JP2915055B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2915055B2
JP2915055B2 JP7208790A JP7208790A JP2915055B2 JP 2915055 B2 JP2915055 B2 JP 2915055B2 JP 7208790 A JP7208790 A JP 7208790A JP 7208790 A JP7208790 A JP 7208790A JP 2915055 B2 JP2915055 B2 JP 2915055B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子写真感光体に関し、より詳しくは、電
子写真感光体の作製時に塗工液が白化(ゲル化)したり
ソルベントクラックが発生したりすることなく、表面硬
度が高く耐刷性に優れており、種々の電子写真分野に好
適に利用できる電子写真感光体に関する。
〔従来の技術〕
最近の電子写真感光体は、感光層が少なくとも、露光
により電荷を発生する電荷発生層と電荷を輸送する電荷
輸送層の二層を有する積層型の有機電子写真感光体が主
流となってきている。この積層型の有機感光体におい
て、電荷輸送層のバインダー樹脂として、ビスフェノー
ルAを原料とするポリカーボネート樹脂が広く利用され
ている(特公昭43-21792号公報)。
ビスフェノールAを原料とするポリカーボネート樹脂
は、電荷輸送材料との相溶性が良いため感光体として作
製した場合は電気特性が良好であり、また比較的機械強
度が大きいという特徴を有している。
しかしながら、バインダー樹脂としてビスフェノール
Aを原料とするポリカーボネート樹脂を用いて電荷輸送
層を形成した場合には、下記の問題点があることが明ら
かになった。
感光体作製時において、電荷輸送層を塗布する際、
用いる溶媒によっては塗工液が白化(ゲル化)したり、
電荷輸送層が容易に結晶化を起こしたりすることがあ
る。これらの白化や結晶化を起こした部分では光減衰が
なく、電荷は残留電位となって残り、画質上ディフェク
トとなって出現する。
ビスフェノールAを原料とするポリカーボネート樹
脂を用いた電荷輸送層は、表面硬度不足のため摩耗して
耐刷寿命が短くなるという欠点がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、前記事情に基づいてなされたものである。
本発明の目的は、電荷輸送層のバインダー樹脂として
ビスフェノールAを原料とするポリカーボネート樹脂を
用いた従来の電子写真感光体に認められる上記の問題点
を解決し、電子写真感光体の作製時に塗工液が白化(ゲ
ル化)したりソルベントクラックを発生したりすること
なく、かつ表面硬度が高く、耐刷性に優れた電子写真感
光体を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意研究を重
ねた結果、感光層、特に感光層を構成する電荷輸送層中
にバインダー樹脂として特定の構造のポリカーボネート
樹脂を用いた電子写真感光体が、ビスフェノールAを原
料とするポリカーボネート樹脂をバインダー樹脂として
用いた従来の電子写真感光体に認められるような上記の
如き問題点がなく、感光体の作製時に塗工液が白化(ゲ
ル化)したりソルベントクラックを発生したりすること
がなく、しかも表面硬度が高く、耐刷性に優れたもので
あることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。
すなわち本発明は、導電性基板上に感光層を設けた電
子写真感光体において、該感光層中に下記一般式 (ただし、式〔I〕中R1及びR2は炭素数1〜6のアル
キル基を表し、R3及びR4は、水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアル
コキシ基を表し、s及びtは1〜4の整数を表す。)及
び下記一般式 〔ただし、式〔II〕中R5及びR6は、ハロゲン原子、炭
素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキ
ル基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、p及びqは
0〜4の整数を表し、Xは単結合、−O−、−S−、−
SO−、−SO2−、−(CH2r−(ただしrは2〜10の整
数を表す。)、 (ただしnは4〜10の整数を表す。)又は (R7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は−CF3
を表し、R8は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、
炭素数6〜12のアリール基又は−CF3を表す。)を表
す。〕で表される繰り返し単位を、式〔I〕の組成比
{〔I〕/(〔I〕+〔II〕)}がモル比において1〜
0.05となるように有し、かつ塩化メチレンを溶媒とする
濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度が0.6〜2.0d
l/gであるポリカーボネート系樹脂をバインダー樹脂と
