JP2003098714A - 電子写真感光体、電子写真方法、電子写真装置および電子写真装置用プロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、電子写真方法、電子写真装置および電子写真装置用プロセスカートリッジ

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JP2003098714A JP2001289117A JP2001289117A JP2003098714A JP 2003098714 A JP2003098714 A JP 2003098714A JP 2001289117 A JP2001289117 A JP 2001289117A JP 2001289117 A JP2001289117 A JP 2001289117A JP 2003098714 A JP2003098714 A JP 2003098714A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度かつ高耐久な電子写真感光体、並びに
該感光体を用いた電子写真装置及びプロセスカートリッ
ジを提供すること。 【解決手段】 導電性支持体上に少なくとも感光層と保
護層を順次形成してなる電子写真感光体において、前記
保護層が無機フィラーとシリコーン主鎖にアクリル重合
体をグラフト化させたアクリル変性ポリオルガノシロキ
サン化合物とを含有させる。前記アクリル変性ポリオル
ガノシロキサン化合物としては、下記一般式(I)で表
されるポリオルガノシロキサンと、下記一般式(II)で
表される(メタ)アクリル酸エステル又はこの(メタ)
アクリル酸エステルと共重合可能な単量体との混合物と
を乳化グラフト共重合させてなるアクリル変性ポリオル
ガノシロキサンが使用できる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高耐久性を有し、
長期の繰返し使用においても画質劣化が少ない安定した
画像出力が可能な電子写真感光体に関する。また、それ
らの感光体を使用した電子写真方法、電子写真装置、電
子写真用プロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式を用いた情報処理シ
ステム機の発展には目覚ましいものがある。特に、情報
をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行うレ
ーザープリンターやデジタル複写機は、そのプリント品
質、信頼性において向上が著しい。さらに、それらは高
速化技術との融合によりフルカラー印刷が可能なレーザ
ープリンターあるいはデジタル複写機へと応用されてき
ている。そのような背景から、要求される感光体の機能
としては、高画質化と高耐久化を両立させることが特に
重要な課題となっている。
【0003】これらの電子写真方式のレーザープリンタ
ーやデジタル複写機等に使用される感光体としては、有
機系の感光材料を用いたものが、コスト、生産性及び無
公害性等の理由から一般に広く応用されている。有機系
の電子写真感光体には、ポリビニルカルバゾ−ル(PV
K)に代表される光導電性樹脂、PVK−TNF(2,
4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される電荷移
動錯体型、フタロシアニン−バインダ−に代表される顔
料分散型、そして電荷発生物質と電荷輸送物質とを組み
合わせて用いる機能分離型の感光体などが知られてい
る。
【0004】機能分離型の感光体における静電潜像形成
のメカニズムは、感光体を帯電した後光照射すると、光
は電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生物質に
より吸収され電荷を生成する。それによって発生した電
荷が電荷発生層及び電荷輸送層の界面で電荷輸送層に注
入され、さらに電界によって電荷輸送層中を移動し、感
光体の表面電荷を中和することにより静電潜像を形成す
るものである。
【0005】しかし、有機系の感光体は、繰り返し使用
によって膜削れが発生しやすく、感光層の膜削れが進む
と、感光体の帯電電位の低下や光感度の劣化、感光体表
面のキズなどによる地汚れ、画像濃度低下などの画質劣
化が促進される傾向が強く、従来から感光体の耐摩耗性
が大きな課題として挙げられていた。さらに、近年では
電子写真装置の高速化あるいは装置の小型化に伴う感光
体の小径化によって、感光体の高耐久化がより一層重要
な課題となっている。
【0006】感光体の高耐久化を実現する方法として
は、感光体の最表面に保護層を設け、その保護層に潤滑
性を付与したり、硬化させたり、フィラーを含有させる
方法が広く知られている。特に、保護層にフィラーを含
有させる方法は、感光体の高耐久化に対して非常に有効
な方法の一つである。しかし、保護層にフィラーを含有
させることにより耐摩耗性向上など機械的耐久性が改善
されるが、いわゆる電子写真方式では帯電、露光などの
繰返しにより機械的耐久性だけでなく、帯電電位や露光
部電位の安定性などの電気的耐久性も非常に重要であ
る。なぜなら仮に機械的耐久性が向上し膜削れの量が大
幅に減少したとしても、帯電電位が低下したり、露光部
電位が上昇したりすれば、十分な静電コントラストが得
られなくなり画質劣化を生ずるからである。
【0007】一方、高画質維持のために感光体のクリー
ニング性も重要な特性である。感光体表面に異物が付着
した場合、様々な画像欠陥が生じ、結局長寿命な画像出
力ができないことになる。特に、上記保護層にフィラー
を含有させ機械的摩耗を少なくした感光体においては、
削れない分だけクリーニング性がより重要となる。ま
た、写真調の高画質な画像出力の要求に対して、電子写
真で使用されるトナーの粒径が小さくなってきており、
トナー粒径が小さくなるに連れて感光体のクリーニング
性は悪くなる傾向にある。また、小径トナーの関連とし
て重合による球形トナーの検討もされるようになってき
ているが、球形トナーは従来の粉砕トナーに比べてクリ
ーニング性が悪い傾向にある。この様に高耐久を図るた
めにも高画質化を図るためにも感光体のクリーニング性
を改良する必要があった。
【0008】クリーニング性を良くする方法として感光
体表面の摩擦係数を下げることが有効である。摩擦係数
の低下は、耐摩耗性にも良い結果をもたらし、クリーニ
ング性と耐摩耗性の両立が期待できる。特開平07−2
95248号公報、特開平07−301936号公報、
特開平08−082940号公報等には、表面層にフッ
素変性シリコーンオイルを含有させることにより表面性
を改善し、クリーニング性を向上させて感光体表面の耐
摩耗性を向上させる提案がある。しかし、表面層にフッ
素変性シリコーンオイルを含有させようとした場合、フ
ッ素変性シリコーンオイルは表面層形成過程で表面近傍
に移行して表面に近いところに集中するため、繰り返し
使用による表面層の摩耗によって早期にその効果が失わ
れてしまう。
【0009】また耐摩耗性の向上を目的として微粒子を
添加する系に関しても様々な試みがなされている。例え
ばシリコーン樹脂微粒子、フッ素含有樹脂微粒子(特開
昭63−65449号)、メラミン樹脂微粒子(特開昭
60−177349号)等の添加である。 特開平02
−143257号公報には、表面層にポリエチレン粉体
を含有させて表面層の摩擦係数を下げて、クリーニング
性を向上させて感光体の耐摩耗性を向上させる提案があ
る。また、特開平02−144550号公報には、表面
層に含フッ素樹脂粉体を含有させて表面層の摩擦係数を
下げて、クリーニング性を向上させて感光体の耐摩耗性
を向上させる提案がある。また、特開平07−1288
72号公報、特開平10−254160号公報には、表
面層にシリコーン微粒子を含有させて表面層の摩擦係数
を下げ、クリーニング性を向上させて感光体の耐摩耗性
を向上させる提案がある。また、特開平2000−01
0322号公報およびUSP5,998,072には、表
面層に架橋型有機微粒子を含有させて表面層の摩擦係数
を下げ、クリーニング性を向上させて感光体の耐摩耗性
を向上させる提案がある。更に、特開平08−1902
13号公報には、表面層にメチルシロキサン樹脂微粒子
を含有させて表面層の摩擦係数を下げ、クリーニング性
を向上させて感光体の耐摩耗性を向上させる提案があ
る。これらの提案は感光体の表面の摩擦係数低減,表面
エネルギーの低減等の機能付与による高耐久化を意図し
たものであるが以下のような問題を有する。
【0010】すなわち、表面層に樹脂粉体或いは微粒子
を分散させて感光層表面の耐摩耗性の向上を図った場
合、バインダー樹脂との相溶性が乏しいため、樹脂粉体
或いは微粒子の分散が不良となり、画像形成時に黒ポチ
や白ポチ等の異常欠陥が生じ、繰り返し使用中に残留電
位の上昇が起きる等の問題がある。また同時に感光層の
光透過性が妨げられることにより、感度低下、電荷輸送
性能の低下により、画像濃度の不均一が発生する等々問
題の解決には至っていない。
【0011】また、上記ポリテトラフルオロエチレン微
粒子やオルガノポリシロキサン系微粒子の添加では摩擦
係数の低減効果は低く、また、耐摩耗性の向上も十分で
はなかった。また耐摩耗性といった機械的耐久性が向上
しても、長期間の繰り返し使用時においては帯電時の放
電時に発生するオゾンなどの活性ガス、及び周辺環境に
存在する活性ガス、例えば暖房器具などから発生する窒
素酸化物ガスなどに感光体が曝されることにより、感光
体表面が影響を受けて画像劣化を生じる場合が多々見ら
れた。これらの曝露により感光体表面の摩擦係数も大き
くなる方向へ変化してしまい、低摩擦係数を維持するこ
とができなかった。
【0012】この現象は特に耐摩耗性が大幅に向上した
場合、即ち膜削れ量が大幅に減少した感光体において
は、旧来の摩耗量の多い感光体のように、表面から順次
摩耗していくことにより、活性ガスや付着したコロナ生
成物、及びそれらによって反応等を生じ汚染された最表
面が序々に摩耗、研磨されることにより、自ずと新たな
最表面へとリフェイスされるといった効果が期待出来な
い。したがってこのような表面汚染に起因する画像劣
化、即ち異常画像が発生しやすくなる問題を有してい
る。
【0013】以上のように耐摩耗性の高い感光体におい
ては、そうでない感光体に比較してクリーニング不良や
活性ガス等による感光体表面の変質等による画像劣化、
異常画像の発生がしやすくなる問題を有している。つま
り、機械的耐久性を向上させるとともにクリーニング性
も良好で異物付着が起こりにくく、電気的耐久性、及び
化学的耐久性も良好で、長期間の繰り返し使用において
も高画質画像が安定して得られる高耐久な電子写真感光
体は得られていなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、摩耗
がほとんど無く、初期から長期に渡ってクリーニング性
が良好で、繰り返しの使用にわたっても残留電位上昇、
あるいは画像ボケなどの異常画像が発生せず、長期にわ
たり高画質な画像が安定に得られる高耐久の感光体を提
供することにある。また、それらの感光体を用いること
により、感光体の交換が不要で、かつ高速印刷あるいは
感光体の小径化に伴う装置の小型化を実現し、さらに繰
り返し使用においても高画質画像が安定に得られる電子
写真方法、電子写真装置、ならびに電子写真用プロセス
カートリッジを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、保護層に無機フィラーと特定のシリコー
ン化合物を含有させることにより、優れた耐摩耗性のフ
ィラー分散型の保護層を有する電子写真感光体において
長期間の繰り返し使用時においてもクリーニング性が良
好でフィルミングやクリーニング不良による異常画像の
発生が無く、帯電電位の低下や、残留電位の増加による
異常画像の発生をも抑制した電子写真感光体を提供でき
ることを見いだした。
【0016】すなわち本発明は下記の(1)〜(13)
に記載の構成を有することにより、高耐久性と高画質化
の両立を可能とし、長期間の繰り返し使用に対しても高
画質画像を安定に得られる電子写真感光体を提供し、ま
た、繰り返し使用においても高画質画像を安定に得られ
る電子写真方法、電子写真装置、ならびに電子写真用プ
ロセスカートリッジを提供し得たものである。
【0017】(1)導電性支持体上に少なくとも感光層
と保護層を順次形成してなる電子写真感光体において、
前記保護層が無機フィラーとシリコーン主鎖にアクリル
重合体をグラフト化させたアクリル変性ポリオルガノシ
ロキサン化合物とを含有することを特徴とする電子写真
感光体。
【0018】(2)前記アクリル変性ポリオルガノシロ
キサン化合物が
【化4】 一般式(I) 〔式中のR1、R2及びR3は、それぞれ同一又は異なる
