JP4883081B2 - 電子写真感光体及びその製造方法、プロセスカートリッジ、並びに画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、本発明は、上記電子写真感光体を利用した、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置を提供することである。
請求項1に係る発明は、
導電性基体と、該導電性基体上に設けた感光層と、を少なくとも有してなり、
最表面層である第1層と、該第1層に隣接した第2層とは、それぞれ、(メタ)アクリロイル基を有する電荷輸送性材料を用いた硬化物から構成された層であり、
前記第1層を構成する硬化膜に用いた前記電荷輸送性材料が有する(メタ)アクリロイル基の数は、前記第2層を構成する硬化膜に用いた前記電荷輸送性材料が有する(メタ)アクリロイル基の数よりも多く、且つ、
前記第1層を構成する硬化膜に用いた前記電荷輸送性材料が示す酸化電位と、前記第2層を構成する硬化膜に用いた前記電荷輸送性材料が示す酸化電位との差が、0.1V以下である電子写真感光体である。
前記第1層及び/又は第2層を構成する硬化膜が、更に電荷輸送性を有さない重合性モノマー又は重合性オリゴマーを用いた硬化膜である請求項1に記載の電子写真感光体である。
前記第2層を構成する硬化膜に用いた前記電荷輸送性材料が、2つの(メタ)アクリロイル基を有する電荷輸送性材料である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体である。
前記第1層を構成する硬化膜に用いた前記電荷輸送性材料が、3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する電荷輸送性材料である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体である。
前記第1層を構成する硬化膜に用いた前記電荷輸送性材料が、下記一般式(I)で表される化合物である請求項1に記載の電子写真感光体である。
導電性基体上に付与した(メタ)アクリロイル基を有する電荷輸送性材料を含有する組成物にエネルギーを印加して硬化させて、最表面層である第1層と該第1層に隣接した第2層を形成する工程を少なくとも有し、
前記第1層を形成する組成物及び前記第2層を形成する組成物は、それぞれ(メタ)アクリロイル基を有する電荷輸送性材料を含有する組成物であり、
前記第1層を形成する組成物が含有する前記電荷輸送性材料が有する(メタ)アクリロイル基の数は、前記第2層を形成する組成物が含有する前記電荷輸送性材料が有する(メタ)アクリロイル基の数よりも多く、
前記第1層を形成する組成物が含有する前記電荷輸送性材料が示す酸化電位と、前記第2層を形成する組成物が含有する前記電荷輸送化合物が示す酸化電位との差が0.1V以下であり、且つ、
前記第1層及び第2層を形成する組成物の硬化が、熱エネルギー、光エネルギー、及び電子線エネルギーから選択されるいずれかのエネルギーを印加して行われる電子写真感光体の製造方法である。
前記第1層及び/又は第2層を形成する組成物が、半減期温度が10℃以上100℃以下である熱重合開始剤を更に含有し、且つ、当該組成物の硬化が、熱エネルギーの印加により行われる請求項6に記載の電子写真感光体の製造方法である。
前記第1層及び第2層の硬化が、1回のみのエネルギーの印加により行われる請求項6又は請求項7に記載の電子写真感光体の製造方法である。
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、前記電子写真感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像手段、及び、前記電子写真感光体の表面に残存したトナーを除去するトナー除去手段からなる群より選ばれる少なくとも一種の手段と、を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体に静電潜像形成する静電潜像手段と、前記電子写真感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
本実施形態に係る電子写真感光体は、導電性基体と、該導電性基体上に設けた感光層と、を少なくとも有してなり、
最表面層である第1層と、該第1層に隣接した第2層とは、それぞれ、(メタ)アクリロイル基を有する電荷輸送性材料を用いた硬化物から構成された層であり、
前記第1層を構成する硬化膜に用いた前記電荷輸送性材料が有する(メタ)アクリロイル基の数は、前記第2層を構成する硬化膜に用いた前記電荷輸送性材料が有する(メタ)アクリロイル基の数よりも多く、且つ、
前記第1層を構成する硬化膜に用いた前記電荷輸送性材料が示す酸化電位と、前記第2層を構成する硬化膜に用いた前記電荷輸送性材料が示す酸化電位との差が、0.1V以下である、ことを特徴とする電子写真感光体である。
導電性基体上に付与した(メタ)アクリロイル基を有する電荷輸送性材料を含有する組成物にエネルギーを印加して硬化させて、最表面層である第1層と該第1層に隣接した第2層を形成する工程を少なくとも有し、
前記第1層を形成する組成物及び前記第2層を形成する組成物は、それぞれ(メタ)アクリロイル基を有する電荷輸送性材料を含有する組成物であり、
前記第1層を形成する組成物が含有する前記電荷輸送性材料が有する(メタ)アクリロイル基の数は、前記第2層を形成する組成物が含有する前記電荷輸送性材料が有する(メタ)アクリロイル基の数よりも多く、
