、テレフタル酸、イソフタル酸及びフタル酸からなる群より選ばれた少なくとも1種がより好ましい。芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、トナーの定着ローラーからの剥離性と粉砕性の観点から、カルボン酸成分中、50〜99モル%が好ましく、60〜95モル%がより好ましく、75〜90モル%がさらに好ましい。また、トナーの耐ホットオフセット性の観点からは、3価以上の多価カルボン酸化合物が好ましく、トリメリット酸がより好ましい。3価以上の多価カルボン酸化合物の含有量は、耐ホットオフセット性の観点から、カルボン酸成分中、1〜35モル%が好ましく、3〜30モル%がより好ましく、6〜16モル%がさらに好ましい。
ポリエステルHの軟化点は、トナーの低温定着性の観点から、135〜160℃が好ましく、135〜155℃がより好ましく、135〜150℃がさらに好ましい。
ポリエステルHのガラス転移点は、トナーの粉砕性の観点から、40〜80℃が好ましく、50〜75℃がより好ましく、55〜70℃がさらに好ましい。
ポリエステルHの酸価は、トナーの帯電性の観点から、1〜10mgKOH/gが好ましく、3〜9mgKOH/gがより好ましく、4〜8mgKOH/gがさらに好ましい。
ポリエステルHの数平均分子量は、トナーの粉砕性、耐ホットオフセット性及び定着ローラーからの剥離性の観点から、2000〜3400が好ましく、2300〜3200がより好ましく、2600〜3100がさらに好ましい。
ポリエステルLとポリエステルHの数平均分子量の比(H/L)は、粘度差による結着樹脂の不均一状態を低減させ、定着ローラーからのトナーの剥離性やトナーの粉砕性を高める観点から、0.8〜1.6が好ましく、0.85〜1.6がより好ましく、0.9〜1.55がさらに好ましい。
ポリエステルLとポリエステルHの重量比(H/L)は、トナーの低温定着性の観点から、30/70〜60/40が好ましく、35/65〜50/50がより好ましく、38/62〜45/55がさらに好ましい。
ポリエステルLとポリエステルHの総含有量は、内添剤の分散性、トナーの耐ホットオフセット性及び定着ローラーからの剥離性の観点から、結着樹脂中、60〜100重量%が好ましく、65〜100重量%がより好ましく、75〜100重量%がさらに好ましい。
トナーには、さらに、着色剤、荷電制御剤、離型剤、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が適宜含有されていてもよい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、イソインドリン、ジスアゾエロー等が用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、2〜10重量部がより好ましい。
荷電制御剤としては、負帯電性及び正帯電性のいずれのものも使用することができる。負帯電性荷電制御剤としては、例えば、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正帯電性荷電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。また、樹脂等の高分子タイプのものを使用することもできる。荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜8重量部が好ましく、0.2〜5重量部がより好ましい。
離型剤としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレンポリエチレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス及びそれらの酸化物、カルナウバワックス、モンタンワックス、サゾールワックス及びそれらの脱酸ワックス等のエステル系ワックス、脂肪酸アミド類、脂肪酸類、高級アルコール類、脂肪酸金属塩等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して含有されていても良い。離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。
本発明の電子写真用トナーは、溶融混練法、乳化転相法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたトナーであってもよいが、生産性や着色剤の分散性の観点から、溶融混練法による粉砕トナーが好ましい。溶融混練法による粉砕トナーの場合、例えば、結着樹脂、着色剤等の原料をヘンシェルミキサー等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級して製造することができる。一方、トナーの小粒径化の観点からは、重合法によるトナーが好ましい。トナーの表面には、疎水性シリカ等の外添剤が添加されていてもよい。
トナーの体積中位粒径(D50)は、3〜15μmが好ましく、3〜10μmがより好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
本発明のトナーは、一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出する。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出する温度を軟化点とする。
〔樹脂のガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
〔樹脂の数平均分子量〕
以下の方法により得られる、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量分布を示すチャートから、数平均分子量を求める。
(1) 試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mLになるように樹脂をテトラヒドロフラン中に溶解する。次いで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター(住友電気工業社製、FP-200)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2) 分子量分布測定
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶解液としてテトラヒドロフランを毎分1mLの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定化させる。そこに試料溶液100μLを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレンを標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:CO-8010(東ソー社製)
分析カラム:GMHXL+G3000HXL(東ソー社製)
〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
本明細書において、トナーの体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になるトナーの粒径を意味する。
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5重量%電解液
分散条件:分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:前記電解液100mLに、3万個のトナー粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
