JP4696951B2 - 電子写真用感光体 - Google Patents

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Description

本発明は電子写真用感光体(以下、単に「感光体」とも称する)に関し、詳しくは、電子写真方式のプリンター、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置に用いられる電子写真用感光体に関する。
電子写真用感光体は、導電性基体上に感光層を設けた構成を基本構造とする。かかる電子写真用感光体としては、近年、有機光導電物質を用いた有機電子写真用感光体が、無公害、低コスト、材料選択の自由度の増大により感光体特性を様々に設計できるなどの観点から、数多く提案され、実用化されてきている。
有機感光体の感光層は、主として有機光導電物質を樹脂に分散した層からなり、電荷発生物質を樹脂に分散させた層(電荷発生層)と電荷輸送物質を樹脂に分散させた層(電荷輸送層)とを積層させた構造や、電荷発生物質および電荷輸送物質を樹脂に分散させた単層構造等が数多く提案されている。
一般に、電子写真用感光体には、運用される電子写真プロセスにおいて所要の感度、電気特性および光学特性を備えていることが要求されるが、さらに、繰り返し使用される感光体にあっては、感光体の最外層、即ち、導電性基体から最も離隔した層に対し、コロナ帯電やトナー現像、紙への転写、クリーニング処理などの電気的、機械的外力が直接に加えられることから、それらに対する耐久性が要求される。具体的には、他部材との摺擦による表面の摩耗やキズの発生、また、コロナ帯電時に発生するオゾンによる表面の劣化などに対する耐久性が要求されている。特に、電子写真用感光体の寿命は表面の摩耗によるところが大きいため、表面の膜削れを抑制することが求められる。また一方、トナー現像やクリーニングの繰り返しによる感光体表面へのトナー付着(フィルミング)という問題もある。フィルミングが発生するとその部分が画像欠陥となるため、これも防止すべき問題である。フィルミングを防止するためには、感光体表面のクリーニング性を向上することが必要となる。
これに対し、感光体の表面の層に潤滑性成分を添加して、表面の潤滑性を良くするとともに、表面へのトナーの付着力を小さくして、トナーの付着を防止し、フィルミングを抑える試みが行われている。しかし、液状潤滑剤を用いた場合は繰り返し使用による効果の持続性が悪く、また、固形潤滑剤の場合には、塗布液の分散性や安定性に問題があった。
感光体の表面性の改良に係る技術としては、例えば、特許文献1に、繰り返し使用時の耐摩耗性に優れ、同時に感光体表面エネルギーの低減が可能で、トナーフィルミング・地汚れなどが防止された感光体を実現するために、感光層に、所定のシリコーンオイルを所定量添加した電子写真用感光体が記載されている。しかし、この技術では、シリコーンオイルを感光層に分散させることで表面の潤滑性は得られるものの、シリコーンオイルが感光体表面に偏析するために、繰り返し使用時における潤滑性の維持は困難であり、その耐久性は十分なものではなかった。
一方、電子写真用感光体にマイクロカプセルの技術を適用することは公知である。マイクロカプセルとは、マイクロメートルオーダーの大きさの微小カプセルであり、かかるマイクロカプセルを用いた感光体に係る技術としては、例えば、特許文献2に、感度を損なうことなく耐久性、耐オゾン性および耐湿性を向上させるために、フタロシアニン系光導電性材料粉末と増感剤とを樹脂でマイクロカプセル化したものを光導電層に添加した電子写真材料が記載されている。
また、特許文献3には、カラートナーを含有させた感光性マイクロカプセルを用いてカラー画像を形成するに当たり、各感光性マイクロカプセルに異なる量の光散乱物を付着させて感度を制御することで、原稿画像に忠実な色再現性のある画像を得ることができる旨の記載がある。さらに、特許文献4には、感光体の最表層に、摩耗防止材を所定の樹脂で処理して、好ましくはマイクロカプセル状態にしたものを含有させることで、感光体表面の耐摩耗性を向上するとともに、残留電位を低くすることができる旨の記載がある。
