JP4208367B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しくは、感光層又は保護層中に特定の添加剤を含有する電子写真感光体、その電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真感光体に用いられる光導電材料としては、セレン、硫化カドミウム及び酸化亜鉛等の無機材料が知られていた。他方、有機材料であるポリビニルカルバゾール、フタロシアニン及びアゾ顔料等は高生産性や無公害性等の利点が注目され、無機材料と比較して光導電特性や耐久性等の点で劣る傾向にあるものの、広く用いられるようになってきた。これらの電子写真感光体は、電気的及び機械的特性の双方を満足するために電荷発生層と電荷輸送層を積層した機能分離型の電子写真感光体として利用される場合が多い。
【0003】
一方、当然のことながら電子写真感光体には適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気的特性、そして光学的特性を備えていることが要求される。また、特に繰り返し使用される電子写真感光体にあっては、その電子写真感光体表面には帯電、画像露光、トナー現像、紙への転写、クリーニング処理といった電気的、機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性や安定性が要求される。具体的には、摺擦による表面の磨耗や傷の発生に対する耐久性、帯電時のオゾンや窒素酸化物に対する耐表面劣化性等が要求される。加えて、電子写真感光体へのトナー付着防止能や優れたクリーニング性、転写性を付与させるために、電子写真感光体表面の低エネルギー化が必要とされる。
【0004】
一般に電子写真感光体の表面は薄い樹脂層であり、樹脂の特性が非常に重要である。上述の諸条件をある程度満足する樹脂として、近年、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等が選択され、電荷輸送材料を混合させた電荷輸送層として広く実用化されている。
【0005】
但し上述したような表面層は、熱可塑性のポリマーであるために機械的強度に限界があること、及び電気的特性を満たす目的で低分子の電荷輸送材料を多量に混合させているために、耐磨耗性という面で十分ではなく、種々の検討がなされている。
【0006】
その一例として、硬化性の樹脂を表面保護層として用いることが有効であり、例えば特開昭51−66834号公報、特開昭64−72167号公報には紫外線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂を用いた表面層が開示され、耐久性の向上が示されている。中でも、硬化性のアクリル樹脂はその反応性が高く硬化速度が速いために、各種ハードコートとして使用されており、これを電子写真感光体の表面層に用いた場合にも例えば特開昭61−5253号公報にあるように、十分な耐久性が得られることが示されている。
【0007】
また、硬化性の樹脂を電荷輸送層用の樹脂として用いる試みが、例えば特開平2-127652号公報等に開示されている。このように、電荷輸送層用の樹脂に硬化性の樹脂を用い電荷輸送層を硬化、架橋することによって機械的強度が増し、繰り返し使用時の耐削れ性及び耐傷性が向上する。
【0008】
更には、特開平5-216249号公報、特開平7-72640号公報等のように、炭素−炭素二重結合を有する電荷輸送材を熱あるいは光のエネルギーによって反応させ、電荷輸送マトリックスに化学的に結合させたり、特開平8-248649号公報等においては熱可塑性高分子鎖中に電荷輸送能を有する基を導入したりすることで、電子写真感光体の表面層の機械的強度を向上させる方法が開示されている。
【0009】
一方で、先に述べたように電子写真感光体へのトナー付着防止能や優れたクリーニング性、転写性を付与させるために、電子写真感光体表面の低エネルギー化が重要な課題である。このような特性を改良するために、感光層に潤滑性を有する材料、例えばフッ素系、シリコーン系の化合物等の使用が考えられる。しかしこれらの材料は、そもそも感光層に用いられている構成材料との相溶性が低かったり、塗工液にした場合の溶解性や液安定性の問題が発生したり、また塗工性が非常に悪化したり、成膜時あるいは成膜後に層分離する等の問題を起こし易い。また、その高い表面移行性により電子写真感光体のごく表層のみに高濃度で存在する傾向にあり、初期は高潤滑性を示すものの、繰り返し使用の耐久により電子写真感光体が削れるとすぐさまその潤滑性が低減する等して、十分な効果が得られない等の問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、繰り返し使用時にも安定して優れた電子写真特性を示し、長期間にわたりその表面性が低下することのない高耐久、高安定な電子写真感光体を提供することにある。
【0011】
本発明の別の目的は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体あるいは感光層及び保護層を有する電子写真感光体において、
該感光層又は保護層が、連鎖重合性官能基及び珪素原子を有する添加剤を重合した化合物を含有し、
該添加剤は、酸化防止剤、劣化防止剤、遮光剤又は潤滑材であ
ことを特徴とする電子写真感光体が提供される。
また、本発明に従って、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に設けてなる電子写真感光体であって、該電荷輸送層が該電子写真感光体の最表面層である電子写真感光体において、
該電荷輸送層が、連鎖重合性官能基及び珪素原子を有する添加剤と、該添加剤以外の連鎖重合性官能基を有する化合物とを含有する溶液を該電荷発生層上に塗布し、これを重合硬化させることによって形成した層であり、
該添加剤は、酸化防止剤、劣化防止剤、遮光剤又は潤滑材である
ことを特徴とする電子写真感光体が提供される。
また、本発明に従って、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層及び保護層をこの順に設けてなる電子写真感光体であって、該保護層が該電子写真感光体の最表面層である電子写真感光体において、
該保護層が、連鎖重合性官能基及び珪素原子を有する添加剤と、該添加剤以外の連鎖重合性官能基を有する化合物とを含有する溶液を該電荷輸送層上に塗布し、これを重合硬化させることによって形成した層であり、
該添加剤は、酸化防止剤、劣化防止剤、遮光剤又は潤滑材である
ことを特徴とする電子写真感光体が提供される。
また、本発明に従って、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体あるいは感光層及び保護層を有する電子写真感光体において、
該感光層又は保護層が、連鎖重合性官能基を有する添加剤と、同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物とを重合した化合物を含有し、
該添加剤は、酸化防止剤、劣化防止剤、遮光剤又は潤滑材である
ことを特徴とする電子写真感光体が提供される。
また、本発明に従って、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に設けてなる電子写真感光体であって、該電荷輸送層が該電子写真感光体の最表面層である電子写真感光体において、
該電荷輸送層が、連鎖重合性官能基を有する添加剤と、同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物とを含有する溶液を該電荷発生層上に塗布し、これを重合硬化させることによって形成した層であり、
該添加剤は、酸化防止剤、劣化防止剤、遮光剤又は潤滑材である
ことを特徴とする電子写真感光体が提供される。
また、本発明に従って、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層及び保護層をこの順に設けてなる電子写真感光体であって、該保護層が該電子写真感光体の最表面層である電子写真感光体において、
該保護層が、連鎖重合性官能基を有する添加剤と、同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物とを含有する溶液を該電荷輸送層上に塗布し、これを重合硬化させることによって形成した層であり、
該添加剤は、酸化防止剤、劣化防止剤、遮光剤又は潤滑材である
ことを特徴とする電子写真感光体が提供される。
また、本発明に従って、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体あるいは感光層及び保護層を有する電子写真感光体において、
該感光層又は保護層が、下記一般式(5)、(6)、(7)又は(8)で示される不飽和重合性官能基を有する添加剤を重合した化合物を含有し、
該添加剤は、酸化防止剤、劣化防止剤、遮光剤又は潤滑材である
ことを特徴とする電子写真感光体が提供される。
化9
(一般式(5)及び(6)中、J 及びJ は置換基を有しても良い有機基を示す。l 及びl はそれぞれ独立に0以上の整数を示す。また、l 及びl が2以上の整数である場合、J 及びJ はそれぞれが同一でも異なっていてもよい。)
化10
(一般式(7)及び(8)中、J 及びJ は置換基を有しても良い有機基を示す。l 及びl 10 はそれぞれ独立に0以上の整数を示す。また、l 及びl 10 が2以上の整数である場合、J 及びJ はそれぞれが同一でも異なっていてもよい。)
【0013】
また、本発明に従って、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
