JP4189923B2 - 画像形成方法及びこれを用いた画像形成装置、プロセスカートリッジ - Google Patents

画像形成方法及びこれを用いた画像形成装置、プロセスカートリッジ Download PDF

Info

Publication number
JP4189923B2
JP4189923B2 JP2004188616A JP2004188616A JP4189923B2 JP 4189923 B2 JP4189923 B2 JP 4189923B2 JP 2004188616 A JP2004188616 A JP 2004188616A JP 2004188616 A JP2004188616 A JP 2004188616A JP 4189923 B2 JP4189923 B2 JP 4189923B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
image forming
group
charge transport
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004188616A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006011079A (ja
Inventor
孝一 大嶋
康夫 鈴木
哲郎 鈴木
通孝 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2004188616A priority Critical patent/JP4189923B2/ja
Priority to CN2005100794187A priority patent/CN1885180B/zh
Priority to US11/165,279 priority patent/US7662533B2/en
Publication of JP2006011079A publication Critical patent/JP2006011079A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4189923B2 publication Critical patent/JP4189923B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/75Details relating to xerographic drum, band or plate, e.g. replacing, testing
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G2215/00Apparatus for electrophotographic processes
    • G03G2215/00953Electrographic recording members
    • G03G2215/00957Compositions
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G2215/00Apparatus for electrophotographic processes
    • G03G2215/06Developing structures, details
    • G03G2215/0602Developer
    • G03G2215/0604Developer solid type
    • G03G2215/0614Developer solid type one-component

