JP4475065B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
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Description
電子写真技術の中核となる感光体については、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電物質を使用した感光体が使用されている。
有機系の光導電材料を用いた感光体としては、光導電性微粉末をバインダー樹脂中に分散させたいわゆる分散型感光体、電荷発生層および電荷移動層を積層した積層型感光体が知られている。積層型感光体は、それぞれ効率の高い電荷発生物質、および電荷移動物質を組み合わせることにより高感度な感光体が得られること、材料選択範囲が広く安全性の高い感光体が得られること、また感光層を塗布により容易に形成可能で生産性が高く、コスト面でも有利なことから感光体の主流であり、鋭意開発され実用化されている。
また、高速印刷の要求の高まりから、より高速の電子写真プロセス対応の材料が求められている。この場合、感光体には高感度、高寿命であることの他に、露光されてから現像されるまでの時間が短くなるために応答性がよいことも必要となる。感光体の応答性は電荷移動層、なかでも電荷移動物質により支配されるがバインダー樹脂によっても大きく変わることが知られている。
また、特定構造の二価フェノール成分を用いたポリアリレート樹脂をバインダー樹脂として用いた電子写真用感光体の技術が開示され、感光体製造時の溶液安定性が向上すること、機械的強度、特に耐磨耗性が優れていることが知られている(例えば、特許文献6および7 参照)。
本発明の目的は、感光層形成用塗布液の安定性が高く、電気的特性に優れ、しかも機械的強度が高く、トナーによる現像、紙との摩擦、クリーニング部材(ブレード)による摩擦など実用上の負荷によっても表面が摩耗し難く、傷つき難い、電子写真感光体を提供することを目的とする。
すなわち本発明の要旨は、導電性基体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が、下記式(1)で表される二価フェノール残基と、下記式(2)で表される芳香族ジカルボン酸残基とからなる繰り返しエステル構造を有するポリエステル樹脂を、含有することを特徴とする電子写真感光体に存する。
子を表し、R 5 はメチル基を表す。)
本発明の電子写真感光体の感光層は、下記式(1)で表される二価フェノール残基と、下記式(2)で表される芳香族ジカルボン酸残基とからなる繰り返しエステル構造を有するポリエステル樹脂を含有する。
子を表し、R 5 はメチル基を表す。)
本発明の電子写真感光体の感光層は前記ポリエステル樹脂を含有し、該樹脂は感光体の導電性支持体上に設けられる感光層中のバインダー樹脂として用いられる。
本発明の感光層の具体的な構成として
・導電性支持体上に電荷発生物質を主成分とする電荷発生層、電荷輸送物質およびバインダー樹脂を主成分とした電荷輸送層をこの順に積層した積層型感光体。
・導電性支持体上に電荷輸送物質およびバインダ−樹脂を含有する層中に電荷発生物質を分散させた分散型(単層型)感光体。
のような例が挙げられ、本発明において該ポリエステル樹脂は、通常、電荷輸送物質を含有する層に用いられ、好ましくは積層型感光層の電荷輸送層に用いられる。
本発明の電子写真感光体の感光層は、式(1)で表される残基と、式(2)で表される残基とからなる繰り返しエステル構造を有するポリエステル樹脂を含有するが、該ポリエステル樹脂は、電子写真感光体に使用可能な他の樹脂の有する繰り返し構造との共重合体
であっても構わない。この場合の他の繰り返し構造として、ポリカーボネート樹脂の繰り返し構造、またはポリエステル樹脂の繰り返し構造が挙げられる。より具体的には、ポリカーボネート樹脂の繰り返し構造との共重合体であるポリエステルポリカーボネート樹脂や、本発明のポリエステル樹脂の有するものとは異なる、他のポリエステル樹脂の繰り返し構造との共重合体であっても構わない。これらの中では、ポリエステル樹脂の共重合体が好ましい。この場合、本発明に係るポリエステル樹脂が有するのと同じ、芳香族ジカルボン酸残基を有する繰り返し構造との共重合体が好ましい。
ル基を表す。これらのアルキル基の炭素数に特に制限はないが、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、特には炭素数1または2が好ましい。これは、感光層を結着するバインダー樹脂としての特性を向上させるためである。
R1〜R4のいずれか1つはアルキル基であることが好ましく、より好ましくはR1およ
びR3が各々独立のアルキル基であって、R1およびR3が各々独立にメチル基であること
が特に好ましい。これは、感光層形成用塗布液に対する溶解性を向上するためである。
R1〜R4のいずれか1つは水素原子であることが好ましく、特にはR2およびR4が水素原子であることが好ましい。これは、機械的特性、特に耐摩耗性を高めるためである。
1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、
1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)エタン、1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、
1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−プロピルフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジプロピルフェニル)エタン、1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−プロピルフェニル)エタン、
1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−t-ブチルフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルメチルフェニル)エタン、1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−t-ブチルフェニル)エタン、
1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、
1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−プロピルフェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジプロピルフェニル)プロパン、1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−プロピルフェニル)プロパン、
1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−t-ブチルフェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルメチルフェニル)プロパン、1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−t-ブチルフェニル)プロパン、等が挙げられ、
好ましくは1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、等のR5がメチル基であるものが挙
げられるが、特に好ましくは1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタンである。
