JP2010164952A - 電子写真感光体と画像形成装置 - Google Patents

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俊行 藤田
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Abstract

【課題】表面層の硬度が高く、しかも均一なものとし、感光体表面に傷が付かず、減耗量が少なく、かつ画像ボケ等を起こさない、長期間の使用に耐える電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】導電性支持体上に感光層、表面層を順次積層してなる電子写真感光体において、該表面層が、少なくともメタクリロイル基を有する化合物で表面処理された金属酸化物粒子を含有する組成物を硬化反応させて形成され、硬化後の該表面層の赤外吸収スペクトルにおける1610〜1640cm−1のピーク値(Tac)と1700〜1800cm−1(Tcb)のピーク値が下記式1の範囲を満たすことを特徴とする電子写真感光体。
式1・・・・1.0≦(Tac/Tcb)×100≦20
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置に関するものである。
電子写真感光体(以下、単に感光体ともいう)における重合性モノマーより形成された表面層(通常は保護層)は、機械的強度の向上や適度な弾性を保持させるために用いられている。そして、機械的強度を更に向上させ、かつ導電性を保持させるために導電性粒子、中でも金属酸化物粒子(フィラー)を表面層中に含有させることが行われている。
又、電子写真感光体に用いられている熱可塑性樹脂の表面層は、高温高湿環境下において十分な転写性を得にくかったり、長い期間の使用によりキズが入りハーフトーン画像部等に、ムラを生じたりすることが多かった。この課題に対する解決策としては、より硬度の高い表面層を設置した感光体の検討が行われたが、十分な効果が得られなかった。
そこで、電子写真感光体の表面層に、金属酸化物粒子を含有させ、かつ、重合性モノマーとして、光又は熱によって架橋させ3次元構造となる様に重合させることが、検討されてきた(特許文献1)。
しかしながら、そのフィラーの分散状態を制御することは難しく、重合性モノマーの重合時、または溶媒乾燥時にフィラーが凝集してしまい、不均一にフィラーが分散した状態で硬化してしまう傾向があった。これらの対策として、金属酸化物粒子表面に反応性基を付与することで、塗布直後の最も分散性が高い状態で硬化させることにより、金属酸化物粒子が均一に分散した表面層を得ることができる。
この対応策の具体化例として、電子写真感光体の表面層が、反応性アクリル基またはメタクリル基を有する硬化型アクリル系モノマーまたはオリゴマーが重合することにより形成され、かつ金属酸化物粒子も反応性アクリル基またはメタクリル基を有するカップリング剤により、表面処理されている構成を有する発明がある(特許文献2及び3)。
しかしながら、架橋反応の起こらない部位が生じると、画像流れを生じる等なお問題を生じ、しかも、その部分の耐傷性が弱いため長い間の使用により摩耗やキズを生じ、そこから劣化が起こって、なお十分な特性を得られないのが現状である。
特開2000−267324号公報 特開平11−95473号公報 特開平11−95474号公報
本発明は上記課題を解決するためになされた。
即ち、本発明の目的は表面層の硬度が高く、しかも均一なものとし、感光体表面に傷が付かず、減耗量が少なく、かつ画像ボケ等を起こさない、長期間の使用に耐える電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置を提供することにある。
本発明者等は鋭意検討した結果、本発明の目的は、下記構成を採ることにより達成できることがわかった。
(1)
導電性支持体上に感光層、表面層を順次積層してなる電子写真感光体において、該表面層が、少なくともメタクリロイル基を有する化合物で表面処理された金属酸化物粒子を含有する組成物を硬化反応させて形成され、硬化後の該表面層の赤外吸収スペクトルにおける1610〜1640cm−1のピーク値(Tac)と1700〜1800cm−1(Tcb)のピーク値が下記式1の範囲を満たすことを特徴とする電子写真感光体。
式1・・・・1.0≦(Tac/Tcb)×100≦20
(2)
前記式1中の(Tac/Tcb)×100が、下記式2の範囲を満たすことを特徴とする(1)記載の電子写真感光体。
式2・・・・1.0≦(Tac/Tcb)×100≦10
(3)
前記金属酸化物粒子が酸化チタン、アルミナのいずれかであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の電子写真感光体。
(4)
前記組成物には前記金属酸化物粒子と、少なくとも硬化性の化合物が含有されていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
(5)
前記硬化性の化合物がアクリロイル基とメタクリロイル基のいずれかを有する化合物であることを特徴とする(4)に記載の電子写真感光体。
(6)
前記メタクリロイル基を有する化合物が、下記一般式(1)で表されるシラン化合物であることを特徴とする(1)に記載の電子写真感光体。
Figure 2010164952
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアラルキル基、Rは反応性アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する有機基、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基を示し、nは1〜3の整数である。)
(7)
(1)〜(6)の何れか1項に記載の電子写真感光体を用い、少なくとも帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする画像形成装置。
本発明により、表面層の硬度が高く、しかも均一なものとし、感光体表面に傷が付かず、減耗量が少なく、かつ画像ボケ等を起こさない、長期間の使用に耐える電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置を提供することができる。
本発明の画像形成装置の機能が組み込まれた概略図。 本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図。 本発明に関する赤外吸収スペクトル図の一例。
本発明につき更に説明する。
