JPH11184127A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置

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JPH11184127A
JPH11184127A JP35438197A JP35438197A JPH11184127A JP H11184127 A JPH11184127 A JP H11184127A JP 35438197 A JP35438197 A JP 35438197A JP 35438197 A JP35438197 A JP 35438197A JP H11184127 A JPH11184127 A JP H11184127A
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JP
Japan
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group
resin
electrophotographic
represent
hydrogen atom
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JP35438197A
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English (en)
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Shintetsu Go
信哲 呉
Yoshirou Kashizaki
好郎 樫崎
Kunihiko Sekido
邦彦 関戸
Akihiro Senoo
章弘 妹尾
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Canon Inc
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 全環境下で安定した電位特性、高い感度を有
し、フォトメモリーが少なく、優れた画像を長期間形成
できる電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 導電性支持体上に中間層を介して感光層
を有する電子写真感光体において、該中間層が式(1)
の構成成分を有するポリアミド酸またはポリアミド酸エ
ステル構造、及び式(2)の構成成分を有するポリイミ
ド構造を有する樹脂とシアノエチル基を有する樹脂を含
有する電子写真感光体、及びこの電子写真感光体を有す
るプロセスカートリッジ及び電子写真装置。 (式(1)中、Aは2価の有機基を、R及びR
は、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子などを、R
及びRは、水素原子、アルキル基、アルコキシアル
キル基などを示す。)(式(2)中、Aは2価の有機
基を、R及びRは、水素原子、アルキル基、ハロゲ
ン原子などを示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体、
及び該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及
び電子写真装置に関し、詳しくは特定の樹脂を含有する
中間層を有する電子写真感光体、及び該電子写真感光体
を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体は、通常、導電性支持体
上に感光層を有するが、感光層は一般に非常に薄い層で
あり、傷や付着物といった支持体表面の欠陥により、感
光層の膜厚が不均一になってしまうということがあっ
た。この傾向は、現在の主流である感光層が0.5μm
程度の極めて薄い膜厚を有する電荷発生層と電荷輸送層
を有する、所謂機能分離型の感光層においては特に顕著
である。
【0003】感光層の膜厚が不均一であれば、当然電位
ムラや感度ムラが生じてしまうので、感光層はできる限
り均一に形成する必要がある。
【0004】また、電子写真感光体に求められる重要な
特性として、繰り返し使用の際の明部電位及び暗部電位
の安定性が挙げられる。
【0005】これらの電位が安定していないと、画像濃
度が安定しなかったり、画像にカブリが生じたりしてし
まう。
【0006】そこで、支持体と感光層の間に、支持体表
面の欠陥の被覆、支持体と感光層との接着性の向上、更
には、支持体から感光層へのキャリア注入の防止といっ
た機能を有する中間層を設けることが提案されている。
【0007】従来、この中間層に用いる樹脂としては、
ポリアミド(特開昭48−47344号公報及び特開昭
52−25638号公報)、ポリエステル(特開昭52
−20836号公報及び特開昭54−26738号公
報)、ポリウレタン(特開昭53−89435号公報及
び特開平2−115858号公報)、第4級アンモニウ
ム塩含有アクリル系重合体(特開昭51−126149
号公報)及びカゼイン(特開昭55−103556号公
報)などが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
材料を中間層として用いた電子写真感光体は、温湿度の
変化に応じて中間層の電気抵抗が変化してしまうことか
ら、低温低湿下から高温高湿下の全環境において安定し
