JP3416318B2 - 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置

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JP3416318B2
JP3416318B2 JP04301495A JP4301495A JP3416318B2 JP 3416318 B2 JP3416318 B2 JP 3416318B2 JP 04301495 A JP04301495 A JP 04301495A JP 4301495 A JP4301495 A JP 4301495A JP 3416318 B2 JP3416318 B2 JP 3416318B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関し、
詳しくは特定の層構成を有する直接帯電用の電子写真感
光体に関する。また、本発明は上記電子写真感光体を有
するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂を主成分とする層や光導電性物質を
含有する樹脂層を有する電子写真感光体は、極めて生産
性が高い、比較的安価であるなどの利点を有しているの
に加え、使用する光導電性物質を選択することにより特
性をコントロールし易いなどの利点を有しており、現在
電子写真感光体の主流のひとつになっている。
【0003】一方、電子写真装置に用いられる帯電手段
としては、従来、ワイヤーに高電圧を印加することによ
り生ずるコロナ放電を利用した帯電手段が一般的であっ
た。しかしながら、近年、印加する電圧が低い、オゾン
の発生が極めて微量であるなどの長所を有していること
から、電子写真感光体に接触配置されたローラ形状やブ
レード形状の帯電部材に電圧を印加することにより該感
光体を帯電する所謂直接帯電手段が実用化されている。
また、この直接帯電手段によってより均一な帯電を行な
う方法として、印加電圧として直流電圧と交流電圧を重
畳した脈流電圧を用いる方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、直接帯
電手段を用いた場合、繰り返し使用するに従って感光体
が摩耗してしまうことがあった。特に帯電部材と感光体
の接触領域の中央部よりも端部において摩耗し易かっ
た。また、この傾向は、印加電圧が直流電圧と交流電圧
を重畳した脈流電圧であるとより著しかった。また、電
子写真装置のプロセススピードをより速くするために、
印加電圧のピーク間電圧をより大きくしたり、周波数を
より高くするとこの傾向は強くなった。更に、電子写真
感光体が有する層が樹脂を含有している場合、その層は
通常浸漬塗布法により形成され、この方法によって形成
された層の塗布時に上端であった部分の層厚は、中央や
下端であった部分の層厚よりも薄くなり易いが、そのよ
うな感光体を使用すると層厚の薄い部分がより摩耗し易
かった。
【0005】摩耗により感光体の導電性支持体上の層厚
が薄くなると、その部分の表面電位は低くなり、正規現
像の場合は画像濃度が低下し、反転現像の場合はカブリ
が生じてしまう。更に摩耗が激しい場合は絶縁破壊が生
じ、スジ状の画像欠陥が生じてしまう。
【0006】本発明の目的は、直接帯電手段を適用して
も端部が摩耗しにくく、優れた画像を得ることのできる
電子写真感光体を提供することにある。
【0007】また、本発明の目的は、上記電子写真感光
体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述のよ
うな問題が電圧を印加する際に感光体に流れる電流のジ
ュール熱に起因するものであると考察し、本発明に至っ
た。即ち、帯電部材を感光体に接触させる際には帯電部
材の中央よりも端部に押圧力がかかり易いため、接触領
域の端部においては接触面積がより大きくなり、より多
くの電流が流れるので摩耗し易く、直流電流よりも交流
電流の方が流れ易いので摩耗し易く、印加電圧のピーク
間電圧が大きい方が電流が流れ易いので摩耗し易く、印
加電圧の周波数が高い方が回路のインピーダンスは小さ
くなり、より大きい電流が流れるので摩耗し易く、層厚
が薄い方がインピーダンスが小さくなり、より大きい電
流が流れるので摩耗し易いと考えたのである。
【0009】本発明は、導電性支持体上に感光層を有す
る電子写真感光体において、該電子写真感光体は該感光
層に接触配置された帯電ローラーに電圧を印加すること
により帯電され、該電子写真感光体が、端部における感
光層と導電性支持体との間に少なくとも一層の高いイン
ピーダンス(Ω・cm)を有する中間層を有し、端部以
