JP2004093807A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents
電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】支持体への密着性および成膜性に優れた中間層を支持体と感光層との間に介在させることによって欠陥のない良好な画像を形成できる電子写真感光体において、高感度であり、低温低湿下から高温高湿下に至る全環境において安定して優れた電位特性を発揮し、初期の優れた画像を継続して形成し得る電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供する。
【解決手段】中間層がナフタレンイミド構造、イミド構造、アミド酸構造またはアミド酸エステル構造を有し、それらが特定の比率の樹脂を含有する。
【選択図】 なし
【解決手段】中間層がナフタレンイミド構造、イミド構造、アミド酸構造またはアミド酸エステル構造を有し、それらが特定の比率の樹脂を含有する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関し、詳しくは、支持体上に中間層、感光層をこの順に有する電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体は、適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気特性、光学特性および画像欠陥がない高品位な画質を出力する能力が要求され、また、低温低湿から高温高湿のいずれの環境においてもその特性が十分に発揮されるような環境安定性を有していることが要求される。
【0003】
画像欠陥の代表的なものとしては、画像スジ、白地部分の黒点、黒地部分の白点、白地部分の地カブリ、さらには、デジタル複写機やレーザービームプリンターなどの場合のように、レーザーダイオードを光源として画像露光(露光)を行う場合には、支持体の表面形状や感光体の膜厚ムラなどの要因によって発生する干渉縞などが挙げられる。
【0004】
上記画像欠陥を防止する方法として、必要に応じて中間層が用いられる。
【0005】
中間層は、電子写真感光体に電圧を印加したとき、支持体から電荷注入が起こらないように、電気的ブロッキング機能が要求される。これは、支持体から電荷注入があると、帯電能の低下、画像コントラストの低下や反転現像方式の場合は白地に黒点や地カブリの原因になり画質を著しく低下させるからである。
【0006】
一方、中間層の電気的抵抗が高すぎると、感光層で発生した電荷が感光層内部に滞留し、結果として、残留電位の上昇や繰り返し使用による電位変動の原因になる。したがって、電気的ブロッキング機能以外にも、中間層の電気的抵抗値をある程度小さくする必要があり、ブロッキング機能や電気的抵抗特性が低温低湿から高温高湿のいずれの環境下においても大きく変化してはならない。
【0007】
ブロッキング機能および適度な範囲の電気的抵抗特性を有する中間層として、例えば、特開昭46−47344号公報や特開昭52−100240号公報には、有機高分子からなる中間層が開示されており、また、特開昭54−151843号公報や特開平1−118848号公報などには、金属酸化物や金属窒化物を有機高分子中に分散した中間層が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の材料を中間層として用いた電子写真感光体は、温度や湿度の変化に応じて中間層の電気抵抗の変化が大きく、低温低湿下から高温高湿下の全環境において安定して優れた電位特性を有し、優れた画像を形成し得る電子写真感光体を作製することが困難であった。
【0009】
特開平8−234466号公報などには、イミド構造/アミド酸構造を有する共重合体を中間層樹脂として用いる旨が開示されているが、それでもまだ、繰り返し使用時の電気特性の点で不十分であった。
【0010】
本発明の目的は、支持体への密着性および成膜性に優れた中間層を支持体と感光層との間に介在させることによって欠陥のない良好な画像を形成できる電子写真感光体において、高感度であり、低温低湿下から高温高湿下に至る全環境において安定して優れた電位特性を発揮し、初期の優れた画像を継続して形成し得る電子写真感光体を提供することにある。
【0011】
さらに、本発明の目的は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、イミド構造/アミド酸構造を有する共重合体に、ある一定割合以上のナフタレンイミド構造を導入することで、上記目的を達成できることを見いだした。
【0013】
すなわち、本発明は、支持体上に中間層、感光層をこの順に有する電子写真感光体において、該中間層が
下記式(1)で示される繰り返し構造単位と、
下記式(2)で示される繰り返し構造単位と、
下記式(3)で示される繰り返し構造単位および下記式(4)で示される繰り返し構造単位の少なくとも一方と、
下記式(5)で示される繰り返し構造単位および下記式(6)で示される繰り返し構造単位の少なくとも一方と
を有する樹脂を含有し、
下記式(1)で示される繰り返し構造単位の数(n1)と下記式(2)で示される繰り返し構造単位の数(n2)との合計(n1+n2)が、該樹脂の全繰り返し構造単位の総数の80%以上であり、
下記式(2)で示される繰り返し構造単位の数(n2)と下記式(1)で示される繰り返し構造単位の数(n1)の比の値(n2/n1)が、5/100以上20/100以下である
ことを特徴とする電子写真感光体である。
【0014】
【外20】
【0015】
(式(1)中、A11は、2価の有機基を示し、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、または、シアノ基を示す。)
【0016】
【外21】
【0017】
(式(2)中、A21は、2価の有機基を示し、B21は、ナフタレン環以外の4価の有機基を示す。)
【0018】
【外22】
【0019】
【外23】
【0020】
(式(3)、(4)中、A31、A41は、ともに、A11と同一の2価の有機基を示し、R31〜R34は、それぞれ、R11〜R14と同一の基を示し、R41〜R44は、それぞれ、R11〜R14と同一の基を示し、R35、R36は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換または無置換のアルキル基を示し、R45、R46は、それぞれ、R35、R36と同一の基を示す。)
【0021】
【外24】
【0022】
【外25】
【0023】
(式(5)、(6)中、A51、A61は、ともに、A21と同一の2価の有機基を示し、B51、B61は、ともに、B21と同一のナフタレン環以外の4価の有機基を示し、R55、R56は、それぞれ独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基を示し、R65、R66は、それぞれ、R55、R56と同一の基を示す。)
【0024】
また、本発明は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0026】
まず、本発明の電子写真感光体の中間層に使用する上記特定の構造の樹脂について説明する。
【0027】
上記式(1)で示される繰り返し構造単位はイミド構造の中の1種、ナフタレンイミド構造であり、上記式(2)で示される繰り返し構造単位はイミド構造である。上記式(3)で示される繰り返し構造単位および上記式(4)で示される繰り返し構造単位はアミド酸構造、アミド酸エステル構造の中の1種、ナフタレンアミド酸構造、ナフタレンアミド酸エステル構造であり、上記式(5)で示される繰り返し構造単位および上記式(6)で示される繰り返し構造単位はアミド酸構造、アミド酸エステル構造である。なお、−COOR(R:R35、R36、R45、R46、R55、R56、R65、R66)のRが水素原子の場合はアミド酸構造であり、置換または無置換のアルキル基の場合はアミド酸エステル構造である。
【0028】
上記式(1)で示されるナフタレンイミド構造は、高い電子輸送能を有しており、その効果により、負帯電型積層感光体や負帯電型単層感光体の場合、感光層中で発生した電子を本発明の中間層を経由して支持体側に速やかに注入、移動させることができ、その結果として、感光層や中間層の界面またはバルク内における電子の滞留が減少し、繰り返し使用による電位の安定化や環境変動に対する電位の安定化に効果が認められる。
【0029】
なお、繰り返し使用時の電位安定性に関しては、すでに、特許第3083049号に開示されている。
【0030】
上記式(2)で示されるイミド構造は、上記式(1)で示されるナフタレンイミド構造と比較して電子輸送能の点では劣っているが、上記式(1)で示されるナフタレンイミド構造のみを有する樹脂よりも、上記式(1)で示されるナフタレンイミド構造と上記式(2)で示される構造の両方を有する樹脂の方が、繰り返し使用による電位の安定化に一層の効果がある。
【0031】
その理由は明らかではないが、単独では充分な電子輸送能を有していない物質が、他の電子輸送性物質との相互作用で優れた特性を示す事例が過去に報告されており(特開平10−251194号公報、Japan Hardcopy97論文集p.21−24など)、両者が同一分子鎖内に存在することで、その作用が増幅された可能性が考えられる。
【0032】
また、ナフタレンイミド構造以外のイミド構造を有している樹脂の方が、剛直なナフタレンイミド構造のみを有する樹脂よりも、イミド構造中の電子輸送能を有するユニット同士の重なり合いが大きくなっている可能性も予想される。
【0033】
