JP4878932B2 - アクリル酸エステル及びヒドロキシ化合物、該アクリル酸エステルの(共)重合体、それを用いた電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents
アクリル酸エステル及びヒドロキシ化合物、該アクリル酸エステルの(共)重合体、それを用いた電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ Download PDFInfo
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Description
さらに、本発明は、該アクリル酸エステルの(共)重合体を用い、繰返し使用時の耐摩耗性が極めて高く、画像欠陥の少ない高画質画像を長期間に亘って形成することができる電子写真感光体、並びに該電子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
(1)電荷輸送層に硬化性バインダーを用いたもの(例えば、特許文献4参照。)
(2)高分子型電荷輸送物質を用いたもの(例えば、特許文献5参照。)
(3)電荷輸送層に無機フィラーを分散させたもの(例えば、特許文献6参照。)
(4)多官能のアクリレートモノマー硬化物を含有させたもの(例えば特許文献7参照)。
(5)炭素−炭素二重結合を有するモノマーと、炭素−炭素二重結合を有する電荷輸送材及びバインダー樹脂からなる塗工液を用いて形成した電荷輸送層を設けたもの(例えば、特許文献8参照。)
(6)同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を硬化した化合物を含有させたもの(例えば、特許文献9、10参照。)
また、本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、耐摩耗特性に優れ且つ電気的特性が良好で且つ白斑点等による画像欠陥が少ない長寿命な電子写真感光体を提供することである。また、その白斑点画像欠陥の少ない長寿命感光体を使用し、長期間にわたり高画質化を実現した画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することである。
即ち、上記課題は、本発明の(1)〜(5)の「アクリル酸エステル化合物」及び(6)〜(8)の「フェノール化合物」により達成され、また、本発明者らによる鋭意検討の結果、(9)〜(23)の「電子写真感光体」、「画像形成方法」及び「画像形成装置」により上記目的が達成されることを見出した。
(1)「下記一般式(1)で表される連鎖重合性化合物;
(2)「下記一般式(2)で表わされるアクリル酸エステル化合物であることを特徴とする前記第(1)項に記載の連鎖重合性化合物;
(3)「下記一般式(3)で表わされるアクリル酸エステル化合物であることを特徴とする前記第(2)項に記載の連鎖重合性化合物;
(4)「下記一般式(4)で表されるアクリル酸エステル化合物であることを特徴とする前記第(3)項に記載の連鎖重合性化合物;
(5)「下記一般式(5)で表されるアクリル酸エステル化合物であることを特徴とする前記第(3)項に記載の連鎖重合性化合物;
(6)「下記一般式(6)で表されることを特徴とするヒドロキシ化合物;
(7)「下記一般式(7)で表されることを特徴とする前記第(6)項に記載のヒドロキシ化合物;
(8)「下記一般式(8)で表されることを特徴とする前記第(6)に記載のヒドロキシ化合物;
(9)「導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が少なくとも下記の成分Aを連鎖重合させて得られる硬化物を含有することを特徴とする電子写真感光体;
成分A:下記一般式(1)で表される連鎖重合性モノマー
(10)「導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が少なくとも下記の成分A、成分Bの混合物を連鎖重合させて得られる硬化物を含有することを特徴とする電子写真感光体;
成分A:下記一般式(1)で表される連鎖重合性モノマー
成分B:連鎖重合性基を分子内に3個以上有し成分Aでない連鎖重合性モノマー
(11)「導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が少なくとも下記の成分A、成分B、成分Cの混合物を連鎖重合させて得られる硬化物を含有することを特徴とする電子写真感光体;
成分A:下記一般式(1)で表される連鎖重合性モノマー
成分B:連鎖重合性基を分子内に3個以上有し成分Aでない連鎖重合性モノマー
成分C:光重合開始剤
(12)「前記成分A及び/又は成分Bの連鎖重合性基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする前記第(9)項乃至第(11)項の何れかに記載の電子写真感光体」
(13)「前記一般式(1)で表わされる連鎖重合性モノマー(成分A)が、下記一般式(2)で表されるアクリル酸エステルモノマーであることを特徴とする前記第(9)項乃至第(12)項の何れかに記載の電子写真感光体;
(14)「前記一般式(2)で表わされるアクリル酸エステルモノマーが、下記一般式(3)で表わされるアクリル酸エステルモノマーであることを特徴とする前記第(13)項に記載の電子写真感光体;
(15)「前記一般式(3)で表わされるアクリル酸エステルモノマーが、下記一般式(4)で表わされるアクリル酸エステルモノマーであることを特徴とする前記第(14)項に記載の電子写真感光体;
(16)「前記一般式(3)で表わされるアクリル酸エステルモノマーが、下記一般式(5)で表わされるアクリル酸エステルモノマーであることを特徴とする前記第(14)項に記載の電子写真感光体;
