JP2006330713A - 電子写真感光体、感光体カートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、感光体カートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐摩耗性及び電気的特性に優れる電子写真感光体を提供すること。
【解決手段】バインダー樹脂を含む感光層を有する電子写真感光体であって、バインダー樹脂は、ビスフェノールとジフェニルエーテルジカルボン酸クロライドとの重合体からなる、粘度平均分子量が10000〜300000であるポリアリレート樹脂から構成され、ポリアリレート樹脂中の窒素原子及び/またはリン原子の濃度を100ppm以下にすることによって、電子写真感光体の電気特性及び機械的特性を向上させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体等に関し、より詳しくは、電気的特性が良好な電子写真感光体等に関する。
電子写真技術は、即時性、高品質の画像が得られること等から、複写機、各種プリンター等の分野で広く使われている。電子写真技術の中核となる電子写真感光体については、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電物質を使用した電子写真感光体が使用されている。
有機系の電子写真感光体においては、有機光導電性物質をバインダー樹脂に溶解または分散して、塗膜を形成して用いるのが通常である。その塗膜は、有機光導電性物質とバインダー樹脂を溶解または分散後、塗布乾燥して形成される。これらの中でも、光導電性微粉末をバインダー樹脂中に分散させたいわゆる分散型感光体と、電荷発生層及び電荷移動層を積層させた積層型感光体とが知られている。
なかでも、積層型感光体は、それぞれ効率の高い電荷発生物質及び電荷移動物質を組み合わせることにより高感度な感光体が得られること、材料選択範囲が広く安全性の高い感光体が得られること、また感光層の塗布により容易に形成可能で生産性が高く、コスト面でも有利なことから感光体の主流であり、鋭意開発され実用化されている。
これらの電子写真感光体には、当然ながら適用される電子写真プロセスに応じた電気的、機械的、更には光学的特性等様々な特性が要求される。特に、繰り返し使用される感光体は、帯電、露光、現像、転写、クリーニングという電気的、機械的な力が直接的または間接的に繰り返し加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。
表面保護層等の機能層を設けない一般的な感光体の場合、感光層がこのような負荷を受ける。感光層は、通常、バインダー樹脂と光導電性物質とからなり、実質的に強度を決めるのはバインダー樹脂である。
特に、現在から将来に向けて電子写真プロセスを用いた装置において、高速化、高画質化、高安定化が更に要求されるため、バインダー樹脂には高い電気的特性と高い機械的特性とを繰り返し維持できる耐久性が特に必要となってくる。
バインダー樹脂としては、種々の熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が用いられている。なかでも、ポリカーボネート樹脂が比較的優れた性能を有することから、従来から種々開発されて実用に供されているが、上述した電子写真プロセスにおける摩耗等に対する耐久性は不充分であるという問題がある。
一方、バインダー樹脂として、強度面に優れる材料であるポリアリレート樹脂が挙げられるが、強度と電気的特性とのバランスが良好とはいえない。即ち、ポリアリレート樹脂は、エンジニアリングプラスチックとして、電気部品、自動車部品等の成型品用途において良く知られているが、電子写真感光体のバインダー樹脂としての使用は限られている。その理由としては、ポリアリレート樹脂中に含まれる不純物、残留物が、電子写真感光体の感度、残留電位等の電気的特性を低下させるためと考えられている。
そこで、ポリアリレート樹脂に混入している不純物を減少させ、電子写真感光体としての電気的特性を向上させるための検討が行われている(特許文献1〜特許文献3参照)。
特開平11−209687号公報 特開2001−201873号公報 特開2002−107971号公報
しかしながら、例えば、特許文献3に記載されているように、ポリアリレート樹脂中に含まれる残留触媒等の不純物を減少させることによって電気的特性を改良し、この樹脂を電子写真感光体のバインダー樹脂として使用する場合、電子写真感光体の機械的特性、耐摩耗性等は未だ不十分である。このため、電子写真感光体に要求される電気的特性と機械的特性強度とのバランスが改良されないという問題がある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものである。
即ち、本発明の目的は、電気的特性に優れ、且つ機械的特性に優れたバインダー樹脂から形成される電子写真感光体を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、電気的特性に優れ、且つ機械的特性に優れた電子写真感光体を有するカートリッジを提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、電気的特性に優れ、且つ機械的特性に優れた電子写真感光体を備えた画像形成装置を提供することにある。
そこで本発明者等は鋭意検討の結果、感光層に、特定原子の含有量を低減させた特定構造のバインダー樹脂を含有させることにより、電気的特性に優れ、且つ機械的特性に優れた電子写真感光体が得られることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成した。
即ち、本発明によれば、導電性基体上に感光層を設けた電子写真感光体であって、電子写真感光体を構成する感光層は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂を含み、樹脂中に含まれる窒素原子及びリン原子の濃度の和が、重量比で100ppm以下であることを特徴とする電子写真感光体が提供される。
Figure 2006330713
(一般式(1)中、Ar及びArは、置換基を有しても良いアリール基であり、Xは、単結合または2価基を表し、R、Rは、各々独立に水素原子または置換基を有しても良い1価の官能基であり、n,mは、各々独立に、0〜4の整数である。)
ここで、一般式(1)におけるR及びRが水素原子であることが好ましい。具体的には、例えば、一般式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂が、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライド等のジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体を用いて合成されることが好ましい。ここで、ジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体としては、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライド等の酸ハライド、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸メチルエステル等の酸アルキルエステル等が挙げられる。これらのジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体は、対応するジフェニルエーテルジカルボン酸類に、例えば、五塩化リンや塩化ホスホリル、塩化チオニル等を、必要に応じてジメチルホルムアミド等の含窒素触媒を用いて作用させる従前公知の方法により得ることができる。
また、一般式(1)におけるXが2価基であることが好ましい。具体的には、一般式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂が、ビスフェノール化合物を用いて合成されることが好ましい。本発明が適用される電子写真感光体は、バインダー樹脂として、一般式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂を用いることにより、電子写真感光体の電気的特性及び機械的特性を向上させることができる。
また、本発明は、所定の電位により表面が帯電される感光層を有する電子写真感光体であって、感光層は、2価フェノールとジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体との重合体からなるバインダー樹脂と、この重合体及び重合体の原料から選ばれる少なくとも一つを合成する際に使用する合成触媒の残渣に由来する、窒素原子及びリン原子から選ばれる少なくとも一つと、を含み、バインダー樹脂中の窒素原子及びリン原子の濃度の和が、重量比で100ppm以下であることを特徴とする電子写真感光体として捉えることができる。
ここで、本発明が適用される電子写真感光体は、感光層が、導電性基体上に設けられ、電荷発生物質及びバインダー樹脂を主成分とする電荷発生層と、電荷発生層上に積層され、電荷移動物質及びバインダー樹脂を主成分とする電荷移動層と、を備える構造を有する積層型感光体であることが好ましい。
また、バインダー樹脂の粘度平均分子量が、10,000〜300,000であることが好ましい。バインダー樹脂の粘度平均分子量がこの範囲の場合、感光層の成型が容易である。
一方、本発明によれば、画像形成装置に装着される感光体カートリッジであって、バインダー樹脂を含む感光層を有する電子写真感光体と、電子写真感光体を所定の電位に帯電する帯電装置と、を備え、バインダー樹脂は、2価フェノールとジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体とを重合してなるポリアリレート樹脂から構成され、ポリアリレート樹脂中の窒素原子及びリン原子の濃度の和を重量比で100ppm以下にすることによって、電子写真感光体の電気特性及び機械的特性を向上させることを特徴とする感光体カートリッジが提供される。
