JP2003098710A - 電子写真感光体、電子写真方法、電子写真装置および電子写真装置用プロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、電子写真方法、電子写真装置および電子写真装置用プロセスカートリッジ

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JP2003098710A
JP2003098710A JP2001290358A JP2001290358A JP2003098710A JP 2003098710 A JP2003098710 A JP 2003098710A JP 2001290358 A JP2001290358 A JP 2001290358A JP 2001290358 A JP2001290358 A JP 2001290358A JP 2003098710 A JP2003098710 A JP 2003098710A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度かつ高耐久な電子写真感光体、並びに
該感光体を用いた電子写真装置及びプロセスカートリッ
ジを提供すること。 【解決手段】 導電性支持体上に少なくとも感光層を形
成してなる電子写真感光体において、前記感光層の最上
層が高分子電荷輸送材料、無機フィラーおよびアクリル
変性ポリオルガノシロキサン微粒子を含有させる。前記
アクリル変性ポリオルガノシロキサンとしては、下記一
般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンと、下記
一般式(II)で表される(メタ)アクリル酸エステル又
はこの(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な単量
体との混合物とを乳化グラフト共重合させてなるアクリ
ル変性ポリオルガノシロキサンが使用できる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高耐久性を有し、
異物付着によっても膜の安定性が高く、長期の繰返し使
用においても画質劣化が少なく安定した画像出力が可能
な電子写真感光体に関する。また、それらの感光体を使
用した電子写真方法、電子写真装置、電子写真用プロセ
スカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式を用いた情報処理シ
ステム機の発展には目覚ましいものがある。特に、情報
をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行うレ
ーザープリンターやデジタル複写機は、そのプリント品
質、信頼性において向上が著しい。さらに、それらは高
速化技術との融合によりフルカラー印刷が可能なレーザ
ープリンターあるいはデジタル複写機へと応用されてき
ている。そのような背景から、要求される感光体の機能
としては、高画質化と高耐久化を両立させることが特に
重要な課題となっている。
【0003】これらの電子写真方式のレーザープリンタ
ーやデジタル複写機等に使用される感光体としては、有
機系の感光材料を用いたものが、コスト、生産性及び無
公害性等の理由から一般に広く応用されている。有機系
の電子写真感光体には、ポリビニルカルバゾ−ル(PV
K)に代表される光導電性樹脂、PVK−TNF(2,
4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される電荷移
動錯体型、フタロシアニン−バインダ−に代表される顔
料分散型、そして電荷発生物質と電荷輸送物質とを組み
合わせて用いる機能分離型の感光体などが知られてい
る。
【0004】機能分離型の感光体における静電潜像形成
のメカニズムは、感光体を帯電した後光照射すると、光
は電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生物質に
より吸収され電荷を生成する。それによって発生した電
荷が電荷発生層及び電荷輸送層の界面で電荷輸送層に注
入され、さらに電界によって電荷輸送層中を移動し、感
光体の表面電荷を中和することにより静電潜像を形成す
るものである。
【0005】しかし、有機系の感光体は、繰り返し使用
によって膜削れが発生しやすく、感光層の膜削れが進む
と、感光体の帯電電位の低下や光感度の劣化、感光体表
面のキズなどによる地汚れ、画像濃度低下などの画質劣
化が促進される傾向が強く、従来から感光体の耐摩耗性
が大きな課題として挙げられていた。さらに、近年では
電子写真装置の高速化あるいは装置の小型化に伴う感光
体の小径化によって、感光体の高耐久化がより一層重要
な課題となっている。また、感光体表面に異物が付着す
ることで膜の結晶化やクラックが生じることがある。特
に感光体に直接人が触れた場合、感光体表面に皮脂が付
着し、それが引き金となってクラックを生じる場合があ
る。クラックは画像欠陥となり感光体寿命を縮める要因
となっていた。
【0006】感光体の高耐久化を実現する方法として
は、感光体の最表面に保護層を設け、その保護層に潤滑
性を付与したり、硬化させたり、フィラーを含有させる
方法が広く知られている。
【0007】特に、保護層にフィラーを含有させる方法
は、感光体の高耐久化に対して非常に有効な方法の一つ
である。しかし、保護層にフィラーを含有させることに
より耐摩耗性向上など機械的耐久性が改善されるが、い
わゆる電子写真方式では、機械的耐久性だけでなく、帯
電、露光などの繰返しに対する帯電電位や露光部電位の
安定性などの電気的耐久性も非常に重要である。なぜな
ら仮に機械的耐久性が向上し膜削れの量が大幅に減少し
たとしても、帯電電位が低下したり、露光部電位が上昇
したりすれば、十分な静電コントラストが得られなくな
り画質劣化を生ずるからである。
【0008】一方、感光体のクリーニング性も高画質維
持のためには重要な特性である。感光体表面に異物が付
着した場合、様々な画像欠陥が生じ、結局長寿命な画像
出力ができないことになる。特に、上記保護層にフィラ
ーを含有させることによって機械的摩耗を少なくした感
光体においては、削れない分だけクリーニング性がより
重要となる。
【0009】また、写真調の高画質な画像出力の要求に
対して、電子写真で使用されるトナーの粒径が小さくな
ってきており、トナー粒径が小さくなるに連れて感光体
のクリーニング性は悪くなる傾向にある。また、小径ト
ナーの関連として重合による球形トナーの検討もされる
ようになってきているが、球形トナーは従来の粉砕トナ
ーに比べてクリーニング性が悪い傾向にある。この様に
高耐久を図るためにも高画質化を図るためにも感光体の
クリーニング性を改良する必要があった。
【0010】クリーニング性を良くする方法として感光
体表面の摩擦係数を下げることが有効である。摩擦係数
の低下は、耐摩耗性にも良い結果をもたらし、クリーニ
ング性と耐摩耗性の両立が期待できる。特開平07−2
95248号公報、特開平07−301936号公報、
特開平08−082940号公報等には、表面層にフッ
素変性シリコンオイルを含有させることにより表面性を
改善し、クリーニング性を向上させて感光体表面の耐摩
耗性を向上させる提案がある。しかし、表面層にフッ素
変性シリコンオイルを含有させようとした場合、フッ素
変性シリコンオイルは表面層形成過程で表面近傍に移行
して表面に近いところに集中するため、繰り返し使用に
よる表面層の摩耗によって早期にその効果が失われてし
まう。
【0011】また耐摩耗性の向上を目的として微粒子を
添加する系に関しても様々な試みがなされている。例え
ばシリコーン樹脂微粒子、フッ素含有樹脂微粒子(特開
昭63−65449号公報)、メラミン樹脂微粒子(特
開昭60−177349号公報)等の添加である。特開
平02−143257号公報には、表面層にポリエチレ
ン粉体を含有させて表面層の摩擦係数を下げて、クリー
ニング性を向上させて感光体の耐摩耗性を向上させる提
案がある。また、特開平02−144550号公報に
は、表面層に含フッ素樹脂粉体を含有させて表面層の摩
擦係数を下げて、クリーニング性を向上させて感光体の
耐摩耗性を向上させる提案がある。また、特開平07−
128872号公報、特開平10−254160号公報
には、表面層にシリコーン微粒子を含有させて表面層の
摩擦係数を下げ、クリーニング性を向上させて感光体の
耐摩耗性を向上させる提案がある。また、特開平200
0−010322号公報およびUSP5,998,072
には、表面層に架橋型有機微粒子を含有させて表面層の
摩擦係数を下げ、クリーニング性を向上させて感光体の
耐摩耗性を向上させる提案がある。更に、特開平08−
190213号公報には、表面層にメチルシロキサン樹
脂微粒子を含有させて表面層の摩擦係数を下げ、クリー
ニング性を向上させて感光体の耐摩耗性を向上させる提
案がある。
【0012】これらの提案は感光体の表面の摩擦係数低
減,表面エネルギーの低減等の機能付与による高耐久化
を意図したものであるが以下のような問題を有する。す
なわち、表面層に樹脂粉体或いは微粒子を分散させて感
光層表面の耐摩耗性の向上を図った場合、バインダー樹
脂との相溶性が乏しいため、樹脂粉体或いは微粒子の分
散が不良となり、画像形成時に黒ポチや白ポチ等の異常
欠陥が生じ、繰り返し使用中に残留電位の上昇が起きる
等の問題がある。また同時に感光層の光透過性が妨げら
れることにより、感度低下、電荷輸送性能の低下によ
り、画像濃度の不均一が発生する等々問題の解決には至
っていない。また、上記ポリテトラフルオロエチレン微
粒子やオルガノポリシロキサン系微粒子の添加では摩擦
係数の低減効果は低く、また、耐摩耗性の向上も十分で
はなかった。
【0013】また耐摩耗性といった機械的耐久性が向上
しても、長期間の繰り返し使用時においては帯電時の放
電時に発生するオゾンなどの活性ガス、及び周辺環境に
存在する活性ガス、例えば暖房器具などから発生する窒
素酸化物ガスなどに感光体が曝されることにより、感光
体表面が影響を受けて画像劣化を生じる場合が多々見ら
れた。これらの曝露により感光体表面の摩擦係数も大き
くなる方向へ変化してしまい、低摩擦係数を維持するこ
とができなかった。
【0014】この現象は特に耐摩耗性が大幅に向上した
場合、即ち膜削れ量が大幅に減少した感光体において
は、旧来の摩耗量の多い感光体のように、表面から順次
摩耗していくことにより、活性ガスや付着したコロナ生
成物、及びそれらによって反応等を生じ汚染された最表
面が序々に摩耗、研磨されることにより、自ずと新たな
最表面へとリフェイスされるといった効果が期待出来な
い。したがってこのような表面汚染に起因する画像劣
化、即ち異常画像が発生しやすくなる問題を有してい
る。
【0015】以上のように耐摩耗性の高い感光体におい
ては、そうでない感光体に比較してクリーニング不良や
活性ガス等による感光体表面の変質等による画像劣化、
異常画像の発生がしやすくなる問題を有している。つま
り、機械的耐久性を向上させるとともにクリーニング性
も良好で異物付着が起こりにくく、電気的耐久性、及び
化学的耐久性も良好で、長期間の繰り返し使用において
も高画質画像が安定して得られる高耐久な電子写真感光
体は得られていなかった。更にその上に皮脂付着による
クラック発生の無いハンドリングに優れる電子写真感光
体は得られていなかった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、摩耗
がほとんど無く、初期から長期に渡ってクリーニング性
が良好で、繰り返しの使用にわたっても残留電位上昇等
による異常画像が発生せず、長期にわたり高画質な画像
が安定に得られ、耐指紋性にも優れてハンドリングの良
い高耐久で信頼性の高い感光体を提供することにある。
また、それらの感光体を用いることにより、感光体の交
換が少ないか又は不要で、かつ高速印刷あるいは感光体
の小径化に伴う装置の小型化を実現し、さらに繰り返し
使用においても高画質画像が安定に得られる電子写真方
法、電子写真装置、ならびに電子写真用プロセスカート
リッジを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、感光層表面を無機フィラーと特定のシリ
コン化合物を分散させた高分子電荷輸送材料から主とし
て形成させることにより、優れた耐摩耗性を有する電子
写真感光体において長期間の繰り返し使用時においても
クリーニング性が良好でフィルミングやクリーニング不
良による異常画像の発生が無く、帯電電位の低下や、残
留電位の増加による異常画像の発生をも抑制され、耐指
紋性にも優れる電子写真感光体を提供できることを見い
だした。
【0018】すなわち、本発明は、下記の(1)〜(1
1)の態様から成り、下記の構成により、高耐久性と高
画質化の両立を可能とし、長期間の繰り返し使用に対し
ても高画質画像を安定に得られる信頼性の高い電子写真
感光体を提供し、また、繰り返し使用においても高画質
画像を安定に得られる電子写真方法、電子写真装置、な
らびに電子写真用プロセスカートリッジを提供すること
ができた。
【0019】(1)導電性支持体上に少なくとも感光層
を形成してなる電子写真感光体において、前記感光層の
最上層が高分子電荷輸送材料、無機フィラーおよびアク
リル変性ポリオルガノシロキサン微粒子を含有すること
を特徴とする電子写真感光体。 (2)前記アクリル変性ポリオルガノシロキサン微粒子
【0020】
【化9】 一般式(I)
【0021】〔式中のR1、R2及びR3は、それぞれ同
一又は異なる炭素数1〜20の炭化水素基又はハロゲン
化炭化水素基、Yはラジカル反応性基又はSH基もしく
はその両方をもつ有機基、Z1及びZ2は、それぞれ同一
又は異なる水素原子、低級アルキル基又は下記の一般式
で表される基であり、
【0022】
【化10】
【0023】(R4及びR5は、それぞれ同一又は異なる
炭素数1〜20の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素
基、R6は炭素数1〜20の炭化水素基もしくはハロゲ
ン化炭化水素基、あるいはラジカル反応性基又はSH基も
しくはその両方をもつ有機基である)、mは10,000以下
の正の整数、nは1以上の整数である〕で表されるポリ
オルガノシロキサンと、
【0024】
【化11】 一般式(II)
【0025】(式中のR7は水素原子又はメチル基、R8
はアルキル基、アルコキシ置換アルキル基、シクロアル
キル基又はアリール基である)で表される(メタ)アク
リル酸エステル又はこの(メタ)アクリル酸エステル7
0重量%以上と共重合可能な単量体30重量%以下との
混合物とを、重量比5:95ないし95:5の割合で乳
化グラフト共重合させて成るアクリル変性ポリオルガノ
シロキサンであることを特徴とする上記(1)に記載の
電子写真感光体。
【0026】(3)上記一般式(I)で表されるポリオ
ルガノシロキサンの重量が上記一般式(II)で表される
(メタ)アクリル酸エステル又はこの(メタ)アクリル
酸エステル70重量%以上と共重合可能な単量体30重
量%以下との混合物の重量よりも多いことを特徴とする
上記(2)に記載の電子写真感光体。
【0027】(4)前記最上層に含まれる無機フィラー
が、少なくとも1種の金属酸化物であることを特徴とす
る上記(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真感光
体。
【0028】(5)前記高分子電荷輸送材料が下記一般
式(A)及び一般式(B)で表される構成単位からな
り、一般式(A)で表される構成単位の組成比をkと
し、一般式(B)で表される構成単位の組成比をjとし
たとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表さ
れることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに
記載の電子写真感光体。
【0029】
【化12】 一般式(A)
【0030】〔式中、R16は水素原子又は炭素数1〜6
の無置換もしくは置換のアルキル基、無置換もしくは置
換のアリール基、Ar11,Ar12、Ar13は無置換もし
くは置換のアリレン基を示す。R14、R15は無置換もし
くは置換のアリール基である。〕
【0031】
【化13】 一般式(B)
【0032】〔式中、Xは炭素数2〜20の無置換もし
くは置換脂肪族炭化水素2価基、無置換もしくは置換脂
環式炭化水素2価基、炭素数6〜20の無置換もしくは
置換芳香族炭化水素2価基、またはこれら2価基が結合
した2価基、又は下記式で表させる2価基を示す。〕
【0033】
【化14】
【0034】〔式中、R101、R102、R103、R104はハ
ロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアル
キル基又は無置換もしくは置換のアリール基(R101
102、R103、R104が各々複数個存在するときは、同
一であっても別異であってもよい)、o、pは0〜4の
整数、q、rは0〜3の整数、Yは単結合、炭素数2〜
12の直鎖状のアルキレン基、炭素数3〜12の無置換
もしくは置換分岐状アルキレン基、一つ以上の炭素数1
〜10のアルキレン基と一つ以上の酸素原子及び硫黄原
子から構成される2価基、−O−、−S−、−SO−、
−SO2−、−CO−、−COO−又は下記式
【0035】
【化15】
【0036】(式中、Z1は炭素数2〜20の無置換も
しくは置換脂肪族炭化水素2価基又は無置換もしくは置
換アリレン基を示し、Z2は炭素数2〜20の無置換も
しくは置換脂肪族炭化水素2価基又は無置換もしくは置
換アリレン基を示し、R105はハロゲン原子、炭素数
1〜6の無置換もしくは置換アルキル基、炭素数1〜6
の無置換もしくは置換のアルコキシ基又は無置換もしく
は置換アリール基を示し、R106、R107は水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換
