JP4534905B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
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Description
有機系の光導電材料を用いた感光体としては、光導電性微粉末をバインダー樹脂中に分散させたいわゆる分散型感光体と、電荷発生層及び電荷移動層を積層した積層型感光体とが知られている。なかでも、積層型感光体は、それぞれ効率の高い電荷発生物質、及び電荷移動物質を組み合わせることにより高感度な感光体が得られること、材料選択範囲が広く安全性の高い感光体が得られること、また感光層を塗布により容易に形成可能で生産性が高く、コスト面でも有利なことから感光体の主流であり、鋭意開発され実用化されている。
さらに、ポリエステルポリカーボネートにおいても、溶解性や溶液安定性は向上するものの、電気的特性または機械的強度が不十分なものがあり、実用上、十分な性能は得られていない。このため、電子写真用感光体に用いられる樹脂として、機械的強度が高く、溶媒に対する溶解性が高く、溶液安定性に優れ、且つ、接着性、応答性に優れたバインダー樹脂が望まれているのが現状である。
即ち、本発明の目的は、実用上の負荷に対する耐摩耗性に優れ、高い機械的強度を保ちつつ電気的特性に優れ、さらに、感光層形成用塗布液の安定性が高いバインダー樹脂を含有する電子写真感光体を提供することにある。
本発明が適用される電子写真感光体において、感光層に含有されるポリエステルポリカーボネート構造を有する樹脂は、樹脂中のポリエステル部の重量割合が10%〜90%であることが好ましい。また、ポリエステルポリカーボネート構造を有する樹脂の粘度平均分子量が15,000〜300,000であり、ポリエステルポリカーボネート構造のポリカーボネート部の粘度平均分子量が3,000〜50,000であることが好ましい。
本実施の形態が適用される電子写真感光体は、所定の導電性基体上に設けた感光層を備え、感光層が、分子中に上述した一般式(1)で表されるジカルボン酸残基を備えるポリエステルポリカーボネート構造を有する樹脂を含有するものである。感光層の具体的な構成としては、例えば、導電性基体上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層と電荷輸送物質及びバインダー樹脂を主成分とする電荷輸送層とを積層した積層型感光体;導電性基体上に、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を含有する層中に電荷発生物質を分散させた感光層を有する分散型(単層型)感光体等が挙げられる。上述した分子中に上述した一般式(1)で表されるジカルボン酸残基を備えるポリエステルポリカーボネート構造を有する樹脂は、通常、電荷輸送物質を含有する層に用いられ、好ましくは積層型感光層の電荷輸送層に用いられる。
本実施の形態が適用される電子写真感光体に使用される導電性基体の材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料;金属、カーボン、酸化錫等の導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料;アルミニウム、ニッケル、ITO(インジウム−スズ酸化物)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が挙げられる。
導電性基体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いる場合、予め、陽極酸化処理、化成皮膜処理等を施しても良い。尚、陽極酸化処理を施す場合は、公知の方法により封孔処理を施すのが望ましい。
導電性基体の表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法または研磨処理により、または、導電性基体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。
次に、感光層に含有されるバインダー樹脂について説明する。
本実施の形態が適用される電子写真感光体の感光層に含有される樹脂は、分子中に一般式(1)で表されるジカルボン酸残基を備えるポリエステルポリカーボネート構造を有するものである。
分子中に一般式(1)で表されるジカルボン酸残基を備えるポリエステルポリカーボネート構造を有する樹脂(以下、単に、「ポリエステルポリカーボネート樹脂」と言うことがある。)は、ポリカーボネートブロックとポリエステル部分とを有するブロック共重合体であり、ポリカーボネートブロックが(ポリ)エステル構造によって結合された線状構造を有する重合体である。ここで、樹脂全体に対するポリエステル成分の組成比が極端に少ない場合、「ポリエステルブロック」と呼べるまでエステルの繰り返し単位がつながらない可能性が考えられるため、ポリエステル部分という表現を用いている。
これらの中でも、感光層用バインダー樹脂としての感光層形成用塗布液に対する溶解性を勘案すれば、アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜炭素数8のアルキル基、さらに好ましくは炭素数1〜炭素数2のアルキル基である。n、mは各々独立に、0〜4の整数であるが、特に好ましくは、n=m=0である。
一般式(1)の具体例としては、例えば、ジフェニルエーテル−2,2’−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−2,3’−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−2,4’−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−3,4’−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸残基が挙げられる。
これらの中でも、製造の簡便性を考慮すれば、ジフェニルエーテル−2,2’−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−2,4’−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸残基が特に好ましい。
これらの一般式(1)として例示した化合物は、必要に応じて複数の化合物を組み合わせて用いることも可能である。
本実施の形態において使用するポリエステルポリカーボネート樹脂において、ポリエステル部分に含まれる一般式(1)で表されるジカルボン酸成分を誘導するジカルボン酸の具体例としては、例えば、ジフェニルエーテル−2,2’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,3’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸が挙げられる。これらの中でも、ジカルボン酸成分の製造の簡便性を考慮すると、ジフェニルエーテル−2,2’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸好ましく、さらに、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸が特に好ましい。
次に、本実施の形態が適用される電子写真感光体に使用するポリエステルポリカーボネート樹脂の製造方法について説明する。ポリエステルポリカーボネート樹脂の製造方法としては、例えば、界面重合法、溶融重合法、溶液重合法等の公知の重合方法を用いることができる。ここでポリエステルポリカーボネート樹脂の製造法の一例を説明する。
第1工程で得られるポリカーボネートオリゴマーとは、通常のポリカーボネート製造工程における中間体であるオリゴマーが挙げられる。従来公知の方法において、上述した2価フェノール性化合物とホスゲンが用いられる。通常、2価フェノール性化合物を含有したアルカリ水溶液、もしくは該アルカリ水溶液および非水溶性有機溶媒の撹拌条件下にホスゲンを導入する方法が用いられる。このとき、ホスゲンは気体状、液体状あるいは非水溶性有機溶媒溶液として導入される。
第2工程で得られるポリカーボネートブロックは、第1工程で得られたポリカーボネートオリゴマーと、必要に応じて2価フェノール性化合物を用い、末端クロロホーメート基の量とフェノール性水酸基の量を調整し重合反応をして得られる粘度平均分子量が3,000〜50,000のポリカーボネート重合体である。
通常のポリカーボネート製造工程においては、第1工程で得られたポリカーボネートオリゴマーを用い、クロロホーメート基の量が、フェノール性水酸基の量よりも多くなる条件下で重合、製造されている。この場合反応系に仕込まれるクロロホーメート基の量は、フェノール性水酸基の量の少なくとも1倍以上、好ましくは少なくとも1.1倍以上必要といわれている。
