JP6123338B2 - 電子写真感光体、電子写真カートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
有機系の光導電材料を用いた感光体としては、電荷発生物質をバインダー樹脂中に分散させたいわゆる単層型感光体、電荷発生層及び電荷移動層を積層した積層型感光体とが知られている。なかでも、積層型感光体は、それぞれ効率の高い電荷発生物質、及び電荷移動物質を組み合わせることにより高感度な感光体が得られること、材料選択範囲が広く安全性の高い感光体が得られること、また感光層を塗布により容易に形成可能で生産性が高く、コスト面でも有利なことから感光体の主流であり、鋭意開発され実用化されている。
感光層の耐磨耗性に重大な影響を与えるバインダー樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、及びその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等の熱可塑性樹脂や種々の熱硬化性樹脂が用いられている。数あるバインダー樹脂のなかではポリカーボネート樹脂が比較的優れた性能を有しており、これまで種々のポリカーボネート樹脂が開発され実用に供されている(特許文献1参照)。
請求項2に係る発明は、前記2価フェノール残基において、上記式(1)で表される構造単位以外の2価フェノールが下記式(2)であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体である。
である。R17,R18はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、またはR17とR18が互いに結合して、置換基を有していてもよい環を形成する基のいずれかである。)
請求項3に係る発明は、前記ポリエステル樹脂のジカルボン酸成分が、下記式(3)で表される構造単位であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体である。
以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体である
。
液に用いる溶媒に対して高い溶解性及び優れた塗布液安定性を有し、それを用いた本発明の感光体は耐磨耗性や電気特性等の諸特性に優れたものとなる。この耐磨耗性および溶解性の向上の理由については明らかではないが、上記式(1)のような2価フェノールは、母骨格が剛直なビフェニルである一方、o,o´−位にヒドロキシル基を有することで樹脂が非直線状になることにより、樹脂構造全体に適度な剛直性(硬さ)と柔軟性、溶解性を持たせることができるためと考えられる。
《1. ポリエステル樹脂≫
本実施の形態が適用される電子写真感光体の感光層は、下記式(1)で表される構造単位を有するポリエステル樹脂を含有する。
R1〜R8における、置換基を有していてもよい炭素数1以上20以下のアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン基は、炭素数が通常20以下、好ましくは6以下、さらに好ましくは4以下である。炭素数30以下のアリール基は、好ましくは20以下、さらに好ましくは15以下である。この範囲を上回ると、耐摩耗性が低下する可能性がある。
R1〜R8における、置換基を有してもよいアリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ピレニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基等が挙げられる。合成の観点からフェニル基又はナフチル基が好ましい。
R1〜R8における好ましい組み合わせとしては、R2、R4、R5、R7が水素原子であり、R1、R3、R6、R8が水素原子もしくは炭素数1以上4以下のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基である。この中でも、電気特性の観点からアルキル基であることが更に好ましい。
また、本発明中のポリエステル樹脂において、前記2価フェノール残基において、上記式(1)で表される構造単位以外の2価フェノールが下記式(2)で表される構造単位であることが好ましい。
子のいずれかを表す。R17,R18は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、またはR17とR18が互いに結合して置換基を有していてもよい環を形成する基のいずれかを表す。
R9〜R16における好ましい組み合わせとしては、R10、R12、R13、R15が水素原子であり、R9、R11、R14、R16が水素原子もしくは炭素数1以上3以下のアルキル基である。機械物性の観点から、特に好ましくは、R10、R11、R12、R13、R15、R16が水素原子であり、R9、R14が水素原子またはメチル基である。
が挙げられる。
R17及びR18における、置換基を有してもよいアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
R17及びR18における、置換基を有してもよいアリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、トリル基等が挙げられる。
式(2)中、X1において好ましくは、−CR17R18−である。具体的には、ビス
−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキー3−メチルフェニル)プロパン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが挙げられる。
さらに、式(3)中、Ar1とAr2は同じ置換基を有する同じアリーレン基であることが好ましく、無置換のフェニレン基であることが特に好ましい。
本発明において、式(3)は下記一般式(8)であることが特に好ましい。
式(8)で示される2価カルボン酸残基を誘導する2価カルボン酸化合物の具体例としては、例えば、ジフェニルエーテル−2,2´−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,4´−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4´−ジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、製造上の簡便性を考慮すれば、ジフェニルエーテル−4,4´−ジカルボン酸が特に好ましい。
また、本発明中のポリエステル樹脂に含まれる遊離の2価カルボン酸量は、その量は特に限定されないが、50ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましい。遊離の2価カルボン酸含有量が50ppmを超える場合、感光体の電気特
