JP6447062B2 - 電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、優れた電気特性及び耐クラック特性を有する電子写真感光体、該電子写真感光体を用いて作製した電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置に関するものである。
電子写真技術は、主流であるオフィス用途に加えて、デジタル印刷分野にも使われるようになり、用途展開が広がっている。電子写真用感光体(以下適宜「感光体」という)としては、有機感光体が大半の用途に用いられており、そのうち電荷発生層と電荷輸送層を有する積層型感光体が主流となっている。
最近では、デジタル印刷、あるいはそれに近いハイエンド用途では、感光体として、最表面に更に保護層が用いられることが多くなっている。保護層の目的としては、膜削れの低減による長寿命化と、ライフを通じた画像欠陥抑制の観点から、感光体表面物性を、プリンター毎に最適化するためである。一方、安価/ローエンドプリンター用途については、感光層に保護層を設けず、感光層材料としても、安価材料を使用することが求められることが多い。
ローエンド用途に関しては、感光体周辺部材についても、同様に安価化が求められる。例えば、安価な帯電ローラーを使用する場合には、当該帯電ローラーの材料として、安価かつ単純な層構成の材料が用いられることが多く、その構成成分、例えば可塑剤が感光体に移行し、感光層のクラックの原因となるリスクがある。保護層の無い積層型感光体の場合には、最外層の電荷輸送層に含まれる電荷輸送物質と、バインダー樹脂が耐クラック性を高める上では鍵となると考えられる。
クラック発生のメカニズムとしては諸説あるが、ローラー部材等より移行、感光体表面に付着した可塑剤に電荷輸送物資等が一部溶解、晶出して空孔(ボイド)が出来、そこに更に機械的負荷が掛かることで、ボイドが成長してクラックとなると推定される。
上記の安価化のためには、単純な構造で、合成容易な電荷輸送材料を用いることが好ましいが、一方で単純な構造の電荷輸送物質(例えばトリフェニルアミン誘導体)は、帯電ローラーに含まれる可塑剤に溶解、溶出し易く、耐クラック性の観点からは問題である。
特許文献1、2には、請求項ではトリフェニルアミン誘導体と、他の電荷輸送物質の併用が記載されている。しかし、耐クラック性改良の記載は無く、具体的な併用例は開示されていない。特許文献3には、特定トリフェニルアミン誘導体と、特定スチリル誘導体を電荷輸送物質として併用することによって光疲労を改良する技術が開示されている。しかし、トリフェニルアミン化合物がむしろソルベントクラック性に優れる旨、記載されており、併用による耐クラック性改良の記載はない。
特許文献4には、電荷輸送層にポリアリレート樹脂をバインダー樹脂として使用することによって耐クラック性を改良する技術が開示されている。しかし、バインダー樹脂の物性として、具体的な定量的基準が開示されておらず、ポリアリレート樹脂以外の可能性についても開示されていない。
なお、従来耐クラック性に関しては、特許文献5のように、皮脂を感光層に付着して、長時間保存した後の感光層のクラック発生の有無を判断することが多かった(ソルベントクラックとも呼ばれる)。しかしながら、この方法では、評価の個人差、再現性にばらつきが大きかっただけでなく、耐クラック性の定量的な把握が困難だった。また、前述のような感光体に接触する部材から染み出して来るような成分に対する耐性の評価法としては
、皮脂の付着試験は、クラックが発生するメカニズムが異なったり、感光体に対する負荷として不十分なことも多く、適切な評価法とは言えず、結果が乖離することも多々あった。
特開平9−90654号公報 特開平3−196049号公報 特開2014−95765号公報 特開2013−178513号公報 特開平10−20523号公報
本発明者らの検討によれば、現状用いられている、トリアリールアミン誘導体のような低分子系の電荷輸送物質及びバインダー樹脂の組み合わせでは、部材由来の耐クラック性を十分に満足することは困難であった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、電気特性等の性能を悪化させることなく、接触部材起因の耐クラック性を定量的に把握することにより、接触帯電方式における耐クラック性に極めて優れた電子写真感光体、電子写真カートリッジ、画像形成装置を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、特定の構造を有する電荷輸送物質2種と、所定の範囲のガラス転移温度を有するバインダー樹脂を使用して、所定の範囲の感光層の弾性変形率を確保することにより、耐クラック性を改良することを見出し、以下の本発明の完成に至った。
本発明の要旨は下記の<1>〜<5>に存する。
<1>導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を有する電子写真感光体において、該電荷輸送層中に、少なくとも下記式(1)で表される電荷輸送物質、下記式(2)で表される電荷輸送物質、及びガラス転移温度(Tg)が170℃以上のバインダー樹脂を含有し、該電荷輸送層の弾性変形率が42%以上であることを特徴とする、接触帯電用電子写真感光体。
Figure 0006447062
(式(1)中、Ar、Ar、Arは置換基を有してもよい炭素数14以下のアリール基を表す)
Figure 0006447062
(式(2)中、Ar,Ar,Ar,Arは、それぞれ独立に置換基を有してもよい炭素数14以下のアリール基を表し、Arは炭素数10以下のアリーレン基を表す。<2>前記式(1)が、下記式(1a)で表される、<1>に記載の接触帯電用電子写真感光体。
Figure 0006447062
(式(1a)中、Arは、炭素数10以下の、置換基を有してもよいアリール基を表す。
<3>前記式(2)が、下記式(2)−2で表される、<1>又は<2>に記載の接触帯電用電子写真感光体。
Figure 0006447062
<4> <1>〜<3>のいずれか1つに記載の電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を接触帯電させる帯電装置、該帯電した電子写真感光体を露光させて静電潜像を形成する露光装置、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置からなる群から選ばれる少なくとも1つ、を備えたことを特徴とする電子写真感光体カートリッジ。
<5> <1>〜<3>のいずれか1つに記載の電子写真感光体、該電子写真感光体を接触帯電させる帯電装置と、該帯電した電子写真感光体を露光させて静電潜像を形成する露光装置、及び、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
本発明は、特定の構造を有する電荷輸送物質及び特定の樹脂を感光層に含有させ、特定の弾性変形率にすることにより、高速応答性に優れ、かつ様々な接触部材に対してもクラックを発生しにくい電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置の提供を可能とする。
本発明の画像形成装置の一実施態様の要部構成を示す概略図である。 感光体の感光層の押込み深さに対する荷重曲線を示したグラフである。
以下、本発明の実施の形態につき詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は本発明の実施形態の代表例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変形して実施することができる。
≪電子写真感光体≫
以下に、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に、少なくとも電荷発生層、電荷輸送層をこの順に有し、該同一の電荷輸送層中に、上述した式(1)、(2)で表される電荷輸送物質、及びガラス転移温度(Tg)が170℃以上のバインダー樹脂を含有し、該電荷輸送層の弾性変形率が42%以上であれば、その構成は特に限定されない。