して用いることを特徴とする電子写真感光体を提供する
ものである。
前記R1及びR2のそれぞれの具体例としては、例え
ば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチ
ルプロピル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソ
ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘ
キシル基等を挙げることができる。
なお、R1とR2とは、互いに同一の基であってもよ
く、異なった基であってもよい。
また、式〔I〕で表される繰り返し単位が複数のR1
基を有する場合、これらのR1基は、同一の基であって
もよく、あるいは相違していてもよく、複数のR2基を
有する場合、これらのR2基は、同一の基であってもよ
く、相違していてもよい。
前記R3及びR4のそれぞれの具体例としては、例え
ば、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などの
ハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル
基、2−メチルプロピル基、tert−ブチル基、n−ペン
チル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシ
ル基、イソヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオ
キシ基等を挙げることができる。
なお、R3とR4とは、互いに同一の基であってもよ
く、異なった基であってもよい。
また、式〔I〕で表される繰り返し単位が複数のR3
基を有する場合、これらのR3基は、同一の基であって
もよく、あるいは相違していてもよく、複数のR4基を
有する場合、これらのR4基は、同一の基であってもよ
く、相違していてもよい。
前記R5及びR6のそれぞれの具体例としては、例え
ば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原
子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチ
ルプロピル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソ
ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘ
キシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シク
ロヘプチル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ト
リメチルフェニル基、エチルフェニル基、ナフチル基、
メチルナフチル基、ビフェニリル基等を挙げることがで
きる。
なお、R5とR6とは、互いに同一の基であってもよ
く、異なった基であってもよい。
また、式〔II〕で表される繰り返し単位が複数のR5
基を有する場合、これらのR5基は、同一の基であって
もよく、あるいは相違していてもよく、複数のR6基を
有する場合、これらのR6基は、同一の基であってもよ
く、相違していてもよい。
前記p及びqは、各々独立に0〜4の整数を表すが、
中でも特にp=q=0の場合等が好ましい。
前記(CH2r基の具体例としては、例えばメチレン
基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン
基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレ
ン基などを挙げることができる。
これらの中でも、特に好適なものとしてジメチレン基
などを挙げることができる。
前記 基の具体例としては、例えば1,1−シクロペンチリデン
基、1,1−シクロヘキシリデン基、1,1−シクロオクチリ
デン基等を挙げることができる。これらの中でも、特に
1,1−シクロヘキシリデン基等が好ましい。
前記 中の、R7及びR8のそれぞれの具体例としては、水素原
子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチ
ルプロピル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソ
ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、−CF3
等を挙げることができる。R8はまた、フェニル基、ト
リル基、キシリル基、トリメチルフェニル基、エチルフ
ェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、ビフェニリ
ル基などであってもよい。これらの中でも特にメチル基
等が好ましい。なお、R7とR8とは、互いに同一の基で
あってもよく、あるいは異なった基であってもよい。
前記一般式〔I〕で表される繰り返し単位からなるポ
リカーボネート〔以下これをポリカーボネート(I)と
略記することがある。〕は、例えば、1種又は2種以上
の次の一般式 (但し、式中R1,R2,R3,R4、s及びtはそれぞれ前記同