て優れた電位特性を有し、優れた画像を形成し得る電子
写真感光体を作成することが困難であった。
【0009】例えば、中間層の電気抵抗が増大し易い低
温低湿下において感光体を繰り返し使用した場合には、
中間層には電荷が残留し易くなり、明部電位及び残留電
位が上昇してしまう。その結果、正規現像ではコピー画
像にカブリを生じたり、反転現像では画像が薄くなった
りして、所定の画質を有する画像が継続的に得られない
という問題があった。
【0010】一方、中間層の電気抵抗が低下し易い高温
高湿下においては、中間層のバリヤー機能が低下し、支
持体からのキャリア注入が増加し易くなり、暗部電位が
低下してしまう。その結果、正規現像では画像が薄くな
ったり、反転現像では画像に黒点状欠陥(黒ポチ)及び
カブリを生じたりする。
【0011】また、中間層を設けることにより、低温低
湿下における電位の安定性及び高温高湿下における画像
上の黒点状欠陥を改善しても、感光体自身の感度の低下
を招くことが多かった。
【0012】従って、本発明の目的は、低温低湿下から
高温高湿下に至る全環境において、安定して優れた電位
特性を発揮すると共に、初期の優れた画像を継続して形
成し得る電子写真感光体を提供することにある。
【0013】また、本発明の目的は、支持体への密着性
及び成膜性に優れた中間層を介在させることによって、
欠陥のない良好な画像を形成し、且つ高感度の電子写真
感光体を提供することにある。
【0014】更に、本発明の目的は、上記電子写真感光
体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提
供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、導電性
支持体上に中間層を介して感光層を有する電子写真感光
体において、該中間層が下記式(1)
【0016】
【化7】 (式中、A1 は2価の有機基を示し、R1 及びR2 は同
一または異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原
子、ハロメチル基、アルコキシ基及びシアノ基を示し、
3 及びR4 は同一または異なって、水素原子、アルキ
ル基、アルコキシアルキル基及びアラルキル基を示
す。)で示される構成成分を有するポリアミド酸または
ポリアミド酸エステル構造、及び下記式(2)
【0017】
【化8】 (式中、A1 は2価の有機基を示し、R1 及びR2 は同
一または異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原
子、ハロメチル基、アルコキシ基及びシアノ基を示
す。)で示される構成成分を有するポリイミド構造を有
する樹脂、あるいは下記式(3)
【0018】
【化9】 (式中、A2 は2価の有機基を示し、R5 及びR6 は同
一または異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原
子、ハロメチル基、アルコキシ基及びシアノ基を示し、
7 及びR8 は同一または異なって、水素原子、アルキ
ル基、アルコキシアルキル基及びアラルキル基を示し、
Xは−O−、
【0019】
【化10】 を示す。)で示される構成成分を有するポリアミド酸ま
たはポリアミド酸エステル構造、及び下記式(4)
【0020】
【化11】 (式中、A2 は2価の有機基を示し、R5 及びR6 は同
一または異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原
子、ハロメチル基、アルコキシ基及びシアノ基を示し、
Xは−O−、
【0021】
【化12】 を示す。)で示される構成成分を有するポリイミド構造
を有する樹脂とシアノエチル基を有する樹脂を含有する
ことを特徴とする電子写真感光体である。
【0022】また、本発明は、上記電子写真感光体を有
するプロセスカートリッジ及び電子写真装置である。
【0023】
【発明の実施の形態】上記式(1)、(2)、(3)及
び(4)中、A1 及びA2 は2価の有機基を示し、有機
基としては脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基あるい
はこれらの結合基を介して結合した基が挙げられる。以
下にA1 及びA2 の好ましい具体例を挙げるがこれらに
限られるものではない。
【0024】
【化13】
【0025】
【化14】
【0026】A1 及びA2 は置換基を有してもよく、置
換基としてはメチル、エチル及びプロピルなどのアルキ
ル基;フッ素、塩素及び臭素などのハロゲン原子;トリ
フルオロメチルなどのハロメチル基;メトキシ、エトキ
シ及びプロポキシなどのアルコキシ基;ジメチルアミノ
及びジエチルアミノなどのアルキルアミノ基;アセチル
及びベンゾイルなどのアシル基;及びシアノ基などが挙
げられる。
【0027】また、式(1)、(2)、(3)及び
(4)中、R1 、R2 、R5 及びR6 は水素原子;メチ
ル、エチル及びプロピルなどのアルキル基;フッ素、塩
素及び臭素などのハロゲン原子;トリフルオロメチル基
などのハロメチル基;メトキシ、エトキシ及びプロポキ
シなどのアルコキシ基;及びシアノ基を示す。R1 、R
2、R5 及びR6 は同一でも異なっていてもよい。
【0028】また、式(1)及び(3)中、R3
4 、R7 及びR8 は水素原子;メチル、エチル及びプ
ロピルなどのアルキル基;メトキシエチルなどのアルコ
