JP5601064B2 - 光電変換装置、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

光電変換装置、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、光電変換装置、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関するものである。
近年、アクリル系ポリマー、あるいは、架橋膜を用いた光電変換装置が注目されている。例えば、特許文献1には、熱、あるいは光硬化した膜を用いた有機電界発光(有機EL)デバイスが開示されている。
特許文献2、3、4には電荷輸送性基を含有するアクリルポリマーを用いた電子写真感光体が開示されている。
特許文献5には、電荷輸送性基と反応性基を含有するアクリルポリマーを、膜形成後に架橋した電子写真感光体が開示されている。
特許文献6には光硬化型アクリル系モノマーを含有する液を塗布し硬化した膜が開示されている。
特許文献7には炭素−炭素二重結合を有するモノマー、炭素−炭素二重結合を有する電荷移動材及び結着樹脂の混合物を熱、あるいは光のエネルギーによって前記モノマーの炭素−炭素二重結合と前記電荷移動材の炭素−炭素二重結合とを反応させることにより形成された膜が開示され、特に、単官能メタクリル変性した電荷移動材と、電荷輸送性を有さないメタクリルモノマーと、ポリカーボネート樹脂とに有機過酸化物を用いて硬化したものが開示されている。
また、特許文献8には同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合した化合物からなる膜が開示されている。
また、特許文献9には、上記アクリル系材料を含有する保護層を真空中又は不活性ガス中で放射線照射後に加熱して形成することが開示され、特許文献10には不活性ガス中で加熱硬化することが開示されている。
また、電荷輸送材料自身をアクリル変性し、架橋可能とするとともに、電荷輸送性を有さない反応性モノマーを添加し、膜強度を向上させることが開示されている(例えば、特許文献7、11、12参照)。
一方、特許文献13には電荷輸送材料自身を3官能以上の多官能に変性することが開示されている。
さらに、特許文献14には、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送物質の重合物を保護層に使用する技術が開示されており、また、摩擦特性を向上させるために、潤滑剤としてフッ素原子含有化合物を保護層中に含有する技術が開示されている。
また、特許文献15には、同一分子内にトリフェニルアミン骨格と、4つメタクリル基を有する化合物を使用する感光体が開示されている。特許文献14に記載の感光体では、該化合物とともに電荷輸送性を有さない化合物との併用が必須となっている。
これらは、光電変換装置の使用時に発生する熱、あるいは、機械的ストレスに対して従来から用いられていた低分子電荷輸送材料の蒸着膜、あるいは、低分子電荷輸送材料を結着ポリマー中に分子分散させた膜の熱的、機械的な弱さを、低分子電荷輸送材料をポリマー化あるいは、架橋構造として固定化し、改良するものである。
WO09733193A2 特開平5−202135号公報 特開平6−256428号公報 特開平9−12630号公報 特開2005−2291号公報 特開平5−40360号公報 特開平5−216249号公報 特開2000−206715号公報 特開2004−12986号公報 特開平7−72640号公報 特開2004−302450号公報 特開2005−2291号公報 特開2000−206717号公報 特開2001−175016号公報 特開2007−86522号公報
本発明は、後述する一般式(1)及び(2)によりそれぞれ表される部分構造を含むポリマーを含有する有機化合物層を備えていない場合に比べ、環境依存による劣化が抑制される光電変換装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、以下の発明が提供される。
請求項1の発明は、下記一般式(1’)及び(2’)によりそれぞれ表される部分構造を含むポリマー(a)を含有する有機化合物層を備えた光電変換装置。


〔式中、R、R、Rは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Xは炭素数1以上20以下の2価の有機基を表し、Y’は炭素数1以上10以下の2価の有機基を表し、a、bはそれぞれ独立して0又は1を表し、CTは電荷輸送性骨格を持つ有機基を表す。〕
請求項2の発明は、前記ポリマー(a)が架橋している請求項1に記載の光電変換装置。
請求項3の発明は、前記ポリマー(a)が下記一般式(3)で表される請求項1又は請求項2に記載の光電変換装置。


〔式中、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Xは炭素数1以上20以下の2価の有機基を表し、Y’は炭素数1以上10以下の2価の有機基を表し、a、bはそれぞれ独立して0又は1を表し、CTは電荷輸送性骨格を持つ有機基を表す。m、nはそれぞれ5以上の整数を表し、10<m+n<2000、かつ、0.2<m/(m+n)<0.95の範囲である。〕
請求項4の発明は、前記電荷輸送性骨格を持つ有機基CTが、トリアリールアミン骨格を有する請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の光電変換装置。
請求項5の発明は、前記有機化合物層が、前記ポリマー(a)と反応する多官能モノマーを含有する請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の光電変換装置。
請求項6の発明は、前記多官能モノマーが、同一分子中に2つ以上のアクリロイル基もしくはメタクリロイル基又はその誘導体を有する電荷輸送性化合物(α)である請求項5に記載の光電変換装置。
請求項7の発明は、前記電荷輸送性化合物(α)が、下記一般式(A)で表される化合物である請求項6に記載の光電変換装置。


〔式中、Ar乃至Arは各々独立に置換又は未置換のアリール基を表し、Arは置換もしくは未置換のアリール基又は置換もしくは未置換のアリーレン基を表し、Dは末端にアクリロイル基もしくはメタクリロイル基又はその誘導体を有する基を表し、c1乃至c5は各々独立に0、1又は2を表し、kは0又は1を表し、Dの総数は2以上6以下である。〕
請求項8の発明は、導電性基体と、前記導電性基体上に配置された前記有機化合物層と、を備えた請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の光電変換装置である電子写真感光体。
請求項9の発明は、請求項8に記載の電子写真感光体を有し、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
請求項10の発明は、請求項8に記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電装置と、帯電された前記電子写真感光体の表面を露光して該表面に静電潜像を形成する露光装置と、前記静電潜像を現像剤で現像してトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像を被転写媒体に転写する転写装置と、を備える画像形成装置。
請求項1の発明によれば、一般式(1’)及び(2’)によりそれぞれ表される部分構造を含むポリマー(a)を含有する有機化合物層を備えていない場合に比べ、環境依存による劣化が抑制される光電変換装置が提供される。
請求項2の発明によれば、前記ポリマー(a)が架橋していない場合に比べ、強度、耐熱性が向上し、環境依存による劣化が抑制される光電変換装置が提供される。
請求項3の発明によれば、前記有機化合物層が、前記一般式(3)で表される構造を有するポリマー(a)を含有しない場合に比べ、環境依存による劣化が抑制される光電変換装置が提供される。
請求項4の発明によれば、前記電荷輸送性骨格を持つ有機基CTがトリアリールアミン骨格を有さない場合に比べ、電気特性に優れ、環境依存による劣化が抑制される光電変換装置が提供される。
請求項5の発明によれば、前記有機化合物層が、前記ポリマー(a)と反応する多官能モノマーを含有しない場合に比べ、強度、耐熱性がさらに向上し、環境依存による劣化が抑制される光電変換装置が提供される。
請求項6の発明によれば、前記有機化合物層が、前記多官能モノマーとして、同一分子中に2つ以上のアクリロイル基もしくはメタクリロイル基又はその誘導体を有する電荷輸送性化合物(α)を含まない場合に比べ、一層の強度、耐熱性の向上、電気特性向上が得られ、環境依存による劣化が抑制される光電変換装置が提供される。
請求項7の発明によれば、前記有機化合物層が、前記電荷輸送性化合物(α)として、前記一般式(A)で表される化合物を含まない場合に比べ、電気特性向上が得られ、環境依存による劣化が抑制される光電変換装置が提供される。
請求項8の発明によれば、導電性基体上に前記ポリマー(a)を含む有機化合物層が配置されていない場合に比べ、強度、耐熱性が向上し、環境依存による画質の変化が抑制される電子写真感光体が提供される。
請求項9の発明によれば、電子写真感光体が、導電性基体上に前記ポリマー(a)を含む有機化合物層が配置されていない場合に比べ、強度、耐熱性が向上し、環境依存による劣化が抑制されるプロセスカートリッジが提供される。
請求項10の発明によれば、電子写真感光体が、導電性基体上に前記有機化合物層が配置されていない場合に比べ、強度が向上し、環境依存による劣化が抑制される画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る電子写真感光体の一例を示す概略部分断面図である。 本実施形態に係る電子写真感光体の他の例を示す概略部分断面図である。 本実施形態に係る電子写真感光体の他の例を示す概略部分断面図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの構成の一例を示す概略図である。 本実施形態に係るタンデム型画像形成装置の構成の一例を示す概略図である。 ゴースト評価の基準を示す説明図である。 本実施形態に係る有機電界発光装置の一例を示す概略部分断面図である。 本実施形態に係る有機電界発光装置の他の例を示す概略部分断面図である。 本実施形態に係る有機電界発光装置の他の例を示す概略部分断面図である。 実施例で合成した化合物CTP−1のIRスペクトルを示す図である。 実施例で合成した化合物CTP−3のIRスペクトルを示す図である。
以下、実施形態について詳細に説明する。
低分子電荷輸送材料をポリマー化あるいは、架橋構造とする際に用いる重合触媒の残留、熱、光、放射線などのストレス、ポリマー化あるいは、架橋構造に固定化することに伴う膜中での残留歪の増大などにより、キャリアトラップを生じやすく、十分な性能のものが得られにくく、膜厚を厚くしにくい。
非架橋性の電荷輸送性アクリルポリマーは、電気特性に優れるが、脆性の高い強度の低い膜となりやすい。さらにこれに多官能アクリルモノマーを混合して強度を高めようとする場合、両者の相溶性が低く、多官能アクリルモノマーの添加量を上げるには限界がある。電荷輸送材自身を多官能化し、架橋させることは、強度を上げるには非常に有効であるが、一方で残留歪を生じやすく、電気特性の劣化を招きやすい。
本実施形態の光電変換装置は、下記一般式(1)及び(2)によりそれぞれ表される部分構造を含むポリマー(a)を含有する有機化合物層を備えている。
式中、R、R、Rは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、X、Yはそれぞれ独立して炭素数1以上20以下の2価の有機基を表し、aは0又は1を表し、CTは電荷輸送性骨格を持つ有機基を表す。なお、X、Yは−C(=O)−、−O−C(=O)−、及び/又は芳香環を含んでもよい。
また、ポリマー(a)の末端基としては、ラジカル重合反応による停止反応で生じた構造である。
電子写真感光体、有機電界発光装置、太陽電池などの光電変換装置に設けられた少なくとも1層の有機化合物層が、上記構造式(1)及び(2)でそれぞれ表される部分構造を含むポリマー(a)を含有することにより、−OHなどの極性の高い官能基を有さない、又は少ないため、キャリアトラップを生じにくく、かつ、機械的、熱的な強度、安定性にも優れ、環境依存による劣化の少ない光電変換装置、典型的には繰り返し使用後の画質の低下が抑制される電子写真感光体が提供される。
なお、本実施形態における「光電変換装置」とは、光を電気に又は電気を光に変換する装置(デバイス)を意味し、電子写真感光体、太陽電池、有機電界発光装置などが挙げられる。
さらに上記有機化合物層に含まれるポリマー(a)は、上記構造式(1)及び(2)でそれぞれ表される部分構造として、下記構造式(1’)及び(2’)でそれぞれ表される部分構造を有することが望ましい。
式中、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Xは炭素数1以上20以下の2価の有機基を表し、Y’は炭素数1以上10以下の2価の有機基を表し、a、bはそれぞれ独立して0又は1を表し、CTは電荷輸送性骨格を持つ有機基を表す。X、Y’は、―C(=O)―、−O−C(=O)−、及び/又は芳香環を含んでもよく、水酸基を有さないことが望ましい。
本実施形態の光電変換装置の一例として電子写真感光体(適宜「感光体」と称する。)について説明する。
本実施形態に係る電子写真感光体は、少なくとも、導電性基体と、前記一般式(1)及び(2)によりそれぞれ表される部分構造を含むポリマー(a)を含有し、前記導電性基体上に配置された有機化合物層と、を備えて構成される。前記有機化合物層は感光体を構成する有機化合物層であればいずれの層にも適用されるが、電気特性と耐磨耗性の観点から、最表面層(保護層)として形成されていることが望ましい。
このような態様によれば、電気特性と膜強度とを兼ね備えた最表面層の形成、特に10μm程度以上の厚膜化が実現され、繰り返し使用後での画質の低下が抑えられる。感光体の寿命は、高強度の表面層が摩滅した時点で決定されるため、厚膜化は長寿命化に非常に有効である。
さらに、感光体は放電により帯電して使用されるが、その際に電気的ストレス、オゾンなどの放電ガスによるストレスにより、表面材料の劣化が起こり、結果として放電生成物と呼ばれる硝酸アンモニウムなどのイオン性物質を吸着しやすくなる。そのために、特に高湿下で水分を吸着し、表面抵抗が低下し、潜像にじみを生じ、結果としてプリント画像の画像流れを生じやすい。これを抑制するために表面層を適度に磨耗させ、潜像にじみを抑制する必要がある。この磨耗量は、帯電方式、クリーニング方式、トナー形状などの影響が大きく、システムによって大きく左右されるため、感光体の表面層の強度を調整することが必要となる。架橋成分の割合や、反応性モノマーの構造を選択することで、システムに合わせた最適の強度に調整される。電気特性と強度を備えた最表面層が得られる理由については、以下のように推測されるが、当該推測によって本発明は限定されない。
本実施形態に係る電子写真感光体では、例えば最表面層を構成する前記ポリマー(a)自体が、−OH、−NH−などのキャリア輸送を妨げる極性基が比較的少ないことと、電荷輸送性成分はポリマー、あるいは、架橋構造に一つの結合のみで固定されているために、二つ以上の結合で固定した場合に比べ残留歪が抑制され、構造的なトラップを生じにくいために優れた電気特性が得られる。また、多官能のアクリルモノマーなどと類似した構造を有することから相溶性に優れ、強度をさらに向上させるために含まれる多官能のアクリルモノマーなどと相分離を生じることが抑制された状態で架橋され、電気特性と強度を兼ね備えた最表面層を有する電子写真感光体が得られる。
一方、本実施形態の光電変換装置の他の典型例として、有機電界発光装置(適宜、「有機EL装置」と称する。)及び太陽電池が挙げられる。
例えば有機EL素子を構成する電荷輸送層として、前記一般式(1)及び(2)によりそれぞれ表される部分構造を含む電荷輸送性ポリマー(a)を用いて有機化合物層を形成することで、低分子化合物を蒸着、あるいは塗布する場合に比べ、結晶化が抑制され、平滑な薄膜が容易に得られる。また、上記理由により電気特性に優れ、かつ、望ましくは架橋構造とすることで一層耐熱性の高い膜が得られ、長時間に渡って安定した性能が得られる。
前記一般式(1)及び(2)によりそれぞれ表される部分構造を含む電荷輸送性ポリマー(a)を太陽電池に用いる場合も同様の効果が得られる。
さらに、架橋性モノマー自体を多官能の電荷輸送性モノマーとすることで、電荷輸送成分の濃度を低下させることなく強度が付与される。
〔電子写真感光体〕
本実施形態に係る電子写真感光体では、前述の通り、構造式(1)及び(2)を部分構造として含むポリマー(a)を含有する有機化合物層を最表面層として有するものであるが、当該有機化合物層は電子写真感光体の最表面層以外の層に適用してもよいが、最上面層を形成していることが望ましく、保護層として機能する層又は電荷輸送層として機能する層として設けられることが望ましい。
