JP2014123114A - 電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電子写真感光体においては耐摩耗性、基体との接着などの機械特性向上と、残留電位、感度、帯電性などの電気特性安定化との双方を達成する必要がある。そこで、残留電位上昇や画像メモリーの悪化を招くことなく、これらを両立することが課題とされていた。
【解決手段】導電性支持体上に感光層として、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を導電性支持体側からこの順に積層して設ける電子写真感光体において、該電荷発生層に芳香族カルボン酸の金属錯体または金属塩を含有することにより、感光層の接着性改良及び残留電位の蓄積を抑制することができる。さらに、機械特性、電気特性に優れた性能を発揮する電子写真感光体画像形成装置、およびカートリッジに関するものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、複写機やプリンター等に用いられる電子写真感光体および画像形成装置、カートリッジに関するものである。より詳しくは、 感光層として、少なくとも電荷発生層
及び電荷輸送層をこの順に積層して設ける電子写真感光体において、電荷発生層に芳香族カルボン酸の金属錯体または金属塩を含有することにより、感光層の接着性改良及び残留電位を低減し、機械特性、電気特性に優れた性能を発揮する電子写真感光体、カートリッジ及び画像形成装置に関するものである。
電子写真技術は、即時性に優れ、且つ、高品質の画像が得られること等から、複写機、各種プリンター、印刷機等の分野で広く使われている。電子写真技術の中核となる電子写真感光体として、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電材料を使用した電子写真感光体(以下に、単に「感光体」ともいう。)が使用されている。
有機系の光導電材料を使用した電子写真感光体としては、光導電性微粉末をバインダー樹脂中に分散させた、いわゆる分散型の単層型感光体や、電荷発生層及び電荷輸送層を積層した、積層型感光体が知られている。積層型感光体は、それぞれの効率の高い電荷発生材料及び広く安全性の高い感光体が得られること、また、感光体を塗布により容易に形成可能で生産性が高く、コスト面でも有利なこと、等の理由から鋭意開発され実用化されている。
有機光導電性物質を用いた電子写真感光体は、上述の利点を有するが、電子写真感光体として必要とされる特性のすべてを満足するわけではなく、特に、複写機やプリンターでの繰り返し使用においては、感光層が次第に劣化するという問題があるため、繰り返し使用によるダメージが少なく、高感度かつ低残留電位であり、電気特性が安定していることが望まれる。これらの特性は電荷発生物質や電荷輸送物質、添加剤、バインダー樹脂に大きく依存する。電荷発生物質としては、光入力用光源に対する感度を持つ必要があるため、主にフタロシアニン顔料やアゾ顔料が使われる。電荷輸送物質としては、多種のものが知られているが、アミン系化合物は、非常に低い残留電位を示すことから広く利用されている。一方、電荷輸送層に、従来トナーの帯電制御剤として用いられていた(特許文献1〜3)芳香族カルボン酸の金属錯体または金属塩を含有することにより、電子写真感光体の残留電位を抑制できることが知られている(特許文献4、5)。しかし、電荷発生層に含有することは検討されていなかった。
また、近年、省スペース化の観点から、さらなる画像形成装置の小型化が求められている。この場合、画像形成装置の小型化の実現のため、感光体は24mmφ、30mmφ等の小径型が用いられる。感光体の小径化にともない感光層中の内部応力が増大し、その結果、支持体と感光層との接着性が悪くなり剥離やクラック等の欠陥が発生しやすくなる。加えて、感光体長寿命化のため感光層を厚膜化すると、より内部応力が増し接着性が悪化する。したがって、今日の電子写真感光体には、耐磨耗性だけではなく、十分な接着性が求められる。
特開昭53−127726号公報 特開昭57−104940号公報 特開昭59−79256号公報 特開平3−78753号公報 特許第5096931号公報
感光体の耐久性向上には耐摩耗性、基体との接着などの機械特性向上と、残留電位、感度、帯電性などの電気特性安定化の双方を達成する必要がある。例えばフタロシアニン顔料は電荷発生材料として一般に使用されるが、 感光層のバインダー樹脂比率を増やすこ
とにより感光層と基体との接着性を向上させることができる一方、残留電位上昇や画像メモリーの問題が発生し、これらを両立することは困難であった。
また、導電性支持体上に下引き層、または金属材料の場合は陽極酸化皮膜のような、ブロッキング層を有する場合は、基体からのリークによる画像黒点やカブリを防ぐためには有用であるが、その反面、残留電位の上昇、及び 感光層と基体との接着性悪化という課
題があった。
本発明者らは、感光層として少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を、導電性支持体側からこの順に積層して設ける電子写真感光体において、電荷発生層に下記一般式(I)で
示される芳香族カルボン酸の金属錯体または金属塩を含有することにより、残留電位と接着性の双方を改善でき、良好な電気特性と画像特性を両立できることを見出した。即ち本発明の要旨は以下の5点に存する。
(1) 導電性支持体上に感光層として、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を、導電性支持体側からこの順に積層して設ける電子写真感光体において、
該電荷発生層に、下記一般式(I)で示される芳香族カルボン酸の金属錯体または金属塩
を含有することを特徴とする、電子写真感光体。(請求項1)
ArCOOH (I)
(式(I)中、Arは置換基を有してもよい炭素数30以下のアリール基を表す。)
(2) 前記一般式(I)で示される芳香族カルボン酸が、下記一般式(II)又は(III)で示される構造を有することを特徴とする(1)に記載の電子写真感光体。(請求項2)
Figure 2014123114
(式(II)、(III)中、置換基R11〜R13は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アルコキシ基、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、カルボキシル基、又はアリール基を表し、環Aは炭素数5〜10の芳香環を表す。aは0〜2の整数、b、cは0〜4の整数を表す。但し、R11〜R13は互いに結合して環を形成していても良い。)
(3) 前記導電性支持体と前記感光層との間に、ブロッキング層を有することを特徴とする、(1)または(2)に記載の電子写真感光体。(請求項3)
(4) (1)〜(3)に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部、該電子写真感光体上をクリーニングするクリ
ーニング部のうち、少なくとも一つとを備えることを特徴とする電子写真感光体カートリッジ。(請求項4)