さらに、本発明によれば、記録すべき画像に応じて電子写真感光体上に形成されたトナー像を記録紙に転写して出力する画像形成装置であって、電子写真感光体は、2価フェノールとジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体との重合体を含む感光層を備え、感光層中に残留する、重合体及び重合体の原料から選ばれる少なくとも一つの合成触媒の残渣に由来する、窒素原子及びリン原子の濃度の和を重量比で100ppm以下にすることを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明が適用される電子写真感光体によれば、電気的特性に優れ、且つ機械的特性に優れた効果を奏する。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、発明の実施の形態)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲で種々変形して実施することが出来る。また、使用する図面は、本実施の形態を説明するために使用するものであり、実際の大きさを表すものではない。
(電子写真感光体)
本実施の形態が適用される電子写真感光体は、所定の導電性基体と、この導電性基体上に設けられた感光層とを備えている。
電子写真感光体の具体的な構成としては、例えば、導電性基体上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層と電荷移動物質及びバインダー樹脂を主成分とする電荷移動層との積層構造を有する感光層を設けた積層型感光体;導電性基体上に、電荷移動物質及びバインダー樹脂を含有する層中に電荷発生物質を分散させた感光層を設けた分散型(単層型)感光体等が挙げられる。
尚、積層型感光体の場合は、その他にも必要に応じて、例えば、導電性基体からの電荷注入を阻止する電荷阻止層、レーザー光等の光を拡散させて干渉縞の発生を防止する光拡散層等を有する場合がある。
本実施の形態が適用される電子写真感光体においては、前述した一般式(1)で表す繰り返し構造を有する樹脂は、通常、電荷輸送物質を含有する層に用いられ、好ましくは積層型感光層の電荷輸送層に用いられる。
(導電性基体)
本実施の形態が適用される電子写真感光体における導電性基体を構成する材料としては特に制限は無いが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料;金属、カーボン、酸化錫等の導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料;アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム)、酸化錫等の導電性材料を表面に蒸着又は塗布した樹脂;ガラス、紙等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。導電性基体の形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状等のものが用いられる。更に、金属材料の導電性基体の上に、導電性・表面性等の制御や欠陥被覆のために、所定の抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いても良い。
また、導電性基体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、陽極酸化被膜を施してから用いても良い。陽極酸化被膜を施した場合には、公知の方法により封孔処理を施すのが望ましい。
導電性基体の表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、導電性基体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。また、安価化のためには、切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することも可能である。
(感光層)
本実施の形態が適用される電子写真感光体における感光層は、バインダー樹脂として、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂(以下、ポリアリレート樹脂ということがある。)を含み、この樹脂中に含まれる窒素原子及びリン原子の濃度の和が、重量比で100ppm以下であることを特徴としている。
Figure 2006330713
尚、一般式(1)中、Ar及びArは、置換基を有しても良いアリール基であり、Xは、単結合または2価基を表し、R、Rは、各々独立に水素原子または置換基を有しても良い1価の官能基であり、n,mは、各々独立に、0〜4の整数である。
(樹脂中の窒素原子及びリン原子)
本実施の形態において使用するポリアリレート樹脂中には、通常、ポリアリレート樹脂を合成する際に使用される合成触媒の残渣が残留していると考えられる。合成触媒としては、後述するように、ポリアリレート樹脂をモノマー成分の重合反応によって合成する際に使用する重合触媒、ジフェニルエーテルジカルボン酸類を合成する際に使用する重合触媒、ジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体をジフェニルエーテルジカルボン酸類から合成する際に使用する触媒等が挙げられる。尚、本実施の形態においては、これらの重合触媒及び原料物質の合成に使用する触媒を単に合成触媒と称することがある。
本実施の形態が適用される電子写真感光体においては、このポリアリレート樹脂中に含まれる合成触媒の残渣に由来する窒素原子及びリン原子の濃度の和が、重量比で100ppm以下であることにより、電子写真感光体の電気的特性が向上し且つ耐摩耗性に優れた効果を奏することに特徴を有している。
本実施の形態が適用される電子写真感光体が、電気的特性に優れ且つ耐摩耗性に優れた効果を奏する理由を以下に説明する。
即ち、一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂は、通常、ポリアリレート樹脂を構成するジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体と2価フェノールとの重合反応により製造される(尚、ポリアリレート樹脂の製造方法の詳細については後述する)。重合反応においては、重合触媒等として、通常、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド等の窒素化合物またはテトラブチルホスホニウムブロマイド等のリン化合物が添加される。これらの化合物は有機相へ混入するため、回収したポリマー中に、窒素化合物やリン化合物が触媒残渣等として残存することが考えられる。また、2価フェノールの合成に用いる触媒の残渣も考えられる。
また、ジフェニルエーテルジカルボン酸類は、通常、芳香族ハライドを、トリエチルアミン等の有機塩基化合物の存在下、パラジウム化合物及びホスフィン化合物からなるカルボニル触媒を用いて合成される(例えば、特許第3000220号公報、「触媒」vol.36,No.8,p.580,1994年参照)。そして、ジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体は、通常、ジフェニルエーテルジカルボン酸類に、五塩化リン、塩化ホスホリル、塩化チオニル等を、必要に応じてジメチルホルムアミド等の含窒素触媒を用いて作用させることで合成される。このため、当該ジフェニルエーテルジカルボン酸類から得られるジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体にも、有機塩基化合物やカルボニル触媒に由来する窒素やリンを含有する残渣が残存しやすい。
従来、ポリアリレート樹脂中に残存すると考えられるこのような触媒残渣等の不純物は、ポリアリレート樹脂を、例えば、電子写真感光体以外の他の成型品用途において使用する場合は、特に問題とされることがない。また、電子写真感光体として用いられる場合であっても、電子写真プロセスが低速である場合は、窒素化合物やリン化合物等の残渣が電気特性に及ぼす影響は極めて小さいと考えられているため、敢えて多大な労力をかけて低減させる必要があると考えられていなかった。
しかし、近年、電子写真プロセスの高速化が進み、さらに、電子写真感光体には画像形成の高画質化及び高安定化が求められている。このような状況の下、本発明者等は、電子写真感光体の電気特性を低下させる原因が、バインダー樹脂中に含まれる前述した重合触媒や合成触媒の触媒残渣に由来する窒素化合物やリン化合物であることを見出した。特に、10m/分を超えるような高速プロセスにおいて特段の効果を奏する。また、特に、バインダー樹脂として、一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂を用いる場合に、触媒残渣に由来する窒素化合物やリン化合物の影響が大きいことから、これらを低減することにより、電子写真感光体の電気特性を向上させることが可能である。
このような合成触媒の残渣に由来する窒素化合物やリン化合物を低減させ、ポリアリレート樹脂中に含まれる窒素原子及びリン原子の濃度を減少させる具体的方法としては、従来公知の処理方法を採用することができ、特に限定されない。例えば、ポリアリレート樹脂を重合する際の重合触媒の使用量の低減、ジフェニルエーテルジカルボン酸類及びジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体の合成触媒等の使用量の低減、親油性の低い化学構造を有する重合触媒の選定、ポリアリレート樹脂の洗浄回数の増加、ポリアリレート樹脂を溶解させた溶液を貧溶媒中に再沈殿させる再沈精製操作の繰り返し等が挙げられる。
