JP4847305B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体ならびに該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
電子写真装置に搭載される電子写真感光体に用いられる光導電性物質(電荷発生物質や電荷輸送物質)としては、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛などの無機光導電性物質があるが、近年では、無公害性、高生産性および材料設計の容易性などの観点から有機光導電性物質の開発が盛んに行われている。
有機光導電性物質を用いた電子写真感光体(有機電子写真感光体)は、有機光導電性物質や結着樹脂を溶媒に溶解・分散させて得られる塗布液を支持体上に塗布し、これを乾燥させることによって形成された感光層を有するものが通常である。また、感光層の層構成については、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層してなる積層型(順層型)のものが一般的である。
有機光導電性物質を用いた電子写真感光体は、上記の利点を有しているが、電子写真感光体として必要とされる特性のすべてを高い次元で満足しているわけではない。特に、電子写真感光体の最表面層は、電子写真プロセスによる様々な電気的および機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。具体的には、帯電により感光体表面が劣化するために、画像特性やクリーニング性が悪化したり、各種部材や紙との摺擦により磨耗や傷が発生するなどの問題があり、感光体表面層の耐久性をさらに向上させることが望まれている。
このような電子写真感光体の表面性向上に関する技術として、電子写真感光体の最表面層にシリコーンオイルを添加することで、最表面層の塗布性、画像ボケ、クリーニング性やフィルミング性を改善する技術が開示されている(例えば特許文献1および2参照)。しかしながら、シリコーンオイルとバインダー樹脂との相溶性が必ずしも良好であるとは限らず、かつ低分子量の電荷輸送物質とバインダー樹脂とから構成される最表面層の耐久性が低いことから、シリコーンオイルを添加することにより得られる効果の持続性には改善の余地がある。このような問題に対する解決手段のひとつとして、高分子電荷輸送物質とフッ素オイルとから構成される最表面層により、磨耗性や画像特性を持続的に改善する技術が開示されている(例えば特許文献3参照)。しかしながら、高分子電荷輸送物質は、低分子量電荷輸送物質と比較して必要とされる技術の難易度が高く、電気的特性と機械的強度を同時に満たす高分子電荷輸送物質を安定して製造するには多くの技術課題が残されている。また、高分子電荷輸送物質の分子量や構造の違いによりフッ素オイルに対する拘束力も異なるため、フッ素オイルの添加により安定した効果を発現することは難しい。
特開平11−38654号公報 特開2001−255675号公報 特開平11−258843号公報
本発明の目的は、良好な耐磨耗性およびクリーニング性を安定して持続的に維持する最表面層を有する電子写真感光体ならびに該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明は、導電性支持体および該導電性支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体の最表面層が、下記一般式(1)で示される繰り返し構造単位を全繰り返し構造単位中モル比換算で70%以上100%以下含有する重量平均分子量(MW)50000以上350000以下のポリアリレート樹脂と、下記式(i)で示される重量平均分子量(MW)500以上1300以下のポリ三フッ化エチレンおよび下記式(iii)で示される重量平均分子量(MW)1000以上10000以下のパーフルオロポリエーテルのいずれか一種またはそれらの混合物を含有することを特徴とする電子写真感光体である。
(式(1)中、R 21 、R 23 、R 26 および28は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を示す。Xは、下記一般式(2)で示される2価の基を示す
(式(2)中、R31およびR32は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す、あるいは、R31とR32が結合して形成されるシクロヘキシリデン基を示す。))
(式(i)および(iii)中、nは、繰り返し数の平均値を示す。)
また、本発明は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置である。
本発明によれば、耐久性が高く、長期にわたる繰り返し使用時にも安定したクリーニング性を持続可能な電子写真感光体ならびに該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリ三フッ化エチレンとは、三フッ化塩化エチレンの低重合物であり、重量平均分子量(MW)が500以上1000以下であることが好ましい。また、本発明におけるパーフルオロポリエーテルの重量平均分子量(MW)は2000以上9000以下であることが好ましい。これらの具体例を表1に示す。なお、表1中、nは繰り返し数平均値を示す。
本発明におけるポリアリレート樹脂は、少なくとも下記一般式(1)で示される繰り返し構造単位を含有することを特徴としている。
(式(1)中、R 21 、R 23 、R 26 および28は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を示す。Xは、下記一般式(2)で示される2価の基を示す


(式(2)中、R31およびR32は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を示す、あるいは、R31とR32が結合して形成されるシクロヘキシリデン基を示す。)
以下に、上記式(1)で示される繰り返し構造単位の具体例を示す。
