JP2008175980A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008175980A JP2008175980A JP2007008287A JP2007008287A JP2008175980A JP 2008175980 A JP2008175980 A JP 2008175980A JP 2007008287 A JP2007008287 A JP 2007008287A JP 2007008287 A JP2007008287 A JP 2007008287A JP 2008175980 A JP2008175980 A JP 2008175980A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- photosensitive member
- electrophotographic photosensitive
- resin
- electrophotographic
- polycarbonate polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
Abstract
【課題】 電子写真特性や耐久性を損なう事なく、電子写真感光体表面の潤滑性を大幅に向上させる事で、ブレード反転やブレード鳴き等のクリーニングに関与する課題を解決し、且、ソルベントクラック性が良好でしかも製造が容易な電子写真感光体、及び該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供する。
【解決手段】 支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体が、シロキサンユニットを有する特定なポリカーボネート重合体を含有し、前記ポリカーボネート重合体はヘキサンを溶媒とするソックスレー抽出装置を用いて、6時間抽出した時に抽出される成分の割合が10.0質量%以上30.0質量%以下であるポリカーボネート重合体である事を特徴とする電子写真感光体、及び該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ並びに電子写真装置が前述の課題を解決するものであることを見いだした。
【選択図】 図1
【解決手段】 支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体が、シロキサンユニットを有する特定なポリカーボネート重合体を含有し、前記ポリカーボネート重合体はヘキサンを溶媒とするソックスレー抽出装置を用いて、6時間抽出した時に抽出される成分の割合が10.0質量%以上30.0質量%以下であるポリカーボネート重合体である事を特徴とする電子写真感光体、及び該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ並びに電子写真装置が前述の課題を解決するものであることを見いだした。
【選択図】 図1
Description
本発明は電子写真感光体、及び該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しくは特定の化合物を含有する表面層を有する電子写真感光体、及び該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ並びに電子写真装置に関するものである。
電子写真感光体には適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気的特性、機械的特性、更には光学的特性を備えていることが要求される。特に繰り返し使用される電子写真感光体の表面には帯電、露光、現像、転写及びクリーニング等の電気的、機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。
具体的には帯電時に発生するオゾンや窒素酸化物による劣化や、放電やクリーニングによる表面の摩耗や傷といった電気的及び機械的劣化に対する耐久性が求められている。中でも、比較的低い硬度を有するものが多い有機系の感光体の耐久性を向上させるための重要な要因として、感光体表面の潤滑性と用いる樹脂の強度が挙げられる。
潤滑性の向上については、シリコーンオイルやフッ素系のオイルを添加したりポリカーボネートの主鎖にシロキサン鎖を共重合させる方法や(例えば特許文献1〜3)、ビスフェノールAの中心部の(CH3 )2 −C=部分を(CF3 )2 −C=に変更したポリカーボネート樹脂を表面層のバインダーに用いる方法が提案されている。(例えば特許文献4)
しかし、従来方法で潤滑性等を改善しようとすると、その量比により差は生じるものの、樹脂本来の機械的強度が低下してしまい、耐久性が不十分である場合があった。また、ポリジメチルシロキサンを初めとするシリコーンオイルを添加すると、所要の潤滑性を得る為の添加量では、残留電位が著しく増加し易く、電荷輸送層の被膜が白濁し、被膜の光学的特性の面からも、画質が低下し、感度低下による濃度薄やゴースト等のメモリー画像が発生するなどの問題点があった。
しかし、従来方法で潤滑性等を改善しようとすると、その量比により差は生じるものの、樹脂本来の機械的強度が低下してしまい、耐久性が不十分である場合があった。また、ポリジメチルシロキサンを初めとするシリコーンオイルを添加すると、所要の潤滑性を得る為の添加量では、残留電位が著しく増加し易く、電荷輸送層の被膜が白濁し、被膜の光学的特性の面からも、画質が低下し、感度低下による濃度薄やゴースト等のメモリー画像が発生するなどの問題点があった。
更に、近年画質向上のために、トナーの小径化が進んでいる。トナーの粒径の小径化が進むにつれ、トナーと感光ドラムの表面との接触面積が大きくなる。これにより、単位質量当たりのトナーの感光ドラム表面への付着力が大きくなるため、感光ドラムの表面のクリーニング性が低下する。
このため、トナーのすり抜けを防止するため、クリーニングブレードの当接圧を増加させてすり抜けを抑制する必要がある。しかし、特に、使用前の感光体は、表面が非常に均一であるためクリーニングブレードとの密着性が高い。使用を開始した後は、表面が削れて粗面化されること、あるいはトナーや摩耗粉が存在すること等により、感光体表面とクリーニングブレードの潤滑性がやや改善されるので、使用初期の潤滑性を極めて高くしておかないと、ブレード反転やブレード鳴き等のトラブルが発生し易い構成になっている。特に、高湿環境では摩擦係数が高くなるのでこの問題は顕著である。
特開平5−72753号公報
特開平6−136108号公報
特開2001-255675号公報
特開昭63−65444号公報
本発明の目的は、電子写真特性や耐久性を損なう事なく、少量の添加量で電子写真感光体表面の潤滑性を著しく向上させることで、ブレード反転やブレード鳴きというクリーニングに関与する課題を解決し、且、耐ソルベントクラック性が良好でしかも製造が容易な電子写真感光体、及び該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体が、式(1)で示される繰り返し構造単位及び、式(2)で示される繰り返し単位を有し、かつ末端の一方または両方の構造が式(3)であるポリカーボネート重合体を含有し、前記ポリカーボネート重合体はヘキサンを溶媒とするソックスレー抽出装置を用いて、6時間抽出した時に抽出される成分の割合が10.0質量%以上30.0質量%以下であるポリカーボネート重合体である事を特徴とする電子写真感光体、及び該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ並びに電子写真装置が前述の課題を解決するものであることを見いだした。
(式中、Xは単結合、−O−、−S−及び置換もしくは無置換のアルキリデン基を示し、R1〜R8は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、置換もしくは無置換のアルキル基及び置換もしくは無置換のアリール基を示す。)
(式中、R9及びR10は水素原子、アルキル基又はアリール基、R11〜R14は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基又はアリール基を示す。aは1〜30、mは1〜500正の整数を示す。)
(式中、R15及びR16は水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、置換基を有してもよいアルキル基又はアリール基を示す。R17及びR18は水素原子、アルキル基又はアリール基を示す。R19〜R23は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基又はアリール基を示す。bは1〜30、nは1〜500の正の整数を示す。)