本発明の電子写真感光体用樹脂の製造方法として、公知の重合方法を用いることができる。例えば界面重合法、溶融重合法、溶液重合法などが挙げられる。
例えば、界面重合法による製造の場合は、二価フェノール成分をアルカリ水溶液に溶解した溶液と、芳香族ジカルボン酸クロライド成分を溶解したハロゲン化炭化水素の溶液とを混合する。この際、触媒として、四級アンモニウム塩もしくは四級ホスホニウム塩を存在させることも可能である。重合温度は0〜40℃の範囲、重合時間は2〜12時間の範囲であるのが生産性の点で好ましい。重合終了後、水相と有機相を分離し、有機相中に溶解しているポリマーを公知の方法で、洗浄、回収することにより、目的とする樹脂を得られる。
また、ここで用いられる、ハロゲン化炭化水素としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロルベンゼンなどを挙げることができる。
本発明の感光層が有する、式(1)で表される残基と、式(2)で表される残基とからなる繰り返しエステル構造を有するポリエステル樹脂は、粘度平均分子量が、通常10,000以上、好ましくは15,000以上、さらに好ましくは20,000以上であり、通常300,000以下、好ましくは100,000以下、より好ましくは50,000以下である。粘度平均分子量が10,000未満であると樹脂の機械的強度が低下し実用的でなく、300,000以上であると、適当な膜厚に塗布する事が困難である。
上述した本発明の樹脂は電子写真感光体に用いられ、該感光体の導電性支持体上に設けられる感光層中のバインダー樹脂として用いられる。
<支持体>
導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料やアルミニウム、ニッケル、ITO(インジウム−スズ酸化物)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布したものでも良い。
例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で、陽極酸化処理することにより陽極酸化被膜が形成されるが、硫酸中での陽極酸化処理がより良好な結果を与える。硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は100〜300g/l、溶存アルミニウム濃度は2〜15g/l、液温は15〜30℃、電解電圧は10〜20V、電流密度は0.5〜2A/dm2の範囲内に設定されるのが好ましいが、前記条件に限定され
るものではない。
このようにして形成された陽極酸化被膜に対して、封孔処理を行うことは好ましい。封孔処理は、公知の方法で行われればよいが、例えば、主成分としてフッ化ニッケルを含有する水溶液中に浸漬させる低温封孔処理、あるいは主成分として酢酸ニッケルを含有する水溶液中に浸漬させる高温封孔処理が施されるのが好ましい。
上記低温封孔処理の場合に使用されるフッ化ニッケル水溶液濃度は、適宜選べるが、3〜6g/lの範囲で使用された場合、より好ましい結果が得られる。また、封孔処理をスムーズに進めるために、処理温度としては、25〜40℃、好ましくは30〜35℃で、また、フッ化ニッケル水溶液pHは、4.5〜6.5、好ましくは5.5〜6.0の範囲で処理するのがよい。pH調節剤としては、シュウ酸、ホウ酸、ギ酸、酢酸、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、アンモニア水等を用いることが出来る。処理時間は、被膜の膜厚1μmあたり1〜3分の範囲で処理することが好ましい。なお、被膜物性を更に改良するためにフッ化コバルト、酢酸コバルト、硫酸ニッケル、界面活性剤等をフッ化ニッケル水溶液に添加しておいてもよい。次いで水洗、乾燥して低温封孔処理を終える。前記高温封孔処理の場合の封孔剤としては、酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル−コバルト、硝酸バリウム等の金属塩水溶液を用いることが出来るが、特に酢酸ニッケルを用いるのが好ましい。酢酸ニッケル水溶液を用いる場合の濃度は5〜20g/lの範囲
内で使用するのが好ましい。処理温度は80〜100℃、好ましくは90〜98℃で、また、酢酸ニッケル水溶液のpHは5.0〜6.0の範囲で処理するのが好ましい。ここでpH調節剤としてはアンモニア水、酢酸ナトリウム等を用いることが出来る。処理時間は10分以上、好ましくは20分以上処理するのが好ましい。なお、この場合も被膜物性を改良するために酢酸ナトリウム、有機カルボン酸、アニオン系、ノニオン系界面活性剤等を酢酸ニッケル水溶液に添加してもよい。次いで水洗、乾燥して高温封孔処理を終える。平均膜厚が厚い場合には、封孔液の高濃度化、高温・長時間処理により強い封孔条件を必要とする。従って生産性が悪くなると共に、被膜表面にシミ、汚れ、粉ふきといった表面欠陥を生じやすくなる。このような点から、陽極酸化被膜の平均膜厚は通常20μm以下、特に7μm以下で形成されることが好ましい。
支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。
<下引き層>
導電性支持体と感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。
下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。
下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が挙げられる。一種類の粒子のみを用いても良いし複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタンまたは酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていても良い。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。複数の結晶状態のものが含まれていても良い。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、フェノキシ、エポキシ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化剤とともに硬化した形で使用できるが、中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は良好な分散性、塗布性を示し好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性および塗布性から0.1μmから20μmが好ましい。また下引き層には、公知の酸化防止剤等を添加しても良い。
本発明の電子写真感光体が積層型感光体である場合、その電荷発生層に使用される電荷発生材料としては例えばセレンまたはその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などの有機顔料等各種光導電材料が使用でき、特に有機顔料、更にフタロシアニン顔料、またはアゾ顔料が好ま
しい。これらの微粒子をたとえばポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテルなどの各種バインダー樹脂で結着した形で使用される。この場合の使用比率はバインダー樹脂100重量部に対して30から500重量部の範囲より使用され、その膜厚は通常0.1μmから1μm、好ましくは0.15μmから0.6μmが好適である。