前記第1層を形成する組成物が含有する前記電荷輸送性材料が示す酸化電位と、前記第2層を形成する組成物が含有する前記電荷輸送化合物が示す酸化電位との差が0.1V以下であり、且つ、
前記第1層及び第2層を形成する組成物の硬化が、熱エネルギー、光エネルギー、及び電子線エネルギーから選択されるいずれかのエネルギーを印加して行われる、ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
上記の効果を奏するメカニズムについては必ずしも明確ではないが、以下のように推定している。
本実施形態に係る電子写真感光体が有する第1層及び第2層は、それぞれ、(メタ)アクリロイル基を有する電荷輸送性材料用いた硬化膜から構成された層であり、第1層を構成する硬化物に用いた(メタ)アクリロイル基を有する電荷輸送性材料が有する(メタ)アクリロイル基の数は、第2層を構成する硬化物に用いた前記電荷輸送性材料が有する(メタ)アクリロイル基の数よりも多く、且つ、第1層を構成する硬化物に用いた前記電荷輸送性材料が示す酸化電位と、前記第2層を構成する硬化物に用いた前記電荷輸送性材料が示す酸化電位との差が、0.1V以下であることを要する。
第1層は、例えば、保護層として機能する層、電荷輸送層として機能する層、或いはこれらの機能を併有する層として設けられる。
また、本実施形態に係る電子写真感光体が有する第2層は、第1層に隣接した層であり、例えば、保護層として機能する層、電荷輸送層として機能する層、或いはこれらの機能を併有する層として設けられる。
また、特定の電荷輸送性材料は、第1層及び第2層を構成する硬化物に、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、「(メタ)アクリロイル基の数」については、第1層及び/又は第2層を構成する硬化物に、特定の電荷輸送性材料を1種のみ用いる場合には、当該特定の電荷輸送性材料が有する(メタ)アクリロイル基の数に基づいて判断する。また、特定の電荷輸送性材料を2種以上用いる場合には、第1層を構成する硬化物に用いる特定の電荷輸送性材料の中で、官能基数が最も大きい電荷輸送性材料の(メタ)アクロイル基数と、第2層を構成する硬化物に用いる特定の電荷輸送性材料の中で、官能基数が最も小さい電荷輸送性材料の(メタ)アクロイル基数とを用いて判断する。
また、本明細書における「酸化電位の差」とは、第1層を構成する硬化物に用いる特定の電荷輸送性材料が示す酸化電位の値から、第2層を構成する硬化物に用いる特定の電荷輸送性材料が示す酸化電位の値を減じて算出した値を意味する。
第2層を構成する硬化膜に用いた特定の電荷輸送性材料が、2つの(メタ)アクリロイル基を有することで、1つの(メタ)アクリロイル基を有するものを用いた場合に比べ、第2層の機械的強度がより向上し、隣接する第1層の部分的剥離がより効果的に抑制される。また、3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するものを用いた場合に比べ、感光体の熱履歴に対する強度低下がより抑制されることから、さらに長期に亘って安定に画像が出力される。
ここで、特定の電荷輸送性材料がその分子内に有する電荷輸送性骨格としては、例えば、トリフェニルアミン骨格、ベンジジン骨格、スチルベン骨格等が挙げられる。
トリフェニルアミン骨格と4つ以上のメタクリロイル基とを有する電荷輸送性材料は、合成時の安定性が確保でき、工業的なスケールでの生産が可能となると共に、架橋させた際には充分な強度を有する架橋膜(硬化膜)を形成する。このため、感光体の製造において、感光層などの架橋膜の強度を向上させるために、電荷輸送性を有さない多官能モノマーを必ずしも添加する必要がなくなり、第1層を厚膜に形成した場合であっても、充分な電気特性が確保されるため、感光体の寿命が延びる。また、電気特性と強度とが充分に確保されることにより、第1層を形成する組成物中に、バインダー樹脂、モノマーを更に添加して、ガスバリア性向上、接着性の更なる向上を図りうる。更に、同一分子内にトリフェニルアミン骨格と、4つ以上のメタクリロイル基を有する特定の電荷輸送性材料は、電荷輸送性を有さない多官能モノマーとは異なり、電荷輸送性構造を有することから、反応性基を持たない従来の電荷輸送性材料との相溶性にも優れる。このため、第1層の形成において反応性基を持たない従来の電荷輸送性材料のドーピングを行った場合には、より一層の電気特性の向上を図りうる。
特定の電荷輸送性材料としては、下記一般式(I)で表される化合物が望ましい。一般式(I)表される化合物は、特に電荷移動度等に優れる。
一般式(I)において、好ましくは、d+fは1以上の整数であり、更に好ましくはd+fは3から5の整数である。
但し、第1層を構成する硬化膜に一般式(I)で表される化合物を用いる場合には、一般式(I)におけるDの総数は2以上であることを要する。
以下、一般式(I)で示される化合物について更に詳細に説明する。
第1層及び第2層は、導電性基体上に付与した(メタ)アクリロイル基を有する電荷輸送性材料(特定の電荷輸送性材料)を含有する組成物に、エネルギーを印加して硬化させる工程により形成される。
このエネルギーの印加は、1回のみ行われることが望ましい。エネルギーの印加を1回のみとすることが望ましい理由は、形成された第1層及び第2層の界面において化学結合がより強まり、電子写真感光体の強度特性がより改善するためと推定している。