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に好適に用いられる画像形成方法及びこれを用いた画像形成装置、並びにプロセスカートリッジに関する。
1.現像剤(以下、単に「トナー」と称することがある)について
従来より、電子写真法による静電潜像を現像する乾式現像方式としては、カスケード法、磁気ブラシ法、パウダークラウド法などがあり、これらの方法では、結着樹脂中にカーボンブラック等の着色剤を分散させて製造される乾式現像剤を用いている。
また、電子写真法における定着方式としては、エネルギー効率の良さから、加熱ローラ方式が広く用いられている。近年、省エネルギー化を図るため、低温定着性が要求され、特に高いエネルギーを必要とする高速複写方式においてはその要求が強い。そのため、定着時にトナーに与える熱エネルギーをより小さくする試みが盛んに行われている。中でも、画像形成装置に電源を投入してから、又は一旦停止した状態から立ち上がり、プリントが可能となるまでの待機時間(ウオームアップタイム)に要する電力を最小限にすることが強く要望されている。
1999年度の国際エネルギー機関(IEA)のDSM(Demand−side Management)プログラムにおいては、次世代複写機として、複写速度(CPM)が30以上の複写機の場合、待機時間が10秒以内、待機時の消費電力が10〜30W以下(複写速度で異なる)である性能が要求されており、省エネルギー化の達成が極めて重要な課題となってきている。
この要求を達成する方法としては、加熱ローラ等の定着部材を低熱容量化し、トナーの温度応答性を向上させる方法等が考えられるが、未だ十分満足できるものではない。前記要求を達成して待機時間を極小にするため、トナー自体の定着温度を下げ、使用可能時のトナー定着温度を低下させることが必須の技術的達成事項であると考えられる。しかし、この低温定着のレベルを画像形成装置の設定温度で比較すると、従来の低温定着トナーを用いる場合、より更に20℃程度設定温度を低下させる必要があると考えられる。
このように20℃の差は要求レベルが非常に高いものであることが認識できる。従って、従来公知の技術を適用しても容易に達成することは困難であり、従来の技術領域より更に進んだ技術の開発が必要である。
一方、トナーの低温定着化をはかると、これに起因して定着温度範囲の確保(耐ホットオフセット性)と熱保存性の維持が難しくなるという問題がある。例えば、特許文献1及び特許文献2には、トナー中に低軟化点の樹脂やワックスを含有させて、トナーの低温定着性を向上させる技術が提案されている。このような低温定着用トナーは、熱的に弱いため、使用している機械の熱や保存時の熱により固まって、いわゆるブロッキングを起すことが知られている。更に、充分な定着温度範囲を確保することも難しく、未だこの課題を解決したトナーは得られていないのが現状である。
近年、市場では高品質の画像に対する要求が高まっており、この要求を満たすには、従来の体積平均粒径が10〜15μmのトナーでは不十分であり、更に小粒径のトナーが求められている。しかし、トナーの微粒子化が進めば進むほど、特に定着工程において、ハ―フトーン部における紙等の転写材へのトナー付着量が減少し、転写材の凹部に転写されたトナー対して加熱部材から与えられる熱量が極端に少なくなるため、オフセット現象が発生し易くなる等の欠点が生じる。
また、トナーには、静電的、熱的、又は強度的な物性、或いは化学的特性、更には流動性、ブロッキング、粒度分布等の粉体特性が要求され、これらを補完するために種々の添加剤が添加されている。
上述したように低温定着用のトナーにはいくつもの問題があるが、これらの中でも、トナーの流動性を確保するために添加される外添剤の埋没、遊離の問題がある。基本的には、低温定着用のトナーは結着樹脂の軟化点が下がる傾向となり、外添剤の埋没現象が一層顕著なものになる。
このため、トナーの搬送性や帯電性を向上させるため、適度な流動性を付与するための提案が種々なされている。例えば、(1)小粒径の無機微粒子(平均粒径;約5〜100nm)を添加する方法、(2)クリーニング性を付与するために平均粒径が約0.5〜5μm程度の無機微粒子を添加する方法(特許文献3、特許文献4、及び特許文献5参照)、(3)平均粒径が約0.05〜5μmの有機微粒子を添加する方法(特許文献6、特許文献7、特許文献8、及び特許文献9等参照)などが提案されている。
前記無機微粒子又は有機微粒子を外添して含有させたトナーでは、コピー数の増加に伴って、これら微粒子がトナー表面から離脱する現象(外添剤の遊離)、或いはトナー表面へ埋め込まれる(外添剤の埋没)現象が発生する。
このような外添剤の離脱、又は埋没が発生すると、外添剤により付与されていた流動性や帯電制御の効果が消失してしまい、電子写真用トナーとして多くの不具合が生じることになる。特に、外添剤が離脱すると該離脱した外添剤が、感光体表面に細かいキズをつけて、いわゆる「メダカ画像」の発生原因となる。
これら解決策としては、例えば、(1)150nm〜5μmの大粒径無機酸化物を使用する方法(特許文献10参照)、(2)シリカをトナー表面に固着させる方法(特許文献11参照)などが提案されている。しかし、前記(1)では、大粒径外添剤の付着力が弱く、コピー数の増加に伴って外添剤の離脱が生じてしまう。また、前記(2)では、シリカのトナー表面への固着は却ってその埋没を促進させてしまうという問題がある。
また、外添剤の離脱を防止することができるトナーの製造方法としては、例えば、2種類の疎水性金属微粒子とトナーを混合処理することにより、表面に該疎水性金属微粒子が均一に付着した電子写真用トナーを製造する方法が提案されている(特許文献12参照)。しかし、外添剤の離脱を防止するためには、混合機による強い力でトナー母体粒子表面に外添剤を強固に付着させる必要があり、その結果、外添剤が埋没してしまう部分が発生して、所望の効果が得られていないのが現状である。
いずれにしても、トナーに要求される諸特性を満たす上では、外添剤の添加が必要であり、低温定着用のトナーにおいて顕著になるいわゆる「メダカ画像」の発生が問題となる。この「メダカ画像」の発生防止方法については、例えば、特許文献13では、トナーのバインダー樹脂に関して、THFの不溶解成分を含有しない樹脂であり、かつGPC分子量分布を規定し、更にトナー粒子の硬さに強く関係する高分子量成分に対応する1×10〜1×10のサブピークについて動的粘弾性G’を規定して外添剤の保持能力の改良を図っている。しかし、この提案では、本質的に低温定着用のトナーにおいては外添剤の遊離が避けられず、特に、5万枚を超え、10万枚に至る長期繰返し画像形成時における問題は解決していない。
2.静電潜像担持体(以下、「感光体」、「電子写真感光体」、「光導電性絶縁体」と称することもある)について
近年、複写機、プリンター、及びファクシミリ等の画像形成技術の発達は著しく、中でも電子写真方式に代表される静電画像形成方法が最も多く用いられている。これは、電子写真方式が、高画質画像を高速で得られること、モノクロだけでなくカラー画像形成も可能なこと、長期間の使用にも耐える耐久性、安定性を有していることによると考えられる。
現在、電子写真感光体としては、有機光導電性物質を含有する有機感光体が最も広く用いられている。該有機感光体は、一般に、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる導電性支持体上に、有機系電荷発生物質を蒸着して形成する方法、或いは有機系電荷発生物質と結着材としての有機高分子を溶剤と混合し、分散した塗布液を塗布して電荷発生層を形成した後、この電荷発生層上に、有機系電荷輸送物質と結着材としての有機高分子を溶剤に溶解した塗布液を塗布して電荷輸送層を形成して作製される。
このような有機感光体は、可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発されていること、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安いこと等が他の感光体に対して有利な点であるが、唯一の欠点は機械的強度が弱いことである。
一般に、カールソン法の電子写真装置においては、感光体を一様に帯電させた後、露光によって画像様に電荷を消去して静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーによって現像して可視化し、該可視像を紙等に転写し、定着させる。
しかしながら、感光体上のトナーは全てが転写されることはなく、一部のトナーは感光体に残留するので、通常、クリーニング手段を用いて残留トナーを除去する。このクリーニング手段にはファーブラシ、磁気ブラシ又はブレード等が挙げられるが、性能、構成等の点から、主に板状のゴム弾性体からなるブレードが用いられている。
従って、電子写真感光体の表面は、帯電器、現像器、転写手段、及びクリーニング器等により、電気的、機械的な外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。特に、摺擦による感光体表面の摩耗及び傷の発生、異物の混入及び紙詰まり処理時の衝撃等による膜剥がれ等に対する機械的耐久性が要求される。
更に、画像形成装置の小型化から感光体の小径化が進み、機械の高速化やメンテナンスフリーの動きも加わって、感光体の高耐久化が切望されるようになってきている。
有機感光体は、化学的安定性に乏しく、低分子の電荷輸送物質と不活性高分子を主成分としているため一般に柔らかく、電子写真プロセスにおいて繰り返し使用された場合、現像システムやクリーニングシステムによる機械的な負荷により摩耗が発生しやすいという欠点を有しているにも関わらず、激しい条件の下で使用されている。また、高画質化の要求からトナー粒子の小粒径化に伴ってクリーニング性を上げる目的でクリーニングブレードのゴム硬度の上昇と当接圧力の上昇が余儀なくされ、このことも感光体の摩耗を促進する要因となっている。このような有機感光体の摩耗は、感度の劣化、帯電性の低下などの電気的特性を劣化させ、画像濃度低下、地肌汚れ等の異常画像の原因となる。また、摩耗が局所的に発生した結果生じるキズは、クリーニング不良によるスジ状汚れ画像をもたらす。現状では有機感光体の寿命はこの摩耗やキズが律速となり、交換に至っている。
上記のような要求、並びにこの要求に基づく様々な特性を満たすため、これまで種々の改良がなされてきた。
機械的耐久性に関しては、有機感光体の表面にビスフェノールZポリカーボネートを結着樹脂として用いることにより、表面の摩耗特性、トナーフィルミング特性が改善されることが報告されている。また、感光体の表面保護層としては、コロイダルシリカ含有硬化性シリコーン樹脂を用いることが提案されている(特許文献14参照)。
しかし、前記ビスフェノールZポリカーボネートを感光体表面に用いる提案では、なお、耐摩耗特性が不足しており、十分な耐久性を有していない。また、前記コロイダルシリカ含有硬化性シリコーン樹脂の表面層では耐摩耗特性は改善されるが、繰り返し使用時の電子写真特性が不十分であり、カブリや画像ボケが発生しやすく、やはりこれも耐久性が不十分である。
このような欠点を改善する方法として、例えば、有機ケイ素変性正孔輸送性化合物を、硬化性有機ケイ素系高分子中に結合させた樹脂層を、表面層として有する感光体が提案されている(特許文献15及び特許文献16参照)。しかし、これらの提案では、表面層が硬化されているため、感光体表面が研磨されることがなく、高温高湿環境で吸着された水分を除去することができず、画像ボケが発生したり、紙粉やトナーのフィルミングが生じやすく、筋状、或いは斑点状の画像欠陥を発生しやすいという問題がある。
したがって、まず、有機感光体の高耐久化においては前述の摩耗量を低減することが不可欠であり、これが当分野でもっとも解決が迫られている課題である。
前記感光層の耐摩耗性を改良する技術としては、例えば、(i)架橋型電荷輸送層に硬化性バインダーを用いたもの(特許文献17参照)、(ii)高分子型電荷輸送物質を用いたもの(特許文献18参照)、(iii)架橋型電荷輸送層に無機フィラーを分散させたもの(特許文献19参照)、等が提案されている。
これらの技術の中でも、前記(i)の硬化性バインダーを用いたものは、電荷輸送物質との相溶性が悪いこと、重合開始剤、未反応残基などの不純物により残留電位が上昇し画像濃度低下が発生し易い傾向がある。また、前記(ii)の高分子型電荷輸送物質を用いたものは、ある程度の耐摩耗性向上が可能であるものの、有機感光体に求められている耐久性を十分に満足させるまでには至っていない。また、高分子型電荷輸送物質は材料の重合、精製が難しく高純度なものが得にくいため電気的特性が安定しにくい。更に塗工液が高粘度となる等の製造上の問題もある。前記(iii)の無機フィラーを分散させたものは、通常の低分子電荷輸送物質を不活性高分子に分散させた感光体に比べて高い耐摩耗性が発揮されるが、無機フィラー表面に存在する電荷トラップにより残留電位が上昇し、画像濃度低下が発生し易い傾向にある。また、感光体表面の無機フィラーとバインター樹脂の凹凸が大きい場合には、クリーニング不良が発生し、トナーフィルミングや画像流れの原因となることがあり、前記(i)、(ii)、及び(iii)の技術では、未だ有機感光体に求められる電気的な耐久性、機械的な耐久性を含めた総合的な耐久性を満足するには至っていない。
更に、前記(i)の耐摩耗性と耐傷性を改良するため、多官能のアクリレートモノマー硬化物を含有させた感光体が提案されている(特許文献20参照)。しかし、この感光体では、感光層上に設けた保護層に多官能のアクリレートモノマー硬化物を含有させる旨の記載はあるものの、該保護層には電荷輸送物質を含有せしめてもよいことが記載されているのみで具体的な記載はなく、しかも、単に架橋型電荷輸送層に低分子の電荷輸送物を含有させた場合には、上記硬化物との相溶性の問題が生じる。その結果、低分子電荷輸送物質の析出、白濁現象が起こり、露光部電位の上昇により画像濃度が低下するばかりでなく機械強度も低下してしまうことがあった。また、前記提案の感光体は、具体的には、高分子バインダーを含有した状態でモノマーを反応させるため、三次元網目構造が充分に進行せず、架橋結合密度が希薄となるため、飛躍的な耐摩耗性を発揮できるまでには至っていない。
これらに代わる感光層の耐摩耗性向上を図るための技術としては、例えば、炭素−炭素二重結合を有するモノマーと、炭素−炭素二重結合を有する電荷輸送材及びバインダー樹脂からなる塗工液を用いて形成した電荷輸送層を設けることが提案されている(特許文献21参照)。この提案のバインダー樹脂は電荷発生層と硬化型電荷輸送層の接着性を向上させ、更に厚膜硬化時の膜の内部応力を緩和させる役割を果たしていると考えられ、炭素−炭素二重結合を有し、上記電荷輸送剤に対して反応性を有するものと、上記二重結合を有せず反応性を有しないものに大別される。この感光体は耐摩耗性と良好な電気的特性を両立しており注目されるが、バインダー樹脂として反応性を有しないものを使用した場合には、バインダー樹脂と、上記モノマーと、電荷輸送剤との反応により生成した硬化物との相溶性が悪く、架橋型電荷輸送層中で相分離が生じて、キズやトナー中の外添剤及び紙粉の固着の原因となることがある。また、上記したように三次元網目構造が充分に進行せず、架橋結合密度が希薄となるため飛躍的な耐摩耗性を発揮できるまでには至っていない。加えて、この感光体において使用される上記モノマーとして具体的に記載されているものは2官能性のものであり、これらのことから耐摩耗性の点では未だ満足するには至らなかった。また、反応性を有するバインダーを使用した場合においても、硬化物の分子量は増大するものの分子間架橋結合数は少なく、上記電荷輸送物質の結合量と架橋密度との両立は難しく、電気特性及び耐摩耗性も充分とはいえないものであった。
また、同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を硬化した化合物を含有する感光層を有する感光体が提案されている(特許文献22参照)。この感光層は架橋結合密度を高められるため高い硬度を有するが、嵩高い正孔輸送性化合物が二つ以上の連鎖重合性官能基を有するため硬化物中に歪みが発生し内部応力が高くなり、架橋表面層が長期間の使用においてクラックや剥がれが発生しやすい場合がある。
いずれにしても、これら従来技術における電荷輸送性構造を化学結合させた架橋感光層を有する感光体においても、現状では充分な総合特性を満たしているとは言えない。
また、特許文献23には、低温定着用トナーを使用した長期の繰返し画像形成の場合に、従来の有機感光体で発生するいわゆる「メダカ画像」の発生に関して、有機感光体側からの改良が提案されている。即ち、従来の有機感光体の表面層に無機フィラーとしてアルミナ微粒子、又は有機フィラーとしてのテトラフルオロエチレンを含有させて、表面の強度を上げること、又は摩擦係数を下げる等の改良が見られる。しかし、無機フィラーが有機感光体の表面層に含有される場合、外添剤の硬いシリカ粒子がフィラーとフィラーの間に有る柔らかい結着樹脂に突き刺さることがあり、これがいわゆる「メダカ画像」の発生につながることが多い。フィラーとフィラーの間の樹脂を少なくしようとして表面層のフィラー含有率を上げれば却って脆くなり、又電荷が溜まる等のために機械特性、電気特性が劣化するので、根本的な解決にならない。更に表面のフィラーが長期繰返し時に露出し、これが黒ポチの発生原因にもなる。
上述したようにトナーの低温定着化がなされつつあるが、依然として外添剤の添加などによる種々の問題が残存すること、また、有機感光体についても、その電気的耐久性、機械的耐久性、及び化学的耐久性について満足できる性能を有するものが得られていない。従って、最終目的とする省エネルギー化を達成し、かつ高耐久な画像形成方法、及びこれを用いた画像形成装置については未だ達成されていないのが現状である。
特開昭60−90344号公報 特開平3−229264号公報 特開昭57−174866号公報 特開昭60−136752号公報 特開昭60−32060号公報 特開昭60−186854号公報 特開昭60−186859号公報 特開昭60−186864号公報 特開昭60−186866号公報 特公平2−45188号公報 特開平2−167561号公報 特開平9−96923号公報 特開2000−338718号公報 特開平6−118681号公報 特開平9−124943号公報 特開平9−190004号公報 特開昭56−48637号公報 特開昭64−1728号公報 特開平4−281461号公報 特許第3262488号公報 特許第3194392号公報 特開2000−66425号公報 特開2002−251032号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の第一の目的は、長期に亘って画像形成を繰り返しても、遊離した外添剤によるいわゆる「メダカ画像」の発生がない高画質な画像を得ることができる画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供するところにある。
また、本発明の第二の目的は、長期に亘って画像形成を繰り返しても、画像に黒ポチが発生しない高画質な画像を得ることができる画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供するところにある。
また、本発明の第三の目的は、高温高湿環境において、長期に亘って画像形成を繰り返しても、画像ボケが発生しない高画質な画像を得ることができる画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供するところにある。
更に、本発明の第四の目的は、前記第一の目的、前記第二の目的、及び前記第三の目的を同時に満たす画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供するところにある。
前記課題を解決するため本発明者らが、有機感光体の表面の性質と低温定着用のトナーの相互作用を考慮して鋭意検討を進めた結果、長期亘って繰り返す画像形成において、省エネルギー化を図る上で有利な低温定着用トナーが持つ優れた特性を十分に生かし、かつ耐摩耗性の高い静電潜像担持体を使用した場合における画像ボケ、黒ポチ、いわゆる「メダカ画像」の発生が改良された高画質の画像を提供できることを知見した。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、該可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着する定着工程とを含んでなり、
前記静電潜像担持体が、支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層をこの順に有し、該架橋型電荷輸送層が電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物との反応物を含有してなり、かつ
前記トナーが、少なくとも結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含有してなり、該結着樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶分より求めたGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)による分子量の分布値が1000〜10000の間に少なくとも1つのピークを有し、該分布の半値幅による分子量が15000以下であることを特徴とする画像形成方法である。
<2> 架橋型電荷輸送層の膜厚が2〜8μmである前記<1>に記載の画像形成方法である。
<3> 3官能以上のラジカル重合性化合物及び1官能のラジカル重合性化合物におけるラジカル重合性官能基が、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の少なくともいずれかである前記<1>から<2>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<4> 結着樹脂のTHF可溶分により求めたGPCによる分子量分布の分子量が10以上の質量割合が、10質量%以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<5> 結着樹脂がポリエステル樹脂である前記<1>から<4>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<6> 結着樹脂におけるクロロホルム不溶分が、結着樹脂におけるクロロホルム可溶分より少ない前記<1>から<5>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<7> 結着樹脂におけるクロロホルム不溶分の含有量が、5〜40質量%である前記<6>に記載の画像形成方法である。
<8> 結着樹脂が、低分子量の樹脂成分からなる海と、高分子量の樹脂成分からなる島との海−島構造を有する前記<1>から<7>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<9> 結着樹脂のTHF可溶分により求めたGPCによる分子量の分布値が、1000〜10000の間に少なくとも一つのピークを有し、該分布の半値幅による分子量が10,000以下である前記<1>から<8>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<10> 結着樹脂が、軟化点が25℃以上異なる2種の樹脂であり、各樹脂のTHF可溶分により求めたGPCによる分子量の分布値が、1000〜10000の間に少なくとも一つのピークを有する前記<1>から<9>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<11> 各結着樹脂のTHF可溶分により求めたGPCによる分子量分布の分子量が10以上の質量割合が、10質量%以下である前記<10>に記載の画像形成方法である。
<12> 前記2種の樹脂のうち、軟化点が高い方の樹脂のクロロホルム不溶分がクロロホルム可溶分より少ない前記<10>から<11>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<13> 前記2種の樹脂のうち、軟化点が高い方の樹脂におけるクロロホルム不溶分の含有量が5〜40質量%である前記<10>から<12>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<14> 前記2種の樹脂が、ポリエステル樹脂である前記<10>から<13>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<15> 一のポリエステル樹脂における多価カルボン酸成分が、ベンゼンカルボン酸及びその無水物並びに不飽和ジカルボン酸及びその無水物から選択される少なくとも1種を含有し、軟化点が90〜110℃であり、他のポリエステル樹脂における多価カルボン酸成分が、前記一のポリエステル樹脂と異なるベンゼンカルボン酸及びその無水物並びに不飽和ジカルボン酸及びその無水物から選択される少なくとも1種を含有し、軟化点が120〜160℃である前記<14>に記載の画像形成方法である。
<16> ポリエステル樹脂の酸価が8〜45mgKOH/gであり、かつ水酸基価が50mgKOH/g以下である前記<5>から<15>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<17> 離型剤が、脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックスから選択される少なくとも1種である前記<1>から<16>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<18> トナーが、サリチル酸金属化合物を含有する前記<1>から<17>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<19> サリチル酸金属化合物における金属が、6配位構成の3価以上の金属である前記<18>に記載の画像形成方法である。
<20> トナーの体積平均粒径が5〜10μmである前記<1>から<19>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<21> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着する定着手段とを有してなり、
前記静電潜像担持体が、支持体と、該支持体上に電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層を少なくともこの順に有し、該架橋型電荷輸送層が電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物との反応物を含有し、かつ前記トナーが、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を少なくとも含有し、該結着樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶分より求めたGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)による分子量の分布値が1000〜10000の間に少なくとも1つのピークを有し、該分布の半値幅による分子量が15000以下であることを特徴とする画像形成装置である。
<22> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有してなり、
前記静電潜像担持体が、支持体上に電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層を少なくともこの順に有し、該架橋型電荷輸送層が電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物との反応物を含有し、かつ前記トナーが、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を少なくとも含有し、該結着樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶分より求めたGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)による分子量の分布値が1000〜10000の間に少なくとも1つのピークを有し、該分布の半値幅による分子量が15000以下であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着する定着工程とを含み、前記静電潜像担持体が、支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層をこの順に有し、該架橋型電荷輸送層が電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物との反応物を含有してなる。前記トナーが、少なくとも結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含有してなり、該結着樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶分より求めたGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)による分子量の分布値が1000〜10000の間に少なくとも1つのピークを有し、該分布の半値幅による分子量が15000以下である。本発明の画像形成方法においては、長期亘って繰り返す画像形成において、省エネルギーに有利な低温定着用トナーが持つ優れた特性を十分に生かし、かつ本発明の耐摩耗性の高い感光体を使用した場合に置ける画像ボケ、黒ポチ、いわゆる「メダカ画像」の発生が改良された高画質の画像を提供できる。
前記画像ボケは、帯電工程にて生じる帯電生成物であるNO、オゾン、その他によるイオン性化合物が感光体表面に付着し堆積し高温高湿時に表面を低抵抗にすることに起因するが、極めて僅かに感光体表面が研磨され新規な静電潜像担持体表面が常に画像形成に供与されることにより抑制できる。この時研磨され過ぎては耐摩耗性が低下するので、適切な研磨状態が好ましい。
また、長期に亘る画像形成の繰り返しにより、静電潜像担持体の表面に傷や凹部が生じる。これらは紙づまりやトナーの外添剤などが原因となる場合が多い。例えば、クリーニングブレードのニップに硬い外添剤が供給されて線状キズあるいは凹部が生じた場合、低温定着用のトナーは基本的に低軟化点の結着樹脂を使用することになるので、擦りつけるような力があると、このような凹部にトナーが集合し易くなると考えられる。そして、あるキッカケで転写材に転写すると黒ポチになる。しかし、本発明の静電潜像担持体のように、アクリル樹脂を光硬化した架橋密度の高い表面層(架橋型電荷輸送層)は硬くて強靭であるため、凹部が生じることがなく、極めて平滑な表面を長期に亘って維持できるので、このようなトナーの集合が無くなり、黒ポチが効果的に防止できるものである。
更に、低温定着用のトナーは前述のように低軟化点の結着樹脂を使用するので、外添剤剤が添加されてもトナー表面に安定に固定されることが困難であるが、たとえ遊離した外添剤が静電潜像担持体の表面に達しても本発明の表面があると容易に外添剤の突き刺さりが生じることがないので、これに起因するメダカ画像が発生しない。