キシアルキル基;及びベンジルなどのアラルキル基を示
す。R3 、R4 、R7 及びR8 は同一でも異なっていて
もよい。
【0029】式(1)及び(2)で示される構造を有す
る樹脂あるいは式(3)及び(4)で示される構造を有
する樹脂(以下、本発明の樹脂ともいう)の数平均分子
量は500〜100,000であることが好ましく、特
には10,000〜50,000であることが好まし
い。
【0030】シアノエチル基を有する樹脂としては、シ
アノエチル基を導入した下記式(5)、(6)、(7)
及び(8)のセルロース系、デンプン系及びポリビニル
アルコール系などが挙げられる。
【0031】
【化15】
【0032】式(5)、(6)、(7)及び(8)中、
7 は同一または異なって、シアノエチル基及び水素原
子を示す。ただし、R7 の少なくともひとつはシアノエ
チル基を示す。
【0033】本発明により、優れた環境安定性と高い感
度を有する電子写真感光体を得ることができるが、その
理由は、式(1)または(3)で示される構成成分を有
するポリアミド酸またはポリアミド酸エステル構造が、
導電性支持体からの正孔の注入を阻止し、電荷発生物質
の作用により発生したキャリアの解離と中間層へのエレ
クトロンの注入を円滑にさせると共に、式(2)または
(4)で示される構成成分を有するポリイミド構造が密
なパッキングをとることにより、上記キャリアの解離、
エレクトロンの注入及び移動を円滑にし、水分にも影響
されにくくなったためと考えられる。
【0034】以下に、本発明の樹脂の好ましい具体例を
挙げるが、これらに限られるものではない。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】式(1)及び(3)で示される構成成分を
有するポリアミド酸は、テトラカルボン酸二無水物とジ
アミンとの有機極性溶媒中での開環重付加反応により合
成される。かかる有機極性溶媒としては、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド及び
N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;クレゾール
及びクロロフェノールなどのフェノール系溶媒;ジエチ
レングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶
媒、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。また樹
脂の分子量を制御するために水を5%以下含有させて反
応を行うこともできる。反応温度は、20〜120℃で
あることが好ましく、特には20〜40℃であることが
好ましい。
【0042】また、式(1)及び(3)で示される構成
成分を有するポリアミド酸エステルは、上記ポリアミド
酸とアルコールを適当な触媒の存在下でエステル化する
ことにより合成できる。かかる触媒としては、硫酸や塩
酸などの鉱酸及びp−トルエンスルホン酸などの有機酸
が挙げられる。
【0043】本発明に使用されるシアノエチル基を有す
る樹脂としては、式(5)、(6)、(7)及び(8)
のセルロース系、デンプン系及びポリビニルアルコール
系などがある。これらのシアノエチル基を有する樹脂は
例えばそれぞれの樹脂中に存在する水酸基とアクリロニ
トリルを反応させて合成することができる。
【0044】式(2)及び(4)で示されるポリイミド
は、上記ポリアミド酸またはポリアミド酸エステルを熱
処理することにより合成できる。従って、本発明に使用
される中間層の処理温度は50〜400℃であることが
好ましく、処理時間は5分〜4時間であることが好まし
い。
【0045】また、本発明の中間層は、添加剤及び導電
性物質などを本発明の効果が得られる範囲の量で含有す
ることができる。導電性物質としては、金属粉体(例え
ばアルミニウム、銅、ニッケル及び銀など)、金属短繊
維、カーボンファイバー、導電性粉体〔例えばカーボン
ブラック、チタンブラック、グラファイト、金属酸化物
及び金属硫化物(例えば酸化アンチモン、酸化インジウ
ム、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸カリウ
ム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、硫化亜
鉛、硫化銅、酸化マグネシウム及び酸化アルミニウムな
ど)、及びこれらの金属酸化物や金属硫化物を導電性物
質で表面処理したもの、シランカップリング剤やチタン
カップリング剤で表面処理したもの、及び還元処理した
もの〕などが挙げられる。
【0046】いずれの場合も、本発明の中間層中の本発
明の樹脂の含有量は、含有される中間層全重量に対し、
10〜90重量%であることが好ましく、特には30〜
70重量%であることが好ましい。
【0047】本発明の中間層の厚さは、電子写真特性及
び支持体上の欠陥などを考慮して適宜設定され得るもの
であるが、0.1〜50μmであることが好ましく、特
には0.5〜30μmであることが好ましい。
【0048】本発明の電子写真感光体の感光層は、電荷
発生物質と電荷輸送物質を同一の層に含有する、所謂単
一層型、及び電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷
輸送物質を含有する電荷輸送層を有する、所謂積層型に