なお、最表面層が保護層として機能する層である場合、この保護層の下層には、電荷輸送層及び電荷発生層からなる感光層、又は単層型感光層を有することとなる。
最表面層が保護層として機能する層の場合、導電性基体上に、感光層、及び最表面層として保護層を有し、該保護層が、前記構造式(1)及び(2)で表される部分構造を含むポリマー(a)を含有する組成物、あるいは、該ポリマー(a)を架橋させた硬化物を含有する層である形態が挙げられる。
一方、最表面層が電荷輸送層として機能する層の場合、導電性基体上に、電荷発生層、及び最表面層として構造式(1)及び(2)で表される部分構造を含むポリマー(a)を含有する組成物、あるいは、その硬化物を含有する層で構成される形態が挙げられる。
本実施形態に係る有機化合物層を、有機EL装置、あるいは、太陽電池に用いる場合には、単層、あるいは、積層のいずれの形態でも良く、いずれの層に用いてもよい。
以下、本実施形態に係る光電変換装置として、最表面層が保護層として機能する電子写真感光体について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付することとし、重複する説明は適宜省略する。
図1は、本実施形態に係る電子写真用感光体の層構成の一例を示す概略断面図であり、図2、図3はそれぞれ本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の他の例を示す概略断面図である。
図1に示す電子写真感光体7Aは、いわゆる機能分離型感光体(又は積層型感光体)であり、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に電荷発生層2、電荷輸送層3、及び保護層5が順次形成された構造を有するものである。電子写真感光体7Aにおいては、電荷発生層2及び電荷輸送層3により感光層が構成されている。
図2に示す電子写真感光体7Bは、図1に示す電子写真感光体7Aと同様に電荷発生層2と電荷輸送層3とに機能が分離された機能分離型感光体である。図2に示す電子写真感光体7Bにおいては、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に、電荷輸送層3、電荷発生層2、及び保護層5が順次形成された構造を有するものである。電子写真感光体7Bにおいては、電荷輸送層3及び電荷発生層2により感光層が構成されている。
図3に示す電子写真感光体7Cは、電荷発生材料と電荷輸送材料とを同一の層(単層型感光層6)に含有するものである。図3に示す電子写真感光体7Cにおいては、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に単層型感光層6、保護層5が順次形成された構造を有するものである。
そして、図1、図2及び図3に示す電子写真感光体7A,7B,7Cにおいて、導電性基体2から最も遠い側に配置される最表面層が保護層5となっており、当該最表面層が、上記構成となっている。なお、図1、図2及び図3に示す電子写真感光体7A,7B,7Cにおいて、下引層1は設けてもよいし、設けなくてもよい。
以下、代表例として図1に示す電子写真感光体7Aに基づいて、各要素について説明する。
<保護層>
まず、電子写真感光体7Aにおいて最表面層となる保護層5について説明する。
保護層5は電子写真感光体7Aにおける最表面層であり、前記式(1)及び(2)でそれぞれ表される部分構造を有するポリマー(a)を含有することが望ましく、さらに、硬化されていることがより望ましい。
ここで、式(1)及び(2)でそれぞれ表される部分構造を有するポリマー(a)について説明する。
式(1)のCT部としては、電荷輸送性骨格を持つ有機基であればいかなるものでもよいが、例えば、トリアリールアミン骨格、ベンジジン骨格、アリールアルカン骨格、アリール置換エチレン骨格、スチルベン骨格、アントラセン骨格、ヒドラゾン骨格を持つものなどが挙げられるが、この中でもトリアリールアミン骨格、ベンジジン骨格、スチルベン骨格を持つものが望ましい。
式(1)で表される部分構造の具体例としては、以下の(1)−1乃至(1)−33に示すような構造が挙げられるが、これに限られる分けではない。
一方、式(2)で表される部分構造の具体例としては以下の(2)−1乃至(2)−8で表されるものが例示される。なお、Meはメチル基を、Buはブチル基を表す。
構造式(1)、(2)で表される部分構造のみからなるものとしては、下記一般式(1’)、(2’)で表される部分構造を有するものが望ましい。
式中、R、R、Rは水素、あるいは、炭素数1以上4以下のアルキル基、X、Y’は炭素数1以上20以下の2価の有機基を表し、a、bは互いに独立して0又は1を表し、CTは電荷輸送性骨格を持つ有機基を表す。なお、X、Y’は、−C(=O)−、−O−C(=O)−、及び/又は芳香環を含んでもよいが、水酸基を有さないことが望ましい。
このうち、更に下記構造式(3)で示されるものが溶解性、製膜性に優れ、望ましい。
式中、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Xは炭素数1以上20以下の2価の有機基を表し、Y’は炭素数1以上10以下の2価の有機基を表し、a、bはそれぞれ独立して0又は1を表し、CTは電荷輸送性骨格を持つ有機基を表す。m、nはそれぞれ5以上の整数を表し、10<m+n<2000、かつ0.2<m/(m+n)<0.95であり、強度、可とう性、電気特性の観点から、15<m+n<2000、かつ0.3<m/(m+n)<0.95が望ましく、20<m+n<2000、かつ0.4<m/(m+n)<0.95がさらに望ましい。また、X、Y’は、−C(=O)−、−O−C(=O)−、及び芳香環の少なくともいずれかを含んでもよく、水酸基を有さないことが望ましい。
また、構造式(1)、(2)で示されるものに加え、溶解性、可とう性を付与するために1官能のモノマーを共重合してもよい。
1官能のモノマーとしては、例えば、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、ヒドロキシエチルo−フェニルフェノールアクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテルアクリレート、などのアクリレート、あるいは、メタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレンなどのスチレン誘導体などが挙げられる。
これらを共重合する際に使用される量(l)は、溶解性及び可とう性を付与する観点から、上記式(3)中のmに対してl/m<0.3が望ましく、l/m<0.2がより望ましい。
有機化合物層は、上記ポリマー(a)と反応する多官能モノマーを含有することが望ましく、該多官能モノマーが、同一分子中に2つ以上のアクリロイル基もしくはメタクリロイル基又はその誘導体を有する電荷輸送性化合物(α)であることがより望ましい。
(反応性の電荷輸送性化合物(α))
保護層(最表面層)5に用いられる反応性の電荷輸送性化合物(α)は、同一分子内に電荷輸送性骨格及びアクリロイル基又はメタクリロイル基あるいはその誘導体を2つ以上有する化合物であり、この構造上の条件を満たしていれば如何なるものでもかまわない。
反応性の電荷輸送性化合物(α)中の電荷輸送性骨格としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの含窒素の正孔輸送性化合物に由来する骨格である。
反応性の電荷輸送性化合物(α)は、上記のような電荷輸送性骨格に対し、アクリロイル基又はメタクリロイル基あるいはその誘導体が2つ以上導入されたものが挙げられる。
特に、反応性の電荷輸送性化合物(α)はメタクリロイル基を有する化合物であることが望ましい。その理由は明確ではないが、以下のように推測される。
通常、硬化反応には反応性の高いアクリル基が用いられることが多いが、嵩高い電荷輸送性骨格に置換基として反応性の高いアクリロイル基を用いた場合、不均一な硬化反応がおきやすくなりミクロ(若しくはマクロ)的な海島構造が形成されやすくなると考えられる。このような海島構造は電子分野以外では特に問題となることは少ないが、電子写真感光体として用いた場合には、最表面層のムラ・シワを発生しやすく、電荷輸送性が異なる部分がマクロに生じ、結果として、画像ムラなどの問題を生じる。なお、このような海島構造の形成は一つの電荷輸送性骨格に複数の官能基がついている場合は、特に顕著になると考えられる。
そこで、メタクリロイル基を有する反応性の電荷輸送性化合物(α)を用いることで、上記のような海島構造の形成が抑えられることから、この望ましい態様の反応性の電荷輸送性化合物(α)を含有する組成物の硬化膜からなる最表面層を有する電子写真用感光体は、電気特性及び画像特性がより安定して得られるものと推測される。
また、反応性の電荷輸送性化合物(α)において、電荷輸送性骨格とアクリロイル基又はメタクリロイル基あるいはその誘導体との間に炭素原子が1つ以上介在した構造であることが望ましい。つまり、反応性の電荷輸送性化合物(α)としては、電荷輸送性骨格とアクリロイル基又はメタクリロイル基あるいはその誘導体との間には炭素原子を1つ以上含む炭素鎖を連結基として有することが望ましい態様である。特に、かかる連結基がアルキレン基であることがもっとも望ましい態様である。
上記の態様が望ましい理由としては、必ずしも明らかではないが、以下の理由が考えられる。
即ち、電子吸引性のメタクリロイル基が電荷輸送性骨格に近すぎると、電荷輸送性骨格の電荷密度が低下し、イオン化ポテンシャルが上昇することにより、下層からのキャリア注入が円滑に進行しにくくなることがある。また、メタクリロイル基のようなラジカル重合性の置換基を重合させる場合、重合時に生成するラジカルが電荷輸送性骨格に移動しやすい構造であると、生成したラジカルが電荷輸送の機能を劣化させてしまうため、電気特性の悪化を招いてしまうと考えられる。更に、最表面層における機械強度については、嵩高い電荷輸送性骨格と重合部位(アクリロイル基又はメタクリロイル基あるいはその誘導体)が近くリジッドであると重合部位同士が動き難くなり、反応する確率が低下してしまうおそれがあるものと考えられる。
これらのことから、電荷輸送性骨格とアクリロイル基又はメタクリロイル基あるいはその誘導体との間に柔軟性に富む炭素鎖を介在させる構造が望ましいものとなる。
更に、反応性の電荷輸送性化合物(α)は、同一分子内にトリフェニルアミン骨格と3つ以上、より望ましくは、4つ以上のメタクリロイル基と、を有する構造の化合物であることが望ましい態様である。この態様とすることで、合成時の化合物の安定性が確保され、工業的なスケールで生産されると言った優れた利点を有する。また、この態様とすることで、架橋密度が高く、十分な機械的強度を有する最表面層が形成されるため、電荷輸送性を有さない多官能モノマーを必ずしも添加する必要がなくなり、多官能モノマーの添加による電気特性の低下を起こさせることなく、最表面層の厚膜化が図れる。その結果として、この最表面層を有する電子写真用感光体は、寿命が延び、長期間の利用に耐え得るものとなる。
更に、反応性の電荷輸送性化合物(α)は電荷輸送性骨格を有することから、反応性基を有さない従来の電荷輸送材料との相溶性に優れるため、反応性基を持たない従来の電荷輸送材料を添加してもよく、より一層の電気特性の向上が図られる。
硬化方法としては、熱、光、又は放射線などによるラジカル重合が適用される。反応が早く進行しすぎると膜のムラやシワを発生しやすくなるため、ラジカル発生が比較的ゆっくりと起こる条件下で重合させることが望ましい。この点からは、重合速度を調整しやすい熱重合が好適である。
更に、反応性のより低いメタクリロイル基を有する電荷輸送性化合物(α)を用い、且つ熱重合を行うことで、熱による構造的な緩和の促進が図られ、均質性の高い膜が得られる。
本実施態様において、反応性の電荷輸送性化合物(α)としては、下記一般式(A)で表される化合物であることが、電荷輸送性に優れることから、望ましい。
上記式中、Ar乃至Arは各々独立に置換又は未置換のアリール基を表し、Arは置換もしくは未置換のアリール基又は置換もしくは未置換のアリーレン基を表し、Dは末端にアクリロイル基もしくはメタクリロイル基又はその誘導体を有する基を表し、c1乃至c5は各々独立に0、1又は2を表し、kは0又は1を表し、Dの総数は1以上であり、望ましくは2以上6以下である。
一般式(A)において、Ar、Ar、Ar及びArは、それぞれ独立に、置換若しくは未置換のアリール基を表す。Ar、Ar、Ar及びArは、それぞれ、同一でもあってもよいし、異なっていてもよい。
ここで、置換アリール基における置換基としては、D(末端にアクリロイル基又はメタクリロイル基あるいはその誘導体を有する基)以外のものとして、炭素数1以上4以下のアルキル基若しくはアルコキシ基、炭素数6以上10以下の置換若しくは未置換のアリール基等が挙げられる。
Ar、Ar、Ar及びArとしては、下記式(1)乃至(7)のうちのいずれかであることが望ましい。なお、下記式(1)乃至(7)は、Ar、Ar、Ar及びArの各々に連結され得る「−(D)C1」乃至「−(D)C4」を総括的に示した「−(D)」と共に示す。
上記式(1)乃至(7)中、Rは、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルキル基若しくは炭素数1以上4以下のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、及び炭素数7以上10以下のアラルキル基からなる群より選ばれる1種を表し、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基、及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種を表し、Arは置換又は未置換のアリーレン基を表し、Dは末端にアクリロイル基又はメタクリロイル基あるいはその誘導体を有する基を表し、cは0、1又は2を表し、sは0又は1を表し、tは0以上3以下の整数を表し、Z’は2価の有機連結基を示す。
ここで、式(7)中のArとしては、下記構造式(8)又は(9)で表されるものが望ましい。
上記式(8)及び(9)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基、及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種を表し、tはそれぞれ0以上3以下の整数を表す。
また、前記式(7)中、Z’は、下記式(10)乃至(17)のうちのいずれかで表されるものが望ましい。また、sはそれぞれ0又は1を表す。
上記式(10)乃至(17)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基若しくは炭素数1以上4以下のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基、及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種を表し、Wは2価の基を表し、q及びrはそれぞれ独立に1以上10以下の整数を表し、t”はそれぞれ0以上3以下の整数を表す。
前記式(16)乃至(17)中のWとしては、下記(18)乃至(26)で表される2価の基のうちのいずれかであることが望ましい。但し、式(25)中、uは0以上3以下の整数を表す。
また、一般式(A)中、Arは、kが0のときは置換若しくは未置換のアリール基であり、このアリール基としては、Ar乃至Arの説明で例示されたアリール基と同様のものが挙げられる。また、Arは、kが1のときは置換若しくは未置換のアリーレン基であり、このアリーレン基としては、Ar乃至Arの説明で例示されたアリール基から水素原子を1つ除いたアリーレン基が挙げられる。
上記一般式(A)中、Dは、末端にアクリロイル基又はメタクリロイル基あるいはその誘導体を有する基を表す。好適には、Dは、炭素原子が1つ以上介在して末端のアクリロイル基又はメタクリロイル基あるいはその誘導体と結合する基であり、より好適にはアルキレン基を介して末端のアクリロイル基又はメタクリロイル基あるいはその誘導体と結合する基であり、更に好適にはアルキレン基を介して末端のメタクリロイル基と結合する基である。
一般式(A)におけるDとしては、具体的には、−(CH−(O−CH−CH−O−CO−C(CH)=CHであることが好適である。ここでdは1以上5以下の整数を表し、1以上4以下であることがより好適であり、1以上3以下であることが更に好適である。eは0又は1を表す。
上記一般式(A)中、c1乃至c5は各々独立に0、1又は2を表し、Dの総数は1以上である。得られる硬化膜の強度を高め、繰り返し使用後の画質の低下を抑える観点からは、Dの総数は2以上であることが好適であり、4以上であることが更に好適である。
以下に、反応性の電荷輸送性化合物(α)の具体例をアクリロイル基又はメタクリロイル基あるいはその誘導体の官能基数毎に示す。なお、反応性の電荷輸送性化合物(α)は、これらにより何ら限定されるものではない。具体例中、Meはメチル基を意味し、Etはエチル基を意味し、Prはプロピル基を意味し、Buはブチル基を意味する。