前記静電潜像担持体(電子写真感光体)は、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段などの一連のプロセスが繰り返される環境で使用され、この過程で感光体が摩耗したり傷が発生することにより、画像劣化を引き起こし寿命となる。この摩耗、傷をもたらす要因としては、(1)帯電、除電時の放電による感光体表面組成物の分解及び酸化性ガスによる化学的劣化、(2)現像時におけるキャリア付着、(3)転写時における紙との摩擦、(4)クリーニング時におけるクリーニングブラシ、クリーニングブレード及び介在するトナーや付着キャリアとの摩擦などが挙げられる。これらのハザードに強い感光体を設計するためには、表面層を高硬度、高弾性で且つ均一にすることが重要であり、膜構造からは緻密で且つ均質な三次元網目構造を形成する方法が有望である。本発明の静電潜像担持体の表面にあたる架橋型電荷輸送層は、3官能以上のラジカル重合性モノマーを硬化した架橋構造有するため三次元の網目構造が発達し、架橋密度が非常に高い高硬度、且つ高弾性表面層が得られ、高い耐摩耗性、耐傷性が達成される。このように感光体表面の架橋密度、即ち単位体積あたりの架橋結合数を増加させることが重要であるが、硬化反応において瞬時に多数の結合を形成させるため体積収縮による内部応力が発生する。この内部応力は架橋層の膜厚が厚くなるほど増加するため電荷輸送層全層を硬化させると、クラックや膜剥がれが発生しやすくなる。この現象は初期的に現れなくても、電子写真プロセス上で繰り返し使用され帯電、現像、転写、クリーニングのハザード及び熱変動の影響を受けることにより、経時で発生しやすくなることもある。かかる問題点を解決する方法としては、(1)架橋層及び架橋構造に高分子成分を導入する、(2)1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーを多量に用いる、(3)柔軟性基を有する多官能モノマーを用いる、などの硬化樹脂層を柔らかくする方向性が挙げられるが、いずれも架橋層の架橋密度が希薄となり、飛躍的な耐摩耗性が達成されない。
これに対し、前記静電潜像担持体(感光体)は、電荷輸送層上に三次元の網目構造が発達した架橋密度の高い架橋型電荷輸送層を2〜8μmの膜厚で設けることで、上記のクラックや膜剥がれが発生せず、且つ非常に高い耐摩耗性が達成される。本発明の感光体がクラックや膜剥がれを抑制できる理由としては、架橋型電荷輸送層を薄膜化できるため内部応力が大きくならないこと、下層に電荷輸送層を有するため表面の架橋型電荷輸送層の内部応力を緩和できることなどによる。このため架橋型電荷輸送層に高分子材料を多量に含有させる必要がなく、この時生ずる、高分子材料とラジカル重合性組成物(ラジカル重合性モノマーや電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物)の反応より生じた硬化物との不相溶が原因の傷やトナーフィルミングも起こりにくい。更に、電荷輸送層全層にわたる厚膜を光エネルギー照射により硬化する場合、電荷輸送性構造による吸収から内部への光透過が制限され、硬化反応が十分に進行しない現象が起こることがある。本発明の架橋型電荷輸送層においては、表面から8μm以下の内部まで均一に硬化反応が進行し、表面と同様に内部でも高い耐摩耗性が維持される。また、本発明の最表面層の形成においては、上記3官能性ラジカル重合性モノマーに加え、更に1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含有しており、これが上記3官能以上のラジカル重合性モノマー硬化時に架橋構造中に取り込まれる。これに対し、官能基を有しない低分子電荷輸送物質を架橋表面層中に含有させた場合、その相溶性の低さから低分子電荷輸送物質の析出や白濁現象が起こり、架橋表面層の機械的強度も低下する。一方、2官能以上の電荷輸送性化合物を主成分として用いた場合は複数の結合で架橋構造中に固定され架橋密度はより高まるが、電荷輸送性構造が非常に嵩高いため硬化樹脂構造の歪みが非常に大きくなり、架橋型電荷輸送層の内部応力が高まる原因となる。
更に、前記静電潜像担持体は、良好な電気的特性を有し、このため、長期間にわたって高画質化が実現される。これは架橋型電荷輸送層の構成材料として1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を用い、架橋結合間にペンダント状に固定化したことに起因する。上記のように官能基を有しない電荷輸送物質は析出、白濁現象が起こり、感度の低下、残留電位の上昇等繰り返し使用における電気的特性の劣化が著しい。2官能以上の電荷輸送性化合物を主成分として用いた場合は複数の結合で架橋構造中に固定されるため、電荷輸送時の中間体構造(カチオンラジカル)が安定して保てず、電荷のトラップによる感度の低下、残留電位の上昇が起こりやすい。これらの電気的特性の劣化は、画像濃度低下、文字の細り等の画像として現れる。更に、本発明の静電潜像担持体においては、下層の電荷輸送層として従来感光体の電荷トラップの少ない高移動度な設計が適応可能で、架橋型電荷輸送層の電気的副作用を最小限に抑えることができる。
前記架橋型電荷輸送層は電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化することにより形成され、層全体としては三次元の網目構造が発達し高い架橋密度を有するが、上記成分以外の含有物(例えば、1又は2官能モノマー、高分子バインダー、酸化防止剤、レベリング剤、可塑剤などの添加剤及び下層からの溶解混入成分)や硬化条件により、局部的に架橋密度が希薄になったり、高密度に架橋した微小な硬化物の集合体として形成されることがある。このような架橋型電荷輸送層は、硬化物間の結合力は弱く有機溶剤に対し溶解性を示し、且つ電子写真プロセス中で繰り返し使用されるなかで、局部的な摩耗や微小な硬化物単位での脱離が発生しやすくなる。本発明のように架橋型電荷輸送層を有機溶剤に対し不溶性にせしめることにより、本来の三次元の網目構造が発達し高い架橋度を有することに加え、連鎖反応が広い範囲で進行し硬化物が高分子量化するため、飛躍的な耐摩耗性が達成される。
従って、本発明の画像形成方法においては、低温定着用のトナーを用いて省エネルギーを達成した、長期に亘る繰返し使用においても高画質の画像を得ることができる。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着する定着手段とを有してなり、前記静電潜像担持体が、支持体と、該支持体上に電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層を少なくともこの順に有し、該架橋型電荷輸送層が電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物との反応物を含有する。前記トナーが、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を少なくとも含有し、該結着樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶分より求めたGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)による分子量の分布値が1000〜10000の間に少なくとも1つのピークを有し、該分布の半値幅による分子量が15000以下である。該本発明の画像形成装置においては、前記静電潜像担持体として、本発明の前記静電潜像担持体を用い、前記トナーとして本発明の前記トナーを用いるので、画像形成方法において上述したように、長期亘って繰り返す画像形成において、省エネルギーに有利な低温定着用トナーが持つ優れた特性を十分に生かし、かつ本発明の耐摩耗性の高い静電潜像担持体を使用した場合に置ける画像ボケ、黒ポチ、いわゆる「メダカ画像」の発生が改良された高画質の画像を提供できる。
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有してなり、前記静電潜像担持体が、支持体上に電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層を少なくともこの順に有し、該架橋型電荷輸送層が電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物との反応物を含有し、かつ前記トナーが、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を少なくとも含有し、該結着樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶分より求めたGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)による分子量の分布値が1000〜10000の間に少なくとも1つのピークを有し、該分布の半値幅による分子量が15000以下である。該本発明のプロセスカートリッジにおいては、前記現像手段が、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する。このとき、前記静電潜像担持体が飛躍的な耐摩耗性を有し、前記トナーとして本発明の前記トナーを用いるので、高精細・高品質な画像が得られ、ブレードクリーニング等を行っても静電潜像担持体の摩耗が極めて僅かに抑制され、クリーニング性も良好である。
本発明において、前記「メダカ画像」とは黒地(或いは中間調の灰色)に白の点欠陥がドラム回転方向に向いて多数現れる画像欠陥を意味し、恰もメダカが泳いでいる様に見えるのでこの名称で呼ばれる。図1に示すように、白いメダカの先端には小さな黒点があり、メダカの目の様に見える。この目は、感光体表面の小さな傷と対応していると云われている。
具体的に、前記メダカ画像を黒ベタ画像にて観察すると、メダカは黒地に白点の欠陥画像として現れるが、実際に顕微鏡観察にて、図2に示すように、メダカ画像に対応する感光体表面に異物の付着が認められる。
前記メダカ画像は、図3(A)及び図3(B)に示すように、表面にできたキッカケになる異物に、紙の粘土分或いはトナーのワックス等が堆積し、ドラム回転方向に成長する欠陥となる。このキッカケは感光体表面にトナーの大きい外添剤が突き刺さった状態が確認されることが多い。即ち、負帯電トナーを使用する反転現像において、感光体表面に異物の堆積があると、露光してもこの部分にある電位−Vが残って、負帯電トナーが付着しない白い点欠陥になると推定される。そして、図3(C)に示すメダカ画像が生じる。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、感光層に電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物との反応物を含み、摩耗量が少ない感光層を有する静電潜像担持体と、トナーを構成する樹脂の分子量分布をシャープ化し、かつその低分子量分の絶対量を可能な限り多くしたトナーとを組合せた構成をとることで、長期に亘って画像形成を繰り返しても、遊離した外添剤によるいわゆる「メダカ画像」の発生が防止され、画像ボケ、筋状或いは斑点状(黒ポチなど)の画像欠陥の発生が防止され、高耐久、高画質の画像が得られる画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することができる。
(トナー)
本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を少なくとも含有してなり、更に必要に応じて、その他の成分を含有してなる。
前記トナーにおける結着樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶分より求めたGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)による分子量の分布値は1000〜10000の間に少なくとも1つのピークを有し、該分布の半値幅による分子量が15000以下であることが必要である。
これは、トナーを構成する樹脂の分子量分布をシャープ化し、かつその低分子量分の絶対量を可能な限り多くすると、トナーの低温定着性を向上させることに非常に有効である。即ち、トナーを構成する樹脂のTHF可溶分により求められたGPCによる分子量分布の値が1000〜10000の間に少なくとも一つのピークを有し、該分布の半値幅が分子量15,000以下にあるようにすることにより、従来により格段に優れた低温定着性を実現できる。この場合、前記分子量分布の半値幅が分子量10,000以下であると、更に好ましい。また、前記トナーを構成する結着樹脂のTHF可溶分により求められたGPCによる分子量分布の分子量において、10以上の含有率が10質量%以下が格段に優れた低温定着性を実現する上で好ましい。
更に、前記トナーの定着性には、THF不溶樹脂分よりもTHF可溶樹脂分が大きく関与しており、THF可溶樹脂分における分子量分布の設計を工夫することによって、初期の目標である低温定着性を実現できる。前記トナーを構成する樹脂としては、前記の条件のトナーであれば特に制限はなく、後述するように各種の樹脂が適用可能であるが、これらの中でも、ポリエステル樹脂が好ましい。特に、軟化点が25℃以上異なる少なくとも2種類のポリエステル樹脂を併用することが好ましい。また、これらの複数の樹脂の各々についてTHF可溶分により求められたGPCによる分子量分布の値が1000〜10000の間に少なくとも一つのピークを有していることが更に好ましい。
このように軟化点が異なる少なくとも2種類のポリエステル樹脂を用いる場合には、1種類の樹脂を用いる場合より更に優れた低温定着性を安定的に実現できる。これは2種類の樹脂を用いた場合の方が、低分子量領域の分子量分布を容易に制御でき、耐ホットオフセット性を維持しながら、前記のようなシャープな低分子量領域の絶対量を増加させることが可能なことによるものであると考えられる。
更に、前記トナーを構成する樹脂のうちクロロホルム可溶分が、クロロホルム不溶分に比して、ホットオフセット性及び熱保存性低下に対してより大きな原因になることを検証した。その結果、トナーを構成する樹脂のクロロホルム不溶樹脂の絶対量を、クロロホルム可溶樹脂の絶対量より少なくすることによって、耐ホットオフセット性を改良し、かつ熱保存性を改良することができた。また、トナーを構成する樹脂のクロロホルム不溶分を5〜40質量%にすると、耐ホットオフセット性を改良し、かつ熱保存性を改良するのに特に好ましいことを確認した。これはトナーを構成する複数種の材料を混練する工程において、樹脂の高分子量分を切断し低分子量化することによる分子量分布の変化を避けることができる。その結果、低分子量の樹脂成分の海に高分子量の樹脂成分が島を作るような状態(海−島構造)であり、しかも、この高分子量分(ゲル分)の樹脂がせん断力による切断がされにくい状態でトナー中に存在するために、耐ホットオフセット性等の向上に、有効に機能するものと考えられる。同様に、前述の少なくとも2種類のポリエステル樹脂を用いる系においても、低分子量の樹脂の海に高分子量の樹脂が島を作るような状態になるために、トナー中における高分子量の樹脂成分の存在が、耐ホットオフセット性に寄与するものと考えられる。
前記トナーを構成する結着樹脂の軟化点、即ち溶融性に対して、化学構造やコンフォメーションの違いの方が分子量の違いより相関性があるものと一般的に認識されているが、本発明は先に説明したように、トナーを構成する樹脂の分子量を選択することによって、耐ホットオフセット性及び熱保存性が大幅に改善されるという考え方に基づいたものである。繰り返し説明するが、低分子量の樹脂成分が前記のように多くなるようにすると、トナー製造の際の混練操作により、トナー中での低分子量の樹脂成分の海に高分子量の樹脂成分が島状に存在するようになるので、溶融した低分子量の樹脂成分によって、混練時のせん弾力を吸収し、島状に存在する高分子量の樹脂成分(巨大コンフォメーションであるため切断され易い)を切断することなく高分子量の成分量を保持できるので、耐ホットオフセット性を改善することができる。
更に、前記結着樹脂の分子量分布をシャープに保つと、熱応答性が高く保たれるので、前記のように樹脂の分子量を調節することによって、非常に高い技術レベルの低温定着性、耐ホットオフセット性及び熱保存性の改良を図ることができる。従来の低温定着トナーにおいては、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立を図るために、10〜10程度の中分子量域に樹脂成分を持たせるのが一般的であり、この中分子領域の樹脂分の存在により、従来レベルの低温定着性を阻害することなく耐ホットオフセット性を保持していた。
しかしながら、従来レベルと比較できないほど高いレベルの低温定着性の要求に対して、この中分子量領域の樹脂成分の存在が低温定着性を阻害する事実を確認し、中分子量域の樹脂分をできる限り低減し、分子量分布をシャープにすることによって、熱に対するトナー樹脂の溶融応答性を向上させる必要があることを認識した。しかし、低分子領域のみの樹脂を用いたのでは、たとえ、離型剤を含有させたとしても、十分な耐ホットオフセット性を達成することはできないために、本発明においては、耐ホットオフセット性の向上策として、中分子量領域の樹脂分ではなくクロロホルムに不溶なゲル分域を用いることで、耐ホットオフセット性を有しながら、低温定着性を達成可能である。
少なくとも2種のポリエステル樹脂を用いる系においては、ポリエステル樹脂のうちの一つ(ポリエステル樹脂(i)という)は、多価カルボン酸成分がベンゼンカルボン酸又はその無水物あるいは不飽和ジカルボン酸又はその無水物を含有し、軟化点が90〜110℃であり、他の一つのポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂(ii)という)として、多価カルボン酸成分がポリエステル樹脂とは異なったベンゼンカルボン酸又はその無水物あるいは不飽和ジカルボン酸又はその無水物を含有し、軟化点が120〜160℃であるものが好ましい。ここで、前記トナーのホットオフセット性と保存性を向上させるには、ポリエステル樹脂として、軟化点が90℃以上であることが好ましく、また、初期の低温定着性を達成するには、軟化点が120℃以下のものが好ましい。また、トナーのホットオフセット性を向上させるには、ポリエステル樹脂として、軟化点が120℃以上のものが好ましく、また、初期の低温定着性を達成するには、軟化点が160℃以下のものが好ましい。
また、前記トナーに用いるポリエステル樹脂としては、初期の低温定着性を達成するためには、その酸価が8mgKOH/g以上が好ましい。一方、トナーのホットオフセット性を向上させるには、その酸価が45mgKOH/g以下が好ましい。更に、ポリエステル樹脂の水酸基価については、初期の低温定着性を達成し、かつ良好な帯電特性を確保するには、50mgKOH/g以下が好ましい。
前記ポリエステル樹脂を構成する多価カルボン酸の種類は、異なる方が同一の場合よりも広範な定着温度範囲を得ることができるので好ましい。その理由は、トナー組成の微妙な違いによりポリエステル同志の相溶性が異なり、軟化点が低い樹脂の海に軟化点が高い樹脂が島を構成するような状態になりやすいため、低温定着性とホットオフセット性がうまく機能分離されることによるものと考えられる。更に、サリチル酸金属化合物を含有させると、耐ホットオフセット性が改良できるため、好ましい。特に、6配位の構成を取りうる3価以上の金属を有する錯体が、樹脂とワックスの反応性が高い部分と反応し、軽度の架橋構造を作ることで荷電制御剤(CCA)としての効果のみならず、耐ホットオフセットの改良効果がある。
前記トナーの体積平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、細線再現性等に優れた高画質を得るためには、体積平均粒径が5〜10μmであることが好ましい。ここで、トナー体積平均粒径の測定は、種々の方法によって測定可能であるが、例えば、米国コールター・エレクトロニクス社製のコールターカウンターTAIIが用いられる。
ここで、前記GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィ)は、以下のようにして測定される。40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6質量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料(トナー)の分子量測定に当たっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により、作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.又は東洋ソーダ工業株式会社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
前記クロロホルム不溶分は、以下のように測定される。トナー(結着樹脂)約1.0gを秤量し、これにクロロホルム約50gを加えて十分に溶解させた溶液を、まず、遠心分離でわけ、JIS規格(P3801)5種Cの定量ろ紙を用いて常温でろ過する。続いて、ろ紙残渣が不溶分であり、用いたトナーとろ紙残渣の比(質量%)で表す。なお、トナーとしたときの結着樹脂中のクロロホルム不溶分を測定する場合には、トナー約1.0gを秤量して結着樹脂と同様の方法で行うが、ろ紙残渣の中には顔料などの固形物が存在するので、熱分析により別途求める。
前記結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、理学電機株式会社製のRigaku THRMOFLEX TG8110により、昇温速度10℃/minの条件にて測定される。
前記酸価及び水酸基価は、JIS K0070に規定の方法による。但し、サンプルが溶解しない場合は、溶媒にジオキサン又はテトラヒドロフラン(THF)等の溶媒を用いる。
前記結着樹脂の軟化点は、高架式フローテスターCFT−500(島津製作所製)を用い、ダイス径1mm、加圧20kgf/cm、昇温速度6℃/minの条件下で1cmの試料を溶融流出させたときの流出開始点から流出終了点までの1/2に相当する温度により測定される。
前記結着樹脂としてのポリエステル樹脂は、アルコールとカルボン酸との縮重合によって通常得られる。該アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、1.4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA等のエーテル化ビスフェノール類、その他二価のアルコール単量体、三価以上の多価アルコール単量体を挙げることができる。前記カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、マロン酸等の二価の有機酸単量体、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等の三価以上の多価カルボン酸単量体を挙げることができる。ここで、ポリエステル樹脂としては、熱保存性の関係から、ガラス転移温度(Tg)が55℃以上のもの、更に60℃以上のものが好ましい。
本発明において、トナー中の樹脂成分として、前述のように、ポリエステル樹脂を用いることが最も適しているが、ポリエステル樹脂以外の樹脂も、上記トナー分子量分布を満足すれば、単独若しくはブレンド使用において低温定着化を達成できる。また、ポリエステル樹脂を用いる場合においても、トナーの性能を損なわない範囲で、他の樹脂を併用することもできる。
前記ポリエステル樹脂以外の使用可能な樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、クロロポリスチレン樹脂、ポリα−メチルスチレン樹脂、スチレン/クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/塩化ビニル共重合体、スチレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体(スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン/メタクリル酸エステル共重合体(スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン/α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル/アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単独重合体又は共重合体)、塩化ビニル樹脂、スチレン/酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン/エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等、石油系樹脂、水素添加された石油系樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの樹脂の製造法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合のいずれも利用できる。また、前記樹脂のガラス転移温度(Tg)は、ポリエステル樹脂と同じく、熱保存性の関係から55℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレトVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームパーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、又はこれらの混合物が使用できる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の使用量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記トナー樹脂成分100質量部に対し、1〜30質量部が好ましく、3〜20質量部がより好ましい。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタンワックス、酸化ライスワックス、などが好適である。
前記脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスとしては、微結晶のものがよく、酸価が5以下であり、トナーバインダー中に分散したときの粒子径が1μm以下の粒径であるものが好ましい。前記モンタンワックスについては、一般に鉱物より精製されたモンタン系ワックスを指し、カルナウバワックス同様、微結晶であり、酸価が5〜14であることが好ましい。前記酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものであり、その酸価は10〜30が好ましい。その他の離型剤としては、固形シリコーンワニス、高級脂肪酸高級アルコール、モンタン系エステルワックス、低分子量ポリプロピレンワックス等、従来公知のいかなる離型剤をも混合して使用できる。
前記離型剤の含有量は、トナー樹脂成分100質量部に対し、1〜20質量部が好ましく、3〜10質量部がより好ましい。
本発明のトナーには、前記結着樹脂、前記着色剤、及び前記離型剤以外にも、更に必要に応じて帯電制御剤、流動性改良剤などを配合することも可能である。
前記帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料、金属錯塩型染料、第四級アンモニウム塩等の従来公知のいかなる極性制御剤も、単独あるいは混合して使用できる。
前記耐電制御剤の使用量は、前記トナー樹脂成分100質量部に対し0.1〜10質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましい。これらの中でも、特に、サリチル酸金属化合物、特に6配位の構成を取りうる3価以上の金属を有する錯体が好ましい。ここで、前記3価以上の金属としては、例えば、Al、Fe、Cr、Zr等が挙げられる。
前記流動性改良剤としては、例えば、酸化ケイ素、酸化チタン、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム等、従来公知のいかなる流動性改良剤をも単独あるいは混合して使用できる。前記流動性改良剤の使用量は、トナー100質量部に対し、0.1〜5質量部が好ましく、0.5〜2質量部がより好ましい。
更に、本発明のトナーは、磁性体を含有した磁性トナーとして用いることができ、トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金及びその混合物などが挙げられる。特にマグネタイトが磁気特性の点で好ましい。これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分100質量部に対し約15〜200質量部、特に好ましくは樹脂成分100質量部に対し20〜100質量部である。
本発明のトナーの製造方法は、特に制限はなく通常の粉砕法でも、重合法のような粉砕法以外の製造法、あるいはそれらの併用であってもよく、例えば、少なくとも結着樹脂離型剤、及び着色剤等のトナー成分を機械的に混合する工程と、溶融混練する工程と、粉砕する工程と、分級する工程とを有するトナーの製造方法が適用できる。また、機械的に混合する工程や溶融混練する工程において、粉砕又は分級する工程で得られる製品となる粒子以外の粉末を戻して再利用する製造方法も含まれる。
ここで、製品となる粒子以外の粉末(副製品)とは、溶融混練する工程後、粉砕工程で得られる所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子や、引き続いて行われる分級工程で発生する所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子を意味する。このような副製品を混合工程や溶融混練する工程で原料と好ましくは主原材料100質量部に対し副製品を1〜20質量部混合するのが好ましい。
少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤等のトナー成分を機械的に混合する混合工程、及び結着樹脂、着色剤、離型剤等に副製品を含むトナー成分を機械的に混合する混合工程は、回転させる羽による通常の混合機などを用いて通常の条件で行えばよく、特に制限はない。
以上の混合工程が終了したら、次いで、混合物を混練機に仕込んで溶融混練する。溶融混練機としては、一軸、二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、池貝鉄工所社製PCM型2軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、バインダーレジンの分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが重要である。具体的には、溶融混練温度はバインダーレジンの軟化点を参考に行うべきであり、軟化点より低温過ぎると切断が激しく、高温過ぎると分散が進まない。
以上の溶融混練工程が終了したら、次いで混練物を粉砕する。この粉砕工程においては、まず粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。この粉砕工程が終了した後に、粉砕物を遠心力などにより気流中で分級し、もって所定の粒径、例えば、平均粒径が5〜20μmの現像剤を製造する。
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明のトナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
本発明の前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、本発明の前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径としては、平均粒径(体積平均粒径(D50))で、10〜150μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。