電荷輸送層に含まれる電荷輸送材剤としては、2,4,7−トリニトロフルオレノンなどの芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン類などの電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、チアジアゾール誘導体などの複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン化合物、これらの化合物が複数結合されたもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体などの電子供与性物質が挙げられる。これらの中でもカルバゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体及びこれらの誘導体が複数結合されたものが好ましく、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体の複数結合されてなるものが好ましい。
具体的には、下記式(7)で表される構造を有するものが好ましく用いられる。
子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、または置換基を有してもよい複素環基を表す。n1〜n4は各々独立して0〜4の整数を表す。また、Ar1〜Ar6は互いに結合して環状構造を形成してもよい。)
式(7)中、R6〜R13は各々独立して水素原子、置換基を有していても良いアル
キル基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いアラルキル基、置換基を有していても良い複素環基を表す。
また、複素環基は、芳香族性を有する複素環が好ましく、例えばフリル基、チエニル基、ピリジル基等のが挙げられ、単環の芳香族複素環が更に好ましい。
また、R6〜R13において、最も好ましいものは、メチル基及びフェニル基である。
、ピリジル基等のが挙げられ、単環の芳香族複素環が更に好ましく;2価の複素環基としては、芳香族性を有する複素環が好ましく、例えばピリジレン基、チエニレン基等が挙げられ、単環の芳香族複素環が更に好ましい。
びAr6はフェニル基である。
これらR6〜R13およびAr1〜Ar6で表される基のうち、アルキル基、アリール基、
アラルキル基、複素環基はさらに置換基を有していても良いが、その置換基としては、シアノ基;ニトロ基;水酸基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基;メトキシ基,エトキシ基,プロピルオキシ基等のアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基等のアルキルチオ基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基;フェノキシ基、トリロキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基,フェネチルオキシ基等のアリールアルコキシ基;フェニル基,ナフチル基等のアリール基;スチリル基,ナフチルビニル基等のアリールビニル基;アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基等のジアリールアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基等のジアラルキルアミノ基、ジピリジルアミノ基、ジチエニルアミノ基等のジ複素環アミノ基;ジアリルアミノ基、又、上記のアミノ基の置換基を組み合わせたジ置換アミノ基等の置換アミノ基等が挙げられる。
これらの内好ましい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭素数6〜12のアリールチオ基、炭素数2〜8のジアルキルアミノ基が挙げられ、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基が更に好ましく、メチル基、フェニル基が特に好ましい。
式(7)中、Qは、直接結合又は2価の残基を表すが、2価の残基として好ましいものは、16族原子、置換基を有しても良いアルキレン、置換基を有しても良いアリーレン基、置換基を有しても良いシクロアルキリデン基、またはこれらが互いに結合した、例えば[−O−Z−O−]、[−Z−O−Z−]、[−S−Z−S−]、[−Z−Z−]等が挙げられる(但し、Oは酸素原子、Sは硫黄原子、Zは置換基を有しても良いアリーレン基または置換基を有しても良いアルキレン基を表す)。
られる。
本発明の電子写真感光体が有してもよい具体的な電荷輸送物質としては、特開平9−244278号公報に記載されるアリールアミン系化合物、特開2002−275133号公報に記載されるアリールアミン系化合物が挙げられる。
バインダー樹脂と電荷輸送物質の割合は、通常、バインダー樹脂100重量部に対して30〜200重量部、好ましくは40〜150重量部の範囲で使用される。また膜厚は一般に5〜50μm、好ましくは10〜45μmがよい。
酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物などが挙げられる。また染料、顔料の例としては、各種の色素化合物、アゾ化合物などが挙げられる。
分散型感光層の場合には、上記のような配合比の電荷輸送媒体中に、前出の電荷発生物質が分散される。
その場合の電荷発生物質の粒子径は充分小さいことが必要であり、好ましくは1μm以下より好ましくは0.5μm以下で使用される。感光層内に分散される電荷発生物質の量は少なすぎると充分な感度が得られず、多すぎると帯電性の低下、感度の低下などの弊害があり、例えば好ましくは0.5〜50重量%の範囲で、より好ましくは1〜20重量%の範囲で使用される。
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を軽減する目的で、表面の層にはフッ素系樹脂、シリコーン樹脂等を含んでいても良い。また、これらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を含んでいても良い。
これらの感光体を構成する各層は、電子写真感光体の感光層形成方法として公知の、浸漬塗布法、スプレー塗布法、ノズル塗布法、バーコート法、ロールコート法、ブレード塗布法等により支持体上に塗布して形成される。これらの中でも生産性の高さから浸漬塗布方法が好ましいが、該塗布方法に限るものではない。
各層の形成方法としては、層に含有させる物質を溶剤に溶解または分散させて得られた塗布液を順次塗布するなどの公知の方法が適用できる。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
なお、電子写真感光体1及び帯電装置2は、多くの場合、この両方を備えたカートリッジ(以下適宜、感光体カートリッジという)として、画像形成装置の本体から取り外し可能に設計されている。そして、例えば電子写真感光体1や帯電装置2が劣化した場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている。また、後述するトナーについても、多くの場合、トナーカートリッジ中に蓄えられて、画像形成装置本体から取り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナーが無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1,帯電装置2,トナーが全て備えられたカートリッジを用いることもある。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナ
ーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
