JP2002055470A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2002055470A
JP2002055470A JP2000240521A JP2000240521A JP2002055470A JP 2002055470 A JP2002055470 A JP 2002055470A JP 2000240521 A JP2000240521 A JP 2000240521A JP 2000240521 A JP2000240521 A JP 2000240521A JP 2002055470 A JP2002055470 A JP 2002055470A
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Japan
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electrophotographic photoreceptor
phthalocyanine composition
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phthalocyanine
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JP2000240521A
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Tamotsu Horiuchi
保 堀内
Nobuaki Hirota
展章 廣田
Koichi Toritsuka
光一 鳥塚
Makoto Okaji
誠 岡地
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高感度で、かつ繰返し使用しても安定な性能を
発揮できる電子写真感光体を提供すること。 【解決手段】導電性支持体上に感光層を有する電子写真
感光体において、特定のフタロシアニン組成物と少なく
とも一種以上の特定のビスアゾ顔料、ペリレン顔料及び
多環キノン系顔料の何れかの電荷発生物質を含有するこ
とを特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高感度でかつ繰り
返し特性に優れる電子写真に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式の利用は複写機の分
野に限らず、印刷版材、スライドフィルム、マイクロフ
ィルム等の、従来では写真技術が使われていた分野へ広
がり、またレーザーやLED、CRTを光源とする高速
プリンターへの応用も検討されている。また最近では光
導電性材料の電子写真感光体以外の用途、例えば静電記
録素子、センサー材料、EL素子等への応用も検討され
始めた。従って光導電性材料及びそれを用いた電子写真
感光体に対する要求も高度で幅広いものになりつつあ
る。これまで電子写真方式の感光体としては無機系の光
導電性物質、例えばセレン、硫化カドミウム、酸化亜
鉛、シリコン等が知られており、広く研究され、かつ実
用化されている。これらの無機物質は多くの長所を持っ
ているのと同時に、種々の欠点をも有している。例えば
セレンには製造条件が難しく、熱や機械的衝撃で結晶化
しやすいという欠点があり、硫化カドミウムや酸化亜鉛
は耐湿性、耐久性に難がある。シリコンについては帯電
性の不足や製造上の困難さが指摘されている。更に、セ
レンや硫化カドミウムには毒性の問題もある。
【0003】これに対し、有機系の光導電性物質は成膜
性がよく、可撓性も優れていて、軽量であり、透明性も
よく、適当な増感方法により広範囲の波長域に対する感
光体の設計が容易である等の利点を有していることか
ら、次第にその実用化が注目を浴びている。
【0004】ところで、電子写真技術に於て使用される
感光体は、一般的に基本的な性質として次のような事が
要求される。即ち、(1) 暗所におけるコロナ放電に対し
て帯電性が高いこと、(2) 得られた帯電電荷の暗所での
漏洩(暗減衰)が少ないこと、(3) 光の照射によって帯
電電荷の散逸(光減衰)が速やかであること、(4) 光照
射後の残留電荷が少ないこと等である。
【0005】しかしながら、今日まで有機系光導電性物
質としてポリビニルカルバゾールを始めとする光導電性
ポリマーに関して多くの研究がなされてきたが、これら
は必ずしも皮膜性、可撓性、接着性が十分でなく、また
上述の感光体としての基本的な性質を十分に具備してい
るとはいい難い。
【0006】一方、有機系の低分子光導電性化合物につ
いては、感光体形成に用いる結着剤等を選択することに
より、皮膜性や接着性、可撓性等機械的強度に優れた感
光体を得ることができ得るものの、高感度の特性を保持
し得るのに適した化合物を見出すことは困難である。
【0007】このような点を改良するために電荷発生機
能と電荷輸送機能とを異なる物質に分担させ、より高感
度の特性を有する有機感光体が開発されている。機能分
離型と称されているこのような感光体の特徴はそれぞれ
の機能に適した材料を広い範囲から選択できることであ
り、任意の性能を有する感光体を容易に作製し得ること
から多くの研究が進められてきた。
【0008】このうち、電荷発生機能を担当する物質と
しては、フタロシアニン顔料、スクエアリウム系染料、
アゾ顔料、ペリレン系顔料等の多種の物質が検討され、
中でもアゾ顔料は多様な分子構造が可能であり、また、
高い電荷発生効率が期待できることから広く研究され、
実用化も進んでいる。しかしながら、このアゾ顔料にお
いては、分子構造と電荷発生効率の関係はいまだに明ら
かになっていない。膨大な合成研究を積み重ねて、最適
の構造を探索しているのが実情であるが、先に掲げた感
光体として求められている基本的な性質や高い耐久性等
の要求を十分に満足するものは、未だ得られていない。
【0009】また、近年従来の白色光のかわりにレーザ
ー光を光源として、高速化、高画質化、ノンインパクト
化を長所としたレーザービームプリンター等が、情報処
理システムの進歩と相まって広く普及するに至り、その
要求に耐えうる材料の開発が要望されている。特にレー
ザー光の中でも近年コンパクトディスク、光ディスク等
への応用が増大し技術進歩が著しい半導体レーザーは、
コンパクトでかつ信頼性の高い光源材料としてプリンタ
ー分野でも積極的に応用されてきた。この場合の光源の
波長は780〜830nm前後であることから、近赤外
領域に高感度な特性を有する感光体の開発が強く望まれ
ている。その中で、特に近赤外領域に光吸収を有するフ
タロシアニン類を使用した感光体の開発が盛んに行われ
ている。
【0010】フタロシアニン類は、中心金属の種類によ
り吸収スペクトルや光導電性が異なるだけでなく、同じ
中心金属を有するフタロシアニンでも、結晶形によって
これらの諸特性に差が生じ、特定の結晶形が電子写真感
光体に選択されていることが報告されている。
【0011】チタニルオキシフタロシアニン(以下、
「TiOPc」と略記する)を例にとると、特開昭61
−217050号公報では、X線回折スペクトルにおけ
るブラッグ角(2θ±0.2°)が7.6°、10.2
°、22.3°、25.3°、28.6°に主たる回折
ピークを有するα形TiOPc、特開昭62−6709
4号公報には9.3°、10.6°、13.2°、1
5.1°、15.7°、16.1°、20.8°、2
3.3°、26.3°、27.1°に主たる回折ピーク
を有するβ形TiOPcが報告されているが、これらは
要求される高い特性を十分満足していない。
【0012】X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±
0.2°)が27.2°にピークを有するものに限って
みても、特開昭62−67094号公報に報告されてい
るII形TiOPcは帯電性に劣っており、感度も低い。
特開平1−17066号公報には9.5°、9.7°、