以上のことから、上記式(2)で示される繰り返し構造単位の数(n2)と上記式(1)で示される繰り返し構造単位の数(n1)の比の値(n2/n1)は、5/100以上20/100以下であることが必要であり、10/100以上20/100以下であることがより好ましい。5/100以下では、相互作用を示すための充分な量ではなく、20/100以上では、相互作用による特性の良化よりも、上記式(1)で示されるナフタレンイミド構造の比率が下がることによる電子輸送能低下の影響が大きくなる。
【0034】
また、中間層に使用する上記特定の構造の樹脂における、上記式(1)で示されるナフタレンイミド構造と上記式(2)で示されるイミド構造の合計の存在比率であるが、高速の電子写真プロセスなどの過酷な条件での電位の安定化などを考慮すると、中間層の電子注入や電子輸送能を一層高める必要があるため、電子輸送能を有する上記式(1)で示されるナフタレンイミド構造と上記式(2)で示されるイミド構造の比率を高くしなければならない。
【0035】
具体的には、上記式(1)で示される繰り返し構造単位の数(n1)と上記式(2)で示される繰り返し構造単位の数(n2)との合計(n1+n2)が、上記特定の構造の樹脂の全繰り返し構造単位の総数の80%以上でなければならず、85%以上であることが好ましい。
【0036】
一方、イミド構造の比率が高過ぎると(特に100%イミド構造であると)、電子写真感光体の支持体に一般的に使用されるアルミニウムまたはアルミニウム合金や、導電性金属酸化物を樹脂中に分散した導電層などに対する密着性や、膜の柔軟性が低下する場合があり、特に、中間層の膜厚を厚くしたときには、クラックなどの亀裂が発生する場合がある。また、感度の低下や残留電位の上昇など、電子写真特性の悪化を引き起こす場合もある。
【0037】
これは、100%イミド構造であると、中間層が疎水的で硬い膜を形成することから、積層感光体の場合は電荷発生層と中間層の界面、単層感光体の場合は感光層と中間層の界面での2つの層の接触面積が小さくなり、電荷の注入が阻害されやすくなる結果であると考えられる。
【0038】
本発明の電子写真感光体の中間層に使用する上記特定の構造の樹脂は、上記のとおり、ナフタレンイミド構造以外のイミド構造も有しており、この現象は起こりにくいが、上記問題を回避するために、親水基を有する上記式(3)〜(6)で示されるアミド酸構造、アミド酸エステル構造も併せて有させている。
【0039】
以上のことから、上記式(1)で示される繰り返し構造単位の数(n1)と上記式(2)で示される繰り返し構造単位の数(n2)との合計(n1+n2)は、中間層に使用する上記特定の構造の樹脂の全繰り返し構造単位の総数の95%以下であることが好ましい。
【0040】
また、上記式(2)中のB21は、下記式(7)で示される構造を有する基、下記式(8)で示される構造を有する基または下記式(9)で示される構造を有する基であることが好ましく、その中でも、下記式(7)で示される構造を有する基であることがより好ましい。
【0041】
【外26】
【0042】
【外27】
【0043】
【外28】
【0044】
上記式(7)中、R71は、下記式(71)で示される構造を有する基、下記式(72)で示される構造を有する基、下記式(73)で示される構造を有する基、下記式(74)で示される構造を有する基、または、これらの基を一部に有する2価の基を示し、その中でも、下記式(71)で示される構造を有する基であることが好ましい。
【0045】
【外29】
【0046】
【外30】
【0047】
【外31】
【0048】
【外32】
【0049】
また、上記式(1)中のA11、上記式(2)中のA21は、それぞれ独立に、下記式(10)で示される構造を有する基または下記式(11)で示される構造を有する基であることが好ましく、その中でも、下記式(10)で示される構造を有する基であることがより好ましい。
【0050】
【外33】
【0051】
【外34】
【0052】
上記式(10)中、R101は、下記式(101)で示される構造を有する基、下記式(102)で示される構造を有する基、下記式(103)で示される構造を有する基、下記式(104)で示される構造を有する基、または、これらの基を一部に有する2価の基を示し、その中でも、下記式(101)で示される構造を有する基であることが好ましい。
【0053】
【外35】
【0054】
【外36】
【0055】
【外37】
【0056】
【外38】
【0057】
上記式(1)中のA11(=上記式(3)中のA31、上記式(4)中のA41)と、上記式(2)中のA21(=上記式(5)中のA51、上記式(6)中のA61)が、同じ構造を有する基であれば、後述する上記特定の構造の樹脂の合成の際に、基A(A11、A21)の原料となるジアミンが1種類で済むため、合成の簡便さの観点から好ましく、また、ジアミンを2種類以上使用すると、樹脂の溶解性が上がり過ぎることがあり、すると、中間層の成膜性が低下したり、中間層上に感光層を設けた際に感光層用溶液の溶剤に溶けてしまったりする場合があるため、その観点からも好ましい。
【0058】
以下に、本発明の電子写真感光体の中間層に使用する上記特定の構造の樹脂の好ましい具体例を挙げるが、これらに限られるものではない。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
表1〜4中、※1は、上記式(1)で示される繰り返し構造単位の数(n1)と上記式(2)で示される繰り返し構造単位の数(n2)との合計(n1+n2)が、樹脂の全繰り返し構造単位の総数に占める割合(イミド化率(%))であり、※2は、上記式(2)で示される繰り返し構造単位の数(n2)と下記式(1)で示される繰り返し構造単位の数(n1)の比の値(n2/n1)である。
【0064】
表1〜4に挙げた樹脂の中でも、特に樹脂1〜6、8〜13、15、16、21、24、25が好ましい。
【0065】
また、本発明の電子写真感光体の中間層に使用する上記特定の構造の樹脂の体積抵抗率は、30℃、85%RH環境下において、体積抵抗率は1×1012Ω・cm以上であることが好ましい。体積抵抗率が低下すると、電気的ブロッキング機能が低下して支持体からの電荷注入が起こりやすく、帯電能の低下や画質劣化が引き起こされる場合がある。
【0066】
また、本発明の電子写真感光体の中間層に使用する上記特定の構造の樹脂の数平均分子量は500〜100,000が好ましく、さらには1,000〜50,000がより好ましい。
【0067】
また、本発明においては、電子写真感光体を製造する際に通常行われる乾燥工程の乾燥条件によっては、アミド酸およびアミド酸エステル構造のアミド部分と酸もしくは酸エステル部分が脱水もしくは脱アルコール反応することにより、イミド構造を形成することがある。
【0068】
本発明の電子写真感光体の中間層に使用する上記特定の構造の樹脂は、例えば、ナフタレン環を中心骨格とするナフタレンテトラカルボン酸二無水物、および、ナフタレン環の代わりにB(B:B21、B51、B61)を中心骨格とするテトラカルボン酸二無水物と、ジアミンとの、有機極性溶媒中での開環重付加反応により合成される。
【0069】
また、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物およびBを中心骨格とするテトラカルボン酸二無水物と、あらかじめN−シリル化したジアミンとの、開環重付加反応によっても合成される。
【0070】
他の合成例として、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物およびBを中心骨格とするテトラカルボン酸二無水物をエステル化、塩素化した後、ジアミンとの有機極性溶媒中での重合反応により合成してもよい。特に、エステル化には、ポリアミド酸とアルコールを適当な触媒の存在下でエステル化することにより合成できる。
【0071】
有機極性溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒、クレゾールおよびクロロフェノールなどのフェノール系溶媒、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、あるいは、これらの混合物などが挙げられる。
【0072】
また、樹脂の分子量を制御するために、必要に応じて、触媒などを含有させて反応を行うこともできる。
【0073】
反応温度は、20〜150℃であることが好ましく、特には20〜60℃であることが好ましい。
【0074】
また、イミド構造は、上記ポリアミド酸またはポリアミド酸エステルを熱処理することにより合成できる。
【0075】
処理温度は、50〜250℃であることが好ましく、処理時間は5分〜2時間であることが好ましい。
【0076】
この処理温度や処理時間が、上記式(1)で示される繰り返し構造単位の数(n1)の、上記特定の構造の樹脂の全繰り返し構造単位の総数に占める割合に大きな影響を与える。
【0077】
この割合は、例えば、樹脂粉末や樹脂塗布膜の赤外吸収スペクトルを測定し、ナフチレン基特有のものである1500cm−1付近における吸収の吸光度とイミド基特有のものである1670〜1720cm−1における吸収の吸光度の比を求めることによって得ることができる。または、サンプルの1H−NMRスペクトルを測定し、カルボン酸およびカルボン酸エステル基のプロトンの量を求めることによって得ることができる。
【0078】
次に、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。
【0079】
本発明の電子写真感光体に使用される支持体としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、チタン、ニッケル、インジウム、金および白金などのものが挙げられる。
【0080】