大別される。積層型は、更に、導電性支持体、電荷発生
層及び電荷輸送層をこの順に有するタイプと導電性支持
体、電荷輸送層及び電荷発生層をこの順に有するタイプ
に分けられる。本発明においては、積層型、特に電荷発
生層の上に電荷輸送層を積層したタイプであることが好
ましい。
【0049】電荷発生層は、モノアゾ、ビスアゾ及びト
リスアゾなどのアゾ系顔料;金属フタロシアニン及び無
金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料;イン
ジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ系顔料;アントア
ントロン及びピレンキノンなどの多環キノン系顔料;ペ
リレン酸無水物及びペリレン酸イミドなどのペリレン系
顔料;スクワリリウム系色素;ピリリウム及びチアピリ
リウム塩類;及びトリフェニルメタン系色素などの電荷
発生物質を、適当な溶剤を用いてバインダー樹脂、例え
ばポリビニルアセタール、ポリスチレン、ポリエステ
ル、ポリ酢酸ビニル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、
ポリビニルピロリドン及びセルロース系樹脂などの樹脂
中に分散させた溶液を塗布し、乾燥することによって形
成することができる。電荷発生層の膜厚は通常5μm以
下であることが好ましく、特には0.05〜2μmであ
ることが好ましい。
【0050】電荷輸送層は、成膜性を有する樹脂の溶液
に下記のような電荷輸送物質を溶解した溶液を塗布し、
乾燥することによって形成される。電荷輸送物質は電子
輸送物質と正孔輸送物質に大別される。電子輸送物質と
しては、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,
4,5,7−テトラニトロフルオレノン、クロラニル及
びテトラシアノキノジメタンなどの電子受容性物質やこ
れらを高分子化したものが挙げられる。正孔輸送物質と
しては、ピレン及びアントラセンなどの多環芳香族化合
物;カルバゾール、インドール、イミダゾール、オキサ
ゾール、チアゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、
ピラゾリン、チアジアゾル及びトリアゾールなどの複素
環化合物;p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,
N−ジフェニルヒドラゾン及びN,N−ジフェニルヒド
ラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾールなど
のヒドラゾン系化合物;α−フェニル−4′−N,N−
ジアミノスチルベン及び5−〔4−(ジ−p−トリルア
ミノ)ベンジリデン〕−5H−ジベンゾ〔a,d〕ジシ
クロヘプテンなどのスチリル系化合物;ベンジジン系化
合物;トリアリールアミン系化合物;トリフェニルアミ
ンあるいはこれらの化合物からなる基を主鎖または側鎖
に有するポリマー(例えばポリ−N−ビニルカルバゾー
ル及びポリビニルアントラセンなど)が挙げられる。
【0051】成膜性を有する樹脂としては、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸エステル及び
ポリスチレンなどが挙げられる。
【0052】電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmである
ことが好ましく、特には10〜30μmであることが好
ましい。
【0053】単一層型の場合には、前述したような電荷
発生物質と電荷輸送物質とをバインダー樹脂中に分散及
び溶解させた溶液を塗布し、乾燥することによって形成
することができる。
【0054】また、本発明ではポリビニルカルバゾール
及びポリビニルアントラセンなどの有機光導電性ポリマ
ー層、前述した電荷発生物質の蒸着層、セレン蒸着層、
セレン−テルル蒸着層及びアモルファスシリコン層など
も感光層として用いることができる。単一層型の場合、
感光層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特
には10〜30μmであることが好ましい。
【0055】本発明に用いられる導電性支持体として
は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜
鉛、ステンレス、チタン、ニッケル、インジウム、金及
び白金などが挙げられる。また、こうした金属や合金
を、真空蒸着法によって被膜形成したプラスチック(例
えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
ポリエチレンテレフタレート及びアクリル樹脂など)
や、導電性粒子(例えばカーボンブラック及び銀粒子な
ど)を適当なバインダー樹脂と共に上記のようなプラス
チック、金属または合金支持体上に被覆した支持体、あ
るいは導電性粒子をプラスチックや紙に含浸した支持体
などを用いることができる。支持体の形状としてはドラ
ム状、シート状及びベルト状などが挙げられるが、適用
される電子写真感光体に最も適した形状にすることが好
ましい。
【0056】更に、本発明においては、感光層上に保護
層として樹脂層や導電性粒子を含有する樹脂層を積層す
ることもできる。
【0057】上述した各種層の塗布方法としては、浸漬
