JP4661575B2 - 電子写真感光体、該感光体を用いる電子写真カートリッジ、及び該感光体を用いる画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、該感光体を用いる電子写真カートリッジ、及び該感光体を用いる画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、複写機やプリンター等に用いられる電子写真感光体形成用塗布液、電子写真感光体、電子写真用プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。詳しくは、塗布液安定性に優れた電子写真感光体形成用塗布液、耐摩耗性に優れ、且つ、電気特性の良好な電子写真感光体、及び該感光体を用いたプロセスカートリッジ又は画像形成装置に関するものである。
電子写真技術は、即時性、高品質の画像が得られることなどから、複写機、各種プリンターなどの分野で広く使われている。
電子写真技術の中核となる感光体については、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電物質を使用した感光体が使用されている。
有機系の光導電材料を用いた感光体としては、光導電性微粉末をバインダー樹脂中に分散させたいわゆる分散型感光体、電荷発生層および電荷輸送層を積層した積層型感光体が知られている。積層型感光体は、それぞれ効率の高い電荷発生物質、および電荷輸送物質を組み合わせることにより高感度な感光体が得られること、材料選択範囲が広く安全性の高い感光体が得られること、また感光層を塗布により容易に形成可能で生産性が高く、コスト面でも有利なことから感光体の主流であり、鋭意開発され実用化されている。
電子写真感光体は、電子写真プロセスすなわち帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電等のサイクルで繰り返し使用されるためその間様々なストレスを受け劣化する。このような劣化としては例えば帯電器として用いられるコロナ帯電器から発生する強酸化性のオゾンやNOxが感光層に化学的なダメージを与えたり、像露光や除電光で生成したキャリアが感光層内を流れることや外部からの光によって感光層組成物が分解したりなど、化学的、電気的劣化がある。またこれとは別の劣化としてクリ−ニングブレード、磁気ブラシなどの摺擦や現像剤、転写部材や紙との接触等による感光層表面の摩耗や傷の発生、膜の剥がれといった機械的劣化がある。特にこのような感光層表面に生じる損傷は画像上に現れやすく、直接画像品質を損うため感光体の寿命を制限する大きな要因となっている。すなわち高寿命の感光体を開発するためには電気的、化学的耐久性を高めると同時に機械的強度を高めることも必須条件である。
表面保護層などの機能層を持たない一般的な感光体の場合、このような負荷を受けるのは感光層である。感光層は、通常バインダー樹脂と光導電性物質からなっており、実質的に強度を決めるのはバインダー樹脂であるが、光導電性物質のドープ量が相当多いため十分な機械強度を持たせるには至っていない。
また、高速印刷の要求の高まりから、より高速の電子写真プロセス対応の材料が求められている。この場合、感光体には高感度、高寿命であることの他に、露光されてから現像されるまでの時間が短くなるために応答性が良いことも必要となる。感光体の応答性は電荷輸送層、なかでも電荷輸送物質により支配されるがバインダー樹脂によっても大きく変わることが知られている。
感光層のバインダー樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、およびその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等の熱可塑性樹脂や種々の熱硬化性樹脂が用いられている。数あるバインダー樹脂のなかではポリカーボネート樹脂が比較的
優れた性能を有しており、これまで種々のポリカーボネート樹脂が開発され実用に供されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
一方、商品名「U−ポリマー」として市販されているポリアリレート樹脂をバインダーとして用いた電子写真用感光体の技術が開示され、その中でポリカーボネートに比して特に感度が優れていることが示されている(例えば、特許文献5参照)。
また、特定構造の二価フェノール成分を用いたポリアリレート樹脂をバインダー樹脂として用いた電子写真用感光体の技術が開示され、感光体製造時の溶液安定性が向上すること、機械的強度、特に耐磨耗性が優れていることが知られている(例えば、特許文献6および7参照)。
一方で、実用的な観点から要求される特性もあり、そのひとつが耐光性である。通常、感光体は複写機やプリンター内部において遮光された状態で使用される。しかしマシン組立時や、マシン使用時に紙詰まりが起こりマシン内から紙を取り出す時、または感光体ユニットが寿命に達し交換をする場合などのマシンのメンテナンス時には、感光体は必然的に外部光(蛍光灯や太陽光)に曝されることになる。
この外部光の光強度は、マシン内での画像形成のための露光強度に比較すると断然強く、短波長光も多く含まれるので、感光体に対しては大きなダメージを与えることになる。これは感光体が光に曝されることにより、感光体内部に大量の電荷トラップが生成し、多くの場合、帯電電位の低下や残留電位の大幅な上昇につながるためである。
これらの耐光特性は電荷発生物質や電荷輸送物質に大きく依存するばかりでなく、バインダー樹脂がポリアリレート樹脂である場合、そのアクセプター性から耐光性に影響を及ぼす場合もあり、解決が必要となる。
特開昭50−98332号公報 特開昭59−71057号公報 特開昭59−184251号公報 特開平5−21478号公報 特開昭56−135844号公報 特開平3−6567号公報 特開平10−288845号公報
従来の感光体は、トナーによる現像、転写部材や紙との摩擦、クリーニング部材(ブレード)による摩擦など実用上の負荷によって表面が摩耗してしまったり、表面に傷が生じてしまうなどの欠点を有しているため、実用上は限られた印刷性能にとどまっているのが現状である。また、従前知られたポリエステル樹脂を用いた電子写真感光体では、強度等は向上するものの、感光層形成用塗布液としたときに液の安定性に乏しく、白濁したり、沈殿を生じたり、不溶化したりする等の問題があり、該塗布液を塗布形成してなる感光層を有する電子写真感光体の性能が充分なものではなかった。
さらにそれだけでなく、これまで、外部光からのダメージを防止するため、例えばマシン組立時の照明には、より影響の少ない黄色灯を用いたり、マシン内部を開ける際には感光体への光曝露をできるだけ少なくするため、遮光板を設けるなどして対処されてきた。一方で、感光体自身も例えば、光曝露時の残留電位の増加を抑制するため、電荷輸送層に電子吸引性物質を添加したり、酸化防止剤を添加するなどの検討がなされているが、これらによっても残留電位上昇の防止効果は十分でなかった。また光曝露後の残留電位の上昇が抑えられても、通常使用時の残留電位の上昇、繰り返し使用時の残留電位の上昇、帯電性の低下等、その他の特性に対する副作用が大きくなるなどの問題があった。特にこれら
の現象は、バインダー樹脂としてポリアリレート樹脂を用いた場合に顕著であった。
本発明は、このような課題を解決すべくなされたものである。
即ち、本発明の目的は、感光層形成用塗布液が経時で安定であり、また、実用上の負荷に対する耐磨耗性に優れ、電気特性が良好で、さらに耐光特性が良好な電子写真感光体、さらにはプロセスカートリッジや画像形成装置を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、感光層に特定の構造を有するポリエステル樹脂とアゾベンゼン化合物とを含有させることにより、十分な機械的特性を有し、且つ、良好な電気特性および耐光性を示すことを見い出し、本発明の完成に至った。
すなわち本発明の第1の要旨は、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が下記一般式(1)で表される繰り返し構造を含むポリエステル樹脂、および下記一般式(3)又は(4)で表されるアゾベンゼン化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体に存する。
Figure 0004661575
Figure 0004661575
(一般式(3)中、R 、R は、置換基を有していてもよい炭素数3以下のアルキル基、Ar はアルキル基を有するアリーレン基、Ar は置換基を有していてもよいアリーレン基、Ar 、Ar 10 はアルキル基を有していてもよいフェニル基を表す。)
(一般式(4)中、R 、R は炭素数2以下のアルキル基、Ar 11 はアルキル基を有するフェニレン基、Ar 12 は置換基を有していてもよいアリーレン基、Ar 13 、Ar 14 は置換基を有していてもよいアリール基を表す。)
