JP3736199B2 - 電荷輸送性重合体の製造方法 - Google Patents

電荷輸送性重合体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、電界発光素子、フォトリフラクティブ素子、光センサー、光電池等の有機電子デバイスへの応用が可能な電荷輸送性重合体を製造する電荷輸送性重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真感光体、有機電界発光素子、フォトリフラクティブ素子、光センサー、光電池等の有機電子デバイスを構成する素材としては、電荷輸送性低分子化合物を重合体中に分散した低分子分散系が主流であったが、電荷輸送性化合物自体を高分子化することにより低分子分散系に比べて機械的特性や熱的特性に優れる材料が得られる可能性があることから、現在では、ポリビニルカルバゾールに代表される電荷輸送性重合体がさかんに研究されている。
【0003】
例えば、米国特許第4,937,165号明細書および同第4,959,288号明細書には、特定のジヒドロキシアリールアミン或いはビスヒドロキシアリールアミンを、ビスクロロホルメートと重合して得られたポリカーボネート、或いはこれらアミンとビスアシルハライドと重合して得られたポリエステルが開示されている。また、特公昭59-28903号公報には特定のビススチリルビスアリールアミンを主鎖としたポリエステルが開示されている。
【0004】
電荷輸送性重合体の中でも、電荷輸送性ポリエステルは、合成が容易で、溶解性、成膜性に優れることから種々の構造の電荷輸送性ポリエステルが提案されているが、電子デバイス用電荷輸送性重合体として要求される全ての特性を満足する化合物を得るのは困難であり、とりわけ電子写真感光体の用途では、残留電位の蓄積、長期の繰り返し安定性の面で未だ満足のいく電荷輸送性重合体は得られていないというのが現状である。これら性能低下の原因の1つは、製造工程で副生する種々の不純物の影響であると考えられている。電子写真感光体、有機電界発光素子等の有機電子デバイスの構成素材として用いる場合、それら高分子の純度が電荷移動特性に及ぼす影響は極めて大きい。従って、製造工程で副生する種々の不純物の除去が高品位のデバイスを得るためには不可欠であると考えられる。
【0005】
また、電子写真装置においては、近年の高画質化、ネットワーク化等の要請に伴いデジタル方式が主流となっているが、この場合、一般にドット等の面積率で階調を表現する面積階調方式を採用するため、ある露光量に達するまでは電位減衰せず、その露光量を超えると急峻な電位減衰が起こるS字型の光誘起電位減衰特性を有する感光体(以下S字感光体と称す)を使用することが画質の鮮鋭度を高めることができる等の点から望ましい。
【0006】
このS字型光誘起電位減衰特性は、ZnO等の無機顔料あるいはフタロシアニン等の有機顔料を樹脂中に粒子分散した単層型感光体においては公知の現象であり、最近では、D.M.Pai等によって、電荷発生層および不均一電荷輸送層からなる積層感光体(特開平6−83077号公報)や、電荷発生層、不均一電荷輸送層、均一電荷輸送層からなる3層構成のS字感光体(特開平9−160263)が提案されている。しかしながら、これまでに提案されている材料では、電荷移動性能、繰り返し安定性が未だ不十分であり、これらのS字感光体用電荷輸送層用材料においても、より電荷移動性能が高く、繰り返し安定性にすぐれた電荷輸送性材料が望まれており、高性能電荷輸送性重合体への期待が高まっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術における上記の実状に鑑みなされたものであって、本発明の目的は、電荷移動性能が高く、繰り返し安定性にすぐれた電荷輸送性重合体を製造する電荷輸送性重合体の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、エステル結合を含有する電荷輸送性重合体に関して鋭意検討を重ねた結果、エステル化反応後に反応生成物に残留するエステル化触媒由来の副生成物を所定の方法で除去することにより、電荷輸送性重合体の電気的特性が著しく向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の電荷輸送性重合体の製造方法は、エステル化触媒存在下でのジオール成分とジカルボン酸成分との反応により形成されたエステル結合、または、エステル化触媒存在下でのジオール成分とジカルボン酸エステル成分との反応により形成されたエステル結合を有する電荷輸送性重合体の製造方法であって、該エステル結合形成後に、反応生成物を疎水性溶剤に溶解して溶液とし、該溶液を親水性濾過材料を用いて濾過することにより、エステル化触媒に由来する物質を除去することを特徴とする。
【0010】
本発明において、電荷輸送性重合体の電気的特性が著しく向上する理由は明らかではないが、触媒由来の重金属化合物、原料モノマー中の反応不純物由来の親水性不純物が、それらと親和性の高い親水性濾過材料に吸着されて除去されるためであると推察される。
【0011】
このような電荷輸送性重合体としては、下記一般式(1)または下記一般式(2)で示される構造の少なくとも1種を繰り返し単位として含有する重合体が好ましい。
【0012】
【化5】
Figure 0003736199
【0013】
(式中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立に置換もしくは未置換のアリール基を表し、X1は芳香族環構造を有する2価の炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基を表し、X2及びX3はそれぞれ独立に置換もしくは未置換のアリーレン基を表し、Lは少なくともエステル結合を含む2価の炭化水素基を表し、mは0または1から選ばれる整数を表す。)
【0014】
【化6】
Figure 0003736199
【0015】
(式中、Ar3及びAr4はそれぞれ独立に置換もしくは未置換のアリール基を表し、Yは芳香族環構造を有し少なくともエステル結合を含む3価の炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基を表す。)
【0016】
本発明の電荷輸送性重合体は、さらに、下記一般式(3)および下記一般式(4)から選ばれるモノマー成分を共重合成分として含有していてもよい。
【0017】
【化7】
Figure 0003736199
【0018】
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、または置換もしくは未置換のアリール基を表し、Zは酸素原子、または置換もしくは未置換の2価のアミノ基を表す。)
【0019】
【化8】
Figure 0003736199
【0020】
(式中、R3〜R5はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、または置換もしくは未置換のアリール基を表し、R6はハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、または置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基を表す。)
【0021】
前記親水性濾過材料が、セルロース、親水性官能基で変性されたナイロン、および親水性官能基で変性されたテトラフルオロポリエチレンから選択される少なくとも1種からなることが好ましく、前記親水性濾過材料の形態は、親水性濾紙、親水性濾過助剤のいずれでもよいが、親水性濾紙を用いる場合、その平均孔径が15μm以下であることが好ましい。
【0022】
親水性濾過材料を用いて濾過することにより、エステル化触媒に由来する金属が、その重合体中での含有量が10μg/g以下となるまで除去されていることが好ましく、親水性濾過材料での濾過処理効果が顕著に現れることから、エステル化触媒がチタン系触媒である場合に特に好適である。
【0023】
本発明の製造方法により製造された電荷輸送性重合体は、エステル化触媒存在下でのジオール成分とジカルボン酸成分との反応により形成されたエステル結合、または、エステル化触媒存在下でのジオール成分とジカルボン酸エステル成分との反応により形成されたエステル結合を有する電荷輸送性重合体であって、該エステル結合形成後に、反応生成物を疎水性溶剤に溶解して溶液とし、該溶液を親水性濾過材料を用いて濾過することにより、エステル化触媒に由来する物質が除去されていることを特徴とする。
【0024】
上記の電荷輸送性重合体を用いて電子写真感光体を製造することもできる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施の形態によってさらに詳しく説明する。
【0026】
[電荷輸送性重合体]
本発明の電荷輸送性重合体は、主鎖にエステル結合を有する電荷輸送性ポリエステルであり、エステル結合は、エステル化触媒存在下にジオール成分とジカルボン酸成分とを反応させて、または、ジオール成分とジカルボン酸エステル成分とを反応させて形成される。これらエステル化反応は、例えば第4版実験化学講座28巻等に記載されているジカルボン酸やジカルボン酸クロリドとジオールとの直接エステル化反応、ジカルボン酸エステルとジオールとのエステル交換反応等の公知の反応である。
【0027】
これらの反応は、一般にはジカルボン酸の自己触媒作用で進行するが、本発明においては、反応促進のために、重金属酸化物、重金属塩、チタン、スズ、鉛等の有機金属化合物をエステル化触媒として添加する。汎用性、除去し易さの点で、チタン系触媒が好ましく、チタンアルコキシド(Ti(OR)4)が特に好ましい。
【0028】
エステル化触媒は、ジカルボン酸成分(またはジカルボン酸エステル成分)1重量部に対して、1/10000〜1/10重量部、好ましくは1/1000〜1/50重量部の範囲で用いられる。
【0029】
本発明においては、エステル結合を形成した後に、上記エステル化触媒に由来する物質を除去する。エステル化触媒に由来する物質の除去は、反応生成物を疎水性溶剤に溶解して溶液とし、該溶液を親水性濾過材料を用いて濾過することにより行う。エステル化触媒に由来する物質の詳細は不明であるが、反応生成物中には疎水性溶剤に不溶の物質が含まれており、これを濾過により除去する。電荷輸送性重合体としての特性向上の観点から、エステル化触媒に由来する金属の重合体中での含有量は少なくとも10μg/g以下とするのが好ましい。
【0030】
本発明において「疎水性溶剤」とは、溶解パラメータ(SP値)が10以下の溶剤を意味し、本発明で使用する疎水性溶剤としては、反応生成物を溶解できるものであれば特に制限はなく、ヘキサン、ジエチルエーテル、シクロヘキサン、四塩化炭素、キシレン、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、スチレン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等を使用することができる。反応生成物が芳香族系置換基を多く含む場合は、相溶性の観点から、キシレン、トルエン、ベンゼン等の芳香族系の疎水性溶剤を用いることが好ましい。反応生成物を溶解した溶液は、その固形分率が3%〜80%の範囲となるように調整することが好ましく、濾過性を考慮すると固形分率を5%〜30%の範囲とすることがより好ましい。
【0031】
本発明で使用する親水性濾過材料は、濾過の際にフィルターとして作用するものであれば特に制限はなく、親水性濾紙の外に親水性濾過助剤等を使用することができる。親水性濾紙を用いる場合、その平均孔径が15μm以下であることが好ましく、効率的な除去の観点から、平均孔径5μm〜10μmの濾紙がより好ましい。また、親水性濾過助剤を用いる場合、その平均粒子径が40μm以下であることが好ましく、効率的な除去の観点から、平均粒子径2μm〜12μmの濾過助剤がより好ましい。
【0032】
本発明で使用する親水性濾過材料は、文字通り水との親和性が高い材料から形成された濾過材料であり、表面にカルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルホネート基等の親水性置換基を多く有するセルロースや、これら親水性置換基で変性されたナイロン、テトラフルオロポリエチレン等の合成樹脂が使用される。
【0033】
濾過は公知の濾過方法により行うことができる。加圧濾過、吸引濾過、保温濾過、冷却濾過等、濾過時の圧力・温度は、溶液の濾過性に応じて適宜変えることができるが、微小粒径の不溶物を効率よく除去するためには、濾過を加圧下で行うことが好ましい。また、除去すべき触媒由来の不純物の種類によっては、親水性濾過材料を用いた濾過の前後にPTFEフィルター等の疎水性濾過材料を用いて濾過を行ってもよい。
【0034】
濾過によりエステル化触媒に由来する物質を除去した後、再沈によりさらに電荷輸送性重合体の精製を行うのが好ましい。再沈は、濾液をそのままメタノール、エタノール等のアルコール類やアセトン等の反応生成物が溶解しにくい貧溶媒中に滴下し、電荷輸送性重合体を析出させることにより行う。貧溶媒は、電荷輸送性重合体1重量部に対して、1〜1000重量部、好ましくは10〜500重量部の範囲で用いられる。
【0035】
エステル結合を有する電荷輸送性重合体としては、電荷移動度、電荷注入性、電荷寿命、可視光および赤外光透過性、化学的安定性等の点で、前記一般式(1)または前記一般式(2)で示される構造の少なくとも1種を繰り返し単位として含有する重合体が好ましい。この重合体は重縮合により主鎖にエステル結合が形成されたポリエステルである。
【0036】
前記一般式(1)中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立に置換もしくは未置換のアリール基を表し、該アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピレニル基等が挙げられる。また、置換基としては、メチル基、エチル基、メトキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
【0037】
1は芳香族環構造を有する2価の炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基を表す。具体例としては、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、メチレンジフェニル基、シクロヘキシリデンジフェニル基、オキシジフェニル基、チオジフェニル基等、およびこれらのメチル置換体、エチル置換体、メトキシ置換体、またはハロゲン置換体等が挙げられ、この中でも特に置換もしくは未置換のビフェニレン基が電荷輸送性の点で、特に好ましい。
【0038】
2及びX3はそれぞれ独立に置換もしくは未置換のアリーレン基を表し、具体的には、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基等、およびこれらのメチル置換体、エチル置換体、メトキシ置換体、またはハロゲン置換体等が挙げられる。
【0039】
Lは少なくともエステル結合を含む2価の炭化水素基を表し、枝分れもしくは環構造を含んでもよく、炭素数が20以下であるものが好ましい。その具体例としては、以下の(L1)〜(L6)が挙げられる。
【0040】
【化9】
Figure 0003736199
【0041】
また、mは0または1から選ばれる整数を表す。
【0042】
前記一般式(2)中、Ar3及びAr4はそれぞれ独立に置換もしくは未置換のアリール基を表し、炭素数6〜24の置換もしくは未置換のアリール基が好ましい。該アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピレニル基等が挙げられる。また、置換基としては、炭素数1〜12個のアルキル基またはアルコキシ基、ジフェニルアミノ基、ジフェニルアミノフェニル基、ハロゲン原子等が好ましい。
【0043】
Yは、芳香族環構造を有し、少なくともエステル結合を含む3価の炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基を表す。Yは、機械的強度等の点で、炭素数が20以下のものが好ましい。Yの具体例としては、以下に示すY1〜Y6が挙げられる。
【0044】
【化10】
Figure 0003736199
【0045】
本発明の電荷輸送性共重合体が繰り返し単位として含有する上記一般式(1)で表される構造式の具体例を下記表1〜2に表し、上記一般式(2)で表される構造式の具体例を下記表3に示す。
【0046】
【表1】
Figure 0003736199
【0047】
【表2】
Figure 0003736199
【0048】
【表3】
Figure 0003736199
【0049】
上記電荷輸送性重合体は、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で示される構造の少なくとも一種を繰り返し単位中に有していればよく、数種の構造を含む場合には、その連結形式は、ランダム、ブロック、交互等の任意のものでよい。
【0050】
また、前記電荷輸送性重合体は、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で示される構造以外の構造をその繰り返し単位中に含んでもよく、その場合には、前記電荷輸送性重合体中に占める前記一般式(1)または前記一般式(2)で示される構造の割合が25重量%以上であることが好ましい。より好ましくは40重量%以上であり、さらに好ましくは60重量%以上である。前記電荷輸送性重合体中に占める該繰り返し単位の割合が25重量%より少ないと十分な電荷輸送性が発揮されない。
【0051】
前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で示される構造をその繰り返し単位中に含む電荷輸送性ブロックと、前記一般式(3)で表される構造の少なくとも1種をその繰り返し単位中に含む絶縁性ブロックと、でブロック共重合体またはグラフト共重合体を形成してもよい。
【0052】
本発明の共重合体を形成する絶縁性ブロックとしては、前記一般式(3)で示される構造の少なくとも1種を繰り返し単位として含有し、絶縁性を示すものであれば、如何なるものでも構わないが、湿式塗布適性、成膜性、機械的強度、可撓性等の点で、該ブロックの重量平均分子量が、2000以上5000000以下であることが好ましい。より好ましくは10000以上2000000以下であり、さらに好ましくは20000以上1000000以下である。
【0053】
前記一般式(3)中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、または置換もしくは未置換のアリール基を表す。置換もしくは未置換のアルキル基としては、炭素数1〜8のものが好適であり、置換もしくは未置換のアリール基としては、炭素数6〜8のものが好適である。具体的には、メチル基、エチル基、フェニル基、トリル基等が挙げられる。
【0054】
Zは酸素原子、または置換もしくは未置換の2価のアミノ基を表し、酸素原子または炭素数0〜8の置換もしくは未置換の2価のアミノ基が好ましい。また、置換基としては、炭素数1〜8個のアルキル基、アリール基等が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、フェニル基、トリル基等が挙げられる。
【0055】
また、絶縁性ブロックとして、前記一般式(4)で示される構造の少なくとも1種を繰り返し単位として含有するものを用いてもよい。ここで、絶縁性ブロックの重量平均分子量とは、本発明の共重合体に含まれる全ての絶縁性ブロックの分子量の重量平均値を示すものとする。
【0056】
前記一般式(4)中、R3〜R5はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、換もしくは未置換のアルキル基、または置換もしくは未置換のアリール基から選ばれる。置換もしくは未置換のアルキル基としては、炭素数1〜8のものが好適であり、置換もしくは未置換のアリール基としては、炭素数6〜8のものが好適である。具体的には、メチル基、エチル基、フェニル基、トリル基等が挙げられる。
【0057】
6はハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、または置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基から選ばれる。置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基としては、炭素数1〜8のものが好適であり、置換もしくは未置換のアリール基としては、炭素数6〜8のものが好適であり、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、または置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜11のものが好適である。
【0058】
また、絶縁性ブロック中の繰り返し単位として含有する、前記一般式(3)で表される構造式の具体例を下記表4に、前記一般式(4)で表される構造式の具体例を下記表5に示すが、本発明はこれらに限られるものではない。
【0059】
【表4】
Figure 0003736199
【0060】
【表5】
Figure 0003736199
【0061】
【表6】
Figure 0003736199
【0062】
【表7】
Figure 0003736199
【0063】
【表8】
Figure 0003736199
【0064】
【表9】
Figure 0003736199
【0065】
【表10】
Figure 0003736199
【0066】
【表11】
Figure 0003736199
【0067】
【表12】
Figure 0003736199
【0068】
また、本発明の電荷輸送性共重合体の具体例としては、前記表1〜3に示される構造から選ばれる任意のものを繰り返し単位とする電荷輸送性ブロックと、前記表4〜5に示される構造から選ばれる任意のものを繰り返し単位とする絶縁性ブロックと、からなるブロック共重合体が挙げられるが、本発明はこれらに限られるものではない。
【0069】
本発明の共重合体の合成方法としては、第4版実験化学講座28高分子合成(丸善、1992)、マクロモノマーの化学と工業(アイピーシー、1990)、高分子の相溶化と評価技術(技術情報協会、1992)、高分子新素材One Point 12ポリマーアロイ(共立、1988)等に記載されているブロック共重合体またはグラフト共重合体を与え得る任意の適当な方法を用いることができる。
【0070】
例えば、予め電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックを合成し、それら重合体同士を反応結合させることによって所望とするブロック共重合体が得られる。
【0071】
また、電荷輸送性ブロックを形成するモノマーと絶縁性ブロックを形成するモノマーの重合形式が同じでありかつ両者の反応性が大いに異なる場合には、単にそれらモノマーの混合物を重合させることで、まず、反応性の高い方のモノマーが重合し、該モノマーが消費された後、反応性の低い方のモノマーが重合し、所望とするブロック共重合体が得られる。
【0072】
また、予め一方のモノマーの重合物を合成し、該重合物の末端および/または側鎖にアゾ、過酸エステル、パーオキシ、ジチオカルバマート、アルカリ金属アルコラート、アルカリ金属アルキル等の重合開始能を有する基を含む重合開始剤を導入し、該重合開始剤により、他方のモノマーを重合させることによっても、所望とするブロック共重合体またはグラフト共重合体を得ることができる。この方法は、重縮合または重付加系重合体と付加重合または開環重合系重合体からなるジまたはトリブロック共重合体、およびグラフト共重合体を、容易に与えることができ、好ましい。特に、アゾ型重合開始剤は、比較的安定であるため、取扱いが容易であり、また、広範なビニルモノマーに対しラジカル重合開始能を有するため、特に好ましい。
【0073】
また、分子中にアゾ、過酸エステル、パーオキシ等の重合開始能を有する基を複数含む化合物を用い、まず、一部の重合開始基から、一方のモノマーを重合させ、次に残りの重合開始基から、他方のモノマーを重合させることによっても所望とするブロック共重合体が得られる。
【0074】
また、カチオンリビング重合法、アニオンリビング重合法、ラジカルリビング重合法等のリビング重合法により、各モノマーを逐次重合させることによっても所望とするブロック共重合体を得ることができる。リビング重合法は、各ブロックの分子量を容易に制御でき、かつ分子量分布の狭い重合体を与え得る。また、イモータル重合法、Iniferter法等により、各モノマーを逐次重合させることによっても所望とするブロック共重合体を得ることができる。
【0075】
さらにまた、予め一方のモノマーの重合物の末端に他方のモノマーを導入したマクロモノマーを合成し、該マクロモノマーを重合させることによって所望とするグラフト共重合体を得ることができる。
【0076】
本発明の電荷輸送性重合体の重合度は、低すぎると成膜性に劣り、強固な膜が得られにくく、また高すぎると溶剤への溶解度が低くなり加工性が悪くなるため、5〜5000の範囲で用いられ、好ましくは15〜1000に設定される。構成モノマーの比率は所望の物性が得られるように任意の割合で設定され、共重合の形態は、ブロック共重合、グラフト共重合、ランダム共重合等如何なる形態でも構わない。また、共重合の場合、良好な電荷輸送特性を得るためには、電荷輸送性ブロックの分子量が2000以上であることが好ましい。
【0077】
[電子写真感光体]
本発明の電荷輸送性重合体は、電子写真感光体用電荷発生材料として、これまでに提案されているビスアゾ顔料、フタロシアニン顔料、スクアリリウム顔料、ペリレン顔料、ジブロモアントアントロン等の如何なる電荷発生材料とも組み合わせて用いることができるが、電荷発生材料として、すでに本発明者等により特開平5−98181号公報に開示されているハロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶、特開平5−140472号公報、特開平5−140473号公報に開示されているハロゲン化スズフタロシアニン結晶、特開平5−263007号公報および特開平5−27951号公報に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、特開平4−189893号公報、特開平5−43813号公報に開示されているチタニルフタロシアニン水和物を用いることにより、特に高感度で、残留電位が低く、繰り返し安定性に優れる電子写真感光体を得ることができる。
【0078】
特に本発明の電荷輸送性ポリエステルを含む共重合体は、近年のデジタル方式の電子写真装置に有用な、S字型感光体を構成する不均一電荷輸送層への応用に好適である。
【0079】
また、本発明の電荷輸送性重合体を、電子写真感光体以外の有機電界発光素子等の各種電子デバイスへ応用することも可能である。
【0080】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、当業者は高分子合成化学および有機合成化学の公知の知見から、以下の実施例に変更を加えることが可能である。
【0081】
(実施例1)
例示した部分構造式16で示される両末端メチルエステル2000g、エチレングリコール6000ml、テトラ−n−ブチルオルトチタネート14gを20リットルのSUS製反応器に入れ、窒素気流下で6時間加熱還流した。その後、0.5mmHgに反応器内を減圧し、エチレングリコールを留去しながら230℃に加熱し6時間反応を続けた。容器内を40℃まで冷却し、トルエン18リットルを加えて溶解し、この溶液を孔径10μmのコットンフィルター(商品名:TCW−10−CSS、アドバンテック東洋社製)でろ過し、ついで孔径0.5μmのPTFEメンブランフィルター(商品名:TCF−050、アドバンテック東洋社製)でろ過した。このろ液をメタノール100リットル中へ攪拌しながら滴下し、ポリマーを析出させた。得られたポリマーを遠心分離器により固液分離し後、真空乾燥し1900gのポリマーを得た。分子量をGPCにて測定したところ。Mw=5.90×104(スチレン換算)であった。また、得られたポリマーについて高周波誘導結合プラズマ発光分析装置(SPS1200VR:セイコー電子工業(株)製)にて金属含有量を測定したところ、ポリマーのTi含有量は9.0μg/gであった。
【0082】
(実施例2)
アルミニウム基板上に、ジルコニウムアルコキシド化合物(商品名:オルガチックスZC540、マツモト製薬社製)23重量部、シラン化合物(商品名:A1100、日本ユニカー社製)3重量部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックスBM−S、積水化学社製)1重量部、イソプロパノール25重量部、及びブタノール25重量部からなる溶液を浸漬コーティング法で塗布し、170℃において15分間加熱乾燥し、膜厚1μmの下引き層を形成した。
【0083】
次にCuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ角度(2τ±0.2)が7.4、16.6、25.5、および28.3に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン微結晶4重量部を、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(商品名:UCARソリューションビニル樹脂VMCH、ユニオンカーバイド社製)2重量部、キシレン67重量部、および酢酸ブチル33重量部と混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーク法で2時間分散処理した後、得られた分散液を浸漬コーティング法で前記下引き層上に塗布し、100℃において10分間加熱乾燥し、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0084】
次に、実施例1で得られた電荷輸送性ポリエステル10重量部をテトラヒドロフラン90重量部に溶解させた溶液を、前記電荷発生層上に浸漬コーティング法にて塗布した後、135℃で60分間加熱乾燥させて、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0085】
このようにして得られた電子写真用感光体に対し、一部改造を加えた静電複写紙試験装置(商品名:エレクトロスタティックアナライザーEPA−8100、川口電機製作所社製)を用いて、常温常湿(20℃、40%RH)の環境下、電子写真特性の評価を行った。コロナ放電電圧を調整し、感光体表面を−750Vに帯電させた後、干渉フィルターを通し750nmに単色化したハロゲンランプ光を感光体表面上で1μW/cm2 の光強度になるように調整し、7秒間照射したところ、E50% 値は3mJ/m2 、残留電位は14Vであった。さらに上記評価を1000回実行した後のE50% 値は3mJ/m2、残留電位は15Vであった。
【0086】
(合成例1)
反応性重合開始剤4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸クロリド)の合成
塩化チオニル220mlを氷冷し、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)100gを徐々に加えた。30℃で6時間加熱し、過剰の塩化チオニルを減圧下で留去した。残留物をクロロホルムより再結晶して42gの4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸クロリド)結晶を得た。
【0087】
(実施例3)
前記実施例1で得られた末端にヒドロキシ基を有する電荷輸送性ポリエステル72gとトリエチルアミン1.8gをトルエン140mlに溶解し、0℃に冷却した。ここに、前記合成例1で得られた4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸クロリド)9.5gをトルエン25mlに懸濁した液を滴下した。室温で1時間反応させた後に30℃に加温し、さらに6時間反応させた。この反応液をメタノールに滴下し、1時間撹拌した後に濾別した。この再沈殿操作をさらに2回繰り返した。残渣を乾燥して末端にアゾ型重合開始剤を有する電荷輸送性重合体68gを得た。
この末端にアゾ型重合開始剤を有する電荷輸送性ポリエステル2.5g、スチレン4.5g、メチルメタクリル酸0.5gをトルエン67.5mlに溶解し、窒素置換した後に65℃で68時間加熱した。この溶液をメタノールに滴下し、1時間撹拌した後に濾別した。得られた固体をキシレン/シクロヘキサンの混合液で十分に洗浄し、残渣成分から目的とする電荷輸送性共重合体4.9gを得た。
【0088】
得られた電荷輸送性共重合体の1H−NMR測定による両構成ブロック固有のプロトンに対応するピークの積分比から、電荷輸送性部と絶縁性部の重量組成比はおよそ5:5、絶縁性ブロック中のスチレンとメタクリル酸の重量組成比はおよそ9:1と計算される。また、ここで用いた電荷輸送性ブロックの重量平均分子量は9.4×104であることから、絶縁性ブロックの重量平均分子量は4.7×104と計算される。さらに、本実施例のブロック共重合体は、TEM観察の結果、ミクロ相分離性であることが判明した。
【0089】
(実施例4)
アルミニウム基板上に、ジルコニウムアルコキシド化合物(商品名:オルガチックスZC540、マツモト製薬社製)10重量部およびシラン化合物(商品名:A1110、日本ユニカー社製)1重量部とイソプロパノール40重量部およびn−ブタノール20重量部からなる溶液を浸漬コーティング法で塗布し、150℃において10分間加熱乾燥し、膜厚0.1μmの下引き層を形成した。次にCuKαを線源とするX線回折スペクトルにおいて少なくともブラッグ角度(2τ±0.2 )、7.4、16.6、25.5、および28.3に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン微結晶4重量部を、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(商品名:UCARソリューションビニル樹脂VMCH、ユニオンカーバイド社製)2重量部、キシレン67重量部、および酢酸ブチル33重量部と混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーク法で2時間処理して分散した後、得られた塗布液を浸漬コーティング法で前記下引き層上に塗布し、100℃において10分間加熱乾燥し、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
次に、実施例3で得られた電荷輸送性共重合体10重量部をシクロヘキサノン90重量部に溶解させた溶液を、前記電荷発生層上に浸漬コーティング法にて塗布した後、115℃で10分間加熱乾燥させて、膜厚3μmのS字化電荷輸送層を形成した。
次に、実施例1で得られた電荷輸送性ポリエステル15重量部をクロロベンゼン85重量部に溶解した塗布液を、前記S字化電荷輸送上に浸漬コーティング法で塗布し、135℃において1時間加熱乾燥させて、膜厚20μmの均一電荷輸送層を形成し、3層構成の電子写真用感光体を作製した。
このようにして得られた電子写真感光体を実施例2と同様に評価したところ、その光誘起電位減衰特性は残留電位が12V、E50% 値が2mJ/m2 、E50% /E10% 値が2.1のS字型であった。さらに、上記評価を1000回実行後の残留電位は12V、E50% 値は2mJ/m2、E50% /E10% 値は2.1であった。
【0090】
(比較例1)
コットンフィルターによるろ過を実施しない以外は、実施例1と同様に合成した電荷輸送性ポリエステルを用い、実施例2と同様の感光体を作製、評価したところE50% 値は3μJ/cm2、残留電位は50Vであった。さらに、上記評価を1000回実行後のE50% 値は5μJ/m2、残留電位は67Vであった。
【0091】
(比較例2)
比較例1で合成した電荷輸送性ポリエステルを用い実施例3と同様に合成した電荷輸送性共重合体を用い、実施例4と同様に感光体を作製、評価したところ、その光誘起電位減衰特性は、E50% 値が2.3mJ/m2、E50%/E10%値が2.1のS字型であったが、残留電位は50Vであった。さらに、上記評価を1000回実行後の残留電位は56Vであった。
【0092】
【発明の効果】
本発明の製造方法により製造された電荷輸送性重合体は、優れた電荷輸送性と優れた機械的特性を兼ね備えており、それを用いた電子写真感光体は、残留電位が低く、繰り返し安定性に優れるという特性を示す。また、本発明の製造方法は極めて簡便で効果的であり、工業上、多くの有機電子デバイスの製造に適用できる。また、本発明の製造方法により製造された電荷輸送性重合体を含む不均一電荷輸送層を有する機能分離積層感光体は、残留電位が低く、繰り返し安定性に優れることに加え、優れたS字特性を示し、デジタル式電子写真装置用感光体として優れた印字品質および画質を実現する。

Claims (11)

  1. エステル化触媒存在下でのジオール成分とジカルボン酸成分との反応により形成されたエステル結合、または、エステル化触媒存在下でのジオール成分とジカルボン酸エステル成分との反応により形成されたエステル結合を有する電荷輸送性重合体の製造方法であって、
    該エステル結合形成後に、反応生成物を疎水性溶剤に溶解して溶液とし、該溶液を親水性濾過材料を用いて濾過することにより、エステル化触媒に由来する物質を除去することを特徴とする電荷輸送性重合体の製造方法。
  2. 前記電荷輸送性重合体は、下記一般式(1)または下記一般式(2)で示される構造の少なくとも1種を繰り返し単位として含有し、該構造中に含有されるエステル結合が、エステル化触媒存在下でのジオール成分とジカルボン酸成分との反応またはエステル化触媒存在下でのジオール成分とジカルボン酸エステル成分との反応により形成された電荷輸送性重合体であることを特徴とする電荷輸送性重合体の製造方法。
    Figure 0003736199
    (式中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立に置換もしくは未置換のアリール基を表し、X1は芳香族環構造を有する2価の炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基を表し、X2及びX3はそれぞれ独立に置換もしくは未置換のアリーレン基を表し、Lは少なくともエステル結合を含む2価の炭化水素基を表し、mは0または1から選ばれる整数を表す。)
    Figure 0003736199
    (式中、Ar3及びAr4はそれぞれ独立に置換もしくは未置換のアリール基を表し、Yは芳香族環構造を有し少なくともエステル結合を含む3価の炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基を表す。)
  3. エステル化触媒に由来する金属の重合体中での含有量が10μg/g以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電荷輸送性重合体の製造方法。
  4. エステル化触媒がチタン系触媒であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の電荷輸送性重合体の製造方法。
  5. 前記親水性濾過材料が、親水性濾紙であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の電荷輸送性重合体の製造方法。
  6. 前記親水性濾紙の平均孔径が15μm以下であることを特徴とする請求項5に記載の電荷輸送性重合体の製造方法。
  7. 前記親水性濾過材料が、表面に親水性置換基を有するセルロースであることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の電荷輸送性重合体の製造方法。
  8. 前記親水性濾過材料が、親水性置換基で変性された合成樹脂であることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の電荷輸送性重合体の製造方法。
  9. 前記親水性置換基が、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、及びスルホナート基からなる群から選択されることを特徴とする請求項7または8に記載の電荷輸送性重合体の製造方法。
  10. 前記親水性濾過材料が、コットンフィルターであることを特徴とす る請求項1から6までのいずれか1項に記載の電荷輸送性重合体の製造方法。
  11. 前記親水性濾過材料を用いた濾過の前後に、前記溶液を疎水性濾過材料を用いて濾過することを特徴とする請求項1から10までのいずれか1項に記載の電荷輸送性重合体の製造方法。
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