JP2000229971A - チタニルオキシフタロシアニン及びその製造方法、並びにそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

チタニルオキシフタロシアニン及びその製造方法、並びにそれを用いた電子写真感光体

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JP2000229971A
JP2000229971A JP3182199A JP3182199A JP2000229971A JP 2000229971 A JP2000229971 A JP 2000229971A JP 3182199 A JP3182199 A JP 3182199A JP 3182199 A JP3182199 A JP 3182199A JP 2000229971 A JP2000229971 A JP 2000229971A
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thermal analysis
differential thermal
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Koichi Toritsuka
光一 鳥塚
Tamotsu Horiuchi
保 堀内
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子写真特性として、帯電電位が高く高感度
で、かつ繰返し使用しても諸特性が変化せず安定した性
能を発揮できる、新規な結晶形でかつ260℃以下に吸
熱ピークを有するTiOPcを、ハロゲン物質を用いず
に製造する条件を提供すること。 【解決手段】アモルファス性TiOPcを、水とナフタ
レンを用いて結晶転移する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な結晶形を有
するチタニルオキシフタロシアニン(以下、「TiOP
c」と略記する)及びその製造方法、並びにそれを用い
た電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式の利用は複写機の分
野に限らず、印刷版材、スライドフィルム、マイクロフ
ィルム等の、従来では写真技術が使われていた分野へ広
がり、またレーザーやLED、CRTを光源とする高速
プリンターへの応用も検討されている。また最近では光
導電性材料の電子写真感光体以外の用途、例えば静電記
録素子、センサー材料、EL素子等への応用も検討され
始めた。従って光導電性材料及びそれを用いた電子写真
感光体に対する要求も高度で幅広いものになりつつあ
る。これまで電子写真方式の感光体としては無機系の光
導電性物質、例えばセレン、硫化カドミウム、酸化亜
鉛、シリコン等が知られており、広く研究され、かつ実
用化されている。これらの無機物質は多くの長所を持っ
ているのと同時に、種々の欠点をも有している。例えば
セレンには製造条件が難しく、熱や機械的衝撃で結晶化
しやすいという欠点があり、硫化カドミウムや酸化亜鉛
は耐湿性、耐久性に難がある。シリコンについては帯電
性の不足や製造上の困難さが指摘されている。更に、セ
レンや硫化カドミウムには毒性の問題もある。
【0003】これに対し、有機系の光導電性物質は成膜
性がよく、可撓性も優れていて、軽量であり、透明性も
よく、適当な増感方法により広範囲の波長域に対する感
光体の設計が容易である等の利点を有していることか
ら、次第にその実用化が注目を浴びている。
【0004】ところで、電子写真技術に於て使用される
感光体は、一般的に基本的な性質として次のような事が
要求される。即ち、(1) 暗所におけるコロナ放電に対し
て帯電性が高いこと、(2) 得られた帯電電荷の暗所での
漏洩(暗減衰)が少ないこと、(3) 光の照射によって帯
電電荷の散逸(光減衰)が速やかであること、(4) 光照
射後の残留電荷が少ないこと等である。
【0005】しかしながら、今日まで有機系光導電性物
質としてポリビニルカルバゾールを始めとする光導電性
ポリマーに関して多くの研究がなされてきたが、これら
は必ずしも皮膜性、可撓性、接着性が十分でなく、また
上述の感光体としての基本的な性質を十分に具備してい
るとはいい難い。
【0006】一方、有機系の低分子光導電性化合物につ
いては、感光体形成に用いる結着剤等を選択することに
より、皮膜性や接着性、可撓性等機械的強度に優れた感
光体を得ることができるものの、高感度の特性を保持し
得るのに適した化合物を見出すことが難しいという欠点
があった。
【0007】このような点を改良するために電荷発生機
能と電荷輸送機能とを異なる物質に分担させ、より高感
度の特性を有する有機感光体が開発されている。機能分
離型と称されているこのような感光体の特長はそれぞれ
の機能に適した材料を広い範囲から選択できることであ
り、任意の性能を有する感光体を容易に作製し得ること
から多くの研究が進められてきた。
【0008】このうち、電荷発生機能を担当する物質と
しては、フタロシアニン顔料、スクエアリウム系染料、
アゾ顔料、ペリレン系顔料等の多種の物質が検討され、
中でもアゾ顔料は多様な分子構造が可能であり、また、
高い電荷発生効率が期待できることから広く研究され、
実用化も進んでいる。しかしながら、このアゾ顔料にお
いては、分子構造と電荷発生効率の関係はいまだに明ら
かになっていない。膨大な合成研究を積み重ねて、最適
の構造を探索しているのが実情であるが、先に掲げた感
