JP5049109B2 - 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
また近年の高画質化、高耐久化の要望が高まり、環境安定性と耐摩耗性を高度なレベルで両立させる必要が切望されている。
また、かかる高耐久、高安定な長寿命感光体を使用し、長期間にわたり高画質化を実現した画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することである。
すなわち、上記課題は、下記の本発明によって解決される。
(5)前記ラジカル硬化組成物が、少なくとも前記一般式(B)、(C)、(D)で表されるラジカル重合性化合物のいずれかと、更にラジカル重合性官能基を1つ以上有する電荷輸送性化合物を含有する塗工液を感光層表面に塗工した後、ラジカル硬化させて形成された組成物であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の電子写真感光体。
(6)前記ラジカル硬化組成物が、光のエネルギーを用いた手段で硬化されていることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真感光体。
(7)前記ラジカル硬化されていない感光層が、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を順次積層した構成をとることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の電子写真感光体。
(9)少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及び電子写真感光体を具備してなる画像形成装置において、該電子写真感光体が前記(1)〜(7)のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
(10)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の電子写真感光体と、更に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段から選択される少なくとも1つの手段とが一体となり、画像形成装置と着脱自在であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
本発明においては、架橋表面層を形成するラジカル硬化組成物の構造中に下記一般式(A)の化学構造を組み込むことにより、優れた耐摩耗性と同時に、温湿度に広く対応できる環境安定性を有し、また帯電器から発生するオゾンガス、窒素酸化物ガス(NOxガス)等の酸化性ガスに強く、画像濃度の変動、画像流れ、及び解像度低下を抑制できることが判明した。
まず本発明の架橋表面層が高い耐摩耗性を有することを説明する。
従来、ラジカル硬化性組成物からなる架橋表面層は、緻密な3次元網目構造が形成でき、これにより高い耐摩耗性が発揮されることが知られていた。特許第3262488号公報(特許文献1)及び特開2006−227761号公報に記載されているように、耐摩耗性を支配する要因は硬化組成物中のラジカル硬化性官能基量を増やすことが重要で、例えばアクリル基の場合アクリル当量(モノマー分子量を官能基数で割った値)の小さいモノマーを用いることで、より緻密な3次元架橋構造が形成され、高い耐摩耗性が達成されることが開示されている。また、官能基数が多いモノマー、例えば3官能以上のモノマー、更には6官能モノマーを用いることも耐摩耗性向上に有効であり、官能基の中の少なくとも1つが重合することで分子量が増大する確率が高まることによる。従って、2官能以下のモノマーを主成分として用いると機械的強度が低下し、先の特許文献にも記載されているように架橋表面層の耐摩耗性が低下することが予想されるものであった。
次に、本発明の架橋表面層が環境変動や酸化性ガスに強い理由を記載する。
元来耐摩耗性の高い架橋表面層では、ウレタン硬化、アクリル硬化、シロキサン硬化、エポキシ硬化など架橋構造を問わず、緻密な網目構造を形成するため多量の反応性置換基が必要となり、得られた架橋膜も極性基が多く誘電率も高くなる。このため環境変動や酸化性ガスに弱い。
上記のような理由から、本発明の硬化組成物中に一般式(A)の構造単位を含有させることで、耐摩耗性に優れ、環境変動や酸化性ガスにも強い、両特性を同時に改良された架橋表面層が達成できたと考えられる。
次に、本発明の架橋表面層を形成するラジカル硬化組成物の構成成分について説明する。
本発明は、前記ラジカル硬化組成物中に一般式(A)の構造単位を含有させるものであるが、かかる構造単位を有するラジカル重合性モノマー、ラジカル重合性オリゴマー又はラジカル重合性官能基を有するポリマー等のラジカル重合性化合物を、光、熱又は電子線のエネルギーにより硬化することで、架橋表面層中の硬化物構造中に導入される。この硬化に際し、一般式(A)の構造単位は分解することなく固定化され、硬化表面層を熱分解GC分析によるMSスペクトル測定、赤外分光分析による特性吸収測定等で確認できる。一般式(A)の構造単位は全ラジカル硬化組成物量に対し5〜80重量%、好ましくは10〜50重量%である。硬化組成物中の一般式(A)の構造単位が5重量%未満では、目的とする環境変動や酸化性ガスに対する電気特性や画像劣化を抑制できない。また、80重量%を超えると硬化性官能基が少なくなり耐摩耗性、耐傷性などの機械的強度が低下する。
官能基(P)
CH2=CH−X1−
(ただし、式中、X1は、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R21)−基(R21は、水素、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わす。)、または−S−基を表わす。)
これらの置換基を具体的に例示すると、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
官能基(R)
CH2=C(Y)−X2−
(ただし、式中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR22基(R22は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基)、または−CONR23R24(R23およびR24は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わし、互いに同一または異なっていてもよい。)、また、X2は官能基(P)のX1と同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表わす。ただし、Y、X2の少なくとも何れか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。)
これらの置換基を具体的に例示すると、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
これらのラジカル重合性官能基の中では、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用であり、アクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば水酸基がある化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル化反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、メタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。ラジカル硬化性官能基を複数有する場合、それらが同一であっても異なっても良い。
