JP6024415B2 - 電子写真感光体、該感光体を用いる電子写真カートリッジ、及び該感光体を用いる画像形成装置 - Google Patents
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Description
電子写真技術の中核となる感光体については、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電物質を使用した感光体が使用されている。
有機系の光導電材料を用いた感光体としては、光導電性微粉末をバインダー樹脂中に分散させたいわゆる分散型感光体、電荷発生層および電荷輸送層を積層した積層型感光体が知られている。積層型感光体は、それぞれ効率の高い電荷発生物質、および電荷輸送物質を組み合わせることにより高感度な感光体が得られること、材料選択範囲が広く安全性の高い感光体が得られること、また感光層を塗布により容易に形成可能で生産性が高く、コスト面でも有利なことから感光体の主流であり、鋭意開発され実用化されている。
また、高印字品質の要求の高まりから、画像欠陥の少ない電子写真プロセス対応の材料が求められている。
に感度が優れていることが示されている(例えば、特許文献5参照)。
また、特定構造の二価フェノール成分を用いたポリアリレート樹脂をバインダー樹脂として用いた電子写真用感光体の技術が開示され、感光体製造時の溶液安定性が向上すること、機械的強度、特に耐磨耗性が優れていることが知られている(例えば、特許文献6および7参照)。
また、従前知られた電荷輸送層にポリエステル樹脂を用いた電子写真感光体では、強度等は向上するものの、ポリカーボネート樹脂に比べて電気特性が劣ったり、あるいはそのアクセプター性から画像上に残像等が現れたりする等の問題があった。
即ち、本発明の目的は、実用上の負荷に対する耐磨耗性に優れ、電気特性が良好で、さらにメモリが良好で、画像特性に優れる電子写真感光体、さらにはプロセスカートリッジや画像形成装置を提供することにある。
た。
すなわち本発明の要旨は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を有する電子写真感光体において、該電荷輸送層が下記一般式(1)で表される繰り返し構造を含むポリエステル樹脂を含有し、かつ、該電荷発生層がペリレン誘導体を含有することを特徴とする電子写真感光体に存する。
特に、ペリレン誘導体としては、以下一般式(2)〜(4)のものが好ましい。
特に好ましいペリレン誘導体は以下のものである。
また、電荷発生層が金属フタロシアニン化合物を含有することが好ましい。
特に好ましいポリエステル樹脂は以下のものである。
本発明の電子写真感光体の感光層は、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とを有し、特定構造を有するポリエステル樹脂とペリレン誘導体を含有し、該樹脂は感光体の電荷輸送
層層のバインダー樹脂として用いられ、ペリレン誘導体は導電性支持体上に設けられる電荷発生層中に含有される。
まず、本発明のポリエステル樹脂とペリレン誘導体について説明し、それに続けて電子写真感光体の層構成について説明する。
本発明の電子写真感光体の感光層は、導電性基体上に感光層を有する電子写真感光体において、電荷輸送層が下記一般式(1)で表される繰り返し構造を含むポリエステル樹脂を含有する。
アリーレン基が有する炭素数としては、通常6以上、好ましくは7以上、また、その上限は、通常20以下、好ましくは10以下、より好ましくは8以下である。炭素数が多すぎる場合、製造コストが高くなり、電気特性も悪化する恐れがある。
から置換基を有さないことがより好ましい。
上記、本発明のポリエステル樹脂の中の、ジカルボン酸残基の具体例としては、ジフェニルエーテル−2,2’−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−2,3’−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−2,4’−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−3,4’−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸残基が挙げられる。これらの中でも、ジカルボン酸成分の製造の簡便性を考慮すれば、ジフェニルエーテル−2,2’−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−2,4’−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸残基が好ましく、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸残基が特に好ましい。
また、二価フェノール残基となる二価フェノール化合物は、下記一般式(5)で表されるが、好ましくは下記一般式(6)で表される。
一般式(5)のアリーレン基及び一般式(6)のフェニレン基の置換基としては、各々
独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、またはアルキル基が挙げられる。感光層用バインダー樹脂としての機械的特性と感光層形成用塗布液に対する溶解性を勘案すれば、アリール基としてフェニル基、ナフチル基、ハロゲン基としてフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基が好ましい。アルキル基としては、炭素数が1〜10のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数が1〜8であり、特に好ましくは炭素数が1〜2である。