コーティング法、スプレーコーティング法、ビームコー
ティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコー
ティング法、マイヤーバーコーティング法及びブレード
コーティング法などが挙げられる。
【0058】図1に本発明の電子写真感光体を有するプ
ロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を
示す。
【0059】図において、1はドラム状の本発明の電子
写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速
度で回転駆動される。感光体1は、回転過程において、
一次帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位
の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービ
ーム走査露光等の像露光手段(不図示)からの画像露光
光4を受ける。こうして感光体1の周面に静電潜像が順
次形成されていく。
【0060】形成された静電潜像は、次いで現像手段5
によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不
図示の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体
1の回転と同期取り出されて給紙された転写材7に、転
写手段6により順次転写されていく。
【0061】像転写を受けた転写材7は、感光体面から
分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けるこ
とにより複写物(コピー)として装置外へプリントアウ
トされる。
【0062】像転写後の感光体1の表面は、クリーニン
グ手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面
化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10
により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用され
る。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接
触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではな
い。
【0063】本発明においては、上述の電子写真感光体
1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段
9等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリ
ッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカート
リッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写
真装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。例え
ば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段
9の少なくとも1つを感光体1と共に一体に支持してカ
ートリッジ化して、装置本体のレール12等の案内手段
を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ1
1とすることができる。
【0064】また、画像露光光4は、電子写真装置が複
写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や
透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化
し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、
LEDアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等
により照射される光である。
【0065】本発明の電子写真感光体は電子写真複写機
に利用するのみならず、レーザービームプリンター、C
RTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及
びレーザー製版等電子写真応用分野にも広く用いること
ができる。
【0066】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説
明する。 実施例1 アルミニウム板上に、例示化合物No.3で示されるポ
リアミド酸5部(重量部、以下同様)とシアノエチル化
プルラン(信越化学工業(株)製;CR−S)5部とを
N,N−ジメチルアセトアミド90部に溶解した液をマ
イヤーバーで塗布し、140℃で10分間乾燥すること
によって、膜厚が1μmの中間層を形成した。
【0067】次に、下記式
【0068】
【化16】 で示されるビスアゾ顔料5部にテトラヒドロフラン90
部を加え、サンドミルで20時間分散した。この液にブ
チラール樹脂(BLS、積水化学工業(株)製)2.5
部をテトラヒドロフラン20部に溶かした液を加え、更
に2時間分散した。この分散液にシクロヘキサノン10
0部及びテトラヒドロフラン100部を加えて希釈した
溶液を先に形成した中間層の上にマイヤーバーで塗布
し、乾燥することによって、膜厚が0.2μmの電荷発
生層を形成した。
【0069】次いで、下記式
【0070】
【化17】 で示されるトリアリールアミン5部とポリカーボネート
樹脂(Z−200、三菱瓦斯化学(株)製)5部をモノ
クロルベンゼン40部に溶解した液を電荷発生層の上に
マイヤーバーで塗布し、乾燥することによって、膜厚が
20μmの電荷輸送層を形成した。
【0071】電子写真感光体を、静電複写機試験装置
(Model SP−428、川口電気(株)製)を用
いて−5kVのコロナ放電で負に帯電させ、1秒間暗所
放置した後、ハロゲンランプを用いて照度10 lux
の光で露光し、帯電特性を評価した。帯電特性として
は、表面電位(V0 )、V0 が1/2に減衰するのに必
要な露光量、即ち感度(E1/2)及び前露光後の電
位、即ち残留電位(Vr)を測定した。
【0072】結果を表1に示す。
【0073】実施例2〜6 例示化合物No.3のポリアミド酸とシアノエチル化プ
ルランの代わりに表1に示されるポリアミド酸とシアノ
エチル基を有する樹脂を用いた以外は、実施例1と同様
にして電子写真感光体を作成し、評価した。
【0074】結果を表1に示す。
【0075】実施例7〜9 例示化合物No.3のポリアミド酸とシアノエチル化プ
ルランの代わりに表1に示されるポリアミド酸またはポ
リアミド酸エステルとシアノエチル基を有する樹脂を用
い、中間層の乾燥を150℃で30分間行い、更に25
0℃で2時間熱処理することにより中間層を形成した以
外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し、
評価した。
【0076】結果を表1に示す。
【0077】比較例1 中間層を、アルコール可溶性共重合ナイロン(アミラン
CM−8000、東レ(株)製)5部をメタノール95
部に溶解した溶液を用いて形成した以外は、実施例1と
同様にして電子写真感光体を作成し、評価した。
【0078】結果を表1に示す。
【0079】 *CR−C、CR−V:信越化学工業(株)製
【0080】実施例10 アルミニウム板の代わりにアルミニウムシリンダー(外
径30mm×長さ360mm)を用い、中間層の乾燥を
140℃で30分間行い、中間層の膜厚を2.0μmと
した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作
成した。尚、各層の塗布は浸漬コーティング法により行
った。
【0081】得られた電子写真感光体を、帯電−露光−
現像−転写−クリーニングのプロセスを0.8秒のサイ
クルで行なう正規現像方式の普通紙複写機に装着し、低
温低湿環境(15℃、15%RH)下で連続10,00
0枚の画像出し耐久試験を行った。評価は、初期におけ
る暗部電位(VD )の測定、初期及び耐久試験後におけ
る明部電位(VL )の測定及び得られた画像の目視によ
る評価をすることにより行った。更に、上記と同様にし
て中間層まで作成したものに対し、碁盤目剥離試験(J
IS K5400「塗料一般試験法」記載の方法に準
拠)を行った。
【0082】結果を表2に示す。
【0083】実施例11〜15 実施例2〜6で用いた中間層用溶液を使用した以外は、
実施例10と同様にして電子写真感光体を作成し、評価
した。
【0084】結果を表2示す。
【0085】比較例2 比較例1で用いた中間層用溶液を使用した以外は実施例
10と同様にして電子写真感光体を作成し、評価した。
【0086】結果を表2に示す。
【0087】
【0088】実施例16〜18 実施例7〜9で用いた中間層用溶液を用いた以外は、実
施例10と同様にしてアルミニウムシリンダー上に中間
層を形成した。
【0089】次に、オキシチタニウムフタロシアニン顔
料4部を、ポリビニルブチラール(BX−1、積水化学
工業(株)製)2部をシクロヘキサノン34部に溶解し
た溶液に加え、サンドミルで8時間分散した後、テトラ
ヒドロフラン60部を更に加えて希釈することにより電
荷発生層用溶液を得た。この溶液を中間層上に塗布し、
乾燥することによって、膜厚が0.2μmの電荷発生層
を形成した。
【0090】次いで、実施例1と同様にして電荷発生層
を形成した。
【0091】得られた電子写真感光体を、帯電−露光−
現像−転写−クリーニングのプロセスを6秒のサイクル
で行う反転現像方式のレーザービームプリンターに装着
し、高温高湿環境(30℃、85%RH)下で連続5,
000枚の画像出し耐久試験を行った。評価は、初期に
おける暗部電位(VD )の測定、初期及び耐久試験後に
おける明部電位(VL )の測定を行った。表には電位変
動の差(ΔVD 、ΔV L )を示す。絶対値の増加を+、
減少を−で示す。また、初期の画像評価の結果を合せて
表に示す。
【0092】結果を3表に示す。
【0093】比較例3 比較例2と同様にしてアルミニウムシリンダー上に中間
層を形成した以外は、実施例16と同様に電子写真感光
体を作成し、評価した。
【0094】結果を3表に示す。
【0095】
【0096】実施例19〜21 実施例16〜18で作成した電子写真感光体を蛍光灯
(FVL18型白色ランプ、松下電器(株)製)を用
い、部分的に(非光照度部は遮光)照度1500lux
で5分間光照射し、室温で5分間放置した後、レーザー
ビームプリンタ(LBP−SX、キャノン(株)製)で
