JP2007293247A - 電子写真感光体、並びに画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物を連鎖重合させてなる硬化物を含有する層を有する電子写真感光体である。該硬化物が、前記(A)成分と、(B)連鎖重合性電荷輸送性化合物とを連鎖重合させてなる態様、硬化物が、前記(A)成分と、(B)連鎖重合性電荷輸送性化合物と、(C)三官能以上の連鎖重合性化合物とを連鎖重合させてなる態様などが好ましい。
【選択図】図4
Description
そこで、画像ボケ発生物質の影響を軽減する方法として、例えば感光体にヒーターを搭載する方法があるが、装置の小型化や消費電力の低減に対して大きな障害となる。また、酸化防止剤等の添加剤を感光層に添加することも試みられているが、光導電性を有しない酸化防止剤等の感光層への多量添加は、低感度化、残留電位上昇等の電子写真特性に悪影響を与えてしまうという問題がある。
更に、画像ボケ(ドット解像度低下)の抑制方法として、例えば特定のアルキルアミン構造を有する第三級アミン化合物を添加する方法が提案されている(特許文献2参照)。しかし、この提案のような第三級アミン化合物を架橋硬化膜に添加すると、耐摩耗性の低下や均一成膜性の低下等の問題が生じる。
<1> (A)連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物を連鎖重合させてなる硬化物を含有する層を有することを特徴とする電子写真感光体である。
<2> 硬化物が、(A)連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物と、(B)連鎖重合性電荷輸送性化合物とを連鎖重合させてなる前記<1>に記載の電子写真感光体である。
<3> 硬化物が、(A)連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物と、(B)連鎖重合性電荷輸送性化合物と、(C)三官能以上の連鎖重合性化合物とを連鎖重合させてなる前記<1>から<2>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<4> 硬化物が、(A)連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物と、(B)連鎖重合性電荷輸送性化合物と、(C)三官能以上の連鎖重合性化合物と、(D)光重合開始剤とを連鎖重合させてなる前記<1>から<3>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<5> (A)成分の連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物が、連鎖重合性官能基を分子内に1つ有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<6> (A)成分の連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物が、下記構造式(1)及び(1’)のいずれかで表される化合物である前記<1>から<5>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<7> (A)成分の連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物が、下記構造式(2)及び(2’)のいずれかで表される化合物である前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<8> (A)成分の第三級アミン化合物が、連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が2つ以上結合した第三級アミン化合物である前記<1>から<7>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<9> (B)成分の連鎖重合性電荷輸送性化合物が、下記構造式(i)で表される化合物である前記<1>から<8>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<10> (B)成分の連鎖重合性電荷輸送性化合物が、下記構造式(ii)で表される化合物である前記<1>から<9>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<11> 硬化物を含有する層が、電子写真感光体の最表面層である前記<1>から<10>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<12> 支持体と、該支持体上に少なくとも感光層を有してなり、該感光層が最表面層である前記<11>に記載の電子写真感光体である。
<13> 支持体と、該支持体上に少なくとも電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有してなり、前記電荷輸送層が、最表面層である前記<11>に記載の電子写真感光体である。
<14> 保護層を有し、かつ該保護層が最表面層である前記<11>から<13>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<15> 前記<1>から<14>のいずれかに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体表面を帯電する帯電器と該帯電された感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光器とを有する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置である。
<16> 露光器がデジタル方式の露光器である前記<15>に記載に画像形成装置である。
<17> 前記<1>から<14>のいずれかに記載の電子写真感光体表面を帯電する帯電器と該帯電された感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光器とを用いる静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法である。
<18> デジタル方式の露光器によって感光体表面に静電潜像が形成される前記<17>に記載の画像形成方法である。
<19> 前記<1>から<14>のいずれかに記載の電子写真感光体を少なくとも有してなり、更に、前記電子写真感光体表面を帯電する帯電器、該帯電された感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光器、該電子写真感光体上に形成した静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段、転写手段、クリーニング手段、及び除電手段から選択される少なくとも1つを有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
ここで、本発明の電子写真感光体が、繰り返し使用による画像品質維持に極めて有効である理由については、現時点では明らかになっていないが、以下のように推測される。即ち、(A)成分の連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物は、その化学構造内に含まれるアルキルアミノ基が塩基性の強い基であるため、画像ボケ(ドット解像度低下)の原因物質と考えられている酸化性ガスに対して中和効果を有すると考えられる。
また、前記(A)成分の第三級アミン化合物の化学構造内に含まれることがある芳香族炭化水素環基置換アミノ基は、電荷輸送能の高い官能基である(「高橋ら、電子写真学会誌、25巻、3号、16頁、1986年」)。この芳香族炭化水素環基置換アミノ基は、他の電荷輸送物質と併用することにより高感度、及び繰り返し安定性等が増すことも知られている。この点について、例えば、特開2000−231204号公報には、感光体の酸掃去剤としてジアルキルアミノ基を有する芳香族系化合物が開示されている。この化合物は、繰り返し使用後の画像品質に対して有効なものであるが、電荷輸送能が低いため高感度、高速化要求には対応が難しく、添加量においても限界があった。
また、特開昭60−196768号公報、及び特許第2884353号公報等に開示されている、ジアルキルアミノ基を有するスチルベン化合物が、耐酸化性ガスによる画像ボケに対して効果があることが知られている(「伊丹ら、コニカテクニカルレポート、13巻、37頁、2000年」)。しかし、このスチルベン化合物は、電荷輸送サイトであるトリアリールアミン構造の共鳴部位に強いメゾメリー効果(+M効果)の置換基であるジアルキルアミノ基を有しているので、全体のイオン化ポテンシャル値が極めて小さくなる。そのため、スチルベン化合物を電荷輸送物質として単独で使用した感光層の帯電保持能は、初期から、更には繰り返し使用によって著しく悪くなり、実用化が非常に困難である。また他の電荷輸送物質と併用しても、上記スチルベン化合物のイオン化ポテンシャル値はそれらよりもかなり小さいため、スチルベン化合物が移動電荷のホールトラップサイトとなって、感度が著しく低く、かつ残留電位が大きな電子写真感光体となってしまう。