様の意味を表す。)で表される二価フェノール類〔以
下、これを二価フェノール類(I′)と略記することが
ある。〕と、ホスゲン等のカーボネート前駆体とを適当
な酸結合剤の存在下に、適当な中性極性溶媒中で縮合重
合するか、あるいは二価フェノール類(I′)とビスア
リールカーボネートとのエステル交換反応などの方法に
よって得ることができる。
また、前記一般式〔I〕で表される繰り返し単位と前
記一般式〔II〕で表される繰り返し単位からなるポリカ
ーボネート共重合体〔以下これをポリカーボネート共重
合体(II)と略記することがある。〕は、1種又は2種
以上の前記二価フェノール類(I′)と1種又は2種以
上の次の一般式 (但し、式中のX、R5、R6、p及びqはそれぞれ、前
記同様の意味を有する。)で表される二価フェノール類
〔以下、これを二価フェノール類(II′)と略記するこ
とがある。〕と、ホスゲン等のカーボネート前駆体とを
適当な酸結合剤の存在下に、適当な溶媒中で縮合重合す
るか、あるいは、これら二価フェノール(I′)及び
(II′)とビスアリールカーボネートとのエステル交換
反応などの方法によって得ることができる。
前記二価フェノール類(I′)の具体例としては、例
えば、3,3′−ジメチル−4,4′−ジヒドロキシテトラフ
ェニルメタン、3,3′−ジエチル−4,4′ジヒドロキシテ
トラフェニルメタン、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,
4′−ジヒドロキシテトラフェニルメタン、2,2′−ジメ
チル−4,4′−ジヒドロキシテトラフェニルメタン、3,
3′5,5′−テトラエチル−4,4′−ジヒドロキシテトラ
フェニルメタン、2,2′−ジエチル−4,4′−ジヒドロキ
シテトラフェニルメタン、3,3′,4″−トリメチル−4,
4′−ジヒドロキシテトラフェニルメタン、3,3′−ジエ
チル−4,4′−ジヒドロキシ−4″−メチルテトラフェ
ニルメタン、3,3′,4″,5,5′−ペンタメチル−4,4′−
ジヒドロキシテトラフェニルメタン、2,2′,4″−トリ
メチル−4,4′−ジヒドロキシテトラフェニルメタン、
3,3′,5,5′−テトラエチル−4,4′−ジヒドロキシ−
4″−メチルテトラフェニルメタン、2,2′−ジエチル
−4,4′−ジヒドロキシ−4″−メチルテトラフェニル
メタン、3,3′,4″,4−テトラメチル−4,4′−ジヒド
ロキシテトラフェニルメタン、3,3′−ジエチル−4,4′
−ジヒドロキシ−4″,4−ジメチルテトラフェニルメ
タン、3,3′,4″,4,5,5′−ヘキサメチル−4,4′−ジ
ヒドロキシテトラフェニルメタン、2,2′,4″,4−テ
トラメチル−4,4′−ジヒドロキシテトラフェニルメタ
ン、3,3′,5,5′−テトラエチル−4,4′−ジヒドロキシ
−4″,4−ジメチルテトラフェニルメタン、2,2′−
ジエチル−4,4′−ジヒドロキシ−4″,4−ジメチル
テトラフェニルメタン、4,4′−ジヒドロキシ−4″−
メトキシテトラフェニルメタン、3,3′−ジメチル−4,
4′−ジヒドロキシ−4″−メトキシテトラフェニルメ
タン、3,3′−ジエチル−4,4′−ジヒドロキシ−4″−
メトキシテトラフェニルメタン、3,3′,5,5′−テトラ
メチル−4,4′−ジヒドロキシ−4″−メトキシテトラ
フェニルメタン、2,2′−ジメチル−4,4′−ジヒドロキ
シ−4″−メトキシテトラフェニルメタン、3,3′,5,
5′−テトラエチル−4,4′−ジヒドロキシ−4″−メト
キシテトラフェニルメタン、2,2′−ジエチル−4,4′−
ジヒドロキシ−4″−メトキシテトラフェニルメタン、
2,2′−ジブチル−4,4′−ジヒドロキシ−5,5′−ジメ
チルテトラフェニルメタン、2,2′−ジ−t−アミル−
4,4′−ジヒドロキシ−5,5′−ジメチルテトラフェニル
メタン等を挙げることができる。
これらの中でも、特に3,3′−ジメチル−4,4′−ジヒ
ドロキシテトラフェニルメタン等が好適に用いられる。
また、前記二価フェノール類(II′)の具体例として
は、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)オクタン、4,4−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ヘプタン、1−フェニル−1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2−(3−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−フェニルエタン、ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,
4′−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(2−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2
−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタ
ン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−