光エネルギーの印加は、水銀灯、メタルハライドなどの公知の露光光源を用いて、該組成物を露光して行う。光エネルギーの印加と同時に、50℃以上200℃以下の範囲で熱を加えることで、反応を加速しうる。
電子線エネルギーの印加は、電子線照射装置を用いて、該組成物に電子線エネルギーを印加する。同時に、50℃以上200℃以下の範囲で熱を加えることで、反応を加速しうる。
導電性基体4としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属又は合金を用いて構成される金属板、金属ドラム、及び金属ベルトが挙げられる。また、導電性基体4としては、導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニウム、パラジウム、金等の金属又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、プラスチックフィルム、ベルト等も挙げられる。
ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
下引層1は、結着樹脂のみで構成してもよいし、結着樹脂に無機粒子を含有して構成してもよい。
アクセプター性化合物としては、所望の特性が得られるものならば如何なるものでも使用可能であるが、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送性物質などが望ましく、特にアントラキノン構造を有する化合物が望ましい。さらに、ヒドロキシアントラキノン系化合物、アミノアントラキノン系化合物、アミノヒドロキシアントラキノン系化合物等、アントラキノン構造を有するアクセプター性化合物が望ましく用いられ、具体的にはアントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が挙げられる。
また、ジルコニウムキレート化合物の例としては、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
さらに、下引層1を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
さらに、下引層1は、所望の特性が得られるのであれば、いかなる厚さに設定されるが、厚さ15μm以上が望ましく、さらに望ましくは15μm以上50μm以下とされていることが望ましい。
下引層1の厚さが15μm未満であるときには、充分な耐リーク性能を得ることができず、また、50μm以上であるときには、長期使用した場合に残留電位が残りやすくなるため画像濃度異常を招きやすい欠点がある。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂などの粒子を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等を用いられる。
電荷発生層2は、電荷発生材料及び結着樹脂を含有する層である。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、ピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料、酸化亜鉛、三方晶系セレン等が挙げられる。これらの中でも、近赤外域のレーザー露光に対応させるためには、電荷発生材料として、金属フタロシアニン顔料、及び無金属フタロシアニン顔料を用いることが望ましく、特に、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン、特開平5−98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン、特開平5−140472号公報、特開平5−140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン、特開平4−189873号公報、特開平5−43823号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより望ましい。また、近紫外域のレーザー露光に対応させるためには、電荷発生材料として、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料、チオインジゴ系顔料、ポルフィラジン化合物、酸化亜鉛、三方晶系セレン、特開2004−78147号公報、特開2005−181992号公報に開示されたビスアゾ顔料、等を用いることがより望ましい。
さらにこの分散の際、電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、望ましくは0.3μm以下、さらに望ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る電荷輸送層は少なくとも2層の電荷輸送層を設けて構成される。
電荷輸送層3−1及び3−2は、それぞれ最表面層である第1層及びその隣接層である第2層として構成される層であり、特定の電荷輸送性材料を用いた硬化物により構成された層である。
さらに、電荷輸送層3−1(第1層)形成用塗布液においては、特定の電荷輸送性材料として、同一分子内にトリフェニルアミン骨格と4つ以上のメタクリロイル基を有する化合物を用いることがより望ましい。