11.7°、15.0°、23.5°、24.1°、2
7.3°に主たる回折ピークを有する、比較的良好な感
度を示すY形TiOPcが報告されているが、分散時に
他の結晶形へ転移してしまうことや分散液の経時安定性
等に問題がある。
【0013】また、2種以上のフタロシアニンからの混
晶、あるいは単純に混合したものを電子写真感光体の電
荷発生物質として用いることも報告されている。例とし
て特開平1−142659号公報にはα形TiOPcと
無金属フタロシアニン(以下、「H2Pc」と略記す
る)からなるα形TiOPc組成物が、特開平2−17
0166号公報には中心金属の異なる2種以上のフタロ
シアニンからなる混晶が、特開平2−272067号公
報にはTiOPcとH2PcからなるX形H2Pc組成物
が、特開平4−351673号公報にはTiOPcとヒ
ドロキシメタルフタロシアニンの混晶結晶が、そして特
開平8−67829号公報にはX線回折スペクトルにお
けるブラッグ角(2θ±0.2°)が6.8°、7.4
°、15.0°、24.7°、26.2°、27.2°
に主たる回折ピークを有するTiOPcとH2Pcの混
晶体が報告されている。しかし、これらも要求される特
性を有していない。
【0014】以上述べたように電子写真感光体の作製に
は種々の改良が成されてきたが、先に掲げた感光体とし
て要求される基本的な性質や高い耐久性等の要求を十分
に満足するものは未だ得られていないのが現状である。
【0015】また、TiOPcとその他特定の電荷発生
物質とを併用して諸特性を向上させる方法として、特開
平3−37656号公報、特開平3−255456号公
報、特開平4−163558号公報、特開平5−665
95号公報、特開平7−114196号公報あるいはAp
pl.Phys.Lett.,58,1062(1991)等から報告されている
が、先に挙げる感光体としての要求される基本的な性質
や高い耐久性等の要求を十分に満足するものは未だ得ら
れていないのが現状である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、帯電
電位が高く高感度で、かつ繰返し使用しても諸特性が変
化せず安定した性能を発揮できる電子写真感光体を提供
することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわ
ち、導電性支持体上に、感光層を有する電子写真感光体
において、該感光層がCuKα1.541オンク゛ストロームの
X線に対するブラッグ角(2θ±0.2℃)が7.0
°、9.0°、14.1°、18.0°、23.7°、
27.3°にピークを有するフタロシアニン組成物と特
定の電荷発生物質を含有することを特徴とするものであ
る。
【0018】一般式(1)において、R11は水素原子、
置換記を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アル
キルチオ基、アリール基、アラルキル基または複素環を
示し、mは0〜2の整数、nは0または1である。ま
た、Cp1、Cp2はカプラー残基を示し、同一であって
も異なっていてもよい。
【0019】R11の具体例としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基、
メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、メチルチオ
基、エチルチオ基等のアルキルチオ基、フェニル基、ナ
フチル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、ナフ
チルメチル基等のアラルキル基、フリル基、チエニル基
等の複素環基を挙げることができる。
【0020】一般式(2)において、R21は置換基を有
してもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基また
は複素環を示し、R22は水素原子、アルキル基、アルコ
キシ基、アルキルチオ基、アリール基、アラルキル基ま
たは複素環を示す。また、Cp1、Cp2はカプラー残基
を示し、同一であっても異なっていてもよい。
【0021】R21の具体例としては、上述のアルキル
基、上述のアリール基、アラルキル基、複素環基を挙げ
ることができる。R22の具体例としては、上述のアルキ
ル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、複
素環基を挙げることができる。
【0022】一般式(1)及び(2)においてカプラー
残基Cp1、Cp2の具体例としては、表1〜14に示さ
れるものが挙げられる。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【表5】
【0028】
【表6】
【0029】
【表7】
【0030】
【表8】
【0031】
【表9】
【0032】
【表10】
【0033】
【表11】
【0034】
【表12】
【0035】
【表13】
【0036】
【表14】
【0037】本発明の一般式(1)で示されるビスアゾ
顔料の具体例としては、例えば表15及び16に示され
るものが挙げられる。式中、Cp1、Cp2はカプラー残
基を示し、同一であっても異なってもよい。
【0038】
【表15】
【0039】
【表16】
【0040】本発明の一般式(2)で示されるビスアゾ
顔料の具体例としては、例えば表17及び18に示され
るものが挙げられる。式中、Cp1、Cp2はカプラー残
基を示し、同一であっても異なってもよい。
【0041】
【表17】
【0042】
【表18】
【0043】一般式(3)〜(5)において、R31、R
32は置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基または複素環を示し、同一でも異なっていて
もよい。R33〜R36は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ
基、シアノ基または置換基を有していてもよいアルキル
基を示し、同一でも異なっていてもよい。
【0044】R31、R32の具体例としては、上述のアル
キル基、上述のアリール基、上述のアラルキル基、上述
の複素環基を挙げることができる。R33〜R36の具体例
としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、上
述のアルキル基を挙げることができる。
【0045】本発明の一般式(3)〜(5)で示される
ペリレン系顔料の具体例としては、例えば表19〜21
に示されるものが挙げられる。
【0046】
【表19】
【0047】
【表20】
【0048】
【表21】
【0049】一般式(6)〜(8)において、R41〜R
43は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基また
は置換基を有してもよいアルキル基を示し、同一であっ
ても異なってもよい。pは1〜4、qは1〜6の整数で
ある。
【0050】R41〜R43の具体例としては、水素原子、
上述のハロゲン原子、上述のアルキル基を挙げることが
できる。
【0051】本発明の一般式(6)〜(8)で示される
多環キノン系顔料の具体例としては例えば表22〜24
に示されるものが挙げられる。
【0052】
【表22】
【0053】
【表23】
【0054】
【表24】
【0055】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるフタロシアニ
ン類は、公知の製造方法を使用することができる。製造
方法としては、F.H.Moser、A.L.Thomas著「Phthalocyanin
e Compounds」(1963年)に製造方法が記載されており、こ
の方法に従えばフタロシアニン類は容易に得られる。T
iOPcを例にとれば、フタロジニトリルと四塩化チタ
ンとの縮合反応による製造方法、あるいはPB8517
2.FIAT.FINAL REPORT 1313.