3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(2−tert−
ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−
5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−tert−
ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)イソブ
タン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(2−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−
1−フェニルメタン、1,1−ビス(2−tert−アミル−
4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、ビス
(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、
2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオ
ロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキ
シ−5−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−
ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビ
ス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキフェニル)ブタン、
1−フェニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロ
キシフェニル)エタン、ビス(3−フルオロ−4−ヒド
ロキシフェニル)エーテル、3,3′−ジフルオロ−4,4′
−ジヒドロキシビフェニル、1,1−ビス(3−シクロヘ
キシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン等を挙げることができる。
これらの中でも、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、4,4′−ジヒドロキシビ
フェニル等が好適に用いられる。
前記酸結合剤としては、公知のものなど各種のものが
使用でき、具体的には、例えば水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、ピリジン等の有
機塩基あるいはこれらの混合物などが用いられる。
また、溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベ
ンゼン、キシレン等が用いられる。更に、縮重合反応を
促進するために、トリエチルアミンのような第三級アミ
ン又は第四級アンモニウム塩などの触媒を、また、重合
度を調整するために、p−t−ブチルフェノールやフェ
ニルフェノールなどの分子量調節剤を添加して反応を行
うことが望ましい。また、所望に応じ、亜硫酸ナトリウ
ム、ハイドロサルファイドなどの酸化防止剤を少量添加
してもよい。反応は通常0〜150℃、好ましくは5〜40
℃の範囲の温度で行われる。反応時間は反応温度によっ
て左右されるが、通常0.5分〜10時間、好ましくは1分
〜2時間である。また反応中は、反応系のpHを10以上に
保持することが望ましい。
一方、後者のエステル交換法においては、前記二価フ
ェノール化合物とビスアリールカーボネートとを混合
し、減圧下で高温において反応させる。反応は通常150
〜350℃、好ましくは200〜300℃の範囲の温度において
行われ、また減圧度は最終で好ましくは1mmHg以下にし
て、エステル交換反応により生成した該ビスアリールカ
ーボネートから由来するフェノール類を系外へ留去させ
る。反応時間は反応温度や減圧度などによって左右され
るが、通常1〜4時間程度である。反応は窒素やアルゴ
ンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、ま
た、所望に応じて前記の分子量調節剤や酸化防止剤など
を添加して、反応を行ってもよい。
本発明の電子写真感光体の感光層中に使用する前記ポ
リカーボネート(I)及び前記ポリカーボネート共重合
体(II)は、それぞれ塩化メチレンを溶媒とする濃度0.
5g/dlの溶液における20℃で測定した還元粘度〔ηsp/
c〕が0.6〜2.0dl/gの範囲内にある。好ましくは0.7〜1.
5dl/gの範囲内にあるものが、好適に使用することがで
きる。還元粘度が0.6dl/g未満では表面硬度が低く、耐
刷性が実用上不十分である。2.0dl/gを超えると成形加
工性の低下を招く。
前記ポリカーボネート(I)は1種類の前記式〔I〕
で表される繰り返し単位(U−I)からなる単独重合体
であってもよく、あるいは、任意の割合の2種以上の
(U−I)からなる共重合体であってもよい。これら
は、1種単独で用いてもよくあるいは、2種以上を任意
の割合で混合物等として併用することもできる。