<導電性支持体>
導電性支持体については特に制限はないが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫等の導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用しても良い。導電性支持体の形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状等のものが用いられる。更には、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性等の制御や欠陥被覆のために、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いても良い。
また、導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、陽極酸化被膜を施してから用いても良い。陽極酸化被膜を施した場合には、公知の方法により封孔処理を施すのが好ましい。
導電性支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、導電性支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものであっても良い。また、安価化のためには、切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することも可能である。
<下引き層>
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。下引き層としては、樹脂、又は樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したもの等が用いられる。また、下引き層は、単一層からなるものであっても、複数層からなるものでもよい。
下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子等が挙げられる。これらは一種類の粒子を単独で用いても良いし、複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタン及び酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコン等の有機物による処理を施されていても良い。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。また、複数の結晶状態のものが含まれていても良い。
また、金属酸化物粒子の粒径としては種々のものが利用できるが、中でも特性及び液の安定性の点から、その平均一次粒径は、10nm以上100nm以下が好ましく、特に10nm以上50nm以下が好ましい。この平均一次粒径は、TEM写真等から得ることができる。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース等のセルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物等の有機ジルコニウム化合物、チタニルキレート化合物、チタンアルコキシド化合物等の有機チタニル化合物、シランカップリング剤等の公知のバインダー樹脂が挙げられる。これらは単独で用いても良く、或いは2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。また、硬化剤とともに硬化した形で使用してもよい。中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性、塗布性を示すことから好ましい。
下引き層に用いられるバインダー樹脂に対する無機粒子の使用比率は任意に選ぶことが可能であるが、分散液の安定性、塗布性の観点から、バインダー樹脂に対して、通常は10質量%以上、500質量%以下の範囲で使用することが好ましい。
下引き層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、電子写真感光体の電気特性、強露光特性、画像特性、繰り返し特性、及び製造時の塗布性を向上させる観点から、通常は0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、また、通常30μm以下、好ましくは20μm以下である。下引き層には、公知の酸化防止剤等を混合しても良い。画像欠陥防止等を目的として、顔料粒子、樹脂粒子等を含有させて用いても良い。
<電荷発生層>
電荷発生層は、電荷発生物質を含有すると共に、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷発生層は、例えば、電荷発生物質及びバインダー樹脂を溶媒又は分散媒に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得られる。
電荷発生物質としては、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム等の無機系光導電材料と、有機顔料等の有機系光導電材料とが挙げられるが、有機系光導電材料の方が好まし
く、中でも特に有機顔料が好ましい。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等が挙げられる。これらの中でも、特にフタロシアニン顔料又はアゾ顔料が好ましい。電荷発生物質として有機顔料を使用する場合、通常はこれらの有機顔料の微粒子を、各種のバインダー樹脂で結着した分散層の形で使用する。
電荷発生物質としてフタロシアニン顔料を使用する場合、具体的には、無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、スズ、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウム等の金属又はその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシド等の配位したフタロシアニン類の各結晶型を持ったもの、酸素原子等を架橋原子として用いたフタロシアニンダイマー類等が使用される。特に、感度の高い結晶型であるX型、τ型無金属フタロシアニン、A型(別称β型)、B型(別称α型)、D型(別称Y型)等のチタニルフタロシアニン(別称:オキシチタニウムフタロシアニン)、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ヒドロキシインジウムフタロシアニン、II型等のクロロガリウムフタロシアニン、V型等のヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型、I型等のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、II型等のμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体が好適である。
また、これらフタロシアニンの中でも、金属フタロシアニンが好ましく、A型(別称β型)、B型(別称α型)、及び粉末X線回折の回折角2θ(±0.2゜)が27.1゜、もしくは27.3゜に明瞭なピークを示すことを特徴とするD型(Y型)チタニルフタロシアニン、II型クロロガリウムフタロシアニン、V型のヒドロキシガリウムフタロシアニン、28.1゜にもっとも強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン、又は26.2゜にピークを持たず28.1゜に明瞭なピークを有し、かつ25.9゜の半値幅Wが0.1゜≦W≦0.4゜であることを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型μ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体等がより好ましく、ガリウム系フタロシアニンの、II型クロロガリウムフタロシアニン、V型のヒドロキシガリウムフタロシアニン、28.1゜にもっとも強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン、又は26.2゜にピークを持たず28.1゜に明瞭なピークを有し、かつ25.9゜の半値幅Wが0.1゜≦W≦0.4゜であることを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型μ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体等が特に好ましい。
