JP5831211B2 - 画像形成装置用像保持体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
請求項1に係る発明は、
支持体と、該支持体上に下記一般式(I)で示される化合物を含有する感光層と、を有する画像形成装置用像保持体である。
支持体と、該支持体上に下記一般式(II−1)で示される化合物を含有する感光層と、を有する画像形成装置用像保持体である。
請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置用像保持体と、前記画像形成装置用像保持体を帯電させる帯電手段、帯電された前記画像形成装置用像保持体を露光して静電潜像を形成させる露光手段、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段、及び前記画像形成装置用像保持体を清掃する清掃手段から選ばれる少なくとも1つと、を少なくとも有するプロセスカートリッジである。
請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置用像保持体と、前記画像形成装置用像保持体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記画像形成装置用像保持体を露光して静電潜像を形成させる露光手段と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、を備える画像形成装置である。
請求項2に係る発明によれば、特許文献1に記載の発明に比べて、繰り返し使用による残留電位の変動が低い画像形成装置用像保持体が提供される。
請求項3に係る発明によれば、特許文献1に記載の発明に比べて、画像形成装置で使用した際に、繰り返し使用による細線再現性に優れるプロセスカートリッジが提供される。
請求項4に係る発明によれば、特許文献1に記載の発明に比べて、繰り返し使用による細線再現性に優れる画像形成装置が提供される。
本実施形態では、下記一般式(I)で示される化合物及び下記一般式(II−1)で示される化合物の少なくとも一方を、電荷輸送材料として用いることにより、画像形成装置用像保持体が提供される。すなわち、支持体(例えば導電性支持体)上に感光層が形成された画像形成装置用像保持体であって、当該感光層は下記一般式(I)で示される化合物及び下記一般式(II−1)で示される化合物の少なくとも一方を含有する。
なお、本実施形態における導電性支持体とは、JIS K 7194「導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法」に基づき測定した、表面の体積抵抗率が107Ω・cm未満である支持体を指す。すなわち導電性支持体は、上記方法に基づき測定した体積抵抗率が107Ω・cm未満である導電性材料で形成された支持体ものであってもよく、基材表面に前記導電性材料で形成された導電層を有する支持体であってもよい。
本実施形態に係る画像形成装置用像保持体は、支持体上に、下記一般式(I)で示される化合物及び下記一般式(II−1)で示される化合物の少なくとも一方を含有する感光層が形成された画像形成装置用像保持体である。
以下、下記一般式(I)で示される化合物について、詳細に説明する。
上記の通り、一般式(I)中のR1は、各々独立に、置換又は未置換の直鎖又は分岐の炭素数1以上8以下のアルキル基を表す。
R1で表されるアルキル基は、各々独立に、炭素数1以上6以下であることが好ましく、炭素数1以上4以下であることがより好ましい。
R1で表されるアルキル基は、直鎖状又は分岐状であり、結晶性維持および溶解性の観点からは、好ましくは直鎖状アルキル基である。
前記置換基としてのアリール基は、炭素数6以上20以下のものが好ましく、例えば、フェニル基、トルイル基、又はナフチル基等が挙げられる。
前記置換基としての複素環基とは、炭素と水素以外の元素を含む環(すなわち複素環)を有する基を表す。複素環は、その環骨格を構成する原子数(Nr)が、5又は6であることが好ましい。環骨格を構成する炭素原子以外の原子(異種原子)の種類及び数は特に限定されないが、例えば、硫黄原子、窒素原子、酸素原子、セレン原子、珪素、リン原子等が好ましく用いられ、前記環骨格中には2種類以上の異種原子が含まれてもよく、また2個以上の異種原子が含まれてもよい。
6員の複素環としては、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピペラジンが好ましく用いられる。
また、一般式(I)中に複数存在するR1は、同一でも異なっていてもよいが、製造上の観点から同一であることが好ましい。
一般式(I)中、Arは、各々独立に置換若しくは未置換のフェニル基、置換若しくは未置換の芳香環数2の1価の多核芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の芳香環数2若しくは3の1価の縮合芳香族炭化水素基、又は置換若しくは未置換の1価の芳香族複素環基を表す。
なお、一般式(I)中に2つ存在するArは、同一であっても異なっていても構わないが、同一である方が製造容易である。
すなわち、「多核芳香族炭化水素」とは、炭素と水素とから構成される芳香環が2個以上存在し、環同士が炭素−炭素結合によって結合している炭化水素を表す。具体的には、ビフェニル等が挙げられる。また、「縮合芳香族炭化水素」とは、炭素と水素とから構成される芳香環が2個以上存在し、これらの芳香環同士が隣接して結合する1対の炭素原子を共有している炭化水素化合物を表す。具体的には、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、フルオレン等が挙げられる。
すなわち、「芳香族複素環」とは、炭素と水素以外の元素も含む芳香環を表し、例えば、その環骨格を構成する原子数(Nr)が、5及び6の少なくともいずれかであるものが挙げられる。また、環骨格を構成する炭素原子以外の原子(異種原子)の種類及び数は特に限定されないが、例えば、硫黄原子、窒素原子、酸素原子等が用いられ、前記環骨格中には2種類以上の異種原子、及び、2個以上の異種原子の少なくともいずれかが含まれてもよい。特に5員環構造をもつ複素環として、例えば、チオフェン、ピロール及びフラン、または、前記化合物の3位及び4位の炭素を窒素で置き換えた複素環が用いられ、6員環構造を持つ複素環として、例えばピリジンが用いられる。
すなわち、上記芳香族複素環基は、例えば、上述の多環式芳香環(すなわち芳香環数2以上の1価の多核芳香族炭化水素又は芳香環数2以上の1価の縮合芳香族炭化水素)において、1つ以上の芳香環が芳香族複素環に置き換えられた基であってもよく、具体的には、例えば、チオフェニルフェニル基、フェニルピリジン基、フェニルピロール基等が挙げられる。
前記アルキル基としては、例えば炭素数1以上10以下のものが挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、例えば炭素数1以上10以下のものが挙げられ、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。