前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ系樹脂としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。前記ポリビニル系樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。前記ポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂等が挙げられる。前記ハロゲン化オレフィン樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。前記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。
前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が前記二成分現像剤である場合、前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90〜98質量%が好ましく、93〜97質量%がより好ましい。
二成分系現像剤のトナーとキャリアの混合割合は、一般にキャリア100質量部に対しトナー0.5〜20.0質量部が好ましい。
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーを含有しているので、画像形成時における帯電性と定着性とをバランス良く両立することができ、高画質な画像を安定に形成することができる。
本発明の現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができ、以下の本発明のトナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に特に好適に用いることができる。
(トナー入り容器)
トナー入り容器は、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を容器中に収容してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー容器本体とキャップとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記トナー容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状などが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、などが特に好ましい。
前記トナー容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度が良いものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、などが好適に挙げられる。
本発明のトナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述する本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーの補給に好適に使用することができる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記静電潜像担持体が、支持体と、該支持体上に電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層を少なくともこの順に含む感光層を有し、該架橋型電荷輸送層が電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物との反応物を含むものである。なお、前記静電潜像担持体の詳細については後述する。
前記現像手段としては、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
本発明のプロセスカートリッジは、各種画像形成装置に着脱自在に備えさせることができ、後述する本発明の画像形成装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
ここで、前記プロセスカートリッジとしては、例えば、図4に示すように、感光体101を内蔵し、帯電手段102、現像手段104、クリーニング手段107を含み、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
前記感光体101は、支持体と、該支持体上に電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層を少なくともこの順に含む感光層とを有する。
帯電手段102としては、例えば、公知の帯電部材が用いられる。
露光手段103としては、例えば、高解像度で書き込みが行うことのできる光源が用いられる。
本発明の電子写真画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としてもよい。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、クリーニング手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程と、クリーニング工程とを少なくとも含んでなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記静電潜像形成工程は前記静電潜像形成手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
−静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段−
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられる。
本発明の静電潜像担持体は、支持体と、該支持体上に、電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層を少なくともこの順に含む感光層を有してなり、必要に応じてその他の部材を有してなる。
ここで、図5は、本発明の静電潜像担持体(電子写真感光体)の一例を示す概略断面図である。この静電潜像担持体は、導電性支持体1上に、電荷発生機能を有する電荷発生層2と、電荷輸送物機能を有する電荷輸送層3と、架橋型電荷輸送層4がこの順に積層されてなる積層構造の感光体である。なお、導電性支持体1と電荷発生層2との間に種々の理由により下引き層を設けることもできる。
−支持体−
前記支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属;酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも支持体として用いることができる。
その他、前記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の支持体として用いることができる。
前記導電性粉体としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。
前記導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
更に、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
−感光層−
前記感光層は、電荷発生機能を有する電荷発生層と、電荷輸送物機能を有する電荷輸送層と、架橋型電荷輸送層がこの順に積層されてなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
−−電荷発生層−−
前記電荷発生層は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分として含み、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含む。
前記電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料をいずれも好適に用いることができる。
前記無機系材料としては、例えば、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物、アモルファス・シリコン等が挙げられる。該アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
前記有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
これらの中でも、下記構造式(1)で示されるオキシチタニウムフタロシアニンが好ましいものの一つである。
前記構造式(1)中、X、X、X、及びXは、Cl又はBrを表す。h、i、j、及びkは、0〜4の整数を表す。
前記オキシチタニウムフタロシアニンの結晶形については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、CuKαの特性X線回折におけるブラック角(2θ±0.2°)の9.0°、14.2°、23.9°及び27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン、あるいは9.6°及び27.3°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンのいずれかであることが、感度特性の点からはより好ましい。
前記バインダー樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、などが挙げられる。これらは、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
具体的には、特開平01−001728号公報、特開平01−009964号公報、特開平01−013061号公報、特開平01−019049号公報、特開平01−241559号公報、特開平04−011627号公報、特開平04−175337号公報、特開平04−183719号公報、特開平04−225014号公報、特開平04−230767号公報、特開平04−320420号公報、特開平05−232727号公報、特開平05−310904号公報、特開平06−234836号公報、特開平06−234837号公報、特開平06−234838号公報、特開平06−234839号公報、特開平06−234840号公報、特開平06−234841号公報、特開平06−239049号公報、特開平06−236050号公報、特開平06−236051号公報、特開平06−295077号公報、特開平07−056374号公報、特開平08−176293号公報、特開平08−208820号公報、特開平08−211640号公報、特開平08−253568号公報、特開平08−269183号公報、特開平09−062019号公報、特開平09−043883号公報、特開平09−71642号公報、特開平09−87376号公報、特開平09−104746号公報、特開平09−110974号公報、特開平09−110976号公報、特開平09−157378号公報、特開平09−221544号公報、特開平09−227669号公報、特開平09−235367号公報、特開平09−241369号公報、特開平09−268226号公報、特開平09−272735号公報、特開平09−302084号公報、特開平09−302085号公報、特開平09−328539号公報等に記載の電荷輸送性高分子材料が挙げられる。
前記バインダー樹脂の他に、電荷輸送機能を有する高分子電荷輸送物質、例えば、アリールアミン骨格やベンジジン骨格やヒドラゾン骨格やカルバゾール骨格やスチルベン骨格やピラゾリン骨格等を有するポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、アクリル樹脂等の高分子材料やポリシラン骨格を有する高分子材料等を用いることができる。
具体的には、特開昭63−285552号公報、特開平05−19497号公報、特開平05−70595号公報、特開平10−73944号公報等に記載のポリシリレン重合体、などが挙げられる。
前記電荷発生層には、低分子電荷輸送物質を含有させることができる。該低分子電荷輸送物質としては、正孔輸送物質と電子輸送物質とのいずれも好適である。
前記電子輸送物質としては、電子受容性物質が好適であり、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体、などが挙げられる。これらは、1種単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
前記正孔輸送物質としては、以下に表される電子供与性物質が好適に挙げられ、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体、等が挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
前記電荷発生層を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、真空薄膜作製法、溶液分散系からのキャスティング法、などが挙げられる。
前記真空薄膜作製法としては、例えば、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法、等が好適であり、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
前記キャスティング法によって電荷発生層を設ける方法としては、例えば、前記無機系又は有機電荷発生物質を、必要に応じてバインダー樹脂と共に、溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。該溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、等が挙げられる。なお、前記分散液には、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。前記塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行うことができる。
前記電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μmが好ましく、0.05〜2μmがより好ましい。
−−電荷輸送層−−
前記電荷輸送層は、電荷輸送機能を有する層であり、電荷輸送機能を有する電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成させる。
前記電荷輸送物質としては、前記電荷発生層で記載した電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質を用いることができる。上述したように高分子電荷輸送物質を用いることにより、架橋型電荷輸送層を塗工時の下層の溶解性を低減でき、とりわけ有用である。
前記結着樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、等が挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷輸送物質の添加量は、前記結着樹脂100質量部に対し、20〜300質量部が好ましく、40〜150質量部がより好ましい。但し、高分子電荷輸送物質を用いる場合は、単独でも結着樹脂との併用も可能である。
前記電荷輸送層の塗工に用いられる溶媒としては、前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、電荷輸送物質及び結着樹脂を良好に溶解するものが適している。これらの溶剤は単独で使用しても2種以上混合して使用してもよい。また、電荷輸送層の下層部分の形成には電荷発生層と同様な塗工法が可能である。
また、前記電荷輸送層には、必要に応じて、可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。
前記可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般に用いられる樹脂の可塑剤として使用されているものを用いることができる。該可塑剤の使用量は、前記結着樹脂100質量部に対し0〜30質量部程度が適当である。
前記レベリング剤としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用される。該レベリング剤の使用量は、前記結着樹脂100質量部に対し0〜1質量部程度が好ましい。
前記電荷輸送層の膜厚は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、5〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
−−架橋型電荷輸送層−−
前記電荷輸送層上に、後述する架橋型電荷輸送層塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、熱や光照射の外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋型電荷輸送層が形成される。
前記架橋型電荷輸送層は、電荷輸送機能を有する架橋構造を有する層であり、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷輸送層上に塗布、乾燥することにより形成させる。
前記電荷輸送性を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、かつラジカル重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば何れでもよい。これらラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
(1)1−置換エチレン官能基としては、例えば、下記構造式(2)で表される官能基が好適に挙げられる。
CH=CH−X− ・・・構造式(2)
ただし、前記構造式(2)中、Xは、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R10)−基(ただし、R10は、水素原子、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表す。)、又はS−基を表す。
これらの置換基としては、具体的には、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基、等が挙げられる。
(2)1,1−置換エチレン官能基としては、例えば、下記構造式(3)で表される官能基が好適に挙げられる。
CH=C(Y)−X− ・・・・構造式(3)
ただし、前記構造式(3)中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR11基(ただし、R11は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、又はCONR1213(ただし、R12及びR13は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表し、互いに同一又は異なっていてもよい。)、また、Xは前記構造式(2)のXと同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表す。ただし、Y,Xの少なくとも何れか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。
これらの置換基としては、例えば、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基。等が挙げられる。
なお、これらX、Yについての置換基に更に置換される置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、などが挙げられる。
これらのラジカル重合性官能基の中では、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用であり、3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば、水酸基がその分子中に3個以上ある化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、3個以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、ラジカル重合性官能基を3個以上有する単量体中のラジカル重合性官能基は、同一でも異なってもよい。
前記電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとしては、以下のものが例示されるが、これらの化合物に限定されるものではない。
前記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性(以下、EO変性という)トリアクリレート、トリメチロールプロパプロピレンオキシ変性(以下、EO変性という)トリアクリレート、トリメチロールプロパンカプロラクトン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、グリセロールエピクロロヒドリン変性(以下、ECH変性という)トリアクリレート、グリセロールEO変性トリアクリレート、グリセロールPO変性トリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、リン酸EO変性トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレート、などが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとしては、架橋型電荷輸送層中に緻密な架橋結合を形成するため、該モノマー中の官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)は250以下が好ましい。該モノマー中の官能基数に対する分子量の割合が250を超えると、架橋型電荷輸送層は柔らかく耐摩耗性が幾分低下するため、上記例示したモノマー等中、EO、PO、カプロラクトン等の変性基を有するモノマーにおいては、極端に長い変性基を有するものを単独で使用することは好ましくはない。また、前記架橋型電荷輸送層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの含有量は、架橋型電荷輸送層全量に対し20〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましい。前記含有量が20質量%未満であると、架橋型電荷輸送層の三次元架橋密度が少なく、従来の熱可塑性バインダー樹脂を用いた場合に比べ飛躍的な耐摩耗性向上が達成されないことがあり、80質量%を超えると、電荷輸送性化合物の含有量が低下し、電気的特性の劣化が生じる。使用されるプロセスによって要求される電気特性や耐摩耗性が異なり、それに伴い本感光体の架橋型電荷輸送層の膜厚も異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30〜70質量%の範囲が最も好ましい。
本発明の架橋型電荷輸送層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とは、例えば、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば、縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しており、かつ1個のラジカル重合性官能基を有する化合物を指す。このラジカル重合性官能基としては、先のラジカル重合性モノマーで示したものが挙げられ、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用である。また、前記電荷輸送性構造としてはトリアリールアミン構造が効果が高く、中でも、下記構造式(4)又は(5)で示される化合物を用いた場合、感度、残留電位等の電気的特性が良好に持続される。
前記構造式(4)又は(5)中、Rは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR(ただし、Rは、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。)、ハロゲン化カルボニル基若しくはCONR(ただし、R及びRは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい)を表す。Ar、Arは、置換もしくは未置換のアリーレン基を表し、同一であっても異なってもよい。Ar、Arは、置換もしくは未置換のアリール基を表し、同一であっても異なってもよい。Xは、単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表す。Zは、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基、アルキレンオキシカルボニル2価基を表す。m、nは0〜3の整数を表す。
前記構造式(4)又は(5)において、Rの置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられる。これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていてもよい。
の置換基のうち、特に好ましいものは水素原子、メチル基である。
置換もしくは未置換のAr、Arはアリール基であり、アリール基としては縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭化水素基及び複素環基が挙げられる。
前記縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、等が挙げられる。
前記非縮合環式炭化水素基としては、例えば、ベンゼン、ジフェニルエーテル、ポリエチレンジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル、ジフェニルスルホン等の単環式炭化水素化合物の1価基、あるいはビフェニル、ポリフェニル、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ジフェニルアルキン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロアルカン、ポリフェニルアルカン、ポリフェニルアルケン等の非縮合多環式炭化水素化合物の1価基、あるいは9,9−ジフェニルフルオレン等の環集合炭化水素化合物の1価基が挙げられる。
前記複素環基としては、例えば、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、チアジアゾール等の1価基が挙げられる。
また、前記Ar、Arで表されるアリール基は、例えば、下記(1)〜(8)に示すような置換基を有してもよい。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
(2)アルキル基、好ましくは、C〜C12とりわけC〜C、更に好ましくはC〜Cの直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基には更にフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基、等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR)であり、Rは前記(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基又はアリールメルカプト基であり、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基、等が挙げられる。
(6)下記構造式(6)で表される基が挙げられる。
前記構造式(6)中、R及びRは各々独立に水素原子、前記(2)で定義したアルキル基、又はアリール基を表す。アリール基としては、例えばフェニル基、ビフェニル基又はナフチル基が挙げられ、これらはC〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。R及びRは共同で環を形成してもよい。
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(7)メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基等が挙げられる。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等が挙げられる。
前記Ar、Arで表されるアリーレン基としては、前記Ar、Arで表されるアリール基から誘導される2価基である。
前記Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表す。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、C〜C12、好ましくはC〜C、更に好ましくはC〜Cの直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、これらのアルキレン基には更にフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、i−プロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のシクロアルキレン基としては、C〜Cの環状アルキレン基であり、これらの環状アルキレン基にはフッ素原子、水酸基、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルコキシ基を有していてもよい。具体的にはシクロヘキシリデン基、シクロへキシレン基、3,3−ジメチルシクロヘキシリデン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコールを表し、アルキレンエーテル基アルキレン基はヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有してもよい。
ビニレン基としては、下記構造式で表される基が好ましい。
ただし、前記構造式中、Rは、水素、アルキル基(前記(2)で定義されるアルキル基と同じ)、アリール基(前記Ar、Arで表されるアリール基と同じ)であり、aは1又は2、bは1〜3を表す。
前記Zは、置換もしくは未置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基、アルキレンオキシカルボニル2価基を表す。
置換もしくは未置換のアルキレン基としては、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基としては、前記Xのアルキレンエーテル基の2価基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル2価基としては、カプロラクトン変性2価基が挙げられる。
また、前記1官能の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物として更に好ましくは、下記構造式(7)で表される化合物が挙げられる。