一般式(A)の構造単位を導入するには、下記一般式(B)で表されるラジカル重合性化合物を含有する塗工液を感光層上に塗工した後、ラジカル硬化させることが特に好ましい。
<n、mがいずれも0の場合>
B1−1工程
B2−1工程
一般式(A)の構造単位を導入するには、下記一般式(C)で表されるラジカル重合性化合物を含有する塗工液を感光層上に塗工した後、ラジカル硬化させることが特に好ましい。
C1−1工程
C2−1工程
C3−1工程
また、工程に記載以外の従来合成方法を適用することも可能である。例えば、(メタ)アクリロイル化の工程を上記工程では、酸クロリドとヒドロキシ基との反応を用いて例示したが、適応する酸とヒドロキシ基との脱水縮合反応を用いることも可能であり、また、アクリロイル化では、下記(C4)に示す反応
を適用することもできる。
一般式(A)の構造単位を導入するには、下記一般式(D)で表されるラジカル重合性化合物を含有する塗工液を感光層上に塗工した後、ラジカル硬化させることが特に好ましい。
D1−1工程
本発明の架橋表面層は一般式(A)の構造単位を有する硬化組成物を含有しているが、耐摩耗性、硬度、塗工液粘度、硬化速度等を調節する目的で、ラジカル重合性官能基を3つ以上有するモノマーを混合使用することができる。このラジカル重合性官能基としては、先のラジカル重合性化合物で示したものが挙げられ、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用である。
3官能以上のラジカル重合性モノマーとしては、以下のものが例示されるが、これらの化合物に限定されるものではない。
本発明の架橋表面層は一般式(A)の構造単位を有する硬化組成物を含有しているが、架橋表面層の電荷輸送性を向上し良好な感度や低い残留電位を長期にわたり維持する目的で、ラジカル重合性官能基を1つ以上有する電荷輸送性化合物を混合使用することができる。更に、これにより架橋表面層の膜厚を厚くでき、架橋表面層が摩耗消失するまでの更なる長寿命化が達成される。また、架橋表面層を厚膜化できることにより、キャリアや紙粉付着による傷の影響も緩和できる。
前記一般式(1)、(2)において、R101の置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていても良い。
R101の置換基のうち、特に好ましいものは水素原子、メチル基である。
該縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as(asym)−インダセニル基、s(sym)−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられる。
複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、及びチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
(2)アルキル基;
好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
R44は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基;
アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基;
具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
前記Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、C1〜C12、好ましくはC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキレン基であり、これらのアルキレン基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、i−プロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキシエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基としては、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基等のアルキレンオキシ2価基、あるいはエチレングリコール、プロピレングリコール等から誘導されるアルキレンジオキシ2価基、若しくはジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等から誘導される、ジ又はポリ(オキシアルキレン)オキシ2価基等が挙げられ、アルキレンエーテル2価基のアルキレン基はヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有してもよい。
置換もしくは未置換のアルキレン基としては、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基としては、前記Xのアルキレンエーテル2価基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル2価基としては、カプロラクトン変性2価基が挙げられる。
上記一般式で表わされる化合物としては、Rb、Rcの置換基として、特にメチル基、エチル基である化合物が好ましい。
本発明の架橋表面層は、上記一般式(A)で表される構造単位を含有するものであるが、これ以外に塗工時の粘度調整、架橋表面層の応力緩和、低表面エネルギー化や摩擦係数低減などの機能付与の目的で1官能及び2官能のラジカル重合性モノマー、機能性モノマー、及びラジカル重合性オリゴマーを併用することができる。これらのラジカル重合性モノマー、オリゴマーとしては、公知のものが利用できる。
但し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーやラジカル重合性オリゴマーを多量に含有させると架橋表面層の3次元架橋結合密度が実質的に低下し、耐摩耗性の低下を招く。このためこれらのモノマーやオリゴマーの含有量は、架橋表面層の硬化性を有する構成物質全量に対し30重量%以下、好ましくは20重量%以下に制限される。
また、本発明の架橋表面層はラジカル硬化組成物中に少なくとも上記一般式(A)で表される構造単位を含有するものであるが、必要に応じて硬化反応を効率よく進行させるために架橋表面層塗布液中に重合開始剤を含有させても良い。
これらの重合開始剤は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性を有する総含有物100重量部に対し、0.5〜40重量部、好ましくは1〜20重量部である。
