JP6014981B2 - 電荷輸送性ポリエステル樹脂、電荷輸送性ポリエステル樹脂溶解液、光電変換デバイス、および電子写真感光体 - Google Patents
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Description
特に、耐熱性、強度の点においては、架橋構造とすることが有効であり、例えば、熱、あるいは光硬化した膜を用いた有機ELデバイス(例えば特許文献1参照)、電荷輸送性基を含有するアクリルポリマーを用いた電子写真感光体(例えば特許文献2乃至4参照)、電荷輸送性基と反応性基を含有するアクリルポリマーを、膜形成後に架橋した電子写真感光体(例えば特許文献5参照)、光硬化型アクリル系モノマーを含有する液を塗布し硬化した膜(例えば特許文献6参照)等が開示されている。また、炭素−炭素二重結合を有するモノマー、炭素−炭素二重結合を有する電荷移動材およびバインダー樹脂の混合物を熱、あるいは光のエネルギーによって前記モノマーの炭素−炭素二重結合と前記電荷移動材の炭素−炭素二重結合とを反応させることにより形成された膜が開示され、特に、単官能メタクリル変性した電荷移動材と、電荷輸送性を有さないメタクリルモノマーと、ポリカーボネート樹脂とに有機過酸化物を用いて硬化したものが開示されている(例えば特許文献7参照)。
即ち、請求項1に係る発明は、
下記一般式(1)で表される電荷輸送性ポリエステル樹脂である。
前記一般式(1)における前記Aが正孔輸送性を有する2価の有機基である請求項1に記載の電荷輸送性ポリエステル樹脂である。
前記一般式(1)における前記Aが、下記一般式(2)で示される基である請求項1または請求項2に記載の電荷輸送性ポリエステル樹脂である。
前記一般式(2)における前記Xが、置換または未置換の2価の芳香族基、置換または未置換の芳香環数2以上10以下の2価の多核芳香族炭化水素基、置換または未置換の芳香環数2以上10以下の2価の縮合芳香族炭化水素基、或いは置換または未置換の2価の芳香族複素環基を表す請求項3に記載の電荷輸送性ポリエステル樹脂である。
前記一般式(2)における前記Xが、以下に示す群(A)から選択される2価の有機基である請求項3または請求項4に記載の電荷輸送性ポリエステル樹脂である。
前記一般式(2)における前記Xが、以下に示す群(B)から選択される2価の有機基である請求項3〜請求項5の何れか1項に記載の電荷輸送性ポリエステル樹脂である。
前記電荷輸送性ポリエステル樹脂が光電変換デバイス用電荷輸送性ポリエステル樹脂である請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の電荷輸送性ポリエステル樹脂。
請求項8に係る発明は、
前記電荷輸送性ポリエステル樹脂が有機ELデバイス用電荷輸送性ポリエステル樹脂である請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の電荷輸送性ポリエステル樹脂。
請求項9に係る発明は、
前記電荷輸送性ポリエステル樹脂が電子写真感光体用電荷輸送性ポリエステル樹脂である請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の電荷輸送性ポリエステル樹脂。
請求項10に係る発明は、
請求項1に規定される電荷輸送性ポリエステル樹脂が溶媒中に溶解した電荷輸送性ポリエステル樹脂溶解液である。
下記一般式(1)で表される構造を部分構造として有するポリエステル重合体、または下記一般式(1’)で表される構造を部分構造として有するポリエステル架橋重合体を含有する膜を備える光電変換デバイスである。
前記膜が、前記一般式(1’)で表される構造を部分構造として有するポリエステル架橋重合体を含有する請求項11に記載の光電変換デバイスである。
下記一般式(1)で表される構造を部分構造として有するポリエステル重合体、または下記一般式(1’)で表される構造を部分構造として有するポリエステル架橋重合体を含有する感光層を備える電子写真感光体である。
前記感光層が、前記一般式(1’)で表される構造を部分構造として有するポリエステル架橋重合体を含有する請求項13に記載の電子写真感光体である。
本実施形態に係る電荷輸送性ポリエステル樹脂は、下記一般式(1)で表される。
そのため、優れた電気特性を得たまま、更に形成する膜の厚さをより厚くし得る。
尚、架橋構造とすることで一層耐熱性、耐溶剤性の高い膜が得られ、長期に渡って安定した性能が得られる。
前記一般式(1)で示される電荷輸送性ポリエステル樹脂におけるAは、電荷輸送性を有する2価の有機基を示し、具体的には、フタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、アゾベンゼン系化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物、キノン系化合物、フルオレノン系化合物などから誘導される2価の有機基が挙げられる。この中でもトリアリールアミン骨格、ベンジジン骨格、スチルベン骨格を持つものが望ましい。
多核芳香族炭化水素基としては、具体的には、例えば、ビフェニル、ターフェニル、スチルベン、トリフェニルエチレン等の水素原子を1つ除いた2価の基が挙げられる。
なお、上記多核芳香族炭化水素基を構成する芳香環は、後述する縮合芳香族炭化水素基であってもよく、芳香族複素環であってもよい。多核芳香族炭化水素基を構成する縮合芳香族炭化水素基及び芳香族複素環の具体例としては、例えば後述する具体例の化合物と同様のものが挙げられる。
芳香族複素環の環骨格を構成する原子数(Nr)としては、例えば、Nr=5、又はNr=6等が挙げられる。また、環骨格を構成する炭素原子以外の原子(異種原子)の種類及び数は限定されない。異種原子の種類としては、例えば、硫黄原子、窒素原子、酸素原子等が挙げられる。また芳香族複素間は、環骨格中に2個以上の異種原子が含まれていてもよく、2種以上の異種原子が含まれていてもよい
アルキル基としては、炭素数1以上10以下のものが望ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
アルコキシル基としては、炭素数1以上10以下のものが望ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。
アリール基としては、炭素数6以上20以下のものが望ましく、例えば、フェニル基、トルイル基等が挙げられる、
アラルキル基としては、炭素数7以上20以下のものが望ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
置換アミノ基の置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、具体例は前述の通りである。
置換アリール基、置換アラルキル基の置換基としては、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、置換アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる
アルキル基としては、炭素数1以上10以下のものが望ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
アルコキシル基としては、炭素数1以上10以下のものが望ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。
ハロゲンとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
アリール基としては、炭素数6以上20以下のものが望ましく、例えば、フェニル基、トルイル基等が挙げられる。
置換アリール基の置換基としては、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、置換アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる
尚、R1およびR2が置換する位置としては、窒素(N)が結合する位置に対し、メタ位またはパラ位が好ましい。
以下に、Tで表される基の具体的な構造の例(炭化水素基T−1〜炭化水素基T−32)を示す。但し、アリールアミン骨格(即ち一般式(1)におけるA)は下記炭化水素基のどちらの側と結合してもよい
モノマーとして以下の組み合わせで、本実施形態に係る電荷輸送性ポリエステル樹脂が合成される。
(1)HO−T−A−T−OHとイタコン酸の場合
ジオール成分モノマーとイタコン酸を当量混合し、酸触媒を用いて重合する。酸触媒としては、硫酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸など、通常のエステル化反応に用いるものが使用され、ジカルボン酸成分モノマー1質量部に対して、好ましくは1/10000質量部以上1/10質量部以下、より好ましくは1/1000質量部以上1/50質量部以下の範囲で用いられる。重合中に生成する水を除去するために、水と共沸し得る溶剤を用いることが好ましく、トルエン、クロロベンゼン、1−クロロナフタレンなどが有効であり、生成するポリマーの1質量部に対して好ましくは1質量部以上100質量部以下、より好ましくは2質量部以上50質量部以下の範囲で用いられる。反応温度は任意に設定し得るが、重合中に生成する水を除去するために、溶剤の沸点で反応させることが好ましい。
HO−T−A−T−OHに対しイタコン酸ジエステルを当量以上3等量以下加え、たとえば、実験化学講座、第4版、28巻、P.217などに記載されたごとく、チタン、スズ、亜鉛などの有機金属化合物、または、硫酸、リン酸などの無機酸を触媒に用いて加熱し、エステル交換により合成し得る。触媒は、生成するポリマーの1質量部に対して、好ましくは1/10000質量部以上1質量部以下、より好ましくは1/1000質量部以上1/2質量部以下で用いられる。反応は、好ましくは反応温度100℃以上300℃以下で行い、重合を促進するため、好ましくは0.01mmHg以上100mmHg以下、より好ましくは0.05mmHg以上20mmHg以下に減圧して反応させることが好ましい。また、1−クロロナフタレンなどの高沸点溶剤を用いて、過剰のイタコン酸ジエステルを除きながら反応させてもよい。
B−T−A−T−Bとイタコン酸を当量混合し、ピリジン、ピペリジン、ジメチルアミノピリジン、トリメチルアミン、DBU、やトリエチルアミンなどの有機塩基、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基を用いて重合する。塩基は、イタコン酸に対して、好ましくは1当量以上10当量以下、より好ましくは2当量以上5当量以下で用いられる。溶剤としては、塩化メチレン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、クロロベンゼン、1−クロロナフタレン、アセトン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、などが有効であり、生成するポリマーの1質量部に対して、好ましくは1質量部以上100質量部以下、より好ましくは2質量部以上50質量部以下の範囲で用いられる。反応温度は任意に設定し得る。重合後、前述のように再沈殿処理し、精製する。
具体的には、支持体上に上記電荷輸送性ポリエステル樹脂を含有する層を設けた構造のものが有機電子デバイスとして使用される。有機電子デバイスの代表的なものとしては、感光層を有する電子写真感光体が挙げられ、特に、本実施形態の電荷輸送性ポリエステル樹脂を該電子写真感光体の表面層に含有するものが挙げられる。また、感光層中に電荷輸送材料として、本実施形態の電荷輸送性ポリエステル樹脂と、公知の電荷発生材料を含有するもの、特に、フタロシアニン化合物結晶を含む電子写真感光体も好ましいものとして挙げられる。
本実施形態における上記電子写真感光体において、上記電荷輸送性ポリエステル樹脂と組み合せて使用されるフタロシアニン結晶としては、特開平5−98181号公報に開示されているハロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶、特開平5−140472号公報及び特開平5−140473号公報に開示されているハロゲン化スズフタロシアニン結晶、特開平5−263007号公報及び特開平5−279591号公報に開示されているヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、特開平4−189873号公報及び特開平5−43813号公報に開示されているオキシチタニウムフタロシアニン水和物結晶が用いられる。
本実施形態に係る電荷輸送性ポリエステル樹脂溶解液は、前記一般式(1)で示される電荷輸送性ポリエステル樹脂が溶媒中に溶解してなる。
ついで、光電変換デバイスについて説明する。
本実施形態に係る電荷輸送性ポリエステル樹脂は、該電荷輸送性ポリエステル樹脂が溶解した溶解液を用いて膜を形成し得る。また、この膜は、前記電荷輸送性ポリエステル樹脂が重合されてなる架橋体を含有してもよい。
尚、上記電荷輸送性ポリエステル樹脂が、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂などの樹脂や、二重結合を有するモノマー、オリゴマー、あるいはポリマーと混合し、硬化させた硬化膜も好ましく用いられる。
上記電荷輸送性ポリエステル樹脂を樹脂に相溶させる場合、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂など公知の非反応性のバインダー樹脂が挙げられる。
硬化する場合、一般式(1)で示される電荷輸送性ポリエステル樹脂に、さらに反応性化合物を含有させてもよく、特に、同一分子内に2つ以上の二重結合を含むモノマー、オリゴマー、あるいはポリマーを混合して硬化することが好ましい。
前記電荷輸送性ポリエステル樹脂が溶解した溶解液を用い、該溶解液中の成分を重合することで硬化された膜を得る場合、その重合の際には熱、光、放射線などが用いられる。熱、光で重合、硬化を行う場合、重合開始剤は必ずしも必要ではないが、光硬化触媒または熱重合開始剤を用いてもよい。この光硬化触媒および熱重合開始剤としては、公知の光硬化触媒や熱重合開始剤が用いられる。放射線としては電子線が好ましい。