したがって、本発明においては、(A)連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物を連鎖重合させてなる硬化物、好ましくは前記(A)成分の第三級アミン化合物と、(B)連鎖重合性電荷輸送性化合物と、(C)三官能以上の連鎖重合性化合物と、(D)光重合開始剤とを連鎖重合させてなる硬化物を含有する層を有する電子写真感光体が、高耐久性と高画質化の両立を可能とし、繰り返し使用に対しても高画質画像を安定に得られ、この本発明の電子写真感光体を用いることにより、繰り返し使用においても高画質画像を安定に得られる画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することができる。
本発明の電子写真感光体は、(A)連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物を連鎖重合させてなる硬化物を含有する層を有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記硬化物を含有する層は、少なくとも、(A)連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物を連鎖重合させてなる硬化物、好ましくは前記(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物と、(B)連鎖重合性電荷輸送性化合物と、(C)三官能以上の連鎖重合性化合物と、(D)光重合開始剤とを連鎖重合させてなる硬化物を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物は、連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合したものであり、該アルキル基は1つ〜3つ結合することができる。
また、前記アルキル基としては、置換基で更に置換されていてもよく、アルキル基、芳香族炭化水素基、及びこれらを複数組み合わせたもののほか、例えば、下記構造式で表される基、アルキコキシ基、カルボキシ基又はそのエステル、シアノ基、アルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、アミノ基、ニトロ基、アセチルアミノ基、ハロゲン原子などで更に置換されたものが挙げられる。
前記不飽和重合とは、ラジカルやイオンなどによって不飽和基、例えばC=C、C≡C、C=O、C=N、C≡Nなどが重合する反応を意味する。
前記開環重合とは、炭素環や複素環からなる歪みを有した不安定な環状構造が触媒の作用等で活性化され、開環すると同時に重合を繰り返して鎖状高分子物を生成する反応のことを意味する。
本発明で用いられる連鎖重合性官能基としては、連鎖重合が可能な官能基であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、不飽和重合が可能な官能基である不飽和重合性官能基、開環重合が可能な官能基である開環重合性官能基が好ましい。
前記C=Cを有する不飽和重合性官能基としては、例えば、下記に示す(1)1−置換エチレン官能基、(2)1,1−置換エチレン官能基などが挙げられる。
CH2=CH−X5− ・・・構造式(3)
ただし、前記構造式(3)中、X5は、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R14)−基(ただし、R14は、水素原子、メチル基、エチル基等のアルキル基;ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表す)、又は−S−基を表す。
これらの置換基としては、例えばビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基などが挙げられる。
CH2=C(Y)−X6− ・・・構造式(4)
ただし、前記構造式(4)中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR15基(ただし、R15は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基;置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基;置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、又はCONR16R17(ただし、R16及びR17は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基;置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表し、互いに同一又は異なっていてもよい)、また、X6は上記構造式(3)のX5と同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表す。ただし、Y及びX6の少なくともいずれか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、又は芳香族環である。
これらの置換基としては、例えばα−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基などが挙げられる。
前記構造式(1)及び(1’)における芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、スチリル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基などが挙げられる。
前記構造式(1)及び(1’)における窒素原子を含む複素環としては、例えばピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、インドリン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、オキソピリダジン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、シンノリン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアジン、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、オキソオキサジアゾール、インドール、イソインドール、インダゾール、2−オキソベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、プリン、2,5−ジオキソピロリジン、チアゾリジン、チオモルホリン、ホモピペリジン、ホモピペラジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキソオキサゾリジン、オキサジアゾリン、オキシラン、オキソピペラジン、2−オキソピロリジン、ペルヒドロジアゼピン、ペルヒドロジアゾシン、ペルヒドロジアゾニン、オクタヒドロキノリン、ジヒドロインドリンなどが挙げられる。
前記構造式(1)及び(1’)におけるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、ビニレン基、エチニレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘキセニレン基などが挙げられる。
前記構造式(1)及び(1’)における芳香族炭化水素二価基としては、例えば、フェニレン基、ビフェニルジイル基、テルフェニルジイル基、クアテルフェニルジイル基、キンクフェニルジイル基、セキシフェニルジイル基、セプチフェニルジイル基、オクチフェニルジイル基、ノビフェニルジイル基、デシフェニルジイル基、ジフェニルメタンジイル、ジフェニルアセチレンジイル、ジフェニルエーテルジイル、ジフェニルスルフィドジイル、ジフェニルスルフォンジイル、ナフタレンジイル基、フルオレンジイル基、スチルベンジイル基などが挙げられる。
前記構造式(1)及び(1’)におけるZで表される連鎖重合性官能基としては、上記不飽和重合性官能基、開環重合性官能基などが挙げられる。
前記構造式(1)及び(1’)における、R1、R2及びR3、並びに前記構造式(1−1)及び(1−2)におけるR5、R6及びR7に導入できる置換基としては、上述したようなアルキル基、芳香族炭化水素基、及びこれらを複数組み合わせたもののほか、例えば、アルキコキシ基、カルボキシ基又はそのエステル、シアノ基、アルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、アミノ基、ニトロ基、アセチルアミノ基、ハロゲン原子などで更に置換されたものが挙げられる。
まず、下記構造式(5)で表される第一級アミン化合物と下記構造式(6)及び(7)で表されるそれぞれのハロゲン化物を塩基性化合物の存在下、室温から170℃程度の温度において反応させることにより、下記構造式(8)で表される第三級アミン化合物が得られる。
R1−X ・・・構造式(6)
R2−X ・・・構造式(7)
ただし、前記構造式(6)及び(7)中、R1及びR2は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。また、R1とR2は互いに結合し、窒素原子を含む複素環基を形成してもよく、その窒素原子を含む複素環基上には置換基を有していてもよい。Xはハロゲン原子を表す。
Z−X ・・・構造式(9)
ただし、前記構造式(9)中、Zは連鎖重合性官能基を表す。また、Xはハロゲン原子を表す。
前記構造式(2)及び(2’)におけるArで表される芳香族炭化水素二価基、又はこれらの置換基としては、上記構造式(1)と同様なものを用いることができる。