本発明の構成は、導電性支持体上に感光層、表面層を順次積層してなる電子写真感光体において、該表面層が、少なくともメタクリロイル基を有する化合物で表面処理された金属酸化物粒子を含有する組成物を硬化反応させて形成され、硬化後の該表面層の赤外吸収スペクトルにおける1610〜1640cm−1のピーク値(Tac)と1700〜1800cm−1(Tcb)のピーク値が下記式1の範囲を満たす電子写真感光体であり、更に好ましくは、下記式2の範囲を満たす電子写真感光体である。
式1・・・・1.0≦(Tac/Tcb)×100≦20
式2・・・・1.0≦(Tac/Tcb)×100≦10
少なくとも反応性基を有する金属酸化物粒子と、必要により該反応性基と化学結合を形成可能な重合性基を有する化合物とを反応させて得られる組成物からなる表面層を有する電子写真感光体であり、該電子写真感光体を用いた画像形成装置である。
本発明の目的が、上記構成により達成される理由については、次の様に考えられる。
まず、金属酸化物粒子を表面処理する必要性については、金属酸化物を組成物の塗布液中に均一に分散させ、組成物液を安定にし、塗布後も乾燥・硬化するまで、その分散状態を保つ役割をはたさせるためであろう。それには、ある程度の粘度と、金属酸化物粒子を分散状態に保つ分散力といったものが必要である。恐らくこれを適度に有した状態に保つことができるのが、メタクリロイル基を有する化合物なのであろう。そして恐らく、乾燥・硬化後の表面層中では、メタクリロイル基を有する化合物が金属酸化物粒子を包み込むように保持するため、あまりに極端に硬い膜とは成らず、ある程度は弾性を有する膜が形成されると考えられる。このためには、反応性が極端に高くないことも重要で、これにより恐らく乾燥・硬化後の表面層内は反応点が均一で余り内部応力の高くない膜となるのであろう。
上記条件を満たす感光体表面層であるためには、均一に分布した金属酸化物粒子に表面処理されているメタクリロイル基を有する化合物が、十分に互いに反応している必要がある。それが成されていることを示すのが、硬化後の該表面層の赤外吸収スペクトルにおける1610〜1640cm−1のピーク値(Tac)と1700〜1800cm−1(Tcb)のピーク値が下記式1の範囲を満たすものなのであろう。
式1・・・・1.0≦(Tac/Tcb)×100≦20
後記する様に、上記の条件にするための表面層硬化の手段は、電子線を用いるのが望ましい。
Tac、Tcbは、それぞれC=C結合、C=O結合の振動に対応した吸収ピークであり、硬化の過程で結合が変化しないTcbを基準としたTac(すなわちTac/Tcb)は、硬化の度合いを示す物性値と考えている。
(Tac/Tcb)×100を上記式1の範囲にすることで硬化が十分進行し、強度が高く、ガスの攻撃にも強く、画像ボケの発生がない電子写真感光体を得ることができる。
なお、未反応のC=C結合が残っていると、表面層の膜強度が低下することは予想されるが、それ以上に重要なのは、その部位にNOxやHOが吸着し易く、感光体保管中や画像形成中にその部分の表面層や感光層を劣化させ、感光体の劣化を促進する原因をつくることである。
〔赤外吸収スペクトルの測定〕
赤外吸収スペクトルの測定は、例えば日本分光社製Janssen型顕微フーリエ変換赤外分光光度計を用いて測定することができる。
測定には電子写真感光体上の表面層(保護層)のみ塗布された試料、或いは、市販の感光体より表面層を削り取り、膜厚3μm程度の箇所を測定する。
測定は波長4000cm−1から660cm−1の範囲を測定し、そのスペクトル図より1700cm−1〜1800cm−1間のピーク値と1610cm−1〜1640cm−1間のピーク値を決定する。
本発明に関する表面層のスペクトル図の一例を図3に示す。
前記ピーク値とは、上記範囲内で最も吸収の高い位置における値をいう。
以下、本発明に用いられる化合物、表面層の作製方法、感光体の構成、作製方法或いは画像形成装置等をさらに説明する。
〔金属酸化物粒子〕
本発明に用いられる金属酸化物粒子の組成は、特に限定はないが、酸化チタン(TiO)、アルミナ(Al)、酸化亜鉛(ZnO)酸化錫(SnO)が好ましく、特には酸化チタン(TiO)、アルミナ(Al)が好ましい。
本発明に用いられる金属酸化物粒子の数平均一次粒径は1〜300nmの範囲が好ましい。特に好ましくは3〜100nmである。左記の粒径よりあまりに小さい場合は耐摩耗性が十分でなく、また粒径があまりに大きい場合には書き込み光を散乱させたり、粒子が光硬化を阻害し耐摩耗性が十分でなく成る可能性がある。
上記金属酸化物粒子の数平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(日本電子製)により10000倍の拡大写真を撮影し、ランダムに300個の粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除いた)を自動画像処理解析装置LUZEX AP((株)ニレコ)ソフトウェアバージョン Ver.1.32を使用して数平均一次粒径を算出することができる。
又、表面層中の金属酸化物粒子の割合は、表面層中の硬化性化合物100質量部に対して1〜200質量部、好ましくは30〜120質量部がよい。
〔メタクリロイル基を有する化合物〕
本発明に用いられるメタクリロイル基を有する化合物は、反応性のメタクリロイル基を有する形で、金属酸化物粒子に表面処理されうるものであればよく、それ以外には特に限定はない。
本発明で用いられるメタクリロイル基を有する化合物は、例えば、下記一般式(1)として表される化合物を用いることができる。
Figure 2010164952
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアラルキル基、Rは反応性アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する有機基、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基を示し、nは1〜3の整数である。)
その代表的なものとしては、例えば、下記の如きシラン化合物がある。
S−1 CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−2 CH=C(CH)COO(CHSi(OC
S−3 CH=C(CH)COO(CH)Si(OCH
S−4 CH=C(CH)COO(CH)Si(OC
S−5 CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−6 CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OC