また、ジフェニルエーテルジカルボン酸類及びジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体を、再結晶法、再沈殿法、蒸留法、昇華法、カラムクロマトグラム法、白土法等によって、重合反応に用いる前に精製すること等が挙げられる。
一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂中に含まれる窒素原子及びリン原子の合計量の濃度は、通常、100ppm以下、好ましくは、50ppm以下、より好ましくは30ppmである。
尚、ポリアリレート樹脂中に含まれる窒素原子及びリン原子の残存量は、通常、NMR法、ガスクロマトグラフ法、液体クロマトグラフ法、元素分析法、発光分析法、原子吸光法等の分析手段によって測定される。
(ポリアリレート樹脂)
次に、ポリアリレート樹脂について説明する。
本実施の形態において使用する一般式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂は、通常、下記構造式で示されるジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体(A)と2価フェノール(B)との重合反応により製造される
Figure 2006330713
Figure 2006330713
ここで、ジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体(A)中のR、Rは、各々独立に水素原子または置換基を有しても良い1価の官能基であり、n、mは、各々独立に、0〜4の整数であり、Yは、ハロゲン原子、アルコキシ基又は水酸基である。また、2価フェノール(B)中の、Ar及びArは、置換基を有しても良いアリール基であり、Xは、単結合または2価基を表している。
(ジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体(A))
ジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体(A)中のR、Rが表す1価の官能基としては、例えば、炭素数1〜炭素数8のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、感光層用バインダー樹脂としての感光層形成用塗布液に対する溶解性を勘案すれば、アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜炭素数8のアルキル基、さらに好ましくは炭素数1〜炭素数2のアルキル基である。
さらに、感光層用バインダー樹脂としては、構造式(A)において、n=m=0であるジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体が、特に好ましい。
ジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体(A)の具体例としては、例えば、ジフェニルエーテル−2,2’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,3’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸等の酸ハライドが挙げられる。
これらの中でも、ジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体(A)の製造の簡便性を考慮すれば、ジフェニルエーテル−2,2’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、およびこれらの誘導体が好ましく、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸及びその誘導体が特に好ましい。
これらのジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体(A)として例示した化合物は、必要に応じて複数の化合物を組み合わせて用いることも可能である。
(2価フェノール(B))
2価フェノール(B)におけるAr及びArは、置換基を有しても良いアリール基を表している。Ar及びArで示されるアリール基が有することがある置換基としては、特に限定されないが、例えば、炭素数1〜炭素数8のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、感光層用バインダー樹脂としての感光層形成用塗布液に対する溶解性を勘案すれば、アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜炭素数8のアルキル基、さらに好ましくは炭素数1〜炭素数2のアルキル基である。
2価フェノール(B)におけるXは、単結合または2価基を表している。2価基としては、例えば、硫黄原子、酸素原子、スルホニル基、または(−CR−)が挙げられる。
ここで、R、Rは、各々独立に水素原子、炭素数1〜炭素数10のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;またはR、Rが結合することによって形成されるシクロアルキリデン基を表す。
これらの中でも、アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜炭素数8のアルキル基、さらに好ましくは炭素数1〜炭素数2のアルキル基である。また、R、Rが結合することによって形成されるアルキリデン基としては、炭素数3〜炭素数8のシクロアルキリデン基が好ましい。
2価フェノール(B)におけるXの具体例としては、例えば、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、シクロヘキシレン基等が挙げられる。これらの中でも特に好ましいのは、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、シクロヘキシリデン基である。
2価フェノール(B)の具体例として、例えば、ビフェニル化合物、ビスフェノール化合物が挙げられる。
ビフェニル化合物としては、例えば、4,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ(t−ブチル)−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラ(t−ブチル)−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−2,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ(t−ブチル)−2,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ(t−ブチル)−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル等が挙げられる。
ビスフェノール化合物として、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等の芳香族環上に置換基を有しないビスフェノール化合物;
ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)基を有するビスフェノール化合物;ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン;フェノールフタルレイン;(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1−(2−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1−(2−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(2−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族環上に1個の置換基を有するビスフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)シクロヘキサン等の(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)基を有するビスフェノール化合物;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−(sec−ブチル)フェニル)プロパン等の(4−ヒドロキシ−3−アルキルフェニル)基を有するビスフェノール化合物;ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)プロパン;ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェノール)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェノール)メタン、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェノール)プロパン等の(2−ヒドロキシ−アルキルフェニル)基を有するビスフェノール化合物;ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル等のビスフェノール化合物等の芳香族環上に2個の置換基を有するビスフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)シクロヘキサン等の芳香族環上に3個の置換基を有するビスフェノール化合物;ビス(4−ヒドロキシフェニル)(フェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(ジフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(ジベンジル)メタン等のフェニル基を連結する基が芳香族環を含む基を有するビスフェノール化合物;