電子線を用いる場合、加速電圧は300KV以下が好ましく、更には150KV以下が好ましい。また、線量は好ましくは1Mrad以上100Mrad以下の範囲、より好ましくは3Mrad以上50Mrad以下の範囲である。加速電圧が300KV以下であることにより感光体特性に対する電子線照射のダメージが抑制される。また、線量が1Mrad以上であることにより架橋が行なわれ、100Mrad以下であることにより感光体の劣化が抑制される。
光源としては、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプなどが用いられ、バンドパスフィルター等のフィルターを用いて好適な波長を選択してもよい。照射時間、光強度は自由に選択されるが、例えば照度(365nm)は300mW/cm2以上、1000mW/cm2以下が好ましく、例えば600mW/cm2のUV光を照射する場合、5秒以上360秒以下照射すればよい。
より具体的には、ベンジルケタール系として、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンが挙げられる。
より具体的には、ベンゾフェノン系として、2−ベンゾイル安息香酸、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
熱重合開始剤としては、V−30、V−40、V−59、V601、V65、V−70、VF−096、VE−73、Vam−110、Vam−111(和光純薬製)、OTazo−15、OTazo−30、AIBM、AMBN、ADVN、ACVA(大塚化学)等のアゾ系開始剤;パーテトラA、パーヘキサHC、パーヘキサC、パーヘキサV、パーヘキサ22、パーヘキサMC、パーブチルH、パークミルH、パークミルP、パーメンタH、パーオクタH、パーブチルC、パーブチルD、パーヘキシルD、パーロイルIB、パーロイル355、パーロイルL、パーロイルSA、ナイパーBW、ナイパーBMT−K40/M、パーロイルIPP、パーロイルNPP、パーロイルTCP、パーロイルOPP、パーロイルSBP、パークミルND、パーオクタND、パーヘキシルND、パーブチルND、パーブチルNHP、パーヘキシルPV、パーブチルPV、パーヘキサ250、パーオクタO、パーヘキシルO、パーブチルO、パーブチルL、パーブチル355、パーヘキシルI、パーブチルI、パーブチルE、パーヘキサ25Z、パーブチルA、パーヘキシルZ、パーブチルZT、パーブチルZ(日油化学社製)、カヤケタールAM−C55、トリゴノックス36−C75、ラウロックス、パーカドックスL−W75、パーカドックスCH−50L、トリゴノックスTMBH、カヤクメンH、カヤブチルH−70、ペルカドックスBC−FF、カヤヘキサAD、パーカドックス14、カヤブチルC、カヤブチルD、カヤヘキサYD−E85、パーカドックス12−XL25、パーカドックス12−EB20、トリゴノックス22−N70、トリゴノックス22−70E、トリゴノックスD−T50、トリゴノックス423−C70、カヤエステルCND−C70、カヤエステルCND−W50、トリゴノックス23−C70、トリゴノックス23−W50N、トリゴノックス257−C70、カヤエステルP−70、カヤエステルTMPO−70、トリゴノックス121、カヤエステルO、カヤエステルHTP−65W、カヤエステルAN、トリゴノックス42、トリゴノックスF−C50、カヤブチルB、カヤカルボンEH−C70、カヤカルボンEH−W60、カヤカルボンI−20、カヤカルボンBIC−75、トリゴノックス117、カヤレン6−70(化薬アクゾ社製)、ルルペロックス610、ルペロックス188、ルペロックス844、ルペロックス259、ルペロックス10、ルペロックス701、ルペロックス11、ルペロックス26、ルペロックス80、ルペロックス7、ルペロックス270、ルペロックスP、ルペロックス546、ルペロックス554、ルペロックス575、ルペロックスTANPO、ルペロックス555、ルペロックス570、ルペロックスTAP、ルペロックスTBIC、ルペロックスTBEC、ルペロックスJW、ルペロックスTAIC、ルペロックスTAEC、ルペロックスDC、ルペロックス101、ルペロックスF、ルペロックスDI、ルペロックス130、ルペロックス220、ルペロックス230、ルペロックス233、ルペロックス531などが挙げられる。
本実施形にかかる電子写真感光体は、導電性基体上に、前記一般式(1)で示される電荷輸送性ポリエステル樹脂が溶解した溶解液を用いて形成された層を有する。
なお、最表面層が保護層として機能する層である場合、この保護層の下層には、電荷輸送層および電荷発生層からなる感光層、または単層型感光層を有することとなる。
一方、最表面層が電荷輸送層として機能する層の場合、導電性基体上に、電荷発生層、および最表面層としての電荷輸送層を有し、該電荷輸送層が一般式(1)で示される電荷輸送性ポリエステル樹脂を用いて形成されたポリマーを含有する組成物、あるいはその硬化物を含有する層である形態が挙げられる。
また、チオール基、不飽和結合などの反応性を有さない電荷輸送材料を混合してもよい。
図2に示す電子写真感光体7Bにおいては、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に、電荷輸送層3、電荷発生層2、および保護層5が順次形成された構造を有するものである。電子写真感光体7Bにおいては、電荷輸送層3および電荷発生層2により感光層が構成される。
尚、図1、図2および図3に示す電子写真感光体において、下引層1は設けてもよいし、設けなくてもよい。
まず、電子写真感光体7Aにおける最表面層である保護層5について説明する。
保護層5は、電子写真感光体7Aにおける最表面層であり、前記一般式(1)で示される電荷輸送性ポリエステル樹脂が溶解した溶解液を用いて形成されることが好ましく、一般式(1)に示される構造を部分構造として含むポリマーを含有することが好ましく、さらに硬化されていること、即ち上記電荷輸送性ポリエステル樹脂が重合されてなる重合体を含有することが最も好ましい。
保護層(最表面層)5を構成する膜は、非反応性の電荷輸送材料を併用してもよい。非反応性の電荷輸送材料は電荷輸送を担っていない反応性基を有さないため、非反応性の電荷輸送材料を保護層(最表面層)5に用いた場合には実質的に電荷輸送成分の濃度が高まり、電気特性を更に改善するのに有効である。また、非反応性の電荷輸送材料を添加して架橋密度を減じ、強度を調整してもよい。
中でも、モビリティー、相溶性など点から、トリフェニルアミン骨格を有するものが望ましい。
保護層(最表面層)5を構成する硬化膜は、更に成膜性、可とう性、潤滑性、接着性を調整するなどの目的から、他のカップリング剤、特にフッ素含有のカップリング剤と混合して用いてもよい。このような化合物として、各種シランカップリング剤、および市販のシリコーン系ハードコート剤が用いられる。また、ラジカル重合性基を有するシリコン化合物、フッ素含有化合物を用いてもよい。
市販のハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−8239(以上、信越化学工業社製)、AY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)等が挙げられる。