本発明におけるポリアリレート樹脂は、上記式(1)で示される繰り返し構造単位を全繰り返し構造単位中モル比換算で70%以上100%以下含有する。式(1)で示される繰り返し構造単位が60%未満であると、ポリ三フッ化エチレンおよびパーフルオロポリエーテルのいずれか一種またはそれらの混合物(以下、フッ素系化合物ともいう)との相溶性が低下する。したがって、式(1)で示される繰り返し構造単位は70%以上であり、80%以上であることが好ましい。
また、本発明の電子写真感光体の最表面層に用いられる上記式(1)で示される繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂は、上記式(1)のなかで選択される特定の繰り返し構造単位と、上記式(1)のなかで選択されるその他の繰り返し構造単位、あるいは他の2価のカルボン酸と2価の有機残基よりなる繰り返し構造単位との共重合体としても使用可能である。その際、重合形態はブロック共重合、ランダム共重合といった重合形態でもよく任意であるが、好ましいのはランダム共重合形態である。
また、本発明中での、上記式(1)のなかで選択される特定の繰り返し構造単位と、上記式(1)のなかで選択されるその他の繰り返し構造単位、あるいは他の2価のカルボン酸と2価の有機残基よりなる繰り返し構造単位を有する共重合ポリアリレート樹脂のモル比換算での共重合比がA:Bという記載は、上記式(1)のなかで選択される特定の繰り返し構造単位に示されるジカルボン酸エステル部位を(1−C)、ビスフェノール部位を(1−B)、上記式(1)のなかで選択されるその他の繰り返し構造単位、あるいは他の2価のカルボン酸と2価の有機残基よりなる繰り返し構造単位に示されるジカルボン酸エステル部位を(3−C)、ビスフェノール部位を(3−B)とした場合、モル比換算でのジカルボン酸エステル部位における(1−C):(3−C)が共重合比A:Bであり、またモル比換算でのビスフェノール部位における(1−B):(3−B)が共重合比A:Bであることを示している。
前記の他の2価のカルボン酸と2価の有機残基よりなる繰り返し構造単位に用いられる2価カルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、3,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、3,3’−ジフェニルエーテルジカルボン酸といった芳香族二価カルボン酸類、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸といった直鎖脂肪族二価カルボン酸類、シクロへキシレンジカルボン酸といった環状脂肪族二価カルボン酸類などが挙げられるが、なかでもテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸が好ましい。2価の有機残基としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)や2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールC)といったビスフェノール類、4,4’−ヒドロキシビフェニルといったビフェノール類などが挙げられる。
以下に、他の2価のカルボン酸と2価の有機残基よりなる繰り返し構造単位の具体例を示す。
本発明の電子写真感光体の最表面層に用いられる上記式(1)で示される繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂の重量平均分子量(MW)は任意であるが、重量平均分子量(MW)が80000以上である場合、特にフッ素系化合物の添加によるクリーニング性の持続効果が向上する。ただし、上記式(1)で示される繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂の分子量が大きすぎると、これを含有する塗布液の塗工性が悪くなる場合があるため、上記式(1)で示される繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂の重量平均分子量(MW)は300000以下であることが好ましく、特には200000以下であることが好ましい。
本発明の電子写真感光体の最表面層、または電子写真感光体の最表面層用塗布液に用いられる上記式(1)で示される繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂は、ジカルボン酸エステルと水酸基を有する化合物とのエステル交換法によって合成することが可能であり、また、ジカルボン酸ハライドなどの2価の酸ハロゲン化物とビスフェノールなどの水酸基を有する化合物との重合反応によっても合成することも可能であるが、重量平均分子量(MW)が上記範囲のものを製造するには、後者の合成方法によって合成することが好ましい。
(合成例1)
以下に、合成例として、ポリアリレート樹脂中の全繰り返し構造単位中、モル比換算で100%が上記式(1−2)で示される繰り返し構造単位であるポリアリレート樹脂の合成方法を示す。
下記式(1−2−1)
で示される構造を有するジフェニルエーテルジカルボン酸クロライドを、ジクロロメタンに溶解させ、酸クロライド溶液を調製した。
また、上記酸クロライド溶液とは別に、下記式(1−2−2)
で示される構造を有する2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンを10%水酸化ナトリウム水溶液に溶解させ、これに、重合触媒としてトリブチルベンジルアンモニウムクロライドを添加して攪拌し、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン溶液を調製した。
次に、酸クロライド溶液を2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン溶液に攪拌しながら加え、重合を開始した。重合は、反応温度を25℃以下に保ち、攪拌しながら、3時間行った。
その後、酢酸の添加により重合反応を終了させ、水相が中性になるまで水での洗浄を繰り返した。