樹脂製造例1
表1に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマー及びオクチル酸錫(II)11g(アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して0.5重量部)を窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、230℃で4時間かけて反応させた後、8.3kPaにて1時間反応させた。さらに215℃にて表1に示す無水トリメリット酸を添加し、所望の軟化点に達するまで反応させて、樹脂H−1〜H−5を得た。
Figure 0005106180
樹脂製造例2
表2に示すフマル酸以外の原料モノマー及びオクチル酸錫(II)11g(アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して0.5重量部)を窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、230℃で8時間かけて反応させた後、8.3kPaにて1時間反応させた。さらに190℃にて、ターシャルブチルカテコール1g(アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して0.05重量部)と、表2に示すフマル酸を添加し、所望の軟化点に達するまで反応させて、樹脂L−1〜L−5を得た。
Figure 0005106180
実施例1〜7及び比較例1〜5
表3に示す結着樹脂100重量部、カーボンブラック「Mogul L」(キャボット社製)5.0重量部、負帯電性荷電制御剤「T-77」(保土谷化学工業社製)1.0重量部、及び「カルナウバワックス 1号」(加藤洋行社製)2.0重量部をヘンシェルミキサーで十分混合した。
得られた混合物を、混練部分の全長1560mm、スクリュー径42mm、バレル内径43mmの同方向回転二軸押出機により溶融混練した。バレル設定温度は90℃(混練物温度:120〜140℃)、スクリュー回転速度は200回転/分、混合物の供給速度は10kg/時、平均滞留時間は約18秒であった。
得られた混練物を、冷却ロールで圧延し、20℃以下に冷却した後、ロートプレックスに3mmメッシュ(目開き:3mm)のスクリーンを装着して粗粉砕し、さらに、I-2型粉砕機(日本ニューマチック社製)で微粉砕し、分級して、体積中位粒径(D50)が7.5μmのトナー粒子を得た。なお、I-2型粉砕機(日本ニューマチック社製)で微粉砕した際の粉砕圧を測定し、以下の評価基準に従って、トナーの粉砕性を評価した。結果を表3に示す。
〔評価基準〕
A:粉砕圧が0.30未満
B:粉砕圧が0.30以上0.45未満
C:粉砕圧が0.45以上
得られたトナー粒子100重量部に対して、外添剤として疎水性シリカ「TS-530」(キャボット社製)0.65重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合することにより、トナーを得た。
試験例1〔低温定着性、耐ホットオフセット性〕
複写機「AR-505」(シャープ(株)製)にトナーを実装し、2cm×12cmのベタ画像部(トナー付着量:0.5mg/cm2)を有する未定着の画像を得た。複写機「AR-505」(シャープ(株)製)の定着機を装置外での定着が可能なように改良した定着機(定着速度:100mm/sec)を用い、定着温度を90℃から240℃へと10℃ずつ順次上昇させながら、未定着画像を定着させた。
定着画像に「ユニセロハンテープ」(三菱鉛筆社製、幅:18mm、JIS Z-1522)を貼り付け、30℃に設定した定着ローラーに通過させた後、テープを剥がした。テープを貼る前と剥がした後の光学反射密度を反射濃度計「RD-915」(マクベス社製)を用いて測定し、両者の比率(剥離後/貼付前)が最初に70%を超える定着ローラーの温度を最低定着温度として、低温定着性を評価した。結果を表3に示す。
また、同時にホットオフセットの発生を目視にて観察し、ホットオフセットが発生する温度を耐ホットオフセット性として確認した。なお、定着試験に用いた紙は「CopyBond SF-70NA」(シャープ社製、75g/m2)である。結果を表3に示す。
試験例2〔定着ローラー剥離性〕
複写機「AR-505」(シャープ(株)製)にトナーを実装し、2cm×12cmのベタ画像部(トナー付着量:0.5mg/cm2)を有する未定着の画像を得た。複写機「AR-505」(シャープ(株)製)の定着機を装置外での定着が可能なように改良した定着機(定着速度:100mm/sec)を用い、定着温度を170℃とし、紙を定着ローラーに通過させ、定着ローラーから剥がれるか定着ローラーに付着するかを目視にて観察し、以下の評価基準に従って、定着ローラー剥離性を評価した。結果を表3に示す。
〔評価基準〕
A:定着ローラーから紙が綺麗に剥離する。
B:定着ローラーから紙が剥離するが、通過後紙が折れ曲がる。
C:定着ローラーに紙が付着する。
Figure 0005106180
以上の結果より、実施例1〜7では、比較例1〜5と対比して、トナーの粉砕性、低温定着性、耐ホットオフセット性及び定着ローラーからの剥離性のいずれにも優れていることが分かる。これに対し、例えば、比較例1では、低軟化点ポリエステルにビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物が含まれておらず、ポリエステル間の分子量差が大きく、特に、耐ホットオフセット性、定着ローラーからの剥離性が低下している。また、ポリエステルの軟化点差が小さすぎる比較例2では、耐ホットオフセット性及び定着ローラーからの剥離性が低下しており、ポリエステルの軟化点差の大きすぎる比較例3では、さらに、粉砕性及び低温定着性も悪化している。また、樹脂同士の軟化点差80℃以上であり、H体とL体の分子量差が大きすぎるため、樹脂の分散不良が生じ、耐ホットオフセット性、ローラー剥離性が悪化する。
本発明の電子写真用トナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられる。

Claims (7)

  1. 結着樹脂として、ポリエステルHとポリエステルHより軟化点が55〜80℃低いポリエステルLを含有してなる電子写真用トナーであって、前記ポリエステルLが、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物を70〜100モル%含有するアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステルである、電子写真用トナー。
  2. ポリエステルLの数平均分子量が1000〜3500である、請求項1記載の電子写真用トナー。
  3. ポリエステルH及びポリエステルLの少なくともいずれか一方のカルボン酸成分が、芳香族ジカルボン酸化合物を50モル%以上含有してなる、請求項1又は2記載の電子写真用トナー。
  4. ポリエステルHの数平均分子量が2000〜3400である、請求項1〜3いずれか記載の電子写真用トナー。
  5. ポリエステルHの酸価が1〜10mgKOH/gであり、ポリエステルLの酸価が5〜20mgKOH/gである、請求項1〜4いずれか記載の電子写真用トナー。
  6. ポリエステルHの軟化点が135〜160℃である、請求項1〜5いずれか記載の電子写真用トナー。
  7. ポリエステルLの軟化点が75〜95℃である、請求項1〜6いずれか記載の電子写真用トナー。
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