JP4661575B2 - 電子写真感光体、該感光体を用いる電子写真カートリッジ、及び該感光体を用いる画像形成装置 - Google Patents
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Description
電子写真技術の中核となる感光体については、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電物質を使用した感光体が使用されている。
また、高速印刷の要求の高まりから、より高速の電子写真プロセス対応の材料が求められている。この場合、感光体には高感度、高寿命であることの他に、露光されてから現像されるまでの時間が短くなるために応答性が良いことも必要となる。感光体の応答性は電荷輸送層、なかでも電荷輸送物質により支配されるがバインダー樹脂によっても大きく変わることが知られている。
優れた性能を有しており、これまで種々のポリカーボネート樹脂が開発され実用に供されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
また、特定構造の二価フェノール成分を用いたポリアリレート樹脂をバインダー樹脂として用いた電子写真用感光体の技術が開示され、感光体製造時の溶液安定性が向上すること、機械的強度、特に耐磨耗性が優れていることが知られている(例えば、特許文献6および7参照)。
これらの耐光特性は電荷発生物質や電荷輸送物質に大きく依存するばかりでなく、バインダー樹脂がポリアリレート樹脂である場合、そのアクセプター性から耐光性に影響を及ぼす場合もあり、解決が必要となる。
の現象は、バインダー樹脂としてポリアリレート樹脂を用いた場合に顕著であった。
即ち、本発明の目的は、感光層形成用塗布液が経時で安定であり、また、実用上の負荷に対する耐磨耗性に優れ、電気特性が良好で、さらに耐光特性が良好な電子写真感光体、さらにはプロセスカートリッジや画像形成装置を提供することにある。
すなわち本発明の第1の要旨は、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が下記一般式(1)で表される繰り返し構造を含むポリエステル樹脂、および下記一般式(3)又は(4)で表されるアゾベンゼン化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体に存する。
(一般式(4)中、R 3 、R 4 は炭素数2以下のアルキル基、Ar 11 はアルキル基を有するフェニレン基、Ar 12 は置換基を有していてもよいアリーレン基、Ar 13 、Ar 14 は置換基を有していてもよいアリール基を表す。)
そして、本発明の第2の要旨は、電子写真感光体と、該感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段と、この静電潜像をトナーで現像する現像手段と、トナーを被転写体に転写する転写手段とを有することを特徴とする画像形成装置において、該感光体が前記の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置に存し、本発明の第3の要旨は、電子写真感光体と、該感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段と、この静電潜像をトナーで現像する現像手段と、トナーを被転写体に転写する転写手段のうち、少なくとも一つを有することを特徴とする電子写真カートリッジにおいて、該感光体が前記の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真カートリッジに存する。
本発明に係る電子写真感光体の有する感光層は、下記一般式(1)で表される繰り返し構造を含むポリエステル樹脂、および下記一般式(2)で表されるアゾベンゼン化合物を含有する。
<ポリエステル樹脂>
本発明に係る電子写真感光体の感光層は、導電性基体上に形成され、下記一般式(1)で表される繰り返し構造を含むポリエステル樹脂を含有する。
く、特にはメチル基が好ましい。
本発明に係るポリエステル樹脂は、通常、二価アルコール成分とジカルボン酸成分を重合することにより得られるため、一般式(1)で表される繰り返し構造を含むポリエステル樹脂は、二価アルコール残基とジカルボン酸残基を有する。この二価アルコール残基となる原料の二価アルコール成分は、下記一般式(6)で表される化合物であって、Ar1,Ar2およびX1は、一般式(1)におけるAr1,Ar2およびX1と同じものを表す。
−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)メタン、ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ヒドロキシフェニル)エタン、1−(3−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)エタン、1−(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1−(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、1−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、1−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)シクロヘキサン等のビスフェノール類が挙げられる。
3,5−ジメチルフェニル)(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)エーテル、ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)エーテル等のエーテル類、が挙げられる。
