JP3133548B2 - 電子写真感光体および該電子写真感光体を備えた電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体および該電子写真感光体を備えた電子写真装置

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JP3133548B2
JP3133548B2 JP05090416A JP9041693A JP3133548B2 JP 3133548 B2 JP3133548 B2 JP 3133548B2 JP 05090416 A JP05090416 A JP 05090416A JP 9041693 A JP9041693 A JP 9041693A JP 3133548 B2 JP3133548 B2 JP 3133548B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体および該
電子写真感光体を備えた電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真感光体に用いられる材料
として有機光導電材料が、その無公害性、高生産性とい
った点で利点を有するため広く利用されている。これら
の電子写真感光体は電気的および機械的特性の双方を満
足するために電荷発生層と電荷輸送層を積層した機能分
離型の感光体として利用される場合が多い。一方、当然
のことながら電子写真感光体には適用される電子写真プ
ロセスに応じた感度、電気的特性、さらには光学的特性
を備えていることが要求される。特に繰り返し使用され
る感光体にあっては、その感光体の表面層にはコロナ帯
電、画像露光、トナー現像、紙への転写、クリーニング
処理といった電気的、機械的外力が直接加えられるた
め、それらに対する耐久性が要求される。
【0003】具体的には、コロナ帯電時に発生するオゾ
ンによる劣化のために感度低下、電位低下および残留電
位増加が起こったり、摺擦によって表面が摩耗したり傷
が発生することなどに対する耐久性などが要求されてい
る。
【0004】感光体の表面は一般に薄い樹脂層であり、
樹脂の特性が非常に重要である。上述の条件を満足する
樹脂としてビスフェノールAを骨格として有するポリカ
ーボネート樹脂が注目されているが、前述したような電
気的特性の全てがビスフェノールA型ポリカーボネート
樹脂で満足されるわけではなく、次のような問題点を有
している。 (1)溶解性に乏しく、ジクロロメタンや1,2−ジク
ロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素類の一部に
しか良好な溶解性を示さない。これらのハロゲン化脂肪
族炭化水素類は低沸点のため、これらの溶剤で調液した
塗工液を用いて感光体を製造すると塗工面が白化し易
い。塗工液の固形分などの工程管理にも手間がかかる。 (2)ハロゲン化脂肪族炭化水素類以外の溶剤に対して
は、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサノ
ンあるいはそれらの混合溶剤に一部可溶であるが、その
溶液は数日以内にゲル化してしまうなど経時性が悪く、
感光体の生産のためには不向きである。 (3)更に、上記(1)および(2)に挙げた欠点が改
善されたとしてもビスフェノールA誘導体のみが主鎖骨
格のポリカーボネート樹脂にはソルベントクラックが発
生し易い。 (4)加えて従来のポリカーボネート樹脂では該樹脂で
形成された被膜があまり潤滑性を有さずこのため感光体
に傷が発生し易く画像欠陥となったり、クリーニングブ
レードの早期の劣化によるクリーニング不良およびクリ
ーニングブレードの反転によるクリーニング不足が生じ
てしまうこともあった。
【0005】従来、前記(1)および(2)に挙げた溶
液安定性についてはポリマーの構造単位として嵩高いシ
クロヘキシレン基を有するポリカーボネートZ樹脂を使
用することによって解決されてきた。しかしながら、ポ
リカーボネートZ樹脂は特に溶液からキャスト法によっ
て被膜を形成する際に体積収縮が比較的多く、被膜内部
に応力を残す場合がある。このため応力腐蝕に対して比
較的弱いという欠点を有していた。これを解決するた
め、例えば特開昭61−62040号公報には、ポリカ
ーボネートA樹脂とポリカーボネートZ樹脂を混合する
ことにより応力腐蝕割れが低減する方法が開示されてい
る。また特開昭61−62039号公報にはビスフェノ