前記(B)成分の連鎖重合性電荷輸送性化合物を添加することによって、硬化物を含有する層を有する電子写真感光体の電子写真特性がより良好となる。前記(B)成分の化合物としては、従来公知の電荷輸送性構造体に連鎖重合性官能基が置換したものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記(B)成分の連鎖重合性電荷輸送性化合物における連鎖重合性官能基としては、前記(A)成分の化合物と同様のものを用いることができる。
例えば、ポリ−N−カルバゾール又はその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート又はその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物又はその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、又は下記構造式(10)で示される化合物が挙げられる。
前記(C)成分の三官能以上の連鎖重合性化合物としては、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾール等の正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基、ニトロ基を有する電子吸引性芳香族環等の電子輸送構造(又は電子輸送構造を示す基)を有しておらず、かつ連鎖重合性官能基を3個以上有するモノマーを意味する。
前記(C)成分の化合物における連鎖重合性官能基としては、前記(A)成分の第三級アミン化合物について記載したものと同様のものを用いることができる。
前記(D)成分の光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アセトフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、その他の光重合開始剤、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどが挙げられる。
前記ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼンなどが挙げられる。
前記チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンなどが挙げられる。
前記その他の光重合開始剤としては、例えば、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物などが挙げられる。
なお、光重合促進効果を有する化合物を単独又は上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、などが挙げられる。
前記(D)成分の光重合開始剤の含有量は、連鎖重合性を有する化合物の総量に対し、0.5〜40質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。前記含有量が0.5質量%未満であると、硬化物を有する層の形成が不均一となり、局所的に耐摩耗性が低下することがあり、40質量%を超えると、電気特性の劣化が現れることがある。
前記硬化物を含有する層の形成方法について説明する。
本発明で使用される硬化物は、(A)成分の連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物を含む塗工液を作製し、その塗工液を感光体表面に塗工した後、光照射を行い、重合させることで形成される。
前記二官能の連鎖重合性モノマーとしては、例えば、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートビスフェノールA−EO変性ジアクリレート、ビスフェノールF−EO変性ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。
前記機能性モノマーとしては、例えば、オクタフルオロペンチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチルアクリレート等のフッ素原子を置換したもの;特公平5−60503号公報、特公平6−45770号公報記載のシロキサン繰り返し単位:20〜70のアクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、メタクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、アクリロイルポリジメチルシロキサンプロピル、アクリロイルポリジメチルシロキサンブチル、ジアクリロイルポリジメチルシロキサンジエチル等のポリシロキサン基を有するビニルモノマー;アクリレート、メタクリレートなどが挙げられる。
前記連鎖重合性オリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系オリゴマーなどが挙げられる。
なお、一官能及び二官能の連鎖重合性モノマーや連鎖重合性オリゴマーを多量に含有させると硬化物の三次元架橋結合密度が実質的に低下し、特性の低下を招くことがある。このため、これらのモノマーやオリゴマーの含有量は、前記(C)成分に対し50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
前記可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂に使用されているものが利用可能であり、その使用量は塗工液の総固形分に対し20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
前記レベリング剤としては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが利用でき、その使用量は塗工液の総固形分に対し3質量%以下が適当である。
光照射により硬化させた後、80〜150℃でアニールを行い、電子写真感光体として使用される。アニール時間は、1分間〜60分間程度である。
前記最表面層としては、積層型感光体では電荷輸送層、又は保護層などが挙げられる。単層型感光体では、感光層、又は保護層などが好適に挙げられる。
これらの中でも、前記硬化物を含有する層が保護層であると、硬化反応条件による制約が少なくなるので特に好ましい。
図1に示す態様においては、支持体1上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層3が設けられている。
図2に示す態様においては、支持体1上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層5と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層7とが、感光層として積層された構成をとっている。
図3に示す態様においては、支持体1上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層3が設けられ、更に感光層表面に保護層4が設けられている。
図4に示す態様においては、支持体1上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層5と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層7とが感光層として積層された構成をとっており、更に電荷輸送層上に保護層4が設けられている。
前記支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属;酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも支持体として用いることができる。
前記導電性粉体としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。
前記導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
前記電荷発生層は、少なくとも電荷発生物質を含んでなり、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
前記無機系材料としては、例えば、結晶セレン、アモルファス−セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物、アモルファス−シリコン等が挙げられる。アモルファス−シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
前記有機系材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、電荷発生層のバインダー樹脂としては、上述のバインダー樹脂の他に、電荷輸送機能を有する高分子電荷輸送物質、例えば、(1)アリールアミン骨格やベンジジン骨格やヒドラゾン骨格やカルバゾール骨格やスチルベン骨格やピラゾリン骨格等を有するポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、アクリル樹脂などの高分子材料、(2)ポリシラン骨格を有する高分子材料などを用いることができる。
前記低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