前記ポリカーボネート共重合体(II)としては、1種
又は2種以上の(U−I)と1種又は2種以上の前記式
〔II〕で表される繰り返し単位(U−II)からなる共重
合体を使用することができる。ポリカーボネート共重合
体(II)における前記繰り返し単位(U−I)と(U−
II)の割合としては、(U−I)を100〜5モル%とす
る。5モル%未満では、塗工液の安定性が不十分であ
り、かつ表面硬度も十分でない。これらのポリカーボネ
ート共重合体(II)は1種単独で用いてもよく、あるい
は、2種以上を任意の割合で混合物等として併用するこ
ともできる。
また、上記ポリカーボネート(I)及びポリカーボネ
ート共重合体(II)は互いに2種以上を任意の割合で混
合物等として併用することもできる。
さらに、前記ポリカーボネート(I)及び/又はポリ
カーボネート共重合体(II)は本発明の目的に支障がな
い限り、他の公知のポリカーボネート等の公知のバイン
ダー用樹脂と混合物として、あるいは、別々にして併用
することもできる。
本発明の電子写真感光体は、導電性基板上に電荷発生
層と電荷輸送層とを有するところの感光層を有するもの
であり、電荷発生層上に電荷輸送層が積層されていても
よく、電荷輸送層上に電荷発生層が積層されていてもよ
い。また、必要に応じて表面層に導電性又は絶縁性の保
護膜が形成されていてもよい。さらに、各層間の接着性
を向上させるための接着層あるいは電荷のブロッキング
の役目を果たすブロッキング層等の中間層などが形成さ
れているものであってもよい。
本発明の電子写真感光体は、その感光層中に、好まし
くは該感光層中の電荷輸送層中に、バインダー樹脂とし
て、少なくとも前記ポリカーボネート(I)又はポリカ
ーボネート共重合体(II)を用いてなるものである。
本発明の電子写真感光体に用いられる導電性基板材料
としては、公知のものなど各種のものを使用することが
でき、具体的には、例えば、アルミニウム、真ちゅう、
銅、ニッケル、鋼等の金属板若しくは金属シート、ブラ
ックシート上にアルミニウム、ニッケル、クロム、パラ
ジウム、グラファイト等の導電性物質を蒸着、スパッタ
リング、塗布等によりコーティングするなどして導電化
処理を施したもの、あるいは、ガラス、プラスチック
板、布、紙等の基板に導電処理を施したもの等を使用す
ることができる。
前記電荷発生層は少なくとも電荷発生材料を有するも
のであり、この電荷発生層はその下地となる基板上に電
荷発生材料をバインダー樹脂を用いて結着してなる層を
形成せしめることによって得ることができる。電荷発生
層の形成方法としては公知の方法等各種の方法を使用す
ることができるが、通常、例えば、電荷発生材料をバイ
ンダー樹脂とともに適当な溶媒により分散若しくは溶解
した塗工液を、所定の下地となる基板上に塗布し、乾燥
せしめる方法等を好適に使用することができる。
前記電荷発生層における電荷発生材料としては公知の
ものなど各種のものを使用することができ、具体的に
は、例えば、非晶質セレン、三方晶セレン等のセレン単
位、セレン−テルル等のセレンの合金、As2Se3等のセレ
ン化物若しくはセレン含有組成物、酸化亜鉛、CdS-Se等
の第II族及び第IV族元素からなる無機材料、酸化チタン
等の酸化物系半導体、アモルファスシリコンなどのシリ
コン系材料等の各種の無機材料、金属若しくは無金属フ
タロシアニン、シアニン、アントラセン、ピレン、ペリ
レン、ピリリウム塩、チアピリリム塩、ポリビニルカル
バゾール、スクェアリウム顔料等の各種の育機材料等を
挙げることができる。
なお、これらは、1種単独で用いてもよく、あるい
は、2種以上を混合するなどして、併用することもでき
る。
前記電荷発生層におけるバインダー樹脂としては、特
に制限はなく公知のものなど各種のものを使用でき、具
体的には例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
酢酸ビニル、塩ビ−酢ビ共重合体、ポリビニルアセター
ル、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリロニト
リル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリケトン、ポ
リアクリルアミド、ブチラール樹脂、ポリエステルなど
の熱可塑性樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、フエノ
ール樹脂などの熱硬化性樹脂等を使用することができ
る。
なお、上記電荷発生層におけるバインダー樹脂とし
て、前記ポリカーボネート(I)又はポリカーボネート
共重合体(II)を使用することもできる。
なお、これらのバインダー樹脂は、1種単独で用いて
もよく、あるいは、2種以上を混合物等として併用して
もよい。
前記電荷輸送層は、その下地となる、基板上に電荷輸
送材料をバインダー樹脂で結着してなる層を形成するこ
とによって得ることができる。
この電荷輸送層の形成方法としては、公知の方式等の
各種の方式を使用することができるが、通常、例えば、
電荷輸送材料をバインダー樹脂とともに適当な溶媒に分
散若しくは溶解した塗工液を、所定の下地となる基板上
に塗布し、乾燥する方式などを好適に使用することがで
きる。