洗浄後、攪拌下のメタノールに滴下して、重合物を沈殿させ、この重合物を真空乾燥させて、上記式(1−2)で示される繰り返し構造単位であるポリアリレート樹脂を得た。このポリアリレート樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量(本明細書中「重量平均分子量(MW)」と記載する)は、130000であった。
(合成例2)
以下に、合成例として、ポリアリレート樹脂中の全繰り返し構造単位中、モル比換算で70%が上記式(1−2)で示される繰り返し構造単位であり、30%が上記式(3−9)で示される繰り返し構造単位であるポリアリレート樹脂の合成方法を示す。
下記式(1−2−1)
で示される構造を有するジフェニルエーテルジカルボン酸クロライドと、下記式(3−9−1)
で示されるテレフタル酸クロライドをモル比7:3で混合し、ジクロロメタンに溶解させ、ジフェニルエーテルジカルボン酸クロライドとテレフタル酸クロライド混合溶液を調製した。
また、上記酸クロライド溶液とは別に、下記式(1−2−2)
で示される構造を有する2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンと、下記式(3−9−2)
で示されるテトラメチルビフェノールをモル比7:3で混合し、10%水酸化ナトリウム水溶液に溶解させ、これに、重合触媒としてトリブチルベンジルアンモニウムクロライドを添加して攪拌し、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンとテトラメチルビフェノール混合溶液を調製した。
次に、酸クロライド溶液を2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンとテトラメチルビフェノール混合溶液に攪拌しながら加え、重合を開始した。重合は、反応温度を25℃以下に保ち、攪拌しながら、3時間行った。
その後、酢酸の添加により重合反応を終了させ、水相が中性になるまで水での洗浄を繰り返した。
洗浄後、攪拌下のメタノールに滴下して、重合物を沈殿させ、この重合物を真空乾燥させて、ポリアリレート樹脂中の全繰り返し構造単位中、モル比換算で70%が上記式(1−2)で示される繰り返し構造単位であり、30%が上記式(3−9)で示される繰り返し構造単位であるポリアリレート樹脂を得た。このポリアリレート樹脂の重量平均分子量(MW)は、130000であった。
(合成例3)
以下に、合成例として、ポリアリレート樹脂中の全繰り返し構造単位中、モル比換算で70%が上記式(1−2)で示される繰り返し構造単位であり、30%が上記式(3−13)で示される繰り返し構造単位であるポリアリレート樹脂の合成方法を示す。
下記式(1−2−1)
で示される構造を有するジフェニルエーテルジカルボン酸クロライドと、下記式(3−13−1)
で示されるイソフタル酸クロライドをモル比7:3で混合し、ジクロロメタンに溶解させ、ジフェニルエーテルジカルボン酸クロライドとイソフタル酸クロライド混合溶液を調製した。
また、上記酸クロライド溶液とは別に、下記式(1−2−2)
で示される構造を有する2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンを10%水酸化ナトリウム水溶液に溶解させ、これに、重合触媒としてトリブチルベンジルアンモニウムクロライドを添加して攪拌し、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン溶液を調製した。
次に、酸クロライド溶液を2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン溶液に攪拌しながら加え、重合を開始した。重合は、反応温度を25℃以下に保ち、攪拌しながら、3時間行った。その後、酢酸の添加により重合反応を終了させ、水相が中性になるまで水での洗浄を繰り返した。
洗浄後、攪拌下のメタノールに滴下して、重合物を沈殿させ、この重合物を真空乾燥させて、ポリアリレート樹脂中の全繰り返し構造単位中、モル比換算で70%が上記式(1−2)で示される繰り返し構造単位であり、30%が上記式(3−13)で示される繰り返し構造単位であるポリアリレート樹脂を得た。このポリアリレート樹脂の重量平均分子量(MW)は、120000であった。
本発明において、樹脂の重量平均分子量(MW)は、常法に従い、以下のようにして測定されたものである。
すなわち、測定対象樹脂をテトラヒドロフラン中に入れ、数時間放置した後、振盪しながら測定対象樹脂とテトラヒドロフランとよく混合し(測定対象樹脂の合一体がなくなるまで混合し)、さらに、12時間以上静置した。
その後、東ソー(株)製のサンプル処理フィルターマイショリディスクH−25−5を通過させたものをGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)用試料とした。
次に、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラヒドロフランを毎分1mlの流速で流し、GPC用試料を10μl注入して、測定対象樹脂の重量平均分子量(MW)を測定した。カラムには、東ソー(株)製のカラムTSKgel SuperHM−Mを用いた。
測定対象樹脂の重量平均分子量(MW)の測定にあたっては、測定対象樹脂が有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料には、アルドリッチ社製の単分散ポリスチレンの分子量が800以上2000000以下のものを10点用いた。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
本発明の電子写真感光体の最表面層を形成するための塗布液は、本発明のポリアリレート樹脂、ポリ三フッ化エチレンおよびパーフルオロポリエーテルのいずれか一種または混合物、溶剤、好ましくはさらに電荷輸送物質を混合攪拌したものである。また、この塗布液にレベリング剤や酸化防止剤、可塑剤等を必要に応じて添加してもよい。