また、こうした金属や合金を、真空蒸着法によって被膜形成したプラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレートおよびアクリル樹脂など)や、導電性粒子(例えば、カーボンブラックおよび銀粒子など)を適当な結着樹脂とともに上記のようなプラスチック、金属または合金支持体上に被覆した支持体、あるいは、導電性粒子をプラスチックや紙に含浸した支持体などを用いることができる。支持体の形状としてはドラム状、シート状およびベルト状などが挙げられるが、適用される電子写真感光体に最も適した形状にすることが好ましい。
【0081】
支持体上には中間層が設けられる。
【0082】
本発明の電子写真感光体の中間層は、1層のみで構成されているものでも、複数の層で構成されていてもよく、上記特定の構造の樹脂以外の樹脂も使用することができる。
【0083】
また、本発明の電子写真感光体の中間層は、必要に応じて、他の樹脂、添加剤および導電性物質などを本発明の効果が得られる範囲の量で含有することができる。
【0084】
本発明の効果が得られるという観点から、上記特定の構造の樹脂は、中間層全質量に対して、80質量%以上であることが好ましい。
【0085】
上記特定の構造の樹脂以外の樹脂としては、ポリアミド、ポリエステルおよびフェノール樹脂などが挙げられる。
【0086】
添加剤としては、2,5,7−トリニトロフルオレノンおよびベンゾキノンなどの電子受容性有機化合物などが挙げられ、また、酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛などの金属酸化物および金属硫化物が挙げられる。
【0087】
本発明の電子写真感光体の中間層の膜厚は、電子写真特性および支持体上の欠陥などを考慮して適宜設定され得るものであるが、0.1〜50μmであることが好ましく、特には0.5〜30μmであることが好ましい。
【0088】
中間層上には感光層が設けられる。
【0089】
本発明の電子写真感光体の感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を同一の層に含有する、いわゆる単層型、および、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する、いわゆる、積層型に大別される。
【0090】
積層型は、さらに、支持体、電荷発生層および電荷輸送層をこの順に有するタイプ(順層型)と、支持体、電荷輸送層および電荷発生層をこの順に有するタイプ(逆層型)に分けられる。
【0091】
本発明においては、積層型、特に順層型が好ましい。
【0092】
電荷発生層は、モノアゾ、ビスアゾおよびトリスアゾなどのアゾ顔料、金属フタロシアニンおよび無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料、インジゴおよびチオインジゴなどのインジゴ顔料、アントアントロンおよびピレンキノンなどの多環キノン顔料、ペリレン酸無水物およびペリレン酸イミドなどのペリレン顔料、スクワリリウム色素、ピリリウムおよびチアピリリウム塩類、およびトリフェニルメタン色素などの電荷発生物質を適当な溶剤を用いて結着樹脂、例えばポリビニルアセタール、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルピロリドンおよびセルロース樹脂などの結着樹脂中に分散させた溶液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
【0093】
電荷発生層の膜厚は、5μm以下であることが好ましく、特には0.05〜2μmであることが好ましい。
【0094】
電荷輸送層は、成膜性を有する結着樹脂の溶液に下記のような電荷輸送物質を溶解した溶液を塗布し、乾燥することによって形成される。
【0095】
電荷輸送物質は、電子輸送物質と正孔輸送物質に大別される。
【0096】
電子輸送物質としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、クロラニルおよびテトラシアノキノジメタンなどの電子受容性物質やこれらを高分子化したものが挙げられる。
【0097】
正孔輸送物質としては、ピレンおよびアントラセンなどの多環芳香族化合物や、カルバゾール、インドール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、ピラゾリン、チアジアゾルおよびトリアゾールなどの複素環化合物や、p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾンおよびN,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾールなどのヒドラゾン化合物や、α−フェニル−4’−N,N−ジアミノスチルベンおよび5−[4−(ジ−p−トリルアミノ)ベンジリデン]−5H−ジベンゾ[a,d]ジシクロヘプテンなどのスチリル化合物や、ベンジジン化合物や、トリアリールアミン化合物や、トリフェニルアミンあるいはこれらの化合物からなる基を主鎖または側鎖に有するポリマー(例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびポリビニルアントラセンなど)が挙げられる。
【0098】
成膜性を有する樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸エステルおよびポリスチレンなどが挙げられる。
【0099】
電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることが好ましい。
【0100】
単層型の感光層の場合には、上述したような電荷発生物質と電荷輸送物質とを結着樹脂中に分散および溶解させた溶液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
【0101】
単層型の感光層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることが好ましい。
【0102】
また、本発明ではポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセンなどの有機光導電性ポリマー層、上述した電荷発生物質の蒸着層、セレン蒸着層、セレン−テルル蒸着層、アモルファスシリコン層なども感光層として用いることができる。
【0103】
さらに、本発明においては、感光層上に感光層を保護することを目的とした保護層として、樹脂層や導電性粒子を含有する樹脂層を積層することもできる。
【0104】
上述した各層の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、ビームコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法およびプレードコーティング法などが挙げられる。
【0105】
図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
【0106】
図1において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)からの露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に静電潜像が順次形成されていく。
【0107】
形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不図示の給紙部から電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期取り出されて給紙された転写材7に、転写手段6により順次転写されていく。
【0108】
像転写を受けた転写材7は、電子写真感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。
像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。
【0109】
帯電手段3は、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器でも良く、ローラ形状、ブレード形状、ブラシ形状など公知の形態が使用される接触型帯電器を用いてもよい。接触型帯電器の部材の材料としては、導電性を付与した弾性体が一般的である。接触帯電部材に印加される電圧としては、直流電圧のみでも良く、直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧でもよい。ここで言う振動電圧とは、時間とともに周期的に電圧値が変化する電圧であり、交流電圧は、直流電圧のみ印加時における電子写真感光体の帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を有することが好ましい。
【0110】
図1のように、帯電手段が帯電ローラーなどの接触帯電手段である場合には、前露光は必ずしも必要ではない。
【0111】
本発明においては、上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。
【0112】
例えば、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9の少なくとも1つを電子写真感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール12などの案内手段を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
【0113】
また、露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、この信号にしたがって行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動および液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。
【0114】