S−7 CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−8 CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−9 CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−10 CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−11 CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−12 CH=C(CH)COOSi(OCH
S−13 CH=C(CH)COOSi(OC
これらのシラン化合物は単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
〔メタクリロイル基を有する化合物にての金属酸化物粒子の表面処理法〕
本発明に係わるメタクリロイル基を有する化合物にて表面処理した金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子を上記S−1〜S−13の如きシラン化合物を用いて表面処理することにより、得ることが出来る。該表面処理するに際し、金属酸化物粒子100質量部に対し、シラン化合物を表面処理剤として0.1〜100質量部、溶媒50〜5000質量部を用いて湿式メディア分散型装置を使用して処理することが好ましい。
以下に、均一でしかもより微細にシラン化合物で表面処理された金属酸化物粒子を製造する表面処理方法の例を記載する。
即ち、金属酸化物粒子とシラン化合物を含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式粉砕することにより、金属酸化物粒子を微細化すると同時に金属酸化物粒子の表面処理が進行する。その後、溶媒を除去して粉体化するので、均一でしかもより微細なシラン化合物により表面処理された金属酸化物粒子を得ることができる。
本発明において用いられる表面処理装置である湿式メディア分散型装置とは、容器内にメディアとしてビーズを充填し、さらに回転軸と垂直に取り付けられた撹拌ディスクを高速回転させることにより、金属酸化物の凝集粒子を砕いて粉砕・分散する工程を有する装置であり、その構成としては、金属酸化物粒子に表面処理を行う際に金属酸化物粒子を十分に分散させ、かつ表面処理できる形式であれば問題なく、たとえば、縦型・横型、連続式・回分式など、種々の様式が採用できる。具体的にはサンドミル、ウルトラビスコミル、パールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミル、ダイナミックミル等が使用できる。これらの分散型装置は、ボール、ビーズ等の粉砕媒体(メディア)を使用して衝撃圧壊、摩擦、専断、ズリ応力等により微粉砕、分散が行われる。
上記サンドグラインダーミルで用いるビーズとしては、ガラス、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、スチール、フリント石などを原材料としたボールが使用可能であるが、特にジルコニア製やジルコン製のものが好ましい。また、ビーズの大きさとしては、通常、直径1〜2mm程度のものを使用するが、本発明では0.3〜1.0mm程度のものを用いるのが好ましい。
湿式メディア分散型装置に使用するディスクや容器内壁には、ステンレス製、ナイロン製、セラミック製など種々の素材のものが使用できるが、本発明では特にジルコニアまたはシリコンカーバイドといったセラミック製のディスクや容器内壁が好ましい。
以上のような湿式処理により、金属酸化物粒子のシラン化合物による表面処理により、メタクリロイル基を有する金属酸化物粒子を得ることができる。
上記のメタクリロイル基を有する金属酸化物粒子は、以下に記す本発明に係わる重合性基を有する化合物との反応により表面層を形成するのが好ましい。
〔硬化性の化合物〕
本発明の硬化性の化合物とは、金属酸化物粒子のメタクリロイル基や、自分自身の反応性基と反応して硬化する重合性を有する化合物を意味し、具体的には、炭素=炭素二重結合を有する各種化合物や環状エーテル構造を有するエポキシ化合物、オキセタン化合物を用いることが出来る。
上記硬化性の化合物および金属酸化物粒子の表面処理に用いたメタクリロイル基を有する化合物は、電子線等の活性線照射により重合(硬化)して、樹脂となるモノマーが好適であり、ラジカル重合性モノマーでは特に、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタアクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、N−ビニルピロリドン系モノマーが好ましい。中でも、少ない光量あるいは短い時間での硬化が可能であることからアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する硬化性化合物が特に好ましい。
また、カチオン重合性モノマーでは特にエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられるが、オキセタン化合物が好ましい。
本発明においては、これら本発明に係わる硬化性化合物を単独で用いても、混合して用いてもよい。
以下に本発明に係わる硬化性化合物の例を示す。
本発明においてアクリル系化合物とは、アクリロイル基(CH=CHCO−)またはメタクリロイル基(CH=CCHCO−)を有する化合物である。また、以下にいうAc基数(アクリロイル基数)とはアクリロイル基またはメタクリロイル基の数を表す。
Figure 2010164952
Figure 2010164952
Figure 2010164952
Figure 2010164952
Figure 2010164952
Figure 2010164952
Figure 2010164952
但し、上記においてR及びR′はそれぞれ下記で示される。
Figure 2010164952
また、好ましいオキセタン化合物の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる化合物はこれらに限定されない。
Figure 2010164952
Figure 2010164952
エポキシ化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシドを挙げることができる。
本発明においては、硬化性の化合物は官能基が2以上であること好ましく、4以上が特に好ましい。
特に官能基としてメタクリロイル基を有するものが好ましい。
尚、本発明においては、分子量に対する官能基数(官能基密度)の異なる2種類以上の硬化性化合物を混合して使用してもよい。
〔上記以外の添加剤、その他〕
表面層は、上記金属酸化物粒子及び硬化性化合物の他に、必要に応じて重合開始剤、滑剤粒子及び酸化防止剤等を配合した塗布液を塗布し、反応させて硬化膜を形成できる。