まず、反応性の電荷輸送性化合物(α)において、アクリロイル基又はメタクリロイル基あるいはその誘導体の官能基数が2つ以上有するものの具体例(化合物A−1乃至A−67)を示す。
なお、官能基数が1つのものの具体例は、構造式(1)を与える下記構造式(1’)で示されるモノマーであり、前記(1)−1乃至(1)−33の構造が挙げられる。
反応性の電荷輸送性化合物(α)の総含有量は、保護層5を形成する際に用いられる組成物の全固形分に対して、0質量%以上50質量%以下が望ましく、より望ましくは1質量%以上45質量%以下、さらに望ましくは3質量%以上40質量%以下である。この範囲とすることで、硬化膜(最表面層)の強度、電気特性に優れ、硬化膜の厚膜化がより確実に実現される。
(非反応性の電荷輸送性化合物(β))
保護層5を構成する膜は、前述した反応性の電荷輸送性化合物(α)の他に、電荷輸送性骨格を有し且つラジカル重合する不飽和二重結合を有さない非反応性の電荷輸送性化合物(β)を併用してもよい。非反応性の電荷輸送性化合物(β)は電荷輸送を担っていない反応性基を有さないため、非反応性の電荷輸送性化合物(β)を保護層5に用いた場合には実質的に電荷輸送成分の濃度が高まり、電気特性を更に改善するのに有効である。また、非反応性の電荷輸送性化合物(β)を添加して架橋密度を減じ、強度を調整してもよい。
非反応性の電荷輸送性化合物(β)における電荷輸送性骨格としては、前記反応性の電荷輸送性化合物(α)で説明した電荷輸送性骨格を用いてよい。特に、非反応性の電荷輸送性化合物(β)は、反応性の電荷輸送性化合物(α)と同じ電荷輸送性骨格を有することが、反応性の電荷輸送性化合物(α)と非反応性の電荷輸送性化合物(β)との相溶性を高め、より一層の電荷輸送性の向上と膜の強度の向上が図られ、望ましい。
なお、非反応性の電荷輸送性化合物(β)において、反応性の電荷輸送性化合物(α)と同じ電荷輸送性骨格を有するとは、その骨格構造が同じであることを意味し、その電荷輸送性骨格上には、メチル基、エチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基等の置換基を有していてもよい。
非反応性の電荷輸送性化合物(β)としては、公知の電荷輸送材料を用いてもよく、具体的には、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等が用いられる。なかでも移動度、相溶性など点から、トリフェニルアミン骨格を有するものが望ましい。
非反応性の電荷輸送性化合物(β)は、層形成のための塗布液中の全固形分に対して0質量%以上30質量%以下で用いられることが望ましく、より望ましくは1質量%以上25質量%以下であり、更に望ましくは5質量%以上25質量%以下である。
(電荷輸送性骨格を有さない反応性化合物(c))
保護層5を構成する膜は、前述した反応性の電荷輸送性化合物(α)の他に、アクリロイル基又はメタクリロイル基あるいはその誘導体を有する反応性化合物(c)を含有して、架橋密度を向上させて膜強度を高めてもよい。
保護層5を構成する硬化膜に用いる反応性化合物(c)は、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれの形態であってもよい。
反応性化合物(c)としての1官能のモノマーは、例えば、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、ヒドロキシエチルo−フェニルフェノールアクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテルアクリレート、などが挙げられる。
反応性化合物(c)としての2官能のモノマーは、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
反応性化合物(c)としての3官能のモノマーは、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、脂肪族トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
反応性化合物(c)としての4官能のモノマーは、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、脂肪族テトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
反応性化合物(c)としての5官能以上のモノマーは、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の他、ポリエステル骨格、ウレタン骨格、フォスファゼン骨格を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、反応性化合物(c)としてのポリマーは、例えば、特開平5−216249号公報、特開平5−323630号公報、特開平11―52603号公報、特開2000−264961号公報などに開示されたものが挙げられる。
反応性化合物(c)を用いる場合には、単独又は2種以上の混合物として使用される。反応性化合物(c)は、保護層5を形成する際に用いられる組成物の全固形分に対して、望ましくは50質量%以下、より望ましくは45質量%以下で用い、更に望ましくは40質量%以下で使用される。
(その他の樹脂)
上記条件を満たす保護層5を構成する硬化膜の場合には、電荷輸送性化合物(α)とポリカーボネート樹脂との相溶性に優れるため、更に、アクリロイル基又はメタクリロイル基あるいはその誘導体を有さない非反応性の結着樹脂の混合も実現される。よって、放電ガス耐性、接着性、機械強度、耐傷性、粒子分散性、粘度コントロール、トルク低減、磨耗量コントロール、ポットライフの延長などの目的で、非反応性の結着樹脂を添加してもよい。非反応性の結着樹脂を用いることで、組成物の粘度が向上し、表面性状に優れた保護層5が形成されると共に、最表面層中のガスの混入を防止するガスバリア性の向上が図られ、また、下層との接着性の向上にも寄与しうる。
非反応性の結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂など公知のものが挙げられる。
また、保護層5の放電ガス耐性、機械強度、耐傷性、粒子分散性、粘度コントロール、トルク低減、磨耗量コントロール、ポットライフの延長などの目的でアルコールに溶解する樹脂を添加してもよい。
非反応性の結着樹脂の総含有量は、保護層5を形成する際に用いられる組成物の全固形分に対して、0質量%以上20質量%以下が望ましく、より望ましくは1質量%以上15質量%以下、更に望ましくは5質量%以上10質量%以下である。
(熱重合開始剤)
保護層5の形成には、触媒、重合開始剤は必ずしも必要ではないが、光硬化触媒又は熱重合開始剤を用いてもよい。この硬化触媒及び熱重合開始剤としては、公知の光硬化触媒や熱重合開始剤を用いてもよい。
−光硬化触媒−
光硬化触媒としては、分子内開裂型、水素引抜型などが挙げられる。
分子内開裂型としては、ベンジルケタール系、アルキルフェノン系、アミノアルキルフェノン系、ホスフィンオキサイド系、チタノセン系、オキシム系などが挙げられる。
より具体的には、ベンジルケタール系として、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンが挙げられる。
また、アルキルフェノン系としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、アセトフェノン、2−フェニル−2−(p−トルエンスルフォニルオキシ)アセトフェノンが挙げられる。
アミノアルキルフェノン系としては、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モリホニル)フェニル]−1−ブタノンなどが挙げられる。
ホスフィノキサイド系としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンキサイドなどが挙げられる。
チタノセン系としては、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムなどが挙げられる。
オキシム系としては、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)などが挙げられる。
水素引抜型としては、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンジル系、ミヒラーケトン系などが挙げられる。より具体的には、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンジル系、ミヒラーケトン系などが挙げられる。
より具体的には、ベンゾフェノン系としては、2−ベンゾイル安息香酸、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
チオキサントン系としては、2,4−ジエチルチオキサンテン−9−オン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。
ベンジル系としては、ベンジル、(±)−カンファーキノン、p−アニシルなどが挙げられる。
これらの光重合開始剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用られる。
−熱重合開始剤−
熱重合開始剤の市販品としては、V−30、V−40、V−59、V601、V65、V−70、VF−096、VE−73、Vam−110、Vam−111(和光純薬製)、OTAzo−15、OTazo−30、AIBM、AMBN、ADVN、ACVA(大塚化学)等のアゾ系開始剤;パーテトラA、パーヘキサHC、パーヘキサC、パーヘキサV、パーヘキサ22、パーヘキサMC、パーブチルH,パークミルH、パークミルP、パーメンタH、パーオクタH、パーブチルC、パーブチルD、パーヘキシルD、パーロイル IB、パーロイル 355、パーロイル L、パーロイル SA、ナイパー BW、ナイパー BMT−K40/M、パーロイル IPP、パーロイル NPP、パーロイル TCP、パーロイル OPP、パーロイル SBP、パークミル ND、パーオクタ ND、パーヘキシル ND、パーブチル ND、パーブチル NHP、パーヘキシル PV、パーブチル PV、パーヘキサ 250、パーオクタ O、パーヘキシル O、パーブチル O、パーブチル L、パーブチル 355、パーヘキシル I、パーブチル I、パーブチル E、パーヘキサ 25Z、パーブチル A、パーへヘキシル Z、パーブチル ZT、パーブチル Z(日油化学社製)、カヤケタール AM−C55、トリゴノックス 36−C75、ラウロックス、パーカドックス L−W75、パーカドックス CH−50L、トリゴノックス TMBH、カヤクメン H、カヤブチル H−70、ペルカドックス BC−FF、カヤヘキサ AD、パーカドックス 14、カヤブチル C、カヤブチル D、カヤヘキサ YD−E85、パーカドックス 12−XL25、パーカドックス 12−EB20、トリゴノックス 22−N70、トリゴノックス 22−70E、トリゴノックス D−T50、トリゴノックス 423−C70、カヤエステル CND−C70、カヤエステル CND−W50、トリゴノックス 23−C70、トリゴノックス 23−W50N、トリゴノックス 257−C70、カヤエステル P−70、カヤエステル TMPO−70、トリゴノックス 121、カヤエステル O、カヤエステル HTP−65W、カヤエステル AN、トリゴノックス 42、トリゴノックス F−C50、カヤブチル B、カヤカルボン EH−C70、カヤカルボン EH−W60、カヤカルボン I−20、カヤカルボン BIC−75、トリゴノックス 117、カヤレン6−70(化薬アクゾ社製)、ルルペロックス610、ルペロックス188、ルペロックス844、ルペロックス259、ルペロックス10、ルペロックス701、ルペロックス11、ルペロックス26、ルペロックス80、ルペロックス7、ルペロックス270、ルペロックスP、ルペロックス546、ルペロックス554、ルペロックス575、ルペロックスTANPO、ルペロックス555、ルペロックス570、ルペロックスTAP、ルペロックスTBIC、ルペロックスTBEC、ルペロックスJW、ルペロックスTAIC、ルペロックスTAEC、ルペロックスDC、ルペロックス101、ルペロックスF、ルペロックスDI、ルペロックス130、ルペロックス220、ルペロックス230、ルペロックス233、ルペロックス531(アルケマ吉富社製)などが挙げられる。
これらのうち、分子量250以上のアゾ系重合開始剤を用いると、低い温度で均質な反応が進行することから、均一性に優れた高強度の膜の形成が図れる。より好適には、アゾ系重合開始剤の分子量は、250以上であり、300以上が更に好適である。
光硬化触媒又は熱重合開始剤の総含有量は、層形成のための塗布液中の全固形分に対して0.1質量%以上10質量%以下、望ましくは0.1質量%以上8質量%以下、より望ましくは0.1質量%以上5質量%以下の範囲である。
(その他の添加剤)
保護層5を構成する硬化膜は、更に成膜性、可とう性、潤滑性、接着性を調整するなどの目的から、他のカップリング剤、特にフッ素含有のカップリング剤と混合して用いてもよい。このような化合物として、各種シランカップリング剤、及び市販のシリコーン系ハードコート剤が用いられる。また、ラジカル重合性基を有するシリコン化合物、フッ素含有化合物を用いてもよい。
シランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、等が挙げられる。
市販のハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−8239(以上、信越化学工業社製)、AY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)等が挙げられる。
また、撥水性等の付与のために、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトシキシラン、等の含フッ素化合物を加えてもよい。
シランカップリング剤は任意の量で使用されるが、含フッ素化合物の量は、架橋膜の成膜性の観点から、フッ素を含まない化合物に対して質量で0.25倍以下とすることが望ましい。更に、特開2001−166510号公報などに開示されている反応性のフッ素化合物などを混合してもよい。
ラジカル重合性基を有するシリコン化合物、フッ素含有化合物としては、特開2007−11005号公報に記載の化合物などが挙げられる。
保護層5を構成する硬化膜には、帯電装置で発生するオゾン等の酸化性ガスによる劣化を防止する目的で、劣化防止剤を添加することが望ましい。感光体表面の機械的強度を高め、感光体が長寿命になると、感光体が酸化性ガスに長い時間接触することになるため、従来より強い酸化耐性が要求される場合がある。
劣化防止剤としては、ヒンダードフェノール系あるいはヒンダードアミン系が望ましく、有機イオウ系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤、などの公知の酸化防止剤を用いてもよい。
劣化防止剤の添加量としては20質量%以下が望ましく、10質量%以下がより望ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、イルガノックス1076、イルガノックス1010、イルガノックス1098、イルガノックス245、イルガノックス1330、イルガノックス3114、イルガノックス1076(以上、チバ・ジャパン社製)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシビフェニル等が挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、サノールLS2626、サノールLS765、サノールLS770、サノールLS744(以上、三共ライフテック社製)、チヌビン144、チヌビン622LD(以上、チバ・ジャパン社製)、マークLA57、マークLA67、マークLA62、マークLA68、マークLA63(以上、アデカ社製)が挙げられ、チオエーテル系として、スミライザ−TPS、スミライザーTP−D(以上、住友化学社製)が挙げられ、ホスファイト系として、マーク2112、マークPEP−8、マークPEP−24G、マークPEP−36、マーク329K、マークHP−10(以上、アデカ社製)等が挙げられる。
更に、保護層5を構成する硬化膜には残留電位を下げるため、あるいは強度を上げるために導電性粒子や、有機、無機微粒子を添加してもよい。