更に、本発明の架橋表面層塗工液は必要に応じて、各種可塑剤(応力緩和や接着性向上の目的)、レベリング剤、ラジカル反応性を有しない低分子電荷輸送物質、バインダー樹脂などの添加剤が含有できる。これらの添加剤は公知のものが使用可能であり、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂に使用されているものが利用可能で、その使用量は塗工液の総固形分に対し20重量%以下、好ましくは10重量%以下に抑えられる。また、レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用でき、その使用量は塗工液の総固形分に対し3重量%以下が適当である。低分子電荷輸送物質は架橋表面層の電荷輸送性を向上し露光部電位を下げるために有効であるが、添加により硬化性材料が少なくなることから高い耐摩耗性の効果が減じられる。このため添加量は用いるプロセスで調整されるが、架橋表面層全成分の50重量%以下、好ましくは30重量%以下で使用される。バインダー樹脂は架橋表面層の内部応力を減らし均一性を上げ、クラックや傷の発生を抑制する効果がある。但し、他の添加剤と同様に添加により高い耐摩耗性の効果が減じられるため、添加量は20重量%以下、好ましくは10重量%以下に抑えられる。
本発明の架橋表面層は、少なくとも上記一般式(A)の構造単位を含有するラジカル重合性化合物を含む塗工液を後に記載の感光層上に塗布、硬化することにより形成される。かかる塗工液はラジカル重合性化合物が液体である場合、これに他の成分を溶解して塗布することも可能であるが、必要に応じて溶媒により希釈して塗布される。このとき用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテルなどのエーテル系、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどのセロソルブ系などが挙げられる。これらの溶媒は単独または2種以上を混合して用いてもよい。溶媒による希釈率は組成物の溶解性、塗工法、目的とする膜厚により変わり、任意である。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。
放射線のエネルギーとしては電子線が好適に用いられる。電子線の加速電圧は300KV以下、好ましくは150KV以下、線量は1〜100Mradの条件で硬化される。加速電圧が300KVを超える又は線量が100Mradを超えると構成材料の分解が進み、本発明の効果が発揮されない。
これらのエネルギーの中で、反応速度制御の容易さ、装置の簡便さから光のエネルギーを用いたものが有用である。
以下、本発明をその層構造に従い説明する。
本発明に用いられる電子写真感光体を図面に基づいて説明する。
図1、2は、本発明の電子写真感光体を表わす断面図である。
図1−Aは導電性支持体上に、電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する感光層が設けられた単層構造で、架橋表面層が感光層の表面部分である場合を示す。すなわち、ラジカル硬化されていない感光層は、図の電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する感光層を表し、ラジカル硬化組成物を含有する架橋表面層は、図の架橋表面層を表す。図1−Bは、導電性支持体上に、感光層として電荷発生機能を有する電荷発生層が設けられた単層構造で、電荷輸送性化合物を有する架橋表面層が感光層の表面部分である場合を示す。すなわち、ラジカル硬化されていない感光層は、図の電荷発生層を表し、ラジカル硬化組成物を含有する架橋表面層は、図の架橋表面層を表す。
図2は、導電性支持体上に、感光層として、電荷発生機能を有する電荷発生層と電荷輸送物機能を有する電荷輸送層とが積層された積層構造の感光体である。架橋表面層が電荷輸送層の表面部分である場合を示す。すなわち、ラ・BR>Wカル硬化されていない感光層は、図の電荷発生層と電荷輸送層を表し、ラジカル硬化組成物を含有する架橋表面層は、図の架橋表面層を表す。
導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体として用いることができる。
更に、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
次に感光層について説明する。感光層は積層構造でも単層構造でもよい。
積層構造の場合には、感光層は電荷発生機能を有する電荷発生層と電荷輸送機能を有する電荷輸送層とから構成される。また、単層構造の場合には、感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層、又は電荷発生機能を有する電荷発生層から構成される。
以下、積層構造の感光層及び単層構造の感光層のそれぞれについて述べる。
(1)電荷発生層について
電荷発生層は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
電荷輸送層は電荷輸送機能を有する電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成される。
電荷輸送物質としては、前記電荷発生層で記載した電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質を用いることができる。特に高分子電荷輸送物質を用いることは、架橋表面層塗工時の下層の溶解性を低減効果を示し、とりわけ有用である。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。但し、高分子電荷輸送物質を用いる場合は、単独でも結着樹脂との併用も可能である。
また、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。
電荷輸送層に併用できる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般的に樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
電荷輸送層に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
電荷輸送層の膜厚は、5〜40μm程度が適当であり、好ましくは10〜30μm程度が適当である。
架橋表面層は、前述の架橋表面層作製方法に記載したように、かかる電荷輸送層の上に本発明の架橋表面層塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、光、熱又は放射線のエネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋表面層が形成される。感光層が積層構造では架橋表面層は電荷輸送性化合物(ラジカル重合性官能基を有しているもの又は有していいないものに関わらず)を含有して電荷輸送性機能を付与しても、含有せずに保護層としても良い。このとき架橋表面層の膜厚は、電荷輸送機能を付与する場合、1μm以上、15μm以下、さらに好ましくは2μm以上、13μm以下である。15μmより厚い場合、クラックや膜剥がれが発生しやすくなる。電荷輸送機能を付与せず保護層として用いる場合、更に架橋密度を高くすることができ、耐摩耗性を高めることができる。この場合の、架橋表面層の膜厚は、1μm以上、5μm以下、さらに好ましくは2μm以上、4μm以下で使用される。5μmより厚い場合、前述のようにクラックや膜剥がれが発生しやすくなる、また、電荷輸送能がないため大幅な感度低下が起きる。架橋表面層の膜厚が、1μmより薄いと膜厚ムラによって耐久性がばらつく。(2μm以上、4μm以下で使用することにより、クラック、膜剥がれ、感度低下が起きにくくなる優れた効果がある。)
単層構造の感光層は、電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層、又は電荷発生機能を有する電荷発生層である。