本発明の硬化性化合物を反応させる際には、電子線開裂で反応する方法が用いられるが、重合開始剤、即ち光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれかを併用することもできる。無論、光、熱の両方の開始剤を併用することもできる。
本発明の表面層を形成するには、表面層の塗布液(上記組成物)を感光層上に塗布した後、塗膜の流動性が無くなる程度まで1次乾燥した後、電子線を照射して表面層を硬化し、更に塗膜中の揮発性物質の量を規定量にするため2次乾燥を行って作製する方法が好ましい。
表面層の塗布方法は、感光体全体を表面層塗布液に浸漬する浸漬塗布は、重合開始剤等の下層への拡散を増大させるので、表面層の下の感光層の膜を極力溶解させないため、円形量規制型(円形スライドホッパー型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
又、本発明の表面層には、さらに各種の電荷輸送物質を含有させることも出来る。
本発明に用いる表面層において、各種の滑剤粒子を加えることもできる。例えば、フッ素原子含有樹脂粒子を加えることができる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。表面層中の滑剤粒子の割合は、アクリル系樹脂100質量部に対して、好ましくは5〜70質量部、より好ましくは10〜60質量%である。滑剤粒子の粒径は、平均一次粒径が0.01μm〜1μmのものが好ましい。特に好ましくは、0.05μm〜0.5μmのものである。樹脂の分子量は適宜選択することができ、特に制限されるものではない。
表面層を形成するための溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール、ベンジルアルコール、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の表面層は、塗布後、自然乾燥または熱乾燥を行った後、電子線を照射して反応させることが好ましい。
塗布方法は、中間層、感光層と同様の、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法などの公知の方法を用いることができる。
本発明の感光体は、塗膜に活性線を照射してラジカルを発生して重合し、かつ分子間及び分子内で架橋反応による架橋結合を形成して硬化し、硬化樹脂を生成することが好ましい。活性線としては電子線が特に好ましい。
電子線源としては、電子線照射装置に格別の制限はなく、一般にはこのような電子線照射用の電子線加速機として、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式のものが有効に用いられる。電子線照射の際の加速電圧は、100〜300kVであることが好ましい。吸収線量としては、0.5〜10Mradであることが好ましい。
必要な活性線の照射量を得るための照射時間としては、0.1秒〜10分が好ましく、作業効率の観点から0.1秒〜5分がより好ましい。
活性線としては、電子線の使用がエネルギーが高く、硬化反応が十分に進むため特に好ましい。
本発明の感光体は、活性線を照射する前後、及び活性線を照射中に乾燥を行うことができ、乾燥を行うタイミングはこれらを組み合わせて適宜選択できる。
乾燥の条件は、溶媒の種類、膜厚などによって適宜選択できる。乾燥温度は、好ましくは室温〜180℃であり、特に好ましくは80℃〜140℃である。乾燥時間は、好ましくは1分〜200分であり、特に好ましくは5分〜100分である。
表面層の膜厚は好ましくは0.2〜10μmであり、より好ましくは0.5〜6μmである。
〔導電性支持体〕
本発明で用いる支持体は導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化亜鉛などをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
〔中間層〕
本発明においては、導電層と感光層の中間にバリアー機能と接着機能をもつ中間層を設けることもできる。
中間層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、ポリウレタン及びゼラチンなどのバインダー樹脂を公知の溶媒に溶解し、浸漬塗布などによって形成できる。中でもアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。
中間層に使用する溶媒としては、無機粒子を良好に分散し、ポリアミド樹脂を溶解するものが好ましい。具体的には、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が、ポリアミド樹脂の溶解性と塗布性能に優れ好ましい。また、保存性、粒子の分散性を向上するために、前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
バインダー樹脂の濃度は、中間層の膜厚や生産速度に合わせて適宜選択される。
無機粒子などを分散したと時のバインダー樹脂に対する無機粒子の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して無機粒子20〜400質量部が好ましく、さらに好ましくは50〜200部である。
無機粒子の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー及びホモミキサー等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
中間層の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
中間層の膜厚は、0.1〜15μmが好ましく、0.3〜10μmがより好ましい。
〔感光層〕
特に限定はないが、電荷発生層と電荷輸送層を有するいわゆる積層型の感光層が好ましい。
(電荷発生層)
本発明に用いられる電荷発生層は、電荷発生物質とバインダー樹脂を含有し、電荷発生物質をバインダー樹脂溶液中に分散、塗布して形成したものが好ましい。
電荷発生物質は、スーダンレッド及びダイアンブルーなどのアゾ原料、ビレンキノン及びアントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの電荷発生物質は単独、もしくは公知の樹脂中に分散する形態で使用することができる。
電荷発生層のバインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、並びにこれらの樹脂の内2つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)及びポリ−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生層の形成は、バインダー樹脂を溶剤で溶解した溶液中に分散機を用いて電荷発生物質を分散して塗布液を調製し、塗布液を塗布機で一定の膜厚に塗布し、塗布膜を乾燥して作製することが好ましい。