Feb.1.1948や特開平1−142658号公
報、特開平1−221461号公報に記載されている、
1,3−ジイミノイソインドリンとテトラアルコキシチ
タンとの反応により製造する方法等が挙げられる。ま
た、反応に用いる有機溶媒としては、α−クロロナフタ
レン、β−クロロナフタレン、α−メチルナフタレン、
メトキシナフタレン、ジフェニルナフタレン、エチレン
グリコールジアルキルエーテル、キノリン、スルホラ
ン、ジクロロベンゼン、N−メチル−2−ピロリドン、
ジクロロトルエン等の反応不活性な高沸点の溶媒が望ま
しい。
【0056】上述の方法によって得たフタロシアニン類
を、酸、アルカリ、アセトン、メタノール、エタノー
ル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ピリジ
ン、キノリン、スルホラン、α−クロロナフタレン、ト
ルエン、キシレン、ジオキサン、クロロホルム、ジクロ
ロエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル
−2−ピロリドン、あるいは水等により精製して電子写
真用途に用い得る高純度のフタロシアニン類が得られ
る。精製法としては、洗浄法、再結晶法、ソックスレー
等の抽出法、及び熱懸濁法、昇華法等がある。また、精
製方法はこれらに限定されるものではなく、未反応物や
反応副生成物を取り除く作業であれば何れでもよい。
【0057】本発明のフタロシアニン組成物はTiOP
cとH2Pcを含有しているが、TiOPcとH2Pc以
外のフタロシアニン類を更に含有してもよい。その含有
してもよいフタロシアニン類としては、それ自体公知の
フタロシアニン及びその誘導体の何れでもよい。誘導体
とは、フタロシアニンのイソインドール環に置換基を有
するもの、あるいは中心金属に配位子を有するものを挙
げることができる。含有してもよいフタロシアニン類の
具体例としてはH2Pc類、TiOPc類、バナジルフ
タロシアニン類、銅フタロシアニン類、アルミニウムフ
タロシアニン類、ガリウムフタロシアニン類、インジウ
ムフタロシアニン類、ゲルマニウムフタロシアニン類、
リチウムフタロシアニン類、ナトリウムフタロシアニン
類、カリウムフタロシアニン類、ジルコニウムフタロシ
アニン類、ハフニウムフタロシアニン、マグネシウムフ
タロシアニン類、スズフタロシアニン類、亜鉛フタロシ
アニン類、コバルトフタロシアニン類、ニッケルフタロ
シアニン類、バリウムフタロシアニン類、ベリリウムフ
タロシアニン類、カドミウムフタロシアニン類、コバル
トフタロシアニン類、鉄フタロシアニン類、シリコンフ
タロシアニン類、鉛フタロシアニン類、銀フタロシアニ
ン類、金フタロシアニン類、白金フタロシアニン類、ル
テニウムフタロシアニン類、パラジウムフタロシアニン
類、無金属ナフタロシアニン類、チタニルナフタロシア
ニン類等が挙げられる。特にこの中でもバナジルオキシ
フタロシアニン、クロロアルミニウムフタロシアニン、
クロロガリウムフタロシアニン、クロロインジウムフタ
ロシアニン、ジクロロゲルマニウムフタロシアニン、ヒ
ドロキシアルミニウムフタロシアニン、ヒドロキシガリ
ウムフタロシアニン、ヒドロキシインジウムフタロシア
ニン、ジヒドロキシゲルマニウムフタロシアニンが好ま
しい。
【0058】本発明のフタロシアニン組成物におけるT
iOPcとTiOPc以外のフタロシアニン類の比率
は、TiOPc100重量部に対して、TiOPc以外
のフタロシアニン類は0.1重量部以上、50重量部以
下が好ましく、1重量部以上、40重量部以下がより好
ましい。TiOPc以外のフタロシアニン類としては、
2Pc単独、あるいは先に示したフタロシアニン類と
2Pcの混合でもよい。混合する場合の比率は、H2
c100重量部に対して100重量部以下が好ましく、
50重量部以下がより好ましい。
【0059】本発明で使用されるアモルファス性フタロ
シアニン組成物、アモルファス性TiOPc、あるいは
アモルファス性H2Pcのアモルファス化方法は、機械
的摩砕法、あるいはアシッドペースティング法等、アモ
ルファス化できるものであれば何れであってもよい。機
械的摩砕処理としては、ボールミル、自動乳鉢、ペイン
トコンディショナー等における乾式ミリング方法が挙げ
られる。摩砕助剤としてはガラスビーズ、ジルコニアビ
ーズ、あるいは食塩等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。アシッドペースティング法として
は、フタロシアニン類を硫酸等の強酸に溶解し、その溶
液を水等の貧溶媒に注ぎ込んで粒子化する方法である。
また、アモルファス化する前のフタロシアニン類の結晶
形は、何を使用しても構わない。
【0060】本発明のフタロシアニン組成物へ結晶転移
させる際に必要な芳香族化合物の具体例としては、ベン
ゼン、トルエン、ナフタレン、m−ターフェニル、ある
いはクメン等の芳香族炭化水素系化合物、クロロベンゼ
ン、ブロモベンゼン、あるいはo−ジクロロベンゼン等
のハロゲン化芳香族炭化水素系化合物、ベンゾチオフェ
ン、ベンゾフラン、あるいはN−エチルカルバゾール等
の芳香族ヘテロ環化合物を挙げることができる。これら
の芳香族化合物は、常温で液体状態、あるいは固体状態
の何れを形成していてもよいが、融点が100℃以下で
あることが好ましい。これらは単独、あるいは2種以上
の混合として使用することができる。
【0061】また、芳香族化合物は種々の有機溶媒と組
み合わせることが可能である。組み合わせることができ
る有機溶媒として具体的には、メタノール、エタノー
ル、あるいはイソプロピルアルコール等のアルコール系
溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、あるいはメチル
イソブチルケトン等のケトン系溶媒、ギ酸エチル、酢酸
エチル、あるいは酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、
ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフ
ラン、ジオキソラン、あるいはジオキサン等のエーテル
系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(以下「DM
F」と略記する)、N,N−ジメチルアセトアミド、あ
るいはN−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、
ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化
メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、あるいは
トリクロロエチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系溶
媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,
5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サン、シクロヘキサジエン、あるいはテルピノレン等の
脂肪族炭化水素系溶媒を挙げることができる。これらは
単独、あるいは2種以上の混合溶媒として使用すること
ができる。
【0062】フタロシアニン組成物へ結晶転移させる際
の、フタロシアニン類と水の比は、フタロシアニン類1
重量部に対して、2重量部以上、100重量部以下が好
ましいが、フタロシアニン類を分散できる範囲であれば
この範囲に限定されるものではない。同様に、フタロシ
アニン類と芳香族化合物の比は、フタロシアニン類10
0重量部に対して、芳香族化合物10重量部以上、50
00重量部以下が好ましく、50重量部以上、500重
量部以下がより好ましい。また、芳香族化合物と有機溶
媒を併用して結晶転移する場合、芳香族化合物と有機溶
媒の比は、芳香族化合物100重量部に対して、100
0重量部以下が好ましく、200重量部以下がより好ま
しい。
【0063】転移する温度としては80℃以上が好まし
く、更に攪拌しながら行うことがより好ましい。攪拌す
る方法としては、スターラー、ボールミル、ペイントコ
ンディショナー、サンドミル、アトライター、ディスパ
ーザー、あるいは超音波分散等が挙げられるが、攪拌処
理を行えれば何でもよく、これらに限定されるものでは
ない。転移に要する時間は、5秒以上、120時間以下
が好ましく、10秒以上、50時間以下がより好まし
く、1分以上、50時間が更に好ましい。
【0064】また、場合によっては界面活性剤を添加し
てもよい。界面活性剤としては、カチオン系、ノニオン
系、あるいはアニオン系の何れでもよい。添加量として
は、フタロシアニン組成物100重量部に対して0.0
01重量部以上、50重量部以下が好ましく、0.5重
量部以上、5重量部以下がより好ましい。
【0065】次に本発明による合成法を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではな
い。
【0066】合成例1 フタロジニトリル20.0gをα−クロロナフタレン2
00mlに溶かし、窒素雰囲気下、四塩化チタン9.0
gを滴下した。滴下終了後、240℃で加熱攪拌した。
3時間後反応を停止し、析出した結晶を濾取し、α−ク
ロロナフタレン、メタノールでよく洗浄してジクロロチ
タニルフタロシアニンを得た。このジクロロチタニルフ
タロシアニンを、濃アンモニア水150mlと共に、攪
拌下、加熱環流した。1時間後に反応を停止し、結晶を
濾取してTiOPcを17.4g得た。
【0067】合成例2 合成例1で得られたTiOPc10.0gを、約2℃に
冷却した濃硫酸100mlにゆっくりと加えて溶解させ
た。この溶液を冷却した氷水1000mlにゆっくりと
注ぎ込んで結晶を析出させた。結晶を濾取し、中性にな
るまで水で洗浄して9.3gの結晶を得た。
【0068】合成例3 合成例1で得られたTiOPc10.0gを、H2Pc
(大日精化製MCP−80)10.0gのみに変更した
以外は合成例2と同様にしてアシッドペースティング処
理を行った。その結果9.5gの結晶を得た。
【0069】合成例4 CuKα1.541オンク゛ストローム
のX線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)が7.0
°、9.0°、14.1°、18.0°、23.7°、
27.3°にピークを有することを特徴とするフタロシ
アニン組成物の合成 合成例2で得たアモルファス性TiOPc0.7gと合
成例3で得たアモルファス性H2Pc0.3gの混合物
を100mlフラスコに入れ、90℃で加熱攪拌した。
10分後、ナフタレン2.0gを添加し、引き続き同温
で加熱攪拌した。1時間後に反応を停止し室温まで放冷
した。結晶を濾取し、メタノールで洗浄した。その結
果、0.9gの結晶が得られた。得られた結晶形はCu
Kα線を用いたX線回折スペクトル(理学電機製X線回
折装置RAD−Cシステム)を測定することにより結晶
形を確認した。測定結果を図1に示す。 測定条件 X線管球 : Cu 電圧 : 40.0KV 電流 : 100.0mA スタート角度 : 3.0deg. ストップ角度 : 40.0deg. ステップ角度 : 0.02deg. 図1より、この結晶形はブラッグ角(2θ±0.2°)
が7.0°、9.0°、14.1°、18.0°、2
3.7°、27.3°にピークを有していることがわか
る。
【0070】合成例5 例示化合物:表16のB−11
(Cp1、Cp2=A−21)の合成 構造式(9)で示されるジアミノ化合物0.78gをD
MF40ml、1N塩酸12mlに溶解し、亜硝酸ナト
リウム0.30gを水2mlに溶解した水溶液を反応温
度が5℃を越えないように氷冷下攪拌しながら10分間
かけて滴下した。約1時間攪拌した後、42%ホウフッ
化水素酸10mlを加えて析出したテトラゾニウム塩を
濾取した。これと構造式(10)で示される化合物1.