外における感光層と導電性支持体との間に高いインピー
ダンス(Ω・cm)を有する中間層の少なくとも一層を
有さず、該電子写真感光体と該帯電ローラーとが接触し
ている領域の端部における電子写真感光体が、該電子写
真感光体と該帯電ローラーとが接触している領域の端部
以外における電子写真感光体よりも高いインピーダンス
(Ω・cm)を有することを特徴とする電子写真感光体
である。
【0010】また、本発明は上記電子写真感光体を有す
るプロセスカートリッジ及び電子写真装置である。
【0011】本発明の電子写真感光体は、電子写真感光
体が、端部における感光層と導電性支持体との間に少な
くとも一層の高いインピーダンス(Ω・cm)を有する
中間層を有し、該端部以外における該感光層と該導電性
支持体との間には該中間層の少なくとも一層を有さな
い。
【0012】つまり、例えば、本願発明の電子写真感光
体が端部に中間層を一層有する場合は中央部には中間層
を有さず(図1)、端部に二層の中間層を有する場合は
中央部には中間層を一層有する(図2)か、中間層を有
さない(不図示)のである。尚、図1及び図2における
1は電子写真感光体であり、2は導電性支持体を示し、
3及び4は中間層を示し、5は感光層を示し、6は帯電
部材を示す。中間層3が高いインピーダンスを有するの
に対し、中間層4は摩耗対策の点からは高いインピーダ
ンスを有することが好ましいが、必ずしも有している必
要はない。なぜなら、感度や残留電位の面からは高いイ
ンピーダンスは不利であるからである。よって、この点
を考慮すれば、本発明の電子写真感光体は端部以外には
高いインピーダンスを有さない方が好ましいといえる。
【0013】本発明は上述の構成により、端部に電流を
流れにくく、即ち感光体を削れにくくすると共に、たと
え削れても層の総厚が中間層の分厚くなるので表面電位
が極端に低くなることもなく、絶縁破壊も生じにくくす
ることができたのである。
【0014】本発明における高いインピーダンスは具体
的には1015Ω・cm以上であることが好ましく、特に
は1016Ω・cm以上であることが好ましい。本発明に
おけるインピーダンスの測定方法は以下の通りである。
【0015】まず、感光体に形成するものと同じ構成を
有する層をアルミニウム板上に設け、その層の表面に金
の蒸着による電極を形成する。次に、常温常湿下でこの
電極に交流電圧(ピーク間電位:2kV、周波数:80
0Hz)を印加し、アルミニウム板に流れる電流の実効
値を測定し、インピーダンスを求める。
【0016】また、本発明における高いインピーダンス
を有する中間層の厚さは1〜100μmであることが好
ましく、特には2〜30μmであることが好ましい。
【0017】また、摩耗が激しく、感光層などが消失し
てしまう可能性も考慮すれば、本発明の高いインピーダ
ンスを有する中間層は、更に高い硬度を有することが好
ましい。具体的には鉛筆硬度で4H以上であることが好
ましい。
【0018】上述のような中間層を形成する材料は、広
範囲な樹脂から選択することができるが、インピーダン
スの点からは誘電率が小さいものが好ましく、硬度の点
からは架橋構造を有する樹脂が好ましい。具体的にはフ
ェノール樹脂、ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂など
が好ましい。
【0019】また、この中間層は、ガラス繊維などのフ
ィラーを含有していてもよい。
【0020】本発明における感光体と帯電部材の接触し
得る領域を図1及び図3を用いて説明する。図3におい
て、7は電子写真感光体であり、8は帯電部材である。
上記接触し得る領域は感光体1及び7と帯電部材6及び
8が接触する感光体上の全ての部分であり、A及びBで
示される領域である。また、その領域の端部とは上記接
触し得る領域内で、かつ画像形成領域Aを含まない部分
であり、Bで示される部分である。本発明の電子写真感
光体は、少なくともこの端部において高いインピーダン
スを有する。また、上記端部の領域内で、かつ接触し得
る領域の末端Cから少なくとも3mmの部分における電
子写真感光体がより高いインピーダンスを有することが
好ましく、特には5mmの部分であることが好ましい。
尚、接触し得る領域外Dにおける電子写真感光体が有す
るインピーダンスは特に制限されない。
【0021】本発明の電子写真感光体の感光層は、電荷
発生物質と電荷輸送物質を同一の層に含有する単一層
型、及び電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送
物質を含有する電荷輸送層を有する積層型に大別され
る。積層型は、更に、導電性支持体、電荷発生層及び電