ン酸残基、スベリン酸残基、セバシン酸残基、フタル酸残基、イソフタル酸残基、テレフタル酸残基、トルエン−2,5−ジカルボン酸残基、p−キシレン−2,5−ジカルボン酸残基、ピリジン−2,3−ジカルボン酸残基、ピリジン−2,4−ジカルボン酸残基、ピリジン−2,5−ジカルボン酸残基、ピリジン−2,6−ジカルボン酸残基、ピリジン−3,4−ジカルボン酸残基、ピリジン−3,5−ジカルボン酸残基、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸残基、ナフタレン−2,3−ジカルボン酸残基、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸残基、ビフェニル−2,2’−ジカルボン酸残基、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸残基が挙げられ、好ましくは、アジピン酸残基、セバシン酸残基、フタル酸残基、イソフタル酸残基、テレフタル酸残基、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸残基、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸残基、ビフェニル−2,2’−ジカルボン酸残基、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸残基であり、特に好ましくは、イソフタル酸残基、テレフタル酸残基であり、これらのジカルボン酸残基を複数組み合わせて用いることも可能である。ただし、一般式(1)で表されるくり返し構造が70%を超えることが好ましく、90%を超えることがより好ましく、特には100%が好ましい。
併用する樹脂の混合割合は、特に限定されないが、本発明の効果を十分に得るためには、本発明のポリエステル樹脂の割合を超えない範囲で併用することが好ましく、特には他の樹脂を併用しないことが好ましい。
一般式(1)で表される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂の製造方法としては、公知のどのような製造方法も用いることができるが、例えば界面重合法、溶融重合法が挙げられる。
例えば、界面重合法による製造の場合は、二価アルコール成分をアルカリ水溶液に溶解した溶液と、芳香族ジカルボン酸のハロゲン化物成分を溶解したハロゲン化炭化水素の溶液とを混合する。ハロゲン化炭化水素の溶液としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロルベンゼンなどを挙げることができる。
界面重合法で用いられるアルカリ成分としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等を挙げることができる。アルカリの使用量としては、反応系中に含まれるフェノール性水酸基の1.01〜3倍当量の範囲が好ましい。触媒として用いられる四級アンモニウム塩もしくは四級ホスホニウム塩としては、トリブチルアミンやトリオクチルアミン等の三級アルキルアミンの塩酸、臭素酸、ヨウ素酸等の塩、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、トリエチルオクタデシルホスホニウムブロマイド、N−ラウリルピリジニウムクロライド、ラウリルピコリニウムクロライドなどが挙げられる。
本発明に係るアゾベンゼン化合物は、下記一般式(2)で表される。
ル基、エチル基が挙げられる。R3,R4は互いに結合して環構造を形成し、ピロリジニル基の様な構造を有していてもよい。Ar11はアルキル基を有するフェニレン基を表す。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基が挙げられる。原料の汎用性を考慮すると、アルキル基としてはメチル基、エチル基、イソプロピル基等の炭素数3以下のアルキル基が好ましく、より好ましくはメチル基である。Ar12は置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、その具体例としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基等が挙げられ、有していても良い置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ターシャリーブトキシ基等のアルコキシ基、ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。なかでも原料の汎用性、製造の容易さという観点からアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基が好ましく、フェニレン基がより好ましい。有していても良い置換基としては、同様に原料の汎用性、製造の容易さの観点からメチル基、エチル基、イソプロピル基等の炭素数3以下のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。Ar13、Ar14は置換基を有していてもよいアリール基を表し、その具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、フルオレニル基等が挙げられ、有していても良い置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ターシャリーブトキシ基等のアルコキシ基、ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。なかでも電子写真感光体の特性に与える影響、製造コストを考慮するとアリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、より好ましくはフェニル基である。同様に電子写真感光体の特性に与える影響、製造の容易さを考慮すると、有していても良い置換基としてはメチル基、エチル基、イソプロピル基等の炭素数3以下のアルキル基が好ましく、より好ましくはメチル基である。Ar13、Ar14は直接結合してカルバゾールの様な環構造を形成したり、もしくは窒素原子、酸素原子、硫黄原子などの架橋原子を介して結合し、フェノチアジン、フェノキサジン、キサンテンの様な環構造を形成したり、2価の有機残基を介して互いに結合し環構造を形成しても良い。
導電性基体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニ
ッケル等の金属材料や金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料やアルミニウム、ニッケル、ITO(インジウム−スズ酸化物)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性基体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布したものでも良い。
支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、導電性基体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。
導電性基体と感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。
下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が挙げられる。一種類の粒子のみを用いても良いし複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタンおよび酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていても良い。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。複数の結晶状態のものが含まれていても良い。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、フェノキシ、エポキシ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化剤とともに硬化した形で使用できるが、中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は良好な分散性、塗布性を示し好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性および塗布性から0.1μmから25μmが好ましい。また下引き層には、本発明の酸化防止剤等、公知の酸化防止剤等を添加しても良い。
本発明の電子写真感光体が積層型感光体である場合、その電荷発生層に使用される電荷発生材料としては例えばセレニウム及びその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などの有機顔料等各
種光導電材料が使用でき、特に有機顔料、更にフタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましい。これらの微粒子をたとえばポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテルなどの各種バインダー樹脂で結着した形で使用される。この場合の使用比率はバインダー樹脂100重量部に対して30から500重量部の範囲より使用され、その膜厚は通常0.1μmから1μm、好ましくは0.15μmから0.6μmが好適である。
。D型は、CuKα線を用いた粉末X線回折において、回折角2θ±0.2゜が27.3゜に明瞭なピークを示すことを特徴とする結晶型である。フタロシアニン化合物は単一の化合物のもののみを用いても良いし、いくつかの混合状態でも良い。ここでのフタロシアニン化合物ないしは結晶状態に置ける混合状態として、それぞれの構成要素を後から混合して用いても良いし、合成、顔料化、結晶化等のフタロシアニン化合物の製造・処理工程において混合状態を生じせしめたものでも良い。このような処理としては、酸ペースト処理・磨砕処理・溶剤処理等が知られている。
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有するとともに、通常はバインダー樹脂、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。本発明では、該層または該層の外側層にアゾベンゼン化合物を含有することが好ましい。このような電荷輸送層は、具体的には、例えばアゾベンゼン化合物と電荷輸送物質等とバインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
したものであり、本発明の趣旨に反しない限りはいかなる公知の電荷輸送物質を用いてもよい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質の割合は、通常、バインダー樹脂100重量部に対して30〜200重量部、好ましくは40〜150重量部の範囲で使用される。また膜厚は一般に5〜50μm、好ましくは10〜45μmがよい。
単層型感光層の場合には、上記のような配合比の電荷輸送媒体中に、前出の電荷発生物質が分散される。本発明のポリエステル樹脂は該感光層に含有され、アゾベンゼン化合物は該層またはその外側層に含有される。
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を軽減する目的で、表面の層にはフッ素系樹脂、シリコーン樹脂等を含んでいても良い。また、これらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を含んでいても良い。
本実施の形態が適用される電子写真感光体の調製方法は特に限定されないが、通常、これらの感光体を構成する各層は、電子写真感光体の感光層形成方法として公知な、浸漬塗布法、スプレー塗布法、ノズル塗布法、バーコート法、ロールコート法、ブレード塗布法等により支持体上に塗布して形成される。これらの中でも生産性の高さから浸漬塗布方法が好ましい。
各層の形成方法としては、層に含有させる物質を溶剤に溶解または分散させて得られた塗布液を順次塗布するなどの公知の方法が適用できる。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1,帯電装置2,露光装置3及び現像装置4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置5,クリーニング装置6及び定着装置7が設けられる。
帯電装置2は、電子写真感光体1を帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定電位に均一帯電させる。図1では帯電装置2の一例としてローラ型の帯電装置(帯電ローラ)を示しているが、他にもコロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電装置、帯電ブラシ等の接触型帯電装置などがよく用いられる。
