JP4712329B2 - 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents
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(式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR7(R7は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基若しくは置換基を有してもよいアリール基)、ハロゲン化カルボニル基又はCONR8R9(R8及びR9は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基若しくは置換基を有してもよいアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい)を表わし、Ar1、Ar2は置換又は未置換のアリーレン基を表わし、同一であっても異なってもよい。Ar3、Ar4は置換又は未置換のアリール基を表わし、同一であっても異なってもよい。Xは単結合、置換又は無置換のアルキレン基、置換又は無置換のシクロアルキレン基、置換又は無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。Zは置換又は無置換のアルキレン基、置換又は無置換のアルキレンエーテル2価基、アルキレンオキシカルボニル2価基を表わす。m、nは0〜3の整数を表わす。)」、(7)「前記電荷輸送性構造部分を有する1官能のラジカル重合性化合物が、下記一般式(3)の一種以上であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の電子写真感光体
(式中、o、p、qはそれぞれ0又は1の整数、Raは水素原子、メチル基を表わし、Rb、Rcは炭素数1〜6のアルキル基を表わし、複数の場合は異なっても良い。s、tは0〜3の整数を表わす。Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、
本発明は以下の基本的思想に基づくものである。本発明の感光体は、表面層にポリエステル構造を有するラジカル重合性オリゴマー(A)と電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物(B)を用いており、これによりポリエステル構造を有するラジカル重合性オリゴマー(A)だけでは低下する傾向にある架橋密度が下がることなく、3次元の網目構造が活発に発達し、架橋密度が高い高硬度架橋表面層が得られることで高い耐摩耗性が達成される。また本発明の感光体は架橋表面層中に高分子材料が含有されておらず、3次元網目構造の発達が阻害されない。したがって十分な架橋密度の向上が達成され高い耐摩耗性が実現された。さらに、架橋表面層中に高分子材料を含まないので、ラジカル重合性組成物(ポリエステル構造を有するラジカル重合性オリゴマー(A)、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物(B)、電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物(C)を含む組成物)の反応より生じた硬化物の相溶性が全く問題にならず、さらにポリエステル構造を有するラジカル重合性オリゴマー(A)が比較的大きな分子であるために硬化物の硬化単位が大きなものとなり、均一な架橋表面層を形成することができ、架橋膜内部の不均一性に由来するクラック発生に対して余裕度が大幅に向上した感光体が実現できる。さらにポリエステル構造を有するラジカル重合性オリゴマー(A)は分子骨格中に水酸基やウレタン結合のような極性基を持たないために、同一分子量のウレタン構造を有するラジカル重合性オリゴマーやエポキシ構造を有するラジカル重合性オリゴマーに比べ低粘度であり、架橋表面層の塗膜形成時の表面平滑性に優れ、より平滑な架橋表面層が実現されることで良好なクリーニング性が長期に渡って維持可能となった。
本発明に用いられるポリエステル構造を有するラジカル重合性オリゴマー(A)としてアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基のラジカル重合性官能基を2個以上有し分子中にポリエステル構造を有するラジカル重合性オリゴマーが挙げられる。
アクリル官能基数2、粘度200−450(mPa・s/25℃)
・M−6200(東亜合成製)
アクリル官能基数2、粘度700−3700(mPa・s/25℃)
・M−6250(東亜合成製)
アクリル官能基数2、粘度300−700(mPa・s/25℃)
・M−6500(東亜合成製)
アクリル官能基数2、粘度300−500(mPa・s/25℃)
・M−7100(東亜合成製)
アクリル官能基数3以上、粘度6500−12000(mPa・s/25℃)
・M−8030(東亜合成製)
アクリル官能基数3以上、粘度500−700(mPa・s/25℃)
・M−8060(東亜合成製)
アクリル官能基数3以上、粘度5000−12000(mPa・s/25℃)
・M−8100(東亜合成製)
アクリル官能基数3以上、粘度8000−12000(mPa・s/25℃)
・M−9050(東亜合成製)
アクリル官能基数3以上、粘度6000−12000(mPa・s/25℃)
前記一般式(1)、(2)において、R1の置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていても良い。
置換もしくは未置換のAr3、Ar4はアリール基であり、アリール基としては縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭化水素基及び複素環基が挙げられる。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
(2)アルキル基、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR2)であり、R2は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基であり、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等が挙げられる。
(式中、o、p、qはそれぞれ0又は1の整数、Raは水素原子、メチル基を表わし、Rb、Rcは水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表わし、複数の場合は異なっても良い。s、tは0〜3の整数を表わす。Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、
熱重合開始剤としては、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルベルオキサイド、t−ブチルヒドロベルオキサイド、クメンヒドロベルオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの過酸化物系開始剤、アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸などのアゾ系開始剤が挙げられる。