アルキル基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアル
コキシ基又は無置換もしくは置換アリール基を示し、ま
たR106、R107が結合して炭素数5〜12の炭素環を形
成してもよく、R108、R109、R110、R111は水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換
アルキル基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアル
コキシ基又は無置換もしくは置換アリール基を示し、R
112はハロゲン原子、炭素数1 〜6の無置換もしくは置
換アルキル基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のア
ルコシキ基又は無置換もしくは置換アリール基を示し、
113、R114は単結合又は炭素数1〜4のアルキレン基
を表し、R115、R116は炭素数1〜6の無置換もしくは
置換アルキル基又は無置換もしくは置換アリール基を示
し、sは0〜4の整数、tは1又は2、uは0〜4の整
数、vは0〜20の整数、wは0〜2000の整数を示
す)で表させる2価基を示す。〕
【0037】(6)高分子電荷輸送材料が下記一般式
(C)及び上記一般式(B)で表される構成単位からな
り、一般式(C)で表される構成単位の組成比をk、一
般式(B)で表される構成単位の組成比をjとしたと
き、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表される
ことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載
の電子写真感光体。
【0038】
【化16】 一般式(C)
【0039】〔式中、R19、R20は直鎖または分岐鎖の
アルキレン基、Y4は無置換もしくは置換のアリレン
基、又は−Ar25−Y5−Ar25− (Ar14、A
15、Ar25は無置換もしくは置換のアリレン基、Y5
はO、S、無置換もしくは置換のアリレン基を示
す。)、eは0または1を示す。R14、R15、Ar11
Ar12は前記定義と同一である。〕
【0040】(7)高分子電荷輸送材料のポリスチレン
換算重量平均分子量が50000以上であることを特徴
とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の電子写真
感光体。
【0041】(8)電子写真感光体に、少なくとも帯
電、画像露光、現像、転写、クリーニング、除電を繰返
しおこなう電子写真方法において、該電子写真感光体が
上記(1)〜(7)のいずれかに記載の電子写真感光体
であることを特徴とする電子写真方法。
【0042】(9)少なくとも帯電手段、画像露光手
段、現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備し
てなる電子写真装置であって、該電子写真感光体が上記
(1)〜(7)のいずれかに記載の電子写真感光体であ
ることを特徴とする電子写真装置。
【0043】(10)少なくとも電子写真感光体を具備
してなる電子写真装置用プロセスカートリッジであっ
て、該電子写真感光体が上記(1)〜(7)のいずれか
に記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写
真装置用プロセスカートリッジ。
【0044】(11)上記(10)に記載のプロセスカ
ートリッジを搭載した電子写真装置。
【0045】上記の各発明の態様の概要を以下説明す
る。高分子電荷輸送材料は、分子分散型電荷輸送材料
(低分子電荷輸送材料をバインダー樹脂中に溶解分散さ
せたもの)に比べ機械的耐摩耗性に強い、電荷輸送材料
の結晶化によるクラックが発生しにくい等の利点を有す
るがその耐摩耗性は十分ではなく、また、滑り性はむし
ろ悪くなるという欠点を有していた。
【0046】本発明者らは上記(1)に記載したよう
に、無機フィラー添加によって耐摩耗性を増強させ、ア
クリル変性ポリオルガノシロキサン微粒子添加によって
滑り性や異物付着性を改良できることを見出し、目的の
電子写真感光体を得ることができた。
【0047】さらに、本発明者等は、アクリル変性ポリ
オルガノシロキサン微粒子に上記(2)に記載した特定
の組成からなるものを使用することで感光体表面の滑り
性とその持続性を上げられることを見出し、さらに、上
記(3)に記載の組成とすることでその滑り性と異物除
去性およびそれらの持続性はいっそう優れたものになる
ことを見出した。
【0048】また、本発明者等は、無機フィラーとして
上記(4)に記載したような金属酸化物フィラーを使用
すること、高分子電荷輸送材料として上記(5)および
上記(6)に記載した構造のものを使用すること場合並
びに上記(7)に記載した特定の分子量のものを使用す
ること等によって特に耐摩耗性に優れ、滑り性が良く、
異物等の付着がしにくくクリーニング性が良好で地汚れ
等の画像欠陥が発生せず、耐指紋性にも優れ画像流れ等
の発生しやすい高湿化環境においても解像度低下がなく
長期に渡って安定した高品質な画像出力が可能な電子写
真感光体を提供できることを見出した。
【0049】これらの課題が達成された原因は必ずしも
明確ではないが以下のように考えられる。電子写真感光
体の摩耗は高硬度な無機フィラーによる補強とそのフィ
ラーを保持する媒体の機械的強度の相互作用で決まる。
高分子電荷輸送材料それ自体の機械的強度、高分子電荷
輸送材料と無機フィラーの接着力、無機フィラー自体の
機械的強度、アクリル変性ポリオルガノシロキサン微粒
子と高分子電荷輸送材料との接着力等が全体としてバラ
ンスされることにより、膜全体の耐摩耗性が極めて強
く、且つアクリル変性ポリオルガノシロキサン中のオル
ガノシロキサン構造部が部分的に表面に露出することで
滑り性・低表面エネルギー化による異物付着防止性を兼
ね備えることができたと考えられる。
【0050】これらの感光体を搭載した電子写真プロセ
スによる電子写真方法、電子写真装置、プロセスカート
リッジは、感光体の長寿命化と高信頼化によりこれまで
のものよりも感光体の交換頻度が少なくハンドリングも
良く、従って、メンテナンスが少なくて済み、さらにラ
ンニングコストが小さく且ついつまでも画質の安定した
画像出力が可能となる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、本発明に用いられる電子写
真感光体を図面に沿って説明する。
【0052】〈感光体の層構成〉第1図は、導電性支持
体31上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とす
る感光層33が設けられ、更に感光層表面に保護層39
が設けられてなる。この場合、保護層39には高分子電
荷輸送材料とアクリル変性ポリオルガノシロキサン化合
物と無機フィラーが含有されてなる。
【0053】第2図は、導電性支持体31上に、電荷発
生物質を主成分とする電荷発生層35と電荷輸送物質を
主成分とする電荷輸送層37とが積層された感光層をも
つ構成をとっており、更に電荷輸送層上に保護層39が
設けられてなる。この場合、保護層39には高分子電荷
輸送材料とアクリル変性ポリオルガノシロキサン化合物
と無機フィラーが含有されてなる。
【0054】第3図は、導電性支持体31上に、電荷輸
送物質を主成分とする電荷輸送層37と電荷発生物質を
主成分とする電荷発生層35とが積層された構成をとっ
ており、更に電荷発生層上に保護層39が設けられてな
る。この場合、保護層39には高分子電荷輸送材料とア
クリル変性ポリオルガノシロキサン化合物と無機フィラ
ーが含有されてなる。第1図、第2図、第3図に示す保
護層は下層と明瞭な境界を有して記載されているが、そ
れぞれの層を形成する材料組成の大部分が共通の材料で
あったり、塗工時の溶解により界面が溶け合ったりし、
厳密には明瞭な界面を形成しない場合も多く、それらを
包含したものである。また、第2図で示される構成にお
いては保護層に必要な構成材料を含む電荷輸送層単独で
電荷輸送層+保護層を代用することも可能である。
【0055】〈導電性支持体〉導電性支持体31として
は、体積抵抗1010 Ω・cm以下の導電性を示すもの、
例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、
銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウ
ムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングによ
り、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被
覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合
金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押
し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上
げ、研摩などの表面処理した管などを使用することがで
きる。また、特開昭52−36016号公報に開示され
たエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベ
ルトも導電性支持体31として用いることができる。
【0056】この他、上記支持体上に導電性粉体を適当
な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明
の導電性支持体31として用いることができる。この導
電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラ
ック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、
銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、
ITOなどの金属酸化物粉体などがあげられる。
【0057】また、同時に用いられる結着樹脂には、ポ
リスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン
酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ
カーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース
樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、
ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、
アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミ
ン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹
脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が
挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉
体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラ
ン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンな
どに分散して塗布することにより設けることができる。
【0058】さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニ
ル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン
(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた
熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、
本発明の導電性支持体31として良好に用いることがで
きる。
【0059】〈感光層〉次に感光層について説明する。
本発明で用いられる感光体の感光層は単層構成でも積層
構成でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層35と
電荷輸送層37で構成される積層構成の場合から述べ
る。
【0060】電荷発生層 電荷発生層35は、電荷発生物質を主成分とする層であ
る。電荷発生層35には、公知の電荷発生物質を用いる
ことが可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジ
スアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノ
ン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合
物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔
料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等
が挙げられ用いられる。これら電荷発生物質は単独で
も、2種以上混合してもかまわない。
【0061】電荷発生層35は、電荷発生物質を必要に
応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、ア
トライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、
これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形
成される。
【0062】必要に応じて電荷発生層35に用いられる
結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキ
シ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹
脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニル
ホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリス
ルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリル
アミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノ
キシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸
ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビ
ニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜
500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当で
ある。結着樹脂の添加は、分散前あるいは分散後どちら
でも構わない。
【0063】ここで用いられる溶剤としては、イソプロ
パノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセル
ソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジ
クロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、
トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特
にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良
好に使用される。これらは単独で用いても2種以上混合
して用いてもよい。
【0064】電荷発生層35は、電荷発生物質、溶媒及
び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分
散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等が含まれていて
も良い。塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレ
ーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコー
ト、リングコート等の方法を用いることができる。電荷
発生層35の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であ
り、好ましくは0.1〜2μmである。
【0065】電荷輸送層 電荷輸送層37は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当
な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗
布、乾燥することにより形成できる。また、必要により
単独あるいは2種以上の可塑剤、レベリング剤、酸化防
止剤等を添加することもできる。電荷輸送物質には、正
孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
【0066】電子輸送物質としては、例えばクロルアニ
ル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシア
ノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオ
レノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレ
ノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,