19gをDMF200mlに溶解し、酢酸ナトリウム
1.48gを水10mlに溶解した水溶液を5〜10℃
で5分間かけて滴下した。同温で2時間、更に室温で2
時間攪拌した後、析出物を濾取し、DMF、水、アセト
ン、各300mlで洗浄し、1.77gの結晶が得られ
た。
【0071】
【化5】
【0072】合成例6 例示化合物:表17のC−6
(Cp1、Cp2=A−165)の合成 構造式(9)で示されるジアミノ化合物0.30gを、
構造式(11)で示されるジアミノ化合物0.73g
に、また構造式(10)でしめされる化合物1.19g
を、構造式(12)で示される化合物1.95gに変更
した以外は合成例5と同様にしてビスアゾ顔料を作製し
た。その結果、1.91gの結晶が得られた。
【0073】
【化6】
【0074】前記一般式(3)、(4)、(5)で示さ
れるペリレン系顔料は公知の方法、例えば反応に不活性
な有機溶媒中で、ペリレンテトラカルボン酸二水和物と
対応するアミノ化合物を脱水縮合することで合成でき
る。
【0075】前記一般式(6)で示されるアンスアンス
ロン系顔料は公知の方法、例えば硫酸中、1,1´−ジ
ナフチル−8,8´−ジカルボン酸を脱水縮合すること
により合成することができる。前記一般式(7)で示さ
れるジベンズピレンキノン系顔料は公知の方法、例えば
反応に不活性な有機溶媒中で、1,5−ジベンゾイルナ
フタレンを塩化アルミニウム触媒で自己縮合させること
により合成することができる。前記一般式(8)で示さ
れるピラントロン系顔料は公知の方法、例えば酢酸中、
1,1´−ジアントラキノリル−2,2´−ジカルボン
酸を無水クロム酸触媒で酸化縮合することにより合成す
ることができる。
【0076】本発明の電子写真感光体の形態は、その何
れを用いることもできる。例えば、導電性支持体上に電
荷発生物質、電荷輸送物質、及びフィルム形成性結着剤
樹脂からなる感光層を設けたものがある。また、導電性
支持体上に、電荷発生物質と結着剤樹脂からなる電荷発
生層と、電荷輸送物質と結着剤樹脂からなる電荷輸送層
を設けた積層型の感光体も知られている。電荷発生層と
電荷輸送層はどちらが上層となっても構わない。また、
必要に応じて導電性支持体と感光層の間に下引き層を、
感光体表面にオーバーコート層を、積層型感光体の場合
は電荷発生層と電荷輸送層との間に中間層を設けること
もできる。本発明の化合物を用いて感光体を作製する支
持体としては、金属製ドラム、金属板、導電性加工を施
した紙やプラスチックフィルムのシート状、ドラム状あ
るいはベルト状の支持体等が使用される。
【0077】本発明で使用されるCuKα1.541オン
ク゛ストロームのX線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)
が7.0°、9.0°、14.1°、18.0°、2
3.7°、27.3°にピークを有するフタロシアニン
組成物と一般式(1)〜(8)の電荷発生物質との混合
比は混合する電荷発生物質の種類によって感光体の必要
とされる特性を考慮して、その最適値を個々に設定する
ことができるが、フタロシアニン組成物1重量部に対し
て0.001〜20重量部が好ましく、0.01〜5重
量部がより好ましい。
【0078】本発明の感光層を形成するために用いるバ
インダーであるフィルム形成性結着剤樹脂としては、利
用分野に応じて種々のものが挙げられる。例えば複写用
感光体の用途では、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセ
タール樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹
脂、酢ビ・クロトン酸共重合体樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアリレート樹
脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、
フェノキシ樹脂あるいはポリ塩化ビニル樹脂等が挙げら
れる。これらの中でも、ポリスチレン樹脂、ポリビニル
アセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリアリレート樹脂等は感光体としての電位特性
に優れている。また、これらの樹脂は、単独あるいは共
重合体の何れでもよく、これらは単独、あるいは2種以
上の混合物として用いることができる。
【0079】感光層に含まれるこれらの樹脂は、フタロ
シアニン組成物に対して10〜500重量%が好まし
く、50〜150重量%がより好ましい。樹脂の比率が
高くなりすぎると電荷発生効率が低下し、また樹脂の比
率が低くなりすぎると成膜性に問題が生じる。
【0080】これらのバインダーの中には、引っ張り、
曲げ、圧縮等の機械的強度に弱いものがある。この性質
を改良するために、可塑性を与える物質を加えることが
できる。具体的には、フタル酸エステル(例えばDO
P、DBP等)、リン酸エステル(例えばTCP、TO
P等)、セバシン酸エステル、アジピン酸エステル、ニ
トリルゴム、塩素化炭化水素等が挙げられる。これらの
物質は、必要以上に添加すると電子写真特性の悪影響を
及ぼすので、その割合はバインダー100重量部に対し
20重量部以下が好ましい。
【0081】その他、感光体中への添加物として酸化防
止剤やカール防止剤等、塗工性の改良のためレベリング
剤等を必要に応じて添加することができる。
【0082】本発明の感光体に使用される電荷輸送物質
には正孔輸送物質と電子輸送物質がある。前者の例とし
ては、例えば特公昭34−5466号公報等に示されて
いるオキサジアゾール類、特公昭45−555号公報等
に示されているトリフェニルメタン類、特公昭52−4
188号公報等に示されているピラゾリン類、特公昭5
5−42380号公報等に示されているヒドラゾン類、
特開昭56−123544号公報等に示されているオキ
サジアゾール類、特開昭54−58445号公報に示さ
れているテトラアリールベンジジン類、特開昭58−6
5440号公報、あるいは特開昭60−98437号公
報に示されているスチルベン類等を挙げることができ
る。その中でも、本発明に使用される電荷輸送物質とし
ては、特開昭60−24553号公報、特開平2−96
767号公報、特開平2−183260号公報、並びに
特開平2−226160号公報に示されているヒドラゾ
ン類、特開平2−51162号公報、並びに特開平3−
75660号公報に示されているスチルベン類が特に好
ましい。また、これらは単独、あるいは2種以上の混合
物として用いることができる。
【0083】一方、電子輸送物質としては、例えばクロ
ラニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメ
タン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、
2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、
2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8
−トリニトロチオキサントン、1,3,7−トリニトロ
ジベンゾチオフェン、あるいは1,3,7−トリニトロ
ジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド等がある。こ
れらの電荷輸送物質は単独、あるいは2種以上の混合物
として用いることができる。
【0084】また、更に増感効果を増大させる増感剤と
して、ある種の電子吸引性化合物を添加することもでき
る。この電子吸引性化合物としては例えば、2,3−ジ
クロロ−1,4−ナフトキノン、1−ニトロアントラキ
ノン、1−クロロ−5−ニトロアントラキノン、2−ク
ロロアントラキノン、フェナントレンキノン等のキノン
類、4−ニトロベンズアルデヒド等のアルデヒド類、9
−ベンゾイルアントラセン、インダンジオン、3,5−
ジニトロベンゾフェノン、あるいは3,3′,5,5′
−テトラニトロベンゾフェノン等のケトン類、無水フタ
ル酸、4−クロロナフタル酸無水物等の酸無水物、テレ
フタラルマロノニトリル、9−アントリルメチリデンマ
ロノニトリル、4−ニトロベンザルマロノニトリル、あ
るいは4−(p−ニトロベンゾイルオキシ)ベンザルマ
ロノニトリル等のシアノ化合物、3−ベンザルフタリ
ド、3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)フタリ
ド、あるいは3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)
−4,5,6,7−テトラクロロフタリド等のフタリド
類等を挙げることができる。
【0085】電荷輸送層に含有されるこれらのバインダ
ーは、電荷輸送物質1重量部に対して0.001重量部
以上、20重量部以下が好ましく、0.01重量部以
上、5重量部以下がより好ましい。バインダーの比率が
高すぎると感度が低下し、また、バインダーの比率が低
くなりすぎると繰り返し特性の悪化や塗膜の欠損を招く
おそれがある。
【0086】本発明の電子写真感光体は、形態に応じて
上記の種々の添加物質を溶媒中に溶解または分散し、そ
の塗布液を先に述べた導電性支持体上に塗布し、乾燥し
て感光体を製造することができる。分散液を作製する際
に好ましい溶媒としては、水、メタノール、エタノー
ル、あるいはイソプロピルアルコール等のアルコール系
溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、あるいはメチル
イソブチルケトン等のケトン系溶媒、ギ酸エチル、酢酸
エチル、あるいは酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、
ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフ
ラン、ジオキソラン、ジオキサン、あるいはアニソール
等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、
DMF、あるいはN−メチル−2−ピロリドン等のアミ
ド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホル
ム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタ
ン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロ
ロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨー
ドベンゼン、あるいはα−クロロナフタレン等のハロゲ
ン化炭化水素系溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n
−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、
メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼ
ン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシ
レン、エチルベンゼン、あるいはクメン等の炭化水素系
溶媒を挙げることができる。特にその中でも、ケトン系
溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、あるいはハロ
ゲン化炭化水素系溶媒が好ましく、これらは単独、ある
いは2種以上の混合溶媒として用いることができる。
【0087】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0088】実施例1 合成例5で得たフタロシアニン組成物0.9重量部、例
示化合物B−11(Cp1、Cp2=A−21)0.1重
量部、ポリエステル樹脂(東洋紡製バイロン220)1
重量部、メチルエチルケトン100重量部をガラスビー
ズと共に、レッドデビル社製ペイントコンディショナー
を用いて1時間分散した。得られた分散液を、アプリケ
ーターにてアルミ蒸着ポリエステル上に塗布して乾燥
し、膜厚約0.2μmの電荷発生層を形成した。次に例
示化合物(13)をポリアリレート樹脂(ユニチカ製U
−ポリマー)と1:1の重量比で混合し、ジクロロエタ
ンを溶媒として10重量%の溶液を作製し、上記の電荷
発生層の上にアプリケーターで塗布して膜厚20μmの
電荷輸送層を形成した。
【0089】
【化7】
【0090】この様にして作製した積層型感光体につい
て、静電記録試験装置(川口電機製EPA−8200)
を用いて電子写真特性の評価を行なった。 測定条件:印加電圧−4.7kV、スタティックNo. 3
(ターンテーブルの回転スピードモード:10m/mi
n )。その結果、帯電電位(V0)が−750V、半減
露光量(E1/2)が0.47ルックス・秒と非常に高感
度の値を示した。
【0091】更に同装置を用いて、帯電−除電(除電
光:白色光で400ルックス×1秒照射)を1サイクル
とする繰返し使用に対する特性評価を行った。1000
回での繰返しによる帯電電位の変化を求めたところ、1
回目の帯電電位(V0)−750Vに対し、1000回
目の帯電電位(V0)は−740Vであり、繰返しによ
る電位の低下がほとんどなく安定した特性を示した。ま
た、1回目の半減露光量(E1/2)0.47ルックス・
秒に対して1000回目の半減露光量(E1/2)は0.