荷輸送層をこの順に有するタイプと導電性支持体、電荷
輸送層及び電荷発生層をこの順に有するタイプに分けら
れる。本発明においては、積層型、特に電荷発生層の上
に電荷輸送層を積層したタイプであることが好ましい。
【0022】電荷発生層は、電荷発生物質を導電性支持
体上に真空蒸着するか、電荷発生物質を適当な溶剤を用
いてバインダー樹脂中に分散した溶液を、導電性支持体
上に公知の方法によって塗布し、乾燥することによって
形成することができる。膜厚は5μm以下であることが
好ましく、特には0.1〜1μmであることが好まし
い。
【0023】電荷発生物質としては、モノアゾ、ビスア
ゾ及びトリスアゾなどのアゾ系顔料;金属フタロシアニ
ン及び無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔
料;インジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ系顔料;
アントアントロン及びピレンキノンなどの多環キノン系
顔料;ペリレン酸無水物及びペリレン酸イミドなどのペ
リレン系顔料;スクワリリウム系色素;ピリリウム及び
チアピリリウム塩類;及びトリフェニルメタン系色素な
どが挙げられる。
【0024】上記バインダー樹脂は、様々な絶縁性樹脂
或いは有機光導電性ポリマーから選択されるが、ポリビ
ニルブチラール、ポリビニルベンザール、ポリアリレー
ト、ポリカーボネート、ポリエステル、フェノキシ樹
脂、セルロース樹脂、アクリル樹脂及びポリウレタンな
どが好ましい。これらの樹脂は置換基を有してもよく、
置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ
基、ニトロ基、トリフルオロメチル基及びシアノ基など
が好ましい。また、バインダー樹脂の含有量は、電荷発
生層全重量に対し80重量%以下であることが好まし
く、特には40重量%以下であることが好ましい。
【0025】また、上記溶剤は前記の樹脂を溶解し、後
述の電荷輸送層や中間層を溶解しないものから選択する
ことが好ましい。具体的には、テトラヒドロフラン及び
1,4−ジオキサンなどのエーテル類;シクロヘキサノ
ン及びメチルエチルケトンなどのケトン類;N,N−ジ
メチルホルムアミドなどのアミド類;酢酸メチル及び酢
酸エチルなどのエステル類;トルエン、キシレン及びモ
ノクロルベンゼンなどの芳香族炭化水素化合物;メタノ
ール、エタノール及び2−プロパノールなどのアルコー
ル類;及びクロロホルム及び塩化メチレンなどの脂肪族
炭化水素化合物などが挙げられる。
【0026】電荷輸送層は電荷発生層の上または下に積
層され、電界の存在下、電荷発生層から電荷キャリアを
受け取り、これを輸送する機能を有している。電荷輸送
層は、電荷輸送物質を必要に応じて適当なバインダー樹
脂と共に溶剤中に溶解した溶液を塗布し、乾燥すること
によって形成することができる。膜厚は5〜40μmで
あることが好ましく、特には15〜30μmであること
が好ましい。
【0027】電荷輸送物質は電子輸送物質と正孔輸送物
質に大別される。電子輸送物質としては、例えば2,
4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テ
トラニトロフルオレノン、クロラニル及びテトラシアノ
キノジメタンなどの電子吸引性物質やこれら電子吸引性
物質を高分子化したものなどが挙げられ、正孔輸送性物
質としてはピレン及びアントラセンなどの多環芳香族化
合物;カルバゾール、インドール、イミダゾール、オキ
サゾール、チアゾール、オキサジアゾール、ピラゾー
ル、ピラゾリン、チアジアゾール及びトリアゾールなど
の複素環化合物;p−ジエチルアミノベンズアルデヒド
−N,N−ジフェニルヒドラゾン、N,N−ジフェニル
ヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾール
などのヒドラゾン系化合物;α−フェニル−4′−N,
N−ジフェニルアミノスチルベン、5−[4−(ジ−p
−トリルアミノ)ベンジリデン]−5H−ジベンゾ
[a,b]シクロヘプテンなどのスチリル系化合物;ベ
ンジジン系化合物;トリアリールメタン系化合物;トリ
フェニルアミン系化合物;或いは、これらの化合物から
誘導される基を主鎖または側鎖に有するポリマー(例え
ばポリ−N−ビニルカルバゾール及びポリビニルアント
ラセンなど)が挙げられる。これらの有機電荷輸送物質
の他にセレン、セレン−テルル、アモルファスシリコン
及び硫化カドミウムなどの無機材料も用いることができ
る。また、これらの電荷輸送物質は単独で用いても、2
種以上組み合わせて用いてもよい。