前記アリール基としては、例えば炭素数6以上20以下のものが挙げられ、例えば、フェニル基、トルイル基等が挙げられる、
前記アラルキル基としては、例えば炭素数7以上20以下のものが挙げられ、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
前記置換アミノ基の置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、具体例は前述の通りである。
また上記一般式(I)中のArにおける芳香環数としては、樹脂との相溶性及び合成しやすさの観点から、1以上6以下が好ましく、1以上3以下がより好ましく、1又は2がさらに好ましい。すなわち、上記一般式(I)中のArとしては、置換若しくは未置換のフェニル基、置換若しくは未置換のビフェニル基、又は置換若しくは未置換のターフェニル基がより好ましく、未置換のフェニル基、未置換のビフェニル基、又は未置換のターフェニル基がさらに好ましい。
一般式(I)中のnは、各々独立に0以上7以下である。一般式(I)における2つのnは、同一であってもよく、異なっていてもよいが、製造上の観点から同一であることが好ましい。一般式(I)中のnは、電荷輸送性の観点からは小さいほうが好ましいが、nが小さすぎるとカルボニル基の双極子モーメントの影響により電荷移動度が下がるため、1以上3以下が好ましく、1が最も好ましい。
以下、一般式(I)で示される化合物の製造方法について具体的に説明する。
本実施形態のビピリジン骨格を有する化合物の合成方法としては、例えば、クロスカップリングビアリール合成を利用する方法が挙げられる。クロスカップリングビアリール合成の具体例としては、例えば、Suzuki反応、Kharasch反応、Negishi反応、Stille反応、Grignard反応、又はUllmann反応等が挙げられる。
例えば、下記のようにして合成できるが、これに限定するものではない。
また、前記反応の際に、必要に応じて、金属、金属錯体触媒、塩基、又は溶媒等を用いてもよい。
また、合成反応の際、金属若しくは金属錯体の触媒、塩基、溶媒、又は有機ホスフィン配位子などの助触媒を用いてもよい。
上記金属錯体としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh3)4)、酢酸パラジウム(II)(Pd(OCOCH3)2)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd2(dba)3)、ジ(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(Pd(PPh3)2Cl2)、1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド−ジクロロメタン錯体(Pd(dppf)2Cl2)、Pd/C、又は、ニッケル(II)アセチルアセトナート(Ni(acac)2)等が用いられる。
上記塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム(Na2Co3)、炭酸カリウム(K2Co3)、炭酸セシウム(Cs2CO3)、又は水酸化バリウム(Ba(OH)2)などの無機塩基や、トリエチルアミン(NEt3)、ジイソプロピルアミン(NH(i−Pr)2)、ジエチルアミン(NHEt2)、ジメチルアミン(NHMe2)、トリメチルアミン(NMe3)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、N,N−ジメチル-4-アミノピリジン(DMAP)、ピリジンなどの有機塩基が用いられる。
上記溶媒は、反応を著しく阻害しない溶媒であればよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ジエチルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエ−テル溶媒、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール又は水等が用いられる。
また、上記反応の際に、必要に応じて、例えば、トリフェニルホスフィン(PPh3)、トリ−o−トリルホスフィン(P(o−Tol)3、トリブチルホスフィン(P(t−Bu)3)、トリエチルホスフィン(PEt3)等が用いられる。
ただし、上記Meは「CH3」、Etは「C2H5」、Phは「C6H5」、i−Prは「(CH3)2CH2」、o−Tolは「o−CH3C6H4」、t−Buは「(CH3)3C」を表す。
上記反応における反応温度としては、例えば20℃以上300℃以下の範囲が挙げられるが、50℃以上180℃以下の範囲であってもよい。反応時間は反応条件により異なるが、例えば5分以上20時間以下の範囲から選択してもよい。
塩基の使用量は、一般式(III)で示される化合物1モルに対して、0.5モル以上4.0モル以下の範囲が挙げられ、1.0モル以上2.5モル以下の範囲であってもよい。
但し、本実施形態における合成法としてはこれらに限定されるものではない。
なお、モノマー化合物1から32におけるR1、Ar、及びnは、上記一般式(I)におけるR1、Ar、及びnを意味する。
以下、下記一般式(II−1)で示される化合物について、詳細に説明する。
Y1で表される2価の炭化水素基は、2価のアルコール残基であり、アルキレン基、(ポリ)エチレンオキシ基、(ポリ)プロピレンオキシ基、アリーレン基、2価の複素環基又はこれらの組み合わせであることが好ましい。
またY1で表される2価の炭化水素基は、電荷輸送性の観点から双極子モーメントの小さな連結基が好ましい。具体的には、炭素原子及び水素原子以外の原子(例えば、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子等)を含まない連結基が好ましい。
すなわち、Y1で表される2価の炭化水素基としては、炭素数1以上10以下のアルキレン基、又は炭素数6以上18以下のアリーレン基が好ましく、炭素数1以上6以下のアルキレン基がより好ましい。
またY1で表される2価の炭化水素基は、樹脂との相溶性の観点から、立体的なかさ高さが小さい基がより好ましい。立体的なかさ高さが小さい2価の炭化水素基としては、例えば環構造を有さない基が挙げられ、具体的には、例えば、炭素数1以上10以下のアルキレン基が挙げられ、炭素数1以上5以下のアルキレン基がさらに好ましい。また樹脂との相溶性に加えて、分子量の大きな高分子化合物を合成しやすい観点から、炭素数2のアルキレン基が最も好ましい。
式(5)及び(6)中、R4及びR5は、各々独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシル基、置換若しくは未置換のフェニル基、置換若しくは未置換のアラルキル基、又はハロゲン原子を表す。
式(5)及び(6)中、f及びgはそれぞれ0、1、又は2の整数を示し、h及びiはそれぞれ0又は1を示し、Vは下記式(9)から(29)より選択される基を表す。