また、最表面層を形成する場合、上述した塗布液を塗布することにより感光体を形成する。このときに使用する溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル系溶剤、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素溶剤、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、クロロホルムなどのハロゲン原子で置換された炭化水素溶剤などが用いられる。これら溶剤は、単独で使用してもよいが、2種類以上を混合して使用してもよい。これらの溶剤の中でも、少なくともエーテル系溶剤を使用することが、樹脂溶解性などの観点から好ましい。
次に、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体および該導電性支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体であり、その構成は、電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する感光層を有する感光体(単層型)であっても、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型(機能分離型)であってもよいが、良好な感光体特性を示す点で積層型感光体が好ましい。また、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層であることがより好ましい。さらに、電荷輸送層上には、該感光層を保護、あるいは表面性を付与することを目的とした保護層を設けてもよい。
本発明におけるポリアリレート樹脂とポリ三フッ化エチレンおよびパーフルオロポリエーテルのいずれか一種またはそれらの混合物を含有する最表面層は、単層型感光体においては感光層全体であり、積層型感光体においては電荷輸送層もしくは保護層である。
支持体は、導電性を有するものであればよく、具体的にはアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス等の金属製(合金製)の支持体を用いることができる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着によって被膜形成した層を有する上記金属製支持体やプラスチック製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子を適当な結着樹脂と共にプラスチックや紙に含浸させた支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチック製の支持体などを用いることもできる。また、支持体の形状としては円筒状、ベルト状などが挙げられるが、円筒状が好ましい。
また、支持体の表面はレーザー光などの散乱による干渉縞の防止などを目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。
支持体と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)または後述の中間層との間には、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被膜を目的とした導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物粒子などの導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。
導電層の膜厚は1μm以上40μm以下であることが好ましく、特には2μm以上20μm以下であることが好ましい。
また、支持体または導電層と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、バリア機能や接着機能を有する中間層を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。
中間層は、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸コポリマー、エポキシ樹脂、カゼイン樹脂、シリコーン樹脂、ゼラチン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ユリア樹脂などの樹脂や、酸化アルミニウムなどの材料を用いて形成することができる。
中間層の膜厚は0.05μm以上5μm以下であることが好ましく、特には0.3μm以上1μm以下であることが好ましい。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料や、金属フタロシアニン、非金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ顔料や、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドなどのペリレン顔料や、アンスラキノン、ピレンキノン、ジベンズピレンキノンなどの多環キノン顔料や、スクワリリウム色素や、ピリリウム塩およびチアピリリウム塩や、トリフェニルメタン色素や、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコンなどの無機物質や、キナクリドン顔料や、アズレニウム塩顔料や、キノシアニンなどのシアニン染料や、アントアントロン顔料や、ピラントロン顔料や、キサンテン色素や、キノンイミン色素や、スチリル色素や、硫化カドミウムや、酸化亜鉛などが挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