光体として求められている基本的な性質や高い耐久性等
の要求を十分に満足するものは、未だ得られていない。
【0009】また、近年従来の白色光のかわりにレーザ
ー光を光源として、高速化、高画質化、ノンインパクト
化を長所としたレーザービームプリンター等が、情報処
理システムの進歩と相まって広く普及するに至り、その
要求に耐えうる材料の開発が要望されている。特にレー
ザー光の中でも近年コンパクトディスク、光ディスク等
への応用が増大し技術進歩が著しい半導体レーザーは、
コンパクトでかつ信頼性の高い光源材料としてプリンタ
ー分野でも積極的に応用されてきた。この場合の光源の
波長は780nm前後であることから、780nm前後
の長波長光に対して高感度な特性を有する感光体の開発
が強く望まれている。その中で、特に近赤外領域に光吸
収を有するフタロシアニン類を使用した感光体の開発
が、最近盛んに行われている。
【0010】フタロシアニン類は、中心金属の種類によ
り吸収スペクトルや光導電性が異なるだけでなく、同じ
中心金属を有するフタロシアニンでも、結晶形によって
これらの諸特性に差が生じ、特定の結晶形が電子写真感
光体に選択されていることが報告されている。
【0011】TiOPcを例にとると、特開昭61−2
17050号公報では、X線回折スペクトルにおけるブ
ラッグ角(2θ±0.2°)が7.6°、10.2°、
22.3°、25.3°、28.6°に主たる回折ピー
クを有するα形TiOPc、特開昭62−67094号
公報には9.3°、10.6°、13.2°、15.1
°、15.7°、16.1°、20.8°、23.3
°、26.3°、27.1°に主たる回折ピークを有す
るβ形TiOPcが報告されているが、これらは要求さ
れる高い特性を十分満足していない。
【0012】特開昭64−17066号公報には9.5
°、9.7°、11.7°、15.0°、23.5°、
24.1°、27.3°に主たる回折ピークを有する、
比較的良好な感度を示すY形TiOPcが報告されてい
る。この結晶形に関する合成法は、アシッドペースティ
ング処理したα形TiOPcの水性懸濁液を塩素化ベン
ゼン溶媒を用いて結晶転移することが、特開昭63−2
0365号公報に報告されている。また、特開平3−3
5245号公報にはアモルファス性TiOPcの水性懸
濁液を、o−ジクロロベンゼンや1,2−ジクロロエタ
ンを用いて結晶転移することが報告されている。しか
し、ここで使用されている塩素化ベンゼンのようなハロ
ゲン物質は、ダイオキシンの発生等、近年の環境問題を
考慮すると好ましくない。
【0013】一方、ハロゲン物質を含有しない製造方法
として、シクロヘキサノンやテトラヒドロフラン、ある
いはシクロヘキサノールを用いた結晶転移方法が特開平
3−35064号公報から、トルエンやキシレン等の芳
香族炭化水素、あるいはミルセンやリモネン、そしてテ
ルピネン等のモノテルペン系溶媒を用いた結晶転移方法
が特開平3−134065号公報から報告されている。
しかし、これらの製造方法によって得たTiOPcは、
何れも感度が低い。
【0014】以上述べたように電子写真感光体の作製に
は種々の改良が成されてきたが、製造中にハロゲン物質
を使用しなければ良好な特性が得られず、先に掲げた感
光体として要求される基本的な性質や高い耐久性等の要
求を十分に満足するものは未だ得られていないのが現状
である。また、今までの製造方法は、何れも室温で液体
状態のものを使用する概念しか報告されていない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、帯電
電位が高く高感度で、かつ繰返し使用しても諸特性が変
化せず安定した性能を発揮できる電子写真感光体及びそ
れに用いるTiOPcを提供することであり、製造過程
においてハロゲン物質を全く使用しないことを目的とし
ている。
【0016】
【課題を解決するための手段】以上に述べたようにフタ
ロシアニンには種々の結晶形が存在し、それらの結晶形
には、安定な状態と考えられるα形やβ形の他に、準安
定形と考えられる前述のY形を代表とする種々の結晶形
が存在することが知られている。本発明の目的とする、
電子写真感光体に用いて高感度の特性を有するTiOP
cは、殆どがこれら準安定の結晶形を有していると考え
られており、これら準安定の結晶形を有するTiOPc
は、熱処理、溶剤処理、或いはミリング等の機械的処理
によってより安定な結晶形へと結晶転移を起こすことも
知られている。特に高温で処理した場合には、殆どのも
のが最も安定と考えられているβ形へと結晶転移するこ
とが観測されているが、この際、結晶の格子エネルギー
の変化に伴って発熱が起こることが推測される。本発明
者らはこの点に着目して、種々の結晶形を有するTiO
Pcについて、結晶転移による熱エネルギーの変化を観
測すべく、示差熱分析を利用して解析を試みた所、予想
された通り準安定の結晶形を有するTiOPcの殆どの
ものにおいて、加熱による安定形への転移に伴う、熱エ
ネルギーの放出(示差熱分析における放熱ピーク)が観
測された。特に、類似の結晶形を有するTiOPcで
も、繰り返し安定性の優れたものでは、その結晶形の安
定性を反映して、殆どのものが260℃以下に放熱ピー
クを有していた。一方結晶形が類似でも繰り返しや耐久
性に劣るものでは、265℃以上のより高い温度に放熱
ピークを有しているものが多く、また安定なα形やβ形
では考えられる通り示差熱分析において放熱ピークは見
られなかった。以上のことから、高感度を有する結晶形
のTiOPcの中で、更に示差熱分析において260℃
以下に放熱ピークを有しているものが耐久性にも優れて