そして、本発明の第2の要旨は、電子写真感光体と、該感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段と、この静電潜像をトナーで現像する現像手段と、トナーを被転写体に転写する転写手段とを有することを特徴とする画像形成装置において、該感光体が前記の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置に存し、本発明の第3の要旨は、電子写真感光体と、該感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段と、この静電潜像をトナーで現像する現像手段と、トナーを被転写体に転写する転写手段のうち、少なくとも一つを有することを特徴とする電子写真カートリッジにおいて、該感光体が前記の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真カートリッジに存する。
本発明によれば、耐摩耗性に優れ、電気特性および耐光性に優れた電子写真感光体を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明に係る電子写真感光体の有する感光層は、下記一般式(1)で表される繰り返し構造を含むポリエステル樹脂、および下記一般式(2)で表されるアゾベンゼン化合物を含有する。
Figure 0004661575
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一般式(1)中、Ar〜Arは、置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、Xは単結合または二価基を表す。そして、一般式(2)中、ArおよびArは、置換基を有していてもよいアリール基を表す。前記ポリエステル樹脂は、感光層を結着するバインダー樹脂として用いられ、アゾベンゼン化合物は感光層中の添加剤として用いられる。ただし、アゾベンゼン化合物は、感光層の外側に形成される層中の添加剤として用いられても構わない。
本発明に係る感光層の具体的な構成としては、電子写真感光体に用いられる公知のどのような構成も適用することが可能であるが、導電性支持体上に、電荷発生物質を含有する電荷発生層、および電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を積層した積層型感光層、導電性支持体上に、電荷輸送物質、および電荷発生物質を含有する感光層を有する単層型感光層が挙げられる。
本発明に係る、一般式(1)で表されるポリエステル樹脂と、一般式(2)で表されるアゾベンゼン化合物は、同一の層に用いられるか、あるいはアゾベンゼン化合物は該樹脂を含む層よりも外側の層に用いられ、好ましくは該ポリエステル樹脂が電子写真感光体の最外層に用いられ、特には積層型感光層の電荷輸送層に用いられる。
<ポリエステル樹脂>
本発明に係る電子写真感光体の感光層は、導電性基体上に形成され、下記一般式(1)で表される繰り返し構造を含むポリエステル樹脂を含有する。
Figure 0004661575
Ar〜Arは、置換基を有していてもよいアリーレン基を表すが、アリーレン基としては、芳香性を有する基であれば如何なる基であってもよく、例えば、最多数の非集積二重結合を含むいわゆる芳香族環を有する基があげられる。Ar〜Arは、芳香族炭化水素基であることが好ましく、フェニレン、ナフチレン、アントリレン等の芳香族環からなる基であっても、インデニレンのようなインデンの二価基、フルオレンの二価基、テトラリンの二価基等の芳香族環と他の炭化水素環との縮合環からなる基であっても構わない。通常、Ar〜Arは、芳香族環を1〜10有する基であるが、芳香族環は3以下であることが好ましく、より具体的には、o−フェニレン、m−フェニレン、p−フェニレン、1,3−ナフチレン、1,4−ナフチレン等が挙げられるが、特にはフェレン基であることが好ましい。
Ar〜Arが有しても良い置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ−プロピル基、ブチル基、イソ−ブチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子等が挙げられる。好ましくは炭素原子数10以下、より好ましくは炭素原子数8以下のものが好ましく、特には炭素原子数3以下である。中でもメチル基、メトキシ基が好まし
く、特にはメチル基が好ましい。
は、単結合または二価基を表す。二価基としては、硫黄原子、酸素原子、スルホニル基、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキリデン基が挙げられるが、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルキリデン基、およびシクロアルキリデン基は、置換基としてアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子を有していてもよい。ポリエステル樹脂の、感光層を結着するバインダー樹脂としての機械的特性と、感光層形成用塗布液に対する溶解性とを勘案すれば、置換基としてのアルキル基としては、炭素数が1〜10のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数が1〜8であり、特に好ましくは炭素数が1〜2であり、置換基としてのアリール基としては、フェニル基、置換基としてのハロゲン基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、置換基としてのアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基が好ましい。
ポリエステル樹脂を製造する際の原料として用いる二価フェノール成分の製造の簡便性を勘案すれば、Xは、好ましくは、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、メチレン基、シクロヘキシリデン基、または下記一般式(5)で表される二価基であり、Rは水素原子または炭素数6以下のアルキル基を表す。
Figure 0004661575
これらの中でもより好ましくは、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、シクロヘキシリデン基であり、特に好ましくは、−CH−、−CH(CH)−、シクロヘキシリデン基である。
本発明に係るポリエステル樹脂は、通常、二価アルコール成分とジカルボン酸成分を重合することにより得られるため、一般式(1)で表される繰り返し構造を含むポリエステル樹脂は、二価アルコール残基とジカルボン酸残基を有する。この二価アルコール残基となる原料の二価アルコール成分は、下記一般式(6)で表される化合物であって、Ar,ArおよびXは、一般式(1)におけるAr,ArおよびXと同じものを表す。
Figure 0004661575
この二価アルコール成分の具体例としては、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(3−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−ヒドロキシフェニル)メタン、(3−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)メタン、(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)メタン、(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)メタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)メタン、(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、(3
−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)メタン、ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ヒドロキシフェニル)エタン、1−(3−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)エタン、1−(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1−(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、1−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、1−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)シクロヘキサン等のビスフェノール類が挙げられる。