本発明の電子写真感光体は、複写機、レーザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式プリンターなどの電子写真装置一般に適応し得るが、さらに、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版およびファクシミリなどの装置にも幅広く適用し得るものである。
【0115】
【実施例】
以下、実施例にしたがって、本発明をより一層詳細に説明する。
【0116】
なお、「部」は「質量部」を意味する。
【0117】
(実施例1)
アルミニウムシリンダー(外径30mm×長さ357.5mm)上に、樹脂(1)10部を、N,N−ジメチルアセトアミド70部、THF20部に溶解した液を浸漬塗布し、200℃で0.5時間加熱硬化することによって、膜厚が1.0μmの中間層を形成した。
【0118】
樹脂全体に占めるイミド構造の割合(イミド化率)は、赤外吸収スペクトルを測定し、ジフェニルエーテル特有のものである1500cm−1付近の吸収の吸光度と、イミド基特有のものである1240cm−1付近や1670〜1720cm−1における吸収の吸光度の比率から算出した。イミド化率は94%であった。
【0119】
また、中間層の樹脂の体積抵抗率を、微小電流測定装置を用いて、低温低湿環境(10℃、10%RH)および高温高湿環境(30℃、85%RH)で測定した。本実施例の中間層の体積抵抗率は、いずれの環境においても8×1013Ω・cmであった。
【0120】
次に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン4部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BX−1、積水化学工業株式会社製)3部およびシクロヘキサノン40部からなる混合液を、サンドミルで6時間分散した後、テトラヒドロフラン60部を加えて電荷発生層用の分散液を調合し、上記中間層上に浸漬塗布し、さらに110℃で10分間乾燥して膜厚0.1μmの電荷発生層を形成した。
【0121】
次に、下記式で示されるトリアリールアミン化合物50部
【外39】
【0122】
およびビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂50部を、モノクロルベンゼン400部に溶解した溶液を上記電荷発生層上に浸漬塗布し、120℃の雰囲気中で45分間加熱乾燥して膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
【0123】
得られた電子写真感光体を、図1に示す構成の帯電−露光−現像−転写−クリーニングプロセスを有する反転現像方式の複写機(キヤノン製GP−405;露光量可変に改造、0.28μJ/cm2に調整)に装着し、低温低湿(L/L)環境(10℃、10%RH)初期、常温常湿(N/N)環境(25℃、40%RH)初期および低温低湿環境での連続8時間の帯電−露光を繰り返した後での電位(暗部電位VD、明部電位VL)を求めた。
【0124】
なお、電子写真感光体の表面電位の測定は、ドラムカートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(model6000B−8:トレック社製)を装着し、表面電位計(model344:トレック社製)を使用して行った。
【0125】
評価結果を表5に示す。
【0126】
(実施例2)
中間層の加熱硬化条件を160℃で0.5時間にし、中間層に表5に記載の樹脂を使用した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
【0127】
評価結果を表5に示す。
【0128】
(実施例3)
中間層の加熱硬化条件を140℃で0.5時間にし、中間層に表5に記載の樹脂を使用した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
【0129】
評価結果を表5に示す。
【0130】
(実施例4〜16)
中間層に表5に記載の樹脂を使用した以外は、実施例2と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
【0131】
評価結果を表5に示す。
【0132】
(比較例1)
中間層の加熱硬化条件を100℃で15分にし、中間層に表5に記載の樹脂を使用した以外は、実施例2と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
【0133】
評価結果を表5に示す。
【0134】
(比較例2)
下記式で示される繰り返し構造3つを有する樹脂を使用した以外は、実施例2と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
【0135】
評価結果を表5に示す。
【0136】
【外40】
【0137】
【外41】
【0138】
【外42】
【0139】
(比較例3)
中間層を、アルコール可溶性共重合ナイロン(アミランCM−8000、東レ(株)製)5部をメタノール95部に溶解した溶液を用いて形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
【0140】
評価結果を表5に示す。
【0141】
【表5】
【0142】
(実施例17)
実施例1で用いたアルミシリンダー上に酸化スズの被覆層を有する硫酸バリウム微粒子からなる導電性粉体(被覆率50重量%、粉体比抵抗700Ωcm)120部とレゾール型フェノール樹脂(プライオーフェン J−325、大日本インキ化学工業製、固形分70%)70部と、2−メトキシ−1−プロパノール100部とからなる溶液を約20時間、ボールミルで分散した。
【0143】
この分散液を、外径30mm、長さ357.5mmのアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布し、150℃で30分間加熱硬化することにより、厚さ15μmの導電性粉体含有層を形成した。
【0144】
次いで、導電性粉体含有層上に、実施例2と同様にして中間層、電荷発生層および電荷輸送層を設けた。
【0145】
得られた電子写真感光体を、帯電−露光−現像−転写−クリーニングプロセスを有する反転現像方式の複写機(キヤノン製GP−405;一次帯電条件可変に改造)に装着し、高温高湿(H/H)環境(32℃、85%RH)で画像出力を行い、改造前の帯電条件で画像欠陥の有無の評価を行ったが、問題無かった。
【0146】
また、一次帯電電位を−900Vに上げて評価しても、画像に欠陥は確認されなかった。
【0147】
(実施例18)
実施例17と同様に導電性粉体含有層を形成し、中間層の加熱硬化条件を300℃で0.5時間にした以外は、実施例2と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
【0148】
改造前の帯電条件では画像欠陥は認められなかった。
【0149】
また、一次帯電電位を−900Vに上げたところ、黒点状欠陥が認められたものの、実用上問題ないレベル(大きさ0.2mm以下、A3出力用紙内に3個以下)であり、良好な画像であった。
【0150】
また、中間層膜のイミド化率は97%であった。
【0151】
(比較例4)
中間層を、アルコール可溶性共重合ナイロン(アミランCM−8000、東レ(株)製)5部をメタノール95部に溶解した溶液を用いて形成した以外は、実施例17と同様にして電子写真感光体を作製し、評価したところ、改造前の帯電条件でも肉眼で確認可能な黒点状の画像欠陥が生じた。
【0152】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、支持体への密着性および成膜性に優れた中間層を支持体と感光層との間に介在させることによって欠陥のない良好な画像を形成できる電子写真感光体において、高感度であり、低温低湿下から高温高湿下に至る全環境において安定して優れた電位特性を発揮し、初期の優れた画像を継続して形成し得る電子写真感光体を提供することができる。
【0153】
また、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 レール
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関し、詳しくは、支持体上に中間層、感光層をこの順に有する電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体は、適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気特性、光学特性および画像欠陥がない高品位な画質を出力する能力が要求され、また、低温低湿から高温高湿のいずれの環境においてもその特性が十分に発揮されるような環境安定性を有していることが要求される。
【0003】
画像欠陥の代表的なものとしては、画像スジ、白地部分の黒点、黒地部分の白点、白地部分の地カブリ、さらには、デジタル複写機やレーザービームプリンターなどの場合のように、レーザーダイオードを光源として画像露光(露光)を行う場合には、支持体の表面形状や感光体の膜厚ムラなどの要因によって発生する干渉縞などが挙げられる。
【0004】
上記画像欠陥を防止する方法として、必要に応じて中間層が用いられる。
【0005】
中間層は、電子写真感光体に電圧を印加したとき、支持体から電荷注入が起こらないように、電気的ブロッキング機能が要求される。これは、支持体から電荷注入があると、帯電能の低下、画像コントラストの低下や反転現像方式の場合は白地に黒点や地カブリの原因になり画質を著しく低下させるからである。
【0006】
一方、中間層の電気的抵抗が高すぎると、感光層で発生した電荷が感光層内部に滞留し、結果として、残留電位の上昇や繰り返し使用による電位変動の原因になる。したがって、電気的ブロッキング機能以外にも、中間層の電気的抵抗値をある程度小さくする必要があり、ブロッキング機能や電気的抵抗特性が低温低湿から高温高湿のいずれの環境下においても大きく変化してはならない。