いると考え、鋭意検討した結果、水とナフタレンを用い
て結晶転移することにより、新規な結晶形で示差熱分析
において260℃以下に吸熱ピークを有するTiOPc
を得ることができ、かつこれを用いて良好な電子写真特
性を有する電子写真感光体を作製することができた。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるフタロシアニ
ン類は、公知の製造方法を使用することができる。製造
方法としては、F.H.Moser、A.L.Thomas著「Phthalocyanin
e Compounds」(1963年)に製造方法が記載されており、こ
の方法に従えばフタロシアニン類は容易に得られる。T
iOPcを例にとれば、フタロジニトリルと四塩化チタ
ンとの縮合反応による製造方法、あるいはPB8517
2.FIAT.FINAL REPORT 1313.
Feb.1.1948や特開平1−142658号公
報、特開平1−221461号公報に記載されている、
1,3−ジイミノイソインドリンとテトラアルコキシチ
タンとの反応により製造する方法等が挙げられる。ま
た、反応に用いる有機溶媒としては、α−クロロナフタ
レン、β−クロロナフタレン、α−メチルナフタレン、
メトキシナフタレン、ジフェニルナフタレン、エチレン
グリコールジアルキルエーテル、キノリン、スルホラ
ン、ジクロロベンゼン、N−メチル−2−ピロリドン、
ジクロロトルエン等の反応不活性な高沸点の溶媒が望ま
しい。
【0018】上述の方法によって得たフタロシアニン類
を、酸、アルカリ、アセトン、メタノール、エタノー
ル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ピリジ
ン、キノリン、スルホラン、α−クロロナフタレン、ト
ルエン、キシレン、ジオキサン、クロロホルム、ジクロ
ロエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル
−2−ピロリドン、あるいは水等により精製して電子写
真用途に用い得る高純度のフタロシアニン類が得られ
る。精製法としては、洗浄法、再結晶法、ソックスレー
等の抽出法、及び熱懸濁法、昇華法等がある。また、精
製方法はこれらに限定されるものではなく、未反応物や
反応副生成物を取り除く作業であれば何れでもよい。
【0019】本発明で使用されるアモルファス性TiO
Pcは、機械的摩砕法、あるいはアシッドペースティン
グ法等、アモルファス化できるものであれば何れであっ
てもよい。機械的摩砕処理としては、ボールミル、自動
乳鉢、ペイントコンディショナー等における乾式ミリン
グ方法が挙げられる。摩砕助剤としてはガラスビーズ、
ジルコニアビーズ、あるいは食塩等が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。アシッドペースティン
グ法としては、TiOPcを硫酸等の強酸に溶解し、そ
の溶液を水等の貧溶媒に注ぎ込んで粒子化する方法であ
る。また、アモルファス化する前のTiOPcの結晶形
は、何を使用しても構わない。
【0020】TiOPcを結晶転移させる際の、TiO
Pcと水の比は、TiOPc1重量部に対して、2重量
部以上、100重量部以下が好ましいが、TiOPcを
分散できる範囲であればこの範囲に限定されるものでは
ない。同様に、TiOPcとナフタレンの比は、TiO
Pc100重量部に対して、ナフタレン10重量部以
上、5000重量部以下が好ましく、50重量部以上、
500重量部以下がより好ましい。
【0021】また、ナフタレンは種々の有機溶媒と組み
合わせることが可能である。組み合わせることができる
有機溶媒として具体的には、メタノール、エタノール、
あるいはイソプロピルアルコール等のアルコール系溶
媒、アセトン、メチルエチルケトン、あるいはメチルイ
ソブチルケトン等のケトン系溶媒、ギ酸エチル、酢酸エ
チル、あるいは酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、ジ
エチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキソラン、ジオキサン、あるいはアニソール等
のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、あるいはN−メチル−
2−ピロリドン等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、ク
ロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエ
タン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロ
ベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、
ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、あるいはα−クロロ
ナフタレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、n−ペンタ
ン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘ
キサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−
キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメン、あ