そして、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,4,3’,5’−テトラメチル−3,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’,4,4’−テトラメチル−3,3’−ジヒドロキシビフェニル等のビフェニル類、ビス(2−ヒドロキシフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシフェニル)(3−ヒドロキシフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−ヒドロキシフェニル)エーテル、(3−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビス(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エーテル、ビス(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)エーテル、ビス(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)エーテル、(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エーテル、(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)エーテル、ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)エーテル等のエーテル類、が挙げられる。
これらの中でも好ましくは、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサンビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、等のビスフェノール類、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル等のビフェニル類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エーテル等のエーテル類があげられる。
二価フェノール成分の製造の簡便性を考慮すれば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、あるいは、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(2−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エーテルが特に好ましく、これらの二価フェノール成分を複数組み合わせて用いることも可能である。
本発明に係る、一般式(1)で表される繰り返し構造が有するジカルボン酸残基の具体例としては、ジフェニルエーテル−2,2’−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−2,3’−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−2,4’−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−3,4’−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸残基が挙げられる。これらの中でも、ジカルボン酸成分の製造の簡便性を考慮すれば、ジフェニルエーテル−2,2’−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−2,4’−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸残基が好ましく、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸残基が特に好ましい。
本発明のポリエステル樹脂は、他のジカルボン酸成分を含み、構造の一部に一般式(1)を内包する樹脂であってもよい。その他のジカルボン酸残基の具体例としては、アジピ
ン酸残基、スベリン酸残基、セバシン酸残基、フタル酸残基、イソフタル酸残基、テレフタル酸残基、トルエン−2,5−ジカルボン酸残基、p−キシレン−2,5−ジカルボン酸残基、ピリジン−2,3−ジカルボン酸残基、ピリジン−2,4−ジカルボン酸残基、ピリジン−2,5−ジカルボン酸残基、ピリジン−2,6−ジカルボン酸残基、ピリジン−3,4−ジカルボン酸残基、ピリジン−3,5−ジカルボン酸残基、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸残基、ナフタレン−2,3−ジカルボン酸残基、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸残基、ビフェニル−2,2’−ジカルボン酸残基、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸残基が挙げられ、好ましくは、アジピン酸残基、セバシン酸残基、フタル酸残基、イソフタル酸残基、テレフタル酸残基、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸残基、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸残基、ビフェニル−2,2’−ジカルボン酸残基、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸残基であり、特に好ましくは、イソフタル酸残基、テレフタル酸残基であり、これらのジカルボン酸残基を複数組み合わせて用いることも可能である。ただし、一般式(1)で表されるくり返し構造が70%を超えることが好ましく、90%を超えることがより好ましく、特には100%が好ましい。
また、本発明のポリエステル樹脂は、他の樹脂と混合して、電子写真感光体に用いることも可能である。ここで併用される他の樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、およびその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルポリカーボネート、ポリスルホン、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等の熱可塑性樹脂や種々の熱硬化性樹脂などが挙げられる。これら樹脂のなかでもポリカーボネート樹脂が好ましい。
併用する樹脂の混合割合は、特に限定されないが、本発明の効果を十分に得るためには、本発明のポリエステル樹脂の割合を超えない範囲で併用することが好ましく、特には他の樹脂を併用しないことが好ましい。
<ポリエステル樹脂の製造方法>
一般式(1)で表される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂の製造方法としては、公知のどのような製造方法も用いることができるが、例えば界面重合法、溶融重合法が挙げられる。
例えば、界面重合法による製造の場合は、二価アルコール成分をアルカリ水溶液に溶解した溶液と、芳香族ジカルボン酸のハロゲン化物成分を溶解したハロゲン化炭化水素の溶液とを混合する。ハロゲン化炭化水素の溶液としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロルベンゼンなどを挙げることができる。
この際、触媒として、四級アンモニウム塩もしくは四級ホスホニウム塩を存在させることも可能である。重合温度は0〜40℃の範囲、重合時間は2〜20時間の範囲であるのが生産性の点で好ましい。重合終了後、水相と有機相を分離し、有機相中に溶解しているポリマーを公知の方法で、洗浄、回収することにより、目的とする樹脂を得られる。
界面重合法で用いられるアルカリ成分としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等を挙げることができる。アルカリの使用量としては、反応系中に含まれるフェノール性水酸基の1.01〜3倍当量の範囲が好ましい。触媒として用いられる四級アンモニウム塩もしくは四級ホスホニウム塩としては、トリブチルアミンやトリオクチルアミン等の三級アルキルアミンの塩酸、臭素酸、ヨウ素酸等の塩、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、トリエチルオクタデシルホスホニウムブロマイド、N−ラウリルピリジニウムクロライド、ラウリルピコリニウムクロライドなどが挙げられる。
また、界面重合法では、分子量調節剤を使用することができる。分子量調節剤としては、例えば、フェノール、o,m,p−クレゾール、o,m,p−エチルフェノール、o,m,p−プロピルフェノール、o,m,p−(tert−ブチル)フェノール、ペンチルフェノール、ヘキシルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、2,6−ジメチルフェノール誘導体および2−メチルフェノール誘導体等のアルキルフェノール類、o,m,p−フェニルフェノール等の一官能性のフェノール、酢酸クロリド、酪酸クロリド、オクチル酸クロリド、塩化ベンゾイル、ベンゼンスルフォニルクロリド、ベンゼンスルフィニルクロリド、スルフィニルクロリド、ベンゼンホスホニルクロリドやそれらの置換体等の一官能性酸ハロゲン化物等が挙げられる。これら分子量調節剤の中でも分子量調節能が高く、かつ溶液安定性の点で好ましいのは、o,m,p−(tert−ブチル)フェノール、2,6−ジメチルフェノール誘導体、2−メチルフェノール誘導体であり、特に好ましくは、p−(tert−ブチル)フェノール、2,3,6−テトラメチルフェノール、2,3,5−テトラメチルフェノールである。