さらにまた、特許文献5には、一成分現像剤(トナー)を担持する現像剤担持体において、その表面に、結着樹脂と、離型剤を芯物質として含有する離型剤含有カプセル粒子とから構成された薄膜を形成することで、現像剤担持体表面の被膜の耐摩耗性を向上させ、表面粗度及びトナーへの帯電付与性が安定で、トナーの過剰帯電や現像剤担持体及び感光体ドラム上への融着が発生しにくく、画像濃度低下の起りにくい現像剤担持体が実現できる旨の記載がある。
特開平10−171135号公報(特許請求の範囲等) 特開昭60−256149号公報(特許請求の範囲等) 特開平6−3848号公報(特許請求の範囲等) 特開2001−290295号公報(特許請求の範囲等) 特開平8−305171号公報(特許請求の範囲等)
上述のように、感光体の表面性の改良に関しては種々検討されてきているが、十分なものではなく、より耐摩耗性に優れ、かつ、フィルミングの問題を生ずることのない感光体を実現することが求められていた。
そこで本発明の目的は、上記従来技術における問題点を解消することにより、潤滑性に優れるとともに、削れにくく、かつ、傷が付きにくい表面を有し、さらにはフィルミング等による画像欠陥の発生を防止することができ、トナー離れの良好な高耐久性の電子写真用感光体を提供することにある。
発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、感光体の最外層に、潤滑性オイルを内包するマイクロカプセルを分散させて特定の接触角を有する表面層を得ることにより、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の電子写真用感光体は、導電性基体上に、少なくとも感光層を有する電子写真用感光体において、最外層に、潤滑性オイルを含浸させた無機多孔質粒子からなるマイクロカプセルを含有させ、更にその表面の水との接触角を85度以上とすることを特徴とするものである。
ここで、本発明において最外層とは、導電性基体から最も離隔した、感光体の外表面を構成する層を意味する。また、感光層とは、電荷発生層と電荷輸送層とが積層されてなる積層型、あるいは、電荷発生物質と電子輸送物質とを含む単層型の双方を含むものである。さらに、マイクロカプセルとは、直径0.01ミクロンから5ミクロンで中空またはシリコンオイルを含有、吸着または含浸されているものである。
上記のように、本発明においては、感光体の最外層にマイクロカプセルを用いている。従来のように、一般的な液状の潤滑性オイルを層中に添加するだけでは、潤滑性オイルが表面に偏析してしまうため、初期は潤滑性が良いものの、繰り返し使用により表面が削れると潤滑性オイルがなくなり、潤滑性を保つことができなくなるが、本発明に係るマイクロカプセルを添加した場合、感光体の最外層の表面のみならず内部までマイクロカプセルを分散させることができるため、繰り返し使用時においても、潤滑性を安定的に維持することが可能となる。また、耐摩耗性を向上して表面の削れを少なくすることができ、感光体の高寿命化にも寄与できる。さらに、水との接触角、すなわち表面エネルギーを特定の範囲にするため、感光体表面へのトナーの付着防止も図ることができる。さらにまた、フィルミングの発生を防止することもでき、感光体の表面性改良に極めて有効であると言える。
なお、前述のように、マイクロカプセル技術の電子写真用感光体への適用に関しては、これまで多種多様な活用方法が検討されてきているが、マイクロカプセル含有層の物性については、これまで知られておらず、本発明により初めて見出されたものである。
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1(a)〜(e)は、本発明の感光体の構成例を示す概念的断面図であり、符号1は導電性基体、2は下引き層、3は電荷発生層、4は電荷輸送層、5は表面保護層、6は単層型の感光層をそれぞれ表わしている。前述したように、感光体の感光層は、電荷発生層3と電荷輸送層4とに分離した機能分離型(積層型)(図1(a)〜(c))と、電荷発生物質と電荷輸送物質とを含有する単層型(図1(d)、(e))とに大別される。図1(a)および(b)の感光層は、電荷発生層3、電荷輸送層4の順に積層された負帯電タイプであり、図1(c)の感光層はこれらとは逆に電荷輸送層4、電荷発生層3の順に積層された正帯電タイプであり、また、図1(d)および(e)の感光層6は、単層型の主として正帯電タイプである。