0.04<{(フェノール性水酸基の当量)−(末端クロロホーメート基の当量)}/(理論上のポリカーボネートブロック生成量(kg))<1
特に好ましい条件としては、下記の範囲である。
0.06<{(フェノール性水酸基の当量)−(末端クロロホーメート基の当量)}/(理論上のポリカーボネートブロック生成量(kg))<0.4
この範囲未満であると、生成するポリカーボネートブロックの分子量が高くなりすぎ、好ましくない。またこの範囲を超えると、生成するポリカーボネートブロックの分子量が低くなりすぎ好ましくない。
第3工程で得られるポリエステルポリカーボネート構造を有する樹脂は、第2工程で得られたポリカーボネートブロックと、ポリエステル部分に用いる2価フェノール性化合物のアルカリ水溶液と、必要に応じて、触媒、分子量制御剤を用い、撹拌条件下で芳香族ジカルボン酸クロライドの非水溶性有機溶媒溶液を導入し、界面重合法により得られる共重合体である。第3工程は、従来公知の界面重合法によるポリエステルの重合方法を用いることができる。
以上、詳述した製造法によれば、比較的簡単な工程で、目的とするポリカーボネートブロックの分子量を制御したポリエステルポリカーボネートのブロック共重合体を得ることができる。しかも、得られる樹脂におけるポリカーボネートブロックとポリエステル部分(ブロック)の組成比が、第3工程の反応において、任意に調整できる。
(電荷発生層)
本実施の形態が適用される電子写真感光体が積層型感光体である場合、感光層を構成する電荷発生層には電荷発生物質が含有される。電荷発生物質としては、例えば、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料;フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等の有機顔料等の各種光導電材料が挙げられる。これらの中でも、特に、有機顔料、更に、フタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましい。これらの電荷発生物質の微粒子は、例えば、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテル等の各種バインダー樹脂で結着した形で使用される。電荷発生物質の使用量は、特に限定されないが、通常、バインダー樹脂100重量部に対して30重量部〜500重量部の範囲で使用される。尚、電荷発生層の膜厚は、通常、0.1μm〜1μm、好ましくは、0.15μm〜0.6μmが好適である。
本実施の形態が適用される電子写真感光体が積層型感光体である場合、感光層を構成する電荷輸送層には電荷輸送物質が含有される。電荷輸送物質としては、例えば、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物;テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物;ジフェノキノン等のキノン類等の電子吸引性物質;カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、チアジアゾール誘導体等の複素環化合物;アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン化合物またはこれらの化合物が複数結合されたもの;あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体等の電子供与性物質が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体及びこれらの誘導体が複数結合されたものが好ましく、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体の複数結合されてなるものが好ましい。
アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ピレニル基等が挙げられ、炭素数6〜12のアリール基が好ましい。
複素環基は、芳香族性を有する複素環が好ましく、例えばフリル基、チエニル基、ピリジル基等が挙げられ、単環の芳香族複素環が更に好ましい。
R1〜R8において、最も好ましいものは、メチル基及びフェニル基である。
分散型感光層の場合には、上述したバインダー樹脂と電荷輸送物質とからなる電荷輸送媒体中に、前述した電荷発生物質が分散される。電荷発生物質の粒子径は充分小さいことが必要であり、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下で使用される。感光層内に分散される電荷発生物質の量が過度に少ないと、充分な感度が得られず、過度に多いと、帯電性の低下、感度の低下等の弊害がある。電荷発生物質の使用量は、好ましくは0.5重量%〜50重量%、より好ましくは1重量%〜20重量%の範囲で使用される。
本実施の形態が適用される電子写真感光体の調製方法は、特に限定されないが、通常、導電性基体上に、分子中に一般式(1)で表されるジカルボン酸残基を備えるポリエステルポリカーボネート構造を有する樹脂を含有する感光層形成塗布液を、例えば、浸漬塗布法、スプレー塗布法、ノズル塗布法、バーコート法、ロールコート法、ブレード塗布法等の公知の方法により塗布して形成される。これらの中でも生産性の高さから浸漬塗布方法が好ましい。
本実施の形態が適用される電子写真感光体は、導電性基体と感光層との間に、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。下引き層としては、例えば、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したもの等が用いられる。下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子等が挙げられる。これらの金属酸化物粒子は、一種類の粒子のみを用いても良いし複数の種類の粒子を混合して用いても良い。
図1は、画像形成装置を説明する図である。図1に示された画像形成装置10は、所定の導電性基体上に、前述した分子中に一般式(1)で表されるジカルボン酸残基を備えるポリエステルポリカーボネート構造を有する樹脂を含有する感光層を設けた電子写真感光体1と、電子写真感光体1を帯電させる帯電ローラからなる帯電装置2と、電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成する露光装置3と、電子写真感光体1表面にトナー(T)を供給する現像装置4と、トナー(T)の帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(P)に転写する転写装置5と、電子写真感光体1に付着した残留トナーを掻き落とし回収するクリーニング装置6と、記録紙(P)に転写されたトナー像を定着させる定着装置7と、を有している。
帯電装置2は、ローラ型の帯電ローラを有している。尚、帯電装置2は、例えば、コロトロンまたはスコロトロン等のコロナ帯電装置、帯電ブラシ等の接触型帯電装置等がよく用いられる。尚、電子写真感光体1及び帯電装置2は、多くの場合、この両方を備えたカートリッジ(以下、感光体カートリッジと言うことがある。)として、画像形成装置10の本体から取り外し可能に設計されている。そして、例えば、電子写真感光体1や帯電装置2が劣化した場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置10本体から取り外し、別の新しい感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている(図示せず)。
電子写真感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位(例えば−600V)に帯電される。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。続いて、帯電された電子写真感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。次に、電子写真感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。即ち、現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナー(T)を、現像ブレード等の規制部材45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは電子写真感光体1の帯電電位と同極性であり、負極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
ウベローデ型毛細管粘度計(ジクロロメタンの流下時間t0:136.16秒)を用いて、20.0℃において、樹脂のジクロロメタン溶液(濃度:6.00g/L)の流下時間(t)を測定し、以下の式に基づき、樹脂の粘度平均分子量(Mv)を算出した。結果を表1及び表2に示す。
