JP2007199659A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スリップによるスジ状画像不良を抑制し、安定的に良好な画像を提供できる電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
【解決手段】支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、 該電子写真感光体の表面層が、重量平均分子量500以上1500以下のクロロトリフルオロエチレン重合物を含有し、かつ該表面層に少なくとも、特定のシロキサン構造単位のどちらか一方又は両方を有するポリカーボネート樹脂、もしくはポリエステル樹脂を含有し、該シロキサン構造単位を有するポリカーボネート樹脂もしくはポリエステル樹脂の全質量に対するシロキサン構造単位の質量構成比率が10質量%以上60質量%以下であることを特徴とする電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置。
【選択図】なし
【解決手段】支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、 該電子写真感光体の表面層が、重量平均分子量500以上1500以下のクロロトリフルオロエチレン重合物を含有し、かつ該表面層に少なくとも、特定のシロキサン構造単位のどちらか一方又は両方を有するポリカーボネート樹脂、もしくはポリエステル樹脂を含有し、該シロキサン構造単位を有するポリカーボネート樹脂もしくはポリエステル樹脂の全質量に対するシロキサン構造単位の質量構成比率が10質量%以上60質量%以下であることを特徴とする電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しくは、特定の樹脂を含有する表面層を有する電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
電子写真感光体は、その像形成プロセスにおいて帯電、露光、現像、転写、クリーニング及び除電の繰り返し工程を採るものが一般的である。帯電及び露光により形成された静電潜像は、微粒子状の粉体であるトナーにより現像される。更に、現像されたトナーは転写プロセスにおいて紙等の転写材に転写されるが、100%のトナーが転写されるのではなく、一部が電子写真感光体上に残される。この残存するトナーを除去しないと繰り返しプロセスにおいて汚れ等のない高品位な画像は得られない。その為、残存トナーのクリーニングが必要となる。
クリーニング装置としては、従来よりブレードクリーニング方式がある。この方式は、通常、耐摩耗性の弾性体を電子写真感光体表面に圧接させ、そのエッジで電子写真感光体表面に残留するトナーを摩擦除去するものである。しかしながら、クリーニングブレードを電子写真感光体に長期間接触させておくと、トナーやクリーニング部材に含まれている絶縁性物質の付着や残留離型剤により電子写真感光体がスリップし、瞬間的に電子写真感光体の駆動トルクが変化することによって、電子写真感光体の均一な回転が阻害される問題があった。
このため白スジや黒スジ等の画像不良(スジ状画像不良)が生じる場合があるという問題があり、スリップに対する対策が望まれている。
電子写真感光体の表面性向上に関する技術として、例えば特許文献1や特許文献2には、電子写真感光体の最表面層にシリコーンオイルを添加することで、最表面層の塗布性、画像ボケ、クリーニング性やフィルミング性を改善する技術が開示されている。特許文献3には、電子写真感光体の最表面層にフッ素樹脂粉体を添加する例が開示されている。特許文献4には、電子写真感光体の最表面層にパーフルオロポリエーテルオイルを添加させることにより、クリーニング性を持続的に改善する技術が開示されており、特許文献5には炭素原子、フッ素原子、酸素原子からなる完全フッ素化油を含有する技術が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1で開示されている電子写真感光体では、シリコーンオイルとバインダー樹脂との相溶性が必ずしも良好であるとは限らず、また、シリコーンオイルを添加することにより得られるクリーニング性向上効果の持続性に課題があり、スリップによるスジ状画像不良を抑制する効果については十分ではなかった。特許文献3で開示されている電子写真感光体ではフッ素樹脂粉体を添加することにより得られるクリーニング性向上効果の持続性に課題があり、スリップによるスジ状画像不良を抑制する効果については十分ではなかった。特許文献4及び5で開示されている電子写真感光体ではクリーニング性を持続的に向上させる技術を開示しているが、スリップによるスジ状画像不良を抑制する効果については十分ではなかった。また、特許文献6ではフッ素樹脂粉体の分散助剤としてフッ素オイルを添加する例を記載しているが、スリップによるスジ状画像不良を抑制するものではなかった。
特開平11−38654号公報
特開2001−255675号公報
特開平3−188456号公報
特開平11−258843号公報
特開2002−278122号公報
特開平6−332217号公報
本発明の目的は、スリップによるスジ状画像不良を抑制し、安定的に良好な画像を提供できる電子写真感光体、ならびに該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
本発明に従って、支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、
該電子写真感光体の表面層が、一般式(1)で示される繰り返し構造単位を有する、重量平均分子量500以上1500以下のクロロトリフルオロエチレン重合物を含有し、
かつ該表面層に少なくとも一般式(2)もしくは一般式(3)で示されるシロキサン構造単位のどちらか一方又は両方を有するポリカーボネート樹脂、もしくはポリエステル樹脂を含有し、該シロキサン構造単位を有するポリカーボネート樹脂もしくはポリエステル樹脂の全質量に対するシロキサン構造単位の質量構成比率が10質量%以上60質量%以下である
ことを特徴とする電子写真感光体が提供される。
該電子写真感光体の表面層が、一般式(1)で示される繰り返し構造単位を有する、重量平均分子量500以上1500以下のクロロトリフルオロエチレン重合物を含有し、
かつ該表面層に少なくとも一般式(2)もしくは一般式(3)で示されるシロキサン構造単位のどちらか一方又は両方を有するポリカーボネート樹脂、もしくはポリエステル樹脂を含有し、該シロキサン構造単位を有するポリカーボネート樹脂もしくはポリエステル樹脂の全質量に対するシロキサン構造単位の質量構成比率が10質量%以上60質量%以下である
ことを特徴とする電子写真感光体が提供される。
上記式(2)中、R21〜R24は水素原子、ハロゲン原子、あるいは置換又は無置換の1価の炭化水素基を示し、mは繰り返し数を示す平均値である。
上記式(3)中、R31〜R35は水素原子、ハロゲン原子、あるいは置換又は無置換の1価の炭化水素基を示し、nは繰り返し数を示す平均値である。
また、本発明に従って、上記電子写真感光体を具備するプロセスカートリッジ及び電子写真装置が提供される。
本発明によれば、繰り返し時においても、スリップによるスジ状画像不良を抑制し、安定的に良好な画像を提供できる電子写真感光体、ならびに該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することが可能となった。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明におけるクロロトリフルオロエチレン重合物は、クロロトリフルオロエチレンモノマーを重合反応により、重合化した物質であり、クロロトリフルオロエチレン重合物は重量平均分子量により形状が異なり、重量平均分子量が500以上1500以下の範囲で軽油状からワックス状の形態をとっている。本発明の効果が得られる範囲は重量平均分子量500以上1500以下の範囲であり、より好ましい範囲は重量平均分子量900以上1500以下である。
分子量500未満では、液状となり、スリップによるスジ状画像不良を抑制する効果が得られず、分子量1500を超えると粉体状となり、表面相中での分散状態が均一になることが困難であるため、繰り返し印刷を通じての安定した効果を得ることが難しい。