本発明の弾性仕事率は、ダイヤモンド圧子を用いた微小表面硬度計の負荷−除荷試験により測定される。図1に示すように、圧子がサンプルに接触した点(a)から一定負荷速度で圧子を押し込み(負荷過程)、設定荷重に達したときの最大変位(b)で一定時間静止し、さらに一定除荷速度で圧子を引き上げ(除荷過程)、最終的に圧子に荷重がかからなくなった点を塑性変位(c)とする。このとき、得られる押し込み深さと荷重の曲線が図2のように記録され、この曲線から圧子が表面層に行なった全仕事量(塑性変形の仕事量+弾性変形の仕事量)に対する弾性変形の仕事量の割合を求めることで本発明の弾性仕事率とする。つまり数式であらわすと下記のようになる。
かかる弾性仕事率測定は、一定温湿度下で行なわれ、本発明で弾性仕事率とは、温度22℃、相対湿度55%の環境条件下で行なわれた上記試験の測定値を示す。
本発明に用いられる電子写真感光体を図面に基づいて説明する。
図3は、本発明の電子写真感光体を表わす断面図であり、導電性支持体上に、電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する感光層が設けられた単層構造の感光体である。架橋表面層が感光層全体の場合を示したのが図3−Aであり、架橋表面層が感光層の表面部分である場合を示したのが図3−Bである。
導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
次に感光層について説明する。感光層は積層構造でも単層構造でもよい。
積層構造の場合には、感光層は電荷発生機能を有する電荷発生層と電荷輸送機能を有する電荷輸送層とから構成される。また、単層構造の場合には、感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層である。
以下、積層構造の感光層及び単層構造の感光層のそれぞれについて述べる。
(1)電荷発生層について
電荷発生層は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
電荷発生層に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電荷輸送層は電荷輸送機能を有する層で、本発明の電荷輸送性構造を有する架橋表面層は電荷輸送層として有用に用いられる。架橋表面層が電荷輸送層の全体である場合、前述の架橋表面層作製方法に記載したように電荷発生層上に本発明のラジカル重合性組成物(ポリエステル構造を有するラジカル重合性オリゴマー(A)と電荷輸送性構造部分を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物(B)および電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物(C);以下同じ)を含有する塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋表面層が形成される。このとき、架橋表面層の膜厚は、10〜30μm、好ましくは10〜25μmである。10μmより薄いと充分な帯電電位が維持できず、30μmより厚いと硬化時の体積収縮により下層との剥離が生じやすくなる。
電荷輸送層の下層部分に併用できる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
単層構造の感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層で、本発明の電荷輸送性構造を有する架橋表面層は電荷発生機能を有する電荷発生物質を含有させることにより、単層構造の感光層として有用に用いられる。上記の電荷発生層のキャスティング形成方法に記載したように、電荷発生物質をラジカル重合性組成物を含有する塗工液と共に分散し、導電性支持体上に塗布、必要に応じて乾燥後、外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋表面層が形成される。なお、電荷発生物質はあらかじめ溶媒と共に分散した液を本架橋表面層用塗工液に加えてもよい。このとき、架橋表面層の膜厚は、10〜30μm、好ましくは10〜25μmである。10μmより薄いと充分な帯電電位が維持できず、30μmより厚いと硬化時の体積収縮により導電性基体または下引き層との剥離が生じやすくなる。
本発明の感光体においては、架橋表面層が感光層の表面部分となる場合、架橋表面層と感光層の下層部分との間に中間層を設けることが可能である。この中間層はラジカル重合性組成物を含有する架橋表面層中に感光層組成物の混入により生ずる硬化反応の阻害や架橋表面層の凹凸を防止する。また、感光層と架橋表面層の接着性を向上させることも可能である。
本発明の感光体においては、導電性支持体上に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に架橋表面層、感光層、電荷発生層、または中間層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、架橋表面層、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、中間層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
(1)フェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類など。
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して0.01〜10重量%である。
次に図面に基づいて本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置を詳しく説明する。
本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置とは、本発明は平滑な電荷輸送性架橋表面層を有する感光体を用い、例えば少なくとも感光体に帯電、画像露光、現像の過程を経た後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着及び感光体表面のクリーニングというプロセスよりなる画像形成方法ならびに画像形成装置である。
次に、転写後感光体上に残されたトナーをクリーニングするためにファーブラシ(14)、クリーニングブレード(15)が用いられる。また、クリーニングをより効率的に行なうためにクリーニング前チャージャ(13)を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。
本発明における電荷輸送性構造を有する化合物は、例えば特許第3164426号公報記載の方法にて合成される。また、下記にこの一例を示す。
メトキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式A)113.85g(0.3mol)と、ヨウ化ナトリウム138g(0.92mol)にスルホラン240mlを加え、窒素気流中で60℃に加温した。この液中にトリメチルクロロシラン99g(0.91mol)を1時間で滴下し、約60℃の温度で4時間半撹拌し反応を終了させた。この反応液にトルエン約1.5Lを加え室温まで冷却し、水と炭酸ナトリウム水溶液で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン:酢酸エチル=20:1)にて精製した。得られた淡黄色オイルにシクロヘキサンを加え、結晶を析出させた。このようようにして下記構造式Bの白色結晶88.1g(収率=80.4%)を得た。融点は64.0〜66.0℃である。元素分析値(単位は%)を表2に示す。
上記(1)で得られたヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(構造式B)82.9g(0.227mol)をテトラヒドロフラン400mlに溶解し、窒素気流中で水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:12.4g,水:100ml)を滴下した。この溶液を5℃に冷却し、アクリル酸クロライド25.2g(0.272mol)を40分かけて滴下した。その後、5℃で3時間撹拌し反応を終了させた。この反応液を水に注ぎ、トルエンにて抽出した。この抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液と水で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン)にて精製した。得られた無色のオイルにn−ヘキサンを加え、結晶を析出させた。このようにして例示化合物No.54の白色結晶80.73g(収率=84.8%)を得た。融点は117.5〜119.0℃である。表3に元素分析値(単位は%)を示す。
アルミニウムシリンダ上に下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、浸漬塗工によって順次塗布、乾燥し、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、23μmの電荷輸送層を形成した。
・アルキッド樹脂: 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
・メラミン樹脂: 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
・酸化チタン: 40部
・メチルエチルケトン: 50部
・下記構造のビスアゾ顔料: 2.5部
・ビスフェノールZ型ポリカーボネート: 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成製)
・下記構造式の電荷輸送物質: 7部
・ポリエステル構造を有するラジカル重合性オリゴマー(A): 47.5部
(M−8530、東亞合成製、粘度350〜650mPa・s/25℃)
・電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物(B): 47.5部
トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成製)
例示化合物No.54
・光重合開始剤: 10部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン:
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 1200部
実施例1において架橋表面層塗工液を下記のものに変更した以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
・ポリエステル構造を有するラジカル重合性オリゴマー(A): 40部
(M−8560、東亞合成製、粘度3000〜7000mPa・s/25℃)
・電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物(B): 40部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート:(SR−295、化薬サートマー製)
例示化合物No.54
・光重合開始剤: 10部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン:
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 1200部
実施例1に置いて架橋表面層塗工液を書きの物に変更した以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
・ポリエステル構造を有するラジカル重合性オリゴマー(A): 60部
(M−7100、東亞合成製、粘度6500〜12000mPa・s/25℃)
・電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物(B): 60部
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:
(KAYARAD DPCA―120、日本化薬製)
・電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物(C): 95部
例示化合物No.54
・光重合開始剤:10部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン:
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 1200部
実施例1において架橋表面層塗工液に含有された電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(C)を例示No.16に変更した以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
実施例2において架橋表面層塗工液に含有された電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(C)を例示No.24に変更した以外は全て実施例2と同様にして電子写真感光体を作成した。
実施例1において架橋表面層塗工液を下記のものに変更した以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
・ポリエステル構造を有するラジカル重合性オリゴマー(A): 45部
(M−8530、東亞合成製)
・電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物(B): 45部
トリメチロールプロパントリアクリレート:
(TMPTA、東京化成製)
・電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物(C): 90部
例示化合物No.54
・光重合開始剤: 20部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン:
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・テトラヒドロフラン: 90部