(17)「導電性支持体上に少なくとも単層の感光層を有する電子写真感光体であることを特徴とする前記第(9)項乃至第(16)項の何れかに記載の電子写真感光体」
(18)「導電性支持体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を順次積層した電子写真感光体であることを特徴とする前記第(9)項乃至第(16)項の何れかに記載の電子写真感光体」
(19)「導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層を順次積層した電子写真感光体であって、該架橋型電荷輸送層が少なくとも下記の成分Aを連鎖重合させて得られる硬化物を含有することを特徴とする前記第(9)項乃至第(18)項の何れかに記載の電子写真感光体;
成分A:下記一般式(1)で表される連鎖重合性モノマー
(20)「導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体であって、該感光層が少なくとも下記の成分Aを含有することを特徴とする前記第(9)項乃至第(19)項の何れかに記載の電子写真感光体;
成分A:下記一般式(1)で表される連鎖重合性モノマー
(21)「前記第(9)項乃至第(20)項の何れかに記載の電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写が繰り返し行われることを特徴とする画像形成方法」
(22)「少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、及び前記第(9)項乃至第(20)項の何れかに記載の電子写真感光体を具備してなることを特徴とする画像形成装置」
(23)「少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、及び転写手段の1つと、前記第(9)項乃至第(20)項の何れかに記載の電子写真感光体を具備してなることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ」
本発明は、前記アクリル酸エステル、及びこれを特定の連鎖重合性モノマーとして連鎖重合させて得られる硬化物を含有した電子写真感光体及びその硬化物を使用した画像形成方法、画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジを基本としている。ここで言う連鎖重合性モノマーは電荷輸送性機能を発現する構造と連鎖重合性の構造を併せ持っており、重合して得られる硬化物は電荷輸送性膜として機能する。
従来の多官能性電荷輸送性モノマーを使用した場合は、硬化時の歪が大きくなり、クラック等のひびが生じる問題や多官能にもかかわらず硬化性に不足を生じる問題が発生したが、本発明における特定連鎖重合性モノマーの硬化では、クラック等の発生もなく十分に架橋硬化した均一な膜が得られる。また、高密度な電荷輸送性硬化膜の形成が可能となったことで、膜強度が十分に高くなり、シリカ微粒子等非常に硬度の高いトナー中の外添剤が感光体に刺さることを防止し、白斑点等の画像欠陥を減らすことができるようになった。
また、高密度な架橋硬化膜の実現には前記成分Aの連鎖重合性モノマーを用いることにより達成される。より好ましくは成分Aに、成分Bである連鎖重合性基を分子内に3個以上有する連鎖重合性モノマーを混合することが好ましい。また、連鎖重合開始には従来公知の種々の方法、例えば、熱、光、放射線による重合が適用できるが、光重合開始剤を添加して光照射により短時間で硬化させることで架橋密度の高い機械的強度に優れる感光体が得られる。
高密度な連鎖重合性と良好な電荷輸送性が両立している理由は現時点では明らかになっていないが、本発明の成分A中における特定複素環構造が高い分子平面性を有しているため、分子間のパッキングが良好になり、その結果、高密度な連鎖重合性と良好な電荷輸送性が両立した電子写真感光体が得られると考えられる。
成分Aは、前記一般式(1)で表される連鎖重合性モノマーである。
ここで、本発明において連鎖重合とは、高分子体の生成反応を大きく連鎖重合と逐次重合に分けた場合の前者の重合反応形態を示し、例えばその形態が主にラジカル又はイオンなどの中間体を経由して反応が進行する不飽和重合、開環重合、異性化重合などを意味する。前記不飽和重合とは、ラジカルやイオンなどによって不飽和基、例えばC=C、C≡C、C=O、C=N、C≡Nなどが重合する反応を意味する。前記開環重合とは、炭素環や複素環からなる歪みを有した不安定な環状構造が触媒の作用等で活性化され、開環すると同時に重合を繰り返して鎖状高分子物を生成する反応のことを意味する。
本発明で用いられる連鎖重合性官能基としては、連鎖重合が可能な官能基であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、不飽和重合が可能な官能基である不飽和重合性官能基、開環重合が可能な官能基である開環重合性官能基が好ましい。
前記不飽和重合性官能基は、C=C、C≡C、C=O、C=N、C≡Nなどのような不飽和基を少なくとも一以上有する官能基であれば特に限定されないが、C=Cを有するものが一般的であり、本発明に用いられる不飽和重合性官能基としてはC=Cを有するものが好ましい。前記C=Cを有する不飽和重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基などが挙げられる。1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の(式1)で表される官能基が挙げられる。
これらの置換基の具体例としては、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
また、1,1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の(式2)で表される官能基が挙げられる。