この粒子の一例として、ケイ素含有粒子が挙げられる。ケイ素含有粒子とは、構成元素にケイ素を含む粒子であり、具体的には、コロイダルシリカ及びシリコーン粒子等が挙げられる。ケイ素含有粒子として用いられるコロイダルシリカは、平均粒径1nm以上100nm以下、望ましくは10nm以上30nm以下のシリカを、酸性若しくはアルカリ性の水分散液、あるいはアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものから選ばれる。該粒子としては一般に市販されているものを使用してもよい。
保護層中のコロイダルシリカの固形分含有量は、特に限定されるものではないが、製膜性、電気特性、強度の面から、保護層5の全固形分全量を基準として、0.1質量%以上50質量%以下、望ましくは0.1質量%以上30質量%以下の範囲で用いられる。
ケイ素含有粒子として用いられるシリコーン粒子は、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、シリコーン表面処理シリカ粒子から選ばれ、一般に市販されているものを使用してもよい。
これらのシリコーン粒子は球状で、その平均粒径は望ましくは1nm以上500nm以下、より望ましくは10nm以上100nm以下である。シリコーン粒子は、化学的に不活性で、樹脂への分散性に優れる小径粒子であり、さらに十分な特性を得るために必要とされる含有量が低いため、架橋反応を阻害することなく、電子写真感光体の表面性状が改善される。すなわち、強固な架橋構造中に均一に取り込まれた状態で、電子写真感光体表面の潤滑性、撥水性を向上させ、長期間にわたって良好な耐磨耗性、耐汚染物付着性が維持される。
保護層5中のシリコーン粒子の含有量は、保護層5の全固形分全量を基準として、望ましくは0.1質量%以上30質量%以下、より望ましくは0.5質量%以上10質量%以下である。
また、その他の粒子としては、四フッ化エチレン、三フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のフッ素系粒子や“第8回ポリマー材料フォーラム講演予稿集、89頁”に示されるような、フッ素樹脂と水酸基を有するモノマーを共重合させた樹脂で構成される粒子、ZnO−Al、SnO−Sb、In−SnO、ZnO−TiO、ZnO−TiO、MgO−Al、FeO−TiO、TiO、SnO、In、ZnO、MgO等の半導電性金属酸化物が挙げられる。さらに、微粒子を分散させるために公知の種々の分散材が用いられる。
また、同様な目的でシリコーンオイル等のオイルを添加してもよい。
シリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコーンオイル;アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコーンオイル;ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類;1,3,5−トリメチル−1.3.5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類;ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類;3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素含有シクロシロキサン類;メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサン等のヒドロシリル基含有シクロシロキサン類;ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサン等のビニル基含有シクロシロキサン類等が挙げられる。
また、金属、金属酸化物及びカーボンブラック等を添加してもよい。金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀及びステンレス等、又はこれらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したもの等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ及びアンチモンをドープした酸化ジルコニウム等が挙げられる。
これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いる。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合しても、固溶体や融着での混合でもよい。導電性粒子の平均粒径は保護層の透明性の点で0.3μm以下、特に0.1μm以下が望ましい。
(組成物)
保護層5を形成するために用いる組成物は、保護層形成用塗布液として調製されることが望ましい。
この保護層形成用塗布液は、無溶媒であってもよいし、必要に応じて、トルエン、キシレンなどの芳香族、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのセロソルブ系、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール系等の溶媒などの単独又は混合溶媒を用いて調製される。
また、前述の成分を反応させて塗布液を得るときには、各成分を単純に混合、溶解させるだけでもよいが、望ましくは室温以上100℃以下、より望ましくは30℃以上80℃以下で、望ましくは10分以上100時間以下、より望ましくは1時間以上50時間以下の条件で加温する。また、この際に超音波を照射することも望ましい。これにより、塗布液の均一性が高まり、塗膜欠陥を抑えた膜が得られやすくなる。
(保護層5の作製)
保護層形成用塗布液は、被塗布面を形成する電荷輸送層3の上に、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法、インクジェット塗布法等の通常の方法により塗布される。
その後、得られた塗膜に対して、光、電子線又は熱を付与してラジカル重合を生起させて、該塗膜を重合、硬化させる。
熱により塗膜を重合、硬化させる際、加熱条件は50℃以上であることが望ましい。この温度以下であると反応が不十分となりやすく、硬化膜の寿命が短く望ましくない。特に、加熱温度としては、100℃以上180℃以下が、強度、電気特性、感光体の表面均一性の点から望ましい。
光により塗膜を重合、硬化させる際、水銀灯、メタルハライドなどの公知の方法で照射して硬化膜を得る。
上記のような、重合、硬化反応の際には、光、電子線又は熱によって発生したラジカルが失活することなく連鎖反応を行えるよう、真空又は不活性ガス雰囲気下で、酸素濃度が望ましくは10%以下、より望ましくは5%以下、更に望ましくは2%以下、最も望ましくは500ppm以下の低酸素濃度で行われる。
本実施態様では、反応が早く進行しすぎると架橋により塗膜の構造緩和がされ難くなり、膜のムラやシワを発生しやすくなるといった理由から、ラジカルの発生が比較的ゆっくりと起こる熱による硬化方法が採用される。本実施形態に係るポリマー(a)と熱による硬化とを組み合わせることで、塗膜の構造緩和の促進が図られ、表面性状に優れた高い保護層5が得られる。
保護層5の膜厚は3μm以上40μm以下程度が望ましく、5μm以上35μm以下とするのがさらに望ましい。
以上、図1に示される電子写真感光体7Aを参照し、機能分離型の感光層の例を説明したが、図2に示される機能分離型の電子写真感光体7Bも同様である。
また、図3に示される電子写真感光体7Cの単層型感光層6の場合、以下の態様であることが望ましい。即ち、単層型感光層6中の電荷発生材料の含有量は、膜強度の観点から、保護層5を形成する際に用いられる組成物の全固形分に対して5質量%以上50質量%以下、望ましくは10質量%以上40質量%以下、より望ましくは15質量%以上35質量%以下で使用される。
単層型感光層6の形成方法は、電荷発生層2や電荷輸送層3の形成方法と同様である。単層型感光層6の膜厚は5μm以上50μm以下程度が望ましく、10μm以上40μm以下とするのが更に望ましい。
また、上述の実施形態では、最表面層が保護層5である形態を説明したが、保護層5がない層構成の場合には、その層構成において最表面に位置する電荷輸送層が該最表面層となる。
最表面層が電荷輸送層である場合、この層の厚みは、7μm以上70μm以下が望ましく、10μm以上60μm以下がより望ましい。
<導電性基体>
導電性基体4としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属又は合金を用いて構成される金属板、金属ドラム、及び金属ベルトが挙げられる。また、導電性基体4としては、導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニウム、パラジウム、金等の金属又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、プラスチックフィルム、ベルト等も挙げられる。
ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
電子写真感光体7Aがレーザープリンターに使用される場合、レーザー光を照射する際に生じる干渉縞を防止するために、導電性基体4の表面は、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化することが望ましい。Raが上記範囲内にあると、干渉防止効果が十分であり、画質の粗さが抑えられる傾向がある。なお、非干渉光を光源に用いる場合には、干渉縞防止の粗面化は特に必要なく、導電性基体4表面の凹凸による欠陥の発生が抑制されるため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、研磨剤を水に懸濁させて支持体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、又は回転する砥石に支持体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が望ましい。
また、他の粗面化の方法としては、導電性基体4表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、支持体表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も望ましく用いられる。
ここで、陽極酸化による粗面化処理は、アルミニウムを陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することによりアルミニウム表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、陽極酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが望ましい。
陽極酸化膜の膜厚については、0.3μm以上15μm以下が望ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
また、導電性基体4には、酸性水溶液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。リン酸、クロム酸及びフッ酸からなる酸性処理液による処理は以下のようにして実施される。先ず、酸性処理液を調整する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲が望ましい。処理温度は42℃以上48℃以下が望ましいが、処理温度を高く保つことにより、一層速く、かつ厚い被膜が形成される。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が望ましい。被膜の膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
ベーマイト処理は、90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が望ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
<下引層>
下引層1は、例えば、結着樹脂に無機粒子を含有して構成される。
無機粒子としては、粉体抵抗(体積抵抗率)10Ω・cm以上1011Ω・cm以下のものが望ましく用いられる。これは、下引層1はリーク耐性、キャリアブロック性獲得のために適切な抵抗を得ることが必要であるためである。なお、上記範囲内に無機粒子の抵抗値があると、十分なリーク耐性と、残留電位上昇の抑制が図られる。
なかでも上記抵抗値を有する無機粒子としては、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の無機粒子を用いるのが望ましく、特に、酸化亜鉛は望ましく用いられる。
また、無機粒子は表面処理を行ったものでもよく、表面処理の異なるもの、又は、粒子径の異なるものなど2種以上混合して用いてもよい。
無機粒子のBET法による比表面積は、10m/g以上が望ましい。比表面積値が10m/g以上のものは帯電性低下を抑える。
無機粒子の体積平均粒径は50nm以上2000nm以下(望ましくは60nm以上1000nm以下)の範囲であることが望ましい。
更に、無機粒子と共にアクセプター性化合物を含有させることで電気特性の長期安定性、キャリアブロック性に優れた下引層が得られる。
アクセプター性化合物としては、上記特性が得られるものであれば限定されず、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送性物質などが望ましく、特にアントラキノン構造を有する化合物が望ましい。更にヒドロキシアントラキノン系化合物、アミノアントラキノン系化合物、アミノヒドロキシアントラキノン系化合物等、アントラキノン構造を有するアクセプター性化合物が望ましく用いられ、具体的にはアントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が挙げられる。
これらのアクセプター性化合物の含有量は上記特性が得られる範囲であれば限定されないが、望ましくは無機粒子に対して0.01質量%以上20質量%以下の範囲で含有される。更に電荷蓄積防止と無機粒子の凝集を防止する観点から0.05質量%以上10質量%以下の範囲で添加されることが望ましい。無機粒子の凝集を抑えることで、導電路形成のバラツキを抑制し、繰り返し使用時に残留電位の上昇など維持性の悪化を抑えるだけでなく、黒点などの画質欠陥の発生も抑える。
アクセプター化合物は、下引層形成用塗布液に添加するだけでもよいし、無機粒子表面にあらかじめ付着させておいてもよい。
無機粒子表面にアクセプター化合物を付与させる方法としては、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
乾式法にて表面処理を施す場合には、無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させたアクセプター化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させることによってバラツキが生じることなく処理される。添加又は噴霧する際には溶剤の沸点以下の温度で行われることが望ましい。溶剤の沸点以下の温度で噴霧すると、アクセプター化合物が局部的に偏在するのを抑える。添加又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは所望の電子写真特性が得られる温度、時間であれば任意の範囲で実施される。
また、湿式法としては、無機粒子を溶剤中で攪拌、超音波、サンドミルやアトライター、ボールミル等を用いて分散し、アクセプター化合物を添加し攪拌又は分散した後、溶剤除去することでバラツキが生じることなく処理される。溶剤除去方法はろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後には更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては表面処理剤を添加する前に無機粒子含有水分を除去してもよく、その例として表面処理に用いる溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法を用いてもよい。
また、無機粒子にはアクセプター化合物を付与する前に表面処理を施してもよい。表面処理剤としては、所望の特性が得られるものであればよく、公知の材料から選択される。例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性材等が挙げられる。特に、シランカップリング剤は良好な電子写真特性を与えるため望ましく用いられる。更にアミノ基を有するシランカップリング剤は下引層1に良好なブロッキング性を与えるため望ましく用いられる。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、電子写真感光体特性が得られればいかなるものを用いてもよく、具体的例としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、シランカップリング剤は2種以上混合して使用してもよい。前記アミノ基を有するシランカップリング剤と併用して用いてもよいシランカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらの表面処理剤を用いた表面処理方法は公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法又は湿式法が用いられる。また、アクセプター化合物の付与と、カップリング剤等の表面処理剤による表面処理と、を同時に行ってもよい。