分子内開列型の硬化触媒としては、ベンジルケタール系、アルキルフェノン系、アミノアルキルフェノン系、ホスフィンオキサイド系、チタノセン系、及びオキシム系の硬化触媒が挙げられる。
アルキルフェノン系の光硬化触媒としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、アセトフェノン、2−フェニル−2−(p−トルエンスルホニルオキシ)アセトフェノンが挙げられる。
チタノセン系としては、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムなどが挙げられる。
水素引抜型の硬化触媒として具体的には、ベンゾフェノン系としては、2-ベンゾイル安息香酸、2-クロロベンゾフェノン、4,4'-ジクロロベンゾフェノン、4-ベンゾイル 4'-メチルジフェニル スルフィド、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
チオキサントン系としては、2,4-ジエチルチオキサンテン-9-オン、2-クロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。
ベンジル系としては、ベンジル、(±)-カンファーキノン、p-アニシルなどが挙げられる。
即ち、熱重合開始剤の市販品としては、例えば、V−30、V−40、V−59、V601、V65、V−70、VF−096、Vam−110、Vam−111(和光純薬製)、OTAzo−15、OTazo−30、AIBN、AMBN、ADVN、ACVA(大塚化学)等のアゾ系開始剤。パーテトラA、パーヘキサHC、パーヘキサC、パーヘキサV、パーヘキサ22、パーヘキサMC、パーブチルH,パークミルH、パークミルP、パーメンタH、パーオクタH、パーブチルC、パーブチルD、パーヘキシルD、パーロイル IB、パーロイル 355、パーロイル L、パーロイル SA、ナイパー BW、ナイパー BMT−K40/M、パーロイル IPP、パーロイル NPP、パーロイル TCP、パーロイル OPP、パーロイル SBP、パークミル ND、パーオクタ ND、パーヘキシル ND、パーブチル ND、パーブチル NHP、パーヘキシル PV、パーブチル PV、パーヘキサ 250、パーオクタ O、パーヘキシル O、パーブチル O、パーブチル L、パーブチル 355、パーヘキシル I、パーブチル I、パーブチル E、パーヘキサ 25Z、パーブチル A、パーへヘキシル Z、パーブチル ZT、パーブチル Z(以上、日油化学社製)、
また、5官能以上のモノマー、オリゴマー、ポリマーとしては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の他、ポリエステル骨格、ウレタン骨格、フォスファゼン骨格を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上述したモノマー、オリゴマー、及びポリマーは、電荷輸送層形成用塗布液に含有される電荷輸送性を持つ化合物の全量に対し、100質量%以下、望ましくは50質量%以下、より望ましくは30質量%以下で用いられる。
非架橋型高分子電荷輸送材料としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシランなどの電荷輸送性を有する公知のものを用いることができる。特に、特開平8−176293号公報、特開平8−208820号公報等に開示されているポリエステル系高分子電荷輸送材料は、高い電荷輸送性を有しており、特に望ましいものである。
高分子電荷輸送材料を用いる場合、これを単独で用いてもよいが、後述する結着樹脂と混合して用いてもよい。
ここで上記各基が有する置換基としては、ハロゲン原子、炭素数が1以上5以下のアルキル基、炭素数が1以上5以下のアルコキシ基、又は炭素数が1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基が挙げられる。
ここで、前記構造式(a−1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び前記構造式(a−2)で示されるベンジジン誘導体のうち、特に、「−C6H4−CH=CH−CH=C(R13)(R14)」を有するトリアリールアミン誘導体、及び「−CH=CH−CH=C(R21)(R22)」を有するベンジジン誘導体が、電荷移動度、保護層との接着性、前画像の履歴が残ることで生じる残像(以下「ゴースト」と言う場合がある)などの観点で優れ望ましい。
各電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。
これらの結着樹脂のうち、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が電荷輸送性、電荷輸送材料との相溶性に優れるため望ましい。
結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。電荷輸送性材料と結着樹脂との配合比は質量比で10:1から1:5までが望ましい。
電荷輸送層形成用塗布液は、無溶媒で、或いは、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状もしくは直鎖状のエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのセロソルブ系、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール系、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類等の溶媒を単独で又は2種以上混合した溶媒を用いて調製される。