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド等のフェニル基を酸素原子または硫黄原子で連結した化合物等が挙げられる。
2価フェノール(B)の中でも、ビスフェノール化合物が好ましい。これらの2価フェノール(B)として例示した化合物は、必要に応じて複数の化合物を組み合わせて用いることも可能である。
(ポリアリレート樹脂の製造方法)
次に、一般式(1)で表されるポリアリレート樹脂の製造方法について説明する。
一般式(1)で表されるポリアリレート樹脂の製造方法としては、特に限定されず、例えば、界面重合法、溶融重合法、溶液重合法等の公知の重合方法を用いることができる。これらの重合法の中では、重合温度や反応制御、ポリマーの洗浄、回収等の操作性を鑑みると、界面重合法が適している。
界面重合法による製造の場合は、例えば、2価フェノールをアルカリ水溶液に溶解させた溶液と、2価カルボン酸クロライド成分を溶解させたハロゲン化炭化水素の溶液とを混合させる。この際、重合触媒として、例えば、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド等の窒素化合物またはテトラブチルホスホニウムブロマイド等のリン化合物を添加することが、生産性の面から見ても一般的である。
また、重合温度は、通常、0℃〜40℃の範囲であり、重合時間は、通常、2時間〜20時間の範囲であることが好ましい。重合終了後、水相と有機相を分離し、有機相中に溶解しているポリマーを公知の方法で、洗浄、回収することにより、目的とするポリアリレート樹脂が得られる。
ここで、2価フェノールのアルカリ水溶液を調製するために使用するアルカリ成分としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等が挙げられる。アルカリ成分の使用量としては、通常、反応系中に含まれるフェノール性水酸基の1.01〜3倍当量の範囲が好ましい。
また、2価カルボン酸クロライドのハロゲン化炭化水素溶液を調製するために使用するハロゲン化炭化水素としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2ージクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロルベンゼン等が挙げられる。
重合触媒として窒素化合物及びリン化合物が挙げられる。窒素化合物としては、例えば、3級アミンの塩酸、臭素酸、ヨウ素酸等の塩が挙げられる。具体例としては、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
リン化合物としては、3級リン化合物の塩酸、臭素酸、ヨウ素酸等の塩が挙げられる。具体例としては、例えば、テトラブチルホスホニウムブロマイド、トリエチルオクタデシルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムクロライド、Nーラウリルピリジニウムクロライド、ラウリルピコリニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド等が挙げられる。これらの化合物は、複数組み合わせて用いることも可能である。
また、重合反応の際に必要に応じて、分子量調節剤が添加される。分子量調節剤としては、例えば、フェノール、o,m,p−クレゾール、o,m,p−エチルフェノール、o,m,p−プロピルフェノール、o,m,p−(tert−ブチル)フェノール、ペンチルフェノール、ヘキシルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、2,6−ジメチルフェノール誘導体及び2−メチルフェノール誘導体等のアルキルフェノール類、o,m,p−フェニルフェノール等の一官能性のフェノール、酢酸クロリド、酪酸クロリド、オクチル酸クロリド、塩化ベンゾイル、ベンゼンスルフォニルクロリド、ベンゼンスルフィニルクロリド、スルフィニルクロリド、ベンゼンホスホニルクロリドやそれらの置換体等の一官能性酸ハロゲン化物等が挙げられる。
これら分子量調節剤の中でも、分子量調節能が高く、且つ溶液安定性の点で好ましいのは、o,m,p−(tert−ブチル)フェノール、2,6−ジメチルフェノール誘導体、2−メチルフェノール誘導体であり、特に好ましくは、p−(tert−ブチル)フェノール、2,5−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノールであり、これらの分子量調節剤を複数組み合わせて用いることも可能である。
本実施の形態において使用する一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂の粘度平均分子量は、特に限定されないが、感光層を塗布形成するのに適するよう、通常、10,000以上、好ましくは、15,000以上、さらに好ましくは20,000以上である。但し、粘度平均分子量は、通常、300,000以下、好ましくは200,000以下、より好ましくは100,000以下である。粘度平均分子量が過度に低いと、ポリアリレート樹脂の機械的強度が低下し実用的ではない。また、粘度平均分子量が過度に高いと、感光層を適当な膜厚に塗布形成する事が困難である。
尚、本実施の形態が適用される電子写真感光体における感光層には、一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂以外に、他の樹脂と混合して用いることができる。ここで混合される他の樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体またはその共重合体;他のポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱可塑性樹脂または種々の熱硬化性樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の中でも、他のポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂が好ましい。また、併用する樹脂の混合割合は、特に限定されないが、通常、一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂の割合を超えない範囲で併用することが好ましい。
次に、本実施の形態が適用される電子写真感光体の感光層の構成について説明する。
(電荷発生層)
本実施の形態が適用される電子写真感光体が積層型感光体の場合、感光層を構成する電荷発生層には電荷発生物質が含有される。
電荷発生物質としては、例えば、セレン及びその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料;フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等の有機顔料等の各種光導電材料が挙げられる。これらの中でも、特に、有機顔料、更に、フタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましい。
これらの電荷発生物質の微粒子は、通常、各種バインダー樹脂で結着した形で使用される。各種バインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテル等が挙げられる。電荷発生物質の使用量は、特に限定されないが、通常、バインダー樹脂100重量部に対して30重量部〜500重量部の範囲で使用される。尚、電荷発生層の膜厚は、通常、0.1μm〜1μm、好ましくは、0.15μm〜0.6μmが好適である。
電荷発生物質としてフタロシアニン化合物を用いる場合、具体的には、無金属フタロシアニンの他、金属またはその酸化物、ハロゲン化物等が配位したフタロシアニン類が使用される。フタロシアニンと配位する金属としては、例えば、銅、インジウム、ガリウム、錫、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム等が挙げられる。また、3価以上の金属原子への配位子の例としては、酸素原子、塩素原子の他、水酸基、アルコキシ基等が挙げられる。フタロシアニン化合物としては、特に、感度の高いX型、τ型等の無金属フタロシアニン、A型、B型、D型等のチタニルフタロシアニン、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが好適である。
尚、前述したチタニルフタロシアニンの結晶型のうち、A型、B型についてはW.HellerらによってそれぞれI相、II層として示されており(Zeit.Kristallogr.159(1982)173)、A型は安定型として知られているものである。D型は、CuKα線を用いた粉末X線回折において、回折角2θ±0.2°が27.3°に明瞭なピークを示す結晶型である。フタロシアニン化合物は単一の化合物のみを用いても良いし、いくつかの混合状態でも良い。ここでのフタロシアニン化合物または結晶状態における混合状態として、それぞれの構成要素を後から混合して用いても良いし、合成、顔料化、結晶化等のフタロシアニン化合物の製造・処理工程において混合状態を生じせしめたものでも良い。このような処理としては、酸ペースト処理、磨砕処理、溶剤処理等が知られている。