連鎖重合性官能基を2個以上有する場合、連鎖重合性官能基は同一でも異なっても良い。
したがって、本発明の連鎖重合性化合物は、下記一般式(1)で表される連鎖重合性化合物である。
一般式(6)〜(8)における各置換基の具体例は、一般式(2)〜(5)のアクリル酸エステル化合物における各置換基と同じものを挙げることができる。
これらヒドロキシ化合物は、一般式(2)、一般式(3)で表わされるアクリル酸エステル化合物の前駆体をはじめ、各種樹脂材料合成のための中間体として有用である。
連鎖重合性基を分子内に3個以上有する連鎖重合性モノマーとしては、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、且つ連鎖重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。
連鎖重合性官能基としては、上述した成分Aと同様の連鎖重合性官能基が挙げられる。これらの連鎖重合性官能基の中では、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用であり、3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば水酸基がその分子中に3個以上ある化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、3個以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、連鎖重合性官能基を3個以上有する単量体中の連鎖重合性官能基は、同一でも異なっても良い。
連鎖重合性基を分子内に3個以上有する連鎖重合性モノマーとしては、以下のものが例示されるが、これらの化合物に限定されるものではない。すなわち、本発明において使用する上記連鎖重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(以降、TMPTAと略記する)、トリメチロールプロパントリメタクリレートトリメチロールプロパンアルキレン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性(以降、EO変性と略記する)トリアクリレート、トリメチロールプロパプロピレンオキシ変性(以降、PO変性と略記する)トリアクリレート、トリメチロールプロパンカプロラクトン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(以降、PETTAと略記する)、グリセロールトリアクリレート、グリセロールエピクロロヒドリン変性(以後ECH変性)トリアクリレート、グリセロールEO変性トリアクリレート、グリセロールPO変性トリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(以降、DPHAと略記する)、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(以降、DTMPTAと略記する)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、リン酸EO変性トリアクリレート、2 ,2,5,5−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられる。これらは、単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。
また、本発明に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上の連鎖重合性モノマーとしては、感光層中に緻密な架橋結合を形成するために、該モノマー中の官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)は250以下が望ましい。また、この割合が250より大きい場合、感光層は柔らかく耐摩耗性が幾分低下するため、上記例示した連鎖重合性モノマー等中、EO、PO、カプロラクトン等の変性基を有するモノマーにおいては、極端に長い変性基を有するものを単独で使用することは好ましくはない。
また連鎖重合性基を分子内に3個以上有する連鎖重合性モノマーの成分割合は、硬化物全量に対し5〜80重量%、より好ましくは10〜70重量%であり、実質的には、塗工液固形分中の連鎖重合性基を分子内に3個以上有する連鎖重合性モノマーの割合に依存する。モノマー成分が5重量%未満では感光層の3次元架橋結合密度が少なく、従来の熱可塑性バインダー樹脂を用いた場合に比べ飛躍的な耐摩耗性向上が達成されないことが予想される。また、80重量%を超えると電荷輸送性化合物の含有量が低下し、電気的特性の劣化が生じる。使用されるプロセスによって要求される電気特性や耐摩耗性が異なり、それに伴い本感光体の感光層の膜厚も異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると10〜70重量%の範囲が最も好ましい。
光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、等のアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、等のベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン等のベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤、その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物等が挙げられる。また、光重合促進効果を有するものを単独または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。これらの重合開始剤は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の好ましい含有量は、連鎖重合性を有する総含有物100重量部に対して0.5〜40重量部、より好ましくは1〜20重量部である。