重量平均分子量測定は、常法に従って行う。試料をテトラヒドロフラン(THF)中に入れ、数時間放置した後充分に振とうしてTHFと良く混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、更に12時間以上静置する。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45〜0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−5東ソー社製、エキクロディスク25CRゲルマンサイエンス社製等が利用できる)を通過させたものをGPCの試料とする。試料濃度は樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調製する。
作製した試料は以下の方法で測定される。40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約10μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、東ソー社製あるいは、昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市販のポリスチレンゲルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば、昭和電工製のshodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807、800Pの組み合わせや、東ソー社製TSKgelG1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKguardcolumnの組み合わせを挙げることができる。
次に、表面層に用いる一般式(2)もしくは一般式(3)で示される構造を有する樹脂について説明する。
樹脂は、一般式(2)もしくは一般式(3)で示されるシロキサン構造単位のどちらか一方又は両方を有するポリカーボネート樹脂、もしくはポリエステル樹脂である。
一般式(2)及び一般式(3)におけるR21〜R24、R31〜R35は、水素原子、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等のハロゲン原子、あるいは置換又は無置換の炭化水素基を示し、置換又は無置換の1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−ヘチルヘキシル基、ドデシル基及びオクタデシル基等のアルキル基、ビニル基やアリル基等のアルケニル基、フェニル基やナフチル基等のアリール基が挙げられる。この中でも、メチル基、フェニル基が好ましい。
m及びnは、一般式(2)及び一般式(3)で示される構成単位中、( )内の構造の繰り返し数を表す平均値を示す。
本発明にかかる一般式(2)もしくは一般式(3)で示されるシロキサン構造単位を有するポリカーボネートもしくはポリエステル樹脂の全質量に対するシロキサン構造単位の質量構成比率は10質量%以上60質量%以下であることを特徴とする。
ここでの質量構成比率とは、一般式(2)もしくは一般式(3)で示されるシロキサン構造単位から構成された部分の全質量が、樹脂全体の質量に対してどれだけの割合を占めているのかを、質量%で示したものである。例えば、以下の構造式(4)で示される樹脂におけるシロキサン構造単位の質量構成比率は、樹脂の分子量15208に対して、シロキサン構造単位部分(破線内部分)の分子量は6080であるので、40質量%である。
シロキサン構造単位の質量構成比率が10質量%未満であると、クロロトリフルオロエチレンを表面層に加えても、ブレードのスリップによるスジ状画像不良に対しての改善効果の発現が困難であり、60質量%を超えると、表面層を構成する他の材料との相溶性が低下して表面状態が悪化するため、安定した効果が得られず、また、表面層の透明性が低下したり、露光光が散乱することにより、光量不足による電子写真特性の悪化や出力画像の画質低下等の弊害が発生する可能性がある。
シロキサン構造単位の質量構成比率が10質量%以上60質量%以下の樹脂を得るために、シロキサン構造単位を有していない2価の有機残基を持つ構造単位を含有させることが好ましく、ポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂との相溶性の点から、以下の一般式(5)で示される構造を共重合させることが好ましい。その際、重合形態はブロック共重合、ランダム共重合、グラフト共重合といった重合形態でもよく任意であるが、好ましくはランダム共重合形態又はブロック共重合形態によるポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂である。
上記式(5)中、R51〜R58はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アリール基、又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示す。Xは、単結合、酸素原子、硫黄原子、又は下記一般式(6)で示される構造を有する2価の基を示す。
上記式(6)中、R61及びR62は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、フッ化アルキル基、アルコキシ基、アリール基、あるいは、R61とR62とが結合して形成されるシクロアルキリデン基、又はフルオレニリデン基を示す。
一般式(5)中のR51〜R58のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基が挙げられ、アリール基としては、フェニル基やナフチル基等が挙げられるが、これらの中でも、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基が好ましい。
一般式(6)中のR61及びR62のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等が挙げられ、フッ化アルキル基としては、トリフルオロメチル基やペンタフルオロエチル基等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びブトキシ基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基やナフチル基等が挙げられるが、これらの中でも、メチル基、エチル基が好ましい。
また、本発明にかかる一般式(2)もしくは一般式(3)で示されるシロキサン構造単位を有するポリカーボネートあるいはポリエステル樹脂の表面層中の含有率は、全固形分に対して0.1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。0.1質量%未満では、ブレードのスリップによるスジ状画像不良の改善効果の発現が困難であり、5質量%を超えると、クロロトリフルオロエチレンの添加効果を阻害するために、やはりスジ状画像不良の改善効果を発現することが困難となる可能性がある。
以下に一般式(2)、(3)で示されるシロキサン構造単位のどちらか一方又は両方を有するポリカーボネート樹脂、もしくはポリエステル樹脂の構成材料の代表例を以下に示し、それらを用いた合成例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、一般式(2)で示されるシロキサン構造単位を有する樹脂構成材料を示す(mは繰り返し数を示す平均値)。
次に、一般式(3)で示されるシロキサン構造単位を有する樹脂構成材料を示す(nは繰り返し数を示す平均値)。
次に、一般式(5)で示される構造単位を有する樹脂構成材料を示す。
これらの中でも、式(5−2)、(5−13)で示される構造が製膜性の点から好ましい。
(合成例1)