一般式(1)で表される繰り返し構造を含むポリエステル樹脂において、粘度平均分子量は、感光層を塗布形成するのに適するよう、通常10,000以上、好ましくは15,000以上、さらに好ましくは20,000以上であり、通常300,000以下、好ましくは200,000以下、より好ましくは100,000以下である。粘度平均分子量が10,000未満であると樹脂の機械的強度が低下し実用的でなく、300,000以上であると、感光層を適当な膜厚に塗布形成する事が困難である。
<アゾベンゼン化合物>
本発明に係るアゾベンゼン化合物は、下記一般式(2)で表される。
Figure 0004661575
一般式(2)中、ArおよびArは、置換基を有していてもよいアリール基を表すが、アリール基としては、芳香属性を有する基であれば如何なる基であってもよく、例えば、最多数の非集積二重結合を含むいわゆる芳香族環を有する基があげられる。ArおよびArは、芳香族炭化水素基であることが好ましく、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等の芳香族環からなる基であっても、インデニル基、フルオレニル基、テトラリンの一価基等の芳香族環と他の炭化水素環との縮合環からなる基であっても構わない。通常、ArおよびArは、芳香族環を1〜10有する基であるが、芳香族環は3以下であることが好ましく、より具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられ、特にはフェンレン基であることが好ましい。
ArおよびArが有しても良い置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ−プロピル基、ブチル基、イソ−ブチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、N−メチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基等のアミノ基、ヒドラジノ基誘導体、ハロゲン原子等が挙げられ、これらの置換基は、更にアルキル基、アルコキシ基、ヒドラゾノ基、アリール基で置換されていてもかまわない。
このアゾベンゼン化合物についての合成法や例示化合物は、特開2004−206109に詳しいが、これをさらに発展させた下記一般式(3)または下記一般式(4)で表されるアゾベンゼン化合物が、特に好ましく用いられる。
Figure 0004661575
Figure 0004661575
一般式(3)中、R、Rは、置換基を有していてもよい炭素数3以下のアルキル基、Arはアルキル基を有するアリーレン基、Arは置換基を有していてもよいアリーレン基、Ar、Ar10はアルキル基を有していてもよいフェニル基を表し、一般式(4)中、R、Rは炭素数2以下のアルキル基、Ar11はアルキル基を有するフェニレン基、Ar12は置換基を有していてもよいアリーレン基、Ar13、Ar14は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
一般式(3)中のR、Rの具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の置換基を有さないアルキル基、メトキシメチル基等のアルコキシ基を置換基として有する置換アルキル基などが挙げられる。このなかでも、製造時のコスト、容易さからは置換基を有さない直鎖状のアルキル基が好ましく、アルキル基の炭素数が多いと分子量が多くなり、添加量に対する光曝露に対する効果が薄れるため炭素数2以下のアルキル基がより好ましい。また、R、Rは互いに結合して環構造を形成し、ピロリジニル基、ピペリジノ基の様な構造を有していてもよい。Arはアルキル基を有するアリーレン基を表す。その具体例としては、アリーレン基としてはフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基等が挙げられ、有していても良い置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基が挙げられる。製造の容易さ、原料の汎用性を考慮すると、アリーレン基としてはフェニレン基、ナフチレン基が好ましく、より好ましくはフェニレン基である。有していても良い置換基としては同様に製造の容易さ、原料の汎用性を考慮すると、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素数3以下のアルキル基が好ましく、より好ましくはメチル基である。Arは置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、その具体例としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基等が挙げられ、有していても良い置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ターシャリーブトキシ基等のアルコキシ基、ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。なかでも製造の容易さや、原料の汎用性を考慮すると、アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基が好ましく、より好ましくはフェニレン基である。有していても良い置換基としては同様に製造の容易さや、原料の汎用性を考慮するとメチル基、エチル基、イソプロピル基等の炭素数1−3のアルキル基が好ましく、より好ましくはメチル基である。Ar、Ar10はアルキル基を有するフェニル基、もしくは無置換のフェニル基を表し、有していても良い置換基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基が挙げられ、原料の汎用性や、電子写真感光体に与える影響を考慮すると、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の炭素数1−3のアルキル基が好ましく、より好ましくはメチル基である。Ar、Ar10は直接結合してカルバゾールの様な環構造を形成したり、もしくは窒素原子、酸素原子、硫黄原子などの架橋原子を介して結合し、フェノチアジン、フェノキサジン、キサンテンの様な環構造を形成したり、2価の有機残基を介して互いに結合し環構造を形成しても良い。
一般式(3)中、R,Rは炭素数2以下のアルキル基であり、具体例としてはメチ
ル基、エチル基が挙げられる。R,Rは互いに結合して環構造を形成し、ピロリジニル基の様な構造を有していてもよい。Ar11はアルキル基を有するフェニレン基を表す。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基が挙げられる。原料の汎用性を考慮すると、アルキル基としてはメチル基、エチル基、イソプロピル基等の炭素数3以下のアルキル基が好ましく、より好ましくはメチル基である。Ar12は置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、その具体例としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基等が挙げられ、有していても良い置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ターシャリーブトキシ基等のアルコキシ基、ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。なかでも原料の汎用性、製造の容易さという観点からアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基が好ましく、フェニレン基がより好ましい。有していても良い置換基としては、同様に原料の汎用性、製造の容易さの観点からメチル基、エチル基、イソプロピル基等の炭素数3以下のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。Ar13、Ar14は置換基を有していてもよいアリール基を表し、その具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、フルオレニル基等が挙げられ、有していても良い置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ターシャリーブトキシ基等のアルコキシ基、ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。なかでも電子写真感光体の特性に与える影響、製造コストを考慮するとアリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、より好ましくはフェニル基である。同様に電子写真感光体の特性に与える影響、製造の容易さを考慮すると、有していても良い置換基としてはメチル基、エチル基、イソプロピル基等の炭素数3以下のアルキル基が好ましく、より好ましくはメチル基である。Ar13、Ar14は直接結合してカルバゾールの様な環構造を形成したり、もしくは窒素原子、酸素原子、硫黄原子などの架橋原子を介して結合し、フェノチアジン、フェノキサジン、キサンテンの様な環構造を形成したり、2価の有機残基を介して互いに結合し環構造を形成しても良い。