本発明で使用される硬化物は、少なくとも成分A、あるいは成分Aと成分B、あるいは成分Aと成分Bと成分Cを含む塗工液を作製し、その塗工液を感光体表面に塗工した後、連鎖重合させて形成される。成分Aと成分Bと成分Cの場合は、光重合開始剤の吸収波長に応じた光照射を行ない、重合させることで形成される。
光照射量が多いほど硬化物のゲル分率が上がり、より不溶不融の状態になる。本発明の目的を達成するためには、このゲル分率が95%以上であることが好ましい。ゲル分率は、硬化物をテトラヒドロフランのような溶解性の高い有機溶媒中に5日間浸漬し、重量減少量を測定することで見ることができる。
光照射により硬化させた後、80℃〜150℃でアニールを行ない、電子写真感光体として使用される。アニール時間は1分〜60分が好ましい。
本発明の電子写真感光体は、前記硬化物を含有することを特徴としている。その構成に制限はないが、成分Aの好ましい連鎖重合性モノマーとして挙げた一般式(1)の化合物特性がホール輸送性のため、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層を順に積層した感光体の電荷輸送層に前記硬化物を適用することが好ましい。特に、前記硬化物を架橋型電荷輸送層として、感光層の上に更に積層した感光体構成として適用する場合、硬化反応条件による制約が少なくなるので更に好ましい。また、前記硬化物は単層の感光体に適用することもできる。
感光層中に連鎖重合性モノマーが未硬化で残留しても、成分Aの好ましい連鎖重合性モノマーとして挙げた一般式(1)の化合物特性がホール輸送性のため、電気特性を劣化させることはない。
図1に示す態様においては、導電性支持体(31)上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層(33)が設けられている。
図2に示す態様においては、導電性支持体(31)上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層(35)と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層(37)とが、感光層として積層された構成をとっている。
図3に示す態様においては、導電性支持体(31)上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層(33)が設けられ、更に感光層表面に架橋型電荷輸送層(39)が設けられている。
図4に示す態様においては、導電性支持体(31)上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層(35)、次に電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層(37)とが感光層として積層された構成をとっており、更に電荷輸送層上に架橋型電荷輸送層(39)が設けられている。
図5に示す態様においては、導電性支持体(31)上に、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層(37)、次に電荷発生物質を主成分とする電荷発生層(35)が感光層として積層された構成をとっており、更に電荷発生層上に架橋型電荷輸送層(39)が設けられている。
次に、転写後感光体上に残されたトナーをクリーニングするためにファーブラシ(14)、クリーニングブレード(15)が用いられる。また、クリーニングをより効率的に行うためにクリーニング前チャージャ(13)を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。次に、必要に応じて感光体上の潜像を取り除く目的で除電手段が用いられる。除電手段としては除電ランプ(2)、除電チャージャが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
[合成例1]:2−ヒドロキシ−N−(4−ジ−p−トリルアミノビフェニル−4’−イル)フェノチアジンの合成
攪拌装置、温度計、冷却管をつけた反応容器に、2−メトキシ−N−(4−ジ−p−トリルアミノビフェニル−4’−イル)フェノチアジン3.62g、塩化メチレン50mlを入れ、氷冷下で三臭化ホウ素の塩化メチレン溶液7.0mlを滴下し、更に同温度で1時間反応を行ない、更に室温まで昇温して1時間反応を行った。その後、反応液を氷水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:トルエン単独)で精製して目的物を得た。収量2.79g。
攪拌装置、温度計、冷却管、滴下漏斗をつけた反応容器に、2−ヒドロキシ−N−(4−ジ−p−トリルアミノビフェニル−4’−イル)フェノチアジン2.60g、トリエチルアミン0.70g、テトラヒドロフラン50mlを入れ、室温で攪拌した。そこへ塩化アクリロイル0.55ml、テトラヒドロフラン2.0mlの混合液を滴下した。1時間後、反応を停止し、反応液を氷水へ注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:n−ヘキサン/トルエン=2/3)により精製して目的物を得た。収量2.46g。IRスペクトルをIRデータNo.1(図8)に示す。