式(15)中、R6は各々独立に、水素原子、アルキル基、又はシアノ基を表す。
式(26)及び(29)中、R7は、各々独立に、水素原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシル基、置換若しくは未置換のフェニル基、置換若しくは未置換のアラルキル基、又はハロゲン原子を表す。
式(15)、(16)、及び(25)から(29)中、cは各々独立に、0以上10以下の整数を表し、好ましくは0以上6以下の整数を表し、より好ましくは1以上3以下の整数を表す。
上記アルキル基、アリール基、及びアラルキル基、並びにそれらを置換する置換基の具体例については、上記Arの芳香族環を置換する置換基として示した具体例と同じである。
また一般式(II−1)中、R2は、上記のなかでも、水素原子又はフェニル基が挙げられ、低コスト化、製造容易性の観点からは水素原子が挙げられる。また一般式(II−1)における2つのR2は、同一でも異なっていてもよいが、同一である方が電荷輸送性ポリエステルの製造上容易である。
の製造上容易である。
より具体的には、電荷輸送性ポリエステルの重量平均分子量Mwは、例えば5,000以上300,000以下の範囲が挙げられ、10,000以上100,0000以下の範囲であってもよい。
上記重量平均分子量Mwは以下の方法により測定される。すなわち重量平均分子量は、電荷輸送性ポリエステルの1.0質量%テトラヒドロフラン溶液を調製し、示差屈折率検出器(RI)を用いて、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、標準サンプルとしてスチレンポリマーを用いて測定する。
なお、上記ガラス転移温度は、示差走査型熱量計によりα−Al2O3をリファレンスとし、サンプルをゴム状態になるまで昇温し、液体窒素に浸し急冷した後、再度昇温速度10℃/分の条件で昇温して測定する。
上述のようにして得られた一般式(I)で示される化合物を用い、公知の方法で重合することにより、前記一般式(II−1)で示される構造単位を含む化合物(ポリエステル)を合成する。
具体的には、例えば、前記一般式(I)中のR1の末端に後述する置換基を導入することを行う方法が挙げられ、具体的には以下の合成方法が挙げられる。
前記一般式(I)で示される化合物に、HO−(Y1−O)m−Hで示される2価アルコール類を例えば当量混合し、酸触媒を用いて重合する。なお、Y1は2価のアルコール残基を表し、一般式(II−1)中のY1と同義である。mは1以上5以下の整数を表し、一般式(II−1)中のmと同義である。
重合中に生成する水を除去するために、水と共沸する溶剤を用いることが好ましい。水と共沸する溶剤としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン、1−クロロナフタレン等が挙げられ、モノマー1質量部に対して、1質量部以上100質量部以下、好ましくは2質量部以上50質量部以下の範囲で用いられる。
反応温度は条件に応じて設定されるが、重合中に生成する水を除去するために、溶剤の沸点で反応させることが好ましい。
更に、必要であれば有機溶剤に溶解させ、貧溶剤中に滴下し、ポリエステルを析出させる再沈殿処理を繰り返してもよい。再沈殿処理の際には、メカニカルスターラー等で、効率よく撹拌しながら行うことが好ましい。再沈殿処理の際にポリエステルを溶解させる溶剤は、ポリエステル1質量部に対して、1質量部以上100質量部以下、好ましくは2質量部以上50質量部以下の範囲で用いられる。また、貧溶剤はポリエステル1質量部に対して、1質量部以上1,000質量部以下、好ましくは10質量部以上500質量部以下の範囲で用いられる。
前記一般式(I)で示される化合物に、HO−(Y1−O)m−Hで示される2価アルコール類を例えば当量混合し、ピリジンやトリエチルアミン等の有機塩基性触媒を用いて重合する。なお、Y1は2価のアルコール残基を表し、一般式(II−1)中のY1と同義である。mは1以上5以下の整数を表し、一般式(II−1)中のmと同義である。
溶剤としては、塩化メチレン、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、クロロベンゼン、1−クロロナフタレン等が挙げられ、モノマー1質量部に対して、1質量部以上100質量部以下、好ましくは2質量部以上50質量部以下の範囲で用いられる。
反応温度は条件に応じて設定される。重合後、前述のように再沈殿処理し、精製する。
反応温度は条件に応じて設定され、反応を促進するために、アンモニウム塩、スルホニウム塩等の相間移動触媒を用いてもよい。相間移動触媒は、モノマー1質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下、好ましくは0.2質量部以上5質量部以下の範囲で用いられる。
前記一般式(I)で示される化合物に、HO−(Y1−O)m−Hで示される2価アルコール類を過剰に加え、硫酸、リン酸等の無機酸、チタンアルコキシド、カルシウム若しくはコバルト等の酢酸塩又は炭酸塩、亜鉛や鉛の酸化物等を触媒として用いて加熱し、エステル交換により合成される。なお、Y1は2価のアルコール残基を表し、一般式(II−1)中のY1と同義である。mは1以上5以下の整数を表し、一般式(II−1)中のmと同義である。
前記触媒はモノマー1質量部に対して、1/10,000質量部以上1質量部以下、好ましくは1/1,000質量部以上1/2質量部以下の範囲で用いられる。
上記1)から3)のそれぞれの場合において、2価アルコール類を過剰に加えて反応させることによって下記一般式(VII)で示される化合物を生成した後、この化合物を前記一般式(I)で示したモノマーの代わりとして用いて、2価カルボン酸又は2価カルボン酸ハロゲン化物等と反応させ、一般式(II−1)で表されるポリエステルが得られる。
なお、前記1)から3)の合成法のうち、本実施形態としては、1)の合成法によることが製造上容易である。
なお、ポリマー化合物におけるモノマーの欄(「A1の構造番号」の欄)の番号は、前記一般式(I)で示される化合物のモノマー化合物番号に対応している。以下、各番号を付した具体例(化合物)、例えば15の番号を付したA1の構造は、モノマー化合物15に由来する構造を意味する。
また、ポリマー化合物におけるY1、m、p、及びR2は、それぞれ一般式(II−1)におけるY1、m、p、及びR2を表す。
また本実施形態の画像形成装置用像保持体では、前記一般式(I)で示される化合物及び前記一般式(II−1)で示される化合物の少なくとも一方が樹脂との相溶性に優れるため、感光層の膜厚むらが少なくなる。その結果、像保持体の繰り返し使用による残留電位の変動が低くなると考えられる。
さらに本実施形態の画像形成装置及びプロセスカートリッジでは、本実施形態の画像形成装置用像保持体を用いるものであるために、長期にわたって良好な画質が得られ、環境負荷の低減や大幅なコストダウンにもなる。
以下、本実施形態の画像形成装置用像保持体の構成について説明する。
本実施形態の画像形成装置用像保持体は、支持体上に感光層を有する画像形成装置用像保持体であって、該感光層に上記した一般式(I)で示される化合物及び一般式(II−1)で示される化合物の少なくとも一方を含有することを特徴とする。
図1から図3は、それぞれ本実施形態の画像形成装置用像保持体の第1から第3実施形態を示す模式断面図である。
いずれも画像形成装置用像保持体1を導電性支持体2及び感光層3の積層方向に沿って切断したものである。
また、下引き層4中には電子輸送性顔料を混合又は分散して使用し得る。
また、下引き層4を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、又はカーテンコーティング法等の通常の方法を用いる。
なお本実施形態における絶縁性樹脂とは、JIS K 7194「導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法」に基づき測定した体積抵抗率が1012Ω・cm以上であるような絶縁性樹脂を指す。
またこれらを分散させる方法としてはボールミル分散法、アトライター分散法、又はサンドミル分散法等の通常の方法を用いるが、この際、分散によって電荷発生材料の結晶型が変化しない条件が必要とされる。ちなみに本実施形態で用いた前記の分散法のいずれについても分散前と結晶型が変化していないことが確認されている。
電荷輸送層6は、前記一般式(I)で示される化合物及び前記一般式(II−1)で示される化合物の少なくとも一方を含有すれば、その他の電荷輸送材料、結着樹脂等を含有して形成されてもよい。なお、前記一般式(I)で示される化合物を用いて前記一般式(II−1)で示される化合物を用いない場合は、前記一般式(I)で示される化合物を結着樹脂等に分散させて用いることが望ましい。また前記一般式(II−1)で示される化合物を用いる場合は、その他の樹脂を用いなくても電荷輸送層6が形成されるが、低コストの観点から、その他の樹脂と混合して用いることが望ましい。
その他の電荷輸送材料としては、例えば、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物や、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物といった他の電荷輸送材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また前記一般式(I)で示される化合物及び前記一般式(II−1)で示される化合物以外の化合物を電荷輸送材料として併用する場合は、電荷輸送材料全量中、前記一般式(I)で示される化合物及び前記一般式(II−1)で示される化合物の含有量は、1質量%以上であるのが好ましく、5質量%以上であるのがより好ましい。
塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、又はカーテンコーティング法等の通常の方法を用いる。
また、少なくとも1種の電子受容性物質を含有してもよい。
保護層7の形成に用いる塗布液の調整は、無溶媒で行うか、必要に応じて溶媒を用いてもよい。
硬化温度は、必要に応じ設定されるが、所望の強度を得るためには60℃以上、より好ましくは80℃以上に設定される。硬化時間は、必要に応じ設定されるが、10分から5時間が好ましい。
また、硬化反応を行ったのち、高湿度状態に保つことも有効である。更に、用途によっては、ヘキサメチルジシラザンや、又はトリメチルクロロシラン等を用いて表面処理を行い、疎水化する。
また画像形成装置用像保持体の保護層7には、アルコールに溶解する樹脂を加えてもよい。
更に、保護層7に各種粒子を添加してもよい。それらは、単独で用いてもよいが、併用してもよい。粒子の一例として、ケイ素含有粒子、フッ素系粒子、半導電性金属酸化物粒子等が挙げられる。
また、保護層7にシリコーンオイル等のオイルを添加し得る。
塗布に用いる溶剤や塗布方法は、前述のものが用いられる。単層型感光層の膜厚は5μm以上50μm以下が好ましく、10μm以上40μm以下がより好ましい。
本実施形態の画像形成装置は、既述の本実施形態の画像形成装置用像保持体と、前記画像形成装置用像保持体を帯電させる帯電装置と、帯電した前記画像形成装置用像保持体を露光して静電潜像を形成させる露光装置と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像を被転写体に転写する転写装置と、を備えることを特徴とする。
図4は、本実施形態の画像形成装置の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。
図4に示す画像形成装置200は、本実施形態の画像形成装置用像保持体207と、画像形成装置用像保持体207を接触帯電方式により帯電させる帯電装置208と、帯電装置208に接続された電源209と、帯電装置208により帯電される画像形成装置用像保持体207を露光して静電潜像を形成する露光装置210と、露光装置210により形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置211と、現像装置211により形成されたトナー像を被転写体500に転写する転写装置212と、クリーニング装置213と、除電器214と、定着装置215とを備える。
接触型帯電部材としては、芯材の外周面に弾性層、抵抗層、保護層等を設けたローラ状のものが好適に用いられる。なお、接触型帯電部材の形状は、上記したローラ状の他、ブラシ状、ブレード状、又はピン電極状等何れでもよく、画像形成装置の仕様や形態に合わせて選択される。
これらの接触型帯電部材を用いて像保持体を帯電させる際には、接触型帯電部材に電圧が印加されるが、かかる印加電圧は直流電圧、直流電圧に交流電圧を重畳したもののいずれでもよい。
なお、図4における接触型帯電部材の代わりに、コロトロン、又はスコロトロン等の非接触方式のコロナ帯電装置も用いられる。これらは画像形成装置の仕様や形態に合わせて選択される。
例えば、画像形成ユニットが4つである場合、4つの画像形成ユニットの各現像装置においては、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブランクの4色の色成分トナーを使用する。また、タンデム型画像形成装置は、4つの画像形成ユニットに共通し記録材料を搬送するベルトと、このベルトを搬送する搬送装置と、各現像装置にトナー像を供給するトナー供給装置と、カラートナー像を記録材料に定着させる定着装置とを備えていることが好ましい。
本実施形態のプロセスカートリッジは、既述の本実施形態の画像形成装置用像保持体を少なくとも有し、かつ、前記画像形成装置用像保持体を帯電させる帯電装置、帯電した前記画像形成装置用像保持体を露光して静電潜像を形成させる露光装置、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置、前記トナー像を被転写体に転写する転写装置、および前記画像形成装置用像保持体をクリーニングするクリーニング装置から選ばれる少なくとも1つと、を備えることを特徴する。
プロセスカートリッジ300は、画像形成装置用像保持体207とともに、帯電装置208、現像装置211、クリーニング装置(クリーニング手段)213、露光のための開口部218、及び、除電露光のための開口部217を取り付けレール216を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
そして、このプロセスカートリッジ300は、現像装置211により形成されたトナー像を被転写体500に転写する転写装置212と、定着装置215と、図示しない他の構成部分とからなる画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態は、その要旨の範囲内で様々な変形や変更がされ得る。
また本実施例において、目的物の同定には、1H−NMRスペクトル(溶媒:CDCl3、VARIAN株式会社製、UNITY−300、300MHz)、及びIRスペクトル(KBr法にてフーリェ変換赤外分光光度計(株式会社 堀場製作所、FT−730、分解能4cm−1)を用いた。
さらに本実施例において、ポリマーの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー社製、HLC−8120GPC)によって測定した。
(合成例1−モノマー化合物(14)の合成−)
窒素雰囲気下、1.6Mのn−ブチルリチウム(78.0ml)を、無水テトラヒドロフラン(100ml)に溶解させ、5−ブロモ−2−クロロピリジン(20.0g)を無水THE(80ml)に溶解させたものを、滴下した後、−78℃で3時間半撹拌した。そこに、1.6Mのn−ブチルリチウム(19.6ml)を追加し、−78℃で1時間撹拌したホウ酸トリ−n−ブチル(28.8g)を入れ、−78℃で2時間撹拌し、その後室温(25℃)で一晩撹拌した。
反応終了後、反応溶液を分液漏斗に移して有機層と水層を分け、水層に適量の水酸化ナトリウム(10%)を入れてpHを8にし、ジエチルエーテルで3回抽出した。有機層に2,2-ジメチル−1,3−プロパンジオール(10.4g、104.0mmol)、硫酸ナトリウムを入れて乾燥した。吸引ろ過をして、ろ液を減圧下で留去し、粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、2−クロロ−5−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)ピリジン(13.2g)を得た。
反応終了後、水酸化カリウム(15.6g)をエチレングリコール(300ml)に溶解したものを加え、窒素気流下で3.5時間加熱還流した後、室温(25℃)まで冷却し、反応液を1Lの蒸留水に注ぎ、塩酸で中和し、結晶を析出させた。結晶を吸引ろ過によりろ取し、水洗した後、1Lのフラスコに移した。これに、トルエン(500ml)を加え、加熱還流し、共沸により水を除去した後、濃硫酸(1.5ml)のメタノール(300ml)溶液を加え、窒素気流下で5時間加熱還流した。
室温(25℃)に冷却し、トルエンを加えてセライト濾過した。純水で洗浄し、有機層を抽出し、有機溶媒を留去して得られた生成物をシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン4:トルエン1)で分離し、TAA−1(15.7g)を得た。
反応終了後、反応溶液を分液漏斗に移して水およびトルエンを入れ分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムを入れて乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製し、TAA−2(4.1g)を得た。
得られたモノマー化合物(14)を1.0g用い、エチレングリコール(10ml)及びテトラブトキシチタン(0.02g)を、50mlの三口ナスフラスコに入れ、窒素雰囲気下、200℃で5時間加熱撹拌した。原料である上記モノマー化合物(14)が反応して消失したのをTLCにより確認した後、50Paに減圧してエチレングリコールを留去しながら210℃に加熱し、6時間反応を続けた。
得られたポリマーをろ過し、メタノールで洗浄した後、60℃で16時間真空乾燥させ、0.7gのポリマー〔ポリマー化合物:(15)〕を得た。
4−メチルアセトアニリド(21.0g)、4−ヨードフェニルプロピオン酸メチル(64.4g)、炭酸カリウム(38.3g)、硫酸銅五水和物(2.3g)、n−トリデカン(50ml)を500mlの三口フラスコに入れ、窒素気流下、230℃で20時間加熱撹拌した。
反応終了後、水酸化カリウム(15.6g)をエチレングリコール(300ml)に溶解したものを加え、窒素気流下で3.5時間加熱還流した後、室温(25℃)まで冷却し、反応液を1Lの蒸留水に注ぎ、塩酸で中和し、結晶を析出させた。結晶を吸引ろ過によりろ取し、水洗した後、1Lのフラスコに移した。これに、トルエン(500ml)を加え、加熱還流し、共沸により水を除去した後、濃硫酸(1.5ml)のメタノール(300ml)溶液を加え、窒素気流下で5時間加熱還流した。
反応後、トルエンで抽出し、有機層を純水で洗浄した。次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶剤を減圧下留去し、ヘキサンから再結晶することによりDAA−2(34.1g)を得た。
反応終了後、水酸化カリウム(15.6g)をエチレングリコール(300ml)に溶解したものを加え、窒素気流下で3.5時間加熱還流した後、室温(25℃)まで冷却し、反応液を1Lの蒸留水に注ぎ、塩酸で中和し、結晶を析出させた。結晶を吸引ろ過によりろ取し、水洗した後、1Lのフラスコに移した。これに、トルエン(500ml)を加え、加熱還流し、共沸により水を除去した後、濃硫酸(1.5ml)のメタノール(300ml)溶液を加え、窒素気流下で5時間加熱還流した。
室温(25℃)に冷却し、トルエンを加えてセライト濾過した。純水で洗浄し、有機層を抽出し、有機溶媒を留去して得られた生成物をシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン4:トルエン1)で分離し、TAA−3(16.1g)を得た。
反応終了後、反応溶液を分液漏斗に移して水およびトルエンを入れ分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムを入れて乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製し、TAA−4(5.2g)を得た。
反応終了後、反応溶液を分液漏斗に移し、水、クロロホルムを入れて分液した。さらに水層をクロロホルムで抽出し、有機層を吸引ろ過し、ろ液に硫酸ナトリウムを入れて乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、水を入れて吸引ろ過し、粗生成物を得た。これを、EDTA水溶液による洗浄した後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、モノマー化合物(15)を1.3g得た。