性が悪化したり、画像評価に現れる異物となったりする場合がある。感光体の電気特性・画像特性の観点からは、遊離の2価カルボン酸量は少ないほどよいが、ポリエステル樹脂の安定性の観点からは、0.01ppm以上であることが好ましく、0.1ppm以上であることが特に好ましい。
本実施の形態が適用される電子写真感光体における感光層には、前述した式(1)で表される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂と他の樹脂とを混合して用いることも可能である。ここで混合される他の構造を有する樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体またはその共重合体;ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱可塑性樹脂または種々の熱硬化性樹脂等が挙げられる。これら樹脂のなかでもポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂が好ましい。また、混合される他の構造を有する樹脂の混合割合は、特に限定されないが、通常、式(1)で表される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂の割合を超えない範囲で併用することが好ましく、具体的には式(1)で表される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂に対する他の構造を有する樹脂の含有量は、通常50質量部以下、80質量部以下が好ましい。
次に、本実施の形態が適用される電子写真感光体に使用する式(1)で表される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂の製造方法について説明する。ポリエステル樹脂の製造方法としては、例えば、界面重合法、溶融重合法、溶液重合法等の公知の重合方法を用いることができる。ここでポリエステル樹脂の製造法の一例を説明する。
有機相中に溶解しているポリマーを公知の方法で、洗浄、回収することにより、目的とする樹脂が得られる。
ハロゲン化炭化水素としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロベンゼン等が挙げられる。
また他の精製方法としては、例えば、生成したポリエステル樹脂の溶液を、ポリエステル樹脂が不溶の溶媒中に析出させる方法、ポリエステル樹脂の溶液を温水中に分散させ溶媒を留去する方法、又はポリエステル樹脂溶液を吸着カラム等に流通させる方法等により
精製してもよい。
乾燥時間は残存溶媒等の不純物の純度が一定以下になるまでの時間以上行うことが好ましく、具体的には、残存溶媒が通常1000ppm以下、好ましくは300ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下になる時間以上乾燥する。
本実施の形態が適用される電子写真感光体は、導電性支持体上に設けた感光層を有し、感光層が、上述した式(1)で表される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂を含有するものである。感光層の具体的な構成としては、例えば、導電性支持体上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層と電荷輸送物質及びバインダー樹脂を主成分とする電荷輸送層とを積層した積層型感光体;導電性支持体上に、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を含有する層中に電荷発生物質を分散させた感光層を有する分散型(単層型)感光体等が挙げられる。上述した式(1)で表される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂は、通常、電荷輸送物質を含有する層に用いられ、好ましくは積層型感光体の電荷輸送層に用いられる。
導電性支持体について特に制限は無いが、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。導電性支持体の形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。更には、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御や欠陥被覆のために、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いても良い。
支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。また、安価化のためには、
切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することも可能である。
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。下引き層としては、樹脂、または樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したもの等が用いられる。また、下引き層は、単一層からなるものであっても、複数層からなるものであってもかまわない。
また、金属酸化物粒子の粒径としては種々のものが利用できるが、中でも特性及び液の安定性の点から、その平均一次粒径は、10nm以上100nm以下が好ましく、特に10nm以上50nm以下が好ましい。この平均一次粒径は、TEM写真等から得ることができる。
下引き層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、電子写真感光体の電気特性、強露光特性、画像特性、繰り返し特性、及び製造時の塗布性を向上させる観点から、通常は0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、また、通常30μm以下、好ましくは20μm以下である。下引き層には、公知の酸化防止剤等を混合しても良い。画像欠陥防止等を目的として、顔料粒子、樹脂粒子等を含有させて用いても良い。
感光層の形式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された単層型と、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層の二層からなる機能分離型(積層型)とが挙げられるが、何れの形式であってもよい。