(5) (1)〜(3)に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、及び該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部とを備えることを特徴とする画像形成装置。(請求項5)
本発明によれば、電子写真感光体において、式(I)で示される芳香族カルボン酸の金
属錯体または金属塩を電荷発生層に含有することにより、電荷輸送層に含有させるよりも少量で、感光体の基体への接着性が改良されるうえに、電子写真感光体の残留電位を低減する事ができる。
接着性が改良される理由は、式(I)で表される芳香族カルボン酸の金属錯体または金属塩を添加することにより電荷発生層の物性を変化させ、 感光層と基体との親和性が向
上するためと考えられる。それと同時に、前記の金属錯体または金属塩が、電荷発生層/電荷輸送層界面、あるいは感光層/基体界面、下引き層等のブロッキング層を有する場合にはブロッキング層/ 感光層界面での電荷受け渡しに、有用に作用していると考えられ
る。
また、前記の金属錯体または金属塩を電荷輸送層に含有する場合は、該層のバインダー樹脂の結合が切れやすくなり、そのために日数が経過すると塗布液の粘度が低下するため、 感光層の機械的強度が低下したり、塗布液を補充しながら使い回しする場合に不都合
を生じるという課題があった。
一方、本発明では電荷発生層に前記の金属錯体または金属塩を含有することから、少量の添加で効果を発現することができ、また、塗布液の粘度低下も少ないため、機械的強度等への影響が少ないという利点がある。
本発明の画像形成装置の一実施態様の要部構成を示す概略図である。 実施例1で用いたオキシチタニウムフタロシアニンのCuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルを示す。 実施例3、4、比較例2で用いた電荷発生層形成用塗布液の、粘度の経日変化を示す。 実施例3で用いた電荷輸送層形成用塗布液の、芳香族カルボン酸金属塩有無による粘度の経日変化を示す。
以下、本発明の実施の形態につき詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更して実施することができる。
[電子写真感光体]
以下、本発明の電子写真感光体について詳述する。
<芳香族カルボン酸の金属錯体または金属塩>
本発明における感光層は、下記一般式(I)で示される芳香族カルボン酸の金属錯体も
しくは金属塩を電荷輸送層に含有する。
ArCOOH (I)
式(I)中、Arは、置換基を有してもよい炭素数30以下のアリール基を表す。アリ
ール基の炭素数としては、30以下、好ましくは20以下、さらに好ましくは15以下で
ある。具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基等が挙げられ、合成の観点からフェニル基又はナフチル基が好ましく、フェニル基が最も好ましい。
Arが有してもよい置換基の総炭素数としては、30以下、溶解性と合成の観点から、好ましくは20以下、さらに好ましくは10以下である。具体的には、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基、スルホニル基、ホスホニル基、ヒドロキシ基、ニトリル基、ニトロ基、カルボキシル基、等が挙げられる。このうち残留電位を低減する効果は芳香族カルボン酸の酸性が強い方が良好なことから、ハロゲン原子、スルホニル基、o−ヒドロキシ基、ニトリル基、ニトロ基、カルボキシル基が好ましく、物質安全性の面からo−ヒドロキシ基が特に好ましい。また、溶解性の面から、アルキル基を有することが好ましい。
一般式(I)は好ましくは、下記一般式(II)又は(III)で示される構造を有する芳香族カルボン酸である。
Figure 2014123114
式(II)、(III)中の置換基R11〜R13は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、スルホ
ニル基、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、カルボキシル基、又はアリール基を表し、環Aは炭素数5〜10の芳香環を表す。但し、R11〜R13は互いに結合して環を形成していても良い。R11〜R13としては、アルキル基又はアルコキシ基が好ましく、溶解性の観点から、アルキル基が好ましい。アルキル基又はアルコキシ基の炭素数としては、6以下であり、4以下が好ましい。アルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基等の直鎖のアルキル基、イソプロピル基、tertブチル基、イソブチル基等の分岐のアルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等の環状アルキル基が挙げられるが、この中でも溶解性の観点から、分岐のアルキル基が好ましく、その中でもtertブチル基が好ましい。aは2〜0の整数、b、cは、4〜0、好ましく
は3〜0、さらに好ましくは2〜0の整数を表す。置換位置としては、合成の容易さからヒドロキシ基に対してパラ位、またはオルト位が好ましい。
環Aとしては、具体的には、ベンゼン、ナフタレン、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、又はベンゾフランが挙げられ、原料入手の容易さ、合成の容易さから、ベンゼン、又はナフタレンが好ましい。
以下に一般式(I)で示される芳香族カルボン酸の主な具体例を示すが、これらに限定
されるものではない。
Figure 2014123114
また用いられる金属としては、前記芳香族カルボン酸と金属塩、金属錯体を形成するいずれの金属でもよいが、Al、Zn、Cr、Co、Ni、Feが好ましい。
本発明の金属錯体もしくは金属塩は公知の方法、例えば、J. L. Clark, H.Kao, J. Amer. Chem. Soc.70.2151、(1948)、特開昭53−127726号公報、特開昭57−104940号公報、又は特開昭59−79256号公報等に記載の方法により合成することができる。
金属塩としては、例えば、J. L. Clark, H.Kao, J. Amer. Chem. Soc.70.2151、(1948)によると、2モルのサリチル酸ナトリウムの溶液と1モルの塩化亜鉛の溶液とを、室温で混合し、撹拌することにより白色粉状の亜鉛塩として得ることができる。他の芳香族カルボン酸、亜鉛以外の金属の場合にも、この方法に準じて製造できる。生成するサリチル酸亜鉛塩は下記構造式(A)で表されるものと推定されている。
Figure 2014123114
他の芳香族カルボン酸と、コバルト、ニッケル、鉄などの他の金属との組み合わせの場合にも、上記の方法に準じて金属塩または金属錯体を製造する事が出来る。
また、この中でも下記一般式(IV)で示される構造を有する金属錯体または金属塩が好ましい。
Figure 2014123114
式(IV)中、R14及びR15はそれぞれ前記R13と、d、eは前記cと同義である。Mは金
属原子を表し、その中でもAl、Zn、Cr、Co、Ni、Feが好ましく、特に前述の理由からAlが好ましい。
式(IV)で示される化合物の製造例としては、特開昭53−127726号公報によると、3,5−ジターシャリブチルサリチル酸のメタノール溶液とCr2(SO4)3の水溶液を混