ラジカル重合性基を有するシリコン化合物、フッ素含有化合物としては、特開2007−11005号公報に記載の化合物などが挙げられる。
劣化防止剤の添加量としては20質量%以下が望ましく、10質量%以下がより望ましい。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、サノールLS2626、サノールLS765、サノールLS770、サノールLS744(以上、三共ライフテック製)、チヌビン144、チヌビン622LD(以上、チバ・ジャパン製)、マークLA57、マークLA67、マークLA62、マークLA68、マークLA63(以上、アデカ社製)が挙げられ、チオエーテル系として、スミライザーTPS、スミライザーTP−D(以上、住友化学社製)が挙げられ、ホスファイト系として、マーク2112、マークPEP−8、マークPEP−24G、マークPEP−36、マーク329K、マークHP−10(以上、アデカ社製)等が挙げられる。
この粒子の一例として、ケイ素含有粒子が挙げられる。ケイ素含有粒子とは、構成元素にケイ素を含む粒子であり、具体的には、コロイダルシリカおよびシリコーン粒子等が挙げられる。ケイ素含有粒子として用いられるコロイダルシリカは、好ましくは平均粒径1nm以上100nm以下、より好ましくは10nm以上30nm以下のシリカを、酸性若しくはアルカリ性の水分散液、あるいはアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものから選ばれる。該粒子としては一般に市販されているものを使用してもよい。
これらのシリコーン粒子は球状で、その平均粒径は好ましくは1nm以上500nm以下、より好ましくは10nm以上100nm以下である。
表面層中のシリコーン粒子の含有量は、保護層5の全固形分全量を基準として、好ましくは0.1質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上10質量%以下である。
シリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコーンオイル;アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコーンオイル;ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類;1,3,5−トリメチル−1.3.5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類;ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類;3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素含有シクロシロキサン類;メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサン等のヒドロシリル基含有シクロシロキサン類;ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサン等のビニル基含有シクロシロキサン類等が挙げられる。
これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いる。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合しても、固溶体や融着での混合でもよい。導電性粒子の平均粒径は0.3μm以下、特に0.1μm以下が好ましい。
保護層5を形成するために用いる組成物は、一般式(1)で示される電荷輸送性ポリエステル樹脂が溶媒中に溶解してなる溶解液(保護層形成用塗布液)として調製されることが望ましい。
この保護層形成用塗布液は、無溶媒であってもよいし、必要に応じて、トルエン、キシレンなどの芳香族、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのセロソルブ系、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール系等の溶媒などの単独または混合溶媒を用いて調製される。
保護層形成用塗布液は、被塗布面(図1に示す態様では電荷輸送層3)の上に、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法、インクジェット塗布法等の通常の方法により塗布される。
その後、得られた塗膜に対して、光、電子線または熱を付与してラジカル重合を生起させて、該塗膜を重合、硬化させる。
導電性基体4としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属または合金を用いて構成される金属板、金属ドラム、および金属ベルトが挙げられる。また、導電性基体4としては、導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニウム、パラジウム、金等の金属または合金を塗布、蒸着またはラミネートした紙、プラスチックフィルム、ベルト等も挙げられる。
ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
陽極酸化膜の膜厚については、0.3μm以上15μm以下が望ましい。
先ず、酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸およびフッ酸の配合割合は、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲が好ましい。処理温度は42℃以上48℃以下が好ましいが、処理温度を高く保つことにより、一層速く、かつ厚い被膜が形成される。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
下引層1は、例えば、結着樹脂に無機粒子を含有して構成される。
無機粒子としては、粉体抵抗(体積抵抗率)102Ω・cm以上1011Ω・cm以下のものが望ましく用いられる。
無機粒子のBET法による比表面積は、10m2/g以上が望ましい。
無機粒子の体積平均粒径は50nm以上2000nm以下(望ましくは60nm以上1000nm以下)の範囲であることが望ましい。
アクセプター性化合物としては、上記特性が得られるものであれば限定されず、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送性物質などが望ましく、特にアントラキノン構造を有する化合物が望ましい。更にヒドロキシアントラキノン系化合物、アミノアントラキノン系化合物、アミノヒドロキシアントラキノン系化合物等、アントラキノン構造を有するアクセプター性化合物が望ましく用いられ、具体的にはアントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が挙げられる。
無機粒子表面にアクセプター化合物を付与させる方法としては、乾式法、または、湿式法が挙げられる。