【0007】
ブロッキング機能および適度な範囲の電気的抵抗特性を有する中間層として、例えば、特開昭46−47344号公報や特開昭52−100240号公報には、有機高分子からなる中間層が開示されており、また、特開昭54−151843号公報や特開平1−118848号公報などには、金属酸化物や金属窒化物を有機高分子中に分散した中間層が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の材料を中間層として用いた電子写真感光体は、温度や湿度の変化に応じて中間層の電気抵抗の変化が大きく、低温低湿下から高温高湿下の全環境において安定して優れた電位特性を有し、優れた画像を形成し得る電子写真感光体を作製することが困難であった。
【0009】
特開平8−234466号公報などには、イミド構造/アミド酸構造を有する共重合体を中間層樹脂として用いる旨が開示されているが、それでもまだ、繰り返し使用時の電気特性の点で不十分であった。
【0010】
本発明の目的は、支持体への密着性および成膜性に優れた中間層を支持体と感光層との間に介在させることによって欠陥のない良好な画像を形成できる電子写真感光体において、高感度であり、低温低湿下から高温高湿下に至る全環境において安定して優れた電位特性を発揮し、初期の優れた画像を継続して形成し得る電子写真感光体を提供することにある。
【0011】
さらに、本発明の目的は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、イミド構造/アミド酸構造を有する共重合体に、ある一定割合以上のナフタレンイミド構造を導入することで、上記目的を達成できることを見いだした。
【0013】
すなわち、本発明は、支持体上に中間層、感光層をこの順に有する電子写真感光体において、該中間層が
下記式(1)で示される繰り返し構造単位と、
下記式(2)で示される繰り返し構造単位と、
下記式(3)で示される繰り返し構造単位および下記式(4)で示される繰り返し構造単位の少なくとも一方と、
下記式(5)で示される繰り返し構造単位および下記式(6)で示される繰り返し構造単位の少なくとも一方と
を有する樹脂を含有し、
下記式(1)で示される繰り返し構造単位の数(n1)と下記式(2)で示される繰り返し構造単位の数(n2)との合計(n1+n2)が、該樹脂の全繰り返し構造単位の総数の80%以上であり、
下記式(2)で示される繰り返し構造単位の数(n2)と下記式(1)で示される繰り返し構造単位の数(n1)の比の値(n2/n1)が、5/100以上20/100以下である
ことを特徴とする電子写真感光体である。
【0014】
【外20】
【0015】
(式(1)中、A11は、2価の有機基を示し、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、または、シアノ基を示す。)
【0016】
【外21】
【0017】
(式(2)中、A21は、2価の有機基を示し、B21は、ナフタレン環以外の4価の有機基を示す。)
【0018】
【外22】
【0019】
【外23】
【0020】
(式(3)、(4)中、A31、A41は、ともに、A11と同一の2価の有機基を示し、R31〜R34は、それぞれ、R11〜R14と同一の基を示し、R41〜R44は、それぞれ、R11〜R14と同一の基を示し、R35、R36は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換または無置換のアルキル基を示し、R45、R46は、それぞれ、R35、R36と同一の基を示す。)
【0021】
【外24】
【0022】
【外25】
【0023】
(式(5)、(6)中、A51、A61は、ともに、A21と同一の2価の有機基を示し、B51、B61は、ともに、B21と同一のナフタレン環以外の4価の有機基を示し、R55、R56は、それぞれ独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基を示し、R65、R66は、それぞれ、R55、R56と同一の基を示す。)
【0024】
また、本発明は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0026】
まず、本発明の電子写真感光体の中間層に使用する上記特定の構造の樹脂について説明する。
【0027】
上記式(1)で示される繰り返し構造単位はイミド構造の中の1種、ナフタレンイミド構造であり、上記式(2)で示される繰り返し構造単位はイミド構造である。上記式(3)で示される繰り返し構造単位および上記式(4)で示される繰り返し構造単位はアミド酸構造、アミド酸エステル構造の中の1種、ナフタレンアミド酸構造、ナフタレンアミド酸エステル構造であり、上記式(5)で示される繰り返し構造単位および上記式(6)で示される繰り返し構造単位はアミド酸構造、アミド酸エステル構造である。なお、−COOR(R:R35、R36、R45、R46、R55、R56、R65、R66)のRが水素原子の場合はアミド酸構造であり、置換または無置換のアルキル基の場合はアミド酸エステル構造である。
【0028】
上記式(1)で示されるナフタレンイミド構造は、高い電子輸送能を有しており、その効果により、負帯電型積層感光体や負帯電型単層感光体の場合、感光層中で発生した電子を本発明の中間層を経由して支持体側に速やかに注入、移動させることができ、その結果として、感光層や中間層の界面またはバルク内における電子の滞留が減少し、繰り返し使用による電位の安定化や環境変動に対する電位の安定化に効果が認められる。
【0029】
なお、繰り返し使用時の電位安定性に関しては、すでに、特許第3083049号に開示されている。
【0030】
上記式(2)で示されるイミド構造は、上記式(1)で示されるナフタレンイミド構造と比較して電子輸送能の点では劣っているが、上記式(1)で示されるナフタレンイミド構造のみを有する樹脂よりも、上記式(1)で示されるナフタレンイミド構造と上記式(2)で示される構造の両方を有する樹脂の方が、繰り返し使用による電位の安定化に一層の効果がある。
【0031】
その理由は明らかではないが、単独では充分な電子輸送能を有していない物質が、他の電子輸送性物質との相互作用で優れた特性を示す事例が過去に報告されており(特開平10−251194号公報、Japan Hardcopy97論文集p.21−24など)、両者が同一分子鎖内に存在することで、その作用が増幅された可能性が考えられる。
【0032】
また、ナフタレンイミド構造以外のイミド構造を有している樹脂の方が、剛直なナフタレンイミド構造のみを有する樹脂よりも、イミド構造中の電子輸送能を有するユニット同士の重なり合いが大きくなっている可能性も予想される。
【0033】
以上のことから、上記式(2)で示される繰り返し構造単位の数(n2)と上記式(1)で示される繰り返し構造単位の数(n1)の比の値(n2/n1)は、5/100以上20/100以下であることが必要であり、10/100以上20/100以下であることがより好ましい。5/100以下では、相互作用を示すための充分な量ではなく、20/100以上では、相互作用による特性の良化よりも、上記式(1)で示されるナフタレンイミド構造の比率が下がることによる電子輸送能低下の影響が大きくなる。
【0034】
また、中間層に使用する上記特定の構造の樹脂における、上記式(1)で示されるナフタレンイミド構造と上記式(2)で示されるイミド構造の合計の存在比率であるが、高速の電子写真プロセスなどの過酷な条件での電位の安定化などを考慮すると、中間層の電子注入や電子輸送能を一層高める必要があるため、電子輸送能を有する上記式(1)で示されるナフタレンイミド構造と上記式(2)で示されるイミド構造の比率を高くしなければならない。
【0035】
具体的には、上記式(1)で示される繰り返し構造単位の数(n1)と上記式(2)で示される繰り返し構造単位の数(n2)との合計(n1+n2)が、上記特定の構造の樹脂の全繰り返し構造単位の総数の80%以上でなければならず、85%以上であることが好ましい。
【0036】
一方、イミド構造の比率が高過ぎると(特に100%イミド構造であると)、電子写真感光体の支持体に一般的に使用されるアルミニウムまたはアルミニウム合金や、導電性金属酸化物を樹脂中に分散した導電層などに対する密着性や、膜の柔軟性が低下する場合があり、特に、中間層の膜厚を厚くしたときには、クラックなどの亀裂が発生する場合がある。また、感度の低下や残留電位の上昇など、電子写真特性の悪化を引き起こす場合もある。
【0037】
これは、100%イミド構造であると、中間層が疎水的で硬い膜を形成することから、積層感光体の場合は電荷発生層と中間層の界面、単層感光体の場合は感光層と中間層の界面での2つの層の接触面積が小さくなり、電荷の注入が阻害されやすくなる結果であると考えられる。
【0038】
本発明の電子写真感光体の中間層に使用する上記特定の構造の樹脂は、上記のとおり、ナフタレンイミド構造以外のイミド構造も有しており、この現象は起こりにくいが、上記問題を回避するために、親水基を有する上記式(3)〜(6)で示されるアミド酸構造、アミド酸エステル構造も併せて有させている。
【0039】
以上のことから、上記式(1)で示される繰り返し構造単位の数(n1)と上記式(2)で示される繰り返し構造単位の数(n2)との合計(n1+n2)は、中間層に使用する上記特定の構造の樹脂の全繰り返し構造単位の総数の95%以下であることが好ましい。
【0040】
また、上記式(2)中のB21は、下記式(7)で示される構造を有する基、下記式(8)で示される構造を有する基または下記式(9)で示される構造を有する基であることが好ましく、その中でも、下記式(7)で示される構造を有する基であることがより好ましい。