本発明によれば、残留電位が小さく、感度が良好で、電位変動が少なく、ゴーストの発生が抑制されるという良好な電子写真特性を示し、耐久性を損なうこともない。更に、耐久を通じて高画質を提供できる。また、電子写真感光体表面の潤滑性を大幅に向上させる事ができるので、クリーニングブレードに潤滑剤を塗布しなくても、ブレード反転やブレード鳴きの如きクリーニングに関与する課題を解決できる。加えて、耐ソルベントクラック性が良好でしかも製造が容易な電子写真感光体、及び該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することが可能となる。
本発明の電子写真感光体は、上述の通り、支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体が、式(1)で示される繰り返し構造単位及び、式(2)で示される繰り返し単位を有し、かつ末端の一方または両方の構造が式(3)であるポリカーボネート重合体を含有し、前記ポリカーボネート重合体はヘキサンを溶媒とするソックスレー抽出装置を用いて、6時間抽出した時に抽出される成分の割合が10.0質量%以上30.0質量%以下であるポリカーボネート重合体である事を特徴とする。
(式中、Xは単結合、−O−、−S−及び置換もしくは無置換のアルキリデン基を示し、R1〜R8は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、置換もしくは無置換のアルキル基及び置換もしくは無置換のアリール基を示す。)
(式中、R9及びR10は水素原子、アルキル基又はアリール基、R11〜R14は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基又はアリール基を示す。aは1〜30、mは1〜500正の整数を示す。)
(式中、R15及びR16は水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、置換基を有してもよいアルキル基又はアリール基を示す。R17及びR18は水素原子、アルキル基又はアリール基を示す。R19〜R23は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基又はアリール基を示す。bは1〜30、nは1〜500の正の整数を示す。)
まず、上述のソックスレーにより抽出される成分を含有するポリカーボネート重合体を電子写真感光体に用いると、極めて高い潤滑性を示し、また、耐ソルベントクラック性及び、良好な電子写真特性を有する理由について説明する。
まず、上述のソックスレーにより抽出される成分を含有するポリカーボネート重合体を電子写真感光体に用いると、極めて高い潤滑性を示し、また、耐ソルベントクラック性及び、良好な電子写真特性を有する理由について説明する。
本発明のポリカーボネート重合体はポリカーボネート樹脂の一方または両方の末端にポリシロキサン部位を有し、かつポリカーボネート樹脂の主鎖にもシロキサン部位が重合された構造であり、前記ポリカーボネート重合体はヘキサンを溶媒とするソックスレー抽出装置を用いて、6時間抽出した時に抽出される成分の割合が10.0質量%以上30.0%質量以下であるポリカーボネート重合体である。
その理由としては明確には解明されていないが、末端にポリシロキサン部位を有する事で、シロキサン部分の自由度が増加し、特にオリゴマー成分がより表面に局所的に集中する為に、非常高い初期潤滑性を示すものと思われる。
この時、ソックスレー抽出装置を用いて、ヘキサンを溶媒として6時間抽出した時に抽出される成分の割合が10.0質量%以上30.0質量%以下である時、極めて高い初期滑り性と良好な耐久による電子写真特性が両立する。これより少ないと電子写真特性は良好であるが、初期の滑り性は前記範囲のものに比べ若干下がる。逆に、この範囲よりも多いと表面層に添加する量にもよるが、耐久による電位の低下等の悪影響が見られる場合がある。また、抽出される成分のGPCによる重量平均分子量(Mw)は5000〜15000である事が好ましい。これよりもMwが小さいと表面層に添加する量にもよるが、耐久による電位の低下が見られる場合がある。逆にこれよりもMwが大きいと極めて高い滑り性の発現は得られ難くなる場合がある。
また、シロキサン鎖が長い方が、潤滑性向上に有効に作用し、式(2)、(3)の繰り返し単位n=10以上の時、特に高い潤滑性を示す。
この場合、電子写真感光体表面の純水に対する接触角は100°以上と高くなる。これは、使用初期に最も発生し易いブレード反転やブレード鳴きというトラブルの回避に効果的に働き、特に、最も厳しい高湿環境でも効果を発揮し効果的に作用する。クリーニングブレードには、初期のブレードめくれ防止の為に、トナーの他に、フッ化カーボン,酸化セリウム,酸化チタン,シリカ,トスパール(登録商標)の如き無機微粒子をブレードエッジ部に塗布して感光体との潤滑性を高め、初期のブレード反転を防止する事が一般的である。本発明のポリカーボネート重合体を含有する感光体は初期の滑り性が極めて高い為、ブレードに潤滑剤を塗布しなくても、ゴムブレードの反転やブレード鳴きが発生せず、初期から、良好なクリーニング性が得られる。
また、本発明のポリカーボネート重合体はシロキサン基が主鎖にも存在する事で、共重合体自体がキャスト膜になった場合のひずみである内部応力を緩和する効果がある。これは、仮にある程度ソルベントクラックを発生させる物質が電子写真感光体内部に浸透してもソルベントクラックが起こりにくくなるのではないかと推測される。
本発明におけるポリシロキサン基としては、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン又は、ポリアルキルアリールシロキサンより誘導されたものである。具体的にはポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンが挙げられる。これらは2種類以上併用しても良い。ポリシロキサン基の長さは、式(2)、(3)中の平均繰り返し単位であるm及びnで表され、m及びnが1〜500であり、好適には10〜100である。十分なシロキサンの潤滑性を得るためにはある程度、m及びnが大きい方がよいがm及びnが500を越えるようなものでは、不飽和基を有する一官能性フェニル化合物の反応性が劣る。
以下に、式(1)に示されるビスフェノール及び、式(2)、(3)で示されるシロキサン化合物の好ましい具体例を示すが、これらに限られるものではない。
(式(1)で示されるビスフェノール)
(式(2)で示されるシロキサン化合物)
mは1〜500の正の整数を示す。
(式(3)で示されるシロキサン化合物)
nは1〜500の正の整数を示す。
本発明のポリカーボネート重合体中におけるポリシロキサン部位の質量は10.0質量%以上60.0質量%以下が好ましい。含有量がこれよりも少ないと電荷輸送層に添加する割合を増やさないと高い潤滑性を発揮し難くなり、耐久性との両立が難しい場合がある。逆に、含有量がこれよりも多いと、製造が難しく、液透明性や電子写真特性成に支障が生じる場合がある。ここでの質量構成比率とは、一般式(2)、(3)で示されるシロキサン構造単位から構成された部分の全質量が、重合体全体の質量に対してどれだけの割合を占めているかを、質量%で示したものである。
次に、本発明のポリカーボネート重合体の合成例を以下に示す。
(合成例1)
10%水酸化ナトリウム水溶液500ml部に、(1−13)で示されるビスフェノール120gを加えて溶解した。この溶液にジクロロメタン300mlを加え攪拌し、溶液温度を10〜15℃に保ちながら、ホスゲン100gを1時間かけて吹き込んだ。ホスゲンを約70%吹き込んだところで(2−1)で示される平均繰り返し単位m=20のシロキサン化合物10gと(3−1)で示される平均繰り返し単位n=20のシロキサン化合物20gを溶液に加えた。ホスゲンの導入が終了後、激しく攪拌して反応液を乳化させ、0.2mlのトリエチルアミンを加え、1時間攪拌した。その後ジクロロメタン相をリン酸で中和し、更にpH7程度になるまで水洗を繰り返した。続いてこの液相をイソプロパノールに滴下し、沈殿物をろ過、乾燥することによって、白色粉状の重合体(本発明に係るポリカーボネート重合体)を得た。