・フィラー微粒子: 20部
アルミナフィラー:(AA03、住友化学製)
実施例1において架橋表面層塗工液に含有されたポリエステル構造を有するラジカル重合性オリゴマー(A)を無添加とした以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
実施例1において架橋表面層塗工液に含有された電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物(B)を無添加とした以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
実施例1において架橋表面層塗工液に含有された電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物(B)を下記の材料に変更した以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
・下記構造式の電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー: 95部
実施例1において架橋表面層塗工液に含有された電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物(C)を無添加とした以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
実施例1において架橋表面層塗工液に含有された電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を下記の材料に変更した以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
・下記構造式の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物: 95部
実施例1において架橋表面層塗工液に含有された電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を下記の材料に変更した以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
・下記構造式の電荷輸送物質: 10部
実施例1において架橋層を設けず、電荷輸送層の膜厚を27μmとした以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
実施例1において架橋表面層塗工液に含有されたポリエステル構造を有するラジカル重合性オリゴマー(A)を下記の材料とした以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
KAYARAD EAM―2160(日本化薬製)
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
101 感光ドラム
102 帯電装置
103 露光
104 現像装置
105 転写体
106 転写装置
107 クリーニングブレード
Claims (7)
- 導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が支持体側から電荷発生層、電荷輸送層、架橋表面層の積層構成であり、該感光層の表面層が少なくともアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基のラジカル重合性官能基を2個以上有し、分子中にポリエステル構造を有するラジカル重合性オリゴマー(A)と電荷輸送性構造部分を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物(B)と電荷輸送性構造部分を有する1官能のラジカル重合性化合物(C)を硬化することにより形成され、前記表面層に含有される全固形分に対する前記ポリエステル構造を有するラジカル重合性オリゴマー(A)の重量比が20〜70%、前記電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物(C)の重量比が20〜70%であり、前記電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物(C)が、下記(a)〜(c)から選ばれる少なくとも一種であり、該表面層の弾性仕事率が41%以上で、かつユニバーサル硬度が200N/mm2以上であることを特徴とする電子写真感光体。
- 前記ポリエステル構造を有するラジカル重合性オリゴマーの粘度が50000mPa・s/25℃以下であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
- 導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体の製造方法において、該感光層が支持体側から電荷発生層、電荷輸送層、架橋表面層の積層構成であり、該感光層の表面層が少なくともアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基のラジカル重合性官能基を2個以上有し、分子中にポリエステル構造を有するラジカル重合性オリゴマー(A)と電荷輸送性構造部分を有しない3官能以上のラジカル重合性化合物(B)と電荷輸送性構造部分を有する1官能のラジカル重合性化合物(C)を硬化することにより形成され、前記表面層に含有される全固形分に対する前記ポリエステル構造を有するラジカル重合性オリゴマー(A)の重量比が20〜70%、前記電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物(C)の重量比が20〜70%であり、前記電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物(C)が、下記(a)〜(c)から選ばれる少なくとも一種であり、該表面層の弾性仕事率が41%以上で、かつユニバーサル硬度が200N/mm2以上であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
- 前記表面層の硬化手段が加熱又は光エネルギー照射手段であることを特徴とする請求項3記載の電子写真感光体の製造方法。
- 請求項1または2に記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行なうことを特徴とする画像形成方法。
- 請求項または2に記載の電子写真感光体を有することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項または2に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段よりなる群から選ばれた少なくとも一つの手段を有するものであって、画像形成装置本体に着脱可能としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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