(電荷輸送層)
本実施の形態が適用される電子写真感光体が積層型感光体である場合、感光層を構成する電荷輸送層には電荷輸送物質が含有される。
電荷輸送物質としては、例えば、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物;テトラシアノキシジメタン等のシアノ化合物;ジフェノキノン等のキノン類等の電子吸引性物質;カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、チアジアゾール誘導体等の複素環化合物;アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン化合物またはこれらの化合物が複数結合されたもの;あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体等の電子供与性物質が挙げられる。
これらの中でも、カルバゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体及びこれらの誘導体が複数結合されたものが好ましく、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体の複数結合されてなるものが好ましい。
これら電荷輸送物質の中でも、具体的には、下記一般式(2)で表される構造を有するものが好ましく用いられる。
Figure 2006330713
ここで、一般式(2)中、Ar〜Arは各々独立して、置換基を有しても良いアリーレン基又は置換基を有しても良い2価の複素環基を表す。m,mは、各々独立して0または1を表す。m=0の場合のAr、m=0の場合のArは、それぞれ置換基を有しても良いアリール基、または置換基を有しても良い1価の複素環基である。m=1の場合のAr、m=1の場合のArは、それぞれ置換基を有しても良いアリーレン基、または置換基を有しても良い2価の複素環基を表す。
具体的には、アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ピレニル基等が挙げられ、炭素数6〜炭素数14のアリール基が好ましい。アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられ、フェニレン基が好ましい。また、Ar〜Arは互いに結合して環状構造を形成しても良い。
一般式(2)中、Qは、直接結合または2価の残基を表す。R〜R12は、各々独立して水素原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアリール基、または置換基を有しても良い複素環基を表す。
一般式(2)中、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、これらの中でも、炭素数1〜炭素数6のアルキル基が好ましい。
アルキル基がアリール置換基を有する場合は、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられ、炭素数7〜炭素数12のアラルキル基が好ましい。
アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ピレニル基等が挙げられ、炭素数6〜炭素数12のアリール基が好ましい。
複素環基は、芳香族性を有する複素環が好ましく、例えばフリル基、チエニル基、ピリジル基等が挙げられ、単環の芳香族複素環が更に好ましい。
〜R12において、最も好ましいものは、メチル基及びフェニル基である。
一般式(2)中、1価の複素環基としては、芳香族性を有する複素環が好ましく、例えばフリル基、チエニル基、ピリジル基等が挙げられ、単環の芳香族複素環が更に好ましい。2価の複素環基としては、芳香族性を有する複素環が好ましく、例えば,ピリジレン基、チエニレン基等が挙げられ、単環の芳香族複素環が更に好ましい。これらのうち、最も好ましいものは、Ar及びArはフェニレン基であり、Arはフェニル基である。
一般式(2)中、R〜R12及びAr〜Arで表される基のうち、アルキル基、アリール基、アラルキル基、複素環基は、さらに置換基を有していても良い。
その置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基;メトキシ基,エトキシ基,プロピルオキシ基等のアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基等のアルキルチオ基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基;フェノキシ基、トリロキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基,フェネチルオキシ基等のアリールアルコキシ基;フェニル基,ナフチル基等のアリール基;スチリル基,ナフチルビニル基等のアリールビニル基;アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基等のジアリールアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基等のジアラルキルアミノ基、ジピリジルアミノ基、ジチエニルアミノ基等のジ複素環アミノ基;ジアリルアミノ基または上述したアミノ基の置換基を組み合わせたジ置換アミノ基等の置換アミノ基;さらに、シアノ基;ニトロ基;水酸基等が挙げられる。
これらの置換基は互いに結合して、単結合、メチレン基、エチレン基、カルボニル基、ビニリデン基、エチレニレン基等を介した環状炭化水素基や複素環基を形成しても良い。
これらの中、好ましい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭素数6〜12のアリールチオ基、炭素数2〜8のジアルキルアミノ基が挙げられ、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基が更に好ましく、メチル基、フェニル基が特に好ましい。
一般式(2)中、n〜nは、各々独立して0〜4の整数を表し、0〜2が好ましく、1が特に好ましい。m、mは0または1を表し、0が好ましい。
一般式(2)中、Qは、直接結合または2価の残基を表す。2価の残基として好ましいものは、16族原子、置換基を有しても良いアルキレン基、置換基を有しても良いアリーレン基、置換基を有しても良いシクロアルキリデン基、またはこれらが互いに結合した、例えば[−O−Z−O−]、[−Z−O−Z−]、[−S−Z−S−]、[−Z−Z−]等が挙げられる(但し、Oは酸素原子、Sは硫黄原子、Zは置換基を有しても良いアリーレン基または置換基を有しても良いアルキレン基を表す)。
Qを構成するアルキレン基としては、炭素数1〜炭素数6のものが好ましく、中でもメチレン基及びエチレン基が更に好ましい。また、シクロアルキリデン基としては、炭素数5〜8のものが好ましく、中でもシクロペンチリデン基及びシクロヘキシリデン基が更に好ましい。アリーレン基としては、炭素数6〜炭素数14のものが好ましく、中でもフェニレン基及びナフチレン基が更に好ましい。
また、これらアルキレン基、アリーレン基、シクロアルキリデン基は置換基を有しても良く、好ましい置換基としては、水酸基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、炭素数1〜炭素数6のアルキル基、炭素数1〜炭素数6のアルケニル基、炭素数6〜炭素数14のアリール基が挙げられる。
本実施の形態が適用される電子写真感光体の感光層を構成する電荷輸送層に含有される電荷輸送物質の具体例としては、例えば、特開平9−244278号公報に記載されるアリールアミン系化合物、特開2002−275133号公報に記載されるアリールアミン系化合物が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独で用いても良いし、いくつかを混合して用いても良い。これらの電荷輸送物質がバインダー樹脂に結着した形で電荷輸送層が形成される。電荷輸送層は、単一の層から成っていても良いし、構成部分あるいは組成比の異なる複数の層を重ねたものでも良い。
前述した一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂からなるバインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、通常、バインダー樹脂100重量部に対して電荷輸送物質30重量部〜200重量部、好ましくは40重量部〜150重量部の範囲で使用される。また電荷輸送層の膜厚は、通常、5μm〜50μm、好ましくは10μm〜45μmである。
尚、電荷輸送層には成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性等を向上させるために周知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、電子吸引性物質、染料、顔料、レベリング剤等の添加物を含有させても良い。酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物が挙げられる。また染料、顔料の例としては、各種の色素化合物、アゾ化合物が挙げられる。
(分散型(単層型)感光層)
分散型感光層の場合には、上述したバインダー樹脂と電荷輸送物質とからなる電荷輸送媒体中に、上述した電荷輸送物質が分散される。
電荷輸送物質の粒子径は充分小さいことが必要であり、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下で使用される。感光層内に分散される電荷発生物質の量が過度に少ないと充分な感度が得られず、過度に多いと、帯電性の低下、感度の低下等の弊害がある。電荷発生物質の使用量は、好ましくは0.5重量%〜50重量%、より好ましくは1重量%〜20重量%の範囲で使用される。