(1)電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する単層構造の場合
感光層が電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層である場合、感光層は電荷発生機能を有する電荷発生物質と電荷輸送機能を有する電荷輸送物質と結着樹脂を適当な溶媒に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤等を添加することもできる。電荷発生物質の分散方法、それぞれ電荷発生物質、電荷輸送物質、可塑剤、レベリング剤は前記電荷発生層、電荷輸送層において既に述べたものと同様なものが使用できる。結着樹脂としては、先に電荷輸送層の項で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。また、先に挙げた高分子電荷輸送物質も使用可能で、架橋表面層への感光層組成物の混入を低減できる点で有用である。感光層中に含有される電荷発生物質は感光層全量に対し1〜30重量%が好ましく、感光層に含有される結着樹脂は全量の20〜80重量%、電荷輸送物質は10〜70重量部が良好に用いられる。
かかる感光層の膜厚は、5〜30μm、好ましくは10〜25μmが用いられる。
感光層が電荷発生機能を有する電荷発生層である場合、電荷発生層には、前記積層構成で上げた電荷発生層と同様なものが使用できる。電荷発生層上に設けられる架橋表面層は電荷輸送性機能を持たせるため、電荷輸送性化合物を含有させる。このとき電荷輸送性化合物はラジカル重合性官能基を有していても又は有していなくても良い。但し、電荷輸送性化合物としてラジカル重合性官能基を有しているものを用いる場合、本発明の高い耐摩耗性効果が更に優れて発揮でき、好適である。電荷輸送機能を有する架橋表面層は、前記作製方法に記載したように電荷発生層上に本発明の架橋表面層塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、光、熱、又は放射線のエネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋表面層が形成される。このとき、架橋表面層の膜厚は、10〜30μm、好ましくは10〜25μmである。10μmより薄いと充分な帯電電位が維持できず、30μmより厚いと硬化時の体積収縮により下層との剥離が生じやすくなる。
本発明の感光体においては、架橋表面層が感光層の表面部分となる場合、架橋表面層と感光層との間に中間層を設けることが可能である。この中間層はラジカル硬化組成物を含有する架橋表面層中にラジカル硬化されていない感光層組成物の混入により生ずる、硬化反応の阻害や架橋表面層の凹凸を防止する。また、感光層と架橋表面層の接着性を向上させることも可能である。
中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく一般に用いられる塗工法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
本発明の感光体においては、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、架橋表面層、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、中間層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
本発明に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
(フェノール系化合物)
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類など。
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
(ハイドロキノン類)
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオープロピオネート)など。
(有機燐化合物類)
トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリ(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2―エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、トリス(2,4、ジーt−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,ジーt―ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジーt−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、テトラキス(2,4−ジーt−ブチルフェニル)4,4‘−ビフェニレンージーホスホナイト、ジラウリルハイドロゲンホスファイト、ジフェニルハイドロゲンホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、水添ビスフェノールA・ペンタエリスリトールホスファイトポリマーなど。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して0.01〜10重量%である。
次に図面に基づいて本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置を詳しく説明する。
本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置とは、本発明のラジカル硬化されていない感光層と、特定のラジカル硬化組成物を含有する架橋表面層を有する感光体を用い、例えば少なくとも感光体に帯電、画像露光、現像の過程を経た後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着及び感光体表面のクリーニングというプロセスよりなる画像形成方法ならびに画像形成装置である。
場合により、静電潜像を直接転写体に転写し現像する画像形成方法等では、感光体に配した上記プロセスを必ずしも有するものではない。
次に、均一に帯電された感光体(1)上に静電潜像を形成するために画像露光部(5)が用いられる。この光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
次に、感光体上で可視化されたトナー像を転写体(9)上に転写するために転写チャージャ(10)が用いられる。また、転写をより良好に行なうために転写前チャージャ(7)を用いてもよい。これらの転写手段としては、転写チャージャ、バイアスローラーを用いる静電転写方式、粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式、磁気転写方式が利用可能である。静電転写方式としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写後感光体上に残されたトナーをクリーニングするためにファーブラシ(14)、クリーニングブレード(15)が用いられる。また、クリーニングをより効率的に行なうためにクリーニング前チャージャ(13)を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。