4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリ
ニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4
−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−
5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受
容性物質が挙げられる。
【0067】正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニル
カルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリ
ルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホル
ムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレ
ン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾ
ール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘
導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘
導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、
α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジ
アリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9
−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジ
ビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘
導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチル
ベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙
げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以
上混合して用いられる。
【0068】結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエ
ステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリ
レート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸
セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブ
チラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエ
ン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シ
リコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン
樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性ま
たは熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0069】電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部
に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150
重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は解像度
・応答性の点から、25μm以下とすることが好まし
い。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電
位等)により異なるが、5μm以上が好ましい。
【0070】ここで用いられる溶剤としては、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、
モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノ
ン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。
これらは単独で使用しても2種以上混合して使用しても
良い。
【0071】単層構成の感光層 次に感光層が単層構成の場合について述べる単層の感光
層には、上述した電荷発生物質、電荷輸送物質、結着樹
脂などが全て使用できる。
【0072】感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物
質、上述の硫黄系化合物、および結着樹脂を適当な溶剤
に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによっ
て形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤
等を添加することもできる。結着樹脂100重量部に対
する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電
荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに
好ましくは50〜150重量部である。感光層は、電荷
発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒド
ロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサ
ン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬
塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート
などで塗工して形成できる。感光層の膜厚は、5〜25
μm程度が適当である。
【0073】〈保護層〉次に保護層39について説明す
る。保護層39は高分子電荷輸送材料中にアクリル変性
ポリオルガノシロキサン化合物と無機フィラー材料を適
当な溶剤を介して分散せしめるとともにレベリング剤や
酸化防止剤等を添加、溶解させ、これを感光層上に塗
布、乾燥することにより形成される。
【0074】高分子電荷輸送材料 ここで使用される高分子電荷輸送材料としては従来公知
の材料が使用できる。例えば、特開昭51−73888
号公報、特開昭54−8527号公報、特開昭54−1
1737号公報、特開昭56−150749号公報、特
開昭57−78402号公報、特開昭63−28555
2号公報、特開昭64−1728号公報、特開昭64−
13061号公報、特開昭64−19049号公報、特
開平3−50555号公報、特開平4−225014号
公報、特開平4−230767号公報、特開平5−23
2727号公報、特開平5−310904号公報等に記
載されているものが使用できる。
【0075】トリアリ−ルアミン構造を有する従来公知
の電荷輸送性ポリマーに関しても本発明において同様に
利用する事が出来る。例えばアセトフェノン誘導体(特
開平8−269183号公報に記載)、ジスチリルベン
ゼン誘導体(特開平9−71642号公報に記載)、ジ
フェネチルベンゼン誘導体(特開平9−104746号
公報に記載)、α−フェニルスチルベン誘導体(特開平
9−272735号公報および特開2000−3149
73号公報に記載)、ブタジエン誘導体(特開平9−2
35367号公報に記載)、水素化ブタジエン誘導体
(特開平9−87376号公報に記載)、ジフェニルシ
クロヘキサン誘導体(特開平9−110976号公報に
記載)、ジスチリルトリフェニルアミン誘導体(特開平
9−268226号公報に記載)、ジスチリルジアミン
誘導体(特開平11−60718号公報)、ジフェニル
ジスチリルベンゼン誘導体(特開平9−221544
号、同9−227669号公報に記載)、スチルベン誘
導体(特開平9−157378号公報、特開平11−7
1453号公報に記載)、m−フェニレンジアミン誘導
体(特開平9−302084号、同9−302085号
公報に記載)、レゾルシン誘導体(特開平9−3285
39号公報に記載)、フルオレン誘導体(特開平11−
5836号公報に記載)、フェノキシスチルベン誘導体
(特開平11−71453号公報に記載)などが使用で
きる。
【0076】またトリアリールアミン構造を有するポリ
カーボネート樹脂も同様に利用できる。例えば米国特許
4,801,517号、同4,806,443号、同
4,806,444号、同4,937,165号、同
4,959,288号、同5,030,532号、同
5,034,296号、同5,080,989号各明細
書、特開昭64−9964号、特開平3−221522
号、特開平2−304456号、特開平4−11627
号、特開平4−175337号、特開平4−18371
号、特開平4−31404号、特開平4−133065
号各公報等に記載されているものが使用できる。これら
の中でより好ましい例としては下記構造のものが挙げら
れる。
【0077】(i)下記一般式(1)及び(2)で表さ
れる構成単位からなり、一般式(1)で表される構成単
位の組成比をk、一般式(2)で表される構成単位の組
成比をjとしたとき、組成比の割合が0<k/(k+
j)≦1で表される高分子型電荷輸送材料。
【0078】
【化17】 一般式(1)
【0079】〔式中、R10は水素原子又は炭素数1〜
6の無置換もしくは置換のアルキル基、R11、R12、R
13はハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換
のアルキル基(R11、R12、R13が各々複数個存在する
ときは同一であっても別異であってもよい)、R14、R
15は無置換もしくは置換のアリール基を示し、a,b、
cは各々0〜4の整数を示す。〕
【0080】
【化18】 一般式(2)
【0081】〔式中、Xは炭素数2〜20の無置換もし
くは置換脂肪族炭化水素2価基、無置換もしくは置換脂
環式炭化水素2価基、炭素数6〜20の無置換もしくは
置換芳香族炭化水素2価基、またはこれら2価基が結合
した2価基、又は下記式で表される2価基を示す。〕
【0082】
【化19】
【0083】〔式中、R101、R102、R103、R104はハ
ロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアル
キル基又は無置換もしくは置換のアリール基(R101
102、R103、R104が各々複数個存在するときは、同
一であっても別異であってもよい)、o、pは0〜4の
整数、q、rは0〜3の整数、Yは単結合、炭素数2〜
12の直鎖状のアルキレン基、炭素数3〜12の無置換
もしくは置換分岐状アルキレン基、一つ以上の炭素数1
〜10のアルキレン基と一つ以上の酸素原子及び硫黄原
子から構成される2価基、−O−、−S−、−SO−、
−SO2−、−CO−、−COO−又は下記式
【0084】
【化20】
【0085】(式中、Z1は炭素数2〜20の無置換も
しくは置換脂肪族炭化水素2価基又は無置換もしくは置
換アリレン基を示し、Z2は炭素数2〜20の無置換も
しくは置換脂肪族炭化水素2価基又は無置換もしくは置
換アリレン基を示し、R105はハロゲン原子、炭素数1
〜6の無置換もしくは置換アルキル基、炭素数1〜6の
無置換もしくは置換のアルコキシ基又は無置換もしくは
置換アリール基を示し、R106、R107は水素原子、ハロ
ゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル
基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ基
又は無置換もしくは置換アリール基を示し、また
106、R107が結合して炭素数5〜12の炭素環を形成
してもよく、R108、R109、R110、R111は水素原子、
ハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アル
キル基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコキ
シ基又は無置換もしくは置換アリール基を示し、R112
はハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換ア
ルキル基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコ
シキ基又は無置換もしくは置換アリール基を示し、R
113、R114は単結合又は炭素数1〜4のアルキレン基を
表し、R115、R116は炭素数1〜6の無置換もしくは置
換アルキル基又は無置換もしくは置換アリール基を示
し、sは0〜4の整数、tは1又は2、uは0〜4の整
数、vは0〜20の整数、wは0〜2000の整数を示
す)で表される2価基を示す。〕
【0086】以下各置換基の具体例を示すが、特に断り
のない限り、同一表記については他の一般式中でも同定
義である。
【0087】一般式(1)においてR10で示される炭素
数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基としては、
直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が挙げられ、これら
のアルキル基は、フッ素原子、シアノ基、フェニル基も
しくはハロゲン原子又は炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖も
しくは環状のアルキル基で置換されたフェニル基を含有
していてもよい。
【0088】具体的には、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル
基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル
基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベン
ジル基、4−メチルベンジル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基等を挙げることができる。
【0089】R11、R12、R13で示されるハロゲン原子
としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子が挙げられる。
【0090】R14、R15で示される無置換もしくは置換
のアリール基(芳香族炭化水素基及び不飽和複素環基)
の具体例としては以下のものを挙げることができ、同一
であっても異なってもよい。芳香族炭化水素基として
は、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニ
ル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フ
ルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェ
ニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル
基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフ
ェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフ
ェニリル基、又は
【0091】
【化21】
【0092】〔ここで、Wは−O−、−S−、−SO
−、−SO2−、−CO−又は以下の2価基から選ばれ
る。
【0093】
【化22】
【0094】(ここで、R120は、水素原子、炭素数1
〜6の無置換もしくは置換のアルキル基、炭素数1〜6
の無置換のもしくは置換のアルコキシ基、ハロゲン原
子、無置換もしくは置換のアリール基、置換もしくは無
置換のアリールアミノ基、ニトロ基、シアノ基を表し、
121は、水素原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置
換のアルキル基、無置換もしくは置換のアリール基を表
し、hは1〜12の整数、iは1〜3の整数を表
す。)]で表される2価基を示す。
【0095】複素環基としては、チエニル基、ベンゾチ
エニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル
基などが挙げられる。上記のアリール基は以下に示す基
を置換基として有してもよい。
【0096】(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル
基、シアノ基、ニトロ基。 (2)炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル
基。
【0097】(3)炭素数1〜6の無置換もしくは置換
のアルコキシ基(炭素数1〜6の無置換もしくは置換ア
ルコキシ基としては、前記定義のアルキル基をアルコキ
シ基に代えたものであり、メトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、
i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、2
−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベン
ジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフル
オロメトキシ基等が挙げられる。)
【0098】(4)アリールオキシ基。(アリールオキ
シ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル
基を有するものが挙げられる。これは、炭素数1〜6の
無置換もしくは置換のアルキル基、炭素数1〜6の無置
換もしくは置換のアルコキシ基、又はハロゲン原子を置
換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ
基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4
−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4
−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキ
シ基等が挙げられる。
【0099】(5)置換メルカプト基又はアリールメル
カプト基。(置換メルカプト基又はアリールメルカプト
基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、
フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げら
れる。
【0100】(6)アルキル置換アミノ基。(具体的に
は、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミ
ノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(p−
トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ
基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。)
【0101】(7)アシル基。(アシル基としては、具
体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マ
ロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。)
【0102】また一般式(2)のXで示される炭素数2
〜20の無置換もしくは置換脂肪族炭化水素2価基、無
置換もしくは置換脂環式炭化水素2価基の具体例として
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテ
トラメチレンエーテルグリコール、1,3−プロパンジ
オール、1,4−ブタンジオール、1,5−ぺンタンジ
オール、3−メチル−1,5−ぺンタンジオール、1,
6−へキサンジオール、1,5−へキサンジオール、
1,7−へプタンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオー
ル、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカ
ンジオール、ネオぺンチルグリコール、2−エチル−
1,6−へキサンジオール、2−メチル−1,3−プロ
パンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、
1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノー
ル、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プ
ロパン、キシリレンジオール、1,4−ビス(2−ヒド
ロキシエチル)べンゼン、1,4−ビス(3−ヒドロキ
シプロピル)べンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシ
ブチル)べンゼン、1,4−ビス(5−ヒドロキシぺン
チル)べンゼン、1,4−ビス(6−ヒドロキシヘキシ
ル)べンゼン、イソホロンジオール等のジオールからヒ
ドロキシ基を2個除いた2価基を挙げることができる。
【0103】Xで示される炭素数6〜20の無置換もし
くは置換芳香族2価基としては上記無置換もしくは置換
のアリール基から誘導される2価基を挙げることがで
き、無置換もしくは置換アルキレン基としては、上記無
置換もしくは置換アルキル基から誘導される2価基を挙
げることができる。
【0104】Yで示される一つ以上の炭素数1〜10の
アルキレン基と一つ以上の酸素原子及び硫黄原子から構
成される2価基に特に制限はないが、例えは具体例とし
て、OCH2CH2O、OCH2CH2OCH2CH2O、OCH2CH2OCH2CH2OCH2C
H2O、OCH2CH2CH2O、OCH2CH2CH2CH2O、OCH2CH2CH2CH2CH2
CH2O、OCH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2O、CH2O、CH2CH2O、C
HEtOCHEtO、CHCH3O、SCH2OCH2S、CH2OCH2、OCH2OCH2O、
SCH2CH2OCH2OCH2CH2S、OCH2CHCH3OCH2CHCH3O、SCH2S、S
CH2CH2S、SCH2CH2CH2S、SCH2CH2CH2CH2S、SCH2CH2CH2CH
2CH2CH2S、SCH2CH2SCH2CH2S、SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2S
等が挙げられる。
【0105】炭素原子数3〜12の分岐状のアルキレン
基に修飾する置換基としては、無置換もしくは置換アリ
ール基、又はハロゲン原子が挙げられる。Z1、Z2が無
置換もしくは置換脂肪族の2価基である場合としては、
Xが脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基である場合の
ジオールからヒドロキシ基を除いた2価基を挙げること
ができる。また、Z1、Z2が無置換もしくは置換アリレ
ン基である場合として、上記無置換もしくは置換アリー
ル基から誘導される2価基を挙げることができる。
【0106】Xが芳香族の2価基である場合の好ましい
具体例としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス〈4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジ
メチルプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−
(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ぺンタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メ
チルぺンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)へキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)へプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ノナン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソ
プロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロ
ヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−
クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)へキサフルオロプロパン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロぺンタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−
ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘプタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノルボルナ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマン
タン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニ
ルエーテル、エチレングリコールビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エーテル、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノ
キシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−ヒドロキシフェノキ
シ)ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスル
フィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルスルフィド、3,3’,5,5’−テトラメ
チル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、3,
3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルスルホン、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジクロロ−
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(3−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)ケトン、3,3,3’,3’−
テトラメチル−6,6’−ジヒドロキシスピロ(ビス)
インダン、3,3’,4,4’−テトラヒドロ−4,
4,4’,4’−テトラメチル−2,2’−スピロビ
(2H−1−べンゾピラン)−7,7’−ジオール、ト
ランス−2,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2
−ブテン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フ
ルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)キ
サンテン、1,6−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1,6−へキサンジオン、α,α,α’,α’−テトラ
メチル−α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラメチル−
α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−キシ
レン、2,6−ジヒドロキシジベンゾ−p−ジオキシ
ン、2,6−ジヒドロキシチアントレン、2,7−ジヒ
ドロキシフェノキサチイン、9,10−ジメチル−2,
7−ジヒドロキシフェナジン、3,6−ジヒドロキシジ
ベンゾフラン、3,6−ジヒドロキシジベンゾチオフェ
ン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,4−ジヒ
ドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシピレン、ハ
イドロキノン、レゾルシン、4−ヒドロキシフェニル−
4−ヒドロキシベンゾエート、エチレングリコール−ビ
ス(4−ヒドロキシベンゾエート)、ジエチレングリコ
ール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、トリエチ
レングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエー
ト)、p−フェニレン−ビス(4−ヒドロキシベンゾエ
ート)、1,6−ビス(4−ヒドロキシベンゾイルオキ
シ)−1H,1H,6H,6H−パーフルオロヘキサ
ン、1,4−ビス(4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)
−1H,1H,4H,4H−パーフルオロブタン、1,
3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)テトラメチルジシ
ロキサン等で示されるジオールからヒドロキシ基を2個
除いた2価基が挙げられる。
【0107】(ii)下記一般式(3)及び前記一般式
(2)で表される構成単位からなり、一般式(3)で表
される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表される
構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<
k/(k+j)≦1で表される高分子型電荷輸送材料。
【0108】
【化23】 一般式(3)
【0109】〔式中、R16は水素原子又は炭素数1〜6
の無置換もしくは置換のアルキル基、無置換もしくは置
換のアリール基、Ar11,Ar12、Ar13は無置換もし
くは置換のアリレン基を示す。R14、R15は前記定義と
同一である。〕
【0110】(iii)下記一般式(4)及び前記一般式
(2)で表される構成単位からなり、一般式(4)で表
される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表される
構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<
k/(k+j)≦1で表される高分子型電荷輸送材料。
【0111】
【化24】 一般式(4)
【0112】〔式中、R14、R15、Ar11、Ar12、A
13は前記定義と同一である。〕
【0113】(iv)下記一般式(5)及び前記一般式
(2)で表される構成単位からなり、一般式(5)で表
される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表される
構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<
k/(k+j)≦1で表される高分子型電荷輸送材料。
【0114】
【化25】 一般式(5)
【0115】〔式中、dは1〜5の整数を示す。R14
15、Ar11、Ar12、Ar13は前記定義と同一であ
る。〕
【0116】(v)下記一般式(6)及び前記一般式
(2)で表される構成単位からなり、一般式(6)で表
される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表される
構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<
k/(k+j)≦1で表される高分子型電荷輸送材料。
【0117】
【化26】 一般式(6)
【0118】〔式中、Ar14,Ar15、Ar16は無置換
もしくは置換のアリレン基、X1、X2は無置換もしくは
置換のエチレン基、又は無置換もしくは置換のビニレン
基を示す。R14、R15は前記定義と同一である。〕
【0119】(vi)下記一般式(7)及び前記一般式
(2)で表される構成単位からなり、一般式(7)で表
される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表される
構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<
k/(k+j)≦1で表される高分子型電荷輸送材料。
【0120】
【化27】 一般式(7)
【0121】〔式中、R17、R18は無置換もしくは置換
のアリール基、Ar17,Ar18、Ar 19は無置換もしく
は置換のアリレン基、Y1、Y2、Y3は単結合、無置換
もしくは置換のアルキレン基、無置換もしくは置換のシ
クロアルキレン基、無置換もしくは置換のアルキレンエ
ーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし同
一であっても異なってもよい。R14、R15、Ar13は前
記定義と同一である。〕
【0122】(vii)下記一般式(8)及び前記一般式
(2)で表される構成単位からなり、一般式(8)で表
される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表される
構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<
k/(k+j)≦1で表される高分子型電荷輸送材料。
【0123】
【化28】 一般式(8)
【0124】〔式中、R14、R15、Ar13、Ar14、A
15は前記定義と同一である。〕
【0125】(viii)下記一般式(9)及び前記一般式
(2)で表される構成単位からなり、一般式(9)で表
される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表される
構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<
k/(k+j)≦1で表される高分子型電荷輸送材料。
【0126】
【化29】 一般式(9)
【0127】〔式中、R14、Ar11、Ar12、Ar14
Ar15は前記定義と同一である。〕
【0128】(ix)下記一般式(10)及び前記一般式
(2)で表される構成単位からなり、一般式(10)で
表される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表され
る構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0
<k/(k+j)≦1で表される高分子型電荷輸送材
料。
【0129】
【化30】 一般式(10)
【0130】〔式中、Ar20,Ar21、Ar22、A