本発明の基本的思想は、感光層中に含有させるべき添加剤を感光層マトリックス材料に化学的に結合させる、あるいは重合させて高分子量化させることによって、添加剤の表面へのブリードアウトの抑制、機械的強度を低下させる可塑剤効果の低減、繰り返し電子写真プロセス時の物質移動による電気的特性の変動抑制を行うものである。特には、添加剤の表面へのブリードアウトを抑制することにより、従来、電子写真感光体の表面自由エネルギーの低下を目的として使用されてきたフッ素系あるいはケイ素系化合物等の表面移行性を改良することができ、長期間にわたる使用においても、低表面自由エネルギーの持続性を高めることが可能になった。
【0016】
まず本発明における添加剤について説明する。ここでいう添加剤とは、酸化防止剤、劣化防止剤、遮光剤及び潤滑材等を指すが、上述したように高い表面移行性のある潤滑材に対して最も有用である。
【0017】
潤滑材としては、表面自由エネルギーを低下させる材料として、フッ素系化合物、ケイ素系化合物、炭化水素系化合物等が挙げられる。特に、炭化水素化合物については、耐候性や化学的安定性等の点から飽和炭化水素系が好ましい。これら潤滑材は、感光層マトリックスの中で単独にオリゴマー化あるいはポリマー化して存在する、あるいは感光層マトリックス成分に化学的に結合して存在する、更には感光層マトリックス成分との化学的結合部から重合させることも可能である。
【0018】
これら潤滑材に結合される反応性の官能基としては、一般的な付加反応、縮合反応、脱水反応、重合反応、架橋反応等が可能な官能基群から最適なものを選択するが、反応効率等の点から、重合あるいは架橋性反応基が好ましい。重合あるいは架橋性反応基の例としては、ラジカル重合あるいはイオン重合等の連鎖重合性官能基、付加縮合、重縮合、重付加等の逐次重合性官能基等が挙げられるが、反応効率の点から連鎖重合性官能基が好ましい。ここで連鎖重合性官能基について詳しく説明する。
【0019】
本発明における連鎖重合とは、高分子物の生成反応を大きく連鎖重合と逐次重合に分けた場合の前者の重合反応形態を示し、詳しくは例えば技報堂出版 三羽忠広著の「基礎 合成樹脂の化学(新版)」1995年7月25日(1版8刷)P.24に説明されているように、その形態が主にラジカルあるいはイオン等の中間体を経由して反応が進行する不飽和重合、開環重合そして異性化重合等のことをいう。ここでは、その大半を占め応用範囲の広い不飽和重合あるいは開環重合性官能基の具体例を示す。
【0020】
不飽和重合とは、ラジカル、イオン等によって不飽和基、例えばC=C、C≡C、C=O、C=N、C≡N等が重合する反応であるが、主にはC=Cである。不飽和重合性官能基の具体例を表1に示すがこれらに限定されるものではない。
【0021】
【表1】
【0022】
表中、Rは置換基を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基及びアンスリル基等のアリール基又は水素原子を示す。
【0023】
開環重合とは、炭素環、オクソ環及び窒素ヘテロ環等のひずみを有した不安定な環状構造が触媒の作用で活性化され、開環すると同時に重合を繰り返し鎖状高分子物を生成する反応であるが、この場合、基本的にはイオンが活性種として作用するものが大部分である。開環重合性官能基の具体例を表2に示すがこれらに限定されるものではない。
【0024】
【表2】
【0025】
表中、Rは置換基を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基及びアンスリル基等のアリール基又は水素原子を示す。
【0026】
上記で示した様な本発明に係わる連鎖重合性官能基の中でも、特に下記一般式(1)で示された不飽和重合性官能基が望ましい。
【0027】
【化7】
【0028】
式中、L1は水素原子、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子、置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置換基を有しても良いフェニル基及びナフチル基等のアリール基、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基、−COORX(RXは水素原子、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子、置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基及びフルフリル基等のアラルキル基又は置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、アンスリル基及びピレニル基等のアリール基)又は−CONRYZ(RY及びRZは水素原子、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子、置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基及びフルフリル基等のアラルキル基又は置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、アンスリル基及びピレニル基のアリール基、互いに同一であっても異なっていてもよい)を示す。
【0029】
1は置換基を有しても良いフェニレン基、ナフチレン基及びアントラセニル基等のアリーレン基又は置換基を有しても良いメチレン基、エチレン基及びブチレン基等のアルキレン基、−COO−、−CH2−、−O−、−OO−、−S−又は−CONRW−(RWは水素原子、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子、置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基及びフルフリル基等のアラルキル基又は置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、アンスリル基及びピレニル基のアリール基)を示す。J1は置換基を有しても良い有機基を示す。l1及びl2はそれぞれ独立に0以上の整数を示す。また、l1及びl2が2以上の整数である場合、M1及びJ1はそれぞれが同一でも異なっていてもよい。
【0030】
上記一般式(1)の中でも更に下記一般式(2)で示されるものが好ましい。
【0031】
【化8】
【0032】
式中、L2は水素原子又はメチル基、 M2は置換基を有しても良いフェニレン基、ナフチレン基及びアントラセニル基等のアリーレン基又は置換基を有しても良いメチレン基、エチレン基及びブチレン基等のアルキレン基、−COO−又は−O−を示す。J2は置換基を有しても良い有機基を示す。l3及びl4はそれぞれ独立に0以上の整数を示す。また、l3及びl4が2以上の整数である場合、M2及びJ2はそれぞれが同一でも異なっていてもよい。
【0033】
更に、上記一般式(2)の中でも下記一般式(3)〜一般式(8)で示されるものが特に好ましい。
【0034】
【化9】
【0035】
式中、J3及びJ4は置換基を有しても良い有機基を示す。l5及びl6はそれぞれ独立に0以上の整数を示す。また、l5及びl6が2以上の整数である場合、J3及びJ4はそれぞれが同一でも異なっていてもよい。
【0036】
【化10】
【0037】
式中、J5及びJ6は置換基を有しても良い有機基を示す。l7及びl8はそれぞれ独立に0以上の整数を示す。また、l7及びl8が2以上の整数である場合、J5及びJ6はそれぞれが同一でも異なっていてもよい。
【0038】
【化11】
【0039】
式中、J7及びJ8は置換基を有しても良い有機基を示す。l9及びl10はそれぞれ独立に0以上の整数を示す。また、l9及びl10が2以上の整数である場合、J7及びJ8はそれぞれが同一でも異なっていてもよい。
【0040】
本発明における反応性の官能基を有する添加剤の化合物例を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
本発明において、上述の添加剤を重合させる手法としては、熱あるいは紫外線、γ線や電子線のような高エネルギー放射線を利用するのが好ましく、場合によっては重合開始剤を併用することが可能である。但し、開始剤類は電子写真特性に悪影響を及ぼす場合があるため、慎重に選択するべきである。特に、電子線等の高エネルギー線の利用は、開始剤を必要としないことと、重合効率が高い点で好ましい。
【0044】
本発明においては、前記連鎖重合性官能基を有する添加剤と、感光層マトリックスを構成させる樹脂成分として反応性の官能基を有する化合物、より具体的には連鎖重合性官能基を有するモノマー、オリゴマー類を混合し、同時に重合反応させることで、機械的強度の向上と低表面自由エネルギーの持続性向上の両方を満たすことができる。更には、電荷輸送機能を有するモノマー、オリゴマーを利用することで、最大限の効果が期待できる。ここで、電荷輸送機能を有するモノマー類について、一般的な正孔輸送性化合物の例を挙げる。
【0045】
前記正孔輸送性化合物は、下記一般式(9)で示されるように、同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有するものが、重合硬化後の機械的強度の点から好ましい。但し、電荷輸送機能を有しない多官能モノマーを併用することで機械的強度を確保できる場合には、連鎖重合性官能基が1つのものも使用可能である。
【0046】
【化12】
【0047】