また、上記各構成材料の分散方法としては、公知の方法が使用される。
上記反応可能なポリマーとしては、例えば、特開平5−216249号公報、特開平5−323630号公報、特開平11―52603号公報、特開2000−264961号公報などに開示されたものが挙げられる。また、上記反応不可能なポリマーとしては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂など公知のものが挙げられる。
これらポリマーは、各電荷輸送層形成用塗布液が含有する電荷輸送性を持つ化合物の全量に対し、望ましくは100質量%以下、より望ましくは50%以下、さらに望ましくは30%以下で用いられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS770」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」が挙げられ、チオエーテル系として「スミライザ−TPS」、「スミライザーTP−D」が挙げられ、ホスファイト系として「マーク2112」、「マークPEP−8」、「マークPEP−24G」、「マークPEP−36」、「マーク329K」、「マークHP−10」等が挙げられる。
図3は、実施形態に係る画像形成装置100を示す概略構成図である。
図3に示される画像形成装置100は、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置(静電潜像形成手段)9と、転写装置(転写手段)40と、中間転写体50と、を備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光可能な位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体5に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。
かかるトナーとしては、高い現像性、転写性及び高画質を得る観点から、平均形状係数(ML2/A×π/4×100、ここでMLはトナー粒子の最大長を表し、Aはトナー粒子の投影面積を表す)が100以上150以下であることが望ましく、105以上145以下であることがより望ましく、110以上140以下であることがさらに望ましい。さらに、トナーとしては、体積平均粒子径が3μm以上12μm以下であることが望ましく、3.5μm以上10μm以下であることがより望ましく、4μm以上9μm以下であることがさらに望ましい。このような平均形状係数及び体積平均粒子径を満たすトナーを用いることにより、他のトナーと比べ、高い現像、転写性、及び高画質の画像が得られる。
図4に示される画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式のフルカラー画像形成装置である。
画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
また、本実施形態に係る画像形成装置(プロセスカートリッジ)において、現像装置(現像手段)は、電子写真感光体の移動方向(回転方向)に対して逆方向に移動(回転)する現像剤保持体である現像ローラを有することが望ましい。ここで、現像ローラは表面に現像剤を保持する円筒状の現像スリーブを有しており、また、現像装置はこの現像スリーブに供給する現像剤の量を規制する規制部材を有する構成のものが挙げられる。現像装置の現像ローラを電子写真感光体の回転方向に対して逆方向に移動(回転)させることで、現像ローラと電子写真感光体との間に留まるトナーで電子写真感光体表面が摺擦される。また、電子写真感光体上に残留したトナーをクリーニングする際に、例えば、球形に近い形状のトナーのクリーニング性を高めるためにブレード等の押し当て圧を高めることなどによって、電子写真感光体表面が強く摺擦される。
(下引層の作製)
酸化亜鉛:(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m2/g)100質量部をテトラヒドロフラン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM503:信越化学社製)1.3質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間)焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛110質量部を500質量部のテトラヒドロフランと攪拌混合し、アリザリン0.6質量部を50質量部のテトラヒドロフランに溶解させた溶液を添加し、50℃にて5時間攪拌した。その後、減圧ろ過にてアリザリンを付与させた酸化亜鉛をろ別し、さらに60℃で減圧乾燥を行いアリザリン付与酸化亜鉛を得た。
電荷発生物質としてのCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部、n−酢酸ブチル200質量部からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液にn−酢酸ブチル175質量部、メチルエチルケトン180質量部を添加し、攪拌して電荷発生層用の塗布液を得た。この電荷発生層用塗布液を下引層上に浸漬塗布し、常温で乾燥して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