本発明の電子写真感光体はその感光層中に、バインダ
ー樹脂として少なくとも前記ポリカーボネート(I)又
はポリカーボネート共重合体(II)を用いてなるもので
あり、電荷輸送層におけるバインダー樹脂として、必ず
しも前記ポリカーボネート(I)又はポリカーボネート
共重合体(II)を用いるものに限定されるものではない
が、本発明の効果を十分に発揮するためには、電荷輸送
層におけるバインダー樹脂として、前記ポリカーボネー
ト(I)又はポリカーボネート共重合体(II)を使用す
ることが望ましい。
前記電荷輸送層における電荷輸送材料としては、従来
用いられている電子輸送性物質と正孔輸送性物質のいず
れも使用することができる。
電子輸送性物質の具体例としては、例えばクロロアニ
ル、ブロモアニル、テトラシアノエチレン、テトラシア
ノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノ
ン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,7
−トリニトロ−9−ジシアノメチレンフルオレノン、2,
4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,9−トリニトロチ
オキサントン等の電子吸引物質やこれらの電子吸引物質
を高分子化したもの等がある。なお、これらの、1種単
独で用いてもよく、あるいは、2種以上を混合するなど
して併用することもできる。
正孔輸送物質としては、ピレン、N−エチルカルバゾ
ール、N−イソプロピルカルバゾール、N−メチル−N
−フェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカ
ルバゾール、N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリ
デン−9−エチルカルバゾール、N,N−ジフェニルヒド
ラジノ−3−メチリデン−10−エチルフェノチアジン、
N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−10−エ
チルフェノキサジン、p−ジエチルアミノベンズアルデ
ヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、p−ジエチルアミ
ノベンズアルデヒド−N−α−ナフチル−N−フェニル
ヒドラゾン、p−ピロリジノベンズアルデヒド−N,N−
ジフェニルヒドラゾン、1,3,3−トリメチルインドレニ
ン−ω−アルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、p
−ジエチルベンズアルデヒド−3−メチルベンスチアゾ
リノン−2−ヒドラゾン等のヒドラゾン類、2,5−ビス
(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジア
ゾール、1−フェニルー3−(p−ジエチルアミノスチ
リル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリ
ン、1−〔キノリル(2)〕−3−(p−ジエチルアミ
ノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピ
ラゾリン、1−〔レピジル(2)〕−3−(p−ジエチ
ルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニ
ル)ピラゾリン、1−〔6−メトキシーピリジル
(2)〕−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−
(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−〔ピ
リジル(5)〕−3−(p−ジエチルアミノフェニル)
ピラゾリン、1−〔ピリジル(2)〕−3−(p−ジエ
チルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェ
ニル)ピラゾリン、1−〔ピリジル(2)〕−3−(p
−ジエチルアミノスチリル)−4−メチル−5−(p−
ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−〔ピリジル
(2)〕−3−(α−メチル−p−ジエチルアミノスチ
リル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリ
ン、1−フェニル−3−(p−ジエチルアミノスチリ
ル)−4−メチル−5−(p−ジエチルアミノフェニ
ル)ピラゾリン、1−フェニル−3(α−ベンジル−p
−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミ
ノフェニル)ピラゾリン、スピロピラゾリン等のピラゾ
リン類、2−(p−ジエチルアミノスチリル)−δ−ジ
エチルアミノベンズオキサゾール、2−(p−ジエチル
アミノフェニル)−4−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−5−(2−クロロフェニル)オキサゾール等のオ
キサゾール系化合物、2−(p−ジエチルアミノスチリ
