JP7167552B2 - 電荷輸送性樹脂及び電荷輸送性樹脂の製造方法 - Google Patents

電荷輸送性樹脂及び電荷輸送性樹脂の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電荷輸送性樹脂及び電荷輸送性樹脂の製造方法に関する。
近年、電子写真感光体、有機ELデバイス、有機トランジスター、有機太陽電池など、有機化合物を用いた電子デバイスが盛んに開発されている。
特に、耐熱性、強度の点においては、架橋構造とすることが有効であり、例えば、熱硬化又は光硬化した膜を用いた有機ELデバイス(例えば特許文献1参照)、電荷輸送性基を含有するアクリルポリマーを用いた電子写真感光体(例えば特許文献2乃至4参照)、電荷輸送性基と反応性基を含有するアクリルポリマーを、膜形成後に架橋した電子写真感光体(例えば特許文献5参照)、光硬化型アクリル系モノマーを含有する液を塗布し硬化した膜(例えば特許文献6参照)等が開示されている。また、炭素-炭素二重結合を有するモノマー、炭素-炭素二重結合を有する電荷移動材およびバインダー樹脂の混合物を熱又は光のエネルギーによって前記モノマーの炭素-炭素二重結合と前記電荷移動材の炭素-炭素二重結合とを反応させることにより形成された膜が開示され、特に、単官能メタクリル変性した電荷移動材と、電荷輸送性を有さないメタクリルモノマーと、ポリカーボネート樹脂と、に有機過酸化物を用いて硬化したものが開示されている(例えば特許文献7参照)。また、重合性官能基をポリマー主鎖中に有する電荷輸送性ポリエステル樹脂も開示されている(例えば特許文献8参照)。
また、電荷輸送性樹脂の末端に官能基を導入し、硬化した膜からなる有機半導体膜および電子写真感光体(例えば特許文献9参照)等が開示されている。
国際公開第1997/033193号 特開平5-202135号公報 特開平6-256428号公報 特開平9-12630号公報 特開2005-2291号公報 特開平5-40360号公報 特開平5-216249号公報 特開2013-73015号公報 特開2001-117252号公報
本発明の課題は、新規な電荷輸送性樹脂を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
<1>
下記一般式(1-1)で表される構造及び下記一般式(1-2)で表される構造を有し、重量平均分子量が20万以下である電荷輸送性樹脂。
Figure 0007167552000001
前記一般式(1-1)及び前記一般式(1-2)中、A及びAはそれぞれ独立に電荷輸送性を有する2価の有機基を示し、T及びTはそれぞれ独立に炭素数1以上10以下の直鎖状又は分岐状の2価の炭化水素基を示し、Y及びYはそれぞれ独立に水素原子、重合性官能基、又は重合性官能基を有する基を示し、p及びqはそれぞれ独立に0又は1を示す。なお、前記電荷輸送性樹脂に含まれる前記一般式(1-1)で表される構造の数は5以上であり、前記電荷輸送性樹脂に含まれる前記一般式(1-2)で表される構造の数は5以上である。
<2>
電荷輸送性樹脂全体に含まれる水酸基の総数をMとし、電荷輸送性樹脂全体に含まれる重合性官能基の総数をMとしたとき、下記式(A1)を満たす<1>に記載の電荷輸送性樹脂。
式(A1):0≦M/(M+M)≦0.9
<3>
前記M及び前記Mは、下記式(A2)を満たす<2>に記載の電荷輸送性樹脂。
式(A2):0≦M/(M+M)≦0.6
<4>
前記重合性官能基は、下記一般式(P1)で表される基、下記一般式(P2)で表される基、下記一般式(P3)で表される基、下記一般式(P4)で表される基、及び下記一般式(P5)で表される基から選ばれる少なくとも1つである<1>~<3>のいずれか1つに記載の電荷輸送性樹脂。
Figure 0007167552000002
前記一般式(P1)~(P5)中、R~Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、又はアルコキシ基を示し、*は、結合位置を示す。
<5>
前記一般式(1-1)及び前記一般式(1-2)におけるA及びAは、正孔輸送能を有する2価の有機基を示す<1>~<4>のいずれか1つに記載の電荷輸送性樹脂。
<6>
前記一般式(1-1)及び前記一般式(1-2)におけるA及びAは、それぞれ独立に、下記一般式(2)で表される2価の有機基を示す<5>に記載の電荷輸送性樹脂。
Figure 0007167552000003
前記一般式(2)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又は置換若しくは未置換のアリール基を示し、Xは置換又は未置換の2価の有機基を示し、k及びmはそれぞれ独立に0又は1を示す。
<7>
重量平均分子量が2000以上50万以下である<1>~<6>のいずれか1つに記載の電荷輸送性樹脂。
<8>
重量平均分子量が3000以上20万以下である<7>に記載の電荷輸送性樹脂。
<9>
前記一般式(1-1)及び前記一般式(1-2)におけるT及びTは、それぞれ独立に炭素数1以上8以下の直鎖状又は分岐状の2価の炭化水素基を示す<1>~<8>のいずれか1つに記載の電荷輸送性樹脂。
<10>
下記一般式(3)で表される化合物と、下記一般式(4)で表される化合物と、を重合させる重合工程を含む<1>~<9>のいずれか1つに記載の電荷輸送性樹脂の製造方法。
Figure 0007167552000004
前記一般式(3)及び(4)中、A及びAはそれぞれ独立に電荷輸送性を有する2価の有機基を示し、T及びTはそれぞれ独立に炭素数1以上10以下の直鎖状又は分岐状の2価の炭化水素基を示し、p及びqはそれぞれ独立に0又は1を示す。
<11>
前記重合工程により得られた重合体に対して重合性官能基を有する化合物を反応させることで、前記重合体に重合性官能基を導入する導入工程をさらに有する<10>に記載の電荷輸送性樹脂の製造方法。
<1>、<4>、<5>、<6>、<7>、<8>、又は<9>に係る発明によれば、新規な電荷輸送性樹脂が提供される。
<2>に係る発明によれば、式(A1)を満たさない場合に比べ、機械的強度の高い電荷輸送性樹脂が提供される。
<3>に係る発明によれば、式(A2)を満たさない場合に比べ、機械的強度の高い電荷輸送性樹脂が提供される。
<10>又は<11>に係る発明によれば、新規な電荷輸送性樹脂が得られる電荷輸送性樹脂の製造方法が提供される。
実施例にて合成した樹脂(1-1)のIRスペクトルを示すグラフ。 実施例にて合成した樹脂(1-2)のIRスペクトルを示すグラフ。 実施例にて合成した樹脂(1-6)のIRスペクトルを示すグラフ。 実施例にて合成した樹脂(1-7)のIRスペクトルを示すグラフ。 実施例にて合成した樹脂(1-9)のIRスペクトルを示すグラフ。 実施例にて合成した樹脂(1-10)のIRスペクトルを示すグラフ。 実施例にて合成した樹脂(1-19)のIRスペクトルを示すグラフ。 実施例にて合成した樹脂(1-20)のIRスペクトルを示すグラフ。 (A)(B)(C)はそれぞれゴースト評価の基準を示す説明図。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
<電荷輸送性樹脂>
本実施形態に係る電荷輸送性樹脂は、少なくとも下記一般式(1-1)で表される構造及び下記一般式(1-2)で表される構造を有し、重量平均分子量が20万以下である。
Figure 0007167552000005
前記一般式(1-1)及び前記一般式(1-2)中、A及びAはそれぞれ独立に電荷輸送性を有する2価の有機基を示し、T及びTはそれぞれ独立に炭素数1以上10以下の直鎖状又は分岐状の2価の炭化水素基を示し、Y及びYはそれぞれ独立に水素原子、重合性官能基、又は重合性官能基を有する基を示し、p及びqはそれぞれ独立に0又は1を示す。なお、前記電荷輸送性樹脂に含まれる前記一般式(1-1)で表される構造の数は5以上であり、前記電荷輸送性樹脂に含まれる前記一般式(1-2)で表される構造の数は5以上である。
一般式(1-1)及び一般式(1-2)で表される構造を有し重量平均分子量が20万以下である電荷輸送性樹脂(以下「特定電荷輸送性樹脂」ともいう)は、重合性官能基を有する基及び水酸基の少なくとも一方を有するため、これを用いて形成された膜における耐溶剤性及び機械的強度が高くなると考えられる。特に、特定電荷輸送性樹脂に複数存在する前記Y及びYの少なくとも一部が重合性官能基又は重合性官能基を有する基である場合、膜を形成した後に、熱又は光等のエネルギーを与えて架橋反応させることで、製膜性に優れ、かつ、より耐溶剤性及び機械的強度の高い膜が得られる。
そのため、例えば電子写真感光体の表面層の樹脂として特定電荷輸送性樹脂を用いた場合には、表面層の機械的強度が高いことにより、ブレードなどとの摺擦による膜減少に対する耐性が高く、長寿命化が図れる。また、有機EL素子(すなわち、有機電界発光素子)の各層に含まれる樹脂として特定電荷輸送性樹脂を適用する場合には、特定電荷輸送性樹脂を含む層の耐溶剤性が高いため、溶剤を含む塗布液で塗布して上層を形成することで、生産性に優れる塗布法による積層化が実現される。
なお、形成される膜の強度を高める目的で、特定電荷輸送性樹脂に対し更に多官能の重合性官能基を有するモノマーを混合して製膜することで、さらに架橋密度を高め、機械的強度、耐溶剤性がさらに高い膜が得られる。これは、特定電荷輸送性樹脂に含まれる水酸基及び重合性官能基の少なくとも一方が、主鎖から枝分かれした状態(すなわち、運動自由度の高い状態)で存在することで、効率的に架橋されるためと推察される。
そして、上記のように、架橋構造とすることで一層耐熱性、耐溶剤性の高い膜が得られ、その膜を用いた有機デバイス(例えば、電子写真感光体、有機EL素子等)においては、長期に渡って安定した性能が得られる。
-一般式(1-1)及び一般式(1-2)における各基の説明-
前記一般式(1-1)及び前記一般式(1-2)におけるA及びAは、それぞれ独立に電荷輸送性を有する2価の有機基を示し、具体的には、フタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、アゾベンゼン系化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物、キノン系化合物、フルオレノン系化合物などから誘導される2価の有機基が挙げられる。
前記一般式(1-1)及び前記一般式(1-2)におけるA及びAは、これらの中でも、正孔輸送能を有する有機基であることが好ましく、さらにその中でも、トリアリールアミン骨格、ベンジジン骨格、スチルベン骨格から選ばれる少なくとも1種を有する有機基であることがより好ましい。
一般式(1-1)及び一般式(1-2)におけるA及びAは、それぞれ独立に下記一般式(2)で示される2価の有機基であることが好ましい。
Figure 0007167552000006
前記一般式(2)中、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又は置換若しくは未置換のアリール基を示し、Xは置換又は未置換の2価の有機基を示し、k及びmはそれぞれ独立に0又は1を示す。
前記一般式(2)におけるXは、置換又は未置換の2価の有機基を表し、芳香環を有する基であっても有しない基であってもよい。なお、前記一般式(2)におけるXは、芳香環を有する基であることがより好ましく、この中でも、置換若しくは未置換の2価の芳香族基、置換若しくは未置換の芳香環数2以上10以下の2価の多核芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の芳香環数2以上10以下の2価の縮合芳香族炭化水素基、又は置換若しくは未置換の2価の芳香族複素環基であることがより好ましい。
「多核芳香族炭化水素基」とは、炭素と水素とから構成される芳香環が2個以上存在し、環同士が炭素-炭素結合によって結合している炭化水素基を表す。具体的には、芳香環を構成する炭素同士が直接炭素-炭素結合によって結合している炭化水素基や、芳香環同士が炭素数1以上18以下の炭化水素基(アルキル鎖又はアルキレン鎖)によって連結されている炭化水素基等が挙げられる。
多核芳香族炭化水素基としては、具体的には、例えば、ビフェニル、ターフェニル、スチルベン、トリフェニルエチレン等の水素原子を2つ除いた2価の基が挙げられる。
なお、上記多核芳香族炭化水素基を構成する芳香環は、後述する縮合芳香族炭化水素基であってもよく、芳香族複素環であってもよい。多核芳香族炭化水素基を構成する縮合芳香族炭化水素基及び芳香族複素環の具体例としては、例えば後述する縮合芳香族炭化水素基及び芳香族複素環の具体例の化合物と同様のものが挙げられる。
「縮合芳香族炭化水素基」とは、炭素と水素から構成される芳香環が2個以上存在し、これらの芳香環同士が隣接して結合する1対の炭素原子を共有している炭化水素基を表す。具体的には、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ペリレン、フルオレン等の水素原子を2つ除いた2価の基が挙げられる。
「芳香族複素環」は、炭素と水素以外の元素も含む芳香環を表す。
芳香族複素環の環骨格を構成する原子数(Nr)としては、例えば、Nr=5、又はNr=6等が挙げられる。また、環骨格を構成する炭素原子以外の原子(異種原子)の種類及び数は限定されない。異種原子の種類としては、例えば、硫黄原子、窒素原子、酸素原子等が挙げられる。また芳香族複素環は、環骨格中に2個以上の異種原子が含まれていてもよく、2種以上の異種原子が含まれていてもよい
特に、Nr=5の環骨格構造(すなわち5員環構造)を有する複素環としては、例えば、チオフェン、チオフィン、ピロール、フラン、又はこれらの3位及び4位の炭素をさらに窒素で置換した複素環等が挙げられる。またNr=6の環骨格構造(すなわち6員環構造)を有する複素環としては、例えば、ピリジン環等が挙げられる。
芳香環、多核芳香環及び縮合芳香環の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、置換アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
アルキル基としては、炭素数1以上10以下のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
アルコキシル基としては、炭素数1以上10以下のものが好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。
アリール基としては、炭素数6以上20以下のものが好ましく、例えば、フェニル基、トルイル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、炭素数7以上20以下のものが好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
置換アミノ基の置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、具体例は前述の通りである。
置換アリール基、置換アラルキル基の置換基としては、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、置換アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる
一般式(2)におけるXとしては、好ましい例として下記式(X1)~(X7)から選択された基が挙げられる。
Figure 0007167552000007
式(X1)~(X7)中、R13は、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、置換若しくは未置換のフェニル基、又は置換若しくは未置換のアラルキル基を示し、R14~R19は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、置換若しくは未置換のフェニル基、置換若しくは未置換のアラルキル基、又はハロゲン原子を示し、aは0又は1を示し、Vは下記の式(V8)~(V17)から選択された少なくとも1つの基を示す。
Figure 0007167552000008
上記式(V8)~(V17)中、bは1以上10以下の整数を示し、cは1以上3以下の整数を示す。
なお、一般式(2)におけるXとしては、以下に示す群(A)から選択される2価の有機基が好ましく、更には以下に示す群(B)から選択される2価の有機基が特に好ましい。
Figure 0007167552000009
Figure 0007167552000010
一般式(2)におけるRおよびRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又は置換若しくは未置換のアリール基を表す。
アルキル基としては、炭素数1以上10以下のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
アルコキシル基としては、炭素数1以上10以下のものが好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
アリール基としては、炭素数6以上20以下のものが好ましく、例えば、フェニル基、トルイル基等が挙げられる。
置換アリール基の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、置換アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
上記RおよびRの中でも、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基が特に好ましい。
尚、RおよびRが置換する位置としては、窒素(N)が結合する位置に対し、メタ位又はパラ位が好ましい。
なお、一般式(1-1)におけるAと一般式(1-2)におけるAとは、同じであっても異なっていてもよい。また、特定電荷輸送性樹脂中における複数のAは、全て同一でも一部同一でも互いに異なっていてもよいが、全て同一であることが好ましい。同様に、特定電荷輸送性樹脂中における複数のAは、全て同一でも一部同一でも互いに異なっていてもよいが、全て同一であることが好ましい。
一般式(1-1)及び一般式(1-2)におけるT及びTはそれぞれ独立に、炭素数1以上10以下の直鎖状又は分枝状の2価の炭化水素基を示す。一般式(1-1)及び一般式(1-2)におけるT及びTは、それぞれ独立に、炭素数1以上8以下の直鎖状又は分枝状の2価の炭化水素基であることが好ましい。なお、2価の炭化水素基が直鎖状である場合は、炭素数は1以上6以下の範囲がより好ましく、2以上6以下の範囲がさらに好ましい。また、2価の炭化水素基が分枝状である場合には、炭素数は2以上10以下の範囲がより好ましく、3以上7以下の範囲がさらに好ましい。
以下に、Tで表される基及びTで表される基の具体的な構造の例(炭化水素基T-1~炭化水素基T-32)を示す。但し、一般式(1-1)及び一般式(1-2)におけるA又はAは、下記炭化水素基のどちらの側と結合してもよく、例えば、T-5rと記すと構造T-5の右側に、T-5lと記すと構造T-5の左側に、一般式(1-1)及び一般式(1-2)におけるA又はAが結合していることを示す。
Figure 0007167552000011
Figure 0007167552000012
一般式(1-1)において、pが1である場合、カルボニル基に隣接するTとしては、上記構造T-1、T-2、及びT-4が好ましい。同様に、一般式(1-2)において、qが1である場合、カルボニル基に隣接するTとしては、上記構造T-1、T-2、及びT-4が好ましい。
なお、一般式(1-1)におけるTと一般式(1-2)におけるTとは、同じであっても異なっていてもよい。また、特定電荷輸送性樹脂中における複数のTは、全て同一でも一部同一でも互いに異なっていてもよいが、全て同一であることが好ましい。同様に、特定電荷輸送性樹脂中における複数のTは、全て同一でも一部同一でも互いに異なっていてもよいが、全て同一であることが好ましい。
以下、上記一般式(1-1)及び一般式(1-2)のA及びAが上記一般式(2)で表される2価の有機基を示す場合における、AとTとpとの組み合わせ(すなわち、一般式(2)中のX、R、R、k、及びm、並びに一般式(1-1)中のT及びpの組み合わせ)又はAとTとqとの組み合わせ(すなわち、一般式(2)中のX、R、R、k、及びm、並びに一般式(1-2)中のT及びqの組み合わせ)の具体例を示すが、これら具体例に限定されるわけではない。