10%水酸化ナトリウム水溶液500mlに、式(5−13)で示されるビスフェノール120gを加えて溶解した。この溶液にジクロロメタン300mlを加え攪拌し、溶液温度を10〜15℃に保ちながら、ホスゲン100gを1時間かけて吹き込んだ。ホスゲンを約70%吹き込んだところで式(2−1、m=20)のシロキサン化合物10gと式(3−1、n=20)のシロキサン化合物20gを溶液に加えた。ホスゲンの導入が終了後、激しく攪拌して反応液を乳化させ、0.2mlのトリエチルアミンを加え、1時間攪拌した。その後ジクロロメタン相をリン酸で中和し、更にpH7程度になるまで水洗を繰り返した。続いてこの液相をイソプロパノールに滴下し、沈殿物を濾過、乾燥することによって、白色粉状の重合体を得た。得られた重合体を赤外線吸収スペクトルで分析したところ、1750cm−1にカルボニル基による吸収、1240cm−1にエーテル結合による吸収及びカーボネート結合が確認された。また、3650〜3200cm−1の吸収はほとんどなく、水酸基は認められなかった。更に、1100〜1000cm−1のシロキサンに起因するピークも確認された。1H−NMRにおいてもシロキサン部位及びポリカーボネート部位が存在することが確認された。得られた重合体をMALDI−TOF−MS(BRUKER社製 RFREX III)で測定したところ、式(2−1)で示されるシロキサン構造単位を有する樹脂構成材料中のシロキサン構造単位と式(3−1)で示されるシロキサン構造単位を有する樹脂構成材料中のシロキサン構成単位が1:2であることを確認した。また、粘度平均分子量(Mv)は26000であり、シロキサン部位の質量構成比率は20%である。このポリカーボネート重合体はポリカーボネート樹脂の両方の末端にポリシロキサン部位を有し、かつポリカーボネート樹脂の主鎖にもシロキサン部位が重合された構造である。
10%水酸化ナトリウム水溶液500mlに、式(5−13)で示されるビスフェノール120gを加えて溶解した。この溶液にジクロロメタン300mlを加え攪拌し、溶液温度を10〜15℃に保ちながら、ホスゲン100gを1時間かけて吹き込んだ。ホスゲンを約70%吹き込んだところで式(2−1、m=20)のシロキサン化合物10gと式(3−1、n=20)のシロキサン化合物20gを溶液に加えた。ホスゲンの導入が終了後、激しく攪拌して反応液を乳化させ、0.2mlのトリエチルアミンを加え、1時間攪拌した。その後ジクロロメタン相をリン酸で中和し、更にpH7程度になるまで水洗を繰り返した。続いてこの液相をイソプロパノールに滴下し、沈殿物を濾過、乾燥することによって、白色粉状の重合体を得た。得られた重合体を赤外線吸収スペクトルで分析したところ、1750cm−1にカルボニル基による吸収、1240cm−1にエーテル結合による吸収及びカーボネート結合が確認された。また、3650〜3200cm−1の吸収はほとんどなく、水酸基は認められなかった。更に、1100〜1000cm−1のシロキサンに起因するピークも確認された。1H−NMRにおいてもシロキサン部位及びポリカーボネート部位が存在することが確認された。得られた重合体をMALDI−TOF−MS(BRUKER社製 RFREX III)で測定したところ、式(2−1)で示されるシロキサン構造単位を有する樹脂構成材料中のシロキサン構造単位と式(3−1)で示されるシロキサン構造単位を有する樹脂構成材料中のシロキサン構成単位が1:2であることを確認した。また、粘度平均分子量(Mv)は26000であり、シロキサン部位の質量構成比率は20%である。このポリカーボネート重合体はポリカーボネート樹脂の両方の末端にポリシロキサン部位を有し、かつポリカーボネート樹脂の主鎖にもシロキサン部位が重合された構造である。
粘度平均分子量は次のように算出した。試料0.5gをジクロロメタン100mlに溶解し、ウベローデ(Ubelode)型粘度計を用いて、25℃における比粘度を測定する。この比粘度から極限粘度を求め、マーク−ホーウィンク(Mark−Houwink)の粘度式のKとaをそれぞれ1.23×10−4と0.83として粘度平均分子量(Mv)を算出した。
(合成例2)
式(2−1、m=40)で示されるシロキサン化合物を25gと、式(3−1、m=40)で示されるシロキサン化合物を55gにした以外は、シロキサン構造単位を有する樹脂の合成例1と同様にして合成し、重合体を得た。得られた重合体を赤外線吸収スペクトルで分析したところ、カルボニル基、エーテル結合及びカーボネート結合が確認され、またシロキサンに起因するピークも確認された。水酸基は認められなかった。1H−NMRにおいてもシロキサン部位及びポリカーボネート部位が存在することが確認された。更に、MALDI−TOF−MS(BRUKER社製 RFREX III)で測定したところ、重合体における式(2−1)で示されるシロキサン構造単位を有する樹脂構成材料中のシロキサン構造単位と式(3−1)で示されるシロキサン構造単位を有する樹脂構成材料中のシロキサン構成単位が1:2であることを確認した。なお、粘度平均分子量(Mv)は20600であり、シロキサン構造単位を有する部位の質量構成比率は35%である。このポリカーボネート重合体は、ポリカーボネート樹脂の両方の末端にシロキサン構造単位を有し、かつポリカーボネート樹脂の主鎖にもシロキサン構造単位が重合された構造である。
式(2−1、m=40)で示されるシロキサン化合物を25gと、式(3−1、m=40)で示されるシロキサン化合物を55gにした以外は、シロキサン構造単位を有する樹脂の合成例1と同様にして合成し、重合体を得た。得られた重合体を赤外線吸収スペクトルで分析したところ、カルボニル基、エーテル結合及びカーボネート結合が確認され、またシロキサンに起因するピークも確認された。水酸基は認められなかった。1H−NMRにおいてもシロキサン部位及びポリカーボネート部位が存在することが確認された。更に、MALDI−TOF−MS(BRUKER社製 RFREX III)で測定したところ、重合体における式(2−1)で示されるシロキサン構造単位を有する樹脂構成材料中のシロキサン構造単位と式(3−1)で示されるシロキサン構造単位を有する樹脂構成材料中のシロキサン構成単位が1:2であることを確認した。なお、粘度平均分子量(Mv)は20600であり、シロキサン構造単位を有する部位の質量構成比率は35%である。このポリカーボネート重合体は、ポリカーボネート樹脂の両方の末端にシロキサン構造単位を有し、かつポリカーボネート樹脂の主鎖にもシロキサン構造単位が重合された構造である。
(合成例3)
撹拌装置を備えた反応容器中に式(5−13)で示されるビスフェノール90g、p−tert−ブチルフェノール0.82g、水酸化ナトリウム33.9g、重合触媒であるトリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライド0.82gを仕込み、水2720mlに溶解した(水相)。塩化メチレン500mlに、式(2−1、m=40)に示したシロキサン化合物10gを溶解した(有機相1)。更に、別に塩化メチレン1500mlに、テレフタル酸クロライド/イソフタル酸クロライド=1/1混合物74.8gを溶解した(有機相2)。まず有機相1を先に調製した水相中に強撹拌下で添加し、次いで、有機相2を添加して、20℃で3時間重合反応を行った。この後、酢酸15mlを添加して反応を停止し、水相と有機相をデカンテーションして分離した。更に、この有機相の水洗浄と遠心分離器による分離を繰り返し行った。洗浄に使用した水量の合計は、有機相質量の50倍量であった。この後、有機相をメタノール中に添加してポリマーを沈澱させた。このポリマーを分離乾燥して樹脂を得た。
撹拌装置を備えた反応容器中に式(5−13)で示されるビスフェノール90g、p−tert−ブチルフェノール0.82g、水酸化ナトリウム33.9g、重合触媒であるトリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライド0.82gを仕込み、水2720mlに溶解した(水相)。塩化メチレン500mlに、式(2−1、m=40)に示したシロキサン化合物10gを溶解した(有機相1)。更に、別に塩化メチレン1500mlに、テレフタル酸クロライド/イソフタル酸クロライド=1/1混合物74.8gを溶解した(有機相2)。まず有機相1を先に調製した水相中に強撹拌下で添加し、次いで、有機相2を添加して、20℃で3時間重合反応を行った。この後、酢酸15mlを添加して反応を停止し、水相と有機相をデカンテーションして分離した。更に、この有機相の水洗浄と遠心分離器による分離を繰り返し行った。洗浄に使用した水量の合計は、有機相質量の50倍量であった。この後、有機相をメタノール中に添加してポリマーを沈澱させた。このポリマーを分離乾燥して樹脂を得た。
次に、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。
本発明の電子写真感光体の表面層は、感光層が電荷輸送材料と電荷発生材料とを同一の層に含有する単層型の場合はその層であり、電荷輸送材料を含有する電荷輸送層と電荷発生材料を含有する電荷発生層とを有する積層型の場合は電荷輸送層である。更には、電荷輸送層上に保護層を設ける場合は、保護層である。保護層は、導電性金属酸化物等の導電性粒子を含有してもよい。本発明においては、電子写真特性の点から積層型であることが好ましい。
以下に、積層型の電子写真感光体構成について説明する。