ル)−6−ジエチルアミノベンゾチアゾール等のチアゾ
ール系化合物、ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチル
フェニル)−フェニルメタン等のトリアリールメタン系
化合物、1,1−ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−2−メ
チルフェニル)ヘプタン、1,1,2,2−テトラキス(4−
N,N−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)エタン等
のポリアリールアミン類、N,N′−ジフェニル−N,N′−
ビス(メチルフェニル)ベンジジン、N,N′−ジフェニ
ル−N,N′−ビス(エチルフェニル)ベンジジン、N,N′
−ジフェニル−N,N′−ビス(プロピルフェニル)ベン
ジジン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(ブチルフェ
ニル)ベンジジン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス
(イソプルピルフェニル)ベンジジン、N,N′−ジフェ
ニル−N,N′−ビス(第2級ブチルフェニル)ベンジジ
ン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(第3級ブチルフ
ェニル)ベンジジン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス
(クロロフェニル)ベンジジン等のベンジジン系化合
物、トリフェニルアミン、ポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリ
ビニルアクリジン、ポリ−9−ビニルフェニルアントラ
セン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾ
ール−ホルムアルデヒド樹脂等を挙げることができる。
なお、これらは、1種単独で用いてもよく、あるい
は、2種以上を混合するなどして併用してもよい。
前記電荷発生層、電荷輸送層の形成の際に使用する前
記溶媒の具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族系溶媒、アセ
トン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケト
ン、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のア
ルコール、酢酸エチル、エチルセロソルブ等のエステ
ル、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルム、ジクロロ
メタン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルホル
ムアミド等を挙げることができる。
これらの、溶媒は、1種単独で使用してもよく、ある
いは、2種以上を混合溶媒として併用してもよい。
各層の塗布は公知のものなど各種の塗布装置を用いて
行うことができ、具体的には、例えば、アプリケータ
ー、スプレーコーター、バーコーター、ディップコータ
ー、ロールコーター、ドクタブレード等を用いて行うこ
とができる。
本発明の電子写真感光体は、その作製時に塗工液が白
化(ゲル化)したり、ソルベントクラックを発生するこ
とがなく、しかも、表面硬度が高く、耐刷性に優れた電
子写真感光体であり、各種の電子写真分野に好適に利用
することができる。
〔実施例〕 以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
参考例1 モノマーとして4,4′−ジヒドロキシテトラフェニル
メタン90g(0.256モル)を、8%NaOH水溶液550ml、塩
化メチレン400ml、分子量調節剤としてp−tert−ブチ
ルフェノール0.8g及び触媒として10%トリエチルアミン
水溶液3mlと共にじゃま板付き反応器内で激しく撹拌し
ながらホスゲンガスを10分間吹き込んで縮合を行った。
重合終了後、有機相に塩化メチレン1を加えて稀釈
し、水、希塩酸、水の順に洗浄した後、メタノール中に
投入してポリカーボネートを得た。
この重合体は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/d
lの溶液の20℃における還元粘度〔ηsp/c〕が1.01dl/g
で、Tgは210℃であった。−1H-NMRスペクトル分析より
下記の繰り返し単位からなることが確認された。
電荷輸送物質として、下記のヒドラゾン化合物を50重
量%含んだ上記ポリカーボネートの10重量%のテトラヒ
ドロフラン溶液を調製した。
この塗工液は1カ月間放置しても、白濁、ゲルの発生
等はみられなかった。導電性基板をアルミニウムとし
て、オキソチタニウムフタロシアニンを用いた約0.5μ
mの電荷発生層上にこの塗工液を浸漬塗工法により塗布
し、乾燥後、20μmの電荷輸送層を設けて積層型電子写
真感光体を作製した。塗布時に電荷輸送層が結晶化する
ことはなかった。また、電子写真特性は静電気帯電試験
装置EPA-8100((株)川口電機製作所製)を用いて測定