前記電子輸送物質としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記真空薄膜作製法としては、例えば、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられる。
前記キャスティング法としては、前記無機系もしくは有機系電荷発生物質、必要に応じてバインダー樹脂を、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行うことができる。
前記電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、かつ、露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ、電荷移動性がよいことが要求される。
前記電子輸送物質(電子受容性物質)としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(a)カルバゾール環を有する重合体としては、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に記載の化合物等が例示される。
(b)ヒドラゾン構造を有する重合体としては、例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に記載の化合物等が例示される。
(c)ポリシリレン重合体としては、例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報に記載の化合物等が例示される。
(d)トリアリールアミン構造を有する重合体としては、例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に記載の化合物等が例示される。
(e)その他の重合体としては、例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に記載の化合物等が例示される。
なお、前記電荷輸送層は、架橋性のバインダー樹脂と架橋性の電荷輸送物質との共重合体を含むこともできる。
また、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。
前記可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、前記結着樹脂100質量部に対して0〜30質量部程度が適当である。
前記レベリング剤としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、結着樹脂100質量部に対して0〜1質量部程度が適当である。
前記電荷輸送層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、5〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
結着樹脂としては、先に電荷輸送層で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。前記結着樹脂100質量部に対する電荷発生物質の含有量は5〜40質量部が好ましい。電荷輸送物質の含有量は0〜190質量部が好ましく、50〜150質量部がより好ましい。
前記感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。
前記単層構成の感光層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5〜35μmが好ましい。
前記中間層としては保護層塗工液に対し不溶性又は難溶性であるものが適しており、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく一般に用いられる塗工法が採用される。なお、前記中間層の厚みは0.05〜2μmが好ましい。
前記下引き層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。
前記下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。
前記下引き層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0〜5μmが好ましい。
前記有機硫黄化合物類としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネート、などが挙げられる。
前記有機燐化合物類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィン、などが挙げられる。
前記酸化防止剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、添加する層の総質量に対し0.01〜10質量%が好ましい。
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程と少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えばクリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
前記静電潜像形成工程は、電子写真感光体上に静電潜像を形成する工程である。
前記電子写真感光体としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられる。
前記電子写真感光体としては、本発明の前記電子写真感光体を用いることができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッター光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
また、像露光は、画像形成装置を複写機やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過光を感光体に照射すること、或いはセンサで原稿を読み取り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの駆動を行い感光体に光を照射することなどにより行われる。
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像をトナー乃至現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、トナー乃至現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像にトナー乃至現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記トナーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、微細なものが好ましく、トナーの体積平均粒径は3〜10μmが好ましく、トナーの平均円形度は0.90〜0.99が好ましい。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記クリーニング工程は、前記電子写真感光体上をクリーニング手段を用いてクリーニングするクリーニング工程である。
前記クリーニング手段としては、例えば、クリーニングブレード、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ、等が挙げられる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図5は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、後に示すような変形例も本発明の範疇に属するものである。
電子写真感光体201は、支持体上に、電荷発生層、電荷輸送層、及び保護層をこの順に含む感光層を有してなる。この電子写真感光体201はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。なお、図5中204は、イレーサである。
電子写真感光体201を平均的に帯電させる帯電手段としては、帯電チャージャ203が用いられる。この帯電チャージャとしては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラ帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が使用可能である。
本発明では、接触帯電方式又は非接触近接配置帯電方式のような帯電手段からの近接放電により感光体組成物が分解する様な帯電手段を用いた場合に特に有効である。ここで、接触帯電方式とは、感光体に帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電ブレード等が直接接触する帯電方式である。また、近接帯電方式とは、例えば、帯電ローラが感光体表面と帯電手段との間に200μm以下の空隙を有するように非接触状態で近接配置したタイプのものである。この空隙は、大きすぎた場合には帯電が不安定になりやすく、また、小さすぎた場合には、感光体に残留したトナーが存在する場合に、帯電部材表面が汚染されてしまう可能性がある。したがって、空隙は10〜200μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図8中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、前記タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