次に、本発明に用いられるアゾベンゼン誘導体(2)および(3)の構造の具体例を例示する。例示は本発明の詳細な説明を行うために例示するものであり、本発明の趣旨に反しない限り以下の構造に限定されるものではない。
Figure 0004661575
<導電性基体>
導電性基体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニ
ッケル等の金属材料や金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料やアルミニウム、ニッケル、ITO(インジウム−スズ酸化物)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性基体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布したものでも良い。
導電性基体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、陽極酸化処理、化成皮膜処理等を施してから用いても良い。陽極酸化処理を施した場合、公知の方法により封孔処理を施すのが望ましい。
支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、導電性基体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。
<下引き層>
導電性基体と感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。
下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が挙げられる。一種類の粒子のみを用いても良いし複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタンおよび酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていても良い。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。複数の結晶状態のものが含まれていても良い。
また、金属酸化物粒子の粒径としては、種々のものが利用できるが、中でも特性および液の安定性の面から、平均一次粒径として10nm以上100nm以下が好ましく、特に好ましくは、10nm以上50nm以下である。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、フェノキシ、エポキシ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化剤とともに硬化した形で使用できるが、中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は良好な分散性、塗布性を示し好ましい。
バインダー樹脂に対する無機粒子の添加比は任意に選べるが、10重量%から500重量%の範囲で使用することが、分散液の安定性、塗布性の面で好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性および塗布性から0.1μmから25μmが好ましい。また下引き層には、本発明の酸化防止剤等、公知の酸化防止剤等を添加しても良い。
<電荷発生層>
本発明の電子写真感光体が積層型感光体である場合、その電荷発生層に使用される電荷発生材料としては例えばセレニウム及びその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などの有機顔料等各
種光導電材料が使用でき、特に有機顔料、更にフタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましい。これらの微粒子をたとえばポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテルなどの各種バインダー樹脂で結着した形で使用される。この場合の使用比率はバインダー樹脂100重量部に対して30から500重量部の範囲より使用され、その膜厚は通常0.1μmから1μm、好ましくは0.15μmから0.6μmが好適である。
電荷発生物質としてフタロシアニン化合物を用いる場合、具体的には、無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、錫、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム等の金属、またはその酸化物、ハロゲン化物等の配位したフタロシアニン類が使用される。3価以上の金属原子への配位子の例としては、上に示した酸素原子、塩素原子の他、水酸基、アルコキシ基などがあげられる。特に感度の高いX型、τ型無金属フタロシアニン、A型、B型、D型等のチタニルフタロシアニン、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン等が好適である。なお、ここで挙げたチタニルフタロシアニンの結晶型のうち、A型、B型についてはW.HellerらによってそれぞれI相、II相として示されており(Zeit. Kristallogr.159(1982)173)、A型は安定型として知られているものである
。D型は、CuKα線を用いた粉末X線回折において、回折角2θ±0.2゜が27.3゜に明瞭なピークを示すことを特徴とする結晶型である。フタロシアニン化合物は単一の化合物のもののみを用いても良いし、いくつかの混合状態でも良い。ここでのフタロシアニン化合物ないしは結晶状態に置ける混合状態として、それぞれの構成要素を後から混合して用いても良いし、合成、顔料化、結晶化等のフタロシアニン化合物の製造・処理工程において混合状態を生じせしめたものでも良い。このような処理としては、酸ペースト処理・磨砕処理・溶剤処理等が知られている。
<電荷輸送層>
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有するとともに、通常はバインダー樹脂、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。本発明では、該層または該層の外側層にアゾベンゼン化合物を含有することが好ましい。このような電荷輸送層は、具体的には、例えばアゾベンゼン化合物と電荷輸送物質等とバインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
電荷輸送物質としては特に限定されず、任意の物質を用いることが可能である。公知の電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。これらの電荷輸送物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせで併用しても良い。
前記電荷輸送物質の好適な構造の具体例を以下に示す。これら具体例は例示のために示
したものであり、本発明の趣旨に反しない限りはいかなる公知の電荷輸送物質を用いてもよい。
Figure 0004661575
Figure 0004661575
Figure 0004661575
Figure 0004661575
これらの電荷輸送材料が、本発明のポリエステル樹脂を含むバインダー樹脂に結着した形で電荷輸送層が形成され、該層またはその外側層にアゾベンゼン化合物が含有される。電荷輸送層は、単一の層から成っていても良いし、構成成分あるいは組成比の異なる複数の層を重ねたものでも良い。
バインダー樹脂と電荷輸送物質の割合は、通常、バインダー樹脂100重量部に対して30〜200重量部、好ましくは40〜150重量部の範囲で使用される。また膜厚は一般に5〜50μm、好ましくは10〜45μmがよい。
また、アゾベンゼン誘導体が含有される量としては、特に制限はないが、コストの面からバインダー樹脂100重量部に対して30重量部以下が好ましく、感光層あるいは外側層の耐摩耗性を低下させないよう10重量部以下がより好ましい。また、少なすぎると光曝露時の特定波長の吸収能力が低下することから0.1重量部以上が好ましく、より好ましくは0.5重量部以上である。
なお、電荷輸送層には成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性等を向上させるために周知の可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、染料、顔料、レベリング剤などの添加物を含有させても良い。
<単層型感光層>