10%水酸化ナトリウム水溶液500ml部に、(1−13)で示されるビスフェノール120gを加えて溶解した。この溶液にジクロロメタン300mlを加え攪拌し、溶液温度を10〜15℃に保ちながら、ホスゲン100gを1時間かけて吹き込んだ。ホスゲンを約70%吹き込んだところで(2−1)で示される平均繰り返し単位m=20のシロキサン化合物10gと(3−1)で示される平均繰り返し単位n=20のシロキサン化合物20gを溶液に加えた。ホスゲンの導入が終了後、激しく攪拌して反応液を乳化させ、0.2mlのトリエチルアミンを加え、1時間攪拌した。その後ジクロロメタン相をリン酸で中和し、更にpH7程度になるまで水洗を繰り返した。続いてこの液相をイソプロパノールに滴下し、沈殿物をろ過、乾燥することによって、白色粉状の重合体(本発明に係るポリカーボネート重合体)を得た。
得られた重合体を赤外線吸収スペクトル(IR)で分析したところ、1750cm-1にカルボニル基による吸収、1240cm-1にエーテル結合による吸収及びカーボネート結合が確認された。また、3650〜3200cm-1の吸収はほとんどなく、水酸基は認められなかった。吸光光度法による残存フェノール性OH量は112ppmであった。更に、1100〜1000cm-1のシロキサンに起因するピークも確認された。また得られたポリカーボネート重合体において、1H−NMR測定を行い、重合体を構成している水素原子のピーク面積比を換算することで、共重合比を確認したところ、式(2-1)から形成されたシロキサン部位と式(3-1)から形成されたシロキサン部位が約1:2であり、平均繰り返し単位の平均はおよそm:n=20:20である事を確認した。また、粘度平均分子量(Mv)は約26000、20℃における極限粘度は0.46dl/gであり、シロキサン部位の質量構成比率は約20.0%である。
このポリカーボネート重合体はポリカーボネートユニットの両方の末端にポリシロキサン部位を有し、かつポリカーボネートユニットの主鎖にもシロキサン部位が重合された構造である。このようにして得られたポリカーボネート重合体をソックスレー抽出装置を用いてヘキサンにて6時間抽出したところ、抽出量は12.3質量%であった。抽出物をGPCにより分析したところ、重量平均分子量Mw=12100であった。この抽出物を赤外線吸収スペクトル(IR)で分析したところ、シロキサンとポリカーボネートに特有の吸収ピークが見られた。また、GPCによる抽出物残渣はMw=48000であった。これらより、本発明のポリカーボネート重合体はシロキサン構造とポリカーボネート構造を有するオリゴマー成分を含有することが確認された。
<ヘキサンを溶媒とするソックスレー抽出成分の定量>
本発明のポリカーボネート重合体16.0g秤量し(W1g)、円筒濾紙(例えば、東洋濾紙社製No.86R)に入れ入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒として300mlのn-ヘキサンを用いて6時間抽出し、ヘキサンによって抽出された可溶成分をエバポレートした後、100℃で24時間真空乾燥し、ヘキサン可溶成分量を秤量(W2g)として、ヘキサン抽出量を下記式から求めた。
本発明のポリカーボネート重合体16.0g秤量し(W1g)、円筒濾紙(例えば、東洋濾紙社製No.86R)に入れ入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒として300mlのn-ヘキサンを用いて6時間抽出し、ヘキサンによって抽出された可溶成分をエバポレートした後、100℃で24時間真空乾燥し、ヘキサン可溶成分量を秤量(W2g)として、ヘキサン抽出量を下記式から求めた。
ヘキサン抽出分(質量%)=(W2/W1)×100
<重量平均分子量(Mw)の測定方法>
本発明のポリカーボネート重合体をトルエン中に入れ、数時間放置した後、振盪しながら重合体とトルエンとをよく混合し(測定対象樹脂の合一体がなくなるまで混合し)、完全に溶解されて、さらに12時間以上静置した。
<重量平均分子量(Mw)の測定方法>
本発明のポリカーボネート重合体をトルエン中に入れ、数時間放置した後、振盪しながら重合体とトルエンとをよく混合し(測定対象樹脂の合一体がなくなるまで混合し)、完全に溶解されて、さらに12時間以上静置した。
その後、東ソー(株)製のサンプル処理フィルターマイショリディスクH−25−5を通過させたものをGPC(ゲルパーミッションクロマトグラフィー)用試料とした。
次に、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてトルエンを毎分1mlの流速で流し、GPC用試料を10μl注入して、測定対象樹脂の重量平均分子量(Mw)を測定した。カラムには、東ソー(株)製のカラムTSKgel(登録商標)SuperHM−Mを用いた。
測定対象樹脂の重量平均分子量(Mw)の測定にあたっては、測定対象樹脂が有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料には、アルドリッチ社製の単分散ポリスチレンの分子量が800〜2000000のものを10点用いた。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
<粘度平均分子量Mvの測定方法>
本発明のポリカーボネート重合体をジクロロメタン溶液に0.5w/v%になるように溶解し、20℃での極限粘度を測定する。Mark−Houwink−桜田式のKとaをそれぞれ1.23×104と0.83として求めたものである。
本発明のポリカーボネート重合体をジクロロメタン溶液に0.5w/v%になるように溶解し、20℃での極限粘度を測定する。Mark−Houwink−桜田式のKとaをそれぞれ1.23×104と0.83として求めたものである。
(合成例2)
式(2−1)で示されるシロキサン化合物の平均繰り返し単位m=40を25gと、式(3−1)で示されるシロキサン化合物の繰り返し単位n=40を55gとした以外は合成例1と同様にして合成し、本発明に係るポリカーボネート重合体を得た。粘度平均分子量(Mv)は約20600であった。このポリカーボネート重合体は平均繰り返し単位の平均はおよそ、m:n=40:40であり、シロキサン部位の質量構成比率は約40.0%である事、構造はポリカーボネート樹脂の両方の末端にポリシロキサン部位を有し、かつポリカーボネート樹脂の主鎖にもシロキサン部位が重合された構造である事を、赤外線吸収スペクトル及び1H-NMRにて同様に確認した。吸光光度法による残存フェノール性OH量は175ppmであった。
式(2−1)で示されるシロキサン化合物の平均繰り返し単位m=40を25gと、式(3−1)で示されるシロキサン化合物の繰り返し単位n=40を55gとした以外は合成例1と同様にして合成し、本発明に係るポリカーボネート重合体を得た。粘度平均分子量(Mv)は約20600であった。このポリカーボネート重合体は平均繰り返し単位の平均はおよそ、m:n=40:40であり、シロキサン部位の質量構成比率は約40.0%である事、構造はポリカーボネート樹脂の両方の末端にポリシロキサン部位を有し、かつポリカーボネート樹脂の主鎖にもシロキサン部位が重合された構造である事を、赤外線吸収スペクトル及び1H-NMRにて同様に確認した。吸光光度法による残存フェノール性OH量は175ppmであった。
このようにして得られたポリカーボネート重合体をソックスレー抽出装置を用いてヘキサンにて6時間抽出したところ、抽出量は23.5質量%であった。抽出物をGPCにより分析したところ、重量平均分子量Mw=8800であった。この抽出物を赤外線吸収スペクトル(IR)で分析したところ、シロキサンとポリカーボネートに特有の吸収ピークが見られた。また、GPCによる抽出残渣はMw=42000であった。これらより、本発明のポリカーボネート重合体はシロキサン構造とポリカーボネート構造を有するオリゴマー成分を含有することが確認された。
本発明のポリカーボネート重合体の粘度平均分子量(Mv)は、5,000〜200,000であることが好ましく、特には10,000〜100,000であることが好ましい。合成の際は、分子量を調節する為に、一官能のシロキサン化合物に加え、他の一官能性化合物を末端停止剤として併用して使用しても良い。このような停止剤としては、例えば、フェノール、p−クミルフェノール、p−t−ブチルフェノール、安息香酸、塩化ベンジル等の通常ポリカーボネートを製造する際に使用される化合物が挙げられる。
また、本発明のポリカーボネート重合体中の残留水分量は0.25wt%以下である事が好ましく、同様に残留溶剤量は300ppm以下、残留食塩量は2.0ppm以下である事が電子写真特性上好ましい。また、本発明のポリカーボネート重合体は、ジクロロメタンを溶媒とする濃度0.5g/dl溶液の20℃の極限粘度が10.0dl/g未満が好ましく、より好ましくは、0.1〜1.5dl/gが好ましい。更に、吸光光度法による残存フェノール性OH量は500ppm以下である事が好ましく、より好ましくは300ppm以下が好ましい。