合し、水酸化ナトリウム水溶液によりpHを4〜5に調整後、還流することにより、淡緑色沈殿としてクロム錯体が得られる。生成する3、5−ジターシャリブチルサリチル酸クロム錯体は下記構造式(B)で表されるものと推定されている。
Figure 2014123114
前記金属錯体、又は金属塩を感光層の電荷発生層に添加する割合は、通常、バインダー樹脂との比率として、十分な残留電位低減効果、接着性改良効果を得るために電荷発生物質10質量部に対して通常0.001質量部以上、好ましくは、0.01質量部以上、更に好まし
くは0.03質量部以上である。一方、暗減衰増大の弊害を防ぐ観点からは通常5質量部以下
、好ましくは2質量部以下、更に好ましくは1質量部以下である。塩又は錯体は、無水物であることが好ましい。塗布液を調整する有機溶剤への溶解度の低下が起こり、ブチラール等のバインダー樹脂の構造的・電気的相互作用に、水の存在が悪影響を与えるためである。
<導電性支持体>
感光体に用いる導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のために、適当な抵抗値をもつ導電性材料を塗布したものでもよい。
導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、基体からのリークに
よる画像黒点やカブリを防ぐために、ブロッキング層として陽極酸化被膜を施して用いることが好ましい。陽極酸化被膜を施した場合、公知の方法により封孔処理を施すのが望ましい。
支持体表面は、平滑であってもよいし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理したりすることにより、粗面化されていてもよい。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものであってもよい。
<下引き層>
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、ブロッキング層として下引き層を設けることが好ましい。下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。これらは単独として用いてもよいし、またはいくつかの樹脂、金属酸化物等の粒子を同時に用いてもよい。
下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子などが挙げられる。これらは一種類の粒子を単独で用いても良いし、複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタン及び酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコン等の有機物による処理を施されていても良い。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルックカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。また、複数の結晶状態のものが含まれていても良い。
また、金属酸化物粒子の粒径としては種々のものが利用できるが、中でも特性及び液の安定性の面から、平均一次粒径として通常1nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下のものが望ましい。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸樹脂などの公知のバインダー樹脂が挙げられる。これらは単独で用いても良く、或いは2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。また、硬化剤とともに硬化した形で使用してもよい。中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性、塗布性を示すことから好ましい。
樹脂に対する無機粒子の使用比率は任意に選ぶことが可能であるが、分散液の安定性、塗布性の観点から、通常は10質量%以上、500質量%以下の範囲で使用することが好ましい。
下引き層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、電子写真感光体の電気特性、強露光特性、画像特性、繰り返し特性、及び製造時の塗布性を向上させる観点から、通常は0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.25μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上、特に好ましくは0.75μm以上である。また、通常30μm以下、好ましくは20μm以下である。下引き層には、公知の酸化防止剤等を混合しても良い。また、下引き層は、画像欠陥防止などを目的として、顔料粒子、樹脂粒子等を含有させ用いてもよい。
<感光層>
感光層は導電性支持体上、上述の下引き層等のブロッキング層を有する場合は、その上に形成される。本発明の感光層の形式としては、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層、及び電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層を含む、二層以上の層からなる積層構造の機能分離型のもの(以下適宜、「積層型感光層」という)であり、この中でも、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層して設ける「順積層型感光層」が採用される。「順積層型感光層」はバランスの取れた光導電性を発揮することができる。
<電荷発生層>
〈電荷発生物質〉
電荷発生物質は単独として用いてもよいし、またはいくつかの染顔料との混合状態で用いてもよい。
電荷発生物質としては、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム等の無機系光導電材料と、有機顔料等の有機系光導電材料とが挙げられるが、有機系光導電材料の方が好ましく、中でも特に有機顔料が好ましい。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等が挙げられる。これらの中でも、混合状態として用いる染顔料としては、光感度の面から、特にフタロシアニン顔料またはアゾ顔料が好ましい。電荷発生物質として有機顔料を使用する場合、通常はこれらの有機顔料の微粒子を、各種のバインダー樹脂で結着した分散層の形で使用する。