本発明に用いられる導電性支持体としては、アルミニウム、ニッケル、銅、金、鉄等の金属又は合金、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラス等の絶縁性支持体上にアルミニウム、銀、金等の金属あるいは酸化インジウム、酸化スズ等の導電性材料の薄膜を形成したもの、カーボンや導電性フィラーを樹脂中に分散し導電性を付与したもの等が例示できる。これらの支持体表面は、電荷的特性改善あるいは密着性改善のために、陽極酸化等の電気化学的な処理を行った支持体や、導電性支持体表面をアルカリリン酸塩あるいはリン酸やタンニン酸を主成分とする酸性水溶液に金属塩の化合物又はフッ素化合物の金属塩を溶解してなる溶液で化学処理したものを用いることもできる。
また、単一波長のレーザー光等を用いたプリンターに本電子写真感光体を用いる場合には、干渉縞を抑制するために導電性支持体はその表面を適度に粗しておくことが必要である。具体的には上記支持体表面をホーニング、ブラスト、切削、電解研磨等の処理をした支持体もしくはアルミニウム及びアルミニウム合金上に導電性金属酸化物及び結着樹脂からなる導電性皮膜を有する支持体を用いることが必要である。
ホーニング処理としては、乾式及び湿式での処理方法があるがいずれを用いてもよい。湿式ホーニング処理は、水等の液体に粉末上の研磨剤を縣濁させ、高速度で支持体表面に吹き付けて粗面化する方法であり、表面粗さは吹き付け圧力、速度、研磨剤の量、種類、形状、大きさ、硬度、比重及び縣濁温度等により制御することができる。同様に、乾式ホーニング処理は、研磨剤をエアーにより、高速度で導電性支持体表面に吹き付けて粗面化する方法であり、湿式ホーニング処理と同じように表面粗さを制御することができる。これら湿式又は乾式ホーニング処理に用いられる研磨剤としては、単化ケイ素、アルミナ、鉄及びガラスビーズ等の粒子が挙げられる。
支持体と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)又は後述の中間層との間には、レーザー光等の散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、金属粒子及び金属酸化物粒子等の導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。導電層の膜厚は1〜40μmであることが好ましく、特には2〜20μmであることがより好ましい。
また、支持体又は導電層と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、バリア機能や接着機能を有する中間層を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護等のために形成される。中間層の膜厚は0.05〜5μmであることが好ましく、特には0.3〜1μmであることがより好ましい。
中間層は、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸コポリマー、エポキシ樹脂、カゼイン樹脂、シリコーン樹脂、ゼラチン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ユリア樹脂等の樹脂や、酸化アルミニウム等の材料を用いて形成することができる。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生材料としては、例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料や、金属フタロシアニン、非金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料や、インジゴ、チオインジゴ等のインジゴ顔料や、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミド等のペリレン顔料や、アンスラキノン、ピレンキノン等の多環キノン顔料や、スクワリリウム色素や、ピリリウム塩、チアピリリウム塩や、トリフェニルメタン色素や、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコン等の無機物質や、キナクリドン顔料や、アズレニウム塩顔料や、シアニン染料や、キサンテン色素や、キノンイミン色素や、スチリル色素や、硫化カドミウムや、酸化亜鉛等が挙げられる。これら電荷発生材料は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷輸送材料としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物及びトリアリールメタン化合物等が挙げられる。これら電荷輸送材料は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
本発明において電荷輸送層が表面層である場合、少なくとも式(1)で示される繰り返し構造単位を有する、重量平均分子量500以上1500以下のクロロトリフルオロエチレン重合物を含有し、かつ該表面層に少なくとも一般式(2)もしくは一般式(3)で示されるシロキサン構造単位のどちらか一方又は両方を有するポリカーボネート、もしくはポリエステル樹脂を含有し、シロキサン構造単位を有するポリカーボネートもしくはポリエステル樹脂の全質量に対するシロキサン構造単位の質量構成比率が10質量%以上60質量%以下であることを特徴としている。
クロロトリフルオロエチレン重合物の含有量は表面層の全固形分に対して1質量%以上20質量%以下が好ましく、シロキサン部位を単位構造として有する樹脂の含有量は全固形分に対して0.1質量%以上5質量%以下が好ましい。クロロトリフルオロエチレン重合物を表面層の全固形分に対して1質量%以上20質量%以下とすることにより、電子写真特性を妨げることなく効果を発現することができる。
電荷輸送層が表面層である場合、更に用いられるバインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル樹脂及び酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。特には、ポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂が本発明にかかるシロキサン部位を有する樹脂との相溶性や、電子写真特性、耐久性の意味でより好ましい。これらは単独、混合又は共重合体として1種又は2種以上用いることができる。
電荷輸送材料とバインダー樹脂との割合は、2:1〜1:3(質量比)の範囲が好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸メチルや酢酸エチル等のエステル系溶剤、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶剤、1,4−ジオキサンやテトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、クロロホルム等のハロゲン原子で置換された炭化水素溶剤等が用いられる。これら溶剤は、単独で使用してもよいが、2種類以上を混合して使用してもよい。これらの溶剤の中でも、エーテル系溶剤や芳香族炭化水素溶剤を使用することが、樹脂溶解性等の観点から好ましい。
電荷輸送層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜35μmであることがより好ましい。
また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等を必要に応じて添加することもできる。
上記各層の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法及びブレードコーティング法等の塗布方法を用いることができる。
図1に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図1において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の表面は、帯電手段(一次帯電手段:帯電ローラー等)3により、正又は負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラー等)6からの転写バイアスによって、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送された転写材(紙等)Pに順次転写されていく。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段7によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6及びクリーニング手段7等の構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図1では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレール等の案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
クリーニングについて更に詳しく説明すると、トナーの様な微粒子を除去する手段として、ファーブラシ、磁気ブラシ及びブレードクリーニング等が知られている。特にブレードクリーニングはクリーニング精度が高いことや、装置の構成が簡単なことから最も良く用いられるクリーニング方法である。ブレードクリーニングは、板金に支持された板状のポリウレタン等から成る弾性部材を、電子写真感光体の母線方向に加圧・当接させる構成となっている。ブレードの当接する方向性には、電子写真感光体との関係が順方向のものと、カウンター方向のものとがある。クリーニングの精度から見ると、後者のカウンター方式のクリーニングがより好ましい。
トナーの製造例について記述する。
(製造例1)
反応容器中のイオン交換水1000質量部に、0.1M−Na3PO4水溶液10質量部及び1M−HCl水溶液を9質量部投入し、窒素パージしながら65℃で60分間保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000回転/分にて攪拌しながら、1.0M−CaCl2水溶液7質量部を一括投入し、pH≒6.0のリン酸カルシウム塩を含む水系媒体を調製した。
反応容器中のイオン交換水1000質量部に、0.1M−Na3PO4水溶液10質量部及び1M−HCl水溶液を9質量部投入し、窒素パージしながら65℃で60分間保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000回転/分にて攪拌しながら、1.0M−CaCl2水溶液7質量部を一括投入し、pH≒6.0のリン酸カルシウム塩を含む水系媒体を調製した。
一方、分散質系は、
・スチレン単量体 65質量部
・2−エチルヘキシルアクリレート単量体 35質量部
・カーボンブラック顔料 10質量部
・ベンジル酸アルミニウム化合物 1質量部
・飽和ポリエステル樹脂 10質量部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとフタル酸との重縮合物)
・ジビニルベンゼン 0.07質量部
上記混合物をメディア式分散機を用い5時間分散させた後、離型剤(エステルワックス 接線離脱温度50℃、半値幅4℃)20質量部を添加し、内温を60℃にして30分間保温した。その後、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3質量部を添加した分散物を、上記分散媒中に投入し12000回転/分を維持しつつ5分間造粒した。その後、高速撹拌器からプロペラ撹拌羽根に撹拌器を代え150回転/分で重合を12時間行った。重合終了後スラリーを冷却し、水洗、乾燥をしてブラック粒子を得た。
・スチレン単量体 65質量部
・2−エチルヘキシルアクリレート単量体 35質量部
・カーボンブラック顔料 10質量部
・ベンジル酸アルミニウム化合物 1質量部
・飽和ポリエステル樹脂 10質量部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとフタル酸との重縮合物)
・ジビニルベンゼン 0.07質量部
上記混合物をメディア式分散機を用い5時間分散させた後、離型剤(エステルワックス 接線離脱温度50℃、半値幅4℃)20質量部を添加し、内温を60℃にして30分間保温した。その後、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3質量部を添加した分散物を、上記分散媒中に投入し12000回転/分を維持しつつ5分間造粒した。その後、高速撹拌器からプロペラ撹拌羽根に撹拌器を代え150回転/分で重合を12時間行った。重合終了後スラリーを冷却し、水洗、乾燥をしてブラック粒子を得た。
得られたブラック粒子100質量部に対し、ジメチルシリコーンオイルで処理したシリカ微粉末2質量部を加え、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製)にて均一固着させブラックトナーを得た。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。また、「Mw」は「重量平均分子量」を意味する。
(実施例1)
直径24.0mm、長さ257.0mmのアルミニウムシリンダーを支持体とした。
直径24.0mm、長さ257.0mmのアルミニウムシリンダーを支持体とした。
次に、SnO2コート処理硫酸バリウム(導電性粒子)10部、酸化チタン(抵抗調節用顔料)2部、フェノール樹脂(結着樹脂)6部、シリコーンオイル(レベリング剤)0.001部及びメタノール4部/メトキシプロパノール16部の混合溶剤を用いて導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、140℃で30分間熱硬化させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化ナイロン3部及び共重合ナイロン3部をメタノール65部/n−ブタノール30部の混合溶剤に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。この中間層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、100℃で10分間乾燥させることによって、膜厚が0.7μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン(電荷発生材料)10部をシクロヘキサノン250部にポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部を溶解させた液に加え、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃で1時間分散し、分散後、酢酸エチル250部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、100℃で10分間乾燥させることによって、膜厚が0.26μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(7)で示される構造を有する化合物(電荷輸送材料)200部、
下記式(8)で示される化合物(電荷輸送材料)20部、
バインダー樹脂として下記式(9)で示されるポリエステル樹脂(Mw≒130000、テレフタル酸/イソフタル酸=モル比50/50)250部、
合成例1で作製した樹脂10部、クロロトリフルオロエチレン重合体(ダイキン工業株式会社製 DF#1、Mw≒500)10部をモノクロロベンゼン1600部とジメトキシメタン800部の混合溶媒に溶解させ、電荷輸送層用塗料を調製した。この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、120℃で60分間乾燥させることによって、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体(A−1)を得た。
この電子写真感光体(A−1)を、画像形成プロセスの開始指示が入力された後、画像形成プロセスに移行する前に、電子写真感光体を駆動させるシーケンスが作動しないように改造したヒューレットパッカード社製カラーレーザージェット3700改造機(毎分16枚機)に入れ、常温常湿(23℃/55%RH)の環境下において、初期及び2000枚印刷後に、電子写真感光体とブレードとのスリップによるスジ状画像不良の評価を行った。また、上記方法に従って電子写真感光体(A−2)を別途作製して、初期及び2000枚印刷後の電子写真感光体回転速度の変動値(スリップ)を測定し、最大変動値を算出した。なお2000枚の印刷は、前記トナーの製造例1で作製されたブラックトナーを用いて印字率1%程度の文字画像を4秒間隔で出力することにより行った。
ここで、スジ状画像不良部の評価及び電子写真感光体回転速度の変動値の測定方法に関する詳細を、以下に記述する。
<出力画像のスリップによるスジ状画像不良部の評価、A−1>
画像形成プロセスの開始指示が入力された後、画像形成プロセスに移行する前に、電子写真感光体を駆動させるシーケンスが作動しないように改造したヒューレットパッカード社製カラーレーザージェット3700改造機(毎分16枚機)を使用し、ベタ黒を10枚出力後、装置を5分間停止させ、次にハーフトーン(1ドット桂馬パターン。図2参照)を1枚出力し、このハーフトーン画像に発生したスジ状画像不良を、目視確認により、以下の基準に従って評価した。
画像形成プロセスの開始指示が入力された後、画像形成プロセスに移行する前に、電子写真感光体を駆動させるシーケンスが作動しないように改造したヒューレットパッカード社製カラーレーザージェット3700改造機(毎分16枚機)を使用し、ベタ黒を10枚出力後、装置を5分間停止させ、次にハーフトーン(1ドット桂馬パターン。図2参照)を1枚出力し、このハーフトーン画像に発生したスジ状画像不良を、目視確認により、以下の基準に従って評価した。
ランク1:スジ状画像不良は見当たらない
ランク2:スジ状画像不良がうっすらと見える
ランク3:スジ状画像不良が見られる
ランク4:スジ状画像不良がはっきりと見られる
ランク5:スジ状画像不良が濃くはっきりと見られる
ランク2:スジ状画像不良がうっすらと見える
ランク3:スジ状画像不良が見られる
ランク4:スジ状画像不良がはっきりと見られる
ランク5:スジ状画像不良が濃くはっきりと見られる
<電子写真感光体回転速度の最大変動値の測定と算出、A−2>
回転速度を調整可能なモーター(オリエンタルモーター株式会社製のブラシレスDCモーター、AXUM210−GN)及びトルク変換機(株式会社エス・エス・ケイ製のトルク変換機、TM36−05)を使用して、カートリッジを強制駆動させてトルクを測定可能な回転装置を準備した。この空回転装置は、機械的動力のみを伝えるものであり、カートリッジを帯電や露光等のプロセスの影響なく回転駆動のみさせるものである。また、モーターの駆動状況は計装用コンディショナ(協和電業製WGA800−B)及びレコーダー(HIKOKI 8841 MEMORY HiCORDER)を使用してリアルタイムに観測と記録が可能となっている。
回転速度を調整可能なモーター(オリエンタルモーター株式会社製のブラシレスDCモーター、AXUM210−GN)及びトルク変換機(株式会社エス・エス・ケイ製のトルク変換機、TM36−05)を使用して、カートリッジを強制駆動させてトルクを測定可能な回転装置を準備した。この空回転装置は、機械的動力のみを伝えるものであり、カートリッジを帯電や露光等のプロセスの影響なく回転駆動のみさせるものである。また、モーターの駆動状況は計装用コンディショナ(協和電業製WGA800−B)及びレコーダー(HIKOKI 8841 MEMORY HiCORDER)を使用してリアルタイムに観測と記録が可能となっている。
次に、像担持体クリーニングシーケンスが作動しないように改造したヒューレットパッカード社製カラーレーザージェット3700改造機(毎分16枚機)を使用し、ベタ黒を10枚出力後、カラーレーザージェット3700改造機を5分間停止させ、カートリッジをカラーレーザージェット3700改造機より取り出して現像ユニットを外し、電子写真感光体、クリーニングブレード及び帯電ローラーのみの状態で上述の空回転装置に取付け、毎分60回転の速さでカートリッジを機械的に強制駆動させた。このときのトルク変換機の出力信号を観測及び記録したところ、電子写真感光体の回転周期ごとに瞬間的なトルクの変動が見られた。このようにして観測されたトルクの瞬間的変動部における最大値と最小値の差を算出し、得られた結果のうち最も大きなものを最大変動値として採用した。この測定方法によるトルク測定結果の代表的な記録例を図3に示す。
(実施例2〜6)
電荷輸送層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物の重量平均分子量を表1に示す通りにした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
電荷輸送層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物の重量平均分子量を表1に示す通りにした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
(実施例7〜12)
電荷輸送層に含有されるシロキサン構造単位を有する樹脂を表1に示す通りした以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
電荷輸送層に含有されるシロキサン構造単位を有する樹脂を表1に示す通りした以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
(実施例13〜14)
電荷輸送層に含有されるシロキサン構造単位を有する樹脂の含有量を表1に示す通りした以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
電荷輸送層に含有されるシロキサン構造単位を有する樹脂の含有量を表1に示す通りした以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
(実施例15〜16)
電荷輸送層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物の含有量を表1に示す通りにした以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
電荷輸送層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物の含有量を表1に示す通りにした以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
(実施例17〜22)
電荷輸送層に含有されるシロキサン構造単位を有する樹脂を表1に示す通りした以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
(実施例23)
電荷輸送層に含有されるシロキサン構造単位を有する樹脂を合成例3の方法を用いて作製したポリエステル樹脂を用いた以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
(実施例24)
電荷輸送層に含有されるバインダー樹脂を下記構造式(10)で示されるポリエステル樹脂(Mw≒130000)に変えた以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
電荷輸送層に含有されるシロキサン構造単位を有する樹脂を表1に示す通りした以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
(実施例23)
電荷輸送層に含有されるシロキサン構造単位を有する樹脂を合成例3の方法を用いて作製したポリエステル樹脂を用いた以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
(実施例24)
電荷輸送層に含有されるバインダー樹脂を下記構造式(10)で示されるポリエステル樹脂(Mw≒130000)に変えた以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
以下に上記式(10)で示される繰り返し構造単位であるポリエステル樹脂の合成方法を示す。
下記式(11)で示される構造を有するジフェニルエーテルジカルボン酸クロライドを、ジクロロメタンに溶解させ、酸クロライド溶液を調製した。
また、上記酸クロライド溶液とは別に、下記式(12)で示される構造を有する2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンを10%水酸化ナトリウム水溶液に溶解させ、これに、重合触媒としてトリブチルベンジルアンモニウムクロライドを添加して攪拌し、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン溶液を調製した。
次に、酸クロライド溶液を2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン溶液に攪拌しながら加え、重合を開始した。重合は、反応温度を25℃以下に保ち、攪拌しながら、3時間行った。
その後、酢酸の添加により重合反応を終了させ、水相が中性になるまで水での洗浄を繰り返した。洗浄後、攪拌下のメタノールに滴下して、重合物を沈殿させ、この重合物を真空乾燥させて、上記式(10)で示される繰り返し構造単位であるポリエステル樹脂を得た。このポリエステル樹脂のMwは、130000であった。
(実施例25)
電荷輸送層に含有されるバインダー樹脂をバインダー樹脂中の全構成単位中、モル比換算で70%が上記式(10)で示される繰り返し構造単位であり、30%が下記式(13)で示される繰り返し単位であるポリエステル樹脂(Mw≒120000)に変えた以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
電荷輸送層に含有されるバインダー樹脂をバインダー樹脂中の全構成単位中、モル比換算で70%が上記式(10)で示される繰り返し構造単位であり、30%が下記式(13)で示される繰り返し単位であるポリエステル樹脂(Mw≒120000)に変えた以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
以下に、ポリエステル樹脂中の全構成単位中、モル比換算で70%が上記式(10)で示される繰り返し構造単位であり、30%が上記式(13)で示される繰り返し単位であるポリエステル樹脂の合成方法を示す。
前記式(11)で示される構造を有するジフェニルエーテルジカルボン酸クロライドと、下記式(14)で示されるイソフタル酸クロライドをモル比7:3で混合し、ジクロロメタンに溶解させ、ジフェニルエーテルジカルボン酸クロライドとイソフタル酸クロライド混合溶液を調製した。
また、上記酸クロライド溶液とは別に、前記式(12)で示される構造を有する2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンを10%水酸化ナトリウム水溶液に溶解させ、これに、重合触媒としてトリブチルベンジルアンモニウムクロライドを添加して攪拌し、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン溶液を調製した。
次に、酸クロライド溶液を2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン溶液に攪拌しながら加え、重合を開始した。重合は、反応温度を25℃以下に保ち、攪拌しながら、3時間行った。
その後、酢酸の添加により重合反応を終了させ、水相が中性になるまで水での洗浄を繰り返した。洗浄後、攪拌下のメタノールに滴下して、重合物を沈殿させ、この重合物を真空乾燥させて、ポリエステル樹脂中の全構成単位中、モル比換算で70%が上記式(10)で示される繰り返し構造単位であり、30%が上記式(13)で示される繰り返し単位であるポリエステル樹脂を得た。このポリエステル樹脂のMwは、120000であった。
(比較例1)
電荷輸送層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物の変わりにパーフルオロポリエーテル(ダイキン工業株式会社製 デムナムS−20 Mw≒2700)を用いた以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
電荷輸送層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物の変わりにパーフルオロポリエーテル(ダイキン工業株式会社製 デムナムS−20 Mw≒2700)を用いた以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(比較例2)
電荷輸送層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物の変わりにパーフルオロポリエーテル(ダイキン工業株式会社製 デムナムS−20 Mw≒2700)を用いた以外は、実施例8と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
電荷輸送層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物の変わりにパーフルオロポリエーテル(ダイキン工業株式会社製 デムナムS−20 Mw≒2700)を用いた以外は、実施例8と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(比較例3)
電荷輸送層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物の変わりにパーフルオロポリエーテル(ダイキン工業株式会社製 デムナムS−20 Mw≒2700)を用い、シロキサン構造単位を有する樹脂を用いなかった以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
電荷輸送層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物の変わりにパーフルオロポリエーテル(ダイキン工業株式会社製 デムナムS−20 Mw≒2700)を用い、シロキサン構造単位を有する樹脂を用いなかった以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(比較例4)
電荷輸送層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物の変わりにクロロトリフルオロエチレン樹脂粉末(ダイキン工業株式会社製 ダイフロン)を用いた以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
電荷輸送層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物の変わりにクロロトリフルオロエチレン樹脂粉末(ダイキン工業株式会社製 ダイフロン)を用いた以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(比較例5)
電荷輸送層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物の変わりにクロロトリフルオロエチレン樹脂粉末(ダイキン工業株式会社製 ダイフロン)を用い、シロキサン構造単位を有する樹脂を用いなかった以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
電荷輸送層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物の変わりにクロロトリフルオロエチレン樹脂粉末(ダイキン工業株式会社製 ダイフロン)を用い、シロキサン構造単位を有する樹脂を用いなかった以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(比較例6)
電荷輸送層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物の変わりにパーフルオロポリエーテル(ダイキン工業株式会社製 デムナムS−100 Mw≒5600)用いた以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
電荷輸送層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物の変わりにパーフルオロポリエーテル(ダイキン工業株式会社製 デムナムS−100 Mw≒5600)用いた以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(比較例7)
電荷輸送層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物の変わりにパーフルオロポリエーテル(ダイキン工業株式会社製 デムナムS−100 Mw≒5600)を用い、シロキサン構造単位を有する樹脂を用いなかった以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
電荷輸送層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物の変わりにパーフルオロポリエーテル(ダイキン工業株式会社製 デムナムS−100 Mw≒5600)を用い、シロキサン構造単位を有する樹脂を用いなかった以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(比較例8〜9)
電荷輸送層に含有されるシロキサン構造単位を有する樹脂のシロキサン構造単位の質量構成比率を表2に示すように変えた以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。比較例9は感度悪化による画像不良が見られた。
電荷輸送層に含有されるシロキサン構造単位を有する樹脂のシロキサン構造単位の質量構成比率を表2に示すように変えた以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。比較例9は感度悪化による画像不良が見られた。
(比較例10)
電荷輸送層に含有されるシロキサン構造単位を有する樹脂を用いなかった以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
電荷輸送層に含有されるシロキサン構造単位を有する樹脂を用いなかった以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(比較例11)
電荷輸送層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物の重量平均分子量が表2に示されるものを用いた以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
電荷輸送層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物の重量平均分子量が表2に示されるものを用いた以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(比較例12)
電荷輸送層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物を用いなかった以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
電荷輸送層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物を用いなかった以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(比較例13)
電荷輸送層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物を用いず、シロキサン構造単位を有する樹脂を用いなかった以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
電荷輸送層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物を用いず、シロキサン構造単位を有する樹脂を用いなかった以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例と比較例との比較より、重量平均分子量500以上1500以下のクロロトリフルオロエチレン重合物を含有し、かつ表面層に少なくとも一般式(2)もしくは一般式(3)で示されるシロキサン構造単位のどちらか一方又は両方を有するポリカーボネート、もしくはポリエステル樹脂を含有し、該シロキサン構造単位を有するポリカーボネートもしくはポリエステル樹脂の全質量に対するシロキサン構造単位の質量構成比率が10質量%以上60質量%以下である場合には、繰り返し使用時においても優れた安定性を有し、スリップによるスジ状画像不良は見られなかった。
比較例1、比較例2と比較例3の比較により、パーフルオロポリエーテルオイルはシロキサン構造単位を有する樹脂を含有させてもスリップによるスジ状画像不良の抑制には至らなかった。
比較例4と比較例5の比較により、クロロトリフルオロエチレンの樹脂粉末はシロキサン構造単位を有する樹脂を含有させてもスリップによるスジ状画像不良の抑制には至らなかった。
以上の結果から、本発明の電子写真感光体は、繰り返し時においても、スリップによるスジ状画像不良を抑制し、安定的に良好な画像を提供することができる。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段(一次帯電手段)
4 露光光(画像露光光)
5 現像手段
6 転写手段(転写ローラー)
7 クリーニング手段(クリーニングブレード)
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材(紙等)
2 軸
3 帯電手段(一次帯電手段)
4 露光光(画像露光光)
5 現像手段
6 転写手段(転写ローラー)
7 クリーニング手段(クリーニングブレード)
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材(紙等)
Claims (10)
- 支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、
該電子写真感光体の表面層が、一般式(1)で示される繰り返し構造単位を有する、重量平均分子量500以上1500以下のクロロトリフルオロエチレン重合物を含有し、
かつ該表面層に少なくとも一般式(2)もしくは一般式(3)で示されるシロキサン構造単位のどちらか一方又は両方を有するポリカーボネート樹脂、もしくはポリエステル樹脂を含有し、該シロキサン構造単位を有するポリカーボネート樹脂もしくはポリエステル樹脂の全質量に対するシロキサン構造単位の質量構成比率が10質量%以上60質量%以下である
ことを特徴とする電子写真感光体。
(上記式(2)中、R21〜R24は水素原子、ハロゲン原子、あるいは置換又は無置換の1価の炭化水素基を示し、mは繰り返し数を示す平均値である)
(上記式(3)中、R31〜R35は水素原子、ハロゲン原子、あるいは置換又は無置換の1価の炭化水素基を示し、nは繰り返し数を示す平均値である) - 前記表面層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物の重量平均分子量が900以上1500以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記表面層に含有されるクロロトリフルオロエチレン重合物の含有量が表面層の全固形分の質量に対して1質量%以上20質量%以下である請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(2)もしくは一般式(3)で示されるシロキサン構造単位を有する樹脂が、シロキサン部位を単位構造として有するポリカーボネート樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 少なくとも末端に一般式(2)もしくは一般式(3)で示されるシロキサン構造単位を有する樹脂を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(2)もしくは一般式(3)で示されるシロキサン構造単位を有する樹脂の含有量が表面層の全固形分に対して0.1質量%以上5質量%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記表面層が更にバインダー樹脂を含有し、該バインダー樹脂が、シロキサン構造単位を有していないポリカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂である請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、静電潜像の形成された電子写真感光体をトナーで現像する現像手段及び転写工程後の電子写真感光体上に残余するトナーを回収するクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段とを共に一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 前記クリーニング手段がブレードクリーニング方式である請求項8に記載のプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した電子写真感光体に対し露光を行い静電潜像を形成する露光手段、静電潜像の形成された電子写真感光体にトナーで現像する現像手段及び電子写真感光体上のトナー像を転写材上に転写する転写手段を備えることを特徴とする電子写真装置。
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- 2006-07-14 JP JP2006194165A patent/JP2007199659A/ja not_active Withdrawn
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