単層型感光層の場合には、上記のような配合比の電荷輸送媒体中に、前出の電荷発生物質が分散される。本発明のポリエステル樹脂は該感光層に含有され、アゾベンゼン化合物は該層またはその外側層に含有される。
その場合の電荷発生物質の粒子径は充分小さいことが必要であり、好ましくは1μm以下より好ましくは0.5μm以下で使用される。感光層内に分散される電荷発生物質の量は少なすぎると充分な感度が得られず、多すぎると帯電性の低下、感度の低下などの弊害があり、例えば好ましくは0.5〜50重量%の範囲で、より好ましくは1〜20重量%の範囲で使用される。
感光層の膜厚は通常5〜50μm、より好ましくは10〜45μmで使用される。またこの場合にも成膜性、可とう性、機械的強度等を改良するための公知の可塑剤、残留電位を抑制するための添加剤、分散安定性向上のための分散補助剤、塗布性を改善するためのレベリング剤、界面活性剤、例えばシリコ−ンオイル、フッ素系オイルその他の添加剤が添加されていても良い。
感光層の上に、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で保護層を設けても良く、該層に本発明のアゾベンゼン化合物を含有させることもできる。
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を軽減する目的で、表面の層にはフッ素系樹脂、シリコーン樹脂等を含んでいても良い。また、これらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を含んでいても良い。
<電子写真感光体の調製方法>
本実施の形態が適用される電子写真感光体の調製方法は特に限定されないが、通常、これらの感光体を構成する各層は、電子写真感光体の感光層形成方法として公知な、浸漬塗布法、スプレー塗布法、ノズル塗布法、バーコート法、ロールコート法、ブレード塗布法等により支持体上に塗布して形成される。これらの中でも生産性の高さから浸漬塗布方法が好ましい。
各層の形成方法としては、層に含有させる物質を溶剤に溶解または分散させて得られた塗布液を順次塗布するなどの公知の方法が適用できる。
<画像形成装置>
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1,帯電装置2,露光装置3及び現像装置4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置5,クリーニング装置6及び定着装置7が設けられる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
帯電装置2は、電子写真感光体1を帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定電位に均一帯電させる。図1では帯電装置2の一例としてローラ型の帯電装置(帯電ローラ)を示しているが、他にもコロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電装置、帯電ブラシ等の接触型帯電装置などがよく用いられる。
なお、電子写真感光体1及び帯電装置2は、多くの場合、この両方を備えたカートリッジ(以下適宜、感光体カートリッジと言う)として、画像形成装置の本体から取り外し可能に設計されている。そして、例えば電子写真感光体1や帯電装置2が劣化した場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている。また、後述するトナーについても、多くの場合、トナーカートリッジ中に蓄えられて、画像形成装置本体から取り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナーが無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1,帯電装置2,トナーが全て備えられたカートリッジを用いることもある。
露光装置3は、電子写真感光体1に露光を行なって電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、ハロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザーやHe−Neレーザー等のレーザー、LEDなどが挙げられる。また、感光体内部露光方式によって露光を行なうようにしてもよい。露光を行なう際の光は任意であるが、例えば波長が780nmの単色光、波長600nm〜
700nmのやや短波長寄りの単色光、波長380nm〜500nmの短波長の単色光などで露光を行なえばよい。但し、600nm未満の短い波長の光では、アゾベンゼン化合物による吸収のために十分な光書き込みができないケースがあるため、600nm〜850nmの単色光で露光することが好ましい。
現像装置4は、その種類に特に制限はなく、カスケード現像、一成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像などの乾式現像方式や、湿式現像方式などの任意の装置を用いることができる。図1では、現像装置4は、現像槽41、アジテータ42、供給ローラ43、現像ローラ44、及び、規制部材45からなり、現像槽41の内部にトナーTを貯留している構成となっている。また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置(図示せず)を現像装置4に付帯させてもよい。この補給装置は、ボトル、カートリッジなどの容器からトナーTを補給することが可能に構成される。
供給ローラ43は、導電性スポンジ等から形成される。現像ローラ44は、鉄,ステンレス鋼,アルミニウム,ニッケルなどの金属ロール、又はこうした金属ロールにシリコン樹脂,ウレタン樹脂,フッ素樹脂などを被覆した樹脂ロールなどからなる。この現像ローラ44の表面には、必要に応じて、平滑加工や粗面加工を加えてもよい。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
規制部材45は、シリコン樹脂やウレタン樹脂などの樹脂ブレード、ステンレス鋼,アルミニウム,銅,真鍮,リン青銅などの金属ブレード、又はこうした金属ブレードに樹脂を被覆したブレード等により形成されている。この規制部材45は、現像ローラ44に当接し、ばね等によって現像ローラ44側に所定の力で押圧(一般的なブレード線圧は5〜500g/cm)される。必要に応じて、この規制部材45に、トナーTとの摩擦帯電によりトナーTに帯電を付与する機能を具備させてもよい。
アジテータ42は、回転駆動機構によってそれぞれ回転されており、トナーTを攪拌するとともに、トナーTを供給ローラ43側に搬送する。アジテータ42は、羽根形状、大きさ等を違えて複数設けてもよい。
トナーTの種類は任意であり、粉状トナーのほか、懸濁重合法や乳化重合法などを用いた重合トナー等を用いることができる。特に、重合トナーを用いる場合には径が4〜8μm程度の小粒径のものが好ましく、また、トナーの粒子の形状も球形に近いものからポテト上の球形から外れたものまで様々に使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー,転写ローラ,転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙,媒体)Pに転写するものである。
クリーニング装置6について特に制限はなく、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナーなど、任意のクリーニング装置を用いることができる。クリーニング装置6は、感光体1に付着している残留トナーをクリーニング部材で掻き落とし、残留トナーを回収するものである。
定着装置7は、上部定着部材(定着ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73がそなえられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73がそなえられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71,72は、ステンレス,アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
記録紙P上に転写されたトナーは、所定温度に加熱された上部定着部材71と下部定着部材72との間を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙P上にトナーが定着される。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
以上のように構成された電子写真装置では、次のようにして画像の記録が行なわれる。即ち、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位(例えば−600V)に帯電される。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレード)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、負極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、感光体1の表面に接触させる。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
