JP2003255581A - 電子写真装置 - Google Patents

電子写真装置

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JP2003255581A JP2002099433A JP2002099433A JP2003255581A JP 2003255581 A JP2003255581 A JP 2003255581A JP 2002099433 A JP2002099433 A JP 2002099433A JP 2002099433 A JP2002099433 A JP 2002099433A JP 2003255581 A JP2003255581 A JP 2003255581A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返し使用後においても表面エネルギーの
低く保つことができ、高耐久性を有する感光体を採用し
ても異常画像の発生確率を極めて低くできる電子写真装
置を提供することを目的とする。 【解決手段】 電子写真感光体は、最表面層にポリオル
ガノシロキサン成分を含むコア/シェル構造を有するグ
ラフト共重合体が含有され、帯電手段は、電子写真感光
体に対し近接配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高耐久性を有し、
かつ長期に渡って画質の安定性を向上させた電子写真装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方法を採用した複写機、
ファクシミリ、レーザープリンタ、ダイレクトデジタル
製版機等の電子写真装置が普及している。電子写真方法
では、電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露光、
現像を行い、その後画像保持体(転写紙)へトナー画像
の転写及び定着を行う。そして、電子写真感光体表面の
クリーニングを行うことで1プロセスが終了する。
【0003】電子写真装置で用いられる感光体(電子写
真感光体)としては、(1)導電性支持体上にセレン又
はセレン合金を主体とする光導電層を設けた感光体、
(2)酸化亜鉛・硫化カドミウム等の無機系光導電材料
をバインダー中に分散させた感光体及び非晶質シリコン
系材料を用いた感光体、(3)有機系感光体等が知られ
ている。中でも、コスト、生産性に優れ、感光体設計の
自由度が高く、無公害性であるなどの特徴を有するため
有機系の感光体が広く利用されている。
【0004】有機系の感光体は、(1)ポリビニルカル
バゾ−ル(PVK)に代表される光導電性樹脂を利用し
た感光体、(2)PVK−TNF(2,4,7−トリニ
トロフルオレノン)に代表される電荷移動錯体型の感光
体、(3)フタロシアニン−バインダー樹脂に代表され
る顔料分散型の感光体、(4)電荷発生物質と電荷輸送
物質とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体などが
知られている。中でも、機能分離型の感光体が一般的に
用いられる。
【0005】機能分離型感光体における静電潜像メカニ
ズムの一例を以下に示す。まず、感光体を帯電し、次い
で感光体に光照射する。照射された光は透明な電荷輸送
層を通過し、電荷発生層中の電荷発生物質により吸収さ
れる。光を吸収した電荷発生物質は電荷担体を発生す
る。電荷担体は、電荷輸送層に注入され、さらに電界に
従って電荷輸送層中を移動し、感光体表面の電荷を中和
する。
【0006】機能分離型感光体は、以上のようなメカニ
ズムにより静電潜像を形成する。このメカニズムを実現
するには、吸収域が、主に紫外部である電荷輸送物質
と、主に可視部である電荷発生物質とを組み合わせて使
用すればよいことが知られている。このような感光体
は、優れた画像形成性等を有するために有用である。
【0007】電荷輸送物質は、その多くが低分子化合物
として開発されているため、通常、不活性高分子に分散
/混合して用いられる。低分子化合物は、一般に、単独
で成膜性がない/成膜性に乏しいからである。しかし、
低分子電荷輸送物質と不活性高分子とからなる電荷輸送
層は、一般に柔らかく、耐摩耗性が低い。例えば、繰り
返し使用された場合に現像システムやクリーニングシス
テムによる機械的な感光体表面への負荷により膜削れが
生じやすい。また、上記構成の電荷輸送層は、不活性高
分子の割合を高めることにより耐磨耗性が向上する傾向
が見られるが、電荷移動度が低下する不具合が生じるた
め、自ずと低分子電荷輸送物質と不活性高分子との含有
比率は限られており、飛躍的に耐磨耗性を向上させるこ
とは実現されていなかった。
【0008】一方、感光体は、電子写真装置を小型化す
るために小径化が要求されている。感光体の小径化のた
めには、感光体の高耐久化が必要となる。さらに、近年
印刷速度の高速化、フルカラー化、メンテナンスフリー
化等の傾向も強くなっており、感光体の高耐久化がより
一層重要な課題となっている。
【0009】以上のような要求に対し種々の従来技術が
提案されている。例えば、有機系感光体の耐摩耗性を改
善するために、有機系感光体のバインダー樹脂を改良し
た感光体がある(特開平5−216250公報など)。
しかし、このような感光体は、前記したような低分子電
荷輸送物質の組成分割合の問題があるため、耐摩耗性の
著しい向上は望めない。
【0010】また、高分子電荷輸送物質を用いた感光体
も知られている。このような感光体は、例えば、特開昭
51−73888号公報、特開昭54−8527号公
報、特開昭54−11737号公報、特開昭56−15
0749号公報、特開昭57−78402号公報、特開
昭63−285552号公報、特開昭64−1728号
公報、特開昭64−13061号公報、特開昭64−1
9049号公報、特開平3−50555号公報、特開平
4−175337号公報、特開平4−225014号公
報、特開平4−230767号公報、特開平5−232
727号公報、特開平5−310904号公報等に開示
されている。このように高分子電荷輸送物質を用いた感
光体は、電荷輸送層成分が高分子であるため、膜削れの
問題については、従来の低分子電荷輸送物質を用いた感
光体よりも改善されている。しかし、感光体を機械寿命
まで交換しない据え付け型部品として扱うには十分なも
のではない。つまり、メンテナンスフリーを実現するも
のではない。
【0011】また、比較的硬度が高い無機フィラーを感
光体の最表面(層)に添加する技術も開示されている
(特開平4−281461号公報など)。この技術は、
添加するフィラー種によっては残留電位上昇の影響が増
加してしまうが、耐摩耗性の高い感光体を提供できるこ
とが知られている。
【0012】また、感光体の最表面層を架橋硬化させる
技術も知られている(特開昭56−48637号公報な
ど)。この技術は、重合開始剤や未反応基が残存するこ
とによって残留電位上昇するなど副作用があるが、架橋
条件等によっては高い耐摩耗性を有する感光体が得られ
ることが知られている。以上のような技術開発により、
有機系感光体は、耐摩耗性が向上し、高耐久化が実現さ
れてきた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、感光体
の耐摩耗性を高めると画像ボケ等の異常画像の発生が顕
著になることが分かってきた。例えば、画像ボケは、感
光体の表面抵抗が低下して電荷の横移動が生じ、静電潜
像がぼやけることで発生する。感光体の表面抵抗の低下
は、感光体を帯電する際に発生するオゾンやNOxガス
及びこれらのガスと大気中の水分とによって生成される
イオン種(以降、帯電生成物と称する)が感光体上に付
着、堆積されることが主因と考えられている。
【0014】従来の感光体は、耐摩耗性が低かったた
め、帯電生成物が感光体表面に堆積しても摩耗によって
除去されていた。したがって、画像ボケは顕著に見られ
なかった。一方、耐摩耗性が高い感光体は、帯電生成物
の除去が困難なために画像ボケが顕著になったと考えら
れる。
【0015】したがって、耐摩耗性/耐久性を向上させ
るためには異常画像の発生を抑制する必要がある。耐摩
耗性が高くても、画像ボケの発生や解像度の低下等、画
質劣化が発生しやすい感光体は、事実上、使用すること
ができないため、高耐久化が実現されたとは言えないか
らである。
【0016】このように、帯電によって発生するオゾン
やNOxの影響、帯電生成物の付着、堆積によって引き
起こされる画像ボケを抑制させる方法としては、感光体
表面の表面エネルギーや摩擦係数を低減させたり、最表
面層に酸化防止剤を添加したり、あるいは感光体を加熱
する除湿装置を設ける方法が知られている。具体的には
次のような従来技術が開示されている。
【0017】・表面層にフッ素変性シリコーンオイルを
含有させる技術(特開平07−295248号公報、特
開平07−301936号公報、特開平08−0829
40号公報等) この従来技術は、感光体の表面エネルギーを低減させる
ことで、クリーニング性の向上や異物付着の防止などの
効果が得られる。しかし、上記効果は、早期に失われて
しまい、効果の持続性に大きな課題が残されていた。効
果の持続性に乏しいのは、フッ素変性シリコーンオイル
の場合、感光体の表面層形成過程で表面近傍に移行して
しまい、繰り返し使用による表面層の極微量な摩耗や帯
電の影響によって、表面層から早期に失われることがそ
の理由の一つとして考えられている。したがって、この
従来技術は、感光体の高耐久化を十分に実現していると
は言えない。
【0018】・感光体の最表面層に各種微粒子を添加す
る系に関する技術このような従来技術としては、例えば
次のようなものが開示されている。シリコーン樹脂微粒
子、フッ素含有樹脂微粒子を添加する技術(特開昭63
-65449号など) メラミン樹脂微粒子を添加する技術(特開昭60−17
7349号など) 表面層にポリエチレン粉体を含有させる技術(特開平0
2−143257号など) 表面層に含フッ素樹脂粉体を含有させる技術(特開平0
2−144550号など) 表面層にシリコーン微粒子を含有させる技術(特開平0
7−128872号公報、特開平10−254160号
など) 面層に架橋型有機微粒子を含有させる技術(特開平20
00−010322号公報、USP5,998,072 など) 表面層にメチルシロキサン樹脂微粒子を含有させる技術
(特開平08−190213号など)
【0019】これらの従来技術は、感光体表面の摩擦係
数の低減あるいは表面エネルギーの低減効果を持続させ
るのに有効であり、感光体の高耐久化に対しては効果的
な方法である。しかし、このような効果は、感光体の表
面がある程度摩耗されることによって持続されるため、
耐摩耗性が高められた感光体では効果が発揮されない。
また、上記微粒子が結着樹脂に覆われた状態であっては
効果がまったく発揮されないため、感光体表面を予め摩
耗させる必要もある。このように、上記従来技術は、耐
摩耗性が向上された感光体へ適用することは困難であ
り、適用した場合にも高耐久化と高画質化の両立は実現
できていない。
【0020】・感光体の最表面層に酸化防止剤を添加す
る技術(特開平8−292585号など) この従来技術は、オゾンやNOxガスの曝露による感光
体の静電特性の劣化を抑制する上で効果的な方法であ
る。しかし、残留電位の上昇傾向が強い感光体になって
しまうという欠点がある。また、画像ボケを抑制するた
めには酸化防止剤を比較的多量添加する必要があるた
め、感光体は、繰り返し使用による残留電位が極めて高
くなる。さらに、感光体表面に付着した帯電生成物によ
る画像ボケに対しては効果が得られず、画像ボケの抑制
に対してこの方法だけでは満足されるものではなかっ
た。したがって、この従来技術のみでは感光体の高耐久
化を図ることは困難である。
【0021】また、感光体表面に付着した帯電生成物に
よる画像ボケを抑制する技術として、感光体を加熱し除
湿する方法が開示されている。この方法は、感光体を除
湿することによって感光体表面の抵抗低下が抑制される
ため、画像ボケの抑制には有効な方法である。しかし、
この技術は、感光体を絶えず加熱する必要があるため消
費電力が極めて高く、また、装置の立ち上げに多くの時
間を要するなどの多くの不具合を有していた。また、電
子写真装置内に感光体を加熱するための除湿装置を内包
させる必要があるため、装置の小型化も困難である。
【0022】採用する帯電手段の種類により上記課題を
解決する試みもある。この試みについて以下に詳述す
る。電子写真装置において、帯電手段は、感光体に非接
触の状態で帯電を付与するコロトロンやスコロトロン等
のコロナ帯電手段と、感光体に接触して帯電を付与する
帯電ローラーや帯電ブラシ等の接触帯電手段とに大きく
分類される。
【0023】コロナ帯電手段は、簡易な装置により構成
できるが、オゾンやNOxの発生量が非常に多いため、
環境、感光体の静電特性及び画像特性に対して大きな影
響(悪影響)を与える。特に、タンデム方式に採用する
と、複数必要となってしまい、オゾンやNOxの発生量
が極めて多くなる。したがって、コロナ帯電手段は、電
子写真システムにおける適用範囲が非常に狭かった。
【0024】帯電手段に起因する異常画像の発生を抑制
するには、第一にオゾンやNOxガスの発生量を少なく
する必要がある。オゾンやNOxガスは、感光体表面の
構成材料を変質したり、分解する場合があり、それが感
光体の帯電性の低下や耐摩耗性の低下、画像ボケ等の異
常画像の発生を促進する原因となっていた。また、耐摩
耗性の向上のために感光体にフィラー等を添加した場合
には、オゾンやNOxガスがフィラーに吸着されること
により、画像ボケの影響がさらに増加することも考えら
れる。したがって、帯電によるオゾンやNOxガスの発
生量を可能な限り少なくすることが必要である。
【0025】一方、接触帯電手段は、帯電ローラや帯電
ブラシ等の帯電部材が感光体に接触しているため、コロ
ナ帯電手段よりも低い印加電圧で感光体を帯電できる。
したがって、オゾンやNOxの発生量を大幅に軽減でき
る。さらに、コロナ帯電手段に比べて帯電の均一性に優
れていることもあり、感光体の高耐久化及び高画質化に
対しては有利な帯電手段と言える。
【0026】しかし、接触帯電手段は、帯電部材が感光
体に接触しているため、トナーや異物の付着により帯電
部材が汚染される。これにより、例えば次のような問題
が生じる場合があった。 ・帯電部材の汚染による感光体の帯電性の低下。 ・帯電部材に付着された汚染物質が感光体に再付着する
ことによる感光体表面の汚染の促進。 ・帯電部材の汚染による感光体の摩耗や偏摩耗の促進。 ・帯電部材によって感光体表面が押さえつけられている
ことによる感光体表面の異物の除去効率の低下。 接触帯電方式は、感光体表面に、付着した帯電生成物や
異物等を帯電部材によって押しつけてしまう。そのた
め、感光体表面における異物の堆積量がコロナ帯電方式
に比べて多くなり、画像ボケや異常画像の発生確率が高
くなる。 ・感光体への帯電ローラー跡の残存。 ・帯電ローラーの変形による異常画像の発生。
【0027】つまり、接触帯電方式は、コロナ帯電方式
よりもオゾンやNOxガスの発生量を低くできるが、帯