トナーTの種類は任意であり、粉状トナーのほか、懸濁重合法や乳化重合法などを用いた重合トナー等を用いることができる。特に、重合トナーを用いる場合には径が4〜8μm程度の小粒径のものが好ましく、また、トナーの粒子の形状も球形に近いものからポテト上の球形から外れたものまで様々に使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。
定着装置7は、上部定着部材(定着ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73がそなえられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73がそなえられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71,72は、ステンレス,アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にフッ素樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
<樹脂の製造>
[粘度平均分子量]
樹脂をジクロロメタンに溶解し濃度Cが6.00g/Lの溶液を調整した。溶媒(ジクロロメタン)の流下時間t0が136.16秒のウベローデ型毛細管粘度計
を用いて、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定した。以下の式に従って粘度平均分子量Mvを算出した。
b=100×ηsp/C C=6.00(g/L)
η=b/a
Mv=3207×η1.205
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(25.06g)と脱塩水(845ml)を量り取り、攪拌しながら溶解させた。そこに1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン [以下、BPOCEということがある](57.25g)を添加、攪拌、溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。次いで、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.6258g)および2,3,6トリメチルフェノール(1.1904g)を順次反応槽に添加した。
合溶液を滴下ロート内に移した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに5時間攪拌を続けた後、ジクロロメタン(700ml)を加え、撹拌を2時間続けた。その後、酢酸(9.09ml)を加え30分攪拌した後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(850ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(850ml)にて洗浄を2回行い、さらに脱塩水(850ml)にて洗浄を2回行った。
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(12.76g)と脱塩水(423ml)を量り取り、攪拌しながら溶解させた。この溶液に、BPOCE(14.58g)及びビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン[以下、BPOCFということがある](13.74g)を添加、攪拌・溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。次いで、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.3188g)および2,3,6トリメチルフェノール(0.6063g)を順次反応槽に添加した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに5時間攪拌を続けた後、ジクロロメタン(350ml)を加え、撹拌を2時間続けた。その後、酢酸(4.63ml)を加え30分攪拌した後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(423ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(423ml)にて洗浄を2回行い、さらに脱塩水(423ml)にて洗浄を2回行った。
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(13.80g)と脱塩水(423ml)を量り取り、攪拌しながら溶解させた。この溶液に、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン[以下、BPEということがある](13.94g)、およびビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン[以下、p,p’−BPFということがある]、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン[以下、o,p’−BPFということがある]、ビス(2−ヒドロキシメチルフェニル)メタン[以下、o,o’−BPFということがある]の混合物[本州化学(株)製 BPF−D、混合比率p,p’−BPF:o,p’−BPF:o,o’−BPF=約35:48:17] (13.03g)を添加、攪拌・溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。次いで、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.3446g)および2,3,6トリメチルフェノール(0.6555g)を順次反応槽に添加した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに5時間攪拌を続けた後、ジクロロメタン(350ml)を加え、撹拌を2時間続けた。その後、酢酸(5.00ml)を加え30分攪拌した後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(423ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(423ml)にて洗浄を2回行い、さらに脱塩水(423ml)にて洗浄を2回行った。
製造例4(実施例4の樹脂Dの製造法)
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(25.92g)と脱塩水(845ml)を量り取り、攪拌しながら溶解させた。この溶液に、BPOCE(41.45g)、およびp,p’−BPF、o,p’−BPFの混合物[混合比率、p,p’−BPF:o,p’−BPF=約40:60] (14.68g)を添加、攪拌、溶解した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。次いで、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.6473g)および2,3,5トリメチルフェノール(1.2311g)を順次反応槽に添加した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに5時間攪拌を続けた後、ジクロロメタン(700ml)を加え、撹拌を5時間続けた。その後、酢酸(9.40ml)を加え30分攪拌した後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(850ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(850ml)にて洗浄を2回行い、さらに脱塩水(850ml)にて洗浄を2回行った。