分散型感光層の膜厚は、通常、5μm〜50μm、より好ましくは10μm〜45μmで使用される。またこの場合にも成膜性、可撓性、機械的強度等を改良するための公知の可塑剤、残留電位を抑制するための添加剤、分散安定性向上のための分散補助剤、塗布性を改善するためのレベリング剤、界面活性剤、例えば、シリコーンオイル、フッ素系オイルその他の添加剤が添加されていても良い。分散型感光層の上に、分散型感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物当による分散型感光層の劣化を防止・軽減する目的で保護層を設けても良い。また、電子写真感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を軽減する目的で、表面の層にはフッ素系樹脂、シリコーン樹脂等を含んでいても良い。また、これらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を含んでいても良い。
(電子写真感光体の調製方法)
本実施の形態が適用される電子写真感光体の調製方法は、特に限定されないが、通常、導電性基体上に、一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂を含有する感光層形成塗布液を、例えば、浸漬塗布法、スプレー塗布法、ノズル塗布法、バーコード塗布法、ロールコート法、ブレード塗布法等の公知の方法により塗布して形成される。これらの中でも生産性の高さから浸漬塗布法が好ましい。尚、ポリアリレート樹脂中に含まれる窒素原子及びリン原子の合計量の濃度は100ppm以下である。
(下引き層)
本実施の形態が適用される電子写真感光体は、導電性基体と感光層との間に、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。下引き層としては、例えば、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したもの等が用いられる。下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子等が挙げられる。これらの金属酸化物粒子は、1種類の粒子のみを用いても良いし複数の種類の粒子を混合して用いても良い。
これらの中でも、酸化チタン及び酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていても良い。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。複数の結晶状態のものが含まれていても良い。また、金属酸化物粒子の粒径としては、種々のものが利用できるが、中でも特性及び液の安定性の面から、平均一次粒径として10nm以上100nm以下が好ましく、特に好ましいのは、10nm以上50nm以下である。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、フェノキシ、エポキシ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化剤とともに硬化した形で使用できるが、中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は良好な分散性、塗布性を示し好ましい。
バインダー樹脂に対する金属酸化物粒子の配合組成比は、特に限定されないが、通常、10重量%〜500重量%の範囲で使用することが、分散液の安定性、塗布性の面で好ましい。尚、下引き層の膜厚は、特に限定されないが、感光体特性及び塗布性から0.1μm〜20μmが好ましい。また下引き層には、公知の酸化防止剤等を添加しても良い。
(画像形成装置)
次に、本実施の形態が適用される電子写真感光体を用いた画像形成装置の一例について説明する。
図1は、画像形成装置を説明するための概略図である。図1に示された画像形成装置10は、電子写真感光体1、帯電手段としての帯電装置2、露光手段としての露光装置3、現像手段としての現像装置4、転写手段としての転写装置5及び定着手段としての定着装置7を主要な構成としている。また、電子写真感光体1に付着した残留トナーを掻き落とし回収するクリーニング手段としてのクリーニング装置6を備えている。
電子写真感光体1は、円筒状の導電性基体の表面に、前述した一般式(1)で表される樹脂を含有する感光層を設けたドラム状の形状を有している。本実施の形態では、樹脂中に含まれる窒素原子及び/またはリン原子の濃度は100ppm以下である。
帯電装置2は、電子写真感光体1を帯電させるロール型の帯電ロールを有している。帯電装置2は、例えば、コロトロンまたはスコロトロン等のコロナ帯電装置、帯電ブラシ等の接触型帯電装置等が良く用いられる。
尚、電子写真感光体1及び帯電装置2は、多くの場合、この両方を備えたカートリッジ(以下、感光体カートリッジと言うことがある)として、画像形成装置10の本体から取り外し可能に設計されている。そして、例えば、電子写真感光体1や帯電装置2が劣化した場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置10本体から取り外し、別の新しい感光体カートリッジを画像形成装置10本体に装着することができる(図示せず)。
露光装置3は、電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成する。露光装置3は、電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成できるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、ハロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザーやHe−Neレーザー等のレーザー、LED等が挙げられる。また、感光体内部露光方式によって露光を行うこともできる。露光を行う際に使用する光は特に限定されないが、例えば、波長780nmの単色光、波長600nm〜700nmのやや短波長寄りの単色光、波長380nm〜500nmの短波長の単色光等が挙げられる。
現像装置4は、電子写真感光体1表面にトナー(T)を供給する。現像装置4は、内部にトナー(T)が貯留されている現像槽41を備えている。さらに、現像槽41は、トナー(T)を攪拌するアジテータ42と、貯留されているトナー(T)を担持して後述する現像ロール44に供給する供給ロール43と、電子写真感光体1及び供給ロール43に各々当接し、供給ロール43によって供給されるトナー(T)を担持して電子写真感光体1の表面に接触させる現像ロール44と、現像ロール44に当接する規制部材45と、を有している。また、必要に応じ、ボトル、カートリッジ等の容器から現像槽41にトナー(T)を補給する補給装置(図示せず)を付帯させても良い。現像装置4の種類に特に制限はなく、例えば、カスケード現像、一成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像等の乾式現像方式や、湿式現像方式等の任意の装置を用いることができる。
アジテータ42は、回転駆動機構によってそれぞれ回転され、トナー(T)を攪拌するとともに、トナー(T)を供給ロール43側に搬送する。アジテータ42は、羽根形状、大きさ等を違えて複数設けても良い。供給ロール43は、例えば、導電性スポンジ等から形成される。
現像ロール44は、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル等の金属ロールまたは金属ロールにシリコーン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等を被覆した樹脂ロール等からなる。現像ロール44の表面には、必要に応じて、平滑加工や粗面加工を加えても良い。
規制部材45は、シリコーン樹脂やウレタン樹脂等の樹脂ブレード、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鍮、リン青銅等の金属ブレード又は金属ブレードに樹脂を被覆したブレード等により形成されている。規制部材45は、現像ロール44に当接し、ばね等によって現像ロール44側に所定の力で押圧(一般的なブレード線圧は5〜500g/cm)される。必要に応じて、規制部材45にトナー(T)との摩擦帯電によりトナー(T)に帯電を付与する機能を具備させても良い。尚、供給ロール43及び現像ロール44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。
トナー(T)の種類は特に限定されないが、通常、粉状トナーのほか、懸濁重合や乳化重合法等を用いた重合トナー等を用いることができる。特に、重合トナーを用いる場合には径が4μm〜8μm程度の小粒径のものが好ましく、また、トナー(T)の粒子の形状も球形に近いものからポテト状の球状から外れたものまで様々に使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。
尚、多くの場合、トナー(T)はトナーカートリッジ中に蓄えられて、画像形成装置10本体から取り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナー(T)が無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置10本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1、帯電装置2及びトナー(T)が備えられたカートリッジを用いることもできる。