電荷発生物質として、無金属フタロシアニン化合物、又は金属含有フタロシアニン化合物を用いた場合は比較的長波長のレーザー光、例えば、780nm近辺の波長を有するレーザー光に対して高感度の感光体が得られる。また、モノアゾ、ジアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料を用いた場合には、白色光、又は660nm近辺の波長を有するレーザー光、もしくは比較的短波長のレーザー光(例えば、380nm〜500nmの範囲の波長を有するレーザー光)に対して十分な感度を有する感光体を得ることができる。
フタロシアニン化合物は単一の化合物のものを用いてもよいし、幾つかの混合又は混晶状態のものを用いてもよい。ここでのフタロシアニン化合物ないしは結晶状態における混合状態としては、それぞれの構成要素を後から混合したものを用いてもよいし、合成、顔料化、結晶化等のフタロシアニン化合物の製造・処理工程において混合状態を生じさせたものでもよい。このような処理としては、酸ペースト処理・磨砕処理・溶剤処理等が知られている。混晶状態を生じさせるためには、特開平10−48859号公報記載のように、2種類の結晶を混合後に機械的に磨砕、不定形化した後に、溶剤処理によって特定の結晶状態に変換する方法が挙げられる。
一方、電荷発生物質としてアゾ顔料を使用する場合には、光入力用光源に対して感度を
有するものであれば従前公知の各種のアゾ顔料を使用することが可能であるが、各種のビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料が好適に用いられる。
電荷発生物質として、上記例示の有機顔料を用いる場合には、1種を単独で用いてもよいが、2種類以上の顔料を混合して用いてもよい。この場合、可視域と近赤域の異なるスペクトル領域で分光感度特性を有する2種類以上の電荷発生物質を組み合わせて用いることが好ましく、中でもジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料とフタロシアニン顔料とを組み合わせて用いることがより好ましい。
電荷発生層に用いるバインダー樹脂は特に制限されないが、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールや、アセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル系ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼインや、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシ変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマー等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、何れか1種を単独で用いても良く、2種類以上を任意の組み合わせで混合して用いても良い。
電荷発生層は、具体的に、上述のバインダー樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に、電荷発生物質を分散させて塗布液を調整し、これを導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布することにより形成される。
電荷発生層において、バインダー樹脂と電荷発生物質との配合比(質量比)は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質が、感度の観点から、通常10質量部以上、好ましくは30質量部以上、また、塗布液安定性の観点から、通常1000質量部以下、好ましくは500質量部以下の範囲である。電荷発生層の膜厚は、通常0.1μm以上、好ましくは0.15μm以上、また、通常10μm以下、好ましくは0.6μm以下の範囲である。
電荷発生物質を分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の公知の分散法を用いることができる。この際、粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.15μm以下の範囲の粒子サイズに微細化することが有効である。
<電荷輸送層>
電荷輸送層は、電荷輸送物質、バインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷輸送層は、具体的には、電荷輸送物質、バインダー樹脂、及びその他の成分を溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥して得られる。
[電荷輸送物質]
本発明の電荷輸送物質は下記式(1)及び(2)で表される化合物であり、同一の電荷輸送層中で混合して使用される。
Figure 0006447062
式(1)において、Ar〜Arは、それぞれ独立に置換基を有してもよい炭素数14以下のアリール基を表す。該アリール基の炭素数としては、14以下、好ましくは10以下、さらに好ましくは6以下である。具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基等が挙げられ、合成の観点からフェニル基又はナフチル基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。Ar〜Arが有してもよい置換基の総炭素数としては、10以下、溶解性と合成の観点から、好ましくは8以下、さらに好ましくは5以下である。具体的には、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基等が挙げられるが、このうち電気特性の観点から、アルキル基が好ましい。アルキル基の炭素数としては、10以下であり、5以下が好ましく、3以下が特に好ましい。置換位置としては、光疲労の観点からは窒素原子に対してオルト位が好ましく、電気特性の観点からはパラ位が好ましい。前記式(1)の好ましい一般式としては、下記(1a)が挙げられる。
Figure 0006447062
式(1a)中、Arは、炭素数10以下の、置換基を有してもよいアリール基を表す。Arの具体的な例は、前記Ar〜Arと同様である。
Figure 0006447062
式(2)中、Ar,Ar,Ar,Arは、それぞれ独立に置換基を有してもよい炭素数14以下のアリール基を表す。該アリール基の炭素数としては、14以下、好ましくは10以下、さらに好ましくは6以下である。具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基等が挙げられ、合成の観点からフェニル基又はナフチル基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。Ar,Ar,Ar,Arが有してもよい置換基の総
炭素数としては、20以下、溶解性と合成の観点から、好ましくは10以下、さらに好ましくは5以下である。具体的には、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基等が挙げられるが、電気特性の観点から、アルキル基が好ましい。アルキル基の炭素数としては、10以下であり、5以下が好ましく、3以下が特に好ましい。置換位置としては、光疲労の観点からは窒素原子に対してオルト位が好ましく、電気特性の観点からはパラ位が好ましい。