その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
この画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態でそれら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。プロセスカートリッジの一例を図4に示す。
画像形成装置用プロセスカートリッジとは、感光体(101)を内蔵し、他に帯電手段(102)、現像手段(104)、転写手段(106)、クリーニング手段(107)、除電手段(図示せず)の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。
以上の説明から明らかなように、本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができるものである。
(1)B−1−1の合成
1,1-Bis(4-hydroxyphenyl)cyclohexane(東京化成製 B1568)6g(0.0224mol)をテトラヒドロフラン70mlに溶解し、窒素気流中で水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:3.76g,水:32ml)を滴下した。この溶液を2℃に冷却し、アクリル酸クロライド8.26g(0.0456mol)を30分かけて滴下した。その後、2〜5℃で5時間撹拌し、反応を終了させた。この反応液を水に注ぎ、白色粉末状粗収物を析出させ、濾別後水で繰り返し洗浄した。その後、この粗収物をカラムクロマトグラフィー処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン/酢酸エチル(10/1))し、次にエタノールで再結晶し、目的物(例示化合物B−1−1)の白色結晶4.99g(収率=59.3%)を得た。得られた化合物の融点及び元素分析値を以下に示す。また、赤外吸収スペクトル(KBr法)を図5に示す。
融点:117.5〜118.0℃
元素分析値(%)
C(%) H(%) N(%)
実測値 76.65 6.40 0.00
計算値 76.57 6.43 0.00
(1)B−2−4の合成
9,9-Bis[4-(2-hydroxyethoxy)phenyl]fluorene(東京化成製 F0447)6g(0.0137mol)をジメチルアセトアミド70mlに溶解し、窒素気流中3℃で3−クロロプロピオニルクロリド6.95g(0.0548mol)を滴下し、室温で3.5時間攪拌した。その後、窒素気流中室温でトリエチルアミン11.08gを40分かけて滴下し、60℃で4時間攪拌し、反応を終了させた。この反応液を水に注ぎ、酢酸エチルにて抽出し、この抽出液を水で繰り返し洗浄した。その後、この抽出液から溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン/酢酸エチル(3/1))にて精製した。このようにして、無色透明オイルの例示化合物B−2−4を6.18g(収率=82.6%)を得た。得られた化合物の元素分析値を以下に示す。また、赤外吸収スペクトル(NaCl板塗布)を図6に示す。
元素分析値(%)
C(%) H(%) N(%)
実測値 76.70 6.51 0.00
計算値 76.91 5.53 0.00
(1)下記構造の中間体化合物Aの合成
上記中間体化合物A9.16g(0.0220mol)をジメチルアセトアミド87mlに溶解させた。3−クロロプロピオニルクロリド16.75g(0.132mol)をアルゴン気流中3℃で加え、室温で7時間攪拌した。その後トリエチルアミン37mlを3℃で加え、60℃で5時間攪拌し、反応を終了させた。この反応液を水に注ぎ、ジクロロメタンにて抽出し、この抽出液を水で繰り返し洗浄した。その後、この抽出液から溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル(2/1))にて精製した。このようにして、オイル状の例示化合物C−1−1を11.9g(中間体からの収率=85.5%)を得た。得られた例示化合物C−1−1の赤外吸収スペクトルを図8に示す。
以上のように他のジフェノール体についても同様にして合成できる。
(1)D−1−4の合成
かき混ぜ装置、温度計、滴下漏斗をつけた反応容器に、1,1-Bis(4-hydroxy-3-methylphenyl)cyclohexane 5.93g(0.020mol)とエピクロルヒドリン18.51g(200mmol)、トルエン20mlを入れ、窒素気流下、110℃で加熱攪拌した。
これに反応系内の温度が100℃〜120℃を維持するように20重量%水酸化ナトリウム水溶液9.60g(48mmol)を30分間かけて滴下し、110℃で4時間反応させた。これを室温まで放冷し、過剰のエピクロルヒドリンを減圧回収した後、トルエンを加えて有機層を水洗浄した。このトルエン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。この液をカラムクロマトグラフィー処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン/酢酸エチル(1/1))し、原料と高分子量成分を除去した。これにより無色透明オイル状物6.92gを得た。
オイル状物を再度トルエン80mlに溶解させ、アクリル酸2.88g(0.040mol)、トリエチルアミン0.2mlと共に反応容器に入れて、80℃で3時間反応させた。放冷後、水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。これを、再度トルエン溶液とし、活性白土5gを加えて室温で30分間吸着処理した後、カラムクロマトグラフィー処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン/酢酸エチル(3/1))し、未反応物と高分子量成分を除去した。これにより無色透明オイル状物(D−1−4)6.53gを得た。
この物をゲルパーミエーションクロマトグラフィーで分子量を測定したところ、nが1〜5の混合物を主成分とする組成物である値を示した。
φ30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の感光層塗工液を浸漬法で塗工し、乾燥後の厚みが23μmの感光層を形成した。この感光層上に下記組成の架橋表面層塗工液をスプレー塗工し、5分自然乾燥した後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:120mm、照射強度:800mW/cm2、照射時間:60秒の条件で光照射を行ない塗布膜を硬化させた。更に130℃で20分乾燥を加え2μmの架橋表面層を設け、本発明の電子写真感光体を得た。
下記処方において、無金属フタロシアニンとテトラヒドロフランの固形分3%溶液をジルコニアボールで24時間ボールミル分散した。作製した顔料分散液を、残り材料を混合溶解させた溶液に加え、塗工液を作製した。
・無金属フタロシアニン: 2部
(FastogenBlue8120B、大日本インキ化学工業株式会社製)
・下記構造式の電荷輸送物質: 24部
2,6-ジメチル-2',6'-ジ-tert-ブチル-ジフェノキノン
・ビスフェノールZ型ポリカーボネート: 41部
(パンライトTS−2050、帝人化成製)
・テトラヒドロフラン: 382部