した。−6kVのコロナ放電を行い、初期表面電位
(VO)、光照射(10Lux)後の残留電位(VR)、半減
露光量(E1/2)を測定したところ、在来品(比較例1,
2)と同等であり、十分な実用レベルにあることが示さ
れた。結果を第1表に示す。また、この電荷輸送層の表
面硬度(鉛筆硬度;JIS K-5400)はBであった。
実施例1 モノマーとして3,3′−ジメチル−4,4′−ジヒドロキ
シテトラフェニルメタン97g(0.255モル)を用いた以外
は参考例1と同様にして、下記の繰り返し単位からなる
ポリカーボネート重合体を得た。この重合体は、還元粘
度〔ηsp/c〕が0.82dl/g、Tgが176℃であった。
この重合体を用いて、実施例1と同様にして積層型電
子写真感光体を作製した。塗工液の安定性、塗布時の結
晶化、電子写真特性、表面硬度についての評価結果は、
いずれも参考例1とくらべ、耐刷性に優れていた。
参考例2 モノマーとして4,4′−ジヒドロキシテトラフェニル
メタン70g(0.20モル)と2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン13g(0.057モル)を用いた以外は参考
例1と同様にして、下記の繰り返し単位からなるポリカ
ーボネート共重合体を得た。この共重合体は、還元粘度
〔ηsp/c〕が0.94dl/g、Tgが198℃であった。
この共重合体を用いて、参考例1と同様にして積層型
電子写真感光体を作製した。塗工液の安定性、塗布時の
結晶化、電子写真特性、表面硬度についての評価結果
は、いずれも参考例1と同様であった。
比較例1 市販の2,2−ビス(4−ヒドロキジフェニル)プロパ
ン(ビスフェノールA)を用いたポリカーボネート(還
元粘度〔ηsp/c〕=0.78dl/g、Tg=148℃)を用いて、
参考例1と同様にして積層型電子写真感光体の作製を試
みた。
その結果、塗工液は2日目に白濁し、ゲルが発生し
た。また、塗布時の電荷輸送層の一部が結晶化(白化)
した。また、この電荷輸送層の表面硬度は4Bであった。
電子写真特性は第1表に示した結果となった。
比較例2 モノマーとして4,4′−ジヒドロキシテトラフェニル
メタン90g(0.256モル)、分子量調節剤としてp−tert
−ブチルフェノール1.1gを用いた以外は実施例1と同様
にして、実施例1と同様の繰り返し単位からなるポリカ
ーボネート(還元粘度〔ηsp/c〕=0.51dl/g、Tg=210
℃)を得た。この重合体を用いて、参考例1と同様にし
て積層型電子写真感光体の作製した。塗工後の安定性、
塗布時の結晶化及び電子写真特性についての評価結果
は、いずれも参考例1と同様であった。また、この電荷
輸送層の表面硬度は3Bであった。
〔発明の効果〕 本発明によると、感光層中、特に感光層の電子輸送層
中に、特定構造を有するポリカーボネートをバインダー
樹脂として用いているので、電子写真感光体の作製時に
おいて塗工液が白化(ゲル化)したり、ソルベントクラ
ックを発生したりすることがなく、かつ表面硬度が高
く、耐刷性に優れた電子写真感光体を提供することがで
き、その工業的価値は極めて大である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基板上に感光層を設けた電子写真感
    光体において、該感光層中に下記一般式 (ただし、式[I]中R1及びR2は炭素数1〜6のアル
    キル基を表し、R3及びR4は、水素原子、ハロゲン原
    子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアル
    コキシ基を表し、s及びtは1〜4の整数を表す。)及
    び下記一般式 [ただし、式[II]中R5及びR6は、ハロゲン原子、炭
    素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキ
    ル基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、p及びqは
    0〜4の整数を表し、Xは単結合、−O−、−S−、−
    SO−、−SO2−、−(CH2r−(ただしrは2〜10の整
    数を表す。)、 (R7は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は−CF3
    を表しR8は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭
    素数6〜12のアリール基又は−CF3を表す。)を表
    す。]で表される繰り返し単位を、式[I]の組成比
    {[I]/([I]+[II])}がモル比において1〜
    0.05となるように有し、かつ塩化メチレンを溶媒とする
    濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度が0.6〜2.0d
    l/gであるポリカーボネート系樹脂をバインダー樹脂と
    して用いることを特徴とする電子写真感光体。
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