化合物(II−10)として前掲した化合物80質量部、重合開始剤(OTAzo-15)1.6質量部、ポリビニルフェノール樹脂(重量平均分子量約8000、Aldrich製)15質量部、モノクロロベンゼン80質量部を加えて塗布液を調製した。この塗布液を電荷輸送層の上に浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した。
化合物(IV−18)として前掲した化合物80質量部、FA-321M(日立化成工業社製)20質量部、重合開始剤(OTAzo-15)1.6質量部、ポリビニルフェノール樹脂(重量平均分子量約8000、Aldrich製)15質量部、コロイダルシリカ(商品名:PL−1、扶桑化学工業社製) 3質量部、モノクロロベンゼン100質量部、酸化防止剤として3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)2質量部、p−トルエンスルホン酸0.1質量部を加えて塗布液を調製した。この塗布液を第2層の上に浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した。
(下引層、電荷発生層の作製)
実施例1と同様にして、下引層及び電荷発生層を作製した。次いで、電荷発生層の上に以下のようにして各電荷輸送層を作製した。
N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-[1,1’]ビフェニル-4,4’-ジアミン4.5質量部及びビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:4万)5.5質量部をクロルベンゼン80質量部に加えて溶解し、塗布液を調液した。この塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布法により塗布し、130℃で45分間乾燥させた。
得られた非架橋型電荷輸送層の膜厚は20μmであった。
化合物(II−11)として前掲した化合物80質量部、重合開始剤(OTAzo-15)1.6質量部、ポリビニルフェノール樹脂(重量平均分子量約8000、Aldrich製)15質量部、モノクロロベンゼン80質量部を加えて塗布液を調製した。この塗布液を電荷輸送層の上に浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した。
化合物(IV−15)として前掲した化合物80質量部、FA-023M(日立化成工業社製)20質量部、重合開始剤(OTAzo-15)1.6質量部、ポリビニルフェノール樹脂(重量平均分子量約8000、Aldrich製)15質量部、導電粒子(商品名:S−1、チタン工業社製)3質量部、モノクロロベンゼン100質量部、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)2質量部、p−トルエンスルホン酸0.1質量部を加えて塗布液を調製した。この塗布液を第2層の上に浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した。
得られた感光体の電荷輸送層の膜厚は30μmであった。
(メタ)アクリロイル基を有する電荷輸送性材料(特定の電荷輸送性材料、表1中では架橋型電荷輸送材料と表示した。)、架橋型非電荷輸送材料、粒子、樹脂、触媒(重合開始剤)などの各材料を、表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例3〜6の電子写真感光体を作製した。
(下引層、電荷発生層の作製)
実施例1と同様にして、下引層及び電荷発生層を作製した。次いで、電荷発生層の上に以下のようにして各電荷輸送層を作製した。
化合物(II-7)として前掲した化合物80質量部、重合開始剤(Irgacure184(チバガイギー社製))1.6質量部、モノクロロベンゼン80質量部を加えて塗布液を調製した。この塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した。
化合物(III-1)として前掲した化合物80質量部、重合開始剤(Irgacure184(チバガイギー社製))1.6質量部、ポリビニルフェノール樹脂(重量平均分子量約8000、Aldrich製)15質量部、導電微粒子(商品名:S−1、チタン工業社製) 3質量部、モノクロロベンゼン100質量部、並びに3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)2質量部、p−トルエンスルホン酸0.1質量部を加えて塗布液を調製した。この塗布液を電荷輸送層(第2層)の上に浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した。
得られた感光体の電荷輸送層(第1層及び第2層)の膜厚は20μmであった。
(下引層、電荷発生層の作製)
実施例1と同様にして、下引層及び電荷発生層を作製した。次いで、電荷発生層上に以下のようにして各電荷輸送層を作製した。