炭素数1〜20の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素
基、Yはラジカル反応性基又はSH基もしくはその両方
をもつ有機基、Z1及びZ2は、それぞれ同一又は異なる
水素原子、低級アルキル基又は下記の基
【化5】 (R4及びR5は、それぞれ同一又は異なる炭素数1〜2
0の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基、R6は炭素
数1〜20の炭化水素基もしくはハロゲン化炭化水素
基、あるいはラジカル反応性基又はSH基もしくはその
両方をもつ有機基である)、mは10,000以下の正
の整数、nは1以上の整数である〕で表わされるポリオ
ルガノシロキサンと、
【化6】一般式(II) (式中のR7は水素原子又はメチル基、R8はアルキル
基、アルコキシ置換アルキル基、シクロアルキル基又は
アリール基である)で表わされる(メタ)アクリル酸エ
ステル又はこの(メタ)アクリル酸エステル70重量%
以上と共重合可能な単量体30重量%以下との混合物と
を、重量比5:95ないし95:5の割合で乳化グラフ
ト共重合させて成るアクリル変性ポリオルガノシロキサ
ンであることを特徴とする上記(1)に記載の電子写真
感光体。
【0019】(3)上記一般式(I)で表されるポリオ
ルガノシロキサンの重量が、上記一般式(II)で表され
る(メタ)アクリル酸エステル又はこの(メタ)アクリ
ル酸エステル70重量%以上と共重合可能な単量体30
重量%以下との混合物の重量よりも多いことを特徴とす
る上記(2)に記載の電子写真感光体。
【0020】(4)前記アクリル変性ポリオルガノシロ
キサン化合物が前記保護層中に粒状に分散されているこ
とを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の
電子写真感光体。
【0021】(5)前記アクリル変性ポリオルガノシロ
キサン化合物がミクロゲルの形態であることを特徴とす
る上記(1)〜(4)のいずれかに記載の電子写真感光
体。
【0022】(6)前記保護層に含まれる無機フィラー
が、少なくとも1種の金属酸化物であることを特徴とす
る上記(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真感光
体。
【0023】(7)前記保護層に含まれる少なくとも1
種の金属酸化物が、少なくとも1種の表面処理剤で表面
処理されていることを特徴とする上記(6)に記載の電
子写真感光体。
【0024】(8)前記保護層に、少なくとも1種の電
荷輸送物質が含有されていることを特徴とする上記
(1)〜(7)のいずれかに記載の電子写真感光体。
【0025】(9)前記保護層に、少なくともポリカー
ボネート樹脂もしくはポリアリレート樹脂のいずれか、
あるいはそれらが混合されて含有されていることを特徴
とする上記(1)〜(9)記載の電子写真感光体。
【0026】(10)電子写真感光体に、少なくとも帯
電、画像露光、現像、転写、クリーニング、除電を繰返
し行う電子写真方法において、該電子写真感光体が上記
(1)〜(9)のいずれかに記載の電子写真感光体であ
ることを特徴とする電子写真方法。
【0027】(11)少なくとも帯電手段、画像露光手
段、現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備し
てなる電子写真装置であって、該電子写真感光体が上記
(1)〜(9)のいずれかに記載の電子写真感光体であ
ることを特徴とする電子写真装置。
【0028】(12)少なくとも電子写真感光体を具備
してなる電子写真装置用プロセスカートリッジであっ
て、該電子写真感光体が上記(1)〜(9)のいずれか
に記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写
真装置用プロセスカートリッジ。
【0029】(13)上記(12)に記載のプロセスカ
ートリッジを搭載した電子写真装置。
【0030】上記各発明の概要を以下説明する。上記(1)について 従来技術に記載したように無機フィラーを含有させただ
けでは耐摩耗性の大きな向上はあるものの感光体の滑り
性が悪くなり、ブレードの鳴きや反転が起こりやすくな
ったり、感光体への異物付着性が大きくなり、クリーニ
ング不良やフィルミングによる異常画像が発生したりし
やすくなる。一方、アクリル変性ポリオルガノシロキサ
ン化合物を含有させただけでは、機械的強度を考慮する
ためにシロキサン構造部の含有量を制限する必要があっ
たり、大きな耐摩耗性向上が達成されないという問題が
あった。本発明では、耐摩耗性向上を主に無機フィラー
添加で達成し、表面エネルギーの低下や滑り性を主にア
クリル変性ポリオルガノシロキサン化合物で達成するよ
うに機能分離させることでそれぞれ単独で添加させる系
に比べてそれぞれの機能を最大限に発揮できる設計・処
方が可能となり、初めて耐摩耗性と滑り性・異物除去性
の両立が可能になったものである。加えて無機フィラー
添加系の欠点である繰り返し使用時の電位変動の拡大を
抑えることができ、電気特性も安定した有機感光体を提
供できる。本発明で使用されるアクリル変性ポリオルガ
ノシロキサン化合物は、そのシロキサン構造部で滑り性
や低表面エネルギー化による異物除去性を発現するが、
その為には、ジメチルシリコーン鎖が長い方が効果が大
きい。また、通常のシリコーンオイルやシリコーン樹脂
の場合、膜中に均一分散されなかったり表面に偏析し、
プロセス運転時に直ぐに取れてしまったり膜中からの供
給が行われなかったりして滑り性や異物除去性の持続が
出来なかったものと考えられる。アクリル変性ポリオル
ガノシロキサン化合物は、アクリル重合部を有している
が、媒体との相溶性を上げるためには、アクリル重合体
部をある程度均一に入れ込む必要があり、その為には分
子鎖の比較的長いシリコーン主鎖の所々からアクリル重
合体をグラフト化させた化合物構造が有利である。本発
明で使用されるアクリル変性ポリオルガノシロキサン化
合物は保護層構成物との相溶性を増しているために保護
層媒体との接着性が増し、容易に除去されないことで長
期間に亘って効果を発現するものと考えられる。また、
無機フィラー添加系は、電荷トラップによる残留電位が
発生しやすく、特に繰り返し使用時の明部電位が上昇す
る欠点を有している。このような系に添加剤として樹脂
や微粒子を添加するとさらに電位上昇が起こる傾向があ
り、電位コントラストの小さい感光体となって異常画像
が発生しやすくなる欠点を有している。しかしながら、
本発明で使用されるアクリル変性ポリオルガノシロキサ
ンの場合は、混合による相乗作用が無く、十分な量を添
加した系でも極力電位上昇が抑えられ、電気特性的にも
安定した有機感光体が提供される。本発明は上記したよ
うに無機フィラーとアクリル変性ポリオルガノシロキサ
ン化合物とを保護層に含有することにより良好な電位特
性を維持しつつ滑り性や低表面エネルギー性等と媒体と
の相溶性を両立できたものである。
【0031】上記(2)について 上記(2)に示した構造を有するアクリル変性ポリオル
ガノシロキサン化合物は、上記(1)で述べた滑り性、
異物除去性や媒体との相溶性を十分発揮すると共に感光
体の電子写真特性への副作用が少なく、膜中に十分な量
を含有させることが出来る。この点は本発明の大きな特
徴の一つであり、持続性向上に効果を有する。
【0032】上記(3)について 上記(3)に記載したような組成比とすることにより滑
り性、異物除去性がさらに優れた感光体の提供が可能と
なる。
【0033】上記(4)について アクリル変性ポリオルガノシロキサン化合物は上に記し
たようにオルガノシロキサン部で滑り性や低表面エネル
ギー性を発現させ、アクリル重合部で相溶性を発現させ
るものであるが、感光体の滑り性を上げるためにはシロ
キサン部が低濃度で均一な膜よりも部分的に高濃度なと
ころが不均一に分散されている膜の方が同一濃度で比較
すると有利と考えた。その方法として、アクリル変性ポ
リオルガノシロキサン化合物を粒状に分散させることが
挙げられる。このような分散膜とすることで比較的添加
量の少ない系においても良好な滑り性や異物除去性が達
成される。
【0034】上記(5)について 感光体作成はバインダー等の良溶媒に添加剤も分散ある
いは溶解させて行われる。その際、膜中への分散性も良
く且つ粒状の分散膜を作成するためには、アクリル変性
ポリオルガノシロキサン化合物が一部不溶化しており、
塗工液中においても粒状性を残しているのが良い。その
好ましい例がミクロゲルの形態であり、この様なアクリ
ル変性ポリオルガノシロキサン化合物を使用することに
より一定の粒状に均一に分散された保護層の容易な作成
が可能となり、滑り性、異物除去性等と共にその特性の
持続性に優れる感光体の提供が可能となる。
【0035】上記(6)について 保護層の電気抵抗は高い方が良く、抵抗低下は画像の地
汚れや解像度低下を招いたりする。金属酸化物は絶縁性
が高く、硬度も高いため保護層用の無機フィラーとして
好ましい。この使用により、耐摩耗性と静電的安定性を
兼ね備えた且つアクリル変性ポリオルガノシロキサン化
合物との組合せに優れた摩耗削れの少ない画像安定性の
高い感光体が提供できる。
【0036】上記(7)について フィラーの表面は極性の高いものが多く、極性の低いバ
インダーが一般的に使用される感光体では分散性に問題
がある。表面処理した金属酸化物無機フィラーを使用す
ることでフィラーの分散性が良くなり、アクリル変性ポ
リオルガノシロキサン化合物の分散性にも優れる保護層
の形成が可能になる。
【0037】上記(8)について 無機フィラー及びアクリル変性ポリオルガノシロキサン
化合物が分散された保護層としては数ミクロンの膜厚が
適当であるがこの程度の膜厚においても電荷輸送能が低
く、電子写真特性としては残留電位の上昇や感度低下を
引き起こす。帯電性、残留電位、感度等の電子写真特性
を満足させるためには電荷輸送物質を添加することが有
効である。電荷輸送物質を添加することにより保護層を
設けない感光体と同程度の電子写真特性が得られ、且
つ、耐摩耗性、滑り性、異物除去性に優れる感光体の提
供が可能になる。
【0038】上記(9)について 本発明の感光体は無機フィラーの添加により耐摩耗性を
付与し、アクリル変性ポリオルガノシロキサン化合物の
添加により滑り性や異物除去性の持続効果を図るもので
あるが、保護層媒体の主材料であるバインダー樹脂によ
って付与される特性に差が生じる。耐摩耗性に優れるバ
インダー樹脂への無機フィラー添加は耐摩耗性向上が大
きく、また、アクリル変性ポリオルガノシロキサン化合
物との相溶性に優れる樹脂へのその添加は良好な分散膜
の作成と特性の持続性に影響する。従って、機械的強度
と相溶性のバランスの取れたバインダーが有効であり、
検討の結果、ポリカーボネート樹脂もしくはポリアリレ
ート樹脂を使用する場合に優れた耐摩耗性と滑り性や異
物除去性の優れた持続性を有する感光体の提供が可能に
なる。
【0039】上記(10)〜(13)について 上記(1)〜(9)記載の感光体を搭載した電子写真プ
ロセスによる電子写真方法、電子写真装置、プロセスカ
ートリッジは、感光体の長寿命化によりこれまでのもの
よりも感光体の交換頻度が少なく、従って、メンテナン
スが少なくて済み、さらにランニングコストが小さく且
ついつまでも画質の安定した出力が可能となる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明に用いられる電子写
真感光体を図面に沿って説明する。
【0041】〈感光体の層構成〉第1図は、感光層を単
層構成とした感光体を示す図であり、導電性支持体31
上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光
層33が設けられ、更に感光層表面に保護層39が設け
られてなる。この場合、保護層39にはアクリル変性ポ
リオルガノシロキサン化合物と無機フィラーが含有され
てなる。第2図は、感光層を積層構成とした感光体を示
す図であり、導電性支持体31上に、電荷発生物質を主
成分とする電荷発生層35と電荷輸送物質を主成分とす
る電荷輸送層37とが積層された感光層をもつ構成をと
っており、更に電荷輸送層上に保護層39が設けられて
なる。この場合、保護層39にはアクリル変性ポリオル
ガノシロキサン化合物と無機フィラーが含有されてな
る。第3図は、感光層を積層構成とした感光体の他の例
を示すものであり、導電性支持体31上に、電荷輸送物
質を主成分とする電荷輸送層37と電荷発生物質を主成
分とする電荷発生層35とが積層された構成をとってお
り、更に電荷発生層上に保護層39が設けられてなる。
この場合、保護層39にはアクリル変性ポリオルガノシ
ロキサン化合物と無機フィラーが含有されてなる。
【0042】〈導電性支持体〉導電性支持体31として
は、体積抵抗1010 Ω・cm以下の導電性を示すもの、
例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、
銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウ
ムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングによ
り、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被
覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合
金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押
し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上
げ、研摩などの表面処理した管などを使用することがで
きる。また、特開昭52−36016号公報に開示され
たエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベ
ルトも導電性支持体31として用いることができる。
【0043】この他、上記支持体上に導電性粉体を適当
な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明
の導電性支持体31として用いることができる。この導
電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラ
ック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、
銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、
ITOなどの金属酸化物粉体などがあげられる。
【0044】また、同時に用いられる結着樹脂には、ポ
リスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン
酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ
カーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース
樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、
ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、
アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミ
ン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹
脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が
挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉
体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラ
ン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンな
どに分散して塗布することにより設けることができる。
【0045】さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニ
ル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン
(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた
熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、
本発明の導電性支持体31として良好に用いることがで
きる。
【0046】〈感光層〉次に感光層について説明する。
本発明で用いられる感光体の感光層は単層構成でも積層
構成でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層35と
電荷輸送層37で構成される積層構成の場合について述
べる。
【0047】電荷発生層 電荷発生層35は、電荷発生物質を主成分とする層であ
る。電荷発生層35には、公知の電荷発生物質を用いる
ことが可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジ
スアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノ
ン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合
物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔
料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等
が挙げられ用いられる。これら電荷発生物質は単独で用
いても、2種以上混合して用いてもかまわない。
【0048】電荷発生層35は、電荷発生物質を必要に
応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、ア
トライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、
これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形
成される。
【0049】必要に応じて電荷発生層35に用いられる
結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキ
シ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹
脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニル
ホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリス
ルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリル
アミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノ
キシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸
ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビ
ニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜
500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当で
ある。結着樹脂の添加は、分散前あるいは分散後どちら
でも構わない。
【0050】ここで用いられる溶剤としては、イソプロ
パノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセル
ソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジ
クロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、
トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特
にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良
好に使用される。これらは単独で用いても2種以上混合
して用いてもよい。
【0051】電荷発生層35は、電荷発生物質、溶媒及
び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分
散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等が含まれていて
も良い。塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレ
ーコート、ビードコート、ノズルコート、スピナーコー
ト、リングコート等の方法を用いることができる。電荷
発生層35の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であ
り、好ましくは0.1〜2μmである。
【0052】電荷輸送層 電荷輸送層37は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当
な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗
布、乾燥することにより形成できる。また、必要により
単独あるいは2種以上の可塑剤、レベリング剤、酸化防
止剤等を添加することもできる。電荷輸送物質には、正
孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
【0053】電子輸送物質としては、例えばクロルアニ
ル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシア
ノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオ
レノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレ
ノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,
4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリ
ニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4
−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−
5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受
容性物質が挙げられる。
【0054】正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニル
カルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリ
ルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホル
ムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレ
ン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾ
ール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘
導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘
導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、
α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジ
アリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9
−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジ
ビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘
導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチル
ベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙
げられる。これらの電荷輸送物質は単独で、または2種
以上混合して用いられる。
【0055】結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエ
ステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリ
レート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸
セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブ
チラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエ
ン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シ
リコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン
樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性ま
たは熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0056】電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部
に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150
重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は解像度
・応答性の点から、25μm以下とすることが好まし
い。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電
位等)により異なるが、5μm以上が好ましい。ここで
用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼ
ン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチル
ケトン、アセトンなどが用いられる。これらは単独で使
用しても2種以上混合して使用しても良い。
【0057】単層構成の感光層 次に感光層が単層構成の場合について述べる 単層の感光層には、上述した電荷発生物質、電荷輸送物
質、結着樹脂などが全て使用できる。感光層は、電荷発
生物質および電荷輸送物質、上述の硫黄系化合物、およ
び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗
布、乾燥することによって形成できる。また、必要によ
り可塑剤やレベリング剤等を添加することもできる。結
着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜4
0重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重
量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部
である。感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送
物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロ
ロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で
分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビー
ドコート、リングコートなどで塗工して形成できる。感
光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
【0058】〈保護層〉次に保護層39について説明す
る。保護層39はアクリル変性ポリオルガノシロキサン
化合物と無機フィラー材料を結着樹脂とともに適当な溶
剤を介して分散せしめるとともにレベリング剤や電荷輸
送物質あるいは酸化防止剤等を添加、溶解させ、これを
感光層上に塗布、乾燥することにより形成される。
【0059】アクリル変性ポリオルガノシロキサン ここで使用されるアクリル変性ポリオルガノシロキサン
化合物としては、ポリオルガノシロキサン主鎖にアクリ
ル重合体をグラフト化させた化合物が使用される。その
中で特に以下の組成からなるアクリル変性ポリオルガノ
シロキサン化合物が好ましい。
【0060】
【化7】(イ)一般式(I)
【0061】(式中のR1、R2、R3、Y、Z1及びZ2
は前記と同じ意味をもつ)で表わされるポリオルガノシ
ロキサンに、
【0062】
【化8】(ロ)一般式(II)
【0063】(式中のR7、R8は前記と同じ意味をも
つ)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル及び所望
に応じて用いられる共重合可能な単量体を、乳化重合法
によりグラフト重合させて製造されるアクリル変性ポリ
オルガノシロキサン化合物。
【0064】前記一般式(I)で表わされるポリオルガ
ノシロキサンにおいては、R1、R2及びR3は、それぞ
れメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのア
ルキル基やフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチ
ル基などのアリール基などの炭素数1〜20の炭化水素
基又はこれらの炭化水素基の炭素原子に結合した水素原
子の少なくとも1つをハロゲン原子で置換した炭素数1
〜20のハロゲン化炭化水素基であって、R1、R2及び
3は、それぞれ同一であってもよいし、互いに異なっ
ていてもよい。また、Yはビニル基、アリル基、γ−ア
クリロキシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル
基、γ−メルカプトプロピル基などのラジカル反応性基
又はSH基もしくはその両方をもつ有機基である。Z1
及びZ2は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基などの低級アルキル基又は
【0065】
【化9】
【0066】で示されるトリオルガノシリル基であり、
このトリオルガノシリル基におけるR 4及びR5は、それ
ぞれ同一又は異なる炭素数1〜20の炭化水素基又はハ
ロゲン化炭化水素基、R6は炭素数1〜20の炭化水素
基もしくはハロゲン化炭化水素基、あるいはラジカル反
応性基又はSH基もしくはその両方をもつ有機基であ
る。該トリオルガノシリル基における炭素数1〜20の
炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基及びラジカル反応性
基又はSH基もしくはその両方をもつ有機基としては、
前記に例示したものを挙げることができる。該Z1とZ2
は、それぞれ同一であってもよいし、たがいに異なるも
のであってもよい。さらに、mは10,000以下の正
の整数、好ましくは500〜8,000の範囲の整数で
あり、nは1以上の整数、好ましくは1〜500の範囲
の整数である。
【0067】前記一般式(I)で示されるポリオルガノ
シロキサンは、環状ポリオルガノシロキサン、分子鎖両
末端が水酸基で封鎖された液状ポリジメチルシロキサ
ン、分子鎖両末端がアルコキシ基で封鎖された液状ポリ
ジメチルシロキサン、分子鎖両末端がトリメチルシリル
基で封鎖されたポリジメチルシロキサンなどを、また、
ラジカル反応性基又はSH基もしくはその両方を導入す
るためのシラン類或いはシラン類の加水分解生成物など
を、さらに所望に応じ、本発明の目的をそこなわない程
度の量の三官能性トリアルコキシシラン及びその加水分
解生成物などを用い、反応させることにより製造するこ
とができる。
【0068】次に、一般式(I)で示されるポリオルガ
ノシロキサンの製造方法の異なった例について説明する
と、まず、第1の方法は、原料として、例えば前記のオ
クタメチルシクロテトラシロキサンのような環状低分子
シロキサンとラジカル反応性基又はSH基もしくはその両
方をもつジアルコキシシラン化合物やその加水分解物を
用い、強アルカリ性又は強酸性触媒の存在下に重合させ
ることにより高分子量のポリオルガノシロキサンを得る
方法である。このようにして得られた高分子量のポリオ
ルガノシロキサンは、次工程の乳化グラフト共重合に供
するために、適当な乳化剤の存在下に水性媒体中に乳化
分散させる処理が施される。
【0069】次に、第2の方法は、原料として、例えば
前記の低分子ポリオルガノシロキサンと、ラジカル反応
性基又はSH基もしくはその両方をもつジアルコキシシ
ランやその加水分解物とを用い、スルホン酸系界面活性
剤や硫酸エステル系界面活性剤の存在下に、水性媒体中
において乳化重合させる方法である。この乳化重合の場
合、同様な原料を用い、アルキルトリメチルアンモニウ
ムクロリドやアルキルベンジルアンモニウムクロリドの
どのカチオン性界面活性剤により、水性媒体中に乳化分
散させたのち、適当量の水酸化カリウムや水酸化ナトリ
ウムなどの強アルカリ性化合物を添加して重合させるこ
ともできる。
【0070】このようにして得られた前記一般式(I)
で示されるポリオルガノシロキサンは、その分子量が小
さいと、組成物から得られる成形体に持続性のある摺動
性、耐摩耗性などを付与する効果が劣るようになるの
で、分子量ができるだけ大きい方が好ましい。このた
め、第1の方法においては、重合においてポリオルガノ
シロキサンを高分子量のものとしておき、これを乳化分
散することが必要であり、また第2の方法においては、
乳化重合後に施される熟成処理の際に、温度を低くすれ
ばポリオルガノシロキサンの分子量が大きくなるので、
熟成温度は30℃以下、好ましくは15℃以下とするのが有
利である。
【0071】本発明において、前記一般式(I)で示さ
れるポリオルガノシロキサンに、グラフト重合させる
(ロ)成分の単量体として用いられる前記一般式(II)
で示される(メタ)アクリル酸エステルとしては、例え
ばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリ
レート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、
ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アク
リレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのアル
キル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)ア
クリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレートなど
のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリ
レート、ベンジル(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。これらの(メタ)アクリル酸エステルは1種のみを
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0072】また、所望に応じ、これらの(メタ)アク
リル酸エステルと共に用いられる共重合可能な単量体と
しては、多官能性単量体やエチレン性不飽和単量体が挙
げられる。該多官能性単量体としては、例えば(メタ)
アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブト
キシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチ
ル(メタ)アクリルアミドなどのエチレン性不飽和アミ
ド及びエチレン性不飽和アミドのアルキロール又はアル
コキシアルキル化物、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、グリシジルアリルエーテルなどのオキシラン基含有
不飽和単量体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートな
どのヒドロキシル基含有不飽和単量体、(メタ)アクリ
ル酸、無水マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸などの
カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体、N−ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ジエチル
アミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有
不飽和単量体、(メタ)アクリル酸のエチレンオキシド
やプロピレンオキシド付加物などのポリアルキレンオキ
シド基含有不飽和単量体、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレートなどの多価アルコールと(メタ)アクリル酸と
の完全エステル、さらにはアリル(メタ)アクリレー
ト、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。これらは1種
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。これらの多官能性単量体は、アクリル変性ポリオル
ガノシロキサンにおけるポリマー間の架橋に関与するこ
とによって、成形体に弾性、耐久性、耐熱性などを付与
する効果を有している。
【0073】一方、エチレン性不飽和単量体としては、
例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニ
ルなどが挙げられる。これらの単量体は1種用いてもよ
いし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、こ
れらの単量体1種以上と前記官能性単量体1種以上とを
組み合わせて用いてもよい。前記所望に応じて用いられ
る共重合可能な単量体の使用量は、一般式(II)で示さ
れる(メタ)アクリル酸エステルと該共重合可能な単量
体との合計重量に基づき、30重量%以下の範囲で選ぶこ
とが必要である。この量が30重量%を超えると、得られ
るアクリル変性ポリオルガノシロキサンとバインダー樹
脂との混和性が低下する。
【0074】また、前記(ロ)成分のグラフト共重合用
単量体、すなわち前記一般式(II)で示される(メタ)
アクリル酸エステル、又はこれと共重合可能な単量体と
の混合物は、成形体により優れた摺動性、耐摩耗性を付
与するためには、そのポリマー化物のガラス転移温度が
20℃、好ましくは30℃以上のものが望ましい。本発
明におけるアクリル変性ポリオルガノシロキサンは、前
記(イ)成分のポリオルガノシロキサンと(ロ)成分の
単量体とを、重量比5:95にないし95:5の割合で
用いて、乳化重合法により、グラフト共重合させること
により得られる。
【0075】該(イ)成分のポリオルガノシロキサンの
使用割合が前記範囲より少ないと、得られるアクリル変
性ポリオルガノシロキサンはポリオルガノシロキサン自
体がもつ効果を十分に発揮することができず、かつアク
リル系ポリマーの欠点である粘着感が生じるようになる
し、前記範囲より多いと該アクリル変性ポリオルガノシ
ロキサンはポリ塩化ビニル系樹脂との混和性が低下し、
成形体表面にブリードしやすくなり、摺動性、耐摩耗性
などが経時により低下しやすくなる傾向がみられる。
【0076】前記(イ)成分と(ロ)成分との乳化グラ
フト共重合は、該(イ)成分としてポリオルガノシロキ
サンの水性エマルジョンを用い、通常のラジカル開始剤
を使用して、公知の乳化重合法によって行うことができ
る。なおアクリル変性ポリオルガノシロキサンの製造に
関しては特公平7−5808号公報(日信化学工業株式
会社)の第4〜8頁及び具体的な製造例については第9
〜10頁に詳細に記載されている。
【0077】また本発明に用いられるアクリル変性ポリ
オルガノシロキサンにおいて、重合時に用いる乳化剤、
凝集剤等不純物の残留は電気特性を問題とする像形成部
材とりわけ電子写真用感光体においてはその電気的特性
を損なう恐れがあるため、必要に応じて精製して用いる
ことが好ましい。精製法としては酸、アルカリ水溶液、
水およびアルコールなどで攪拌洗浄処理する方法またソ
ックスレー抽出等による固液抽出法が挙げられる。保護
層中における変性ポリオルガノシロキサンの割合として
40重量%以下、より好ましくは20重量%以下であ
る。40重量%以上使用すると、感光体の表面平滑性の
低下、残留電位上昇等の副作用をもたらす。
【0078】また、変性ポリオルガノシロキサンを樹脂
に添加する方法としては、汎用の溶媒中で攪拌する方
法、ボールミリング法、振動ミリング法及び超音波法な
どの手段を用いることができる。または、バンバリーミ
キサー、ロールミル、2軸押出し機などの公知の装置を
用い機械的に混合しペレット状に賦形する方法を挙げる
ことができる。押し出し賦形されたペレットは、幅広い
温度範囲で成型可能であり、成型には通常の射出成型機
が用いられる。ペレット状に賦形されたアクリル変性ポ
リオルガノシロキサン化合物を有するグラフト共重合体
と樹脂は、更に上記の溶液分散法へ適用できる。本発明
で使用される変性ポリオルガノシロキサンの代表的な例
としては、例えば日信化学工業(株)のシャリーヌR―
170S、R―170、R−210等という商品名で市販
されているものが挙げられる。
【0079】保護層39に使用される結着樹脂材料とし
てはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノ
マー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミ
ドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポ
リブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボ
ネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポ
リメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオ
キシド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリレー
ト、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウ
レタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキ
シ樹脂等の樹脂が挙げられる。フィラーの分散性、残留
電位、塗膜欠陥の点から、特にポリカーボネートあるい
はポリアリレートが有効かつ有用である。
【0080】無機フィラー 本発明で使用される無機フィラ−材料としては、銅、ス
ズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリ
カ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化ジ
ルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビ
スマス、酸化カルシウム、アンチモンをド−プした酸化
錫、錫をド−プした酸化インジウム等の金属酸化物、フ
ッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金
属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などが挙げら
れる。これらのフィラーの中で、フィラーの硬度の点か
ら無機フィラーである無機顔料を用いることが耐摩耗性
の向上に対し有利である。
【0081】さらに、これらの無機フィラーは少なくと
も一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であ
り、そうすることが無機フィラーの分散性の面から好ま
しい。無機フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だ
けでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さら
には耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化ある
いは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性があ
る。表面処理剤としては、従来用いられている表面処理
剤すべてを使用することができるが、無機フィラーの絶
縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。
【0082】例えば、チタネート系カップリング剤、ア
ルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カ
ップリング剤、高級脂肪酸等、あるいはこれらとシラン
カップリング剤との混合処理や、Al23、TiO2
ZrO2、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、
あるいはそれらの混合処理が無機フィラーの分散性及び
画像ボケの点からより好ましい。シランカップリング剤
による処理は、画像ボケの影響が強くなるが、上記の表
面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すこ
とによりその影響を抑制できる場合がある。表面処理量
については、用いる無機フィラーの平均一次粒径によっ
て異なるが、3〜30wt%が適しており、5〜20w
t%がより好ましい。表面処理量がこれよりも少ないと
無機フィラーの分散効果が得られず、また多すぎると残
留電位の著しい上昇を引き起こす。
【0083】用いられる溶剤としては、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノク
ロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メ
チルエチルケトン、アセトンなど、電荷輸送層37で使
用されるすべての溶剤を使用することができる。但し、
分散時には粘度が高い溶剤が好ましいが、塗工時には揮
発性が高い溶剤が好ましい。これらの条件を満たす溶剤
がない場合には、各々の物性を有する溶剤を2種以上混
合させて使用することが可能であり、フィラーの分散性
や残留電位に対して大きな効果を有する場合がある。
【0084】また、保護層に電荷輸送層37で挙げた電
荷輸送物質を添加することは、残留電位の低減及び画質
向上に対して有効かつ有用である。その際、保護層中に
含有される電荷輸送物質のイオン化ポテンシャル(I
p)が、感光層中に含有される電荷輸送物質のIpと同
じか、より小さくなるような電荷輸送物質を保護層に添
加することによって、保護層への電荷注入性が向上する
ことにより、残留電位をより低減できる効果を有する。
なお、イオン化ポテンシャルIpは、分光学的に求める
方法、電気化学的に求める方法等、種々の方法を用いて
測定することができる。
【0085】前記無機フィラ−材料は、ボールミル、ア
トライター、サンドミル、超音波などの従来方法を用い
て分散することができる。この中でも、外界からの不純
物の混入が少ないボールミルによる分散が分散性の点か
らより好ましい。使用されるメディアの材質について
は、従来使用されているジルコニア、アルミナ、メノウ
等すべてのメディアを使用することができる。
【0086】また、無機フィラ−の平均一次粒径は、
0.01〜0.6μmであることが保護層の光透過率や
耐摩耗性の点から好ましい。無機フィラーの平均一次粒
径が0.01μm以下の場合は、耐摩耗性の低下、分散
性の低下等を引き起こし、0.6μm以上の場合には、
無機フィラーの沈降性が促進されたり、トナーのフィル
ミングが発生したりする可能性がある。
【0087】保護層の形成方法 保護層の形成法としては、浸漬塗工法、スプレーコー
ト、ビードコート、ノズルコート、スピナーコート、リ
ングコート等の従来方法を用いることができるが、特に
塗膜の均一性の面からスプレーコートがより好ましい。
さらに、保護層の必要膜厚を一度で塗工し、保護層を形
成することも可能であるが、2回以上重ねて塗工し、保
護層を多層にする方が膜中におけるフィラーの均一性の
面からより好ましい。そうすることによって、残留電位
の低減、解像度の向上、及び耐摩耗性の向上に対しより
一層の効果が得られる。なお、保護層の厚さは0.1〜
10μm程度が適当である。
【0088】他の添加成分 保護層には上記アクリル変性ポリオルガノシロキサン化
合物及び無機フィラー以外の有機性フィラーをさらに添
加することもできる。有機性フィラ−材料としては、ポ
リテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シ
リコ−ン樹脂粉末、a−カ−ボン粉末等が挙げられる。
また、保護層には、シリコーンオイルのようなレベリン
グ剤や下記に示すような酸化防止剤やフィラーの分散材
を添加することもできる。酸化防止剤としては従来公知
の物が使用できる。例えば、下記に示すヒンダードアミ
ン構造とヒンダードフェノール構造の両構造を有する化
合物を使用することができる。
【0089】
【化10】
【0090】使用されるフィラーの分散剤としては、公
知の分散剤を使用することが可能であるが、特にカルボ
キシル基をポリマーあるいはコポリマー中に少なくとも
一つ含む構造を有する有機化合物が好ましいが、分散性
の面からはポリカルボン酸誘導体がより好ましい。分散
剤におけるカルボン酸部位は酸価を与えるとともに、分
散性を高める重要な役割を果たしている。親水性の無機
フィラーは有機溶剤や結着樹脂との親和性が低く、その
ままではいかなる分散手段を用いても上手く分散されな
い。
【0091】しかし、本発明における上記分散剤は、カ
ルボン酸部位では無機フィラーとの親和性が高く、その
他のポリマー部位では結着樹脂や有機溶剤との親和性が
高いため、分散剤を介して無機フィラーと有機溶剤や結
着樹脂等との親和性を高めることが可能となる。また、
これらの分散剤の酸価としては、10〜400mgKO
H/gが好ましく、より好ましくは30〜200mgK
OH/gが適している。酸価が必要以上に高いと解像度
低下等の画像への影響が現れることがあり、酸価が低す
ぎると添加量を多くする必要が生じ、電気特性の低下を
引き起こしやすくなる。
【0092】〈下引き層〉本発明の感光体においては、
導電性支持体31と感光層との間に下引き層を設けるこ
とができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とする
が、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布するこ
とを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い
樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、
ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナト
リウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチ
ル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタ
ン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラ
ミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する
硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ
防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、
アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウ
ム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよ
い。
【0093】これらの下引き層は、前述の感光層の如く
適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。
更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、
チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用
することもできる。この他、本発明の下引き層には、A
23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレ
ン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO
2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設
けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のもの
を用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが
適当である。
【0094】〈電子写真方法・電子写真装置〉次に図面
を用いて本発明の電子写真方法ならびに電子写真装置を
詳しく説明する。
【0095】第4図は、本発明の電子写真プロセス及び
電子写真装置を説明するための概略図であり、下記のよ
うな例も本発明の範疇に属するものである。第4図にお
いて、感光体1はドラム状の形状を示しているが、シー
ト状、エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電
チャージャー3、転写前チャージャー7、転写チャージ
ャー10、分離チャージャー11、クリーニング前チャ
ージャー13には、コロトロン、スコロトロン、固体帯
電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ロー
ラ等が用いられ、公知の手段がすべて使用可能である。
転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、図
に示されるように転写チャージャーと分離チャージャー
を併用したものが効果的である。
【0096】また、画像露光部5、除電ランプ2等の光
源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンラン
プ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LE
D)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセ
ンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。
そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャ
ープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外
カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フ
ィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルター
を用いることもできる。光源等は、第4図に示される工
程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリー
ニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることに
より、感光体に光が照射される。
【0097】現像ユニット6により感光体1上に現像さ
れたトナーは、転写紙9に転写されるが、全部が転写さ
れるわけではなく、感光体1上に残存するトナーも生ず
る。このようなトナーは、ファーブラシ14およびブレ
ード15により、感光体より除去される。クリーニング
は、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、
クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラ
シを始めとする公知のものが用いられる。電子写真感光
体に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面
上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極
性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得
られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ
画像が得られる。かかる現像手段には、公知の方法が適
用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられ
る。
【0098】第5図には、本発明による電子写真プロセ
スの別の例を示す。感光体21は駆動ローラ22a,2
2bにより駆動され、帯電器23による帯電、光源24
による像露光、現像(図示せず)、転写チャージャ25
を用いる転写、光源26によるクリーニング前露光、ク
リーニングブラシ27によるクリーニング、光源28に
よる除電が繰返し行なわれる。第5図においては、感光
体21(勿論この場合は支持体が透光性である)に支持体
側よりクリーニング前露光の光照射が行なわれる。
【0099】以上の図示した電子写真プロセスは、本発
明における実施形態を例示するものであって、もちろん
他の実施形態も可能である。例えば、第5図において支
持体側よりクリーニング前露光を行っているが、これは
感光層側から行ってもよいし、また、像露光、除電光の
照射を支持体側から行ってもよい。一方、光照射工程
は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示され
ているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、および
その他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行
うこともできる。
【0100】以上に示すような画像形成手段は、複写装
置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれ
ていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装
置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジと
は、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手
段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1
つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状
等は多く挙げられるが、一般的な例として、第6図に示
すものが挙げられる。
【0101】
【実施例】以下、本発明について実施例を挙げて説明す
るが、本発明が実施例により制約を受けるものではな
い。なお、部はすべて重量部である。
【0102】[実施例1]アルミニウムシリンダー上に
下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および
電荷輸送層塗工液を、浸漬塗工によって順次塗布、乾燥
し、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、
20μmの電荷輸送層を形成した。
【0103】<下引き層塗工液> 二酸化チタン粉末:400部 メラミン樹脂 :40部 アルキッド樹脂 :60部 2−ブタノン :500部
【0104】<電荷発生層塗工液> 下記構造のビスアゾ顔料:12部
【0105】
【化11】
【0106】ポリビニルブチラール:5部 2−ブタノン :200部 シクロヘキサノン :400部
【0107】<電荷輸送層塗工液> ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製):10部 下記構造式の電荷輸送物質:10部
【0108】
【化12】
【0109】 テトラヒドロフラン :100部 1%シリコーンオイル(KF50-100CS,信越化学工業製)テトラヒト゛ロフラン溶液:1部
【0110】電荷輸送層上にさらに、ボールミリングに
より得た下記組成の保護層塗工液をリング塗工法によっ
て約5μmの保護層を形成し、実施例1の電子写真感光
体を作製した。得られた感光体の一部を剥がして保護層
の断面TEMによりアクリル変性ポリオルガノシロキサン
の分散状態を観察したところ、0.1から4μm程度の
粒状分散膜になっていることが確認された。また、下記
保護層塗工液に使用したシャリーヌR−170Sをテト
ラヒドロフランに溶解分散させた液は、溶解によって凝
集粒子は消失するものの、一次粒子以下までは溶解せ
ず、膨潤により0.2μmのフィルターを全く通過しな
かった。この様に保護層中のシャリーヌR−170Sは
ミクロゲル状態で存在することがわかる。
【0111】 <保護層塗工液> アクリル変性ポリオルガノシロキサン:0.6部 (シャリーヌR―170S、日信化学工業株式会社製、平均一次粒径:0.2 μm、平均粒径:30μm、オルガノポリシロキサン成分70%とアクリル成分 30%からなるアクリル変性ポリオルガノシロキサン化合物) アルミナ(平均一次粒径:0.3μm、住友化学工業製):1.1部 下記構造式の電荷輸送物質(Ip:5.4eV):4部
【0112】
【化13】
【0113】 ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製):5.5部 分散剤 BYK-P104(ビックケミー社製) :0.1部 テトラヒドロフラン :220部 シクロヘキサノン :80部 振動ミル分散:60分
【0114】[実施例2]実施例1において保護層のア
クリル変性ポリオルガノシロキサンにシャリーヌR−1
70 (日信化学工業株式会社製、平均一次粒径:0.
2μm、平均粒径:350μm、オルガノポリシロキサ
ン成分70%とアクリル成分30%からなるアクリル変
性ポリオルガノシロキサン化合物)を使用する他は同様
にして電子写真感光体を作製した。また、アクリル変性
ポリオルガノシロキサンの分散状態を実施例1と同じ方
法で調べたところ実施例1と同様であった。
【0115】[実施例3]実施例1において保護層のア
クリル変性ポリオルガノシロキサンにシャリーヌR−2
10 (日信化学工業株式会社製、平均一次粒径:0.
2μm、平均粒径:350μm、オルガノポリシロキサ
ン成分10%とアクリル成分90%からなるアクリル変
性ポリオルガノシロキサン化合物)を使用する他は同様
にして電子写真感光体を作製した。また、アクリル変性
ポリオルガノシロキサンの分散状態を実施例1と同じ方
法で調べたところ同様であった。
【0116】[実施例4]実施例1において、保護層に
含有される無機フィラーを下記の材料に変更した以外
は、すべて実施例1と同様にして電子写真感光体を作製
した。また、アクリル変性ポリオルガノシロキサンの分
散状態を実施例1と同じ方法で調べたところ同様であっ
た。 酸化チタン(平均一次粒径0.3μm、石原産業製):1.1部
【0117】[実施例5]実施例1において、保護層に
含有される無機フィラーを下記の材料に変更した以外
は、すべて実施例1と同様にして電子写真感光体を作製
した。また、アクリル変性ポリオルガノシロキサンの分
散状態を実施例1と同じ方法で調べたところ同様であっ
た。 アルミナ(平均一次粒径0.6μm、石原産業製):1.1部
【0118】[実施例6]実施例1において、保護層に
含有される無機フィラーを下記の材料に変更した以外
は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体を作
製した。また、アクリル変性ポリオルガノシロキサンの
分散状態を実施例1と同じ方法で調べたところ同様であ
った。 シリカ(平均粒径0.015μm、信越シリコーン製):0.8部
【0119】[実施例7]実施例1において、保護層に
含有される無機フィラーを下記の材料に変更した以外
は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体を作
製した。また、アクリル変性ポリオルガノシロキサンの
分散状態を実施例1と同じ方法で調べたところ同様であ
った。 チタネート系カップリング剤で表面処理されたアルミナ:1.1部 {アルミナ(平均一次粒径:0.3μm、住友化学工業製)10部に対し てチタネート系カップリング剤プレンアクトKR TTS(味の素ファインテクノ社 製)1部で表面処理したもの}
【0120】[実施例8]実施例1において、保護層に
含有される無機フィラーを下記の材料に変更した以外
は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体を作
製した。また、アクリル変性ポリオルガノシロキサンの
分散状態を実施例1と同じ方法で調べたところ同様であ
った。 アルミニウム系カップリング剤で表面処理されたアルミナ:1.1部 {アルミナ(平均一次粒径:0.3μm、住友化学工業製)10部に対して アルミニウム系カップリング剤プレンアクトAL−M(味の素ファインテクノ社 製)1部で表面処理したもの}
【0121】[実施例9]実施例1において、保護層に
含有される電荷輸送物質を下記の材料に変更した以外
は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体を作
製した。また、アクリル変性ポリオルガノシロキサンの
分散状態を実施例1と同じ方法で調べたところ同様であ
った。 下記構造式の電荷輸送物質:10部
【0122】
【化14】
【0123】[実施例10]実施例1において、保護層
に電荷輸送物質を含有させず、保護層の膜厚を2μmと
する以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感
光体を作製した。また、アクリル変性ポリオルガノシロ
キサンの分散状態を実施例1と同じ方法で調べたところ
同様であった。
【0124】[実施例11]実施例1において、保護層
に含有されるバインダー樹脂を下記の材料に変更した以
外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体を
作製した。また、アクリル変性ポリオルガノシロキサン
の分散状態を実施例1と同じ方法で調べたところ同様で
あった。 ポリアリレート樹脂(Uポリマー、ユニチカ製):10部
【0125】[実施例12]実施例1において、保護層
に含有されるバインダー樹脂を下記の材料に変更した以
外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体を
作製した。また、アクリル変性ポリオルガノシロキサン
の分散状態を実施例1と同じ方法で調べたところ同様で
あった。 ポリスチレン樹脂:10部
【0126】[実施例13]実施例1において、電荷発
生層塗工液、電荷輸送層塗工液及び保護層塗工液を下記
のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子
写真感光体を作製した。また、アクリル変性ポリオルガ
ノシロキサンの分散状態を実施例1と同じ方法で調べた
ところ同様であった。
【0127】<電荷発生層塗工液> Y型チタニルフタロシアニン: 9部 ポリビニルブチラール : 5部 2−ブタノン :450部
【0128】<電荷輸送層塗工液> C型ポリカーボネート :10部 下記構造式の電荷輸送物質: 8部
【0129】
【化15】
【0130】 下記構造式の有機硫黄系化合物(住友化学工業製):0.15部
【0131】
【化16】
【0132】トルエン:70部
【0133】 <保護層塗工液> アクリル変性ポリオルガノシロキサン (シャリーヌR―170S、日信化学工業株式会社製、平均一次粒径:0.2μ m、平均粒径:30μm、オルガノポリシロキサン成分70%とアクリル成分3 0%からなるアクリル変性ポリオルガノシロキサン化合物):0.6部 アルミナ処理酸化チタン :1.2部 (平均一次粒径0.035μm、テイカ製) メタクリル酸/メチルメタクリレート共重合体(酸価50mgKOH/g):0.5部 C型ポリカーボネート(帝人化成製) :5.5部 下記構造式のヒンタ゛ート゛アミン構造とヒンタ゛ート゛フェノール構造を有する化合物 :0.24部
【0134】
【化17】 下記構造式の電荷輸送物質(Ip:5.3eV):4部
【0135】
【化18】
【0136】テトラヒドロフラン:250部 シクロヘキサノン :50部 振動ミル:60分
【0137】[実施例14]実施例10において保護層
のアクリル変性ポリオルガノシロキサンにシャリーヌR
−210 (日信化学工業株式会社製、平均一次粒径:
0.2μm、平均粒径:350μm、オルガノポリシロ
キサン成分10%とアクリル成分90%からなるアクリ
ル変性ポリオルガノシロキサン化合物)を使用する他は
同様にして電子写真感光体を作製した。また、アクリル
変性ポリオルガノシロキサンの分散状態を実施例1と同
じ方法で調べたところ同様であった。
【0138】[比較例1]実施例1において、保護層を
設けなかった以外は、すべて実施例1と同様にして、電
子写真感光体を作製した。
【0139】[比較例2]実施例1において、保護層塗
工液にアルミナを加えなかった以外は、すべて実施例1
と同様にして、電子写真感光体を作製した。
【0140】[比較例3]実施例1において、保護層塗
工液にアクリル変性ポリオルガノシロキサンを加えなか
った以外、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光
体を作製した。
【0141】[比較例4]実施例2において、保護層塗
工液にアルミナを加えなかった以外は、すべて実施例2
と同様にして、電子写真感光体を作製した。
【0142】[比較例5]実施例3において、保護層塗
工液にアルミナを加えなかった以外は、すべて実施例1
と同様にして、電子写真感光体を作製した。
【0143】[比較例6]実施例4において、保護層塗
工液にアクリル変性ポリオルガノシロキサンを加えなか
った以外、すべて実施例4と同様にして、電子写真感光
体を作製した。
【0144】[比較例7]実施例5において、保護層塗
工液にアクリル変性ポリオルガノシロキサンを加えなか
った以外、すべて実施例5と同様にして、電子写真感光
体を作製した。
【0145】[比較例8]実施例6において、保護層塗
工液にアクリル変性ポリオルガノシロキサンを加えなか
った以外、すべて実施例6と同様にして、電子写真感光
体を作製した。
【0146】[比較例9]実施例7において、保護層塗
工液にアクリル変性ポリオルガノシロキサンを加えなか
った以外、すべて実施例7と同様にして、電子写真感光
体を作製した。
【0147】[比較例10]実施例8において、保護層
塗工液にアクリル変性ポリオルガノシロキサンを加えな
かった以外、すべて実施例8と同様にして、電子写真感
光体を作製した。
【0148】[比較例11]実施例13において、保護
層を設けなかった以外は、すべて実施例13と同様にし
て、電子写真感光体を作製した。
【0149】[比較例12]実施例13において、保護
層塗工液にアルミナ処理酸化チタンを加えなかった以外
は、すべて実施例13と同様にして、電子写真感光体を
作製した。
【0150】[比較例13]実施例13において、保護
層塗工液にアクリル変性ポリオルガノシロキサンを加え
なかった以外は、すべて実施例13と同様にして、電子
写真感光体を作製した。
【0151】[比較例14]実施例1において、保護層
塗工液にアクリル変性ポリオルガノシロキサンの代わり
に下記材料を使用した以外は、すべて実施例1と同様に
して、電子写真感光体を作製した。シリコン微粒子(GE
東芝シリコン社製トスパール105 平均粒径0.5μm)
【152】[比較例15]実施例1において、保護層塗
工液にアクリル変性ポリオルガノシロキサンの代わりに
下記材料を使用した以外は、すべて実施例1と同様にし
て、電子写真感光体を作製した。アクリル-シリコン系
グラフトポリマー(東亞合成化学社製 サイマックUS
-450 水系エマルジョン固形分30%から固形分の
みを取り出したもの)
【0153】[比較例16]実施例1において、保護層
塗工液にアクリル変性ポリオルガノシロキサンの代わり
に下記材料を使用した以外は、すべて実施例1と同様に
して、電子写真感光体を作製した。下記メタクリロキシ
片末端ジメチルシロキサン30部とメチルメタクリレー
ト70部とをトルエン/水系エマルジョン中でラジカル
反応開始剤アゾビスイソブチロニトリルを用いて重合さ
せて得られたシリコングラフトポリアクリル樹脂。
【化19】
【0154】[比較例17]実施例1において、保護層
塗工液にアクリル変性ポリオルガノシロキサンの代わり
に下記材料を使用した以外は、すべて実施例1と同様に
して、電子写真感光体を作製した。 アルコキシ変性シリコーン(信越シリコーン社製 KF
−851)
【0155】[比較例18]実施例1において、保護層
塗工液にアクリル変性ポリオルガノシロキサンの代わり
に下記材料を使用した以外は、すべて実施例1と同様に
して、電子写真感光体を作製した。 球形メラミン微粒子(日本触媒社製 エポスターS 一
次粒径0.3μm)
【0156】以上のように作製した実施例1〜14の電
子写真感光体、及び比較例1〜18の電子写真感光体を
リコー製デジタル複写機イマジオMF6550またはそ
の改造機(書込光源レーザ波長655nm)に装着し、
連続してまず5万枚の印刷を行った後、温度25゜Cで湿
度90%の環境下で画像出しを行い、暗部電位、明部電
位、画像品質について評価を行った。暗部電位、明部電
位、画像品質については以下のようにして評価した。
【0157】 暗部電位:一次帯電の後、現像部位置まで移動した際の
感光体表面電位 明部電位:一次帯電の後、画像露光(全面露光)を受
け、現像部位置まで移動した際の感光体表面電位 画像品質:出力画像の画像濃度、細線再現性、文字かす
れ、解像度、地肌汚れなどを総合的に評価 また5万枚印刷後には膜厚測定をおこない、印刷前後の
膜厚差より摩耗量の評価を行った。結果を表1に示す。
【0158】
【表1】
【0159】表1の評価結果より、保護層が無い場合は
膜削れ量が大きく、5万枚程度で電荷リークによる地汚
れが全面に発生し、寿命が来てしまう。また、無機フィ
ラーのみを保護層に入れた場合は、耐摩耗性は格段に向
上するものの、クリーニング性が悪くなり感光体上にト
ナー及び現像剤成分と思われる物質のフィルミングが起
こり、高湿環境下では画像流れが発生してしまう。(こ
こで言う画像流れとは、感光体上に電荷潜像が形成され
る際に、フィルミングによって感光体表面付着した物質
及びその吸湿によってその部分の電気抵抗が下がった状
況にあり、電荷が感光体面方向に拡散してしまい、現像
後の画像が形成されなくなったり、像が流れたように形
状変化してしまう現象を指す。)また、アクリル変性ポ
リオルガノシロキサンのみを保護層に入れた場合は、保
護層の無い場合と同様に摩耗による地汚れが発生し、寿
命が短い。それらに対し、本発明のアクリル変性ポリオ
ルガノシロキサンと無機フィラーの両方を保護層に含有
させた物は耐摩耗性とクリーニング性を共に備え、湿度
の高い環境下であっても長期に渡って高品質な画像出力
が可能となることが解る。
【0160】また、アクリル変性ポリオルガノシロキサ
ンと無機フィラーの両方を保護層に含有させた場合にお
いてポリオルガノシロキサンの重量が(メタ)アクリル
酸エステル又はこの(メタ)アクリル酸エステル70重量
%以上と共重合可能な単量体30重量%以下との混合物の
重量よりも多い場合に解像度低下が起こりにくく特に画
像安定性に優れることが解る。
【0161】また、アクリル変性ポリオルガノシロキサ
ンと無機フィラーの両方を保護層に含有させた場合にお
いて保護層に電荷輸送物質を含有する場合に電位変動が
少なく画像濃度低下が起こりにくく特に画像安定性に優
れることが解る。
【0162】また、アクリル変性ポリオルガノシロキサ
ンと無機フィラーの両方を保護層に含有させた場合にお
いて保護層にポリカーボネート樹脂あるいはポリアリレ
ート樹脂を使用する場合に、保護層の耐摩耗性が高く、
膜削れによる地汚れ等が発生しにくく、特に画像安定性
に優れることが解る。また、シリコン微粒子やシリコン
グラフトアクリル樹脂をアクリル変性ポリオルガノシロ
キサンの代わりに添加した系は、繰り返し印刷後のクリ
ーニング性持続が悪く、フィルミングによる画像流れが
発生してしまい、同様の効果が得られないことが解る。
また、無機フィラーと一般の有機フィラーとを混合した
場合においては、クリーニング性向上効果が無く、やは
りフィルミングによる画像流れが発生してしまうことが
解る。
【0163】
【発明の効果】以上述べたように、保護層を有する電子
写真感光体においてその保護層中に無機フィラーとアクリル
変性ポリオルガノシロキサン化合物を含有させることで
耐摩耗性に優れ、且つ滑り性、異物除去性に優れた電子
写真感光体を提供でき、従って、摩耗による膜厚減少で
起こる放電破壊によるピンホールに起因する地汚れやク
リーニング不良により発生する地汚れや異物付着による
画像抜けや画像流れ等の異常画像が起こりにくく長期に
渡って安定した画像出力が可能な電子写真感光体を提供
できる。
【0164】また、使用されるアクリル変性ポリオルガ
ノシロキサン化合物にシリコーン主鎖にアクリル重合体
をグラフト化させた化合物を使用すること、また、一般
式(イ)と一般式(ロ)で表される特定の乳化グラフト
共重合体を使用することにより同様に長期に渡って安定
した画像出力が可能な電子写真感光体を提供できる。
【0165】また、ポリオルガノシロキサン部の重量が
アクリル重合部よりも多い場合には、滑り性、異物除去
性がさらに良好で且つその持続性にもさらに優れ、いっ
そう安定した画像出力が可能になる。
【0166】また、これらアクリル変性ポリオルガノシ
ロキサン化合物が保護層中に粒状に分散されていること
でこれまで困難であった耐摩耗性と滑り性、異物除去性
の持続性の両立が可能となった。また、これらアクリル
変性ポリオルガノシロキサン化合物がミクロゲルの形態
をとることにより上記粒状分散体を容易に形成すること
が出来、耐摩耗性に優れ、繰り返し使用においても画質
の安定した電子写真感光体を安価に提供できる。
【0167】また、少なくとも1種の金属酸化物からな
る無機フィラーを用いることにより摩耗量が極めて少な
く、摩耗による地汚れ等の異常画像を防止することで
き、長期間に渡って高画質で高寿命な感光体の提供が可
能となる。また、金属酸化物の表面が表面処理剤で処理
されたものを用いることにより、無機フィラーの分散性
が改良され、その結果塗工液の安定性にも優れ、塗膜欠
陥のない均一分散された感光体の製造が可能となり、高
画質で機械的強度に優れた耐摩耗性の強い感光体且つ摩
擦係数の低い状態を維持できる感光体の提供が可能とな
る。
【0168】また、保護層に電荷輸送物質を含有するこ
とにより、電荷の移動が良好に行われ、感度が良く、残
留電位が少なく、明部電位と暗部電位の差を十分にとる
ことができ、従って、高速な画像出力が安定して行わ
れ、高速画像出力、高画質出力、高安定画像出力を可能
にする感光体の提供ができる。また、保護層中の結着樹
脂にポリカーボネート樹脂及び/又はポリアリレート樹
脂を用いることにより無機フィラーの保持性が高く、ア
クリル変性ポリオルガノシロキサン化合物添加において
も機械的強度に優れ、その結果として機械的強度に優れ
た耐摩耗性の強い感光体且つ摩擦係数の低い状態を維持
できる感光体の提供が可能となる。
【0169】これら電子写真感光体を使用する電子写真
方法、電子写真装置、プロセスカートリッジは、感光体
を長期に亘って交換する必要が無く、メンテナンスが容
易で、コストパフォーマンスが高く、且つ高画質な画像
出力が安定して提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる電子写真用感光体の層構成を
示す断面図
【図2】 本発明に係わる電子写真用感光体の層構成を
示す断面図
【図3】 本発明に係わる電子写真用感光体の層構成を
示す断面図
【図4】本発明の電子写真プロセスおよび電子写真装置
を説明するための概略図
【図5】 本発明による電子写真プロセスの他の例を示
す概略図
【図6】 本発明による電子写真装置のプロセスカート
リッジを示す概略図
【符号の説明】
1、16、21 感光体 2 除電ランプ 3 帯電チャージャー 5 画像露光部 6 現像ユニット 7 転写前チャージャー 8 レジストローラ 9 転写紙 10 転写チャージャー 11 分離チャージャー 12 分離爪 13 クリーニング前チャージャー 14 ファーブラシ 15 クリーニングブレード 17 帯電チャージャ 18 クリーニングブラシ 19 画像露光部 20 現像ローラ 22a,22b 駆動ローラ 23 帯電器 24 像露光源 25 転写チャージャ 26 クリーニング前露光光源 27 クリーニングブラシ 28 除電光源 31 導電性支持体 33 感光層 39 保護層 35 電荷発生層 37 電荷輸送層
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 康夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 田元 望 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H068 AA03 AA04 AA05 BB06 BB25 BB27 BB33 BB53 BB54 BB61 CA33 CA37 FA27 4J002 AA012 CP101 CP141 CP171 DA076 DA096 DA116 DD036 DE076 DE096 DE106 DE136 DE146 DJ016 DK006

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも感光層と保
    護層を順次形成してなる電子写真感光体において、前記
    保護層が無機フィラーとシリコーン主鎖にアクリル重合
    体をグラフト化させたアクリル変性ポリオルガノシロキ
    サン化合物とを含有することを特徴とする電子写真感光
    体。
  2. 【請求項2】 前記アクリル変性ポリオルガノシロキサ
    ン化合物が 【化1】一般式(I) 〔式中のR1、R2及びR3は、それぞれ同一又は異なる
    炭素数1〜20の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素
    基、Yはラジカル反応性基又はSH基もしくはその両方
    をもつ有機基、Z1及びZ2は、それぞれ同一又は異なる
    水素原子、低級アルキル基又は下記の基 【化2】 (R4及びR5は、それぞれ同一又は異なる炭素数1〜2
    0の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基、R6は炭素
    数1〜20の炭化水素基もしくはハロゲン化炭化水素
    基、あるいはラジカル反応性基又はSH基もしくはその
    両方をもつ有機基である)、mは10,000以下の正
    の整数、nは1以上の整数である〕で表わされるポリオ
    ルガノシロキサンと、 【化3】一般式(II) (式中のR7は水素原子又はメチル基、R8はアルキル
    基、アルコキシ置換アルキル基、シクロアルキル基又は
    アリール基である)で表わされる(メタ)アクリル酸エ
    ステル又はこの(メタ)アクリル酸エステル70重量%
    以上と共重合可能な単量体30重量%以下との混合物と
    を、重量比5:95ないし95:5の割合で乳化グラフ
    ト共重合させて成るアクリル変性ポリオルガノシロキサ
    ンであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感
    光体。
  3. 【請求項3】 上記一般式(I)で表されるポリオルガ
    ノシロキサンの重量が、上記一般式(II)で表される
    (メタ)アクリル酸エステル又はこの(メタ)アクリル
    酸エステル70重量%以上と共重合可能な単量体30重
    量%以下との混合物の重量よりも多いことを特徴とする
    請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記アクリル変性ポリオルガノシロキサ
    ン化合物が前記保護層中に粒状に分散されていることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感
    光体。
  5. 【請求項5】 前記アクリル変性ポリオルガノシロキサ
    ン化合物がミクロゲルの形態であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 前記保護層に含まれる無機フィラーが、
    少なくとも1種の金属酸化物であることを特徴とする請
    求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記保護層に含まれる少なくとも1種の
    金属酸化物が、少なくとも1種の表面処理剤で表面処理
    されていることを特徴とする請求項6に記載の電子写真
    感光体。
  8. 【請求項8】 前記保護層に、少なくとも1種の電荷輸
    送物質が含有されていることを特徴とする請求項1〜7
    のいずれかに記載の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 前記保護層に、少なくともポリカーボネ
    ート樹脂もしくはポリアリレート樹脂のいずれか、ある
    いはそれらが混合されて含有されていることを特徴とす
    る請求項1〜9記載の電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 電子写真感光体に、少なくとも帯電、
    画像露光、現像、転写、クリーニング、除電を繰返し行
    う電子写真方法において、該電子写真感光体が請求項1
    〜9のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特
    徴とする電子写真方法。
  11. 【請求項11】 少なくとも帯電手段、画像露光手段、
    現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してな
    る電子写真装置であって、該電子写真感光体が請求項1
    〜9のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特
    徴とする電子写真装置。
  12. 【請求項12】 少なくとも電子写真感光体を具備して
    なる電子写真装置用プロセスカートリッジであって、該
    電子写真感光体が請求項1〜9のいずれかに記載の電子
    写真感光体であることを特徴とする電子写真装置用プロ
    セスカートリッジ。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載のプロセスカートリ
    ッジを搭載した電子写真装置。
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