本発明においては、感光体の最外層が、マイクロカプセルを含有する点が重要となる。従って例えば、図1(a)に示す層構成の場合は電荷輸送層4に、図1(b)、(c)、(e)に示す層構成の場合は表面保護層5に、図1(d)に示す層構成の場合は単層型の感光層6に、それぞれ本発明に係る潤滑性オイルを内包したマイクロカプセルを含有させる。
本発明に係るマイクロカプセルの材料としては、無機質または有機質のいずれであってもよい。無機質のマイクロカプセルの具体例としては、無機多孔質粒子からなるものを好適に挙げることができ、特には、中空状の無機多孔質粒子が好適である。これは、中空状の無機多孔質粒子の方が、オイルを含有させる場合、より多く内包できるためである。また、無機多孔質粒子としては、多孔質シリカ粒子が好ましく用いられる。このような無機多孔質粒子からなるマイクロカプセルに潤滑性オイルを内包させる方法としては、例えば、和信化学工業(株)や鈴木油脂工業(株)などから入手可能な市販の多孔質シリカ粒子に、潤滑性オイルを攪拌しながら含浸させる方法が好ましい。
また、有機質のマイクロカプセルの具体例としては、有機高分子材料からなるものを好適に挙げることができ、かかる有機高分子材料としては、例えば、メラミン樹脂、ポリスチレン樹脂などが好適である。このような有機高分子材料からなるマイクロカプセルに潤滑性オイルを内包させる方法としては、公知の種々の方法を用いることができ、例えば、界面重合法、in situ重合法、液中硬化法、相分離法、液中乾燥法などが挙げられる。
マイクロカプセルの粒径としては、含有させる最外層の厚みにもよるが、例えば、0.1〜10μm程度のものを用いることができ、好適には0.3〜5μm程度である。粒径が大きすぎると、含有させる層が薄い場合に層表面から突出して、表面性を損なうおそれがある。一方、粒径が小さすぎると、所望の潤滑性を得るためには添加量を増やす必要が生ずるため、効率が悪くなる。
また、本発明に用いるオイルとしては、特に制限されるものではないが、シリコーンオイルおよびフッ素オイルが好適である。具体的には、シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイルやメチルフェニルシリコーンオイル、フッ素オイルとしては、フルオロエーテル系オイルが好ましく用いられる。
ここで、マイクロカプセルに内包される潤滑性オイルが、最外層を形成する際の塗布液に用いられる溶剤に溶解するものである場合、マイクロカプセル化されているとは言っても、潤滑性オイルが完全に被覆されていない部分が存在し、その潤滑性オイルが溶剤に溶解すると、最外層を塗布、乾燥する際に潤滑性オイルが表面に偏析して、本発明の効果を減ずることになる。そのため、潤滑性オイルは、最外層形成用の塗布液に溶解しないものが好ましい。特に、最外層形成用の塗布液に用いられる塩素系、ケトン系、アルコール系、エーテル系、芳香族系の各溶剤に溶解しないものが好ましい。具体的には、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタンなどに溶解しないものが好ましい。従って例えば、シリコーンオイルやフッ素オイルを好ましく用いることができ、特にフッ素オイルは溶解する溶剤がほとんどないため、有効である。
以下、各層の具体的構成につき、詳細に説明する。
導電性基体1は、感光体の電極としての役目と同時に他の各層の支持体となっており、円筒状、板状、フィルム状のいずれでもよく、材質的にはアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルなどの金属、あるいはガラス、樹脂などの上に導電処理を施したものでもよい。
下引き層2は、樹脂を主成分とする層やアルマイト等の酸化皮膜等からなり、導電性基体から感光層への不要な電荷の注入防止、基体表面の欠陥被覆、感光層の接着性の向上等の目的で必要に応じて設けられる。樹脂を主成分とする下引き層2に用いる樹脂バインダとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリブチラール樹脂、ポリアミド樹脂およびこれらの共重合体などを適宜組み合わせて使用することが可能である。また、樹脂バインダ中に金属酸化物微粒子等を含有させてもよい。金属酸化物微粒子としては、例えば、SiO、TiO、In、ZrO等を用いることが可能である。