攪拌装置、温度計、冷却管をつけた反応容器に、2−メトキシ−N−[1−(4−ジ−p−トリルアミノ)ビニル−4―フェニル]フェノチアジン2.09g、ナトリウムエタンチオレート0.88g、N,N−ジメチルホルムアミド50mlを入れ、アルゴンガス中、135℃で加熱攪拌した。4時間後反応を停止し、反応液を氷水に注ぎ込み、濃塩酸を加えてpH=5に調整した。酢酸エチルで有機成分を抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:トルエン/酢酸エチル=19/1)で精製して目的物を得た。収量1.51g。
攪拌装置、温度計、冷却管、滴下漏斗をつけた反応容器に、2−ヒドロキシ−N−[1−(4−ジ−p−トリルアミノ)ビニル−4―フェニル]フェノチアジン1.39g、トリエチルアミン0.36g、テトラヒドロフラン40mlを入れ、室温で攪拌した。そこへ塩化アクリロイル0.25ml、テトラヒドロフラン2.0mlの混合液を滴下した。2時間後、反応を停止し、反応液を氷水へ注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:トルエン単独)により精製して目的物を得た。収量1.49g。IRスペクトルをIRデータNo.2(図9)に示す。
攪拌装置、温度計、冷却管、滴下漏斗をつけた反応容器に、2−ヒドロキシ−N−(4−ジ−p−トリルアミノビフェニル−4’−イル)フェノチアジン2.60g、炭酸カリウム0.96g、クロロメチルオキシラン0.51g、N,N−ジメチルホルムアミド50mlを入れ、60℃で攪拌した。3時間後、反応を停止し、反応液を氷水へ注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:n−ヘキサン/トルエン=2/3)により精製して目的物を得た。収量2.20g。
アルミ板上に下記塗工液3種をブレード塗工し、指触乾燥後、下記条件にて紫外線を照射し、それぞれ厚さ5μmの硬化膜を作製した。得られた硬化膜をテトラヒドロフランに7日間浸漬し、溶出量を測定した。
〔塗工液〕
塗工液A:例示化合物(B−17) 10部
トリメチロールプロパントリアクリレート 10部
重合開始剤 1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 1部
テトラヒドロフラン 84部
塗工液B:例示化合物(B−17)の代わりに、例示化合物(B−12)を使用する以外は塗工液Aと同様。
塗工液C:例示化合物(B−17)の代わりに、例示化合物(B−25)を使用する以外は塗工液Aと同様。
〔UV照射条件〕
ランプ:メタルハライドランプ 160W/cm
照射距離 120mm
照射強度 500mW/cm2
照射時間 60秒
〔溶出量試験結果〕
塗工液 溶出量(重量%)
実施例1 A 1
実施例2 B 1
実施例3 C 1
以上のように、本発明のアクリル酸エステル化合物は優れた架橋性を有している。
アルミ板上に下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、0.3μmの下引き層、0.3μmの電荷発生層、20μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
ポリアミド樹脂(CM−8000:東レ社製) 2部
メタノール 49部
ブタノール 49部
〔電荷発生層用塗工液〕
下記構造式(F−1)で示されるビスアゾ顔料 2.5部
ポリビニルブチラール(XYHL:UCC社製) 0.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
ビスフェノールZポリカーボネート 10部
(パンライトTS−2050:帝人化成社製)
電荷輸送性モノマー 10部
テトラヒドロフラン 80部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF−50−100CS:信越化学工業社製)
上記組成の電荷輸送性モノマーに本発明の例示化合物(B−17)、(B−12)、(B−25)を使用した場合、並びに下記構造のアクリル化合物(G−01)、(G−03)、(G−09)、(G−05)、(G−06)、(G−07)、(G−08)をそれぞれこの順に使用した場合の感光体を作製(したがって、アクリル化合物(G−02)、(G−04)はここでは不使用)した。得られた感光体について、市販の静電複写紙試験装置[(株)川口電機製作所製EPA−8200型]を用いて暗所で−6kVのコロナ放電により−800Vに帯電せしめた後、タングステンランプ光を感光体表面での照度が4.5luxになるように照射して、電位が 1/2になるまでの時間(秒)を求め、半減露光量E1/2(lux・sec)を算出した。また、露光30秒後の残留電位(−V)を求めた。その結果を以下の表1に示す。
φ30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μm の電荷発生層、18μmの電荷輸送層を形成した。この電荷輸送層上に下記組成の架橋型電荷輸送層用塗工液をスプレー塗工し、20分自然乾燥した後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:110mm、照射強度:750mW/cm2、照射時間:240秒の条件で光照射を行なうことにより塗布膜を硬化させた。更に130℃で20分乾燥を加え5.0μmの架橋型電荷輸送層を設け、本発明の電子写真感光体を得た。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂 6部
(大日本インキ化学工業製:ベッコゾール1307−60−EL)
メラミン樹脂) 4部
(大日本インキ化学工業製:スーパーベッカミンG−821−60
酸化チタン(石原産業製:タイペークCR−50) 40部
メチルエチルケトン 50部
〔電荷発生層用塗工液〕
下記式(F−1)で示されるビスアゾ顔料 2.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