本発明のプロセスカートリッジは、本発明の前記電子写真感光体と、該電子写真感光体上に形成した静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段などのその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、トナー乃至現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
本発明のプロセスカートリッジは、各種画像形成装置に着脱可能に備えさせることができ、上述した本発明の画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが好ましい。
次に、図10に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、感光体316は、矢印方向に回転しながら、帯電手段317による帯電、露光手段319による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段320でトナー現像され、該トナー現像は転写手段(不図示)により、記録媒体に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段318によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
−例示化合物No.21の合成−
(1)p−ジエチルアミノフェネチルアルコールの合成
p−アミノフェネチルアルコール9.6g(70mmol)、炭酸カリウム38.7g(280mmol)、及びモノクロロベンゼン100mlを四ツ口フラスコ内に投入し、アルゴン雰囲気下、120℃で加熱撹拌した。ここへヨウ化エチル32.8g(210mmol)を5時間かけて滴下し、滴下終了後、更に5時間加熱撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、ジクロロメタンで希釈し、3回水洗した。このジクロロメタン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、トルエン/酢酸エチル(2/1)混合溶媒を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、p−ジエチルアミノフェネチルアルコール12.1g(収率:89質量%)を合成した。
p−ジエチルアミノフェネチルアルコール5.43g(28.1mmol)、トリエチルアミン6.26g(61.8mmol)、及び脱水テトラヒドロフラン30mlを三ツ口フラスコ内に投入し、アルゴン雰囲気下、氷冷下で撹拌した。ここへアクリル酸クロライド5.09g(56.2mmol)を30分間かけて滴下し、滴下終了後、更に5時間撹拌した。反応液を水100ml中に注ぎ、これをトルエンで抽出し、3回水洗した。このトルエン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、ヘキサン/酢酸エチル(9/1)混合溶媒を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、下記構造式で表される例示化合物No.21のp−ジエチルアミノフェネチルアクリレート3.17g(収率:46質量%)を合成した。
−例示化合物No.22の合成−
(1)p−ベンジルエチルアミノフェネチルアルコールの合成
p−アミノフェネチルアルコール9.6g(70mmol)、炭酸カリウム38.7g(280mmol)、及び脱水トルエン50mlを四ツ口フラスコ内に投入し、アルゴン雰囲気下、100℃で加熱撹拌した。ここへヨウ化エチル10.9g(70mmol)を3時間かけて滴下し、滴下終了後、更に1時間加熱撹拌した。ここへ塩化ベンジル10.9g(70mmol)を30分間かけて滴下し、滴下終了後、更に3時間加熱撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、トルエンで希釈し、5回水洗した。このトルエン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、トルエン/酢酸エチル(10/1)混合溶媒を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、p−ベンジルエチルアミノフェネチルアルコール6.69g(収率:37質量%)を合成した。
p−ベンジルエチルアミノフェネチルアルコール6.64g(26mmol)、トリエチルアミン5.79g(57.2mmol)、脱水テトラヒドロフラン50mlを三ツ口フラスコ内に投入し、アルゴン雰囲気下、氷冷下で撹拌した。ここへアクリル酸クロライド4.70g(52mmol)を30分間かけて滴下し、滴下終了後、更に3時間撹拌した。反応液を水100ml中に注ぎ、これをトルエンで抽出し、3回水洗した。このトルエン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、ヘキサン/酢酸エチル(5/1)混合溶媒を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、下記構造式で表される例示化合物No.22のp−ベンジルエチルアミノフェネチルアクリレート3.21g(収率:40質量%)を合成した。
−例示化合物No.23の合成−
(1)p−ジベンジルアミノフェネチルアルコールの合成
p−アミノフェネチルアルコール5.49g(40mmol)、炭酸カリウム21.1g(160mmol)、及び塩化ベンジル20.3g(160mmol)を四ツ口フラスコ内に投入し、アルゴン雰囲気下、135℃で7時間加熱撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、トルエンで希釈し、3回水洗した。このトルエン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、トルエン/酢酸エチル(7/1)混合溶媒を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、p−ジベンジルアミノフェネチルアルコール11.0g(収率:87質量%)を合成した。
p−ジベンジルアミノフェネチルアルコール10.5g(33mmol)、アクリル酸9.51g(132mmol)、p−トルエンスルホン酸0.56g(3.3mmol)、及び脱水トルエン30mlを三ツ口フラスコ内に投入し、アルゴン雰囲気下、80℃で加熱撹拌した。ここへジシクロヘキシルカルボジイミド3.8g(18.2mmol)、4−ピロリジノピリジン2.5g(16.5mmol)を加え、5時間加熱撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、トルエンで希釈し、3回水洗した。このトルエン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、ヘキサン/酢酸エチル(4/1)混合溶媒を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、下記構造式で表される例示化合物No.23のp−ジベンジルアミノフェネチルアクリレート4.05g(収率:33質量%)を合成した。
−電子写真感光体No.1の作製−
直径30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、下記組成の電荷発生層用塗工液、及び下記組成の電荷輸送層用塗工液を順次、塗布し、乾燥することにより、厚み3.5μmの下引き層、厚み0.2μmの電荷発生層、及び厚み18μmの電荷輸送層をそれぞれ形成した。
・アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・4質量部
・酸化チタン・・・40質量部
・メチルエチルケトン・・・50質量部
・ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製)・・・0.5質量部
・シクロヘキサノン・・・200質量部
・メチルエチルケトン・・・80質量部
・下記構造式(i)で表されるビスアゾ顔料・・・2.4質量部
・ビスフェノールZポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)・・・10質量部
・テトラヒドロフラン・・・100質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
・下記構造式(ii)で表される低分子電荷輸送物質・・・7質量部
・(A)成分としての下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)・・・1質量部
−電子写真感光体No.2の作製−
実施例1において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.21)に代えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.2を作製した。
−電子写真感光体No.3の作製−
実施例1において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.22)に代えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.3を作製した。