・1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液: 0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)
下記処方において、暗所で全ての材料を混合溶解し、塗工液を作製した。
・例示化合物B−2−4のラジカル重合性化合物: 20部
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例1の架橋表面層塗工液を下記のものに変え、架橋表面層の膜厚を5μmとした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・例示化合物B−2−4のラジカル重合性化合物: 10部
・ラジカル重合性官能基を1つ以上有する電荷輸送性化合物: 10部
(例示化合物NO.54)
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例1の架橋表面層塗工液を下記のものに変えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・例示化合物C−1−1のラジカル重合性化合物: 20部
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例1の架橋表面層塗工液を下記のものに変え、架橋表面層の膜厚を5μmとした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・例示化合物C−1−1のラジカル重合性化合物: 10部
・ラジカル重合性官能基を1つ以上有する電荷輸送性化合物: 10部
(例示化合物NO.54)
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例1の架橋表面層塗工液を下記のものに変えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・例示化合物D−1−4のラジカル重合性化合物: 20部
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例1の架橋表面層塗工液を下記のものに変え、架橋表面層の膜厚を5μmとした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・例示化合物D−1−4のラジカル重合性化合物: 10部
・ラジカル重合性官能基を1つ以上有する電荷輸送性化合物: 10部
(例示化合物NO.54)
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
φ30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、18μmの電荷輸送層を形成した。この電荷輸送層上に下記組成の架橋表面層塗工液をスプレー塗工し、5分自然乾燥した後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:120mm、照射強度:800mW/cm2、照射時間:60秒の条件で光照射を行ない塗布膜を硬化させた。更に130℃で20分乾燥を加え3μmの架橋表面層を設け、本発明の電子写真感光体を得た。
下記処方において、全ての材料を混合しアルミナボールで48時間ボールミル分散した。この分散液を500メッシュのステンレスメッシュで濾過し、塗工液を作製した。
・アルキッド樹脂: 6部
(ベッコライト M−6401−50、大日本インキ化学工業製)
・メラミン樹脂: 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
・酸化チタン: 40部
・メチルエチルケトン: 50部
下記処方において、ビスアゾ顔料とメチルエチルケトンの固形分10%溶液をジルコニアボールで10日間ボールミル分散した。この分散液にシクロヘキサノンを加え、固形分3%の顔料分散液とし、更に2時間ボールミル分散した。この顔料分散液を、残りの材料を混合溶解した溶液に加え、よく撹拌した後、1000メッシュのステンレスメッシュで濾過し、塗工液を作製した。
・下記構造のビスアゾ顔料: 2.5部
・シクロヘキサノン: 200部
・メチルエチルケトン: 80部
下記処方において、全ての材料を混合溶解し、塗工液を作製した。
・ビスフェノールZ型ポリカーボネート: 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成製)
・下記構造式の電荷輸送物質: 7部
・1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液: 1部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
下記処方において、暗所で全ての材料を混合溶解し、塗工液を作製した。
・例示化合物B−2−4のラジカル重合性化合物: 20部
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例7の架橋表面層塗工液を下記のものに変えた以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・例示化合物C−1−1のラジカル重合性化合物: 20部
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例7の架橋表面層塗工液を下記のものに変えた以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・例示化合物D−1−4のラジカル重合性化合物: 20部
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例7の架橋表面層塗工液を下記のものに変え、架橋表面層の膜厚を7μmとした以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・例示化合物B−1−1のラジカル重合性化合物: 5部
・ラジカル重合性官能基を3つ以上有するモノマー: 5部
トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
(例示化合物NO.54)
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例7の架橋表面層塗工液を下記のものに変え、架橋表面層の膜厚を7μmとした以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・例示化合物B−1−5のラジカル重合性化合物: 5部
例示化合物B−1−5は9,9-Bis(4-hydroxy-3-methylphenyl)fluorene(東京化成製
B2396)からB−1−1合成例1と同様にして合成されたジアクリレート体
・ラジカル重合性官能基を3つ以上有するモノマー: 5部
ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート
(KAYARAD DPCA-120、日本化薬製)
(例示化合物NO.54)
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例7の架橋表面層塗工液を下記のものに変え、架橋表面層の膜厚を7μmとした以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・例示化合物B−1−7のラジカル重合性化合物: 5部