【0041】
【外26】
【0042】
【外27】
【0043】
【外28】
【0044】
上記式(7)中、R71は、下記式(71)で示される構造を有する基、下記式(72)で示される構造を有する基、下記式(73)で示される構造を有する基、下記式(74)で示される構造を有する基、または、これらの基を一部に有する2価の基を示し、その中でも、下記式(71)で示される構造を有する基であることが好ましい。
【0045】
【外29】
【0046】
【外30】
【0047】
【外31】
【0048】
【外32】
【0049】
また、上記式(1)中のA11、上記式(2)中のA21は、それぞれ独立に、下記式(10)で示される構造を有する基または下記式(11)で示される構造を有する基であることが好ましく、その中でも、下記式(10)で示される構造を有する基であることがより好ましい。
【0050】
【外33】
【0051】
【外34】
【0052】
上記式(10)中、R101は、下記式(101)で示される構造を有する基、下記式(102)で示される構造を有する基、下記式(103)で示される構造を有する基、下記式(104)で示される構造を有する基、または、これらの基を一部に有する2価の基を示し、その中でも、下記式(101)で示される構造を有する基であることが好ましい。
【0053】
【外35】
【0054】
【外36】
【0055】
【外37】
【0056】
【外38】
【0057】
上記式(1)中のA11(=上記式(3)中のA31、上記式(4)中のA41)と、上記式(2)中のA21(=上記式(5)中のA51、上記式(6)中のA61)が、同じ構造を有する基であれば、後述する上記特定の構造の樹脂の合成の際に、基A(A11、A21)の原料となるジアミンが1種類で済むため、合成の簡便さの観点から好ましく、また、ジアミンを2種類以上使用すると、樹脂の溶解性が上がり過ぎることがあり、すると、中間層の成膜性が低下したり、中間層上に感光層を設けた際に感光層用溶液の溶剤に溶けてしまったりする場合があるため、その観点からも好ましい。
【0058】
以下に、本発明の電子写真感光体の中間層に使用する上記特定の構造の樹脂の好ましい具体例を挙げるが、これらに限られるものではない。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
表1〜4中、※1は、上記式(1)で示される繰り返し構造単位の数(n1)と上記式(2)で示される繰り返し構造単位の数(n2)との合計(n1+n2)が、樹脂の全繰り返し構造単位の総数に占める割合(イミド化率(%))であり、※2は、上記式(2)で示される繰り返し構造単位の数(n2)と下記式(1)で示される繰り返し構造単位の数(n1)の比の値(n2/n1)である。
【0064】
表1〜4に挙げた樹脂の中でも、特に樹脂1〜6、8〜13、15、16、21、24、25が好ましい。
【0065】
また、本発明の電子写真感光体の中間層に使用する上記特定の構造の樹脂の体積抵抗率は、30℃、85%RH環境下において、体積抵抗率は1×1012Ω・cm以上であることが好ましい。体積抵抗率が低下すると、電気的ブロッキング機能が低下して支持体からの電荷注入が起こりやすく、帯電能の低下や画質劣化が引き起こされる場合がある。
【0066】
また、本発明の電子写真感光体の中間層に使用する上記特定の構造の樹脂の数平均分子量は500〜100,000が好ましく、さらには1,000〜50,000がより好ましい。
【0067】
また、本発明においては、電子写真感光体を製造する際に通常行われる乾燥工程の乾燥条件によっては、アミド酸およびアミド酸エステル構造のアミド部分と酸もしくは酸エステル部分が脱水もしくは脱アルコール反応することにより、イミド構造を形成することがある。
【0068】
本発明の電子写真感光体の中間層に使用する上記特定の構造の樹脂は、例えば、ナフタレン環を中心骨格とするナフタレンテトラカルボン酸二無水物、および、ナフタレン環の代わりにB(B:B21、B51、B61)を中心骨格とするテトラカルボン酸二無水物と、ジアミンとの、有機極性溶媒中での開環重付加反応により合成される。
【0069】
また、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物およびBを中心骨格とするテトラカルボン酸二無水物と、あらかじめN−シリル化したジアミンとの、開環重付加反応によっても合成される。
【0070】
他の合成例として、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物およびBを中心骨格とするテトラカルボン酸二無水物をエステル化、塩素化した後、ジアミンとの有機極性溶媒中での重合反応により合成してもよい。特に、エステル化には、ポリアミド酸とアルコールを適当な触媒の存在下でエステル化することにより合成できる。
【0071】
有機極性溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒、クレゾールおよびクロロフェノールなどのフェノール系溶媒、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、あるいは、これらの混合物などが挙げられる。
【0072】
また、樹脂の分子量を制御するために、必要に応じて、触媒などを含有させて反応を行うこともできる。
【0073】
反応温度は、20〜150℃であることが好ましく、特には20〜60℃であることが好ましい。
【0074】
また、イミド構造は、上記ポリアミド酸またはポリアミド酸エステルを熱処理することにより合成できる。
【0075】
処理温度は、50〜250℃であることが好ましく、処理時間は5分〜2時間であることが好ましい。
【0076】
この処理温度や処理時間が、上記式(1)で示される繰り返し構造単位の数(n1)の、上記特定の構造の樹脂の全繰り返し構造単位の総数に占める割合に大きな影響を与える。
【0077】
この割合は、例えば、樹脂粉末や樹脂塗布膜の赤外吸収スペクトルを測定し、ナフチレン基特有のものである1500cm−1付近における吸収の吸光度とイミド基特有のものである1670〜1720cm−1における吸収の吸光度の比を求めることによって得ることができる。または、サンプルの1H−NMRスペクトルを測定し、カルボン酸およびカルボン酸エステル基のプロトンの量を求めることによって得ることができる。
【0078】
次に、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。
【0079】
本発明の電子写真感光体に使用される支持体としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、チタン、ニッケル、インジウム、金および白金などのものが挙げられる。
【0080】
また、こうした金属や合金を、真空蒸着法によって被膜形成したプラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレートおよびアクリル樹脂など)や、導電性粒子(例えば、カーボンブラックおよび銀粒子など)を適当な結着樹脂とともに上記のようなプラスチック、金属または合金支持体上に被覆した支持体、あるいは、導電性粒子をプラスチックや紙に含浸した支持体などを用いることができる。支持体の形状としてはドラム状、シート状およびベルト状などが挙げられるが、適用される電子写真感光体に最も適した形状にすることが好ましい。
【0081】
支持体上には中間層が設けられる。
【0082】
本発明の電子写真感光体の中間層は、1層のみで構成されているものでも、複数の層で構成されていてもよく、上記特定の構造の樹脂以外の樹脂も使用することができる。
【0083】
また、本発明の電子写真感光体の中間層は、必要に応じて、他の樹脂、添加剤および導電性物質などを本発明の効果が得られる範囲の量で含有することができる。
【0084】
本発明の効果が得られるという観点から、上記特定の構造の樹脂は、中間層全質量に対して、80質量%以上であることが好ましい。
【0085】
上記特定の構造の樹脂以外の樹脂としては、ポリアミド、ポリエステルおよびフェノール樹脂などが挙げられる。
【0086】
添加剤としては、2,5,7−トリニトロフルオレノンおよびベンゾキノンなどの電子受容性有機化合物などが挙げられ、また、酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛などの金属酸化物および金属硫化物が挙げられる。
【0087】
本発明の電子写真感光体の中間層の膜厚は、電子写真特性および支持体上の欠陥などを考慮して適宜設定され得るものであるが、0.1〜50μmであることが好ましく、特には0.5〜30μmであることが好ましい。
【0088】
中間層上には感光層が設けられる。
【0089】
本発明の電子写真感光体の感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を同一の層に含有する、いわゆる単層型、および、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する、いわゆる、積層型に大別される。
【0090】
積層型は、さらに、支持体、電荷発生層および電荷輸送層をこの順に有するタイプ(順層型)と、支持体、電荷輸送層および電荷発生層をこの順に有するタイプ(逆層型)に分けられる。
【0091】
本発明においては、積層型、特に順層型が好ましい。
【0092】