明部電位における非光照射部と光照射部の電位差を測定
した。
【0097】 (フォトメモリー=|非光照射部−光照射部の電位|) 上記の結果を表4に示す。
【0098】比較例4 実施例1で用いた中間層中、例示化合物No.3で示さ
れるポリアミド酸5部のみをN,N−ジメチルアセトア
ミド95部に溶解した液を用いた以外は、上記実施例と
同様にして感光体を作成し、評価した。
【0099】比較例5、6 例示化合物No.4、5を用いた以外は比較例4と同様
にして感光体を作成し、評価した。
【0100】結果を表4に示す。
【0101】
【0102】この結果から明らかなように、実施例19
〜21の電子写真感光体では比較例4〜6と比べてフォ
トメモリーがかなり低減される。
【0103】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、低温低湿
から高温高湿に至る全環境において、安定して高い感度
と優れた電位特性を有し、繰り返し使用しても優れた画
像を継続して形成し得る電子写真感光体を提供すること
ができる。
【0104】また、本発明の中間層を用いることによっ
て、フォトメモリーに対して良好な特性の電子写真感光
体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカー
トリッジを有する電子写真装置の概略構成の例を示す図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 妹尾 章弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に中間層を介して感光層
    を有する電子写真感光体において、該中間層が下記式
    (1) 【化1】 (式中、A1 は2価の有機基を示し、R1 及びR2 は同
    一または異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原
    子、ハロメチル基、アルコキシ基及びシアノ基を示し、
    3 及びR4 は同一または異なって、水素原子、アルキ
    ル基、アルコキシアルキル基及びアラルキル基を示
    す。)で示される構成成分を有するポリアミド酸または
    ポリアミド酸エステル構造、及び下記式(2) 【化2】 (式中、A1 は2価の有機基を示し、R1 及びR2 は同
    一または異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原
    子、ハロメチル基、アルコキシ基及びシアノ基を示
    す。)で示される構成成分を有するポリイミド構造を有
    する樹脂、あるいは下記式(3) 【化3】 (式中、A2 は2価の有機基を示し、R5 及びR6 は同
    一または異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原
    子、ハロメチル基、アルコキシ基及びシアノ基を示し、
    7 及びR8 は同一または異なって、水素原子、アルキ
    ル基、アルコキシアルキル基及びアラルキル基を示し、
    Xは−O−、 【化4】 を示す。)で示される構成成分を有するポリアミド酸ま
    たはポリアミド酸エステル構造、及び下記式(4) 【化5】 (式中、A2 は2価の有機基を示し、R5 及びR6 は同
    一または異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原
    子、ハロメチル基、アルコキシ基及びシアノ基を示し、
    Xは−O−、 【化6】 を示す。)で示される構成成分を有するポリイミド構造
    を有する樹脂とシアノエチル基を有する樹脂を含有する
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子写真感光体、及び
    帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群よ
    り選択される少なくともひとつの手段を一体に支持し、
    かつ電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とす
    る装置ユニット。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の電子写真感光体、静電
    潜像を形成する手段、形成された静電潜像を現像する手
    段及び現像した像を転写材に転写する手段を有すること
    を特徴とする電子写真装置。
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US7270924B2 (en) 2003-03-19 2007-09-18 Ricoh Company Limited Electrophotographic photoreceptor, method for manufacturing the electrophotographic photoreceptor, and image forming apparatus and process cartridge using the electrophotographic photoreceptor
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