23、Ar24は無置換もしくは置換のアリレン基を示
す。R14、R15、R17、R18は前記定義と同一であ
る。〕
【0131】(x)下記一般式(11)及び前記一般式
(2)で表される構成単位からなり、一般式(11)で
表される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表され
る構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0
<k/(k+j)≦1で表される高分子型電荷輸送材
料。
【0132】
【化31】 一般式(11)
【0133】〔式中、R14、R15、Ar13、Ar14、A
15は前記定義と同一である。〕
【0134】(xi)下記一般式(12)及び前記一般式
(2)で表される構成単位からなり、一般式(12)で
表される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表され
る構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0
<k/(k+j)≦1で表される高分子型電荷輸送材
料。
【0135】
【化32】 一般式(12)
【0136】〔式中、R14、Ar14、Ar15は前記定義
と同一である。〕
【0137】(xii)下記一般式(13)及び前記一般
式(2)で表される構成単位からなり、一般式(13)
で表される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表さ
れる構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が
0<k/(k+j)≦1で表される高分子型電荷輸送材
料。
【0138】
【化33】 一般式(13)
【0139】〔式中、R14、R16、Ar11、Ar12、A
14、Ar15は前記定義と同一である。〕
【0140】(xiii)下記一般式(14)及び前記一般
式(2)で表される構成単位からなり、一般式(14)
で表される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表さ
れる構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が
0<k/(k+j)≦1で表される高分子型電荷輸送材
料。
【0141】
【化34】 一般式(14)
【0142】〔式中、R19、R20は直鎖または分岐鎖の
アルキレン基、Y4は無置換もしくは置換のアリレン
基、又は−Ar25−Y5−Ar25− (Ar25は無置換
もしくは置換のアリレン基、Y5はO、S、無置換もし
くは置換のアリレン基を示す。)、eは0または1を示
す。R14、R15、Ar11、Ar12、Ar14、Ar15は前
記定義と同一である。〕
【0143】これらのうち一般式(3)および一般式
(14)で表される構成単位を含む高分子電荷輸送材料
が特に好ましい。一般式(3)で表される構成単位を含
む高分子電荷輸送材料は、機械的強度も高く、電荷輸送
性にも優れており、本発明中で無機フィラーとアクリル
変性ポリオルガノシロキサン微粒子を分散させた系にお
いてもそれぞれの相互作用のバランスが良く、全体とし
て耐摩耗性が高く、滑り性も良好で且つ残留電位発生や
感度低下のない電子写真特性に優れた電子写真感光体が
提供される。
【0144】また、一般式(14)で表される構成単位
を含む高分子電荷輸送材料は、特に機械的強度に強く、
電荷輸送性とのバランスも優れており、本発明中で無機
フィラーとアクリル変性ポリオルガノシロキサン微粒子
を分散させた系においてもそれぞれの相互作用のバラン
スが良く、全体として非常に耐摩耗性が高く、滑り性も
良好で且つ残留電位発生や感度低下のない電子写真特性
に優れた電子写真感光体が提供される。
【0145】アクリル変性ポリオルガノシロキサン 本発明で使用されるアクリル変性ポリオルガノシロキサ
ン化合物としては、ポリオルガノシロキサン主鎖にアク
リル重合体をグラフト化させた化合物が使用される。そ
の中で特に以下の組成からなるアクリル変性ポリオルガ
ノシロキサン化合物が好ましい。
【0146】
【化35】 (イ)一般式(I)
【0147】(式中のR1、R2、R3、Y、Z1及びZ2
は前記と同じ意味をもつ)で表わされるポリオルガノシ
ロキサンに、
【0148】
【化36】 (ロ)一般式(II)
【0149】(式中のR7、R8は前記と同じ意味をも
つ)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル及び所望
に応じて用いられる共重合可能な単量体を、乳化重合法
によりグラフト重合で製造されるアクリル変性ポリオル
ガノシロキサン化合物。
【0150】前記(イ)成分の一般式(I)で表わされ
るポリオルガノシロキサンにおいては、R1、R2及びR
3は、それぞれメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基などのアルキル基やフェニル基、トリル基、キシリ
ル基、ナフチル基などのアリール基などの炭素数1〜2
0の炭化水素基又はこれらの炭化水素基の炭素原子に結
合した水素原子の少なくとも1つをハロゲン原子で置換
した炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基であって、
1、R2及びR3は、それぞれ同一であってもよいし、
互いに異なっていてもよい。また、Yはビニル基、アリ
ル基、γ−アクリロキシプロピル基、γ−メタクリロキ
シプロピル基、γ−メルカプトプロピル基などのラジカ
ル反応性基又はSH基もしくはその両方をもつ有機基であ
る。Z1及びZ2は水素原子、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基などの低級アルキル基又は
【0151】
【化37】
【0152】で示されるトリオルガノシリル基であり、
このトリオルガノシリル基におけるR 4及びR5は、それ
ぞれ同一又は異なる炭素数1〜20の炭化水素基又はハ
ロゲン化炭化水素基、R6は炭素数1〜20の炭化水素
基もしくはハロゲン化炭化水素基、あるいはラジカル反
応性基又はSH基もしくはその両方をもつ有機基であ
る。該トリオルガノシリル基における炭素数1〜20の
炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基及びラジカル反応性
基又はSH基もしくはその両方をもつ有機基としては、
前記に例示したものを挙げることができる。該Z1とZ2
は、それぞれ同一であってもよいし、たがいに異なるも
のであってもよい。さらに、mは10,000以下の正
の整数、好ましくは500〜8,000の範囲の整数で
あり、nは1以上の整数、好ましくは1〜500の範囲
の整数である。
【0153】前記一般式(I)で示されるポリオルガノ
シロキサンは、環状ポリオルガノシロキサン、分子鎖両
末端が水酸基で封鎖された液状ポリジメチルシロキサ
ン、分子鎖両末端がアルコキシ基で封鎖された液状ポリ
ジメチルシロキサン、分子鎖両末端がトリメチルシリル
基で封鎖されたポリジメチルシロキサンなどを、また、
ラジカル反応性基又はSH基もしくはその両方を導入する
ためのシラン類或いはシラン類の加水分解生成物など
を、さらに所望に応じ、本発明の目的をそこなわない程
度の量の三官能性トリアルコキシシラン及びその加水分
解生成物などを用い、反応させることにより製造するこ
とができる。
【0154】次に、一般式(I)で示されるポリオルガ
ノシロキサンの製造方法の異なった例について説明する
と、まず、第1の方法は、原料として、例えば前記のオ
クタメチルシクロテトラシロキサンのような環状低分子
シロキサンとラジカル反応性基又はSH基もしくはその両
方をもつジアルコキシシラン化合物やその加水分解物を
用い、強アルカリ性又は強酸性触媒の存在下に重合させ
ることにより高分子量のポリオルガノシロキサンを得る
方法である。このようにして得られた高分子量のポリオ
ルガノシロキサンは、次工程の乳化グラフト共重合に供
するために、適当な乳化剤の存在下に水性媒体中に乳化
分散させる処理が施される。
【0155】次に、第2の方法は、原料として、例えば
前記の低分子ポリオルガノシロキサンと、ラジカル反応
性基又はSH基もしくはその両方をもつジアルコキシシ
ランやその加水分解物とを用い、スルホン酸系界面活性
剤や硫酸エステル系界面活性剤の存在下に、水性媒体中
において乳化重合させる方法である。この乳化重合の場
合、同様な原料を用い、アルキルトリメチルアンモニウ
ムクロリドやアルキルベンジルアンモニウムクロリドの
どのカチオン性界面活性剤により、水性媒体中に乳化分
散させたのち、適当量の水酸化カリウムや水酸化ナトリ
ウムなどの強アルカリ性化合物を添加して重合させるこ
ともできる。
【0156】このようにして得られた前記一般式(I)
で示されるポリオルガノシロキサンは、その分子量が小
さいと、組成物から得られる成形体に持続性のある摺動
性、耐摩耗性などを付与する効果が劣るようになるの
で、分子量ができるだけ大きい方が好ましい。このた
め、第1の方法においては、重合においてポリオルガノ
シロキサンを高分子量のものとしておき、これを乳化分
散することが必要であり、また第2の方法においては、
乳化重合後に施される熟成処理の際に、温度を低くすれ
ばポリオルガノシロキサンの分子量が大きくなるので、
熟成温度は30℃以下、好ましくは15℃以下とするのが有
利である。
【0157】本発明において、前記一般式(I)で示さ
れるポリオルガノシロキサンに、グラフト重合させる
(ロ)成分の単量体として用いられる前記一般式(II)
で示される(メタ)アクリル酸エステルとしては、例え
ばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリ
レート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、
ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アク
リレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのアル
キル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)ア
クリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレートなど
のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリ
レート、ベンジル(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。これらの(メタ)アクリル酸エステルは1種のみを
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0158】また、所望に応じ、これらの(メタ)アク
リル酸エステルと共に用いられる共重合可能な単量体と
しては、多官能性単量体やエチレン性不飽和単量体が挙
げられる。該多官能性単量体としては、例えば(メタ)
アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブト
キシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチ
ル(メタ)アクリルアミドなどのエチレン性不飽和アミ
ド及びエチレン性不飽和アミドのアルキロール又はアル
コキシアルキル化物、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、グリシジルアリルエーテルなどのオキシラン基含有
不飽和単量体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートな
どのヒドロキシル基含有不飽和単量体、(メタ)アクリ
ル酸、無水マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸などの
カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体、N−ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ジエチル
アミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有
不飽和単量体、(メタ)アクリル酸のエチレンオキシド
やプロピレンオキシド付加物などのポリアルキレンオキ
シド基含有不飽和単量体、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレートなどの多価アルコールと(メタ)アクリル酸と
の完全エステル、さらにはアリル(メタ)アクリレー
ト、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。これらは1種
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0159】これらの多官能性単量体は、アクリル変性
ポリオルガノシロキサンにおけるポリマー間の架橋に関
与することによって、成形体に弾性、耐久性、耐熱性な
どを付与する効果を有している。
【0160】一方、エチレン性不飽和単量体としては、
例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニ
ルなどが挙げられる。これらの単量体は1種用いてもよ
いし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、こ
れらの単量体1種以上と前記官能性単量体1種以上とを
組み合わせて用いてもよい。
【0161】前記所望に応じて用いられる共重合可能な
単量体の使用量は、一般式(II)で示される(メタ)ア
クリル酸エステルと該共重合可能な単量体との合計重量
に基づき、30重量%以下の範囲で選ぶことが必要であ
る。この量が30重量%を超えると、得られるアクリル
変性ポリオルガノシロキサンとバインダー樹脂との混和
性が低下する。
【0162】また、前記(ロ)成分のグラフト共重合用
単量体、すなわち前記一般式(II)で示される(メタ)
アクリル酸エステル、又はこれと共重合可能な単量体と
の混合物は、成形体により優れた摺動性、耐摩耗性を付
与するためには、そのポリマー化物のガラス転移温度が
20℃、好ましくは30℃以上のものが望ましい。
【0163】本発明におけるアクリル変性ポリオルガノ
シロキサンは、前記(イ)成分のポリオルガノシロキサ
ンと(ロ)成分の単量体とを、重量比5:95ないし9
5:5の割合で用いて、乳化重合法により、グラフト共
重合させることにより得られる。該(イ)成分のポリオ
ルガノシロキサンの使用割合が前記範囲より少ないと、
得られるアクリル変性ポリオルガノシロキサンはポリオ
ルガノシロキサン自体がもつ効果を十分に発揮すること
ができず、かつアクリル系ポリマーの欠点である粘着感
が生じるようになるし、前記範囲より多いと該アクリル
変性ポリオルガノシロキサンはポリ塩化ビニル系樹脂と
の混和性が低下し、成形体表面にブリードしやすくな
り、摺動性、耐摩耗性などが経時により低下しやすくな
る傾向がみられる。
【0164】前記(イ)成分と(ロ)成分との乳化グラ
フト共重合は、該(イ)成分としてポリオルガノシロキ
サンの水性エマルジョンを用い、通常のラジカル開始剤
を使用して、公知の乳化重合法によって行うことができ
る。
【0165】なおアクリル変性ポリオルガノシロキサン
の製造に関しては特公平7−5808号公報(日信化学
工業株式会社)に詳細に記載されている。
【0166】また本発明に用いられるアクリル変性ポリ
オルガノシロキサンにおいて、重合時に用いる乳化剤、
凝集剤等不純物の残留は電気特性を問題とする像形成部
材とりわけ電子写真用感光体においてはその電気特性を
損なう恐れがあるため、必要に応じて精製して用いるこ
とが好ましい。精製法としては酸、アルカリ水溶液、水
およびアルコールなどで攪拌洗浄処理する方法またソッ
クスレー抽出等による固液抽出法が挙げられる。
【0167】保護層中における変性ポリオルガノシロキ
サンの割合として40重量%以下、より好ましくは20
重量%以下である。40重量%以上使用すると、感光体
の表面平滑性の低下、残留電位上昇等の副作用をもたら
す。
【0168】また、変性ポリオルガノシロキサンを樹脂
に添加する方法としては、汎用の溶媒中で攪拌する方
法、ボールミリング法、振動ミリング法及び超音波法な
どの手段を用いることができる。または、バンバリーミ
キサー、ロールミル、2軸押出し機などの公知の装置を
用い機械的に混合しペレット状に賦形する方法を挙げる
ことができる。押し出し賦形されたペレットは、幅広い
温度範囲で成型可能であり、成型には通常の射出成型機
が用いられる。ペレット状に賦形されたアクリル変性ポ
リオルガノシロキサン化合物を有するグラフト共重合体
と樹脂は、更に上記の溶液分散法へ適用できる。
【0169】以下に本発明で使用される変性ポリオルガ
ノシロキサンの代表的な例としては、例えば日信化学工
業(株)のシャリーヌR―170S、R―170、R−
210等という商品名で市販されているものが挙げられ
る。
【0170】無機フィラー 本発明で使用される無機フィラ−材料としては、銅、ス
ズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリ
カ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化ジ
ルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビ
スマス、酸化カルシウム、アンチモンをド−プした酸化
錫、錫をド−プした酸化インジウム等の金属酸化物、フ
ッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金