2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エーテル、ビス(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)エーテル、ビス(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)エーテル、(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エーテル、さらには、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサンなどが挙げられる。この中でも、二価フェノール成分の製造の簡便性を考慮すれば、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、あるいは、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(2−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エーテルが特に好ましく、これらの二価フェノール成分を複数組み合わせて用いることも可能である。
Xは単結合、酸素原子、硫黄原子、またはアルキレン基であって、中でも、Xは、酸素原子であることが好ましい。その際、mは0か1であることが好ましく、1であることが最も好ましい。
−2,4'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸残基がより好ましく、ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸残基が特に好ましい。
ン酸残基、ビフェニル−4,4'−ジカルボン酸残基が挙げられ、好ましくは、フタル酸
残基、イソフタル酸残基、テレフタル酸残基、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸残基、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸残基、ビフェニル−2,2'−ジカルボン酸残基、ビ
フェニル−4,4'−ジカルボン酸残基であり、特に好ましくは、イソフタル酸残基、テ
レフタル酸残基であり、これらのジカルボン酸残基を複数組み合わせて用いることも可能である。
併用する樹脂の混合割合は、特に限定されないが、本発明の効果を十分に得るためには、本発明のポリエステル樹脂の割合を超えない範囲で併用することが好ましく、特には他の樹脂を併用しないことが好ましい。
次に、一般式(1)で表される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂の製造方法について説明する。該樹脂の製造方法として、公知の重合方法を用いることができる。例えば界面重合法、溶融重合法、溶液重合法などが挙げられる。
例えば、界面重合法による製造の場合は、二価フェノール成分をアルカリ水溶液に溶解した溶液と、芳香族ジカルボン酸クロライド成分を溶解したハロゲン化炭化水素の溶液とを混合する。この際、触媒として、四級アンモニウム塩もしくは四級ホスホニウム塩を存在させることも可能である。重合温度は0〜40℃の範囲、重合時間は2〜20時間の範囲であるのが生産性の点で好ましい。重合終了後、水相と有機相を分離し、有機相中に溶解しているポリマーを公知の方法で、洗浄、回収することにより、目的とする樹脂を得られる。
換体等の一官能性酸ハロゲン化物等が挙げられる。これら分子量調節剤の中でも分子量調節能が高く、かつ溶液安定性の点で好ましいのは、o,m,p−(tert−ブチル)フェノール、2,6−ジメチルフェノール誘導体、2−メチルフェノール誘導体であり、特に好ましくは、p−(tert−ブチル)フェノール、2,3,6−テトラメチルフェノール、2,3,5−テトラメチルフェノールである。
上述した本発明の樹脂は電子写真感光体に用いられ、該感光体の導電性支持体上に設けられる電荷輸送層中のバインダー樹脂として用いられる。
本発明において、電荷発生層がペリレン誘導体を含有する。電荷輸送層に前記ポリエステル樹脂を含むような場合に、顕著に電気特性改善効果が見られる。その理由は定かではないが、一般にETMとして知られているジフェノキノン系化合物と異なり、ペリレン誘導体はベンゼン環のような芳香族を有しており、本願で規定するポリエステルも芳香族(アリーレン基)を有していることから、相溶性向上やπスタッキング等の効果により、電荷発生層にペリレン誘導体を含有すると、電荷輸送層と電荷発生層の界面において、効率的に電子の輸送が行われるためと考えられる。さらに、金属フタロシアニン化合物と併用する場合には、ペリレン誘導体が電子輸送剤としての役割を果たし、本願の電荷発生層に含まれるポリエステル樹脂の電気特性における欠点を補完する。本発明のペリレン誘導体は、以下の一般式(2)または一般式(3)、一般式(4)のいずれかで表されることが好ましい。
式(2)中、R1及びR2は、水素原子、又は、置換基を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ピリジル基等の複素環基を表すが、中でも、水素原子、アルキル基、アリール基が好ましく、更には、アリール基が好ましい。また、アルキル基、アリール基、複素環基の置換基としては、アルキル基またはハロゲン原子等が挙げられ、中でもアルキル基が好ましい。
式(3)及び式(4)中、R3及びR4は、置換または未置換の、フェニレン、ナフチレン等の2価の芳香族炭化水素基、ピリジンジイル基等の2価の芳香族複素環基を表すが、中でも芳香族炭化水素基が好ましく、更に、フェニレン基が好ましい。芳香族炭化水素基、芳香族複素環基の置換基をしては、アルキル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
電荷発生層におけるペリレン誘導体の含有量は、ペリレン誘導体以外の電荷発生材料に対し、下限は通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、上限は通常200質量%以下であり、100質量%以下である。ペリレン誘導体の量が少なすぎるとその効果が小さく、ペリレン誘導体の量が多すぎると帯電性不良等の弊害を生じる場合がある。
