JPH06282094A - 電子写真感光体、該電子写真感光体を備えた電子写真装置並びにファクシミリ - Google Patents

電子写真感光体、該電子写真感光体を備えた電子写真装置並びにファクシミリ

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JPH06282094A
JPH06282094A JP5090416A JP9041693A JPH06282094A JP H06282094 A JPH06282094 A JP H06282094A JP 5090416 A JP5090416 A JP 5090416A JP 9041693 A JP9041693 A JP 9041693A JP H06282094 A JPH06282094 A JP H06282094A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】優れた潤滑性、保存安定性、クリ−ニング特性
及び耐ソルベントクラック性を有する電子写真感光体を
提供することである。 【構成】導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光
体において、該電子写真感光体の表面層が、下記式
(a)で示される構成単位 及び式(b)で示される構成単位 を有する共重合体を含有することを特徴とする電子写真
感光体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体、該電子
写真感光体を備えた電子写真装置並びにファクシミリに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真感光体に用いられる材料
として有機光導電材料が、その無公害性、高生産性とい
った点で利点を有するため広く利用されている。これら
の電子写真感光体は電気的および機械的特性の双方を満
足するために電荷発生層と電荷輸送層を積層した機能分
離型の感光体として利用される場合が多い。一方、当然
のことながら電子写真感光体には適用される電子写真プ
ロセスに応じた感度、電気的特性、さらには光学的特性
を備えていることが要求される。特に繰り返し使用され
る感光体にあっては、その感光体の表面層にはコロナ帯
電、画像露光、トナ−現像、紙への転写、クリ−ニング
処理といった電気的、機械的外力が直接加えられるた
め、それらに対する耐久性が要求される。
【0003】具体的には、コロナ帯電時に発生するオゾ
ンによる劣化のために感度低下、電位低下および残留電
位増加が起こったり、摺擦によって表面が摩耗したり傷
が発生することなどに対する耐久性などが要求されてい
る。
【0004】感光体の表面は一般に薄い樹脂層であり、
樹脂の特性が非常に重要である。上述の条件を満足する
樹脂としてビスフェノ−ルAを骨格として有するポリカ
−ボネ−ト樹脂が注目されているが、前述したような電
気的特性の全てがビスフェノ−ルA型ポリカ−ボネ−ト
樹脂で満足されるわけではなく、次のような問題点を有
している。 (1)溶解性に乏しく、ジクロロメタンや1,2−ジク
ロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素類の一部に
しか良好な溶解性を示さない。これらのハロゲン化脂肪
族炭化水素類は低沸点のため、これらの溶剤で調液した
塗工液を用いて感光体を製造すると塗工面が白化し易
い。塗工液の固形分などの工程管理に1313も手間が
かかる。 (2)ハロゲン化脂肪族炭化水素類以外の溶剤に対して
は、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサノ
ンあるいはそれらの混合溶剤に一部可溶であるが、その
溶液は数日以内でゲル化してしまうなど経時性が悪く、
感光体の生産のためには不向きである。 (3)更に、上記(1)および(2)に挙げた欠点が改
善されたとしてもビスフェノ−ルA誘導体のみが主鎖骨
格のポリカ−ボネ−ト樹脂にはソルベントクラックが発
生し易い。 (4)加えて従来のポリカ−ボネ−ト樹脂では該樹脂で
形成された被膜があまり潤滑性を有さずこのため感光体
に傷が発生し易く画像欠陥となったり、クリ−ニングブ
レ−ドの早期の劣化によるクリ−ニング不良およびクリ
−ニングブレ−ドの反転によるクリ−ニング不足が生じ
てしまうこともあった。
【0005】従来、前記(1)および(2)に挙げた溶
液安定性についてはポリマ−の構造単位として嵩高いシ
クロヘキシレン基を有するポリカ−ボネ−トZ樹脂を使
用することによって解決されてきた。しかしながら、ポ
リカ−ボネ−トZ樹脂は特に溶液からキャスト法によっ
て被膜を形成する際に体積収縮が比較的多く、被膜内部
に応力を残す場合がある。このため応力腐触に対して比
較的弱いという欠点を有していた。これを解決するた
め、例えば特開昭61−62040号公報には、ポリカ
−ボネ−トA樹脂とポリカ−ボネ−トZ樹脂を混合する
ことにより応力腐触割れが低減する方法が開示されてい
る。また特開昭61−62039号公報にはビスフェノ
−ルAとビスフェノ−ルZを共重合するすることにより
応力腐触割れを低減する方法が開示されているが、いず
れの方法についてもソルベントクラックについて十分な
ものではない。
【0006】これに加えて前記(4)に示したように通
常のポリカ−ボネ−ト樹脂には電子写真プロセスに使用
されるクリ−ニングブレ−ドに対しての潤滑性が比較的
低くクリ−ニングブレ−ドが耐久の進行により反転して
しまい、これによってクリ−ニング不良が発生したり、
感光体ドラムに強い力が加えられるために傷が発生する
といった欠点が指摘されていた。これを改善するためシ
リコ−ンオイルを添加あるいは特開昭61−13295
4号公報に開示されているように、ポリジメチルシロキ
サンブロックをポリカ−ボネ−ト樹脂に共重合するとい
った方法や特開昭63−65444号公報に開示されて
いるようにビスフェノ−ルAの中心部の(CH
−C=部分を(CF −C=に変更したもの
を用いる方法が知られている。しかしながらシリコ−ン
オイルを添加する方法では、電子写真における電気的特
性、具体的には感度および残留電位特性を劣化させ、か
つ、耐久の進行により表面層にあったシリコ−ンオイル
が失われ永続的な潤滑性を得ることができないといった
欠点がある。また前述のメチルシロキサンブロックを共
重合したものを使用すれば潤滑性については良好なもの
となるが、従来のポリジメチルシロキサン共重合体は溶
液とした場合に白濁したり、ゲル化するなどの難点があ
り、電子写真感光体の表面層賭して使用しても耐久性の
点で満足できるものではなかった。同様にフッ素系のポ
リカ−ボネ−トもモノマ−では溶解性がすこぶる悪く、
白濁、ゲル化などの欠点が認められる上、良く知られて
いるビスフェノ−ルAとの共重合させたものでもゲル化
については不十分であり、フッ素含有率を上げると機械
的強度が減少するという欠点があった。
【0007】更に、近年の有機電子写真感光体の高感度
化に対する要求から電荷輸送物質などの低分子量化合物
が比較的大量に添加される場合が多く、電子写真感光体
を長期にわたって保存する際に前述の低分子量成分が析
出してしまい、層分離するといった問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のポリカ−ボネ−ト樹脂を表面層として使用した電子写
真感光体の有していた問題点を解決し、潤滑性および耐
摩耗性を向上しつつ膜強度を維持し、かつ、ソルベント
クラック性、耐析出性も良好でしかも製造が容易な電子
写真感光体を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は導電性支持体上
に感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真
感光体の表面層が、下記式(1)で示される構成単位
【化3】 (式中、R1〜R8は水素原子、ハロゲン原子または炭素
数1〜4のアルキル基を示す。)及び式(2)で示され
る構成単位
【化4】 (式中、R9〜R16は水素原子、ハロゲン原子または炭
素数1〜4のアルキル基を示す。)を有する共重合体を
含有することを特徴とする電子写真感光体から構成され
る。
【0010】式(1)で示される構成単位の具体例を表
1で示すが、これらに限られるものではない。好ましい
例としては構成単位例1、2および5が挙げられ、特に
構成単位例1が挙げられる。
【表1】
【0011】式(2)で示される構成単位の具体例とし
ては、表2に示す。好ましい例としては構成単位例8、
9および12が挙げられ、特に構成単位例8が挙げられ
る。
【表2】
【0012】本発明において用いられる式(1)および
(2)で示される構成単位を有する共重合体は、下記式
(3)で示されるビスフェノ−ル同志を混在させ、ホス
ゲンを吹き込むことによって簡単に合成することができ
る。
【化5】
【0013】本発明はポリマ−を用いることによってソ
ルベントクラック特性が良化するが、この理由として
は、トリフルオロカ−ボンの表面への移行性による撥水
性の増加によるソルベントクラックの要因となる薬品の
感光層内への侵入速度を低下させる上、本発明で用いる
共重合体自体ある程度の内部応力を緩める効果があり、
ある程度の薬品の侵入でもソルベントクラックを起こさ
ないためである。この効果は本発明で用いる共重合体と
式(1)で示される構成単位のホモポリマ−をブレンド
すると更に大幅な効果の向上が見られる。
【0014】次に感光層中に添加される低分子成分の析
出による層分離であるが、これは主鎖に電気陰性度の大
きいフッ素原子が入ることにより電荷輸送物質に対し相
溶化剤として機能するためと前記式(1)の構成単位を
一定以上、共重合化しているために高分子内部がランダ
ムとなり内部の空隙率が減少するため、電荷輸送物質が
移動しにくくなるためと考えられる。
【0015】本発明の電子写真感光体表面層に含有され
る共重合体は電子写真プロセスに応じて要求される耐傷
性及び硬度、製造安定性、保存安定性などを考慮して決
定されなければならない。このとき用いる式(1)で示
される構成単位を有する重合体と式(2)で示される構
成単位を有する重合体の割合は耐ソルベントクラック
性、耐久性及び電気特性に対する環境安定性、溶液安定
性に依存する製造安定性を考慮して制御しなければなら
ないが、式(2)で示される構成単位を有する重合体が
式(1)で示される構成単位を有する重合体に対して重
量割合で10〜80重量%の範囲で有ることが好まし
く、30〜80重量%の範囲が特に好ましい。
【0016】本発明の電子写真感光体は、感光層が電荷
発生物質と電荷輸送物質を同一の層に含有する単層型で
あっても、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸
送物質を含有する電荷輸送層を積層した積層型であって
もよいが、電子写真感光体に要求される諸特性を満足す
るためには積層型(機能分離型)の電子写真感光体が好
ましい。
【0017】また必要に応じて、表面保護層として結着
剤組成物を使用することもできる。結着剤組成物を表面
保護層と捨て使用する場合には、適用する電子写真プロ
セスに応じた電気特性を付与するために酸化スズ、酸化
インジウム、ITO、酸化チタンなどの導電性粉体もし
くはこれらの混合物あるいは電荷輸送物質を添加するこ
ともできる。その添加量としては結着剤組成物に対して
1〜50重量%が表面保護層には更にテフロン粒子など
の潤滑剤を添加してもよい。
【0018】本発明の電子写真感光体を製造する場合、
導電性支持体としてはアルミニウム、ステンレスなどの
金属や合金、紙、プラスチックなどが用いられるが、そ
の形状は円筒状シリンダ−またはフィルムなど適用され
る電子写真装置に応じて任意のものとすることができ
る。
【0019】本発明においては導電性支持体の上には、
バリア−機能と接着機能をもつ下引き層を設けることが
できる。
【0020】下引き層は感光層の接着性改良、塗工性改
良、支持体の保護、基体上の欠陥の被覆、支持体からの
電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護など
のために形成される。下引き層の材料としてはポリビニ
ルアルコ−ル、ポリ−N−ビニルイミダゾ−ル、ポリエ
チレンオキシド、エチルセルロ−ス、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメ
チル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ、ゼラチン
などが知られている。これらはそれぞれに適した溶剤に
溶解されて支持体上に塗布される。その際の膜厚として
は0.1〜2μm程度が好ましい。
【0021】本発明の電子写真感光体における電荷発生
物質としては、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリ
リウム系染料、各種の中心金属及び結晶系、具体的には
例えばα、β、γ、ε、X型などの結晶型を有するフタ
ロシアニン化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピ
レンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、
ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリ
ドン顔料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニンある
いは特開昭54−143645号公報に記載のアモルフ
ァスシリコ−ンなどが挙げられる。
【0022】機能分離型感光体の場合、電荷発生層は前
記の電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着剤樹脂及び溶
剤とと共にホモジュナイザ−、超音波分散、ボ−ルミ
ル、振動ボ−ルミル、サンドミル、アトライタ−及びロ
−ルミルなどの方法でよく分散し、分散液を塗布、乾燥
されて形成される。その膜厚は5μm以下、特に0.1
〜2μmの範囲であることが好ましい。
【0023】また、電荷輸送物質としては、ピレン、N
−エチルカルバゾ−ル、N−イソプロピルカルバゾ−
ル、N−メチル−N−フェニルヒドラジノ−3−メチリ
デン−9−エチルカルバゾ−ル、N,N−ジフェニルヒ
ドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾ−ルな
どのカルバゾ−ル系化合物、N,N−ジフェニルヒドラ
ジノ−3−メチリデン−10−エチルフェノチアジン、
N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−10
−エチルフェノキサジン、p−ジエチルアミノベンズア
ルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、p−ジエチ
ルアミノベンズアルデヒド−N−α−ナフチル−N−フ
ェニルヒドラゾン、p−ピロリジノベンズアルデヒド−
N,N−ジフェニルヒドラゾン、1,3,3−トリメチ
ルインドレニン−ω−アルデヒド−N,N−ジフェニル
ヒドラゾン、p−ジエチルベンズアルデヒド−3−メチ
ルベンズチアゾリノン−2−ヒドラゾンなどのヒドラゾ
ン系化合物、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニ
ル)−1,3,4−オキサジアゾ−ル、1−フェニル3
−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチ
ルアミノフェニル)ピラゾリン、1−[キノリル
(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−
(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−[ピ
リジル(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)
−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1
−[6−メトキシ−ピリジル(2)]−3−(p−ジエ
チルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェ
ニル)ピラゾリン、1−[ピリジル(3)]−3−(p
−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミ
ノフェニル)ピラゾリン、1−[ピリジル(2)]−3
−(p−ジエチルアミノスチリル)−4−メチル−5−
(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−[ピ
リジル(2)]−3−(α−メチル−p−ジエチルアミ
ノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピ
ラゾリン、1−フェニル−3−(p−ジエチルアミノス
チリル)−4−メチル−5−(p−ジエチルアミノフェ
ニル)ピラゾリン、1−フェニル−3−(α−ベンジル
−p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチル
アミノフェニル)ピラゾリン、スピロピラゾリンなどの
ピラゾリン系化合物、2−(p−ジエチルアミノスチリ
ル)−6−ジエチルアミノベンズオキサゾ−ル、2−
(p−ジエチルアミノフェニル)−4−(p−ジメチル
アミノフェニル)−5−(2−クロロフェニル)オキサ
ゾ−ルなどのオキサゾ−ル系化合物、2−(p−ジエチ
ルアミノスチリル)−6−ジエチルアミノベンズチアゾ
−ルなどのチアゾ−ル系化合物、ビス(4−ジエツルア
ミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタンなどのトリ
アリ−ルメタン系化合物、1,1−ビス(4−N,N−
ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)ヘプタン、1,
1,2,2−テトラキス−4−N,N−ジメチルアミノ
−2−メチルフェニル)エタンなどのポリアリ−ルアル
カン類などが挙げられる。
【0024】電荷輸送層は前記の電荷輸送物質と結着剤
樹脂を溶剤に溶解することによって得られた溶解液を塗
布、乾燥して形成される。電荷輸送物質と結着剤樹脂と
の混合割合は2:1〜1:2程度が好ましく、またその
溶剤としてはトルエン、キシレンあるいはモノクロルベ
ンゼンなどの芳香族系溶剤のほか、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン、テトラヒドロピランなどの環状エ−テル
類も使用可能である。この溶解液を塗布する方法は、例
えば浸漬コ−テイング法、スプレイコ−テイング法、カ
−テンコ−テイング法、スピンコ−テイング法などが知
られている。電子写真感光体を効率よく大量生産するに
は浸漬コ−テイング法が最良であり、本発明において用
いる共重合体を使用する浸漬塗布は可能である。塗布後
10〜200℃、好ましくは20〜150℃で5分〜5
時間、好ましくは10分〜2時間の範囲で通風乾燥また
は静止乾燥を行い、膜厚5〜30μmの電荷輸送層が形
成される。
【0025】本発明の電子写真感光体は電子写真複写機
に利用するのみならず、レ−ザ−ビ−ムプリンタ−、C
RTプリンタ−、LEDプリンタ−、液晶プリンタ−、
レ−ザ−製版などの電子写真応用分野にも広く用いるこ
とができる。
【0026】また、本発明は前記本発明の電子写真感光
体を備えた電子写真装置から構成される。
【0027】また、本発明は前記本発明の電子写真感光
体を備えた電子写真装置およびリモ−ト端末からの画像
情報を受信する受信手段を有するファクシミリから構成
される。
【0028】次に、本発明の電子写真感光体を備えた電
子写真装置並びにファクシミリについて説明する。図1
に本発明のドラム型感光体を用いた一般的な転写式電子
写真装置の概略構成を示した。図において、1は像担持
体としてのドラム型感光体であり軸1aを中心に矢印方
向に所定の周速度で回転駆動される。該感光体1はその
回転過程で帯電手段2によりその周面に正または負の所
定電位の均一帯電を受け、次いで露光部3にて不図示の
像露光手段により光像露光L(スリット露光・レ−ザ−
ビ−ム走査露光など)を受ける。これにより感光体周面
に露光像に対応した静電潜像が順次形成されていく。そ
の静電潜像は、次いで現像手段4でトナ−現像され、そ
のトナ−現像像が転写手段5により不図示の給紙部から
感光体1と転写手段5との間に感光体1の回転と同期取
りされて給送された転写材Pの面に順次転写されてい
く。像転写を受けた転写材Pは感光体面から分離されて
像定着手段8へ導入されて像定着を受けて複写物(コピ
−)として機外へプリントアウトされる。像転写後の感
光体1の表面はクリ−ニング手段6にて転写残りトナ−
の除去を受けて清浄面化され、前露光手段7により除電
処理がされて繰り返して像形成に使用される。感光体1
の均一帯電手段2としてはコロナ帯電装置が一般に広く
使用されている。また、転写装置5もコロナ転写手段が
一般に広く使用されている。電子写真装置として、上述
の感光体や現像手段、クリ−ニング手段などの構成要素
のうち、複数のものを装置ユニットとして一体に結合し
て構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に
構成しても良い。例えば、感光体1とクリ−ニング手段
6とを一体化してひとつの装置ユニットとし、装置本体
のレ−ルなどの案内手段を用いて着脱自在の構成にして
もよい。このとき上記の装置ユニットのほうに帯電手段
および/または現像手段を伴って構成してもよい。ま
た、光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプリンタ−
として使用する場合には、原稿からの反射光や透過光を
用いる、あるいは、原稿を読み取り信号化し、この信号
に従ってレ−ザ−ビ−ムの走査、発光ダイオ−ドアレイ
の駆動、または液晶シャッタ−アレイの駆動などが行わ
れることにより行われる。また、ファクシミリのプリン
タ−として使用する場合には、光像露光Lは受信デ−タ
をプリントするための露光になる。
【0029】図2は、この場合の1例をブロック図で示
したものである。コントロ−ラ10は画像読取部9とプ
リンタ−18を制御する。コントロ−ラ10の全体はC
PU16により制御されている。画像読取部からの読取
りデ−タは、送信回路12を通して相手局に送信され
る。相手局から受けたデ−タは受信回路11を通してプ
リンタ−18に送られる。画像メモリには所定の画像デ
−タが記憶される。プリンタコントロ−ラ17はプリン
タ−18を制御している。13は電話である。回線14
から受信された画像(回線を介して接続されたリモ−ト
端末からの画像情報)は、受信回路11で復調された
後、CPU16は画像情報の信号処理を行い順次画像メ
モリ15に格納される。そして、少なくとも1ペ−ジの
画像がメモリ15に格納されると、そのペ−ジの画像記
憶を行う。CPU16は、メモリ15より1ペ−ジの画
像情報を読み出しプリンタコントロ−ラ17に信号かさ
れた1ペ−ジの画像情報を送出する。プリンタコントロ
−ラ17は、CPU16からの1ペ−ジの画像情報を受
け取るとそのペ−ジの画像情報記録を行うべく、プリン
タ−18を制御する。なお、CPU16は、プリンタ−
18による記録中に、次のペ−ジの受信を行っている。
以上のように、画像の受信と記録が行われる。
【0030】
【実施例】
実施例1 10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した
導電性酸化チタン粉体50部(重量部、以下同様)、フ
ェノ−ル樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノ
−ル5部及びシリコ−ンオイル(ポリジメチルシロキサ
ンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3,00
0)0.002部をφ1mmガラスビ−ズを用いたサン
ドミル装置で2時間分散して導電層用塗料を調製した。
この塗料を30φのアルミニウムシリンダ−上に浸漬塗
布方法で塗布し、140℃で30分間乾燥して、膜厚2
0μmの導電層を形成した。
【0031】次に、N−メトキシメチル化ナイロン5部
をメタノ−ル95部中に溶解し、中間層用塗料を調製し
た。この塗料を前記の導電層上に浸漬塗布方法によって
塗布し、100℃で20分間乾燥し、0.6μの中間層
を形成した。
【0032】次に、CuKαのX線回折におけるブラッ
ク角2θ±0.2度が9.0度、14.2度、23.9
度及び27.1度に強いピ−クを有するオキシチタニウ
ムフタロシアニンを3部、ポリビニルブチラ−ル(商品
名エスレックBM2、積水化学(株)製)2部及びシク
ロヘキサノン35部をφ1mmガラスビ−ズを用いたサ
ンドミル装置で2時間分散して、その後に酢酸エチル6
0部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。この塗料を
前記の中間層の上に浸漬塗布方法で塗布して、100℃
で15分間乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形
成した。
【0033】次いで、下記構造式の化合物8部、
【化6】 下記式で示される構成単位(a)及び(b)からなり、
【化7】
【化8】 (a)成分が共重合体の全重量の50重量%である共重
合体(粘度平均分子量2.21×104)5部をジクロ
ロメタン20部、モノクロルベンゼン40部の混合溶媒
中に溶解し、電荷輸送層用塗料を調製した。この塗料を
前記の電荷発生層上に浸漬塗布方法で塗布し、120℃
で60分間乾燥して、膜厚23μmの電荷輸送層を形成
し、電子写真感光体を作成した。
【0034】作成した電子写真感光体を用いて表面潤滑
性、経時析出性及び耐ソルベントクラック性を測定し
た。表面潤滑性については複写機用のウレタンゴム製の
クリ−ニングブレ−ドを用い、これを当接角30度で感
光体表面に当接しその滑り抵抗をHEIDON−14型
表面性試験機(新東化学(株)製)を用いて測定した。
更に、この表面層にウレタンクリ−ニングブレ−ドを圧
接し、75℃で保存し析出性に対する加速試験を行っ
た。評価については14日後に感光体を顕微鏡により観
察し、析出の有無を評価した。析出の無いものは続けて
30日後まで試験を続けた。またソルベントクラック性
についてはこの表面層に指脂を付着し、24時間及び2
日間、常温常湿に放置した後顕微鏡によりソルベントク
ラックの有無を観察した。更に、この感光体を40℃、
93%RH下で24時間放置した後、キヤノン(株)製
LBP−NXに入れ、10,000枚連続で通紙耐久を
行い、感光体表面に付着したトナ−が原因の黒ポチを観
察した。更に、使用トナ−量Xに対してクリ−ニングブ
レ−ドで除去されたトナ−量Yを調べトナ−使用率(X
−Y)/Xを求め転写効率とした。
【0035】実施例2〜28 式(1)の重合比とポリカ−ボネ−トZとのブレンド比
を表3のように変えた他は、実施例1と同様にして実施
例2〜28に対応する電子写真感光体を作成し、評価し
た。
【表3】
【0036】比較例1〜4 結着剤樹脂を表4に示すものに変えた他は、実施例1と
同様にして比較例1〜4に対応する電子写真感光体を作
成し、評価した。
【表4】
【0037】実施例1〜28及び比較例1〜4で作成し
た電子写真感光体についての評価の結果を表5〜8に示
す。
【0038】表中、○は200倍の顕微鏡で、微小なク
ラックが3本以下認められるが、画像上影響はないこ
と、△は200倍の顕微鏡で、微小なクラックが10本
以下認められるが、画像上影響はないこと、×は200
倍の顕微鏡で、0.5mm以上のクラックが10本以下
認められ、画像に影響すること、××は200倍の顕微
鏡で、0.5mm以上のクラックが無数に認められ、画
像に著しく影響することを表わしている。
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【0039】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は優れた潤滑
性、保存安定性、クリ−ニング特性及び耐ソルベントク
ラック性を有するという優れた効果を奏する。また、該
電子写真感光体の効果は、該電子写真感光体を備えた電
子写真装置並びにファクシミリにおいても当然に該効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な転写式電子写真装置の概略構成図であ
る。
【図2】電子写真装置をプリンタ−として使用したファ
クシミリのブロック図である。
【符号の説明】
1 像担持体としてのドラム型感光体(本発明の電子
写真感光体) 2 コロナ帯電装置 3 露光部 4 現像手段 5 転写手段 6 クリ−ニング手段 7 前露光手段 8 像定着手段 L 光像露光 P 像転写を受けた転写材 9 画像読取部 10 コントロ−ラ− 11 受信回路 12 送信回路 13 電話 14 回線 15 画像メモリ 16 CPU 17 プリンタコントロ−ラ 18 プリンタ−
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 秀敏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 山崎 至 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、該電子写真感光体の表面層が、下記
    式(1)で示される構成単位 【化1】 (式中、R1〜R8は水素原子、ハロゲン原子または炭素
    数1〜4のアルキル基を示す。)及び式(2)で示され
    る構成単位 【化2】 (式中、R9〜R16は水素原子、ハロゲン原子または炭
    素数1〜4のアルキル基を示す。)を有する共重合体を
    含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記式(2)で示される構成単位の重量
    αと前記式(1)で示される構成単位の重量βが0.7
    ≦α/(α+β)≦0.3である請求項1記載の電子写
    真感光体。
  3. 【請求項3】 前記式(1)及び(2)で示される構成
    単位を有する共重合体の含有率が表面層が含有する全樹
    脂成分に対して10重量%から80重量%である請求項
    1または2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記式(1)及び(2)で示される構成
    単位を有する共重合体がランダム共重合体である請求項
    1または2または3記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の電子写真感光体を備えた
    電子写真装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の電子写真感光体を備えた
    電子写真装置およびリモ−ト端末からの画像情報を受信
    する手段を有するファクシミリ。
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