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(27.22g)と脱塩水(845ml)を量り取り、攪拌しながら溶解させた。この溶液に、BPOCE(18.91g)、およびp,p’−BPF、o,p’−BPF、o,o’−BPFの混合物[本州化学(株)製 BPF−D、混合比率;p,p’−BPF:o,p’−BPF:o,o’−BPF=約35:48:17] (36.46g)を添加、攪拌、溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。次いで、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.6710g)および2,3,5トリメチルフェノール(0.3542g)を順次反応槽に添加した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに5時間攪拌を続けた後、ジクロロメタン(700ml)を加え、撹拌を5時間続けた。その後、酢酸(9.87ml)を加え30分攪拌した後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(850ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(850ml)にて洗浄を2回行い、さらに脱塩水(850ml)にて洗浄を2回行った。
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(12.08g)と脱塩水(423ml)を量り取り、攪拌しながら溶解させた。そこに2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン[以下、BPCということがある] (29.20g)を添加、攪拌、溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。次いで、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.3018g)および2,3,6トリメチルフェノール(0.5741g)を順次反応槽に添加した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに5時間攪拌を続けた後、ジクロロメタン(350ml)を加え、撹拌を2時間続けた。その後、酢酸(9.09ml)を加え30分攪拌した後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(423ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(423ml)にて洗浄を2回行い、さらに脱塩水(423ml)にて洗浄を2回行った。
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(15.04g)と脱塩水(1122ml)を量り取り、攪拌しながら溶解させた。そこに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[以下、BPAということがある](16.32g)、およびp,p’−BPF、o,p
’−BPF、o,o’−BPFの混合物[本州化学(株)製 BPF−D、混合比率p,p’−BPF:o,p’−BPF:o,o’−BPF=約35:48:17](14.31g)を添加、攪拌、溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。次いで、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.1862g)およびp−t−ブチルフェノール(0.4294g)を順次反応槽に添加した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を30分かけて滴下した。さらに4時間攪拌を続けた。その後、酢酸(4.96ml)を加え30分攪拌した後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(560ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(560ml)にて洗浄を2回行い、さらに脱塩水(560ml)にて洗浄を2回行った。
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(12.62g)と脱塩水(423ml)を量り取り、攪拌しながら溶解させた。この溶液に、BPC(21.35g)、およびp,p’−BPF、o,p’−BPF、o,o’−BPFの混合物[本州化学(株)製 BPF−D、混合比率;p,p’−BPF:o,p’−BPF:o,o’−BPF=約35:48:17](7.15g)を添加、攪拌、溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。次いで、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.3152g)および2,3,5トリメチルフェノール(0.5996g)を順次反応槽に添加した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに5時間攪拌を続けた後、ジクロロメタン(350ml)を加え、撹拌を2時間続けた。その後、酢酸(4.58ml)を加え30分攪拌した後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(423ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(423ml)に
て洗浄を2回行い、さらに脱塩水(423ml)にて洗浄を2回行った。
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(12.64g)と脱塩水(423ml)を量り取り、攪拌しながら溶解させた。ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン[以下、Tm−BPFということがある](21.39g)およびp,p’−BPF、o,p’−BPF、o,o’−BPFの混合物[本州化学(株)製 BPF−D、混合比率;p,p’−BPF:o,p’−BPF:o,o’−BPF=約35:48:17] (7.16g)を添加、攪拌、溶解した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。次いでベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.3158g)、2,3,6−トリメチルフェノール(0.600g)を順次反応槽に添加した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに5時間攪拌を続けた後、ジクロロメタン(350ml)を加え、撹拌を5時間続けた。その後、酢酸(4.59ml)を加え30分攪拌した。その後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(423ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(423ml)にて洗浄を2回行い、さらに脱塩水(423ml)にて洗浄を2回行った。