導電性基体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料やアルミニウム、ニッケル、ITO(インジウム−スズ酸化物)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性基体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布したものでも良い。
支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、導電性基体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。
導電性基体と感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。
下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が挙げられる。一種類の粒子のみを用いても良いし複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタンおよび酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていても良い。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。複数の結晶状態のものが含まれていても良い。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、フェノキシ、エポキシ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化剤とともに硬化した形で使用できるが、中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は良好な分散性、塗布性を示し好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性および塗布性から0.1μmから25μmが好ましい。また下引き層には、本発明の酸化防止剤等、公知の酸化防止剤等を添加しても良い。
本発明の電子写真感光体は積層型感光体であり、その電荷発生層には本発明のペリレン誘導体を含有する。電荷発生層に使用される電荷発生材料としては、本発明に係るペリレン誘導体そのものが電荷発生材料となることもできるが、有効な感度波長域が限定されるため、それ以外の電荷発生材料が好んで用いられる。例えばセレニウム及びその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などの有機顔料等各種光導電材料が使用でき、特に有機顔料、更にフタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましい。これらの微粒子をたとえばポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテルなどの各種バインダー樹脂で結着した形で使用される。この場合の使用比率はバインダー樹脂100質量部に対して30から500質量部の範囲より使用され、好ましくは50から300質量部であり、その膜厚は通常0.1μmから1μm、好ましくは0.15μmから0.6μmが好適である。
型は安定型として知られているものである。D型は、CuKα線を用いた粉末X線回折において、回折角2θ±0.2゜が27.3゜に明瞭なピークを示すことを特徴とする結晶型である。ペリレン誘導体が露光に対して感度を持っている場合にも電荷発生材料として優位に働くためには、高感度のD型チタニルフタロシアニンが好ましい。
っている場合にも電荷発生材料として優位に働くためには、高感度である、好ましくはCuKαのX 線回におけるブラッグ角( 2θ±0.2 °)28.1°に、主たる明瞭な
回折ピークを有するものである。ヒドロキシガリウムフタロシアニンの粒径に制限は無いが、通常1.0μm以下、好ましくは0.5μm以下である。さらに、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの塩素含有量にも制限は無いが、通常0.1質量% 以下であり、好ま
しくは塩素を実質上含まないことが好ましい。
アセトアミド、N − メチルホルムアミド、N − メチルアセトアミド、N − メチルプロピオアミド、ホルムアミド等のアミド系溶剤を分散剤として用いてミリング処理を行なうことにより、本発明の結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニンが得られる。ハロゲン化ガリウムフタロシアニンの製造方法は任意であり、例えば、特開平6−93203号公報に記載されている方法によっても得られる。
に減圧すれば、その後は室温でも昇華する。
挙げると、排気量100L/minで、到達真空度は10-4Torrのものを使用することができる。
フタロシアニン化合物は単一の化合物のもののみを用いても良いし、いくつかの混合状態でも良い。ここでのフタロシアニン化合物ないしは結晶状態に置ける混合状態として、それぞれの構成要素を後から混合して用いても良いし、合成、顔料化、結晶化等のフタロシアニン化合物の製造・処理工程において混合状態を生じせしめたものでも良い。このような処理としては、酸ペースト処理・磨砕処理・溶剤処理等が知られている。
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有するとともに、通常はバインダー樹脂、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。本発明では、該層のバインダー樹脂として、本発明のポリエステル樹脂を含有する。電荷輸送層は、具体的には、電荷輸送物質等とバインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを電荷発生層上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