るいはテルピノレン等の炭化水素系溶媒を挙げることが
できる。特にその中でも、ケトン系溶媒、炭化水素系溶
媒が好ましい。これらは単独、あるいは2種以上の混合
溶媒として使用することができる。
【0022】上記に示した有機溶媒を用いて結晶転移す
る際、ナフタレンと有機溶媒の比は、ナフタレン100
重量部に対して、1000重量部以下が好ましく、20
0重量部以下がより好ましい。
【0023】これらを用い、アモルファス性TiOPc
を、目的の結晶形へ転移する温度としては、80℃以
上、100℃以下が好ましい。80℃はナフタレンの融
点に相当し、100℃は水の沸点に相当するためであ
る。また、この結晶転移においては撹拌しながら行うこ
とがより好ましい。撹拌する方法としては、スターラ
ー、ボールミル、ペイントコンディショナー、サンドミ
ル、アトライター、ディスパーザー、あるいは超音波分
散等が挙げられるが、撹拌処理を行えれば何でもよく、
これらに限定されるものではない。転移に要する時間
は、5秒以上、120時間以下が好ましく、10秒以
上、50時間以下がより好ましく、1分以上、50時間
が更に好ましい。
【0024】また、場合によっては界面活性剤を添加し
てもよい。界面活性剤としては、カチオン系、ノニオン
系、あるいはアニオン系の何れでもよい。添加量として
は、TiOPc100重量部に対して0.001重量部
以上、50重量部以下が好ましく、0.5重量部以上、
5重量部以下がより好ましい。
【0025】本発明の電子写真感光体の形態は、その何
れを用いることもできる。例えば、導電性支持体上に電
荷発生物質、電荷輸送物質、及びフィルム形成性結着剤
樹脂からなる感光層を設けたものがある。また、導電性
支持体上に、電荷発生物質と結着剤樹脂からなる電荷発
生層と、電荷輸送物質と結着剤樹脂からなる電荷輸送層
を設けた積層型の感光体も知られている。電荷発生層と
電荷輸送層はどちらが上層となっても構わない。また、
必要に応じて導電性支持体と感光層の間に下引き層を、
感光体表面にオーバーコート層を、積層型感光体の場合
は電荷発生層と電荷輸送層との間に中間層を設けること
もできる。本発明の化合物を用いて感光体を作製する支
持体としては、金属製ドラム、金属板、導電性加工を施
した紙やプラスチックフィルムのシート状、ドラム状あ
るいはベルト状の支持体等が使用される。
【0026】本発明の電子写真感光体における電荷発生
物質としては、CuKα1.541オンク゛ストロームのX線に
対するブラッグ角(2θ±0.2°)が9.5°、1
3.5°、14.2°、18.0°、24.0°、2
7.2°にピークを有する本発明のTiOPcが最適で
ある。
【0027】本発明の新規なTiOPcは、他の電荷発
生物質と組み合わせて使用してもよい。使用してもよい
電荷発生物質としては、トリフェニルメタン系染料、ザ
ンセン系染料、アクリジン系染料、チアジン系染料、ピ
リリウム系染料、アズレニウム系染料、チイリウム系染
料、シアニン系染料、スクエアリウム系染料、ピロロピ
ロール系染料、多環キノン系顔料、ペリレン系顔料、ペ
リノン系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサジン系
顔料、アゾ顔料、あるいはフタロシアニン類等が挙げら
れる。これらは、単独、あるいは2種以上の混合物とし
て用いることができる。
【0028】本発明の電子写真感光体における感光層を
形成するために用いるバインダーであるフィルム形成性
結着剤樹脂としては、利用分野に応じて種々のものが挙
げられる。例えば複写用感光体の用途では、ポリスチレ
ン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリスルホン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、酢ビ・クロトン酸共重合体
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹
脂、ポリアリレート樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹
脂、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂あるいはポリ塩化
ビニル樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリスチ
レン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂等は感
光体としての電位特性に優れている。また、これらの樹
脂は、単独あるいは共重合体の何れでもよく、これらは
単独、あるいは2種以上の混合物として用いることがで
きる。
【0029】感光層に含まれるこれらの樹脂は、TiO
Pcに対して10〜500重量%が好ましく、50〜1
50重量%がより好ましい。樹脂の比率が高くなりすぎ
ると電荷発生効率が低下し、また樹脂の比率が低くなり
すぎると成膜性に問題が生じる。
【0030】これらのバインダーの中には、引っ張り、
曲げ、圧縮等の機械的強度に弱いものがある。この性質
を改良するために、可塑性を与える物質を加えることが
できる。具体的には、フタル酸エステル(例えばDO
P、DBP等)、リン酸エステル(例えばTCP、TO
P等)、セバシン酸エステル、アジピン酸エステル、ニ
トリルゴム、塩素化炭化水素等が挙げられる。これらの
物質は、必要以上に添加すると電子写真特性の悪影響を
及ぼすので、その割合はバインダー100重量部に対し