ールAとビスフェノールZを共重合することにより応力
腐蝕割れを低減する方法が開示されているが、いずれの
方法についてもソルベントクラックについて十分なもの
ではない。
【0006】これに加えて前記(4)に示したように通
常のポリカーボネート樹脂には電子写真プロセスに使用
されるクリーニングブレードに対しての潤滑性が比較的
低くクリーニングブレードが耐久の進行により反転して
しまい、これによってクリーニング不良が発生したり、
感光体ドラムに強い力が加えられるために傷が発生する
といった欠点が指摘されていた。これを改善するためシ
リコーンオイルを添加あるいは特開昭61−13295
4号公報に開示されているように、ポリジメチルシロキ
サンブロックをポリカーボネート樹脂に共重合するとい
った方法や特開昭63−65444号公報に開示されて
いるようにビスフェノールAの中心部の(CH
C=部分を(CF−C=に変更したものを用いる
方法が知られている。しかしながらシリコーンオイルを
添加する方法では、電子写真における電気的特性、具体
的には感度および残留電位特性を劣化させ、かつ、耐久
の進行により表面層にあったシリコーンオイルが失われ
永続的な潤滑性を得ることができないといった欠点があ
る。また前述のメチルシロキサンブロックを共重合した
ものを使用すれば潤滑性については良好なものとなる
が、従来のポリジメチルシリキサン共重合体は溶液とし
た場合に白濁したり、ゲル化するなどの難点があり、電
子写真感光体の表面層して使用しても耐久性の点で満
足できるものではなかった。同様にフッ素系のポリカー
ボネートもモノマーでは溶解性がすこぶる悪く、白濁、
ゲル化などの欠点が認められる上、良く知られているビ
スフェノールAとの共重合させたものでもゲル化につい
ては不十分であり、フッ素含有率を上げると機械的強度
が減少するという欠点があった。
【0007】更に、近年の有機電子写真感光体の高感度
化に対する要求から電荷輸送物質などの低分子化合物が
比較的大量に添加される場合が多く、電子写真感光体を
長期にわたって保存する際に前述の低分子成分が析出し
てしまい、層分離するといった問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のポリカーボネート樹脂を表面層として使用した電子写
真感光体の有していた問題点を解決し、潤滑性および耐
摩耗性を向上しつつ膜強度を維持し、かつ、ソルベント
クラック性、耐析出性も良好でしかも製造が容易な電子
写真感光体を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は導電性支持体上
に感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真
感光体の表面層が、下記式(1)
【化3】 (式中、R1〜R8 は水素原子、ハロゲン原子または炭
素数1〜4のアルキル基を示す。)で示される構成単位
および下記式(2)
【化4】 (式中、R9〜R16は水素原子、ハロゲン原子または炭
素数1〜4のアルキル基を示す。)で示される構成単位
を有する共重合体を含有し、該共重合体の含有率が表面
層が含有する全樹脂成分に対して10重量%〜80重量
%であることを特徴とする電子写真感光体から構成され
る。
【0010】式(1)で示される構成単位の具体例を表
1で示すが、これらに限られるものではない。好ましい
例としては構成単位例1、2および5が挙げられ、特に
構成単位例1が挙げられる。
【表1】
【0011】式(2)で示される構成単位の具体例とし
ては、表2に示す。好ましい例としては構成単位例8、
9および12が挙げられ、特に構成単位例8が挙げられ
る。
【表2】
【0012】本発明において用いられる式(1)および
(2)で示される構成単位を有する共重合体は、下記式
(3)で示されるビスフェノール同士を混在させ、ホス
ゲンを吹き込むことによって簡単に合成することができ
る。
【化5】
【0013】本発明はポリマーを用いることによってソ
ルベントクラック特性が良化するが、この理由として
は、トリフルオロカーボンの表面への移行性による撥水
性の増加によるソルベントクラックの要因となる薬品の
感光層内への侵入速度を低下させる上、本発明で用いる
共重合体自体ある程度の内部応力を緩める効果があり、
ある程度の薬品の侵入でもソルベントクラックを起こさ
ないためである。この効果は本発明で用いる共重合体と