−電子写真感光体No.4の作製−
実施例1において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.23)に代えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.4を作製した。
−電子写真感光体No.5の作製−
実施例1において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.26)に代えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.5を作製した。
−電子写真感光体No.6の作製−
実施例1において、保護層用塗工液を下記組成の保護層用塗工液に代えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.6を作製した。
〔保護層用塗工液の組成〕
・(A)成分としての下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)・・・1質量部
・テトラヒドロフラン・・・119質量部
−電子写真感光体No.7の作製−
実施例6において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.21)に代えた以外は、実施例6と同様にして、電子写真感光体No.7を作製した。
−電子写真感光体No.8の作製−
実施例6において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.22)に代えた以外は、実施例6と同様にして、電子写真感光体No.8を作製した。
−電子写真感光体No.9の作製−
実施例6において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.23)に代えた以外は、実施例6と同様にして、電子写真感光体No.9を作製した。
−電子写真感光体No.10の作製−
実施例6において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.26)に代えた以外は、実施例6と同様にして、電子写真感光体No.10を作製した。
−電子写真感光体No.11の作製−
実施例1において、保護層用塗工液を下記組成の保護層用塗工液に代えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.11を作製した。
〔保護層用塗工液の組成〕
・(A)成分としての下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)・・・1質量部
・(D)成分としての1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)・・・1質量部
・テトラヒドロフラン・・・124質量部
−電子写真感光体No.12の作製−
実施例11において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.21)に代えた以外は、実施例11と同様にして、電子写真感光体No.12を作製した。
−電子写真感光体No.13の作製−
実施例11において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.22)に代えた以外は、実施例11と同様にして、電子写真感光体No.13を作製した。
−電子写真感光体No.14の作製−
実施例11において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.23)に代えた以外は、実施例11と同様にして、電子写真感光体No.14を作製した。
−電子写真感光体No.15の作製−
実施例11において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.26)に代えた以外は、実施例11と同様にして、電子写真感光体No.15を作製した。
−電子写真感光体No.16の作製−
直径30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液を塗布し、乾燥することにより、厚み3.5μmの下引き層を形成した。
・アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・4質量部
・酸化チタン・・・40質量部
・メチルエチルケトン・・・50質量部
・X型無金属フタロシアニン(Fastogen Blue8120B、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・2質量部
・下記構造式で表される電荷輸送物質・・・30質量部
・(D)成分としての1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)・・・5質量部
・テトラヒドロフラン・・・648質量部
−電子写真感光体No.17の作製−
実施例16において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.21)に代えた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.17を作製した。
−電子写真感光体No.18の作製−
実施例16において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.22)に代えた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.18を作製した。
−電子写真感光体No.19の作製−
実施例16において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.23)に代えた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.19を作製した。
−電子写真感光体No.20の作製−
実施例16において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.26)に代えた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.20を作製した。
−電子写真感光体No.21の作製−
直径30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、及び下記組成の電荷発生層用塗工液を順次、塗布し、乾燥することにより、厚み3.5μmの下引き層、及び厚み0.2μmの電荷発生層をそれぞれ形成した。
・アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・4質量部
・酸化チタン・・・40質量部
・メチルエチルケトン・・・50質量部
・ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製)・・・0.5質量部
・シクロヘキサノン・・・200質量部
・メチルエチルケトン・・・80質量部
・下記構造式(i)で表されるビスアゾ顔料・・・2.4質量部
・下記構造式(ii)で表される低分子電荷輸送物質・・・7質量部
・(D)成分としての1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)・・・1質量部
・テトラヒドロフラン・・・116質量部
−電子写真感光体No.22の作製−
実施例21において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.21)に代えた以外は、実施例21と同様にして、電子写真感光体No.22を作製した。
−電子写真感光体No.23の作製−
実施例21において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.22)に代えた以外は、実施例21と同様にして、電子写真感光体No.23を作製した。
−電子写真感光体No.24の作製−
実施例21において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.23)に代えた以外は、実施例21と同様にして、電子写真感光体No.24を作製した。
−電子写真感光体No.25の作製−
実施例21において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.26)に代えた以外は、実施例21と同様にして、電子写真感光体No.25を作製した。
−電子写真感光体No.26の作製−
直径30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、及び下記組成の感光層用塗工液を順次、塗布し、乾燥することにより、厚み3.5μmの下引き層、及び厚み28μmの感光層をそれぞれ形成した。
・アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・4質量部
・酸化チタン・・・40質量部
・メチルエチルケトン・・・50質量部
・X型無金属フタロシアニン(Fastogen Blue8120B、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・2質量部
・下記構造式で表される電荷輸送物質・・・30質量部
・テトラヒドロフラン・・・500質量部