例示化合物B−1−7は1,1-Bis(3-cyclohexyl-4-hydroxyphenyl)cyclohexane(東京
化成製B2752)からB−1−1合成例1と同様にして合成されたジアクリレート体
・ラジカル重合性官能基を3つ以上有するモノマー: 5部
ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート
(KAYARAD DPCA-120、日本化薬製)
・ラジカル重合性官能基を1つ以上有する電荷輸送性化合物: 10部
(例示化合物NO.109)
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例7の架橋表面層塗工液を下記のものに変え、架橋表面層の膜厚を7μmとした以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・例示化合物B−1−10のラジカル重合性化合物: 5部
例示化合物B−1−10はジフェノール体BisP−PZ(本州化学製)からB−
1−1合成例1と同様にして合成されたジアクリレート体
・ラジカル重合性官能基を3つ以上有するモノマー: 5部
トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
・ラジカル重合性官能基を1つ以上有する電荷輸送性化合物: 10部
(例示化合物NO.54)
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例7の架橋表面層塗工液を下記のものに変え、架橋表面層の膜厚を7μmとした以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・例示化合物B−1−12のラジカル重合性化合物: 5部
例示化合物B−1−12は アクリル酸クロライドの代わりにメタクリル酸クロライ
ドを用い、B−1−1合成例1と同様にして合成されたジメタクリレート体
・ラジカル重合性官能基を3つ以上有するモノマー: 5部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA、日本化薬製)
(例示化合物NO.147)
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例7の架橋表面層塗工液を下記のものに変え、架橋表面層の膜厚を7μmとした以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・例示化合物B−2−4のラジカル重合性化合物: 10部
・ラジカル重合性官能基を1つ以上有する電荷輸送性化合物: 10部
(例示化合物NO.54)
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例7の架橋表面層塗工液を下記のものに変え、架橋表面層の膜厚を7μmとした以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・例示化合物C−1−1のラジカル重合性化合物: 10部
・ラジカル重合性官能基を1つ以上有する電荷輸送性化合物: 10部
(例示化合物NO.54)
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例7の架橋表面層塗工液を下記のものに変え、膜厚を7μmとした以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・例示化合物C−1−11のラジカル重合性化合物: 5部
例示化合物C−1−11は9,9-Bis(4-hydroxy-3-methylphenyl)fluorene(東京化成
製B2396)から、グリシジルメタクリレートを用いC1−1工程でジメタアクリレー
ト体を誘導し、更に3−クロロプロピオニルクロリドを用い合成されたジメタアクリ
レート−ジアクリレート体
・ラジカル重合性官能基を3つ以上有するモノマー: 5部
トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
・ラジカル重合性官能基を1つ以上有する電荷輸送性化合物: 10部
(例示化合物NO.54)
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例7の架橋表面層塗工液を下記のものに変え、架橋表面層の膜厚を7μmとした以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・例示化合物D−1−1のラジカル重合性化合物: 10部
例示化合物D−1−1は D−1−4合成例1のエピクロルヒドリン量を増量し、
D−1−4と同様にして合成されたジアクリレート体
・ラジカル重合性官能基を1つ以上有する電荷輸送性化合物: 10部
(例示化合物NO.54)
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例7の架橋表面層塗工液を下記のものに変え、架橋表面層の膜厚を7μmとした以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・例示化合物D−1−4のラジカル重合性化合物: 5部
・ラジカル重合性官能基を3つ以上有するモノマー: 5部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA、日本化薬製)
・ラジカル重合性官能基を1つ以上有する電荷輸送性化合物: 10部
(例示化合物NO.54)
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例1の架橋表面層塗工液を下記のものに変えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・下記構造式のラジカル重合性モノマー: 20部
(ABE−300、新中村化学工業)
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例1の架橋表面層塗工液を下記のものに変え、架橋表面層の膜厚を5μmとした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・ラジカル重合性モノマー: 10部
ビスフェノールAエチレンオキシ変性ジアクリレート
(ABE−300、新中村化学工業)
・ラジカル重合性官能基を1つ以上有する電荷輸送性化合物: 10部
(例示化合物NO.54)
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例7の架橋表面層塗工液を下記のものに変えた以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・ラジカル重合性モノマー: 20部
ビスフェノールAエチレンオキシ変性ジアクリレート
(ABE−300、新中村化学工業)
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例7の架橋表面層塗工液を下記のものに変え、架橋表面層の膜厚を7μmとした以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・ラジカル重合性モノマー: 10部
ビスフェノールAエチレンオキシ変性ジアクリレート
(ABE−300、新中村化学工業)
・ラジカル重合性官能基を1つ以上有する電荷輸送性化合物: 10部
(例示化合物NO.54)