N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-[1,1’]ビフェニル-4,4’-ジアミン4.5質量部及びビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:4万)5.5質量部をクロルベンゼン80質量部に加えて溶解し、塗布液を調液した。この塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布法により塗布し、130℃で45分間乾燥させた。
得られた非架橋型電荷輸送材料の膜厚は25μmであった。
化合物(II-10)として前掲した化合物8質量部、重合開始剤(Irgacure184(チバガイギー社製))0.16質量部、ポリビニルフェノール樹脂(重量平均分子量約8000、Aldrich製)1.5質量部、モノクロロベンゼン8質量部を加えて塗布液を調製した。この塗布液を電荷輸送層の上に浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した。
化合物(III-1)として前掲した化合物8質量部、重合開始剤(Irgacure184(チバガイギー社製))0.16質量部、ポリビニルフェノール樹脂(重量平均分子量約8000、Aldrich製)1.5質量部、コロイダルシリカ(商品名:PL−1、扶桑化学工業社製) 3質量部、モノクロロベンゼン10質量部、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.2質量部、p−トルエンスルホン酸 0.01質量部を加えて塗布液を調製した。この塗布液を電荷輸送層(第2層)上に浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した。
得られた感光体の電荷輸送層(第1層及び第2層)の膜厚は31μmであった。
(下引層、電荷発生層の作製)
実施例1と同様にして、下引層及び電荷発生層を作製した。次いで、電荷発生層の上に以下のようにして電荷輸送層を作製した。
化合物(I-7)として前掲した化合物80質量部、重合開始剤(Irgacure907(チバガイギー社製))1.6質量部、ポリビニルフェノール樹脂(重量平均分子量約8000、Aldrich製)15質量部、モノクロロベンゼン80質量部を加えて塗布液を調製した。この塗布液を電荷輸送層の上に浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した。
化合物(III-1)として前掲したる化合物80質量部、重合開始剤(Irgacure907(チバガイギー社製))1.6質量部、ポリビニルフェノール樹脂(重量平均分子量約8000、Aldrich製)15質量部、コロイダルシリカ(商品名:PL−1、扶桑化学工業社製) 3質量部、モノクロロベンゼン100質量部、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)2質量部、p−トルエンスルホン酸0.1質量部を加えて塗布液を調製した。この塗布液を電荷輸送層(第2層)上に浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した。
得られた感光体の電荷輸送層(第1層及び第2層)の膜厚は34μmであった。
(メタ)アクリロイル基を有する電荷輸送材料、架橋型非電荷輸送材料、微粒子、樹脂、触媒などの材料を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様に比較感光体1〜3を作製した。
上記のように作製した各電子写真感光体に対して、図6に示した温度プロファイルを1サイクルとして合計50サイクルの熱履歴を与えた。これらの感光体について以下の評価を行った。
温度プロファイルを掛けた電子写真感光体を用いて、接着性の評価を行った。接着性は、画像形成テスト後の感光体に2mm角で5×5個の切れ目をカッターナイフで付け、3M社製メンディングテープを貼り付け、剥離した時の残存数で評価した。
その結果を表2に示した。
A+:24個以上残存。
A:21〜23個残存。
B:11個以上20個以下残存。
C:10個以下残存。
温度プロファイルを掛けた電子写真感光体を富士ゼロックス社製、DocuCentre Color 400CPに装着し、低温低湿(18℃、20%RH)において、以下の評価を連続して行なった。
具体的な評価方法としては、低温低湿(18℃、20%RH)の環境下にて10000枚の画像形成テストを行ない、10000枚目の画質、及び、10000枚画像形成テストを実施した後、低温低湿(18℃、20%RH)環境下で24時間放置した後の最初の画質について、以下のゴースト、カブリ、スジ、画像流れを評価した。
引き続き、低温低湿(18℃、20%RH)の環境下にて40000枚の画像形成テストを行ない、50000枚目の画質、及び、50000枚画像形成テストを実施した後、低温低湿(18℃、20%RH)環境下で24時間放置した後の最初の画質について以下のゴースト、カブリ、スジ、画像流れを評価した。その結果を表2に示した。
ゴーストは、図5(A)に示したGと黒領域を有するパターンのチャートをプリントし、黒べた部分にGの文字の現れ具合を目視にて評価した。
A+:図5(A)のように良好であり、目視でも検出できない。
A:図5(A)のように良好であるが、目視で発生していることが認識できる。
B:図5(B)のように若干目立つ程度である
C:図5(C)のようにはっきり確認される。
カブリ評価は上述のゴースト評価と同じサンプルを用いて、白地部のトナー付着程度を予め定めた限度見本と照合し、以下の基準により判断した。
G1:非常に良好
G2:良好
G3:うっすらとカブリあり
G4:カブリが発生しているが、画質上問題にならない
G5:画質上問題となるカブリあり
スジ評価は上述のゴースト評価と同じサンプルを用い、予め定めた限度見本と照合し、以下の基準により判断した。
G1:良好。
G3:部分的にスジの発生あり。
G5:画質上問題となるスジ発生。
樹脂1:ポリビニルフェノール樹脂 (重量平均分子量約8000、Aldrich製)
樹脂2:ブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学社製)
架橋型非電荷輸送材料:
FA−321M(日立化成工業社製)
FA−023M(日立化成工業社製)
粒子:
PL−1(扶桑化学工業社製)
S−1(チタン工業社製)
防止剤1 :BHT
防止剤2 :サノールLS770(三共ライフテック社製)
触媒1:OTAzo−15(大塚化学製)
触媒2:AIBN (大塚化学製)
触媒3:Irgacure 184(チバガイギー社製)
触媒4:Irgacure 907(チバガイギー社製)
またさらに、本実施例では、比較例に比べ、ゴースト、カブリ、スジの全てにおいて優れていることが分かった。
2 電荷発生層
3-1 電荷輸送層1(第1層)
3-2 電荷輸送層2(第2層)
3-3 電荷輸送層3
4 導電性基体、
7A、7B、7 電子写真感光体
8 帯電装置
9 露光装置
11 現像装置
13 クリーニング装置
14 潤滑材
40 転写装置
50 中間転写体
100 画像形成装置
120 画像形成装置
300 プロセスカートリッジ
Claims (10)
- 導電性基体と、該導電性基体上に設けた感光層と、を少なくとも有してなり、
最表面層である第1層と、該第1層に隣接した第2層とは、それぞれ、(メタ)アクリロイル基を有する電荷輸送性材料を用いた硬化物から構成された層であり、
前記第1層を構成する硬化膜に用いた前記電荷輸送性材料が有する(メタ)アクリロイル基の数は、前記第2層を構成する硬化膜に用いた前記電荷輸送性材料が有する(メタ)アクリロイル基の数よりも多く、且つ、
前記第1層を構成する硬化膜に用いた前記電荷輸送性材料が示す酸化電位と、前記第2層を構成する硬化膜に用いた前記電荷輸送性材料が示す酸化電位との差が、0.1V以下である電子写真感光体。 - 前記第1層及び/又は第2層を構成する硬化膜が、電荷輸送性を有さない重合性モノマー、又は重合性オリゴマーを更に用いた硬化膜である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記第2層を構成する硬化膜に用いた前記電荷輸送性材料が、2つの(メタ)アクリロイル基を有する電荷輸送性材料である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記第1層を構成する硬化膜に用いた前記電荷輸送性材料が、3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する電荷輸送性材料である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 導電性基体上に付与した(メタ)アクリロイル基を有する電荷輸送性材料を含有する組成物にエネルギーを印加して硬化させて、最表面層である第1層と該第1層に隣接した第2層を形成する工程を少なくとも有し、
前記第1層を形成する組成物及び前記第2層を形成する組成物は、それぞれ(メタ)アクリロイル基を有する電荷輸送性材料を含有する組成物であり、
前記第1層を形成する組成物が含有する前記電荷輸送性材料が有する(メタ)アクリロイル基の数は、前記第2層を形成する組成物が含有する前記電荷輸送性材料が有する(メタ)アクリロイル基の数よりも多く、
前記第1層を形成する組成物が含有する前記電荷輸送性材料が示す酸化電位と、前記第2層を形成する組成物が含有する前記電荷輸送性材料が示す酸化電位との差が0.1V以下であり、且つ、
前記第1層及び第2層を形成する組成物の硬化が、熱エネルギー、光エネルギー、及び電子線エネルギーから選択されるいずれかのエネルギーを印加して行われる電子写真感光体の製造方法。 - 前記第1層及び/又は第2層を形成する組成物が、半減期温度が10℃以上100℃以下である熱重合開始剤を更に含有し、且つ、当該組成物の硬化が、熱エネルギーの印加により行われる請求項6に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記第1層及び第2層の硬化が、1回のみのエネルギーの印加により行われる請求項6又は請求項7に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、前記電子写真感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像手段、及び、前記電子写真感光体の表面に残存したトナーを除去するトナー除去手段からなる群より選ばれる少なくとも一種の手段と、を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体に静電潜像形成する静電潜像手段と、前記電子写真感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
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