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(12.99g)と脱塩水(423ml)を量り取り、攪拌しながら溶解させた。該水溶液と、BPE(13.12g)、BPOCE(14.84g)を混合し、攪拌・溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。次いでベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.3244g)、p−tert−ブチルフェノール(0.681g)を順次反応槽に添加した。
別途、テレフタル酸クロライド(25.35g)をジクロロメタン(211ml)に溶解し滴下ロート内に移した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに5時間攪拌を続けた後、ジクロロメタン(350ml)を加え、撹拌を2時間続けた。その後、酢酸(5.10ml)を加え30分攪拌した。その後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(423ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(423ml)にて洗浄を2回行い、さらに脱塩水(423ml)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層をメタノール(3000ml)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的の芳香族ポリエステル樹脂Jを得た。得られた樹脂の粘度平均分子量は69,500であった。構造式を以下に示す。
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(13.72g)と脱塩水(423ml)を量り取り、攪拌しながら溶解させた。BPOCE(6.27g)、p,p’−BPFとo,p’−BPFの混合物[p,p’:o,p’=約40:60](20.73g)を添加、攪拌・溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。次いでベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.3427g)、p−tert−ブチルフェノール(0.719g)を順次反応槽に添加した。
別途、テレフタル酸クロライド(26.78g)をジクロロメタン(211ml)に溶解し滴下ロート内に移した。以降、製造例10と同様の操作をして、目的の芳香族ポリエ
ステル樹脂Kを得た。得られた樹脂の粘度平均分子量は40,900であった。構造式を以下に示す。
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(13.95g)と脱塩水(423ml)を量り取り、攪拌しながら溶解させた。BPOCE(3.23g)、p,p’−BPFとo,p’−BPFの混合物[p,p’:o,p’=約40:60](24.02g)を添加、攪拌・溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。次いでベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.3438g)、p−tert−ブチルフェノール(0.182g)を順次反応槽に添加した。
別途、テレフタル酸クロライド(27.22g)をジクロロメタン(211ml)に溶解し滴下ロート内に移した。以降製造例10と同様の操作をして、目的の芳香族ポリエステル樹脂Lを得た。得られた樹脂の粘度平均分子量は43,900であった。構造式を以下に示す。
1Lビーカーに水酸化ナトリウム(13.72g)と脱塩水(423ml)を量り取り、攪拌しながら溶解させた。1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン[以下、PHOCEということがある](8.86g)、p,p’−BPFとo,p’−BPFの混合物[p,p’:o,p’=約40:60] (18.14g)を添加、攪拌・溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。次いでベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.3427g)、p−tert−ブチルフェノール(0.719g)を順次反応槽に添加した。
別途、テレフタル酸クロライド(26.78g)をジクロロメタン(211ml)に溶解し滴下ロート内に移した。以降製造例10と同様の操作をして、目的の芳香族ポリエステル樹脂Mを得た。得られた樹脂の粘度平均分子量は32,700であった。構造式を以下に示す。
・ポリカーボネートオリゴマーの製造
BPCを100重量部、水酸化ナトリウムを37.8重量部、水568重量部、ハイドロサルファイトナトリウム0.284重量部、ジクロロメタン446重量部の混合物を撹拌機付き反応槽に仕込み、撹拌した。反応槽の温度を0〜10℃の間に保ち、これにホスゲン94.3重量部を約5時間で吹き込み反応を行った。反応終了後ポリカーボネートオリゴマーを含有するジクロロメタン溶液のみを捕集した。得られたオリゴマーの塩化メチレン溶液の分析結果は下記の通りであった。
オリゴマー濃度(注1):16.8重量%
末端クロロホーメート基濃度(注2):0.479規定
末端フェノール性水酸基濃度(注3):0.250規定
(注1):溶液を蒸発乾固させて測定した。
(注2):アニリンと反応させて得られるアニリン塩酸塩を0.2規定水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定した。
(注3):ジクロロメタン、四塩化チタン、酢酸溶液に溶解させた時の発色を546nmにおいて比色定量した。
・芳香族ポリエステルポリカーボネート樹脂の製造
100mLビーカーに、水酸化ナトリウム(4.39g)、脱塩水(87.9ml)、BPC(7.421g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.3957g)を入れ、攪拌・溶解しアルカリ水溶液を調整した。
次いで、撹拌機を備えた2L反応槽に、先に製造したポリカーボネートオリゴマー(209.52ml)、ジクロロメタン(42ml)を仕込み、200rpmで撹拌しながら重合槽の外温を20℃に保った。次いで先に調整したアルカリ水溶液を順次添加して重合反応した。3時間撹拌を続けた後、脱塩水200mlを添加し撹拌を停止した。この時、生成しているポリカーボネートブロックの粘度平均分子量を測定するためにジクロロメタン層を5mlサンプリングした。サンプリングしたジクロロメタン溶液に脱塩水5ml、35%塩酸0.2mlを加え撹拌後静置した。
次いで、別途1000mlビーカーに、水酸化ナトリウム(15.98g)、脱塩水(600ml)、p,p’−BPF、o,p’−BPF 、o,o’−BPFの混合物[本州化学(株)製 BPF−D;p,p’:o,p’:o,o’=約35:48:17](29.43g)、p−tert−ブチルフェノール(0.441g)を添加、攪拌・溶解した後、このアルカリ水溶液を反応槽に添加した。次いで、200rpmで撹拌しながら、ジクロロメタン200mlを追加した。
別途、テレフタル酸クロライド(31.19g)をジクロロメタン(150ml)に溶解し滴下ロート内に移した。