式(1)で示される構成単位のホモポリマーをブレンド
すると更に大幅な効果の向上が見られる。
【0014】次に感光層中に添加される低分子成分の析
出による層分離であるが、これは主鎖に電気陰性度の大
きいフッ素原子が入ることにより電荷輸送物質に対し相
溶化剤として機能するためと前記式(1)の構成単位を
一定以上、共重合化しているために高分子内部がランダ
ムとなり内部の空隙率が減少するため、電荷輸送物質が
移動しにくくなるためと考えられる。
【0015】本発明の電子写真感光体の表面層に含有さ
れる共重合体は、電子写真プロセスに応じて要求される
潤滑性、耐傷性、硬度、耐ソルベントクラック性、耐析
出性、製造安定性および保存安定性などを考慮して決定
されなければならない。本発明においては、式(2)で
示される構成単位の重量αと式(1)で示される構成単
位の重量βが0.3≦α/(α+β)≦0.7であるこ
とが好ましい。
【0016】本発明の電子写真感光体は、感光層が電荷
発生物質と電荷輸送物質を同一の層に含有する単層型で
あっても、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸
送物質を含有する電荷輸送層を積層した積層型であって
もよいが、電子写真感光体に要求される諸特性を満足す
るためには積層型(機能分離型)の電子写真感光体が好
ましい。
【0017】また必要に応じて、表面保護層として結着
剤組成物を使用することもできる。結着剤組成物を表面
保護層とて使用する場合には、適用する電子写真プロ
セスに応じた電気特性を付与するために酸化スズ、酸化
インジウム、ITO、酸化チタンなどの導電性粉体もし
くはこれらの混合物あるいは電荷輸送物質を添加するこ
ともできる。その添加量としては結着剤組成物に対して
1〜50重量%が表面保護層には更にテフロン粒子など
の潤滑剤を添加してもよい。
【0018】本発明の電子写真感光体を製造する場合、
導電性支持体としてはアルミニウム、ステンレスなどの
金属や合金、紙、プラスチックなどが用いられるが、そ
の形状は円筒状シリンダーまたはフィルムなど適用され
る電子写真装置に応じて任意のものとすることができ
る。
【0019】本発明においては導電性支持体の上には、
バリアー機能と接着機能をもつ下引き層を設けることが
できる。
【0020】下引き層は感光層の接着性改良、塗工性改
良、支持体の保護、基体上の欠陥の被覆、支持体からの
電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護など
のために形成される。下引き層の材料としてはポリビニ
ルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエ
チレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド,N−メトキシメ
チル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ、ゼラチン
などが知られている。これらはしれぞれに適した溶剤に
溶解されて支持体上に塗布される。その際の膜厚として
は0.1〜2μm程度が好ましい。
【0021】本発明の電子写真感光体における電荷発生
物質としては、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリ
リウム系染料、各種の中心金属および結晶、具体的に
は例えばα、β、γ、ε、X型などの結晶を有するフ
タロシアニン化合物、アントアントロン顔料、ジベンズ
ピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔
料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、キナ
クリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニン
顔料あるいは特開昭54−143645号公報に記載の
アモルファスシリコーンなどが挙げられる。
【0022】機能分離型感光体の場合、電荷発生層は前
記の電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着剤樹脂およ
溶剤と共にホモジュナイザー、超音波分散、ボールミ
ル、振動ボールミル、サンドミル、アトライターおよ
ロールミルなどの方法でよく分散し、分散液を塗布、乾
燥さて形成される。その膜厚は5μm以下、特に0.
1〜2μmの範囲であることが好ましい。
【0023】また、電荷輸送物質としては、ピレン、N
−エチルカルバゾール、N−イソプロピルカルバゾー
ル、N−メチル−N−フェニルヒドラジノ−3−メチリ
デン−9−エチルカルバゾール、N,N−ジフェニルヒ
ドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾールな
どのカルバゾール系化合物、N,N−ジフェニルヒドラ
ジノ−3−メチリデン−10−エチルフェノチアジン、
N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−10
−エチルフェノキサジン、p−ジエチルアミノベンズア
ルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、p−ジエチ
ルアミノベンズアルデヒド−N−α−ナフチル−N−フ
ェニルヒドラゾン、p−ピロリジノベンズアルデヒド−
N,N−ジフェニルヒドラゾン、1,3,3−トリメチ
ルインドレニン−ω−アルデヒド−N,N−ジフェニル
ヒドラゾン、p−ジエチルベンズアルデヒド−3−メチ
ルベンズチアゾリノン−2−ヒドラゾンなどのヒドラゾ
ン系化合物、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニ
ル)−1,3,4−オキサジアゾール、1−フェニル
3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエ
チルアミノフェニル)ピラゾリン、1−[キノリル
(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−
(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−[ピ
リジル(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)
−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1
−[6−メトキシ−ピリジル(2)]−3−(p−ジエ
チルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェ
ニル)ピラゾリン、1−[ピリジル(3)]−3−(p
−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミ
ノフェニル)ピラゾリン、1−[ピリジル(2)]−3
−(p−ジエチルアミノスチリル)−4−メチル−5−
(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−[ピ
リジル(2)]−3−(α−メチル−p−ジエチルアミ
ノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピ
ラゾリン、1−フェニル−3−(p−ジエチルアミノス
チリル)−4−メチル−5−(p−ジエチルアミノフェ
ニル)ピラゾリン、1−フェニル−3−(α−ベンジル
−p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチル
アミノフェニル)ピラゾリン、スピロピラゾリンなどの
ピラゾリン系化合物、2−(p−ジエチルアミノスチリ
ル)−6−ジエチルアミノベンズオキサゾール、2−
(p−ジエチルアミノフェニル)−4−(p−ジメチル
アミノフェニル)−5−(2−クロロフェニル)オキサ
ゾールなどのオキサゾール系化合物、2−(p−ジエチ
ルアミノスチリル)−6−ジエチルアミノベンズチアゾ
ールなどのチアゾール系化合物、ビス(4−ジエルア
ミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタンなどのトリ
アリールメタン系化合物、1,1−ビス(4−N,N−
ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)ヘプタン、1,
1,2,2−テトラキス−4−N,N−ジメチルアミノ
−2−メチルフェニル)エタンなどのポリアリールアル
カン類などが挙げられる。
【0024】電荷輸送層は前記の電荷輸送物質と結着剤
樹脂を溶剤に溶解することによって得られた溶解液を塗
布、乾燥して形成される。電荷輸送物質と結着剤樹脂と
の混合割合は2:1〜1:2程度が好ましく、またその
溶剤としてはトルエン、キシレンあるいはモノクロルベ
ンゼンなどの芳香族系溶剤のほか、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン、テトラヒドロピランなどの環状エーテル
類も使用可能である。この溶解液を塗布する方法は、例
えば浸漬コーテイング法、スプレイコーテイング法、カ
ーテンコーテイング法、スピンコーテイング法などが知
られている。電子写真感光体を効率よく大量生産するに
は浸漬コーテイング法が最良であり、本発明において用
いる共重合体を使用する浸漬塗布は可能である。塗布後
10〜200℃、好ましくは20〜150℃で5分〜5
時間、好ましくは10分〜2時間の範囲で通風乾燥また
は静止乾燥を行い、膜厚5〜30μmの電荷輸送層が形
成される。
【0025】本発明の電子写真感光体は電子写真複写機
に利用するのみならず、レーザービームプリンター、C
RTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、
レーザー製版などの電子写真応用分野にも広く用いるこ
とができる。
【0027】また、本発明は前記本発明の電子写真感光
体を備えたことを特徴とする電子写真装置から構成され
る。
【0028】次に、本発明の電子写真感光体を備えた電
子写真装置について説明する。図1に本発明のドラム型
感光体を用いた一般的な転写式電子写真装置の概略構成
を示した。図において、1は像担持体としてのドラム型
感光体であり軸1aを中心に矢印方向に所定の周速度で
回転駆動される。該感光体1はその回転過程で帯電手段
2によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を
受け、次いで露光部3にて不図示の像露光手段により光
像露光L(スリット露光・レーザービーム走査露光な
ど)を受ける。これにより感光体周面に露光像に対応し
た静電潜像が順次形成されていく。その静電潜像は、次
いで現像手段4でトナー現像され、そのトナー現像像が
転写手段5により不図示の給紙部から感光体1と転写手
段5との間に感光体1の回転と同期取りされて給送され
た転写材Pの面に順次転写されていく。像転写を受けた
転写材Pは感光体面から分離されて像定着手段8へ導入
されて像定着を受けて複写物(コピー)として機外へプ
リントアウトされる。像転写後の感光体1の表面はクリ
ーニング手段6にて転写残りトナーの除去を受けて清浄
面化され、前露光手段7により除電処理がされて繰り返
して像形成に使用される。感光体1の均一帯電手段2と
してはコロナ帯電装置が一般に広く使用されている。ま
た、転写装置5もコロナ転写手段が一般に広く使用され
ている。電子写真装置として、上述の感光体や現像手
段、クリーニング手段などの構成要素のうち、複数のも
のを装置ユニットとして一体に結合して構成し、このユ
ニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。
例えば、感光体1とクリーニング手段6とを一体化して
ひとつの装置ユニットとし、装置本体のレールなどの案
内手段を用いて着脱自在の構成にしてもよい。このとき
上記の装置ユニットの方に帯電手段および/または現像
手段を伴って構成してもよい。また、光像露光Lは、電
子写真装置を複写機やプリンターとして使用する場合に
は、原稿からの反射光や透過光を用いる、あるいは、原
稿を読み取り信号化し、この信号に従ってレーザービー
ムの走査、発光ダイオードアレイの駆動、または液晶シ
ャッターアレイの駆動などが行われることにより行われ
る。
【0029】
【実施例】実施例1 10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した
導電性酸化チタン粉体50部(重量部、以下同様)、フ
ェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノ
ール5部およびシリコーンオイル(ポリジメチルシロキ
サンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3,0
00)0.002部をφ1mmガラスビーズを用いたサ
ンドミル装置で2時間分散して導電層用塗料を調製し
た。この塗料を30φのアルミニウムシリンダー上に浸
漬塗布方法で塗布し、140℃で30分間乾燥して、膜
厚20μmの導電送を形成した。
【0030】次に、N−メトキシメチル化ナイロン5部
をメタノール95部中に溶解し、中間層用塗料を調製し
た。この塗料を前記の導電層上に浸漬塗布方法によって
塗布し、100℃で20分間乾燥し、0.6μの中間
層を形成した。
【0031】次に、CuKαのX線回折におけるブラッ
角2θ±0.2度が9.0度、14.2度、23.9
および27.1度に強いピークを有するオキシチタニ
ウムフタロシアニンを3部、ポリビニルブチラール(商
品名エスレックBM2、積水化学(株)製)2部およ
シクロヘキサノン35部をφ1mmガラスビーズを用い
たサンドミル装置で2時間分散して、その後に酢酸エチ
ル60部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。この塗
料を前記の中間層の上に浸漬塗布方法で塗布して、10
0℃で15分間乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層
を形成した。
【0032】次いで、下記構造式の化合物8部、
【化6】 下記式で示される構成単位(a)および(b)からな
り、
【化7】
【化8】 (a)成分が共重合体の全重量の50重量%である共重
合体(粘度平均分子量2.21×10)5部をジクロ
ロメタン20部、モノクロルベンゼン40部の混合溶媒
中に溶解し、電荷輸送層用塗料を調製した。この塗料を
前記の電荷発生層上に浸漬塗布方法で塗布し、120℃
で60分間乾燥して、膜厚23μmの電荷輸送層を形成
し、電子写真感光体を作成した。
【0033】作成した電子写真感光体を用いて表面潤滑
性、経時析出性および耐ソルベントクラック性を測定し
た。表面潤滑性については複写機用のウレタンゴム製の
クリーニングブレードを用い、これを当接角30度で感
光体表面に当接しその滑り抵抗をHEIDON−14型
表面性試験機(新東化学(株)製)を用いて測定した。
更に、この表面層にウレタンクリーニングブレードを圧
接し、75℃で保存し析出性に対する加速試験を行っ
た。評価については14日後に感光体を顕微鏡により観
察し、析出の有無を評価した。析出の無いものは続けて
30日後まで試験を続けた。またソルベントクラック性
についてはこの表面層に指脂を付着し、24時間およ
2日間、常温常湿に放置した後顕微鏡によりソルベント
クラックの有無を観察した。更に、この感光体を40
℃、93%RH下で24時間放置した後、キヤノン
(株)製LBP−NXに入れ、10,000枚連続で通
紙耐久を行い、感光体表面に付着したトナーが原因の黒
ポチを観察した。更に、使用トナー量Xに対してクリー
ニングブレードで除去さらたトナー量Yを調べトナー使
用率(X−Y)/Xを求め転写効率とした。
【0034】実施例2〜24 式(1)の重合比とポリカーボネートZとのブレンド比
を表3のように変えた他は、実施例1と同様にして実施
例2〜24に対応する電子写真感光体を作成し、評価し
た。
【表3】
【0035】比較例1〜4 結着剤樹脂を表4に示すものに変えた他は、実施例1と
同様にして比較例1〜4に対応する電子写真感光体を作
成し、評価した。
【表4】
【0036】実施例1〜24及び比較例1〜4で作成し
た電子写真感光体についての評価の結果を表5〜8に示
す。
【0037】表中、〇は200倍の顕微鏡で、微少なク
ラックが3本以下認められるが、画像上影響はないこ
と、△は200倍の顕微鏡で、微少なクラックが10本
以下認められるが、画像上影響はないこと、×は200
倍の顕微鏡で、0.5mm以上のクラックが10本以下
認められ、画像に影響すること、××は200倍の顕微
鏡で、0.5mm以上のクラックが無数に認められ、画
像に著しく影響することを表わしている。
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【0038】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は優れた潤滑
性、保存安定性、クリーニング特性および耐ソルベント
クラック性を有するという優れた効果を奏する。また、
該電子写真感光体の効果は、該電子写真感光体を備えた
電子写真装置においても当然に該効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な転写式電子写真装置の概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1 像担持体としてのドラム型感光体(本発明の電子
写真感光体) 1a 軸 2 コロナ帯電装置 3 露光部 4 現像手段 5 現像手段 6 クリーニング手段 7 前露光手段 8 像定着手段 L 光像露光 P 像転写を受けた転写材
フロントページの続き (72)発明者 平野 秀敏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 山崎 至 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−65451(JP,A) 特開 昭62−250458(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、該電子写真感光体の表面層が、下記
    式(1) 【化1】 (式中、R1〜R8 は水素原子、ハロゲン原子または炭
    素数1〜4のアルキル基を示す。)で示される構成単位
    および下記式(2) 【化2】 (式中、R9〜R16は水素原子、ハロゲン原子または炭
    素数1〜4のアルキル基を示す。)で示される構成単位
    を有する共重合体を含有し、該共重合体の含有率が表面
    層が含有する全樹脂成分に対して10重量%〜80重量
    %であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記式(2)で示される構成単位の重量
    αと前記式(1)で示される構成単位の重量βが0.3
    ≦α/(α+β)≦0.7である請求項1記載の電子写
    真感光体。
  3. 【請求項3】 前記式(1)および(2)で示される構
    成単位を有する共重合体がランダム共重合体である請求
    項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写
    真感光体を備えたことを特徴とする電子写真装置。
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