JP3419262B2 - 電荷輸送性共重合体およびその製造方法 - Google Patents

電荷輸送性共重合体およびその製造方法

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JP3419262B2
JP3419262B2 JP21958997A JP21958997A JP3419262B2 JP 3419262 B2 JP3419262 B2 JP 3419262B2 JP 21958997 A JP21958997 A JP 21958997A JP 21958997 A JP21958997 A JP 21958997A JP 3419262 B2 JP3419262 B2 JP 3419262B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電荷輸送機能を活
用する、電子写真感光体、電界発光素子、フォトリフラ
クティブ素子、光センサー、光電池等の電子デバイスへ
の応用が可能な、新規な電荷輸送性共重合体、およびそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機電荷輸送性材料は、電子写真感光体
における実用化を初め、例えば、第36回応用物理学関
係連合講演会予稿集31−p−K−12(1990)で
報告されているような電界発光素子、フォトリフラクテ
ィブ素子、光センサー、光電池等の有機電子デバイスに
おけるキー材料として、その応用性が注目されている。
これ等のデバイスにあって電荷輸送性材料は、一般に、
薄膜として使用されるため、電荷輸送能に加え、成膜
性、可撓性、強度等の機械的特性が要求される。
【0003】電子写真感光体においては、当初、電荷輸
送能と成膜性を兼ね備えた、ポリビニルカルバゾール
(PVK)に代表される電荷輸送性高分子が用いられて
いたが、PVKには機械的強度が弱い、電荷移動度が小
さい、等の実用上の本質的な問題があった。この問題を
解決する手段として、電荷輸送材料に要求される機能で
ある電荷輸送能と、成膜性、可撓性、強度等の機械的特
性を分離し、それぞれを別々の材料に担わせると云う機
能分離の発想に基づく材料開発が為され、現在では電荷
輸送能を担う電荷輸送性低分子化合物を機械的特性を担
う絶縁性樹脂中に分子分散した複合材料が、電子写真感
光体用電荷輸送材料の主流となっている。
【0004】しかしながら、このような低分子樹脂分散
系複合材料では、分散された電荷輸送性低分子化合物が
経時および/または加熱で結晶化してしまい、特性が劣
化するという問題があり、特に高温下での使用やあるい
は電界発光素子等の発熱(ジュール熱)を伴うデバイス
への適用には制限があった。また、高画質が得られる液
体現像方式の電子写真装置用の電子写真用感光体に用い
た場合、現像液に触れることで、電荷輸送性低分子化合
物の溶解あるいは結晶化等が起こり、要求される特性に
変化が生じたり、クラックが生じる等の問題があった。
さらにまた、このような複合材料にあって十分な電荷輸
送能を確保するためには、電荷輸送性低分子化合物を樹
脂中に35〜60重量%もの高濃度で分散する必要があ
り、いかに可撓性、強度等の機械的特性に優れた樹脂を
用いても、複合膜としての機械的特性の維持には限界が
あった。
【0005】さらなる高性能化、高寿命化、高耐久化、
高速化、低コスト化が要請される電子写真感光体を初
め、有機電子デバイスの分野において幅広く、有機電荷
輸送材料が活用されるためには、上記のような問題の克
服が不可欠である。その手段として、近年、ポリビニル
カルバゾールに代わる高性能電荷輸送性高分子の研究開
発が、再び活発化している。現在までに、トリアリール
アミン系電荷輸送性低分子化合物が高い電荷輸送性を有
すると云う知見を基に、トリアリールアミン骨格を主鎖
あるいは側鎖に含む電荷輸送性高分子が多数、開発され
ている。
【0006】例えば、米国特許第4,806,443号
明細書には、特定のジヒドロキシトリアリールアミンと
ビスクロロホルメートとの重合による電荷輸送性ポリカ
ーボネートが開示されており、米国特許第4,806,
444号明細書には特定のジヒドロキシトリアリールア
ミンとホスゲンとの重合による電荷輸送性ポリカーボネ
ートが開示されている。また、米国特許第4,801,
517号明細書にはビス(ヒドロキシアルキル)トリア
リールアミンとビスクロロホルメート或いはホスゲンと
の重合による電荷輸送性ポリカーボネートが開示されて
おり、米国特許第4,937,165号明細書および同
第4,959,288号明細書には、特定のジヒドロキ
シトリアリールアミン或いはビス(ヒドロキシアルキ
ル)トリアリールアミンとビスクロロホルメートとの重
合による電荷輸送性ポリカーポネート、或いはビスアシ
ルハライドとの重合による電荷輸送性ポリエステルが開
示されている。さらに、米国特許第5,034,296
号明細書には、特定のフルオレン骨格を有するトリアリ
ールアミン構造を含む電荷輸送性ボリカーボネート、或
いは電荷輸送性ポリエステルが、また米国特許第4,9
83,482号明細書には、電荷輸送性ポリウレタンが
開示されている。さらにまた、特開昭61−20953
号公報、特開平1−134456号公報、同1−134
457号公報、同1−134462号公報、同4−13
3065号公報、同4−133066号公報等には、ヒ
ドラゾンや、トリアリールアミン等の電荷輪送性の骨格
を側鎖に有する電荷輸送性高分子、およびそれを用いた
電子写真感光体が提案されている。
【0007】しかしながら、全ての要求特性を単一構成
要素のみからなる単独重合体で実現することはやはり困
難であり、満足のいくものは未だ得られていないと云う
のが現状である。
【0008】この問題に対して、例えば、特開平4−1
1627号公報、同7−72640号公報、同6−25
6428号公報、同5−295096号公報、同5−3
10904号公報、同5−331238号公報、同5−
202135号公報には、数種のモノマーを共重合する
と云う方策が提案されている。しかしながら、それらの
共重合体は原料モノマーを混合し一段で重合を行うこと
によって製造されるため、各モノマーがランダムに結合
したランダム共重合体となり、各モノマーが単独で重合
した時に発揮する特性を十分に引き出すことはできず、
根本的な問題の解決には至っていない。すなわち、例え
ば、電荷輸送性モノマーのみからなる単独重合体では可
撓性が劣る場合に、柔軟性のあるモノマーを添加しラン
ダム共重合体とすることにより、可撓性を改善すること
ができるが、添加モノマー分だけ輸送活性成分濃度が減
少する希釈効果が生起し、電荷輸送能の低下を招くこと
になる。さらに、共重合成分が電荷トラップを形成する
場合には、上記の希釈効果以上の電荷輸送能低下を招く
等の新たな問題を生じてしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記のような実情に鑑みなされたものであっ
て、上記のような問題点を克服し得る新規な電荷輸送性
共重合体およびその製造方法を提供することを目的とす
るものである。
【0010】すなわち、本発明の目的は、電荷輸送性、
機械的特性、積層成膜性等に優れ、且つ新規機能の付与
性に優れ、電子写真感光体を初めとする有機電子デバイ
スへの適用性の高い、新規な電荷輸送性共重合体を提供
することにある。また、本発明の他の目的は、新規な電
荷輸送性共重合体を容易に製造できる製造方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、電荷輸送
材料および高分子材料に関して鋭意検討を重ねた結果、
所望とする機能を有する複数のブロックを共有結合で連
結させると云うブロック共重合化あるいはグラフト共重
合化の手法により、各機能を損ねることなく、多機能を
付与できることを見いだした。
【0012】特に下記一般式(1)または(2)で表さ
れる構造の少なくとも1種を含む電荷輸送性ブロックと
下記一般式(3)で表される構造の少なくとも1種を含
む絶縁性ブロックからなるブロックあるいはグラフト共
重合体が、高い電荷輸送性と優れた機械的特性を兼ね備
えていることを見いだした。
【0013】すなわち、本発明の電荷輸送性共重合体
は、下記一般式(1)または(2)で表される構造の少
なくとも1種を含む電荷輸送性ブロックと、下記一般式
(3)で表される構造の少なくとも1種を含む絶縁性ブ
ロックとを、構成単位として含み、各々のブロックが、
ブロック状またはグラフト状に結合してなることを特徴
とする。 一般式(1)
【0014】
【化4】
【0015】(式中、Ar1 及びAr2 はそれぞれ独立
に置換もしくは未置換のアリール基を示し、X1 は芳香
族環構造を有する2価の炭化水素基またはヘテロ原子含
有炭化水素基を示し、X2 及びX3 はそれぞれ独立に置
換もしくは未置換のアリーレン基を示し、L1 は枝分れ
もしくは環構造を含んでもよい2価の炭化水素基または
ヘテロ原子含有炭化水素基を示し、mは、0または1か
ら選ばれる整数を意味し、nは、0または1から選ばれ
る整数を意味する。) 一般式(2)
【0016】
【化5】
【0017】(式中、Ar3 及びAr4 はそれぞれ独立
に置換もしくは未置換のアリール基を示し、L2 は芳香
族環構造を有する3価の炭化水素基またはヘテロ原子含
有炭化水素基を示す。) 一般式(3)
【0018】
【化6】
【0019】(式中、R1 〜R3 はそれぞれ独立に水素
原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル
基、または置換もしくは未置換のアリール基を示し、R
4 はハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、
置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換
のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、
置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換の
アシルオキシ基、または置換もしくは未置換のアルコキ
シカルボニル基を示す。)
【0020】本発明の電荷輸送性共重合体は、上記一般
式(1)または(2)で表される構造の少なくとも1種
を含む電荷輸送性ブロックと上記一般式(3)で表され
る構造の少なくとも1種を含む絶縁性ブロックとを構成
単位として含むブロックあるいはグラフト共重合体を構
成するので、高い電荷輸送能と優れた機械的特性や多層
化への対応性を兼ね備えている。さらに、本発明の電荷
輸送性共重合体にあっては、絶縁性ブロックの構成成分
を変更することにより、電荷輸送性能を損ねることな
く、ガラス転移温度、結晶化度、屈折率、接着性、吸着
性、可撓性、溶解性、溶融性、相分離性等の制御を行う
ことが可能であり、さらなる高機能化材料への展開の可
能性を有する。
【0021】さらに、本発明者らは、該電荷輸送性共重
合体が、前記電荷輸送性ブロックの末端または側鎖に、
重合開始剤を導入し、該重合開始剤により、前記絶縁性
ブロックを前記電荷輸送性ブロックの末端または側鎖に
重合させることによって、容易に製造できることを見い
だし本発明を完成するに至った。
【0022】この製造方法によれば、所望の電荷輸送能
を有するブロックを予め調製し、好適な重合開始剤を選
択し、所望とする絶縁性ブロックを与えるモノマーを重
合させることで、種々の特性を有する高性能電荷輸送性
ブロック共重合体またはグラフト共重合体を簡易に製造
することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態によっ
て、さらに詳しく説明する。
【0024】本発明の共重合体を形成する電荷輸送性ブ
ロックとしては、その繰り返し単位中にトリアリールア
ミン構造を含み、かつ一般式(1)または(2)で示さ
れる構造の少なくとも1種を繰り返し単位として含有す
るものであれば、如何なるものでも構わないが、成膜
性、機械的強度、可撓性、湿式塗布適性等の点で、特
に、該ブロックの重量平均分子量が、2000以上50
00000以下であることが好ましい。より好ましくは
10000以上2000000以下であり、さらに好ま
しくは20000以上1000000以下である。ここ
で、電荷輸送性ブロックの重量平均分子量とは、本発明
の共重合体に含まれる総ての電荷輸送性ブロックの分子
量の重量平均値を指すものとする。
【0025】上記一般式(1)中、Ar1 及びAr2
それぞれ独立に置換もしくは未置換のアリール基から選
ばれ、炭素数6〜16の置換もしくは未置換のアリール
基が好ましく、該アリール基の具体例としては、フェニ
ル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピレニル基等が挙げ
られる。また、置換基としては、メチル基、エチル基、
メトキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
【0026】X1 は芳香族環構造を有する2価の炭化水
素基またはヘテロ原子含有炭化水素基から選ばれる。中
でも炭素数6〜20の炭化水素基またはヘテロ原子含有
炭化水素基が好ましく、具体例としては、フェニレン
基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン
基、メチレンジフェニル基、シクロヘキシリデンジフェ
ニル基、オキシジフェニル基、チオジフェニル基等、お
よびこれらのメチル置換体、エチル置換体、メトキシ置
換体、またはハロゲン置換体等が挙げられ、その中で
も、電荷移動度等の点から、置換もしくは未置換のビフ
ェニレン基が、特に好ましい。
【0027】X2 及びX3 はそれぞれ独立に置換もしく
は未置換のアリーレン基から選ばれ、炭素数6〜18の
置換もしくは未置換のアリーレン基が好ましく、具体的
には、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン
基、ナフチレン基等、およびこれらのメチル置換体、エ
チル置換体、メトキシ置換体、またはハロゲン置換体等
が挙げられる。
【0028】L1 は枝分れもしくは環構造を含んでもよ
い2価の炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基か
ら任意に選ばれ、成膜性、機械的強度、可撓性等の点
で、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、
シロキサン結合等から選ばれる結合基を含み、かつ、炭
素数が20以下であるものが好ましい。L1 の具体例と
しては、以下に示すものが挙げられる。
【0029】
【化7】
【0030】また、mは0または1から選ばれる整数を
表し、nは、0または1から選ばれる整数を表す。
【0031】上記一般式(2)中、Ar3 及びAr4
それぞれ独立に置換もしくは未置換のアリール基から選
ばれ、炭素数6〜24の置換もしくは未置換のアリール
基が好ましい。該アリール基の具体例としては、フェニ
ル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピレニル基等が挙げ
られる。また、置換基としては、炭素数1〜12のアル
キル基またはアルコキシル基、ジアリールアミノ基、ジ
アリールアミノアリール基、ハロゲン原子等が好まし
い。
【0032】L2 は芳香族環構造を有する3価の炭化水
素基またはヘテロ原子含有炭化水素基から任意に選ば
れ、機械的強度等の点で、炭素数が20以下のものが好
ましい。L2 の具体例としては、以下に示すものが挙げ
られる。
【0033】
【化8】
【0034】なお、前記電荷輸送性ブロックは、一般式
(1)および/または一般式(2)で示される構造の少
なくとも一種を繰り返し単位中に有していればよく、数
種の構造を含む場合には、その連結形式は、ランダム、
ブロック、交互等の任意のものでよい。また、前記電荷
輸送性ブロックは、一般式(1)および/または一般式
(2)で示される構造以外の構造をその繰り返し単位に
含んでもよく、その場合には、前記電荷輸送性ブロック
中に占める一般式(1)または一般式(2)で示される
構造の割合が25重量%以上であることが好ましい。よ
り好ましくは40重量%以上であり、さらに好ましくは
60重量%以上である。前記電荷輸送性ブロック中に占
める該繰り返し単位の割合が25重量%より少ないと十
分な電荷輸送性が発揮されない。前記電荷輸送性ブロッ
クのガラス転位温度は、耐久性、機械的強度、可撓性、
化学的安定性、低付着汚染性等の点から、20℃以上で
あることが好ましく、より好ましくは60℃以上であ
り、さらに好ましくは90℃以上である。
【0035】本発明の共重合体を形成する絶縁性ブロッ
クとしては、一般式(3)で示される構造の少なくとも
1種を繰り返し単位として含有し、かつ絶縁性を示すも
のであれば、如何なるものでも構わないが、成膜性、機
械的強度、可撓性、湿式塗布適性等の点で、特に、該ブ
ロックの重量平均分子量が、2000以上500000
0以下であることが好ましい。より好ましくは1000
0以上2000000以下であり、さらに好ましくは2
0000以上1000000以下である。ここで、絶縁
性ブロックの重量平均分子量とは、本発明の共重合体に
含まれる総ての絶縁性ブロックの分子量の重量平均値を
指すものとする。
【0036】上記一般式(3)中、R1 〜R3 はそれぞ
れ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換
のアルキル基、または置換もしくは未置換のアリール基
から選ばれる。置換もしくは未置換のアルキル基として
は、炭素数1〜8のものが好適であり、置換もしくは未
置換のアリール基としては、炭素数6〜8のものが好適
である。具体的には、メチル基、エチル基、クロロメチ
ル基、フェニル基、トリル基等が挙げられる。
【0037】R4 はハロゲン原子、ヒドロキシル基、カ
ルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換
もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のア
ルコキシル基、置換もしくは未置換のアシル基、置換も
しくは未置換のアシルオキシ基、または置換もしくは未
置換のアルコキシカルボニル基から任意に選ばれ、枝分
かれもしくは環構造を含んでも良いが、炭素数が1〜2
0のものが好ましい。
【0038】高速応答性等が要求される電子写真感光
体、光センサー、フォトリフラクティブ素子等の用途の
場合には、一般式(3)で表される化合物の中でも、R
1 〜R 3 がそれぞれ独立に水素原子、枝分かれもしくは
環構造を含んでも良い1価の炭化水素基であり、かつR
4 が枝分かれもしくは環構造を含んでも良い1価の炭化
水素基であるものが、特に好ましい。これらの化合物
は、その構造中に極性基を有しないため、極性が低く、
誘電分極による電荷の捕獲効果が小さいため、電荷移動
度、電荷寿命等が高くなる等の点で、特に好ましい。ま
た、吸湿性が低減し、湿度依存性が低減されるという好
ましい効果も発揮する。この様な好ましい効果を発揮す
るには、絶縁性ブロック中に占める該繰り返し単位の割
合が50重量%以上であることが好ましい。より好まし
くは70重量%以上である。
【0039】高い機械的強度、耐溶剤性が要求される電
子写真感光体、電界発光素子等の用途の場合には、一般
式(3)で表される化合物の中でも、R4 がハロゲン原
子、ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトリル基、カル
ボキシル基、ハロゲン化カルボニル基、ハロゲン化スル
ホニル基、イソシアネート基、アミノ基、およびアルコ
キシシリル基から選ばれる反応性基の少なくとも一種を
置換基として有する置換アルキル基、置換アリール基、
置換アルコキシル基、置換アシル基、置換アシルオキシ
基、または置換アルコキシカルボニル基であるものが好
ましい。これらの化合物は、該反応性置換基の存在によ
り、電荷輸送性共重合体単独でまたは硬化助剤を併用す
ることによって、該電荷輸送性共重合体が3次元架橋さ
れた電荷輸送性共重合体を与えうる。該3次元架橋電荷
輸送性共重合体は、3次元架橋構造に起因し、高い機械
的強度、耐溶剤性等の好ましい効果を発揮する。この様
な好ましい効果を発揮するには、絶縁性ブロック中に占
める該繰り返し単位の割合が5重量%以上であることが
好ましい。より好ましくは10重量%以上である。但
し、絶縁性ブロック中に占める該繰り返し単位の割合が
多くなりすぎると、塗布液中での反応が無視できなくな
り、ポットライフが低下する傾向にあるため、湿式塗布
法による成膜を行う場合には、特に、注意を要する。
【0040】なお、前記絶縁性ブロックは、一般式
(3)で示される構造の少なくとも一種を繰り返し単位
中に有しておればよく、数種の構造を含む場合には、そ
の連結形式は、ランダム、ブロック、交互等の任意のも
のでよい。また、前記絶縁性ブロックは、一般式(3)
で示される構造以外の構造をその繰り返し単位に含んで
もよく、その場合には、前記絶縁性ブロック中に占める
一般式(3)で示される構造の割合が30重量%以上で
あることが好ましい。より好ましくは50重量%以上で
あり、さらに好ましくは70重量%以上である。
【0041】前記絶縁性ブロックのガラス転位温度は、
耐久性、機械的強度、可撓性、化学的安定性、低付着汚
染性等の点から、20℃以上であることが好ましく、よ
り好ましくは60℃以上であり、さらに好ましくは90
℃以上である。このような好ましいガラス転位温度を与
える一般式(3)で示される繰り返し単位の具体的構造
例を表1〜7に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
【表7】
【0049】本発明の電荷輸送性共重合体において、電
荷輸送性ブロック中の繰り返し単位として含有する、上
記一般式(1)で表される構造式の具体例を表8〜9に
示し、上記一般式(2)で表される構造式の具体例を表
10に示す。
【0050】
【表8】
【0051】
【表9】
【0052】
【表10】
【0053】また、絶縁性ブロック中の繰り返し単位と
して含有する、上記一般式(3)で表される構造式の具
体例を表11〜17に示すが、本発明はこれらに限られ
るものではない。
【0054】
【表11】
【0055】
【表12】
【0056】
【表13】
【0057】
【表14】
【0058】
【表15】
【0059】
【表16】
【0060】
【表17】
【0061】本発明の共重合体は、前記の各ブロックが
互いにブロック状に連結してなるブロック共重合体であ
っても、一方のブロックを主鎖とし、他方のブロックを
側鎖として連結してなるグラフト共重合体であってもよ
く、その構成ブロックの連結形式は如何なるものでも構
わない。すなわち、電荷輸送性ブロックをA、絶縁性ブ
ロックをBと表せば、AB型、ABA型、BAB型、
(AB)n型、(AB)nA型、およびB(AB)n型
のブロック共重合体、電荷輸送性ブロックを主鎖、絶縁
性ブロックを側鎖とするグラフト共重合体、絶縁性ブロ
ックを主鎖、電荷輸送性ブロックを側鎖とするグラフト
共重合体、もしくはAB型等のブロック共重合体の側鎖
にAおよび/またはBをグラフト化したブロック−グラ
フト共重合体等が挙げられる。
【0062】本発明の電荷輸送性共重合体の構造の具体
例を以下の表18、表19に示すが、本発明はこれに制
限されるものではない。
【0063】
【表18】
【0064】
【表19】
【0065】本発明の共重合体の合成方法としては、第
4版実験化学講座28 高分子合成(丸善、199
2)、マクロモノマーの化学と工業(アイピーシー、1
990)、高分子の相溶化と評価技術(技術情報協会、
1992)、高分子新素材OnePoint 12 ポ
リマーアロイ(共立、1988)等に記載されているブ
ロック共重合体またはグラフト共重合体を与え得る任意
の適当な方法を用いることができる。
【0066】本発明の共重合体の製造方法としては、例
えば、(1)予め電荷輸送性重合体と絶縁性重合体とを
別々に合成し、それら重合体同士を反応結合させること
によって所望とするブロック共重合体を得る方法、
(2)電荷輸送性ブロックを形成するモノマーと絶縁性
ブロックを形成するモノマーの重合形式が同じであり且
つ両者の反応性が大いに異なる場合には、単にそれらモ
ノマーの混合物を重合させることで、まず、反応性の高
い方のモノマーが重合し、該モノマーが消費された後、
反応性の低い方のモノマーが重合し、所望とするブロッ
ク共重合体を得る方法、(3)予め一方のモノマーの重
合物を合成し、該重合物の末端および/または側鎖にア
ゾ、過酸エステル、パーオキシ、ジチオカルバメート、
アルカリ金属アルコラート、アルカリ金属アルキル等の
重合開始能を有する基を含む重合開始剤を導入し、該重
合開始剤により、他方のモノマーを重合させることによ
って、所望とするブロック共重合体またはグラフト共重
合体を得る方法などが挙げられる。(3)の方法によれ
ば、重縮合または重付加系重合体と付加重合または開環
重合系重合体からなるジまたはトリブロック共重合体、
およびグラフト共重合体を、容易に与えることができ、
好ましい。ここで用いられる重合開始剤のうち、アゾ型
重合開始剤は、比較的安定であるため、取扱いが容易で
あり、また、広範なビニルモノマーに対しラジカル重合
開始能を有するため、特に好ましい。
【0067】この他にも、(4)分子中にアゾ、過酸エ
ステル、パーオキシ等の重合開始能を有する基を複数含
む化合物を用い、まず、一部の重合開始基から、一方の
モノマーを重合させ、次に残りの重合開始基から、他方
のモノマーを重合させることによっても所望とするブロ
ック共重合体を得る方法、(5)カチオンリビング重合
法、アニオンリビング重合法、ラジカルリビング重合法
等のリビング重合法により、各モノマーを逐次重合させ
ることによって所望とするブロック共重合体を得る方法
も挙げることができる。リビング重合法は、各ブロック
の分子量を容易に制御でき、且つ分子量分布の狭い重合
体を与え得る。
【0068】また、(6)イモータル重合法、Inif
erter法等により、各モノマーを逐次重合させるこ
とによっても所望とするブロック共重合体を得ることが
できる。さらにまた、予め一方のモノマーの重合物の末
端に他方のモノマーを導入したマクロモノマーを合成
し、該マクロモノマーを重合させることによって所望と
するグラフト共重合体を得ることができる。
【0069】前記3次元架橋電荷輸送性共重合体の製造
方法としては、上記反応性置換基を有する電荷輸送性共
重合体を、必要に応じて硬化助剤および/または硬化触
媒と共に、適当な溶剤中に溶解または懸濁させ、該液を
塗布成膜後、加熱処理および/または加水処理等を施す
方法が挙げられる。硬化助剤としては、公知のものが使
用でき、たとえば、水、多価アルコール、多価アミン、
多価イソシアネート、多価酸無水物が挙げられる。硬化
触媒としては、公知のものが使用でき、たとえば、酸、
塩基、錫化合物、チタン化合物等が挙げられる。
【0070】本発明の共重合体の分子量は如何なる値で
も構わないが、成膜性、可撓性等の高分子特性を発揮す
るには、2000以上であることが望まれる。分子量の
上限に関しては電気的特性上の制限は特にないが、湿式
塗布法によって成膜する場合には、適当な溶液粘度を与
える範囲内にあることが必要となり、一般的に、500
0000以下であることが好ましい。
【0071】ポリマーブレンド、ポリマーアロイの分野
でよく知られているように、一般に、異なる高分子は互
いに非相溶性であり、それらの混合物およびブロック共
重合体またはグラフト共重合体は相分離状態を取る。一
般に、単なる混合物、すなわち、ポリマーブレンドでは
その相分離のスケールは数μm以上のマクロなものとな
り(マクロ相分離)、且つ、相分離のスケールが成膜条
件等により大きく変化するため、均質な膜を再現性よく
得ることは困難である。これに対し、各成分が共有結合
で連結されたブロック共重合体およびグラフト共重合体
では、ブロックの長さにより相分離のスケールが規制さ
れるため、安定に、サブミクロン以下の微細かつ均質な
相分離状態を与える(ミクロ相分離)。ブロック共重合
体およびグラフト共重合体における相分離のスケール
は、一般的に、各ブロックの平均長と同程度であり、分
子量の2/3乗根にほぼ比例することが知られている。
【0072】本発明のブロック共重合体またはグラフト
共重合体も、一般的に、ミクロ相分離状態を取る。
【0073】一般的に、相分離性ブロック共重合体また
はグラフト共重合体における相分離状態は構成ブロック
の種類、分子量、および両ブロックの組成比等により、
熱力学的に最も安定な構造が存在し、Aブロック、Bブ
ロックからなる共重合体では、連結形式には依らず、A
/B組成比にのみ依存し、A/B比の増加に伴い、Aが
球状ドメインでBがマトリックス、Aが棒状ドメインで
Bがマトリックス、A/B交互層、Bが棒状ドメインで
Aがマトリックス、Bが球状ドメインでAがマトリック
スへと系統的に変化する。
【0074】但し、湿式塗布法により、成膜する場合に
は、用いる溶媒および乾燥速度等により、相分離状態を
任意に制御することができる。例えば、A/B比が大き
く熱力学的にはB球Aマトリックスを取る場合でも、塗
布溶媒として、Bの良溶媒であり且つAの貧溶媒である
溶媒を選択すれば、A球Bマトリックス構造を得ること
ができる。また、A、B両者の良溶媒を用い、急速に溶
媒を除去すると、スピノーダル分解状態で凍結した相分
離構造(変調構造)を得ることがである。また、A/B
比が大きく熱力学的にはB球Aマトリックスを取る共重
合体に、Bのみと相溶性のある重合体を添加していく
と、添加量の増加に伴い、B球が肥大化し、最終的に
は、Aが球、BおよびBのみと相溶性のある重合体がマ
トリックスとなる相分離構造を与える。本発明の電荷輸
送性共重合体においては、構造ブロックの分子量が高い
ほど、また、両ブロックの溶解度パラメーターがかけ離
れているほど、相分離性が高まる。高い相分離性を有
し、かつ、電荷輸送性相がドメイン、絶縁性相がマトリ
ックスとなる相分離構造を形成するものは、S字型感光
体用の不均一電荷輸送層として有効に機能する。
【0075】しかしながら、本発明のブロック共重合体
またはグラフト共重合体は、必ずしもミクロ相分離状態
を取るものばかりに限定されるものではなく、各ブロッ
クの組合せによっては、相溶性を示し、相分離を起こさ
ないものもある。各ブロックの分子量が低く、および/
または、互いの溶解度パラメータ差が小さい場合に、相
溶性を示し、J字型感光体用の均一電荷輸送層用材料と
して好適に用いられる。なお、S字型感光体とは、その
光誘起電位減衰曲線が逆S字型を示す感光体であり、J
字型感光体とは、その光誘起電位減衰曲線が逆J字型を
示す感光体である。
【0076】共重合体中の電荷輸送性ブロックと絶縁性
ブロックの組成比は、如何なるものでも構わないが、1
0:1〜1:10の範囲が好ましく、より好ましくは
4:1〜1:4の範囲である。電荷輸送性ブロックの組
成比が前記上限値を上回ると、機械的特性が悪化する傾
向にあり、電荷輸送性ブロックの組成比が前記下限値を
下回ると、十分な電荷輸送能が発揮されないおそれがあ
る。
【0077】本発明の共重合体を構成する各々のブロッ
クの重量平均分子量および両者の組成比は共重合体のG
PCおよびNMRの測定データより算出することができ
る。
【0078】本発明の新規共重合体は高い電荷輸送能と
優れた機械的特性等を兼ね備えているため、種々の有機
電子デバイスに好適に用いられる。例えば、高い電荷輸
送能と成膜性、顔料への吸着性および接着性を兼ね備え
たものは、電荷発生能を有する顔料をその中に分散する
ことで、優れた機能分離積層型電子写真感光体用電荷発
生層および単層型電子写真感光体を与える。また、高い
電荷輸送能と機械的強度、および化学的安定性を兼ね備
えたものは、機能分離積層型電子写真感光体用均一電荷
輸送層または表面保護層用の材料として有効である。ま
た、高い電荷輸送能と相分離能を兼ね備えたものは、S
字型感光体用の不均一電荷輸送層用材料として有効であ
る。
【0079】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。しかしながら、本発明は以下の実施例に限定され
るものではなく、当業者は高分子合成化学および有機合
成化学の公知の知見から、以下の実施例に変更を加える
ことが可能である。
【0080】(合成例1) 反応性重合開始剤4,4’
−アゾビス(4−シアノ吉草酸クロリド)の合成 塩化チオニル220mlを氷冷し、4,4’−アゾビス
(4−シアノ吉草酸)100gを徐々に加えた。30℃
で6時間加熱し、過剰の塩化チオニルを減圧下で留去し
た。残留物をクロロホルムより再結晶して42gの4,
4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸クロリド)結晶を得
た。
【0081】(合成例2) 両末端にヒドロキシ基を有
する電荷輸送性重合体の合成 3,3’−ジメチル−N,N’−ビス(p,m−ジメチ
ルフェニル)−N,N’−ビス[4−(2−メトキシカ
ルボニルエチル)フェニル]−[1,1’−ビフェニ
ル]−4,4’−ジアミン100g、エチレングリコー
ル200gおよびテトラブトキシチタン5gを、窒素気
流下で3時間加熱還流した。3,3’−ジメチル−N,
N’−ビス(p,m−ジメチルフェニル)−N,N’−
ビス[4−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニ
ル]−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン
が消費されたことを確認したのち、0.5mmHgに減
圧しエチレングリコールを留去しながら230℃に加熱
し、さらに3時間反応を続けた。その後、室温まで冷却
し、塩化メチレンを加え不溶分を溶解させ、アセトンか
ら再沈殿することにより、下記の構造式で表される両末
端にヒドロキシル基を有する電荷輸送性重合体90gを
得た。得られた重合体の重量平均分子量をGPCおよび
NMRで測定したところ、2.4×104 であった。
【0082】
【化9】
【0083】実施例1 (下記構造式(1)で表されるブロック共重合体の合
成)上記合成例2で得られた両末端にヒドロキシル基を
有する電荷輸送性重合体72gとトリエチルアミン1.
8gをトルエン140mlに溶解し、0℃に冷却した。
ここに、上記合成例1で得られた4,4’−アゾビス
(4−シアノ吉草酸クロリド)9.5gをトルエン25
mlに懸濁した液を滴下した。室温で1時間反応させた
後に30℃に加温し、さらに6時間反応させた。この反
応液をメタノールに滴下し、1時間撹拌した後に濾別し
た。この再沈殿操作をさらに2回繰り返した。残渣を乾
燥して末端にアゾ型重合開始剤を有する電荷輸送性重合
体68gを得た。
【0084】この末端にアゾ型重合開始剤を有する電荷
輸送性重合体1.0gとスチレンモノマー2.0gとを
トルエン3mlに溶解し、窒素置換した後に65℃で9
5時間加熱した。この溶液をメタノールに滴下し、1時
間撹拌した後に濾別した。得られた固体は、目的とする
ブロック共重合体とスチレンモノマー単独重合体(ポリ
スチレン)との混合物であり、溶解度差を利用した、以
下の精製法により、スチレンモノマー単独重合体を除去
し、目的のブロック共重合体を得た。すなわち、反応混
合物を合成例2の電荷輸送性重合体とポリスチレンが共
に易溶である溶剤トルエンに溶解し、該溶液を合成例2
の電荷輸送性重合体は不溶であり、かつポリスチレンが
可溶である溶剤シクロヘキサンに滴下し、再沈澱化させ
ることにより、目的とするブロック共重合体1.5gを
得た。
【0085】得られたブロック共重合体の 1H−NMR
スペクトルを図1に示す。両ブロック固有のプロトンに
対応するピークの積分比から、電荷輸送性ブロックとス
チレン重合物である絶縁性ブロックの重量組成比はおよ
そ55:45と計算される。また、ここで用いた合成例
2の電荷輸送性ブロックの重量平均分子量は2.4×1
4 であることから、絶縁性ブロックの重量平均分子量
は1.0×104 と計算される。なお、本ブロック共重
合体の絶縁性ブロックをなすポリスチレンのガラス転位
温度は100℃であり、また、本ブロック共重合体の電
荷輸送性ブロックをなす合成例2の電荷輸送性重合体の
ガラス転位温度は110℃である。また、本実施例のブ
ロック共重合体は、TEM観察の結果、ミクロ相分離性
であることが判明した。
【0086】
【化10】
【0087】実施例2 (下記構造式(2)で表されるブロック共重合体の合
成)上記合成例2で得られた両末端にヒドロキシル基を
有する電荷輸送性重合体43gとトリエチルアミン0.
5gをジクロロメタン120mlに溶解し、0℃に冷却
した。ここに、上記合成例1で得られた4,4’−アゾ
ビス(4−シアノ吉草酸クロリド)5.6gをジクロロ
メタン20mlに溶解した溶液を滴下した。室温で1時
間反応させた後に30℃に加温し、さらに4時間反応さ
せた。ここから溶媒を留去し、テトラヒドロフランを加
えて溶解させ、メタノールに滴下し、1時間撹拌した後
に濾別した。この再沈殿操作をさらに2回繰り返した。
残渣を乾燥して末端にアゾ型重合開始剤を有する電荷輸
送性重合体41gを得た。
【0088】この末端にアゾ型重合開始剤を有する電荷
輸送性重合体5.5gとn−ドデシルメタクリレート
5.5gをトルエン120mlに溶解し、窒素置換した
後に60℃で65時間加熱した。ここから溶媒を除去
し、テトラヒドロフランを加えて、この溶液をメタノー
ルに滴下し、1時間撹拌した後に濾別した。得られた固
体をポリ(n−ドデシルメタクリレート)の良溶媒であ
るn−ヘキサンで十分に洗浄し、目的とするブロック共
重合体6.3gを得た。
【0089】得られたブロック共重合体の 1H−NMR
スペクトルを図2に示す。両ブロック固有のプロトンに
対応するピークの積分比から、電荷輸送性ブロックとn
−ドデシルメタクリレートの重合物である絶縁性ブロッ
クの重量組成比はおよそ70:30と計算される。ま
た、実施例1と同様にして、本実施例のブロック共重合
体の電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックの分子量はそ
れぞれ2.4×104 、5.1×103 と計算される。
なお、本ブロック共重合体の絶縁性ブロックをなすポリ
(n−ドデシルメタクリレート)のガラス転位温度は−
65℃であり、また、本ブロック共重合体の電荷輸送性
ブロックをなす合成例2の電荷輸送性共重合体のガラス
転位温度は110℃である。また、本実施例のブロック
共重合体は、TEM観察の結果、ミクロ相分離性である
ことが判明した。
【0090】
【化11】
【0091】実施例3 (下記構造式(3)で表されるブロック共重合体の合
成)実施例2で得られた末端にアゾ型重合開始剤を有す
る電荷輸送性重合体10gとn−ブチルメタクリレート
20gをテトラヒドロフラン100mlに溶解し、窒素
置換した後に60℃で65時間加熱した。この溶液をメ
タノールに滴下し、1時間撹拌した後に濾別した。得ら
れた固体をポリ(n−ブチルメタクリレート)の良溶媒
であるn−ヘキサンで十分に洗浄し、目的とするブロッ
ク共重合体6gを得た。得られたブロック共重合体の 1
H−NMRスペクトルを図3に示す。両ブロック固有の
プロトンに対応するピークの積分比から、電荷輸送性ブ
ロックとn−ブチルメタクリレートの重合物である絶縁
性ブロックの重量組成比はおよそ80:20と計算され
る。また、実施例1と同様にして、本実施例のブロック
共重合体の電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックの分子
量はそれぞれ2.4×104 、3.0×103 と計算さ
れる。なお、本ブロック共重合体の絶縁性ブロックをな
すポリ(n−ブチルメタクリレート)のガラス転位温度
は20℃であり、また、本ブロック共重合体の電荷輸送
性ブロックをなす合成例2の電荷輸送性共重合体のガラ
ス転位温度は110℃である。また、本実施例のブロッ
ク共重合体は、TEM観察の結果、ミクロ相分離性であ
ることが判明した。
【0092】
【化12】
【0093】実施例4 (下記構造式(4)で表されるブロック共重合体の合
成)実施例1で得られた末端にアゾ型重合開始剤を有す
る電荷輸送性重合体16.5gとtert−ブチルメタ
クリレート24.3g、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート2.7gをトルエン390mlに溶解し、窒素置
換した後に60℃で95時間加熱した。この溶液をメタ
ノールに滴下し、1時間撹拌した後に濾別した。得られ
た固体をn−ブタノールで十分に洗浄し、目的とするブ
ロック共重合体25gを得た。得られたブロック共重合
体の 1H−NMRスペクトルを図4に示す。両ブロック
固有のプロトンに対応するピークの積分比から、電荷輸
送性ブロックとtert−ブチルメタクリレートと2−
ヒドロキシエチルメタクリレートのランダム共重合体で
ある絶縁性ブロックの重量組成比はおよそ60:40と
計算される。また、同様にして 1H−NMRスペクトル
から、該絶縁性ブロック中の2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート由来の繰り返し単位の割合は10重量%と計
算される。また、実施例1と同様にして、本実施例のブ
ロック共重合体の電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロック
の分子量はそれぞれ2.4×104 、8.0×103
計算される。なお、本ブロック共重合体の絶縁性ブロッ
クをなすポリ(tert−ブチルメタクリレート)のガ
ラス転位温度は107℃であり、また、本ブロック共重
合体の電荷輸送性ブロックをなす合成例2の電荷輸送性
共重合体のガラス転位温度は110℃である。また、本
実施例のブロック共重合体は、TEM観察の結果、ミク
ロ相分離性であることが判明した。
【0094】
【化13】
【0095】実施例5 (下記構造式(5)で表されるブロック共重合体の合
成)実施例1で得られた末端にアゾ型重合開始剤を有す
る電荷輸送性重合体16.5gとtert−ブチルメタ
クリレート24.3g、3−トリメトキシシリルプロピ
ルメタクリレート2.7gをテトラヒドロフラン390
mlに溶解し、窒素置換した後に60℃で95時間加熱
した。この溶液をアセトンに滴下し、1時間撹拌した後
に濾別した。得られた固体をシクロヘキサンで十分に洗
浄し、目的とするブロック共重合体23gを得た。得ら
れたブロック共重合体の 1H−NMRスペクトルを図5
に示す。両ブロック固有のプロトンに対応するピークの
積分比から、電荷輸送性ブロックとtert−ブチルメ
タクリレートと3−トリメトキシシリルプロピルメタク
リレートのランダム共重合体である絶縁性ブロックの重
量組成比はおよそ60:40と計算される。また、同様
にして 1H−NMRスペクトルから、該絶縁性ブロック
中の3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレート由
来の繰り返し単位の割合は10重量%と計算される。ま
た、実施例1と同様にして、本実施例のブロック共重合
体の電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックの分子量はそ
れぞれ2.4×104 、8.0×103 と計算される。
なお、本ブロック共重合体の絶縁性ブロックの大部分を
なすポリ(tert−ブチルメタクリレート)のガラス
転位温度は107℃であり、また、本ブロック共重合体
の電荷輸送性ブロックをなす合成例2の電荷輸送性重合
体のガラス転位温度は110℃である。また、本実施例
のブロック共重合体は、TEM観察の結果、ミクロ相分
離性であることが判明した。
【0096】
【化14】
【0097】実施例6 (上記構造式(4)で表されるブロック共重合体と多価
イソシアネートからの3次元架橋共重合体の合成)実施
例4で得られた合成例2の電荷輸送性共重合体からなる
電荷輸送性ブロックとtert−ブチルメタクリレート
と2−ヒドロキシエチルメタクリレートのランダム共重
合物からなる絶縁性ブロックから形成されるブロック共
重合体10gとジフェニルメタン−4,4’−ジイソシ
アネート(商品名「ミリオネートMT」:日本ポリウレ
タン工業社製)0.9gをシクロヘキサンノン90gに
溶解させた溶液を、浸漬塗布法により、ガラス板上に塗
布し、150℃で1時間加熱し、該ブロック共重合体中