式中、P1及びP2は連鎖重合性官能基を示し、P1とP2は同一でも異なっても良い。Zは置換基を有しても良い有機基を示す。a、b及びdは0又は1以上の整数を示し、a+b×dは2以上の整数を示す。また、aが2以上の場合P1は同一でも異なっても良く、dが2以上の場合P2は同一でも異なっても良く、またbが2以上の場合、Z及びP2は同一でも異なっても良い。
【0048】
なおここで、『aが2以上の場合P1は同一でも異なっても良く』とは、それぞれ異なるn種類の連鎖重合性官能基をP11、P12、P13、P14、P15・・・・P1nと示した場合、例えばa=3のとき正孔輸送性化合物Aに直接結合する重合性官能基P1は3つとも同じものでも、2つ同じで1つは違うもの(例えば、P11とP11とP12とか)でも、それぞれ3つとも異なるもの(例えば、P12とP15とP17とか)でも良いということを意味するものである(『dが2以上の場合P2は同一でも異なっても良く』というのも、『bが2以上の場合、Z及びP2は同一でも異なっても良い』というのもこれと同様なことを意味するものである)。
【0049】
上記一般式(9)のAは正孔輸送性基を示し、正孔輸送性を示すものであればいずれのものでもよく、P1やZとの結合部位を水素原子に置き換えた水素付加化合物(正孔輸送化合物)として示せば、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体及びN−フェニルカルバゾール誘導体等が挙げられる。
【0050】
更に、上記正孔輸送化合物の中でも、下記一般式(10)、(11)、(12)、(13)及び(15)で示されるものが好ましい。その中でも、一般式(10)、(11)及び(12)で示される化合物である場合が特に好ましい。
【0051】
【化13】
【0052】
上記一般式(10)中、R1、R2及びR3は置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の炭素数10以下のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基又は置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基及びベンゾチオフェニル基等のアリール基を示す。
【0053】
但し、R1、R2及びR3のうち少なくとも2つはアリール基を示し、R1、R2及びR3はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。更に、その中でもR1、R2及びR3のすべてがアリール基であるものが特に好ましい。また、上記一般式(10)のR1又はR2又はR3のうち任意の2つはそれぞれ直接もしくは結合基を介して結合しても良く、その結合基としては、メチレン基、エチレン基及びプロピレン基等のアルキレン基、酸素及び硫黄原子等のヘテロ原子又はCH=CH基等が挙げられる。
【0054】
【化14】
【0055】
上記一般式(11)中、R4、R5、R8及びR9は置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の炭素数10以下のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基又は置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフリル基及びジベンゾチオフェニル基等のアリール基を示し、R4、R5、R8及びR9はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R6及びR7は置換基を有しても良いメチレン基、エチレン基及びプロピレン基等の炭素数10以下のアルキレン基、又は置換基を有しても良いアリーレン基(ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、チオフェン、フラン、ピリジン、キノリン、ベンゾキノリン、カルバゾール、フェノチアジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン及びジベンゾチオフェン等より2個の水素を取り除いた基)を示し、R6及びR7は同一であっても異なっていてもよい。Qは置換基を有しても良い有機基を示す。
【0056】
更にその中でも、上記一般式(11)中のR4、R5、R8及びR9のうち少なくとも2つが置換基を有しても良いアリール基であり、かつR6及びR7は置換基を有しても良いアリーレン基である場合が好ましく、更にR4、R5、R8及びR9が4つとも全てアリール基である場合が特に好ましい。また、上記一般式(11)のR4又はR5又はR6のうち任意の2つあるいはR7又はR8又はR9のうち任意の2つはそれぞれ直接もしくは結合基を介して結合しても良く、その結合基としては、メチレン基、エチレン基及びプロピレン基等のアルキレン基、酸素及び硫黄原子等のヘテロ原子又はCH=CH基等が挙げられる。
【0057】
【化15】
【0058】
上記一般式(12)中、m1は0又は1を示し、m1=1であることが好ましく、R10〜R13は置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の炭素数10以下のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基又は置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフリル基及びジベンゾチオフェニル基等のアリール基を示し、R10〜R13はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【0059】
Ar1は置換基を有してもよいアリーレン基(ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、チオフェン、フラン、ピリジン、キノリン、ベンゾキノリン、カルバゾール、フェノチアジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン及びジベンゾチオフェン等より2個の水素を取り除いた基)を示し、Ar2はm1=0の場合、置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフリル基及びジベンゾチオフェニル基等のアリール基を示し、m1=1の場合は上記Ar1と同様なアリーレン基を示す。なお、m1=1の場合は、Ar1とAr2は同一であっても異なっていてもよい。
【0060】
更にその中でも、上記一般式(12)中のR10及びR11が置換基を有しても良いアリール基である場合が好ましく、R10〜R13が4つとも全てアリール基である場合が特に好ましい。また、上記一般式(4)のR10とR11又はR12とR13又はAr1とAr2はそれぞれ直接もしくは結合基を介して結合しても良く、その結合基としては、メチレン基、エチレン基及びプロピレン基等のアルキレン基、カルボニル基、酸素及び硫黄原子等のヘテロ原子又はCH=CH基等が挙げられるが、これらの中ではアルキレン基が好ましい。
【0061】
【化16】
【0062】
但し上記一般式(13)中、Ar3、Ar4及びR14のうち少なくとも一つは、下記一般式(14)で示される基を少なくとも一つ有する。
【0063】
【化17】
【0064】
上記一般式(13)及び(14)中、Ar3、Ar4及びAr5は置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフリル基及びジベンゾチオフェニル基等のアリール基を示し、R14、R15及びR16は置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の炭素数10以下のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフリル基及びジベンゾチオフェニル基等のアリール基又は水素原子を示す(但し、R14が水素原子である場合は除く)。なお、Ar3及びAr4とR15及びR16はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【0065】
更にその中でも、R14及びR16がアリール基である場合が特に好ましい。また、R14又はAr3又はAr4のうち任意の2つ、又はAr5及びR16はそれぞれ直接もしくは結合基を介して結合しても良く、その結合基としては、メチレン基、エチレン基及びプロピレン基等のアルキレン基、酸素及び硫黄原子等のヘテロ原子又はCH=CH基等が挙げられる。nは0〜2の整数を示す。
【0066】
【化18】
【0067】
但し、上記一般式(15)は、下記一般式(16)で示される基を少なくとも一つ有する。
【0068】
【化19】
【0069】
上記一般式(15)及び(16)中、Ar6及びAr7は置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフリル基及びジベンゾチオフェニル基等のアリール基を示し、R17、R18、R19及びR20は置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の炭素数10以下のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフリル基及びジベンゾチオフェニル基等のアリール基又は水素原子を示す(但し、R17及びR18が水素原子である場合は除く)。なお、R17とR18及びR19とR20はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【0070】