転写装置5は、トナー(T)の帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(P)に転写する。転写装置5は、図示しないが、電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー、転写ロール、転写ベルト等から構成されている。また、転写装置5の種類に特に制限はなく、例えば、コロナ転写、ロール転写、ベルト転写等の静電転写法、圧力転写法、粘着転写法等、任意の方式を用いた装置を使用することができる。
クリーニング装置6は、特に限定されないが、例えば、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ロールークリーナー、ブレードクリーナー等、任意のクリーニング装置を用いることができる。クリーニング装置6は、電子感光体1に付着している残留トナーを掻き落とし、回収するものである。尚、残留トナーが少ない場合、または殆ど無い場合は、クリーニング装置を設けなくてもよい。
定着装置7は、記録紙(P)に転写されたトナー像を定着させる。定着装置7は、定着ロールからなる上部定着部材71と、上部定着部材71に当接する加圧ロールからなる下部定着部材72と、上部定着部材71の内部に設けられた加熱装置73と、を有している。尚、加熱装置73は下部定着部材72内部に設けても良い。
上部定着部材71または下部定着部材72は、ステンレス、アルミニウム等の金属素管にシリコーンゴムを被覆した定着ロール、テフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シート等の公知の熱定着部材を使用することができる。
更に、上部定着部材71または下部定着部材72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としても良く、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としても良い。尚、定着装置7の種類に特に限定はなく、例えば、熱ロール定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着等、任意の方式による定着装置を設けることができる。
次に、画像形成装置10の作用について説明する。
電子写真感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位(例えば、−600V)に帯電される。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させても良い。続いて、帯電された電子写真感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。次に、電子写真感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行う。即ち、現像装置4は、供給ロール43により供給されるトナー(T)を、現像ブレード等の規制部材45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは、電子写真感光体1の帯電電位と同極性であり、負極性である。)に摩擦帯電させ、現像ロール44に担持しながら搬送して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
現像ロール44に担持された帯電トナー(T)が電子写真感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が電子写真感光体1の感光面に形成される。続いて、このトナー像は、転写装置5によって記録紙(P)に転写される。この後、転写されずに電子写真感光体1の感光面に残留しているトナー(T)は、クリーニング装置6で除去される。記録紙(P)上に転写されたトナー(T)は、所定温度に加熱された上部定着部材71と下部定着部材72との間を通過する際、トナー(T)が溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙(P)上にトナー(T)が定着され、最終的な画像が得られる。
尚、画像形成装置10は、前述した構成に加え、例えば、除電工定を行うことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体1に露光を行うことで、電子写真感光体1の除電を行う工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
また、画像形成装置10は更に変形して構成しても良く、例えば、前露光工程、補助帯電工程等の工程を行うことができる構成としたり、オフセット印刷を行う構成としたり、更には複数種のトナー(T)を用いたフルカラータンデム方式の構成としても良い。
以下、実施例に基づき本実施の形態をさらに具体的に説明する。尚、本実施の形態は実施例に限定されない。尚、実施例及び比較例中の部及び%は、特に指定しない限り重量基準である。
(1)粘度平均分子量
ウベローデ型毛細管粘度計(ジクロロメタンの流下時間t:136.16秒)を用いて、20.0℃において、樹脂のジクロロメタン溶液(濃度:6.00g/L)の流下時間(t)を測定し、以下の式に基づき、樹脂の粘度平均分子量(Mv)を算出した。
ηsp=(t/t)−1
a=0.438×ηsp+1
b=100×(ηsp/C)
C=6.00[g/L]
η=b/a
Mv=3207×η1.205
(2)窒素原子及びリン原子含有量
樹脂中に含まれる窒素原子は、微量全窒素分析装置(ダイアインスツルメンツ株式会社製TN−10)にて測定した。また、樹脂中に含まれるリン原子は、湿式分解後、誘導結合プラズマー発光分光分析装置(ICP−AES)(JOBIN YVON株式会社製JY38S)にて測定した。結果を表1に示す。
(3)電子写真感光体の調製
(オキシチタニウムフタロシアニン)10重量部と、(4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2)150重量部とを混合し、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行って、顔料分散液を製造した。尚、オキシチタニウムフタロシアニンは、CuKα線によるX線回折において、ブラッグ角(2θ±0.2)9.3°、10.6°、13.2°、15.1°、15.7°、16.1°、20.8°、23.3°、26.3°、27.1°に強い回折ピークを示す。
この顔料分散液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業株式会社製:商品名デンカブチラール#6000C)5重量%、1,2−ジメトキシエタン溶液50重量部、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド株式会社製:商品名PKHH)5重量%、1,2−ジメトキシエタン溶液50重量部を混合し、更に、適量の1,2−ジメトキシエタンを加え、固形分濃度4.0%の電荷発生層形成用塗布液を調整した。
この電荷発生層形成用塗布液を、表面にアルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートシート上に、乾燥後の膜厚が0.4μmになるように塗布、乾燥して電荷発生層を設けた。
次に、この電荷発生層上に、前述した電荷輸送層形成用塗布液を、乾燥後の膜厚が20μmとなるように塗布し、125℃で20分間乾燥して電荷輸送層を形成し、表1に示す電子写真感光体を調製した。
電荷輸送層形成用塗布液は、表1中に示す樹脂または樹脂混合物100重量部、酸化防止剤(イルガノックス1076)8重量部、レベリング剤であるシリコーンオイル0.03重量部、及び、下記に示す化学構造を有する電荷輸送物質(1)を主成分とする異性体からなる電荷輸送物質50重量部を、テトラヒドロフラン/トルエン混合溶媒(テトラヒドロフラン80重量%、トルエン20重量%)640重量部に混合して調製した。
Figure 2006330713
(4)電気特性試験
電子写真学会測定標準に準拠した電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、第404頁〜405頁記載)を使用し、予め調整した、後述する電子写真感光体を直径30mmのアルミニウム製ドラムに貼り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと電子写真感光体シートのアルミニウム基体との導通を取った上で、ドラムを毎分110回転の回転数で回転させ(プロセススピード10.4m/分)、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行った。
初期表面電位を(−700)V、露光光として780nm、除電光として660nmの単色光を用い、露光光を2.4μJ/cm照射した時点の表面電位(VL)を測定した。
VL測定に際しては、露光から電位測定に要する時間を139msとした。環境測定は、温度25℃、相対湿度50%(NN環境)と、温度5℃、相対湿度10%(LL環境)とで行った。VL値の絶対値が小さいほど応答性が良い(単位:−V)。結果を表1に示す。
(5)摩耗試験
予め調製した、後述する電子写真感光体を直径10cmの円状に切断して試験片を調製し、これを、テーバー摩耗試験機(東洋精機株式会社製)を用いて、摩耗輪接触中心の移動速度が16m/分となる条件で摩耗試験を行った。試験条件は、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下、摩耗輪CS−10Fを用いて、荷重なし(摩耗輪の自重)で1000回回転後の摩耗量を試験前後の重量を比較することにより測定した。摩耗量が少ないほど耐磨耗性が良好である(単位:mg)。結果を表1に示す。