属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などが挙げら
れる。これらのフィラーの中で、フィラーの硬度の点か
ら無機フィラーである無機顔料を用いることが耐摩耗性
の向上に対し有利である。
【0171】さらに、これらの無機フィラーは少なくと
も一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であ
り、そうすることが無機フィラーの分散性の面から好ま
しい。無機フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だ
けでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さら
には耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化ある
いは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性があ
る。
【0172】表面処理剤としては、従来用いられている
表面処理剤すべてを使用することができるが、無機フィ
ラーの絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。例え
ば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カッ
プリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高
級脂肪酸等、あるいはこれらとシランカップリング剤と
の混合処理や、Al23、TiO2、ZrO2、シリコー
ン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混
合処理が無機フィラーの分散性及び画像ボケの点からよ
り好ましい。
【0173】シランカップリング剤による処理は、画像
ボケの影響が強くなるが、上記の表面処理剤とシランカ
ップリング剤との混合処理を施すことによりその影響を
抑制できる場合がある。表面処理量については、用いる
無機フィラーの平均一次粒径によって異なるが、3〜3
0wt%が適しており、5〜20wt%がより好まし
い。表面処理量がこれよりも少ないと無機フィラーの分
散効果が得られず、また多すぎると残留電位の著しい上
昇を引き起こす。
【0174】用いられる溶剤としては、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノク
ロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メ
チルエチルケトン、アセトンなど、電荷輸送層37で使
用されるすべての溶剤を使用することができる。但し、
分散時には粘度が高い溶剤が好ましいが、塗工時には揮
発性が高い溶剤が好ましい。これらの条件を満たす溶剤
がない場合には、各々の物性を有する溶剤を2種以上混
合させて使用することが可能であり、フィラーの分散性
や残留電位に対して大きな効果を有する場合がある。
【0175】前記無機フィラ−材料は、ボールミル、ア
トライター、サンドミル、超音波などの従来方法を用い
て分散することができる。この中でも、外界からの不純
物の混入が少ないボールミルによる分散が分散性の点か
らより好ましい。使用されるメディアの材質について
は、従来使用されているジルコニア、アルミナ、メノウ
等すべてのメディアを使用することができる。
【0176】また、無機フィラ−の平均一次粒径は、
0.01〜0.6μmであることが保護層の光透過率や
耐摩耗性の点から好ましい。無機フィラーの平均一次粒
径が0.01μm以下の場合は、耐摩耗性の低下、分散
性の低下等を引き起こし、0.6μm以上の場合には、
無機フィラーの沈降性が促進されたり、トナーのフィル
ミングが発生したりする可能性がある。
【0177】保護層の形成法 保護層の形成法としては、浸漬塗工法、スプレーコー
ト、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リ
ングコート等の従来方法を用いることができるが、特に
塗膜の均一性の面からスプレーコートがより好ましい。
さらに、保護層の必要膜厚を一度で塗工し、保護層を形
成することも可能であるが、2回以上重ねて塗工し、保
護層を多層にする方が膜中におけるフィラーの均一性の
面からより好ましい。そうすることによって、残留電位
の低減、解像度の向上、及び耐摩耗性の向上に対しより
一層の効果が得られる。なお、保護層の厚さは0.1〜
10μm程度が適当である。
【0178】他の添加成分 保護層には上記アクリル変性ポリオルガノシロキサン化
合物及び無機フィラー以外の有機性フィラーをさらに添
加することもできる。有機性フィラ−材料としては、ポ
リテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シ
リコ−ン樹脂粉末、a−カ−ボン粉末等が挙げられる。
【0179】また、保護層には、シリコンオイルのよう
なレベリング剤や下記に示すような酸化防止剤やフィラ
ーの分散材を添加することもできる。酸化防止剤として
は従来公知の物が使用できる。例えば、下記に示すヒン
ダードアミン構造とヒンダードフェノール構造の両構造
を有する化合物を使用することができる。
【0180】
【化38】
【0181】使用されるフィラーの分散剤としては、公
知の分散剤を使用することが可能であるが、特にカルボ
キシル基をポリマーあるいはコポリマー中に少なくとも
一つ含む構造を有する有機化合物が好ましいが、分散性
の面からはポリカルボン酸誘導体がより好ましい。分散
剤におけるカルボン酸部位は酸価を与えるとともに、分
散性を高める重要な役割を果たしている。親水性の無機
フィラーは有機溶剤や高分子電荷輸送材料との親和性が
低く、そのままではいかなる分散手段を用いても上手く
分散されない。
【0182】しかし、本発明における上記分散剤は、カ
ルボン酸部位では無機フィラーとの親和性が高く、その
他のポリマー部位では高分子電荷輸送材料や有機溶剤と
の親和性が高いため、分散剤を介して無機フィラーと有
機溶剤や高分子電荷輸送材料等との親和性を高めること
が可能となる。
【0183】また、これらの分散剤の酸価としては、1
0〜400mgKOH/gが好ましく、より好ましくは
30〜200mgKOH/gが適している。酸価が必要
以上に高いと解像度低下等の画像への影響が現れること
があり、酸価が低すぎると添加量を多くする必要が生
じ、電気特性の低下を引き起こしやすくなる。
【0184】〈下引層〉本発明の感光体においては、導
電性支持体31と感光層との間に下引き層を設けること
ができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、
これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを
考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂
であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリ
ビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウ
ム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化
ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メ
ラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹
脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型
樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、
残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミ
ナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で
例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
【0185】これらの下引き層は、前述の感光層の如く
適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。
更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、
チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用
することもできる。この他、本発明の下引き層には、A
23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレ
ン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO
2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設
けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のもの
を用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが
適当である。
【0186】次に図面を用いて本発明の電子写真方法な
らびに電子写真装置を詳しく説明する。第6図は、本発
明の電子写真プロセス及び電子写真装置を説明するため
の概略図であり、下記のような例も本発明の範疇に属す
るものである。
【0187】第6図において、感光体1はドラム状の形
状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のも
のであっても良い。帯電チャージャー3、転写前チャー
ジャー7、転写チャージャー10、分離チャージャー1
1、クリーニング前チャージャー13には、コロトロ
ン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・
チャージャー)等が用いられ、公知の手段がすべて使用
可能である。
【0188】転写手段には、一般に上記の帯電器が使用
できるが、図に示されるように転写チャージャーと分離
チャージャーを併用したものが効果的である。
【0189】また、画像露光部5、除電ランプ2等の光
源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンラン
プ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LE
D)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセ
ンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。
そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャ
ープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外
カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フ
ィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルター
を用いることもできる。光源等は、第6図に示される工
程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリー
ニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることに
より、感光体に光が照射される。
【0190】さて、現像ユニット6により感光体1上に
現像されたトナーは、転写紙9に転写されるが、全部が
転写されるわけではなく、感光体1上に残存するトナー
も生ずる。このようなトナーは、ファーブラシ14およ
びブレード15により、感光体より除去される。クリー
ニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることも
あり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファ
ーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
【0191】電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像
露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形
成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で
現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性の
トナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。かかる現像
手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段
にも公知の方法が用いられる。
【0192】第7図には、本発明による電子写真プロセ
スの別の例を示す。感光体21は駆動ローラ22a,2
2bにより駆動され、帯電器23による帯電、光源24
による像露光、現像(図示せず)、帯電器25を用いる
転写、光源26によるクリーニング前露光、ブラシ27
によるクリーニング、光源28による除電が繰返し行な
われる。第7図においては、感光体21(勿論この場合
は支持体が透光性である)に支持体側よりクリーニング
前露光の光照射が行なわれる。
【0193】以上の図示した電子写真プロセスは、本発
明における実施形態を例示するものであって、もちろん
他の実施形態も可能である。例えば、第7図において支
持体側よりクリーニング前露光を行っているが、これは
感光層側から行ってもよいし、また、像露光、除電光の
照射を支持体側から行ってもよい。一方、光照射工程
は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示され
ているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、および
その他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行
うこともできる。
【0194】以上に示すような画像形成手段は、複写装
置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれ
ていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装
置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジと
は、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手
段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1
つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状
等は多く挙げられるが、一般的な例として、第8図に示
すものが挙げられる。
【0195】
【実施例】以下、本発明について実施例を挙げて説明す
るが、本発明が実施例により制約を受けるものではな
い。なお、部はすべて重量部である。
【0196】[実施例1]アルミニウムシリンダー上に
下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および
電荷輸送層塗工液を、浸漬塗工によって順次塗布、乾燥
し、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、
20μmの電荷輸送層を形成した。
【0197】<下引き層塗工液> 二酸化チタン粉末:400部 メラミン樹脂 : 40部 アルキッド樹脂 : 60部 2−ブタノン :500部
【0198】<電荷発生層塗工液> Y型チタニルフタロシアニン: 9部 ポリビニルブチラール : 5部 2−ブタノン :450部
【0199】<電荷輸送層塗工液> ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製):10部 下記構造式の電荷輸送物質 :10部
【0200】
【化39】
【0201】 テトラヒドロフラン:100部 1%シリコーンオイル(KF50−100CS,信越化学工業製)テトラヒ ドロフラン溶液 1部 電荷輸送層上にさらに、ボールミリングにより得た下記
組成の保護層塗工液をリング塗工法によって5μmの保
護層を形成し、電子写真感光体を作製した。
【0202】 <保護層塗工液> アクリル変性ポリオルガノシロキサン (シャリーヌR―170S、日信化学工業株式会社製、平均一次粒径:0.2μm 、平均粒径:30μm、オルガノポリシロキサン成分70%とアクリル成分30 %からなるアクリル変性ポリオルガノシロキサン化合物):1.2部 アルミナ(平均一次粒径:0.4μm、住友化学工業製):1.1部 下記構造式の高分子電荷輸送材料:9.5部
【0203】
【化40】 (k=0.50,j=0.50 のランダム共重合体 ポリスチレン
換算重量平均分子量 150000)
【0204】 分散剤 BYK-P104(ビックケミー社製):0.1部 テトラヒドロフラン :220部 シクロヘキサノン :80部 振動ミル分散 :60分
【0205】[実施例2]実施例1において保護層のア
クリル変性ポリオルガノシロキサンにシャリーヌR−1
70 (日信化学工業株式会社製、平均一次粒径:0.