電荷発生物質としてフタロシアニン顔料を用いる場合、具体的には、無金属フタロシアニンおよび金属含有フタロシアニンが使用される。金属含有フタロシアニンの具体的な例としては、銅、インジウム、ガリウム、錫、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム等の金属、又はその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシド等の配位したフタロシアニン類の各種結晶型が使用される。特に、感度の高い結晶型であるA型(別称β型)、B型(別称α型)、D型(別称Y型)等のオキシチタニウムフタロシアニン、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、II型等のクロロガリウムフタロシアニン、V型等のヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型,I型等のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、II型等のμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体、及び無金属フタロシアニンが好適に用いられる。
なお、これらのフタロシアニンのうち、A型(β型)、B型(α型)、D型(Y型)オキシチタニウムフタロシアニン、II型クロロガリウムフタロシアニン、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型μ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体等が特に好ましい。特に、オキシチタニウムフタロシアニンとしては、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.2°に主たる明瞭な回折ピークを有するD型(Y型)が好ましい。
また、該オキシチタニウムフタロシアニンは、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.0°〜9.7°に、明瞭な回折ピークを有することが好ましく、電子写真感光体特性に面から、9.6°、24.1°、27.2°、または9.5°、9.7°、24.1°、27.2°に主たる回折ピークを有することが好ましく、分散時の安定性の面からは26.2°付近にはピークを有さないことが好ましい。上述したオキシチタニウムフタロシアニンのなかでも、7.3°、9.6°、11.6°、14.2°、18.0°、24.1°及び27.2°、又は7.3°、9.5°、9.7°、11.6°、14.2°、18.0°、24.2°及び27.2°に主たる回折ピークを有することがより好ましい。
これらの結晶型は主として、アモルファス、又は低結晶性オキシチタニウムフタロシアニンから結晶変換することによって製造される。これらの結晶型は準安定型の結晶型であり、製造方法の違いにより様々な結晶型、粒子形状を示し、電荷発生能力、帯電性、暗減衰などの電子写真感光体としての特性も製造方法に依存していることが知られている。
前述のD型(Y型)オキシチタニウムフタロシアニンの製造法としては、フタロシアニン結晶前駆体を、化学的処理後に有機溶媒に接触して得られることが好ましい。
本発明において化学的処理とは、単に物理的な力(例えば、機械的磨砕等)を用いてアモルファスオキシチタニウムフタロシアニン、又は低結晶性オキシチタニウムフタロシアニンを得る方法ではなく、溶解、反応等の化学的現象を用いてアモルファス、もしくは低結晶性オキシチタニウムフタロシアニンを調整する処理方法のことである。
一方、電荷発生材料としてアゾ顔料を使用する場合には、光入力用光源に対して感度を有するものであれば従前公知の各種のアゾ顔料を使用することが可能であるが、各種のビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料が好適に用いられる。
電荷発生物質として、無金属フタロシアニン化合物、又は金属含有フタロシアニン化合物を用いた場合は比較的長波長のレーザー光、例えば、780nm近辺の波長を有するレーザー光に対して高感度の感光体が得られる。また、モノアゾ、ジアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料を用いた場合には、白色光、又は660nm近辺の波長を有するレーザー光、もしくは比較的短波長のレーザー光(例えば、380nm〜500nmの範囲の波長を有するレーザー光)に対して十分な感度を有する感光体を得ることができる。
電荷発生物質として、上記例示の有機顔料を用いる場合には、1種を単独で用いてもよいが、2種類以上の顔料を混合して用いてもよい。この場合、上記のように可視域と近赤域の異なるスペクトル領域で分光感度特性を有する2種類以上の電荷発生物質を組み合わせて用いることが好ましく、中でもジスアゾ顔料又はトリスアゾ顔料と、フタロシアニン顔料とを組み合わせて用いることがより好ましい。
〈バインダー樹脂〉
機能分離型感光体における電荷発生層に用いられる結着樹脂の例としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールや、アセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル系ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼインや、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシ変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマーの中から選択し、用いることが出来るが、これらポリマーに限定されるものではない。また、これら結着樹脂は単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
〈形成方法〉
機能分離型感光体における電荷発生層は、具体的には上述のバインダー樹脂を溶媒に溶
解させ、電荷発生物質、及び上述の芳香族カルボン酸の金属錯体または金属塩を分散させて塗布液を調整し、これを導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布することにより形成される。
バインダー樹脂を溶解させ、塗布液の作製に用いられる溶媒、分散媒としては例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族系溶媒、トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等の鎖状、及び環状ケトン系溶媒、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、1,2―ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状、及び環状エーテル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒などが挙げられ、前述の下引き層を溶解しないものが好ましく用いられる。またこれらは単独、または2種以上を併用しても用いることが可能である。
機能分離型感光体の電荷発生層において、前記結着樹脂と電荷発生物質との配合比(質量)は、バインダー樹脂100質量部に対して10質量部以上、好ましくは30質量部以上、1000質量部以下、好ましくは500質量部以下の範囲であり、その膜厚は通常0.1μmから10μm、好ましくは0.15μmから0.6μmである。電荷発生物質の比率が高過ぎると、電荷発生物質の凝集等により塗布液の安定性が低下する虞がある。一方、電荷発生物質の比率が低過ぎると、感光体としての感度の低下を招く虞がある。