ηsp=(t/t0)−1
a=0.438×ηsp+1
b=100×(ηsp/C)
C=6.00 [g/L]
η=b/a
Mv=3207×η1.205
10重量部のオキシチタニウムフタロシアニンと、150重量部の4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2とを混合し、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い顔料分散液を製造した。尚、オキシチタニウムフタロシアニンは、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)9.3゜、10.6゜、13.2゜、15.1゜、15.7゜、16.1゜、20.8゜、23.3゜、26.3゜、27.1゜に強い回折ピークを示す。この顔料分散液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名デンカブチラール#6000C)5重量%、1,2−ジメトキシエタン溶液50重量部、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製、商品名PKHH)5重量%、1,2−ジメトキシエタン溶液50重量部を混合し、更に、適量の1,2−ジメトキシエタンを加え、固形分濃度4.0%の電荷発生層形成用塗布液を調製した。この電荷発生層形成用塗布液を、表面にアルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートシート上に、乾燥後の膜厚が0.4μmになるように塗布、乾燥して電荷発生層を設けた。
電子写真学会測定標準に準拠した電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、第404頁〜405頁記載)を使用し、予め調製した感光体シートをアルミニウム製ドラムに貼り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと感光体シートのアルミニウム基体との導通を取った上で、ドラムを一定回転数で回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行った。初期表面電位を−700V、露光光として780nm、除電光として660nmの単色光を用い、露光光を2.4μJ/cm2照射した時点の表面電位(VL)を測定した。VL測定に際しては、露光から電位測定に要する時間を139msとした。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%(NN環境)と、温度5℃、相対湿度10%(LL環境)とで行った。VL値の絶対値が小さいほど応答性が良い(単位:−V)。結果を表1及び表2に示す。
予め調製した感光体シートを直径10cmの円状に切断して試験片を調製し、これを、テーバー摩耗試験機(東洋精機社製)を用いて摩耗試験を行った。試験条件は、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下、摩耗輪CS−10Fを用いて、荷重なし(摩耗輪の自重)で1000回回転後の摩耗量を試験前後の重量を比較することにより測定した。摩耗量が少ないほど耐摩耗性が良好である(単位:mg)。結果を表1及び表2に示す。
以下の製造方法により、18種類の樹脂(樹脂A〜樹脂S)を調製した。
(オリゴマー1の調製)
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(以下、BP−aという。)100部(0.39mol)と、水酸化ナトリウム37.8部(0.945mol)と、脱塩水568部と、ハイドロサルファイトナトリウム0.284部と、塩化メチレン446部(340mL)と、の混合物を、撹拌機付き反応槽にて撹拌した。反応槽の温度を0℃〜10℃の間に保ち、これにホスゲン94.3部(0.953mol)を約5時間で吹き込み反応を行った。反応終了後、ポリカーボネートオリゴマーを含有する塩化メチレン溶液のみを捕集し、オリゴマー濃度16.8重量%、末端クロロホーメート基濃度0.479規定、末端フェノール性水酸基濃度0.250規定のポリカーボネートオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。尚、オリゴマー濃度は、塩化メチレン溶液を蒸発乾固させて測定した。
末端クロロホーメート基濃度は、ポリカーボネートオリゴマーとアニリンとを反応させて得られるアニリン塩酸塩を0.2規定水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定した。末端フェノール性水酸基濃度は、ポリカーボネートオリゴマーを、塩化メチレン、四塩化チタン、酢酸にそれぞれ溶解させた溶液の発色を波長546nmの光で比色定量した。
上記オリゴマー1の製造と同様の操作を行った。
得られたオリゴマー2の塩化メチレン溶液の分析結果は下記の通りであった。
オリゴマー濃度:17.0重量%
末端クロロホーメート基濃度:0.467規定
末端フェノール性水酸基濃度:0.240規定
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(以下、BP−fという。)100部(0.373mol)、水酸化ナトリウム52.2部(1.305mol)、水848部、ハイドロサルファイトナトリウム0.4部、塩化メチレン485部(370ml)の混合物を撹拌機付き反応槽に仕込み、撹拌した。反応槽の温度を0〜10℃の間に保ち、これにホスゲン112部(1.131mol)を約6時間で吹き込み反応を行った。反応終了後ポリカーボネートオリゴマーを含有する塩化メチレン溶液のみを捕集した。得られたオリゴマーの塩化メチレン溶液の分析結果は下記の通りであった。
オリゴマー濃度:21.2重量%
末端クロロホーメート基濃度:0.356規定
末端フェノール性水酸基濃度:0.140規定
100mLビーカーに水酸化ナトリウム1.33gと脱塩水25.1mLを量り取り、撹拌しながら溶解させた。そこにBP−a2.23gと、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.0754gを添加、撹拌、溶解させ、アルカリ水溶液を調製した。次いで、攪拌機を備えた1L反応槽に、予め調製したオリゴマー1を82.34g、ジクロロメタン12.5mLを仕込み、撹拌しながら、重合槽の外温を20℃に保った。次いで、先に調製したアルカリ水溶液を1L反応槽に添加して重合反応を開始した。
3時間撹拌を続けた後、脱塩水126mLを添加して撹拌を停止し、生成しているポリカーボネートブロックの粘度平均分子量を測定するためジクロロメタン層5mLをサンプリングした。サンプリングした重合液に脱塩水5mL、35%塩酸0.2mLを加え撹拌後、静置した。
100mLビーカーに水酸化ナトリウム2.22gと脱塩水41.8mLを量り取り、撹拌しながら溶解させた。そこにBP−a3.71gと、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.1257gを添加、撹拌、溶解させ、アルカリ水溶液を調製した。次いで、攪拌機を備えた1L反応槽に、予め調製したオリゴマー1を137.24g、ジクロロメタン20.7mLを仕込み、撹拌しながら、重合槽の外温を20℃に保った。次いで、先に調製したアルカリ水溶液を1L反応槽に添加して重合反応を開始した。反応系内の(CFeq)/(OHeq)は、0.9094であった。また、{(OHeq)−(CFeq)}/(PCRwt)は、0.200であった。
100mLビーカーに水酸化ナトリウム3.11gと脱塩水58.6mLを量り取り、撹拌しながら溶解させた。そこにBP−a5.19gと、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.1760gを添加、撹拌、溶解させ、アルカリ水溶液を調製した。
次いで、攪拌機を備えた1L反応槽に、予め調製したオリゴマー1を192.13g、ジクロロメタン29.0mLを仕込み、撹拌しながら、重合槽の外温を20℃に保った。次いで、先に調製したアルカリ水溶液を1L反応槽に添加して重合反応を開始した。反応系内の(CFeq)/(OHeq)は、0.9094であった。また、{(OHeq)−(CFeq)}/(PCRwt)は、0.200であった。
1000mLビーカーに水酸化ナトリウム23.71gと脱塩水940mLを量り取り、攪拌しながら溶解させた。そこにBP−b47.91gを添加、攪拌、溶解した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。次いで、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.5923gおよびp−tert−ブチルフェノール1.2425gを順次反応槽に添加した。別途、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライド67.27gとジクロロメタン470mLの混合溶液を滴下ロート内に移した。