2μm、平均粒径:350μm、オルガノポリシロキサ
ン成分70%とアクリル成分30%からなるアクリル変
性ポリオルガノシロキサン化合物)を使用する他は実施
例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0206】[実施例3]実施例1において保護層のア
クリル変性ポリオルガノシロキサンにシャリーヌR−2
10 (日信化学工業株式会社製、平均一次粒径:0.
2μm、平均粒径:350μm、オルガノポリシロキサ
ン成分10%とアクリル成分90%からなるアクリル変
性ポリオルガノシロキサン化合物)を使用する他は同様
にして電子写真感光体を作製した。
【0207】[実施例4]実施例1において、保護層に
含有される無機フィラーを下記の材料に変更した以外
は、すべて実施例1と同様にして電子写真感光体を作製
した。 酸化チタン(平均一次粒径0.3μm、石原産業製):1.1部
【0208】[実施例5]実施例1において、保護層に
含有される無機フィラーを下記の材料に変更した以外
は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体を作
製した。 シリカ(平均粒径0.015μm、信越シリコーン製):0.8部
【0209】[実施例6]実施例1において、保護層に
含有される無機フィラーを下記の材料に変更した以外
は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体を作
製した。 チタネート系カップリング剤で表面処理されたアルミナ:1.1部 {アルミナ(平均一次粒径:0.3μm、住友化学工業
製)10部に対してチタネート系カップリング剤プレン
アクトKR TTS(味の素ファインテクノ社製)1部で表
面処理したもの}
【0210】[実施例7]実施例1において、保護層に
含有される無機フィラーを下記の材料に変更した以外
は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体を作
製した。 アルミニウム系カップリング剤で表面処理されたアルミナ:1.1部 {アルミナ(平均一次粒径:0.3μm、住友化学工業
製)10部に対してアルミニウム系カップリング剤プレ
ンアクトAL−M(味の素ファインテクノ社製)1部で
表面処理したもの}
【0211】[実施例8]実施例1において、保護層に
含有される高分子電荷輸送材料を下記の材料に変更した
以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体
を作製した。 下記構造式の高分子電荷輸送材料:9.5部
【0212】
【化41】 (k=0.50,j=0.50 のランダム共重合体 ポリスチレン
換算重量平均分子量 90000)
【0213】[実施例9]実施例1において、保護層に
含有される高分子電荷輸送材料を下記の材料に変更した
以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体
を作製した。 下記構造式の高分子電荷輸送材料:9.5部
【0214】
【化42】 (k=0.50,j=0.50 のランダム共重合体 ポリスチレン
換算重量平均分子量130000)
【0215】[実施例10]実施例1において、保護層
に含有される高分子電荷輸送材料を下記の材料に変更し
た以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光
体を作製した。 下記構造式の高分子電荷輸送材料:9.5部
【化43】 (k=0.50,j=0.50 のランダム共重合体 ポリスチレン
換算重量平均分子量 110000)
【0216】[実施例11]実施例1において、保護層
に含有される高分子電荷輸送材料を下記の材料に変更し
た以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光
体を作製した。 下記構造式の高分子電荷輸送材料:9.5部
【0217】
【化44】 ポリスチレン換算重量平均分子量 53000
【0218】[実施例12]実施例1において、保護層
に含有される高分子電荷輸送材料を下記の材料に変更し
た以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光
体を作製した。 下記構造式の高分子電荷輸送材料:9.5部
【0219】
【化45】 ポリスチレン換算重量平均分子量 70000
【0220】[実施例13]実施例1において、保護層
に含有される高分子電荷輸送材料を下記の材料に変更し
た以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光
体を作製した。 下記構造式の高分子電荷輸送材料:9.5部
【0221】
【化46】 (k=0.80,j=0.20 のランダム共重合体 ポリスチレン
換算重量平均分子量 220000)
【0222】[実施例14]実施例1において、保護層
に含有される高分子電荷輸送材料を下記の材料に変更し
た以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光
体を作製した。 下記構造式の高分子電荷輸送材料:9.5部
【化47】 ポリスチレン換算重量平均分子量 65000
【0223】[実施例15]実施例1において、保護層
に含有される高分子電荷輸送材料を下記の材料に変更し
た以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光
体を作製した。 下記構造式の高分子電荷輸送材料:9.5部
【0224】
【化48】 (k=0.50,j=0.50 のランダム共重合体 ポリスチレン
換算重量平均分子量 110000)
【0225】[実施例16]実施例1において、保護層
に含有される高分子電荷輸送材料を下記の材料に変更し
た以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光
体を作製した。 下記構造式の高分子電荷輸送材料:9.5部
【0226】
【化49】 (k=0.42,j=0.58 のランダム共重合体 ポリスチレン
換算重量平均分子量160000)
【0227】[実施例17]実施例1において、電荷発
生層塗工液、電荷輸送層塗工液及び保護層塗工液を下記
のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子
写真感光体を作製した。
【0228】<電荷発生層塗工液> 下記構造のビスアゾ顔料:12部
【0229】
【化50】
【0230】 ポリビニルブチラール: 5部 2−ブタノン :200部 シクロヘキサノン :400部
【0231】<電荷輸送層塗工液>C型ポリカーボネー
ト :10部下記構造式の電荷輸送物質: 8部
【0232】
【化51】
【0233】 下記構造式の有機硫黄系化合物(住友化学工業製):0.15部
【0234】
【化52】 トルエン:70部
【0235】 <保護層塗工液> アクリル変性ポリオルガノシロキサン (シャリーヌR―170S、日信化学工業株式会社製、平均一次粒径:0.2 μm、平均粒径:30μm、オルガノポリシロキサン成分70%とアクリル成分 30%からなるアクリル変性ポリオルガノシロキサン化合物):1.2部 アルミナ処理酸化チタン(平均一次粒径0.035μm、テイカ製):1.2部 メタクリル酸/メチルメタクリレート共重合体(酸価50mgKOH/g):0.5部 下記構造式のヒンタ゛ート゛アミン構造とヒンタ゛ート゛フェノール構造を有する化合物:0.24部
【0236】
【化53】 下記記構造式の高分子電荷輸送材料:9.5部
【0237】
【化54】 (k=0.60,j=0.40 のランダム共重合体 ポリスチレン
換算重量平均分子量 140000)
【0238】テトラヒドロフラン:250部 シクロヘキサノン : 50部 振動ミル:60分
【0239】[実施例18]実施例17において保護層
のアクリル変性ポリオルガノシロキサンにシャリーヌR
−210 (日信化学工業株式会社製、平均一次粒径:
0.2μm、平均粒径:350μm、オルガノポリシロ
キサン成分10%とアクリル成分90%からなるアクリ
ル変性ポリオルガノシロキサン化合物)を使用する他は
同様にして電子写真感光体を作製した。
【0240】[実施例19]実施例1において高分子電
荷輸送材料の重量平均分子量が38000の物を用いた
他は同様にして電子写真感光体を作製した。
【0241】[実施例20]実施例17において高分子
電荷輸送材料の重量平均分子量が47000の物を用い
た他は同様にして電子写真感光体を作製した。
【0242】[比較例1]実施例1において、保護層を
設けなかった以外は、すべて実施例1と同様にして、電
子写真感光体を作製した。
【0243】[比較例2]実施例17において、保護層
を設けなかった以外は、すべて実施例17と同様にし
て、電子写真感光体を作製した。
【0244】[比較例3]実施例1において、保護層塗
工液にアルミナを加えなかった以外は、すべて実施例1
と同様にして、電子写真感光体を作製した。
【0245】[比較例4]実施例2において、保護層塗
工液にアルミナを加えなかった以外は、すべて実施例2
と同様にして、電子写真感光体を作製した。
【0246】[比較例5]実施例3において、保護層塗
工液にアルミナを加えなかった以外は、すべて実施例3
と同様にして、電子写真感光体を作製した。
【0247】[比較例6]実施例1において、保護層塗
工液にアクリル変性ポリオルガノシロキサンを加えなか
った以外、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光
体を作製した。
【0248】[比較例7]実施例4において、保護層塗
工液にアクリル変性ポリオルガノシロキサンを加えなか
った以外、すべて実施例4と同様にして、電子写真感光
体を作製した。
【0249】[比較例8]実施例5において、保護層塗
工液にアクリル変性ポリオルガノシロキサンを加えなか
った以外、すべて実施例5と同様にして、電子写真感光
体を作製した。
【0250】[比較例9]実施例6において、保護層塗
工液にアクリル変性ポリオルガノシロキサンを加えなか
った以外、すべて実施例6と同様にして、電子写真感光
体を作製した。
【0251】[比較例10]実施例7において、保護層
塗工液にアクリル変性ポリオルガノシロキサンを加えな
かった以外、すべて実施例7と同様にして、電子写真感
光体を作製した。
【0252】[比較例11]実施例1において、高分子
電荷輸送材料の代わりに下記低分子電荷輸送材料と結着
樹脂を使用する以外は、すべて実施例1と同様にして、
電子写真感光体を作製した。 ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製):5部 下記構造式の電荷輸送物質 :4.5部
【0253】
【化55】
【0254】[比較例12]実施例3において、高分子
電荷輸送材料の代わりに下記低分子電荷輸送材料と結着
樹脂を使用する以外は、すべて実施例3と同様にして、
電子写真感光体を作製した。 ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製):5部 下記構造式の電荷輸送物質 :4.5部
【0255】
【化56】
【0256】[比較例13]実施例17において、高分
子電荷輸送材料の代わりに下記低分子電荷輸送材料と結
着樹脂を使用する以外は、すべて実施例17と同様にし
て、電子写真感光体を作製した。 ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製):5部 下記構造式の電荷輸送物質 :4.5部
【0257】
【化57】
【0258】以上のように作製した実施例1〜20の電
子写真感光体、及び比較例1〜13の電子写真感光体を
リコー製デジタル複写機イマジオMF6550またはそ
の改造機(書込光源レーザ波長655nm)に装着し、
連続して10万枚の印刷を行った後、常温常湿の環境下
で画像出しを行い、暗部電位、明部電位、画像品質につ
いて評価を行った。暗部電位、明部電位、画像品質につ
いては以下のようにして評価した。
【0259】暗部電位:一次帯電の後、現像部位置まで
移動した際の感光体表面電位 明部電位:一次帯電の後、画像露光(全面露光)を受
け、現像部位置まで移動した際の感光体表面電位 画像品質:出力画像の画像濃度、細線再現性、文字かす
れ、解像度、地肌汚れなどを総合的に評価
【0260】また10万枚印刷後には膜厚測定をおこな
い、印刷前後の膜厚差より摩耗量の評価を行った。ま
た、各感光体表面に皮脂を付着させ、常温常湿で7日間
放置させた後、クラック発生の有無を目視で観察した。
結果を表1に示す。
【0261】
【表1】
【0262】表1の評価結果より、保護層が無い場合は
膜削れ量が大きく、5万枚程度で電荷リークによる地汚
れが全面に発生し、寿命が来てしまう。また、アクリル
変性ポリオルガノシロキサン微粒子が保護層に含有され
ない場合は、クリーニング性が悪くなり感光体上にトナ
ー及び現像剤成分と思われる物質のフィルミングが起こ
り、その部分の白抜け画像が発生する。
【0263】また、無機フィラーが保護層に含有されな
い場合は、摩耗量が大きくなり既に10万枚で保護層が
消失してしまいこれ以上の寿命は達成されない。高分子
電荷輸送材料を保護層に用いない場合は、感光体に傷が
入りやすく、傷による画像欠陥が発生する。
【0264】また、皮脂付着によるクラック発生が起こ
る。それらに対し、本発明の高分子電荷輸送材料とアク
リル変性ポリオルガノシロキサン微粒子と無機フィラー