下引層1に含有される結着樹脂としては、良好な膜が形成されるもので、かつ、所望の特性が得られるものであれば公知のいかなるものを使用してもよく、例えば、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の公知の高分子樹脂化合物、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が用いられる。
また、下引層1に含有される結着樹脂として、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂等を用いてもよい。なかでも上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が好適である。これらを2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
添加物としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が用いられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層形成用塗布液に添加してもよい。
また、ジルコニウムキレート化合物の例としては、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
溶媒として、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が用いられる。
更に、下引層1を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
更に、下引層1は、所望の特性が得られるのであれば、いかなる厚さに設定されてもよいが、厚さ15μm以上が望ましく、更に望ましくは15μm以上50μm以下とされていることが望ましい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂などの粒子を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が用いられる。
また、表面粗さ調整のために下引層表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が用いられる。LED,有機ELイメージアレーなどの非干渉性光源を用いる場合には平滑な表面を用いてもよい。
電荷発生層2は、電荷発生材料および結着樹脂を含有する層である。また、結着樹脂を含有しない蒸着膜として形成させてもよい。特に、LED,有機ELイメージアレーなどの非干渉性光源を用いる場合には好ましい。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、ピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料、酸化亜鉛、三方晶系セレン等が挙げられる。これらの中でも、近赤外域のレーザー露光に対応させるためには、電荷発生材料として、金属フタロシアニン顔料、および無金属フタロシアニン顔料を用いることが望ましく、特に、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン、特開平5−98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン、特開平5−11172号公報、特開平5−11173号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン、特開平4−189873号公報、特開平5−43813号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより望ましい。また、近紫外域のレーザー露光に対応させるためには、電荷発生材料として、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料、チオインジゴ系顔料、ポルフィラジン化合物、酸化亜鉛、三方晶系セレン、特開2004−78147号公報、特開2005−181992号公報に開示されたビスアゾ顔料等を用いることがより望ましい。
これらの結着樹脂は1種を単独でまたは2種以上を混合して用いられる。電荷発生材料と結着樹脂の配合比は質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが望ましい。
ここで、「絶縁性」とは体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
更にこの分散の際、電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下にすることが望ましく、更には0.3μm以下がより望ましく、0.15μm以下が特に望ましい。
図1に示す電荷輸送層3は、電荷輸送材料と結着樹脂を含有して、または高分子電荷輸送材を含有して形成される。
これらの結着樹脂は1種を単独でまたは2種以上で用いる。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は質量比で10:1から1:5までが望ましい。
なお、電荷輸送層3に用いる結着樹脂の粘度平均分子量の上限値としては100000以下が望ましい。
ここで、本実施形態における結着樹脂の粘度平均分子量は、毛細管粘度計によって測定した値である。
なお、最表面層が電荷輸送層である場合には、その下層中に含まれる結着樹脂の粘度平均分子量が上記の範囲であることが望ましい。
電荷輸送層形成用塗布液に用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状若しくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤を単独または2種以上混合して用いられる。また、上記各構成材料の溶解方法としては、公知の方法が使用される。
電荷輸送層として本実施形態の表面層材料を使用してもよい。
次に、本実施形態の電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジおよび画像形成装置について説明する。
本実施形態のプロセスカートリッジは、潜像保持体の表面の静電潜像を現像して得られたトナー像を記録媒体に転写して、該記録媒体上に画像を形成する画像形成装置に対して着脱自在であり、前記潜像保持体としての前述の本実施形態に係る電子写真感光体を少なくとも備えた構成である。
本実施形態の画像形成装置に用いられるトナーは、平均形状係数((ML2/A)×(π/4)×100、ここでMLは粒子の最大長を表し、Aは粒子の投影面積を表す)が100以上150以下であることが望ましく、105以上145以下であることがより望ましく、110以上140以下であることがさらに望ましい。さらに、トナーとしては、体積平均粒子径が3μm以上12μm以下であることが望ましく、3.5μm以上9μm以下であることがさらに望ましい。
ついで、有機ELデバイスについて説明する。
本実施形にかかる有機ELデバイスは、前記一般式(1)で示される電荷輸送性ポリエステル樹脂が溶解した溶解液を用いて形成された膜を有する。