下引き層2の膜厚は、下引き層2の配合組成にも依存するが、繰り返し連続使用したとき残留電位が増大するなどの悪影響が出ない範囲で任意に設定することができる。また、図1(a)、(b)に示す層構成において下引き層2を設けないことも可能である。
電荷発生層3は、有機光導電性物質を真空蒸着するか、または、有機光導電性物質の粒子を樹脂バインダ中に分散させた材料を塗布して形成され、光を受容して電荷を発生する。また、その電荷発生効率が高いことと同時に発生した電荷の電荷輸送層4への注入性が重要で、電場依存性が少なく低電場でも注入の良いことが望ましい。
電荷発生層3は電荷発生機能を有すればよいので、その膜厚は電荷発生物質の光吸収係数より決まり、一般的には5μm以下であり、好適には1μm以下である。電荷発生層3は電荷発生物質を主体としてこれに電荷輸送物質などを添加して使用することも可能である。電荷発生物質としては、フタロシアニン系顔料、アゾ顔料、アントアントロン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、スクアリリウム顔料、チアピリリウム顔料、キナクリドン顔料等を用いることができ、またこれらの顔料を適宜組み合わせて用いてもよい。特に、フタロシアニン系顔料としては、無金属フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニンが好ましく、更には、X型無金属フタロシアニン、τ型無金属フタロシアニン、ε型銅フタロシアニン、β型チタニルフタロシアニン、Y型チタニルフタロシアニン、特開2004−2874に記載のCuKα:X線回折スペクトルにてブラッグ角2θが9.6°を最大ピークとするチタニルフタロシアニンが好ましい。
電荷発生層3に用いる樹脂バインダとしては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリブチラール樹脂、塩化ビニル系共重合体、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、メタクリル酸エステル樹脂およびこれらの共重合体などを適宜組み合わせて使用することが可能である。
電荷輸送層4は、樹脂バインダ中に電荷輸送物質を分散させた材料からなる塗膜であり、暗所では絶縁体層として感光体の電荷を保持し、光受容時には電荷発生層から注入される電荷を輸送する機能を発揮する。
電荷輸送物質としては、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、ピラゾロン化合物、オキサジアゾール化合物、オキサゾール化合物、アリールアミン化合物、ベンジジン化合物、スチルベン化合物、スチリル化合物やポリビニルカルバゾールなどの電荷輸送性ポリマー等を使用することが可能である。
また、電荷輸送層4に用いる樹脂バインダとしては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル酸エステルの重合体および共重合体などを適宜組み合わせて使用することが可能である。
電荷輸送層4の膜厚は、実用的に有効な表面電位を維持するためには3〜50μmの範囲が好ましく、より好適には10〜40μmである。
本発明において、電荷輸送層4が最外層となる場合には、繰返し使用後の潤滑性を維持するために、電荷輸送層4に、本発明に係る潤滑性オイルを内包したマイクロカプセルを含有させることが必要である。この場合のマイクロカプセルの含有量としては、電荷輸送層の固形分の0.1〜50重量%程度とすることができ、好ましくは1〜20重量%程度である。含有量が少なすぎると十分な潤滑性向上効果が得られず、一方、多すぎると電荷輸送層本来の性能を損なうおそれがある。
単層型の感光層6は、樹脂バインダ中に電荷発生物質と電荷輸送物質とを分散させた材料からなる塗膜であり、上記電荷発生層3および電荷輸送層4に用いられる材料を同様に用いることが可能である。膜厚は、実用的に有効な表面電位を維持するためには3〜50μmの範囲が好ましく、より好適には10〜40μmである。