電生成物の堆積量は低減されないため、異常画像の発生
確率を十分に低くできない。言い換えると、帯電生成物
の感光体への堆積速度よりも感光体表面の摩耗速度が上
回らなければ異常画像の発生を抑制できない。つまり、
耐摩耗性が高い感光体を採用する電子写真装置では異常
画像の発生確率が高くなってしまう。
【0028】また、このような問題に鑑み、帯電部材を
感光体に近接配置する技術がある。この従来技術は、帯
電部材と感光体とが画像形成領域において直接接触しな
いため、オゾンやNOxガスの発生量を削減すると同時
に、上記問題を軽減し、感光体の高耐久化及び高画質化
に対して有効な方法である。さらに、上記従来技術によ
る帯電部材は、汚染されにくいだけでなく、汚染物質が
付着しても除去しやすい。したがって、簡単にクリーニ
ングでき、感光体の高耐久化も可能となる。
【0029】しかし、上記従来技術を採用した帯電手段
は、帯電部材と感光体とのギャップを極めて高精度に保
つ必要があり、両者のギャップを保つことができないと
帯電安定性が低下してしまう。帯電安定性を向上させる
には直流成分に交流成分を重畳させればよいが、これに
より帯電生成物の発生量が増加してしまうため、画像ボ
ケが発生しやすくなる。また、帯電部材が感光体に近接
配置されるため、感光体表面の放電破壊が他の帯電手段
に比べて発生しやすくなる。その結果、異常画像が発生
しやすくなる。このように、帯電部材を近接配置させる
だけでは、異常画像の発生を抑制し感光体の高耐久化を
実現する上で十分ではなかった。
【0030】つまり、帯電部材が、画像領域(画像形成
領域)において感光体に近接配置された帯電手段は、帯
電部材の汚染量が少なく、また、付着した汚染物質や帯
電生成物を除去しやすいため、前記したような帯電手段
と比べて異常画像の発生確率が低くなる。しかし、感光
体と帯電部材とが非接触であるため、帯電安定性が低
い。帯電安定性を高くするためには交流成分を重畳しな
ければならないため、帯電生成物の発生量が増加してし
まい、結果的に、異常画像の発生確率が高くなる。ま
た、感光体が放電破壊されやすいため、高画質な画像が
得られにくいという問題もある。
【0031】したがって、電子写真装置を、(1)感光
体の交換回数を少なくしてメンテナンスフリー化し、
(2)除湿装置を必要とせずに装置を小型化し、(3)
高画質化し、(4)省エネルギー化するためには、感光
体の耐摩耗性を高くするとともに異常画像の発生確率を
低くする必要がある。そのためには、オゾンやNOxの
発生量を抑制するとともに、帯電部材や感光体の汚染を
防止することが重要である。一方、帯電部材が感光体に
対し近接配置された帯電手段は、前記したように異常画
像の発生確率が高くなる可能性があるばかりでなく、感
光体表面の放電破壊により画質が低下する可能性もあ
る。そのため、高耐久な感光体を用いても長期に渡り高
画質な画像を安定して提供できる電子写真装置の開発が
求められている。また、このような電子写真装置は、さ
らに、消費電力を低くすることや装置の小型化なども望
まれている。
【0032】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
であり、感光体の最表面層にポリオルガノシロキサン成
分を含むコア/シェル構造を有するグラフト共重合体が
含有され、帯電部材が感光体に近接配置された帯電手段
を採用することで、繰り返し使用後においても表面エネ
ルギーの低く保つことができ、高耐久性を有する感光体
を採用しても異常画像の発生確率を極めて低くできる電
子写真装置を提供することを目的とする。この電子写真
装置は、帯電生成物の堆積量を低減でき、帯電部材の汚
染を防止しでき、感光体や帯電部材の汚染の大幅に抑制
することが可能となる。その結果、異常画像の発生確率
を低くできる。
【0033】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、請求項1記載の電子写真装置の発明は、電子写真
感光体の周囲に少なくとも帯電手段、露光手段、現像手
段及び転写手段が具備された電子写真装置において、電
子写真感光体は、最表面層にポリオルガノシロキサン成
分を含むコア/シェル構造を有するグラフト共重合体が
含有され、帯電手段は、電子写真感光体に対し近接配置
されたことを特徴とする。
【0034】請求項2記載の発明は、請求項1の電子写
真装置において、グラフト共重合体は、ポリオルガノシ
ロキサンとポリアルキルアクリレートゴム及び/又はポ
リアルキルメタアクリレートゴムを有する複合ゴムにビ
ニル系単量体がグラフト重合されたグラフト複合ゴム系
共重合体であることを特徴とする。
【0035】請求項3記載の発明は、請求項1又は2の
電子写真装置において、グラフト共重合体は、ポリオル
ガノシロキサン成分が他の成分より多く含有されたもの
であることを特徴とする。
【0036】請求項4記載の発明は、請求項1から3の
いずれか1の電子写真装置において、グラフト共重合体
は、平均粒径が0.05μm〜5.0μmの範囲内にあ
ることを特徴とする。
【0037】請求項5記載の発明は、請求項1から4の
いずれか1の電子写真装置において、グラフト共重合体
は、最表面層に含有される全固形分の1〜40重量%含
有されたことを特徴とする。
【0038】請求項6記載の発明は、請求項1から5の
いずれか1の電子写真装置において、最表面層には、グ
ラフト共重合体とバインダー樹脂とが溶融混練された混
練物が含有されたことを特徴とする。
【0039】請求項7記載の発明は、請求項1から6の
いずれか1の電子写真装置において、帯電手段が帯電ロ
ーラーであることを特徴とする。
【0040】請求項8記載の発明は、請求項7の電子写
真装置において、帯電ローラーは、直流成分に交流成分
を重畳した電圧により電子写真感光体を帯電することを
特徴とする。
【0041】請求項9記載の発明は、請求項7又は8の
電子写真装置において、帯電ローラーと電子写真感光体
の画像形成領域におけるギャップは0μmを超えて20
0μm以下であることを特徴とする。
【0042】請求項10記載の発明は、請求項1から9
のいずれか1の電子写真装置において、最表面層はフィ
ラーが含有されたことを特徴とする。
【0043】請求項11記載の発明は、請求項10の電
子写真装置において、フィラーは金属酸化物であること
を特徴とする。
【0044】請求項12記載の発明は、請求項11の電
子写真装置において、金属酸化物は、等電点におけるp
Hが5以上であることを特徴とする。
【0045】請求項13記載の発明は、請求項11又は
12の電子写真装置において、金属酸化物は表面処理さ
れていることを特徴とする。
【0046】請求項14記載の発明は、請求項10から
13のいずれか1の電子写真装置において、フィラー
は、平均一次粒径が0.01μm〜0.9μmの範囲内
にあることを特徴とする。
【0047】請求項15記載の発明は、請求項1から1
4のいずれか1の電子写真装置において、最表面層は、
カルボン酸化合物が含有されたことを特徴とする。
【0048】請求項16記載の発明は、請求項15の電
子写真装置において、カルボン酸化合物はポリカルボン
酸化合物であることを特徴とする。
【0049】請求項17記載の発明は、請求項1から1
6のいずれか1の電子写真装置において、最表面層は、
高分子電荷輸送物質が含有されたことを特徴とする。
【0050】請求項18記載の発明は、請求項1から1
7のいずれか1の電子写真装置において、最表面層は、
酸化防止剤が含有されたことを特徴とする。
【0051】請求項19記載の発明は、請求項18の電
子写真装置において、酸化防止剤は、ヒンダードアミン
構造及びヒンダードフェノール構造を有することを特徴
とする。
【0052】請求項20記載の発明は、請求項1から1
9のいずれか1の電子写真装置において、少なくとも帯
電手段及び電子写真感光体が、電子写真装置本体に対し
着脱可能なプロセスカートリッジに設けられたことを特
徴とする。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電子写真装置
を、実施の形態によって詳細に説明する。
【0054】上記電子写真装置は、感光体(電子写真感
光体)の最表面層に、ポリオルガノシロキサン成分を含
むコア/シェル構造を有するグラフト共重合体が含有さ
れ、帯電手段が電子写真感光体に対し近接配置されてい
る。この感光体は、上記グラフト共重合体が最表面層に
含有されたことで、表面エネルギーが低いため、帯電生
成物が付着しにくく、また、付着した帯電生成物を除去
しやすい。また、この効果が長期に渡って安定して維持
される。また、転写効率を極めて高くでき、クリーニン
グ性を極めて高くでき、フィルミングや異物付着による
異常画像の発生確率を極めて低くでき、耐摩耗性を極め
て高くできるなどの効果も得られた。その結果、高耐久
性及び高画質性を兼ね備えた電子写真装置(感光体)を
提供できた。
【0055】このように持続性のある効果が得られた理
由は次のことが考えられる。 (1)上記グラフト共重合体は、シェル構造を有するた
め、感光体の最表面層を形成する結着樹脂との相溶性が
高い。したがって、最表面層内における分散性及び配向
性が高いと考えられる。つまり、上記グラフト共重合体
が最表面層全域に分散されたため、繰り返し使用後にも
上記効果が得られたと考えられる。 (2)上記グラフト共重合体は、例えば、ポリオルガノ
シロキサン樹脂部とアクリル重合樹脂部が絡み合った内
部構造をとるため、ポリオルガノシロキサン樹脂部は単
独では結着樹脂との相溶性が悪いが、アクリル樹脂構造
部により相溶性がよくなったと考えられる。したがっ
て、最表面層内における分散性及び配向性を高くでき、
層内のポリオルガノシロキサン樹脂部の組成比率を極め
てできたために、上記効果が得られたと考えられる。
【0056】また、感光体は、上記グラフト共重合体が
添加されたことで、放電破壊が起こりにくくなった。感
光体中の有機基は、帯電によって発生するオゾンやNO
xによって分解されると炭素系残査を生成する。炭素系
残査は、導電性なため放電破壊が起こりやすくなる。こ
れに対し、上記グラフト共重合体は、結合エネルギーが
高く、絶縁性であるSi−O結合を有する。したがっ
て、上記炭素系残査も、Si−O結合が含まれるため、
放電破壊の発生確率を極めて低くできる。これにより、
異常画像の発生確率を低いものにできる。
【0057】また、上記帯電手段は、前記したような種
々の問題があったが、上記感光体と組み合わせて用いる
ことで、これらの問題を解消でき、電子写真装置の高耐
久化及び高画質化を実現できた。つまり、画像形成領域
において帯電部材を感光体に直接接触させない(近接配
置する)構成の帯電手段を採用したことで、帯電部材の
汚染を抑制できるようになった。また、感光体の表面を
摩耗せず、感光体表面の帯電生成物や異物を除去しやす
くなったため、帯電部材及び感光体の汚染量を極めて低
くできるようになった。したがって、転写効率やクリー
ニング性を極めて高くでき、フィルミングや異物付着を
抑制でき、耐摩耗性を向上でき、偏摩耗を抑制でき、帯
電部材の汚染等を防止し、感光体の放電破壊を防止でき
るなど種々の効果が得られ、その結果、異常画像の発生
確率を低くし、装置(感光体)の高耐久化及び高画質化
を両立できるようになった。以下に詳細に説明する。
【0058】〈グラフト共重合体〉コア/シェル構造を
有するグラフト共重合体は、コアの部分はポリオルガノ
シロキサン成分を含む、好ましくは弾力性のある材料で
形成され、シェル部はコアに化学的に結合している。コ
ア部は、好ましくは下記に示すゴム状重合体が採用され
る。シェルは、ビニル系重合体が好ましく採用される。
【0059】ゴム状重合体 例えば、ポリブタジエン、スチレンーブタジエンブロッ
ク共重合ゴム、スチレンーブタジエンランダム共重合ゴ
ム、アクリロニトリルーブタジエンブロック共重合ゴ
ム、これらのジエンゴムを水素添加若しくは部分水素添
加した飽和ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、
天然ゴム、シリコンゴム、エチレンープロピレンージエ
ンモノマー三元共重合体、アクリルゴム、アクリル−シ
リコン複合ゴム等。
【0060】これらの各種ゴム成分は混合して用いても
良い。また、シリコンゴム、特にアクリル−シリコン複
合ゴムは、得られた感光体(電子写真装置)が極めて優
れた耐久性及び画質性が得られるために好ましく用いら
れる。
【0061】ゴム状重合体は、好ましくは乳化重合によ
り形成する。また、ゴム状重合体は架橋性単量体を用い
ることもできる。架橋性単量体は、例えば、ジビニルベ
ンゼン等の芳香族ジビニル化合物、エチレングリコール
ジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート
等のアルカンポリオールポリアクリレートまたはアルカ
ンポリオールポリメタクリレート、アリルメタクリレー
ト等のアクリル化合物を挙げることができる。
【0062】アクリル−シリコン複合ゴムは、ポリオル
ガノシロキサンゴム成分とポリアルキルアクリレートゴ
ム成分及び/又はポリアルキルメタアクリレートゴム成
分とが分離できないように相互に絡み合った構造を有す
る複合ゴムのことである。より詳しくは、次の(1)〜
(2)の工程でも製造できるゴムのことである。(1)
ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシク
ロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサ
ン等の3員環以上の各種の環状オルガノシロキサンを、
架橋剤及び/又はグラフト交叉剤を用い、乳化重合によ
りポリオルガノシロキサンゴムのラテックスを調整す
る。(2)アルキルアクリレート単量体並びに/若しく
はアルキルメタアクリレート単量体、架橋剤及びグラフ
ト交叉剤を、上記ポリオルガノシロキサンゴムのラテッ
クスに含浸させてから重合させる。
【0063】アルキルアクリレート単量体/アルキルメ
タアクリレート単量体は、例えば、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、
n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート等のアルキルアクリレート及びヘキシルメタクリレ
ート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のアルキル
メタクリレートが挙げられるが、n−ブチルアクリレー
トを好ましく用いられる。
【0064】複合ゴムは、構成される2種のゴムが、そ
れぞれ、両ゴム成分の合計量に対して10〜90重量
%、好ましくは20〜80重量%の範囲で用いられる。
ポリオルガノシロキサンゴム成分は、両ゴム成分の合計
量に対して90重量%を超えて含有されると、最表面層
の表面外観が悪化してしまう。また、ポリアルキルアク
リレートゴム成分及びポリアルキルメタアクリレートゴ
ム成分が90重量%を超えて含有されると、感光体の耐
摩耗性や耐衝撃性が低くなってしまう。
【0065】複合ゴムの平均粒子径は、0.01〜1.