〔電荷輸送層用塗工液〕
ビスフェノールZポリカーボネート 10部
(帝人化成製:パンライトTS−2050)
下記式(F−2)で示される低分子電荷輸送物質 7部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(信越化学工業製:KF50−100CS)
〔架橋型電荷輸送層用塗工液〕
成分A:例示化合物(B−17) 10部
成分B:トリメチロールプロパントリアクリレート 10部
(日本化薬製:KAYARAD TMPTA、分子量:296、官能基数3 官能、
分子量/官能基数=99)
成分C:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン 1部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製:イルガキュア184)
テトラヒドロフラン 100部
実施例8の成分Aを表3に記載の例示化合物に代えた他は同様にして電子写真感光体を作製した。架橋型電荷輸送層の膜厚はすべて5.0μmであった。
実施例8における成分Aを下記化合物(G−01)に代えた他は同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例8における成分Aを下記化合物(G−02)に代えた他は同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例8における成分Aを下記化合物(G−03)に代えた他は同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例8における成分Aを下記化合物(G−04)に代えた他は同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例8における成分Aを下記化合物(G−05)に代えた他は同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例8における成分Aを下記化合物(G−06)に代えた他は同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例8における成分Aを下記化合物(G−07)に代えた他は同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例8における成分Aを下記化合物(G−08)に代えた他は同様にして電子写真感光体を作製した。
直径30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、及び感光層用塗工液を順次、塗布し、乾燥することにより、厚み3.5μmの下引き層、及び厚み15μmの感光層を形成した。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂 6部
(大日本インキ化学工業株式会社製:ベッコゾール1307−60−EL)
メラミン樹脂 4部
(大日本インキ化学工業株式会社製:スーパーベッカミンG−821−60)
酸化チタン(石原産業製:タイペークCR−50) 40部
メチルエチルケトン 50部
〔感光層用塗工液〕
X型無金属フタロシアニン 2部
(大日本インキ化学工業製:FastogenBlue8120B)
下記構造式で表わされるホール輸送物質 30部
〔架橋型電荷輸送層用塗工液〕
成分A:例示化合物(B−17) 10部
成分B:トリメチロールプロパントリアクリレート 10部
(日本化薬株式会社製:KAYARAD TMPTA、分子量=296、
官能基数=3官能、分子量/官能基数=99) 1部
成分C:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:イルガキュア184)
テトラヒドロフラン 124部
実施例16の成分Aを表5に記載の例示化合物に代えた他は同様にして電子写真感光体を作製した。架橋型電荷輸送層の膜厚はすべて5.0μmであった。
実施例16の成分Aを表5に記載の比較化合物に代えた他は同様にして電子写真感光体を作製した。架橋型電荷輸送層の膜厚はすべて5.0μmであった。
実施例8の成分Bを加えなかった他は同様にして電子写真感光体を作製した。架橋型電荷輸送層の膜厚は5.0μmであった。以上のようにして作製した感光体について、外観を目視で観察し、クラック、膜剥がれはなかった。また、架橋型電荷輸送層のゲル分率を実施例8と同様の手法により求めた。その結果、ゲル分率は93%であった。
実施例8の成分Cを加えなかった他は同様にして電子写真感光体を作製した。架橋型電荷輸送層の膜厚は5.0μmであった。以上のようにして作製した感光体について、外観を目視で観察し、クラック、膜剥がれはなかった。また、架橋型電荷輸送層のゲル分率を実施例8と同様の手法により求めた。その結果、ゲル分率は95%であった。
実施例8の成分B、成分Cを加えなかった他は同様にして電子写真感光体を作製した。架橋型電荷輸送層の膜厚は5.0μmであった。以上のようにして作製した感光体について、外観を目視で観察し、クラック、膜剥がれはなかった。また、架橋型電荷輸送層のゲル分率を実施例8と同様の手法により求めた。その結果、ゲル分率は89%であった。ゲル分率を求めるために架橋型電荷輸送層を浸漬したテトラヒドロフランを液体クロマトグラフィー質量分析法で分析したところ、例示化合物(B−17)の分子イオンピークm/Z=617が確認された。
直径30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、及び感光層用塗工液を順次、塗布し、乾燥することにより、厚み3.5μmの下引き層、及び厚み15μmの感光層を形成した。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂 6部