前記電荷発生物質を分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の公知の分散方法を用いることが出来る。この際粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.15μm以下の粒子サイズに微細化することが有効である。
<電荷輸送層>
〈バインダー樹脂〉
電荷輸送層には、膜強度確保のためバインダー樹脂が使用される。電荷輸送層は電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解、あるいは分散して得られる塗布液を塗布、乾燥して得ることが出来る。バインダー樹脂としては、例えばブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等があげられる。これら樹脂は珪素試薬などで修飾されていてもよい。上記バインダー樹脂のうち、ポリカーボネート樹脂、またはポリアリレート樹脂が特に好ましい。
なお、これらは適当な硬化剤を用いて熱、光等により架橋させて用いることもできる。また、バインダー樹脂は2種類以上ブレンドして用いることもできる。ポリカーボネート樹脂およびポリアリレート樹脂の粘度平均分子量は、特に限定されないが、通常、10,000以上、好ましくは15,000以上、さらに好ましくは20,000以上であり、但し、通常、300,000以下、好ましくは200,000以下、より好ましくは100,000以下である。粘度平均分子量が過度に小さいと、感光層の機械的強度が低下し
実用的ではない。また、粘度平均分子量が過度に大きいと、感光層を適当な膜厚に塗布形成する事が困難である。
〈電荷輸送物質〉
電荷輸送物質としては特に限定されず、任意の物質を用いることが可能である。公知の電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、およびこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖または側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、およびこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。
これらの電荷輸送物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせで併用しても良い。
電荷輸送物質の好適な具体例を以下に示す。下記の化合物において、Rは同一でも、それぞれ異なっていてもよい置換基を表す。具体的には、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、アリールアルキル等が好ましい。特に好ましくは、メチル基、エチル基又はベンジル基である。また、nは0以上2以下の整数である。
なお、以下の例示化合物は使用し得る電荷輸送物質の具体例であり、それらに限定されるものではない。
Figure 2014123114
Figure 2014123114
Figure 2014123114
Figure 2014123114
〈形成方法〉
バインダー樹脂と電荷輸送物質の割合は、通常、バインダー樹脂100質量部に対して10質量部以上、残留電位低減の観点から30質量部以上が好ましく、さらに繰り返し使用時の安定性、電荷移動度の観点から、35質量部以上がより好ましい。また、一方で感光層の熱安定性の観点から、通常は150質量部以下、さらに電荷輸送物質とバインダー樹脂の相溶性の観点からは好ましくは120質量部以下、さらに耐刷性の観点からは100質量部以下がより好ましく、耐傷性の観点からは80質量部以下がとりわけ好ましい。
積層型感光体の場合、電荷輸送層の膜厚は特に制限されないが、長寿命、画像安定性の
観点、更には高解像度の観点から、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、一方、通常50μm以下、好ましくは45μm以下、更に好ましくは40μm以下の範囲とする。
なお、積層型を構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤などを含有させてもよい。
酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物などが挙げられる。またレベリング剤の例としては、シリコ−ンオイル、フッ素系オイルなどが挙げられる。
<その他の機能層>
順積層型感光体では、その最表層に、感光層の損耗を防止し、帯電器等からの発生する放電物質等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で保護層を設けてもよい。保護層は導電性材料を適当な結着樹脂中に含有させて形成するか、特開平9−190004号公報、特開平10−252377号公報の記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する化合物を用いた共重合体を用いることが出来る。
保護層に用いる導電性材料としては、TPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−(m−トリル)ベンジジン)等の芳香族アミノ化合物、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化錫−酸化アンチモン、酸化アルミ、酸化亜鉛等の金属酸化物などを用いることが可能であるが、これに限定されるものではない。
保護層に用いる結着樹脂としてはポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、シロキサン樹脂等の公知の樹脂を用いることができ、また、特開平9−190004号公報記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する骨格と上記樹脂の共重合体を用いることも出来る。
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を低減、トナーの感光体から転写ベルト、紙への転写効率を高める等の目的で、表面層にフッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂等、又はこれらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を含有させても良い。或いは、これらの樹脂や粒子を含む層を新たに表面層として形成しても良い。
<各層の形成方法>
上記した感光体を構成する各層は、含有させる物質を溶剤に溶解または分散させて得られた塗布液を、導電性支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
塗布液の作製に用いられる溶媒または分散媒に特に制限は無いが、具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ギ酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、トリクロロエチレン等の塩素化炭化水素類、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等の含窒素化合物類、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤類等が挙げられる。また、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の組み合わせおよび種類で併用してもよい。