0μm、好ましくは0.08〜0.6μmである。平均
粒子径が0.01μm未満の場合、クリーニング性に劣
った感光体になる。1.0μmより大きい場合、クリー
ニング性に劣り、表面外観が悪い感光体になる。
【0066】なお、アクリル−シリコン複合ゴムの製造
方法は、公知の方法を採用できるが、例えば、特公平8
−30102号公報記載の方法も好適に用いることがで
きる。
【0067】グラフト共重合体は、前記したようにして
得られた各種ゴム状重合体に、1種または2種以上のビ
ニル系単量体を一段又は多段のラジカル重合することで
得られる。なお、製造の際に副生するグラフト成分のみ
のコポリマーとの混合物を用いてもよい。
【0068】ビニル系単量体は、例えば、スチレン、α
−メチルスチレン、メチル(o-,m-,p-)スチレン、エチ
ルスチレン、イソブチルスチレン、tert- ブチルスチレ
ン、ブロムスチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニ
ル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の
シアン化ビニル化合物、メチルメタクリレート、2−エ
チルヘキシルメタクリレート、エチルメタクリレート、
プロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、シクロヘキシルメタクリレート、ブチルメタクリ
レート等のアルキルメタクリル酸エステル、メチルアク
リレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等
のアクリル酸エステル等が挙げられる。これらの化合物
は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いても
よい。
【0069】前記したように、アクリル−シリコン複合
ゴムに、1種又は2種以上のビニル系単量体を一段又は
多段でラジカル重合させて得られたグラフト共重合体
は、最表面層内における相溶性、分散性が極めて良好で
あり、得られた感光体の表面エネルギーを低く保つこと
ができるため好ましく用いられる。このような複合ゴム
系コア/ シェル共重合体は、前記したような方法で製造
でき、例えば、特公平8−30102号公報に記載され
た方法で製造されたものも好ましく用いることができ
る。
【0070】コア部(ゴム状重合体)は、グラフト共重
合体全量を100重量部として30〜95重量部、好ま
しくはコア層が40〜90重量部とするとよい。シェル
部(ビニル系単量体)は、グラフト共重合体全量を10
0重量部として5〜70重量部、好ましくは10〜60
重量部とするとよい。シェル部が5重量部未満の場合、
グラフト共重合体の樹脂(結着樹脂)中での分散が十分
でなく、70重量部を越え場合、十分に低い表面エネル
ギーを有する感光体が得られないため好ましくない。
【0071】グラフト共重合体は、平均粒子径が0.0
5〜5μmの範囲内であることが好ましい。0.05μ
m未満では、十分なクリーニング性が得られず、5μm
を越えると、最表面層の外観が悪くなり、画像欠陥を引
き起こすことがある(異常画像が発生しやすい)。
【0072】なお、重合時に用いた乳化剤、凝集剤等の
不純物は、像形成部材、特に感光体の電気特性を損なう
恐れがあるため、必要に応じて精製して除去することが
好ましい。精製法は、酸、アルカリ水溶液、水、アルコ
ールなどで攪拌洗浄処理する方法や、ソックスレー抽出
等による固液抽出法を採用できる。
【0073】上記グラフト共重合体は、繰り返し使用後
にも良好な耐久性と画質性が損なわれない感光体(電子
写真装置)が得られる三菱レイヨン(株)製、商品名メ
タブレンSグレードが好適に用いられる。中でも、商品
名SX−005は、極めて優れた耐久性、画質性及びこ
れらの性質の持続性を有する感光体(電子写真装置)が
得られるため、特に好ましく用いられる。
【0074】〈層構成例〉前記したグラフト共重合体
は、感光体の最表面層に含有されればよい。感光体の表
面とは、潜像が形成される側の面、すなわち帯電手段と
対向する側の面をいう。つまり、グラフト共重合体は、
感光体の表面から一定の距離範囲内に含有される。な
お、最表面層は、グラフト共重合体以外の物質を含有
し、任意の機能が付加されてもよい。例えば、フィラー
や酸化防止剤等が添加されてもよい。また、感光体にお
ける機能により分類される層(保護層、電荷輸送層、電
荷発生層等)の内で最表面に位置する層の深さ(層の厚
さ)と最表面層の厚さは、同一であってもよく、異なっ
ていてもよい。以下、感光体の層構成例と、グラフト共
重合体が含有される範囲(最表面層)の関係を、図1〜
図5に示す。
【0075】図1に示す感光体は、導電性支持体31上
に感光層33が形成されている。感光層33は、電荷発
生物質と結着樹脂とを主成分とする。図1において、表
面は、感光層33の、導電性支持体31と接していない
面である。グラフト共重合体は、表面(感光層33側)
から任意の位置までの範囲に含まれる。例えば、図1
(b)に示すように、感光層33の表面側の一部に含有
してもよく、図1(a)に示すように、感光層33の全
部(全範囲)に含有されてもよい。また、導電性支持体
31の感光層33側の一部又は全部にも含有されてもよ
い。
【0076】図2に示す感光体は、導電性支持体31上
に電荷発生層35、電荷輸送層37が順次積層された構
成をとる。電荷発生層35は、電荷発生物質を主成分と
する。電荷輸送層37は、電荷輸送物質を主成分とす
る。図2において、表面は、電荷輸送層37の、電荷発
生層35と接していない面である。グラフト共重合体
は、表面から任意に位置までの範囲に含まれる。例え
ば、図2(b)に示すように、電荷輸送層37の一部に
含有されてもよい。また、図2(a)に示すように、電
荷輸送層37の全部(全範囲)に含有されてもよい。こ
の場合、電荷発生層35においても、電荷輸送層37か
らの一部の範囲又は全部(全範囲)に含有されてもよ
い。また、導電性支持体31の一部又は全範囲にも含有
されてもよい。
【0077】図3に示す感光体は、図1に示す感光体に
おいて、感光層33の表面側に、さらに保護層39が積
層された構成をとる。図3において、表面は、保護層3
9の、感光層33と接していない面である。グラフト共
重合体は、表面から任意の位置までの範囲に含まれる。
例えば、図3に示すように、保護層39の全域に含有さ
れるようにしてもよい。
【0078】図4に示す感光体は、図2に示す感光体に
おいて、電荷輸送層37の表面側に、さらに保護層39
が積層された構成をとる。図4において、表面は、保護
層39の、電荷輸送層37と接していない面である。グ
ラフト共重合体は、表面から任意の位置までの範囲に含
まれる。例えば、図4に示すように、保護層39の全域
に含有されてもよい。
【0079】図5に示す感光体は、導電性支持体31上
に、電荷輸送層37、電荷発生層35及び保護層39が
順次積層された構成をとる。図5において、表面は、保
護層39の、電荷発生層35と接していない面である。
グラフト共重合体は、表面から任意の位置までの範囲に
含まれる。例えば、図5に示すように、保護層39の全
域に含有されてもよい。次に、最表面層について説明す
る。
【0080】〈最表面層〉最表面層は、図1〜図5に示
すようにグラフト共重合体が含有された領域である。最
表面層は、グラフト共重合体を、必要に応じて最表面層
形成用結着樹脂とともに溶媒又は分散媒に溶解又は分散
し、得られた塗工液を被塗工層上に塗工することで得ら
れる。また、最表面層に感光層33や保護層39などの
役割を持たせる場合には、この役割に応じた材料も上記
溶媒又は分散媒に溶解又は分散して塗工液を得る。例え
ば、図1(a)に示すように感光層33の全域が最表面
層である場合には、後述する感光層33形成用の材料も
上記溶媒又は分散媒に溶解又は分散して塗工液を得る。
換言すれば、最表面層とされる層形成用の塗工液にグラ
フト共重合体を溶解又は分散した塗工液を塗布すればよ
い。
【0081】最表面層形成用の溶媒又は分散媒は、グラ
フト共重合体を良好に溶解又は分散するものであればよ
い。例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキ
ソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼ
ン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタ
ノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、ア
セトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。溶解
法/分散法は、ボ−ルミルを用いた方法、アトライタ−
を用いた方法、サンドミルを用いた方法、ビーズミルを
用いた方法、超音波を用いた方法などを採用できる。ま
た、上記塗工液は、少なくとも結着樹脂を含む溶液又は
分散液にて適度に希釈してもよい。
【0082】また、前記した材料を、バンバリーミキサ
ー、ロールミル、2軸押出し機などの公知の装置を用い
て機械的に混合しペレット状に賦形して最表面層を形成
する方法も採用できる。押し出し賦形されたペレット
は、幅広い温度範囲で成型可能であり、成型には通常の
射出成型機が用いられる。なお、ペレット状に賦形され
たグラフト共重合体を有するグラフト共重合体と樹脂
を、前記したように溶媒又は分散媒に溶解又は分散さ
せ、被塗工層上に塗布してもよい。
【0083】特に、グラフト共重合体は、結着樹脂とを
溶融混練すると、結着樹脂における分散性が極めて高く
なり、また、脱凝集化が大幅に促進される。これによ
り、表面平滑性が極めて高く、塗膜欠陥が生じにくく、
摩擦係数及び表面エネルギーを極めて低い状態で安定し
て保つ感光体を提供できる。
【0084】最表面層におけるグラフト共重合体は、最
表面層全固形分に対して1重量%〜40重量%の範囲で
含有され、好ましくは5重量%〜20重量%の範囲で含
有される。含有量がこの範囲内に含まれれば、含有量が
上記範囲よりも少ない感光体と比べ、感光体表面の表面
エネルギーが低い状態を長期に渡って安定して保てる。
また、異常画像の発生確率が極めて低い状態を長期に渡
って安定して保てる。さらに、含有量が上記範囲よりも
多い感光体と比べ、塗膜欠陥の発生確率が極めて低く、
良好な表面平滑性が得られることが分かった。
【0085】また、図1(b)や図2(b)に示すよう
に、感光層33や電荷輸送層37の一部(表面側)を最
表面層とするには、公知の方法により、これらの層中に
おいて、グラフト共重合体の表面側の濃度が高くなるよ
うに濃度傾斜を付与すればよい。このような構成とする
と、良好な解像度が得られ、膜間の接着性能に優れる場
合がある。
【0086】最表面層は、耐摩耗性を向上させるために
フィラー(材料)が含有されてもよい。フィラー材料
は、有機性フィラーと無機性フィラーとがある。
【0087】有機性フィラー材料は、例えば、ポリテト
ラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコー
ン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられる。無機性
フィラー材料は、例えば、銅、スズ、アルミニウム、イ
ンジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、
酸化チタン、アルミナ、ジルコニア、酸化インジウム、
酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アン
チモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジ
ウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フ
ッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウ
ム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。これらの材
料の中でも、比較的フィラーの硬度が高い無機材料が耐
摩耗性の面から好ましく用いられ、さらに光透過性、塗
膜品質の面から特に金属酸化物が好ましく用いられる。
光透過性や塗膜品質の低下は画質に大きく影響するた
め、高画質化を実現するためには光透過性や塗膜品質へ
の悪影響が少ない材料を選択することが重要である。
【0088】また、電気絶縁性が高い金属酸化物のフィ
ラーは、異常画像の発生確率を極めて低くできるために
好ましく用いられる。最表面層に導電性フィラーが含有
されると、表面の抵抗が低下するために電荷の横移動が
起こり、画像ボケなどの異常画像が発生しやすくなるか
らである。したがって、比抵抗が1010Ω・ cm以上の
フィラー材料を好ましく用いる。このようなフィラー材
料は、例えば、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、シ
リカ等が挙げられる。一方、比抵抗が1010Ω・ cm以
下の導電性フィラーや比抵抗が比較的低いフィラーは、
酸化錫、酸化亜鉛、酸価インジウム、酸価アンチモン、
アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化イ
ンジウム等が挙げられるが、異常画像の発生確率が高く
なるため好ましくない。ただし、フィラーは、同じ材質
であっても比抵抗が異なる場合がある。したがって、比
抵抗によって採用するフィラー材料を選択する。
【0089】なお、以上のようなフィラー材料は、2種
以上混合して用いてもよい。この場合、採用するフィラ
ー材料の混合物が前記した比抵抗を有していればよい。
すなわち、前記した比抵抗を有しないフィラー材料も使
用できる。
【0090】フィラー材料は、異常画像の発生確率を低
くするために、等電点におけるpHが少なくとも5以上
であることが好ましい。また、より塩基性を示すものほ
ど異常画像の発生確率が低くなる。液中に分散している
フィラーは帯電しているため、フィラー粒子の安定性や
感光体の解像度に影響を及ぼすことがある。これに対
し、前記したようなフィラー材料は、このような問題が
極めて少ないために好ましく用いられる。このようなフ
ィラー材料としては、例えば、酸化チタン、ジルコニ
ア、アルミナ等が挙げられる。また、酸化チタン<ジル
コニア<アルミナの順に塩基性が高くなることから、ア
ルミナが特に好ましく用いられる。さらに、光透過性が
高く、熱安定性が高く、耐摩耗性に優れた感光体を提供
できる、六方細密構造であるα型アルミナは、異常画像
の発生確率が低く、耐摩耗性が高く、良好な塗膜品質や
光透過性を有する感光体を提供できるため、極めて好ま
しく用いられる。
【0091】フィラー材料は、少なくとも一種の表面処
理剤で表面処理を施されていてもよい。異常画像は、感
光体表面のフィラー材料にオゾンやNOxガスが曝露す
ることで発生する場合が考えられる。そこで、表面処理
剤によってフィラーの比抵抗や等電点におけるpHを変
化させ、異常画像の発生確率を、表面処理が施されてい
ないフィラー材料を採用した場合と比べて極めて小さく
できる。また、採用する表面処理方法(表面処理剤)に
よっては、最表面層中におけるフィラー材料の分散性を
向上させたり、塗膜(最表面層)の透明性を向上させた
り、塗膜欠陥の発生を抑制したり、感光体の耐摩耗性を
向上させたり、偏摩耗を抑制することができるなど、種
々の効果が得られる。
【0092】表面処理剤は、従来用いられている表面処
理剤すべてを使用できるが、フィラーの比抵抗や等電点
におけるpHを前記したようなものにできる表面処理剤
が好ましく用いられる。フィラーの等電点におけるpH
は、表面処理によって調整できる。酸性処理剤で処理す
ると酸性側に等電点が移動し、塩基性処理剤で処理する
と塩基性側に等電点が移動するため、塩基性処理剤が好
ましく用いられる。塩基性処理剤は、例えば、チタネー
ト系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、
ジルコアルミネート系カップリング剤等が好ましく用い
られる。また、Al2 3 、TiO2 、ZrO2 、シリ
コーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれら
の混合物も、フィラーの最表面層における分散性を高く
し、得られた感光体の異常画像の発生確率を低くできる
ため好ましく用いられる。シランカップリング剤による
処理は異常画像の発生確率を高くするが、前記したよう
な表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施
すことによりその影響を軽減できる場合がある。また、
塩基性処理剤を用いれば、フィラーの等電点におけるp
Hが5以下のフィラーを採用することも可能になる場合
がある。
【0093】フィラーの平均一次粒径は、0.01〜
0.9μmが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5
μmである。フィラーの平均一次粒径が上記範囲内であ
る場合には、光透過性が良好に保たれ、耐摩耗性や塗膜
品質に対して悪影響が少ない。フィラーの平均一次粒径
が上記範囲よりも小さい場合には、フィラーが凝集しや
すくなり、耐摩耗性が低下し、フィラーの比表面積が増
加するために異常画像の発生確率が高くなる。フィラー
の平均一次粒径が上記範囲を超える場合、フィラーの沈
降性が促進されたり、画質劣化や異常画像が発生する確
率が高くなってしまう。
【0094】フィラー材料が含有されることによって引
き起こされる残留電位上昇を抑制するために、カルボン
酸化合物の一種を添加させることが好ましい。なお、カ
ルボン酸化合物は、不揮発分100%のものであって
も、予め有機溶剤等に溶解されたものであってもよい。
【0095】カルボン酸化合物は、例えば、公知の有機
脂肪酸、高酸価樹脂、共重合体等、分子構造中にカルボ
キシル基を含む化合物であればすべて使用することがで
きる。例えば、ラウリン酸、ステアリン酸、アラキジン
酸、ベヘン酸、アジピン酸、オレイン酸、マレイン酸、
無水マレイン酸、サリチル酸、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等の飽和脂肪酸、不