ただし、前記構造式(7)中、o、p、qはそれぞれ0又は1の整数、Raは水素原子、メチル基を表し、Rb、Rcは水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表し、複数の場合は異なってもよい。s、tは0〜3の整数を表す。Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、又は下記構造式で表される基を表す。
ただし、前記構造式で表される化合物としては、Rb、Rcの置換基として、特にメチル基、エチル基である化合物が好ましい。
前記構造式(4)、(5)及び(7)、特に、前記構造式(7)で表される1官能性の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物は、炭素−炭素間の二重結合が両側に開放されて重合するため、末端構造とはならず、連鎖重合体中に組み込まれ、3官能以上のラジカル重合性モノマーとの重合で架橋形成された重合体中では、高分子の主鎖中に存在し、かつ主鎖−主鎖間の架橋鎖中に存在(この架橋鎖には1つの高分子と他の高分子間の分子間架橋鎖と、1つの高分子内で折り畳まれた状態の主鎖のある部位と主鎖中でこれから離れた位置に重合したモノマー由来の他の部位とが架橋される分子内架橋鎖とがある)するが、主鎖中に存在する場合であってもまた架橋鎖中に存在する場合であっても、鎖部分から懸下するトリアリールアミン構造は、窒素原子から放射状方向に配置する少なくとも3つのアリール基を有し、バルキーであるが、鎖部分に直接結合しておらず鎖部分からカルボニル基等を介して懸下しているため立体的位置取りに融通性ある状態で固定されているので、これらトリアリールアミン構造は重合体中で相互に程よく隣接する空間配置が可能であるため、分子内の構造的歪みが少なく、また、電子写真感光体の表面層とされた場合に、電荷輸送経路の断絶を比較的免れた分子内構造を採りうるものと推測される。
本発明の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の具体例を以下に示すが、これらの構造の化合物に限定されるものではない。
前記1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーは、架橋型電荷輸送層の電荷輸送性能を付与するために重要である。前記1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの添加量は、前記架橋型電荷輸送層に対し20〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましい。前記添加量が20質量%未満であると、架橋型電荷輸送層の電荷輸送性能が充分に保てず、繰り返しの使用で感度低下、残留電位上昇などの電気特性の劣化が現れることがあり、80質量%を超えると、電荷輸送構造を有しない3官能モノマーの含有量が低下し、架橋密度の低下を招き高い耐摩耗性が発揮されないことがある。なお、使用されるプロセスによって要求される電気特性や耐摩耗性が異なり、それに伴い感光体の架橋型電荷輸送層の膜厚も異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30〜70質量%の範囲が最も好ましい。
前記架橋型電荷輸送層は、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーを硬化したものであるが、これ以外に塗工時の粘度調整、架橋型電荷輸送層の応力緩和、低表面エネルギー化や摩擦係数低減などの機能付与の目的で1官能及び2官能のラジカル重合性モノマー及びラジカル重合性オリゴマーを併用することができる。これらのラジカル重合性モノマー、オリゴマーとしては、公知のものが利用できる。
前記1官能のラジカルモノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソブチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、セチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ステアリルアクリレート、スチレンモノマー、などが挙げられる。
前記2官能のラジカル重合性モノマーとしては、例えば、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ビスフェノールA−EO変性ジアクリレート、ビスフェノールF−EO変性ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、などが挙げられる。
前記機能性モノマーとしては、例えば、オクタフルオロペンチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチルアクリレートなどのフッ素原子を置換したもの、特公平5−60503号公報、特公平6−45770号公報記載のシロキサン繰り返し単位:20〜70のアクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、メタクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、アクリロイルポリジメチルシロキサンプロピル、アクリロイルポリジメチルシロキサンブチル、ジアクリロイルポリジメチルシロキサンジエチルなどのポリシロキサン基を有するビニルモノマー、アクリレート及びメタクリレートが挙げられる。
前記ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系オリゴマー、などが挙げられる。
前記1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーやラジカル重合性オリゴマーの含有量は、3官能以上のラジカル重合性モノマー100質量部に対し50質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。
前記含有量が50質量部を超えると、架橋型電荷輸送層の三次元架橋密度が実質的に低下し、耐摩耗性の低下を招くことがある。
なお、前記架橋型電荷輸送層は少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化したものであるが、必要に応じてこの硬化反応を効率よく進行させるため、架橋型電荷輸送層塗布液中に重合開始剤を含有させてもよい。該重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤、などが挙げられる。これらの重合開始剤は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
前記熱重合開始剤としては、例えば、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルベルオキサイド、t−ブチルヒドロベルオキサイド、クメンヒドロベルオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシ)プロパン等の過酸化物系開始剤;アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸等のアゾ系開始剤、などが挙げられる。
前記光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のアセトフェノン系又はケタール系光重合開始剤;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル系光重合開始剤;ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン等のベンゾフェノン系光重合開始剤;2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤;その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物、などが挙げられる。
なお、光重合促進効果を有するものを単独又は上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、などが挙げられる。
前記重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性を有する総含有物100質量部に対し、0.5〜40質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましい。
前記架橋型電荷輸送層塗工液は、必要に応じて応力緩和や接着性向上の目的とした各種可塑剤、レベリング剤、ラジカル反応性を有しない低分子電荷輸送物質などの添加剤が含有できる。
前記可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂に使用されているものが利用可能である。
前記可塑剤の使用量は、前記架橋型電荷輸送層塗工液の総固形分に対し20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
前記レベリング剤としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが利用できる。
前記レベリング剤の使用量は、前記架橋型電荷輸送層塗工液の総固形分に対し3質量%以下が好ましい。
本発明の架橋型電荷輸送層は、少なくとも上記の電荷輸送構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含有する塗工液を後に記載の電荷輸送層上に塗布、硬化することにより形成される。かかる塗工液はラジカル重合性モノマーが液体である場合、これに他の成分を溶解して塗布することも可能であるが、必要に応じて溶媒により希釈して塗布される。
前記溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテル等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記溶媒による希釈率は組成物の溶解性、塗工法、目的とする膜厚により変わり、任意である。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行うことができる。
本発明においては、前記架橋型電荷輸送層塗工液を塗布後、外部からエネルギーを与え硬化させ、架橋型電荷輸送層を形成するものであるが、このとき用いられる外部エネルギーとしては熱、光、放射線がある。熱のエネルギーを加える方法としては、空気、窒素などの気体、蒸気、あるいは各種熱媒体、赤外線、電磁波を用い塗工表面側あるいは支持体側から加熱することによって行われる。
前記加熱温度は100〜170℃が好ましい。前記加熱温度が100℃未満であると、反応速度が遅く、完全に硬化反応が終了しないことがあり、170℃を超えると、高温になりすぎて硬化反応が不均一に進行し架橋型電荷輸送層中に大きな歪みや多数の未反応残基、反応停止末端が発生することがある。硬化反応を均一に進めるために、100℃未満の比較的低温で加熱後、更に100℃以上に加温し反応を完結させる方法も有効である。
前記光のエネルギーとしては、主に紫外光に発光波長をもつ高圧水銀灯やメタルハライドランプなどのUV照射光源が利用できるが、ラジカル重合性含有物や光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。前記照射光量は50〜1000mW/cmが好ましい。前記照射光量が50mW/cm未満であると、硬化反応に時間を要することがあり、1000mW/cmを超えると、反応の進行が不均一となり、架橋型電荷輸送層表面に局部的な皺が発生したり、多数の未反応残基、反応停止末端が生ずることがある。また、急激な架橋により内部応力が大きくなり、クラックや膜剥がれの原因となる。
前記放射線のエネルギーとしては電子線を用いるものが挙げられる。
これらのエネルギーの中で、反応速度制御の容易さ、装置の簡便さから熱及び光のエネルギーを用いたものが有用である。
前記架橋型電荷輸送層の膜厚は、2〜8μmが好ましい。前記膜厚が8μmを超えると、クラックや膜剥がれが発生しやすくなることがあり、ラジカル重合反応は酸素阻害を受けやすく、即ち、大気に接した表面では酸素によるラジカルトラップの影響で架橋が進まなかったり、不均一になりやすい。この影響が顕著に現れるのは表層1μm以下であり、この膜厚以下の架橋型電荷輸送層は耐摩耗性の低下や不均一な摩耗が起こりやすい。また、架橋型電荷輸送層の塗工時において下層の電荷輸送層成分の混入が生ずる。架橋型電荷輸送層の塗布膜厚が薄いと層全体に混入物が拡がり、硬化反応の阻害や架橋密度の低下をもたらす。
これらの理由から、本発明の架橋型電荷輸送層は2μm以上の膜厚で良好な耐摩耗性、耐傷性を有するが、繰り返しの使用において局部的に下層の電荷輸送層まで削れた部分できるとその部分の摩耗が増加し、帯電性や感度変動から中間調画像の濃度むらが発生しやすい。従って、より長寿命、高画質化のためには架橋型電荷輸送層の膜厚を2μm以上にすることが望ましい。
更に、予期せぬ効果として、膜厚2〜8μmの架橋型電荷輸送層を設けた場合、長期の画像形成に関わる耐久性試験において、特に高温高湿時の耐久性試験において感光体表面にピンホールが発生しにくいことが判明した。その理由、メカニズムについては未だ分からないが、本発明の架橋型電荷輸送層が高い強度を有するとともに、適度な弾性を同時に有し、かつ適切な膜厚であることに関係するためと考えられる。従来の感光体で画像形成時に発生するピンホールは、トナーに添加されるシリカ等の微粉末による感光体表面に生じるミクロの傷と温度及び湿度が関係しているものと推察される。ただ硬いだけの表面層は、削れない点で有利であるが却って傷が発生した場合、成長してしまうと考えられ、長期耐久性試験においてピンホールができやすいものと考えられる。
前記架橋型電荷輸送層塗工液には、前記電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物及び1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物以外にも、その他の成分としてラジカル重合性官能基を有しないバインダー樹脂、酸化防止剤、可塑剤等の添加剤を含むことができる。
これらの添加剤を多量に含有させると、架橋密度の低下、反応により生じた硬化物と上記添加物との相分離が生じ、有機溶剤に対し可溶性となる。具体的には、塗工液の総固形分に対し上記総含有量を20質量%以下に抑えることが重要である。また、架橋密度を希薄にさせないために、1官能又は2官能のラジカル重合性モノマー、反応性オリゴマー、反応性ポリマーにおいても、総含有量を3官能ラジカル重合性モノマーに対し20質量%以下とすることが望ましい。更に、2官能以上の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を多量に含有させると、嵩高い構造体が複数の結合により架橋構造中に固定されるため歪みを生じやすく、微小な硬化物の集合体となりやすい。このことが原因で有機溶剤に対し可溶性となることがある。化合物構造によって異なるが、2官能以上の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の含有量は1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物に対し10質量%以下にすることが好ましい。更に電荷発生層、電荷輸送層、架橋型電荷輸送層を順次積層した構成において、最表面の架橋型電荷輸送層が有機溶剤に対し不溶性であることが、耐摩耗性、耐傷性が達成させることに好ましい。
本発明において、架橋型電荷輸送層を有機溶剤に対し不溶性にするには、(i)架橋型電荷輸送層塗工液の組成、それらの含有割合の調整、(ii)架橋型電荷輸送層塗工液の希釈溶媒、固形分濃度の調整、(iii)架橋型電荷輸送層の塗工方法の選択、(iv)架橋型電荷輸送層の硬化条件の制御、及び(v)下層の電荷輸送層の難溶解性化など、をコントロールすることが重要であるが、必ずしも一つの因子で達成されるとはかぎらない。
前記架橋型電荷輸送層塗工液の希釈溶媒としては、蒸発速度の遅い溶剤を用いた場合、残留する溶媒が硬化の妨げとなったり、下層成分の混入量を増加させることがあり、不均一硬化や硬化密度低下をもたらす。このため、有機溶剤に対し、可溶性となりやすい。具体的には、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフランとメタノール混合溶媒、酢酸エチル、メチルエチルケトン、エチルセロソルブなどが有用であるが、塗工法と合わせて選択される。また、固形分濃度に関しては、同様な理由で低すぎる場合、有機溶剤に対し可溶性となりやすい。逆に膜厚、塗工液粘度の制限から上限濃度の制約をうける場合があり、具体的には、10〜50質量%の範囲で用いることが望ましい。
前記架橋型電荷輸送層の塗工方法としては、塗工膜形成時の溶媒含有量、溶媒との接触時間を少なくする方法が好ましく、具体的には、スプレーコート法、塗工液量を規制したリングコート法が特に好ましい。また、下層成分の混入量を抑えるためには、電荷輸送層として高分子電荷輸送物質を用いること、架橋型電荷輸送層の塗工溶媒に対し不溶性の中間層を設けることも有効である。
前架橋型電荷輸送層の硬化条件としては、加熱又は光照射のエネルギーが低いと硬化が完全に終了せず、有機溶剤に対し溶解性があがる。逆に非常に高いエネルギーにより硬化させた場合、硬化反応が不均一となり未架橋部やラジカル停止部の増加や微小な硬化物の集合体となりやすい。このため有機溶剤に対し溶解性となることがある。
前記有機溶剤に対し不溶性化するには、熱硬化の条件としては100〜170℃、10分〜3時間が好ましく、UV光照射による硬化条件としては50〜1000mW/cm、5秒〜5分であり、かつ温度上昇を50℃以下に制御し、不均一な硬化反応を抑えることが望ましい。
前記架橋型電荷輸送層を有機溶剤に対し不溶性にする手法としては、例えば、塗工液として、3つのアクリロイルオキシ基を有するアクリレートモノマーと、一つのアクリロイルオキシ基を有するトリアリールアミン化合物を使用する場合、これらの使用割合は7:3〜3:7が好ましい。また、前記重合開始剤をこれらアクリレート化合物全量に対し3〜20質量%添加し、更に溶媒を加えて塗工液を調製することが好ましい。例えば、架橋型電荷輸送層の下層となる電荷輸送層において、電荷輸送物質としてトリアリールアミン系ドナー、及びバインダー樹脂として、ポリカーボネートを使用し、表面層をスプレー塗工により形成する場合、上記塗工液の溶媒としては、テトラヒドロフラン、2−ブタノン、酢酸エチル等が好ましい。その使用割合は、前記アクリレート化合物全量に対し3倍量〜10倍量である。
次いで、例えば、アルミシリンダー等の支持体上に、下引き層、電荷発生層、上記電荷輸送層を順次積層した感光体上に、上記調製した塗工液をスプレー等により塗布する。その後、自然乾燥又は比較的低温で短時間乾燥し(25〜80℃、1〜10分間)、UV照射あるいは加熱して硬化させる。
UV照射の場合、メタルハライドランプ等を用いるが、照度は50mW/cm以上、1000mW/cm以下が好ましく、例えば200mW/cmのUV光を照射する場合、例えば硬化に際し、複数のランプからドラム周方向を均一30秒程度照射すればよい。このときドラム温度は50℃を超えないように制御する。
熱硬化の場合、加熱温度は100〜170℃が好ましく、例えば、加熱手段として送風型オーブンを用い、加熱温度を150℃に設定した場合、加熱時間は20分〜3時間である。
硬化終了後は、更に残留溶媒低減のため100〜150℃で10分〜30分加熱して、本発明の静電潜像担持体が得られる。
<中間層>
本発明の静電潜像担持体においては、電荷輸送層と架橋型電荷輸送層の間に、架橋型電荷輸送層への電荷輸送層成分混入を抑える又は両層間の接着性を改善する目的で中間層を設けることが可能である。このため、前記中間層としては、架橋型電荷輸送層塗工液に対し不溶性又は難溶性であるものが適しており、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成方法としては、前記塗工法が採用される。
なお、前記中間層の厚さは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.05〜2μmが好適である。
<下引き層>
本発明の静電潜像担持体においては、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。該下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。該樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、前記下引き層には、モアレ防止、残留電位の低減等を図るため、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物の微粉末顔料を添加することができる。
前記下引き層には、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。
前記下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。
前記下引き層の膜厚は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0〜5μmが好ましい。
本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、前記架橋型電荷輸送層、前記電荷輸送層、前記電荷発生層、前記下引き層、前記中間層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、パラフェニレンジアミン類、ハイドロキノン類、有機硫黄化合物類、有機燐化合物類、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記フェノール系化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類、などが挙げられる。
前記パラフェニレンジアミン類としては、例えば、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミン、などが挙げられる。
前記ハイドロキノン類としては、例えば、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノン、などが挙げられる。
前記有機硫黄化合物類としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネート、などが挙げられる。
前記有機燐化合物類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィン、などが挙げられる。
なお、これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
前記酸化防止剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、添加する層の総質量に対し0.01〜10質量%が好ましい。
−1官能の電荷輸送性構造を有する化合物の合成例−
本発明における1官能の電荷輸送性構造を有する化合物は、例えば、特許第3164426号公報に記載の方法にて合成できる。以下に、この一例を示す。
(1)ヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式(9))の合成
メトキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式(8))113.85g(0.3mol)と、ヨウ化ナトリウム138g(0.92mol)にスルホラン240mlを加え、窒素気流中で60℃に加温した。この液中にトリメチルクロロシラン99g(0.91mol)を1時間かけて滴下し、約60℃の温度で4時間半撹拌して反応を終了させた。この反応液にトルエン約1.5Lを加え室温まで冷却し、水と炭酸ナトリウム水溶液で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン:酢酸エチル=20:1)にて精製した。得られた淡黄色オイルにシクロヘキサンを加え、結晶を析出させた。このようにして下記構造式(9)の白色結晶88.1g(収率=80.4%)を得た。融点は64.0〜66.0℃である。
(2)トリアリールアミノ基置換アクリレート化合物(例示化合物No.54)
上記(1)で得られたヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(構造式(9))82.9g(0.227mol)をテトラヒドロフラン400mlに溶解し、窒素気流中で水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:12.4g,水:100ml)を滴下した。この溶液を5℃に冷却し、アクリル酸クロライド25.2g(0.272mol)を40分かけて滴下した。その後、5℃にて3時間撹拌して反応を終了させた。この反応液を水に注ぎ、トルエンにて抽出した。この抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液と水で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン)にて精製した。得られた無色のオイルにn−ヘキサンを加え、結晶を析出させた。このようにして例示化合物No.54の白色結晶80.73g(収率=84.8%)を得た。融点は117.5〜119.0℃である。
−2官能の電荷輸送性構造を有する化合物の合成例−
本発明における2官能の電荷輸送性構造を有する化合物ジヒドロキメチルトリフェニルアミンは、下記の方法にて製造できる。
まず、温度計、冷却管、攪拌装置、及び滴下ロートの付いたフラスコに、下記反応式で表される化合物(1)49g、及びオキシ塩化リン184gを入れ、加熱溶解した。滴下ロートよりジメチルホルムアミド117gを徐々に滴下し、その後、反応液温を85〜95℃に保ち、約15時間攪拌を行った。次に、反応液を大過剰の温水に徐々に注いだ後、攪拌しながらゆっくりと冷却した。次いで、析出した結晶を濾過及び乾燥した後、シリカゲル等により不純物吸着及びアセトニトリルでの再結晶により精製を行って化合物(2)を得た。収量は30gであった。
得られた化合物(2)30gとエタノール100mlをフラスコに投入し攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム1.9gを徐々に添加した後、液温を40〜60℃に保ち、約2時間攪拌を行った。次に、反応液を約300mlの水に徐々にあけ、攪拌して結晶を析出させた。濾過後、充分に水洗して、乾燥し化合物(3)を得た。収量は30gであった。
本発明の静電潜像担持体(電子写真感光体)は、複写機、レーザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであるが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用し得るものである。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
また、像露光は、画像形成装置を複写機やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過光を感光体に照射すること、或いはセンサーで原稿を読み取り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの駆動を行い感光体に光を照射することなどにより行われる。
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、本発明の前記トナー入り容器を備えた現像器などがより好ましい。
前記現像器は、通常乾式現像方式が用いられる。また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、本発明の前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。該現像剤に含まれるトナーは、本発明の前記トナーである。
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
−定着工程及び定着手段−
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
−クリーニング工程及びクリーニング手段−
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上をクリーニング手段を用いてクリーニングするクリーニング工程である。
前記クリーニング手段としては、例えば、クリーニングブレード、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ、等が挙げられる。
ここで、前記クリーニング手段について説明する。図6は、本発明に用いられるクリーニング機構について概略断面図である。なお、本発明においては、公知のクリーニング条件、ブレード材料を使用できる。その際、感光体回転方向に対してカウンターに当接して使用することが好ましい。
図6において、当接荷重Pはクリーニングブレード71を感光体10に当接させたときの圧接力法線方向ベクトル値である。また、当接角θは感光体10の当接点における接線と変形前のブレードとのなす角を表す。また、前記クリーニングブレード自由長Lは支持部材72の端部から変形前のブレード先端点の長さを表す。
前記クリーニングブレード71の感光体10への当接荷重P、当接角θの好ましい値としては、Pは5〜50gf/cmが好ましい。θは5〜35°が好ましい。また、クリーニングブレード自由長Lは3〜15mmが好ましい。クリーニングブレードの厚さ0.5〜10mmが好ましい。
前記ブレードクリーニング方式に用いられるゴムブレードの材質としては、例えば、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレインゴム、ブタジエンゴム、等が挙げられ、これらの中でも、ウレタンゴムが特に好ましい。
前記ゴムブレードの硬度と反発弾性率を同時にコントロールすることにより有効にブレードの反転を抑制できる。ゴムブレードの25±5℃におけるJISA硬度は65〜80が好ましい。前記JISA硬度が65未満であると、ブレードの反転が起こり易くなることがあり、80を超えるとクリーニング性能が低下することがある。ゴムブレードの反発弾性率は20〜75%が好ましい。前記反発弾性率が75%を超えるとブレードの反転がおこり易くなることがあり、20%未満であるとクリーニング性能が低下することがある。
ここで、前記JISA硬度及び反発弾性率ともJIS K6301の加硫ゴム物理試験方法に基づき測定することができる。
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記電子写真用カラートナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図7を参照しながら説明する。図7に示す画像形成装置100は、前記静電潜像担持体としての感光体ドラム10(以下、「感光体10」と称することがある)と、前記帯電手段としての帯電ローラ20と、前記露光手段としての露光装置30と、前記現像手段としての現像装置40と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有する前記クリーニング手段としてのクリーニング装置60と、前記除電手段としての除電ランプ70とを備える。