47ルックス・秒と変化がなく優れた特性を示した。
【0092】実施例2〜15 実施例1のフタロシアニン組成物と例示化合物B−11
(Cp1、Cp2=A−21)の混合比率を表25に示す
混合比率に、あるいは表25に示す例示化合物に変更し
た以外は実施例1と同様にして感光体を作製し、実施例
1と同様に帯電電位(V0)と半減露光量(E1/2)を測
定した。結果を表25に示す。
【0093】
【表25】
【0094】比較例1 実施例1で用いたフタロシアニン組成物0.9重量部、
例示化合物B−11(Cp1、Cp2=A−21)0.1
重量部を、フタロシアニン組成物単独(1重量部)に変
更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、
実施例1と同様に帯電電位(V0)と半減露光量(E1/
2)を測定した。その結果、帯電電位(V0)が−740
V、半減露光量(E1/2)が0.51ルックス・秒であ
り、感度がやや悪目であった。また、1000回目の帯
電電位(V0)は−720V、半減露光量(E1/2)が
0.51ルックス・秒であり、実施例1に比較して帯電
電位の変化がやや大きいことがわかる。
【0095】比較例2 実施例1で用いたフタロシアニン組成物0.9重量部、
例示化合物B−11(Cp1、Cp2=A−21)0.1
重量部を、例示化合物B−11(Cp1、Cp2=A−2
1)単独(1重量部)に変更した以外は、実施例1と同
様にして感光体を作製し、実施例1と同様に帯電電位
(V0)と半減露光量(E1/2)を測定した。その結果、
帯電電位(V0)が−805V、半減露光量(E1/2)が
0.55ルックス・秒であり、感度がやや悪目であっ
た。また、1000回目の帯電電位(V0)は−720
V、半減露光量(E1/2)が0.55ルックス・秒であ
り、実施例1に比較して帯電電位の変化が大きかった。
【0096】比較例3〜8 比較例2で用いた例示化合物B−11(Cp1、Cp2
A−21)を表26に示す例示化合物に変更した以外
は、比較例2と同様にして感光体を作製し、実施例1と
同様に帯電電位(V0)と半減露光量(E1/2)を測定し
た。また、実施例3で用いたフタロシアニン組成物を、
表26に示すTiOPcに変更した以外は、実施例3と
同様にして感光体を作製し、実施例1と同様に帯電電位
(V0)と半減露光量(E1/2)を測定した。結果を表2
6に示す。
【0097】
【表26】
【0098】比較例1〜6の結果から、実施例1〜6、
8、11及び13の混合系においては比較例1〜6の単
独系に比べ同等もしくは増感されており、また、繰り返
しによる帯電電位の変化においても、実施例1〜6、
8、11及び13の混合系が比較例1〜6の単独系より
も同等もしくは小さく、優れていることがわかる。ま
た、α形TiOPc及びY形TiOPcを用いた場合
は、繰り返しによる感度劣化が大きかった。
【0099】実施例16 合成例5で得たフタロシアニン組成物2.5重量部、例
示化合物B−15(Cp1,Cp2=A−41)2.5重
量部、テトラヒドロフラン100重量部をジルコニアビ
ーズと共にボールミルで分散した。48時間後、こうし
て得た分散液に、(13)で示される化合物50重量
部、ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学製PCZ−2
00)100重量部、テトラヒドロフラン700重量部
を加え、更にボールミルで30分間分散処理を行った
後、アプリケーターにてアルミ蒸着ポリエステル上に塗
布し、膜厚約15μmの感光層を形成した。この様にし
て作製した単層型感光体の電子写真特性を、実施例1と
同様にして評価した。ただし、印加電圧のみ+5kVに
変更した。その結果、1回目の帯電電位(V0)+43
5V、半減露光量(E1/2)0.62ルックス・秒、1
000回繰り返し後の帯電電位(V0)+415V、半
減露光量(E1/2)0.62ルックス・秒と優れた特性
を示した。
【0100】実施例17〜19 実施例16で用いた例示化合物B−15(Cp1,Cp2
=A−41)を表27に示す電荷発生物質に変更した以
外は実施例16と同様にして感光体を作製し、実施例1
6と同様に帯電電位(V0)と半減露光量(E1/2)を測
定した。結果を表27に示す。
【0101】
【表27】
【0102】比較例9 実施例16で用いたフタロシアニン組成物2.5重量
部、例示化合物B−15(Cp1,Cp2=A−41)
2.5重量部を、合成例5で得たフタロシアニン組成物
単独(5重量部)に変更した以外は、実施例16と同様
にして感光体を作製し、帯電電位(V0)と半減露光量
(E1/2)を測定した。その結果、帯電電位(V0)が+
440V、半減露光量(E1/2)が0.65ルックス・
秒であり、感度が悪目であった。また、1000回目の
帯電電位(V0)が+410V、半減露光量(E1/2)が
0.65ルックス・秒であり、実施例16の混合系に比
較して電位変化がやや大きく、感度も若干劣っているこ
とがわかる。
【0103】比較例10 実施例16で用いたフタロシアニン組成物2.5重量
部、例示化合物B−15(Cp1,Cp2=A−41)
2.5重量部を、例示化合物B−15(Cp1,Cp2
A−41)5重量部に変更した以外は、実施例16と同
様にして感光体を作製し、帯電電位(V0)と半減露光
量(E1/2)を測定した。その結果、帯電電位(V0)が
+500V、半減露光量(E1/2)が0.91ルックス
・秒であり、感度が悪目であった。また、1000回目
の帯電電位(V0)が+420V、半減露光量(E1/2)
が0.92ルックス・秒であり、実施例16の混合系に
比較して電位変化がやや大きく、感度も劣っていること
がわかる。
【0104】比較例11〜14 比較例9で用いたフタロシアニン組成物を、表28に示
す例示化合物に変更した以外は比較例9と同様に感光体
を作製し、実施例16と同様に帯電電位(V0)と半減
露光量(E1/2)を測定した。また、比較例14とし
て、フタロシアニン組成物をY形TiOPcに変更した
以外は実施例16と同様にして感光体を作製し、帯電電
位(V0)と半減露光量(E1/2)を測定した。結果を表
28に示す。
【0105】
【表28】
【0106】比較例11〜13の結果から、実施例17
〜19の混合系は比較例9、11〜13の単独系に比べ
て同等もしくは増感されており、また、繰り返しによる
帯電電位の変化においても、実施例17〜19の混合系
は比較例11〜13の単独系に比べて同等もしくは小さ
いことがわかる。また、比較例14の混合系は繰り返し
による感度劣化が大きかった。
【0107】
【発明の効果】以上明らかなように、本発明におけるフ