その中でも、R20がアリール基である場合が好ましく、更にR17とR18がアリール基である場合が特に好ましい。また、R17又はR18又はAr6のうち任意の2つ、又はAr7及びR20はそれぞれ直接もしくは結合基を介して結合しても良く、その結合基としては、メチレン基、エチレン基及びプロピレン基等のアルキレン基、酸素及び硫黄原子等のヘテロ原子又はCH=CH基等が挙げられる。nは0〜2の整数を示す。
【0071】
また、上記一般式(9)中のZ及び上記一般式(11)中のQは、置換基を有しても良いアルキレン基、置換基を有しても良いアリーレン基、CR21=CR22(R21及びR22はアルキル基、アリール基又は水素原子を示し、R21及びR22は同一でも異なっても良い)、C=O、S=O、SO2、酸素原子又は硫黄原子より一つあるいは任意に組み合わされた有機基を示す。その中でも下記一般式(17)で示されるものが好ましく、下記一般式(18)で示されるものが特に好ましい。
【0072】
【化20】
【0073】
【化21】
【0074】
上記一般式(17)中、X1〜X3は置換基を有しても良いメチレン基、エチレン基及びプロピレン基等の炭素数20以下のアルキレン基、(CR23=CR24m2、C=O、S=O、SO2、酸素原子又は硫黄原子を示し、Ar8及びAr9は置換基を有しても良いアリーレン基(ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、チオフェン、フラン、ピリジン、キノリン、ベンゾキノリン、カルバゾール、フェノチアジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン等より2個の水素原子を取り除いた基)を示す。R23及びR24は置換基を有しても良いメチル基、エチル基及びプロピル基等のアルキル基、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基及びチオフェニル基等のアリール基又は水素原子を示し、R23及びR24は同一でも異なっても良い。m2は1〜5の整数、p〜tは0〜10の整数を示す(但し、p〜tは同時に0であることはない)。
【0075】
上記一般式(10)中、X4及びX5は(CH2m3、(CH=CR25m4、C=O、又は酸素原子を示し、Ar10は置換基を有しても良いアリーレン基(ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、チオフェン、フラン、ピリジン、キノリン、ベンゾキノリン、カルバゾール、フェノチアジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン等より2個の水素原子を取り除いた基)を示す。R25は置換基を有しても良いメチル基、エチル基及びプロピル基等のアルキル基、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基及びチオフェニル基等のアリール基又は水素原子を示す。m3は1〜10の整数、m4は1〜5の整数、u〜wは0〜10の整数を示す(特に、0〜5の整数の時が特に好ましい。但し、u〜wは同時に0であることはない)。
【0076】
なお、上述の一般式(11)〜一般式(18)のR4〜R25、Ar1〜Ar10、X1〜X5、Z及びQがそれぞれ有しても良い置換基としてはフッ素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子;ニトロ基、シアノ基、水酸基;メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びナフトキシ基等のアリールオキシ基;ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基;フェニル基、ナフチル基、アンスリル基及びピレニル基等のアリール基が挙げられる。また、一般式(10)のR1〜R3が有しても良い置換基としてはアリール基を除いた上記置換基及びジフェニルアミノ基及びジ(p−トリル)アミノ基等のジアリールアミノ基が挙げられる。
【0077】
また、本発明における同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、酸化電位が1.2(V)以下であることが好ましく、特には0.4〜1.2(V)であることが好ましい。それは、酸化電位が1.2(V)超えると電荷発生材料よりの電荷(正孔)の注入が起こり難く残留電位の上昇、感度悪化及び繰り返し使用時の電位変動が大きくなる等の問題が生じ易い、また0.4(V)未満では帯電能の低下等の問題の他に、化合物自体が容易に酸化されるために劣化し易く、それに起因した感度悪化、画像ボケ及び繰り返し使用時の電位変動が大きくなる等の問題が生じ易くなるためである。
【0078】
なお、ここで述べている酸化電位は、以下の方法によって測定される。
【0079】
(酸化電位の測定法)
飽和カロメル電極を参照電極とし、電解液に0.1N(n−Bu)4+ClO4 -アセトニトリル溶液を用い、ポテンシャルスイーパによって作用電極(白金)に印加する電位をスイープし、得られた電流−電位曲線がピークを示したときの電位を酸化電位とした。詳しくは、サンプルを0.1N (n-Bu)4+ClO4 -アセトニトリル溶液に5〜10mmol%程度の濃度になるように溶解する。そしてこのサンプル溶液に作用電極によって電圧を加え、電圧を低電位(0V)から高電位(+1.5V)に直線的に変化させた時の電流変化を測定し、電流−電位曲線を得る。この電流−電位曲線において、電流値がピーク(ピークが複数ある場合には最初のピーク)を示したときのピークトップの位置の電位を酸化電位とした。
【0080】
また更に、上記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は正孔輸送能として1×10-7(cm2/V.sec)以上のドリフト移動度を有しているものが好ましい(但し、印加電界:5×104V/cm)。1×10-7(cm2/V.sec)未満では電子写真感光体として露光後現像までに正孔が十分に移動できないため見かけ上感度が低減し、残留電位も高くなってしまう問題が発生する場合がある。
【0081】
連鎖重合性官能基P1及びP2は下記一般式(19)〜一般式(21)で示されるものが好ましい。
【0082】
【化22】
【0083】
式中、Eは水素原子、フッ素、塩素及び臭素等のハロゲン原子、置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基及びフリル基等のアリール基、CN基、ニトロ基、メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基、−COOR26又は−CONR2728を示す。
【0084】
Wは置換基を有しても良いフェニレン基、ナフチレン基及びアントラセニレン基等のアリーレン基、置換基を有しても良いメチレン基、エチレン基及びブチレン基等のアルキレン基、−COO−、−CH2−、−O−、−OO−、−S−又は−CONR29−で示される。
【0085】
26〜R29は水素原子、フッ素、塩素及び臭素等のハロゲン原子、置換基を有しても良いメチル基、エチル基及びプロピル基等のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基及びフェネチル基等のアラルキル基及び置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基及びアンスリル基等のアリール基を示し、R27とR28は互いに同一であっても異なっても良い。また、fは0又は1を示す。
【0086】
E及びW中で有してもよい置換基としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子;ニトロ基、シアノ基、水酸基;メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びナフトキシ基等のアリールオキシ基;ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基;又はフェニル基、ナフチル基、アンスリル基及びピレニル基等のアリール基等が挙げられる。
【0087】
【化23】
【0088】
式中、R30及びR31は水素原子、置換基を有しても良いメチル基、エチル基プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基及びフェネチル基等のアラルキル基、又は置換基を有しても良いフェニル基及びナフチル基等のアリール基を示し、nは1〜10の整数を示す。
【0089】
【化24】
【0090】
式中、R32及びR33は水素原子、置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基及びフェネチル基等のアラルキル基、又は置換基を有しても良いフェニル基及びナフチル基等のアリール基を示し、nは0〜10の整数を示す。
【0091】
なお、上記一般式(20)及び(21)のR30〜R33が有しても良い置換基としてはフッ素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びナフトキシ基等のアリールオキシ基;ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基;又はフェニル基、ナフチル基、アンスリル基及びピレニル基等のアリール基等が挙げられる。
【0092】
また、上記一般式(19)〜一般式(21)の中でも、更に特に好ましい連鎖重合性官能基としては、下記一般式(22)〜一般式(28)で示されるものが挙げられる。
【0093】
【化25】