20重量部以下が好ましい。
【0031】その他、感光体中への添加物として酸化防
止剤やカール防止剤等、塗工性の改良のためレベリング
剤等を必要に応じて添加することができる。
【0032】本発明の感光体に使用される電荷輸送物質
には正孔輸送物質と電子輸送物質がある。前者の例とし
ては、例えば特公昭34−5466号公報等に示されて
いるオキサジアゾール類、特公昭45−555号公報等
に示されているトリフェニルメタン類、特公昭52−4
188号公報等に示されているピラゾリン類、特公昭5
5−42380号公報等に示されているヒドラゾン類、
特開昭56−123544号公報等に示されているオキ
サジアゾール類、特開昭54−58445号公報に示さ
れているテトラアリールベンジジン類、特開昭58−6
5440号公報、あるいは特開昭60−98437号公
報に示されているスチルベン類等を挙げることができ
る。その中でも、本発明に使用される電荷輸送物質とし
ては、特開昭60−24553号公報、特開平2−96
767号公報、特開平2−183260号公報、並びに
特開平2−226160号公報に示されているヒドラゾ
ン類、特開平2−51162号公報、並びに特開平3−
75660号公報に示されているスチルベン類が特に好
ましい。また、これらは単独、あるいは2種以上の混合
物として用いることができる。
【0033】一方、電子輸送物質としては、例えばクロ
ラニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメ
タン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、
2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、
2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8
−トリニトロチオキサントン、1,3,7−トリニトロ
ジベンゾチオフェン、あるいは1,3,7−トリニトロ
ジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド等がある。こ
れらの電荷輸送物質は単独、あるいは2種以上の混合物
として用いることができる。
【0034】また、更に増感効果を増大させる増感剤と
して、ある種の電子吸引性化合物を添加することもでき
る。この電子吸引性化合物としては例えば、2,3−ジ
クロロ−1,4−ナフトキノン、1−ニトロアントラキ
ノン、1−クロロ−5−ニトロアントラキノン、2−ク
ロロアントラキノン、フェナントレンキノン等のキノン
類、4−ニトロベンズアルデヒド等のアルデヒド類、9
−ベンゾイルアントラセン、インダンジオン、3,5−
ジニトロベンゾフェノン、あるいは3,3′,5,5′
−テトラニトロベンゾフェノン等のケトン類、無水フタ
ル酸、4−クロロナフタル酸無水物等の酸無水物、テレ
フタラルマロノニトリル、9−アントリルメチリデンマ
ロノニトリル、4−ニトロベンザルマロノニトリル、あ
るいは4−(p−ニトロベンゾイルオキシ)ベンザルマ
ロノニトリル等のシアノ化合物、3−ベンザルフタリ
ド、3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)フタリ
ド、あるいは3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)
−4,5,6,7−テトラクロロフタリド等のフタリド
類等を挙げることができる。
【0035】電荷輸送層に含有されるこれらのバインダ
ーは、電荷輸送物質1重量部に対して0.001重量部
以上、20重量部以下が好ましく、0.01重量部以
上、5重量部以下がより好ましい。バインダーの比率が
高すぎると感度が低下し、また、バインダーの比率が低
くなりすぎると繰り返し特性の悪化や塗膜の欠損を招く
おそれがある。
【0036】本発明の電子写真感光体は、形態に応じて
上記の種々の添加物質を溶媒中に溶解または分散し、そ
の塗布液を先に述べた導電性支持体上に塗布し、乾燥し
て感光体を製造することができる。分散液を作製する際
に好ましい溶媒としては、水、メタノール、エタノー
ル、あるいはイソプロピルアルコール等のアルコール系
溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、あるいはメチル
イソブチルケトン等のケトン系溶媒、ギ酸エチル、酢酸
エチル、あるいは酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、
ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフ
ラン、ジオキソラン、ジオキサン、あるいはアニソール
等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、あるいはN−メチル−
2−ピロリドン等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、ク
ロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエ
タン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロ
ベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、
ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、あるいはα−クロロ
ナフタレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、n−ペンタ
ン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘ
キサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−
キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、あるいはク
メン等の炭化水素系溶媒を挙げることができる。特にそ
の中でも、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系
溶媒、あるいはハロゲン化炭化水素系溶媒が好ましく、
これらは単独、あるいは2種以上の混合溶媒として用い
ることができる。
【0037】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0038】合成例1 アモルファス性TiOPc1.0g、水28.0gを1
00mlフラスコに入れ、90℃で加熱撹拌した。10
分後、ナフタレン2.0gを添加し、同温で加熱撹拌し
た。1時間後反応を停止し、室温まで放冷した。結晶を
濾取し、メタノールで洗浄した。その結果、0.9gの
結晶が得られた。得られた結晶はCuKα線を用いたX
線回折スペクトル(理学電機製X線回折装置RAD−C
システム)を測定することにより結晶形を確認した。測
定結果を図1に示す。
【0039】
【0040】図1より、この結晶は、ブラッグ角(2θ
±0.2°)が9.5°、13.5°、14.2°、1
8.0°、24.0°、27.2°にノイズとは異なる
ピークを有しており、新規な結晶形を有するTiOPc
結晶であることがわかる。
【0041】次に、この得られた結晶について以下の条
件で示差熱分析を行い、放熱ピークの値を確認した。測
定結果を図2に示す。 測定条件 使用測定器 :パーキンエルマー社製DSC−7 スタート温度 :34℃ ストップ温度 :350℃ パージガス :N2 昇温速度 :20℃/min. 図2より、この結晶は251.3℃に放熱ピークを有し
ていることがわかる。
【0042】合成例2 ナフタレン2.0gを、ナフタレン1.0g、n−オク
タン1.0gに変更した以外は合成例1と同様にして結
晶転移を行った。その結果、0.9gの結晶が得られ
た。この結晶形のX線回折スペクトルを図3に示す。図
3より、図1と同様、新規な結晶型を有するTiOPc
結晶であることがわかる。またこの結晶について合成例
1と同じ条件で示差熱分析を行ったところ244.3℃
に放熱ピークを有していた。
【0043】合成例3 ナフタレン2.0gを、ナフタレン1.0g、シクロヘ
キサノン1.0gに変更した以外は合成例1と同様にし
て結晶転移を行った。その結果、0.9gの結晶が得ら
れた。この結晶形のX線回折スペクトルを図4に示す。
図4より、図1と同様の新規な結晶形を有するTiOP
c結晶であることがわかる。またこの結晶について合成
例1と同じ条件で示差熱分析を行ったところ239.4
℃に放熱ピークを有していた。
【0044】比較合成例1 ナフタレン2.0gを、n−オクタン2.0gに変更し
た以外は合成例1と同様にして結晶転移を行った。その
結果、0.9gの結晶が得られた。この結晶のX線回折
スペクトルを図5に示す。またこの結晶について合成例
1と同じ条件で示差熱分析を行ったところ266℃付近
に弱い放熱ピークを有していた。
【0045】比較合成例2 ナフタレン2.0gを、シクロヘキサノン2.0gに変
更した以外は合成例1と同様にして結晶転移を行った。
その結果、0.9gの結晶が得られた。この結晶のX線
回折スペクトルを図6に示す。またこの結晶について合
成例1と同じ条件で示差熱分析を行ったところ、この結
晶は266℃付近に弱い放熱ピークを有していた。
【0046】
【化1】
【0047】実施例1 合成例1で得たTiOPc1重量部、ポリエステル樹脂
(東洋紡製バイロン220)1重量部、メチルエチルケ
トン100重量部をガラスビーズと共に1時間分散し
た。得られた分散液を、アプリケーターにてアルミ蒸着
ポリエステル上に塗布して乾燥し、膜厚約0.2μmの
電荷発生層を形成した。次に例示化合物(1)をポリア
リレート樹脂(ユニチカ製U−ポリマー)と1:1の重
量比で混合し、ジクロロエタンを溶媒として10重量%
の溶液を作製し、上記の電荷発生層の上にアプリケータ
ーで塗布して膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0048】この様にして作製した積層型感光体につい
て、静電記録試験装置(川口電機製EPA−8200)
を用いて電子写真特性の評価を行なった。 測定条件:印加電圧−4.7kV、スタティックNo. 3
(ターンテーブルの回転スピードモード:10m/mi
n )。その結果、帯電電位(V0)が−745V、半減
露光量(E1/2)が0.50ルックス・秒と非常に高感
度の値を示した。
【0049】更に同装置を用いて、帯電−除電(除電
光:白色光で400ルックス×1秒照射)を1サイクル
とする繰返し使用に対する特性評価を行った。1000
回での繰返しによる帯電電位の変化を求めたところ、1
回目の帯電電位(V0)−745Vに対し、1000回
目の帯電電位(V0)は−725Vであり、繰返しによ
る電位の低下がほとんどなく安定した特性を示した。ま
た、1回目の半減露光量(E1/2)0.50ルックス・
秒に対して1000回目の半減露光量(E1/2)は0.
