JP6569394B2 - 電子写真感光体、及びポリアリレート樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
す。R9、R10はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、又はR9とR10が互いに結合して置換基を有していてもよい環を形成する基を示す。)
本実施の形態が適用される電子写真感光体の感光層は、窒素原子の質量比が0.1ppm以上10ppm以下である酸塩化物と、ビスフェノールとを反応させて得られる、窒素原子の質量比が15ppm以上100ppm以下であるポリアリレート樹脂を含有する。
本発明で用いられる酸塩化物は、窒素原子の質量比が0.1ppm以上、好ましくは0.5ppm以上、より好ましくは2ppm以上である。0.1ppmよりも少なくすることは、原料等の精製にかかる負荷が大きくなり、工業的には非現実的である。また、上限は10ppm以下、好ましくは9ppm以下、より好ましくは8ppm以下である。10ppmよりも多い酸塩化物を原料として用いた樹脂を電子写真感光体の感光層に使用すると、電気特性の点で好ましくない。
少ない酸塩化物を製造する方法として工業的に有用な方法である。
の範囲内にすることで、電子写真感光体の特性と関連づけることができる。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。耐摩耗性の観点から、R1、R2及びR3は炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましい。 n、m及びpは、製造上の簡便性の観点から、0であること
が好ましい。
ルボン酸、2,2´−ジフェニルジカルボン酸、2,4´−ジフェニルジカルボン酸等が挙げられる。
テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。
これらの中でも、製造上の簡便性及び耐摩耗性の観点から、ジフェニルエーテル−4,4´−ジカルボン酸が特に好ましい。
本発明のポリアリレート樹脂においては、式(1)で表される酸塩化物の合計含有量は全酸塩化物成分に対し70モル%以上であることが好ましく、耐摩耗性の観点から、90モル%以上であることがより好ましい。
す。R9、R10はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、又はR9とR10が互いに結合して置換基を有していてもよい環を形成する基を示す。
X1におけるアルキレン基の具体例としては、−(CH2)2−、−(CH2)3−等が挙げられる。R9及びR10におけるアルキル基、アリール基はR5〜R8で挙げたものが適用できる。R9及びR10における、R9とR10が互いに結合して置換基を有してもよい環を形成する基の具体例としては、シクロヘキシリデン基等が挙げられる。式(2)中、X1は機械物性および製造上の簡便性の観点から、−CR9R10−であることが好ましく、R9とR10が水素原子及びメチル基から選ばれる場合が特に好ましい。
)プロパンが好ましい。さらに溶解性及び密着性を考慮すると、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタンが特に好ましい。
本実施の形態が適用される電子写真感光体における感光層には、本発明のポリアリレート樹脂と他の樹脂とを混合して用いることも可能である。ここで混合される他の構造を有する樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体及びその共重合体;ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱可塑性樹脂及び種々の熱硬化性樹脂等及びこれらの共重合体が挙げられる。これら樹脂のなかでもポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂とシリコーン樹脂の共重合体及びポリエステル樹脂とシリコーン樹脂の共重合体が好ましい。また、混合される他の構造を有する樹脂の混合割合は特に限定されないが、通常、本発明のポリアリレート樹脂の割合を超えない範囲で併用することが好ましい。
次に、本実施の形態が適用される電子写真感光体に使用するポリアリレート樹脂の製造方法について説明する。ポリアリレート樹脂の製造方法としては、例えば、界面重合法、溶融重合法、溶液重合法等の公知の重合方法を用いることができる。ここでポリアリレート樹脂の製造法の一例を説明する。
ハロゲン化炭化水素としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロベンゼン等が挙げられる。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
マイド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、トリエチルオクタデシルホスホニウムブロマイド、N−ラウリルピリジニウムクロライド、ラウリルピコリニウムクロライド等が挙げられる。
また、界面重合法では、分子量調節剤を使用することができる。分子量調節剤としては、例えば、フェノール、o,m,p−クレゾール、o,m,p−エチルフェノール、o,m,p−プロピルフェノール、o,m,p−(tert−ブチル)フェノール、ペンチルフェノール、ヘキシルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、2,6−ジメチルフェノール誘導体、2−メチルフェノール誘導体等のアルキルフェノール類;o,m,p−フェニルフェノール等の1官能性のフェノール;酢酸クロライド、酪酸クロライド、オクチル酸クロライド、塩化ベンゾイル、ベンゼンスルホニルクロライド、ベンゼンスルフィニルクロライド、スルフィニルクロライド、ベンゼンホスホニルクロライドやそれらの置換体等の1官能性酸ハロゲン化物等が挙げられる。これら分子量調節剤の中でも、分子量調節能が高く、かつ溶液安定性の点で好ましいのは、o,m,p−(tert−ブチル)フェノール、2,6−ジメチルフェノール誘導体、2−メチルフェノール誘導体である。特に好ましくは、p−(tert−ブチル)フェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノールである。