100mLビーカーに水酸化ナトリウム1.33gと脱塩水25.1mLを量り取り、撹拌しながら溶解させた。そこにBP−a2.23gと、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.0754gを添加、撹拌、溶解させ、アルカリ水溶液を調製した。
次いで、攪拌機を備えた1L反応槽に、予め調製したオリゴマー1を82.34g、ジクロロメタン12.5mLを仕込み、撹拌しながら、重合槽の外温を20℃に保った。次いで、先に調製したアルカリ水溶液を1L反応槽に添加して重合反応を開始した。反応系内の(CFeq)/(OHeq)は、0.9094であった。また、{(OHeq)−(CFeq)}/(PCRwt)の値は0.200であった。
100mLビーカーに水酸化ナトリウム2.22gと脱塩水41.8mLを量り取り、撹拌しながら溶解させた。そこにBP−a3.71gと、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.1257gを添加、撹拌、溶解させ、アルカリ水溶液を調製した。
次いで、攪拌機を備えた1L反応槽に、予め調製したオリゴマー1を137.24g、ジクロロメタン20.7mLを仕込み、撹拌しながら、重合槽の外温を20℃に保った。次いで、先に調製したアルカリ水溶液を1L反応槽に添加して重合反応を開始した。反応系内の(CFeq)/(OHeq)は、0.9094であった。また、{(OHeq)−(CFeq)}/(PCRwt)は、0.200であった。
100mLビーカーに水酸化ナトリウム3.11gと脱塩水58.6mLを量り取り、撹拌しながら溶解させた。そこにBP−a5.19gと、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.1760gを添加、撹拌、溶解させ、アルカリ水溶液を調製した。次いで、攪拌機を備えた1L反応槽に、予め調製したオリゴマー1を192.13g、ジクロロメタン29.0mLを仕込み、撹拌しながら、重合槽の外温を20℃に保った。次いで、先に調製したアルカリ水溶液を1L反応槽に添加して重合反応を開始した。反応系内の(CFeq)/(OHeq)は、0.9094であった。また、{(OHeq)−(CFeq)}/(PCRwt)は、0.200であった。
500mLビーカーに水酸化ナトリウム13.72gと脱塩水423mLを量り取り、攪拌しながら溶解させた。そこにBP−c6.27gおよび、ビス(4−ヒドロキシフェニルメタン)(以下、BP−dという。)と(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン(以下、BP−eという。)との混合物(混合比率、BP−d:BP−e=約40:60)20.73gを添加、攪拌、溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。次いで、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.3427gおよびp−tert−ブチルフェノール0.7190gを順次反応槽に添加した。別途、テレフタル酸クロライド26.78gとジクロロメタン211mLの混合溶液を滴下ロート内に移した。
200mLビーカーに水酸化ナトリウム(4.39g)とH2O(96.24mL)を量り取り、撹拌しながら溶解させた。そこにBP−a(7.29g)と、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.2430g)を添加、撹拌、溶解させ、アルカリ水溶液を調製した。
次いで、攪拌機を備えた2L反応槽に、先に調製したオリゴマー2(271.20g)、ジクロロメタン(81.69mL)を仕込み、撹拌しながら、重合槽の外温を20℃に保った。次いで、先に調整したアルカリ水溶液を2L反応槽に添加して重合反応を開始した(この時の反応系内の(全末端クロロホーメート基の当量)と(全フェノール性水酸基の当量)の比[以下[CF eq]/[OH eq]比と記す]は0.9063であった。また、{(全フェノール性水酸基の当量)−(全末端クロロホーメート基の当量)}/(理論上のポリカーボネートブロック生成量(kg))[以下{[OH eq]−[CF eq]}/[PCR wt]と記す]の値は0.200であった。)。
3時間撹拌を続けた後、H2O(481mL)を添加し、撹拌を停止した。この時、生成しているポリカーボネートブロックの粘度平均分子量を測定するためジクロロメタン層(5mL)をサンプリングした。サンプリングした重合液にH2O(5mL)、35%塩酸(0.2mL)を加え撹拌後、静置した。
別途、1000mLビーカーに水酸化ナトリウム(11.76g)とH2O(429mL)を量り取り、撹拌しながら溶解させた。そこにビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン[以下、BP−gという。](23.86g)を添加、撹拌、溶解させた後、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.2721g)、2,3,5−トリメチルフェノール(0.9252g)を添加、撹拌、溶解させ、アルカリ水溶液を調製した後、このアルカリ水溶液を反応槽に添加した。
別途、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライド(33.35g)とジクロロメタン(214mL)の混合溶液を滴下ロート内に移した。
反応槽内の溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を30分かけて滴下した。さらに4時間攪拌を続けた後、ジクロロメタン(575mL)を加え、撹拌を6時間続けた。その後、酢酸(4.26mL)を加え30分攪拌した後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(720mL)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(720mL)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(720mL)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層をメタノール(5390mL)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的のポリエステルポリカーボネート樹脂Kを得た。また、途中でサンプリングした重合液をH2O(20mL)で一度洗い、有機層をメタノール(30mL)に注いで得られた沈殿物を濾過、乾燥してポリカーボネートブロックKを得た。得られたポリエステルポリカーボネート樹脂Kの粘度平均分子量は61,600であり、ポリカーボネートブロックKの粘度平均分子量は11,300であった。樹脂Kの繰り返し構造を以下に示す。
200mLビーカーに水酸化ナトリウム(1.69g)とH2O(57.62mL)を量り取り、撹拌しながら溶解させた。そこにBP−f(3.68g)と、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.0941g)を添加、撹拌、溶解させ、アルカリ水溶液を調製した。
次いで、攪拌機を備えた2L反応槽に、先に調製したオリゴマー3(129.88g)、ジクロロメタン(73.70mL)を仕込み、撹拌しながら、重合槽の外温を20℃に保った。次いで、先に調整したアルカリ水溶液を2L反応槽に添加して重合反応を開始した(この時の反応系内の(全末端クロロホーメート基の当量)と(全フェノール性水酸基の当量)の比[以下[CF eq]/[OH eq]比と記す]は0.8544であった。また、{(全フェノール性水酸基の当量)−(全末端クロロホーメート基の当量)}/(理論上のポリカーボネートブロック生成量(kg))[以下{[OH eq]−[CF eq]}/[PCR wt]と記す]の値は0.200であった。)。
3時間撹拌を続けた後、H2O(288mL)を添加し、撹拌を停止した。この時、生成しているポリカーボネートブロックの粘度平均分子量を測定するためジクロロメタン層(5mL)をサンプリングした。サンプリングした重合液にH2O(5mL)、35%塩酸(0.2mL)を加え撹拌後、静置した。
別途、1000mLビーカーに水酸化ナトリウム(16.25g)とH2O(493mL)を量り取り、撹拌しながら溶解させた。そこにBP−g(33.84g)を添加、撹拌、溶解させた後、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.6178g)、2,3,5−トリメチルフェノール(1.3122g)を添加、撹拌、溶解させ、アルカリ水溶液を調製した後、このアルカリ水溶液を反応槽に添加した。