溶媒または分散媒の使用量は特に制限されないが、各層の目的や選択した溶媒・分散媒の性質を考慮して、塗布液の固形分濃度や粘度等の物性が所望の範囲となるように適宜調整するのが好ましい。
例えば電荷輸送層の場合には、塗布液の固形分濃度を通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、また、通常40質量%以下、好ましくは35質量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度を使用時の温度において通常10mPa・s以上、好ましくは50mPa・s以上、また、通常2000mPa・s以下、好ましくは1000mPa・s以下の範囲とする。
また、電荷発生層の場合には、塗布液の固形分濃度は、通常0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上、また、通常15質量%以下、好ましくは10質量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度は、使用時の温度において、通常0.1mPa・s以上、好ましくは0.5mPa・s以上、また、通常20mPa・s以下、好ましくは10mPa・s以下の範囲とする。
これらの感光体を構成する各層は、前記方法により得られた塗布液を、支持体上に公知の塗布方法を用い、各層ごとに塗布・乾燥工程を繰り返し、順次塗布していくことにより形成される。塗布液の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられるが、他の公知のコーティング法を用いることも可能である。中でも浸漬コーティング法が特に好ましい。
塗布液の乾燥は、室温における指触乾燥後、通常30℃以上、200℃以下の温度範囲で、1分から2時間の間、静止又は送風下で加熱乾燥させることが好ましい。また、加熱温度は一定であってもよく、乾燥時に温度を変更させながら加熱を行っても良い。
[カートリッジ、画像形成装置]
次に、本発明の電子写真感光体を用いたドラムカートリッジ、画像形成装置について、装置の一例を示す図1に基づいて説明する。
図1において、1はドラム状感光体であり、軸を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1はその回転過程で帯電手段2により、その表面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、ついで露光部3において像露光手段により潜像形成のための露光が行われる。形成された静電潜像は、次に現像手段5でトナー現像され、そのトナー現像像が転写手段5により給紙部から給送された転写体(紙など)に順次転写されていく。像転写された転写体はついで定着手段7に送られ、像定着され、機外へプリントアウトされる。像転写後の感光体1の表面はクリーニング手段6により転写残りのトナーが除去され、除電手段により除電されて次の画像形成のために清浄化される。
本発明の電子写真感光体を使用するのにあたって、帯電器としては、コロトロン、スコロトロンなどのコロナ帯電器の他に、電圧印加された直接帯電部材を感光体表面に接触させて帯電させる直接帯電手段を用いてもよい。直接帯電手段の例としては、帯電ローラー、帯電ブラシ等の接触帯電器などが挙げられる。直接帯電手段として、気中放電を伴うもの、あるいは気中放電を伴わない注入帯電いずれも可能である。また、帯電時に印可する電圧としては、直流電圧だけの場合、及び直流に交流を重畳させて用いることもできる。
露光はハロゲンランプ、蛍光灯、レーザー(半導体、He−Ne)、LED、感光体内部露光方式等が用いられるが、デジタル式電子写真方式として、レーザー、LED、光シャッターアレイ等を用いることが好ましい。波長としては780nmの単色光の他、600〜700nm領域のやや短波長寄りの単色光を用いることができる。
現像行程はカスケード現像、1成分絶縁トナー現像、1成分導電トナー現像、二成分磁
気ブラシ現像などの乾式現像方式や湿式現像方式などが用いられる。トナーとしては、粉砕トナーの他に、懸濁造粒、懸濁重合、乳化重合凝集法等のケミカルトナーを用いることができる。特に、ケミカルトナーの場合には、4〜8μ程度の小粒径のものが用いられ、形状も球形に近いものから、ポテト状の球形から外れたものも使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化には好適に用いられる。
転写行程はコロナ転写、ローラー転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法が用いられる。定着は熱ローラー定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着、IH定着、ベルト定着、IHF定着などが用いられ、これら定着方式は単独で用いても良く、複数の定着方式を組み合わせた形で使用してもよい。
クリーニングにはブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラークリーナー、ブレードクリーナー、などが用いられる。
除電工程は、省略される場合も多いが、使用される場合には、蛍光灯、LED等が使用さ
れ、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーが使用される場合が多い。
これらのプロセスのほかに、前露光工程、補助帯電工程のプロセスを有してもよい。
本発明においては、上記ドラム状感光体1、帯電手段2、現像手段4及びクリーニング手段6等の構成要素の内の複数のものをドラムカートリッジとして一体に結合して構成し、このドラムカートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。例えば、帯電手段2、現像手段4及びクリーニング手段6の内、少なくとも1つをドラム状感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化とすることが出来る。
以下、製造例、実施例および比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。なお、以下の実施例は本発明を詳細に説明するために示すものであり、本発明はその趣旨に反しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
<感光体ドラムの作成方法>
切削加工した外径30mm、長さ246mm、肉厚1mmのアルミニウムシリンダーを、脱脂剤NG−#30(キザイ(株)製)の30g/L水溶液中で60℃、5分間脱脂洗浄を行った。続いて水洗を行った後、7%硝酸に25℃で1分間浸漬した。