また他の精製方法としては、例えば、生成したポリアリレート樹脂の溶液を、ポリアリレート樹脂が不溶の溶媒中に析出させる方法、ポリアリレート樹脂の溶液を温水中に分散させ溶媒を留去する方法、又はポリアリレート樹脂溶液を吸着カラム等に流通させる方法等により精製してもよい。
本発明の形態が適用される電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層を有し、該感光層が本発明のポリアリレート樹脂を含有する。
導電性支持体について特に制限は無いが、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。導電性支持体の形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。更には、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御や欠陥被覆のために、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いても良い。
支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。また、安価化のためには、切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することも可能である。
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。下引き層としては、樹脂、又は樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したもの等が用いられる。また、下引き層は、単一層からなるものであっても、複数層からなるものであってもかまわない。下引き層が複数層からなる場合、導電性支持体上に、導電層(干渉縞防止層)及び中間層からなる構成とすることもできる。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース等のセルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物等の有機ジルコニウム化合物、チタニルキレート化合物、チタンアルコキシド化合物等の有機チタニル化合物、シランカップリング剤等の公知のバインダー樹脂が挙げられる。これらは単独で用いても良く、或いは2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。また、硬化剤とともに硬化した形で使用してもよい。中でも、レゾール型フェノール樹脂、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性、塗布性を示すことから好ましい。
下引き層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、電子写真感光体の電気特性、強露光特性、画像特性、繰り返し特性、及び製造時の塗布性を向上させる観点から、通常は0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、また、通常30μm以下、好ましくは20μm以下である。下引き層には、公知の酸化防止剤等を混合しても良い。画像欠陥防止等を目的として、顔料粒子、樹脂粒子等を含有させて用いても良い。
感光層の形式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された単層型と、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層の二層からなる機能分離型(積層型)とが挙げられるが、何れの形式であってもよい。
本発明のポリアリレート樹脂は、通常、電荷輸送物質を含有する層に用いられ、好ましくは積層型感光体の電荷輸送層に用いられる。
積層型感光体(機能分離型感光体)の場合、電荷発生層は、電荷発生物質をバインダー樹脂で結着することにより形成される。
電荷発生物質としては、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム等の無機系光導電材料と、有機顔料等の有機系光導電材料とが挙げられるが、有機系光導電材料の方が好ましく、特に有機顔料が好ましい。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等が挙げられる。これらの中でも、特にフタロシアニン顔料又はアゾ顔料が好ましい。電荷発生物質として有機顔料を使用する場合、通常はこれらの有機顔料の微粒子を、各種のバインダー樹脂で結着した分散層の形で使用する。
して十分な感度を有する感光体を得ることができる。
電荷発生物質として有機顔料を用いる場合には、1種を単独で用いてもよいが、2種類以上の顔料を混合して用いてもよい。この場合、可視域と近赤域の異なるスペクトル領域で分光感度特性を有する2種類以上の電荷発生物質を組み合わせて用いることが好ましく、中でもジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料とフタロシアニン顔料とを組み合わせて用いることがより好ましい。
シ変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマーなどが挙げられる。これらのバインダー樹脂は、何れか1種を単独で用いても良く、2種類以上を任意の組み合わせで混合して用いても良い。