電荷発生層は、モノアゾ、ビスアゾおよびトリスアゾなどのアゾ顔料、金属フタロシアニンおよび無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料、インジゴおよびチオインジゴなどのインジゴ顔料、アントアントロンおよびピレンキノンなどの多環キノン顔料、ペリレン酸無水物およびペリレン酸イミドなどのペリレン顔料、スクワリリウム色素、ピリリウムおよびチアピリリウム塩類、およびトリフェニルメタン色素などの電荷発生物質を適当な溶剤を用いて結着樹脂、例えばポリビニルアセタール、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルピロリドンおよびセルロース樹脂などの結着樹脂中に分散させた溶液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
【0093】
電荷発生層の膜厚は、5μm以下であることが好ましく、特には0.05〜2μmであることが好ましい。
【0094】
電荷輸送層は、成膜性を有する結着樹脂の溶液に下記のような電荷輸送物質を溶解した溶液を塗布し、乾燥することによって形成される。
【0095】
電荷輸送物質は、電子輸送物質と正孔輸送物質に大別される。
【0096】
電子輸送物質としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、クロラニルおよびテトラシアノキノジメタンなどの電子受容性物質やこれらを高分子化したものが挙げられる。
【0097】
正孔輸送物質としては、ピレンおよびアントラセンなどの多環芳香族化合物や、カルバゾール、インドール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、ピラゾリン、チアジアゾルおよびトリアゾールなどの複素環化合物や、p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾンおよびN,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾールなどのヒドラゾン化合物や、α−フェニル−4’−N,N−ジアミノスチルベンおよび5−[4−(ジ−p−トリルアミノ)ベンジリデン]−5H−ジベンゾ[a,d]ジシクロヘプテンなどのスチリル化合物や、ベンジジン化合物や、トリアリールアミン化合物や、トリフェニルアミンあるいはこれらの化合物からなる基を主鎖または側鎖に有するポリマー(例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびポリビニルアントラセンなど)が挙げられる。
【0098】
成膜性を有する樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸エステルおよびポリスチレンなどが挙げられる。
【0099】
電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることが好ましい。
【0100】
単層型の感光層の場合には、上述したような電荷発生物質と電荷輸送物質とを結着樹脂中に分散および溶解させた溶液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
【0101】
単層型の感光層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることが好ましい。
【0102】
また、本発明ではポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセンなどの有機光導電性ポリマー層、上述した電荷発生物質の蒸着層、セレン蒸着層、セレン−テルル蒸着層、アモルファスシリコン層なども感光層として用いることができる。
【0103】
さらに、本発明においては、感光層上に感光層を保護することを目的とした保護層として、樹脂層や導電性粒子を含有する樹脂層を積層することもできる。
【0104】
上述した各層の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、ビームコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法およびプレードコーティング法などが挙げられる。
【0105】
図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
【0106】
図1において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)からの露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に静電潜像が順次形成されていく。
【0107】
形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不図示の給紙部から電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期取り出されて給紙された転写材7に、転写手段6により順次転写されていく。
【0108】
像転写を受けた転写材7は、電子写真感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。
像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。
【0109】
帯電手段3は、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器でも良く、ローラ形状、ブレード形状、ブラシ形状など公知の形態が使用される接触型帯電器を用いてもよい。接触型帯電器の部材の材料としては、導電性を付与した弾性体が一般的である。接触帯電部材に印加される電圧としては、直流電圧のみでも良く、直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧でもよい。ここで言う振動電圧とは、時間とともに周期的に電圧値が変化する電圧であり、交流電圧は、直流電圧のみ印加時における電子写真感光体の帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を有することが好ましい。
【0110】
図1のように、帯電手段が帯電ローラーなどの接触帯電手段である場合には、前露光は必ずしも必要ではない。
【0111】
本発明においては、上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。
【0112】
例えば、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9の少なくとも1つを電子写真感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール12などの案内手段を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
【0113】
また、露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、この信号にしたがって行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動および液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。
【0114】
本発明の電子写真感光体は、複写機、レーザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式プリンターなどの電子写真装置一般に適応し得るが、さらに、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版およびファクシミリなどの装置にも幅広く適用し得るものである。
【0115】
【実施例】
以下、実施例にしたがって、本発明をより一層詳細に説明する。
【0116】
なお、「部」は「質量部」を意味する。
【0117】
(実施例1)
アルミニウムシリンダー(外径30mm×長さ357.5mm)上に、樹脂(1)10部を、N,N−ジメチルアセトアミド70部、THF20部に溶解した液を浸漬塗布し、200℃で0.5時間加熱硬化することによって、膜厚が1.0μmの中間層を形成した。
【0118】
樹脂全体に占めるイミド構造の割合(イミド化率)は、赤外吸収スペクトルを測定し、ジフェニルエーテル特有のものである1500cm−1付近の吸収の吸光度と、イミド基特有のものである1240cm−1付近や1670〜1720cm−1における吸収の吸光度の比率から算出した。イミド化率は94%であった。
【0119】
また、中間層の樹脂の体積抵抗率を、微小電流測定装置を用いて、低温低湿環境(10℃、10%RH)および高温高湿環境(30℃、85%RH)で測定した。本実施例の中間層の体積抵抗率は、いずれの環境においても8×1013Ω・cmであった。
【0120】
次に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン4部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BX−1、積水化学工業株式会社製)3部およびシクロヘキサノン40部からなる混合液を、サンドミルで6時間分散した後、テトラヒドロフラン60部を加えて電荷発生層用の分散液を調合し、上記中間層上に浸漬塗布し、さらに110℃で10分間乾燥して膜厚0.1μmの電荷発生層を形成した。
【0121】
次に、下記式で示されるトリアリールアミン化合物50部
【外39】
【0122】
およびビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂50部を、モノクロルベンゼン400部に溶解した溶液を上記電荷発生層上に浸漬塗布し、120℃の雰囲気中で45分間加熱乾燥して膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
【0123】