図7乃至図9は、本実施形態の有機電界発光素子の実施の形態を示す模式的な断面図であり、21は基板、22は陽極、23は正孔注入層、24は正孔輸送層、25は発光層、26は電子輸送層、27は陰極を各々表わすが、素子構成はこれに限るものではない。
合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。このため、合成樹脂基板のどちらか片側もしくは両側に緻密なシリコン酸化膜等を設ける方法も好ましい方法の一つである。
陽極22の厚みは、必要とする透明性により異なるが、一般には透明性が高いほど好ましいため、可視光の透過率を通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが望ましく、この場合厚みは、通常10nm以上1000nm以下、好ましくは20nm以上500nm以下である。
一般式(1)で示される電荷輸送性ポリエステル樹脂の定められた量に、必要であれば正孔のトラップにならないバインダー樹脂や塗布性改良剤、連鎖重合性モノマー、オリゴマーなどを加えてもよい。末端にアルコキシシリル基を有する電荷輸送材を用いることも好ましく、種々の目的で他のシランカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、チタネートカップリング剤などを添加してもよい。これらを溶解した塗布溶液を所望の濃度に調製し、スピン塗布法やディップ塗布法などの方法により陽極22上に塗布し、乾燥して正孔注入層23を形成する。
このようにして形成される正孔注入層23の膜厚は、通常5nm以上3000nm以下、好ましくは10nm以上2000nm以下である。
高分子系の発光層材料としては、先に挙げたポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ(3−アルキルチオフェン)等の高分子材料や、ポリビニルカルバゾール等の高分子に発光材料と電子移動材料を混合した系等が挙げられる。
このようにして形成される発光層25の膜厚は、通常10nm以上200nm以下、好ましくは30nm以上100nm以下である。
このようにして形成される正孔輸送層24の膜厚は、通常10nm以上300nm以下、好ましくは30nm以上100nm以下である。
一般には、上記の真空蒸着法がよく用いられる。
電子輸送層26の膜厚は、通常5nm以上200nm以下、好ましくは10nm以上100nm以下である。
陰極27の膜厚は通常、陽極22の説明において記載した範囲が挙げられる。
500mlフラスコに、下記構造式で示される化合物(D)20g、イタコン酸5.94g、4−ニトロ−ベンゼンスルホン酸水和物0.5g、トルエン200mlを入れ、窒素置換したのち、発生する水をディーンスタークトラップで除去しながら10時間加熱還流した。反応後、炭酸カリウム水溶液で洗浄し、次いで、蒸留水で洗浄した後、メタノール2000ml中に滴下してポリマーを析出させた。メタノールで洗浄したのち、乾燥して、15.4gの化合物(II−7)を得た。GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算で15000であった。
得られた化合物(II−7)のIRスペクトルを図10に示す。
500mlフラスコに、下記構造式で示される化合物(E)20g、イタコン酸3.78g、パラトルエンスルホン酸0.5g、ニトロベンゼン0.1g、トルエン200mlを入れ、窒素置換したのち、発生する水をディーンスタークトラップで除去しながら10時間加熱還流した。反応後、炭酸カリウム水溶液で洗浄し、次いで、蒸留水で洗浄した後、メタノール2000ml中に滴下してポリマーを析出させた。メタノールで洗浄したのち、乾燥して、16.9gの化合物(II−29)を得た。GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算で22000であった。
得られた化合物(II−29)のIRスペクトルを図11に示す。
500mlフラスコに、下記構造式で示される化合物(F)20g、イタコン酸3.90g、4−ニトロ−ベンゼンスルホン酸水和物0.1g、炭酸カリウム4.14g、N,N−ジメチルホルムアミド200mlを入れ、窒素置換したのち、80℃で10時間加熱した。反応後、トルエン200mlを加え、希塩酸、次いで、水で洗浄した後、メタノール2000ml中に滴下してポリマーを析出させた。メタノールで洗浄したのち、乾燥して、15.9gの化合物(II−20)を得た。GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算で25000であった。
得られた化合物(II−20)のIRスペクトルを図12に示す。
<感光体の作製>
(下引層の作製)
酸化亜鉛(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m2/g)100部をテトラヒドロフラン500部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM503:信越化学工業社製)1.3部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間)焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛110部を500部のテトラヒドロフランと攪拌混合し、アリザリン1.0部を50部のテトラヒドロフランに溶解させた溶液を添加し、50℃にて5時間攪拌した。その後、減圧ろ過にてアリザリンを付与させた酸化亜鉛を濾別し、さらに60℃で減圧乾燥を行い、アリザリン付与酸化亜鉛を得た。
このアリザリン付与酸化亜鉛60部と硬化剤(ブロック化イソシアネート、スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)13.5部とブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学社製)15部とをメチルエチルケトン85部に溶解した溶液38部と、メチルエチルケトン25部と、を混合し1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い分散液を得た。
得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005部、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、GE東芝シリコーン社製)45部を添加し、下引層用塗布液を得た。この塗布液を浸漬塗布法にて、直径30mm、長さ340mm、肉厚1mmのアルミニウム基材上に塗布し、170℃、40分の乾燥硬化を行い厚さ18μmの下引層を得た。
電荷発生物質としてのCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10部、n−酢酸ブチル200部からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液にn−酢酸ブチル175部、メチルエチルケトン180部を添加し、攪拌して電荷発生層用塗布液を得た。この電荷発生層用塗布液を、前記下引層上に浸漬塗布し、常温(20℃)で乾燥して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