また、積層型感光層としては、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層して設ける順積層型感光層と、逆に電荷輸送層、電荷発生層の順に積層して設ける逆積層型感光層とがあり、いずれを採用することも可能であるが、最もバランスの取れた光導電性を発揮できる順積層型感光層が好ましい。
・電荷発生層
積層型感光体(機能分離型感光体)の場合、電荷発生層は、電荷発生物質をバインダー樹脂で結着することにより形成される。
電荷発生物質としてフタロシアニン顔料を使用する場合、具体的には無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、スズ、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウムなどの金属又はその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシドなどの配位したフタロシアニン類の各結晶型を持ったもの、酸素原子等を架橋原子として用いたフタロシアニンダイマー類などが使用される。特に、感度の高い結晶型であるX型、τ型無金属フタロシアニン、A型(別称β型)、B型(別称α型)、D型(別称Y型)等のチタニルフタロシアニン(別称:オキシチタニウムフタロシアニン)、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ヒドロキシインジウムフタロシアニン、II型等のクロロガリウムフタロシアニン、V型等のヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型、I型等のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、II型等のμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体が好適である。
゜にピークを持たず28.1゜に明瞭なピークを有し、かつ25.9゜の半値幅Wが0.1゜≦W≦0.4゜であることを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型μ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体等が特に好ましい。これらの中でも、D型(Y型)チタニルフタロシアニンが良好な感度を示し最も好ましい。
電荷発生物質として有機顔料を用いる場合には、1種を単独で用いてもよいが、2種類以上の顔料を混合して用いてもよい。この場合、可視域と近赤域の異なるスペクトル領域で分光感度特性を有する2種類以上の電荷発生物質を組み合わせて用いることが好ましく、中でもジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料とフタロシアニン顔料とを組み合わせて用いることがより好ましい。
塗布液の作製に用いられる溶剤としては、バインダー樹脂を溶解させるものであれば特に制限されないが、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族系溶媒、トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケト
ン等の鎖状又は環状ケトン系溶媒、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状又は環状エーテル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、リグロイン等の鉱油、水などが挙げられる。これらは何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を併用して用いてもよい。なお、上述の下引き層を設ける場合には、この下引き層を溶解しないものが好ましい。
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有するとともに、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷輸送層は、具体的には、例えば電荷輸送物質等とバインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
式(1)で表される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂からなるバインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、通常、バインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送物質30質量部〜200質量部、好ましくは、40質量部〜150質量部の範囲で使用される。感光層中のバインダー樹脂全体と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送物質を20質量部以上の比率で使用することが好ましい。中でも、残留電位低減の観点から30質量部以上がより好ましく、繰り返し使用した際の安定性や電荷移動度の観点から40質量部以上が更に好ましい。一方、感光層の熱安定性の観点から、電荷輸送物質を通常は150質量部以下の比率で使用することが好ましい。中でも、電荷輸送材料とバインダー樹脂との相溶性の観点から110質量部以下がより好ましい。また電荷輸送層の膜厚は、通常、5μm〜50μm、好ましくは10μm〜45μmである。
単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質に加えて、積層型感光体の電荷輸送層と同様に、膜強度確保のためにバインダー樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、導電性支持体上(下引き層を設ける場合は下引き層上)に塗布、乾燥して得ることができる。
電荷発生物質は、積層型感光体の電荷発生層について説明したものと同様のものが使用できる。但し、単層型感光体の感光層の場合、電荷発生物質の粒子径を充分に小さくする必要がある。具体的には、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下の範囲とする。
また、単層型感光層におけるバインダー樹脂と電荷発生物質との使用比率は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質が通常0.1質量部以上、好ましくは1質量部以上、また、通常30質量部以下、好ましくは10質量部以下の範囲とする。