別途、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライド(46.10g)とジクロロメタン(246mL)の混合溶液を滴下ロート内に移した。
反応槽内の溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を30分かけて滴下した。さらに4時間攪拌を続けた後、ジクロロメタン(839mL)を加え、撹拌を6時間続けた。その後、酢酸(5.89mL)を加え30分攪拌した後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(839mL)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(839mL)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(839mL)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層をメタノール(6289mL)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的のポリエステルポリカーボネート樹脂Lを得た。また、途中でサンプリングした重合液をH2O(20mL)で一度洗い、有機層をメタノール(30mL)に注いで得られた沈殿物を濾過、乾燥してポリカーボネートブロックLを得た。得られたポリエステルポリカーボネート樹脂Lの粘度平均分子量は46,800であり、ポリカーボネートブロックLの粘度平均分子量は13,800であった。樹脂Lの繰り返し構造を以下に示す。
200mLビーカーに水酸化ナトリウム(2.82g)とH2O(96.03mL)を量り取り、撹拌しながら溶解させた。そこにBP−f(6.13g)と、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.1568g)を添加、撹拌、溶解させ、アルカリ水溶液を調製した。
次いで、攪拌機を備えた2L反応槽に、先に調製したオリゴマー3(216.47g)、ジクロロメタン(122.84mL)を仕込み、撹拌しながら、重合槽の外温を20℃に保った。次いで、先に調整したアルカリ水溶液を2L反応槽に添加して重合反応を開始した(この時の反応系内の(全末端クロロホーメート基の当量)と(全フェノール性水酸基の当量)の比[以下[CF eq]/[OH eq]比と記す]は0.8544であった。また、{(全フェノール性水酸基の当量)−(全末端クロロホーメート基の当量)}/(理論上のポリカーボネートブロック生成量(kg))[以下{[OH eq]−[CF eq]}/[PCR wt]と記す]の値は0.200であった。)。
3時間撹拌を続けた後、H2O(480mL)を添加し、撹拌を停止した。この時、生成しているポリカーボネートブロックの粘度平均分子量を測定するためジクロロメタン層(5mL)をサンプリングした。サンプリングした重合液にH2O(5mL)、35%塩酸(0.2mL)を加え撹拌後、静置した。
別途、1000mLビーカーに水酸化ナトリウム(11.76g)とH2O(430mL)を量り取り、撹拌しながら溶解させた。そこにBP−g(23.86g)を添加、撹拌、溶解させた後、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.3583g)、2,3,5−トリメチルフェノール(0.9252g)を添加、撹拌、溶解させ、アルカリ水溶液を調製した後、このアルカリ水溶液を反応槽に添加した。
別途、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライド(33.35g)とジクロロメタン(215mL)の混合溶液を滴下ロート内に移した。
反応槽内の溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を30分かけて滴下した。さらに4時間攪拌を続けた後、ジクロロメタン(575mL)を加え、撹拌を6時間続けた。その後、酢酸(4.26mL)を加え30分攪拌した後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(719mL)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(719mL)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(719mL)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層をメタノール(5390mL)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的のポリエステルポリカーボネート樹脂Mを得た。また、途中でサンプリングした重合液をH2O(20mL)で一度洗い、有機層をメタノール(30mL)に注いで得られた沈殿物を濾過、乾燥してポリカーボネートブロックMを得た。得られたポリエステルポリカーボネート樹脂Mの粘度平均分子量は52,100であり、ポリカーボネートブロックMの粘度平均分子量は12,900であった。樹脂Mの繰り返し構造を以下に示す。
200mLビーカーに水酸化ナトリウム(3.94g)とH2O(134.44mL)を量り取り、撹拌しながら溶解させた。そこにBP−f(8.58g)と、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.2196g)を添加、撹拌、溶解させ、アルカリ水溶液を調製した。
次いで、攪拌機を備えた2L反応槽に、先に調製したオリゴマー3(303.05g)、ジクロロメタン(171.97mL)を仕込み、撹拌しながら、重合槽の外温を20℃に保った。次いで、先に調整したアルカリ水溶液を2L反応槽に添加して重合反応を開始した(この時の反応系内の(全末端クロロホーメート基の当量)と(全フェノール性水酸基の当量)の比[以下[CF eq]/[OH eq]比と記す]は0.8544であった。また、{(全フェノール性水酸基の当量)−(全末端クロロホーメート基の当量)}/(理論上のポリカーボネートブロック生成量(kg))[以下{[OH eq]−[CF eq]}/[PCR wt]と記す]の値は0.200であった。)。
3時間撹拌を続けた後、H2O(672mL)を添加し、撹拌を停止した。この時、生成しているポリカーボネートブロックの粘度平均分子量を測定するためジクロロメタン層(5mL)をサンプリングした。サンプリングした重合液にH2O(5mL)、35%塩酸(0.2mL)を加え撹拌後、静置した。
別途、1000mLビーカーに水酸化ナトリウム(7.26g)とH2O(566mL)を量り取り、撹拌しながら溶解させた。そこにBP−g(13.85g)を添加、撹拌、溶解させた後、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.0987g)、2,3,5−トリメチルフェノール(0.5782g)を添加、撹拌、溶解させ、アルカリ水溶液を調製した後、このアルカリ水溶液を反応槽に添加した。
別途、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライド(20.61g)とジクロロメタン(283mL)の混合溶液を滴下ロート内に移した。
反応槽内の溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を30分かけて滴下した後、撹拌を10時間続けた。その後、酢酸(2.63mL)を加え30分攪拌した後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(457mL)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(457mL)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(457mL)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層をメタノール(3430mL)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的のポリエステルポリカーボネート樹脂Nを得た。また、途中でサンプリングした重合液をH2O(20mL)で一度洗い、有機層をメタノール(30mL)に注いで得られた沈殿物を濾過、乾燥してポリカーボネートブロックNを得た。得られたポリエステルポリカーボネート樹脂Nの粘度平均分子量は41,300であり、ポリカーボネートブロックNの粘度平均分子量は18,300であった。樹脂Nの繰り返し構造を以下に示す。
200mLビーカーに水酸化ナトリウム(1.69g)とH2O(57.62mL)を量り取り、撹拌しながら溶解させた。そこにBP−f(3.68g)と、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.0941g)を添加、撹拌、溶解させ、アルカリ水溶液を調製した。