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍にクリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されており、また、最終転写材としての転写紙95に現像像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、中間転写体50上のトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、該中間転写体50の回転方向において、感光体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と転写紙95との接触部との間に配置されている。
現像装置40は、前記現像剤担持体としての現像ベルト41と、現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えており、イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えており、マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えており、シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラに回転可能に張架され、一部が感光体10と接触している。
図7に示す画像形成装置100において、例えば、帯電ローラ20が感光体ドラム10を一様に帯電させる。露光装置30が感光ドラム10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40からトナーを供給して現像して可視像(トナー像)を形成する。該可視像(トナー像)が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に転写紙95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙95上には転写像が形成される。なお、感光体10上の残存トナーは、クリーニング装置60により除去され、感光体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図8を参照しながら説明する。図8に示す画像形成装置100は、図7に示す画像形成装置100において、現像ベルト41を備えてなく、感光体10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されていること以外は、図7に示す画像形成装置100と同様の構成を有し、同様の作用効果を示す。なお、図8においては、図7におけるものと同じものは同符号で示した。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図9を参照しながら説明する。図9に示すタンデム画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置である。前記タンデム画像形成装置は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図9中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、前記タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、前記タンデム画像形成装置を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像情報は、前記タンデム画像形成装置における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、前記タンデム画像形成装置における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図10に示すように、それぞれ、感光体10(ブラック用感光体10K、イエロー用感光体10Y、マゼンタ用感光体10M及びシアン用感光体10C)と、該感光体を一様に帯電させる帯電器60と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記感光体を露光(図10中、L)し、該感光体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光器と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー像を形成する現像器61と、該トナー像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、感光体クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用感光体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用感光体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用感光体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用感光体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ150を回転して手差しトレイ51上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。
そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
本発明の画像形成装置及び画像形成方法では、感光層に電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物との反応物を含み、摩耗量が少ない感光層を有する電子写真感光体と、トナーを構成する樹脂の分子量分布をシャープ化し、かつその低分子量分の絶対量を可能な限り多くしたトナーとを組合せた構成をとることで、長期に亘って画像形成を繰り返しても、遊離した外添剤によるいわゆる「メダカ画像」の発生が防止され、画像ボケ、筋状或いは斑点状(黒ポチなど)の画像欠陥の発生が防止され、長期にわたって、高精細、高画質な画像を形成することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の例において「部」は「質量部」を表す。
−ポリエステル樹脂の合成−
表3及び表4に示した各組成物を、温度計、攪拌器、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた容量1Lの4つ口丸底フラスコ内に入れ、このフラスコをマントルヒーターにセットし、ガス導入管より窒素ガスを導入してフラスコ内を不活性雰囲気下に保った状態で昇温した。次いで、0.05gのジブチルスズオキシドを加えて温度を200℃に保って反応させた。以上により、ポリエステル樹脂A〜Tをそれぞれ合成した。
得られた各ポリエステル樹脂について、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表3及び表4に示す。
<GPCによる分子量分布の測定>
各ポリエステル樹脂のGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィ)による分子量分布は、以下のようにして測定した。40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6質量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定に当たっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により、作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.又は東洋ソーダ工業株式会社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
<クロロホルム不溶分の測定>
各ポリエステル樹脂のクロロホルム不溶分は以下のように測定した。試料約1.0gを秤量し、これにクロロホルム約50gを加えて十分に溶解させた溶液を、まず、遠心分離でわけ、JIS規格(P3801)5種Cの定量ろ紙を用いて常温でろ過する。続いて、ろ紙残渣が不溶分であり、用いた試料とろ紙残渣の比(質量%)で表す。なお、トナーとしたときの結着樹脂中のクロロホルム不溶分を測定する場合には、トナー約1.0gを秤量して結着樹脂と同様の方法で行うが、ろ紙残渣の中には顔料などの固形物が存在するので、熱分析により別途求める。
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
各ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、理学電機社製のRigaku THRMOFLEX TG8110により、昇温速度10℃/minの条件にて測定した。
<酸価及び水酸基価の測定>
各ポリエステル樹脂の酸価及び水酸基価の測定方法は、JIS K0070に規定の方法による。但しサンプルが溶解しない場合は、溶媒にジオキサン又はテトラヒドロフラン(THF)等の溶媒を用いた。
<結着樹脂の軟化点>
各ポリエステル樹脂の軟化点は、高架式フローテスターCFT−500(島津製作所製)を用い、ダイス径1mm、加圧20kgf/cm、昇温速度6℃/minの条件下で1cmの試料を溶融流出させたときの流出開始点から流出終了点までの1/2に相当する温度により測定した。
(トナー製造例1)
ポリエステル樹脂A・・・100部
低分子量ポリプロピレン(ビスコール550P:三洋化成工業株式会社製)・・・5部
カーボンブラック(#44:三菱化成株式会社製)・・・10部
金属含有アゾ化合物・・・1部
上記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で十分に撹拌混合した後、ロールミルにより130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却した後、得られた混練物をジェットミル又は機械式粉砕機、風力分級機で粉砕分級して、トナー母体粒子を得た。
得られたトナー母体粒子に疎水性シリカ0.5質量%添加混合し、最終的なトナーを製造した。
(トナー製造例2)
トナー製造例1において、粉砕分級条件を変えた以外は、トナー製造例1と同様にして、トナーを製造した。
得られたトナーの体積平均粒径は7.5μmであった。
(トナー製造例3)
トナー製造例1において、ポリエステル樹脂Aをポリエステル樹脂Bに変更した以外は、トナー製造例1と同様にして、トナーを製造した。
(トナー製造例4)
ポリエステル樹脂C・・・100部
酸化ライスワックス・・・5部
カーボンブラック(#44:三菱化成株式会社製)・・・10部
四級アンモニウム塩化合物・・・1部
上記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で十分に撹拌混合した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却した後、得られた混練物をジェットミル又は機械式粉砕機、風力分級機で粉砕分級してトナー母体粒子を得た。得られたトナー母体粒子に疎水性シリカ0.5質量%添加混合し、最終的なトナーを製造した。
(トナー製造例5)
ポリエステル樹脂D・・・50部
ポリエステル樹脂E・・・50部
脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス・・・5部
カーボンブラック(#44:三菱化成株式会社製)・・・10部
金属含有アゾ化合物・・・1部
上記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で十分撹拌混合した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジェットミル又は機械式粉砕機、風力分級機で粉砕分級しトナー母体粒子を得た。得られたトナー母体に疎水性シリカ0.5質量%添加混合し、最終的なトナーを製造した。
(トナー製造例6)
トナー製造例5において、ポリエステル樹脂Eをポリエステル樹脂Fに変更した以外は、トナー製造例5と同様にして、トナーを製造した。
(トナー製造例7)
トナー製造例5において、金属含有アゾ化合物をサリチル酸Zr(IV)化合物に変更した以外は、トナー製造例5と同様にして、トナーを製造した。
(トナー製造例8)
ポリエステル樹脂G・・・45部
ポリエステル樹脂H・・・45部
スチレン−アクリル樹脂・・・15部
(重量平均分子量=25,800、Tg65℃、クロロホルム不溶分3%、軟化点140℃、分子量ピーク4,200)
脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス・・・5部
カーボンブラック(#44:三菱化成株式会社製)・・・10部
サリチル酸Fe(III)化合物・・・1部
上記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で十分撹拌混合した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジェットミル又は機械式粉砕機、風力分級機で粉砕分級してトナー母体粒子を得た。得られたトナー母体粒子に疎水性シリカ0.5質量%添加混合し、最終的なトナーを製造した。
(トナー製造例9)
ポリエステル樹脂I・・・45部
ポリエステル樹脂J・・・45部
スチレン−メチルメタアクリレート共重合体・・・10部
(重量平均分子量20,000、ガラス転移温度(Tg)65℃、クロロホルム不溶分5%、軟化点135℃、分子量ピーク6,300)
酸価ライスワックス(酸価15)・・・5部
カーボンブラック(三菱カーボン株式会社製、#44)・・・8部
含金属アゾ染料(オリエント化学株式会社製、S−34)・・・2部
上記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で十分撹拌混合した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジェットミル又は機械式粉砕機、風力分級機で粉砕分級しトナー母体粒子を得た。得られたトナー母体粒子に疎水性シリカ0.5質量%添加混合し、最終的なトナーを製造した。
(トナー製造例10)
トナー製造例9において、ポリエステル樹脂Jをポリエステル樹脂Kに変えた以外は、トナー製造例9と同様にして、トナーを製造した。
(トナー製造例11)
トナー製造例9において、ポリエステル樹脂Iをポリエステル樹脂Lに変えた以外は、トナー製造例9と同様にして、トナーを製造した。
(トナー製造例12)
トナー製造例9において、ポリエステル樹脂Iをポリエステル樹脂Mに変えた以外は、トナー製造例9と同様にして、トナーを製造した。
(トナー製造例13)
トナー製造例9において、ポリエステル樹脂Jをポリエステル樹脂Nに変えた以外は、トナー製造例9と同様にして、トナーを製造した。
(トナー製造例14)
トナー製造例9において、ポリエステル樹脂Jをポリエステル樹脂Oに変えた以外は、トナー製造例9と同様にして、トナーを製造した。
(トナー製造例15)
トナー製造例9において、ポリエステル樹脂Iをポリエステル樹脂Pに変えた以外は、トナー製造例9と同様にして、トナーを製造した。
(トナー製造例16)
トナー製造例9において、ポリエステル樹脂Iをポリエステル樹脂Qに変えた以外は、トナー製造例9と同様にして、トナーを製造した。
(トナー製造例17)
トナー製造例9において、ポリエステル樹脂Jをポリエステル樹脂Rに変えた以外は、トナー製造例9と同様にして、トナーを製造した。
(トナー製造例18)
トナー製造例9において、ポリエステル樹脂Jをポリエステル樹脂Sに変えた以外は、トナー製造例9と同様にして、トナーを製造した。
(トナー製造例19)
トナー製造例9において、ポリエステル樹脂Jをポリエステル樹脂Tに変えた以外は、トナー製造例9と同様にして、トナーを製造した。
(トナー製造例20)
トナー製造例5において、金属含有アゾ化合物をサリチル酸Zn(II)化合物に変更した以外は、トナー製造例5と同様にして、トナーを製造した。
(トナー製造例21)
スチレン−アクリル共重合体(重量平均分子量=50000)・・・100部
水添石油樹脂(軟化点80℃、水添率50%、原料:C5、C6脂肪族炭化水素)3部
カルナウバワックス(融点82℃)・・・5部
カーボンブラック(#44、三菱化成株式会社製)・・・10部
金属錯塩型染料・・・2部
上記組成の混合物をエクストルーダーにて混練した。次いで、ジェット粉砕機を用いて、上記混練物を供給量2.0kg/hrに固定し、粉砕圧力の調節により粉砕し、分級して、体積平均粒径10.5μmのトナーを得た。
得られたトナー100部に対し、酸化ケイ素(R−972 日本アエロジル株式会社製)0.5部をヘンシェルミキサーにて混合し、最終トナーを製造した。
製造した各トナーについて、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表5〜表7に示す。
<トナーの体積平均粒径>
米国コールター・エレクトロニクス社製のコールターカウンターTAIIを用いて測定した。
<トナーGPCによる分子量分布>及び<クロロホルム不溶分の測定>については、上記ポリエステル樹脂と同様にして測定した。
<定着性の評価>
画像形成装置MF2200(株式会社リコー製、複写機)の定着部を定着ローラとしてテフロン(登録商標)ローラに改造した画像形成装置を用い、該画像形成装置に紙(株式会社リコー製、タイプ6200)をセットして複写テストを行った。また、定着温度を変化させて、以下の条件によりコールドオフセット温度(定着下限温度)及びホットオフセット温度(耐ホットオフセット温度)を求めた。なお、従来の低温定着トナーの定着下限温度は140〜150℃程度である。
<低温定着の評価条件>
紙送りの線速度:120〜150mm/sec
面圧:1.2kgf/cm
ニップ幅:3mm
〔低温定着性(5段階評価)〕
◎:130℃未満
○:130〜140℃
□:140〜150℃
△:150〜160℃
×:160℃以上
<高温オフセットの評価>
条件紙送りの線速度:50mm/sec
面圧:2.0kgf/cm
ニップ幅:4.5mm
〔ホットオフセット性(5段階評価)〕
◎:201℃以上
○:200〜191℃
□:190〜181℃
△:180〜171℃
×:170℃以下
<耐熱保存性評価>
各トナー試料20gを20mLのガラス瓶に入れ、50回程度ガラス瓶をタッピングし試料を密に固めた後、50℃の高温槽に24時間放置した。その後、針入度試験器を用いて針入度を測定し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:貫通
○:〜25mm
□25〜20mm
△:20〜15mm
×:15mm以下
<細線再現性の評価>
主走査方向、及び副走査方向ともに、600dot/inch、150line/inchの1ドット格子ライン画像を出力し、線が乱れ(かすり、細り、太り、切れ等)なく、再現されているかを下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:全く乱れがない。
○:殆ど乱れがない
□:わずかに乱れがある
△:乱れがある
×:著しく乱れがある
以下の感光体製造例における膜厚の計測には渦電流式膜厚計(FISCHERSCOPE mms:フィッシャーインスツルメント社製)を用いた。ただし、電荷発生層の膜厚は特定波長について透過率と付着量の関係を事前に調査しておいて使用した。
(感光体製造例1)
−静電潜像担持体の作製−
モアレ防止のための切削加工を施したアルミニウムパイプ(直径30mm×350mm)上にポリアミド樹脂(CM8000、東レ株式会社製)の5質量%メタノール溶液を浸漬法で塗工し、0.3μmの下引き層を設けた。次に、下引き層上に、CuKαの特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の9.0°、14.2°、23.9°、及び27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン10部、ポリビニルブチラール(エスレックBM2、積水化学工業株式会社製)10部、及びシクロヘキサノン60部を直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで20時間分散した。この分散液にメチルエチルケトン100部を加え、電荷発生層用塗工液を得た。
この塗工液を用いて前記下引き層上に浸漬塗布し、乾燥させて膜厚が0.12μmの電荷発生層を形成した。次に、下記構造式で示される化合物10部をポリカーボネートZ樹脂(重量平均分子量(Mw)=28,000)12部、及びモノクロルベンゼン60部に溶解した。この溶液を上記電荷発生層上に塗布し、乾燥させて厚みが20μmとなるように電荷輸送層を形成した。
得られた電荷輸送層上に、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーとしてのトリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製、分子量=296、官能基数=3官能、分子量/官能基数=99)10部、1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(例示化合物No.54)10部、光重合開始剤としての1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)1部、及びテトラヒドロフラン100部からなる組成の架橋型電荷輸送層用塗工液をスプレー塗工し、20分間自然乾燥した後、メタルハライドランプ(照射距離120mm、照射強度500mW/cm)にて、照射時間60秒で光照射し、塗布膜を硬化させた。次いで、130℃にて20分乾燥を加え、厚みが5.0μmとなるように架橋型電荷輸送層を形成した。以上により、電子写真感光体を作製した。
(感光体製造例2)
−静電潜像担持体の作製−
感光体製造例1において、架橋型電化輸送層の膜厚が2.0μmとなるように形成した以外は、感光体製造例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(感光体製造例3)
−静電潜像担持体の作製−
感光体製造例1において、前記架橋型電化輸送層の膜厚が8.0μmとなるように形成した以外は、感光体製造例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(感光体製造例4)
−静電潜像担持体の作製−
表面粗さRz(十点平均粗さ)1.5μm、直径80mm、長さ355mmのアルミニウム支持体上に、チタンキレート化合物(TC−750、松本製薬工業株式会社製)30部、シランカップリング剤17部、及び2−プロパノール150部を混合し、溶解した中間層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、120℃にて1時間乾燥して膜厚1.0μmの中間層を形成した。
次に、前記中間層上に、感光体製造例1のチタニルフタロシアニン60g、シリコーン樹脂溶液(KR5240、15質量%キシレン−ブタノール溶液、信越化学工業株式会社製)700g、及び2−ブタノン2000mlを混合し、サンドミルを用いて10時間分散した電荷発生層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
得られた電荷発生層上に、電荷輸送物質としての4−メトキシ−4’−(4−メチル−α−フェニルスチリル)トリフェニルアミン200g、ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300:三菱ガス化学株式会社製)300g、及び1,2−ジクロロエタン2000mlを混合し、溶解した電荷輸送層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。
得られた電荷輸送層上に、トリメトキシメチルシラン180g、1−ブタノール280ml、及び1質量%酢酸水溶液106mlを混合して60℃にて2時間攪拌した後、370mlの1−ブタノールを加えて48時間攪拌を続け、これにジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(2官能の電荷輸送性構造を有する化合物)67.5g、酸化防止剤(サノールLS2626、三共株式会社製)1.7g、及びジブチル錫アセテート4.5gを加えて混合した樹脂層塗布液を塗布して、120℃にて1時間の加熱硬化を行い、膜厚が1μmとなるように樹脂層を形成した。以上により、電子写真感光体を作製した。
(感光体製造例5)
−静電潜像担持体の作製−
感光体製造例1において、架橋型電荷輸送層に変えて下記組成の保護層塗工液を用いて膜厚3.0μmの保護層を浸漬塗工し、電子写真感光体を作製した。得られた感光層の膜厚は22μmであった。
−保護層塗工液−
A型ポリカーボネート・・・10部
感光体製造例1の電荷輸送性物質・・・8部
アルミナ微粒子(粒径0.2μm)・・・4部
テトラヒドロフラン・・・400部
シクロヘキサノン・・・150部
(感光体製造例6)
感光体製造例1において、架橋型電荷輸送層を積層しない以外は、感光体製造例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。得られた感光層(電荷発生層、及び電荷輸送層)の膜厚は25μmであった。
(実施例1〜19、参考例1及び比較例1〜4)
表8及び表9に示すように、静電潜像担持体(感光体)及び現像剤を組み合わせて、下記のデジタルプリンターに搭載し、以下のようにして諸特性の評価を行った。結果を表8及び表9に示す。
<評価装置>
図9に示すプロセス構成を持つデジタルカラープリンター(株式会社リコー製、イプシオ8200改造機、タンデム式、ドラムヒーターなし)を用いた。このプリンターは半導体レーザー露光、反転現像方式であり、帯電、露光、現像、転写、クリーニング等を感光体周辺に有する。現像バイアスは−850Vを印加した。クリーニング条件は、ゴム硬度JIS−A70°、反発弾性25kg/cm、厚さ2mm、自由長9mmのポリウレタンブレードを当接角20°、感光体の回転に対してカウンター方向に、20g/cmの線圧で当接した。
<耐久性の評価>
印字率7%の文字画像データ(A4サイズ横)を使用し、35℃−80%RHの高温高湿下で、1枚プリントするたびに停止し、再び1枚プリントする間歇モードにて10万枚を印字した。1万枚毎に8時間放置を行った。
<摩耗量の測定>
前記耐久性評価において、感光体の初期の膜厚と10万枚印字後の膜厚の差を計測した。なお、摩耗量は感光体の長手方向10ヶ所の平均値である。計測には、渦電流式膜厚計(FISCHERSCOPE mms:フィッシャーインスツルメント社製)を用いた。
<画像欠陥の評価>
10万枚印刷時におけるの2万枚、5万枚、10万枚後において、画像欠陥であるメダカ画像の発生、黒ポチ(地肌部にある直径0.3mm以上の黒ポチ)、画像流れ(文字のボケ、常温常湿の正常画像と比較した)、感光体表面のキズ(幅0.2mm以上)について、下記4段階の評価を行った。なお、「メダカ画像」とは黒地に白の点欠陥がドラム回転方向に向いて多数現れる画像欠陥であり、恰もメダカが泳いでいる様に見える。白いメダカの先端には小さな黒点があり、メダカの目の様に見える。この目は、感光体表面の小さな傷と対応していると云われている。目視観察、及びルーペによる観察、光学顕微鏡による観察にて、区分した。
〔評価基準〕
◎:殆どなし
○:僅かにある
△:少ないがある
×:多くある
***:耐久不足のため評価中止
表8及び表9の結果から、静電潜像担持体が、支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層をこの順に有し、該架橋型電荷輸送層が電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物との反応物を含有してなり、かつトナーが、少なくとも結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含有してなり、該結着樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶分より求めたGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)による分子量の分布値が1000〜10000の間に少なくとも1つのピークを有し、該分布の半値幅による分子量が15000以下である実施例1〜19は、長期に亘って画像形成を繰り返しても、遊離した外添剤によるいわゆる「メダカ画像」の発生が防止され、画像ボケ、筋状或いは斑点状(黒ポチなど)の画像欠陥の発生が防止され、高耐久及び高画質の画像が得られることが認められる。
本発明の画像形成方法は、感光層に電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物との反応物を含み、摩耗量が少ない感光層を有する静電潜像担持体と、トナーを構成する樹脂の分子量分布をシャープ化し、かつその低分子量分の絶対量を可能な限り多くしたトナーとを組合せた構成をとることで、長期に亘って画像形成を繰り返しても、遊離した外添剤によるいわゆる「メダカ画像」の発生が防止され、画像ボケ、筋状或いは斑点状(黒ポチなど)の画像欠陥の発生が防止され、高耐久及び高画質の画像が得られ、直接又は間接電子写真多色画像現像方式を用いたフルカラー複写機、フルカラーレーザープリンター、及びフルカラー普通紙ファックス等に幅広く使用される。
図1は、感光体表面のメダカ画像における1つのメダカの拡大模式図である。 図2は、メダカ画像に対応した感光体表面の顕微鏡写真である。 図3(A)及び(B)は、メダカ画像の形成を説明するための模式図であり、図3(C)は、メダカ画像の模式図である。 図4は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略説明図である。 図5は、本発明の静電潜像担持体の層構成の一例を示す概略断面図である。 図6は、本発明で用いられるクリーニング手段の一例を示す概略説明図である。 図7は、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の例を示す概略説明図である。 図8は、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の例を示す概略説明図である。 図9は、本発明の画像形成装置(タンデム型カラー画像形成装置)により本発明の画像形成方法を実施する一例を示す概略説明図である。 図10は、図9に示す画像形成装置における一部拡大概略説明図である。
符号の説明
1 支持体
2 電荷発生層
3 電荷輸送層
4 架橋型電荷輸送層
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ベルト
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 定電流源
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
71 クリーニングブレード
72 支持部材
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 転写体
106 転写手段
107 クリーニング手段
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)