飽和脂肪酸、芳香族カルボン酸等が挙げられる。また、
飽和ポリエステル、不飽和ポリエステル、末端カルボン
酸不飽和ポリエステル、アクリル酸、メタクリル酸、ア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン−
アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル
酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合
体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重
合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水
マレイン酸等も好適に使用できる。つまり、飽和又は不
飽和の炭化水素を基本骨格とし、この基本骨格に少なく
とも一つ以上のカルボキシル基が結合されたポリマー、
オリゴマー又はコポリマーは、残留電位上昇を抑制する
効果があり、フィラーの分散性を向上させるために好ま
しく用いられる。
【0096】中でも、複数のカルボン酸残基を有するポ
リカルボン酸化合物は、酸価が高く、フィラーへの吸着
性が高いため、残留電位を低くでき、フィラーの最表面
層中における分散性を高くできるため、特に好ましく用
いられる。このようなポリカルボン酸化合物の中でも、
ポリカルボン酸タイプの湿潤分散剤が極めて好ましく、
例えば、BYKケミー社製の商品名「BYK−P10
4」が特に有効に用いられる。
【0097】以上のようにカルボン酸化合物を含有させ
ることで最表面層の残留電位を低くできる(低く保てる
/低減できる)理由は、カルボン酸化合物が酸価を有
し、また、フィラーへの吸着性を有するためと考えられ
る。最表面層にフィラーを添加することで、フィラー表
面の極性基が電荷トラップサイトになるために残留電位
が高くなってしまうと考えられる。これに対し、カルボ
ン酸化合物は、カルボキシル基が上記極性基に吸着しや
すいため、最表面層の残留電位を低減すると考えられ
る。また、カルボン酸化合物は、フィラーと結着樹脂と
の双方に親和性を持たせて濡れ性を高め、また、立体障
害や電気的反発を与えるためフィラー間の相互作用を減
少させて安定性を高めるため、フィラーの最表面層中に
おける分散性を高めると考えられる。また、カルボン酸
化合物は、グラフト共重合体の最表面層における分散性
を向上させる効果も有する。グラフト共重合体は、分子
構造中にアクリル構造を含有しているため、カルボン酸
化合物と親和性が高く、最表面層中における分散性が高
くなったと考えられる。それによって、塗膜品質を向上
させることが可能となり、画質の安定性化が実現され
た。
【0098】感光体の最表面層には、さらに酸化防止剤
を添加することが好ましい。酸化防止剤は、例えば、フ
ェノール系化合物類、ヒンダードフェノール系化合物
類、ヒンダードアミン系化合物類、パラフェニレンジア
ミン類、ハイドロキノン類、有機硫黄化合物類、有機リ
ン化合物類、ベンゾフェノン類、サルシレート類、ベン
ゾトリアゾール類、クエンチャー(金属錯塩系)等、公
知の酸化防止剤をすべて使用できる。また、紫外線吸収
剤、光安定剤等も使用できる。
【0099】酸化防止剤の中でも、オゾンやNOx等の
活性ガスから感光体の劣化を防止/抑制し、画質安定性
を高める効果が高いものは、ヒンダードフェノール構造
とヒンダードアミン構造とを有する化合物である。
【0100】ヒンダードフェノール構造は、フェノール
性水酸基の両オルト位に嵩高い原子団が存在する構造で
ある。ヒンダードアミン構造は、アミノ窒素原子近傍に
嵩高い原子団が存在する構造である。このような構造を
有する化合物は、芳香族アミンや脂肪族アミン系物質も
該当するが、より好ましくは2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン構造を含んでいる化合物が用いられる。
これらの両構造を有する化合物の作用機構の詳細は明ら
かではないが、嵩高い原子団が存在することにより立体
障害が高められ、アミノ窒素原子やフェノール性水酸基
の熱振動を抑制し、ラジカル状態の安定性が高められる
と考えられる。これにより、外部からの活性ガスの影響
を食い止めることができたものと推定される。
【0101】ヒンダードフェノール構造とヒンダードア
ミン構造の両構造を有する化合物は、種々のものが挙げ
られるが、中でも下記構造式(3)で表される1−[2
−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチル
ピリジンが、オゾンやNOxガスを起因とする感光体の
解像度低下の防止に有効である。
【0102】
【化1】
【0103】感光体は、オゾンやNOxガスの曝露によ
って、帯電性が低下したり耐摩耗性が低下したりする
が、酸化防止剤が添加されることで、静電特性が安定化
される。つまり、長期の繰り返し使用時における画質安
定化が実現される。
【0104】また、最表面層にフィラーが添加されてい
る場合、オゾンあるいはNOxのガス成分がフィラーに
吸着しやすくなるため、画像ボケの影響がフィラーのな
い場合に比べてやや増加する。これに対し、ヒンダード
フェノール構造及びヒンダードアミン構造の両構造を有
する酸化防止剤をフィラーとともに含有されると、異常
画像の発生確率を極めて低くできることが分かった。つ
まり、フィラーと上記酸化防止剤とを組み合わせて用い
ることによって、異常画像の発生確率を極めて低くでき
るため、一層の高画質化を実現できる。
【0105】また、最表面層におけるグラフト共重合体
の含有量が多いと、得られる感光体(最表面層)の帯電
性が低下してしまうことがある。特に、オゾンやNOx
ガスが曝露することでこの現象は強くなる。これに対
し、感光体の最表面層にこれらの酸化防止剤を添加する
ことによってこれを防止できる。この効果が高い酸化防
止剤は、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチ
ル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,
6−テトラメチルピリジンである。
【0106】次に、感光体の各層について説明する。な
お、前記したように、以下に説明する各層は、その全部
が最表面層であってもよく(全域にグラフト共重合体が
含有されていてもよく)、一部が最表面層であってもよ
い。また、下記に記す以外の層が設けられてもよい。
【0107】〈導電性支持体31〉導電性支持体31
は、感光層33などの各層を支持するための土台となる
層で、体積抵抗が1010Ω・ cm以下の導電性を示す層
である。導電性支持体31は、例えば次のようなものを
採用できる。 ・アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、
金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムな
どの金属酸化物を、フィルム状又は円筒状のプラスチッ
クや紙に蒸着法又はスパッタリング法などにより被覆さ
せたもの。 ・アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステン
レスなどの板。 ・アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステン
レスなどを押し出し/引き抜き、切削/超仕上げ/研摩
などの表面処理を施した管。 ・エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベ
ルトなど(特開昭52−36016号公報などに記
載)。
【0108】また、任意の支持体上に、導電性粉体を適
当な結着樹脂(導電性支持体31用結着樹脂)に分散し
て塗工したものも、導電性支持体31として用いること
ができる。つまり、導電性粉体と結着樹脂を、適当な溶
剤又は分散媒に溶解又は分散して塗工液を作成し、この
塗工液を上記支持体上に塗布することで作成できる。導
電性粉体は、例えば、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニ
クロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、導電性酸化スズ、
ITOなどの金属酸化物粉体、カーボンブラック、アセ
チレンブラックなどがあげられる。導電性粉体が分散さ
れる結着樹脂は、例えば、ポリスチレン、スチレン−ア
クリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステ
ル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレ
ート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セ
ルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、
ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコ
ーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹
脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。導
電性粉体及び結着樹脂を溶解又は分散させる溶剤又は分
散媒は、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタ
ン、メチルエチルケトン、トルエンなどが上げられる。
【0109】適当な円筒基体上に、上記導電性粉体が含
有された、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエス
テル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレ
ン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの熱収縮チュ
ーブが被覆されたもの(導電性層が設けられたもの)も
導電性支持体31として良好に用いることができる。
【0110】〈積層型の感光層33〉感光層33は、図
1に示すように単層型のものと図2に示すような積層型
のものがある。まず、積層型の感光層33について説明
する。積層型の感光層33は、電荷発生層35と電荷輸
送層37とを有する。
【0111】〈電荷発生層35〉電荷発生層35は、電
荷発生物質が主成分で、必要に応じて結着樹脂(電荷発
生層35形成用結着樹脂)も含有される。また、任意の
添加剤も含有される。
【0112】電荷発生物質は、無機系材料を用いてもよ
く、有機系材料を用いてもよい。無機系材料は、例え
ば、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テル
ル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物、
硫化カドミウム、硫化カドミウム−セレン、アモルファ
ス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコン
は、ダングリングボンドを水素原子やハロゲン原子でタ
−ミネ−トしたものや、ホウ素原子、リン原子等をド−
プしたものが良好に用いられる。
【0113】有機系材料は、公知の材料を採用できる。
例えば、ジスアゾ顔料、非対称ジスアゾ顔料、トリスア
ゾ顔料、カルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料(特開昭5
3−95033号公報に記載)、ジスチリルベンゼン骨
格を有するアゾ顔料(特開昭53−133445号公
報)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特開
昭53−132347号公報に記載)、ジフェニルアミ
ン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有
するアゾ顔料(特開昭54−21728号公報に記
載)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54
−22834号公報に記載)、オキサジアゾ−ル骨格を
有するアゾ顔料(特開昭54−12742号公報に記
載)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭5
4−17733号公報に記載)、ジスチリルオキサジア
ゾ−ル骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−2129号
公報に記載)、ジスチリルカルバゾ−ル骨格を有するア
ゾ顔料(特開昭54−14967号公報に記載)等のア
ゾ系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチ
ン顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系顔料、多環
キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン
系顔料、トリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン系顔
料、ナフトキノン系顔料、シアニン系顔料、アゾメチン
系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾ−ル
系顔料、下記一般式(N)で表される金属フタロシアニ
ン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料等
が挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独で用いて
もよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0114】
【化2】
【0115】上記一般式(N)中、M(中心金属)は、
金属及び無金属(水素)の元素を表す。M(中心金属)
は、H、Li、Be、Na、Mg、Al、Si、K、C
a、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、
Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、T
c、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、S
b、Ba、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、
Au、Hg、TI、La、Ce、Pr、Nd、Pm、S
m、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Y
b、Lu、Th、Pa、U、Np、Am等の単体(元
素)や、これらの元素の酸化物、塩化物、フッ化物、水
酸化物、臭化物などが挙げられるが、これらに限定され
るものではない。なお、上記一般式(N)で表される化
合物は、2量体、3量体など多量体構造をとっていても
よく、さらに高次の高分子構造をとっていてもよい。ま
た、上記一般式(N)で表される基本骨格に様々な置換
基があってもよい。
【0116】なお、中心金属にTiOを有するオキソチ
タニウムフタロシアニン、無金属フタロシアニン、クロ
ロガリウムフタロシアニン等は、良好な感光体特性(電
荷発生性等)が得られるため好ましく用いられる。ま
た、フタロシアニンは、様々な結晶系を持つことが知ら
れており、例えばオキソチタニウムフタロシアニンの場
合、α、β、γ、m、Y型等、銅フタロシアニンの場
合、α、β、γ等の結晶多系を有している。同じ中心金
属を持つフタロシアニンも、結晶系が変わることにより
種々の特性も変化する。これらの種々の結晶系を有する
フタロシアニン系顔料を用いた感光体の特性もそれに伴
って変化することが報告されている(電子写真学会誌
第29巻 第4号( 1990) )。このように、フタロ
シアニンの結晶系の選択は、感光体特性上非常に重要で
ある。中でも、Y型オキソチタニウムフタロシアニンを
含有する感光体は高感度化に対して有効であることが知
られている。
【0117】電荷発生層35形成用結着樹脂は、例え
ば、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケ
トン、ポリカ−ボネ−ト、シリコ−ン樹脂、アクリル樹
脂、ポリビニルブチラ−ル、ポリビニルホルマ−ル、ポ
リビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカル
バゾ−ル、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。これ
らの結着樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上の混合
物として用いてもよい。
【0118】また、電荷発生層35形成用結着樹脂とし
て、後述の高分子電荷輸送物質(例えば、特開昭64−
1728号公報、特開昭64−13061号公報、特開
昭64−19049号公報、特開平4−11627号公
報、特開平4−225014号公報、特開平4−230
767号公報、特開平4−320420号公報、特開平
5−232727号公報、特開平6−234838号公
報、特開平6−234839号公報、特開平6−295
077号公報、特開平7−56374号公報、特開平7
−325409号公報、特開平9−80772号公報、
特開平9−80783号公報、特開平9−80784号
公報、特開平9−127713号公報、特開平9−21
1877号公報、特開平9−222740号公報、特開
平9−265197号公報、特開平9−265201号
公報、特開平9−297419号公報、特開平9−30
4956号公報記載の物質)を用いることもできる。
【0119】電荷発生層35形成用結着樹脂は、電荷発
生物質100重量部に対し、0重量部を超えて500重
量部以下の量、好ましくは0重量部を超えて200重量
部以下の量含有される。また、必要に応じて、ジメチル
シリコ−ンオイル、メチルフェニルシリコ−ンオイル等
のレベリング剤や増感剤、分散剤等の各種添加剤を添加
できる。
【0120】電荷発生層35の形成方法は、真空薄膜作
製法を採用してもよく、溶液分散系からのキャスティン
グ法を採用することもできる。真空薄膜作成法は、真空
蒸着法、グロ−放電分解法、イオンプレ−ティング法、
スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法
等があり、無機系電荷発生物質、有機系電荷発生物質を
採用する場合に良好に用いられる。キャスティング法で
は例えば次のように電荷輸送層37を形成する。まず、
無機系電荷発生物質又は有機系電荷発生物質を、必要に
応じて結着樹脂と共に、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノク
ロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シ
クロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチル
ケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒又
は分散媒に、ボ−ルミル、アトライタ−、サンドミル、
ビーズミル等により溶解又は分散して塗工液を得る。そ
して、この塗工液を適度に希釈して、被塗布層上に塗布
することにより形成できる。塗布液の塗布は、浸漬塗工
法、スプレ−コ−ト法、ビ−ドコ−ト法、リングコート
法など従来公知の方法を採用できる。電荷発生層35の
膜厚は、0.01〜5μm、好ましくは0.05〜2μ
mである。
【0121】〈電荷輸送層37〉電荷輸送層37は、電
荷輸送物質を主成分とし、適宜、結着樹脂(電荷輸送層
37形成用結着樹脂)や添加剤を添加できる。電荷輸送
物質は、正孔輸送物質や電子輸送物質などを採用でき
る。
【0122】電子輸送物質は、例えば、クロルアニル、
ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキ
ノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノ
ン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノ
ン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,
4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリ
ニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4
−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−
5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電
子受容性物質が挙げられる。これらの物質は、単独で用
いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0123】正孔輸送物質は、例えば、オキサゾール誘
導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、
モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、
トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フ
ェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリー
ルメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチ
リルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニル
ベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、
ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘
導体、エナミン誘導体等の電子供与性物質が良好に用い
られる。また、これら以外の公知の材料も採用できる。
これらの物質は、単独で用いてもよく、2種以上の混合
物として用いてもよい。
【0124】電荷輸送層37形成用結着樹脂は、例え
ば、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マ
レイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹
脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセ
ルロース樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で
用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
【0125】また、電荷輸送層37は、電荷輸送層37
形成用結着樹脂としての機能と電荷輸送物質としての機
能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。高
分子電荷輸送物質が含有された電荷輸送層37は、耐摩
耗性に優れ、高画質な画像が得られる。なお、電荷輸送
層37形成用結着樹脂や上記低分子電荷輸送物質を混合
して用いてもよい。高分子電荷輸送物質は、公知の材料
が使用できるが、特に、トリアリールアミン構造を主鎖
および/または側鎖に含むポリカーボネートが良好に用
いられる。特に、下記構造式(I)〜(X)式で表され
る高分子電荷輸送物質が良好に用いられる。
【0126】
【化3】
【0127】上記一般式(I)中、R1 、R2 、R
3 は、それぞれ同一でも異なっていてもよい置換若しく
は無置換のアルキル基又はハロゲン原子を表す;R
4 は、水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル基を
表す;R5 、R6 は、それぞれ同一でも異なっていても
よい、置換又は無置換のアリール基を表す;o、p、q
は、0〜4の整数を表す;k、jは組成(モル分率)を
表し、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9のである;n
は、繰り返し単位数を表し、5〜5000の整数であ
る;Xは、脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基又は上
記一般式(1)で示される2価基を表す。
【0128】上記一般式(1)中、R101 、R102 は、
それぞれ同一でも異なっていてもよい置換若しくは無置
換のアルキル基、アリール基又はハロゲン原子を表す;
l、mは0〜4の整数を表す;Yは、単結合、炭素原子
数1〜12の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン
基、−O−、−S−、−SO−、−SO2 −、−CO
−、−CO−O−Z−O−CO−(Zは脂肪族の2価基
を表す)又は上記一般式(2)で表される2価基を表
す。
【0129】上記一般式(2)中、aは1〜20の整
数、bは1〜2000の整数、R103、R104 は置換若
しくは無置換のアルキル基又はアリール基を表す。
【0130】
【化4】
【0131】上記一般式(II)中、R7 、R8 は、同一
でも異なっていてもよい置換又は無置換のアリール基、
Ar1 、Ar2 、Ar3 は同一でも異なっていてもよい
アリレン基を表す。X、k、j、nは、上記一般式
(I)と同じである。
【0132】
【化5】
【0133】上記一般式(III )中、R9 、R10は、同
一でも異なっていてもよい置換又は無置換のアリール
基、Ar4 、Ar5 、Ar6 は同一でも異なっていても
よいアリレン基を表す。X、k、j、nは、上記一般式
(I)と同じである。
【0134】
【化6】
【0135】上記一般式(IV)中、R11、R12は、同一
でも異なっていてもよい置換又は無置換のアリール基、
Ar7 、Ar8 、Ar9 は、同一でも異なっていてもよ
いアリレン基を表し、pは1〜5の整数を表す。X、
k、j、nは、上記一般式(I)と同じである。
【0136】
【化7】
【0137】上記一般式(V)中、R13、R14は、同一
でも異なっていてもよい置換又は無置換のアリール基、
Ar10、Ar11、Ar12は、同一でも異なっていてもよ
いアリレン基、X1 、X2 は、同一でも異なっていても
よい置換若しくは無置換のエチレン基又は置換若しくは
無置換のビニレン基を表す。X、k、j、nは、一般式
(I)と同じである。
【0138】
【化8】
【0139】上記一般式(VI)中、R15、R16、R17
18は、同一でも異なっていてもよい置換又は無置換の
アリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一で
も異なっていてもよいアリレン基、Y1 、Y2 、Y3
同一でも異なっていてもよい単結合、置換若しくは無置
換のアルキレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキ
レン基、置換若しくは無置換のアルキレンエーテル基、
酸素原子、硫黄原子又はビニレン基を表す。X、k、
j、nは、上記一般式(I)と同じである。
【0140】
【化9】
【0141】上記一般式(VII )中、R19、R20は、同
一でも異なっていてもよい水素原子又は置換若しくは無
置換のアリール基を表し、互いに環を形成していてもよ
い。Ar17、Ar18、Ar19は同一でも異なっていても
よいアリレン基を表す。X、k、j、nは、一般式
(I)と同じである。
【0142】
【化10】
【0143】上記一般式(VIII)中、R21は、置換又は
無置換のアリール基、Ar20、Ar 21、Ar22、Ar23
は同一でも異なっていてもよいアリレン基を表す。X、
k、j、nは、上記一般式(I)と同じである。
【0144】
【化11】
【0145】上記一般式(IX)中、R22、R23、R24
25は同一でも異なっていてもよい置換又は無置換のア
リール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28
同一でも異なっていてもよいアリレン基を表す。X、
k、j、nは、上記一般式(I)と同じである。
【0146】
【化12】
【0147】上記一般式(X)中、R26、R27は同一で
も異なっていてもよい置換又は無置換のアリール基、A
29、Ar30、Ar31は同一でも異なっていてもよいア
リレン基を表す。X、k、j、nは、上記一般式(I)
と同じである。
【0148】以下、トリアリールアミン構造を主鎖及び
/又は側鎖に含むポリカーボネートの好ましい具体例
(形態)の幾つかを以下に示す。以下に示す化合物の一
又は複数を用いれば、極めて優れた感光特性(高画質性
等)が得られる。ただし、これらの化合物に限定される
ものではない。
【0149】
【化13】
【0150】
【化14】
【0151】
【化15】
【0152】
【化16】
【0153】
【化17】
【0154】
【化18】
【0155】
【化19】
【0156】
【化20】
【0157】
【化21】
【0158】
【化22】
【0159】高分子電荷輸送物質は、単重合体、ランダ
ム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体の形態で
重合される。また、結着樹脂としての機能を実現するた
めに被膜形成能が必要である。被膜形成能を有するに
は、分子量が、GPCによる測定において、ポリスチレ
ン換算分子量Mwで1万〜50万、好ましくは5万〜4
0万であればよい。このような高分子電荷輸送物質は、
例えば、特開平8−269183号公報、特開平9−7
1642号公報、特開平9−104746号公報、特開
平9−272735号公報、特開平11−29634号
公報、特開平9−235367号公報、特開平9−87
376号公報、特開平9−110976号公報、特開平
9−268226号公報、特開平9−221544号公
報、特開平9−227669号公報、特開平9−157
378号公報、特開平9−302084号公報、特開平
9−302085号公報、特開2000−26590号
公報などに開示された物質を好適に採用できる。
【0160】電荷輸送層37は、例えば、少なくとも電
荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤又は分散媒に溶解
又は分散された塗工液を、電荷発生層35等の被塗工層
上に塗布し、乾燥させて形成できる。
【0161】電荷輸送物質は、電荷輸送層37形成用結
着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ま
しくは40〜150重量部含有させる。ただし、高分子
電荷輸送物質を用いる場合は、電荷輸送物質を単独で用
いてもよく、結着樹脂等と併用して用いてもよい。
【0162】電荷輸送層37の形成に用いることができ
る溶剤(溶媒)、分散媒は、電荷発生層35の形成に用
いることができるものが使用できるが、電荷輸送物質及
び結着樹脂を良好に溶解又は分散するものを適宜選択し
て使用する。また、複数の溶剤又は分散媒を混合して使
用してもよい。
【0163】電荷輸送層37は、必要に応じて、レベリ
ング剤や可塑剤が添加されてもよい。レベリング剤は、
例えば、ジメチルシリコ−ンオイル、メチルフェニルシ
リコ−ンオイル等のシリコーンオイル類や側鎖にパ−フ
ルオロアルキル基を有するポリマ−あるいはオリゴマ−
が使用できる。レベリング剤は、結着樹脂100重量部
に対して0重量部を超え1重量部以下の範囲で添加する
ことが好ましい。可塑剤は、ジブチルフタレ−ト、ジオ
クチルフタレ−ト等の公知のものを使用でき、結着樹脂
100重量部に対して0重量部を超え30重量部以下の
範囲で添加することが好ましい。
【0164】塗布方法は、浸漬塗工法、スプレ−コ−ト
法、ビ−ドコ−ト法、リングコート法など公知の塗布方
法を採用できる。電荷輸送層37の膜厚は、5〜50μ
m程度が適当である。また、良好な解像度が得られ、地
肌汚れが少ないといった良好な画像特性が得られ、帯電
電位、感度等の電気特性が良好な、10〜30μmが好
ましい。
【0165】〈単層型の感光層33〉単層型の感光層3
3は、例えば、前記した電荷発生物質、電荷輸送物質、
結着樹脂(感光層33形成用結着樹脂)等を、適当な溶
剤又は分散媒に溶解又は分散された塗工液を導電性支持
体等の上に塗工、乾燥することで形成できる。電荷発生
物質及び電荷輸送物質は、積層型の感光層33で挙げた
材料を使用できる。感光層33形成用結着樹脂は、電荷
輸送層37形成用結着樹脂を使用でき、さらに、電荷発
生層35形成用結着樹脂を適宜混合して使用してもよ
い。また、結着樹脂として、上記高分子電荷輸送物質を
採用してもよい。感光層33形成用結着樹脂100重量
部に対する電荷発生物質の量は、好ましくは5〜40重
量部、さらに好ましくは10〜30重量部である。電荷
輸送物質は、結着樹脂に対し、0重量部を超え190重
量部以下の範囲で使用することが好ましく、さらに好ま
しくは50〜150重量部の範囲で使用する。
【0166】感光層33は、次のように作成できる。
(1)電荷発生物質、結着樹脂、電荷輸送物質を、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロ
ヘキサノン、トルエン、メチルエチルケトン、アセトン
等の溶剤又は分散媒に溶解又は分散して塗工液を作成す
る。(2)この塗工液を、浸漬塗工法、スプレーコート
法、ビードコート法、リングコート法などを用いて導電
性支持体31などの被塗工層上に塗工することで形成で
きる。また、必要により、可塑剤、レベリング剤、酸化
防止剤、滑剤等の各種添加剤を添加できる。感光層33
の膜厚は5〜25μm程度が適当である。
【0167】〈保護層39〉保護層39は、感光層33
や電荷輸送層37などを保護するための層で、少なくと
も結着樹脂(保護層39形成用結着樹脂)が含有され
る。また、好ましくはフィラー材料が含有される。保護
層39形成用結着樹脂は、電荷輸送層37形成用結着樹
脂を用いることができる。フィラー材料は、前記したも
のを一つ又は複数採用できる。
【0168】保護層39は、さらに電荷輸送物質を含有
されてもよい。電荷輸送物質が含有された保護層39
は、残留電位を低くでき、感度劣化を抑制できるなどの
利点を有する。また、電荷輸送物質として前記した高分
子電荷輸送物質を好ましく採用する。高分子電荷輸送物
質が保護層39に含有された感光体は、異常画像の発生
確率が極めて低くできる。高分子電荷輸送物質は、オゾ
ンやNOxによる変質や分解が起こりにくく、また、電
荷輸送物質と結着樹脂との混合系に比べて耐キズ性にも
優れているからである。つまり、異常画像の発生確率を
高める有機炭素系残査が生成せず又は生成しにくく、帯
電生成物の除去を容易にするために、感光体表面に細か
なキズができにくいため、高画質性が得られる。保護層
に用いられる電荷輸送物質及び高分子電荷輸送物質は、
電荷輸送層37で使用できる物質と同一又は類似の物質
から任意に選択された一又は複数を使用できる。
【0169】保護層39は、保護層39形成用結着樹脂
を、電荷輸送層37と同様の方法で被塗工層上に塗工す
れば保護層39を形成できる。例えば、浸漬塗工法、ス
プレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナー
コート、リングコート等、公知の塗工方法を用いること
ができる。中でも、膜厚制御を行いやすく、グラフト共
重合体やフィラーの分散性を良好に維持でき、得られた
感光体(保護層39)の塗膜品質を良好にできるスプレ
ー塗工法を好ましく採用する。また、一度の塗工により
保護層39を形成してもよいが、2回以上重ねて塗工し
て保護層39を形成すれば、保護層39中にフィラー材
料をほぼ均一に分散できる。フィラー材料が均一に分散
されると、残留電位を低く保て、解像度を高くでき、耐
摩耗性を高くできる。また、塗膜品質のを高くでき、塗
膜欠陥の発生を抑制できる。保護層39の膜厚は、0.