(大日本インキ化学工業株式会社製:ベッコゾール1307−60−EL)
メラミン樹脂 4部
(大日本インキ化学工業株式会社製:スーパーベッカミンG−821−60)
酸化チタン(石原産業製:タイペークCR−50) 40部
メチルエチルケトン 50部
〔感光層用塗工液〕
X型無金属フタロシアニン(大日本インキ化学工業製:FastogenBlue8120B) 2部
例示化合物(B−17) 30部
下記構造式で表わされる電子輸送物質 18部
(帝人化成株式会社製:パンライトTS−2050)
テトラヒドロフラン 500部
次に、得られた感光体を、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:110mm、照射強度:750mW/cm2、照射時間:240秒の条件で光照射を行い硬化させた。更に130℃で20分間乾燥した。
次に、実施例27の感光体について、市販の静電複写紙試験装置[(株)川口電機製作所製EPA−8200型]を用いて暗所で+6kVのコロナ放電により+700Vに帯電せしめた後、タングステンランプ光を感光体表面での照度が4.5luxになるように照射して、電位が1/2になるまでの時間(秒)を求め、半減露光量E1/2(lux・sec)を算出した。また、露光30秒後の残留電位(V)を求めた。その結果、半減露光量は1.1lux・sec、残留電位は120Vと優れた特性を示した。
実施例27における例示化合物(B−17)を、比較化合物(G−01)に変更した他は実施例27と同様にして感光体を作製した。得られた感光体について、実施例27と同様に評価した結果、半減露光量は2.6lux・sec、残留電位は145Vであった。
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写体
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
16 感光体
17 帯電手段
18 クリーニング手段
19 画像露光部
20 現像手段
31 支持体
33 感光層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 架橋型電荷輸送層
Claims (14)
- 下記一般式(4)で表されるアクリル酸エステル化合物であることを特徴とする連鎖重合性化合物。
- 下記一般式(5)で表されるアクリル酸エステル化合物であることを特徴とする連鎖重合性化合物。
- 導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が少なくとも請求項1乃至4の何れかに記載の連鎖重合性化合物を連鎖重合させて得られる硬化物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
- 導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が少なくとも請求項1乃至4の何れかに記載の連鎖重合性化合物と、下記成分Bの混合物を連鎖重合させて得られる硬化物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
成分B:連鎖重合性基を分子内に3個以上有し成分Aでない連鎖重合性モノマー - 導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が少なくとも請求項1乃至4の何れかに記載の連鎖重合性化合物と、下記成分B、成分Cの混合物を連鎖重合させて得られる硬化物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
成分B:連鎖重合性基を分子内に3個以上有し成分Aでない連鎖重合性モノマー
成分C:光重合開始剤 - 請求項1乃至4の何れかに記載の連鎖重合性化合物及び/又は成分Bの連鎖重合性基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の電子写真感光体。
- 導電性支持体上に少なくとも単層の感光層を有する電子写真感光体であることを特徴とする請求項5乃至8の何れかに記載の電子写真感光体。
- 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を順次積層した電子写真感光体であることを特徴とする請求項5乃至8の何れかに記載の電子写真感光体。
- 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層を順次積層した電子写真感光体であって、該架橋型電荷輸送層が少なくとも請求項1乃至4の何れかに記載の連鎖重合性化合物を連鎖重合させて得られる硬化物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
- 請求項5乃至11の何れかに記載の電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写が繰り返し行われることを特徴とする画像形成方法。
- 少なくとも電子写真感光体、帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段を具備してなる画像形成装置において、前記電子写真感光体が請求項5乃至11の何れかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
- 電子写真感光体と、帯電手段、画像露光手段、現像手段、及び転写手段の少なくとも1つを具備する画像形成装置用プロセスカートリッジにおいて、前記電子写真感光体が、請求項5乃至11の何れかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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