更に水洗後、180g/Lの硫酸電解液中(溶存アルミニウム濃度7g/L)で1.2A/dmの電流密度で陽極酸化を行い、平均膜厚6μmの陽極酸化被膜を形成した。次いで、水洗後酢酸ニッケルを主成分とする高温封孔剤トップシールDX−500(奥野製薬工業(株)製)の10g/L水溶液に95℃で30分間浸漬し封孔処理を行った。続いて水洗を行った後、ポリエステル製スポンジを用いて被膜面を8回、往復させてこすり洗浄を行った。最後に水洗し乾燥し、表面粗さRa=0.14μmの基体を得た。
次に、特開2007-148387号公報の比較合成例1と同様の方法で機械的処理によりアモル
ファス化した後に溶媒に接触させ得られたCuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.3゜に強い回折ピークを示し、図2に示す粉末X線回折スペクトルを有するD型オキシチタニウムフタロシアニン10質量部を1,2−ジメトキシエタン150質量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い、顔料分散液を作製した。こうして得られた160質量部の顔料分散液をポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名#6000C)の5質量%1,2−ジメトキシエタン溶液100質量部に加え、適量の1,2−ジメトキシエタンを加えて、最終的に固形分濃度4.0質量%の電荷発生層形成用塗布液を作製した。該塗布液に芳香族カルボン酸の金属塩として3
,5―ジターシャリブチルサリチル酸アルミニウム塩(オリエント化学工業製、商品名:ボントロンE−108)を0.1質量部添加して、電荷発生層形成用塗布液を得た。
この電荷発生層形成用塗布液に、前記陽極酸化処理及び封孔処理を施したアルミニウムシリンダーを浸漬塗布し、乾燥後の膜厚が0.4μm(0.4g/m)となるように電荷発生層を作製した
続いて、電荷輸送物質として下記構造式で示されるCTM(1)を40質量部、酸化防止
剤として下記式で示される酸化防止剤(1)を4質量部、下記繰り返し構造からなるポリアリレートA(PAR-A、粘度平均分子量41,000)100質量部、およびレベリング
剤としてシリコーンオイル0.05質量部を、テトラヒドロフランとトルエンとの混合溶媒(テトラヒドロフラン80質量%、トルエン20質量%)640質量部に混合し、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
この電荷輸送層形成用塗布液を、上述の電荷発生層上に、乾燥後の膜厚が18μmとなるように浸漬塗布し、135℃で20分乾燥して積層型感光層を有する感光体ドラムを得た。
Figure 2014123114
〔実施例2〕
電荷発生層形成用塗布液に添加した3,5―ジターシャリブチルサリチル酸アルミニウム塩の量を0.2質量部とした以外は実施例1と同様にして感光体ドラムサンプルを得た。
〔比較例1〕
電荷発生層形成用塗布液に3,5―ジターシャリブチルサリチル酸アルミニウム塩添加しないこと以外は実施例1と同様にして感光体ドラムサンプルを得た。
<感光体の電気特性の評価>
電子写真学会測定標準に従って作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404−405頁記載)を使用し、上記感光体をアルミニウム製ドラムに貼り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと感光体のアルミニウム基体との導通を取った上で、ドラムを一定回転数で回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行った。
初期表面電位をー700Vとし、露光は780nm、除電は660nmの単色光を用いた。780nmの光を露光エネルギー:0.7μJ/cm2照射し、露光後0.06秒後の表面電
位をVLとした。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%下で行った。VLの値の絶対値が小さいほど電気特性が良好であることを示す。電気特性の結果を表−1に示す。
<接着性試験>
得られた感光体ドラムサンプル上に、NTカッターを用いて、5mm間隔で縦に3本、横に4本切り込みを入れ、2×3の6マスを作製した。その上からセロテープ(登録商標)(ニチバン製)を貼り付け、接着面に対し90゜に引き上げることで、感光層の接着性を試験した。剥がれた感光層のマス数として評価した。剥がれた感光層のマス数が少ないほど接着性は良好である。金属塩を電荷輸送層に添加した結果を表−1に示す。
Figure 2014123114
上記表から、電荷発生層にカルボン酸金属塩が含有する場合は、含有しない場合に比べて電気特性、及び接着性に効果があることがわかる。
〔実施例3〕
<感光体シートの作成方法>
下引き層用分散液は以下のように作製した。平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)を、該酸化チタンに対して3重量%のメチルジメトキシシランにより処理した表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールのボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表される化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表される化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(
C)で表される化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表される化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表される化合物]の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行うことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの重量比が7/1/2で、疎水性処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層分散液とした。
Figure 2014123114
このようにして得られた下引き層形成用塗布液を、表面にアルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートシート(厚さ75μm)上に塗布、乾燥して、乾燥後の膜厚が1.5μmの下
引き層を設けた。
次に、実施例1で用いた3,5―ジターシャリブチルサリチル酸アルミニウム塩を含有する電荷発生層形成用塗布液を用いて、電化発生層を乾燥後の膜厚が0.4μm(0.40g/m2
)となるように作成した。
続いて、電荷輸送物質として下記構造式で示されるCTM(2)を40質量部用いた以外
は、実施例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
この電荷輸送層形成用塗布液を、上述の電荷発生層上に、乾燥後の膜厚が18μmとなるように浸漬塗布、乾燥して積層型感光層を有する感光体シートを得た。
Figure 2014123114
〔実施例4〕