得られた電子写真感光体を、図1に示す構成の帯電−露光−現像−転写−クリーニングプロセスを有する反転現像方式の複写機(キヤノン製GP−405;露光量可変に改造、0.28μJ/cm2に調整)に装着し、低温低湿(L/L)環境(10℃、10%RH)初期、常温常湿(N/N)環境(25℃、40%RH)初期および低温低湿環境での連続8時間の帯電−露光を繰り返した後での電位(暗部電位VD、明部電位VL)を求めた。
【0124】
なお、電子写真感光体の表面電位の測定は、ドラムカートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(model6000B−8:トレック社製)を装着し、表面電位計(model344:トレック社製)を使用して行った。
【0125】
評価結果を表5に示す。
【0126】
(実施例2)
中間層の加熱硬化条件を160℃で0.5時間にし、中間層に表5に記載の樹脂を使用した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
【0127】
評価結果を表5に示す。
【0128】
(実施例3)
中間層の加熱硬化条件を140℃で0.5時間にし、中間層に表5に記載の樹脂を使用した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
【0129】
評価結果を表5に示す。
【0130】
(実施例4〜16)
中間層に表5に記載の樹脂を使用した以外は、実施例2と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
【0131】
評価結果を表5に示す。
【0132】
(比較例1)
中間層の加熱硬化条件を100℃で15分にし、中間層に表5に記載の樹脂を使用した以外は、実施例2と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
【0133】
評価結果を表5に示す。
【0134】
(比較例2)
下記式で示される繰り返し構造3つを有する樹脂を使用した以外は、実施例2と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
【0135】
評価結果を表5に示す。
【0136】
【外40】
【0137】
【外41】
【0138】
【外42】
【0139】
(比較例3)
中間層を、アルコール可溶性共重合ナイロン(アミランCM−8000、東レ(株)製)5部をメタノール95部に溶解した溶液を用いて形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
【0140】
評価結果を表5に示す。
【0141】
【表5】
【0142】
(実施例17)
実施例1で用いたアルミシリンダー上に酸化スズの被覆層を有する硫酸バリウム微粒子からなる導電性粉体(被覆率50重量%、粉体比抵抗700Ωcm)120部とレゾール型フェノール樹脂(プライオーフェン J−325、大日本インキ化学工業製、固形分70%)70部と、2−メトキシ−1−プロパノール100部とからなる溶液を約20時間、ボールミルで分散した。
【0143】
この分散液を、外径30mm、長さ357.5mmのアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布し、150℃で30分間加熱硬化することにより、厚さ15μmの導電性粉体含有層を形成した。
【0144】
次いで、導電性粉体含有層上に、実施例2と同様にして中間層、電荷発生層および電荷輸送層を設けた。
【0145】
得られた電子写真感光体を、帯電−露光−現像−転写−クリーニングプロセスを有する反転現像方式の複写機(キヤノン製GP−405;一次帯電条件可変に改造)に装着し、高温高湿(H/H)環境(32℃、85%RH)で画像出力を行い、改造前の帯電条件で画像欠陥の有無の評価を行ったが、問題無かった。
【0146】
また、一次帯電電位を−900Vに上げて評価しても、画像に欠陥は確認されなかった。
【0147】
(実施例18)
実施例17と同様に導電性粉体含有層を形成し、中間層の加熱硬化条件を300℃で0.5時間にした以外は、実施例2と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
【0148】
改造前の帯電条件では画像欠陥は認められなかった。
【0149】
また、一次帯電電位を−900Vに上げたところ、黒点状欠陥が認められたものの、実用上問題ないレベル(大きさ0.2mm以下、A3出力用紙内に3個以下)であり、良好な画像であった。
【0150】
また、中間層膜のイミド化率は97%であった。
【0151】
(比較例4)
中間層を、アルコール可溶性共重合ナイロン(アミランCM−8000、東レ(株)製)5部をメタノール95部に溶解した溶液を用いて形成した以外は、実施例17と同様にして電子写真感光体を作製し、評価したところ、改造前の帯電条件でも肉眼で確認可能な黒点状の画像欠陥が生じた。
【0152】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、支持体への密着性および成膜性に優れた中間層を支持体と感光層との間に介在させることによって欠陥のない良好な画像を形成できる電子写真感光体において、高感度であり、低温低湿下から高温高湿下に至る全環境において安定して優れた電位特性を発揮し、初期の優れた画像を継続して形成し得る電子写真感光体を提供することができる。
【0153】
また、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 レール
Claims (11)
- 支持体上に中間層、感光層をこの順に有する電子写真感光体において、該中間層が
下記式(1)で示される繰り返し構造単位と、
下記式(2)で示される繰り返し構造単位と、
下記式(3)で示される繰り返し構造単位および下記式(4)で示される繰り返し構造単位の少なくとも一方と、
下記式(5)で示される繰り返し構造単位および下記式(6)で示される繰り返し構造単位の少なくとも一方と
を有する樹脂を含有し、
下記式(1)で示される繰り返し構造単位の数(n1)と下記式(2)で示される繰り返し構造単位の数(n2)との合計(n1+n2)が、該樹脂の全繰り返し構造単位の総数の80%以上であり、
下記式(2)で示される繰り返し構造単位の数(n2)と下記式(1)で示される繰り返し構造単位の数(n1)の比の値(n2/n1)が、5/100以上20/100以下である
ことを特徴とする電子写真感光体。
【外1】
(式(1)中、A11は、2価の有機基を示し、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、または、シアノ基を示す。)
【外2】
(式(2)中、A21は、2価の有機基を示し、B21は、ナフタレン環以外の4価の有機基を示す。)
【外3】
【外4】
(式(3)、(4)中、A31、A41は、ともに、A11と同一の2価の有機基を示し、R31〜R34は、それぞれ、R11〜R14と同一の基を示し、R41〜R44は、それぞれ、R11〜R14と同一の基を示し、R35、R36は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換または無置換のアルキル基を示し、R45、R46は、それぞれ、R35、R36と同一の基を示す。)
【外5】
【外6】
(式(5)、(6)中、A51、A61は、ともに、A21と同一の2価の有機基を示し、B51、B61は、ともに、B21と同一のナフタレン環以外の4価の有機基を示し、R55、R56は、それぞれ独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基を示し、R65、R66は、それぞれ、R55、R56と同一の基を示す。) - 前記式(1)で示される繰り返し構造単位の数(n1)と前記式(2)で示される繰り返し構造単位の数(n2)との合計(n1+n2)が、該樹脂の全繰り返し構造単位の総数の85%以上95%以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記式(2)中のB21が前記式(7)で示される構造を有する基である請求項3に記載の電子写真感光体。
- 前記式(2)中のB21が前記式(7)で示される構造を有する基であり、前記式(7)中のR71が前記式(71)で示される構造を有する基である請求項4に記載の電子写真感光体。
- 前記式(1)中のA11、前記式(2)中のA21が、それぞれ独立に、下記式(10)で示される構造を有する基または下記式(11)で示される構造を有する基である請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体。
【外14】
(式(10)中、R101は、下記式(101)で示される構造を有する基、下記式(102)で示される構造を有する基、下記式(103)で示される構造を有する基、下記式(104)で示される構造を有する基、または、これらの基を一部に有する2価の基を示す。
【外15】
【外16】
【外17】
【外18】
【外19】
(式(11)中、R111、R112は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、または、シアノ基を示す。) - 前記式(1)中のA11、前記式(2)中のA21が、それぞれ独立に、前記式(10)で示される構造を有する基である請求項6に記載の電子写真感光体。
- 前記式(1)中のA11、前記式(2)中のA21が前記式(10)で示される構造を有する基であり、前記式(10)中のR101が前記式(101)で示される構造を有する基である請求項7に記載の電子写真感光体。
- 前記樹脂の体積抵抗率が、30℃、80%RH環境下において、1×1012Ω・cm以上である請求項1〜8のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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