電荷発生層に使用するバインダー樹脂を溶解し塗布するための溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生物質の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー及びホモミキサー等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
バインダー樹脂に対する電荷発生物質の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質1〜600質量部が好ましく、さらに好ましくは50〜500部である。電荷発生層の膜厚は、電荷発生物質の特性、バインダー樹脂の特性及び混合割合等により異なるが好ましくは0.01〜5μm、より好ましくは0.05〜3μmである。なお、電荷発生層用の塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。前記顔料を真空蒸着することによって形成すこともできる。
(電荷輸送層)
本発明の感光層に用いられる電荷輸送層は、電荷輸送物質とバインダー樹脂を含有し、電荷輸送物質をバインダー樹脂溶液中に溶解、塗布して形成される。
電荷輸送物質は、例えば、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン及びポリ−9−ビニルアントラセン等を2種以上混合して使用してもよい。
電荷輸送物質(CTM)としては、N原子の原子量比が4.5%未満の電荷輸送物質を用いることが好ましい。該電荷輸送物質の基本構造としては、トリフェニルアミン誘導体、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができるが、中でも、スチリル系化合物が好ましい。
電荷輸送層用のバインダー樹脂は、公知の樹脂を用いることができ、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂及びスチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂等が挙げられるが、ポリカーボネートが好ましい。更にはBPA、BPZ、ジメチルBPA、BPA−ジメチルBPA共重合体等が耐クラック、耐磨耗性、帯電特性の点で好ましい。
電荷輸送層の形成は、バインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解して塗布液を調製し、塗布液を塗布機で一定の膜厚に塗布し、塗布膜を乾燥して作製することが好ましい。
上記バインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解するための溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
バインダー樹脂に対する電荷輸送物質の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送物質10〜500質量部が好ましく、さらに好ましくは20〜100質量部である。
電荷輸送層の膜厚は、電荷輸送物質の特性、バインダー樹脂の特性及び混合割合等により異なるが好ましくは5〜40μmで、さらに好ましくは10〜30μmである。
電荷輸送層中には酸化防止剤、電子導電剤、安定剤等を添加してもよい。酸化防止剤については特願平11−200135号、電子導電剤は特開昭50−137543号、同58−76483号等に記載のものがよい。
〔画像形成装置〕
次に、本発明の有機感光体を用いた画像形成装置について説明する。
図1に示す画像形成装置1は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B、画像形成部C、転写紙搬送手段としての転写紙搬送部Dから構成されている。
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルター処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周に、該感光体21を帯電させる帯電手段(帯電工程)22、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段(現像工程)23、転写手段(転写工程)である転写搬送ベルト装置45、前記感光体21のクリーニング装置(クリーニング工程)26及び光除電手段(光除電工程)としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。また、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21には、本発明に係わる有機感光体を使用し、図示の時計方向に駆動回転される。
回転する感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、像露光手段(像露光工程)30としての露光光学系により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である像露光手段30としての露光光学系は図示しないレーザダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体21に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって静電潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い静電潜像が形成される。
本発明の画像形成装置においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、発振波長が350〜800nmの半導体レーザ又は発光ダイオードを像露光光源として用いることが好ましい。これらの像露光光源を用いて、書込みの主査方向の露光ドット径を10〜100μmに絞り込み、有機感光体上にデジタル露光を行うことにより、400dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)以上から2500dpiの高解像度の電子写真画像をうることができる。
前記露光ドット径とは該露光ビームの強度がピーク強度の1/e以上の領域の主走査方向にそった露光ビームの長さ(Ld:長さが最大位置で測定する)を云う。