次いで、攪拌機を備えた2L反応槽に、先に調製したオリゴマー3(129.88g)、ジクロロメタン(73.70mL)を仕込み、撹拌しながら、重合槽の外温を20℃に保った。次いで、先に調整したアルカリ水溶液を2L反応槽に添加して重合反応を開始した(この時の反応系内の(全末端クロロホーメート基の当量)と(全フェノール性水酸基の当量)の比[以下[CF eq]/[OH eq]比と記す]は0.8544であった。また、{(全フェノール性水酸基の当量)−(全末端クロロホーメート基の当量)}/(理論上のポリカーボネートブロック生成量(kg))[以下{[OH eq]−[CF eq]}/[PCR wt]と記す]の値は0.200であった。)。
3時間撹拌を続けた後、H2O(288mL)を添加し、撹拌を停止した。この時、生成しているポリカーボネートブロックの粘度平均分子量を測定するためジクロロメタン層(5mL)をサンプリングした。サンプリングした重合液にH2O(5mL)、35%塩酸(0.2mL)を加え撹拌後、静置した。
別途、1000mLビーカーに水酸化ナトリウム(15.79g)とH2O(493mL)を量り取り、撹拌しながら溶解させた。そこにBP−c(34.87g)を添加、撹拌、溶解させた後、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.5974g)、2,3,5−トリメチルフェノール(1.2739g)を添加、撹拌、溶解させ、アルカリ水溶液を調製した後、このアルカリ水溶液を反応槽に添加した。
別途、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライド(44.78g)とジクロロメタン(246mL)の混合溶液を滴下ロート内に移した。
反応槽内の溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を30分かけて滴下した。さらに4時間攪拌を続けた後、ジクロロメタン(839mL)を加え、撹拌を6時間続けた。その後、酢酸(5.72mL)を加え30分攪拌した後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(839mL)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(839mL)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(839mL)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層をメタノール(6290mL)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的のポリエステルポリカーボネート樹脂Oを得た。また、途中でサンプリングした重合液をH2O(20mL)で一度洗い、有機層をメタノール(30mL)に注いで得られた沈殿物を濾過、乾燥してポリカーボネートブロックOを得た。得られたポリエステルポリカーボネート樹脂Oの粘度平均分子量は42,300であり、ポリカーボネートブロックOの粘度平均分子量は23,800であった。樹脂Oの繰り返し構造を以下に示す。
200mLビーカーに水酸化ナトリウム(2.82g)とH2O(96.03mL)を量り取り、撹拌しながら溶解させた。そこにBP−f(6.13g)と、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.1568g)を添加、撹拌、溶解させ、アルカリ水溶液を調製した。
次いで、攪拌機を備えた2L反応槽に、先に調製したオリゴマー3(216.47g)、ジクロロメタン(122.84mL)を仕込み、撹拌しながら、重合槽の外温を20℃に保った。次いで、先に調整したアルカリ水溶液を2L反応槽に添加して重合反応を開始した(この時の反応系内の(全末端クロロホーメート基の当量)と(全フェノール性水酸基の当量)の比[以下[CF eq]/[OH eq]比と記す]は0.8544であった。また、{(全フェノール性水酸基の当量)−(全末端クロロホーメート基の当量)}/(理論上のポリカーボネートブロック生成量(kg))[以下{[OH eq]−[CF eq]}/[PCR wt]と記す]の値は0.200であった。)。
3時間撹拌を続けた後、H2O(480mL)を添加し、撹拌を停止した。この時、生成しているポリカーボネートブロックの粘度平均分子量を測定するためジクロロメタン層(5mL)をサンプリングした。サンプリングした重合液にH2O(5mL)、35%塩酸(0.2mL)を加え撹拌後、静置した。
別途、1000mLビーカーに水酸化ナトリウム(11.43g)とH2O(430mL)を量り取り、撹拌しながら溶解させた。そこにBP−c(24.59g)を添加、撹拌、溶解させた後、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.3439g)、2,3,5−トリメチルフェノール(0.8982g)を添加、撹拌、溶解させ、アルカリ水溶液を調製した後、このアルカリ水溶液を反応槽に添加した。
別途、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライド(32.42g)とジクロロメタン(215mL)の混合溶液を滴下ロート内に移した。
反応槽内の溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を30分かけて滴下した。さらに4時間攪拌を続けた後、ジクロロメタン(575mL)を加え、撹拌を6時間続けた。その後、酢酸(4.15mL)を加え30分攪拌した後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(719mL)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(719mL)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(719mL)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層をメタノール(5390mL)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的のポリエステルポリカーボネート樹脂Pを得た。また、途中でサンプリングした重合液をH2O(20mL)で一度洗い、有機層をメタノール(30mL)に注いで得られた沈殿物を濾過、乾燥してポリカーボネートブロックPを得た。得られたポリエステルポリカーボネート樹脂Pの粘度平均分子量は50,800であり、ポリカーボネートブロックPの粘度平均分子量は25,300であった。樹脂Pの繰り返し構造を以下に示す。
200mLビーカーに水酸化ナトリウム(3.94g)とH2O(134.44mL)を量り取り、撹拌しながら溶解させた。そこにBP−f(8.58g)と、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.2196g)を添加、撹拌、溶解させ、アルカリ水溶液を調製した。
次いで、攪拌機を備えた2L反応槽に、先に調製したオリゴマー3(303.05g)、ジクロロメタン(171.97mL)を仕込み、撹拌しながら、重合槽の外温を20℃に保った。次いで、先に調整したアルカリ水溶液を2L反応槽に添加して重合反応を開始した(この時の反応系内の(全末端クロロホーメート基の当量)と(全フェノール性水酸基の当量)の比[以下[CF eq]/[OH eq]比と記す]は0.8544であった。また、{(全フェノール性水酸基の当量)−(全末端クロロホーメート基の当量)}/(理論上のポリカーボネートブロック生成量(kg))[以下{[OH eq]−[CF eq]}/[PCR wt]と記す]の値は0.200であった。)。
3時間撹拌を続けた後、H2O(672mL)を添加し、撹拌を停止した。この時、生成しているポリカーボネートブロックの粘度平均分子量を測定するためジクロロメタン層(5mL)をサンプリングした。サンプリングした重合液にH2O(5mL)、35%塩酸(0.2mL)を加え撹拌後、静置した。
別途、1000mLビーカーに水酸化ナトリウム(7.08g)とH2O(566mL)を量り取り、撹拌しながら溶解させた。そこにBP−c(14.27g)を添加、撹拌、溶解させた後、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.0904g)、2,3,5−トリメチルフェノール(0.5614g)を添加、撹拌、溶解させ、アルカリ水溶液を調製した後、このアルカリ水溶液を反応槽に添加した。
別途、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライド(20.07g)とジクロロメタン(283mL)の混合溶液を滴下ロート内に移した。