ここで、水分量はカールフィッシャー水分計を用いて、本発明のポリカーボネート重合体をジクロロメタンに溶解し、カールフィッシャー試薬、標準メタノール試薬を用いて自動測定し、水分濃度を求められる。また、残留溶剤量は、本発明のポリカーボネート重合体中をジオキサンに溶解して、重合体中の残留溶剤をガスクロマトグラフにて直接定量でき、残留食塩量は電位差測定装置によって、塩素を定量し、食塩の濃度を求める事ができる。
本発明のポリカーボネート重合体は、優れた潤滑性及び優れた強度を有するが、より優れた強度を有する樹脂と混合して用いられることが好ましい。混合比は、本発明のポリカボネート重合体0.5重量部に対して他の樹脂が1〜99重量部であることが好ましい。本発明に係るポリカーボネート重合体は、感光層の表面近傍に集中しやすい為に少ないブレンド比でも高い潤滑性を発揮する。本発明のポリカーボネート重合体は優れた液透明性を有するため、良好な耐久による電子写真特性及び、感光体の液塗工性を示す。例えば、クロロベンゼン/ジメトキシメタン=1/1(質量比)混合溶媒20.0gに、本発明に係るポリカーボネート重合体4.0gを1晩以上攪拌し、完全に溶解させた後、1cm角のセルに溶液をいれて、UV分光装置を用いて778nmでの液透過率を測定した場合、溶媒のみのブランクに比べて液透過率は95%以上と高い液透過性を示す。
また、上述のポリカーボネート重合体と下記式(4)に示すポリジメチルシロキサンを少量混合して使用しても、高い初期滑り性を発現し、特性の低下も少なく好ましい。
(式中、lは平均繰り返し単位を示す)
尚、合成時にニ官能のシロキサン化合物(合成例1,2であれは化合物(2-1))を加えず、一官能のシロキサン化合物(合成例1,2であれは化合物(3-1))のみを用いて合成すると、主鎖にシロキサン構造を持たず、ポリカーボネートの繰り返し単位の末端の一方または、両方にシロキサン構造を持つポリカーボネート重合体が合成される。このポリカーボネート重合体は本発明の主鎖と末端の両方にシロキサン構造を持つポリカーボネートと併用しても良い。
尚、合成時にニ官能のシロキサン化合物(合成例1,2であれは化合物(2-1))を加えず、一官能のシロキサン化合物(合成例1,2であれは化合物(3-1))のみを用いて合成すると、主鎖にシロキサン構造を持たず、ポリカーボネートの繰り返し単位の末端の一方または、両方にシロキサン構造を持つポリカーボネート重合体が合成される。このポリカーボネート重合体は本発明の主鎖と末端の両方にシロキサン構造を持つポリカーボネートと併用しても良い。
次に、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。
本発明の電子写真感光体の表面層は、感光層が電荷輸送材料と電荷発生材料とを同一の層に含有する単層型の場合はその層であり、電荷輸送材料を含有する電荷輸送層と電荷発生材料を含有する電荷発生層とを有する積層型の場合は電荷輸送層である。更には、電荷輸送層上に保護層を設ける場合は、保護層である。保護層は導電性金属酸化物等の導電性粒子を含有してもよい。
本発明においては、電子写真特性の点から積層型であることが好ましい。
以下に、積層型の電子写真感光体構成について説明する。
本発明に用いられる導電性支持体を形成するものとしては以下のものが挙げられる。
アルミニウム、ニッケル、銅、金、鉄等の金属またはそれらの合金;ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラス等の絶縁性支持体上にアルミニウム、銀、金等の金属あるいは酸化インジウム、酸化スズ等の導電材料の薄膜を形成したもの、カーボンや導電性フィラーを樹脂中に分散し導電性を付与したもの。これらの支持体表面は電気的特性改善あるいは密着性改善のために、陽極酸化等の電気化学的な処理を行った支持体や、導電性支持体表面をアルカリリン酸塩あるいはリン酸やタンニン酸を主成分とする酸性水溶液に金属塩の化合物またはフッ素化合物の金属塩を溶解してなる溶液で化学処理を施したものを用いることもできる。
また、単一波長のレーザー光などを用いたプリンターに本感光体を用いる場合には、干渉縞を抑制するために導電性支持体はその表面を適度に荒らしておくことが必要である。具体的には上記支持体表面をホーニング、ブラスト、切削、電界研磨等の処理をした支持体もしくはアルミニウム及びアルミニウム合金上に導電性金属酸化物及び結着樹脂からなる導電性皮膜を有する支持体を用いることが必要である。
ホーニング処理としては、乾式及び湿式での処理方法があるがいずれを用いてもよい。湿式ホーニング処理は、水等の液体に粉末状の研磨剤を懸濁させ、高速度で基体表面に吹き付けて粗面化する方法である。表面粗さは吹き付け圧力、速度、研磨剤の量、種類、形状、大きさ、硬度、比重及び懸濁温度等により制御することができる。同様に、乾式ホーニング処理は、研磨剤をエアーにより、高速度で導電性基体表面に吹き付けて粗面化する方法であり、湿式ホーニング処理と同じように表面粗さを制御することができる。これら湿式または乾式ホーニング処理に用いる研磨剤としては、炭化ケイ素、アルミナ、鉄、ガラスビーズ等の粒子が挙げられる。
支持体と電荷発生層または後述の中間層との間には、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物粒子などの導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。好適な金属酸化物粒子としては、酸化亜鉛や酸化チタンの粒子が挙げられる。また、導電性粒子として、硫酸バリウムの粒子を用いることもできる。導電性粒子には、被覆層を設けてもよい。
導電性粒子の体積抵抗率は0.1〜1000Ω・cmの範囲が好ましく、特には1〜1000Ω・cmの範囲がより好ましい(この体積抵抗率は、三菱油化(株)製の抵抗測定装置ロレスタ(登録商標)APを用いて測定して求めた値である。測定サンプルは49MPaの圧力で固めてコイン状としたもの。)。また、導電性粒子の平均粒径は0.05〜1.0μmの範囲が好ましく、特には0.07〜0.7μmの範囲がより好ましい(この平均粒径は、遠心沈降法により測定した値である。)。導電層中の導電性粒子の割合は、導電層全質量に対して1.0〜90質量%の範囲が好ましく、特には5.0〜80質量%の範囲がより好ましい。
導電層に用いられる結着樹脂としては以下のものが挙げられる。
フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。これらは、支持体に対する接着性が良好であるとともに、導電性粒子の分散性を向上させ、かつ、成膜後の耐溶剤性が良好である。これらの中でも、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド酸樹脂が好ましい。
導電層の膜厚は0.1〜30μmであることが好ましく、特には0.5〜20μmであることがより好ましい。
導電層の体積抵抗率は1013Ω・cm以下であることが好ましく、特には105〜1012Ω・cmの範囲であることがより好ましい(この体積抵抗率は、測定対象の導電層と同じ材料によってアルミニウム板上に被膜を形成し、この皮膜上に金の薄膜を形成して、アルミニウム板と金薄膜の両電極間を流れる電流値をpAメーターで測定して求めた値である。)。
また、導電層には、必要に応じてフッ素あるいはアンチモンを含有させてもよいし、導電層の表面性を高めるために、レベリング剤を添加してもよい。
また、支持体または導電層と電荷発生層との間には、必要に応じてバリア機能や接着機能を有する中間層(下引き層、接着層とも呼ばれる。)を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。
中間層を形成するものとしては以下のものが挙げられる。
アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸コポリマー、エポキシ樹脂、カゼイン樹脂、シリコーン樹脂、ゼラチン樹脂、ナイロン、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ユリア樹脂などの樹脂や、酸化アルミニウム。
中間層の膜厚は0.05〜5μmであることが好ましく、特には0.3〜3μmであることがより好ましい。
積層型感光体の場合、支持体、導電層、または中間層の上には電荷発生層が形成される。電荷発生層は電荷発生材料を0.3〜4倍の重量のバインダー樹脂及び溶剤と共にホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライタ(登録商標)、ロールミル及び液衝突型高速分散機等を使用してよく分散した分散液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
本発明に用いられる電荷発生材料としては以下のものが挙げられる。