【0028】電荷輸送物質が成膜性を有していないとき
には適当なバインダー樹脂を用いることができる。具体
的には、アクリル樹脂、ポリアリレート、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリ
ル−スチレンコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリア
ミド及び塩素化ゴムなどの絶縁性樹脂或いはポリ−N−
ビニルカルバゾール及びポリビニルアントラセンなどの
有機光導電性ポリマーなどが挙げられる。斯かるバイン
ダー樹脂の含有量は、電荷輸送層全重量に対し20〜9
0重量%以下であることが好ましく、特には40〜70
重量%であることが好ましい。
【0029】本発明の別の具体例として、上述のような
電荷発生物質と電荷輸送物質を同一の層に含有する感光
層を有する電子写真感光体を挙げることができる。この
場合、電荷輸送物質としてポリ−N−ビニルカルバゾー
ルとトリニトロフルオレノンからなる電荷移動錯体など
を用いることもできる。この電子写真感光体は、前記電
荷発生物質と電荷輸送物質を適当なバインダー樹脂溶液
中に分散及び溶解した溶液を導電性支持体上に塗布し、
乾燥することによって作成することができる。斯かるバ
インダー樹脂の含有量は、感光層全重量に対し、20〜
90重量%であることが好ましく、特には40〜70重
量%であることが好ましい。膜厚は5〜40μmである
ことが好ましく、特には15〜30μmであることが好
ましい。
【0030】本発明に用いられる導電性支持体の材質と
しては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、銅、
亜鉛、ステンレス、バナジウム、モリブデン、クロム、
チタン、ニッケル、インジウム、金及び白金などが挙げ
られる。また、これらの金属或いは合金を、真空蒸着法
によって被膜形成したプラスチック(例えばポリエチレ
ン、ポリプロピテン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテ
レフタレート及びアクリル樹脂などの支持体や導電性粒
子(例えばカーボンブラック及び銀粒子など)を適当な
バインダー樹脂と共に上記のようなプラスチック、金属
または合金上に被覆した支持体、或いは導電性粒子をプ
ラスチックや紙に含浸した支持体などを用いることがで
きる。形状としては、ドラム状、シート状及びベルト状
などが挙げられるが、適用される電子写真装置に最も適
した形状であることが好ましい。
【0031】本発明においては、導電性支持体と感光層
の間に高いインピーダンスを有する中間層とは別にバリ
ヤー機能と接着機能を有する中間層4を設けることもで
きる。この中間層の膜厚は5μm以下であることが好ま
しく、特には0.1〜3μmであることが好ましい。中
間層の材質としては、カゼイン、ポリビニルアルコー
ル、ニトロセルロース、ポリアミド(ナイロン6、ナイ
ロン66、ナイロン610、共重合ナイロン及びアルコ
キシメチル化ナイロンなど)、ポリウレタン及び酸化ア
ルミニウムなどが挙げられる。
【0032】また、本発明においては、感光層を外部か
らの機械的及び化学的悪影響から保護することなどを目
的として、保護層として樹脂層や、導電性粒子や電荷輸
送物質を含有する樹脂層を感光層上に設けることもでき
る。本明細書では、この保護層も感光層の一部であると
定義する。
【0033】本発明に用いられる帯電部材は、直接帯電
用のものであれば公知のいずれの帯電部材でも良いが
その形状は、図3に示されるようなローラー状であり、
金属や合金などの導電性芯金の周りに、導電性を有する
樹脂や、カーボンブラック、金属及び金属酸化物などを
分散するといった導電処理をした樹脂を成型したり、塗
布後乾燥することによって作成することができる。
【0034】本発明の電子写真感光体は電子写真複写機
に利用するのみならず、レーザービームプリンター、C
RTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、
レーザー製版及びファクシミリなどの電子写真応用分野
にも広く用いることができる。
【0035】図4に本発明の電子写真感光体を有するプ
ロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を
示す。
【0036】図において、9はドラム状の本発明の電子
写真感光体であり、軸10を中心に矢印方向に所定の周
速度で回転駆動される。感光体9は、回転過程におい
て、一次帯電手段11によりその周面に正または負の所