反応槽内の溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を30分かけて滴下した。さらに3時間300rpmで攪拌を続けた後、ジクロロメタン(400ml)を加え、撹拌を3.5時間続けた。その後、酢酸(5.79ml)を加え30分攪拌した後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(940ml)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(940ml)にて洗浄を2回行い、さらに脱塩水(940ml)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層をメタノール(4900ml)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的の芳香族ポリエステルポリカーボネート樹脂Nを得た。得られた樹脂の粘度平均分子量は57,900であった。また、途中でサンプリングしたジクロロメタン溶液を脱塩水で一度洗い、有機層をメタノール(30ml)に注いで得られた沈殿物を濾過、乾燥してポリカーボネートブロックを得た。得られたポリカーボネートブロックの粘度平均分子量は12,900であった。
実施例1
CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)9.3゜、10.6゜、13.2゜、15.1゜、15.7゜、16.1゜、20.8゜、23.3゜、26.3゜、27.1゜に強い回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン10重量部と、4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2 150重量部を混合し、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い顔料分散液を製造した。この顔料分散液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名デンカブチラール#6000C)の5重量% 1,2−ジメトキシエタン溶液50重量部、およびフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製、商品名PKHH)の5重量% 1,2−ジメトキシエタン溶液50重量部を混合し、更に適量の1,2−ジメトキシエタンを加えて最終的に固形分濃度4.0%の分散液を調製した。
この電荷発生層上に、以下に示す電荷輸送物質(1)を主成分とする異性体からなる電荷輸送物質50重量部、
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂Aを、樹脂Bにした以外は、実施例1と同様にして感光体Bを製造した。電荷輸送層形成用塗布液は、室温で1週間放置後も固化等の変化は見られなかった。
実施例3
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂Aを、樹脂Cに、テトラヒドロフランとトルエンの混合溶媒をジクロロエタンにした以外は、実施例1と同様にして感光体Cを製造した。電荷輸送層形成用塗布液は、室温で1週間放置後も固化等の変化は見られなかった。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂Aを、樹脂D,Eにした以外は、実施例1と同様にして感光体D,Eを製造した。電荷輸送層形成用塗布液は、室温で1週間放置後も固化等の変化は見られなかった。
実施例6
実施例1の電荷輸送層用塗布液に用いた樹脂Aと電荷輸送物質(1)を、製造例10で製造した樹脂Jと下記電荷輸送物質(2)にした以外は、実施例1と同様にして感光体J
を製造した。この電荷輸送層用塗布液は、室温で1週間放置後も固化等の変化はみられなかった。摩耗試験、電気特性測定の結果を表2に示す。
実施例6の電荷輸送層用塗布液用いた樹脂Jを、製造例11で製造した樹脂Kを90重量部と製造例14で製造した樹脂Nを10重量部の混合物にした以外は、実施例6同様にして感光体Kを製造した。また、電荷輸送層用塗布液は室温で1週間放置後も固化等の変化はみられなかった。摩耗試験、電気特性測定の結果を表2に示す。
実施例8
実施例7の電荷輸送層用塗布液用いた樹脂Kを、製造例12で製造した樹脂Lにした以外は、実施例7同様にして感光体Lを製造した。また、電荷輸送層用塗布液は室温で1週間放置後も固化等の変化はみられなかった。摩耗試験、電気特性測定の結果を表2に示す。
実施例9
実施例7の電荷輸送層用塗布液用いた樹脂Kを、製造例13で製造した樹脂Mにした以外は、実施例7同様にして感光体Mを製造した。また、電荷輸送層用塗布液は室温で1週間放置後も固化等の変化はみられなかった。摩耗試験、電気特性測定の結果を表2に示す。
比較例1,2
実施例3の電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂Cを、樹脂F,Gにした以外は、実施例3と同様にして感光体F,Gを製造した。
比較例3,4
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂Aを、樹脂H,Iにした以外は、実施例1と同様にして感光体H,Iを製造した。
[電気特性]
電子写真学会測定標準に従って製造された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)を使用し、上記感光体をアルミニウム製ドラムに貼り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと感光体のアルミニウム基体との導通を取った上で、ドラムを一定回転数で回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行った。その際、初期表面電位を−700Vとし、露光光として780nm、除電光として660nmの単色光を用い、露光光を2.4μJ/cm2照射した時点の表面電位(以下、VLと言うことがある)を測定した。
VL測定に際しては、露光から電位測定に要する時間を139msとした。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%(以下、NN環境と言うことがある)および、温度5℃、相対湿度10%(以下、LL環境と言うことがある)で行った。VLの値の絶対値が小さいほど応答性が良いことを示す。結果を表2に示す。
感光体フィルムを直径10cmの円状に切断しテーバー摩耗試験機(東洋精機社製)により、摩耗評価を行った。試験条件は、23℃、50%RHの雰囲気下、摩耗輪CS−10Fを用いて、荷重なし(摩耗輪の自重)で1000回回転後の摩耗量を試験前後の重量を比較することにより測定した。結果を表2に示す。
<下引き層用分散液の製造>
酸化チタン(石原産業(株)製:商品名TTO55N(平均一次粒子径約40nm))と、該酸化チタンに対して3重量%のメチルジメトキシシランを、該酸化チタンに対して2重量倍のメタノールとともに混合して得られたスラリーを、乾燥後、120℃〜140℃で30分間熱処理し、更にメタノールで洗浄、乾燥して得られた疎水性処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノール=7/3の混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール(重量比7/3)の混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム[下記式A]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式B]/ヘキサメチレンジアミン[下記式C]/デカメチレンジカルボン酸[下記式D]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式E]の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行なうことにより、疎水性処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する固形分濃度16重量%の下引き層用分散液を製造した。
CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)9.3゜、10.6゜、13.2゜、15.1゜、15.7゜、16.1゜、20.8゜、23.3゜、26.3゜、27.1゜に強い回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン10部を、1,2−ジメトキシエタン150部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い、顔料分散液を製造した。
フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製、商品名PKHH)5部を1,2−ジメトキシエタン95部に溶解し、固形分濃度5%のバインダー溶液2を製造した。
CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)27.3゜に最大回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン10部を、1,2−ジメトキシエタン150部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い、顔料分散液を製造した。
実施例10
表面が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ285mm、肉厚1.0mmのアルミニウム合金よりなるシリンダーの表面に、陽極酸化処理を行い、その後酢酸ニッケルを主成分とする封孔剤によって封孔処理を行うことにより、約6μmの陽極酸化被膜(アルマイト被膜)を形成した。このシリンダーに、先に製造した電荷発生層用分散液αを浸漬塗布し、その乾燥後の膜厚が、約0.3μmとなるように電荷発生層を形成した。
電荷輸送層用バインダー樹脂として、製造例4で製造した樹脂Dを用いたこと以外は、実施例10と同様にして感光体ドラムD1を得た。
実施例12
電荷輸送層用バインダー樹脂として、製造例5で製造した樹脂Eを用いたこと以外は、実施例10と同様にして感光体ドラムE1を得た。
比較例7
電荷輸送層用バインダー樹脂として、製造例9で製造した樹脂Iを用いたこと以外は、実施例10と同様にして感光体ドラムI1を得た。
実施例13
表面が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ254mm、肉厚0.75mmのアルミニウム合金よりなるシリンダーを、先に調製した下引き層用分散液に浸漬塗布し、膜厚約1.3μmの下引き層を形成した。このシリンダーに、先に製造した電荷発生層用分散液βを浸漬塗布し、その乾燥後の膜厚が約0.3μmとなるように電荷発生層を形成した。
電荷輸送層用バインダー樹脂として、製造例4で製造した樹脂Dを用いたこと以外は、実施例13と同様にして感光体ドラムD2を得た。
実施例15
電荷輸送層用バインダー樹脂として、製造例5で製造した樹脂Eを用いたこと以外は、実施例13と同様にして感光体ドラムE2を得た。
比較例8
電荷輸送層用バインダー樹脂として、製造例9で製造した樹脂Iを用いたこと以外は、実施例13と同様にして感光体ドラムI2を得た。
表面が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ346mm、肉厚1.0mmのアルミニウム合金よりなるシリンダーの表面に、陽極酸化処理を行い、その後酢酸ニッケルを主成分とする封孔剤によって封孔処理を行うことにより、約6μmの陽極酸化被膜(アルマイト被膜)を形成した。このシリンダーを、先に調製した下引き層用分散液に浸漬塗布し、膜厚約1.3μmの下引き層を形成した。このシリンダーに、先に製造した電荷発生層用分散液β1を浸漬塗布し、その乾燥後の膜厚が約0.3μmとなるように電荷発生層を形成した。
電荷輸送層用バインダー樹脂として、製造例5で製造した樹脂Eを用いたこと以外は、実施例16と同様にして感光体ドラムE3を得た。
比較例9
電荷輸送層用バインダー樹脂として、製造例9で製造した樹脂Iを用いたこと以外は、実施例16と同様にして感光体ドラムI3を得た。
次に感光体ドラムA1、D1、E1、I1を市販のカラーレーザープリンター(エプソン社製 LP3000C)に装着して常温常湿環境下においてモノクロ(黒)モードで24000枚の画像形成を行った。
次に、感光体ドラムA2、D2、E2、I2を市販のモノクロレーザープリンター(レックスマーク社製、Optra S2450、A4縦送りで24枚/分、直流電圧印加のローラー帯電、ローラー転写)に装着して常温常湿下において30,000枚の画像形成を行った。画像形成前後の膜厚の差から10,000枚あたりの膜減り量を計算した。結果を表3に示す。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙、媒体)
Claims (9)
- 導電性基体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が下記式(1)で表される二価フェノール残基と、下記式(2)で表される芳香族ジカルボン酸残基とからなる繰り返しエステル構造を有するポリエステル樹脂を、含有することを特徴とする電子写真感光体。
子を表し、R 5 はメチル基を表す。) - 式(2)で表される芳香族ジカルボン酸残基が、テレフタロイル基であることを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体。
- 式(1)中、R1、R3およびR5がメチル基であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記ポリエステル樹脂が、式(1)で表される二価フェノール残基と式(2)で表される芳香族ジカルボン酸残基とからなる繰り返しエステル構造、および、下記式(3)で表される二価フェノール残基と式(2)で表される芳香族ジカルボン酸残基とからなる繰り返しエステル構造を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写
真感光体。
- 式(3)で表される二価フェノール残基が、下記式(4)、(5)および(6)で表される構造から選ばれるものであって、該二価フェノール残基と式(2)で表される芳香族ジカルボン酸残基とからなる繰り返しエステル構造を少なくとも2種類有することを特徴とする、請求項4に記載の電子写真感光体。
- 式(3)で表される二価フェノール残基との少なくとも一つが、式(4)で表される構造であることを特徴とする、請求項4または請求項5に記載の電子写真感光体。
- ポリエステル樹脂の、粘度平均分子量が15,000〜100,000である事を特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 感光層が前記ポリエステル樹脂とポリエステルポリカーボネート樹脂を含有することを
特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。 - 感光層が、下記式(7)で表される化合物を含有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、または置換基を有してもよい複素環基を表す。n1〜n4は各々独立して0〜4の整数を表す。また、Ar1 〜Ar6は互いに結合して環状構造を形成してもよい。)
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