なお、下記表において「R」および「R」の欄に記載された数字は、結合の位置を表す。また、「T又はT」の欄に記載された番号は、上記に具体的に示した炭化水素基の構造式に付した番号(T-1)~(T-32)を意味する。尚、「T又はT」の欄において、たとえば「T-5r」と記す場合には構造T-5の右側に、「T-5l」と記す場合には構造T-5の左側にアリールアミン骨格(即ち、一般式(1-1)及び一般式(1-2)におけるA又はA)が結合していることを示すものとする。また、下記表において、「結合位置」に示される値は、前記一般式(2)におけるベンゼン環に記載されている数値の箇所に結合していることを示し、更にkが1の場合、( )内のベンゼン環も数字が記載されているベンゼン環と同様の箇所に結合していることを示す。
Figure 0007167552000013
Figure 0007167552000014
Figure 0007167552000015
Figure 0007167552000016
Figure 0007167552000017
Figure 0007167552000018
一般式(1-1)及び一般式(1-2)におけるY及びYはそれぞれ独立に、水素原子、重合性官能基、又は重合性官能基を有する基を示す。
重合性官能基としては、例えば、炭素-炭素二重結合、エポキシ基、及びオキセタン基から選択される少なくとも1種を含む基が挙げられる。重合性官能基の具体例としては、例えば、ビニル基、ビニルエーテル基、下記一般式(P1)で表される基、下記一般式(P2)で表される基、下記一般式(P3)で表される基、下記一般式(P4)で表される基、下記一般式(P5)で表される基等が挙げられる。
重合性官能基は、これらの中でも、下記一般式(P1)で表される基、下記一般式(P2)で表される基、下記一般式(P3)で表される基、下記一般式(P4)で表される基、及び下記一般式(P5)で表される基から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
Figure 0007167552000019
前記一般式(P1)~(P5)中、R~Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、又はアルコキシ基を示し、*は、結合位置を示す。
アルキル基としては、炭素数1以上10以下のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。アルキル基としては、炭素数1以上5以下のものがより好ましく、炭素数1以上3以下のものがさらに好ましく、炭素数1以上2以上のものが特に好ましい。
アルコキシル基としては、炭素数1以上10以下のものが好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1以上5以下のものがより好ましく、炭素数1以上3以下のものがさらに好ましく、炭素数1以上2以上のものが特に好ましい。
一般式(P3)で表される基の置換位置は、オルト位、メタ位、及びパラ位のいずれであってもよく、その中でもメタ位及びパラ位から選択される少なくとも一方が好ましく、パラ位がより好ましい。なお、特定電荷輸送性樹脂が一般式(P3)で表される基を複数有する場合、それらの置換位置は、オルト位、メタ位、及びパラ位から選択される少なくとも2種以上が混在していてもよい。
一般式(1-1)及び一般式(1-2)におけるY及びYが重合性官能基を有する基を示す場合としては、例えば、さらに置換基を有する前記重合性官能基が酸素原子に結合する場合のほか、置換又は無置換の前記重合性官能基が連結基を介して酸素原子に結合する場合等が挙げられる。
重合性官能基がさらに有する置換基としては、例えば、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、置換アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
アルキル基としては、炭素数1以上10以下のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。アルキル基としては、炭素数1以上5以下のものがより好ましく、炭素数1以上3以下のものがさらに好ましく、炭素数1以上2以上のものが特に好ましい。
アルコキシル基としては、炭素数1以上10以下のものが好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1以上5以下のものがより好ましく、炭素数1以上3以下のものがさらに好ましく、炭素数1以上2以上のものが特に好ましい。
アリール基としては、炭素数6以上20以下のものが好ましく、例えば、フェニル基、トルイル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、炭素数7以上20以下のものが好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
置換アミノ基の置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、具体例は前述の通りである。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
重合性官能基と酸素原子との間を連結する連結基としては、例えば、炭素原子及び酸素原子から選択される少なくとも1種の原子により構成される2価の連結基(以下、これをL1とも称する)を示す。L1としては、例えば、アルキレン、-O-、及び-C(=O)-を任意に組み合わせて構成された基が挙げられる。L1を構成する水素原子以外の原子の合計数は、例えば1以上15以下が挙げられ、1以上10以下が好ましく、1以上6以下が最も好ましい。L1を構成する水素原子以外の原子の合計数が上記範囲であることにより、上記範囲よりも多すぎる場合に比べ、電荷輸送性骨格の比率が高く、電気特性が良好となる。
以下に、Yで表される基及びYで表される基のうち、重合性官能基又は重合性官能基を有する基の具体的な構造の例(基Y-1~基Y-22)を示す。但し、下記式中、Meはメチル基を意味し、Etはエチル基を意味する。
Figure 0007167552000020
なお、一般式(1-1)におけるYと一般式(1-2)におけるYとは、同じであっても異なっていてもよい。また、特定電荷輸送性樹脂中における複数のYは、全て同一でも一部同一でも互いに異なっていてもよい。同様に、特定電荷輸送性樹脂中における複数のYは、全て同一でも一部同一でも互いに異なっていてもよい。
つまり、特定電荷輸送性樹脂の分子中に、一般式(1-1)及び一般式(1-2)におけるY及びYとして、水素原子と重合性官能基及び重合性官能基を有する基から選択される少なくとも1種の基とが混在してもよい。また、複数のY及び複数のYのすべてが水素原子であってもよく、複数のY及び複数のYのすべてが重合性官能基及び重合性官能基を有する基から選択される少なくとも1種であってもよい。
特定電荷輸送性樹脂に含まれる一般式(1-1)で表される構造の数及び一般式(1-2)で表される構造の数は、それぞれ独立に、5以上であり、好ましくは5以上5000以下であり、より好ましくは5以上2000以下であり、さらに好ましくは10以上1000以下である。
なお、複数の前記一般式(1-1)で表される構造は、隣り合っていなくてもよい。同様に、複数の前記一般式(1-2)で表される構造は、隣り合っていなくてもよい。
特定電荷輸送性樹脂は、例えば、前記一般式(1-1)で表される構造と前記一般式(1-2)で表される構造とが交互に隣り合って結合した領域を有していてもよい。すなわち、特定電荷輸送性樹脂は、下記一般式(1-3)で表される構造を有する樹脂であってもよい。特定電荷輸送性樹脂中に含まれる下記一般式(1-3)で表される構造の数は、例えば5以上5000以下が挙げられ、5以上2000以下が好ましく、10以上1000以下がより好ましい。また、特定電荷輸送性樹脂全体に対する下記一般式(1-3)で表される構造の割合は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。
Figure 0007167552000021
前記一般式(1-3)中、A及びAはそれぞれ独立に電荷輸送性を有する2価の有機基を示し、T及びTはそれぞれ独立に炭素数1以上10以下の直鎖状又は分岐状の2価の炭化水素基を示し、Y及びYはそれぞれ独立に水素原子、重合性官能基、又は重合性官能基を有する基を示し、p及びqはそれぞれ独立に0又は1を示す。
すなわち、前記一般式(1-3)中、A、A、T、T、Y、Y、p、及びqは、それぞれ、一般式(1-1)及び一般式(1-2)中のA、A、T、T、Y、Y、p、及びqと同じである。
-特定電荷輸送性樹脂の説明-
特定電荷輸送性樹脂は、少なくとも一般式(1-1)で表される構造及び一般式(1-2)で表される構造を分子内に有していればよく、一般式(1-1)で表される構造及び一般式(1-2)で表される構造に加えて他の構造を分子内に有していてもよい。例えば、一般式(1-1)で表される構造の末端に1価の置換基又は1価の他の構造単位が結合した形態、一般式(1-2)で表される構造の末端に1価の置換基又は1価の他の構造単位が結合した形態等が挙げられる。また、特定電荷輸送性樹脂の主鎖中に一般式(1-1)で表される構造及び一般式(1-2)で表される構造以外の他の構造を有する形態としては、例えば、一般式(1-1)で表される構造の単位と一般式(1-2)で表される構造の単位が、他の構造を介して結合した形態が挙げられる。
特定電荷輸送性樹脂が他の構造を分子内に有する場合、特定電荷輸送性樹脂全体に対する一般式(1-1)で表される構造及び一般式(1-2)で表される構造の合計の割合としては、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。
なお、上記一般式(1-1)で表される構造及び一般式(1-2)で表される構造の合計の割合は、NMRスペクトル又は赤外吸収スペクトルにおける各ピークの面積比などから算出される。また、重合せずに残存したモノマー(例えば、後述する一般式(3)で表される化合物及び一般式(4)で表される化合物)の量を定量することで算出してもよい。
特定電荷輸送性樹脂全体に含まれる水酸基の総数をMとし、特定電荷輸送性樹脂全体に含まれる重合性官能基の総数をMとしたとき、下記式(A1)を満たすことが好ましく、下記式(A2)を満たすことがより好ましく、下記式(A3)を満たすことがさらに好ましい。
式(A1):0≦M/(M+M)≦0.9
式(A2):0≦M/(M+M)≦0.6
式(A3):0≦M/(M+M)≦0.3
なお、上記M/(M+M)の値は、NMRスペクトル又は赤外吸収スペクトルにおける各ピークの面積比から算出される。
特定電荷輸送性樹脂の重量平均分子量としては、例えば2000以上50万以下が挙げられ、3000以上20万以下が好ましく、4000以上10万以下がより好ましい。
上記重量平均分子量の測定は、測定対象の化合物の0.1質量%THF(テトラヒドロフラン)溶液を調製し、示差屈折率検出器(RI)を用いて、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、標準サンプルとしてスチレンポリマーを用いて行う。
以下、上記一般式(1-1)におけるA及び上記一般式(1-2)におけるAが上記一般式(2)である特定電荷輸送性樹脂の具体例を示すが、これら具体例に限定されるわけではない。
なお、下記表において、「A,T,p」及び「A,T,q」の欄に記載された番号は、一般式(1-1)のAとTとpとの組み合わせの具体例又は一般式(1-2)のAとTとqとの組み合わせの具体例に付した番号(2-1)~(2-102)を意味する。また、「Y又はY」の欄に記載された番号のうち、Hは水素原子を意味し、その他の番号は前記重合性官能基又は重合性官能基を有する基の具体的な構造の例に付した番号(Y-1)~(Y-22)を意味する。また、下記表において、「n1」は、特定電荷輸送性樹脂が有する一般式(1-1)で表される構造の数を意味し、「n2」は、特定電荷輸送性樹脂が有する一般式(1-2)で表される構造の数を意味する。
Figure 0007167552000022
-合成方法(特定電荷輸送性樹脂の製造方法)-
ついで合成方法について説明する。
特定電荷輸送性樹脂のうち、複数のY及び複数のYのすべてが水素原子である電荷輸送性樹脂(以下「第1の特定電荷輸送性樹脂」ともいう)は、例えば、下記一般式(3)で表される化合物と下記一般式(4)で表される化合物との重合により得られる(重合工程)。
具体的には、例えば、下記一般式(3)で表される化合物と下記一般式(4)で表される化合物とを当量用い、溶剤中において触媒を用いて合成を行う。
Figure 0007167552000023
前記一般式(3)及び(4)中、A及びAはそれぞれ独立に電荷輸送性を有する2価の有機基を示し、T及びTはそれぞれ独立に炭素数1以上10以下の直鎖状又は分岐状の2価の炭化水素基を示し、p及びqはそれぞれ独立に0又は1を示す。
なお、前記一般式(3)及び(4)中のA及びA、T及びT、並びにp及びqは、前記一般式(1-1)及び一般式(1-2)中のA及びA、T及びT、並びにp及びqと同じである。
第1の特定電荷輸送性樹脂の合成は、例えば、一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物とを当量用い、溶剤中において触媒を用いることで行う。
溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、モノクロロベンゼン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、モノクロロベンゼン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
触媒としては、例えば、4級アンモニウム塩、3級アミン、3級ホスフィン、4級ホスホニウム塩、ハロゲン化リチウム、トリフルオロホウ素錯塩等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
4級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムヨーダイド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリブチルアンモニウムクロライド、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムヨーダイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムハイドロジェンサルフェート、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド、メチルトリオクチルアンモニウムブロマイド、エチルトリオクチルアンモニウムクロライド、エチルトリオクチルアンモニウムブロマイド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
3級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリス(N,N-ジメチルアミノメチル)フェノール、トリス(N,N-ジエチルアミノメチル)フェノール、N,N-ジメチルアミノメチルフェノール、N,N-ジメチルベンジルアミン等が挙げられる。
3級ホスフィンとしては、例えば、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。
4級ホスホニウム塩としては、例えば、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムヨーダイド、テトラフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、メチルトリブチルホスホニウムヨーダイド、メチルトリオクチルホスホニウムクロライド、メチルトリオクチルホスホニウムブロマイド、エチルトリオクチルホスホニウムクロライド、エチルトリオクチルホスホニウムブロマイド、デシルトリブチルホスホニウムクロライド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド、エチルトリオクチルホスホニウムクロライド等が挙げられる。
ハロゲン化リチウムとしては、例えば、塩化リチウム、臭化リチウム等が挙げられる。
トリフルオロホウ素錯塩としては、例えば、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体等が挙げられる。
触媒の添加量としては、例えば、モノマー総質量(すなわち、一般式(3)で表される化合物の質量と一般式(4)で表される化合物の質量との合計)1質量部に対して、1/10000質量部以上1/10質量部以下が挙げられ、好ましくは1/1000質量部以上1/50質量部以下である。
溶剤の添加量としては、例えば、生成する第1の特定電荷輸送性樹脂の1質量部に対して、1質量部以上100質量部以下が挙げられ、好ましくは2質量部以上50質量部以下である。
反応温度(すなわち、一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物との重合温度)は特に限定されるものではなく、例えば30℃以上100℃以下の範囲が挙げられる。
一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物との重合反応が終了した後は、例えば、得られた電荷輸送性樹脂が溶解しにくい貧溶剤(例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトンなど)に反応溶液を滴下することで、電荷輸送性樹脂を析出させ、分離した後、水、有機溶剤等により洗浄し、乾燥させる。
さらに、必要に応じて有機溶剤に溶解させ、貧溶剤中に滴下し、電荷輸送性樹脂を析出させる再沈殿処理を繰り返してもよい。再沈殿処理は、メカニカルスターラー等により撹拌しながら行うことが好ましい。再沈殿処理の際に電荷輸送性樹脂を溶解させる溶剤の添加量としては、例えば、電荷輸送性化合物3質量部に対して、1質量部以上100質量部以下の範囲が挙げられ、好ましくは2質量部以上50質量部以下である。また、貧溶剤の量としては、例えば、電荷輸送性樹脂1質量部に対して、1質量部以上1000質量部以下が挙げられ、好ましくは10質量部以上500質量部以下の範囲である。
また、一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物との重合反応が終了した後、例えば、反応液を水にあけ、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル等の溶剤で抽出、水洗し、さらに必要に応じて活性炭、シリカゲル、多孔質アルミナ、活性白土等の吸着剤を用いて精製を行ってもよい。
このようにして、一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物とを重合することで、一般式(1-1)で表される構造及び一般式(1-2)で表される構造を有する特定電荷輸送性樹脂の中でも、一般式(1-3)で表される構造を有する特定電荷輸送性樹脂が得られる。
特定電荷輸送性樹脂のうち、複数存在するY及び複数存在するYの少なくとも一部として、重合性官能基及び重合性官能基を有する基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送性樹脂(以下「第2の特定電荷輸送性樹脂」ともいう)は、例えば、前記一般式(3)で表される化合物と前記一般式(4)で表される化合物とを重合した後(すなわち、前記重合工程の後)に、得られた重合体と重合性官能基を有する化合物とを反応させ、重合体に重合性官能基を導入することで得られる。
このようにして、一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物とを重合した後に重合性官能基を有する化合物と反応させることで、一般式(1-1)で表される構造及び一般式(1-2)で表される構造を有する特定電荷輸送性樹脂の中でも、一般式(1-3)で表される構造を有する特定電荷輸送性樹脂が得られる。
なお、一般式(3)で表される化合物と下記一般式(4)で表される化合物とを重合する工程(重合工程)については、前記第1の特定電荷輸送性樹脂の合成方法に記載した通りである。
得られた重合体に重合性官能基を導入する工程(すなわち、導入工程)では、具体的には、例えば、得られた重合体と重合性官能基を有する化合物とを溶剤に添加し、必要に応じて触媒を用いて反応を行う。
重合性官能基を有する化合物としては、例えば、Y-1~Y-4、Y-13~Y-14、及びY-16~Y-18に脱離基(例えば、OH基、ハロゲン原子、又は他のカルボン酸等)が置換したカルボン酸誘導体、Y-5~Y-12、Y-15、及びY-19~Y-22に脱離基(例えば、ハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、又はp-トルエンスルホニルオキシ基等)が置換して求電子剤となった化合物が挙げられる。これらに、必要に応じて公知の触媒又は縮合剤等を添加して反応を行うことで、重合性官能基が導入される。
得られた重合体に重合性官能基を導入する工程において用いる溶剤としては、例えば、塩化メチレン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、クロロベンゼン、1-クロロナフタレン、アセトン、メチルエチルケトン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
上記溶剤の添加量としては、例えば、得られる電荷輸送性樹脂1質量部に対して、1質量部以上100質量部以下が挙げられ、好ましくは2質量部以上50質量部以下である。
なお、重合性官能基を有する化合物としてカルボキシ基を有する化合物を用いる場合、触媒として、例えば、硫酸、パラトルエンスルホン酸等を用いてもよい。
また、重合性官能基を有する化合物としてカルボン酸無水物及びハロゲン化物の少なくとも1種を用いる場合、触媒として、例えば、ピリジン、ピペリジン、ジメチルアミノピリジン、トリメチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)、トリエチルアミン等の有機塩基;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基;などを用いてもよい。
触媒の添加量としては、例えば、重合性官能基を有する化合物に対し1当量以上10当量以下が挙げられ、好ましくは2当量以上5当量以下である。
反応温度(すなわち、重合体と重合性官能基を有する化合物との反応温度)は特に限定されるものではなく、例えば30℃以上100℃以下の範囲が挙げられる。
重合体と重合性官能基を有する化合物との反応が終了した後は、前記一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物とを重合した後と同様に、再沈殿処理及び精製を行ってもよい。
-用途-
特定電荷輸送性樹脂は、例えば、電子写真感光体、有機電界発光素子等の有機電子デバイスにおける各層に含まれる樹脂として用いてもよい。特定電荷輸送性樹脂は、単独で用いてもよく、特定電荷輸送性樹脂と相溶する絶縁性ポリマーと併用してもよい。
具体的には、例えば、支持体上に特定電荷輸送性樹脂を含有する層を設けた構造のものが有機電子デバイスとして使用される。有機電子デバイスの代表的なものとしては、例えば、感光層を有する電子写真感光体が挙げられ、その中でも特に、特定電荷輸送性樹脂を該電子写真感光体の表面層に含有するものが挙げられる。また、感光層中に電荷輸送材料として、特定電荷輸送性樹脂と公知の電荷発生材料とを含有する電子写真感光体、感光層中にさらにフタロシアニン化合物結晶を含む電子写真感光体等も好ましいものとして挙げられる。
上記電子写真感光体において、特定電荷輸送性樹脂と組み合せて使用されるフタロシアニン結晶としては、例えば、特開平5ー98181号公報に開示されているハロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶、特開平5ー140472号公報及び特開平5ー140473号公報に開示されているハロゲン化スズフタロシアニン結晶、特開平5ー263007号公報及び特開平5ー279591号公報に開示されているヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、特開平4-189873号公報及び特開平5ー43813号公報に開示されているオキシチタニウムフタロシアニン水和物結晶が挙げられる。上記フタロシアニン結晶を用いることにより、特に高感度で、繰り返し安定性の優れる電子写真感光体が得られる。
-特定電荷輸送性樹脂溶解液-
特定電荷輸送性樹脂溶解液は、前記一般式(1-1)で表される構造及び一般式(1-2で表される構造を有する電荷輸送性樹脂が溶媒中に溶解してなる。
この溶媒としては、トルエン、キシレンなどの芳香族、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのセロソルブ系、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール系等の溶媒が、単独または混合溶媒として用いられる。
尚、これらの溶媒に特定電荷輸送性樹脂を溶解する溶解方法としては、例えば、10℃から150℃、好ましくは15℃から120℃の温度で溶剤と攪拌混合(例えば超音波照射しながら攪拌混合)するなど通常の方法が挙げられる。
特定電荷輸送性樹脂溶解液は、例えば、有機電子デバイス(有機ELデバイス、電子写真感光体等)における膜の形成のほか、太陽電池、有機トランジスター等の形成にも用いられる。
-特定電荷輸送性樹脂架橋体-
特定電荷輸送性樹脂架橋体は、前述の特定電荷輸送性樹脂がさらに架橋したものである。具体的には、例えば、前記特定電荷輸送性樹脂溶解液に熱、光、放射線等を付与することで、特定電荷輸送性樹脂の架橋体を得る。上記架橋により、膜の強度、耐溶剤性がさらに向上する。
熱及び光の少なくとも一方により架橋を行う場合、重合開始剤は必ずしも必要ではないが、光硬化触媒及び熱重合開始剤の少なくとも一方を用いてもよい。この光硬化触媒および熱重合開始剤としては、公知の光硬化触媒や熱重合開始剤が用いられる。放射線としては電子線が好ましい。
以下、実施例および比較例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。尚、以下において「部」は、特に断りのない限り質量基準である。
<合成例1>
化合物3-2として、前記一般式(3)で表され、かつ、AとTとpとの組み合わせが前述の具体例番号(2-2)である化合物を準備した。
500mlフラスコに、化合物3―2を80g、エピクロロヒドリン230g、水酸化ナトリウム26.8g、トリエチルアミン3gを入れ、窒素置換したのち、室温(25℃)で24時間撹拌した。反応後、希塩酸水溶液、次いで水で洗浄した。濃縮後、シリカゲルクロマトにて精製し、化合物4―2を64g得た。
なお、化合物4-2は、前記一般式(4)で表され、かつ、AとTとqとの組み合わせが前述の具体例番号(2-2)である。
<合成例2>
化合物3-6として、前記一般式(3)で表され、かつ、AとTとpとの組み合わせが前述の具体例番号(2-6)である化合物を準備した。
1000mlフラスコに、化合物3―6を110g、エピクロロヒドリン60g、炭酸カリウム65g、N,N-ジメチルホルムアミド300mlを入れ、窒素置換したのち、90℃で10時間反応した。反応後、トルエン300mlを加え、希塩酸水溶液、次いで水で洗浄した。濃縮後、シリカゲルクロマトにて精製し、化合物4―6を50g得た。
なお、化合物4-6は、前記一般式(4)で表され、かつ、AとTとqとの組み合わせが前述の具体例番号(2-6)である。
<合成例3>
化合物3-17として、前記一般式(3)で表され、かつ、AとTとpとの組み合わせが前述の具体例番号(2-17)である化合物を準備した。
500mlフラスコに、化合物3―17を60g、エピクロロヒドリン200g、水酸化ナトリウム17.6g、トリエチルアミン2gを入れ、窒素置換したのち、室温(25℃)で24時間撹拌した。反応後、希塩酸水溶液、次いで水で洗浄した。濃縮後、シリカゲルクロマトにて精製し、化合物4―17を74.5g得た。
なお、化合物4-17は、前記一般式(4)で表され、かつ、AとTとqとの組み合わせが前述の具体例番号(2-17)である。
前記合成例1と同様にして、化合物4-5、化合物4-17、化合物4-83、化合物4-86、化合物4-98、化合物4-57、及び化合物4-44を得た。
なお、前記化合物4-5、化合物4-17、化合物4-83、化合物4-86、化合物4-98、化合物4-57、及び化合物4-44は、前記一般式(4)で表され、かつ、AとTとqとの組み合わせが、それぞれ、具体例番号(2-5)、具体例番号(2-17)、具体例番号(2-83)、具体例番号(2-86)、具体例番号(2-98)、具体例番号(2-57)、具体例番号(2-44)である。
前記合成例2と同様にして、化合物4-25及び化合物4-92を得た。
なお、前記化合物4-25及び化合物4-92は、前記一般式(4)で表され、かつ、AとTとqとの組み合わせが、それぞれ、具体例番号(2-25)及び具体例番号(2-92)である。
<実施例1:樹脂(1-1)の合成>
化合物3-29として、前記一般式(3)で表され、かつ、AとTとpとの組み合わせが前述の具体例番号(2-29)である化合物を準備した。
2000mlフラスコに、化合物3-29を79.8g、テトラヒドロフランを700ml、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体を1.8g入れ、窒素置換したのち、50℃に加熱した。この溶液に、テトラヒドロフラン200mlに化合物4-5を50.0g溶かした溶液を、30分かけて滴下した。滴下終了後、2時間反応させた後、10Lのメタノールに滴下してポリマーを析出させた。得られたポリマーを十分にメタノールで洗浄し、乾燥して、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-1)の樹脂である樹脂(1-1)を107.0g得た。
GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算で60000であった。また、前記M/(M+M)の値は1.0であった。
得られた樹脂(1-1)のIRスペクトルを図1に示す。
<実施例2:樹脂(1-2)の合成>
実施例1で得られた樹脂(1-1)10gを300mlのフラスコに入れ、4-ヨードメチルスチレン18g、ニトロベンゼン0.1gをフラスコに入れ、テトラヒドロフランを100ml加えて溶解した。これに、t-ブトキシナトリウム5.8gを室温(25℃)で2時間かけて加えた後、50℃で3時間反応させた。反応終了後、トルエン100mlを加え、希塩酸、ついで水で洗浄した後、500mlのメタノールに滴下してポリマーを析出させた。得られたポリマーを十分にメタノールで洗浄し、乾燥して、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-2)の樹脂である樹脂(1-2)を10.1g得た。
GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算で61000であった。また、前記M/(M+M)の値は0であった。
得られた樹脂(1-2)のIRスペクトルを図2に示す。
<実施例3:樹脂(1-3)の合成>
4-ヨードメチルスチレンの添加量を1.0g、t-ブトキシナトリウムの添加量を0.3gとした以外は、実施例2と同様にして、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-3)の樹脂である樹脂(1-3)を9.9g得た。
GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算で60000であった。また、前記M/(M+M)の値は0.95であった。
<実施例4:樹脂(1-4)の合成>
4-ヨードメチルスチレンの添加量を1.8g、t-ブトキシナトリウムの添加量を0.5gとした以外は、実施例2と同様にして、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-4)の樹脂である樹脂(1-4)を9.9g得た。
GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算で60000であった。また、前記M/(M+M)の値は0.85であった。
<実施例5:樹脂(1-5)の合成>
4-ヨードメチルスチレンの添加量を9.0g、t-ブトキシナトリウムの添加量を2.9gとした以外は、実施例2と同様にして、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-5)の樹脂である樹脂(1-5)を9.9g得た。
GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算で60000であった。また、前記M/(M+M)の値は0.45であった。
<実施例6:樹脂(1-6)の合成>
化合物3-17として、前記一般式(3)で表され、かつ、AとTとpとの組み合わせが前述の具体例番号(2-17)である化合物を準備した。
1000mlフラスコに、化合物3-17を39.4g、テトラヒドロフランを700ml、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体を1.0g入れ、窒素置換したのち、50℃に加熱した。この溶液に、テトラヒドロフラン200mlに化合物4-17を45.2g溶かした溶液を、30分かけて滴下した。滴下終了後、2時間反応させた後、10Lのメタノールに滴下してポリマーを析出させた。得られたポリマーを十分にメタノールで洗浄し、乾燥して、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-6)の樹脂である樹脂(1-6)を75.0g得た。
GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算で40000であった。また、前記M/(M+M)の値は1.0であった。
得られた樹脂(1-6)のIRスペクトルを図3に示す。
<実施例7:樹脂(1-7)の合成>
200mlフラスコに、実施例6で得られた樹脂(1-6)を8.0g、テトラヒドロフランを100ml、メタクリル酸クロライドを52.0g、トリエチルアミンを50.0入れ、室温(25℃)で24時間反応した。反応終了後、1Lのメタノールに滴下してポリマーを析出させた。得られたポリマーを十分にメタノールで洗浄し、乾燥して、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-7)の樹脂である樹脂(1-7)を7.1g得た。
GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算で41000であった。また、前記M/(M+M)の値は0であった。
得られた樹脂(1-7)のIRスペクトルを図4に示す。
<実施例8:樹脂(1-8)の合成>
500mlフラスコに、実施例6で得られた樹脂(1-6)を8.0g、テトラヒドロフランを100ml、メタクリル酸クロライドを1.0g、トリエチルアミンを1.0入れ、室温(25℃)で24時間反応した。反応終了後、1Lのメタノールに滴下してポリマーを析出させた。得られたポリマーを十分にメタノールで洗浄し、乾燥して、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-8)の樹脂である樹脂(1-8)を7.4g得た。
GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算で40000であった。また、前記M/(M+M)の値は0.95であった。
<実施例9:樹脂(1-9)の合成>
化合物3-29として、前記一般式(3)で表され、かつ、AとTとpとの組み合わせが前述の具体例番号(2-29)である化合物を準備した。
1000mlフラスコに、化合物3-29を30.0g、テトラヒドロフランを300ml、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体を0.5g入れ、窒素置換したのち、50℃に加熱した。この溶液に、テトラヒドロフラン200mlに化合物4-17を37.8g溶かした溶液を、30分かけて滴下した。滴下終了後、2時間反応させた後、10Lのメタノールに滴下してポリマーを析出させた。得られたポリマーを十分にメタノールで洗浄し、乾燥して、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-9)の樹脂である樹脂(1-9)を55.0g得た。
GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算で30000であった。また、前記M/(M+M)の値は1.0であった。
得られた樹脂(1-9)のIRスペクトルを図5に示す。
<実施例10:樹脂(1-10)の合成>
500mlフラスコに、実施例9で得られた樹脂(1-9)を8.0g、テトラヒドロフランを100ml、メタクリル酸クロライドを52.0g、トリエチルアミンを50.0入れ、室温(25℃)で24時間反応した。反応終了後、1Lのメタノールに滴下してポリマーを析出させた。得られたポリマーを十分にメタノールで洗浄し、乾燥して、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-10)の樹脂である樹脂(1-10)を6.9g得た。
GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算で31000であった。また、前記M/(M+M)の値は0であった。
得られた樹脂(1-10)のIRスペクトルを図6に示す。
<実施例11:樹脂(1-11)の合成>
化合物3-29の代わりに、前記一般式(3)で表され、かつ、AとTとpとの組み合わせが前述の具体例番号(2-44)である化合物3-44を用い、化合物4-17の代わりに、前記一般式(4)で表され、かつ、AとTとqとの組み合わせが前述の具体例番号(2-83)である化合物4-83を用いた以外は、実施例9と同様にして、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-21)の樹脂である樹脂(1-21)を得た。
また、樹脂(1-9)の代わりに樹脂(1-21)を用いた以外は、実施例10と同様にして、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-11)の樹脂である樹脂(1-11)を得た。
GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算で35000であった。また、前記M/(M+M)の値は0であった。
<実施例12:樹脂(1-12)の合成>
化合物3-29の代わりに、前記一般式(3)で表され、かつ、AとTとpとの組み合わせが前述の具体例番号(2-67)である化合物3-67を用い、化合物4-17の代わりに、前記一般式(4)で表され、かつ、AとTとqとの組み合わせが前述の具体例番号(2-86)である化合物4-86を用いた以外は、実施例9と同様にして、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-22)の樹脂である樹脂(1-22)を得た。
また、樹脂(1-9)の代わりに樹脂(1-22)を用いた以外は、実施例10と同様にして、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-12)の樹脂である樹脂(1-12)を得た。
GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算で45000であった。また、前記M/(M+M)の値は0であった。
<実施例13:樹脂(1-13)の合成>
化合物3-29の代わりに、前記一般式(3)で表され、かつ、AとTとpとの組み合わせが前述の具体例番号(2-92)である化合物3-92を用い、化合物4-17の代わりに、前記一般式(4)で表され、かつ、AとTとqとの組み合わせが前述の具体例番号(2-98)である化合物4-98を用いた以外は、実施例9と同様にして、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-23)の樹脂である樹脂(1-23)を得た。
また、樹脂(1-9)の代わりに樹脂(1-23)を用いた以外は、実施例10と同様にして、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-13)の樹脂である樹脂(1-13)を得た。
GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算で46000であった。また、前記M/(M+M)の値は0であった。
<実施例14:樹脂(1-14)の合成>
化合物3-29の代わりに、前記一般式(3)で表され、かつ、AとTとpとの組み合わせが前述の具体例番号(2-44)である化合物3-44を用い、化合物4-17の代わりに、前記一般式(4)で表され、かつ、AとTとqとの組み合わせが前述の具体例番号(2-57)である化合物4-57を用いた以外は、実施例9と同様にして、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-24)の樹脂である樹脂(1-24)を得た。
また、樹脂(1-9)の代わりに樹脂(1-24)を用いた以外は、実施例10と同様にして、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-14)の樹脂である樹脂(1-14)を得た。
GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算で28000であった。また、前記M/(M+M)の値は0であった。
<実施例15:樹脂(1-15)の合成>
化合物3-29の代わりに、前記一般式(3)で表され、かつ、AとTとpとの組み合わせが前述の具体例番号(2-25)である化合物3-25を用い、化合物4-17の代わりに、前記一般式(4)で表され、かつ、AとTとqとの組み合わせが前述の具体例番号(2-44)である化合物4-44を用いた以外は、実施例9と同様にして、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-25)の樹脂である樹脂(1-25)を得た。
また、樹脂(1-9)の代わりに樹脂(1-25)を用いた以外は、実施例10と同様にして、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-15)の樹脂である樹脂(1-15)を得た。
GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算で50000であった。また、前記M/(M+M)の値は0であった。
<実施例16:樹脂(1-16)の合成>
化合物3-29の代わりに、前記一般式(3)で表され、かつ、AとTとpとの組み合わせが前述の具体例番号(2-5)である化合物3-5を用い、化合物4-17の代わりに、前記一般式(4)で表され、かつ、AとTとqとの組み合わせが前述の具体例番号(2-25)である化合物4-25を用いた以外は、実施例9と同様にして、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-26)の樹脂である樹脂(1-26)を得た。
また、樹脂(1-9)の代わりに樹脂(1-26)を用いた以外は、実施例10と同様にして、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-16)の樹脂である樹脂(1-16)を得た。
GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算で30000であった。また、前記M/(M+M)の値は0であった。
<実施例17:樹脂(1-17)の合成>
化合物3-29の代わりに、前記一般式(3)で表され、かつ、AとTとpとの組み合わせが前述の具体例番号(2-25)である化合物3-25を用い、化合物4-17の代わりに、前記一般式(4)で表され、かつ、AとTとqとの組み合わせが前述の具体例番号(2-92)である化合物4-92を用いた以外は、実施例9と同様にして、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-27)の樹脂である樹脂(1-27)を得た。
また、樹脂(1-9)の代わりに樹脂(1-27)を用いた以外は、実施例10と同様にして、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-17)の樹脂である樹脂(1-17)を得た。
GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算で42000であった。また、前記M/(M+M)の値は0であった。
<実施例18:樹脂(1-18)の合成>
化合物3-29の代わりに、前記一般式(3)で表され、かつ、AとTとpとの組み合わせが前述の具体例番号(2-25)である化合物3-25を用い、化合物4-17の代わりに、前記一般式(4)で表され、かつ、AとTとqとの組み合わせが前述の具体例番号(2-25)である化合物4-25を用いた以外は、実施例9と同様にして、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-28)の樹脂である樹脂(1-28)を得た。
また、樹脂(1-9)の代わりに樹脂(1-28)を用いた以外は、実施例10と同様にして、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-18)の樹脂である樹脂(1-18)を得た。
GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算で38000であった。また、前記M/(M+M)の値は0であった。
<実施例19:樹脂(1-19)の合成>
化合物3-18として、前記一般式(3)で表され、かつ、AとTとpとの組み合わせが前述の具体例番号(2-18)である化合物を準備した。
500mlフラスコに、化合物3-18を5.0g、化合物4-17を5.5g、トルエンを100ml、テトラブチルアンモニウムブロマイドを0.5g入れ、10時間加熱還流し、反応した。反応終了後、1Lのメタノールに滴下してポリマーを析出させた。得られたポリマーを十分にメタノールで洗浄し、乾燥して、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-19)の樹脂である樹脂(1-19)を9.1g得た。
GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算で38000であった。また、前記M/(M+M)の値は1.0であった。
得られた樹脂(1-19)のIRスペクトルを図7に示す。
<実施例20:樹脂(1-20)の合成>
500mlフラスコに、実施例19で得られた樹脂(1-19)を8.0g、テトラヒドロフランを100ml、メタクリル酸クロライドを52.0g、トリエチルアミンを50.0入れ、室温(25℃)で24時間反応した。反応終了後、1Lのメタノールに滴下してポリマーを析出させた。得られたポリマーを十分にメタノールで洗浄し、乾燥して、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-20)の樹脂である樹脂(1-20)を6.9g得た。
GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算で38000であった。また、前記M/(M+M)の値は0.2であった。
得られた樹脂(1-20)のIRスペクトルを図8に示す。
<実施例21:樹脂(1-29)の合成>
実施例19で得られた樹脂(1-19)10gを300mlのフラスコに入れ、4-ヨードメチルスチレン及び3-ヨードメチルスチレンの混合物(モル比50/50)14.8g、ニトロベンゼン0.1gをフラスコに入れ、テトラヒドロフランを100ml加えて溶解した。これに、t-ブトキシナトリウム4.6gを室温(25℃)で2時間かけて加えた後、50℃で3時間反応させた。反応終了後、トルエン100mlを加え、希塩酸、ついで水で洗浄した後、500mlのメタノールに滴下してポリマーを析出させた。得られたポリマーを十分にメタノールで洗浄し、乾燥して、特定電荷輸送性樹脂の具体例として示した番号(1-29)の樹脂である樹脂(1-29)を10.5g得た。
GPCで分子量を測定したところ、ポリスチレン換算で38000であった。また、前記MH/(MH+MP)の値は0であった。
<参考例>
以下、参考例として、実施例で得られた樹脂を電子写真感光体に使用した場合の例を示す。
-参考例1:感光体1の作製-
(下引層の作製)
酸化亜鉛(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m/g)100部をテトラヒドロフラン500部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM503:信越化学工業社製)1.3部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間)焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛110部を500部のテトラヒドロフランと攪拌混合し、アリザリン1.0部を50部のテトラヒドロフランに溶解させた溶液を添加し、50℃にて5時間攪拌した。その後、減圧ろ過にてアリザリンを付与させた酸化亜鉛を濾別し、さらに60℃で減圧乾燥を行い、アリザリン付与酸化亜鉛を得た。
このアリザリン付与酸化亜鉛60部と硬化剤(ブロック化イソシアネート、スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)13.5部とブチラール樹脂(エスレックBM-1、積水化学工業製)15部とをメチルエチルケトン85部に溶解した溶液38部と、メチルエチルケトン25部と、を混合し1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い、分散液を得た。
得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005部、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)45部を添加し、下引層用塗布液を得た。この塗布液を浸漬塗布法にて、直径30mm、長さ340mm、肉厚1mmのアルミニウム基材上に塗布し、170℃、40分の乾燥硬化を行い厚さ18μmの下引層を得た。
(電荷発生層の作製)
電荷発生物質としてのCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜、16.0゜、24.9゜、28.0゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15部と、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、株式会社NUC製)10部と、n-酢酸ブチル200部と、からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液にn-酢酸ブチル175部、メチルエチルケトン180部を添加し、攪拌して電荷発生層用塗布液を得た。この電荷発生層用塗布液を、前記下引層上に浸漬塗布し、常温(20℃)で乾燥して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層の作製)