化合物(II−7)10部、OTazo−15(大塚化学社製、分子量354.4)0.2部をクロルベンゼン40部に加えて溶解し、電荷輸送層用塗布液を得た。この塗布液を突き上げコートにて前記電荷発生層上に塗布し、室温(20℃)で30分風乾した後、酸素濃度200ppmの窒素下で室温(20℃)から10℃/分の速度で150℃まで昇温し、150℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚18μmの電荷輸送層を形成して実施例4の電子写真感光体を作製した。
上述のようにして作製した電子写真感光体を富士ゼロックス社製、ApeosPort−IV C4470に装着し、低温低湿(8℃、20%RH)および高温高湿(30℃、85%RH)において、以下の評価を連続して行なった。
その結果を表2および表3に示した。
ゴーストは、図6(A)に示したGと画像濃度50%の灰色領域を有するパターンのチャートをプリントし、50%の灰色部分にGの文字の現れ具合を目視にて評価した。
A:図6(A)のように良好または軽微である。
B:図6(B)のようにやや目立つ。
C:図6(C)のようにはっきり確認される。
カブリ評価は上述のゴースト評価と同じサンプルを用いて白地部のトナーの付着した度合いを目視にて観察し判断した。
A:良好。
B:うっすらとカブリあり。
C:画質上問題となるカブリあり。
スジ評価は上述のゴースト評価と同じサンプルを用いて目視にて判断した。
A:良好。
B:部分的にスジの発生あり。
C:画質上問題となるスジ発生。
画像流れは上述のゴースト評価と同じサンプルを用いて目視にて判断した。
A:良好。
B:連続的にプリントテストしている時は問題ないが、1日(24時間)放置後に発生。
C:連続的にプリントテストしている時にも発生。
以下の方法により、残留電位を測定し、プリントテスト前後での残留電位の上昇分評価を行った。富士ゼロックス社製、ApeosPort−IV C4470改造機に電位センサーを取り付け、低温低湿(8℃、20%RH)下でプリントテスト前の残留電位測定を行った。ついで、低温低湿(8℃、20%RH)下で1万枚のプリントテストを行った直後に、同様にして低温低湿(8℃、20%RH)下で電子写真感光体表面の残留電位測定を行った。初期および1万枚プリントテスト後の残留電位との差(1万枚プリントテスト後の残留電位−初期の残留電位)を上昇分とした。
初期の感光体膜厚と、前述した低温低湿(8℃、20%RH)環境下および高温高湿(30℃、85%RH)環境下での画像形成テストを終了した後の膜厚を渦電流測定装置(フィッシャースコープMMS)にて測定し、磨耗量を評価した。
電荷発生層までは実施例4に記載の方法により作製した。ついで、電荷輸送層の材料を表1のように変え、実施例4と同様に電荷輸送層を作製し、評価した。使用した材料を表1にまとめて示した。
電荷発生層までは実施例4に記載の方法により作製した。ついで、化合物(II−7)10部、トリメチロールプロパントリアクリレート(A−TMPT、新中村化学社製)2部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)0.2部をモノクロロベンゼン40部に溶解し、突き上げコートにて電荷輸送層上に塗布した。室温(20℃)で30分風乾した後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:120mm、照射強度:500mW/cm2、照射時間:60秒の条件で酸素濃度200ppmの窒素下で光照射を行ない、塗布膜を硬化させた。更に130℃で20分乾燥を加え膜厚17μmの表面層を形成して実施例11の感光体を作製し、実施例4に記載の方法により評価を行った。
電荷発生層までは実施例4に記載の方法により作製した。ついで、化合物(II−7)10部、下記構造式で示される化合物(G)2部、OTazo−15(大塚化学社製、分子量354.4)0.2部をモノクロロベンゼン40部に溶解し、突き上げコートにて電荷輸送層上に塗布した。室温(20℃)で30分風乾した後、酸素濃度200ppmの窒素下で室温(20℃)から10℃/分の速度で150℃まで昇温し、150℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚18μmの電荷輸送層を形成して実施例12の電子写真感光体を作製し、実施例4に記載の方法により評価を行った。
電荷発生層までは実施例4に記載の方法により作製した。ついで、化合物(II−7)10部、ポリテトラフルオロエチレン粒子(ルブロンL−2、ダイキン工業社製)0.8部をモノクロロベンゼン40部に溶解し、ナノマイザー(NM2−L200AR−D08、ナノマイザー社製)にて分散したのち、OTazo−15(大塚化学社製、分子量354.4)0.2部を加えて溶解させ、突き上げコートにて電荷輸送層上に塗布した。室温(20℃)で30分風乾した後、酸素濃度200ppmの窒素下で室温(20℃)から10℃/分の速度で150℃まで昇温し、150℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚18μmの電荷輸送層を形成して実施例13の電子写真感光体を作製し、実施例4に記載の方法により評価を行った。
電荷発生層までは実施例4に記載の方法により作製した。この電荷発生層上に、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)40質量部、N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン10質量部、及びビスフェノールZポリカーボネート樹脂(PC(Z):粘度平均分子量:6万)55質量部をクロルベンゼン800質量部に加えて溶解した塗布液を塗布し、130℃、45分の乾燥を行って膜厚が15μmの電荷輸送層を形成した。
前記化合物(II−20)を10部、トリメチロールプロパントリアクリレート(A−TMPT、新中村化学社製)3部をモノクロロベンゼン20部、トルエン40部に溶解し、突き上げコートにて電荷輸送層上に塗布した。室温(20℃)で30分風乾した後、酸素濃度20ppmの窒素下で感光体を300rpmの速度で回転させながら照射距離が30mm、電子線加速電圧が90kV、電子線ビーム電流が2mA、電子線照射時間が1.0秒の条件で感光体に電子線を照射した。照射後すぐに、酸素濃度20ppmの窒素下で150℃に加熱し、10分保持して硬化反応を完結させ、膜厚4μmの表面層を形成して実施例14の感光体を作製し、実施例4に記載の方法により評価を行った。
実施例14における化合物(II−20)を表1に示すものに変えた以外は実施例14に記載の方法により感光体を作製し、評価を行った。
電荷発生層までは実施例4に記載の方法により作製した。
次いで、化合物(II−7)10部をクロルベンゼン40部に加えて溶解し、電荷輸送層用塗布液を得た。この塗布液を突き上げコートにて前記電荷発生層上に塗布し、室温(20℃)で30分風乾した後、室温(20℃)から10℃/分の速度で150℃まで昇温し、150℃で1時間加熱乾燥して、膜厚25μmの電荷輸送層を形成して実施例19の電子写真感光体を作製し、実施例4に記載の方法により評価を行った。
実施例14の電荷輸送層を25μmとし、表面層を形成しないものを比較例1の感光体とし、実施例4に記載の方法により評価を行った。
実施例4おける化合物(II−7)を、下記構造式の化合物(H)に変えた以外は実施例4に記載の方法により感光体を作製し、評価を行った。
下記構造式の化合物(I)100質量部、グリシジルメタクリレート100質量部、アゾビスイソブチロニトリル2質量部、トルエン460質量部を3つ口フラスコに仕込み、室温で30分間窒素置換した。75℃に加熱して7時間反応させた後、トルエン200質量部で希釈して反応を終了させた。この反応液にアクリル酸28質量部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.4質量部、トリフェニルホスフィン1質量部を加え90℃で7時間反応させた後、トルエン2000質量部で希釈しメタノール15000質量部に注入して析出させた。このポリマーをろ過し、メタノールで洗浄した後、真空乾燥して特開2005−2291号公報実施例1記載の反応性電荷輸送性ポリマーを205質量部得た(P−1)。GPCでのポリスチレン換算分子量Mwは18000であった。実施例14の化合物(II−20)の代わりにこの反応性電荷輸送性ポリマーを用いた以外は実施例14と同様にして比較例3の感光体を作製した。
<有機EL素子の作製>
厚さ150nmのITO膜を設けたガラス基板を、プラズマ洗浄機(サムコインターナショナル社製、BP1)を用い、酸素プラズマにて30秒間洗浄した。
前記化合物(II−7)を10部、OTazo−15(大塚化学、分子量354.4)0.2部をジクロロメタン50部に溶解した溶液を、回転数300rpmでスピンコートしたのち、酸素濃度150ppmの窒素下で160℃で1時間加熱し、硬化することにより、膜厚400nm(触針膜厚計にて測定)の正孔注入層を形成した。
得られた硬化膜(正孔注入層)はトルエンに室温および50℃にて10分浸漬しても溶解せず、溶剤、および、熱に対して安定なものであった。
この有機EL素子のITO電極を陽極とし、マグネシウム・銀合金電極を陰極として、直流7Vを印加して、電流密度を以下の方法により求めるとともに、輝度を以下の方法により測定した。さらに、1000時間動作後の輝度を以下の方法により測定し、その結果を表4に示す。
実施例20における化合物(II−7)を表4に示す化合物に変えた以外は実施例20に記載の方法により有機EL素子を作製し、評価した。その結果を表4に示す。
また、これらの実施例における硬化膜(正孔注入層)は、トルエンに室温および50℃にて10分浸漬しても溶解せず、溶剤、および、熱に対して安定なものであった。
実施例20における化合物(II−7)を用いて形成した正孔注入層に代えて、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)を膜厚400nmで真空蒸着した正孔注入層を適用した以外は実施例20に記載の方法により有機EL素子を作製し、評価した。結果を表4に示す
Claims (14)
- 下記一般式(1)で表される電荷輸送性ポリエステル樹脂。
[前記一般式(1)中、Aは電荷輸送性を有する2価の有機基を、Tは炭素数1以上10以下の直鎖状または分枝鎖状の2価の炭化水素基を、nは5以上5000以下の整数を示す。] - 前記一般式(1)における前記Aが正孔輸送性を有する2価の有機基である請求項1に記載の電荷輸送性ポリエステル樹脂。
- 前記一般式(1)における前記Aが、下記一般式(2)で示される基である請求項1または請求項2に記載の電荷輸送性ポリエステル樹脂。
[前記一般式(2)中、R1およびR2は、それぞれ独立に水素、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、置換または未置換のアリール基を、Xは置換または未置換の2価の有機基を、kおよびmはそれぞれ独立に0または1を示す。] - 前記一般式(2)における前記Xが、置換または未置換の2価の芳香族基、置換または未置換の芳香環数2以上10以下の2価の多核芳香族炭化水素基、置換または未置換の芳香環数2以上10以下の2価の縮合芳香族炭化水素基、或いは置換または未置換の2価の芳香族複素環基を表す請求項3に記載の電荷輸送性ポリエステル樹脂。
- 前記一般式(2)における前記Xが、以下に示す群(A)から選択される2価の有機基である請求項3または請求項4に記載の電荷輸送性ポリエステル樹脂。
- 前記一般式(2)における前記Xが、以下に示す群(B)から選択される2価の有機基である請求項3〜請求項5の何れか1項に記載の電荷輸送性ポリエステル樹脂。
- 前記電荷輸送性ポリエステル樹脂が光電変換デバイス用電荷輸送性ポリエステル樹脂である請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の電荷輸送性ポリエステル樹脂。
- 前記電荷輸送性ポリエステル樹脂が有機ELデバイス用電荷輸送性ポリエステル樹脂である請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の電荷輸送性ポリエステル樹脂。
- 前記電荷輸送性ポリエステル樹脂が電子写真感光体用電荷輸送性ポリエステル樹脂である請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の電荷輸送性ポリエステル樹脂。
- 請求項1に規定される電荷輸送性ポリエステル樹脂が溶媒中に溶解した電荷輸送性ポリエステル樹脂溶解液。
- 下記一般式(1)で表される構造を部分構造として有するポリエステル重合体、または下記一般式(1’)で表される構造を部分構造として有するポリエステル架橋重合体を含有する膜を備える光電変換デバイス。
[前記一般式(1)および一般式(1’)中、Aは電荷輸送性を有する2価の有機基を、Tは炭素数1以上10以下の直鎖状または分枝鎖状の2価の炭化水素基を、nは5以上5000以下の整数を示す。また、一般式(1’)では[*]の位置で架橋重合していることを表す。] - 前記膜が、前記一般式(1’)で表される構造を部分構造として有するポリエステル架橋重合体を含有する請求項11に記載の光電変換デバイス。
- 下記一般式(1)で表される構造を部分構造として有するポリエステル重合体、または下記一般式(1’)で表される構造を部分構造として有するポリエステル架橋重合体を含有する感光層を備える電子写真感光体。
[前記一般式(1)および一般式(1’)中、Aは電荷輸送性を有する2価の有機基を、Tは炭素数1以上10以下の直鎖状または分枝鎖状の2価の炭化水素基を、nは5以上5000以下の整数を示す。また、一般式(1’)では[*]の位置で架橋重合していることを表す。] - 前記感光層が、前記一般式(1’)で表される構造を部分構造として有するポリエステル架橋重合体を含有する請求項13に記載の電子写真感光体。
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