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有するとともに、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷輸送層は、具体的には、例えば電荷輸送物質等とバインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
トラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。
電荷輸送物質の好適な構造の具体例を以下に示す。以下具体例は例示のために示したものであり、本発明の趣旨に反しない限りはいかなる公知の電荷輸送物質を用いてもよい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対して、電荷輸送物質を通常10質量部以上の比率で使用する。中でも、残留電位低減の観点から20質量部以上が好ましく、更には、繰り返し使用した際の安定性や電荷移動度の観点から30質量部以上がより好ましい。一方、感光層の熱安定性の観点から、電荷輸送物質を通常120質量部以下の比率で使用する。中でも、電荷輸送物質料とバインダー樹脂との相溶性の観点から100質量部以下が好ましく、耐刷性の観点から70質量部以下がより好ましく、耐傷性の観点から50質量部以下が特に好ましい。また、電荷輸送層の膜厚は、通常、5μm〜50μm、好ましくは10μm〜45μmである。
単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質に加えて、積層型感光体の電荷輸送層と同様に、膜強度確保のためにバインダー樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、導電性支持体上(下引き層を設ける場合は下引き層上)に塗布、乾燥して得ることができる。本発明のポリアリレート樹脂は、このバインダー樹脂に使用される。
電荷発生物質は、積層型感光体の電荷発生層について説明したものと同様のものが使用できる。但し、単層型感光体の感光層の場合、電荷発生物質の粒子径を充分に小さくする必要がある。具体的には、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下の範囲とする。
また、単層型感光層におけるバインダー樹脂と電荷発生物質との使用比率は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質が通常0.1質量部以上、好ましくは1質量部以上、また、通常30質量部以下、好ましくは10質量部以下の範囲とする。
積層型感光体、単層型感光体ともに、感光層又はそれを構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤などの添加物を含有させても良い。
保護層に用いるバインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、シロキサン樹脂等の公知の樹脂を用いることができ、また、特開平9−190004号公報、特開平10−252377号公報の記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する骨格と上記樹脂の共重合体を用いることもできる。保護層の電気抵抗は、通常109Ω・cm以上、1014Ω・cm以下の範囲とすることが好ましい。
さらに必要に応じて、バリアー層、接着層、ブロッキング層等の中間層、透明絶縁層な
ど、電気特性、機械特性の改良のための層を有していてもよい。
これらの感光体を構成する各層は、含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を、支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
例えば、単層型感光体、及び機能分離型感光体の電荷輸送層層の場合には、塗布液の固形分濃度を通常5質量%以上、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、また、通常40質量%以下、好ましくは35質量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度を通常10cps以上、好ましくは50cps以上、また、通常500cps以下、好ましくは400cps以下の範囲とする。
塗布液の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられるが、他の公知のコーティング法を用いることも可能である。
本発明の電子写真感光体を使用する複写機、プリンター等の画像形成装置は、少なくとも帯電、露光、現像、転写、除電の各プロセスを含むが、どのプロセスも通常用いられる方法のいずれを用いてもよい。図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4を備えて構成され、更に必要に応じて転写装置5、クリーニング装置6及び定着装置7が設けられる。
500mLビーカーに水酸化ナトリウム(9.64g)とイオン交換水(423ml)を秤取り、攪拌しながら溶解させた。そこに、2,3,5−トリメチルフェノール(0.68g)、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン(22.72g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.25g)の順に添加、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。別途、窒素含有量が7ppmであるジフェニルエーテル−4,4´−ジカルボニルクロリド(28.74g)のジクロロメタン(211mL)溶液を滴下ロート内に移した。
窒素含有量21ppmの酸塩化物を用いた以外、製造例1と同様の方法でポリアリレート樹脂(2)を製造した。このポリアリレート樹脂の粘度平均分子量は40,100、窒素含有量は25ppmであった。