定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレー
ザービーム走査露光などの像露光手段(不図示)からの
画像露光光12を受ける。こうして感光体9の周面に静
電潜像が順次形成されていく。
【0037】形成された静電潜像は、次いで現像手段1
3によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、
不図示の給紙部から感光体9と転写手段14との間に感
光体9の回転と同期取りされて給送された転写材15
に、転写手段14により順次転写されていく。
【0038】像転写を受けた転写材15は、感光体面か
ら分離されて像定着手段16へ導入されて像定着を受け
ることにより複写物(コピー)として装置外へプリント
アウトされる。
【0039】像転写後の感光体9の表面は、クリーニン
グ手段17によって転写残りトナーの除去を受けて清浄
面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光1
8により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用さ
れる。尚、本発明においては一次帯電手段11が帯電ロ
ーラーなどを用いた直接帯電手段であるので、前露光は
必ずしも必要ではない。
【0040】本発明においては、上述の電子写真感光体
9、一次帯電手段11、現像手段13及びクリーニング
手段17などの構成要素のうち、複数のものをプロセス
カートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセ
スカートリッジを複写機やレーザービームプリンターな
どの電子写真装置本体に対して着脱可能に構成しても良
い。例えば、一次帯電手段11、現像手段13及びクリ
ーニング手段17の少なくとも1つを感光体9と共に一
体に支持してカートリッジ化し、装置本体のレール20
などの案内手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセス
カートリッジ19とすることができる。
【0041】また、画像露光光12は、電子写真装置が
複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光
や透過光、或いは、センサーで原稿を読取り、信号化
し、その信号に従って行われるレーザービームの走査、
LEDアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動な
どにより照射される光である。
【0042】一方、ファクシミリのプリンターとして使
用する場合には、画像露光光12は受信データをプリン
トするための露光光になる。図5はこの場合の一例をブ
ロック図で示したものである。
【0043】コントローラー22は画像読取部21とプ
リンター30を制御する。コントローラー22の全体は
CPU28により制御されている。画像読取部21から
の読取データは、送信回路24を通じて相手局に送信さ
れる。相手局から受けたデータは受信回路23を通じて
プリンター30に送られる。画像メモリ27には所定の
画像データが記憶される。プリンターコントローラー2
9はプリンター30を制御している。25は電話であ
る。
【0044】回線26から受信された画像(回線を介し
て接続されたリモート端末からの画像情報)は、受信回
路23で復調された後、CPU28によって画像情報を
複号処理され順次画像メモリ27に格納される。そし
て、少なくとも1ページの画像が画像メモリ27に格納
されると、そのページの画像記録を行う。CPU28
は、画像メモリ27から1ページの画像情報を読み出
し、プリンターコントローラー29に複号化された1ペ
ージの画像情報を送出する。プリンターコントローラー
29は、CPU28からの1ページの画像情報を受け取
ると、そのページの画像情報記録を行うべくプリンター
30を制御する。CPU28は、プリンター30による
記録中に、次のページの受信を行っている。
【0045】
【実施例】このようにして、画像の受信と記録が行なわ
れる。以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明す
る。
【0046】(実施例1)外径30φ、長さ260mm
のアルミニウムシリンダーの両端から20mmまでの領
域に熱硬化性フェノール樹脂を塗布し、硬化させること
により、厚さが2μmの中間層を形成した。この中間層
のインピーダンスを前出の方法で求めたところ、1016
Ω・cmであった。
【0047】次に、下記式で示されるアゾ顔料A及びB
【0048】
【外1】 6g(A:B=1:2)をシクロヘキサノン100gに