反応槽内の溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を30分かけて滴下した後、撹拌を10時間続けた。その後、酢酸(2.57mL)を加え30分攪拌した後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(457mL)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(457mL)にて洗浄を2回行い、さらにH2O(457mL)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層をメタノール(3430mL)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的のポリエステルポリカーボネート樹脂Qを得た。また、途中でサンプリングした重合液をH2O(20mL)で一度洗い、有機層をメタノール(30mL)に注いで得られた沈殿物を濾過、乾燥してポリカーボネートブロックQを得た。得られたポリエステルポリカーボネート樹脂Qの粘度平均分子量は50,200であり、ポリカーボネートブロックQの粘度平均分子量は14,800であった。樹脂Qの繰り返し構造を以下に示す。
1000mLビーカーに水酸化ナトリウム(23.02g)とH2O(940mL)を量り取り、攪拌しながら溶解させた。そこにBP−g(49.55g)を添加、攪拌、溶解した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。次いで、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.5749g)および2,3,5−トリメチルフェノール(1.0935g)を順次反応槽に添加した。
別途、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライド(65.29g)とジクロロメタン(470mL)の混合溶液を滴下ロート内に移した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに4時間攪拌を続けた後、ジクロロメタン(783mL)を加え、撹拌を8時間続けた。その後、酢酸(8.35mL)を加え30分攪拌した後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(942mL)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(942mL)にて洗浄を4回行い、さらにH2O(942mL)にて洗浄を2回行った。
洗浄後の有機層をメタノール(6266mL)に注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的の樹脂Rを得た。得られた樹脂Rの粘度平均分子量は58,400であった。樹脂Rの繰り返し構造を以下に示す。
BP−fからなるポリカーボネート樹脂を用いた。樹脂Sの粘度平均分子量は50,000であった。樹脂Sの繰り返し構造を以下に示す。
表1に示すとおりのポリエステルポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂およびポリカーボネート樹脂を用いて調製した感光体について、それぞれ、電気特性及び磨耗試験を行った。結果を表1に示す。
BP−a:2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン
BP−b:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン
BP−c:1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン
BP−f:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン
BP−g:ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン
これに対して、ポリエステル樹脂(樹脂D、樹脂H)のみを含有する感光層を設けた感光体(比較例1、比較例2)は、電荷輸送膜が剥離したり(樹脂D)、電気特性及び磨耗試験において充分な性能が得られない。また、ポリカーボネート樹脂(樹脂I)のみを含有する感光層を設けた感光体(比較例3)は、電気特性及び磨耗試験において充分な性能が得られないことが分かる。
表2に示すとおりのポリエステル樹脂およびポリエステルポリカーボネート樹脂を用いてそれぞれ調製した感光体について、実施例1と同様に、それぞれ、電気特性及び磨耗試験を行った。結果を表2に示す。
これに対して、分子中に一般式(1)で表されるジカルボン酸残基を有しないポリエステル樹脂(樹脂J)を含有する感光層を設けた感光体(比較例4)は、電荷輸送膜が剥離し、充分な性能が得られないことが分かる。
<電荷発生層用分散液の製造>
CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)9.3゜、10.6゜、13.2゜、15.1゜、15.7゜、16.1゜、20.8゜、23.3゜、26.3゜、27.1゜に強い回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン10部を、1,2−ジメトキシエタン150部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い、顔料分散液を製造した。
ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名デンカブチラール#6000C)5部を1,2−ジメトキシエタン95部に溶解し、固形分濃度5%のバインダー溶液1を製造した。
フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製、商品名PKHH)5部を1,2−ジメトキシエタン95部に溶解し、固形分濃度5%のバインダー溶液2を製造した。
先に製造した顔料分散液160部に、バインダー溶液1を50部、バインダー溶液2を50部、適量の1,2−ジメトキシエタンと、適量の4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2を加え固形分濃度4.0%、1,2−ジメトキシエタン:4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2=9:1の電荷発生層用分散液αを調製した。
表面が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ285mm、肉厚1.0mmのアルミニウム合金よりなるシリンダーの表面に、陽極酸化処理を行い、その後、酢酸ニッケルを主成分とする封孔剤によって封孔処理を行うことにより、約6μmの陽極酸化被膜(アルマイト被膜)を形成した。このシリンダーに、先に製造した電荷発生層用分散液αを浸漬塗布し、その乾燥後の膜厚が、約0.3μmとなるように電荷発生層を形成した。
次に、この電荷発生層を形成したシリンダーを、電荷輸送物質(1)50部と、電荷輸送層用バインダー樹脂として樹脂A100部、シリコーンオイル(信越化学社製、商品名KF96)0.05部をテトラヒドロフランとトルエンの混合溶媒(テトラヒドロフラン80重量%、トルエン20重量%)に溶解させた電荷輸送層形成用塗布液に浸漬塗布することにより、乾燥後の膜厚20μmの電荷輸送層を設けた。このようにして得られた感光体ドラムをA2とする。
樹脂Aを樹脂Eに変えた以外は実施例16と同様にして、感光体ドラムE2を作成した。
実施例18
樹脂Aを樹脂Fに変えた以外は実施例16と同様にして、感光体ドラムF2を作成した。
実施例19
樹脂Aを樹脂Gに変えた以外は実施例16と同様にして、感光体ドラムG2を作成した。
実施例20
樹脂Aを樹脂Mに変えた以外は実施例16と同様にして、感光体ドラムM2を作成した。
実施例21
樹脂Aを樹脂Pに変えた以外は実施例16と同様にして、感光体ドラムP2を作成した。
樹脂Aを樹脂Sに変えた以外は実施例16と同様にして、感光体ドラムS2を作成した。
比較例6
樹脂AをBP−aからなる粘度平均分子量は50,000のポリカーボネート樹脂Tに変えた以外は実施例16と同様にして、感光体ドラムT2を作成した。
上記感光体ドラム(A2、E2、F2、G2、M2、P2、S2、T2)を市販のカラーレーザープリンター(エプソン社製 LP3000C)に装着して常温常湿環境下においてモノクロ(黒)モードで24,000枚の画像形成を行った。この際、画像形成する前の感光層の膜厚、24,000枚画像形成後の膜厚を測定し、画像形成10,000枚あたりの膜減り量を計算した。結果を表3に示す。