得られたモノマー化合物(15)(1.0g)、エチレングリコール(10ml)及びテトラブトキシチタン(0.02g)を、50mlの三口ナスフラスコに入れ、窒素雰囲気下、200℃で6時間加熱撹拌した。原料である上記モノマー化合物(15)が反応して消失したのをTLCにより確認した後、50Paに減圧してエチレングリコールを留去しながら210℃に加熱し、6時間反応を続けた。
1−アセトアミドナフタレン(25.0g)、4−ヨードフェニルプロピオン酸メチル(64.4g)、炭酸カリウム(38.3g)、硫酸銅五水和物(2.3g)、n−トリデカン(50ml)を500mlの三口フラスコに入れ、窒素気流下、230℃で20時間加熱撹拌した。
反応終了後、水酸化カリウム(15.6g)をエチレングリコール(300ml)に溶解したものを加え、窒素気流下で3.5時間加熱還流した後、室温(25℃)まで冷却し、反応液を1Lの蒸留水に注ぎ、塩酸で中和し、結晶を析出させた。結晶を吸引ろ過によりろ取し、水洗した後、1Lのフラスコに移した。これに、トルエン(500ml)を加え、加熱還流し、共沸により水を除去した後、濃硫酸(1.5ml)のメタノール(300ml)溶液を加え、窒素気流下で5時間加熱還流した。
反応後、トルエンで抽出し、有機層を純水で洗浄した。次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶剤を減圧下留去し、ヘキサンから再結晶することによりDAA−3(36.5g)を得た。
反応終了後、水酸化カリウム(15.6g)をエチレングリコール(300ml)に溶解したものを加え、窒素気流下で3.5時間加熱還流した後、室温(25℃)まで冷却し、反応液を1Lの蒸留水に注ぎ、塩酸で中和し、結晶を析出させた。結晶を吸引ろ過によりろ取し、水洗した後、1Lのフラスコに移した。これに、トルエン(500ml)を加え、加熱還流し、共沸により水を除去した後、濃硫酸(1.5ml)のメタノール(300ml)溶液を加え、窒素気流下で5時間加熱還流した。
室温(25℃)に冷却し、トルエンを加えてセライト濾過した。純水で洗浄し、有機層を抽出し、有機溶媒を留去して得られた生成物をシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン4:トルエン1)で分離し、TAA−5(17.2g)を得た。
反応終了後、反応溶液を分液漏斗に移して水およびトルエンを入れ分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムを入れて乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製し、TAA−6(5.5g)を得た。
反応終了後、反応溶液を分液漏斗に移し、水、クロロホルムを入れて分液した。さらに水層をクロロホルムで抽出し、有機層を吸引ろ過し、ろ液に硫酸ナトリウムを入れて乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、水を入れて吸引ろ過し、粗生成物を得た。これを、EDTA水溶液による洗浄した後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、モノマー化合物(24)を1.1g得た。
得られたモノマー化合物(24)(1.0g)、エチレングリコール(10ml)及びテトラブトキシチタン(0.02g)を50mlの三口ナスフラスコに入れ、窒素雰囲気下、200℃で7時間加熱撹拌した。原料である上記モノマー化合物(24)が反応して消失したのをTLCにより確認した後50Paに減圧してエチレングリコールを留去しながら210℃に加熱し、6時間反応を続けた。
窒素雰囲気下、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(19.2g)、DAA−4(20.0g)、硫酸銅(II)五水和物(1.0g)、炭酸カリウム(5.2g)、トリデカン(25ml)の混合液を、210℃で18時間撹拌した。
反応終了後、水酸化カリウム(15.6g)をエチレングリコール(300ml)に溶解したものを加え、窒素気流下で3.5時間加熱還流した後、室温(25℃)まで冷却し、反応液を1Lの蒸留水に注ぎ、塩酸で中和し、結晶を析出させた。結晶を吸引ろ過によりろ取し、水洗した後、1Lのフラスコに移した。これに、トルエン(500ml)を加え、加熱還流し、共沸により水を除去した後、濃硫酸(1.5ml)のメタノール(300ml)溶液を加え、窒素気流下で5時間加熱還流した。
冷却後、トルエンを加えてセライト濾過し、トルエンを留出して得られた生成物をシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン2:トルエン1)で分離し、TAA−7を14.5g得た。
反応終了後、反応溶液を分液漏斗に移して水およびトルエンを入れ分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムを入れて乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製し、TAA-8(5.8g)を得た。
反応終了後、反応溶液を分液漏斗に移し、水、クロロホルムを入れて分液した。さらに水層をクロロホルムで抽出し、有機層を吸引ろ過し、ろ液に硫酸ナトリウムを入れて乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、水を入れて吸引ろ過し、粗生成物を得た。これを、EDTA水溶液により洗浄した後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、モノマー化合物(23)を1.3g得た。
得られたモノマー化合物(23)を1.0g、エチレングリコール(10ml)およびテトラブトキシチタン(0.02g)を50mlの三口ナスフラスコに入れ、窒素雰囲気下、200℃で5時間加熱撹拌した。原料である上記モノマー化合物(23)が反応して消失したのをTLCにより確認した後50Paに減圧してエチレングリコールを留去しながら210℃に加熱し、6時間反応を続けた。その後、室温(25℃)まで冷却し、テトラヒドロフラン(50ml)に溶解し、不溶物を0.5μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターにてろ過し、ろ液を減圧下留去した後、モノクロロベンゼン(300ml)に溶解させ、1N−HCl(300ml)、水500ml×3の順に洗浄した。モノクロロベンゼン溶液を30mlまで減圧下留去して、酢酸エチル/メタノール=1/3:800ml中に滴下し、ポリマーを再沈殿させた。得られたポリマーをろ過し、メタノールで洗浄した後、60℃で16時間真空乾燥させ、0.7gのポリマー〔ポリマー化合物:((26)〕を得た。