【0094】
更に上記一般式(22)〜一般式(28)の中でも、一般式(22)のアクリロイルオキシ基及び一般式(23)のメタクリロイルオキシ基が、重合特性等の点から特に好ましい。
【0095】
以下に本発明に関わる、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の代表例を挙げるがこれらに限定されるものではない。
【0096】
【化26】
【0097】
【化27】
【0098】
【化28】
【0099】
【化29】
【0100】
【化30】
【0101】
【化31】
【0102】
【化32】
【0103】
【化33】
【0104】
【化34】
【0105】
【化35】
【0106】
【化36】
【0107】
【化37】
【0108】
【化38】
【0109】
【化39】
【0110】
【化40】
【0111】
【化41】
【0112】
【化42】
【0113】
【化43】
【0114】
【化44】
【0115】
【化45】
【0116】
【化46】
【0117】
【化47】
【0118】
【化48】
【0119】
【化49】
【0120】
【化50】
【0121】
【化51】
【0122】
【化52】
【0123】
【化53】
【0124】
【化54】
【0125】
【化55】
【0126】
【化56】
【0127】
【化57】
【0128】
【化58】
【0129】
【化59】
【0130】
【化60】
【0131】
【化61】
【0132】
【化62】
【0133】
【化63】
【0134】
【化64】
【0135】
【化65】
【0136】
【化66】
【0137】
【化67】
【0138】
【化68】
【0139】
【化69】
【0140】
【化70】
【0141】
【化71】
【0142】
【化72】
【0143】
【化73】
【0144】
【化74】
【0145】
【化75】
【0146】
【化76】
【0147】
【化77】
【0148】
【化78】
【0149】
【化79】
【0150】
【化80】
【0151】
【化81】
【0152】
【化82】
【0153】
【化83】
【0154】
【化84】
【0155】
【化85】
【0156】
【化86】
【0157】
【化87】
【0158】
【化88】
【0159】
【化89】
【0160】
【化90】
【0161】
【化91】
【0162】
【化92】
【0163】
【化93】
【0164】
【化94】
【0165】
【化95】
【0166】
【化96】
【0167】
【化97】
【0168】
【化98】
【0169】
【化99】
【0170】
【化100】
【0171】
【化101】
【0172】
【化102】
【0173】
【化103】
【0174】
【化104】
【0175】
【化105】
【0176】
【化106】
【0177】
【化107】
【0178】
【化108】
【0179】
【化109】
【0180】
【化110】
【0181】
【化111】
【0182】
【化112】
【0183】
【化113】
【0184】
【化114】
【0185】
本発明の電子写真感光体の構成は、導電性支持体上に感光層として電荷発生材料を含有する電荷発生層及び電荷輸送材料を含有する電荷輸送層をこの順に積層した構成あるいは逆に積層した構成、また電荷発生材料と電荷輸送材料を同一層中に分散した単層からなる構成のいずれの構成をとることも可能である。前者の積層型においては、電荷輸送層が二層以上の構成、また後者の単層型においては、電荷発生材料と電荷輸送材料を同一に含有する感光層上に更に電荷輸送層を構成してもよく、更には電荷発生層あるいは電荷輸送層上に保護層の形成も可能である。
【0186】
これらいずれの場合においても、反応性官能基を有する添加剤を重合した化合物が含有していればよい。但し、電子写真感光体としての特性、特に残留電位等の電気的特性及び耐久性の点より、電荷発生層/電荷輸送層をこの順に積層した機能分離型の電子写真感光体構成が好ましく、更にその最表面層は耐摩耗性の点から3次元マトリックス構成をとっていることが好ましく、この3次元マトリックス中に前記添加剤が化学結合を介して取り込まれていることが、最も効果的である。
【0187】
次に、本発明による電子写真感光体の製造方法を具体的に示す。
【0188】
電子写真感光体の支持体としては導電性を有するものであればよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレス等の金属や合金をドラム又はシート状に成形したもの、アルミニウム及び銅等の金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化錫等をプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独又は結着樹脂とともに塗布して導電層を設けた金属、またプラスチックフィルム及び紙等が挙げられる。
【0189】
本発明においては、導電性支持体の上にはバリアー機能と接着機能をもつ下引き層を設けることができる。下引き層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体上の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、また感光層の電気的破壊に対する保護等のために形成される。
【0190】
下引き層の材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ及びゼラチン等が挙げられる。これらは、それぞれに適した溶剤に溶解されて支持体上に塗布される。その際の膜厚としては0.1〜2μmが好ましい。
【0191】
本発明の電子写真感光体が機能分離型である場合には、電荷発生層及び電荷輸送層を積層する。電荷発生層に用いる電荷発生材料としては、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、また各種の中心金属及び結晶系、具体的には例えばα、β、γ、ε及びX型等の結晶型を有するフタロシアニン化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニン及び特開昭54−143645号公報に記載のアモルファスシリコン等が挙げられる。
【0192】
機能分離型の電子写真感光体の場合、電荷発生層は前記電荷発生材料を0.3〜4倍量の結着樹脂及び溶剤と共にホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター及びロールミル等の方法で良く分散し、分散液を塗布し、乾燥されて形成されるか、又は前記電荷発生材料の蒸着膜等、単独組成の膜として形成される。その膜厚は、5μm以下であることが好ましく、特に0.1〜2μmの範囲であることが好ましい。
【0193】
結着樹脂を用いる場合は、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂及びエポキシ樹脂等が挙げられる。
【0194】
電荷輸送層は適当な電荷輸送材料、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びポリスチリルアントラセン等の複素環や縮合多環芳香族を有する高分子化合物や、ピラゾリン、イミダゾール、オキサゾール、トリアゾール及びカルバゾール等の複素環化合物、トリフェニルメタン等のトリアリールアルカン誘導体、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体等の低分子化合物、マトリックスを構成する連鎖重合性官能基を有するモノマーやオリゴマー及び前記連鎖重合性官能基を有する添加剤と共に溶剤に分散/溶解した溶液を後述の公知の方法によって塗布後、重合硬化させて形成させることができる。あるいは、前述の連鎖重合性官能基自体を同一分子内に有する電荷輸送性材料及び前述の連鎖重合性官能基を有する添加剤を溶剤に分散/溶解した溶液を後述の公知の方法によって電荷発生層上に塗布後、重合硬化させて形成することができる。
【0195】
この場合の電荷輸送材料と連鎖重合性官能基を有するモノマー及びオリゴマーの比率は、両者の全質量を100とした場合に電荷輸送材料の質量が20〜80が好ましく、特には40〜60の範囲で適宜選択されるのが好ましい。電荷輸送材料の量が20未満であると、電荷輸送能が低下し、感度低下及び残留電位の上昇等の問題点が生じ易い。一方、電荷輸送材料の含有量が80を超えると塗膜の機械的強度が低下し耐久性が大幅にダウンし易いので、注意が必要である。連鎖重合性官能基自体を同一分子内に有する電荷輸送材料を用いる場合においては、電荷輸送能を低下させない範囲で他の連鎖重合性官能基を有するモノマーやオリゴマー等、また結着樹脂を混合させることができる。電荷輸送層の膜厚は、1〜50μmが好ましく、特には5〜30μmの範囲が好ましい。
【0196】
単層型の電子写真感光体の場合、感光層の膜厚は8〜40μmであることが好ましく、特には12〜30μmであることが好ましい。また、電荷発生材料や電荷輸送材料等の光導電性材料の含有量は感光層の全質量に対し、20〜80質量%であることが好ましく、特には30〜70質量%であることが好ましい。
【0197】
ここで添加剤の量は、その種類や効果によって電気的特性や機械的強度を満足させる範囲で任意に選択できる。
【0198】