電荷発生層形成用塗布液に添加した3,5―ジターシャリブチルサリチル酸アルミニウム塩の代わりに3,5―ジターシャリブチルサリチル酸亜鉛塩(オリエント化学工業製、
商品名:ボントロンE−84)をとした以外は実施例3と同様にして感光体シートサンプルを得た。
〔比較例2〕
3,5―ジターシャリブチルサリチル酸アルミニウム塩を添加せず、電荷輸送層の厚さを17.0μmとした以外は実施例3と同様にして感光体シートサンプルを得た。
〔実施例5〕
電荷発生物質としてCuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2°)が 9.3°、10.6°、13.2°、15.1°、15.7°、16.1°、20.7°、 23.2°、26.2°、27.1°に強い回折ピークを示すA型(β型)オキシチタニウムフタロシアニンを用いる以外は、実施例3と同様の操作を行い、感光体シートサンプルを得た。
〔比較例3〕
3,5―ジターシャリブチルサリチル酸アルミニウム塩を添加しない以外は、実施例5と同様の操作を行い、感光体シートサンプルを得た。
〔実施例6〕
電荷発生物質としてV型ヒドロキシガリウムフタロシアニンを用いる以外は、実施例3と同様の操作を行い、感光体シートサンプルを得た。
〔比較例4〕
3,5―ジターシャリブチルサリチル酸アルミニウム塩を添加しない以外は、実施例6と同様の操作を行い、感光体シートサンプルを得た。
〔実施例7〕
電荷発生物質としてx型無金属フタロシアニンを用いる以外は、実施例3と同様の操作を行い、感光体シートサンプルを得た。
〔比較例5〕
3,5―ジターシャリブチルサリチル酸アルミニウム塩を添加しない以外は、実施例7と同様の操作を行い、感光体シートサンプルを得た。
〔比較例6〕
カルボン酸金属塩を電荷発生層に添加せず、実施例3で電荷発生層に含有されているのと同量の3,5―ジターシャリブチルサリチル酸アルミニウム塩を電荷輸送層に含有するように添加した以外は、実施例3と同様の操作を行い、感光体シートサンプルを得た。
<感光体の電気特性の評価>
前述の感光体ドラムと同様の装置を用いて、これら感光体シートの電気特性を評価した。初期表面電位を−700Vとし、実施例3、4、比較例2では露光エネルギー:0.7μJ/cm2 、実施例5、比較例3、実施例7、比較例5では露光エネルギー:2.3μJ/cm2 、実施例6、比較例4では露光エネルギー:1.2μJ/cm2 各々照射した。実施例
3,4,比較例2、実施例6、比較例4では露光後:0.1秒後、実施例5、比較例3、実
施例7、比較例5では露光後:0.2秒後 の表面電位をVL(−V)とした。測定環境
は、温度25℃、相対湿度50%下で行った。
また、表面電位が−350Vとなる時の照射エネルギー(半減露光エネルギー)を感度(E1/2)として測定した(μJ/cm2)。
電気特性の結果を表−2に示す。
Figure 2014123114
上記表から、電荷発生層にカルボン酸金属塩が含有する場合は、電荷発生物質の種類にかかわらず、含有しない場合に比べて残留電位の低減効果があり、かつ、感度も向上していることがわかる。また、実施例3と比較例6との比較からわかるように、カルボン酸金属塩を同じ含有量添加する場合は、電荷輸送層よりも電荷発生層に添加した場合の方が、
残留電位の低減、及び感度に対する効果が大きいことがわかる。
<塗布液の粘度変化の測定>
〔電荷発生層形成用塗布液〕
実施例3、実施例4、及び比較例2で用いた電荷発生層形成用塗布液の、室温(25℃)、及び55℃における、調整直後と14日後の粘度を各々測定した。その結果を下記表−3、及び粘度変化のグラフを〔図3〕に示す。
Figure 2014123114
上記表−3、及び図3から、電荷発生層形成用塗布液にカルボン酸金属塩を含有した場合は、含有していないものと比べても、室温及び55℃の場合において粘度変化が少ないことがわかる。
〔電荷輸送層形成用塗布液〕
実施例3で使用した電荷輸送層形成用塗布液の経日粘度変化と、該塗布液に3,5―ジターシャリブチルサリチル酸アルミニウム塩をバインダー樹脂100質量部に対して0.1質量部添加した時の粘度変化を、室温と55℃の場合で測定した。結果を表―4、及び粘度変化のグラフを〔図4〕に示す。
Figure 2014123114
上記表−4、及び図4からわかるように、電荷輸送層形成用塗布液にカルボン酸金属塩を含有した場合は、含有されていない場合に比べて日数が経つと粘度が低下していること
がわかる。特にこの低下は55℃で顕著である。
1 感光体(電子写真感光体)
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置(クリーニング部)
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラー
44 現像ローラー
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラー)
72 下部定着部材(定着ローラー)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)

Claims (5)

  1. 導電性支持体上に感光層として、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を、導電性支持体側からこの順に積層して設ける電子写真感光体において、
    該電荷発生層に、下記一般式(I)で示される芳香族カルボン酸の金属錯体または金属塩を含有することを特徴とする、電子写真感光体。
    ArCOOH (I)
    (式(I)中、Arは置換基を有してもよい炭素数30以下のアリール基を表す。)
  2. 前記一般式(I)で示される芳香族カルボン酸が、下記一般式(II)又は(III)で示
    される構造を有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 2014123114
    (式(II)、(III)中、置換基R11〜R13は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキ
    ル基、アルコキシ基、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、カルボキシル基、又はアリール基を表し、環Aは炭素数5〜10の芳香環を表す。aは0〜2の整数、b、cは0〜4の整数を表す。但し、R11〜R13は互いに結合して環を形成していても良い。)
  3. 前記導電性支持体と前記感光層との間にブロッキング層として、樹脂に金属酸化物粒子を分散した下引き層を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部、該電子写真感光体上をクリーニングするクリーニング部のうち、少なくとも一つとを備えることを特徴とする電子写真感光体カートリッジ。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、及び該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部とを備えることを特徴とする画像形成装置。


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