積層型感光体、単層型感光体ともに、感光層又はそれを構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤などの添加物を含有させても良い。
さらに必要に応じて、バリアー層、接着層、ブロッキング層等の中間層、透明絶縁層など、電気特性、機械特性の改良のための層を有していてもよいことはいうまでもない。
これらの感光体を構成する各層は、含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を、支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
例えば、単層型感光体、及び機能分離型感光体の電荷輸送層層の場合には、塗布液の固形分濃度を通常5質量%以上、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、また、通常40質量%以下、好ましくは35質量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度を通常10cps以上、好ましくは50cps以上、また、通常500cps以下、好ましくは400cps以下の範囲とする。
塗布液の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられるが、他の公知のコーティング法を用いることも可能である。
塗布液の乾燥は、室温における指触乾燥後、通常30℃以上、200℃以下の温度範囲
で、1分から2時間の間、静止又は送風下で加熱乾燥させることが好ましい。また、加熱温度は一定であってもよく、乾燥時に温度を変更させながら加熱を行なっても良い。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施の形態について、装置の要部構成を表す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、
回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー,転写ローラ,転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙,媒体)Pに転写するものである。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜
像の現像を、現像装置4で行なう。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
なお、電子写真感光体1を、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、及び定着装置7のうち1つ又は2つ以上と組み合わせて、一体型のカートリッジ(以下適宜「電子写真感光体カートリッジ」という)として構成し、この電子写真感光体カートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。この場合、例えば電子写真感光体1やその他の部材が劣化した場合に、この電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することにより、画像形成装置の保守・管理が容易となる。
[ポリエステル樹脂の製造]
製造例1(ポリエステル樹脂(1)の製造法)
300mLビーカーに水酸化ナトリウム(4.27g)とH2O(188ml)を秤取
り、攪拌しながら溶解させた。そこにハイドロサルファイトナトリウム(0.57g)、2,3,5−トリメチルフェノール(0.27g)、2,2´−ビフェノール(2.43g)(以下、BP−a)、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,メチルフェニル)エタン(7.36g)(以下、BP−b)およびベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.12g)の順に添加、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
反応槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌を続けた後、ジクロロメタン(157mL)を加え、撹拌を7時間続けた。その後、撹拌を停止し30分間静置した後に有機層を分離した。この有機層を0.1規定塩酸(190mL)にて洗浄を3回行い、さらに、脱塩水(190mL)にて洗浄を2回行った。
ポリエステル樹脂をジクロロメタンに溶解し濃度Cが6.00g/Lの溶液を調製した。溶媒(ジクロロメタン)の流下時間t0が136.16秒のウベローデ型毛細管粘度計
を用いて、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定した。以下の式に従って粘度平均分子量(Mv)を算出した。
a=0.438×ηsp+1 ηsp=t/t0−1
b=100×ηsp/C C=6.00(g/L)
η=b/a
Mv=3207×η1.205
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(10.81g)とH2O(470ml)を秤取り、攪
拌しながら溶解させた。そこにハイドロサルファイトナトリウム(0.73g)、2,3,5−トリメチルフェノール(0.39g)、BP−a(8.27g)、BP−b(16.14g)およびベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.29g)の順に添加、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。
反応槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌を続けた後、ジクロロメタン(392mL)を加え、撹拌を7時間続けた。その後、撹拌を停止し30分間静置した後に有機層を分離した。この有機層を0.1規定塩酸(470mL)にて洗浄を3回行い、さらに、脱塩水(470mL)にて洗浄を2回行った。
300mLビーカーに水酸化ナトリウム(4.38g)とH2O(188ml)を秤取
り、攪拌しながら溶解させた。そこにハイドロサルファイトナトリウム(0.49g)、2,3,5−トリメチルフェノール(0.20g)、BP−a(4.17g)、BP−b(5.43g)およびベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.12g)の順に添加、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