ポリビニルブチラール(ブチラール化度63%以上、数
平均重合度2,000)3gを溶解した溶液に加え、サ
ンドミルを用いて48時間分散した。この分散液を上記
シリンダー上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥することによ
って、厚さが0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0049】次いで下記式で示される化合物
【0050】
【外2】 8gとビスフェノールZ型ポリカーボネート(粘度平均
分子量22,000)10gをクロロベンゼン40gと
ジクロルメタン10gの混合溶剤に溶解した溶液を電荷
発生層上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥することによっ
て、厚さが25μmの電荷輸送層を形成した。
【0051】径が6mmのステンレス軸の周囲に、導電
性カーボンを分散して抵抗107 Ωとしたクロロプレン
ゴムを外形12mmになるように成形することにより帯
電部材を作成した。ゴム部分の長さは230mmとし、
感光体の両端から15mmの位置にローラ端部が当接す
るようにした。
【0052】得られた電子写真感光体と帯電部材を、レ
ーザービームプリンター(LBP−NX:キヤノン製)
のプロセスカートリッジに装着し、耐久試験を行った。
尚、この装置の帯電条件は、直流電圧(VDC)に交流電
圧(VAC)を重畳しており、VDCは−700V、VAC
ピーク間電圧VP-P は2000V、VACの周波数は65
0Hzである。また、プリントスピードは16枚/分、
プロセススピードは94mm/秒である。
【0053】耐久試験は、常温・常湿環境(23℃、5
5%)、及び高温・高湿環境(32.5℃、85%)で
ベタ白画像の1枚プリントを12,000回繰り返すこ
とにより行なった。この時の感光体と帯電部材端部の当
接位置の削れに起因する画像不良(カブリ)の発生具合
を調べた。評価は、目視による観察とカブリ率(ΔR)
の測定により行なった。ΔRは、フォトボルト反射率計
を用い、12、000枚目に得られた画像の反射率
(%)の最大値からプリント前の転写紙の反射率(%)
を引いた値(%)とした。尚、ΔRが2.5%を越える
とその画像は実用上問題があると考えられる。
【0054】結果を表1に示す。
【0055】(比較例1)中間層を形成しなかった以外
は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し、評価
した。
【0056】結果を表1に示す。
【0057】(実施例2)実施例1で用いたアルミニウ
ムシリンダーの、両端から20mmを除いた部分に導電
性酸化スズを熱硬化性フェノール樹脂に分散した塗料を
塗布し、硬化することによって、厚さが5μmの導電層
を形成した。この層のインピーダンスは、109 Ω・c
mであった。一方、両端から20mmの部分には熱硬化
性フェノール樹脂のみを塗布し、硬化することによっ
て、厚さが5μmの中間層を形成した・この層のインピ
ーダンスは、1016Ω・cmであった。
【0058】これらの層の上に、実施例1と同様にして
電荷発生層及び電荷輸送層を形成し、得られた電子写真
感光体を実施例1と同様にして評価した。
【0059】結果を表1に示す。
【0060】(実施例3)レーザービームプリンターの
ACの周波数を920Hzとし、プリントスピードを2
0枚/分とし、プロセススピードを120mm/秒とし
た以外は実施例1と同様にして耐久試験を行なった。
【0061】結果を表1に示す。
【0062】(実施例4)ビスフェノールA型エポキシ
樹脂と3級アミンを用い、厚さを5μmとした以外は実
施例1と同様にして中間層を形成した。この層のインピ
ーダンスは1015Ω・cmであった。
【0063】次に、メトキシメチル化ナイロン(数平均
分子量32,000)5gとアルコール可溶性共重合ナ
イロン(数平均分子量29,000)10gをメタノー
ル95gに溶解した溶液を上記シリンダー上に浸漬塗布
法で塗布し、乾燥することによって、厚さが1μmの中
間層を形成した。この層のインピーダンスは1012Ω・
cmであった。
【0064】この層の上に、実施例1と同様にして電荷
発生層及び電荷輸送層を形成し、得られた電子写真感光
体を実施例1と同様にして評価した。
【0065】結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、直接帯
電手段を適用しても端部の摩耗に起因する画像欠陥が生
じにくく、優れた画像を得ることのできる電子写真感光