・(A)成分としての下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)・・・1質量部
・(D)成分としての1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)・・・1質量部
・テトラヒドロフラン・・・124質量部
−電子写真感光体No.27の作製−
実施例26において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.21)に代えた以外は、実施例26と同様にして、電子写真感光体No.27を作製した。
−電子写真感光体No.28の作製−
実施例26において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.22)に代えた以外は、実施例26と同様にして、電子写真感光体No.28を作製した。
−電子写真感光体No.29の作製−
実施例26において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.23)に代えた以外は、実施例26と同様にして、電子写真感光体No.29を作製した。
−電子写真感光体No.30の作製−
実施例26において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.26)に代えた以外は、実施例26と同様にして、電子写真感光体No.30を作製した。
−電子写真感光体No.31の作製−
実施例11において、(B)成分の上記構造式(iii)で表される化合物を下記構造式(iv)で表される化合物に代えた以外は、実施例11と同様にして、電子写真感光体No.31を作製した。
−電子写真感光体No.32の作製−
実施例31において、(A)成分の例示化合物No.12を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.21)に代えた以外は、実施例31と同様にして、電子写真感光体No.32を作製した。
−電子写真感光体No.33の作製−
実施例31において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.22)に代えた以外は、実施例31と同様にして、電子写真感光体No.33を作製した。
−電子写真感光体No.34の作製−
実施例31において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.23)に代えた以外は、実施例31と同様にして、電子写真感光体No.34を作製した。
−電子写真感光体No.35の作製−
実施例31において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.26)に代えた以外は、実施例31と同様にして、電子写真感光体No.35を作製した。
−電子写真感光体No.36の作製−
実施例1において、保護層用塗工液を下記組成のものに代えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.36を作製した。
〔保護層用塗工液の組成〕
・(A)成分としての下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.54)・・・1質量部
・(C6H5)3SAsF6・・・1質量部
・テトラヒドロフラン・・・100質量部
−電子写真感光体No.37の作製−
実施例11において、(B)成分の上記構造式(iii)で表される化合物を下記構造式で表される連鎖重合性電荷輸送性化合物(例示化合物No.67)に代えた以外は、実施例11と同様にして、電子写真感光体No.37を作製した。
−電子写真感光体No.38の作製−
実施例37において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.21)に代えた以外は、実施例37と同様にして、電子写真感光体No.38を作製した。
−電子写真感光体No.39の作製−
実施例37において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.22)に代えた以外は、実施例37と同様にして、電子写真感光体No.39を作製した。
−電子写真感光体No.40の作製−
実施例37において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.23)に代えた以外は、実施例37と同様にして、電子写真感光体No.40を作製した。
−電子写真感光体No.41の作製−
実施例37において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.26)に代えた以外は、実施例37と同様にして、電子写真感光体No.41を作製した。
−比較電子写真感光体No.1の作製−
実施例11において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を加えず、保護層用塗工液に用いるテトラヒドロフランの使用量を119質量部に代えた以外は、実施例11と同様にして、比較電子写真感光体No.1を作製した。
−比較電子写真感光体No.2の作製−
実施例11において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式(v)で表される化合物(特開2004−102080号公報に記載の第三級アミン化合物)に代えた以外は、実施例11と同様にして、比較電子写真感光体No.2を作製した。
−比較電子写真感光体No.3の作製−
実施例16において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を加えず、感光層用塗工液に用いるテトラヒドロフランの使用量を628質量部に代えた以外は、実施例16と同様にして、比較電子写真感光体No.3を作製した。
−比較電子写真感光体No.4の作製−
実施例16において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式(v)で表される化合物(特開2004−102080号公報に記載の第三級アミン化合物)に代えた以外は、実施例16と同様にして、比較電子写真感光体No.4を作製した。
−比較電子写真感光体No.5の作製−
実施例21において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を加えず、電荷輸送層用塗工液に用いるテトラヒドロフランの使用量を112質量部に代えた以外は、実施例21と同様にして、比較電子写真感光体No.5を作製した。
−比較電子写真感光体No.6の作製−
実施例21において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式(v)で表される化合物(特開2004−102080号公報に記載の第三級アミン化合物)に代えた以外は、実施例21と同様にして、比較電子写真感光体No.6を作製した。
−比較電子写真感光体No.7の作製−
実施例26において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を加えず、保護層用塗工液に用いるテトラヒドロフランの使用量を119質量部に代えた以外は、実施例26と同様にして、比較電子写真感光体No.7を作製した。
−比較電子写真感光体No.8の作製−
実施例26において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式(v)で表される化合物(特開2004−102080号公報に記載の第三級アミン化合物)に代えた以外は、実施例26と同様にして、比較電子写真感光体No.8を作製した。
以上のようにして作製した実施例1〜41及び比較例1〜8の各電子写真感光体を、プロセスカートリッジに装着し、画像露光光源として655nmの半導体レーザー(LD)を用いたデジタル方式の画像形成装置(株式会社リコー製、imagio MF2200)改造機にて暗部電位800(−V)に設定した後、連続してトータル10万枚印刷相当の繰り返し試験を行った。
初期画像及び10万枚繰り返し試験後の画像について、目視観察により画像品質の評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
また、初期及び繰り返し試験後の明部電位を測定し、その変化量を計算した。結果を表1及び表2に示す。
10万枚繰り返し試験後の感光体の表面粗さについて、触針式表面粗さ計〔(Surfcom、東京精密株式会社製)、東京精密株式会社製ピックアップE−DT−S02A取り付け〕により、うねりパラメーターSm(JIS−1982規格、凹凸間平均長さ)を測定した。結果を表1及び表2に示す。なお、うねりパラメーターSmは大きな値であるほど感光体表面が平滑であることを示し、具体的にはSmが400μm以上の状態であることが好ましい。
10万枚繰り返し試験後の画像ボケ(ドット解像度低下)について、600dpi×600dpiの画素密度で画像濃度が5%のドット画像を連続10枚プリントアウトし、そのドット形状を実体顕微鏡で観察して、輪郭のシャープネスを以下の基準で5段階(5が優れ、1が劣る)に分けて評価した。結果を表1及び表2に示す。
〔ドット画像評価基準〕
5:輪郭が明瞭で、良好である
4:輪郭のぼやけが極めてごく僅かに観察されるが、良好である
3:輪郭のぼやけがごく僅かに観察されるが実質的に良好である
2:輪郭のぼやけが観察され、画像の種類によっては問題となる