反応槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌を続けた後、ジクロロメタン(157mL)を加え、撹拌を7時間続けた。その後、撹拌を停止し30分間静置した後に有機層を分離した。この有機層を0.1規定塩酸(190mL)にて洗浄を3回行い、さらに、脱塩水(190mL)にて洗浄を2回行った。
300mLビーカーに水酸化ナトリウム(4.49g)とH2O(188ml)を秤取
り、攪拌しながら溶解させた。そこにハイドロサルファイトナトリウム(0.28g)、2,3,5−トリメチルフェノール(0.13g)、BP−a(6.04g)、BP−b(3.37g)およびベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.12g)の順に添加、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
反応槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌を続けた後、ジクロロメタン(157mL)を加え、撹拌を7時間続けたところ、生成物が反応槽内に析出し
たので以後操作を行わなかった。
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(10.58g)とH2O(470ml)を秤取り、
攪拌しながら溶解させた。そこに2,3,5−トリメチルフェノール(0.59g)、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン(以下、BP−c)、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン(以下、BP−d)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(以下、BP−e)の混合物(混合比率、BP−c:BP−d:BP−e=17:45:38(以下、BP−f))(6.48g)、BP−b(18.30g)およびベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.29g)の順に添加、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。
反応槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌を続けた後、ジクロロメタン(392mL)を加え、撹拌を10時間続けた。その後、撹拌を停止し30分間静置した後に有機層を分離した。この有機層を0.1規定塩酸(470mL)にて洗浄を3回行い、さらに、脱塩水(470mL)にて洗浄を2回行った。
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(10.98g)とH2O(470ml)を秤取り、
攪拌しながら溶解させた。そこにハイドロサルファイトナトリウム(1.86g)、2,3,5−トリメチルフェノール(0.73g)、4,4´−ビフェノール(3.98g)(以下、BP−g)、BP−b(20.73g)およびベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.28g)の順に添加、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
反応槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌を続けた後、ジクロロメタン(392mL)を加え、撹拌を7時間続けた。その後、撹拌を停止し30分間静
置した後に有機層を分離した。この有機層を0.1規定塩酸(470mL)にて洗浄を3回行い、さらに、脱塩水(470mL)にて洗浄を2回行った。
300mLビーカーに水酸化ナトリウム(4.27g)とH2O(188ml)を秤取
り、攪拌しながら溶解させた。そこにハイドロサルファイトナトリウム(0.57g)、2,3,5−トリメチルフェノール(0.29g)、BP−g(2.42g)、BP−b(7.35g)およびベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.12g)の順に添加、攪拌溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。
反応槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を撹拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌を続けた後、ジクロロメタン(157mL)を加え、撹拌を7時間続けたところ、生成物が反応槽内に析出したので以後操作を行わなかった。
ハイドロサルファイトナトリウムを使用しない以外は製造例1と同様にして、ポリエステル樹脂(8)を製造した。
製造例9(ポリエステル樹脂(9)の製造法)
特開2006−53549号公報の実施例6に記載の方法により下記に表す構造を有するポリエステル樹脂(9)(粘度平均分子量36,200)を製造した。
50mLビーカーに樹脂0.20gを精秤し、ベンジルアルコール25mLで加熱溶解した後、(株)三菱化学アナリテック社製の自動滴定装置GT−200型を用いて、0.01N−NaOHベンジルアルコール溶液で中和滴定することによりカルボキシル酸価を求めた。結果を表−1に示す。
[実施例2]
10質量部のオキシチタニウムフタロシアニンと、150質量部の4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンとを混合し、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い顔料分散液を製造した。尚、オキシチタニウムフタロシアニンは、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)9.3゜、10.6゜、13.2゜、15.1゜、15.7゜、16.1゜、20.8゜、23.3゜、26.3゜、27.1゜に強い回折ピークを表す。
[実施例3]
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(2)に変えた以外は実施例2と同様にして、感光体シートを作製した。
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(3)に変えた以外は実施例2と同様にして、感光体シートを作製した。
[比較例2]
ポリエステル樹脂(4)は重合中に析出したため感光体シートを作製できなかった。
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(5)に変えた以外は実施例2と同様にして、感光体シートを作製した。