ピリリウム、チアピリリウム系染料、フタロシアニン、アントアントロン、ジベンズピレンキノン、トリスアゾ、シアニン、ジスアゾ、モノアゾ、インジゴ、キナクリドン及び非対称キノシアニン系の各顔料。上記の各種電荷発生物質の中でも、高感度であるという点で、フタロシアニン顔料が好ましい。
代表的なフタロシアニン顔料としては、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが挙げられる。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては以下のものが挙げられる。
アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー、セルロース樹脂、ナイロン、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ベンザール樹脂、メラミン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルメタクリレート樹脂、ポリビニルアクリレート樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂。特には、ブチラール樹脂などが好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択されるが、有機溶剤としてはアルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.01〜2μmであることがより好ましく、さらには0.05〜0.3μmであることがより一層好ましい。
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、電子搬送性剤などを必要に応じて添加することもできる。
電荷発生層上には電荷輸送層が形成される。電荷輸送層には電荷輸送物質が含有され、電荷輸送物質としては以下のものが挙げられる。
トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリールメタン化合物。これら電荷輸送物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。本発明において、電荷輸送層が表面層である場合、少なくとも一般式(1)、(2)、(3)で示されるポリカーボネート重合体を含有する。更に必要に応じて他のバインダー樹脂をブレンドし、適当な溶剤を用いて溶解した溶液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。乾燥温度は100℃以上の温度で乾燥させると、本発明のポリカーボネート重合体が表面に移行し易くなり、より高い潤滑性を発揮するのでより好ましい。
本発明のポリカーボネート重合体とブレンドするバインダー樹脂としては以下ものが挙げられる。
アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂。特には、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂などが本発明のポリカーボネート重合体との相溶性や、電子写真特性、耐久性向上の意味でより好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷輸送物質とバインダー樹脂との割合は、2:1〜1:2(質量比)の範囲が好ましい。
電荷輸送層の膜厚は5〜50μmであることが好ましく、特には7〜30μmであることがより好ましい。
電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、フッ素オイルなどの界面活性剤、PTFEを初めとするフッ素樹脂粉体などのフィラー、更にフッ素原子含有化合物などの添加剤が含まれていてもよい。フィラーが添加されると添加される量にもよるが、感光体表面層の表面粗さが大きくなり、表面層とクリーニングブレードの接触面積が小さくなる為、より高い感光体の滑り性が得られる場合がある。
また、感光層が単層型の場合は、上述のような電荷発生材料や電荷輸送材料を上述のようなバインダー樹脂に分散し及び溶解した溶液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には15〜30μmであることが好ましい。
上記各層の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
塗工の際の液粘度は塗工性の観点から5mPa・s以上500mPa・s以下が好ましい。
次に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成について説明する。
本発明の電子写真感光体を使用する電子写真装置は、少なくとも帯電、露光、現像、転写の各プロセスを含むが、どのプロセスも通常用いられる方法のいずれの方法を用いても良い。帯電形状(帯電器)としては、例えばコロナ放電を利用したコロトロンあるいはスコロトロン帯電、導電性ローラーあるいはブラシ、フィルムなどによる接触帯電などいずれを用いても良い。このうち、導電性ローラー方式では直流電圧に交流電圧を重畳する重畳AC帯電方式でも良いし、直流電圧のみを印加するDC帯電方式のいずれを用いても良い。現像方法としては、磁性あるいは非磁性の一成分トナー、二成分トナーなどを接触あるいは非接触させて現像する一般的な方法が用いられる。
次に、転写方法としては、コロナ放電によるもの、転写ローラーあるいは転写ベルトを用いた方法等いずれでもよい。転写は、紙やOHP用フィルム等に対して直接行っても良いし、一旦中間転写体(ベルト状あるいはドラム状)に転写したのちに、紙やOHP用フィルム上に転写しても良い。
通常、転写の後、現像剤を紙などに定着させる定着プロセスが用いられ、定着手段としては一般的に用いられる熱定着、圧力定着などを用いることができる。
感光体上に残存した転写残トナーはクリーニング手段により除去される。一般的なものとしては弾性ブレードクリーニングであり、前述の小径化された重合トナーをクリーニングするには感光体とクリーニングブレード間の当接長手方向の単位長さ当たりに加える力を当接線圧とするとき、線圧が300〜1200mN/cm必要とされる事が通常である。このような高い線圧の範囲であっても本発明の感光体を用いれば、高温高湿環境においてもブレードめくれが発生せず、良好なクリーニング性が得られ本発明の効果が有効に作用する。
この他に、帯電前に前露光等の除電手段を有してもよい。
図1に、代表的な電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図1において、1は本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の周面は、帯電手段3により、正または負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。帯電手段3に印加する電圧は、直流電圧のみであってもよいし、交流電圧を重畳した直流電圧であってもよい。
電子写真感光体1の周面に形成された静電潜像は、現像手段5のトナーにより現像されてトナー画像となる。次いで、電子写真感光体1の周面に形成担持されているトナー画像が、転写手段(転写ローラー)6からの転写バイアスによって、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送された転写材(紙など)Pに順次転写されていく。
トナー画像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の周面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー画像転写後の電子写真感光体1の周面は、前露光手段11からの前露光光により除電処理され、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残トナーの除去を受けて清浄面化された後、繰り返し画像形成に使用される。
上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図5では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中の「部」は質量部を意味する。
直径30mm、長さ260mmのアルミニウムシリンダーを支持体とした。