1-ブロモ-4-ヨードベンゼン(21.0g)、DAA−5(20.0g)、硫酸銅(II)五水和物(1.0g)、炭酸カリウム(5.2g)、トリデカン(20ml)の混合液を、210℃で7時間撹拌した。
反応終了後、水酸化カリウム(15.6g)をエチレングリコール(300ml)に溶解したものを加え、窒素気流下で3.5時間加熱還流した後、室温(25℃)まで冷却し、反応液を1Lの蒸留水に注ぎ、塩酸で中和し、結晶を析出させた。結晶を吸引ろ過によりろ取し、水洗した後、1Lのフラスコに移した。これに、トルエン(500ml)を加え、加熱還流し、共沸により水を除去した後、濃硫酸(1.5ml)のメタノール(300ml)溶液を加え、窒素気流下で5時間加熱還流した。
室温(25℃)に冷却し、トルエンを加えてセライト濾過した。純水で洗浄し、有機層を抽出し、有機溶媒を留去して得られた生成物をシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン4:トルエン1)で分離し、TAA−9(14.3g)を得た。
反応終了後、反応溶液を分液漏斗に移して水およびトルエンを入れ分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムを入れて乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製し、TAA−10(4.1g)を得た。
反応終了後、反応溶液を分液漏斗に移し、水、クロロホルムを入れて分液した。さらに水層をクロロホルムで抽出し、有機層を吸引ろ過し、ろ液に硫酸ナトリウムを入れて乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、水を入れて吸引ろ過し、粗生成物を得た。これを、EDTA水溶液による洗浄した後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、モノマー化合物(16)を1.4g得た。
得られたモノマー化合物(16)(1.0g)、エチレングリコール(10ml)およびテトラブトキシチタン(0.02g)を50mlの三口ナスフラスコに入れ、窒素雰囲気下、200℃で5時間加熱撹拌した。原料である上記モノマー化合物(16)が反応して消失したのをTLCにより確認した後50Paに減圧してエチレングリコールを留去しながら210℃に加熱し、6時間反応を続けた。その後、室温(25℃)まで冷却し、テトラヒドロフラン(50ml)に溶解し、不溶物を0.5μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターにてろ過し、ろ液を減圧下留去した後、モノクロロベンゼン(300ml)に溶解させ、1N−HCl(300ml)、水500ml×3の順に洗浄した。モノクロロベンゼン溶液を30mlまで減圧下留去して、酢酸エチル/メタノール=1/3:800ml中に滴下し、ポリマーを再沈殿させた。得られたポリマーをろ過し、メタノールで洗浄した後、60℃で16時間真空乾燥させ、0.7gのポリマー〔ポリマー化合物:(18)〕を得た。
窒素雰囲気下、3-ブロモビフェニル(26.3g)、DAA−6(28.0g)、硫酸銅(II)五水和物(1.2g)、炭酸カリウム(7.3g)、トリデカン(30ml)の混合液を、210℃で20時間撹拌した。
反応終了後、水酸化カリウム(15.6g)をエチレングリコール(300ml)に溶解したものを加え、窒素気流下で3.5時間加熱還流した後、室温(25℃)まで冷却し、反応液を1Lの蒸留水に注ぎ、塩酸で中和し、結晶を析出させた。結晶を吸引ろ過によりろ取し、水洗した後、1Lのフラスコに移した。これに、トルエン(500ml)を加え、加熱還流し、共沸により水を除去した後、濃硫酸(1.5ml)のメタノール(300ml)溶液を加え、窒素気流下で5時間加熱還流した。
冷却後、トルエンを加えてセライト濾過し、トルエンを留出して得られた生成物をシリカゲルカラムクロマト(トルエン)で分離し、TAA−11(18.5g)を得た。
反応終了後、反応溶液を分液漏斗に移して水およびトルエンを入れ分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムを入れて乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製し、TAA−12(5.2g)を得た。
反応終了後、反応溶液を分液漏斗に移し、水、クロロホルムを入れて分液した。さらに水層をクロロホルムで抽出し、有機層を吸引ろ過し、ろ液に硫酸ナトリウムを入れて乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、水を入れて吸引ろ過し、粗生成物を得た。これを、EDTA水溶液による洗浄した後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、モノマー化合物(22)を1.2g得た。
得られたモノマー合物(22)を1.0g、エチレングリコール(10ml)およびテトラブトキシチタン(0.02g)を50mlの三口ナスフラスコに入れ、窒素雰囲気下、200℃で5時間加熱撹拌した。原料である上記モノマー化合物(22)が反応して消失したのをTLCにより確認した後、50Paに減圧してエチレングリコールを留去しながら210℃に加熱し、6時間反応を続けた。その後、室温(25℃)まで冷却し、テトラヒドロフラン(50ml)に溶解し、不溶物を0.5μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターにてろ過し、ろ液を減圧下留去した後、モノクロロベンゼン(300ml)に溶解させ、1N−HCl(300ml)、水500ml×3の順に洗浄した。モノクロロベンゼン溶液を30mlまで減圧下留去して、酢酸エチル/メタノール=1/3:800ml中に滴下し、ポリマーを再沈殿させた。得られたポリマーをろ過し、メタノールで洗浄した後、60℃で16時間真空乾燥させ、0.5gのポリマー〔ポリマー化合物:(25)〕を得た。
[実施例1]
アルミニウム基板上に、ジルコニウム化合物(オルガチックスZC540、マツモト製薬社製)10質量部及びシラン化合物(A1110、日本ユニカー社製)1質量部とi−プロパノール40質量部及びブタノール20質量部からなる溶液を浸漬コーティング法にて塗布し、150℃において10分間加熱乾燥し、膜厚0.6μmの下引き層を形成した。この上に、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°に強い回折ピークを持つクロロガリウムフタロシアニン結晶の1質量部を、ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水化学社製)1質量部及び酢酸n−ブチル100質量部と混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間処理して分散した後、得られた塗布液を上記下引き層の上に浸漬コーティング法で塗布し、100℃において10分間加熱乾燥し、電荷発生層を形成した。