体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及
び電子写真装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の層構成の例を示す図
である。
【図2】本発明の電子写真感光体の層構成の例を示す図
である。
【図3】本発明の電子写真感光体と帯電部材の相対関係
の例を示す図である。
【図4】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカー
トリッジを有する電子写真装置の概略構成の例を示す図
である。
【図5】本発明の電子写真感光体を有するファクシミリ
のブロック図の例を示す図である。
【符号の説明】
1 本発明の電子写真感光体 2 導電性支持体 3 中間層 4 中間層 5 感光層 6 帯電部材 7 本発明の電子写真感光体 8 帯電部材 9 本発明の電子写真感光体 10 軸 11 一次帯電手段 12 画像露光光 13 現像手段 14 転写手段 15 転写材 16 像定着手段 17 クリーニング手段 18 前露光光 19 プロセスカートリッジ 20 レール 21 画像読取部 22 コントローラー 23 受信回路 24 送信回路 25 電話 26 回線 27 画像メモリ 28 CPU 29 プリンターコントローラー 30 プリンター A 画像形成領域 B 電子写真感光体と帯電部材が接触し得る領域の端部 C 電子写真感光体と帯電部材が接触し得る領域の末端 D 電子写真感光体と帯電部材が接触し得る領域外
フロントページの続き (72)発明者 相野谷 英之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 平野 秀敏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−100673(JP,A) 特開 昭60−220587(JP,A) 特開 平6−3979(JP,A) 実開 平5−15057(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/02 101 G03G 5/14 101 G03G 15/08 501 G03G 21/00 350 G03G 21/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、該電子写真感光体は該感光層に接触
    配置された帯電ローラーに電圧を印加することにより帯
    電され、該電子写真感光体が、端部における感光層と導電性支持
    体との間に少なくとも一層の高いインピーダンス(Ω・
    cm)を有する中間層を有し、端部以外における感光層
    と導電性支持体との間に高いインピーダンス(Ω・c
    m)を有する中間層の少なくとも一層を有さず、 該電子写真感光体と該帯電ローラーとが接触している領
    域の端部における電子写真感光体が、該電子写真感光体
    と該帯電ローラーとが接触している領域の端部以外にお
    ける電子写真感光体よりも高いインピーダンス(Ω・c
    m)を有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 帯電部材に印加される電圧が、直流電圧
    と交流電圧を重畳した脈流電圧である請求項1記載の電
    子写真感光体。
  3. 【請求項3】 高いインピーダンスが1015Ω・cm以
    上である請求項1または2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 高いインピーダンスを有する中間層の厚
    さが1〜100μmである請求項乃至のいずれかに
    記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至のいずれかに記載の電子
    写真感光体、及び帯電手段、現像手段及びクリーニング
    手段からなる群より選ばれる少なくともひとつの手段を
    一体に支持し、電子写真装置本体に着脱可能であること
    を特徴とするプロセスカートリッジ。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至のいずれかに記載の電子
    写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写
    手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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