5μm〜10μmが好ましく、2μm〜6μmがより好
ましい。
【0170】〈下引き層〉下引き層は、導電性支持体3
1と感光層33との間に設けることができる。下引き層
は、一般に、樹脂を主成分とするが、感光層33が塗布
されるため、有機溶剤、特に感光層33形成用の溶剤に
対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。この
ような樹脂は、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイ
ン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合
ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可
溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹
脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次
元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。ま
た、下引き層は、モアレ防止、残留電位の低減等のため
に酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、
酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物の微粉末顔料
が添加されてもよい。また、下引き層に、シランカップ
リング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング
剤等を含有させてもよい。
【0171】下引き層は、感光層33と同様に形成でき
る。また、塗工用の溶媒(分散媒)も同様のものを採用
すればよい。また、Al2 3 を陽極酸化法にて被塗工
層上に設けられた層や、ポリパラキシリレン(パリレ
ン)等の有機物やSiO2 、SnO2 、TiO2 、IT
O、CeO2 等の無機物を真空薄膜作成法にて被塗工層
上に設けられた層を下引き層としてもよい。これら以外
にも公知の層形成法を採用できる。下引き層の膜厚は0
μmを超え5μm以下の範囲とするとよい。
【0172】〈中間層〉下引き層と感光層33との間や
感光層33と保護層39との間などに中間層を設けても
よい。中間層は、一般に、バインダー樹脂(結着樹脂)
を主成分とする。採用できる樹脂は、例えば、ポリアミ
ド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール
などが挙げられる。中間層の形成法は、前記したような
公知の塗工法を用いることができる。中間層の厚さは
0.05〜2μmが適当である。
【0173】〈各層に共通の事項〉また、耐環境性の改
善のため、特に、感度低下や残留電位の上昇を防止する
ため、感光体における1層又は複数の層に、酸化防止
剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物
質、レベリング剤などを適宜添加することが好ましい。
【0174】〈酸化防止剤〉酸化防止剤は、例えば以下
のものが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。 (a)フェノール系化合物 2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒ
ドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エ
チルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒド
ロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)、
2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブ
チルフェノ−ル)、2,2' −メチレン−ビス−(4−
エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4' −チオ
ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
4,4' −ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル
−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン、テトラキス−[メチレン−3−(3' ,5' −ジ−
t−ブチル−4' −ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタン、ビス[3,3' −ビス(4' −ヒドロキシ
−3' −t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]ク
リコールエステル、トコフェロール類など。
【0175】(b)パラフェニレンジアミン類 N−フェニル−N' −イソプロピル−p−フェニレンジ
アミン、N,N' −ジ−sec−ブチル−p−フェニレ
ンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−
フェニレンジアミン、N,N' −ジ−イソプロピル−p
−フェニレンジアミン、N,N' −ジメチル−N,N'
−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0176】(c)ハイドロキノン類 2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジ
ドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノ
ン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t
−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オ
クタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
【0177】(d)有機硫黄化合物類 ジラウリル−3,3' −チオジプロピオネート、ジステ
アリル−3,3' −チオジプロピオネート、ジテトラデ
シル−3,3' −チオジプロピオネートなど。
【0178】(e)有機燐化合物類 トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホス
フィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリク
レジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキ
シ)ホスフィンなど。
【0179】〈可塑剤〉可塑剤は、例えば以下のものが
挙げられるが、これらに限定されるものではない。 (a)リン酸エステル系可塑剤 リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリ
オクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロ
ルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチ
ル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェ
ニルなど。
【0180】(b)フタル酸エステル系可塑剤 フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソ
ブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタ
ル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチ
ル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フ
タル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸
ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシク
ロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチル
ラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチル
デシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
【0181】(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤 トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n
−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
【0182】(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤 アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、ア
ジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−
オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、ア
ジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼラ
イン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、
セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸
ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオ
クチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸
ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルな
ど。
【0183】(e)脂肪酸エステル誘導体 オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステ
ル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトー
ルエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、
トリアセチン、トリブチリンなど。
【0184】(f)オキシ酸エステル系可塑剤 アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブ
チル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルク
エン酸トリブチルなど。
【0185】(g)エポキシ可塑剤 エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステ
アリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキ
システアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジ
ル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキ
シヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
【0186】(h)二価アルコールエステル系可塑剤 ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレング
リコールジ−2−エチルブチラートなど。
【0187】(i)含塩素可塑剤 塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メ
チル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
【0188】(j)ポリエステル系可塑剤 ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケー
ト、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
【0189】(k)スルホン酸誘導体 p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンア
ミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエ
ンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチ
ルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシル
アミドなど。
【0190】(l)クエン酸誘導体 クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、ク
エン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセ
チルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエ
ン酸−n−オクチルデシルなど。
【0191】(m)その他 ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2
−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン
酸メチルなど。
【0192】〈滑剤〉滑剤は、例えば以下のものが挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。 (a)炭化水素系化合物 流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワック
ス、低重合ポリエチレンなど。
【0193】(b)脂肪酸系化合物 ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン
酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
【0194】(c)脂肪酸アミド系化合物 ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミ
ド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステア
ロアミドなど。
【0195】(d)エステル系化合物 脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコ
ールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
【0196】(e)アルコール系化合物 セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロール
など。
【0197】(f)金属石けん ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン
酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
【0198】(g)天然ワックス カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボ
タロウ、モンタンロウなど。
【0199】(h)その他 シリコーン化合物、フッ素化合物など。
【0200】〈紫外線吸収剤〉紫外線吸収剤は、例えば
以下のものが挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。 (a)ベンゾフェノン系 2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、2,2' ,4−トリヒドロキシベンゾ
フェノン、2,2' ,4,4' −テトラヒドロキシベン
ゾフェノン、2,2' −ジヒドロキシ4−メトキシベン
ゾフェノンなど。
【0201】(b)サルシレート系 フェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル
3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエートな
ど。
【0202】(c)ベンゾトリアゾール系 (2' −ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
(2' −ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、(2' −ヒドロキシ5' −メチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、(2' −ヒドロキシ3' −ターシ
ャリブチル5' −メチルフェニル)5−クロロベンゾト
リアゾール
【0203】(d)シアノアクリレート系 エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレー
ト、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アク
リレートなど。
【0204】(e)クエンチャー(金属錯塩系) ニッケル(2,2' チオビス(4−t−オクチル)フェ
ノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジ
チオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメー
ト、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートな
ど。
【0205】(f)HALS(ヒンダードアミン) ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、
8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オ
クチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデ
カン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
【0206】〈感光体以外の構成、電子写真方法〉次
に、図面を参照しながら電子写真装置の感光体以外の構
成と、電子写真方法について詳細に説明する。上記電子
写真装置は、前記したような感光体(電子写真感光体)
に、少なくとも帯電、露光、現像を行いトナー画像を形
成し、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写して
定着させる。そして、感光体表面のクリーニングを行
う。ただし、このプロセスは、本発明に係る電子写真装
置における画像形成プロセスの一例であって、場合によ
っては、上記プロセスにおいていくつかのステップは省
略されてもよく、また別なステップが設けられてもよ
い。
【0207】図6は、電子写真装置の一構成例を示した
概略図である。図6において、感光体1は前記した感光
体が採用される。感光体1は、ドラム状の形状を示して
いるが、シート状、エンドレスベルト状などの形状であ
っても良い。
【0208】帯電部材3は、主として帯電ローラーデバ
イスが用いられ、感光体1と帯電部材とが画像形成領域
において非接触で近接配置される。このように、帯電部
材を感光体1に近接配置させるには、感光体1の非画像
形成領域においてギャップを設ければよい。例えば、ギ
ャップ材を、帯電部材に設けたり、感光体1に設けた
り、あるいは感光体の両端にセットされるフランジ部に
設ければよい。ただし、感光体1と帯電部材とが近接配
置されればどのような構成を採用してもよい。
【0209】図7に、帯電部材にギャップ材を設けた一
例を示す。この例では、ギャップ材は、絶縁性を有し、
耐摩耗性の高い材料が好ましく用いられる。ギャップ材
は、テープ状、シール状、チューブ状等、どのような形
態のものでもよい。ギャップの厚さは、10〜200μ
mが好ましく、20〜100μmがより好ましく、さら
に好ましくは40〜80μmである。ギャップの厚さを
この範囲内にすると、帯電部材と感光体1とが接触する
ことが極めて少ないため、画質の劣化が極めて少ない。
また、帯電の安定性が低下せずに帯電ムラが発生するこ
とが極めて少なく、要求される帯電レベルを維持させる
ための印可電圧を増加させる必要がない。したがって、
帯電生成物の発生量を低くできるため、異常画像の発生
確率を極めて低くできる。
【0210】また、帯電部材には、直流成分に交流成分
を重畳して感光体1に帯電を付与させてもよい。このよ
うに交流成分を重畳することで、帯電ムラを低減でき
る。これにより、画像濃度ムラやコントラストの低下を
防止できる。
【0211】画像露光部5は、帯電された感光体1上に
静電潜像を形成する。光源は、例えば、蛍光灯、タング
ステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム
灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(L
D)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物
を適宜選択して用いればよい。また、所望の波長域の光
のみを照射するために、シャープカットフィルター、バ
ンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイク
ロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィ
ルターなどの各種フィルターを用いてもよい。
【0212】現像ユニット6は、感光体1上に形成され
た静電潜像を可視化する。現像方式は、乾式トナーを用
いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた
湿式現像法などがある。感光体に正帯電を施し、画像露
光を行うと、感光体表面上には正の静電潜像が形成され
る。これを負極性のトナー(検電微粒子)で現像すれ
ば、ポジ画像が得られるし、また正極性のトナーで現像
すれば、ネガ画像が得られる。なお、正負を逆にしても
よい。
【0213】転写チャージャ10は、感光体1上で可視
化されたトナー像を転写体上に転写する。なお、より良
好な転写を行うために転写前チャージャ7を用いてもよ
い。転写方法は、転写チャージャやバイアスローラーを
用いる静電転写方法、粘着転写法、圧力転写法等の機械
転写方式、磁気転写方法を採用できる。静電転写方法
は、帯電手段を用いて実行してもよい。
【0214】分離チャージャ11、分離爪12は、転写
体を感光体より分離する手段である。その他、分離手段
として、静電吸着誘導分離手段、側端ベルト分離手段、
先端グリップ搬送手段、曲率分離手段等が用いることも
できる。また、分離チャージャは、帯電手段を用いても
よい。
【0215】ファーブラシ14、クリーニングブレード
15は、転写後感光体上に残されたトナーをクリーニン
グする。また、クリーニングをより効率的に行うために
クリーニング前チャージャ13を用いてもよい。その
他、クリーニング方式として、ウェブ方式、マグネット
ブラシ方式等を採用してもよい。クリーニング方式は任
意の一又は複数の方式を採用すればよい。
【0216】除電手段は、感光体1上の潜像を取り除
く。除電手段は、例えば、除電ランプ2、除電チャージ
ャが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段を利用
して実現してもよい。
【0217】原稿読み取り手段、給紙手段、定着手段、
排紙手段等は公知のものを採用できる。また、図6に示
す以外の構成/プロセスも当然に採用できる。例えば、
図6の構成例では、感光体への光照射工程は、像露光、
クリーニング前露光、除電露光することで実現している
が、転写前露光、像露光のプレ露光など公知の光照射工
程により感光体に光照射してもよい。
【0218】前記したような画像形成手段は、電子写真
装置内に固定して組み込まれていてもよいが、その内の
一又は複数は、電子写真装置に着脱可能なプロセスカー
トリッジに設けられ、プロセスカートリッジが電子写真
装置に設置されることで電子写真装置内に組み込まれる
ようにしてもよい。図8は、このような電子写真装置用
プロセスカートリッジの1構成例を示す。プロセスカー
トリッジは、感光体(感光体ドラム101)を有し、そ
のほかに帯電手段102、現像手段、転写手段106、
クリーニング手段(クリーニングブレード107な
ど)、除電手段などの少なくとも一つが設けられた装置
(部品)である。
【0219】(実施例)以下、実施例により本発明を説
明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されて解
釈されるものではない。また、以下「部」は重量部を意
味する。
【0220】(実施例1)φ30mmのアルミニウムド
ラム(導電性支持体31)上に、下記組成の下引き層用
塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を浸
漬塗工法によって順次塗布/乾燥して約3.5μmの膜
厚の下引き層、約0.2μmの膜厚の電荷発生層35、
約25μmの膜厚の電荷輸送層37を形成し、感光体を
作製した。
【0221】 〔下引き層用塗工液〕 ・アルキッド樹脂 6部 (ベッコゾール 1307−60−EL,大日本インキ化学工業製) ・メラミン樹脂 4部 (スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業製) ・酸化チタン 40部 ・メチルエチルケトン 50部
【0222】 〔電荷発生層用塗工液〕 ・下記一般式(4)で表されるビスアゾ顔料 2.5部 ・ポリビニルブチラール(XYHL,UCC製) 0.5部 ・シクロヘキサノン 200部 ・メチルエチルケトン 80部
【0223】 〔電荷輸送層用塗工液〕 ・コア部がポリジメチルシロキサンとブチルアクリレート重合体からなるシリ コン−アクリル複合ゴムであり、シェル部がメチルメタクリレート重合体であり 、ポリジメチルシロキサン成分の割合が70重量%であるコア/シェル構造を有 するグラフト共重合体 2部 (メタブレンSX−005、三菱レイヨン(株)製) ・ビスフェノールZポリカーボネート 10部 (パンライトTS−2050,帝人化成製) ・下記一般式(5)で表される低分子電荷輸送物質 7部 ・テトラヒドロフラン 100部 ・1%シリコーンオイルテトラヒドロフラン溶液 1部 (シリコーンオイル:KF50−100CS,信越化学工業製)
【0224】
【化23】
【0225】(実施例2)実施例1において、電荷輸送
層用塗工液を下記の電荷輸送層塗工液に変更した以外
は、実施例1と同様に感光体を作製した。 〔電荷輸送層用塗工液〕 ・ポリオルガノシロキサン成分を含むコア/シェル構造を有するグラフト共重 合体(メタブレンSX−005、三菱レイヨン(株)製) 2部 ・ビスフェノールZポリカーボネート 10部 (パンライトTS−2050,帝人化成製) ・下記一般式(5)で表される低分子電荷輸送物質 7部 ・テトラヒドロフラン 100部 ・1%シリコーンオイルテトラヒドロフラン溶液 1部 (シリコーンオイル:KF50−100CS,信越化学工業製) ・ポリカルボン酸化合物 0.1部 (BYK−P104、固形分約50%、BYKケミー製) ・下記一般式(6)で表される酸化防止剤(住友化学工業製) 0.2部
【0226】
【化24】
【0227】(実施例3)実施例1において、電荷輸送
層用塗工液を下記の電荷輸送層塗工液に変更し、リング
塗工法によって電荷輸送層37を形成した以外は、実施
例1と同様に感光体を作製した。 〔電荷輸送層用塗工液〕 ・ポリオルガノシロキサン成分を含むコア/ シェル構造を有するグラフト共重 合体(メタブレンSX−005、三菱レイヨン(株)製) 2部 ・ビスフェノールZポリカーボネート 10部 (パンライトTS−2050,帝人化成製) ・下記一般式(5)で表される低分子電荷輸送物質 7部 ・テトラヒドロフラン:100部 ・1%シリコーンオイルテトラヒドロフラン溶液 1部 (シリコーンオイル:KF50−100CS,信越化学工業製) ・αアルミナ 1部 (スミコランダムAA−03、平均一次粒径:0.3μm、pH8〜9、 住友化学工業製) ・下記一般式(6)で表される酸化防止剤(住友化学工業製) 0.2部
【0228】
【化25】
【0229】(実施例4)実施例1において、電荷輸送
層用塗工液を下記の電荷輸送層塗工液に変更し、リング
塗工法によって電荷輸送層37を形成した以外は、実施
例1と同様に感光体を作製した。 〔電荷輸送層用塗工液〕 ・ポリオルガノシロキサン成分を含むコア/シェル構造を有するグラフト共重 合体(メタブレンSX−005、三菱レイヨン(株)製) 2部 ・ビスフェノールZポリカーボネート 10部 (パンライトTS−2050,帝人化成製) ・下記一般式(5)で表される低分子電荷輸送物質 7部 ・テトラヒドロフラン 100部 ・1%シリコーンオイルテトラヒドロフラン溶液 1部 (シリコーンオイル:KF50−100CS,信越化学工業製) ・αアルミナ 3部 (スミコランダムAA−03、平均一次粒径:0.3μm、pH8〜9、 住友化学工業製) ・ポリカルボン酸化合物 0.04部 (BYK−P104、固形分約50%、BYKケミー製) ・下記一般式(7)で表される酸化防止剤(住友化学工業製) 0.15部
【0230】
【化26】
【0231】(実施例5)実施例1において、電荷輸送
層用塗工液を下記の電荷輸送層塗工液に変更した以外
は、実施例1と同様に感光体を作製した。 〔電荷輸送層用塗工液〕 ・ポリオルガノシロキサン成分を含むコア/シェル構造を有するグラフト共重 合体(メタブレンSX−005、三菱レイヨン(株)製) 2部 ・ビスフェノールZポリカーボネート 10部 (パンライトTS−2050,帝人化成製) ・下記一般式(5)で表される低分子電荷輸送物質 7部 ・テトラヒドロフラン 100部 ・1%シリコーンオイルテトラヒドロフラン溶液 1部 (シリコーンオイル:KF50−100CS,信越化学工業製) ・αアルミナ 3部 (スミコランダムAA−03、平均一次粒径:0.3μm、pH8〜9、 住友化学工業製) ・ポリカルボン酸化合物 0.06部 (BYK−P104、固形分約50%、BYKケミー製) ・下記一般式(8)で表される酸化防止剤 0.15部 (サノールLS−2626、三共製)
【0232】
【化27】
【0233】(実施例6)実施例1において、電荷輸送
層用塗工液を下記の電荷輸送層塗工液に変更し、リング
塗工法によって電荷輸送層37を形成した以外は、実施
例1と同様に感光体を作製した。 〔電荷輸送層用塗工液〕 ・コア部がポリジメチルシロキサンとブチルアクリレート重合体からなるシリ コン−アクリル複合ゴムであり、シェル部がメチルメタクリレート重合体であり 、ポリジメチルシロキサン成分の割合が30重量%以下であるコア/シェル構造 を有するグラフト共重合体 2部 (メタブレンS−2001、三菱レイヨン(株)製) ・ビスフェノールZポリカーボネート 10部 (パンライトTS−2050,帝人化成製) ・下記一般式(5)で表される低分子電荷輸送物質 7部 ・テトラヒドロフラン 100部 ・1%シリコーンオイルテトラヒドロフラン溶液 1部 (シリコーンオイル:KF50−100CS,信越化学工業製) ・シリカ 2部 (KMPX−100、平均一次粒径約0.1μm、pH2〜3、 信越シリコーン製)
【0234】
【化28】
【0235】(実施例7)実施例1において、電荷輸送
層用塗工液を下記の電荷輸送層塗工液に変更した以外
は、実施例1と同様に感光体を作製した。 〔電荷輸送層用塗工液〕 ・ポリオルガノシロキサン成分を含むコア/シェル構造を有するグラフト共重 合体(メタブレンSX−005、三菱レイヨン(株)製) 2部 ・ビスフェノールZポリカーボネート 10部 (パンライトTS−2050,帝人化成製) ・下記一般式(5)で表される低分子電荷輸送物質 7部 ・テトラヒドロフラン 100部 ・1%シリコーンオイルテトラヒドロフラン溶液 1部 (シリコーンオイル:KF50−100CS、信越化学工業製) ・チタネートカップリング処理した酸化チタン 3部 (CR−EL、平均一次粒径約0.3μm、pH6〜7、石原産業製) ・ポリカルボン酸化合物 0.05部 (BYK−P104、固形分約50%、BYKケミー製) ・下記一般式(9)で表される酸化防止剤(住友化学工業製) 0.1部
【0236】
【化29】
【0237】(実施例8)実施例1において、電荷輸送
層用塗工液を下記の電荷輸送層塗工液に変更し、リング
塗工法によって電荷輸送層37を形成した以外は、実施
例1と同様に感光体を作製した。 〔電荷輸送層用塗工液〕 ・ポリオルガノシロキサン成分を含むコア/シェル構造を有するグラフト共重 合体(メタブレンSX−005、三菱レイヨン(株)製) 2部 ・ビスフェノールZポリカーボネート 10部 (パンライトTS−2050,帝人化成製) ・下記一般式(5)で表される低分子電荷輸送物質 7部 ・テトラヒドロフラン 110部 ・1%シリコーンオイルテトラヒドロフラン溶液 1部 (シリコーンオイル:KF50−100CS,信越化学工業製) ・αアルミナ 4部 (スミコランダムAA−03、平均一次粒径:0.3μm、pH8〜9、 住友化学工業製) ・ポリカルボン酸化合物 0.2部 (アクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体) ・下記一般式(9)で表される酸化防止剤(住友化学工業製) 0.1部
【0238】
【化30】
【0239】(実施例9)φ30mmのアルミニウムド
ラム(導電性支持体31)上に、下記組成の下引き層用
塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液をリ
ング塗工法によって順次塗布/乾燥して、約3.5μm
の膜厚の下引き層、約0.2μmの膜厚の電荷発生層3
5、約25μmの膜厚の電荷輸送層37を形成し、感光
体を作製した。
【0240】 〔下引き層用塗工液〕 ・アルキッド樹脂 6部 (ベッコゾール 1307−60−EL,大日本インキ化学工業製) ・メラミン樹脂 4部 (スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業製) ・酸化チタン 40部 ・メチルエチルケトン 50部
【0241】 〔電荷発生層用塗工液〕 ・図9に示すXDスペクトルを有するチタニルフタロシアニン 8部 ・ポリビニルブチラール(エスレックBM−S,積水化学工業製)0.5部 ・メチルエチルケトン 400部
【0242】 〔電荷輸送層用塗工液〕 ・ポリオルガノシロキサン成分を含むコア/シェル構造を有するグラフト共重 合体(メタブレンSX−005、三菱レイヨン(株)製) 2部 ・ビスフェノールZポリカーボネート 10部 (パンライトTS−2050,帝人化成製) ・下記一般式(10)で表される低分子電荷輸送物質 7部 ・テトラヒドロフラン 100部 ・1%シリコーンオイルテトラヒドロフラン溶液 1部 (シリコーンオイル:KF50−100CS,信越化学工業製) ・球形シリコーン微粒子 4部 (平均一次粒径約0.5μm、「トスパール105」東芝シリコーン製)
【0243】
【化31】
【0244】(実施例10)φ30mmのアルミニウム
ドラム(導電性支持体31)上に、下記組成の下引き層
用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を
浸漬塗工法によって順次塗布/乾燥して、約3.5μm
の膜厚の下引き層、約0.2μmの膜厚の電荷発生層3
5、約20μmの膜厚の電荷輸送層37を形成した。電
荷輸送層37上に、下記組成の保護層塗工液をリング塗
工法によって塗布/乾燥し、約5μmの膜厚の保護層3
9を形成し、感光体を作製した。
【0245】 〔下引き層用塗工液〕 ・アルキッド樹脂 6部 (ベッコゾール 1307−60−EL,大日本インキ化学工業製) ・メラミン樹脂 4部 (スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業製) ・酸化チタン 40部 ・メチルエチルケトン 50部
【0246】 〔電荷発生層用塗工液〕 ・下記一般式(4)で表されるビスアゾ顔料 2.5部 ・ポリビニルブチラール(XYHL,UCC製) 0.5部 ・シクロヘキサノン 200部 ・メチルエチルケトン 80部
【0247】 〔電荷輸送層用塗工液〕 ・ビスフェノールZポリカーボネート 10部 (パンライトTS−2050,帝人化成製) ・下記一般式(5)で表される低分子電荷輸送物質 7部 ・テトラヒドロフラン 100部 ・1%シリコーンオイルテトラヒドロフラン溶液 1部 (シリコーンオイル:KF50−100CS,信越化学工業製) ・下記一般式(6)で表される酸化防止剤(住友化学工業製) 0.15部
【0248】 〔保護層用塗工液〕 ・ポリオルガノシロキサン成分を含むコア/シェル構造を有するグラフト共重 合体(メタブレンSX−005、三菱レイヨン(株)製) 2部 ・ビスフェノールZポリカーボネート 10部 (パンライトTS−2050,帝人化成製) ・下記一般式(5)で表される低分子電荷輸送物質 7部 ・テトラヒドロフラン 230部
【0249】
【化32】
【0250】(実施例11)実施例10において、保護
層用塗工液を下記の保護層用塗工液に変更した以外は、
実施例10と同様に感光体を作製した。 〔保護層用塗工液〕 ・ポリオルガノシロキサン成分を含むコア/シェル構造を有するグラフト共重 合体(メタブレンSX−005、三菱レイヨン(株)製) 3部 ・ビスフェノールZポリカーボネート 10部 (パンライトTS−2050,帝人化成製) ・下記一般式(5)で表される低分子電荷輸送物質 7部 ・テトラヒドロフラン 260部 ・ポリカルボン酸化合物 0.1部 (BYK−P104、固形分約50%、BYKケミー製)
【0251】
【化33】
【0252】(実施例12)実施例10において、保護
層用塗工液を下記の保護層用塗工液に変更した以外は、
実施例10と同様に感光体を作製した。 〔保護層用塗工液〕 ・ポリオルガノシロキサン成分を含むコア/シェル構造を有するグラフト共重 合体(メタブレンSX−005、三菱レイヨン(株)製) 4部 ・ビスフェノールZポリカーボネート 10部 (パンライトTS−2050,帝人化成製) ・下記一般式(5)で表される低分子電荷輸送物質 7部 ・テトラヒドロフラン 270部 ・下記一般式(8)で表される酸化防止剤 0.2部 (サノールLS−2626、三共製)
【0253】
【化34】
【0254】(実施例13)実施例10において、保護
層用塗工液を下記の保護層用塗工液に変更し、スプレー
塗工によって保護層39を形成した以外は、実施例10
と同様に感光体を作製した。 〔保護層用塗工液〕 ・ポリオルガノシロキサン成分を含むコア/シェル構造を有するグラフト共重 合体(メタブレンSX−005、三菱レイヨン(株)製) 2部 ・ビスフェノールZポリカーボネート 10部 (パンライトTS−2050,帝人化成製) ・下記一般式(5)で表される低分子電荷輸送物質 7部 ・αアルミナ 3部 (スミコランダムAA−03、平均一次粒径:0.3μm、pH8〜9、 住友化学工業製) ・ポリカルボン酸化合物 0.08部 (BYK−P104、固形分約50%、BYKケミー製) ・テトラヒドロフラン 400部 ・シクロヘキサノン 120部
【0255】
【化35】
【0256】(実施例14)実施例10において、保護
層用塗工液を下記の保護層用塗工液に変更した以外は、
実施例10と同様に感光体を作製した。 〔保護層用塗工液〕 ・ポリオルガノシロキサン成分を含むコア/シェル構造を有するグラフト共重 合体(メタブレンSX−005、三菱レイヨン(株)製) 3部 ・下記一般式(11)で表される高分子電荷輸送物質 18部 ・テトラヒドロフラン:260部
【0257】
【化36】
【0258】(実施例15)実施例10において、保護
層用塗工液を下記の保護層用塗工液に変更し、スプレー
塗工によって保護層39を形成した以外は、実施例10
と同様に感光体を作製した。 〔保護層用塗工液〕 ・ポリオルガノシロキサン成分を含むコア/シェル構造を有するグラフト共重 合体(メタブレンSX−005、三菱レイヨン(株)製) 3部 ・下記一般式(11)で表される高分子電荷輸送物質 18部 ・αアルミナ 5部 (スミコランダムAA−03、平均一次粒径:0.3μm、pH8〜9、 住友化学工業製) ・ポリカルボン酸化合物 0.10部 (BYK−P104、固形分約50%、BYKケミー製) ・テトラヒドロフラン 400部 ・シクロヘキサノン 120部
【0259】
【化37】
【0260】(実施例16)実施例10において、保護
層用塗工液を下記の保護層用塗工液に変更した以外は、
実施例10と同様に感光体を作製した。 〔保護層用塗工液〕 ・ポリオルガノシロキサン成分を含むコア/シェル構造を有するグラフト共重 合体(メタブレンSX−005、三菱レイヨン(株)製) 3部 ・下記一般式(12)で表される高分子電荷輸送物質 18部 ・αアルミナ 6部 (スミコランダムAA−03、平均一次粒径:0.3μm、pH8〜9、 住友化学工業製) ・ポリカルボン酸化合物 0.15部 (BYK−P104、固形分約50%、BYKケミー製) ・テトラヒドロフラン 230部 ・シクロヘキサノン 70部 ・下記一般式(8)で表される酸化防止剤 0.2部 (サノールLS−2626、三共製)
【0261】
【化38】
【0262】(実施例17)φ30mmのアルミニウム
ドラム(導電性支持体31)上に、下記組成の下引き層
用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を
浸漬塗工法によって順次塗布/乾燥して、約3.5μm
の膜厚の下引き層、約0.2μmの膜厚の電荷発生層3
5、約20μmの膜厚の電荷輸送層37を形成した。電
荷輸送層37上に、下記組成の保護層塗工液をリング塗
工法によって塗布/乾燥して、約5μmの膜厚の保護層
39を形成し、電子写真感光体17を作製した。
【0263】 〔下引き層用塗工液〕 ・アルキッド樹脂 6部 (ベッコゾール 1307−60−EL,大日本インキ化学工業製) ・メラミン樹脂 4部 (スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業製) ・酸化チタン 40部 ・メチルエチルケトン 50部
【0264】 〔電荷発生層用塗工液〕 ・図9に示すXDスペクトルを有するオキソチタニウムフタロシアニン 8部 ・ポリビニルブチラール 0.5部 (エスレックBM−S,積水化学工業製) ・メチルエチルケトン 400部
【0265】 〔電荷輸送層用塗工液〕 ・ビスフェノールZポリカーボネート 10部 (パンライトTS−2050,帝人化成製) ・下記一般式(5)で表される低分子電荷輸送物質 8部 ・テトラヒドロフラン 100部 ・1%シリコーンオイルテトラヒドロフラン溶液 1部 (シリコーンオイル:KF50−100CS,信越化学工業製)
【0266】 〔保護層用塗工液〕 ・ポリオルガノシロキサン成分を含むコア/シェル構造を有するグラフト共重 合体(メタブレンSX−005、三菱レイヨン(株)製)とビスフェノールZポ リカーボネート(パンライトTS−2050,帝人化成製)とを溶融混練(25 0℃5分)したペレット 12部 (メタブレンSX−005/TS−2050=2/10) ・下記一般式(5)で表される低分子電荷輸送物質 8部 ・αアルミナ 3部 (スミコランダムAA−03、平均一次粒径:0.3μm、pH8〜9、 住友化学工業製) ・ポリカルボン酸化合物 0.08部 (BYK−P104、固形分約50%、BYKケミー製) ・テトラヒドロフラン 400部 ・シクロヘキサノン 120部
【0267】
【化39】
【0268】(実施例18)実施例17において、保護
層用塗工液を下記の保護層用塗工液に変更し、スプレー
塗工法によって保護層39を形成した以外は、実施例1
7と同様に感光体を作製した。 〔保護層用塗工液〕 ・ポリオルガノシロキサン成分を含むコア/シェル構造を有するグラフト共重 合体(メタブレンSX−005、三菱レイヨン(株)製)とビスフェノールZポ リカーボネート(パンライトTS−2050,帝人化成製)とを溶融混練(28 0℃5分)したペレット 13部 (メタブレンSX−005/TS−2050=3/10) ・下記一般式(10)で表される低分子電荷輸送物質 8部 ・αアルミナ 4部 (スミコランダムAA−03、平均一次粒径:0.3μm、pH8〜9、 住友化学工業製) ・ポリカルボン酸化合物 0.10部 (BYK−P104、固形分約50%、BYKケミー製) ・テトラヒドロフラン 400部 ・シクロヘキサノン 120部
【0269】
【化40】
【0270】(実施例19)実施例17において、保護
層用塗工液を下記の保護層用塗工液に変更し、スプレー
塗工法によって保護層39を形成した以外は、実施例1
7と同様に感光体を作製した。 〔保護層用塗工液〕 ・ポリオルガノシロキサン成分を含むコア/シェル構造を有するグラフト共重 合体(メタブレンSX−005、三菱レイヨン(株)製) 3部 ・下記一般式(11)で表される高分子電荷輸送物質 18部 ・αアルミナ 5部 (スミコランダムAA−03、平均一次粒径:0.3μm、pH8〜9、 住友化学工業製) ・ポリカルボン酸化合物 0.10部 (BYK−P104、固形分約50%、BYKケミー製) ・テトラヒドロフラン 400部 ・シクロヘキサノン 120部 ・下記一般式(8)で表される酸化防止剤 0.15部 (サノールLS−2626、三共製)
【0271】
【化41】
【0272】(比較例1)実施例1において、電荷輸送
層用塗工液を下記の電荷輸送層塗工液に変更した以外
は、実施例1と同様に感光体を作製した。 〔電荷輸送層用塗工液〕 ・ビスフェノールZポリカーボネート 10部 (パンライトTS−2050,帝人化成製) ・下記一般式(5)で表される低分子電荷輸送物質 7部 ・テトラヒドロフラン 100部 ・1%シリコーンオイルテトラヒドロフラン溶液 1部 (シリコーンオイル:KF50−100CS,信越化学工業製)
【0273】
【化42】
【0274】(比較例2)比較例1において、電荷輸送
層用塗工液を下記の電荷輸送層塗工液に変更した以外
は、比較例1と同様に感光体を作製した。 〔電荷輸送層用塗工液〕 ・ビスフェノールZポリカーボネート 10部 (パンライトTS−2050,帝人化成製) ・下記一般式(5)で表される低分子電荷輸送物質 7部 ・テトラヒドロフラン 100部 ・1%シリコーンオイルテトラヒドロフラン溶液 1部 (シリコーンオイル:KF50−100CS,信越化学工業製) ・αアルミナ 2部 (スミコランダムAA−03、平均一次粒径:0.3μm、pH8〜9、 住友化学工業製) ・ポリカルボン酸化合物 0.05部 (BYK−P104、固形分約50%、BYKケミー製) ・下記一般式(9)で表される酸化防止剤(住友化学工業製) 0.1部
【0275】
【化43】
【0276】(比較例3)比較例1において、電荷輸送
層用塗工液を下記の電荷輸送層塗工液に変更した以外
は、比較例1と同様に感光体を作製した。 〔電荷輸送層用塗工液〕 ・ビスフェノールZポリカーボネート 10部 (パンライトTS−2050,帝人化成製) ・下記一般式(5)で表される低分子電荷輸送物質 7部 ・テトラヒドロフラン 100部 ・1%シリコーンオイルテトラヒドロフラン溶液 1部 (シリコーンオイル:KF50−100CS,信越化学工業製) ・酸化チタン 3.5部 (CR−EL、平均一次粒径:0.3μm、pH6〜7、石原産業製) ・ポリカルボン酸化合物 0.10部 (BYK−P104、固形分約50%、BYKケミー製) ・下記一般式(8)で表される酸化防止剤 0.15部 (サノールLS−2626、三共製)
【0277】
【化44】
【0278】(比較例4)実施例10において、保護層
用塗工液を下記の保護層用塗工液に変更した以外は、実
施例10と同様に感光体を作製した。 〔保護層用塗工液〕 ・ビスフェノールZポリカーボネート 10部 (パンライトTS−2050,帝人化成製) ・下記一般式(5)で表される低分子電荷輸送物質 7部 ・テトラヒドロフラン 160部
【0279】
【化45】
【0280】(比較例5)比較例4において、保護層用
塗工液を下記の保護層用塗工液に変更し、スプレー塗工
法によって保護層39を形成した以外は、比較例4と同
様に感光体を作製した。 〔保護層用塗工液〕 ・ビスフェノールZポリカーボネート 10部 (パンライトTS−2050,帝人化成製) ・下記一般式(5)で表される低分子電荷輸送物質 7部 ・αアルミナ 3部 (スミコランダムAA−03、平均一次粒径:0.3μm、pH8〜9、 住友化学工業製) ・ポリカルボン酸化合物 0.06部 (BYK−P104、固形分約50%、BYKケミー製) ・テトラヒドロフラン 350部 ・シクロヘキサノン 100部 ・下記一般式(8)で表される酸化防止剤 0.15部 (サノールLS−2626、三共製)
【0281】
【化46】
【0282】(比較例6)比較例4において、保護層用
塗工液を下記の保護層用塗工液に変更し、スプレー塗工
法によって保護層39を形成した以外は、比較例4と同
様に感光体を作製した。 〔保護層用塗工液〕 ・ビスフェノールZポリカーボネート 10部 (パンライトTS−2050,帝人化成製) ・下記一般式(5)で表される低分子電荷輸送物質 7部 ・αアルミナ 5部 (スミコランダムAA−03、平均一次粒径:0.3μm、pH8〜9、 住友化学工業製) ・ポリカルボン酸化合物 0.10部 (BYK−P104、固形分約50%、BYKケミー製) ・テトラヒドロフラン 350部 ・シクロヘキサノン 100部 ・下記一般式(8)で表される酸化防止剤 0.15部 (サノールLS−2626、三共製)
【0283】
【化47】
【0284】(比較例7)比較例4において、保護層用
塗工液を下記の保護層用塗工液に変更した以外は、比較
例4と同様に感光体を作製した。 〔保護層用塗工液〕 ・下記一般式(11)で表される高分子電荷輸送物質 18部 ・αアルミナ 3部 (スミコランダムAA−03、平均一次粒径:0.3μm、pH8〜9、 住友化学工業製) ・ポリカルボン酸化合物 0.05部 (BYK−P104、固形分約50%、BYKケミー製) ・テトラヒドロフラン 350部 ・シクロヘキサノン 100部 ・下記一般式(8)で表される酸化防止剤 0.15部 (サノールLS−2626、三共製)
【0285】
【化48】
【0286】(比較例8)比較例4において、保護層用
塗工液を下記の保護層用塗工液に変更した以外は、比較
例4と同様に感光体を作製した。 〔保護層用塗工液〕 ・下記一般式(11)で表される高分子電荷輸送物質 18部 ・αアルミナ 5部 (スミコランダムAA−03、平均一次粒径:0.3μm、pH8〜9、 住友化学工業製) ・ポリカルボン酸化合物 0.10部 (BYK−P104、固形分約50%、BYKケミー製) ・テトラヒドロフラン 350部 ・シクロヘキサノン 100部 ・下記一般式(8)で表される酸化防止剤 0.15部 (サノールLS−2626、三共製)
【0287】
【化49】
【0288】(比較例9)比較例4において、保護層用
塗工液を下記の保護層用塗工液に変更し、スプレー塗工
法によって保護層39を形成した以外は、比較例4と同
様に感光体を作製した。 〔保護層用塗工液〕 ・ビスフェノールZポリカーボネート 10部 (パンライトTS−2050,帝人化成製) ・下記一般式(5)で表される低分子電荷輸送物質 7部 ・αアルミナ 3部 (スミコランダムAA−03、平均一次粒径:0.3μm、pH8〜9、 住友化学工業製) ・ポリカルボン酸化合物 0.10部 (BYK−P104、固形分約50%、BYKケミー製) ・球形シリコーン微粒子 2部 (平均一次粒径約0.5μm、「トスパール105」東芝シリコーン製) ・テトラヒドロフラン 350部 ・シクロヘキサノン 100部 ・下記一般式(8)で表される酸化防止剤 0.15部 (サノールLS−2626、三共製)
【0289】
【化50】
【0290】以上のようにして作製した感光体を、電子
写真プロセス用カートリッジ(クリーニング前露光手段
がないもの)に装着した。このプロセスカートリッジ
を、帯電手段が帯電ローラーで、画像露光光源が655
nmの半導体レーザーを採用した株式会社リコー製、商
品名imagioMF2200の改造機にセットした。
また、帯電ローラーの両端部(非画像形成領域)は、5
0μm厚のテフロン(登録商標)テープを巻き付け固定
し、感光体に対し帯電部材を近接配置させた。
【0291】そして、以下のような評価を行った。 (1)25℃50%RH環境下で、初期状態(一回の画
像形成後)における画像評価。 (2)30℃90%RH環境下で、初期状態における画
像評価。 (3)25℃50%RH環境下で、6万枚の印刷を行っ
た後における画像評価と、感光体の摩耗量の測定。な
お、画像形成は、帯電ローラーにAC(1kHz,1.
8kV(peak to peak))+DC(−750V)を印加
して行った。摩耗量は、初期状態との差を測定した。 (4)30℃90%RH環境下で、(3)と同様に6万
枚の印刷を行った後の画像評価と、感光体の摩耗量の測
定。画像評価は、以下の基準で目視により行った。 ◎:画質低下が認められず良好なレベル ○:画質低下が認められるが問題のないレベル △:明らかに画質低下が確認できるレベル ×:画質低下が顕著で画像判別が困難なレベル 結果を表1に示す。
【0292】
【表1】
【0293】表1から明らかなように、従来の感光体に
おいて、オゾンやNOxの発生量が比較的少ない帯電ロ
ーラーを用いても、初期状態では良好な画像が得られた
が、高温高湿環境下において繰り返し使用した場合には
画質劣化が確認された。また、フィラーを含まない感光
体は、摩耗による膜厚変動量が大きく、地汚れの発生が
確認された。フィラーを含有された感光体は、画像ボケ
が発生した。フィラーの含有量が多いほど異常画像が発
生しやすくなることが確認された。
【0294】一方、上記グラフト共重合体を最表面層に
含有された感光体は、フィラーを含まない場合には、従
来に比べて摩耗量が低減されたことが確認された。ま
た、6万枚の印刷後においても地汚れの発生が認められ
なかった。フィラーを含有された感光体は、良好な画像
を初期状態でも6万枚の印刷後でも形成できることが分
かった。また、フィラーの添加量を増加させても良好な
画像が得られることが分かった。
【0295】以上、この発明の好適な実施の形態を説明
したが、上述の実施の形態はこの発明の説明のための例
示であって、この実施形態のみにこの発明の範囲を限定
する趣旨ではない。当業者は、この発明の要旨を逸脱す
ることなく、種々の変形、改良、修正、簡略化などを上
記実施形態に加えた種々の他の形態でもこの発明を実施
することができる。
【0296】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、感光体の最表面層にポリオルガノシロキサン
成分を含むコア/シェル構造を有するグラフト共重合体
が含有され、かつ、帯電部材が感光体に対して近接配置
されているため、オゾンやNOxガスの発生量が極めて
少なく、感光体の表面エネルギーや摩擦係数が極めて低
く、これらの特徴が長期に渡って安定に維持できるよう
になった。これにより、例えば、異常画像の発生確率を
極めて低くできるようになる。つまり、オゾンなどの発
生を抑えることと帯電生成物が感光体へ付着防止を両立
し、かつ、この効果を持続させることができるようにな
った。
【0297】また、最表面層にフィラーを含有させて耐
摩耗性が高められた感光体でも異常画像の発生確率を長
期に渡って極めて低くできるようになった。これは、表
面エネルギーの低減効果の持続性を著しく高めることが
できるようになったことと、帯電部材を感光体に対して
非接触としたために得られた効果である。つまり、従来
のように、帯電生成物が感光体に付着することで、特に
高温高湿下で異常画像の発生確率が極めて高くなってい
た問題を解決した。すなわち、電子写真装置の高耐久化
及び高画質化が実現された。また、最表面層にフィラー
が含有されていなくても、感光体の耐摩耗性を高くでき
るようになった。
【0298】また、感光体のクリーニング性や転写効率
の向上でき、フィルミングや異物付着による異常画像が
発生してしまうことを抑制でき、放電破壊を抑制でき、
耐摩耗性を向上でき、偏摩耗を抑制できるなど、高耐久
性と高画質性を備えた電子写真装置を提供できるように
なった。また、このような効果が繰り返し使用後におい
ても持続できるようになった。
【0299】また、フィラーに塩基性の金属酸化物を用
いたり、フィラーに表面処理を施したり、感光体の最表
面層に高分子電荷輸送物質を含有させたり、酸化防止剤
等を添加することで、異常画像の発生確率をより低くす
る(異常画像/画像ボケの影響に対しさらなる余裕度を
付与する)ことができるようになった。
【0300】また、最表面層にカルボン酸化合物を含有
すれば、感光体の静電特性の安定性を高めることが可能
となり、極めて良好な高耐久性及び高画質性が実現でき
た。
【0301】以上のように、本発明による電子写真装置
は、ドラムヒーター等の除湿装置を必要とせずに異常画
像の発生を抑制可能となったため、小型化や消費電力を
低減することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子写真用感光体の層構成例を示
す断面図である。
【図2】本発明による電子写真感光体の他の層構成例を
示す断面図である。
【図3】本発明による電子写真感光体の他の層構成例を
示す断面図である。
【図4】本発明による電子写真感光体の他の層構成例を
示す断面図である。
【図5】本発明による電子写真感光体の他の層構成例を
示す断面図である。
【図6】本発明による電子写真プロセスカートリッジお
よび電子写真装置を示す概略図である。
【図7】本発明による帯電手段と電子写真感光体の位置
関係を説明するための図である。
【図8】本発明によるプロセスカートリッジの一構成例
を示す概略図である。
【図9】オキシチタニウムフタロシアニンのXDスペク
トルを示す。
【符号の説明】
1 感光体 2 除電ランプ 3 帯電ローラ 5 画像露光部 6 現像ユニット 7 転写前チャージャ 8 レジストローラ 9 転写紙 10 転写チャージャ 11 分離チャージャ 12 分離爪 13 クリーニング前チャージャ 14 ファーブラシ 15 クリーニングブラシ 31 導電性支持体 33 感光層 35 電荷発生層 37 電荷輸送層 39 保護層 101 感光体ドラム 102 帯電装置 103 露光装置 104 現像装置 105 転写体 106 転写装置 107 クリーニングブレード
フロントページの続き (72)発明者 李 洪国 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H068 AA04 AA06 AA14 AA16 BA05 BB07 BB08 BB33 BB61 BB65 CA33 EA07 FC01 2H200 FA09 GA16 GA23 GA24 GA34 GA45 GA46 GB02 GB03 GB12 GB13 GB14 HA14 HB12 HB22 HB48 JA02 JA08 JA09 KA02 KA14 KA20 NA06

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体の周囲に少なくとも帯電
    手段、露光手段、現像手段及び転写手段が具備された電
    子写真装置において、 前記電子写真感光体は、最表面層にポリオルガノシロキ
    サン成分を含むコア/シェル構造を有するグラフト共重
    合体が含有され、 前記帯電手段は、前記電子写真感光体に対し近接配置さ
    れたことを特徴とする電子写真装置。
  2. 【請求項2】 前記グラフト共重合体は、ポリオルガノ
    シロキサンとポリアルキルアクリレートゴム及び/又は
    ポリアルキルメタアクリレートゴムを有する複合ゴムに
    ビニル系単量体がグラフト重合されたグラフト複合ゴム
    系共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の電
    子写真装置。
  3. 【請求項3】 前記グラフト共重合体は、ポリオルガノ
    シロキサン成分が他の成分より多く含有されたものであ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真装
    置。
  4. 【請求項4】 前記グラフト共重合体は、平均粒径が
    0.05μm〜5.0μmの範囲内にあることを特徴と
    する請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真装
    置。
  5. 【請求項5】 前記グラフト共重合体は、最表面層に含
    有される全固形分の1〜40重量%含有されたことを特
    徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写
    真装置。
  6. 【請求項6】 前記最表面層には、前記グラフト共重合
    体とバインダー樹脂とが溶融混練された混練物が含有さ
    れたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に
    記載の電子写真装置。
  7. 【請求項7】 前記帯電手段が帯電ローラーであること
    を特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電
    子写真装置。
  8. 【請求項8】 前記帯電ローラーは、直流成分に交流成
    分を重畳した電圧により電子写真感光体を帯電すること
    を特徴とする請求項7に記載の電子写真装置。
  9. 【請求項9】 前記帯電ローラーと電子写真感光体の画
    像形成領域におけるギャップは0μmを超えて200μ
    m以下であることを特徴とする請求項7又は8に記載の
    電子写真装置。
  10. 【請求項10】 前記最表面層はフィラーが含有された
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載
    の電子写真装置。
  11. 【請求項11】 前記フィラーは金属酸化物であること
    を特徴とする請求項10に記載の電子写真装置。
  12. 【請求項12】 前記金属酸化物は、等電点におけるp
    Hが5以上であることを特徴とする請求項11に記載の
    電子写真装置。
  13. 【請求項13】 前記金属酸化物は表面処理されている
    ことを特徴とする請求項11又は12に記載の電子写真
    装置。
  14. 【請求項14】 前記フィラーは、平均一次粒径が0.
    01μm〜0.9μmの範囲内にあることを特徴とする
    請求項10から13のいずれか1項に記載の電子写真装
    置。
  15. 【請求項15】 前記最表面層は、カルボン酸化合物が
    含有されたことを特徴とする請求項1から14のいずれ
    か1項に記載の電子写真装置。
  16. 【請求項16】 前記カルボン酸化合物はポリカルボン
    酸化合物であることを特徴とする請求項15に記載の電
    子写真装置。
  17. 【請求項17】 前記最表面層は、高分子電荷輸送物質
    が含有されたことを特徴とする請求項1から16のいず
    れか1項に記載の電子写真装置。
  18. 【請求項18】 前記最表面層は、酸化防止剤が含有さ
    れたことを特徴とする請求項1から17のいずれか1項
    に記載の電子写真装置。
  19. 【請求項19】 前記酸化防止剤は、ヒンダードアミン
    構造及びヒンダードフェノール構造を有することを特徴
    とする請求項18に記載の電子写真装置。
  20. 【請求項20】 少なくとも帯電手段及び電子写真感光
    体が、電子写真装置本体に対し着脱可能なプロセスカー
    トリッジに設けられたことを特徴とする請求項1から1
    9のいずれか1項に記載の電子写真装置。
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