次に、感光層上に保護層を設ける場合について説明する。まず前記電荷発生層上に、先に述べた適当な電荷輸送材料及び電荷発生層を形成する際に用いた結着樹脂を適当な溶剤に分散/溶解した塗工液を用いて形成し乾燥させ、電荷輸送層を形成させる。その後、光導電性の保護層を用いる場合は、前述の電荷輸送材料、連鎖重合性官能基を有するモノマーやオリゴマー及び連鎖重合性官能基を有する添加剤を溶剤に分散/溶解した溶液を後述の公知の方法によって塗布後、重合硬化させて形成させる。あるいは、連鎖重合性官能基自体を同一分子内に有する電荷輸送材料及び連鎖重合性官能基を有する添加剤を適当な溶剤に分散/溶解した溶液を後述の公知の方法によって塗布後、重合硬化させて形成することができる。一方、電子伝導性の保護層を用いる場合は、適当な前述の連鎖重合性官能基を有する化合物及び溶剤中に導電性微粒子を分散した塗工液に連鎖重合性官能基を有する添加剤を加えた後、先の電荷輸送層上に後述の公知の方法によって塗布後、重合硬化させて形成することができる。ここで、光導電性及び電子伝導性の保護層は、連鎖重合性官能基を含有するので正孔輸送能力を有するため感光層でもある。
【0199】
導電性微粒子としては、金属酸化物が一般的であり、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ等の超微粒子を用いることができる。金属酸化物の平均粒径は、分散安定性、導電均一性、透明性等の点から0.3μm以下が好ましく、更には0.1μm以下が好ましい。導電性微粒子の量は、保護層の抵抗が1010〜1015Ω・cmになるように調整される。導電性微粒子の分散性を向上させたり抵抗制御を行う目的で、これらに表面処理を行うことも可能である。
【0200】
これらの溶液を塗布する方法は、例えば、浸漬コーティング法、スプレイコーティング法、カーテンコーティング法及びスピンコーティング法等が知られているが、効率性/生産性の点からは浸漬コーティング法が好ましい。また、蒸着、プラズマその他の公知の製膜方法が適宜選択できる。
【0201】
次に、連鎖重合性官能基を有する添加剤及び化合物の重合方法について説明する。
【0202】
本発明において、連鎖重合性官能基を有する添加剤及び化合物は熱、可視光や紫外線等の光、更に放射線により重合させることができる。熱や紫外線硬化の場合には、一般に重合開始剤を含有させる。なお、本発明においては、その中でも放射線によって該連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させることが好ましい。放射線による重合の最大の利点は、重合開始剤を必要としない点であり、これにより非常に高純度な3次元感光層の作製が可能となり、良好な電子写真特性が確保される点である。また、短時間でかつ効率的な重合反応であるがゆえに生産性も高く、更には放射線の透過性の良さから、厚膜時や含有している遮蔽物質が膜中に存在する際の硬化阻害の影響が非常に小さいこと等が挙げられる。但し、連鎖重合性官能基の種類や中心骨格の種類によっては重合反応が進行し難い場合があり、その際には影響のない範囲内での重合開始剤の添加は可能である。このとき使用する放射線とは電子線及びγ線であるが、特には電子線が好ましい。
【0203】
電子線照射をする場合、加速器としてはスキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型及びラミナー型等いずれの形式も使用することができる。電子線を照射する場合に、本発明の電子写真感光体においては、電気特性及び耐久性能を発現させる上で照射条件が非常に重要である。本発明において、加速電圧は300V以下が好ましく、最適には150V以下である。また線量は、好ましくは0.5Mrad〜100Mradの範囲、より好ましくは1Mrad〜50Mradの範囲である。加速電圧が300Vを超えると感光体特性に対する電子線照射のダメージが増加する傾向にある。また、線量が0.5Mradよりも少ない場合には硬化が不十分となり易く、線量が100Mradより多い場合には感光体特性の劣化がおこり易いので注意が必要である。
【0204】
図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを用いた電子写真装置の概略構成を示す。
【0205】
図において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強調変調された露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に対し、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
【0206】
形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナー現像され、不図示の給紙部から電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給紙された転写材7に、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー画像が転写手段6により順次転写されていく。
【0207】
トナー画像の転写を受けた転写材7は、電子写真感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0208】
像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0209】
本発明においては、上述の電子写真感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9等の構成要素のうち、複数のものを容器11に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例えば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9の少なくとも一つを電子写真感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール等の案内手段12を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジとすることができる。
【0210】
また、露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等により照射される光である。
【0211】
本発明の電子写真感光体は、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶プリンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができる。
【0212】
【実施例】
以下、実施例に従って本発明を更に詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は質量部を表す。
【0213】
(実施例1)
まず導電層用の塗料を以下の手順で調整した。10質量%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部、フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して調製した。この塗料をφ30mmのアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布方法で塗布し、140℃で30分間乾燥することによって、膜厚が20μmの導電層を形成した。
【0214】
次に、N−メトキシメチル化ナイロン5部をメタノール95部中に溶解し、中間層用塗料を調製した。この塗料を前記の導電層上に浸漬コーティング法によって塗布し、100℃で20分間乾燥することによって、膜厚が0.6μmの中間層を形成した。
【0215】
次に、下記構造式(A)のビスアゾ顔料5部、ポリビニルブチラール樹脂2部及びシクロヘキサノン60部を、φ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で24時間分散し、更にテトラヒドロフラン60部を加えて電荷発生層用塗料とした。この塗料を前記の中間層の上に浸漬コーティング法で塗布して、100℃で15分間乾燥することによって、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0216】
【化115】
【0217】
次いで、化合物例No.6の正孔輸送性化合物60部及び下記構造式(B)のフッ素系添加剤3部をモノクロロベンゼン30部/ジクロロメタン30部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗料を調製した。この塗料を前記の電荷発生層上にコーティングし、加速電圧150V、線量20Mradの条件で電子線を照射し樹脂を硬化することによって、膜厚が15μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。
【0218】
【化116】
【0219】
以上で作製した電子写真感光体について、電子写真特性、耐久性、純水接触角、表面潤滑性及び転写効率を評価した。電子写真特性、耐久性及び転写効率は、この電子写真感光体をキヤノン(株)製LBP−SXに装着して評価した。初期の電子写真感光体特性[暗部電位Vd、光減衰感度(暗部電位−700V設定で−150Vに光減衰させるために必要な光量)及び残留電位Vsl(光減衰感度の光量の3倍の光量を照射したときの電位)]を測定し、更に5000枚の通紙耐久試験を行い、電子写真感光体の削れ量及び耐久後の前記電子写真感光体特性を測定した。削れ量は、渦電流式膜厚測定器(FISCHER社製、PERMASCOPE TYPE E111)を用いて測定した。純水接触角については、滴下式の接触角計(協和界面化学(株)社製)により、前記電子写真感光体表面の純水に対する接触角を比較した。表面潤滑性については、複写機用のウレタンゴム製のクリーニングブレードを用い、これを当接角30度で電子写真感光体表面に当接しその滑り抵抗をHEIDON−14型表面性試験機(新東化学(株)製)を用いて測定した。転写効率は、転写材上に転写後、現像剤と電子写真感光体上の転写残現像剤をそれぞれ反射式マクベス濃度計にて反射濃度として測定し算出した。結果を表5に示す。