また、画像形成装置は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程などの工程を行なうことができる構成としたり、オフセット印刷を行なう構成としたり、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
以下、実施例に基づき本実施の形態をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例は本発明を詳細に説明するために示すものであり、本発明はその趣旨に反しない限り、以下に示した実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例、比較例および参考例中の「部」の記載は、特に指定しない限り「重量部」を示す。
<樹脂の製造>
まず、粘度平均分子量の測定について説明する。
ポリエステル樹脂をジクロロメタンに溶解し濃度Cが6.00g/Lの溶液を調製する。溶媒(ジクロロメタン)の流下時間t0が136.16秒のウベローデ型毛細管粘度計
を用いて、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定する。以下の式に従って粘度平均分子量Mvを算出する。
a=0.438×ηsp+1 ηsp=t/t0−1
b=100×ηsp/C C=6.00(g/L)
η=b/a
Mv=3207×η1.205
以下、ポリエステル樹脂の製造方法について説明する。
製造例1(樹脂X)
1000mLビーカーに水酸化ナトリウム23.01gと水940mLを量り取り、攪拌しながら溶解させた。そこにビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン(以下、BP−a)49.36gを添加、攪拌、溶解した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。次いで、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.5766g及び2,3,5−トリメチルフェノール1.2955gを順次反応槽に添加した。次に、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライド65.27gとジクロロメタン470mLの混合溶液を滴下ロート内に移した。重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに5時間攪拌を続けた後、ジクロロメタン783mLを加え、撹拌を7時間続けた。その後、酢酸8.34mLを加え30分攪拌した後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液942mLにて洗浄を2回行ない、次に0.1N塩酸942mLにて洗浄を2回行い、さらに水942mLにて洗浄を2回行なった。洗浄後の有機層をメタノール6266mLに注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的の樹脂Xを得た。得られた樹脂Xの粘度平均分子量は51,400であった。樹脂Xの繰り返し構造を以下に示す。
Figure 0004661575
製造例2(樹脂Y)
1000mLビーカーに水酸化ナトリウム22.34gと水940mLを量り取り、攪拌しながら溶解させた。そこに1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン(BP−b)51.04gを添加、攪拌、溶解した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。次いで、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.5579gおよび2,3,5−トリメチルフェノール1.0613gを順次反応槽に添加した。別途、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸クロライド63.37gとジクロロメタン470mLの混合溶液を滴下ロート内に移した。重合槽の外温を20℃に保ち、反応槽内のアルカリ水溶液を攪拌しながら、滴下ロートよりジクロロメタン溶液を1時間かけて滴下した。さらに5時間攪拌を続けた後、ジクロロメタン783mLを加え、撹拌を7時間続けた。その後、酢酸8.10mLを加え30分攪拌した後、攪拌を停止し有機層を分離した。この有機層を0.1N水酸化ナトリウム水溶液942mLにて洗浄を2回行い、次に0.1N塩酸942mLにて洗浄を2回行い、さらに水942mLにて洗浄を2回行なった。洗浄後の有機層をメタノール6266mLに注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的の樹脂Bを得た。得られた樹脂Yの粘度平均分子量は51,700であった。樹脂Yの繰り返し構造を以下に示す。
Figure 0004661575
<アゾベンゼン化合物の合成>
合成例1
4−アミノベンズアルデヒド9.1部を濃塩酸中で公知の方法でジアゾ化し、N,N−ジエチル−m−トルイジン8.2部とメタノール100部中でカップリング反応させることにより下記式で示される化合物を10.6部得た。
Figure 0004661575
上記化合物8.9部と、N,N−ジフェニルヒドラジン8.3部とを、メタノール30部とテトラヒドロフラン30部の混合溶媒に混合し、窒素雰囲気下、60℃で2時間撹拌した。放冷後、析出した赤色結晶を炉別し、次いで、公知のカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、目的物質である下記構造式を有する化合物Pを9.3部を得た。
Figure 0004661575
合成例2
合成例1中のN,N−ジエチル−m−トルイジン8.2部を、N,N−ジ−n−プロピル−m−トルイジン11.0部に変更し、N,N−ジフェニルヒドラジン8.3部をN,N−ジ−p−トリルヒドラジン9.6部に変更した以外は、合成例1と同様の操作を行うことにより、目的物質である下記構造式を有する物質Qを9.7部得た。
Figure 0004661575
<感光体シートの製造>
実施例1
下引き層用分散液は、次のようにして製造した。即ち、平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3重量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、高速流動式混合混練機((株)カワタ社製「SMG300」)に投入し、回転周速34.5m/秒で高速混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表わされる化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表わされる化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表わされる化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表わされる化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表わされる化合物]の組成モル比率が、75%/9.5%/3%/9.5%/3%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの重量比が7/1/2で、疎水性処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層用分散液とした。
Figure 0004661575
このようにして得られた下引き層形成用塗布液を、表面にアルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートシート上に、乾燥後の膜厚が1.2μmになるようにワイアバーで塗布、乾燥して下引き層を設けた。
次に、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.3゜に強い回折ピークを示し、図2に示す粉末X線回折スペクトルを有するオキシチタニウムフタロシアニン10重量部を1,2−ジメトキシエタン150重量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行ない顔料分散液を作成した。こうして得られた160重量部の顔料分散液を、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名#6000C)の5%1,2−ジメトキシエタン溶液100重量部と適量の1,2−ジメトキシエタンに加え、最終的に固形分濃度4.0%の分散液を作製した。
この分散液を、上述の下引き層上に乾燥後の膜厚が0.4μmとなるようにワイアバーで塗布した後、乾燥して電荷発生層を形成した。