[比較例4]
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(6)に変えた以外は実施例2と同様にして、感光体シートを作製した。
ポリエステル樹脂(7)は重合中に析出したため感光体シートを作製できなかった。
[比較例6]
ポリエステル樹脂(1)をポリエステル樹脂(9)に変えた以外は実施例2と同様にして、感光体シートを作製した。
電子写真学会測定標準に従って作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404−405頁記載)を使用し、上記感光体をアルミニウム製ドラムに貼り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと感光体のアルミニウム基体との導通を取った上で、ドラムを一定回転数で回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行った。その際、初期表面電位を−700Vとし、露光は780nm、除電は660nmの単色光を用い、露光光を2.4μJ/cm2照射した時点の表面電位(VL)を測定した。VL測定に際しては、露光から電位測定に要する時間を139msとした。また、表面電位が初期表面電位の半分(−350V)となる時の照射エネルギー(半減露光エネルギー:μJ/cm2)を感度(E1/2)として
測定した。VLの値の絶対値が小さいほど電気特性が良好であることを示し、E1/2の値が小さいほど高感度であることを表す。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%下(N/N)で行った。結果を表−2に示す。
[実施例5]
下引き層用分散液は以下のように作製した。平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3質量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、高速流動式混合混練機((株)カワタ社製「SMG300」)に投入し、回転周速34.5m/秒で高速混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールのボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表される化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表される化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表される化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表される化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表される化合物]の組成モル比率が、75%/9.5%
/3%/9.5%/3%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行うことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの質量比が7/1/2で、疎水性処理酸化チタン/共重合ポリアミドを質量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層分散液とした。
さらに、前記のようにして得られた電荷発生層形成用塗布液βを、上記下引層上に、乾燥後の膜厚が約0.3μmになるように浸漬塗布し、室温で乾燥して電荷発生層を設けた。
続いて、上記の電荷輸送層形成用塗布液を、上記電荷発生層上に、乾燥後の膜厚が約20μmになるように浸漬塗布した、感光体ドラムD1を作製した。
ポリエステル樹脂(2)をポリエステル樹脂(5)に変えた以外は実施例5と同様にして、感光体ドラムD2を作製した。
[比較例8]
ポリエステル樹脂(2)をポリエステル樹脂(6)に変えた以外は実施例5と同様にし
て、感光体ドラムD3を作製した。
ポリエステル樹脂(2)を、特開2006−53549号公報の実施例6に記載の方法で製造した下記に表す構造を有するポリエステル樹脂(10)(粘度平均分子量40,000)に変えた以外は実施例5と同様にして、感光体ドラムD4を作製した。
これらの感光体を市販のカラープリンターCOREFIDO C711dn((株沖データ社製)に装着して常温常湿下において40,000枚のプリントを行った。プリント前後の膜厚の差から、10,000枚あたりの膜減り量を計算した。結果を表−3に示す。膜減り量が少ないほど、耐磨耗性が良好である。
と溶解性が低下し30モル%未満しか導入することができない。
表−3の結果より、ポリエステル樹脂中に2,2´−ビフェノールを含有させることにより耐磨耗性が向上する。一方、ポリエステル樹脂に2,2´−ビフェノールよりメチレン鎖が1つ多いビス(2−ヒドロキシフェニル)メタンを含有させると耐磨耗性が悪化する。また、4,4´−ビフェノールを含有させた場合にも耐磨耗性が向上しないことが明らかである。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙
Claims (2)
- 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体であって、前記感光層が、2価フェノール残基と2価カルボン酸残基の繰り返し構造を有するポリエステル樹脂を含有し、前記2価フェノール残基において、下記式(1)で表される構造単位を全2価フェノール成分に対し10〜60モル%含有し、前記2価カルボン酸残基は下記式(8)で表される構造単位であり、前記ポリエステル樹脂の末端カルボキシル価が100μ当量/g以下であるこ
とを特徴とする電子写真感光体。
(式(8)中、R24及びR25は、各々独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、またはアルコキシ基であり、n1,m1は、各々独立に0〜4の整数である。) - 前記2価フェノール残基において、上記式(1)で表される構造単位以外の2価フェノールが下記式(2)であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
のいずれかを表す。R17,R18はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、またはR17とR18が互いに結合して、置換基を有していてもよい環を形成する基を表す。)
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