次に、10質量%酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した酸化チタン粒子50部、レゾール型フェノール樹脂25部、メトキシプロパノール30部、メタノール30部およびシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、重量平均分子量:3000)0.002部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散することによって、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを20分間140℃で硬化させることによって、膜厚が20μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化6ナイロン5部をメタノール95部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを20分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.5μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)10部、下記式(5)で示される構造を有する化合物0.1部、
ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレック(登録商標)BX−1、積水化学工業(株)製)5部を溶解させ、その後、酢酸エチル250部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。
次いで、電荷輸送物質として下記構造式(6)で示される化合物35質量部、
下記構造式(7)で示される化合物5質量部と、
下記構造式(8)で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂(重量平均分子量:115000、テレフタル酸骨格とイソフタル酸骨格のモル比:テレフタル酸骨格/イソフタル酸骨格=50/50)50部及び、本発明のポリカーボネート重合体4部をモノクロルベンゼン400質量部に溶解した溶液(粘度220mPa・s)を、前記電荷発生層の上に浸漬塗布し、120℃で1時間加熱乾燥して膜厚15μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体とした。
本発明のポリカーボネート重合体の構成詳細を表1に示す。
本発明のポリカーボネート重合体を前述の方法によりヘキサンを溶媒として、ソックスレー抽出装置を用いて6時間抽出し、抽出量を測定した。更に、抽出物をGPCによって分子量分析を行った。また、IR分析を行い、抽出物がシロキサン及びポリカーボネートの吸収ピークが見られる事を確認した。
このようにして、支持体、中間層、電荷発生層および電荷輸送層をこの順に有し、該電荷輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体を、以下の評価装置に装着し、画像出力を行い、出力画像の評価を行った。尚、実機での評価環境は高温高湿(30℃/80%RH)環境下で行った。
評価に使用する電子写真装置はヒューレットパッカード製LBP「カラーレーザージェット4600」を用い、弾性クリーニングブレードの感光体に対する当接圧は550mN/cmに設定した。尚、クリーニングブレードには潤滑性を持たせる為のトナーやトスパール(登録商標)の塗布は行わなかった。また、前露光はOFFに変更、レーザー光量は可変になるように改造し、特に記載が無い場合は0.32μJ/cm2を標準のレーザー光量とした。
評価はまず、カラーレーザージェット4600用プロセスカートリッジの現像ユニットを外し、感光体とクリーニングブレード及び帯電ローラのみのユニットの状態で本体に設置し、トナーが介在しない状態で空回転をさせてブレード反転やブレード鳴きがないか評価した。
その後、トナーシールを引き再び本体に設置して、ハーフトーン画像及びベタ黒、ベタ白画像によりポチ、カブリ画像の評価を目視で行った。画像特性評価結果を表1に示す。
尚、感光体の電位は、現像ユニットの位置に電位計(Trek Model 344)を装着して測定し、暗部電位、明部電位の電位測定を行った。更に、レーザー光量を10μJ/cm2に変更して電位測定を行い、これを残留電位とした。
また、表面の潤滑性を計る指標として、動摩擦係数の測定を行った。動摩擦係数μの測定は、常温常湿(25℃/50%RH)において新東科学(株)製のHEIDON(登録商標)−14を用いて行った。詳しくは、ブレードを一定の荷重をかけた状態で電子写真感光体に接触設置し、電子写真感光体を50mm/minのスキャンスピードで平行移動させたときに、電子写真感光体とゴムブレードとの間に働く摩擦力を、ゴムブレード側に取り付けた歪みゲージの歪み量として計測し、引っ張り荷重に換算した。動摩擦係数はブレードが動いている時の〔感光体に加わる力(g)〕/〔ブレードに加えた荷重(g)〕から求められる。使用ブレードは北辰工業社製ウレタンブレード(ゴム硬度67°)を5mm×30mm×2mmにカットし、荷重50gでwith方向、角度27°にて測定した。
一連の評価結果を表2に示す。
また、表面の潤滑性を計る指標として、動摩擦係数の測定を行った。動摩擦係数μの測定は、常温常湿(25℃/50%RH)において新東科学(株)製のHEIDON(登録商標)−14を用いて行った。詳しくは、ブレードを一定の荷重をかけた状態で電子写真感光体に接触設置し、電子写真感光体を50mm/minのスキャンスピードで平行移動させたときに、電子写真感光体とゴムブレードとの間に働く摩擦力を、ゴムブレード側に取り付けた歪みゲージの歪み量として計測し、引っ張り荷重に換算した。動摩擦係数はブレードが動いている時の〔感光体に加わる力(g)〕/〔ブレードに加えた荷重(g)〕から求められる。使用ブレードは北辰工業社製ウレタンブレード(ゴム硬度67°)を5mm×30mm×2mmにカットし、荷重50gでwith方向、角度27°にて測定した。
一連の評価結果を表2に示す。
実施例1の電荷輸送層用塗布液を調製する工程において、本発明のポリカーボネート重合体を表1に示したものに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1、2に示す。
実施例2の電荷輸送層用塗布液を調製する工程において、電荷輸送物質として前記構造式(5)で示される化合物20質量部、下記構造式(9)で示される化合物20質量部として、式(4)に示されるポリジメチルシロキサン(平均繰り返し単位l=約40)0.2部を加えた以外は、実施例2と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。評価結果を表1、2に示す。
実施例2の電荷輸送層用塗布液を調製する工程において、ブレンドする樹脂をポリアリレート樹脂に変えて、下記構造式(10)で示される構成単位を有するポリカーボネート樹脂(重量平均分子量:55000)50部とし、更に、式(4)に示されるポリジメチルシロキサン0.2部を加えた以外は、実施例2と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。評価結果を表1,2に示す。
実施例2の導電層用塗布液を調製する工程において、導電性粒子としての酸素欠損型SnO2を被覆したTiO2粒子(TiO2芯材粒子の平均粒径0.2μm、SnO2の被覆率(質量比率)40%、粉体抵抗率100Ω・cm)を55.0部、フェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、樹脂固形分60%)36.5部、溶剤としてのメトキシプロパノール35.0部を、直径1.0mmのガラスビーズを用いたサンドミルで3.0時間分散し、表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール(登録商標)120、GE東芝シリコーン(株)製、平均粒径2μm)3.9部、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)0.001部を添加して攪拌し、導電層用塗布液とした以外は、実施例2と同様にして電子写真感光体を作成し、評価した。評価結果を表1,2に示す。
実施例1の電荷輸送層用塗布液を調製する工程において、本発明のポリカーボネート重合体を表1に示したものに変更し、本発明のポリカーボネート重合体を25部、式(8)に示したポリアリレート樹脂を25部とした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1、2に示す。
実施例1の電荷輸送層用塗布液を調製する工程において、本発明のポリカーボネート重合体を表1に示したものに変更し、本発明のポリカーボネート重合体を1部、式(8)に示したポリアリレート樹脂を50部とした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1、2に示す。