用いられる光ビームとしては半導体レーザを用いた走査光学系及びLEDの固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e以上の領域を本発明に係わる露光ドット径とする。
感光体21上の静電潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。
転写紙搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写紙Pが収納された転写紙収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、それらの何れかから選択された転写紙Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される転写紙Pの傾きと偏りの修正を行う対の給紙レジストローラ44によって転写紙Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24及び分離極25によって転写搬送ベルト装置45の転写搬送ベルト454に載置搬送されながら転写紙Pに転写され、該転写紙Pは感光体21面より分離し、転写搬送ベルト装置45により定着手段50に搬送される。
定着手段50は定着ローラ51と加圧ローラ52とを有しており、転写紙Pを定着ローラ51と加圧ローラ52との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを定着させる。トナー画像の定着を終えた転写紙Pは排紙トレイ64上に排出される。
以上は転写紙の片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、転写紙案内部177が開放され、転写紙Pは破線矢印の方向に搬送される。
更に、搬送機構178により転写紙Pは下方に搬送され、転写紙反転部179によりスイッチバックさせられ、転写紙Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
転写紙Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で転写紙Pを再給紙し、転写紙Pを搬送路40に案内する。
再び、上述したように感光体21方向に転写紙Pを搬送し、転写紙Pの裏面にトナー画像を転写し、定着手段50で定着した後、排紙トレイ64に排紙する。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
図2は、本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段5Y、5M、5C、5Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段5Y、あるいは、クリーニングブレード5Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザ光学系などが用いられる。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。ここで、「一体に支持して」とは、プロセスカートリッジの着脱時に、プロセスカートリッジ単位で、1つの塊として、取り付けたり、外したりできることを意味する。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写紙Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写紙P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写紙Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体と云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写紙Pにカラー画像を転写した後、転写紙Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写紙Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
次に図3は本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置(少なくとも有機感光体の周辺に帯電手段、露光手段、複数の現像手段、転写手段、クリーニング手段及び中間転写体を有する複写機あるいはレーザビームプリンター)の構成断面図である。ベルト状の中間転写体70は中程度の抵抗の弾性体を使用している。
1は像形成体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体であり、矢示の反時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
感光体1は回転過程で、帯電手段(帯電工程)2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段(像露光工程)3により画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームによる走査露光光等による画像露光を受けることにより目的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像(色情報)に対応した静電潜像が形成される。
次いで、その静電潜像がイエロー(Y)の現像手段:現像工程(イエロー色現像器)4Yにより第1色であるイエロートナーにより現像される。この時第2〜第4の現像手段(マゼンタ色現像器、シアン色現像器、ブラック色現像器)4M、4C、4Bkの各現像器は作動オフになっていて感光体1には作用せず、上記第1色目のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
中間転写体70はローラ71、72、73、74、76で張架されて時計方向に感光体1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光体1上に形成担持された上記第1色目のイエロートナー画像が、感光体1と中間転写体70とのニップ部を通過する過程で、一次転写ローラ5aから中間転写体70に印加される一次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体70の外周面に順次中間転写(一次転写)されていく。
中間転写体70に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体1の表面は、クリーニング装置6Yにより清掃される。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のクロ(ブラック)トナー画像が順次中間転写体70上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した重ね合わせカラートナー画像が形成される。