下引層1中の無機粒子に対するシランカップリング剤の量は電子写真特性が得られる量であれば限定されず、分散性向上の観点からは、無機粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が望ましい。
また、下引層1には結着樹脂が含有されてもよい。
下引層1に含有される結着樹脂としては、良好な膜が形成されるもので、かつ、所望の特性が得られるものであれば公知のいかなるものを使用してもよく、例えば、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の公知の高分子樹脂化合物、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が用いられる。
また、下引層1に含有される結着樹脂として、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂等を用いてもよい。なかでも上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が好適である。これらを2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層形成用塗布液中の、表面にアクセプター化合物を付与させた無機粒子(アクセプター性を付与した金属酸化物)と結着樹脂、又は、無機粒子と結着樹脂との比率は電子写真感光体特性が得られる範囲で設定される。
また、下引層1中には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加物を用いてもよい。
添加物としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が用いられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層形成用塗布液に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また、ジルコニウムキレート化合物の例としては、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物の例としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物の例としては、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの化合物は単独に若しくは複数の化合物の混合物又は重縮合物として用いてもよい。
下引層形成用塗布液を調製するための溶媒としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系等から任意で選択される。
溶媒として、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を用いられる。
また、これらの溶剤は単独又は2種以上混合して用いてもよい。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂を溶かし得る溶剤であれば、いかなるものでも使用される。
下引層形成用塗布液を調製する際の無機粒子の分散方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどの公知の方法を用いられる。
更に、下引層1を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いられる。
このようにして得られた下引層形成用塗布液を用い、導電性基体上に下引層1が成膜される。
また、下引層1は、ビッカース硬度が35以上とされていることが望ましい。
更に、下引層1は、所望の特性が得られるのであれば、いかなる厚さに設定されてもよいが、厚さ15μm以上が望ましく、更に望ましくは15μm以上50μm以下とされていることが望ましい。
下引層1の厚さが上記範囲内にあると、充分な耐リーク性能が向上し、長期使用したときの残留電位の残存を低減して画像濃度の異常発生が抑えられる。
また、下引層1の表面粗さ(十点平均粗さ)はモアレ像防止のために、使用される露光用レーザー波長λの1/4n(nは上層の屈折率)から1/2λまでに調整される。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂などの粒子を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等を用いられる。
また、表面粗さ調整のために下引層表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等を用いられる。LED,有機ELイメージアレーなどの非干渉性光源を用いる場合には平滑な表面を用いてもよく、基材表面の露出による塗膜故障、画像欠陥が抑制されるため望ましい。
下引層1は、導電性基体4上に塗布した前述の下引層形成用塗布液を乾燥させることで得られるが、通常、乾燥は、溶剤が蒸発して製膜される温度で行われる。
<電荷発生層>
電荷発生層2は、電荷発生材料及び結着樹脂を含有する層である。また、結着樹脂を含有しない蒸着膜として形成してもよい。特に、LED、有機ELイメージアレーなどの非干渉性光源を用いる場合には望ましい。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、ピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料、酸化亜鉛、三方晶系セレン等が挙げられる。これらの中でも、近赤外域のレーザー露光に対応させるためには、電荷発生材料として、金属フタロシアニン顔料、及び無金属フタロシアニン顔料を用いることが望ましく、特に、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン、特開平5−98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン、特開平5−11172号公報、特開平5−11173号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン、特開平4−189873号公報、特開平5−43823号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより望ましい。また、近紫外域のレーザー露光に対応させるためには、電荷発生材料として、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料、チオインジゴ系顔料、ポルフィラジン化合物、酸化亜鉛、三方晶系セレン、特開2004−78147号公報、特開2005−181992号公報に開示されたビスアゾ顔料等を用いることがより望ましい。
電荷発生層2に使用される結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。望ましい結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。電荷発生材料と結着樹脂の配合比は質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが望ましい。ここで、「絶縁性」とは、ここで、「絶縁性」とは体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
電荷発生層2は、上述の電荷発生材料及び結着樹脂を溶剤中に分散した電荷発生層形成用塗布液を用いて形成される。また、結着樹脂を含有しない蒸着膜として形成させてもよい。
分散に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を混合して用いる。
また、電荷発生材料及び結着樹脂を溶剤中に分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の通常の方法を用いられる。これらの分散方法により、分散による電荷発生材料の結晶型の変化が防止される。
更にこの分散の際、電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、望ましくは0.3μm以下、更に望ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
また、電荷発生層2を形成する際には、ブレード塗布法、マイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いられる。
このようにして得られる電荷発生層2の膜厚は、望ましくは0.1μm以上5.0μm以下、更に望ましくは0.2μm以上2.0μm以下である。
<電荷輸送層>
電子写真感光体の電荷輸送層3が、前記構造式(1)及び(2)で表される部分構造を含むポリマー(a)を含有して構成される場合には、電荷輸送層3は、電荷輸送材料と結着樹脂を含有して、又は高分子電荷輸送材を含有して形成される。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物や、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物が挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上で用いられるが、これらに限定されるものではない。
電荷輸送材料としては、電荷移動度の観点から、下記構造式(a−1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び下記構造式(a−2)で示されるベンジジン誘導体が望ましい。
上記構造式(a−1)中、Rは、水素原子又はメチル基、−C(R10)=C(R11)(R12)、又は−CH=CH−CH=C(R13)(R14)を示す。lは1又は2を示す。Ar及びArは各々独立に置換若しくは未置換のアリール基、−C−C(R10)=C(R11)(R12)、又は−C−CH=CH−CH=C(R13)(R14)を示し、R10、R11、R12、R13及びR14は各々独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、又は置換若しくは未置換のアリール基を表す。
ここで、上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、又は炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基が挙げられる。
上記構造式(a−2)中、R15及びR15’は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、又は炭素数1以上5以下のアルコキシ基を示す。R16、R16’、R17、及びR17’は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは未置換のアリール基、−C(R18)=C(R19)(R20)、又は−CH=CH−CH=C(R21)(R22)を示し、R18、R19、R20、R21及びR22は各々独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、又は置換若しくは未置換のアリール基を表す。m及びnは各々独立に0以上2以下の整数を示す。
ここで、前記構造式(a−1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び前記構造式(a−2)で示されるベンジジン誘導体のうち、特に、「−C−CH=CH−CH=C(R13)(R14)」を有するトリアリールアミン誘導体、及び「−CH=CH−CH=C(R21)(R22)」を有するベンジジン誘導体が、電荷移動度、保護層との接着性、前画像の履歴が残ることで生じる残像(以下「ゴースト」と言う場合がある)などの観点で優れ望ましい。
電荷輸送層3に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。特開平8−176293号公報及び特開平8−208820号公報に開示されているポリエステル系の高分子電荷輸送材料等を用いてもよい。これらのうち、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が、電荷輸送性材料又は電荷輸送材料との相溶性に優れ、好適である。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上で用いる。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は質量比で10:1から1:5までが望ましい。
特に、電荷輸送層3上には、反応性の電荷輸送性化合物(α)とポリカーボネート樹脂とを含有する組成物の硬化膜からなる保護層5を備える場合、電荷輸送層3に用いる結着樹脂としては、粘度平均分子量50000以上のものが望ましく、55000以上のものがより望ましい。このような分子量の結着樹脂を用いることで、接着性、保護層形成時の耐ヒビ性などに優れる。
なお、電荷輸送層3に用いる結着樹脂の粘度平均分子量の上限値としては、塗布膜の均一性(液ダレ)の点から、100000以下が望ましい。
ここで、本実施形態における結着樹脂の粘度平均分子量は、毛細管粘度計によって測定した値である。
なお、同様の理由から、最表面層が電荷輸送層である場合には、その下層中に含まれる結着樹脂の粘度平均分子量が上記の範囲であることが望ましい。
また、電荷輸送材料として高分子電荷輸送材を用いてもよい。高分子電荷輸送材としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシランなどの電荷輸送性を有する公知のものを用いられる。特に、特開平8−176293号公報、特開平8−208820号公報等に開示されているポリエステル系高分子電荷輸送材は、他種に比べ高い電荷輸送性を有しており、特に望ましいものである。高分子電荷輸送材はそれだけでも成膜されるが、前述の結着樹脂と混合して成膜してもよい。
電荷輸送層3は、上記構成材料を含有する電荷輸送層形成用塗布液を用いて形成される。
電荷輸送層形成用塗布液に用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状若しくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤を単独又は2種以上混合して用いられる。また、上記各構成材料の分散方法としては、公知の方法が使用される。
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層2の上に塗布する際の塗布方法としては、ブレード塗布法、マイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
電荷輸送層3の膜厚は、望ましくは5μm以上50μm以下、より望ましくは10μm以上30μm以下である。
電荷輸送層3は、本実施形態に係る前記(1)及び(2)によりそれぞれ表される部分構造を含むポリマー(a)を含有する材料を使用してもよい。
〔画像形成装置/プロセスカートリッジ〕
図4は、本実施形態に係る画像形成装置100を示す概略構成図である。
図4に示される画像形成装置100は、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置(静電潜像形成手段)9と、転写装置(転写手段)40と、中間転写体50と、を備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7を露光する位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。
図4におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、電子写真感光体7、帯電装置(帯電手段)8、現像装置(現像手段)11、及びクリーニング装置13を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材)を有しており、クリーニングブレード131は、電子写真感光体7の表面に接触するように配置されている。なお、クリーニング部材は、クリーニングブレード131の態様ではなく、導電性或いは絶縁性の繊維状部材であってもよく、これを単独で、或いは、ブレードと併用してもよい。
また、図4では、クリーニング装置13として、潤滑材14を感光体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)を備え、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を用いた例を示してあるが、これらは必要に応じて使用される。