タロシアニン組成物と特定の電荷発生物質の組み合わせ
を用いれば優れた特性を有する電子写真感光体を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例5で得たフタロシアニン組成物のX線回
折スペクトル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/06 380 G03G 5/06 380 (72)発明者 岡地 誠 東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱 製紙株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA19 AA20 BA36 BA37 BA38 BA45 BA47

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、CuKα1.541オンク゛ストロームのX
    線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)が7.0°、
    9.0°、14.1°、18.0°、23.7°、2
    7.3°にピークを有するフタロシアニン組成物と、下
    記式(1)で示されるアゾ顔料の少なくとも1種を含有
    することを特徴とする電子写真感光体。 【化1】 (一般式(1)において、R11は水素原子、置換基を有
    してもよいアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ
    基、アリール基、アラルキル基または複素環を示し、m
    は0〜2の整数、nは0または1である。また、C
    1、Cp2はカプラー残基を示し、同一であっても異な
    っていてもよい。)
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、CuKα1.541オンク゛ストロームのX
    線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)が7.0°、
    9.0°、14.1°、18.0°、23.7°、2
    7.3°にピークを有するフタロシアニン組成物と、下
    記式(2)で示されるアゾ顔料の少なくとも1種を含有
    することを特徴とする電子写真感光体。 【化2】 (一般式(2)において、R21は置換基を有してもよい
    アルキル基、アリール基、アラルキル基または複素環を
    示し、R22は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ア
    ルキルチオ基、アリール基、アラルキル基または複素環
    を示す。また、Cp1、Cp2はカプラー残基を示し、同
    一であっても異なっていてもよい。)
  3. 【請求項3】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、CuKα1.541オンク゛ストロームのX
    線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)が7.0°、
    9.0°、14.1°、18.0°、23.7°、2
    7.3°にピークを有するフタロシアニン組成物と、下
    記式(3)〜(5)で示されるペリレン系顔料の少なく
    とも1種を含有することを特徴とする電子写真感光体。 【化3】 (一般式(3)〜(5)において、R31、R32は置換基
    を有してもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基
    または複素環を示し、同一でも異なっていてもよい。R
    33〜R36は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
    基または置換基を有していてもよいアルキル基を示し、
    同一でも異なっていてもよい。)
  4. 【請求項4】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、CuKα1.541オンク゛ストロームのX
    線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)が7.0°、
    9.0°、14.1°、18.0°、23.7°、2
    7.3°にピークを有するフタロシアニン組成物と、下
    記式(6)〜(8)で示される多環キノン系顔料の少な
    くとも1種を含有することを特徴とする電子写真感光
    体。 【化4】 (一般式(6)〜(8)において、R41〜R43は水素原
    子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基または置換基を
    有してもよいアルキル基を示し、同一でも異なっていて
    もよい。pは1〜4、qは1〜6の整数を示す。)
  5. 【請求項5】 前記フタロシアニン組成物が、少なくと
    も水と芳香族化合物を含有する溶媒中で処理することに
    より、結晶形を変換したフタロシアニン組成物であるこ
    とを特徴とする請求項1〜4の電子写真感光体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7101647B2 (en) 2002-09-24 2006-09-05 Kyocera Mita Corporation Electrophotosensitive material
JP2010078904A (ja) * 2008-09-26 2010-04-08 Kyocera Mita Corp 単層型電子写真感光体
JP2014106334A (ja) * 2012-11-27 2014-06-09 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真感光体、該感光体を用いる電子写真カートリッジ、及び該感光体を用いる画像形成装置

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JP2014106334A (ja) * 2012-11-27 2014-06-09 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真感光体、該感光体を用いる電子写真カートリッジ、及び該感光体を用いる画像形成装置

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