前記電荷輸送物質の好適な構造の具体例を以下に示す。これら具体例は例示のために示したものであり、本発明の趣旨に反しない限りはいかなる公知の電荷輸送物質を用いてもよい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質の割合は、通常、バインダー樹脂100質量部に対して30〜200質量部、好ましくは40〜150質量部の範囲で使用される。また膜厚は一般に5〜50μm、好ましくは10〜45μmがよい。
なお、電荷輸送層には成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性等を向上させるために周知の可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、染料、顔料、レベリング剤などの添加物を含有させても良い。
本実施の形態が適用される電子写真感光体の調製方法は特に限定されないが、通常、これらの感光体を構成する各層は、電子写真感光体の感光層形成方法として公知な、浸漬塗布法、スプレー塗布法、ノズル塗布法、バーコート法、ロールコート法、ブレード塗布法等により支持体上に塗布して形成される。これらの中でも生産性の高さから浸漬塗布方法が好ましい。
各層の形成方法としては、層に含有させる物質を溶剤に溶解または分散させて得られた塗布液を順次塗布するなどの公知の方法が適用できる。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1,帯電装置2,露光装置3及び
現像装置4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置5,クリーニング装置6及び定着装置7が設けられる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
なお、電子写真感光体1及び帯電装置2は、多くの場合、この両方を備えたカートリッジ(以下適宜、感光体カートリッジと言う)として、画像形成装置の本体から取り外し可能に設計されている。そして、例えば電子写真感光体1や帯電装置2が劣化した場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている。また、後述するトナーについても、多くの場合、トナーカートリッジ中に蓄えられて、画像形成装置本体から取り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナーが無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1,帯電装置2,トナーが全て備えられたカートリッジを用いることもある。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
を被覆したブレード等により形成されている。この規制部材45は、現像ローラ44に当接し、ばね等によって現像ローラ44側に所定の力で押圧(一般的なブレード線圧は5〜500g/cm)される。必要に応じて、この規制部材45に、トナーTとの摩擦帯電によりトナーTに帯電を付与する機能を具備させてもよい。
トナーTの種類は任意であり、粉状トナーのほか、懸濁重合法や乳化重合法などを用いた重合トナー等を用いることができる。特に、重合トナーを用いる場合には径が4〜8μm程度の小粒径のものが好ましく、また、トナーの粒子の形状も球形に近いものからポテト上の球形から外れたものまで様々に使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。
定着装置7は、上部定着部材(定着ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73がそなえられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73がそなえられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71,72は、ステンレス,アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、負極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、感光体1の表面に接触させる。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
また、画像形成装置は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程などの工程を行なうことができる構成としたり、オフセット印刷を行なう構成としたり、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
粘度平均分子量の測定について説明する。
を用いて、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定する。以下の式に従って粘度平均分子量Mvを算出する。
a=0.438×ηsp+1 ηsp=t/t0−1
b=100×ηsp/C C=6.00(g/L)
η=b/a
Mv=3207×η1.205
実施例1
平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と該酸化チタンに対して3質量%のメチルジメトキシシランをボールミルにて混合して得られたスラリーを乾燥後、更にメタノールで洗浄、乾燥して得られた疎水性処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとなし、該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエン(質量比7/1/2)の混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン/ヘキサメチレンジアミン/デカメチレンジカルボン酸/オクタデカメチレンジカルボン酸(組成モル%75/9.5/3/9.5/3)からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行なうことにより、疎水性処理酸化チタン/共重合ポリアミドを質量比4/1で含有する固形分濃度18.0%の分散液とした。