の2−ヒドロキシエチルメタクリレート由来のヒドロキ
シル基間を2価イソシアネートであるジフェニルメタン
−4,4’−ジイソシアネートで連結させ、目的の3次
元架橋重合体を得た。なお、加熱処理を施した後の膜は
シクロヘキサノンによって膨潤はするものの溶解され
ず、架橋硬化が達成されていることが確認された。
【0098】前記実施例から得られた共重合体の有用性
を確認するための応用例について、以下に説明する。な
お、本発明の電荷輸送性共重合体の応用は以下の例に限
られるものではなく、電荷輸送機能が要求される任意の
電子デバイスへの応用が可能である。
【0099】応用例1 ホーニング処理を施した40mmφのアルミニウム製ド
ラム上に、ジルコニウムアルコキシド化合物(商品名:
オルガチックスZC540、マツモト製薬社製)23重
量部およびシラン化合物(商品名:A1100、日本ユ
ニカー社製)3重量部、ポリビニルブチラール樹脂(商
品名:エスレックスBM−S、積水化学社製)1重量部
とイソプロパノール25重量部およびブタノール25重
量部からなる溶液を浸漬コーティング法で塗布し、17
0℃において15分間加熱乾燥し、膜厚1μmの下引き
層を形成した。次にCuKαを線源とするX線回折スペ
クトルにおいて、少なくともブラッグ角度(2θ±0.
2°)が7.4°、16.6°、25.5°、および2
8.3°に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタ
ロシアニン微結晶4重量部を、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体(商品名:UCARソリューションビニル樹脂
VMCH、ユニオンカーバイド社製)2重量部、キシレ
ン67重量部、および酢酸ブチル33重量部と混合し、
ガラスビーズとともにペイントシェーク法で2時間分散
処理した後、得られた分散液を浸漬コーティング法で上
記下引き層上に塗布し、100℃において10分間加熱
乾燥し、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0100】次に、実施例3で得られたブロック共重合
体10重量部をクロロベンゼン90重量部に溶解させた
溶液を、上記電荷発生層上に浸漬コーティング法にて塗
布した後、135℃で60分間加熱乾燥させて、膜厚2
0μmの電荷輸送層を形成した。このようにして得られ
た積層型電子写真用感光体を、レーザープリンター(L
aser Press 4105、富士ゼロックス社
製)に搭載し、印字試験を行った。この際、最適な露光
量を得るため、レーザー光の光路にNDフィルターを入
れ、露光強度の調整を行った。画質評価は、1枚目と5
000枚連続印字後の印字サンプルに対して、目視にて
行った。得られた印字画質は良好なものであり、且つ1
枚目と5000枚目で差は認められず、耐久性も良好で
あった。
【0101】実施例1で得られたブロック共重合体につ
いても、同様にして電子写真用感光体の作製および評価
を行い、同様の結果を得た。なお、実施例2で得られた
ブロック共重合体についても、同様にして電子写真用感
光体の作製および評価を行ったところ、初期画質は良好
なものであったが、連続印字により、画像濃度の低下、
地肌かぶり、筋状の画質欠陥等が発生した。これは、実
施例2で得られたブロック共重合体の絶縁性ブロックの
ガラス転位温度が−65℃と低く、クリーニングブレー
ドによる機械的ストレスにより該ブロック共重合体より
なる表面層が劣化したためと推定される。
【0102】応用例2 電荷発生層用樹脂を塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体か
ら実施例2で得られたブロック共重合体に変更した以外
は、応用例1と同様にして、積層型電子写真感光体を作
製し、応用例1と同様にして、レーザープリンターに搭
載し、印字試験を行った。得られた印字画質は良好なも
のであり、且つ1枚目と5000枚目で差は認められ
ず、耐久性も良好であった。実施例3および実施例4で
得られたブロック共重合体についても、同様にして電子
写真用感光体の作製および評価を行い、同様の結果を得
た。
【0103】応用例3 陽極酸化処理を施した40mmφのアルミニウム製ドラ
ム上に、CuKαを線源とするX線回折スペクトルにお
いて、少なくとも、ブラッグ角度(2θ±0.2°)が
8.3°、13.7°および28.3°に強い回折ピー
クを有するジクロロ錫フタロシアニン結晶10重量部
を、実施例3で得られたブロック共重合体10重量部、
クロロベンゼン80重量部と混合し、ステンレスビーズ
と共にボールミル法で48時間分散処理した後、得られ
た分散液を浸漬コーティング法で塗布し、135℃にお
いて60分間加熱乾燥させて、膜厚20μmの単層型電
子写真感光体を作製した。
【0104】このようにして得られた単層型電子写真用
感光体を、応用例1と同様にして、レーザープリンター
に搭載し、印字試験を行った。得られた印字画質は良好
なものであり、且つ1枚目と5000枚目で差は認めら
れず、耐久性も良好であった。
【0105】実施例4および実施例5で得られたブロッ
ク共重合体についても、同様にして電子写真用感光体の
作製および評価を行い、同様の結果を得た。
【0106】応用例4 応用例1で得られた下引き層と電荷発生層を有するアル
ミニウム製ドラム上に、実施例4で得られたブロック共
重合体10重量部と、硬化助剤としての下記構造式
(a)で示される3価イソシアネート(商品名「スミジ
ュールN3200」:住友バイエルウレタン社製)1重
量部をシクロヘキサノン100重量部に溶解させた溶液
を上記電荷発生層上に浸漬コーティング法にて塗布した
後、150℃で60分間加熱硬化させて、膜厚3μmの
第1の電荷輸送層を形成した。
【0107】次に、下記構造式(b)で示される電荷輸
送性低分子化合物20重量部と、下記構造式(c)で示
される繰り返し単位からなるポリカーボネート樹脂30
重量部を、トルエン200重量部に溶解し、得られた溶
液を、上記電荷輸送層上に浸漬コーティング法にて塗布
し、第2の電荷輸送層を形成した。
【0108】
【化15】
【0109】
【化16】
【0110】
【化17】
【0111】このようにして得られた積層型電子写真用
感光体を、応用例1と同様にして、レーザープリンター
に搭載し、印字試験を行った。得られた印字画質は良好
なものであり、且つ1枚目と5000枚目で差は認めら
れず、耐久性も良好であった。
【0112】なお、前記イソシアネートを用いずに、第
1の電荷輸送層を形成した場合、第2の電荷輸送層の塗
布時に、該第1の電荷輸送層が該第2の電荷輸送層塗布
溶剤に侵され、塗膜欠陥が発生した。実施例5から得ら
れたブロック共重合体についても、同様にして電子写真
用感光体の作製および評価を行い、同様の結果を得た。
但し、第1の電荷輸送層の形成に当たっては、硬化助剤
は用いず、代わりに硬化触媒として、酢酸1.0重量部
を用いた。
【0113】上記の各応用例からも明らかなように、本
発明の新規共重合体は、電子写真用感光体に適用して、
所望の特性を発現することが確認された。
【0114】
【発明の効果】本発明の電荷輸送性共重合体は、特定の
構造単位を有するブロックまたはグラフト共重合体であ
って、優れた電荷輸送性と優れた機械的特性等を兼ね備
えており、それを用いた電子写真感光体は、高性能で且
つ耐久性に優れ、多層化が容易になるという卓越した効
果を奏する。
【0115】また、本発明の電荷輸送性共重合体は、優
れた電荷輸送性と優れた機械的特性等を兼ね備えた新規
な物質であり、電子写真感光体のみならず、広範な電子
デバイスへの応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のブロック共重合体の 1H−NMR
スペクトルである。
【図2】 実施例2のブロック共重合体の 1H−NMR
スペクトルである。
【図3】 実施例3のブロック共重合体の 1H−NMR
スペクトルである。
【図4】 実施例4のブロック共重合体の 1H−NMR
スペクトルである。
【図5】 実施例5のブロック共重合体の 1H−NMR
スペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01J 1/02 G01J 1/02 R G03G 5/07 103 G03G 5/07 103 (72)発明者 五十嵐 良作 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (72)発明者 星崎 武敏 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−221522(JP,A) 特開 平4−133066(JP,A) 特開 平5−295096(JP,A) 特開 平6−348136(JP,A) 特開 平6−256428(JP,A) 特開 平8−253568(JP,A) 特開 平8−269133(JP,A) 特開 平8−269183(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 283/02 C08F 290/06 C08F 293/00 C08F 287/00

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)または下記一般式
    (2)で示される構造の少なくとも1種を繰り返し単位
    として有する電荷輸送性ブロックと、下記一般式(3)
    で示される構造の少なくとも1種を繰り返し単位として
    有する絶縁性ブロックとを、ブロック共重合またはグラ
    フト共重合してなることを特徴とする電荷輸送性共重合
    体。 一般式(1) 【化1】 (式中、Ar1 及びAr2 はそれぞれ独立に置換もしく
    は未置換のアリール基を示し、X1 は芳香族環構造を有
    する2価の炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基
    を示し、X2 及びX3 はそれぞれ独立に置換もしくは未
    置換のアリーレン基を示し、L1 は枝分れもしくは環構
    造を含んでもよい2価の炭化水素基またはヘテロ原子含
    有炭化水素基を示し、mは、0または1から選ばれる整
    数を意味し、nは、0または1から選ばれる整数を意味
    する。) 一般式(2) 【化2】 (式中、Ar3 及びAr4 はそれぞれ独立に置換もしく
    は未置換のアリール基を示し、L2 は芳香族環構造を有
    する3価の炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基
    を示す。) 一般式(3) 【化3】 (式中、R1 〜R3 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲ
    ン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、または置換
    もしくは未置換のアリール基を示し、R4 はハロゲン原
    子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、置換もしくは未
    置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、
    置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未
    置換のアシル基、置換もしくは未置換のアシルオキシ
    基、または置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル
    基を示す。)
  2. 【請求項2】 前記一般式(3)において、R1 〜R3
    はそれぞれ独立に水素原子、枝分かれ若しくは環構造を
    含んでいてもよい1価の炭化水素基であり、かつ、R4
    が枝分かれ若しくは環構造を含んでいてもよい1価の炭
    化水素基であることを特徴とする請求項1に記載の電荷
    輸送性共重合体。
  3. 【請求項3】 前記一般式(3)において、R4 はハロ
    ゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、ニトリル基、
    カルボキシル基、ハロゲン化カルボニル基、ハロゲン化
    スルホニル基、イソシアネート基、アミノ基、およびア
    ルコキシシリル基からなる群から選ばれる少なくとも1
    種を置換基として有する置換アルキル基、置換アリール
    基、置換アルコキシ基、置換アシル基、置換アシルオキ
    シ基、または置換アルコキシカルボニル基であることを
    特徴とする請求項1に記載の電荷輸送性共重合体。
  4. 【請求項4】 前記絶縁性ブロックのガラス転位温度が
    20℃以上であることを特徴とする請求項1から3まで
    のいずれか一項に記載の電荷輸送性共重合体。
  5. 【請求項5】 前記電荷輸送性ブロックのガラス転位温
    度が20℃以上であることを特徴とする請求項1から4
    までのいずれか一項に記載の電荷輸送性共重合体。
  6. 【請求項6】 前記電荷輸送性ブロックと前記絶縁性ブ
    ロックの重量平均分子量が、2000以上500000
    0以下であることを特徴とする請求項1から5までのい
    ずれか一項に記載の電荷輸送性共重合体。
  7. 【請求項7】 前記電荷輸送性ブロックと前記絶縁性ブ
    ロックの重量平均分子量が、20000以上10000
    00以下であることを特徴とする請求項1から6までの
    いずれか一項に記載の電荷輸送性共重合体。
  8. 【請求項8】 前記電荷輸送性ブロックと前記絶縁性ブ
    ロックとが互いに非相溶性であることを特徴とする請求
    項1から7までのいずれか一項に記載の電荷輸送性共重
    合体。
  9. 【請求項9】 前記一般式(1)中のX1 が、置換もし
    くは未置換のビフェニレン基であることを特徴とする請
    求項1から8までのいずれか一項に記載の電荷輸送性共
    重合体。
  10. 【請求項10】 前記一般式(1)または前記一般式
    (2)で示される構造の少なくとも一種を繰り返し単位
    として有する電荷輸送性ブロックを調製し、該電荷輸送
    性ブロックの末端または側鎖に、重合開始剤を導入し、
    該重合開始剤により前記一般式(3)に相当するビニル
    系モノマーを重合させることにより、該電荷輸送性ブロ
    ックの末端または側鎖に、前記一般式(3)で示される
    構造の少なくとも一種を繰り返し単位として有する絶縁
    性ブロックを形成させることを特徴とする請求項1から
    9までのいずれか一項に記載の電荷輸送性共重合体を製
    造する電荷輸送性共重合体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記重合開始剤が、アゾ型重合開始剤
    であることを特徴とする請求項10に記載の電荷輸送性
    共重合体の製造方法。
  12. 【請求項12】 少なくとも請求項3に記載の電荷輸送
    性共重合体を用い、加熱処理および/または加水処理に
    よって該電荷輸送性共重合体を架橋硬化させることを特
    徴とする3次元架橋電荷輸送性共重合体の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の製造方法によって
    製造されたことを特徴とする3次元架橋電荷輸送性共重
    合体。
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