窒素含有量3ppmの酸塩化物を用いた以外、製造例1と同様の方法で、ポリアリレー
ト樹脂(3)を製造した。このポリアリレート樹脂の粘度平均分子量は42,100、窒素含有量は11ppmであった。
[実施例1]
平均一次粒子径13nmの酸化アルミニウム粒子(日本アエロジル社製 Aluminum Oxide C)を、メタノール/1−プロパノールの混合溶媒中で超音波により分散させることにより、酸化アルミニウムの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール(重量比7/3)の混合溶媒、及び、及び、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表わされる化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表わされる化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表わされる化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表わされる化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表わされる化合物]の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行うことにより、酸化アルミニウム/共重合ポリアミドを重量比1/1で含有する固形分濃度8.0%の分散液とした。
次に、電荷発生物質として図2に示される、CuKα線による粉末X線回折スペクトルを有するオキシチタニウムフタロシアニン20重量部に、1,2−ジメトキシエタン280重量部加え、サンドグラインドミルで4時間粉砕し、微粒化処理を行った。これに、ポリビニルブチラール(電気化学工業社製「デカンブチラール #6000C」)10重量部、およびフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイト社製「PKHH」)10重量部を1,2−ジメトキシエタン溶液580重量部と、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンを100重量部の混合液に溶解させて得られたバインダー液を混合して、電荷発生層用塗布液を調整した。この塗布液を、前記導電性支持体上の下引き層上にバーコーターにより、乾燥後の膜厚が0.4μmとなるように塗布し、乾燥させて電荷発生層を形成した。
ンオイル0.05質量部を、テトラヒドロフランとトルエンとの混合溶媒(テトラヒドロフラン80質量%、トルエン20質量%)640質量部に混合し、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
[比較例1]
ポリアリレート樹脂(1)をポリアリレート樹脂(2)に変えた以外は、実施例1と同様にして、感光体シートを作製した。
ポリアリレート樹脂(1)をポリアリレート樹脂(3)に変えた以外は、実施例1と同様にして、感光体シートを作製した。
[電気特性評価]
電子写真学会測定標準に従って作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404−405頁記載)を使用し、上記感光体をアルミニウム製ドラムに貼り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと感光体のアルミニウム基体との導通を取った上で、ドラムを一定回転数で回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行った。その際、初期表面電位を−700Vとし、露光は780nm、除電は660nmの単色光を用い、露光光を4.6μJ/cm2照射した時点の表面電位(VL)を測定した。VL測定に際しては、露光から電位測定に要する時間を139msとした。また、表面電位が初期表面電位の半分(−350V)となる時の照射エネルギー(半減露光エネルギー:μJ/cm2)を感度(E1/2)として
測定した。VLの値の絶対値が小さいほど電気特性が良好であることを示し、E1/2の値が小さいほど高感度であることを示す。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%下で行った。結果を表−1に示す。
温度35℃、相対湿度85%環境下、上記の電気特性試験と同様にして、初期表面電位VLを測定した後、露光をすることなしに感光体の初期表面電位が約−700Vになるように帯電器と除電ランプ条件を固定したまま500回転させた後、そのままの帯電、除電条件で、同様にVLを測定した。このようにして500回ごとのVL変化を、合計の回転数が5000回になるまで繰り返し測定した。初期のVLと5000回目のVLとの差をΔVL(V)として結果を表−1に示す。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙
Claims (6)
- 導電性基体上に感光層を有する電子写真感光体であって、前記感光層が、窒素含有量が
15ppm以上100ppm以下であるポリアリレート樹脂を含有し、該ポリアリレート
樹脂が、窒素含有量が0.1ppm以上10ppm以下である酸塩化物と、ビスフェノー
ルとの反応物であることを特徴とする、電子写真感光体。 - 前記ポリアリレート樹脂の粘度平均分子量が、20,000〜100,000であるこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。 - 酸塩化物と、ビスフェノールとを用いて反応を行うポリアリレート樹脂の製造方法であ
って、前記酸塩化物中の窒素含有量が0.1ppm以上10ppm以下であり、前記ポリ
アリレート樹脂中の窒素含有量が15ppm以上100ppm以下であることを特徴とす
る、ポリアリレート樹脂の製造方法。
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