次に、下記構造を有するペリレン誘導体(P1)10質量部を1,2−ジメトキシエタン150質量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行なった。
次に、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.3゜に強い回折ピークを示し、図2に示す粉末X線回折スペクトルを有するオキシチタニウムフタロシアニン10質量部を1,2−ジメトキシエタン150質量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行ない、顔料分散液を作成した。こうして得られた160質量部の顔料分散液を、ポリビニルブチラール(積水化学工業(株)製、商品名#BX−5)の5%1,2−ジメトキシエタン溶液100質量部と適量の1,2−ジメトキシエタンに加え、最終的に固形分濃度4.0%の分散液(B)を作製した。
次に、特開2002−80432中に示された以下構造を主成分とする異性体からなる電荷輸送物質40部、
参考例2
バインダー樹脂として以下の繰り返し構造(1−2)からなるポリエステル樹脂(粘度平均分子量40,000)を100部用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体Bを得た。
ペリレン誘導体として、以下の構造を有するもの(異性体の1対1混合物;P2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体Cを得た。
バインダー樹脂として繰り返し構造(1−2)からなるポリエステル樹脂(粘度平均分子量40,000)を100部用いた以外は、実施例3と同様にして、感光体Dを得た。
比較例1
ペリレン誘導体の代わりに、以下構造の電子輸送物質(E)を等量使用したこと以外は、実施例1と同様にして感光体Eを得た。
ペリレン誘導体の代わりに、比較例1で使用の電子輸送物質を等量使用したこと以外は、実施例2と同様にして感光体Fを得た。
比較例3
ペリレン誘導体を含有しないこと以外は、実施例1と同様にして感光体Gを得た。
ペリレン誘導体を含有しないこと以外は、参考例2と同様にして感光体Hを得た。
比較例5
バインダー樹脂として以下の繰り返し構造(2)からなるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量40,000)を100部用いた以外は、実施例1と同様にして、感光体Iを得た。
バインダー樹脂として繰り返し構造(2)からなるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量40,000)を100部用いた以外は、実施例3と同様にして、感光体Jを得た。
比較例7
バインダー樹脂として繰り返し構造(2)からなるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量40,000)を100部用いた以外は、比較例1と同様にして、感光体Kを得た。
バインダー樹脂として繰り返し構造(2)からなるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量40,000)を100部用いた以外は、比較例3と同様にして、感光体Lを得た。
作製した感光体ドラムA〜Lについて、以下の電気特性試験と画像試験を行ない、これらの結果を表1にまとめた。
電子写真学会測定標準に従って製造された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)を使用し、ドラムを一定回転数60rpmで回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行なった。その際、感光体の初期表面電位が−700Vになるように帯電させ、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光としたものを1.0μJ/cm2で露光したときの露光後表面電位(以下、VLと呼ぶことがある)を測定した。VL
測定に際しては、露光から電位測定に要する時間を100msとした。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%で行なった。
感光体ドラムにフランジを装着し、Samsung社製モノクロプリンターML−3710にセットし、4000枚の連続印字を行い、その後、以下のようにしてメモリ画像を出力した。評価環境は、温度32℃、相対湿度80%で行なった。
印刷のインプットとして、印刷領域の上部には白地に線太の文字Gを持ち、中央部から下部にかけてはハーフトーン部を持ったパターンを、パソコンからプリンタに送り、その結果得られる出力画像を目視評価した。
また、4000枚の印字により摩耗した感光層の膜厚を測定した。
をポリエステルに変更しただけの比較例1及び比較例2はメモリが悪化しており、本発明の組み合わせの場合に限り、電気特性、メモリ、耐摩耗性の3つの課題をすべてクリアできることがわかる。
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)
Claims (5)
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジ。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いて成ることを特徴とする画像形成装置。
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