【0220】
(実施例2〜16)
実施例1において化合物例No.6の正孔輸送性化合物及び構造式(B)のフッ素系添加剤を表4に示す化合物に代えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表5に示す。
【0221】
(実施例17)
実施例1において電荷発生層を形成した後、化合物例No.71の正孔輸送性化合物60部、下記構造式(C)のフッ素系添加剤3部、下記構造式(D)の熱重合開始剤0.6部をモノクロロベンゼン30部/ジクロロメタン30部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗料を調整した。この塗料を前記の電荷発生層上にコーティングし、140℃で1時間の熱硬化反応することによって、電子写真感光体を作製し、評価した。
【0222】
【化117】
【0223】
【化118】
【0224】
この電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。結果を表5に示す。
【0225】
(実施例18)
実施例1において電荷発生層を形成した後、化合物例No.63の正孔輸送性化合物60部、下記構造式(E)のフッ素系添加剤3部、下記構造式(F)の光重合開始剤0.6部をモノクロロベンゼン30部/ジクロロメタン30部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗料を調整した。この塗料を前記の電荷発生層上にコーティングし、500mW/cm2の光強度で30秒間硬化することによって、電子写真感光体を作製した。
【0226】
【化119】
【0227】
【化120】
【0228】
この電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。結果を表5に示す。
【0229】
(実施例19)
実施例18において、化合物例No.63の正孔輸送性化合物を化合物例No.60に代えた以外は、実施例18と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表5に示す。
【0230】
(実施例20)
実施例1において電荷発生層を形成した後、下記構造式(G)のスチリル化合物20部
【0231】
【化121】
及び下記構造式(H)の繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂10部
【0232】
【化122】
をモノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン20部の混合溶媒中に溶解して調製した電荷輸送層用塗料を用いて、前記電荷発生層上に電荷輸送層を形成した。このときの電荷輸送層の膜厚は10μmであった。
【0233】
次いで、化合物例No.6の正孔輸送性化合物50部及び下記構造式(I)で示されるアクリルモノマー10部、構造式(B)で示されるフッ素系添加剤6部をモノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン30部の混合溶媒中に溶解し、表面保護層用塗料を調製した。この塗料をスプレーコーティング法により先の電荷輸送層上に塗布し、加速電圧150V、線量20Mradの条件で電子線を照射し樹脂を硬化することによって、膜厚が5μmの表面保護層を形成し、電子写真感光体を得た。
【0234】
【化123】
【0235】
この電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。結果を表5に示す。
【0236】
参考例21)
実施例1において電荷発生層を形成した後、構造式(G)で示されるスチリル化合物15部及び構造式(H)の繰り返し構造を有するポリカーボネート樹脂15部をモノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン20部に溶解させた塗工液を用いて電荷輸送層を形成した。このとき電荷輸送層の膜厚は15μmであった。
【0237】
次に、保護層用の塗工液を下記の工程で調製した。平均粒径0.02μmのアンチモン含有酸化スズ微粒子(商品名:T−1、三菱マテリアル(株)製)10部及びメタノール50部を混合してサンドミルで96時間分散し、その後、構造式(I)で示されるアクリルモノマー10部及び構造式(B)のフッ素系添加剤1部を混合した。前記塗工液を電荷輸送層上に塗布し、加速電圧150V、線量20Mradの条件で電子線を照射した。このときの保護層の膜厚は3μmであった。以上で得られた電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。結果を表5に示す。
【0238】
(比較例1)
実施例1において電荷発生層を形成した後、構造式(G)で示されるスチリル化合物15部及び構造式(H)の繰り返し構造を有するポリカーボネート樹脂15部をモノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン20部に溶解させた塗工液を用いて膜厚15μmの電荷輸送層を形成した。得られた電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。結果を表5に示す。実施例に対して、純水接触角は初期より低い値を示し耐久後は大幅に低下した。表面潤滑性も初期より悪く、耐久後には更に悪化した。転写効率も初期より悪い値を示した。
【0239】
(比較例2)
比較例1において電荷輸送層塗工液に下記構造式(J)の添加剤を1.5部加えた以外は、比較例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表5に示す。比較例1に対して初期の純水接触角、表面潤滑性及び転写効率は良好であったが、耐久後まで初期特性を満たすことはできなかった。
【0240】
(比較例3)
実施例21において構造式(B)のフッ素系添加剤を用いなかった以外は、実施例21と同様にして電子写真感光体を作製し、同様に評価した。結果を表5に示す。実施例21に対して、純水接触角は初期より低い値を示し、耐久後は大幅に低下した。表面潤滑性も初期より悪く、耐久後には更に悪化した。転写効率も初期より悪い値を示した。
【0241】
(比較例4)
実施例21において構造式(B)の添加剤の代わりに構造式(J)の添加剤を用いた以外は、実施例21と同様にして電子写真感光体を作製し、同様に評価した。結果を表5に示す。比較例3に対して、初期の純水接触角、表面潤滑性及び転写効率は良好であったが、耐久後まで初期特性を満たすことはできなかった。
【0242】
【表5】
【0243】
【表6】
【0244】
【表7】
【0245】
以上の結果により、実施例に示した電子写真感光体は電子写真特性が良好であり、かつ純水接触角/表面潤滑性/転写効率が耐久前後で大幅に悪化することなく、低自由エネルギー表面が保持されていることを示している。
【0246】
【発明の効果】
本発明の電子写真感光体は、優れた電子写真特性を示し、更には長期間にわたりその表面性が低下することのない高安定な電子写真感光体を提供できる。
【0247】
また、電子写真感光体の効果は、その電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置においても当然に発揮され、長期間安定した性能が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを用いる電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ容器
12 案内手段

Claims (20)

  1. 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体あるいは感光層及び保護層を有する電子写真感光体において、
    該感光層又は保護層が、連鎖重合性官能基及び珪素原子を有する添加剤を重合した化合物を含有し、
    該添加剤は、酸化防止剤、劣化防止剤、遮光剤又は潤滑材であ
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記感光層又は保護層が、前記連鎖重合性官能基及び珪素原子を有する添加剤と、該添加剤以外の連鎖重合性官能基を有する化合物を重合した化合物を含有する請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に設けてなる電子写真感光体であって、該電荷輸送層が該電子写真感光体の最表面層である電子写真感光体において、
    該電荷輸送層が、連鎖重合性官能基及び珪素原子を有する添加剤と、該添加剤以外の連鎖重合性官能基を有する化合物とを含有する溶液を該電荷発生層上に塗布し、これを重合硬化させることによって形成した層であり、
    該添加剤は、酸化防止剤、劣化防止剤、遮光剤又は潤滑材であ
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  4. 導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層及び保護層をこの順に設けてなる電子写真感光体であって、該保護層が該電子写真感光体の最表面層である電子写真感光体において、