1:ドット画像の判別できない
これに対し、比較例1では、耐摩耗性は優れるが、10万枚印刷後では画像濃度低下や著しいドット解像度の低下が生じた。なお、比較例3、5、及び7においても、比較例1と同様の結果を示した。
また、比較例2では、10万枚印刷後、繰り返し使用による解像度低下は小さいものの、摩耗は保護層の下の電荷輸送層までに及んでおり、繰り返し使用時における耐摩耗性が非常に低かった。このため、暗部電位低下によるものと思われる地肌汚れが発生した。なお、比較例4、6、及び8においても比較例2と同様の結果を示した。
また、実施例11〜15、実施例26〜35、及び実施例37〜41では、10万枚印刷後の膜厚減少量は小さく、表面粗さのうねりパラメーターSmは大きくなっている。ここで、Smは大きな値であるほど平滑であることを示し、具体的にはSmが400μm以上の状態であることが好ましい。このことから、本発明の(A)、(B)、(C)、及び(D)成分からなる混合物を連鎖重合させて得られる硬化物を含有する電子写真感光体は、耐摩耗性に優れ、表面粗度のより小さい平滑な感光体であることが確認できた。
また、実施例37〜41より、(B)成分の前記例示化合物No.67で表される連鎖重合性電荷輸送性化合物を使用したとき、10万枚印刷後においても、画像品質や画像ボケ(ドット解像度低下)の評価結果において、特に良好な結果を示すことが確認できた。
実施例11〜15及び比較例1で作製した電子写真感光体(感光体No.11〜15及び比較感光体No.1)について、50ppmの窒素酸化物(NOx)ガス濃度に調整されたデシケータ中に4日間放置し、放置前後における画像評価を実施例1〜41と同様にして行った。結果を表3に示す。
これらに対し、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物を含まない比較例9は、初期画像品質は良好であるが、酸化性ガスにより著しい解像度の低下が起こることが認められた。
また、表3の結果から、(A)成分として、連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が2つ結合した第三級アミン化合物を使用したとき(実施例43〜45)や、連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が3つ結合した第三級アミン化合物を使用したとき(実施例42)には、連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基がただ1つ結合した第三級アミン化合物を使用したとき(実施例46)に比べて、画像ボケ(ドット解像度低下)の評価結果が良好となる傾向が認められた。即ち、(A)成分として、連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が2つ以上結合した第三級アミン化合物を使用することにより、電気的特性が更に良好な感光体を作製することができることが確認できた。
3 感光層
4 保護層
5 電荷発生層
7 電荷輸送層
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ベルト
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
71 クリーニングブレード
72 支持部材
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 画像形成装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
201 感光体
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
204 イレーサ
205 画像露光部
206 現像ユニット
207 転写前チャージャ
208 レジストローラ
209 記録媒体
210 転写チャージャ
211 分離チャージャ
212 分離爪
213 クリーニング前チャージャ
214 ファーブラシ
215 クリーニングブレード
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (19)
- (A)連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物を連鎖重合させてなる硬化物を含有する層を有することを特徴とする電子写真感光体。
- 硬化物が、(A)連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物と、(B)連鎖重合性電荷輸送性化合物とを連鎖重合させてなる請求項1に記載の電子写真感光体。
- 硬化物が、(A)連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物と、(B)連鎖重合性電荷輸送性化合物と、(C)三官能以上の連鎖重合性化合物とを連鎖重合させてなる請求項1から2のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 硬化物が、(A)連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物と、(B)連鎖重合性電荷輸送性化合物と、(C)三官能以上の連鎖重合性化合物と、(D)光重合開始剤とを連鎖重合させてなる請求項1から3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- (A)成分の連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物が、連鎖重合性官能基を分子内に1つ有する請求項1から4のいずれかに記載の電子写真感光体。
- (A)成分の連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物が、下記構造式(1)及び(1’)のいずれかで表される化合物である請求項1から5のいずれかに記載の電子写真感光体。
- (A)成分の連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物が、下記構造式(2)及び(2’)のいずれかで表される化合物である請求項1から6のいずれかに記載の電子写真感光体。
- (A)成分の第三級アミン化合物が、連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が2つ以上結合した第三級アミン化合物である請求項1から7のいずれかに記載の電子写真感光体。
- (B)成分の連鎖重合性電荷輸送性化合物が、下記構造式(i)で表される化合物である請求項1から8のいずれかに記載の電子写真感光体。
- (B)成分の連鎖重合性電荷輸送性化合物が、下記構造式(ii)で表される化合物である請求項1から9のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 硬化物を含有する層が、電子写真感光体の最表面層である請求項1から10のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 支持体と、該支持体上に少なくとも感光層を有してなり、該感光層が最表面層である請求項11に記載の電子写真感光体。
- 支持体と、該支持体上に少なくとも電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有してなり、前記電荷輸送層が、最表面層である請求項11に記載の電子写真感光体。
- 保護層を有し、かつ該保護層が最表面層である請求項11から13のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 請求項1から14のいずれかに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体表面を帯電する帯電器と該帯電された感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光器とを有する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
- 露光器がデジタル方式の露光器である請求項15に記載に画像形成装置。
- 請求項1から14のいずれかに記載の電子写真感光体表面を帯電する帯電器と該帯電された感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光器とを用いる静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
- デジタル方式の露光器によって感光体表面に静電潜像が形成される請求項17に記載の画像形成方法。
- 請求項1から14のいずれかに記載の電子写真感光体を少なくとも有してなり、更に、前記電子写真感光体表面を帯電する帯電器、該帯電された感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光器、該電子写真感光体上に形成した静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段、転写手段、クリーニング手段、及び除電手段から選択される少なくとも1つを有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
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