感光層が積層型感光層である場合であって、電荷発生層が電子写真感光体の最表面層でない場合、電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ベンザール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂などが挙げられる。特には、ブチラール樹脂などが好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機などを用いた方法が挙げられる。電荷発生物質と結着樹脂との割合は、1:4以上1:0.3以下(質量比)の範囲が好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択されるが、有機溶剤としてはアルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.1μm以上2μm以下であることが好ましい。
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリールメタン化合物などが挙げられる。これら電荷輸送物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
電荷輸送層が最表面層である場合、電荷輸送層には、結着樹脂として、少なくとも、上記式(1)で示される繰り返し構造単位をポリアリレート樹脂の全繰り返し構造単位中モル比換算で70%以上100%以下含有するポリアリレート樹脂が用いられる。本発明の効果を損なわない範囲で、以下に例示する他の樹脂を併用することもできるが、その場合は、電荷輸送層における上記式(1)で示される繰り返し構造単位をポリアリレート樹脂の全繰り返し構造単位中モル比換算で70%以上100%以下含有するポリアリレート樹脂の割合は、電荷輸送層に含有される結着樹脂の全質量に対して50質量%以上であることが好ましく、さらには70質量%以上であることが好ましい。併用可能な樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。特には、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂などが好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解して得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。電荷輸送物質と結着樹脂との割合は、1:2以上2:1以下(質量比)の範囲が好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル、クロロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン原子で置換された炭化水素などが用いられる。
電荷輸送層の膜厚は5μm以上40μm以下であることが好ましく、特には10μm以上35μm以下であることが好ましい。
また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
さらに、感光層上には該感光層を保護することを目的とした保護層を設けてもよい。保護層は、結着樹脂を溶剤に溶解して得られる保護層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
保護層の膜厚は0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、特には1μm以上5μm以下であることが好ましい。
上記各層の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
図1に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図1において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の表面は、帯電手段(一次帯電手段:帯電ローラーなど)3により、正または負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送された転写材(紙など)7に順次転写されていく。
トナー像の転写を受けた転写材7は、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)9によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。前記露光手段は、発振波長が380nm以上450nm以下の範囲にあるレーザーを有することが好ましい。なお、図1に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図1では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段12を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11としている。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。また、「MW」は「重量平均分子量(MW)」を意味する。
[実施例1]
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体とした。
次に、SnOコート処理硫酸バリウム(導電性粒子)10部、酸化チタン(抵抗調節用顔料)2部、フェノール樹脂(結着樹脂)6部、シリコーンオイル(レベリング剤)0.001部およびメタノール4部/メトキシプロパノール16部の混合溶剤を用いて導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、30分間140℃で熱硬化させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化ナイロン3部および共重合ナイロン3部をメタノール65部/n−ブタノール30部の混合溶剤に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.7μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン(電荷発生物質)10部をシクロヘキサノン250部にポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1.積水化学工業(株)製)5部を溶解させた液に加え、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下1時間分散し、分散後、酢酸エチル250部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.26μmの電荷発生層を形成した。