    該保護層が、連鎖重合性官能基及び珪素原子を有する添加剤と、該添加剤以外の連鎖重合性官能基を有する化合物とを含有する溶液を該電荷輸送層上に塗布し、これを重合硬化させることによって形成した層であり、
    該添加剤は、酸化防止剤、劣化防止剤、遮光剤又は潤滑材であ
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  5. 前記添加剤以外の連鎖重合性官能基を有する化合物が、同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物である請求項乃至のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 前記同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物が、下記一般式(9)で示される化合物である請求項に記載の電子写真感光体。
    (一般式(9)中、Aは正孔輸送性基を示す。P及びPは連鎖重合性官能基を示す。PとPは同一でも異なっても良い。Zは置換基を有しても良い有機基を示す。a、b及びdは0又は1以上の整数を示し、a+b×dは2以上の整数を示す。また、aが2以上の場合Pは同一でも異なっても良く、dが2以上の場合Pは同一でも異なっても良く、またbが2以上の場合、Z及びPは同一でも異なっても良い。)
  7. 前記添加剤が、下記一般式(1)で示される不飽和重合性官能基を有する添加剤である請求項1乃至のいずれかに記載の電子写真感光体。
    (一般式(1)中、Lは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR{Rは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアラルキル基又は置換基を有しても良いアリール基}又は−CONR{R及びRは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアラルキル基又は置換基を有しても良いアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい}を示す。Mは置換基を有しても良いアリーレン基、置換基を有しても良いアルキレン基、−COO−、−CH−、−O−、−OO−、−S−又は−CONR−{Rは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアラルキル基又は置換基を有しても良いアリール基}を示す。Jは置換基を有しても良い有機基を示す。l及びlはそれぞれ独立に0以上の整数を示す。また、l及びlが2以上の整数である場合、M及びJはそれぞれが同一でも異なっていてもよい。)
  8. 前記不飽和重合性官能基が、下記一般式(2)で示される不飽和重合性官能基である請求項に記載の電子写真感光体。
    (一般式(2)中、Lは水素原子又はメチル基を示す。Mは置換基を有しても良いアリーレン基、置換基を有しても良いアルキレン基、−COO−又は−O−を示す。Jは置換基を有しても良い有機基を示す。l及びlはそれぞれ独立に0以上の整数を示す。また、l及びlが2以上の整数である場合、M及びJはそれぞれが同一でも異なっていてもよい。)
  9. 前記不飽和重合性官能基が、下記一般式(3)、(4)、(5)、(6)、(7)又は(8)で示される不飽和重合性官能基である請求項に記載の電子写真感光体。
    (一般式(3)及び(4)中、J及びJは置換基を有しても良い有機基を示す。l及びlはそれぞれ独立に0以上の整数を示す。また、l及びlが2以上の整数である場合、J及びJはそれぞれが同一でも異なっていてもよい。)
    (一般式(5)及び(6)中、J 及びJ は置換基を有しても良い有機基を示す。l 及びl はそれぞれ独立に0以上の整数を示す。また、l 及びl が2以上の整数であ る場合、J 及びJ はそれぞれが同一でも異なっていてもよい。)
    (一般式(7)及び(8)中、J 及びJ は置換基を有しても良い有機基を示す。l 及びl 10 はそれぞれ独立に0以上の整数を示す。また、l 及びl 10 が2以上の整数である場合、J 及びJ はそれぞれが同一でも異なっていてもよい。)
  10. 前記添加剤中の前記不飽和重合性官能基以外の構成元素が、炭素、水素、酸素、フッ素及び珪素からなる群より選ばれる少なくとも2つの元素である請求項乃至のいずれかに記載の電子写真感光体。
  11. 前記添加剤が、前記一般式(1)で示される連鎖重合性官能基以外に炭素−炭素二重結合を有しない請求項乃至10のいずれかに記載の電子写真感光体。
  12. 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体あるいは感光層及び保護層を有する電子写真感光体において、
    該感光層又は保護層が、連鎖重合性官能基を有する添加剤と、同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物とを重合した化合物を含有し、
    該添加剤は、酸化防止剤、劣化防止剤、遮光剤又は潤滑材である
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  13. 導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に設けてなる電子写真感光体であって、該電荷輸送層が該電子写真感光体の最表面層である電子写真感光体において、
    該電荷輸送層が、連鎖重合性官能基を有する添加剤と、同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物とを含有する溶液を該電荷発生層上に塗布し、これを重合硬化させることによって形成した層であり、
    該添加剤は、酸化防止剤、劣化防止剤、遮光剤又は潤滑材である
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  14. 導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層及び保護層をこの順に設けてなる電子写真感光体であって、該保護層が該電子写真感光体の最表面層である電子写真感光体において、
    該保護層が、連鎖重合性官能基を有する添加剤と、同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物とを含有する溶液を該電荷輸送層上に塗布し、これを重合硬化させることによって形成した層であり、
    該添加剤は、酸化防止剤、劣化防止剤、遮光剤又は潤滑材である
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  15. 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体あるいは感光層及び保護層を有する電子写真感光体において、
    該感光層又は保護層が、下記一般式(5)、(6)、(7)又は(8)で示される不飽和重合性官能基を有する添加剤を重合した化合物を含有し、
    該添加剤は、酸化防止剤、劣化防止剤、遮光剤又は潤滑材である
    ことを特徴とする電子写真感光体。
    (一般式(5)及び(6)中、J 及びJ は置換基を有しても良い有機基を示す。l 及びl はそれぞれ独立に0以上の整数を示す。また、l 及びl が2以上の整数である場合、J 及びJ はそれぞれが同一でも異なっていてもよい。)
    (一般式(7)及び(8)中、J 及びJ は置換基を有しても良い有機基を示す。l 及びl 10 はそれぞれ独立に0以上の整数を示す。また、l 及びl 10 が2以上の整数である場合、J 及びJ はそれぞれが同一でも異なっていてもよい。)
  16. 前記重合が電子線によって行われる重合である請求項1乃至15のいずれかに記載の電子写真感光体。
  17. 前記電子線の加速電圧が300kV以下である請求項16に記載の電子写真感光体。
  18. 前記電子線の線量が0.5〜100Mradである請求項16又は17に記載の電子写真感光体。
  19. 請求項1乃至18のいずれかに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、該電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーで現像する現像手段、及び、転写工程後の該電子写真感光体上に残余するトナーを回収するクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段とを共に一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  20. 請求項1乃至18のいずれかに記載の電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対して露光を行い該電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段、該電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーで現像する現像手段、及び、該電子写真感光体上のトナー像を転写材上に転写する転写手段を備えることを特徴とする電子写真装置。
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