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例7の架橋表面層塗工液を下記のものに変え、架橋表面層の膜厚を7μmとした以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・ラジカル重合性モノマー: 5部
ビスフェノールAエチレンオキシ変性ジアクリレート
(ABE−300、新中村化学工業)
・ラジカル重合性官能基を3つ以上有するモノマー: 5部
トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
・ラジカル重合性官能基を1つ以上有する電荷輸送性化合物: 10部
(例示化合物NO.54)
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例7の架橋表面層塗工液を下記のものに変えた以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・ラジカル重合性モノマー: 20部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA、日本化薬製)
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例7の架橋表面層塗工液を下記のものに変え、架橋表面層の膜厚を7μmとした以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・ラジカル重合性モノマー: 10部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA、日本化薬製)
・ラジカル重合性官能基を1つ以上有する電荷輸送性化合物: 10部
(例示化合物NO.54)
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例7の架橋表面層塗工液を下記のものに変え、架橋表面層の膜厚を7μmとした以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
[架橋表面層塗工液]
・下記構造式のラジカル重合性モノマー: 5部
ネオペンチルグリコールジアクリレート(KAYARAD NPGDA、日本化薬製)
(例示化合物NO.54)
・光重合開始剤: 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 100部
実施例1の架橋表面層を設けず、感光層の膜厚を28μmとした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
<比較例10>
実施例7の架橋表面層を設けず、電荷輸送層の膜厚を25μmとした以外は実施例4と同様に電子写真感光体を作製した。
・全く問題が見られない。 ◎
・部分的にわずかに発生する。 ○
・部分的に明瞭に発生する。 △
・全面に発生する。 ×
その結果を下記表2に示す。
一方、従来の架橋保護層を有する比較例では、とくに3官能以上のモノマーを用いた感光体(比較例6〜7)で低温低湿下における画像濃度低下、高温高湿下における画像流れ、NOx暴露試験における解像度低下が著しい。また、ビスフェノールA型ジアクリレートをモノマーに使用した感光体(比較例1〜5)は、先の3官能以上のモノマーを用いた感光体に比べ上記画像劣化に対し改善は見られるものの十分ではなく、本発明の実施例1〜19の感光体が明らかに優れた特性を有していることが分かる。
以上より、実施例1〜19に示される上記一般式(A)の構造を含むラジカル硬化組成物を含有する架橋表面層を有する電子写真感光体が、従来と同等以上の優れた耐摩耗性と種々の温湿度環境下や酸化性ガス暴露下においても優れた画像出力安定性を備えていることが判る。
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
101 感光ドラム
102 帯電装置
103 露光
104 現像装置
105 転写体
106 転写装置
107 クリーニングブレード
Claims (10)
- 導電性支持体上に少なくとも、ラジカル硬化されていない感光層と、ラジカル硬化組成物を含有する架橋表面層を有する電子写真感光体において、前記ラジカル硬化組成物が、少なくとも下記一般式(B)又は下記(B−2−1)〜(B−2−8)のいずれかの化学式で表されるラジカル重合性化合物を含有する塗工液を感光層表面に塗工した後、ラジカル硬化させて形成された組成物であることを特徴とする電子写真感光体。
- 導電性支持体上に少なくとも、ラジカル硬化されていない感光層と、ラジカル硬化組成物を含有する架橋表面層を有する電子写真感光体において、前記ラジカル硬化組成物が、少なくとも下記一般式(C)で表されるラジカル重合性化合物を含有する塗工液を感光層表面に塗工した後、ラジカル硬化させて形成された組成物であることを特徴とする電子写真感光体。
- 導電性支持体上に少なくとも、ラジカル硬化されていない感光層と、ラジカル硬化組成物を含有する架橋表面層を有する電子写真感光体において、前記ラジカル硬化組成物が、少なくとも下記一般式(D)で表されるラジカル重合性化合物を含有する塗工液を感光層表面に塗工した後、ラジカル硬化させて形成された組成物であることを特徴とする電子写真感光体。
- 前記ラジカル硬化組成物が、少なくとも前記一般式(B)、(C)、(D)で表されるラジカル重合性化合物のいずれかと、更にラジカル重合性官能基を3つ以上有するモノマーを含有する塗工液を感光層表面に塗工した後、ラジカル硬化させて形成された組成物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記ラジカル硬化組成物が、少なくとも前記一般式(B)、(C)、(D)で表されるラジカル重合性化合物のいずれかと、更にラジカル重合性官能基を1つ以上有する電荷輸送性化合物を含有する塗工液を感光層表面に塗工した後、ラジカル硬化させて形成された組成物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記ラジカル硬化組成物が、光のエネルギーを用いた手段で硬化されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記ラジカル硬化されていない感光層が、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を順次積層した構成をとることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 電子写真感光体を用いる画像形成方法において、該電子写真感光体が請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成方法。
- 少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及び電子写真感光体を具備してなる画像形成装置において、該電子写真感光体が請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体と、更に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段から選択される少なくとも1つの手段とが一体となり、画像形成装置と着脱自在であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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