Claims (22)

  1. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、該可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着する定着工程とを含んでなり、
    前記静電潜像担持体が、支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層をこの順に有し、該架橋型電荷輸送層が電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物との反応物を含有してなり、かつ
    前記トナーが、少なくとも結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含有してなり、該結着樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶分より求めたGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)による分子量の分布値が1000〜10000の間に少なくとも1つのピークを有し、該分布の半値幅による分子量が15000以下であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 架橋型電荷輸送層の膜厚が2〜8μmである請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 3官能以上のラジカル重合性化合物及び1官能のラジカル重合性化合物におけるラジカル重合性官能基が、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の少なくともいずれかである請求項1から2のいずれかに記載の画像形成方法。
  4. 結着樹脂のTHF可溶分により求めたGPCによる分子量分布の分子量が10以上の質量割合が、10質量%以下である請求項1から3のいずれかに記載の画像形成方法。
  5. 結着樹脂がポリエステル樹脂である請求項1から4のいずれかに記載の画像形成方法。
  6. 結着樹脂におけるクロロホルム不溶分が、結着樹脂におけるクロロホルム可溶分より少ない請求項1から5のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. 結着樹脂におけるクロロホルム不溶分の含有量が、5〜40質量%である請求項6に記載の画像形成方法。
  8. 結着樹脂が、低分子量の樹脂成分からなる海と、高分子量の樹脂成分からなる島との海−島構造を有する請求項1から7のいずれかに記載の画像形成方法。
  9. 結着樹脂のTHF可溶分により求めたGPCによる分子量の分布値が、1000〜10000の間に少なくとも一つのピークを有し、該分布の半値幅による分子量が10,000以下である請求項1から8のいずれかに記載の画像形成方法。
  10. 結着樹脂が、軟化点が25℃以上異なる2種の樹脂であり、各樹脂のTHF可溶分により求めたGPCによる分子量の分布値が、1000〜10000の間に少なくとも一つのピークを有する請求項1から9のいずれかに記載の画像形成方法。
  11. 各結着樹脂のTHF可溶分により求めたGPCによる分子量分布の分子量が10以上の質量割合が、10質量%以下である請求項10に記載の画像形成方法。
  12. 前記2種の樹脂のうち、軟化点が高い方の樹脂のクロロホルム不溶分がクロロホルム可溶分より少ない請求項10から11のいずれかに記載の画像形成方法。
  13. 前記2種の樹脂のうち、軟化点が高い方の樹脂におけるクロロホルム不溶分の含有量が5〜40質量%である請求項10から12のいずれかに記載の画像形成方法。
  14. 前記2種の樹脂が、ポリエステル樹脂である請求項10から13のいずれかに記載の画像形成方法。
  15. 一のポリエステル樹脂における多価カルボン酸成分が、ベンゼンカルボン酸及びその無水物並びに不飽和ジカルボン酸及びその無水物から選択される少なくとも1種を含有し、軟化点が90〜110℃であり、他のポリエステル樹脂における多価カルボン酸成分が、前記一のポリエステル樹脂と異なるベンゼンカルボン酸及びその無水物並びに不飽和ジカルボン酸及びその無水物から選択される少なくとも1種を含有し、軟化点が120〜160℃である請求項14に記載の画像形成方法。
  16. ポリエステル樹脂の酸価が8〜45mgKOH/gであり、かつ水酸基価が50mgKOH/g以下である請求項5から15のいずれかに記載の画像形成方法。
  17. 離型剤が、脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックスから選択される少なくとも1種である請求項1から16のいずれかに記載の画像形成方法。
  18. トナーが、サリチル酸金属化合物を含有する請求項1から17のいずれかに記載の画像形成方法。
  19. サリチル酸金属化合物における金属が、6配位構成の3価以上の金属である請求項18に記載の画像形成方法。
  20. トナーの体積平均粒径が5〜10μmである請求項1から19のいずれかに記載の画像形成方法。
  21. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着する定着手段とを有してなり、
    前記静電潜像担持体が、支持体と、該支持体上に電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層を少なくともこの順に有し、該架橋型電荷輸送層が電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物との反応物を含有し、かつ前記トナーが、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を少なくとも含有し、該結着樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶分より求めたGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)による分子量の分布値が1000〜10000の間に少なくとも1つのピークを有し、該分布の半値幅による分子量が15000以下であることを特徴とする画像形成装置。
  22. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有してなり、
    前記静電潜像担持体が、支持体上に電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層を少なくともこの順に有し、該架橋型電荷輸送層が電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物との反応物を含有し、かつ前記トナーが、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を少なくとも含有し、該結着樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶分より求めたGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)による分子量の分布値が1000〜10000の間に少なくとも1つのピークを有し、該分布の半値幅による分子量が15000以下であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
JP2004188616A 2004-06-25 2004-06-25 画像形成方法及びこれを用いた画像形成装置、プロセスカートリッジ Expired - Fee Related JP4189923B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004188616A JP4189923B2 (ja) 2004-06-25 2004-06-25 画像形成方法及びこれを用いた画像形成装置、プロセスカートリッジ
CN2005100794187A CN1885180B (zh) 2004-06-25 2005-06-21 图像形成方法及使用该方法的图像形成装置、处理卡盒
US11/165,279 US7662533B2 (en) 2004-06-25 2005-06-24 Image forming method, and image forming apparatus and process cartridge using the image forming method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004188616A JP4189923B2 (ja) 2004-06-25 2004-06-25 画像形成方法及びこれを用いた画像形成装置、プロセスカートリッジ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006011079A JP2006011079A (ja) 2006-01-12
JP4189923B2 true JP4189923B2 (ja) 2008-12-03