また、Arは炭素数10以下のアリーレン基を表す。該アリーレン基の炭素数としては、10以下、好ましくは6以下である。具体的には、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられ、合成の観点からは、フェニレン基が好ましい。
前記式(1)で表される電荷輸送物質と前記(2)で表される電荷輸送物質の混合比(式(1)で表される電荷輸送物質の質量部/式(2)で表される電荷輸送物質の質量部)は、感光層中の析出(結晶化)抑制、耐光性、及び久使用時の電気特性の観点から、通常10/90以上、好ましくは30/70以上、より好ましくは40/60以上であり、電荷輸送物質の感光体表面への析出抑制及び耐クラック性の観点から、通常95/5以下、好ましくは90/10以下である。
前記式(1)で表される電荷輸送物質と前記(2)で表される電荷輸送物質の合計量の、バインダー樹脂100質量部に対する質量は、電気特性の観点から通常40質量部以上、好ましくは60質量部以上、より好ましくは70質量部以上であり、耐クラック性及び耐摩耗性の観点から、通常130質量部以下、好ましくは120質量部以下、より好ましくは110質量部以下である。
以下に本発明に好適な電荷輸送物質(1)及び(2)の構造を例示する。以下の構造は本発明をより具体的にするために例示するものであり、本発明の概念を逸脱しない限りは下記構造に限定されるものではない。
Figure 0006447062
Figure 0006447062
電荷輸送物質としては、上述した式(1)及び(2)で表される電荷輸送物質に加えて、公知の他の電荷輸送物質を併用してもよい。他の電荷輸送物質を併用する場合、その種類は特に制限されないが、例えば、カルバゾール誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、エナミン誘導体、ブタジエン誘導体及びこれらの誘導体が複数結合されたものが好ましい。
[バインダー樹脂]
電荷輸送層に使用されるバインダー樹脂は、膜強度確保のために使用される。本発明の感光体では、電荷輸送物質(1)及び(2)と同一の電荷輸送層中に使用される。バインダー樹脂としては、耐クラック性の観点から、ガラス転移温度が170℃以上のものが使用される。175℃以上のものが好ましい。一方、ガラス転移温度が170℃を下回ると、耐クラック性に劣る。また、ガラス転移温度があまり高過ぎると、溶解性、相溶性が不
足したり、基体との接着性が低下することがあるため、通常は溶解性、相溶性の観点から230℃以下、好ましくは210℃以下、接着性の観点から、より好ましくは190℃以下のバインダー樹脂が使用される。
また、バインダー樹脂のガラス転移温度に加えて、電荷輸送層の弾性変形率も、感光体の耐クラック性に影響する。クラック発生のメカニズムに関しては、以下のように推察する。
まず、電荷輸送層に接触するローラー部材等から染み出してきた可塑剤等が感光体の電荷輸送層表面に付着し、電荷輸送層の表面近傍中に含まれている電荷輸送物質の一部が溶解、溶出する。溶出した後の電荷輸送層には、空孔(ボイド)が形成され、その後の繰り返し掛かる電子写真プロセスの機械的負荷により、空孔が成長し、画像に影響が出る大きさのクラック(ひび割れ)になると考えられる。
この際、バインダー樹脂のガラス転移温度が高いと、バインダー樹脂の一次構造が動きにくいため、分子レベルで相溶している低分子の電荷輸送物質の溶出速度が遅くなる。また、電荷輸送層の弾性変形率が高いと、仮に電荷輸送物質の溶出が起きて空孔が形成されたとしても、その後の機械的負荷に対して柔軟に形状変化しながら追随でき、空孔が大きなクラックへと成長するのを抑える効果が有ると推定される。
電荷輸送層の弾性変形率は、バインダー樹脂以外にも、電荷輸送物質の種類や含有量、その他の添加剤の種類、量等にも影響されるが、一般的にはバインダー樹脂単独の場合に一番弾性変形率が大きく、電荷輸送物質や添加剤の含有量が増えるに従って、弾性変形率は低下する。しかし、バインダー樹脂との相溶性は、電荷輸送物質や添加剤の種類によってその低下の度合いは異なり、相溶性が高いほど、弾性変形率が低下し易いので、一概に電荷輸送物質や添加剤の含有量だけでは、電荷輸送層の弾性変形率は一義的に決まらない。
電荷輸送層の弾性変形率は、42%以上であり、耐クラック性の観点から、43%以上であることが好ましく、44%以上であることがより好ましい。
電荷輸送層のバインダー樹脂として使用可能な樹脂の種類としては、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂(全芳香族系ポリエステル樹脂)、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリアリレート樹脂又はポリカーボネート樹脂が、溶解性、電気特性等の要求事項を満たしつつ、高いガラス転移温度を有し、耐クラック性の観点からも好ましい。ポリアリレート樹脂が電荷輸送層の弾性変形率を高く保つ観点から、更に好ましい。
ポリエステル樹脂は、原料モノマーとして、多価アルコール成分と、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等の多価カルボン酸成分とを縮重合させて得られる。
多価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2 − ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2 − ビス(
4 −ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールA のアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水添ビスフェノールA 、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2
〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物、芳香族ビスフェノール等が挙げられ、これらの1種以上を含有するものが好ましい。
また、多価カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1
〜20 のアルキル基又は炭素数2〜20 のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリ
メリット酸、ピロメリット酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられ、これらの1種以上を含有するものが好ましい。
これらのポリエステル樹脂のうち、好ましいのは下記式(3)で示される構造単位を有する、全芳香族系のポリエステル樹脂(ポリアリレート樹脂)である。
Figure 0006447062
式(3)中、Ar10〜Ar13はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、Xは単結合、酸素原子、硫黄原子、又はアルキレン基を表す。mは0以上2以下の整数を表す。Yは、単結合、酸素原子、硫黄原子、又はアルキレン基を表す)。
前記アリーレン基が有する炭素数としては、通常6以上、好ましくは7以上、また、通常20以下、好ましくは10以下、より好ましくは8以下である。炭素数が多すぎる場合、製造コストが高くなり、電気特性も悪化する恐れがある。
Ar10〜Ar13の具体例としては、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基等が挙げられる。中でも、アリーレン基としては、電気特性の観点から、1,4−フェニレン基が好ましい。アリーレン基は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
また、Ar10〜Ar13の置換基の具体例としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、アルコキシ基等が挙げられる。中でも、感光層用のバインダー樹脂としての機械的特性と感光層形成用塗布液に対する溶解性とを勘案すれば、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が好ましく、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、ハロゲン基としてフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が好ましい。なお、置換基がアルキル基である場合、そのアルキル基の炭素数は通常1以上、また、通常10以下、好ましくは8以下、より好ましくは2以下である。
より詳しくは、Ar12及びAr13は、それぞれ独立に置換基の数は0以上2以下が好ましく、接着性の観点から置換基を有することがより好ましく、中でも、耐磨耗性の観点から置換基の数は1個であることが特に好ましい。また、置換基としてはアルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
一方、Ar10及びAr11は、それぞれ独立して、置換基の数は0以上2以下が好ましく、耐磨耗性の観点から置換基を有さないことがより好ましい。
また、前記式(3)において、Yは、単結合、酸素原子、硫黄原子、又はアルキレン基である。アルキレン基としては、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、シクロヘキシレンが好ましく、より好ましくは、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、シクロヘキシレンであり、特に好ましくは−CH−、−CH(CH)−である。Xは単結合、酸素原子、硫黄原子、又はアルキレン基であって、中でも、Xは、酸素原子であることが好ましい。その際、mは0か1であることが好ましく、1であることが最も好ましい。
mが1の場合に好ましいジカルボン酸残基の具体的としては、ジフェニルエーテル−2,2'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−2,3'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−2,4'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−3,3'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−3,4'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸残基等が挙げられる。これらの中でも、ジカルボン酸成分の製造の簡便性を考慮すれば、ジフェニルエーテル−2,2'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル
−2,4'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸残基がより好ましく、ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸残基が特に好ましい。
mが0の場合のジカルボン酸残基の具体例としては、フタル酸残基、イソフタル酸残基、テレフタル酸残基、トルエン−2,5−ジカルボン酸残基、p−キシレン−2,5−ジカルボン酸残基、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸残基、ナフタレン−2,3−ジカルボン酸残基、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸残基、ビフェニル−2,2'−ジカルボ
ン酸残基、ビフェニル−4,4'−ジカルボン酸残基が挙げられ、好ましくは、フタル酸
残基、イソフタル酸残基、テレフタル酸残基、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸残基、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸残基、ビフェニル−2,2'−ジカルボン酸残基、ビ
フェニル−4,4'−ジカルボン酸残基であり、特に好ましくは、イソフタル酸残基、テ
レフタル酸残基であり、これらのジカルボン酸残基を複数組み合わせて用いることも可能である。
前記バインダー樹脂の粘度平均分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、好ましくは10,000以上、より好ましくは20,000以上、また、好ましくは100,000以下、より好ましくは70,000以下である。粘度平均分子量の値が小さすぎる場合、ポリエステル樹脂の機械的強度が不足する可能性があり、大き過ぎる場合、感光層形成のための塗布液の粘度が高すぎて生産性が低下する可能性がある。なお、粘度平均分子量は、例えばウベローデ型毛細管粘度計等を用いて、実施例に記載の方法で測定することができる。
なお、前記ポリエステル樹脂以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、他のバインダー樹脂を混合して使用しても良い。混合して使用しても良いバインダー樹脂としては、例えば、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は特に制限されないが、長寿命、画像安定性の観点、更には帯電安定性の観点から、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、一方、通常50μm以下、好ましくは45μm以下、更には30μm以下の範囲で、高解像度化の観点からは25μm以下が最も好適に用いられる。
<その他の添加物>
感光層又を構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性等を向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤等の添加物を含有させても良い。また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を低減、トナーの感光体から転写ベルト、紙への転写効率を高める等の目的で、電荷輸送層にフッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂等からなる粒子や、無機化合物の粒子を含有させても良い。
<各層の形成方法>
上記した感光体を構成する各層は、含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を、導電性支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
塗布液の作製に用いられる溶媒又は分散媒に特に制限は無いが、具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ギ酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、トリクロロエチレン等の塩素化炭化水素類、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等の含窒素化合物類、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤類等が挙げられる。また、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の組み合わせ及び種類で併用してもよい。
溶媒又は分散媒の使用量は特に制限されないが、各層の目的や選択した溶媒・分散媒の性質を考慮して、塗布液の固形分濃度や粘度等の物性が所望の範囲となるように適宜調整するのが好ましい。
塗布液の乾燥は、室温における指触乾燥後、通常30℃以上、200℃以下の温度範囲で、1分から2時間の間、静止又は送風下で加熱乾燥させることが好ましい。また、加熱温度は一定であってもよく、乾燥時に温度を変更させながら加熱を行っても良い。
≪画像形成装置≫
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1、帯電装置2、露光装置3及び現像装置4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置5、クリーニング装置6及び定着装置7が設けられる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
帯電装置2は、電子写真感光体1を帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定電位に均一帯電させる。一般的な帯電装置としては、コロトロンやスコロトロン等の非接触のコロナ帯電装置、あるいは電圧印加された帯電部材を感光体表面に接触させて帯電させる接触型帯電装置(直接型帯電装置)が挙げられる。本発明で使用される接触帯電装置の例としては、帯電ローラ、帯電ブラシ等が挙げられる。なお、図1では、帯電装置2の一例としてローラ型の帯電装置(帯電ローラー)を示している。通常帯電ローラーは樹脂、及び可塑剤等の添加剤を金属シャフトと一体成型して製造され、必要に応じて積層構造を取ることも有る。なお、帯電時に印可する電圧としては、直流電圧だけの場合、及び直
流に交流を重畳させて用いることもできる。
露光装置3は、電子写真感光体1に露光を行って電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、ハロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザーやHe−Neレーザー等のレーザー、LED等が挙げられる。また、感光体内部露光方式によって露光を行うようにしてもよい。露光を行う際の光は任意であるが、例えば、波長が780nmの単色光、波長600nm〜700nmのやや短波長寄りの単色光、波長380nm〜500nmの短波長の単色光等で露光を行えばよい。
トナーTの種類は任意であり、粉状トナーのほか、懸濁重合法や乳化重合法等を用いた重合トナー等を用いることができる。特に、重合トナーを用いる場合には径が4〜8μm程度の小粒径のものが好ましく、また、トナーの粒子の形状も球形に近いものからポテト上の球形から外れたものまで様々に使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写等の静電転写法、圧力転写法、粘着転写法等、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー、転写ローラ、転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙、媒体)Pに転写するものである。
クリーニング装置6について特に制限はなく、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナー等、任意のクリーニング装置を用いることができる。クリーニング装置6は、感光体1に付着している残留トナーをクリーニング部材で掻き落とし、残留トナーを回収するものである。但し、感光体表面に残留するトナーが少ないか、殆ど無い場合には、クリーニング装置6は無くても構わない。
以上のように構成された電子写真装置では、次のようにして画像の記録が行われる。即ち、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位(例えば−600V)に帯電される。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行う。
現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレード)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、負極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、感光体1の表面に接触させる。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行うことができる構成
としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行うことで電子写真感光体の除電を行う工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
また、画像形成装置は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程等の工程を行うことができる構成としたり、オフセット印刷を行う構成としたり、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
なお、電子写真感光体1を、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、及び定着装置7のうち1つ又は2つ以上と組み合わせて、一体型のカートリッジ(以下適宜「電子写真感光体カートリッジ」という)として構成し、この電子写真 感光体カートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。
以下、実施例を示して本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。ただし、以下の実施例は本発明を詳細に説明するために示すものであり、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下に示した実施例に限定されるものではなく任意に変形して実施することができる。また、以下の実施例、及び比較例中の「部」の記載は、特に指定しない限り「重量部」あるいは「質量部」を示す。
[実施例1]
<下引き層形成用塗布液の製造>
平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3質量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、ヘンシェルミキサーにて混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの質量比が7/3の混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、表面処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒及び、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表される化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表される化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表される化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表される化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表される化合物]の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの質量比が7/1/2で、表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドを質量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層形成用塗布液を作製した。
Figure 0006447062
<電荷発生層形成用塗布液の製造>
まず、電荷発生物質として、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.3゜に強い回折ピークを示す、Y型(別称D型)オキシチタニウムフタロシアニン20部と1,2−ジメトキシエタン280部とを混合し、サンドグラインドミルで1時間粉砕して微粒化分散処理を行なった。続いてこの微細化処理液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)10部を、1,2−ジメトキシエタンの255部と4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンの85部との混合液に溶解させて得られたバインダー液、及び230部の1,2−ジメトキシエタンを混合して電荷発生層形成用塗布液を調製した。
<電荷輸送層形成用塗布液の製造>
下記の繰返し構造を有するポリアリレート樹脂(B−1)(粘度平均分子量35,000)を100部、電荷輸送物質として前記(1)−2で表される化合物を90部、前記(2)−2で表される化合物を10部、シリコーンオイル(信越シリコーン社製:商品名
KF96)0.05部を、テトラヒドロフラン(以下適宜THFと略)/トルエン(8/2(質量比))の混合溶媒750部に溶解させて電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
Figure 0006447062
<感光体の製造>
前記のようにして得られた下引き層形成用塗布液を、表面にアルミニウム蒸着したポリエチレンテレフタレートシート上に、乾燥後の膜厚が約1.3μmになるようにワイアバーで塗布、室温で乾燥して下引き層を設けた。
続いて、前記のようにして得られた電荷発生層形成用塗布液を、上記下引層上に、乾燥後の膜厚が約0.3μmになるようにワイアバーで塗布、室温で乾燥して電荷発生層を設けた。
続いて、前記のようにして得られた電荷輸送層形成用塗布液を、上記電荷発生層上に、乾燥後の膜厚が約25μmになるようにアプリケーターで塗布し、125 ℃で20分間
乾燥して、感光体を作製した。
<電気特性試験>
電子写真学会測定標準に従って製造された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)を使用し、上記シート状感光体を、直径80mmのアルミニウム製シリンダーに巻き付けてアースを取り、初期表面電位が−700Vになるように帯電させ、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光とし、0.8μJ/cm2露光した際の表面電位(明電位;VLと称する
)を求めた。露光から電位測定までの時間は、60msとした。測定環境は25℃,50%RHで行なった。VLの絶対値が大きい場合は、光減衰特性が悪いことを示す。結果を表−1に示す。
<耐クラック性試験>
感光体シートを1cm×20cmの短冊状の断片に切り取り、炭化水素系溶剤(商品名:アイソパーL、エクソン化学製)を表面全体に塗布して一晩放置した。翌日再度当該溶剤を塗布後、感光体断片を引張試験機(ORIENTEC社製 TENSILON RTM−100)で感光体断片の両端を把持しながら、約20Nの力で長辺方向に引張り、感光体の感光層のクラック発生を観察した。その際、感光体断片の短辺方向に、約半分幅(0.5cm)のクラックが入るまでの時間を計測した。ただし、180秒を超えてもクラックが発生しなかった場合は、それ以上観察は継続しなかった(データとしては、180秒と記載)。測定は2回実施し、その平均値を取った。クラックが入るまでの時間が長いほど、耐クラック性が良好であることを示す。結果を表−1に示す。なお、帯電ローラー等に接触している際に感光体に移行して、クラックの原因となる可塑剤等の成分は上記炭化水素系溶剤とは異なるものの、類似の挙動を示すため、モデル試験としては妥当と考えられる。また、感光層に一定の張力を掛けることにより、クラック発生までの時間を短縮し、加速試験とすることで、耐クラック性の程度を定量的に把握することが可能となっている。
<感光体の弾性変形率測定>
感光体の弾性変形率は、Fischer社製微小硬度計FISCHERSCOPE HM2000(H100C同等機)を用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定した。測定には対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いる。測定条件は以下の通りに設定して行い、圧子にかかる荷重とその荷重下における押し込み深さとを連続的に読み取り、それぞれY軸、X軸にプロットした図2に示すようなプロファイルを取得する。
・測定条件
最大押込み加重 5mN
負荷所要時間 10秒
除荷所要時間 10秒
上記の弾性変形率は下記式により定義される値であり、押し込みに要した全仕事量に対して、除荷の際に膜が弾性によって行う仕事の割合である。
弾性変形率(%)=(We/Wt)×100
上記式中、全仕事量Wt(nJ)は図2中のA−B−D−Aで囲まれる面積を示し、弾性変形仕事量We(nJ)はC−B−D−C で囲まれる面積を示す。弾性変形率が大き
いほど、負荷に対する変形が残留しにくく、弾性変形率が100の場合には変形が残らないことを意味する。
[実施例2]
実施例1において、バインダー樹脂(B−1)を、下記の(B−2)(粘度平均分子量
40,000)に変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製、評価した。結果を表−1に示す。なお、下記(B−2)中、「60」「40」は、共重合モル比を表す。
Figure 0006447062
[実施例3]
実施例1において、バインダー樹脂(B−1)を、下記の(B−3)(粘度平均分子量38,000)に変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製、評価した。結果を表−1に示す。
Figure 0006447062
[実施例4]
実施例1において、バインダー樹脂(B−1)を、下記の(B−4)(粘度平均分子量42,000)に変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製、評価した。結果を表−1に示す。
Figure 0006447062
[実施例5]
実施例1において、バインダー樹脂(B−1)を、下記の(B−5)(粘度平均分子量40,000)に変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製、評価した。結果を表−1に示す。
Figure 0006447062
[実施例6]
実施例1において、バインダー樹脂(B−1)を、下記の(B−6)(粘度平均分子量50,000)に変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製、評価した。結果を表−1に示す。
Figure 0006447062
[実施例7]
実施例1において、電荷輸送物質として前記(1)−2に代えて前記(1)−10で表される化合物を使用した以外は、実施例1と同様に感光体を作製、評価した。結果を表−1に示す。
[実施例8]
実施例1において、電荷輸送物質として前記(2)−2に代えて前記(2)−3で表される化合物を使用した以外は、実施例1と同様に感光体を作製、評価した。結果を表−1に示す。
[実施例9]
実施例1において、電荷輸送物質として前記(1)−2を50部、前記(2)−2を50部使用した以外は、実施例1と同様に感光体を作製、評価した。結果を表−1に示す。
[実施例10]
実施例1において、電荷輸送物質として前記(1)−2を10部、前記(2)−2を90部使用した以外は、実施例1と同様に感光体を作製、評価した。結果を表−1に示す。
[比較例1]
実施例1において、バインダー樹脂(B−1)を、下記の(C−1)(粘度平均分子量40,000)に変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製、評価した。結果を表−1に示す。
Figure 0006447062
[比較例2]
実施例1において、バインダー樹脂(B−1)を、下記の(C−2)(粘度平均分子量30,000)に変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製、評価した。結果を表−1に示す。
Figure 0006447062
[比較例3]
実施例1において、バインダー樹脂(B−1)を、下記の(C−3)(テレフタル酸:イソフタル酸=50:50、粘度平均分子量30,000)に変更し、溶媒を塩化メチレン750部に変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製、評価した。結果を表−1に示す。
Figure 0006447062
[比較例4]
実施例1において、バインダー樹脂(B−1)を、下記の(C−4)(テレフタル酸:イソフタル酸=50:50、粘度平均分子量38,000)に変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製、評価した。結果を表−1に示す。
Figure 0006447062
[比較例5]
比較例1において、電荷輸送物質として前記(1)−2を50部、前記(2)−2を50部使用した以外は、比較例1と同様に感光体を作製、評価した。結果を表−1に示す。
[比較例6]
比較例1において、電荷輸送物質として前記(1)−2を10部、前記(2)−2を90部使用した以外は、比較例1と同様に感光体を作製、評価した。結果を表−1に示す。
[比較例7]
比較例1において、電荷輸送物質として前記(1)−2を100部使用し、(2)−2を使用しなかった以外は、比較例1と同様に感光体を作製、評価した。結果を表−1に示
す。電荷輸送層表面に、電荷輸送物質(1)−2が一部溶出した。
[比較例8]
比較例1において、電荷輸送物質として前記(2)−2を100部使用し、(1)−2を使用しなかった以外は、比較例1と同様に感光体を作製、評価した。結果を表−1に示す。電荷輸送層中に、電荷輸送物質(2)−2が一部析出した。
[比較例9]
実施例1において、電荷輸送物質として前記(1)−2を130部、前記(2)−2を20部使用した以外は、実施例1と同様に感光体を作製、評価した。結果を表−1に示す。
[比較例10]
実施例1において、電荷輸送物質として前記(2)−2に代えて下記(A)で表される化合物を使用した以外は、実施例1と同様に感光体を作製、評価した。結果を表−1に示す。
Figure 0006447062
[比較例11]
実施例1において、電荷輸送物質として前記(1)−2に代えて下記(B)で表される化合物を使用した以外は、実施例1と同様に感光体を作製、評価した。結果を表−1に示す。
Figure 0006447062
Figure 0006447062
Figure 0006447062
表−1から分かるように、実施例の感光体は、良好な耐クラック性を示すのに対し、比較例1,2の感光体は耐クラックが悪く、比較例3,4は電気特性が悪く、かつ耐クラック性も不十分、比較例5,6では、電荷輸送物質の量比を変えても耐クラック性は改善しなかった。また、比較例7,8のように、それぞれ電荷輸送物質(1)及び(2)を単独で使用した場合は、表面への電荷輸送物質の溶出(ブリードアウト)、及び電荷輸送層中の電荷輸送物質の一部析出が観察された。比較例9のように電荷輸送物質の量が多過ぎる場合は弾性変形率が大きく低下、耐クラック性が悪化する。比較例10では、電荷輸送物質(A)が電荷トラップとなって電気特性が悪化し、比較例11では電荷輸送物質(B)が層中に多く析出してクラックの起点となって耐クラック性が大幅に悪化した。
[実施例11]
<感光体ドラムの製造>
表面が粗切削仕上げされ、清浄に洗浄された外径30mm、長さ260.5mm、肉厚0.75mmのアルミニウム製シリンダー上に、実施例1の感光体製造に使用した下引き層形成用塗布液、電荷発生層形成用塗布液、電荷輸送層形成用塗布液を浸漬塗布法により順次塗布、乾燥し、乾燥後の膜厚がそれぞれ、1.3μm、0.4μm、25μmとなるように、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を形成し、感光体ドラムを製造した。なお、電荷輸送層の乾燥は、125℃で20分間行なった。
<画像試験>
画像試験は、乾式現像系電子写真方式で、樹脂製帯電ローラ使用のヒューレットパッカ
ード社製タンデム型カラーレーザープリンターHP Color LaserJet 4700dnを用いて行った。作製した感光体ドラム(同等品4本)をシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック各色用のプロセスカートリッジに装着し、55℃で一週間保管した。この条件でも、帯電ローラ圧接起因の感光体表面のクラックは観察されなかった。このカートリッジを上記プリンターに装着し、温度25℃、湿度50%環境下で、8000枚の画像形成試験を行った。その結果、ゴースト、かぶり、濃度低下、フィルミング、クリーニング不良、傷等による画像不良が発生せず、良好な画像が得られた。
[比較例12]
前記実施例11の感光体製造で使用した電荷輸送層用塗布液に代えて、前記比較例1の感光体製造で使用した電荷輸送層用塗布液を使用した以外は、実施例11と同様に感光体ドラムを作製し、画像試験を実施した。画像試験前にカートリッジ内で帯電ローラーに当接していた感光体表面部分に、クラックが多数発生し、画像にもスジ状欠陥として認識された。また、温度25℃、湿度50%環境下で、8000枚の画像形成試験を行ったところ、スジ状欠陥、ゴースト、画像濃度低下が観測された。
1 感光体(電子写真感光体)
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)

Claims (4)

  1. 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を有する電子写真感光体において、
    該電荷輸送層中に、少なくとも下記式(1a)で表される電荷輸送物質、下記式(2)で
    表される電荷輸送物質、及びガラス転移温度(Tg)が170℃以上のバインダー樹脂を
    含有し、該電荷輸送層の弾性変形率が42%以上であることを特徴とする、接触帯電用電
    子写真感光体。
    Figure 0006447062
    (式(1a)中、Arは、炭素数10以下の、置換基を有してもよいアリール基を表す
    。)
    Figure 0006447062
    (式(2)中、Ar,Ar,Ar,Arは、それぞれ独立に置換基を有してもよ
    い炭素数14以下のアリール基を表し、Arは炭素数10以下のアリーレン基を表す。
  2. 前記式(2)が、下記式(2)−2で表される、請求項1に記載の接触帯電用電子写真感
    光体。
    Figure 0006447062
  3. 請求項1又は2に記載の電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を接触帯電させ
    る帯電装置、該帯電した電子写真感光体を露光させて静電潜像を形成する露光装置、該電
    子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置からなる群から選ばれる少なく
    とも1つ、を備えたことを特徴とする電子写真感光体カートリッジ。
  4. 請求項1又は2に記載の電子写真感光体、該電子写真感光体を接触帯電させる帯電装置
    と、該帯電した電子写真感光体を露光させて静電潜像を形成する露光装置、及び、該電子
    写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置、を備えたことを特徴とする画像
    形成装置。
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