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、帯電ローラを感光体7近傍で用いる非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等を使用してもよい。
また、スコロトロン帯電器を使用する場合には、帯電器に付着した放電生成物が電子写真感光体に放出されるのを防ぐため、帯電器の不使用時に電子写真感光体との間に遮蔽物を設ける機構を有してもよい。
なお、図示しないが、画像の安定性を高める目的で、電子写真感光体7の周囲には、電子写真感光体7の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための感光体加熱部材を設けてもよい。
露光装置9としては、例えば、感光体7表面に、半導体レーザ光、無機LED光、有機EL光、液晶シャッタ光等の光を、所望の像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は感光体の分光感度領域にあるものが使用される。半導体レーザーの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザーや青色レーザーとして400nm以上450nm以下近傍に発振波長を有するレーザーも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビーム出力が行われるタイプの面発光型のレーザー光源も有効である。
現像装置11としては、例えば、磁性若しくは非磁性の一成分系現像剤又は二成分系現像剤等を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置を用いて行ってもよい。その現像装置としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、上記一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。
以下、現像装置11に使用されるトナーについて説明する。
かかるトナーとしては、平均形状係数(ML/A×π/4×100、ここでMLはトナー粒子の最大長を表し、Aはトナー粒子の投影面積を表す)が100以上150以下であることが望ましく105以上145以下であることがより望ましく、110以上140以下であることが更に望ましい。
更に、トナーとしては、体積平均粒子径が3μm以上12μm以下であることが望ましく、3.3μm以上10μm以下であることがより望ましく、3.5μm以上9μm以下であることが更に望ましい。この如く平均形状係数及び体積平均粒子径を満たすトナーを用いることにより、他のトナーと比べ、高い現像、転写性、及び高画質の画像が得られる。
トナーは、上記平均形状係数及び体積平均粒子径を満足する範囲のものであれば特に製造方法により限定されるものではないが、例えば、結着樹脂、着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を加えて混練、粉砕、分級する混練粉砕法;混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力又は熱エネルギーにて形状を変化させる方法;結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法;結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法;結着樹脂と、着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液とを水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等により製造されるトナーが使用される。
また、上記方法で得られたトナーをコアにして、更に凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造を形成する製造方法等、公知の方法を使用してもよい。なお、トナーの製造方法としては、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が望ましく、乳化重合凝集法が特に望ましい。
トナー母粒子は、結着樹脂、着色剤及び離型剤からなり、必要であれば、シリカや帯電制御剤を含有して構成される。
トナー母粒子に使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体及び共重合体、ジカルボン酸類とジオール類との共重合によるポリエステル樹脂等が挙げられる。
特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル樹脂等が挙げられる。更に、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等が挙げられる。
また、着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示される。
離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロピィシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示される。
また、帯電制御剤としては、公知のものが使用され、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤が挙げられる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用することが望ましい。また、トナーとしては、磁性材料を内包する磁性トナー及び磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
現像装置11に用いるトナーとしては、上記トナー母粒子及び上記外添剤をヘンシェルミキサー又はVブレンダー等で混合することによって製造される。また、トナー母粒子を湿式にて製造する場合は、湿式にて外添してもよい。
現像装置11に用いるトナーは、フッ素元素を有する粒子を含有してもよい。
フッ素元素を有する粒子としては、黒鉛やグラファイトにフッ素が結合したフッ化炭素、ポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、パーフルオロアルコキシ・フッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニル(PVF)等が挙げられる。
フッ素元素を有する粒子の平均粒径は、0.1μm以上10μm以下の範囲が望ましく、上記化学構造のものを粉砕して、粒径をそろえてもよい。
トナー中のフッ素元素を有する粒子の添加量は、0.05質量%以上2.0質量%以下の範囲が望ましく、0.05質量%以上1.5質量%以下の範囲がより望ましい。上記範囲内にあると、好適な摩擦係数の範囲にありゴーストの発生が抑えられ、また適切なトナー帯電特性から逆極性トナーの生成が抑えられる。
現像装置11に用いるトナーには滑性粒子を添加してもよい。滑性粒子としては、グラファイト、二硫化モリブデン、滑石、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の固体潤滑剤や、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の如く脂肪族アミド類やカルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の如く植物系ワックス、ミツロウの如く動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の如く鉱物、石油系ワックス、及びそれらの変性物が使用される。これらは、1種を単独で、又は2種以上を併用して使用される。
滑性粒子の体積平均粒径は、0.1μm以上10μm以下の範囲が望ましく、上記化学構造のものを粉砕して、粒径をそろえてもよい。トナー中の滑性粒子の添加量は、望ましくは0.05質量%以上2.0質量%以下、より望ましくは0.1質量%以上1.5質量%以下の範囲である。
現像装置11に用いるトナーには、電子写真感光体表面の付着物、劣化物除去の目的等で、無機粒子、有機粒子、該有機粒子に無機粒子を付着させた複合粒子等を加えてもよい。
無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に使用される。
また、上記無機粒子を、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネート等のチタンカップリング剤、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトエリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤等で処理を行ってもよい。また、シリコーンオイル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩によって疎水化処理したものも望ましく使用される。
有機微粒子としては、スチレン樹脂粒子、スチレンアクリル樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、ポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、パーフルオロアルコキシ・フッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニル(PVF)等等が挙げられる。
粒子径としては、個数平均粒子径で望ましくは5nm以上1000nm以下、より望ましくは5nm以上800nm以下、更に望ましくは5nm以上700nm以下のものが使用される。個数平均粒子径が、上記範囲内にあると、研磨能力に優れ、電子写真感光体の表面における傷の発生の抑制に効果的である。また、上述した粒子と滑性粒子との添加量の和が0.6質量%以上であることが望ましい。
トナーに添加されるその他の無機酸化物としては、粉体流動性、帯電制御等のため、1次粒径が40nm以下の小径無機酸化物を用い、更に付着力低減や帯電制御のため、それより大径の無機酸化物を添加することが望ましい。これらの無機酸化物粒子は公知のものを使用してもよいが、精密な帯電制御を行うためにはシリカと酸化チタンを併用することが望ましい。
また、小径無機粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性を上げる効果が大きくなる。更に、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩や、ハイドロタルサイト、酸化セリウムの無機鉱物を添加することも放電精製物を除去するために望ましい。
また、電子写真用カラートナーはキャリアと混合して使用されるが、キャリアとしては、鉄粉、ガラスビーズ、フェライト粉、ニッケル粉、又はそれらの表面に樹脂コーティングを施したものが使用される。また、キャリアとの混合割合は、任意に設定される。
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等のベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体50の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものが用いられる。
画像形成装置100は、上述した各装置の他に、例えば、感光体7に対して光除電を行う光除電装置を備えていてもよい。
図5は、他の実施形態に係る画像形成装置120を示す概略断面図である。
図5に示される画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式のフルカラー画像形成装置である。
画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
タンデム型の画像形成装置に本実施形態の電子写真感光体を用いた場合、4本の感光体の電気特性が安定することから、より長期に渡ってカラーバランスの優れた画質が得られる。
〔有機電界発光装置〕
次いで、有機電界発光装置について説明する。
図7から図9は本実施形態の有機電界発光素子の層構成を模式的に示す概略断面図であり、21は基板、22は陽極、23は正孔注入層、24は正孔輸送層、25は発光層、26は電子輸送層、27は陰極を各々表す。但し、本実施形態に係る有機EL装置の素子構成はこれにかぎるものではない。
基板21は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシートなどが用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂の板が望ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が低すぎると、基板を通過する外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので望ましくない。このため、合成樹脂基板のどちらか片側もしくは両側に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も望ましい方法の一つである。
基板21上には陽極22が設けられる。陽極22は正孔注入層23への正孔注入の役割を果たすものである。この陽極22は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/又はスズの酸化物などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、カーボンブラック等により構成される。陽極22の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法などにより行われることが多い。また、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅などの微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子等を適当な結着樹脂溶液に分散し、基板21上に塗布することにより陽極22を形成してもよい。
陽極22は異なる物質で積層して形成してもよい。陽極22の厚みは、必要とする透明性により異なるが、一般には透明性が高いほど望ましいため、可視光の透過率を、通常は60%以上、望ましくは80%以上とする。この場合、厚みは、通常10nm以上1000nm以下、望ましくは20nm以上500nm以下程度である。端面からのレーザー発振等の目的で両電極間で反射させるなどの目的で、金属蒸着膜等を設ける場合など不透明でよい場合は、陽極22は基板21と同一部材でもよい。
また、上記の陽極22の上に異なる導電材料を積層してもよい。本実施形態の代表例として挙げた図1乃至図3に示す素子構造においては、陽極22の上に正孔注入層23が設けられる。この正孔注入層23に用いられる材料に要求される条件としては、陽極22からの正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送する材料であることが挙げられる。そのためには、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の光に対して透明性が高く、しかも正孔移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが要求される。上記の一般的な要求条件以外に、車載表示用の応用を考えた場合、さらに100℃以上、より望ましくは120℃以上の耐熱性が要求される。また、低分子のアモルファス膜を用いた素子に比較し、分子運動が抑制され、ガラス転移温度の高い三次元架橋性電荷輸送性化合物を正孔注入層の母体とすることにより、素子の耐熱性も大きく改善される。
本実施形態において、前記構造式(1)及び(2)で示される部分構造を含むポリマー(a)を含有する有機化合物層は通常塗布法により形成される。例えば、正孔注入層として形成する場合を例に説明する。構造式(1)及び(2)で表される部分構造を含むポリマー(a)に対し、予め定めた量で必要により正孔のトラップにならない結着樹脂や塗布性改良剤を加えてもよい。末端にアルコキシシリル基を有する電荷輸送材は、無機材料を主体とする基材との接着性にすぐれ、得られる有機電界発光素子の特性上望ましく、種々の目的で、他のシランカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、チタネートカップリング剤などを添加してもよい。これらを溶解して塗布溶液を所望の濃度に調製し、スピン塗布法や浸漬塗布法などの方法により陽極22上に塗布し、乾燥して正孔注入層23を形成する。このようにして形成される正孔注入層23の膜厚は、通常5nm以上3000nm以下、望ましくは10nm以上2000nm以下である。