二次転写ローラ5bで、二次転写対向ローラ74に対応し平行に軸受させて中間転写体70の下面部に離間可能な状態に配設してある。
感光体1から中間転写体70への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための一次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2kVの範囲である。
感光体1から中間転写体70への第1〜第3色のトナー画像の一次転写工程において、二次転写ローラ5b及び中間転写体クリーニング手段6bは中間転写体70から離間することも可能である。
ベルト状の中間転写体70上に転写された重ね合わせカラートナー画像の第2の画像担持体である転写紙Pへの転写は、二次転写ローラ5bが中間転写体70のベルトに当接されると共に、対の給紙レジストローラ23から転写紙ガイドを通って、中間転写体70のベルトに二次転写ローラ5bとの当接ニップに所定のタイミングで転写紙Pが給送される。二次転写バイアスがバイアス電源から二次転写ローラ5bに印加される。この二次転写バイアスにより中間転写体70から第2の画像担持体である転写紙Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写(二次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写紙Pは定着手段24へ導入され加熱定着される。
〔現像用トナー及び現像剤〕
本発明の有機感光体上に形成された静電潜像は現像によりトナー像として顕像化される。現像に用いられるトナーは、粉砕トナーでも、重合トナーでもよいが、本発明に係わるトナーとしては、安定した粒度分布を得られる観点から、重合法で作製できる重合トナーが好ましい。
重合トナーとはトナー形状がバインダー樹脂の原料モノマーの重合と、必要によりその後の化学的処理により形成されるトナーを意味する。より具体的には懸濁重合、乳化重合等の重合反応と、必要によりその後に行われる粒子同士の融着工程を経て形成されるトナーを意味する。
なお、トナーの体積平均粒径、即ち、50%体積粒径(Dv50)は2.0〜9.0μm、より好ましくは3.0〜7.0μmであることが望ましい。この範囲とすることにより、解像度を高くすることができる。さらに上記の範囲と組み合わせることにより、小粒径トナーでありながら、微細な粒径のトナーの存在量を少なくすることができ、長期に亘ってドット画像の再現性が改善され、鮮鋭性の良好な、安定した画像を形成することができる。
本発明の現像用トナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよい。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものがあげられ、いずれも使用することができる。
又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることが出来る。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜80μmのものがよい。
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
本発明の電子写真感光体と画像形成装置は、電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。尚、下記文中「部」とは「質量部」を表す。
感光体1の作製
下記の様に感光体1を作製した。
円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、表面粗さRz=1.5(μm)の導電性支持体を用意した。
〈中間層〉
下記組成の中間層塗布液を作製した。
ポリアミド樹脂X1010(ダイセルデグサ株式会社製) 1.0部
酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製) 1.1部
エタノール 20部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
上記塗布液を用いて前記支持体上に、110℃で20分乾燥後の膜厚2μmとなるよう浸漬塗布法で塗布した。
〈電荷発生層〉
電荷発生物質:チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有する) 20部
ポリビニルブチラール樹脂(#6000−C:電気化学工業社製) 10部
酢酸t−ブチル 700部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300部
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
〈電荷輸送層〉
電荷輸送物質:CTM(下記化合物A) 150部
バインダー:ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(Irganox1010:チバ・ジャパン社製) 6.0部
トルエン/テトラヒドロフラン=1/9体積% 2000部
シリコンオイル(KF−54:信越化学社製) 1.0部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法を用いて、110℃で60分乾燥後膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 2010164952
〈表面層〉
(メタクリロイル基を有する化合物で処理した金属酸化物粒子の準備)
数平均一次粒径6nmの酸化チタン粒子100質量部、表面処理剤として「例示化合物S−1」30質量部、メチルエチルケトン1000質量部を湿式サンドミル(径0.5mmのアルミナビーズ)に入れ、30℃にて6時間混合、その後、メチルエチルケトンとアルミナビーズを濾別し、60℃にて乾燥しメタクリロイル基を有する化合物で処理した酸化チタン粒子を調製した。
酸化チタン粒子 100部
硬化性化合物(下記「表1」記載化合物M−1) 100部
イソプロピルアルコール 500部
上記成分をサンドミルにて10時間分散した。
該塗布液を先に電荷輸送層まで作製した感光体上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、表面層を塗布した。塗布後、室温で20分乾燥後(溶媒乾燥工程)、100mmの位置で感光体を回転させながら電子線を照射して(電子線硬化工程)、膜厚3μmの表面層を得た。