50ルックス・秒と変化がなく優れた特性を示した。
【0050】実施例2〜3 合成例1で得た新規なTiOPcを、表1に示す合成例
で得た新規なTiOPcに変更した以外は、実施例1と
同様にして感光体を作製した。電子写真特性を表1に示
す。
【0051】
【表1】
【0052】比較例1〜2 合成例1で得た新規なTiOPcを、表2に示す比較合
成例で得たTiOPcに変更した以外は、実施例1と同
様にして感光体を作製した。電子写真特性を表2に示
す。
【0053】
【表2】
【0054】表2より、比較合成例1〜2で得たTiO
Pcは、何れも比較的良好な感度を示したが、本発明の
新規な結晶形のTiOPcには及ばなかった。また、繰
り返し特性における劣化も大きいことがわかった。
【0055】実施例4 合成例1によって得た新規なTiOPc5重量部、テト
ラヒドロフラン100重量部をジルコニアビーズと共に
ボールミルで分散した。48時間後、こうして得た分散
液に、(1)で示される化合物50重量部、ポリカーボ
ネート樹脂(三菱ガス化学製PCZ−200)100重
量部、テトラヒドロフラン700重量部を加え、更にボ
ールミルで30分間分散処理を行った後、アプリケータ
ーにてアルミ蒸着ポリエステル上に塗布し、膜厚約15
μmの感光層を形成した。この様にして作製した単層型
感光体の電子写真特性を、実施例1と同様にして評価し
た。ただし、印加電圧のみ+5kVに変更した。その結
果、1回目の帯電電位(V0)+400V、半減露光量
(E1/2)0.70ルックス・秒、1000回繰り返し
後の帯電電位(V0)+370V、半減露光量(E1/2)
0.70ルックス・秒と優れた特性を示した。
【0056】
【発明の効果】以上明らかなように、本発明の新規な結
晶形と示差熱分析において260℃以下の放熱ピークを
有するTiOPcは、製造過程においてハロゲン物質を
全く使用する必要がない。そして、これを電荷発生物質
として使用することにより、優れた特性を有する電子写
真感光体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例1で得た新規なTiOPcのX線回折ス
ペクトル。
【図2】合成例1で得た新規なTiOPcの示差熱分析
チャート。
【図3】合成例2で得た新規なTiOPcのX線回折ス
ペクトル。
【図4】合成例3で得た新規なTiOPcのX線回折ス
ペクトル。
【図5】比較合成例1で得たTiOPcのX線回折スペ
クトル。
【図6】比較合成例2で得たTiOPcのX線回折スペ
クトル。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CuKα1.541オンク゛ストロームのX線に
    対するブラッグ角(2θ±0.2°)が9.5°、1
    3.5°、14.2°、18.0°、24.0°、2
    7.2°にピークを有し、かつ示差熱分析において、2
    60℃以下に放熱ピークを有することを特徴とするチタ
    ニルオキシフタロシアニン。
  2. 【請求項2】 CuKα1.541オンク゛ストロームのX線に
    対するブラッグ角(2θ±0.2°)が9.5°、1
    3.5°、14.2°、18.0°、24.0°、2
    7.2°にピークを有し、かつ示差熱分析において、2
    30℃〜260℃の間に放熱ピークを有することを特徴
    とする、請求項1に記載のチタニルオキシフタロシアニ
    ン。
  3. 【請求項3】 CuKα1.541オンク゛ストロームのX線に
    対するブラッグ角(2θ±0.2°)が9.5°、1
    3.5°、14.2°、18.0°、24.0°、2
    7.2°にピークを有し、かつ示差熱分析において、2
    39℃付近に放熱ピークを有することを特徴とする、請
    求項1に記載のチタニルオキシフタロシアニン。
  4. 【請求項4】 CuKα1.541オンク゛ストロームのX線に
    対するブラッグ角(2θ±0.2°)が9.5°、1
    3.5°、14.2°、18.0°、24.0°、2
    7.2°にピークを有し、かつ示差熱分析において、2
    44℃付近に放熱ピークを有することを特徴とする、請
    求項1に記載のチタニルオキシフタロシアニン。
  5. 【請求項5】 CuKα1.541オンク゛ストロームのX線に
    対するブラッグ角(2θ±0.2°)が9.5°、1
    3.5°、14.2°、18.0°、24.0°、2
    7.2°にピークを有し、かつ示差熱分析において、2
    51℃付近に放熱ピークを有することを特徴とする、請
    求項1に記載のチタニルオキシフタロシアニン。
  6. 【請求項6】 アモルファス性チタニルオキシフタロシ
    アニンを、少なくとも水とナフタレンを含有する溶媒中
    で処理することにより、CuKα1.541オンク゛ストローム
    のX線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)が9.5
    °、13.5°、14.2°、18.0°、24.0
    °、27.2°にピークを有し、かつ示差熱分析におい
    て、260℃以下に放熱ピークを有する結晶形に変換す
    ることを特徴とする新規なチタニルオキシフタロシアニ
    ンの製造方法。
  7. 【請求項7】 アモルファス性チタニルオキシフタロシ
    アニンを、少なくとも水とナフタレンを含有する溶媒中
    で処理することにより、CuKα1.541オンク゛ストローム