樹脂(1-1)10部をクロロベンゼン40部に加えて溶解し、電荷輸送層用塗布液を得た。この塗布液を突き上げ塗布にて前記電荷発生層上に塗布し、常温(20℃)で30分風乾した後、150℃で1時間加熱乾燥し、膜厚18μmの電荷輸送層を形成して参考例1の電子写真感光体1を作製した。
-参考例2:感光体2の作製-
参考例1と同様にして、下引層の作製及び電荷発生層の作製を行った。
樹脂(1-2)10部と、OTazo-15(大塚化学社製、分子量354.4)0.2部と、をクロロベンゼン40部に加えて溶解し、電荷輸送層用塗布液を得た。この塗布液を突き上げ塗布にて前記電荷発生層上に塗布し、常温(20℃)で30分風乾した後、酸素濃度200ppmの窒素下で常温(20℃)から10℃/分の速度で150℃まで昇温し、150℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚18μmの電荷輸送層を形成して参考例2の電子写真感光体2を作製した。
-参考例3~5:感光体3~5の作製-
樹脂(1-2)の代わりに、樹脂(1-3)~樹脂(1-5)を用いた以外は、参考例2と同様にして、それぞれ参考例3~参考例5の電子写真感光体3~5を作製した。
-参考例6:感光体6の作製-
樹脂(1-1)の代わりに、樹脂(1-6)を用いた以外は、参考例1と同様にして、参考例6の電子写真感光体6を作製した。
-参考例7~8:感光体7~8の作製-
樹脂(1-2)の代わりに、樹脂(1-7)~樹脂(1-8)を用いた以外は、参考例2と同様にして、それぞれ参考例7~参考例8の電子写真感光体7~8を作製した。
-参考例9:感光体9の作製-
樹脂(1-1)の代わりに、樹脂(1-9)を用いた以外は、参考例1と同様にして、参考例9の電子写真感光体9を作製した。
-参考例10~18:感光体10~18の作製-
樹脂(1-2)の代わりに、樹脂(1-10)~樹脂(1-18)を用いた以外は、参考例2と同様にして、それぞれ参考例10~参考例18の電子写真感光体10~18を作製した。
-比較参考例1:感光体C1の作製-
樹脂(1-1)10部の代わりに、下記構造のCTM1を4部と、下記構造のCTB1(粘度平均分子量:40,000)を6部と、を用いた以外は参考例1と同様にして比較参考例1の感光体C1を作製した。
Figure 0007167552000024
Figure 0007167552000025
-画質の評価-
上述のようにして作製した電子写真感光体を富士ゼロックス社製、ApeosPort-IV C4470に装着し、8℃、20%RHにおいて、連続的に10000枚の画像形成テストを行い、10000枚目の画質評価(具体的には、下記ゴースト、カブリ、スジ、及び画像流れ)を実施した。また、上記連続的10000枚の画像形成テストを行った後に、温度8℃湿度20%RHの環境下で24時間放置後、さらに連続的に10000枚の画像形成テストを行い、放置後連続的10000枚目(合計20000枚目)の画質評価(画像流れ)を実施した。評価基準は以下の通りである。結果を表1に示す。
(ゴースト評価)
ゴーストは、図9(A)に示したGと画像濃度50%の灰色領域を有するパターンのチャートを形成し、50%の灰色部分にGの文字の現れ具合を目視にて評価した。
A:図9(A)のように良好または軽微である。
B:図9(B)のようにやや目立つ。
C:図9(C)のようにはっきり確認される。
(カブリ評価)
カブリ評価は上述のゴースト評価と同じサンプルを用いて白地部のトナーの付着した度合いを目視にて観察し判断した。
A:良好。
B:うっすらとカブリあり。
C:画質上問題となるカブリあり。
(スジ評価)
スジ評価は上述のゴースト評価と同じサンプルを用いて目視にて判断した。
A:良好。
B:部分的にスジの発生あり。
C:画質上問題となるスジ発生。
(画像流れ評価)
画像流れは上述のゴースト評価と同じサンプルを用いて目視にて判断した。
A:良好。
B:放置前の連続的10000枚の画像形成テストにおける画像評価では問題ないが、1日(24時間)放置後連続的10000枚の画像形成テストにおける画像評価で画像流れが発生。
C:放置前の連続的10000枚の画像形成テストにおける画像評価で画像流れが発生。
-残留電位の上昇分の評価-
以下の方法により、残留電位を測定し、画像形成テスト前後での残留電位の上昇分評価を行った。
具体的には、富士ゼロックス社製、ApeosPort-IV C4470改造機に電位センサーを取り付け、8℃、20%RHで画像形成テスト前の残留電位測定を行った。ついで、8℃、20%RHの下で1万枚の画像形成テストを行った直後に、電子写真感光体表面の残留電位測定を行った。初期および1万枚画像形成テスト後の残留電位との差(1万枚画像形成テスト後の残留電位-初期の残留電位)を上昇分とした。結果を表1に示す。
-電荷輸送層の磨耗量の評価-
前記画質の評価における放置前連続的10000枚の画像形成テストを行う前の初期の感光体膜厚(すなわち、下引層、電荷発生層、及び電荷輸送層の合計膜厚)と、放置前連続的10000枚の画像形成テストを終了した後の感光体膜厚と、を渦電流測定装置(フィッシャースコープMMS)にて測定し、磨耗量を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0007167552000026
上記表1に示すように、参考例の電子写真感光体は、優れた電気特性を有し、かつ、特に耐摩耗性に優れることから、実施例における特定電荷輸送性樹脂は有用であることが分かる。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1-1)で表される構造及び下記一般式(1-2)で表される構造を有し、重量平均分子量が20万以下である電荷輸送性樹脂。
    Figure 0007167552000027


    (前記一般式(1-1)及び前記一般式(1-2)中、A及びAはそれぞれ独立に電荷輸送性を有する2価の有機基を示し、T及びTはそれぞれ独立に炭素数1以上10以下の直鎖状又は分岐状の2価の炭化水素基を示し、Y及びYはそれぞれ独立に水素原子、重合性官能基、又は重合性官能基を有する基を示し、 及びY の少なくとも一方が水素原子であり、p及びqはそれぞれ独立に0又は1を示す。なお、前記電荷輸送性樹脂に含まれる前記一般式(1-1)で表される構造の数は5以上であり、前記電荷輸送性樹脂に含まれる前記一般式(1-2)で表される構造の数は5以上である。)
  2. 電荷輸送性樹脂全体に含まれる水酸基の総数をMとし、電荷輸送性樹脂全体に含まれる重合性官能基の総数をMとしたとき、下記式(A1)を満たす請求項1に記載の電荷輸送性樹脂。
    式(A1):0</(M+M)≦0.9
  3. 前記M及び前記Mは、下記式(A2)を満たす請求項2に記載の電荷輸送性樹脂。
    式(A2):0</(M+M)≦0.6
  4. 前記重合性官能基は、下記一般式(P1)で表される基、下記一般式(P2)で表される基、下記一般式(P3)で表される基、下記一般式(P4)で表される基、及び下記一般式(P5)で表される基から選ばれる少なくとも1つである請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の電荷輸送性樹脂。
    Figure 0007167552000028


    (前記一般式(P1)~(P5)中、R~Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、又はアルコキシ基を示し、*は、結合位置を示す。)
  5. 前記一般式(1-1)及び前記一般式(1-2)におけるA及びAは、正孔輸送能を有する2価の有機基を示す請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の電荷輸送性樹脂。
  6. 前記一般式(1-1)及び前記一般式(1-2)におけるA及びAは、それぞれ独立に、下記一般式(2)で表される2価の有機基を示す請求項5に記載の電荷輸送性樹脂。
    Figure 0007167552000029


    (前記一般式(2)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又は置換若しくは未置換のアリール基を示し、Xは置換又は未置換の2価の有機基を示し、k及びmはそれぞれ独立に0又は1を示す。)
  7. 重量平均分子量が2000以上20万以下である請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の電荷輸送性樹脂。
  8. 重量平均分子量が3000以上20万以下である請求項7に記載の電荷輸送性樹脂。
  9. 前記一般式(1-1)及び前記一般式(1-2)におけるT及びTは、それぞれ独立に炭素数1以上8以下の直鎖状又は分岐状の2価の炭化水素基を示す請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の電荷輸送性樹脂。
  10. 下記一般式(3)で表される化合物と、下記一般式(4)で表される化合物と、を重合させる重合工程を含む請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の電荷輸送性樹脂の製造方法。
    Figure 0007167552000030


    (前記一般式(3)及び(4)中、A及びAはそれぞれ独立に電荷輸送性を有する2価の有機基を示し、T及びTはそれぞれ独立に炭素数1以上10以下の直鎖状又は分岐状の2価の炭化水素基を示し、p及びqはそれぞれ独立に0又は1を示す。)
  11. 前記重合工程により得られた重合体に対して重合性官能基を有する化合物を反応させることで、前記重合体に重合性官能基を導入する導入工程をさらに有する請求項10に記載の電荷輸送性樹脂の製造方法。
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