平均一次粒径40nmのルチル型白色酸化チタン(石原産業(株)製、製品名 TTO55N)と該酸化チタンに対して3重量%のメチルジメトキシラン(東芝シリコーン社製 製品名 TSL8117)を高速流動式混合混練機((株)カワタ製、製品名SMG300)に投入し、高速混合(回転周速 34.5m/秒)を行ない表面処理酸化チタンを得た。
該表面処理酸化チタンを、ボールミルによりメタノール/n−プロパノール=7/3の混合溶媒中で分散し、その酸化チタンスラリーに、下記構造式(A)の共重合ポリアミド溶解液を混合し、更に超音波分散処理を行い、溶媒組成が、メタノール/n−プロパノール=7/3で、酸化チタン/ポリアミド=3/1で、固形分濃度16重量%の分散液を調整し、下引き層用分散液を作製した。
CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)27.3゜に最大回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン10重量部を、1,2−ジメトキシエタン150重量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い、顔料分散液を作製した。
この顔料分散液160重量部に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名デンカブチラール#6000C)5重量部を1,2−ジメトキシエタン95重量部に溶解した、固形分濃度5重量%のバインダー溶液100重量部と、適量の1,2−ジメトキシエタン、適量の4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンを加え、固形分濃度4.0重量%、1,2−ジメトキシエタン:4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン=9:1の電荷発生層用分散液β1を作製した。
CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)9.3゜、10.6゜、13.2゜、15.1゜、15.7゜、16.1゜、20.8゜、23.3゜、26.3゜、27.1゜に強い回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン10重量部を、1,2−ジメトキシエタン150重量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い、顔料分散液を作製した。
この顔料分散液160重量部に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名デンカブチラール#6000C)5重量部を1,2−ジメトキシエタン95重量部に溶解した、固形分濃度5重量%のバインダー溶液100重量部と、適量の1,2−ジメトキシエタン、適量の4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンを加え、固形分濃度4.0%、1,2−ジメトキシエタン:4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン=9:1の電荷発生層用分散液β2を作製した。
電荷発生層用分散液β1と電荷発生層用分散液β2を8:2の割合で混合し、電荷発生層用分散液βを調製した。
実施例22
表面が粗切削(Rmax=0.8)された外径30mm、長さ254mm、肉厚0.75mmのアルミニウム合金よりなるシリンダーを、先に調製した下引き層用分散液に浸漬塗布し、膜厚約1.3μmの下引き層を形成した。このシリンダーを先に調製した電荷発生層用分散液βに浸漬塗布し、乾燥後の重量が0.3g/m2(膜厚約0.3μm)となるように電荷発生層を形成した。
次に、この電荷発生層を形成したシリンダーを、前記電荷輸送物質(1)を主成分とする異性体混合物よりなる電荷輸送物質50重量部と、電荷輸送層用バインダー樹脂として樹脂A100重量部、シリコーンオイル(信越化学社製、商品名KF96)0.05重量部をテトラヒドロフラン/トルエン混合溶媒(テトラヒドロフラン80重量%、トルエン20重量%)640重量部に溶解させた液に浸漬塗布することにより、乾燥後の膜厚25μmの電荷輸送層を設けた。このようにして得られた感光体ドラムをA3とする。
樹脂Aを樹脂Eに変えた以外は実施例22と同様にして、感光体ドラムE3を作成した。
実施例24
樹脂Aを樹脂Mに変えた以外は実施例22と同様にして、感光体ドラムM3を作成した。
実施例25
樹脂Aを樹脂Pに変えた以外は実施例22と同様にして、感光体ドラムP3を作成した。
樹脂Aを樹脂Sに変えた以外は実施例22と同様にして、感光体ドラムS3を作成した。
表面が粗切削(Rmax=1.0)された外径30mm、長さ346mm、肉厚1.0mmのアルミニウム合金よりなるシリンダーの表面に、陽極酸化処理を行い、その後酢酸ニッケルを主成分とする封孔剤によって封孔処理を行うことにより、約6μmの陽極酸化被膜(アルマイト被膜)を形成した。
このシリンダーを先に調製した下引き層用分散液に浸漬塗布し、乾燥後の膜厚約1.3μmの下引き層を形成した。
さらに先に作製した電荷発生層用分散液β1に浸漬塗布し、乾燥後の重量が0.3g/m2(膜厚約0.3μm)となるように電荷発生層を形成した。
次に、この電荷発生層を形成したシリンダーを、前記電荷輸送物質(1)を主成分とする異性体混合物よりなる電荷輸送物質30重量部と、酸化防止剤(チバガイギー社製、Irganox1076)4重量部、電荷輸送層用バインダー樹脂として樹脂A100重量部、シリコーンオイル(信越化学社製、商品名KF96)0.05重量部をテトラヒドロフラン/トルエン混合溶媒(テトラヒドロフラン80重量%、トルエン20重量%)640重量部に溶解させた液に浸漬塗布することにより、乾燥後の膜厚25μmの電荷輸送層を設けた。このようにして得られた感光体ドラムをA4とする。
樹脂Aを樹脂Eに変えた以外は実施例26と同様にして、感光体ドラムE4を作成した。
実施例28
樹脂Aを樹脂Fに変えた以外は実施例26と同様にして、感光体ドラムF4を作成した。
実施例29
樹脂Aを樹脂Gに変えた以外は実施例26と同様にして、感光体ドラムG4を作成した。
実施例30
樹脂Aを樹脂Mに変えた以外は実施例26と同様にして、感光体ドラムM4を作成した。
実施例31
樹脂Aを樹脂Pに変えた以外は実施例26と同様にして、感光体ドラムP4を作成した。
樹脂Aを樹脂Sに変えた以外は実施例26と同様にして、感光体ドラムS4を作成した。
比較例9
樹脂Aを樹脂Tに変えた以外は実施例26と同様にして、感光体ドラムT4を作成した。
表面が粗切削(Rmax=1.2)された外径30mm、長さ350mm、肉厚1.0mmのアルミニウム合金よりなるシリンダーを、先に調製した下引き層用分散液に浸漬塗布し、膜厚約2μmの下引き層を形成した。このシリンダーを先に作製した電荷発生層用分散液β1に浸漬塗布し、乾燥後の重量が0.3g/m2(膜厚約0.3μm)となるように電荷発生層を形成した。
次に、この電荷発生層を形成したシリンダーを、前記電荷輸送物質(1)を主成分とする異性体混合物よりなる電荷輸送物質50重量部と、電荷輸送層用バインダー樹脂として樹脂A100重量部、シリコーンオイル(信越化学社製、商品名KF96)0.05重量部をテトラヒドロフラン/トルエン混合溶媒(テトラヒドロフラン80重量%、トルエン20重量%)640重量部に溶解させた液に浸漬塗布することにより、乾燥後の膜厚26μmの電荷輸送層を設けた。このようにして得られた感光体ドラムをA5とする。
樹脂Aを樹脂Bに変えた以外は実施例32と同様にして、感光体ドラムB5を作成した。
実施例34
樹脂Aを樹脂Eに変えた以外は実施例32と同様にして、感光体ドラムE5を作成した。
実施例35
樹脂Aを樹脂Fに変えた以外は実施例32と同様にして、感光体ドラムF5を作成した。
実施例36
樹脂Aを樹脂Mに変えた以外は実施例32と同様にして、感光体ドラムM5を作成した。
実施例37
樹脂Aを樹脂Pに変えた以外は実施例32と同様にして、感光体ドラムP5を作成した。
樹脂Aを樹脂Sに変えた以外は実施例32と同様にして、感光体ドラムS5を作成した。
比較例11
樹脂Aを樹脂Tに変えた以外は実施例32と同様にして、感光体ドラムT5を作成した。
Claims (4)
- 前記ポリエステルポリカーボネート構造を有する樹脂中のポリエステル部の重量割合が10%〜90%であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
- 前記ポリエステルポリカーボネート構造を有する樹脂の粘度平均分子量が15,000〜300,000であり、当該ポリエステルポリカーボネート構造のポリカーボネート部の粘度平均分子量が3,000〜50,000であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
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