次に、前記式(1−2)で示される繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂(MW:130000)50部、下記構造式(A)で示される電荷輸送物質40部、表1の化合物例No.1のフッ素系化合物1.5部をテトラヒドロフラン(THF)450部に溶解させ、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、60分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が30μmの電荷輸送層を形成し、実施感光体1を得た。
この感光体(1)を、キヤノン(株)製複写機GP−40に入れ、常温常湿環境下(23℃/55%RH)において、200枚印刷後にクリーニング性の評価を行い、20000枚印刷後にクリーニング性の評価を行い、磨耗量を測定した。また、20000枚以降も印刷を継続し、クリーニング性を持続可能な印刷枚数を調査した。さらに、下記記載の方法により別途サンプルを作製し、最表面層の透過率を測定した。その結果を表3−1に示す。
これらの結果から感光体(1)は、繰り返し使用時も高い耐久性を維持し、安定したクリーニング性を持続的に発現するため、現像剤の融着によるポチ等の画像欠陥が発生することなく、長期にわたり鮮明な画像が安定して得られることが明確となった。
ここで、透過率、磨耗量およびクリーニング性の評価方法に関して、以下に詳細に記述する。
<透過率の測定方法>
透過率の測定は、常温常湿環境下(25℃/50%RH)においてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に電荷輸送層用塗布液を膜厚20μmとなるようにマイヤーバーにて塗工し、乾燥した膜を剥離して、V−570(日本分光(株)製)を使用して測定した。なお、参照試料としてフッ素系化合物を除外した以外はこれと同じ材料の構成の膜を使用した。
<磨耗量の測定方法>
感光体の磨耗量は、渦電流測定による測定(膜厚計:Fishcer Permascope)および干渉膜厚計(大塚電子(株)製)により測定した。
<クリーニング性の評価方法>
感光体表面、クリーニングブレードおよび出力画像の目視確認により、現像剤融着の有無、現像剤のスジ状すり抜け、クリーニングブレードの捲れに着目してクリーニング(CLN)性を評価した。また、連続印刷時のビビリ等による異常音発生の有無に関しても調査した。
[実施例2−21]
フッ素系化合物の種類、分子量および添加率、最表面層に含有される樹脂を表2−1及び表2−4に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、同様に評価した。その結果を表3−1に示す。
[比較例1−8]
フッ素系化合物の種類、分子量および添加率、最表面層に含有される樹脂を表2−3及び表2−6に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、同様に評価した。その結果を表3−3に示す。
[実施例22]
電荷発生層までは、実施例1と同様に形成した。次に、下記式(B)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂(MW:100000)50部、前記構造式(A)で示される電荷輸送物質40部をテトラヒドロフラン(THF)450部に溶解させ、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、60分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が25μmの電荷輸送層を形成した。さらに、前記式(1−11)で示される繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂(MW:50000)50部、前記構造式(A)で示される電荷輸送物質40部、表1の化合物例No.1のフッ素系化合物1.5部をテトラヒドロフラン(THF)450部に溶解させ、表面保護層用塗布液を調製した。この表面保護層用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布し、60分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が5μmの表面保護層を形成し、実施感光体22を作製し、実施例1と同様に評価した。その結果を表3−2に示す。
[実施例23−34]
フッ素系化合物の種類、分子量および添加率、最表面層に含有される樹脂を表2−2及び表2−5に示すとおりに変更した以外は、実施例22と同様にして電子写真感光体を作製し、同様に評価した。その結果を表3−2に示す。
[比較例9−16]
フッ素系化合物の種類、分子量および添加率、最表面層に含有される樹脂を表2−3及び表2−6に示すとおりに変更した以外は、実施例22と同様にして電子写真感光体を作製し、同様に評価した。その結果を表3−3に示す。
[実施例35−37]
フッ素系化合物の種類、分子量および添加率、最表面層に含有される樹脂を表2−2及び表2−5に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、同様に評価した。その結果を表3−2に示す。
[比較例17]
フッ素系化合物の種類、分子量および添加率、最表面層に含有される樹脂を表2−3及び2−6に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、同様に評価した。その結果を表3−3に示す。
[実施例38−40]