(6)ポリエステル樹脂の製造例
以下の製造方法により、4種類のポリエステル樹脂(樹脂A1、樹脂A2、樹脂B1、樹脂B2)を調製した。
(製造例1(樹脂A1))
1000mLビーカ−に水酸化ナトリウム(22.34g)とHO(940mL)を量り取り、攪拌しながら溶解させた。そこに1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン(51.04g)を添加、攪拌、溶解した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。次いで、重合触媒(0.0024mol)及び2,3,5−トリメチルフェノール(1.0613g)を順次反応槽に添加した。
別途、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライド(63.37g)とジクロロメタン(470mL)の混合溶液を滴下ロート内に移した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに、5時間攪拌を続けた後、ジクロロメタン(783mL)を加え、撹拌を7時間続けた。その後、酢酸(8.10mL)を加え30分攪拌した後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(942mL)にて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸(942mL)にて洗浄を2回行い、さらにHO(942mL)にて洗浄を2回行った。溶媒を溜去、乾燥して樹脂A1(粘度平均分子量47,900)を得た。樹脂A1の繰り返し構造を以下に示す。
Figure 2006330713
(製造例2(樹脂A2))
樹脂A2の製造は、ヘキサンから再結晶を行って十分に精製したジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライドを用い、さらに、0.1N塩酸による洗浄回数を4回に増やした以外は、樹脂A1と同様な操作を行い樹脂A2(粘度平均分子量47,200)を得た。樹脂A2の繰り返し構造を以下に示す。
Figure 2006330713
(製造例3(樹脂B1))
500mLビーカーに水酸化ナトリウム(12.63g)とHO(423mL)を量り取り、攪拌しながら溶解させた。そこに、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン(21.19g)及びビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(以下、p,p’−BPFということがある)、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン(以下、o,p’−BPFということがある)、ビス(2−ヒドロキシメチルフェニル)メタン(以下、o,o’−BPFということがある)の混合物(混合比率 p,p’−BPF:o,p’−BPF:o,o’−BPF=約35:48:17)(7.09g)を添加、攪拌、溶解した後、このアルカリ水溶液を1L反応槽に移した。次いで、重合触媒(0.0014mol)及び2,3,6−トリメチルフェノール(0.8844g)を順次反応槽に添加した。別途、テレフタル酸クロライド(24.54g)とジクロロメタン(211mL)の混合溶液を滴下ロート内に移した。
重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに5時間攪拌を続けた後、ジクロロメタン(352mL)を加え、撹拌を7時間続けた。その後、酢酸(4.58mL)を加え30分攪拌した後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層から溶媒を溜去、乾燥して樹脂B1(粘度平均分子量36,100)を得た。樹脂B1の繰り返し構造を以下に示す。
Figure 2006330713
(製造例4(樹脂B2))
樹脂B2は、樹脂A1の操作に、0.1N水酸化ナトリウム水溶液(424mL)による洗浄2回と、ついで0.1N塩酸(424mL)による洗浄2回、さらにHO(424mL)による洗浄2回の操作を加えて、製造した。得られた樹脂B2(粘度平均分子量35,700)の繰り返し構造を以下に示す。
Figure 2006330713
(実施例1、比較例1〜比較例3)
以下の表1に、樹脂A1、樹脂A2、樹脂B1、樹脂B2を用いて調製した電子写真感光体について、電気特性及び摩耗試験を行った。結果を表1に示す。
Figure 2006330713
表1に示す結果から、2価フェノールとジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体とを重合して得られたポリアリレート樹脂(樹脂A2)は、樹脂中に含まれる窒素原子及びリン原子の合計量の濃度が重量比で15ppmであり、これをバインダー樹脂として用いた電子写真感光体(実施例1)は、電気特性及び耐摩耗性が良好であることが分かる。
これに対して、2価フェノールとジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体とを重合して得られたポリアリレート樹脂(樹脂A1)は、樹脂中に含まれる窒素原子及びリン原子の合計量の濃度が重量比で122ppmであり、これをバインダー樹脂として用いた電子写真感光体(比較例1)は、電気特性が極めて不良であることが分かる。
また、ジカルボン酸誘導体としてテレフタル酸誘導体を用いたポリアリレート樹脂(樹脂B1)は、樹脂中に含まれる窒素原子及びリン原子の合計量の濃度が重量比で121ppmであり、これをバインダー樹脂として用いた電子写真感光体(比較例2)は、電気特性及び耐磨耗性が極めて不良であることが分かる。
さらに、ジカルボン酸誘導体としてテレフタル酸誘導体を用いたポリアリレート樹脂(樹脂B2)は、樹脂中に含まれる窒素原子及びリン原子の合計量の濃度が重量比で12ppmに低減されているが、これをバインダー樹脂として用いた電子写真感光体(比較例3)の電気特性及び耐摩耗性は、比較例2の電子写真感光体と実質的な差は無く、しかも、実施例1の感光体に比し極めて不良であることが分かる。
画像形成装置を説明するための概略図である。
符号の説明
1…電子写真感光体、2…帯電装置、3…露光装置、4…現像装置、5…転写装置、6…クリーニング装置、7…定着装置、41…現像槽、42…アジテータ、43…供給ロール、44…現像ロール、45…規制部材、71…上部定着部材、72…下部定着部材、73…加熱装置、T…トナー、P…記録紙

Claims (5)

  1. 導電性基体上に感光層を設けた電子写真感光体であって、
    前記感光層は、
    下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂を含み、
    前記樹脂中に含まれる窒素原子及びリン原子の濃度の和が、重量比で100ppm以下であることを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2006330713
    (一般式(1)中、Ar及びArは、置換基を有しても良いアリール基であり、Xは、単結合または2価基を表し、R、Rは、各々独立に水素原子または置換基を有しても良い1価の官能基であり、n,mは、各々独立に、0〜4の整数である。)
  2. 所定の電位により表面が帯電される感光層を有する電子写真感光体であって、
    前記感光層は、
    2価フェノールとジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体との重合体からなるバインダー樹脂と、
    前記重合体及び当該重合体の原料から選ばれる少なくとも一つを合成する際に使用する合成触媒の残渣に由来する、窒素原子及びリン原子から選ばれる少なくとも一つ、を含み、
    前記バインダー樹脂中の前記窒素原子及び前記リン原子の濃度の和が、重量比で100ppm以下であることを特徴とする電子写真感光体。
  3. 前記感光層は、
    導電性基体上に設けられ、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層と、
    前記電荷発生層上に積層され、電荷移動物質及び前記バインダー樹脂を主成分とする電荷移動層と、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 画像形成装置に装着される感光体カートリッジであって、
    バインダー樹脂を含む感光層を有する電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を所定の電位に帯電する帯電装置と、を備え、
    前記バインダー樹脂は、2価フェノールとジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体とを重合してなるポリアリレート樹脂から構成され、前記ポリアリレート樹脂中の窒素原子及びリン原子の濃度の和を、重量比で100ppm以下にすることによって、前記電子写真感光体の電気特性及び機械的特性を向上させることを特徴とする感光体カートリッジ。
  5. 記録すべき画像に応じて電子写真感光体上に形成されたトナー像を記録紙に転写して出力する画像形成装置であって、
    前記電子写真感光体は、2価フェノールとジフェニルエーテルジカルボン酸誘導体との重合体を含む感光層を備え、前記感光層中に残留する、前記重合体及び当該重合体の原料から選ばれる少なくとも一つの合成触媒の残渣に由来する、窒素原子及びリン原子の濃度の和を、重量比で100ppm以下にすることを特徴とする画像形成装置。
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