からなる保護層を形成したものは、耐摩耗性、耐傷性、
クリーニング性、異物付着性に優れており多量の画像出
力を安定した画像品質で提供できることがわかる。
【0265】また、本発明の中でポリオルガノシロキサ
ンの重量が(メタ)アクリル酸エステル又はこの(メ
タ)アクリル酸エステル70重量%以上と共重合可能な単
量体30重量%以下との混合物の重量よりも多い場合によ
り異物除去性が良好であり白抜け等の異常画像が起こり
にくく特に画像安定性に優れることが解る。
【0266】また、一般式(A)及び一般式(B)で表
される構成単位からなる高分子電荷輸送材料及び一般式
(C)及び一般式(B)で表される構成単位からなる高
分子電荷輸送材料を使用した場合は耐摩耗性が特に優
れ、電位変動も少なくいつまでも安定した画像出力が可
能になることが解る。
【0267】また、高分子電荷輸送材料の重量平均分子
量が50000以上の場合はそれ以下の場合に比べて耐
摩耗性が高く、より好ましいことがわかる。
【0268】
【発明の効果】以上述べたように、感光層の最上層を高
分子電荷輸送材料および無機フィラーおよびアクリル変
性ポリオルガノシロキサン微粒子を含有するように形成させ
ることにより耐摩耗性、耐傷性に優れ、且つ滑り性、異
物除去性に優れ、さらに耐指紋性にも優れた電子写真感
光体を提供でき、従って、摩耗による膜厚減少で起こる
放電破壊によるピンホールに起因する地汚れやクリーニ
ング不良により発生する地汚れや異物付着による画像抜
け等の異常画像が起こりにくく、また、感光体上の傷が
原因で起こる画像欠陥や皮脂等の付着により生ずるクラ
ック等による画像欠陥が起こりにくく長期に渡って安定
した画像出力の可能な電子写真感光体を提供できる。こ
れら電子写真感光体を使用する電子写真方法、電子写真
装置、プロセスカートリッジは、感光体を長期に渡って
交換する必要が無く、ハンドリングやメンテナンスが容
易で、コストパフォーマンスが高く、且つ高画質な画像
出力が安定して提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる電子写真用感光体の層構成を
示す断面図
【図2】 本発明に係わる電子写真用感光体の層構成を
示す断面図
【図3】 本発明に係わる電子写真用感光体の層構成を
示す断面図
【図4】本発明の電子写真プロセスおよび電子写真装置
を説明するための概略図
【図5】 本発明による電子写真プロセスの他の例を示
す概略図
【図6】 本発明による電子写真装置のプロセスカート
リッジを示す概略図
【符号の説明】
1、16、21 感光体 2 除電ランプ 3 帯電チャージャー 5 画像露光部 6 現像ユニット 7 転写前チャージャー 9 転写紙 10 転写チャージャー 11 分離チャージャー 13 クリーニング前チャージャー 14 ファーブラシ 15 ブレード 17 帯電チャージャ 18 クリーニングブラシ 19 画像露光部 20 現像ローラ 22a,22b 駆動ローラ 23 帯電器 24 クリーニング前露光光源 25 帯電器 26 光源 27 ブラシ 28 除電光源 31 導電性支持体 33 感光層 39 保護層 35 電荷発生層 37 電荷輸送層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 康夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 田元 望 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H068 AA03 AA04 AA06 AA21 AA37 BA12 BA13 BB07 BB08 BB20 BB26 BB32 BB49 BB52 BB53 BB54 BB61 CA33 EA03 FA19 FA27 FA30

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも感光層を形
    成してなる電子写真感光体において、前記感光層の最上
    層が高分子電荷輸送材料、無機フィラーおよびアクリル
    変性ポリオルガノシロキサン微粒子を含有することを特
    徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記アクリル変性ポリオルガノシロキサ
    ン微粒子が 【化1】 一般式(I) 〔式中のR1、R2及びR3は、それぞれ同一又は異なる
    炭素数1〜20の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素
    基、Yはラジカル反応性基又はSH基もしくはその両方
    をもつ有機基、Z1及びZ2は、それぞれ同一又は異なる
    水素原子、低級アルキル基又は下記の一般式で表される
    基であり、 【化2】 (R4及びR5は、それぞれ同一又は異なる炭素数1〜2
    0の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基、R6は炭素
    数1〜20の炭化水素基もしくはハロゲン化炭化水素
    基、あるいはラジカル反応性基又はSH基もしくはその両
    方をもつ有機基である)、mは10,000以下の正の整数、
    nは1以上の整数である〕で表されるポリオルガノシロ
    キサンと、 【化3】 一般式(II) (式中のR7は水素原子又はメチル基、R8はアルキル
    基、アルコキシ置換アルキル基、シクロアルキル基又は
    アリール基である)で表される(メタ)アクリル酸エス
    テル又はこの(メタ)アクリル酸エステル70重量%以
    上と共重合可能な単量体30重量%以下との混合物と
    を、重量比5:95ないし95:5の割合で乳化グラフ
    ト共重合させて成るアクリル変性ポリオルガノシロキサ
    ンであることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光
    体。
  3. 【請求項3】 上記一般式(I)で表されるポリオルガ
    ノシロキサンの重量が上記一般式(II)で表される(メ
    タ)アクリル酸エステル又はこの(メタ)アクリル酸エ
    ステル70重量%以上と共重合可能な単量体30重量%
    以下との混合物の重量よりも多いことを特徴とする請求
    項2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記最上層に含まれる無機フィラーが、
    少なくとも1種の金属酸化物であることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記高分子電荷輸送材料が下記一般式
    (A)及び一般式(B)で表される構成単位からなり、
    一般式(A)で表される構成単位の組成比をkとし、一
    般式(B)で表される構成単位の組成比をjとしたと
    き、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表される
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子
    写真感光体。 【化4】 一般式(A) 〔式中、R16は水素原子又は炭素数1〜6の無置換もし
    くは置換のアルキル基、無置換もしくは置換のアリール
    基、Ar11,Ar12、Ar13は無置換もしくは置換のア
    リレン基を示す。R14、R15は無置換もしくは置換のア
    リール基である。〕 【化5】 一般式(B) 〔式中、Xは炭素数2〜20の無置換もしくは置換脂肪
    族炭化水素2価基、無置換もしくは置換脂環式炭化水素
    2価基、炭素数6〜20の無置換もしくは置換芳香族炭
    化水素2価基、またはこれら2価基が結合した2価基、
    又は下記式で表させる2価基を示す。〕 【化6】 〔式中、R101、R102、R103、R104はハロゲン原子、
    炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基又は無
    置換もしくは置換のアリール基(R101、R102
    103、R104が各々複数個存在するときは、同一であっ
    ても別異であってもよい)、o、pは0〜4の整数、
    q、rは0〜3の整数、Yは単結合、炭素数2〜12の
    直鎖状のアルキレン基、炭素数3〜12の無置換もしく
    は置換分岐状アルキレン基、一つ以上の炭素数1〜10
    のアルキレン基と一つ以上の酸素原子及び硫黄原子から
    構成される2価基、−O−、−S−、−SO−、−SO
    2−、−CO−、−COO−又は下記式 【化7】 (式中、Z1は炭素数2〜20の無置換もしくは置換脂
    肪族炭化水素2価基又は無置換もしくは置換アリレン基
    を示し、Z2は炭素数2〜20の無置換もしくは置換脂
    肪族炭化水素2価基又は無置換もしくは置換アリレン基
    を示し、R105はハロゲン原子、炭素数1〜6の無置
    換もしくは置換アルキル基、炭素数1〜6の無置換もし
    くは置換のアルコキシ基又は無置換もしくは置換アリー
    ル基を示し、R106、R107は水素原子、ハロゲン
    原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基、
    炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ基又は
    無置換もしくは置換アリール基を示し、またR106、R
    107が結合して炭素数5〜12の炭素環を形成してもよ
    く、R108、R109、R110、R111は水素原子、ハロゲン
    原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基、
    炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ基又は
    無置換もしくは置換アリール基を示し、R112はハロゲ
    ン原子、炭素数1 〜6の無置換もしくは置換アルキル
    基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコシキ基
    又は無置換もしくは置換アリール基を示し、R113、R
    114は単結合又は炭素数1〜4のアルキレン基を表し、
    115、R116は炭素数1〜6の無置換もしくは置換アル
    キル基又は無置換もしくは置換アリール基を示し、sは
    0〜4の整数、tは1又は2、uは0〜4の整数、vは
    0〜20の整数、wは0〜2000の整数を示す)で表
    させる2価基を示す。〕
  6. 【請求項6】 高分子電荷輸送材料が下記一般式(C)
    及び上記一般式(B)で表される構成単位からなり、一
    般式(C)で表される構成単位の組成比をk、一般式
    (B)で表される構成単位の組成比をjとしたとき、組
    成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表されることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感
    光体。 【化8】 一般式(C) 〔式中、R19、R20は直鎖または分岐鎖のアルキレン
    基、Y4は無置換もしくは置換のアリレン基、又は−A
    25−Y5−Ar25− (Ar14、Ar15、Ar25は無
    置換もしくは置換のアリレン基、Y5はO、S、無置換
    もしくは置換のアリレン基を示す。)、eは0または1
    を示す。R14、R15、Ar11、Ar12は前記定義と同一
    である。〕
  7. 【請求項7】 高分子電荷輸送材料のポリスチレン換算
    重量平均分子量が50000以上であることを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 電子写真感光体に、少なくとも帯電、画
    像露光、現像、転写、クリーニング、除電を繰返しおこ
    なう電子写真方法において、該電子写真感光体が請求項
    1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体であることを
    特徴とする電子写真方法。
  9. 【請求項9】 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現
    像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してなる
    電子写真装置であって、該電子写真感光体が請求項1〜
    7のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴
    とする電子写真装置。
  10. 【請求項10】 少なくとも電子写真感光体を具備して
    なる電子写真装置用プロセスカートリッジであって、該
    電子写真感光体が請求項1〜7のいずれかに記載の電子
    写真感光体であることを特徴とする電子写真装置用プロ
    セスカートリッジ。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のプロセスカートリ
    ッジを搭載した電子写真装置。
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