フッ素系化合物の種類、分子量および添加率、最表面層に含有される樹脂を表2−2及び表2−5に示すとおりに変更した以外は、実施例22と同様にして電子写真感光体を作製し、同様に評価した。その結果を表3−2に示す。
[比較例18]
フッ素系化合物の種類、分子量および添加率、最表面層に含有される樹脂を表2−3及び表2−6に示すとおりに変更した以外は、実施例22と同様にして電子写真感光体を作製し、同様に評価した。その結果を表3−3に示す。
[比較例19]
実施例1におけるポリアリレート樹脂を前記構造式(B)のポリカーボネート樹脂(MW:150000)に変更し、フッ素系化合物の種類、分子量および添加率を表2−3に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、同様に評価した。その結果を表3−3に示す。
[比較例20]
実施例1におけるポリアリレート樹脂を下記構造式(C)のポリアリレート樹脂(MW:150000)に変更し、フッ素系化合物の種類、分子量および添加率を表2−3に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、同様に評価した。その結果を表3−3に示す。
[実施例41]
電荷発生化合物としてCuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を2部、電荷輸送物質として前記構造式(A)で示される化合物50部、電子輸送化合物として下記構造式(D)で示される化合物50部、前記式(1−5)および(3−5)で示される繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂(MW:100000)100部、表1の化合物例No.1のフッ素系化合物3.0部を、溶媒として800部のテトラヒドロフランを使用しボールミルにて50時間混合分散して単層型感光層用塗布液を調製した。この塗布液を、陽極酸化した直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダー上に塗布したのち、120℃で60分間乾燥させることにより膜厚30μmの単層型感光体を作製し、実施例1と同様に評価した。その結果を表3−2に示す。
以上の実験結果より、以下のことは明らかである。
・本発明の最表面層を有する感光体は、良好なクリーニング性を長期にわたり維持することが可能である。
・実施例1−7および22−25より、本発明の感光体におけるポリアリレート樹脂の分子量は80000以上300000以下であることが好ましく、80000以上200000以下であることがより好ましい。
・実施例2と8、実施例3と9、実施例23と26、実施例24と27の比較から、所定の位置にメチル基を有するポリアリレート樹脂が好ましい。
・実施例10−15および実施例28−30より、フッ素系化合物の添加量は0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。また実施例36、37、39、40より、数種類のフッ素系化合物を組み合わせて使用してもよい。
・実施例16−20および31−34より、特定の分子量を有するフッ素系化合物が好ましい。
・実施例1−40および比較例1−20より、680nmにおける透過率は95%以上が好ましい。
したがって、本発明の最表面層を有する電子写真感光体は、良好なクリーニング性を長期にわたり維持し、安定して鮮明な画像を供給することが可能である。
本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよびこのプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の一実施の形態を示す概略図である。
符号の説明
1 電子写真感光体
2 軸
3 一次帯電手段
4 画像露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 像定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 レール

Claims (3)

  1. 導電性支持体および該導電性支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体において、
    該電子写真感光体の最表面層が、
    下記一般式(1)で示される繰り返し構造単位を全繰り返し構造単位中モル比換算で70%以上100%以下含有する重量平均分子量(MW)50000以上350000以下のポリアリレート樹脂と、
    下記式(i)で示される重量平均分子量(MW)500以上1300以下のポリ三フッ化エチレンおよび下記式(iii)で示される重量平均分子量(MW)1000以上10000以下のパーフルオロポリエーテルのいずれか一種またはそれらの混合物
    を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    (式(1)中、R21、R23、R26およびR28は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す。Xは、下記一般式(2)で示される2価の基を示す。
    (式(2)中、R31およびR32は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す、あるいは、R31とR32が結合して形成されるシクロヘキシリデン基を示す。))
    (式(i)および(iii)中、nは、繰り返し数の平均値を示す。)
  2. 請求項1に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくとも1つの手段を一体に支持し、電子写真装置に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  3. 請求項1に記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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