正孔注入層23の上には発光層25が設けられる。発光層25は、電界を与えられた電極間において陰極27から注入された電子と正孔注入層23から輸送された正孔を効率よく再結合し、かつ、再結合により効率よく発光する材料から形成される。このような条件を満たす材料としては、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体(特開平6−322362号公報)、ビススチリルベンゼン誘導体(特開平1−245087号公報、同2−222484号公報)、ビススチリルアリーレン誘導体(特開平2−247278号公報)、(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾールの金属錯体(特開平8−315983号公報)、シロール誘導体等が挙げられる。これらの発光層形成用材料は、通常は真空蒸着法や塗布法により正孔注入層23上に積層して形成される。塗布法を用いる場合、正孔注入層23を実質的に溶解しない溶剤を用いることが望ましいが、本実施形態においては、下層が三次元架橋されているため、溶剤に対する耐性が高く、溶剤は広範な範囲の中から選択される。
素子の発光効率を向上させるとともに発光色を変える目的で、例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体をホスト材料として、クマリン等のレーザ用蛍光色素をドープすること(J. Appl.Phys.,65巻,3610頁,1989年)等が行われている。この方法の利点は、1)高効率の蛍光色素により発光効率が向上する、2)蛍光色素の選択により発光波長が可変する、3)濃度消光を起こす蛍光色素を使用してもよい、4)薄膜性の悪い蛍光色素を使用してもよい、等が挙げられる。素子の駆動寿命を改善する目的においても、前記発光層材料をホスト材料として、蛍光色素をドープすることは有効である。例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体をホスト材料として、ルブレンに代表されるナフタセン誘導体(特開平4−335087号公報)、キナクリドン誘導体(特開平5−70773号公報)、ペリレン等の縮合多環芳香族環(特開平5−198377号公報)を、ホスト材料に対して 0.1質量%以上10質量%以下ドープすることにより、素子の発光特性、特に駆動安定性を大きく向上させてもよい。
発光層25のホスト材料に上記ナフタセン誘導体、キナクリドン誘導体、ペリレン等の蛍光色素をドープする方法としては、共蒸着による方法と蒸着源を予め定めた濃度で混合しておく方法がある。高分子系の発光層材料としては、先に挙げたポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ(3−アルキルチオフェン)等の高分子材料や、ポリビニルカルバゾール等の高分子に発光材料と電子移動材料を混合した系等が挙げられる。これらの材料は正孔注入層と同様にスピン塗布や浸漬塗布等の方法により正孔注入層23上に塗布して薄膜形成され、塗布法を用いる場合、正孔注入層23を実質的に溶解しない溶剤を用いることが望ましいが、本実施形態においては、下層が三次元架橋されているため、溶剤に対する耐性が高く、溶剤は広範な範囲の中から選択される。
このようにして形成される発光層25の膜厚は、通常10nm以上200nm以下、望ましくは30nm以上100nm以下である。素子の発光特性を向上させるために、図8に示すように、正孔輸送層24を正孔注入層23と発光層25との間に設けたり、さらには、図9に示す様に電子輸送層26を発光層25と陰極27との間に設けるなど機能分離型にすることが行われる。
図8及び図9に示す機能分離型素子において、正孔輸送層24の構成材料としては、正孔注入層23からの正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送する材料であることが必要である。そのためには、イオン化ポテンシャルが小さく、しかも正孔移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが要求される。このような正孔輸送材料としては、例えば、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン等の3級芳香族アミンユニットを連結した芳香族ジアミン化合物(特開昭59−194393号公報)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルで代表される2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族アミン(特開平5−234681号公報)、トリフェニルベンゼンの誘導体でスターバースト構造を有する芳香族トリアミン(米国特許第4,923,774号)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族ジアミン(米国特許第4,764,625号)、分子全体として立体的に非対称なトリフェニルアミン誘導体(特開平4−129271号公報)、ピレニル基に芳香族ジアミノ基が複数個置換した化合物(特開平4−175395号公報)、エチレン基で3級芳香族アミンユニットを連結した芳香族ジアミン(特開平4−264189号公報)、スチリル構造を有する芳香族ジアミン(特開平4−290851号公報)、チオフェン基で芳香族3級アミンユニットを連結したもの(特開平4−304466号公報)、スターバースト型芳香族トリアミン(特開平4−308688号公報)、ベンジルフェニル化合物(特開平4−364153号公報)、フルオレン基で3級アミンを連結したもの(特開平5−25473号公報)、トリアミン化合物(特開平5−239455号公報)、ビスジピリジルアミノビフェニル(特開平5−320634号公報)、N,N,N−トリフェニルアミン誘導体(特開平6−1972号公報)、フェノキサジン構造を有する芳香族ジアミン(特開平7−138562号公報)、ジアミノフェニルフェナントリジン誘導体(特開平7−252474号公報)、シラザン化合物(米国特許第4,950,950号公報)、シラナミン誘導体(特開平6− 49079号公報)、ホスファミン誘導体(特開平6−25659号公報)等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いてもよいし、必要に応じて、2種以上を混合して用いてもよい。上記の化合物以外に、正孔輸送層24の構成材料としては、ポリビニルカルバゾールやポリシラン、ポリフォスファゼン(特開平5−310949号公報)、ポリアミド(特開平5−310949号公報)、ポリビニルトリフェニルアミン(特開平7−53953号公報)、トリフェニルアミン骨格を有する高分子(特開平4−133065号公報)、芳香族アミンを含有するポリメタクリレート等の高分子材料が挙げられる。
正孔輸送層24は上記の正孔輸送材料を塗布法あるいは真空蒸着法により前記正孔注入層23上に積層することにより形成される。塗布法の場合は、正孔輸送材料の1種又は2種以上に、必要により正孔のトラップにならない結着樹脂や塗布性改良剤などの添加剤とを添加し、溶解して塗布溶液を調製し、スピン塗布法などの方法により正孔注入層23上に塗布し、乾燥して正孔輸送層24を形成する。塗布法を用いる場合、正孔注入層23を実質的に溶解しない溶剤を用いることが望ましいが、本実施形態においては、下層が三次元架橋されているため、溶剤に対する耐性が高く、溶剤は広範な範囲の中から選択される。
ここで、結着樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等が挙げられる。結着樹脂は添加量が多いと正孔移動度を低下させるので、少ない方が望ましく、通常50重量%以下が望ましい。真空蒸着法の場合には、正孔輸送材料を真空容器内に設置されたルツボに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度にまで排気した後、ルツボを加熱して、正孔輸送材料を蒸発させ、ルツボと向き合って置かれた、陽極22および正孔注入層23が形成された基板21上に正孔輸送層24を形成する。このようにして形成される正孔輸送層24の膜厚は、通常10nm以上300nm以下、望ましくは30nm以上100nm以下である。このように薄い膜を一様に形成するためには、一般に真空蒸着法がよく用いられる。
また、電子輸送層26に用いられる化合物には、陰極からの電子注入が容易で、電子の輸送能力がさらに大きいことが要求される。このような電子輸送材料としては、既に発光層材料として挙げた8−ヒドロキシキノリンのアルミ錯体、オキサジアゾール誘導体(Appl.Phys.Lett.,55巻,1489頁,1989年) やそれらをポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の樹脂に分散した系、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛等が挙げられる。電子輸送層26の膜厚は、通常5nm以上200nm以下、望ましくは10nm以上100nm以下である。
陰極27は、発光層25に電子を注入する役割を果たす。陰極27として用いられる材料は、前記陽極22に使用される材料を用いてもよいが、効率よく電子注入を行なうには、仕事関数の低い金属が望ましく、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属又はそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。陰極27の膜厚は通常、陽極22と同様である。低仕事関数金属から成る陰極を保護する目的で、この上にさらに、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層することは素子の安定性を増す上で有効である。この目的のために、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。さらに、陰極27と発光層25又は電子輸送層26の界面にLiF、MgF、LiO等の極薄絶縁膜(0.1nm以上5nm以下)を挿入することも、素子の効率を向上させる有効な方法である(Appl.Phys.Lett.,70巻,152頁,1997年;特開平10− 74586号公報;IEEE Trans.Electron.Devices,44巻,1245頁,1997年)。
図7乃至図9は、本実施形態で採用される素子構造の一例であって、本実施形態は何ら図示のものに限定されるものではない。例えば、図7とは逆の構造、即ち、基板21上に陰極27、発光層25、正孔注入層23、陽極22の順に積層してもよく、既述したように少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に本実施形態の有機電界発光素子を設けてもよい。同様に、図8及び図9に示したものについても、前記各構成層を逆の構造に積層してもよい。さらにこの素子の寿命を高めるため、樹脂あるいは金属等の材料で封じ、大気や水より保護する封止層を形成することや、素子自体を真空系中で動作させる構造とすることが効果的である。
以下、実施例について具体的に説明するが,本発明はこれらに限定されるものではない。
(合成例1:CTP−1の合成)
500mlフラスコに、重合後に(1)−13となる下記構造式(1)−13’で表される化合物 40重量部と、下記構造式(B)で表される化合物 10重量部をトルエン100mlに溶解し、アゾイソブチロニトリル(AIBN)0.3重量部を加えた。反応系を十分に窒素置換したのち、密閉し、80℃で10時間反応させた。反応後、メタノール4000mlに注入し、得られたポリマーをろ過、洗浄後、乾燥して45重量部のCTP−1前駆体を得た。
得られたCTP−1前駆体45重量部をジメチルアセトアミド200mlに溶解し、窒素置換した後、トリエチルアミン 7.5重量部をゆっくりと加え、添加終了後、室温で24時間反応させた。反応終了後、トルエン200mlを加え、水1000mlに注入し、洗浄した。有機層を中性になるまで十分に水洗した後、メタノール2000mlに滴下し、得られたポリマーをメタノールで洗浄、乾燥してCTP−1を39重量部得た。CTP−1の分子量Mwはスチレン換算で約85000であり、IRスペクトルを図10に示す。
(合成例2:CTP−3の合成)
500mlフラスコに、重合後に(1)−25となる下記構造式(1)−25’で表される化合物 40重量部と、下記構造式(B)で表される化合物 10重量部をトルエン200mlに溶解し、アゾイソブチロニトリル(AIBN)0.3重量部を加えた。反応系を十分に窒素置換したのち、密閉し、80℃で10時間反応させた。反応後、メタノール4000mlに注入し、得られたポリマーをろ過、洗浄後、乾燥して45重量部のCTP−3前駆体を得た。得られたCTP−3前駆体45重量部をジメチルアセトアミド200mlに溶解し、窒素置換した後、トリエチルアミン、7.5重量部をゆっくりと加え、添加終了後、室温で24時間反応させた。反応終了後、トルエン200mlを加え、水1000mlに注入し、洗浄した。有機層を中性になるまで十分に水洗した後、メタノール2000mlに滴下し、得られたポリマーをメタノールで洗浄、乾燥してCTP−3を43重量部得た。CTP−3の分子量Mwはスチレン換算で約35000であり、IRスペクトルを図11に示す。
上記合成例1、2と同様にして合成した各電荷輸送性ポリマー(CTP)の例を下記表1に示す。
[実施例1]
<感光体の作製>
(下引層の作製)
酸化亜鉛:(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m/g)100質量部をテトラヒドロフラン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM503:信越化学工業社製)1.3質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
前記シランカップリング剤によって表面処理を施した酸化亜鉛110質量部を500質量部のテトラヒドロフランと攪拌混合し、アリザリン1.0質量部を50質量部のテトラヒドロフランに溶解させた溶液を添加し、50℃にて5時間攪拌した。その後、減圧ろ過にてアリザリンを付与させた酸化亜鉛を濾別し、さらに60℃で減圧乾燥を行いアリザリン付与酸化亜鉛を得た。
このアリザリン付与酸化亜鉛60質量部と硬化剤(ブロック化イソシアネート、スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)13.5質量部とブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学社製)15質量部をメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部とメチルエチルケトン25質量部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い分散液を得た。
得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、GE東芝シリコーン社製)45質量部を添加し、下引層形成用塗布液を得た。この塗布液を浸漬塗布法にて直径30mm、長さ340mm、肉厚1mmのアルミニウム基材上に塗布し、170℃、40分の乾燥硬化を行い厚さ18μmの下引層を得た。
(電荷発生層の作製)
電荷発生物質としてのCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜、16.0゜、24.9゜、及び28.0゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部、n−酢酸ブチル200質量部からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液にn−酢酸ブチル175質量部、メチルエチルケトン180質量部を添加し、攪拌して電荷発生層用の塗布液を得た。この電荷発生層用塗布液を下引層上に浸漬塗布し、常温で乾燥して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層の作製)
感光体の電荷輸送層をN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)45質量部及びビスフェノールZポリカーボネート樹脂(PC(Z):粘度平均分子量:6万)55質量部をクロルベンゼン800質量部に加えて溶解し、電荷輸送層形成用塗布液を得た。この塗布液を電荷発生層上に塗布し、130℃、45分の乾燥を行って膜厚が15μmの電荷輸送層を形成した。
(保護層の作製)
CTP−1を100質量部、OTazo−15(大塚化学、分子量354.4)2質量部をモノクロロベンゼン500質量部に溶解し、スプレー塗布にて電荷輸送層上に塗布した。室温で30分風乾した後、酸素濃度200ppmの窒素下で室温から10℃/分の速度で150℃まで昇温し、150℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚約10μmの保護層(最表面層)を形成して実施例1の感光体を作製した。
<画質の評価>
上述のようにして作製した電子写真感光体を富士ゼロックス社製、ApeosPort−III C4400に装着し、低温低湿(8℃、20%RH)及び高温高湿(28℃、85%RH)において、以下の評価を連続して行なった。
10000枚の画像形成テストを行い、10000枚目の画質評価(下記ゴースト、カブリ、スジ、画像流れ)を実施した後、低温低湿(8℃、20%RH)環境下で24時間放置した後の最初の1枚目の画質について画質評価を行った。その結果を表4に示した。
この低温低湿環境下での画質評価に続いて、高温高湿(28℃、85%RH)の環境下にて10000枚の画像形成テストを行なった。10000枚目の画質評価を実施した後、高温高湿(28℃、85%RH)環境下で24時間放置した後の最初の1枚目の画質について画質評価を行った。その結果を表5に示した。
(ゴースト評価)
ゴーストは、図6(A)に示したGと画像濃度50%の灰色領域を有するパターンのチャートをプリントし、50%の灰色部分にGの文字の現れ具合を目視にて評価した。
A:図6(A)のように良好又は軽微である。
B:図6(B)のように若干目立つ程度である
C:図6(C)のようにはっきり確認される。
(カブリ評価)
カブリ評価は上述のゴースト評価と同じサンプルを用いて白地部のトナー付着程度を目視にて観察し判断した。
A:良好。
B:うっすらとカブリあり。
C:画質上問題となるカブリあり。
(スジ評価)
スジ評価は上述のゴースト評価と同じサンプルを用いて目視にて判断した。
A:良好。
B:部分的にスジの発生あり。
C:画質上問題となるスジ発生。
(画像流れ評価)
画像流れは上述のゴースト評価と同じサンプルを用いて目視にて判断した。
A:良好。
B:連続的にプリントテストしている時は問題ないが、1日(24時間)放置後に発生。
C:連続的にプリントテストしている時にも発生。
<保護層の接着性の評価>
保護層の接着性は、画像形成テスト後の感光体に2mm角で5×5個の切れ目をカッターナイフで付け、3M社製メンディングテープを貼り付け、剥離した時の残存数で評価した。その結果を表4に示した。
A:21個以上残存。
B:11個以上20個以下残存。
C:10個以下残存。
<保護層の磨耗量の評価>
初期の感光体膜厚と、高温高湿(28℃、85%RH)環境下での画像形成テストを終了した後の膜厚を渦電流測定装置(フィッシャースコープMMS)にて測定し、磨耗量を評価した。
[実施例2]
下引層から電荷輸送層までは実施例1と同様に作製した。
(保護層の作製)
100質量部のCTP−1を、モノクロロベンゼン500質量部に溶解し、スプレー塗布にて電荷輸送層上に塗布した。室温で30分風乾した後、酸素濃度100ppmの窒素下で室温から10℃/分の速度で165℃まで昇温し、165℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚約14μmの保護層を形成して実施例2の感光体を作製した。
[実施例3]
下引層から電荷輸送層までは実施例1と同様に作製した。
(保護層の作製)
CTP−1を100質量部、A−BPE−300(新中村化学社製)20質量部をモノクロロベンゼン500質量部に溶解し、スプレー塗布にて電荷輸送層上に塗布した。室温で30分風乾した後、酸素濃度100ppmの窒素下で室温から10℃/分の速度で165℃まで昇温し、165℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚約8μmの保護層を形成して実施例3の感光体を作製した。
[実施例4]
下引層から電荷輸送層までは実施例1と同様に作製した。
(保護層の作製)
CTP−1を60質量部、TPDを20質量部、A−16を20質量部、VE−73(和光純薬社製)2質量部をモノクロロベンゼン500質量部に溶解し、スプレー塗布にて電荷輸送層上に塗布した。室温で30分風乾した後、酸素濃度100ppmの窒素下で室温から10℃/分の速度で150℃まで昇温し、150℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚約10μmの保護層を形成して実施例4の感光体を作製した。
[実施例5]
下引層から電荷輸送層までは実施例1と同様に作製した。
(保護層の作製)
CTP−1を60質量部、TPDを20質量部、A−16を10質量部、PC(Z)を10質量部、VE−73(和光純薬社製)2質量部をモノクロロベンゼン500質量部に溶解し、スプレー塗布にて電荷輸送層上に塗布した。室温で30分風乾した後、酸素濃度100ppmの窒素下で室温から10℃/分の速度で150℃まで昇温し、150℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚約15μmの保護層を形成して実施例5の感光体を作製した。
[実施例6]
下引層から電荷輸送層までは実施例1と同様に作製した。
(保護層の作製)
CTP−1を60質量部、TPDを20質量部、A−16を10質量部、PC(Z)を10質量部、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)を1質量部、VE−73(和光純薬社製)2質量部をモノクロロベンゼン500質量部に溶解し、スプレー塗布にて電荷輸送層上に塗布した。室温で30分風乾した後、酸素濃度100ppmの窒素下で室温から10℃/分の速度で150℃まで昇温し、150℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚約13μmの保護層を形成して実施例6の感光体を作製した。
[実施例7]
下引層から電荷輸送層までは実施例1と同様に作製した。
(保護層の作製)
CTP−1を60質量部、A−BPE−300(新中村化学社製)、PTFE(ルブロンL−2:ダイキン社製)10質量部をモノクロロベンゼン500質量部に溶解し、ナノマイザーTL−1500(ナノマイザー社製)にて3パス分散を行った。分散液にVE−73(和光純薬社製)2質量部を加え、スプレー塗布にて電荷輸送層上に塗布した。室温で30分風乾した後、酸素濃度100ppmの窒素下で室温から10℃/分の速度で150℃まで昇温し、150℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚約10μmの保護層を形成して実施例7の感光体を作製した。
[実施例8]
電荷輸送層に使用する材料として、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)25質量部、下記構造の電荷輸送材料20質量部を用いた以外は下引層から電荷輸送層まで実施例1と同様に作製した。
(保護層の作製)
CTP−1を60質量部、A−TMMT(新中村化学社製)20質量部、VE−73(和光純薬社製)2質量部をモノクロロベンゼン500質量部に溶解し、スプレー塗布にて電荷輸送層上に塗布した。室温で30分風乾した後、酸素濃度100ppmの窒素下で室温から10℃/分の速度で150℃まで昇温し、150℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚約8μmの保護層を形成して実施例8の感光体を作製した。
[実施例9]
保護層に用いる材料をCTP−2とした以外は実施例3と同様に実施例9の感光体を作製した。
[実施例10]
CTP−1に変えてCTP−2を60質量部、A−TMMTに変えてABE−300を20質量部、VE−73に変えてOTazo−15を2質量部を用いた以外は実施例8と同様に実施例10の感光体を作製した。
[実施例11、12]
CTP−1を表2のように変えた以外は実施例7と同様に実施例11、12の感光体を作製した。
[実施例13乃至16]
CTP−1を表2、表3のように変えた以外は実施例8と同様に実施例13乃至16の感光体を作製した。
[実施例17乃至20]
CTP−1を表3のように変えた以外は実施例10と同様に実施例17乃至20の感光体を作製した。
[実施例21]
CTP−1をCTP−5に変えた以外は実施例1と同様に実施例21の感光体を作製した。
[実施例22]
CTP−1をCTP−3に変えた以外は実施例2と同様に実施例22の感光体を作製した。
[実施例23]
CTP−1をCTP−3に変えた以外は実施例5と同様に実施例23の感光体を作製した。
[実施例24]
CTP−2をCTP−8、ABE−300をA−50に変えた以外は実施例10と同様に実施例24の感光体を作製した。
[実施例25]
下引層から電荷輸送層までは実施例8と同様に作製した。
(保護層の作製)
CTP−9を60質量部、A-TMMTを20質量部、MDPS(三菱化学社製)を1質量部、VE−73(和光純薬社製)2質量部をモノクロロベンゼン500質量部に溶解し、スプレー塗布にて電荷輸送層上に塗布した。室温で30分風乾した後、酸素濃度100ppmの窒素下で室温から10℃/分の速度で150℃まで昇温し、150℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚約12μmの保護層を形成して実施例25の感光体を作製した。
[比較例1]
保護層を形成しない以外は実施例1と同様にして比較例1の感光体とした。
[比較例2]
500mlフラスコに、重合後に(1)−13となる下記構造式(1)−13’で表される化合物50重量部をトルエン100mlに溶解し、アゾイソブチロニトリル(AIBN)0.3重量部を加えた。反応系を十分に窒素置換したのち、密閉し、80℃で10時間反応させた。反応後、メタノール4000mlに注入し、得られたポリマーをろ過、洗浄後、乾燥して45重量部の反応性基を持たない電荷輸送性ポリマー(P−1)を得た。
この電荷輸送性ポリマー50質量部をモノクロロベンゼン300質量部に溶解し、スプレー塗布にて電荷輸送層上に塗布した。室温で30分風乾した後、150℃で1時間加熱処理し、膜厚約10μmの保護層を形成して比較例2の感光体を作製した。
[比較例3、4]
下記構造の化合物100質量部、グリシジルメタクリレート100質量部、アゾビスイソブチロニトリル2質量部、トルエン460質量部を3つ口フラスコに仕込み、室温で30分間窒素置換した。75℃に加熱して7時間反応させた後、トルエン200質量部で希釈して反応を終了させた。この反応液にアクリル酸28質量部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.4質量部、トリフェニルホスフィン1質量部を加え90℃で7時間反応させた後、トルエン2000質量部で希釈しメタノール15000質量部に注入して析出させた。このポリマーをろ過し、メタノールで洗浄した後、真空乾燥して特開2005−2291号公報実施例1記載の反応性電荷輸送性ポリマーを205質量部得た(P−2)。GPCでのポリスチレン換算分子量Mwは約18000であった。
実施例1及び実施例8のCTP−1の代わりにこの反応性電荷輸送性ポリマーを用いた以外は実施例1、8とそれぞれ同様にして比較例3、4の感光体を作製した。
この感光体を用いて実施例1と同様の評価を行ったが、低温低湿、高温高湿とも画像書き込み後の電位が十分に低下せず、画像濃度が低く、画質的に問題があった。
有機EL素子
[実施例26]
厚さ150nmのITO膜を設けたガラス基板を、プラズマ洗浄機(サムコインターナショナル社製、BP1)を用い、酸素プラズマにて30秒間洗浄した。1質量部のCTP−3をジクロロメタン20質量部に溶解した溶液を、回転数300rpmでスピン塗布したのち、160℃で1時間加熱し、硬化することにより、膜厚600nm(触針膜厚計にて測定)の正孔注入層を形成した。次に、この正孔注入層上に、発光層の材料としてトリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)を50nmの厚さに真空蒸着したのち、マグネシウム・銀合金陰極を200nmの厚さに蒸着し、有機EL素子を作製した。この素子のITO電極を陽極とし、マグネシウム・銀合金電極を陰極として、直流7Vを印加して、電流電圧特性を求めるとともに、輝度及び効率を測定した。さらに、1000時間動作後の輝度を測定し、その結果を表6に示す。
また、有機EL素子は、ディスプレイや、レーザーに利用する場合には、高電流注入が必要となる。したがって、250mA/cm2の電流注入に必要な電圧を測定した。その結果を表6に示す。
[実施例27,28]
実施例26のCTP−3をそれぞれCTP−1、CTP−10に変えた以外は実施例26と同様に実施例27、28の有機EL素子を作製し、評価した。その結果を表6に示す。
[比較例5]
実施例26のCTP−3硬化膜の代わりにTPDを膜厚600nmで真空蒸着した正孔注入層を用いた以外は実施例26と同様に評価した。結果を表6に示す
上記表2乃至表6に示すように、実施例の電子写真感光体は、長期間に渡って繰り返し使用後における画質の低下が抑えられている。また、実施例の有機EL素子は、長期に渡って安定した発光特性が得られる。
1…下引層、2…電荷発生層、3…電荷輸送層、4…導電性基体、5…保護層、6…単層型感光層、7A,7B,7C,7…電子写真感光体、8…帯電装置、9…露光装置、11…現像装置、13…クリーニング装置、14…潤滑材、21…基板、22…陽極、23…正孔注入層、24…正孔輸送層、25…発光層、26…電子輸送層、27…陰極、40…転写装置、50…中間転写体、100…画像形成装置、120…画像形成装置、300…プロセスカートリッジ。

Claims (10)

  1. 下記一般式(1’)及び(2’)によりそれぞれ表される部分構造を含むポリマー(a)を含有する有機化合物層を備えた光電変換装置。


    〔式中、R、R、Rは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Xは炭素数1以上20以下の2価の有機基を表し、Y’は炭素数1以上10以下の2価の有機基を表し、a、bはそれぞれ独立して0又は1を表し、CTは電荷輸送性骨格を持つ有機基を表す。〕
  2. 前記ポリマー(a)が架橋している請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 前記ポリマー(a)が下記一般式(3)で表される請求項1又は請求項2に記載の光電変換装置。


    〔式中、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Xは炭素数1以上20以下の2価の有機基を表し、Y’は炭素数1以上10以下の2価の有機基を表し、a、bはそれぞれ独立して0又は1を表し、CTは電荷輸送性骨格を持つ有機基を表す。m、nはそれぞれ5以上の整数を表し、10<m+n<2000、かつ、0.2<m/(m+n)<0.95の範囲である。〕
  4. 前記電荷輸送性骨格を持つ有機基CTが、トリアリールアミン骨格を有する請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の光電変換装置。
  5. 前記有機化合物層が、前記ポリマー(a)と反応する多官能モノマーを含有する請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の光電変換装置。
  6. 前記多官能モノマーが、同一分子中に2つ以上のアクリロイル基もしくはメタクリロイル基又はその誘導体を有する電荷輸送性化合物(α)である請求項5に記載の光電変換装置。
  7. 前記電荷輸送性化合物(α)が、下記一般式(A)で表される化合物である請求項6に記載の光電変換装置。


    〔式中、Ar乃至Arは各々独立に置換又は未置換のアリール基を表し、Arは置換もしくは未置換のアリール基又は置換もしくは未置換のアリーレン基を表し、Dは末端にアクリロイル基もしくはメタクリロイル基又はその誘導体を有する基を表し、c1乃至c5は各々独立に0、1又は2を表し、kは0又は1を表し、Dの総数は2以上6以下である。〕
  8. 導電性基体と、
    前記導電性基体上に配置された前記有機化合物層と、を備えた請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の光電変換装置である電子写真感光体。
  9. 請求項8に記載の電子写真感光体を有し、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  10. 請求項8に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電装置と、
    帯電された前記電子写真感光体の表面を露光して該表面に静電潜像を形成する露光装置と、
    前記静電潜像を現像剤で現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記トナー像を被転写媒体に転写する転写装置と、
    を備える画像形成装置。
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