    のX線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)が9.5
    °、13.5°、14.2°、18.0°、24.0
    °、27.2°にピークを有し、かつ示差熱分析におい
    て、230℃〜260℃の間に放熱ピークを有する結晶
    形に変換することを特徴とする、請求項6に記載の新規
    なチタニルオキシフタロシアニンの製造方法。
  8. 【請求項8】 アモルファス性チタニルオキシフタロシ
    アニンを、少なくとも水とナフタレンを含有する溶媒中
    で処理することにより、CuKα1.541オンク゛ストローム
    のX線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)が9.5
    °、13.5°、14.2°、18.0°、24.0
    °、27.2°にピークを有し、かつ示差熱分析におい
    て、239℃付近に放熱ピークを有する結晶形に変換す
    ることを特徴とする、請求項6に記載の新規なチタニル
    オキシフタロシアニンの製造方法。
  9. 【請求項9】 アモルファス性チタニルオキシフタロシ
    アニンを、少なくとも水とナフタレンを含有する溶媒中
    で処理することにより、CuKα1.541オンク゛ストローム
    のX線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)が9.5
    °、13.5°、14.2°、18.0°、24.0
    °、27.2°にピークを有し、かつ示差熱分析におい
    て、244℃付近に放熱ピークを有する結晶形に変換す
    ることを特徴とする、請求項6に記載の新規なチタニル
    オキシフタロシアニンの製造方法。
  10. 【請求項10】 アモルファス性チタニルオキシフタロ
    シアニンを、少なくとも水とナフタレンを含有する溶媒
    中で処理することにより、CuKα1.541オンク゛ストロー
    ムのX線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)が9.
    5°、13.5°、14.2°、18.0°、24.0
    °、27.2°にピークを有し、かつ示差熱分析におい
    て、251℃付近に放熱ピークを有する結晶形に変換す
    ることを特徴とする、請求項6に記載の新規なチタニル
    オキシフタロシアニンの製造方法。
  11. 【請求項11】 導電性支持体上に、請求項6記載の製
    造方法によって製造したチタニルオキシフタロシアニン
    を電荷発生物質として、少なくとも1種含有する感光層
    を設けてなることを特徴とする電子写真感光体。
  12. 【請求項12】 導電性支持体上に、請求項7記載の製
    造方法によって製造したチタニルオキシフタロシアニン
    を電荷発生物質として、少なくとも1種含有する感光層
    を設けてなることを特徴とする電子写真感光体。
  13. 【請求項13】 導電性支持体上に、請求項8記載の製
    造方法によって製造したチタニルオキシフタロシアニン
    を電荷発生物質として、少なくとも1種含有する感光層
    を設けてなることを特徴とする電子写真感光体。
  14. 【請求項14】 導電性支持体上に、請求項9記載の製
    造方法によって製造したチタニルオキシフタロシアニン
    を電荷発生物質として、少なくとも1種含有する感光層
    を設けてなることを特徴とする電子写真感光体。
  15. 【請求項15】 導電性支持体上に、請求項10記載の
    製造方法によって製造したチタニルオキシフタロシアニ
    ンを電荷発生物質として、少なくとも1種含有する感光
    層を設けてなることを特徴とする電子写真感光体。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007161992A (ja) * 2005-11-16 2007-06-28 Kyocera Mita Corp チタニルフタロシアニン結晶、その製造方法、及び電子写真感光体
JP2007199271A (ja) * 2006-01-25 2007-08-09 Kyocera Mita Corp 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2008122740A (ja) * 2006-11-14 2008-05-29 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
US20090245867A1 (en) * 2005-10-26 2009-10-01 Mitsubishi Chemical Corporation Electrophotographic photoreceptor, electrophotographic photoreceptor cartridge, and image forming apparatus
JP2012163967A (ja) * 2012-03-19 2012-08-30 Kyocera Document Solutions Inc 画像形成装置
JP2012246487A (ja) * 2005-11-16 2012-12-13 Kyocera Document Solutions Inc チタニルフタロシアニン結晶、及び電子写真感光体

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