700nmのやや短波長寄りの単色光、波長380nm〜500nmの短波長の単色光などで露光を行なえばよい。但し、600nm未満の短い波長の光では、アゾベンゼン化合物による吸収のために十分な光書き込みができないケースがあるため、600nm〜850nmの単色光で露光することが好ましい。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
トナーTの種類は任意であり、粉状トナーのほか、懸濁重合法や乳化重合法などを用いた重合トナー等を用いることができる。特に、重合トナーを用いる場合には径が4〜8μm程度の小粒径のものが好ましく、また、トナーの粒子の形状も球形に近いものからポテト上の球形から外れたものまで様々に使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。
定着装置7は、上部定着部材(定着ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73がそなえられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73がそなえられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71,72は、ステンレス,アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
まず、粘度平均分子量の測定について説明する。
ポリエステル樹脂をジクロロメタンに溶解し濃度Cが6.00g/Lの溶液を調製する。溶媒(ジクロロメタン)の流下時間t0が136.16秒のウベローデ型毛細管粘度計
を用いて、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定する。以下の式に従って粘度平均分子量Mvを算出する。
a=0.438×ηsp+1 ηsp=t/t0−1
b=100×ηsp/C C=6.00(g/L)
η=b/a
Mv=3207×η1.205
以下、ポリエステル樹脂の製造方法について説明する。
1000mLビーカーに水酸化ナトリウム23.01gと水940mLを量り取り、攪拌しながら溶解させた。そこにビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン(以下、BP−a)49.36gを添加、攪拌、溶解した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。次いで、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.5766g及び2,3,5−トリメチルフェノール1.2955gを順次反応槽に添加した。次に、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライド65.27gとジクロロメタン470mLの混合溶液を滴下ロート内に移した。重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに5時間攪拌を続けた後、ジクロロメタン783mLを加え、撹拌を7時間続けた。その後、酢酸8.34mLを加え30分攪拌した後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液942mLにて洗浄を2回行ない、次に0.1N塩酸942mLにて洗浄を2回行い、さらに水942mLにて洗浄を2回行なった。洗浄後の有機層をメタノール6266mLに注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的の樹脂Xを得た。得られた樹脂Xの粘度平均分子量は51,400であった。樹脂Xの繰り返し構造を以下に示す。
1000mLビーカーに水酸化ナトリウム22.34gと水940mLを量り取り、攪拌しながら溶解させた。そこに1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン(BP−b)51.04gを添加、攪拌、溶解した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。次いで、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.5579gおよび2,3,5−トリメチルフェノール1.0613gを順次反応槽に添加した。別途、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライド63.37gとジクロロメタン470mLの混合溶液を滴下ロート内に移した。重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに5時間攪拌を続けた後、ジクロロメタン783mLを加え、撹拌を7時間続けた。その後、酢酸8.10mLを加え30分攪拌した後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液942mLにて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸942mLにて洗浄を2回行い、さらに水942mLにて洗浄を2回行なった。洗浄後の有機層をメタノール6266mLに注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的の樹脂Bを得た。得られた樹脂Yの粘度平均分子量は51,700であった。樹脂Yの繰り返し構造を以下に示す。
合成例1
4−アミノベンズアルデヒド9.1部を濃塩酸中で公知の方法でジアゾ化し、N,N−ジエチル−m−トルイジン8.2部とメタノール100部中でカップリング反応させることにより下記式で示される化合物を10.6部得た。
合成例1中のN,N−ジエチル−m−トルイジン8.2部を、N,N−ジ−n−プロピル−m−トルイジン11.0部に変更し、N,N−ジフェニルヒドラジン8.3部をN,N−ジ−p−トリルヒドラジン9.6部に変更した以外は、合成例1と同様の操作を行うことにより、目的物質である下記構造式を有する物質Qを9.7部得た。
実施例1
下引き層用分散液は、次のようにして製造した。即ち、平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3重量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、高速流動式混合混練機((株)カワタ社製「SMG300」)に投入し、回転周速34.5m/秒で高速混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表わされる化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表わされる化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表わされる化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表わされる化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表わされる化合物]の組成モル比率が、75%/9.5%/3%/9.5%/3%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの重量比が7/1/2で、疎水性処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層用分散液とした。
次に、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.3゜に強い回折ピークを示し、図2に示す粉末X線回折スペクトルを有するオキシチタニウムフタロシアニン10重量部を1,2−ジメトキシエタン150重量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行ない顔料分散液を作成した。こうして得られた160重量部の顔料分散液を、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名#6000C)の5%1,2−ジメトキシエタン溶液100重量部と適量の1,2−ジメトキシエタンに加え、最終的に固形分濃度4.0%の分散液を作製した。
次に、特開2002−80432中に示された以下構造を主成分とする異性体からなる電荷輸送物質(A)50部、
実施例2
バインダー樹脂として製造例2で製造した樹脂Yを100部用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体Bを得た。
実施例3
アゾベンゼン化合物として合成例2で合成した化合物Qを2部用いた以外は、実施例2と同様にして、感光体Cを得た。
実施例4
電荷輸送物質として下記構造の化合物(B)を50部用いた以外は、実施例2と同様にして、感光体Dを得た。
アゾベンゼン化合物を含有しないこと以外は、実施例2と同様にして感光体Eを得た。
比較例2
バインダー樹脂として、公知の、下記構造のポリアリレート樹脂Zを用いた以外は、実施例1と同様にして感光体Fを得た。このポリアリレート樹脂Zの粘度平均分子量は48,000であった。
バインダー樹脂として、公知の、下記構造のポリカーボネート樹脂Wを用いた以外は、実施例1と同様にして感光体Gを得た。このポリカーボネート樹脂Wの粘度平均分子量は50,000であった。
アゾベンゼン化合物を含有しないこと以外は、比較例3と同様にして感光体Hを得た。比較例5
アゾベンゼン化合物を含有しないこと以外は、実施例4と同様にして感光体Iを得た。作製した感光体シートA〜Hについて、以下の電気特性試験と摩耗試験を行ない、これらの結果を表1にまとめた。
電子写真学会測定標準に従って製造された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)を使用し、上記感光体シートを直径80mmのアルミニウム製ドラムに貼り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと感光体シートのアルミニウム基体との導通を取った上で、ドラムを一定回転数60rpmで回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行なった。その際、感光体の初期表面電位が−700Vになるように帯電させ、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光としたものを0.9μJ/cm2で露光
したときの露光後表面電位(以下、VLと呼ぶことがある)を測定した。VL測定に際しては、露光から電位測定に要する時間を100msとした。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%で行なった。
上記感光体シートを直径10cmの円状に切断しテーバー摩耗試験機(Taber社製)により、摩耗評価を行なった。試験条件は、23℃、50%RHの雰囲気下、摩耗輪CS−10Fを用いて、荷重なし(摩耗輪の自重)で1000回回転後の摩耗量を試験前後の重量を比較することにより測定した。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙
Claims (5)
- 電子写真感光体と、該感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段と、この静電潜像をトナーで現像する現像手段と、トナーを被転写体に転写する転写手段とを有することを特徴とする画像形成装置において、該感光体が前記請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
- 電子写真感光体と、該感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段と、この静電潜像をトナーで現像する現像手段と、トナーを被転写体に転写する転写手段のうち、少なくとも一つを有することを特徴とする電子写真カートリッジにおいて、該感光体が前記請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真カートリッジ。
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