次に、特開2002−80432中に示された以下構造を主成分とする異性体からなる電荷輸送物質(A)50部、
Figure 0004661575
・・・(A)
バインダー樹脂として製造例1で製造した樹脂X100部、合成例1で合成したアゾベンゼン化合物P2部、酸化防止剤(チバガイギー社製、商品名Irganox1076)8部、レベリング剤としてシリコーンオイル0.05部を、テトラヒドロフランとトルエンの混合溶媒(テトラヒドロフラン80重量%、トルエン20重量%)640部に混合し、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
この液を上述の電荷発生層上に、乾燥後の膜厚が25μmとなるようにアプリケーターを用いて塗布し、125℃で20分間乾燥して電荷輸送層を形成して、感光体シートAを作製した。このとき、樹脂の溶媒に対する溶解性は良好であった。
実施例2
バインダー樹脂として製造例2で製造した樹脂Yを100部用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体Bを得た。
実施例3
アゾベンゼン化合物として合成例2で合成した化合物Qを2部用いた以外は、実施例2と同様にして、感光体Cを得た。
実施例4
電荷輸送物質として下記構造の化合物(B)を50部用いた以外は、実施例2と同様にして、感光体Dを得た。
Figure 0004661575
・・・(B)
比較例1
アゾベンゼン化合物を含有しないこと以外は、実施例2と同様にして感光体Eを得た。
比較例2
バインダー樹脂として、公知の、下記構造のポリアリレート樹脂Zを用いた以外は、実施例1と同様にして感光体Fを得た。このポリアリレート樹脂Zの粘度平均分子量は48,000であった。
Figure 0004661575
比較例3
バインダー樹脂として、公知の、下記構造のポリカーボネート樹脂Wを用いた以外は、実施例1と同様にして感光体Gを得た。このポリカーボネート樹脂Wの粘度平均分子量は50,000であった。
Figure 0004661575
比較例4
アゾベンゼン化合物を含有しないこと以外は、比較例3と同様にして感光体Hを得た。比較例5
アゾベンゼン化合物を含有しないこと以外は、実施例4と同様にして感光体Iを得た。作製した感光体シートA〜Hについて、以下の電気特性試験と摩耗試験を行ない、これらの結果を表1にまとめた。
<電気特性試験>
電子写真学会測定標準に従って製造された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)を使用し、上記感光体シートを直径80mmのアルミニウム製ドラムに貼り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと感光体シートのアルミニウム基体との導通を取った上で、ドラムを一定回転数60rpmで回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行なった。その際、感光体の初期表面電位が−700Vになるように帯電させ、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光としたものを0.9μJ/cm2で露光
したときの露光後表面電位(以下、VLと呼ぶことがある)を測定した。VL測定に際しては、露光から電位測定に要する時間を100msとした。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%で行なった。
また、作製された感光体シート巻き付けドラムについて、感光体上に、白色蛍光灯の光で曝露される部分と曝露されない部分をつくるために、縦20mm、横40mmの穴を開けた黒紙で感光体の全面を覆い、その上から、白色蛍光灯(三菱オスラム社製「ネオルミスーパーFL20SS・W/18」)の光を、感光体表面での光強度が2000ルクスとなるように調整して、黒紙に穴を開けた部分を中心に10分間照射した後、黒紙を取り外し、そのドラムを電気特性試験機に装着し、光曝露部と未露光部のVLの電位差の絶対値ΔVLを測定した。
<摩耗試験>
上記感光体シートを直径10cmの円状に切断しテーバー摩耗試験機(Taber社製)により、摩耗評価を行なった。試験条件は、23℃、50%RHの雰囲気下、摩耗輪CS−10Fを用いて、荷重なし(摩耗輪の自重)で1000回回転後の摩耗量を試験前後の重量を比較することにより測定した。
Figure 0004661575
以上の結果より、本発明に係るポリエステル樹脂とアゾベンゼン化合物をともに含有した場合、例えば比較例1に対して実施例2,3では、VLの変化はそれぞれ12V,13Vであるのに対して、本発明に係るものでない樹脂の場合である、比較例4と比較例3では、VLの変化は15Vと大きい。また、ΔVLは光曝露に対する耐久性を表すため、その変化は耐久性改善効果の大小を表すものとなるが、それが比較例1に対して実施例2,3では31Vであるのに対して、比較例4と比較例3では10Vにとどまり、本発明に限り特段の効果があることがわかる。そして、本発明のポリエステル樹脂とアゾベンゼン化合物をともに含有した感光体に限り、耐磨耗性と耐光性の両方がともに良好なものとなることがわかる。以上の結果より、本発明のポリエステル樹脂およびアゾベンゼン化合物を含有する感光体は、耐磨耗性および耐光性に特に優れることがわかる。
本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置の一実施例を示す概念図である。 実施例で用いられたオキシチタニウムフタロシアニンのX線回折図である。
符号の説明
1 感光体
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙

Claims (5)

  1. 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が下記一般式(1)で表される繰り返し構造を含むポリエステル樹脂、および下記一般式(3)で表されるアゾベンゼン化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004661575
    (一般式(1)中、Ar〜Arは、置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、Xは単結合または二価基を表す。)
    Figure 0004661575
    (一般式(3)中、R、Rは、置換基を有していてもよい炭素数3以下のアルキル基、Arはアルキル基を有するアリーレン基、Arは置換基を有していてもよいアリーレン基、Ar、Ar10はアルキル基を有していてもよいフェニル基を表す。)
  2. 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が下記一般式(1)で表される繰り返し構造を含むポリエステル樹脂、および下記一般式(4)で表されるアゾベンゼン化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004661575
    (一般式(1)中、Ar〜Arは、置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、Xは単結合または二価基を表す。)
    Figure 0004661575
    (一般式(4)中、R、Rは炭素数2以下のアルキル基、Ar11はアルキル基を有するフェニレン基、Ar12は置換基を有していてもよいアリーレン基、Ar13、Ar14は置換基を有していてもよいアリール基を表す。)
  3. 前記一般式(1)中、Xが下記一般式(5)で表される二価基であり、Ar〜Arが置換基を有していても良いフェニレン基であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
    Figure 0004661575
    (一般式(5)中、Rは水素原子または炭素数6以下のアルキル基を表す。)
  4. 電子写真感光体と、該感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段と、この静電潜像をトナーで現像する現像手段と、トナーを被転写体に転写する転写手段とを有することを特徴とする画像形成装置において、該感光体が前記請求項1〜のいずれか1項に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
  5. 電子写真感光体と、該感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段と、この静電潜像をトナーで現像する現像手段と、トナーを被転写体に転写する転写手段のうち、少なくとも一つを有することを特徴とする電子写真カートリッジにおいて、該感光体が前記請求項1〜のいずれか1項に記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真カートリッジ。
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