感光体2〜17の作製
感光体1の表面層に使用する材料、硬化条件を「表1」のように変更した以外は、同様にして感光体2〜17を作製した。
(比較用感光体の作製)
感光体18(未反応性表面処理した金属酸化物粒子)
感光体1の作製において、表面層中の酸化チタン粒子の表面処理をメタクリロキシプロピルトリメトキシシランからイソブチルトリメトキシシランに変更した以外は、感光体1と同様にして感光体18を作製した。
感光体19(反応性表面処理でメタクリレート以外のもので表面処理した金属酸化物粒子)
感光体1の作製において、表面層中の酸化チタンの表面処理剤に、メタクリロキシプロピルトリメトキシシランからビニルエトキシシランに変更したこと以外は感光体1と同様にして感光体19を作製した。
感光体20(酸化チタンなし、硬化性化合物単独)
感光体1の作製において、表面層中の酸化チタン粒子を除いた以外は、感光体1と同様にして感光体20を作製した。
感光体21(紫外線を用いて硬化)
感光体1の作製において、硬化時に紫外線(500w、1分間)を使用したこと以外は、感光体1と同様にして感光体21を作製した。
〔赤外吸収スペクトルの測定方法〕
赤外吸収スペクトルの測定は日本分光社製Janssen型顕微フーリエ変換赤外分光光度計を用いた。測定は感光体上の表面層のみ塗布された膜厚3μm程度の箇所を測定し、渦電流式膜厚計で測定した膜厚の実測値を用いて規格化した。また、測定は4000cm−1から660cm−1の範囲を測定し、1700cm−1〜1800cm−1間のピーク値と1610cm−1〜1640cm−1間のピーク値を決定した。
〔感光体の評価〕
(表面傷)
作製した各感光体を下記のように評価した。
感光体をコニカミノルタビジネステクノロジーズ社製bizhub PRO C6500(レーザー露光・反転現像・中間転写体のタンデムカラー複合機)を評価が行えるように改造し、露光量を適正化した評価機に搭載し、(20℃、50%RH)でY、M、C、Bk各色印字率2.5%のA4画像を、中性紙に100万枚印刷出力後に感光体の表面状態及びハーフトーン画像(マクベス濃度計で相対反射濃度0.4)を観察し、傷の状態を評価した。なお、ハーフトーン画像の評価はシアン画像にて行った。
◎:100万枚印字後の感光体表面に傷なく、ハーフトーン画像もスジ発生なし。(良好)
○:100万枚印字後に感光体表面に弱い傷が発生しているが、ハーフトーン画像にはスジ発生なし。(実用上問題なし)
×:100万枚印字後に感光体表面にはっきりした傷が発生しており、ハーフトーン画像にもスジ発生あり。(実用上問題有り)。
(感光体の減耗量)
上記評価で100万の画出しを行い、初期膜厚と100万枚後の膜厚さで評価した。感光層の膜厚は均一膜厚部分(感光体の両端は膜厚が不均一になりやすいので、少なくとの両端3cmは除く)をランダムに10ケ所測定し、その平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行い、実写試験前後の感光層膜厚の差を膜厚減耗量とする。
◎:減耗量が 1μm以下(良好)
○:減耗量が 1μm〜3μm(実用上問題なし)
×:減耗量が 3μmより大きい(実用上問題有り)。
(画像ボケ)
環境条件を30℃、80%RHに変更した以外は、表面傷の評価条件でA4画像を中性紙に2.5万枚の印刷を行い、印刷終了後60秒で実機の主電源を停止した。停止12時間後に電源を入れ印字可能状態になった後直ちにA3中性紙全面にハーフトーン画像(マクベス濃度計で相対反射濃度0.4)とA3全面の6dot格子画像を印字した。印字画像の状態を観察し以下の評価を行った。
◎:ハーフトーン、格子画像とも画像ボケ発生なし(良好)
○:ハーフトーン画像のみに感光体長軸方向の薄い帯状濃度低下が認められる(実用上問題なし)
×:画像ボケによる格子画像の欠損もしくは線幅の細りが発生(実用上問題有り)
評価結果を下記「表1」にまとめた。
Figure 2010164952
表1から明らかなごとく、本発明内の感光体1〜17は何れの特性も良好であるが、本発明外の感光体18〜21は、少なくともいずれかの特性に問題があることがわかる。
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段

Claims (7)

  1. 導電性支持体上に感光層、表面層を順次積層してなる電子写真感光体において、該表面層が、少なくともメタクリロイル基を有する化合物で表面処理された金属酸化物粒子を含有する組成物を硬化反応させて形成され、硬化後の該表面層の赤外吸収スペクトルにおける1610〜1640cm−1のピーク値(Tac)と1700〜1800cm−1(Tcb)のピーク値が下記式1の範囲を満たすことを特徴とする電子写真感光体。
    式1・・・・1.0≦(Tac/Tcb)×100≦20
  2. 前記式1中の(Tac/Tcb)×100が、下記式2の範囲を満たすことを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
    式2・・・・1.0≦(Tac/Tcb)×100≦10
  3. 前記金属酸化物粒子が酸化チタン、アルミナのいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記組成物には前記金属酸化物粒子と、少なくとも硬化性の化合物が含有されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記硬化性の化合物がアクリロイル基とメタクリロイル基のいずれかを有する化合物であることを特徴とする請求項4に記載の電子写真感光体。
  6. 前記メタクリロイル基を有する化合物が、下記一般式(1)で表されるシラン化合物であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 2010164952
    (式中、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアラルキル基、Rは反応性アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する有機基、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基を示し、nは1〜3の整数である。)
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の電子写真感光体を用い、少なくとも帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする画像形成装置。
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