Family

ID=35506233

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004188616A Expired - Fee Related JP4189923B2 (ja) 2004-06-25 2004-06-25 画像形成方法及びこれを用いた画像形成装置、プロセスカートリッジ

Country Status (3)

Country Link
US (1) US7662533B2 (ja)
JP (1) JP4189923B2 (ja)
CN (1) CN1885180B (ja)

Families Citing this family (33)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4793913B2 (ja) * 2005-03-04 2011-10-12 株式会社リコー 画像形成装置
EP1742112B1 (en) * 2005-07-06 2008-11-05 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoreceptor and method of preparing the photoreceptor, and image forming method, image forming apparatus and process cartridge therefor using the photoreceptor
US20070031746A1 (en) * 2005-08-08 2007-02-08 Tetsuya Toshine Electrophotographic photoconductor, process cartridge, and image forming method
US7914959B2 (en) * 2005-11-28 2011-03-29 Ricoh Company, Limited Image bearing member, image forming method, and image forming apparatus
JP4579151B2 (ja) * 2005-12-27 2010-11-10 株式会社リコー 感光体及びその製造方法
US8197997B2 (en) * 2006-03-01 2012-06-12 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor, production method thereof, image forming method and image forming apparatus using photoconductor, and process cartridge
KR100863760B1 (ko) * 2006-03-10 2008-10-16 가부시키가이샤 리코 전자 사진 감광체, 그것을 이용한 화상 형성 장치용 프로세스 카트리지, 및 화상 형성 장치
JP2007241140A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Ricoh Co Ltd 像担持体及びそれを用いた画像形成方法、並びに画像形成装置、プロセスカートリッジ
JP2007248914A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
US7838188B2 (en) * 2006-03-29 2010-11-23 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor, image forming method, image forming apparatus, and process cartridge
US8669030B2 (en) * 2006-12-11 2014-03-11 Ricoh Company, Limited Electrophotographic photoreceptor, and image forming method and apparatus using the same
JP5102646B2 (ja) * 2007-02-21 2012-12-19 株式会社リコー 電子写真感光体とこれを搭載する電子写真用プロセスカートリッジ及び画像形成装置
US8084170B2 (en) 2007-03-13 2011-12-27 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor, electrophotographic process cartridge containing the same and electrophotographic apparatus containing the same
US20080304867A1 (en) * 2007-06-07 2008-12-11 Ricoh Company, Ltd. Image bearing member, method of manufacturing the same, image formation method, image forming apparatus and process cartridge
JP5294045B2 (ja) * 2007-06-13 2013-09-18 株式会社リコー 電子写真感光体とこれを搭載するプロセスカートリッジないし電子写真装置
JP5382404B2 (ja) * 2007-07-02 2014-01-08 株式会社リコー 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2009133953A (ja) * 2007-11-29 2009-06-18 Ricoh Co Ltd 画像形成用トナー
JP5106180B2 (ja) * 2008-03-03 2012-12-26 花王株式会社 電子写真用トナー
EP2196864B1 (en) * 2008-12-12 2019-02-27 Canon Kabushiki Kaisha Sealing member and process cartridge
WO2012115650A1 (en) 2011-02-24 2012-08-30 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Coating for extending lifetime of an organic photoconductor
JP2013076997A (ja) 2011-09-15 2013-04-25 Ricoh Co Ltd 電子写真画像形成用トナー、電子写真画像形成用トナーの製造方法、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
US9482970B2 (en) 2012-03-30 2016-11-01 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Organic photoconductors having protective coatings with nanoparticles
US8841053B2 (en) 2012-07-19 2014-09-23 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Organic photoconductors with latex polymer overcoat layers
JP6035680B2 (ja) * 2013-03-07 2016-11-30 株式会社リコー 電子写真画像形成用トナー、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP6305135B2 (ja) * 2013-04-25 2018-04-04 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP6020382B2 (ja) * 2013-08-08 2016-11-02 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法
JP6481324B2 (ja) 2013-12-13 2019-03-13 株式会社リコー 電子写真感光体、電子写真方法、電子写真装置及びプロセスカートリッジ
JP6535988B2 (ja) * 2014-03-18 2019-07-03 株式会社リコー トナー、画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP6102899B2 (ja) * 2014-12-09 2017-03-29 コニカミノルタ株式会社 中間転写ベルトの製造方法
DE102015226240A1 (de) * 2015-12-21 2017-06-22 Clariant International Ltd Luftoxidierte Reisschalenwachse
EP3432074A1 (en) * 2016-03-15 2019-01-23 Ricoh Company, Ltd. Toner, toner-housing unit, and image-forming apparatus
JP2019197162A (ja) * 2018-05-10 2019-11-14 キヤノン株式会社 帯電ローラ、カートリッジ及び画像形成装置
JP2021068757A (ja) * 2019-10-18 2021-04-30 株式会社リコー 配線基板

Family Cites Families (53)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5648637A (en) 1979-09-28 1981-05-01 Canon Inc Electrophotographic receptor
JPS60136752A (ja) 1983-12-26 1985-07-20 Canon Inc 画像形成方法
JPS6032060A (ja) 1983-08-03 1985-02-19 Canon Inc 磁性トナー
JPH0713752B2 (ja) 1983-10-25 1995-02-15 キヤノン株式会社 電子写真用トナ−
JPS60186866A (ja) 1984-03-06 1985-09-24 Fuji Xerox Co Ltd 現像剤
JPS60186854A (ja) 1984-03-06 1985-09-24 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真トナー
JPS60186864A (ja) 1984-03-06 1985-09-24 Fuji Xerox Co Ltd 現像剤
JPS60186859A (ja) 1984-03-06 1985-09-24 Fuji Xerox Co Ltd 現像剤
US4818650A (en) 1987-06-10 1989-04-04 Xerox Corporation Arylamine containing polyhydroxy ether resins and system utilizing arylamine containing polyhydroxyl ether resins
JPH0245188A (ja) 1988-08-05 1990-02-15 Brother Ind Ltd 画像記録方法
JPH0812478B2 (ja) 1988-09-30 1996-02-07 キヤノン株式会社 静電荷像現像用現像剤
JP2769898B2 (ja) 1990-02-02 1998-06-25 キヤノン株式会社 加熱定着性磁性トナー
JP2903339B2 (ja) * 1990-10-12 1999-06-07 大日精化工業株式会社 電子写真感光体
JP3286711B2 (ja) 1991-03-08 2002-05-27 株式会社リコー 電子写真用感光体
JP3194392B2 (ja) 1992-01-31 2001-07-30 株式会社リコー 電子写真感光体
US5492784A (en) * 1992-08-07 1996-02-20 Ricoh Company, Ltd. Positively-chargeable single-layered type electrophotographic photoconductor
JP3258397B2 (ja) 1992-10-05 2002-02-18 コニカ株式会社 感光体の製造方法および電子写真感光体
US5578405A (en) * 1993-10-14 1996-11-26 Ricoh Company Electrophotographic photoconductor containing disazo and trisazo pigments
JP3203465B2 (ja) * 1993-12-29 2001-08-27 キヤノン株式会社 静電荷像現像用トナー
JP3939775B2 (ja) * 1994-10-31 2007-07-04 株式会社リコー 電子写真感光体
JPH0996923A (ja) 1995-10-03 1997-04-08 Minolta Co Ltd 電子写真用トナーの製造方法
JP3640444B2 (ja) 1995-11-06 2005-04-20 ダウ コーニング アジア株式会社 ポリシロキサン系正孔輸送材料の製造方法
JP3267519B2 (ja) 1995-11-06 2002-03-18 キヤノン株式会社 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP3262488B2 (ja) 1996-02-19 2002-03-04 キヤノン株式会社 電子写真感光体、それを用いた電子写真装置および装置ユニット
JPH09319113A (ja) * 1996-05-24 1997-12-12 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体
DE19649296C2 (de) 1996-11-28 2002-01-17 Blue Chip Music Gmbh Verfahren zur Tonhöhenerkennung bei zupf- oder schlagerregten Saiteninstrumenten
JP3456565B2 (ja) * 1997-02-05 2003-10-14 株式会社リコー 画像形成方法及び画像形成装置
US6066428A (en) * 1997-06-19 2000-05-23 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor and aromatic polycarbonate resin for use therein
US6030733A (en) * 1998-02-03 2000-02-29 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor with water vapor permeability
US6026262A (en) * 1998-04-14 2000-02-15 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus employing electrophotographic photoconductor
JP4011791B2 (ja) 1998-06-12 2007-11-21 キヤノン株式会社 電子写真感光体の製造方法
US6136483A (en) * 1998-08-27 2000-10-24 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor and electrophotographic image forming apparatus using the photoconductor
US6416915B1 (en) * 1998-11-13 2002-07-09 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge and electrophotographic apparatus
JP3773238B2 (ja) * 1999-04-30 2006-05-10 株式会社リコー 電子写真感光体、その物を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP3767846B2 (ja) 1999-05-28 2006-04-19 株式会社リコー 静電荷像現像用トナー及び画像形成方法
FR2795190B1 (fr) * 1999-06-17 2002-03-15 Ricoh Kk Developpateur, recipient de developpateur, et procede et appareil de formation d'images
JP2001337467A (ja) * 2000-05-25 2001-12-07 Fuji Denki Gazo Device Kk 電子写真感光体
JP4209597B2 (ja) 2000-12-19 2009-01-14 株式会社リコー 静電荷像現像用トナー、潜像担持体、これを用いた画像形成方法及び装置
US6936388B2 (en) * 2001-03-23 2005-08-30 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoreceptor, and image forming method, image forming apparatus, and image forming apparatus processing unit using same
KR100439579B1 (ko) * 2001-06-07 2004-07-12 학교법인 포항공과대학교 유기 나노관의 합성 및 이를 주형으로 이용한 초미세 금속나노선의 합성
DE60239439D1 (de) * 2001-09-06 2011-04-28 Ricoh Co Ltd Elektrophotografischer Photorezeptor, Bildaufzeichnungsmethode, Bildaufzeichnungsgerät, und Prozesskartusche
JP2003122208A (ja) * 2001-10-12 2003-04-25 Ricoh Co Ltd 電子写真方式の画像形成装置
MXPA02012321A (es) * 2001-12-21 2004-12-13 Canon Kk Elemento fotosensible electrofotografico, cartucho del proceso y aparato electrofotografico.
JP3637030B2 (ja) * 2002-04-03 2005-04-06 株式会社リコー 電子写真感光体、電子写真装置および電子写真用カートリッジ
US7279260B2 (en) * 2002-06-12 2007-10-09 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor having a crosslinked resin layer and method of preparing an electrophotographic photoconductor
JP2004101699A (ja) * 2002-09-06 2004-04-02 Canon Inc 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置
DE60301181T2 (de) * 2002-09-24 2006-03-30 Ricoh Co., Ltd. Electrophotographic photoconductor, electrophotography method, electrophotographic apparatus, electrophotographic apparatus process cartridge using a specific outermost surface layer coating solution for the photoconductor
JP4030895B2 (ja) * 2003-02-26 2008-01-09 株式会社リコー 電子写真感光体、及び画像形成方法、画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジ
JP4071653B2 (ja) * 2003-03-04 2008-04-02 株式会社リコー 電子写真感光体、及び画像形成方法、画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジ、電子写真感光体製造方法
US7175957B2 (en) * 2003-03-20 2007-02-13 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor, and image forming process, image forming apparatus and process cartridge for an image forming apparatus using the same
US7179573B2 (en) * 2003-03-20 2007-02-20 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor, and image forming process, image forming apparatus and process cartridge for an image forming apparatus using the same
US7381511B2 (en) * 2003-06-02 2008-06-03 Ricoh Company, Ltd. Photoreceptor, image forming method and image forming apparatus using the photoreceptor, process cartridge using the photoreceptor and coating liquid for the photoreceptor
JP4281461B2 (ja) 2003-08-08 2009-06-17 株式会社吉野工業所 二重容器及び二重容器の成形方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20050287465A1 (en) 2005-12-29
JP2006011079A (ja) 2006-01-12
US7662533B2 (en) 2010-02-16
CN1885180B (zh) 2010-06-02
CN1885180A (zh) 2006-12-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4189923B2 (ja) 画像形成方法及びこれを用いた画像形成装置、プロセスカートリッジ
JP4668853B2 (ja) 電子写真感光体、並びにこれを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジ
US7862969B2 (en) Image bearing member and image forming method using thereof, and image forming apparatus and process cartridge
US7550238B2 (en) Process cartridge, image forming apparatus, and image forming process
JP4597837B2 (ja) 画像形成方法、画像形成装置及び電子写真用カートリッジ
US20060093955A1 (en) Image forming method, and image forming apparatus and process cartridge using the image forming method
US20060068308A1 (en) Image forming process, image forming apparatus, and process cartridge
JP4440073B2 (ja) 静電潜像担持体及びプロセスカートリッジ、並びに、画像形成装置及び画像形成方法
JP2009156902A (ja) 高速のフルカラー画像形成方法、画像形成装置及びトナー
JP4526032B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法及び画像形成装置用プロセスカートリッジ
JP5391672B2 (ja) 有機感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP4485419B2 (ja) 静電潜像担持体及びプロセスカートリッジ、並びに画像形成装置及び画像形成方法
JP4886483B2 (ja) 静電潜像担持体、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP4440175B2 (ja) 静電潜像担持体及びその製造方法、並びに画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP2009193016A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP4711889B2 (ja) 電子写真感光体及びその製造方法、並びに画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2006227178A (ja) 画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP5644051B2 (ja) 有機感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP4440176B2 (ja) 静電潜像担持体及びその製造方法、並びに画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP2006010972A (ja) 像担持体及びプロセスカートリッジ、並びに画像形成装置及び画像形成方法
JP2010164952A (ja) 電子写真感光体と画像形成装置
JP2007147914A (ja) 画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP2005157026A (ja) 画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2012118400A (ja) 画像形成装置
JP6005329B2 (ja) 有機感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060726

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080617

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080807

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080909

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080910

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110926

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110926

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120926

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130926

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees