JP3150330B2 - 有機薄膜素子 - Google Patents

有機薄膜素子

Info

Publication number
JP3150330B2
JP3150330B2 JP25124090A JP25124090A JP3150330B2 JP 3150330 B2 JP3150330 B2 JP 3150330B2 JP 25124090 A JP25124090 A JP 25124090A JP 25124090 A JP25124090 A JP 25124090A JP 3150330 B2 JP3150330 B2 JP 3150330B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
organic thin
organic
film
derivative
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25124090A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04129271A (ja
Inventor
勝之 内藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP25124090A priority Critical patent/JP3150330B2/ja
Publication of JPH04129271A publication Critical patent/JPH04129271A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3150330B2 publication Critical patent/JP3150330B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/549Organic PV cells

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は有機薄膜素子に用いられる有機薄膜に関す
る。
(従来の技術) 近年、有機物の薄膜を用いた各種電子デバイスの研究
が盛んに行われている。その中でも、アモルファス薄膜
は、結晶粒界がないことに起因して、透明性、均一性、
及び安定性に優れているため、特に重要である。
例えば、電子写真に用いられる有機感光体薄膜には、
アモルファス高分子中に電荷発生剤や電荷輸送剤を均一
に分散又は溶解させたアモルファス薄膜が用いられてい
る。また、ラングミュア・ブロジェット膜(LB膜)に代
表される有機物の超薄膜においても、アモルファスポリ
マーやアモルファス色素からなるLB膜は、結晶性の脂肪
酸LB膜よりも均一であり、絶縁超薄膜としての性質に優
れていることが知られている(例えば、特開昭63−1662
61号公報)。更に、最近、有機物の蒸着膜を用いたエレ
クトロルミネセンス(EL)素子も開発されている(例え
ば、特開昭57−51781号公報、特開昭59−194393号公
報、特開昭63−295695号公報)。有機EL素子では、印加
電圧を低くするために数100Åの膜厚の薄膜が必要であ
るが、上部電極の蒸着プロセスに耐え、素子の動作安定
性を向上するためにアモルファス薄膜が用いられてい
る。
有機電子写真、有機EL素子、有機光電池、有機整流素
子などの素子には、電子や正孔を効率よく輸送すること
ができる有機薄膜が必要である。しかし、これまでポリ
マーを用いた薄膜材料を除いては、低分子材料で電子デ
バイス用アモルファス薄膜として実用化されたものはほ
とんどない。これは、素子形成直後には均一なアモルフ
ァス状態であっても、低分子材料がしだいに結晶化し、
不均一化することが最も大きな原因の一つである。例え
ば、種々のトリフェニルアミン誘導体やp−ジフェノキ
ノン誘導体は優れた電荷輸送能を有することが知られて
いる。しかし、従来知られているこれらの材料を用いた
場合には、均一でかつ安定なアモルファス有機薄膜は得
られていなかった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、均一で安定なアモルファス有機薄膜
を提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段と作用) 本発明の有機薄膜素子は、有機薄膜からなるp型半導
体層および有機薄膜からなるn型半導体層を積層した構
造を有する有機薄膜素子において、前記p型半導体層
が、3つのフェニル基の置換基が互いに異なるトリフェ
ニルアミン骨格を2つ以上有し、かつ2つ以上のトリフ
ェニルアミン骨格が互いに異なり、分子全体として立体
的に非対称なトリフェニルアミン誘導体からなり、前記
n型半導体層が、分子全体として立体的に非対称なp−
ジフェノキノン誘導体からなることを特徴とする。
本発明の他の有機薄膜素子は、発光層または電荷発生
層の両面にそれぞれ有機薄膜からなるp型半導体層およ
び有機薄膜からなるn型半導体層を積層した構造を有す
る有機薄膜素子において、前記p型半導体層が、3つの
フェニル基の置換基が互いに異なるトリフェニルアミン
骨格を2つ以上有し、かつ2つ以上のトリフェニルアミ
ン骨格が互いに異なり、分子全体として立体的に非対称
なトリフェニルアミン誘導体からなり、前記n型半導体
層が、分子全体として立体的に非対称なp−ジフェノキ
ノン誘導体からなることを特徴とする。
本発明において、分子全体として立体的に非対称とい
う意味は、立体的に対称軸などの対称要素を持っていな
いということであるう。一般に、対称要素が多い分子例
えばベンゼンと、それより対称要素の少ない分子例えば
トルエンとを比較すると、後者の方が前者よりも結晶性
が低い。化学構造が同じポリマーについても、対称要素
の多い立体規則性ポリマーと、対称要素が少ないポリマ
ーとを比較すると、後者の方が前者よりも結晶性が低
い。これらと同様に、本発明において用いられるトリフ
ェニルアミン誘導体又はp−ジフェノキノン誘導体は、
従来知られている対称要素を有するトリフェニルアミン
誘導体又はp−ジフェノキノン誘導体や、トリフェニル
アミン誘導体のうち分子全体では対称要素を持っていな
いが同一の置換基が導入されたフェニル基を有し部分的
に対称性のよいものと比較して、結晶性が低下してアモ
ルファス状態が安定になる。なお、一般に分子の対称性
が低下すると、融点の低下などにより熱的耐性が低下す
る傾向があるが、本発明に係るトリフェニルアミン誘導
体は、トリフェニルアミン骨格を2つ以上有しているの
で、分子量の増加により熱的耐性の低下を回避できる。
また、置換基としてベンゼン骨格のような大きな基を導
入することにより、融点の低下を抑えることができる。
本発明において用いられる、(i)3つのフェニル基
の置換基が互いに異なるトリフェニルアミン骨格を2つ
以上有し、かつ2つ以上のトリフェニルアミン骨格が互
いに異なり、分子全体として立体的に非対称なトリフェ
ニルアミン誘導体、(ii)分子全体として立体的に非対
称なp−ジフェノキノン誘導体の具体例を以下に例示す
る。
本発明のアモルファス有機薄膜は、基本的には単層膜
として用いることができる。トリフェニルアミン誘導体
とp−ジフェノキノン誘導体とは、単独で用いてもよい
し、両者を混合して用いてもよい。ただし、デバイスに
応用する場合には、本発明のアモルファス有機薄膜と、
別の機能を有する他の有機薄膜とを組み合わせて多層構
造とすることが好ましい。アモルファス状態を安定に保
つためには、有機薄膜中にアモルファス高分子を含有す
ることが好ましい。この場合、膜の電荷輸送機能をあま
り低下させないために、ポリマーの含有量は50重量%以
下であることが好ましい。
本発明の有機薄膜の製造方法としては、通常の方法を
適用することができる。具体的には、キャスト法、蒸着
法、LB法、水面展開法、電解法などが挙げられる。これ
らのうちでも、蒸着法は簡便であり、特に多層構造膜を
作製する場合に優れた方法である。
本発明に係る各誘導体のうち、トリフェニルアミン誘
導体は正孔輸送剤(p型半導体)として、p−ジフェノ
キノン誘導体は電子輸送剤(n型半導体)としてそれぞ
れ機能する。これらは、無機半導体と比較すると、電荷
の移動度が小さい。このため良好な素子特性を得るため
には、有機薄膜の膜厚を薄くし、電荷の移動距離を小さ
くする必要がある。本発明の有機薄膜は、薄くても均一
でピンホールが少ないなどの利点があるため、こうした
要求に有効に応じることができる。
本発明の有機薄膜は、各種の有機薄膜素子の構成要素
として用いることができる。以下、これらの有機薄膜素
子の動作原理を簡単に説明する。
有機エレクトロルミネセンス素子 蛍光色素を含む発光層とトリフェニルアミン誘導体を
含む正孔輸送層もしくはp−ジフェノキノン誘導体を含
む電子輸送層との2層構造からなる有機薄膜、又はトリ
フェニルアミン誘導体を含む正孔輸送層とp−ジフェノ
キノン誘導体を含む電子輸送層との間に蛍光色素を含む
発光層を有する3層構造からなる有機薄膜を、少なくと
も一方が透明電極である1対の電極で挟んだ構造を有し
ている。
いずれの構造でも、電子又は/及び正孔が発光層に注
入されて再結合することにより、発光が生じる。正孔輸
送層及び電子輸送層は、注入確率を増大させる作用を有
する。
有機太陽電池素子 可視光線を吸収して電子及び正孔を生じる色素を含む
電荷発生層とトリフェニルアミン誘導体を含む正孔輸送
層もしくはp−ジフェノキノン誘導体を含む電子輸送層
との2層構造からなる有機薄膜、又はトリフェニルアミ
ン誘導体を含む正孔輸送層とp−ジフェノキノン誘導体
を含む電子輸送層との間に電荷発生層を有する3層構造
からなる有機薄膜を、少なくとも一方が透明電極である
1対の電極で挟んだ構造を有している。
正孔輸送層及び電子輸送層は、発生した電子及び正孔
が再結合するのを防止し、電荷分離を効率よく行わせ
て、光電変換効率を増大させる作用を有する。
電子写真用有機感光体 金属上に、可視光線を吸収して電子と正孔とを生じる
色素を含む電荷発生層とトリフェニルアミン誘導体を含
む正孔輸送層もしくはp−ジフェノキノン誘導体を含む
電子輸送層との2層構造からなる有機薄膜を形成した構
造を有する。
正孔輸送層を用いた場合には、コロナ放電などにより
薄膜の表面をマイナスに帯電させる。記録光を入射する
と、光が照射された部分だけ電子と正孔が発生する。正
孔輸送層では正孔が効率よく薄膜表面に輸送され、マイ
ナス電荷が打ち消される。トナーを予めプラスに帯電さ
せて、光が照射されない部分にのみトナーを付着させ、
これを紙に転写することにより印刷することができる。
電子輸送層を用いた場合には、薄膜の表面をプラスに帯
電させる。記録光を入射すると、光が照射された部分だ
け電子と正孔が発生する。電子輸送層では電子が効率よ
く薄膜表面に輸送され、プラス電荷が打ち消される。ト
ナーを予めマイナスに帯電させて、光が照射されない部
分にのみトナーを付着させ、これを紙に転写することに
より印刷することができる。この場合、トリフェニルア
ミン誘導体とp−ジフェノキノン誘導体とが、立体障害
などにより電荷移動相互作用を起こさないものであれ
ば、両者の混合膜をプラス帯電及びマイナス帯電のいず
れでも動作する感光体を形成することができる。
有機整流素子 トリフェニルアミン誘導体を含む正孔輸送層(p型半
導体)とp−ジフェノキノン誘導体を含む電子輸送層
(n型半導体)の2層構造からなる有機薄膜を、1対の
電極で挟んだ構造を有する。
無機半導体のpn接合と同様に、電子又は正孔が輸送さ
れることから整流作用が生じる。無機半導体と同様に、
正孔輸送層にアクセプターを、電子輸送層にドナーを少
量ドーピングすることにより、電流密度を増加させるこ
とができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を説明する。
実施例1 10-6Torrの真空下、抵抗加熱により、石英ガラス上
に、前述したトリフェニルアミン誘導体TPA−1を蒸着
し、膜厚300Åの薄膜を形成した。膜厚は水晶振動子を
用いて制御した。この薄膜は均一で透明であった。この
薄膜を窒素気流下、室温で3か月放置した後、顕微鏡観
察及び散乱光測定を行った。その結果、不均一構造は全
く認められず、均一なアモルファス膜であることがわか
った。
実施例2 10-6Torrの真空下、抵抗加熱により、石英ガラス上
に、前述したp−ジフェノキノン誘導体DPQ−1を蒸着
し、膜厚300Åの薄膜を形成した。膜厚は水晶振動子を
用いて制御した。この薄膜は均一で透明であった。この
薄膜を窒素気流下、室温で3か月放置した後、顕微鏡観
察及び散乱光測定を行った。その結果、不均一構造は全
く認められず、均一なアモルファス膜であることがわか
った。
実施例3 10-6Torrの真空下、抵抗加熱により、石英ガラス上
に、前述したトリフェニルアミン誘導体TPA−1を蒸着
し、膜厚300Åの薄膜を形成した。更に、10-6Torrの真
空下、抵抗加熱により、トリフェニルアミン誘導体の薄
膜の上に、前述したp−ジフェノキノン誘導体DPQ−1
を蒸着し、膜厚300Åの薄膜を形成した。この2層膜を
窒素気流下、室温で3か月放置した後、顕微鏡観察及び
散乱光測定を行った。その結果、不均一構造は全く認め
られず、均一なアモルファス膜であることがわかった。
実施例4 前述したトリフェニルアミン誘導体TPA−1及び前述
したp−ジフェノキノン誘導体DPQ−1を別々のボート
に入れ、10-6Torrの真空下、抵抗加熱により、石英ガラ
ス上に蒸着し、膜厚300Åの薄膜を形成した。この際、
両者の蒸着速度が同一となるように、加熱温度を調節し
た。この混合膜を窒素気流下、室温で3か月放置した
後、顕微鏡観察及び散乱光測定を行った。その結果、不
均一構造は全く認められず、均一なアモルファス膜であ
ることがわかった。
実施例5 前述したトリフェニルアミン誘導体TPA−2とポリメ
チルメタクリレートとを等重量ずつクロロホルムに溶解
し、石英ガラス上にスピンコートして、膜2000Åの薄膜
を形成した。この薄膜を窒素気流下、室温で3か月放置
した後、顕微鏡観察及び散乱光測定を行った。その結
果、不均一構造は全く認められず、均一なアモルファス
膜であることがわかった。
実施例6 10-6Torrの真空下、抵抗加熱により、石英ガラス上
に、前述したトリフェニルアミン誘導体TPA−5を蒸着
し、膜厚300Åの薄膜を形成した。膜厚は水晶振動子を
用いて制御した。この薄膜は均一で透明であった。この
薄膜を窒素気流下、室温で3か月放置した後、顕微鏡観
察及び散乱光測定を行った。その結果、不均一構造は全
く認められず、均一なアモルファス膜であることがわか
った。
実施例7 10-6Torrの真空下、抵抗加熱により、石英ガラス上
に、前述したp−ジフェノキノン誘導体DPQ−2を蒸着
し、膜厚300Åの薄膜を形成した。膜厚は水晶振動子を
用いて制御した。この薄膜は均一で透明であった。この
薄膜を窒素気流下、室温で3か月放置した後、顕微鏡観
察及び散乱光測定を行った。その結果、不均一構造は全
く認められず、均一なアモルファス膜であることがわか
った。
実施例8 10-6Torrの真空下、抵抗加熱により、石英ガラス上
に、前述したトリフェニルアミン誘導体TPA−2を蒸着
し、膜厚300Åの薄膜を形成した。更に、10-6Torrの真
空下、抵抗加熱により、トリフェニルアミン誘導体の薄
膜の上に、前述したp−ジフェノキノン誘導体DPQ−2
を蒸着し、膜厚300Åの薄膜を形成した。この2層膜を
窒素気流下、室温で3か月放置した後、顕微鏡観察及び
散乱光測定を行った。その結果、不均一構造は全く認め
られず、均一なアモルファス膜であることがわかった。
比較例1 10-6Torrの真空下、抵抗加熱により、石英ガラス上
に、下記構造式(A)で表わされる対称要素を有するト
リフェニルアミン誘導体を蒸着し、膜厚300Åの薄膜を
形成した。膜厚は水晶振動子を用いて制御した。この薄
膜は均一で透明であった。この薄膜を窒素気流下、室温
で1か月放置した後、顕微鏡観察及び散乱光測定を行っ
た。その結果、散乱光が初期よりも増加し、顕微鏡で結
晶粒と思われる構造が観察され、薄膜が不均一になって
いることがわかった。
比較例2 10-6Torrの真空下、抵抗加熱により、石英ガラス上
に、下記構造式(B)で表わされる対称要素を有するp
−ジフェノキノン誘導体を蒸着し、膜厚300Åの薄膜を
形成した。膜厚は水晶振動子を用いて制御した。この薄
膜は均一で透明であった。この薄膜を窒素気流下、室温
で1か月放置した後、顕微鏡観察及び散乱光測定を行っ
た。その結果、散乱光が初期よりも増加し、顕微鏡で結
晶粒と思われる構造が観察され、薄膜が不均一になって
いることがわかった。
比較例3 10-6Torrの真空下、抵抗加熱により、石英ガラス上
に、下記構造式(C)で表わされる、分子全体としては
対称要素を持たないが2つのフェニル基がともにパラ位
にメチル基を有するトリフェニルアミン誘導体を蒸着
し、膜厚300Åの薄膜を形成した。膜厚は水晶振動子を
用いて制御した。この薄膜は均一で透明であった。この
薄膜を窒素気流下、室温で1か月放置した後、顕微鏡観
察及び散乱光測定を行った。その結果、散乱光が初期よ
りも増加し、顕微鏡で結晶粒と思われる構造が観察さ
れ、薄膜が不均一になっていることがわかった。
実施例9(有機EL素子) ガラス基板上に形成されたITO電極上に、前述したト
リフェニルアミン誘導体TPA−1を蒸着し、膜厚500Åの
正孔輸送層を形成した。この上に、8−ヒドロキシキノ
リンアルミニウムを蒸着し、膜厚300Åの発光層を形成
した。この上に、前述したp−ジフェノキノン誘導体DP
Q−1を蒸着し、膜厚500Åの電子輸送層を形成した。こ
の上に、面積0.2cm2のMg/Ag(原子比10:1)合金電極を
6個形成し、有機EL素子を作製した。
この有機EL素子を作製した直後に、6電極のうち3電
極について真空下において10Vの直流電圧を印加し、初
期輝度を測定した。その結果、いずれも200cd/cm2の輝
度を示した。この素子を、窒素気流中、室温で1か月放
置した後、残りの3電極について前記と同一の条件で初
期輝度を測定した。その結果、いずれも2000cd/cm2の輝
度を示し、保存による素子特性の劣化は認められなかっ
た。
実施例10(有機EL素子) トリフェニルアミン誘導体TPA−1の代わりに、トリ
フェニルアミン誘導体TPA−2を用いたことを除いては
実施例9と同様な方法で有機EL素子を作製した。
この有機EL素子を作製した直後に、6電極のうち3電
極について前記と同一の条件で初期輝度を測定した。そ
の結果、いずれも1800cd/cm2の輝度を示した。この素子
を、窒素気流中、室温で1か月放置した後、残りの3電
極について前記と同一の条件で初期輝度を測定した。そ
の結果、いずれも1800cd/cm2の輝度を示し、保存による
素子特性の劣化は認められなかった。
比較例4(有機EL素子) トリフェニルアミン誘導体TPA−1の代わりに、トリ
フェニルアミン誘導体(A)を用いたことを除いては実
施例9と同様な方法で有機EL素子を作製した。
この有機EL素子を作製した直後に、6電極のうち3電
極について前記と同一の条件で初期輝度を測定した。そ
の結果、いずれも1800cd/cm2の輝度を示した。この素子
を、窒素気流中、室温で1か月放置した後、残りの3電
極について前記と同一の条件で初期輝度を測定した。そ
の結果、100〜1000cd/cm2と輝度が低下してバラツキが
大きくなり、保存による素子特性の劣化は認められた。
実施例11(有機太陽電池素子) ガラス基板上に形成されたITO電極上に、前述したト
リフェニルアミン誘導体TPA−1を蒸着し、膜厚500Åの
正孔輸送層を形成した。この上に、銅フタロシアニンを
蒸着し、膜厚500Åの発光層を形成した。この上に、前
述したp−ジフェノキノン誘導体DPQ−1を蒸着し、膜
厚500Åの電子輸送層を形成した。この上に、面積0.2cm
2のAl電極を6個形成し、有機太陽電池素子を作製し
た。
この素子を作製した直後に、6電極のうち3電極につ
いて真空下においてガラス基板側から400nm以下の紫外
線をカットしたタングステンランプ光を照射し、初期光
電変換効率を測定した。その結果、いずれも1.2〜1.5%
の光電変換効率を示した。この素子を、窒素気流中、室
温で3か月放置した後、残りの3電極について前記と同
一の条件で初期光電変換効率を測定した。その結果、い
ずれも1.3〜1.5%の光電変換効率を示し、保存による素
子特性の劣化は認められなかった。
実施例12(有機太陽電池素子) p−ジフェノキノン誘導体DPQ−1の代わりに、p−
ジフェノキノン誘導体DPQ−2を用いたことを除いて
は、実施例11と同様な方法で有機太陽電池素子を作製し
た。
この素子を作製した直後に、6電極のうち3電極につ
いて前記と同一の条件で初期光電変換効率を測定した。
その結果、いずれも1.2〜1.4%の光電変換効率を示し
た。この素子を、窒素気流中、室温で3か月放置した
後、残りの3電極について前記と同一の条件で初期光電
変換効率を測定した。その結果、いずれも1.1〜1.4%の
光電変換効率を示し、保存による素子特性の劣化は認め
られなかった。
比較例5(有機太陽電池素子) p−ジフェノキノン誘導体DPQ−1の代わりに、p−
ジフェノキノン誘導体(B)を用いたことを除いては、
実施例11と同様な方法で有機太陽電池素子を作製した。
この素子を作製した直後に、6電極のうち3電極につ
いて前記と同一の条件で初期光電変換効率を測定した。
その結果、いずれも1.3〜1.4%の光電変換効率を示し
た。この素子を、窒素気流中、室温で3か月放置した
後、残りの3電極について前記と同一の条件で初期光電
変換効率を測定した。その結果、0.5〜1.0%と効率が低
下してバラツキが大きくなり、保存による素子特性の劣
化が認められた。
実施例13(電子写真用有機感光体) ガラス基板上に形成されたAl蒸着電極上に、溶媒キャ
スト法により銅フタロシアニンを分散させたポリカーボ
ネート膜を塗布して膜厚0.1μmの電荷発生層を形成し
た。この上に、溶媒キャスト法によりトリフェニルアミ
ン誘導体TPA−1(正孔輸送剤)及びp−ジフェノキノ
ン誘導体DPQ−1(電子輸送剤)を、それぞれ20重量%
及び30重量%の割合で含有するポリカーボネート膜を塗
布して膜厚10μmの薄膜を形成し、有機感光体を作製し
た。
この有機感光体を作製した直後に、正又は負に帯電さ
せ、波長630nmの単色光(0.4μW/cm2)を照射したとき
の表面帯電電位の減衰を測定した。その結果、正、負の
いずれに帯電した場合でも、約2cm2/μJの高感度を示
した。この有機感光体を、窒素気流中、室温で3か月放
置した後、前記と同一の条件で表面帯電電位の減衰を測
定した結果、保存による特性の劣化は認められなかっ
た。
実施例14(有機整流素子) ガラス基板上に形成されたAl蒸着電極上に、前述した
トリフェニルアミン誘導体TPA−1を蒸着し、膜厚200Å
の正孔輸送層を形成した。この上に、前述したp−ジフ
ェノキノン誘導体DPQ−1を蒸着し、膜厚200Åの電子輸
送層を形成した。この上に、面積0.2cm2のAl上部電極を
6個形成し、有機整流素子を作製した。
この素子を作製した直後に、真空下において光を遮断
して、電圧−電流曲線を測定した。その結果、6電極と
も上部電極側を負にした場合に電流が流れ、ほぼ同じ電
圧−電流曲線(整流特性)を示した。この素子を、窒素
気流中、室温で3か月放置した後、前記と同一の条件で
初期光電変換効率を測定した。その結果、6電極とも電
圧−電流曲線(整流特性)に変化はなく、保存による素
子特性の劣化は認められなかった。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明の有機薄膜は、均一でアモ
ルファス状態が安定であり、有機薄膜素子に適用した場
合に良好な特性を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 51/00 C09K 11/06 G03G 5/06 H01L 31/04 H05B 33/14 H05B 33/22 H01L 29/91 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機薄膜からなるp型半導体層および有機
    薄膜からなるn型半導体層を積層した構造を有する有機
    薄膜素子において、 前記p型半導体層が、3つのフェニル基の置換基が互い
    に異なるトリフェニルアミン骨格を2つ以上有し、かつ
    2つ以上のトリフェニルアミン骨格が互いに異なり、分
    子全体として立体的に非対称なトリフェニルアミン誘導
    体からなり、 前記n型半導体層が、分子全体として立体的に非対称な
    p−ジフェノキノン誘導体からなる ことを特徴とする有機薄膜素子。
  2. 【請求項2】発光層または電荷発生層の両面にそれぞれ
    有機薄膜からなるp型半導体層および有機薄膜からなる
    n型半導体層を積層した構造を有する有機薄膜素子にお
    いて、 前記p型半導体層が、3つのフェニル基の置換基が互い
    に異なるトリフェニルアミン骨格を2つ以上有し、かつ
    2つ以上のトリフェニルアミン骨格が互いに異なり、分
    子全体として立体的に非対称なトリフェニルアミン誘導
    体からなり、 前記n型半導体層が、分子全体として立体的に非対称な
    p−ジフェノキノン誘導体からなる ことを特徴とする有機薄膜素子。
JP25124090A 1990-09-19 1990-09-19 有機薄膜素子 Expired - Fee Related JP3150330B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25124090A JP3150330B2 (ja) 1990-09-19 1990-09-19 有機薄膜素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25124090A JP3150330B2 (ja) 1990-09-19 1990-09-19 有機薄膜素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04129271A JPH04129271A (ja) 1992-04-30
JP3150330B2 true JP3150330B2 (ja) 2001-03-26

Family

ID=17219813

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25124090A Expired - Fee Related JP3150330B2 (ja) 1990-09-19 1990-09-19 有機薄膜素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3150330B2 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3296042B2 (ja) * 1993-09-21 2002-06-24 三菱化学株式会社 有機電界発光素子
JP3593717B2 (ja) * 1994-08-04 2004-11-24 東洋インキ製造株式会社 新規なトリフェニルアミン誘導体、その製造方法及び用途
JP3593718B2 (ja) * 1994-08-04 2004-11-24 東洋インキ製造株式会社 新規なトリフェニルアミン誘導体、その製造方法及び用途
JP3593719B2 (ja) * 1994-08-04 2004-11-24 東洋インキ製造株式会社 新規なトリフェニルアミン誘導体、その製造方法及び用途
ATE531722T1 (de) 1999-04-26 2011-11-15 Fujifilm Corp Rutheniumkomplex-farbstoff
JP4278080B2 (ja) 2000-09-27 2009-06-10 富士フイルム株式会社 高感度受光素子及びイメージセンサー
US7358660B2 (en) 2002-05-01 2008-04-15 Nissan Chemical Industries, Ltd. Organic electroluminescence device and material thereof
US20070063638A1 (en) * 2004-02-19 2007-03-22 Idemitsu Kosan Co., Ltd. White color organic electroluminescence device
KR100834327B1 (ko) 2004-03-11 2008-06-02 미쓰비시 가가꾸 가부시키가이샤 전하 수송막용 조성물 및 이온 화합물, 이를 이용한 전하수송막 및 유기 전계 발광 장치, 및 유기 전계 발광 장치의제조 방법 및 전하 수송막의 제조 방법
JP2005255889A (ja) * 2004-03-12 2005-09-22 Toyo Ink Mfg Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料およびそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
DE102005010978A1 (de) 2005-03-04 2006-09-07 Technische Universität Dresden Photoaktives Bauelement mit organischen Schichten
US20080206662A1 (en) * 2007-02-28 2008-08-28 Xerox Corporation Asymmetric arylamine compounds and processes for making the same
KR20100097180A (ko) * 2007-12-28 2010-09-02 이데미쓰 고산 가부시키가이샤 방향족 아민 유도체 및 그들을 이용한 유기 전기발광 소자
US8648333B2 (en) * 2009-10-19 2014-02-11 E I Du Pont De Nemours And Company Triarylamine compounds for use in organic light-emitting diodes
JP5601064B2 (ja) 2010-07-21 2014-10-08 富士ゼロックス株式会社 光電変換装置、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
US8748070B2 (en) 2011-01-28 2014-06-10 Fuji Xerox Co., Ltd. Thiol group-containing charge transporting material, thiol group-containing charge transporting material-dissolving solution, photoelectric conversion device, electrophotographic photoreceptor, image forming apparatus, and process cartridge
KR102617056B1 (ko) 2016-03-24 2023-12-26 미쯔비시 케미컬 주식회사 전자수용성 화합물 및 전하수송막용 조성물, 이를 이용한 발광 소자

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04129271A (ja) 1992-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3150330B2 (ja) 有機薄膜素子
US7893352B2 (en) Organic photosensitive optoelectronic device having a phenanthroline exciton blocking layer
US4281053A (en) Multilayer organic photovoltaic elements
US4164431A (en) Multilayer organic photovoltaic elements
US7419846B2 (en) Method of fabricating an optoelectronic device having a bulk heterojunction
US6844025B2 (en) Method of fabricating an organic photosensitive optoelectronic device with an exciton blocking layer
JPH05202011A (ja) オキサジアゾール誘導体
TWI528607B (zh) 反向有機感光裝置
JP2016001748A (ja) 有機へテロ接合点を含むスクアラインを含む有機感光性デバイスおよびその製造方法
US20110259425A1 (en) Organic thin film solar cell
JP2007533165A (ja) バルクヘテロ接合を有する光電子装置の製造方法
JP2013519215A (ja) 視射角蒸着により製造されるバルクヘテロジャンクション型有機太陽電池
JPH06267658A (ja) 有機el素子
JP2015523741A (ja) 電極バッファー層を有する有機光電子デバイスおよびその製造方法
JPH0693258A (ja) 有機薄膜素子
Izawa et al. Organic pn homojunction solar cell
US11744089B2 (en) Multijunction organic photovoltaics incorporating solution and vacuum deposited active layers
Jia et al. Medium Bandgap Small Molecule Acceptors With Isomer‐Free Chlorinated End Groups Enabling High‐Performance Tandem Organic Solar Cells
JP2014030032A (ja) 秩序結晶性有機膜の成長
TW201342678A (zh) 製備用於有機感光裝置之金屬基板表面之方法
Bi et al. Suppressing energetic disorder enables efficient indoor organic photovoltaic cells with a PTV derivative
TWI644447B (zh) 塊材異質接面結構鈣鈦礦太陽能電池之製備方法
WO2007012835A1 (en) Organic photovoltaic layer, organic photovoltaic device and method of manufacturing thereof
JP2003282934A (ja) 異種有機半導体の混合薄膜による高速応答光電流増倍デバイス
JPH0860145A (ja) 有機電界発光素子

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080119

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090119

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100119

Year of fee payment: 9

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100119

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees