JP4124923B2 - 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しくは特定の物質を含有する中間層を有する電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体は、通常、導電性支持体上に感光層を有するが、感光層は一般に非常に薄い層であり、傷や付着物といった支持体表面の欠陥により、感光層の膜厚が不均一になってしまうということがあった。この傾向は、現在の主流である感光層が0.5μm程度の極めて薄い膜厚を有する電荷発生層と電荷輸送層を有する、いわゆる機能分離型の感光層においては特に顕著である。
【0003】
感光層の膜厚が不均一であれば、当然電位ムラや感度ムラが生じてしまうので、感光層はできる限り均一に形成する必要がある。また、電子写真感光体に求められる重要な特性として、繰り返し使用の際の明部電位及び暗部電位の安定性が挙げられる。
【0004】
これらの電位が安定していないと、画像濃度が安定しなかったり、画像にカブリが生じたりしてしまう。そこで、支持体と感光層の間に、支持体表面の欠陥の被覆、支持体と感光層との接着性の向上、更に、支持体から感光層へのキャリア注入の防止といった機能を有する中間層を設けることが提案されている。
【0005】
従来、この中間層に用いる樹脂としては、ポリアミド(特開昭48−47344号公報及び特開昭52−25638号公報)、ポリエステル(特開昭52−20836号公報及び特開昭54−26738号公報)、ポリウレタン(特開昭53−89435号公報及び特開平2−115858号公報)、第4級アンモニウム塩含有アクリル系重合体(特開昭51−126149号公報)及びカゼイン(特開昭55−103556号公報)などが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の材料を中間層として用いた電子写真感光体は、温湿度の変化に応じて中間層の電気抵抗が変化し易く、低温低湿下から高温高湿下の全環境において安定して優れた電位特性を有し、優れた画像を形成し得る電子写真感光体を作成することが困難であった。
【0007】
例えば、中間層の電気抵抗が増大し易い低温低湿下において感光体を繰り返し使用した場合には、中間層には電荷が残留し易くなり、明部電位及び残留電位が上昇してしまう。その結果、正規現像ではコピー画像にカブリを生じたり、反転現像では画像が薄くなったりして、所定の画質を有する画像が継続的に得られないという問題があった。
【0008】
一方、中間層の電気抵抗が低下し易い高温高湿下においては、中間層のバリヤー機能が低下し、支持体からのキャリア注入が増加し易くなり、暗部電位が低下してしまう。その結果、正規現像では画像が薄くなったり、反転現像では画像に黒点状欠陥(黒ポチ)及びカブリを生じたりすることがあった。
【0009】
また、中間層を設けることにより、低温低湿下における電位の安定性及び高温高湿下における画像上の黒点状欠陥を改善しても、感光体自身の感度の低下を招くことが多かった。従って、本発明の目的は、低温低湿下から高温高湿下に至る全環境において、安定して優れた電位特性を発揮すると共に、初期の優れた画像を継続して形成し得る電子写真感光体を提供することにある。
【0010】
また、本発明の目的は、支持体への密着性及び成膜性に優れた中間層を介在させることによって、欠陥のない良好な画像を形成し、かつ高感度の電子写真感光体を提供することにある。
【0011】
更に、本発明の目的は、上記のような電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、導電性支持体上に中間層を介して感光層を有する電子写真感光体において、該中間層がコロイダルシリカ及びシロキサン樹脂を含有していることを特徴とする電子写真感光体である。
【0013】
本発明で述べるシロキサン樹脂とは、OH基、OR基等の加水分解性基をケイ素原子あたり3つ有するケイ素化合物の縮合により得られるシリコーン樹脂もしくは部分縮合したオリゴマーを意味する。
【0014】
本発明の好ましい態様において、中間層は、コロイダルシリカ存在下に下記一般式(1)
RSiO3/2 …(1)
(式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基、CnF2n+1C2H4−基(n=1〜18)、γ−グリシドキシプロピル基及びγ−メタクリロオキシプロピル基からなる群より選ばれた少なくとも一つの基を表す。)
で表される化合物を縮合した縮合物を含有する。
【0015】
また、本発明は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
本発明は導電性支持体上に中間層を介して感光層を有する電子写真感光体において、該中間層がコロイダルシリカ及びシロキサン樹脂を含有することを特徴とする。本発明の電子写真感光体は導電性支持体上の表面に塗布後、乾燥、硬化させて形成される。
【0018】
本発明の電子写真感光体の中間層は、少なくとも下記の(a)〜(c)の3成分からなる塗液を用いて形成することができる。
【0019】
(a)コロイダルシリカ
(b)R−Si(OR1)3の部分縮合により作成されるシロキサン樹脂
(Rは炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基、CnF2n+1C2H4−基(n=1〜18)、γ−グリシドオキシプロピル基、γ−メタクリロオキシプロピル基から単独もしく複数選択される。R1は炭素数1〜3のアルキル基、水素原子から単独もしく複数選択される。)
(c)低級脂肪族アルコール、水より単独もしくは複数選択してなる溶剤
【0020】
本発明の電子写真感光体の中間層用組成物は、好ましくはコロイダルシリカが10〜70重量%、シロキサン樹脂が30〜90重量%の範囲で構成され、これら固形分は1〜50wt%低級アルコール水混合溶液中に分散されているものが用いられる。固形分が50wt%を超えると組成物の安定性が劣化し易く、ゲル化等のために良好に塗膜が形成されにくくなり、塗布できる期間が限定され好ましくない。1wt%未満では形成される中間層の膜厚が均一になりにくい。
【0021】
また、固形分におけるコロイダルシリカの割合は、好ましくは10〜70wt%であり、シロキサン樹脂の割合は30〜90wt%で用いられる。シロキサン樹脂の固形分に占める割合が30wt%未満では脆くなり、良好な膜が形成されにくく、クラック等がはいりやすくなり、またコロイダルシリカの割合が10wt%未満では、形成された中間層の電気抵抗の安定性が低下し易い。その理由は明らかではないが、コロイダルシリカが環境の変動によっても保持する吸着水を変えず、それによって、エレクトロンの注入及び移動を安定化した結果によるものと推測される。
【0022】
本発明の中間層に用いられるコロイダルシリカは、市販の水分散系のものが用いられる。(商品名“Ludox”、“Nalcoag”等)粒径は、好ましくは5nm〜150nmのものが用いられ、より好ましくは10nm〜30nmの粒径のものであり、分散安定性と光学特性から優れている。コロイダルシリカには、Na2O等のアルカリ金属酸化物が含有されるが、その含有量が2wt%以下のものが好ましい。
【0023】
また分散溶剤としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール、n−ブタノール等の低級脂肪族アルコールと水の混合溶剤系が有利に用いられるが、その他のグリコール、アセトン等の水可溶性の溶剤を更に添加してもよい。
【0024】
本発明においては、中間層中に、必要に応じて添加剤や導電性物質などを、本発明の効果が得られる範囲の量で含有することができる。添加剤としては、2,5,7−トリニトロフルオレノン及びベンゾキノンなどのアクセプター性化合物などが挙げられ、導電性物質としては、金属粉体(例えばアルミニウム、銅、ニッケル及び銀など)、金属短繊維、カーボンファイバー、導電性粉体〔例えばカーボンブラック、チタンブラック、グラファイト、金属酸化物及び金属硫化物(例えば酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、硫化亜鉛、硫化銅、酸化マグネシウム及び酸化アルミニウムなど)及びこれらの金属酸化物や金属硫化物を導電性物質で表面処理したもの、シランカップリング剤やチタンカップリング剤で表面処理したもの、及び還元処理したもの〕などが挙げられる。
【0025】
本発明の電子写真感光体に用いられる中間層用組成物は、無機酸もしくは有機酸を用いることによりpH3.0〜6.0の酸性状態に調整される。強酸を用いると組成物の安定性等に好ましくない影響を与え易いので、より好ましくは弱酸が用いられpH4.0〜5.5の酸性状態に調整される。
【0026】
電子写真感光体の感光層の上に塗布された中間層用の組成物は、乾燥後、熱硬化されることにより膜質の強度、環境の電気抵抗安定性が発現する。熱硬化は高温であるほど完全に進行するが、電子写真感光体特性に悪影響を与えない範囲で選ばれる。好ましくは80℃〜180℃で熱硬化されるが、より好ましくは100℃〜150℃で行われる。
【0027】
熱硬化の時間としては、長時間であるほど硬化は進むが、その処理温度において電子写真感光体特性に悪影響を与えない範囲で選ばれる。熱硬化の処理時間は一般的には10分〜12時間程度で行われる。
【0028】
乾燥後、熱硬化して得られた中間層は少なくともコロイダルシリカとしてSiO2で示される成分及びRSiO3/2で示されるシロキサン樹脂を含有している。
【0029】
このときRは炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基、CnF2n+1C2H4−基(n=1〜18)、γ−グリシドオキシプロピル基、γ−メタクリロオキシプロピル基から単独もしく複数のものが選択して用いられている。
【0030】
中間層はコロイダルシリカ及びシロキサン樹脂を必須の成分として含む樹脂組成物を用い、これらは米国特許4027073号明細書や米国特許3944702号明細書に記載されている方法で製造できる。
【0031】
シリコーン系のハードコート樹脂は、加水分解性基を分子中に有する多官能性有機ケイ素化合物の加水分解縮合物からなる。官能性基数が多いほど強度が上がるため、生成した樹脂は硬くなる。その中でも、4官能性有機ケイ素の替わりにコロイダルシリカを使用し3官能性有機ケイ素を用いたものでは、コロイダルシリカの粒径、その添加量、3官能性有機ケイ素の加水分解縮合を調節することにより、硬度が高くかつ製膜性に優れた樹脂が得られる。
【0032】
好適なコロイダルシリカとしては、平均粒径が5nm〜150nmであり、これを前述の範囲で水を含む低級アルコール中に分散させ、加水分解性基を有する3官能性の有機ケイ素化合物を酸あるいはアルカリ存在下で加水分解することで製造される。反応終了後に更に、必要に応じて低級アルコール、硬化触媒、レベリング剤等を加える。これをプラスチック基板上に、ディップ、スプレー、バーコート、スピンコート等によりコートされる。溶媒を除去した後、一般的には80〜150度の範囲で加熱硬化させることにより被膜が形成される。硬化温度はコート基材プラスチックの熱変形温度以下の温度で行うのが好ましい。
【0033】
このようにして形成されたシロキサン樹脂は、樹脂単独では鉛筆硬度で数H以上9Hの硬度を発現できる。ハードコートレジンは適用基板材料に応じて、基材表面との密着性を向上させる目的で、基材表面を例えばシランカップリング剤といわれるシラン化合物で表面処理したり、あるいは化学的方法、物理的方法で表面を変成させて密着性を向上させることは通常行われていることである。
【0034】
本発明における中間層は、1層のみで構成されているものでも、複数の層で構成されていて、少なくともその1層に本発明の樹脂を含有するものでもよい。中間層が複数の層で構成される場合、本発明の樹脂以外の樹脂としては、ポリアミド、ポリエステル及びフェノール樹脂などが挙げられる。
【0035】
本発明の電子写真用感光体の中間層は電子写真特性及び支持体上の欠陥などを考慮して適宜設定され得るものであるが、0.1μm〜20μmの膜厚で用いられる。0.1μm未満では支持体等の下地の欠陥を拾い易く、また膜質が均一となりにくいために、画像特性的に好ましくない。20μmを超えると繰り返し使用の際に明部電位の上昇を招き易く好ましくない。
【0036】
本発明の電子写真感光体の感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を同一の層に含有する、いわゆる単一層型、及び電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する、いわゆる積層型に大別される。積層型は、更に、導電性支持体、電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に有するタイプと導電性支持体、電荷輸送層及び電荷発生層をこの順に有するタイプに分けられる。本発明においては、積層型、特に電荷発生層の上に電荷輸送層を積層したタイプであることが好ましい。
【0037】
電荷発生層は、モノアゾ、ビスアゾ及びトリスアゾなどのアゾ顔料;金属フタロシアニン及び無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料;インジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ系顔料;アントアントロン及びピレンキノンなどの多環キノン系顔料;ペリレン酸無水物及びペリレン酸イミドなどのペリレン系顔料;スクワリリウム系色素;ピリリウム及びチアピリリウム塩類;及びトリフェニルメタン系色素などの電荷発生物質を、適当な溶剤を用いて結着樹脂(バインダー樹脂)、例えばポリビニルアセタール、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルピロリドン及びセルロース系樹脂などの樹脂中に分散させた溶液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。電荷発生層の膜厚は通常5μm以下であることが好ましく、特には0.05〜2μmであることが好ましい。
【0038】
電荷輸送層は、成膜性を有する樹脂の溶液に下記のような電荷輸送物質を溶解した溶液を塗布し、乾燥することによって形成される。電荷輸送物質は電子輸送物質と正孔輸送物質に大別される。電子輸送物質としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、クロラニル及びテトラシアノキノジメタンなどの電子受容性物質やこれらを高分子化したものが挙げられる。正孔輸送物質としては、ピレン及びアントラセンなどの多環芳香族化合物;カルバゾール、インドール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、ピラゾリン、チアジアゾル及びトリアゾールなどの複素環化合物;p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン及びN,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチルデン−9−エチルカルバゾールなどのヒドラゾン系化合物;α−フェニル−4′−N,N−ジアミノスチルベン及び5−[4−(ジ−p−トリルアミノ)ベンジリデン]−5H−ジベンゾ[a,d]ジシクロヘプテンなどのスチリル系化合物;ベンジジン系化合物;トリアリールアミン系化合物;トリフェニルアミンあるいはこれらの化合物からなる基を主鎖または側鎖に有するポリマー(例えばポリ−N−ビニルカルバゾール及びポリビニルアントラセンなど)が挙げられる。成膜性を有する樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸エステル及びポリスチレンなどが挙げられる。電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることが好ましい。
【0039】
単一層型の場合には、前述したような電荷発生物質と電荷輸送物質とを結着樹脂中に分散及び溶解させた溶液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。単一層型の場合、感光層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることが好ましい。
【0040】
また、本発明ではポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセンなどの有機光導電性ポリマー層、前述した電荷発生物質の蒸着層、セレン蒸着層、セレン−テルル蒸着層、アモルファスシリコン層なども感光層として用いることができる。
【0041】
本発明に用いられる導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、チタン、ニッケル、インジウム、金及び白金などが挙げられる。またこうした金属や合金を、真空蒸着法によって被膜形成したプラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート及びアクリル樹脂など)や、導電性粒子(例えばカーボンブラック及び銀粒子など)を適当なバインダー樹脂と共に上記のようなプラスチック、金属または合金支持体上に被覆した支持体、あるいは導電性粒子をプラスチックや紙に含浸した支持体などを用いることができる。支持体の形状としてはドラム状、シート状及びベルト状などが挙げられるが、適用される電子写真感光体に最も適した形状にすることが好ましい。
【0042】
更に、本発明においては、感光層上に保護層として樹脂層や導電性粒子を含有する樹脂層を積層することもできる。
【0043】
上述した各種層の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、ビームコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法及びブレードコーティング法などが挙げられる。
【0044】
図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを用いた電子写真装置の概略構成を示す。
【0045】
図において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1は、回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強調変調された露光光4を受ける。こうして感光体1の周面に対し、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
【0046】
形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナー現像され、現像されたトナー像は、不図示の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体1の回転と同期して取り出されて給紙された転写材7に、感光体1の表面に形成担持されているトナー画像が転写手段6により順次転写されていく。
【0047】
トナー画像の転写を受けた転写材7は、感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0048】
像転写後の感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0049】
本発明においては、上述の電子写真感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例えば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9の少なくとも一つを感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール12等の案内手段を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
【0050】
また、露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等により照射される光である。
【0051】
本発明の電子写真感光体は、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができる。
【0052】
以下、実施例に従って本発明を更に詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は重量部を表す。
【0053】
【実施例】
(実施例1)
フラスコにコロイダルシリカ(40%固体)の水性分散液3.9gを取り、攪拌しながらコロイダルシリカ(30%固体)のイソプロピルアルコール分散液26.8g、メチルトリエトキシシラン2.7g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.9g、酢酸3.1gを添加した。添加後、混合溶液を65〜70℃に加熱し、2時間反応させた。その後、イソプロピルアルコール23.3gで希釈し、硬化触媒としてベンジルトリメチルアンモニウムアセテート2.4gを添加し、更にポリエーテル変成ジメチルシリコーンの10%エタノール溶液0.16gを添加し中間層用塗工液を調製した。
【0054】
次にアルミニウム板上に、上記中間層用塗工液をマイヤーバーで塗布し、120℃で3時間乾燥することによって、膜厚が1μmの中間層を形成した。
【0055】
次に、下記式
【0056】
【化1】
【0057】
で示されるビスアゾ顔料5部にテトラヒドロフラン90部を加え、サンドミルで20時間分散した。この液にブチラール樹脂(BLS、積水化学工業社製)2.5部をテトラヒドロフラン20部に溶かした液を加え、更に2時間分散した。この分散液にシクロヘキサノン100部及びテトラヒドロフラン100部を加えて希釈した溶液を、先に形成した中間層の上にマイヤーバーで塗布し、乾燥することによって、膜厚が2μmの電荷発生層を形成した。
【0058】
次いで、下記式
【0059】
【化2】
【0060】
で示されるトリアリールアミン5部とポリカーボネート樹脂(Z−200、三菱瓦斯化学(株)製)5部をモノクロロベンゼン40部に溶解した液を、電荷発生層の上にマイヤーバーで塗布し、乾燥することによって、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
【0061】
得られた電子写真感光体を、静電複写機試験装置(Model SP−428、川口電気(株)製)を用いて−5kVのコロナ放電で負に帯電させ、1秒間暗所放置した後、ハロゲンランプを用いて照度10luxの光で露光し、帯電特性を評価した。帯電特性としては、表面電位(VO)、VOが1/2に減衰するのに必要な露光量、即ち感度(E1/2)及び前露光後の電位、即ち残留電位(Vr)を測定した。
【0062】
その結果E1/2=1.33(lux・sec)、Vr=−5(V)と感度も高く、また残留電位も低かった。
【0063】
(実施例2)
フラスコにコロイダルシリカ(40%固体)の水性分散液30.0gを取り、攪拌しながらメチルトリメトキシシラン21.5gと酢酸3.5gとの混合物の1/3を添加した。添加後、混合溶液を55℃まで加熱し、急激な発熱が観測されたら直ちに氷冷し、フラスコ内の温度を50〜60℃に保ちながら残りの混合物を添加した。反応溶液を20℃まで冷却し、温度が安定したら30分間攪拌する。その後、イソプロピルアルコール17.8gで反応溶液を希釈し、ジブチル錫ジ−2−エチルヘキソエート2.8gを徐々に添加し、ベンジルトリメチルアンモニウムアセテート2.4g、更にポリエーテル変成ジメチルシリコーンの10%エタノール溶液0.16gを添加した。次に得られた反応混合物の沈澱物を除去して中間層用塗工液を調製した。
【0064】
この塗工液を用いること以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。その結果感度E1/2=1.35(lux・sec)、残留電位Vr=−30(V)と感度も高く、また残留電位も低かった。
【0065】
(比較例1)
中間層用塗工液として、アルコール可溶性共重合ナイロン(アミランCM−8000、東レ(株)製)5部をメタノール95部に溶解した溶液を用いて中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
【0066】
その結果感度E1/2=1.57(lux・sec)、残留電位Vr=−70(V)と残留電位が高く、感度もあまり高くなかった。
【0067】
(比較例2)
中間層用塗工液として、メチルシロキサン単位70モル%、ジメチルシロキサン単位30モル%からなる1wt%のシラノール基を含むシロキサン樹脂100gをトルエン100gに溶解し、これに、ジブチル錫アセテート2gを加え均一な溶液にした。この塗工液を用いて実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
【0068】
その結果感度E1/2=1.38(lux・sec)、残留電位Vr=−45(V)と感度は高かったが、残留電位が高かった。
【0069】
(実施例3)
アルミニウム板の代わりにアルミニウムシリンダー(外径30mm×長さ360mm)を用い、中間層の乾燥を110℃で3時間行い、中間層の膜厚を0.8μmとした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。なお、各層の塗布は浸漬コーティング法により行った。
【0070】
得られた電子写真感光体を、帯電−露光−現像−転写−クリーニングのプロセスを0.8秒のサイクルで行う正規現像方式の普通紙複写機に装着し、低温低湿環境(15℃、15%RH)下及び高温高湿環境(30℃、85%RH)下で連続10,000枚の画像出し耐久試験を行った。評価は、初期における暗部電位(VD)の測定、初期及び耐久試験における明部電位(VL)の測定及び得られた画像の目視による評価をすることにより行った。結果を表1に示す。
【0071】
(比較例3)
比較例1で用いた中間層用溶液を使用した以外は実施例3と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
【0072】
結果を表1に示す。
【0073】
(実施例4)
第1中間層をレゾール型フェノール樹脂(プライオーフェンJ−325、大日本インキ(株)製)25部、酸化アンチモンを10%含有する酸化スズで被覆された導電性酸化チタン粉体50部、メチルセロソルブ25部及びメタノール5部の混合物をサンドミルで20時間分散した液を用いて形成し、第2中間層として実施例3で用いた中間層用塗工液を用いて形成した以外は、実施例3と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
【0074】
結果を表1に示す。
【0075】
(比較例4)
第1中間層を、レゾール型フェノール樹脂(プライオーフェンJ−325、大日本インキ(株)製)25部、酸化アンチモンを10%含有する酸化スズで被覆された導電性酸化チタン粉体50部、メチルセロソルブ25部及びメタノール5部の混合物をサンドミルで20時間分散した液を用いて形成し、第2中間層を、アルコール可溶性共重合ナイロン(アミランCM−8000、東レ(株)製)5部をメタノール95部に溶解した溶液を用いて形成した以外は、実施例3と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
【0076】
結果を表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、低温低湿下から高温高湿下に至る全環境において、安定して高い感度及び優れた電位特性を有し、繰り返し使用しても優れた画像を継続して形成し得る電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを用いる電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 レール
Claims (4)
- 導電性支持体上に中間層を介して感光層を有する電子写真感光体において、前記中間層がコロイダルシリカ及びシロキサン樹脂を含有していることを特徴とする電子写真感光体。
- 前記中間層が、コロイダルシリカ存在下に下記一般式(1)
RSiO3/2 …(1)
(式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基、CnF2n+1C2H4−基(n=1〜18)、γ−グリシドキシプロピル基及びγ−メタクリロオキシプロピル基からなる群より選ばれた少なくとも一つの基を表す。)
で表される化合物を縮合した縮合物を含有する請求項1に記載の電子写真感光体。 - 請求項1または2に記載の電子写真感光体を、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、静電潜像の形成された電子写真感光体をトナーで現像する現像手段、及び転写工程後の感光体上に残余するトナーを回収するクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくとも一つの手段と共に一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1または2に記載の電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した電子写真感光体に対し露光を行い静電潜像を形成する露光手段、静電潜像の形成された電子写真感光体をトナーで現像する現像手段、及び転写材上のトナー像を転写する転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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