実施例1の電荷輸送層用塗布液を調製する工程において、本発明のポリカーボネート重合体を50質量部とし、他にブレンドする樹脂を使用しないとした以外は、実施例1と同様に感光体を作成し、評価した。ここで使用した本発明のシロキサン重合体の詳細構成は表1に示した。
実施例1の電荷輸送層用塗布液を調製する工程において、本発明のポリカーボネート重合体の構成を表1とした以外は、実施例1と同様に感光体を作成し、評価した。
実施例2の電荷輸送層用塗布液を調製する工程において、ブレンドする樹脂を下記式(11)で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂(重量平均分子量:150000、テレフタル酸骨格とイソフタル酸骨格のモル比:テレフタル酸骨格/イソフタル酸骨格=50/50)50部とした以外は実施例2と同様に感光体を作成し、評価した。
実施例1記載の感光体の評価に使用する電子写真装置において、感光体に接触して帯電を行う帯電ローラーには交流電圧が印加されるAC帯電方式に改造した以外は実施例1と同様に感光体を作成し、評価した。
(比較例1)
実施例1の電荷輸送層用塗布液を調製する工程において、本発明のポリカーボネート重合体を加えない以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1の電荷輸送層用塗布液を調製する工程において、本発明のポリカーボネート重合体を加えない以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。表2に示すように潤滑性を発現せず、ブレード反転及び鳴きが発生した為、クリーニングブレードに潤滑剤としてトスパール(登録商標)を塗布し耐久したがブレード鳴きが発生した。
(比較例2)
実施例1の電荷輸送層用塗布液を調製する工程において、本発明のポリカーボネート重合体を加えず、その代わりに式(3-1)で示されるシロキサン化合物4質量部を加えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。詳細を表1に示す。
実施例1の電荷輸送層用塗布液を調製する工程において、本発明のポリカーボネート重合体を加えず、その代わりに式(3-1)で示されるシロキサン化合物4質量部を加えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。詳細を表1に示す。
作製した電子写真感光体を、クリーニングブレードに潤滑剤としてトスパール(登録商標)を塗布した以外は、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
表2に示すようにある程度の潤滑性を発現し、ブレード反転等も発生しなかった。一方、電子写真特性は好ましくなく、耐久による暗部電位の低下が著しく発生し、濃度薄・カブリ等の弊害が発生した。
(比較例3)
実施例1の電荷輸送層用塗布液を調製する工程において、表1に示す、ソックスレー抽出成分が43.4%の本発明外のポリカーボネート重合体を加えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。詳細を表1に示す。
実施例1の電荷輸送層用塗布液を調製する工程において、表1に示す、ソックスレー抽出成分が43.4%の本発明外のポリカーボネート重合体を加えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。詳細を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
表2に示すように高い潤滑性を示し、ブレード反転や耐久によるブレード鳴きの発生はなかったが、電子写真特性が好ましくなく、耐久による暗部電位の低下が見られ、濃度薄等の弊害が発生した。
(参考例)
クリーニングブレードに潤滑剤としてトスパール(登録商標)を塗布、オリゴマーなし。
クリーニングブレードに潤滑剤としてトスパール(登録商標)を塗布、オリゴマーなし。
実施例1の電荷輸送層用塗布液を調製する工程において、表1に示す、ソックスレー抽出成分が7.7%の本発明外のポリカーボネート重合体を加えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。詳細を表1に示す。
作製した電子写真感光体の評価として、クリーニングブレードに潤滑剤としてトスパール(登録商標)を塗布した以外は、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
表2に示すように、クリーニングブレードに塗布した潤滑剤の為に、ブレード反転や耐久によるブレード鳴きの発生はなかった。
表2の結果から明らかなように、本発明のポリカーボネート重合体を含有する電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置であれば、残留電位が小さく、感度、耐久による電位変動等の電子写真特性が良好で耐久性を損なう事なく、電子写真感光体表面の潤滑性を大幅に向上させる事ができ、ブレード反転やブレード鳴き等のクリーニングに関与する課題を解決し、且、ソルベントクラック性も良好である事が分かる。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段(一次帯電手段)
4 露光光(画像露光光)
5 現像手段
6 転写手段(転写ローラー)
7 クリーニング手段(クリーニングブレード)
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
11 前露光手段(ライトガイド)
P 転写材(紙など)
2 軸
3 帯電手段(一次帯電手段)
4 露光光(画像露光光)
5 現像手段
6 転写手段(転写ローラー)
7 クリーニング手段(クリーニングブレード)
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
11 前露光手段(ライトガイド)
P 転写材(紙など)
Claims (6)
- 支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体が、式(1)で示される繰り返し構造単位及び、式(2)で示される繰り返し単位を有し、かつ末端の一方または両方の構造が式(3)であるポリカーボネート重合体を含有し、前記ポリカーボネート重合体はヘキサンを溶媒とするソックスレー抽出装置を用いて、6時間抽出した時に抽出される成分の割合が10.0質量%以上30.0質量%以下であるポリカーボネート重合体である事を特徴とする電子写真感光体。
- 前記ソックスレー抽出装置を用いてヘキサンにより抽出した成分のGPCによる重量平均分子量(Mw)が5000以上15000以下であり、抽出成分が、IR分析によりシロキサン及びポリカーボネート特有の吸収ピークが見られる事を特徴とする請求項1記載のポリカーボネート重合体を含有することを特徴とする電子写真感光体。
- 前記ポリカーボネート重合体において、構成単位中のシロキサン部位の割合が10.0質量%以上60.0質量%以下である請求項1又は2記載のポリカーボネート重合体を含有することを特徴とする電子写真感光体。
- 前記ソックスレー抽出装置を用いてヘキサンにより抽出した成分は、シロキサンとポリカーボネート構造とが結合しているオリゴマー成分を含有している請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、静電潜像の形成された電子写真感光体をトナーで現像する現像手段及び転写工程後の電子写真感光体上に残余するトナーを回収するクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段とを共に一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した電子写真感光体に対し露光を行い静電潜像を形成する露光手段、静電潜像の形成された電子写真感光体にトナーで現像する現像手段及び電子写真感光体上のトナー像を転写材上に転写する転写手段を備えることを特徴とする電子写真装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007008287A JP2008175980A (ja) | 2007-01-17 | 2007-01-17 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007008287A JP2008175980A (ja) | 2007-01-17 | 2007-01-17 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008175980A true JP2008175980A (ja) | 2008-07-31 |
Family
ID=39703058
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007008287A Withdrawn JP2008175980A (ja) | 2007-01-17 | 2007-01-17 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008175980A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011001458A (ja) * | 2009-06-18 | 2011-01-06 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリカーボネート樹脂、それを用いた電子写真感光体、及びポリカーボネート樹脂の製造方法 |
WO2011092850A1 (ja) * | 2010-01-29 | 2011-08-04 | 富士電機システムズ株式会社 | 電子写真用感光体、その製造方法および電子写真装置 |
JP2011237498A (ja) * | 2010-05-07 | 2011-11-24 | Mitsubishi Chemicals Corp | 電子写真感光体、電子写真カートリッジ、及び画像形成装置 |
JP2011237499A (ja) * | 2010-05-07 | 2011-11-24 | Mitsubishi Chemicals Corp | 電子写真感光体、電子写真カートリッジ、及び画像形成装置 |
JP5360236B2 (ja) * | 2010-01-29 | 2013-12-04 | 富士電機株式会社 | 電子写真用感光体、その製造方法および電子写真装置 |
-
2007
- 2007-01-17 JP JP2007008287A patent/JP2008175980A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011001458A (ja) * | 2009-06-18 | 2011-01-06 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリカーボネート樹脂、それを用いた電子写真感光体、及びポリカーボネート樹脂の製造方法 |
WO2011092850A1 (ja) * | 2010-01-29 | 2011-08-04 | 富士電機システムズ株式会社 | 電子写真用感光体、その製造方法および電子写真装置 |
WO2011093410A1 (ja) * | 2010-01-29 | 2011-08-04 | 富士電機システムズ株式会社 | 電子写真用感光体、その製造方法および電子写真装置 |
JP5360236B2 (ja) * | 2010-01-29 | 2013-12-04 | 富士電機株式会社 | 電子写真用感光体、その製造方法および電子写真装置 |
TWI422998B (zh) * | 2010-01-29 | 2014-01-11 | Fuji Electric Co Ltd | An electrophotographic photoreceptor, a method for manufacturing the same, and an electrophotographic apparatus |
US8703370B2 (en) | 2010-01-29 | 2014-04-22 | Fuji Electric Co., Ltd. | Electrophotographic photoreceptor, manufacturing method therefor and electrophotographic device |
JP2011237498A (ja) * | 2010-05-07 | 2011-11-24 | Mitsubishi Chemicals Corp | 電子写真感光体、電子写真カートリッジ、及び画像形成装置 |
JP2011237499A (ja) * | 2010-05-07 | 2011-11-24 | Mitsubishi Chemicals Corp | 電子写真感光体、電子写真カートリッジ、及び画像形成装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4944591B2 (ja) | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 | |
JP4566876B2 (ja) | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 | |
KR20090122304A (ko) | 전자 사진 감광체, 프로세스 카트리지 및 전자 사진 장치 | |
JP2007199659A (ja) | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 | |
JP4795217B2 (ja) | 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 | |
US9158214B2 (en) | Electrophotographic photosensitive member, intermediate transfer member, process cartridge, and electrophotographic apparatus | |
JP2013257416A (ja) | 電子写真感光体、それを備えた画像形成装置およびプロセスカートリッジ | |
JP2007193309A (ja) | 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 | |
JP2008175980A (ja) | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 | |
JP4566875B2 (ja) | 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 | |
JP4054483B2 (ja) | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 | |
JP2013200415A (ja) | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 | |
JP3133548B2 (ja) | 電子写真感光体および該電子写真感光体を備えた電子写真装置 | |
JP2003098714A (ja) | 電子写真感光体、電子写真方法、電子写真装置および電子写真装置用プロセスカートリッジ | |
JP5842660B2 (ja) | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 | |
JP2011145506A (ja) | 電子写真装置およびプロセスカートリッジ | |
JPH0980791A (ja) | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 | |
JP4455493B2 (ja) | 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 | |
JP3219588B2 (ja) | 電子写真感光体及び電子写真装置 | |
JP3703312B2 (ja) | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 | |
JP3273717B2 (ja) | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 | |
JP2003098710A (ja) | 電子写真感光体、電子写真方法、電子写真装置および電子写真装置用プロセスカートリッジ | |
JP2023179249A (ja) | 電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置 | |
JP2023069379A (ja) | 電子写真感光体及び画像形成装置 | |
JPH0980790A (ja) | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20100406 |