次に、上記により得られたモノマー化合物14を2質量部と、以下に構造を示すビスフェノール(Z)高分子化合物(粘度平均分子量:40,000)3質量部と、をクロロベンゼン35質量部に加熱溶解後,室温(25℃)に戻した。この塗布液を前記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、130℃、60分の加熱を行って膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
実施例1で用いたモノマー化合物14に代えて、ポリマー化合物15、モノマー化合物15、ポリマー化合物17、モノマー化合物24、ポリマー化合物27、モノマー化合物23、ポリマー化合物26、モノマー化合物16、ポリマー化合物18、モノマー化合物22及びポリマー化合物25をそれぞれ用いた他は、実施例1と同様にして画像形成装置用像保持体を作製した。
実施例1で用いたクロロガリウムフタロシアニン結晶に代えて、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に強い回折ピークを持つヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を用いた他は、実施例1と同様にして、画像形成装置用像保持体を作製した。
実施例1で用いた具定例化合物14に代えて、下記構造の化合物(X)を用いた他は、実施例1に記載の方法により画像形成装置用像保持体を作製した。
実施例1で用いた具定例化合物14に代えて、下記構造の化合物(XI)(p=52)を用いた他は、実施例1に記載の方法により画像形成装置用像保持体を作製した。
実施例1で用いた具定例化合物14に代えて、下記構造の化合物(XII)を用いた他は、実施例1に記載の方法により画像形成装置用像保持体を作製した。
実施例1で用いた具定例化合物14に代えて、下記構造の化合物(XIII)を用いた他は、実施例1に記載の方法により画像形成装置用像保持体を作製した。
上記実施例及び比較例で得られた、それぞれの画像形成装置用像保持体を用い、電子写真特性について評価するため、静電複写紙試験装置(エレクトロスタティックアナライザーEPA−8100、川口電気社製)を用いて、20℃、40%RHの環境下、−6KVのコロナ放電を行い、帯電させた後、タングステンランプの光を、モノクロメーターを用いて800nmの単色光にし、感光体表面上で1μW/cm2になるように調整して、照射した。
そして、帯電直後における感光体表面の表面電位V0(V)、感光体表面の光照射により表面電位が1/2×VO(V)となる半減露光量E1/2(erg/cm2)を測定した(初期特性)。その後、10ルックスの白色光を1秒間照射し、感光体表面に残留した残留電位VRP(V)を測定した(初期特性)。
更に上記の帯電、露光(800nmの単色光、露光量は半減露光量)、及び白色光の照射(10ルックス)を1000回繰り返した後のV0、E1/2、及びVRPを測定、またその変動量ΔV0、ΔE1/2、ΔVRPを評価した(安定性、耐久性)。
各画像形成装置について、28℃、75%RHの環境下で1万枚分の画像形成テスト(画像濃度10%、シアン100%)を実施した。なお、本テスト条件においては、各カートリッジのプロセスは通常通り行われるが、シアン以外のカートリッジのトナーは使用(供給)されない。テスト後、トナーのクリーニング性(クリーニング不良による帯電器の汚れや画質劣化)、画質(プロセスブラック1dotライン斜め45度細線再現性)を評価した。クリーニング性及び画質の評価方法及び評価基準は以下の通りであり、得られた結果を表1に示す。
○:良好
△:部分的(全体の10%程度以下)にスジ状の画質欠陥あり
×:広範にスジ状の画質欠陥あり
A:良好
B:部分的に欠陥有り(実用上は問題なし)
C:欠陥有り(細線が再現されていない)
2 導電性支持体
3 感光層
4 下引き層
5 電荷発生層
6 電荷輸送層
7 保護層
8 電荷発生・輸送層
200 画像形成装置
207 画像形成装置用像保持体
208 帯電装置
209 電源
210 露光装置
211 現像装置
212 転写装置
213 クリーニング装置
214 除電器
215 定着装置
216 取り付けレール
217 除電露光のための開口部
218 露光のための開口部
300 プロセスカートリッジ
500 被転写体
Claims (4)
- 支持体と、該支持体上に下記一般式(I)で示される化合物を含有する感光層と、を有する画像形成装置用像保持体。
〔一般式(I)中、R1は、各々独立に、置換又は未置換の直鎖又は分岐の炭素数1以上8以下のアルキル基を表し、Arは、各々独立に置換若しくは未置換のフェニル基、置換若しくは未置換の芳香環数2の1価の多核芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の芳香環数2若しくは3の1価の縮合芳香族炭化水素基、又は置換若しくは未置換の1価の芳香族複素環基を表し、nは各々独立に0以上7以下を表す。〕 - 支持体と、該支持体上に下記一般式(II−1)で示される化合物を含有する感光層と、を有する画像形成装置用像保持体。
〔一般式(II−1)中、Y1は、各々独立に、置換又は未置換の2価の炭化水素基を表し、A1は下記一般式(II−2)で示される基を表し、R2は、各々独立に水素原子、アルキル基、置換若しくは未置換のアリール基又は置換若しくは未置換のアラルキル基を表す。mは各々独立に1以上5以下の整数を表し、pは5以上5,000以下の整数を表す。〕
〔一般式(II−2)中、Arは、各々独立に置換若しくは未置換のフェニル基、置換若しくは未置換の芳香環数2の1価の多核芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の芳香環数2若しくは3の1価の縮合芳香族炭化水素基、又は置換若しくは未置換の1価の芳香族複素環基を表し、nは各々独立に0以上7以下を表す。〕 - 請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置用像保持体と、前記画像形成装置用像保持体を帯電させる帯電手段、帯電された前記画像形成装置用像保持体を露光して静電潜像を形成させる露光手段、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段、及び前記画像形成装置用像保持体を清掃する清掃手段から選ばれる少なくとも1つと、を少なくとも有するプロセスカートリッジ。
- 請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置用像保持体と、前記画像形成装置用像保持体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記画像形成装置用像保持体を露光して静電潜像を形成させる露光手段と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、を備える画像形成装置。
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