積層型の電荷輸送層4および単層型の感光層6中には、感度の向上や残留電位の減少、あるいは繰り返し使用時の特性変動を低減する目的で、必要に応じ電子受容物質を含有することができる。電子受容物質としては、無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水琥珀酸、無水フタル酸、3−ニトロ無水フタル酸、4−ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、フタルイミド、4−ニトロフタルイミド、テトラシアノエチレン、テトラシアノシノジメタン、クロラニル、ブロマニル、ο−ニトロ安息香酸などの電子親和力の大きな化合物を挙げることができる。
また、電荷輸送層4および感光層6中には、耐環境性や有害な光に対する安定性を向上させる目的で、酸化防止剤や光安定剤などの劣化防止剤を含有させることもできる。このような目的に用いられる化合物としては、トコフェロールなどのクロマノール誘導体およびエーテル化化合物、エステル化化合物、ポリアリールアルカン化合物、ハイドロキノン誘導体、ジエーテル化化合物、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、チオエーテル化合物、フェニレンジアミン誘導体、ホスホン酸エステル、亜リン酸エステル、フェノール化合物、ヒンダードフェノール化合物、直鎖アミン化合物、環状アミン化合物、ヒンダードアミン化合物等が挙げられる。
また、電荷輸送層4および感光層6中には、形成した膜のレベリング性の向上を目的として、シリコーンオイルやフッ素系オイル等のレベリング剤を含有させることもできる。
さらに、感光層6が最外層となる場合には、繰返し使用後の潤滑性を維持するために、感光層6に、本発明に係るマイクロカプセルを含有させる。この場合のマイクロカプセルの含有量としては、感光層6の固形分の0.1〜50重量%程度とすることができ、好ましくは1〜20重量%程度である。含有量が少なすぎると十分な潤滑性向上効果が得られず、一方、多すぎると感光層本来の性能を損なうおそれがある。
表面保護層5は一般に、潤滑性に優れ、機械的ストレスに対する耐久性に優れ、さらに化学的に安定な物質で構成され、暗所ではコロナ放電の電荷を受容して保持する機能を有しており、かつ電荷発生層3が感応する光を透過する性能を有し、露光時に光を透過し、電荷発生層3に到達させ、発生した電荷の注入を受けて表面電荷を中和消滅させることが必要である。また、使用される材料は前述の通り、電荷発生物質の光の吸収極大の波長領域においてできるだけ透明であることが望ましい。表面保護層5の膜厚は、繰り返し連続使用したとき残留電位が増大するなどの悪影響が出ない範囲で任意に設定することができるが、例えば、0.1〜10μm程度であり、好適には1〜8μmの範囲内とする。
表面保護層5は、図1(b)、(c)および(e)に示すような形で設けることができ、本発明においては必須ではないが、設けられている場合には必ず最外層となる。従って、表面保護層5の材料としては、繰返し使用後の潤滑性を維持するために、本発明に係るマイクロカプセルを含有する材料を用いることが必要である。
表面保護層5の材料構成としては、マイクロカプセルの他に樹脂バインダを用いることが必須であり、所望に応じさらに、補強フィラーおよび導電性調整剤のうちのいずれか一方または双方を含有する。
表面保護層5の樹脂バインダとしては硬化性樹脂が好適であり、特に、熱硬化性樹脂および光硬化性樹脂が有効である。具体的には例えば、エポキシ樹脂、シアナート樹脂などの熱硬化性樹脂を挙げることができる。特には、塗布液の希釈溶剤として、メタノールなどのアルコール系の溶剤を使用できる樹脂が有効である。
本発明に用いられる補強フィラーの具体例としては、無機繊維(ウィスカ)、有機繊維、架橋アクリル樹脂微粒子、架橋ポリスチレン微粒子、高分子量ポリエチレン微粒子、ポリイミド微粒子またはメチルシリコーン樹脂微粒子などが有効であるが、これらに限定されるものではない。これらの補強フィラーを樹脂バインダ中に分散させることにより、表面保護層5の強度、硬度および強靭性を向上させて、また、表面の摩擦係数も減少させることができる。
また、本発明において表面保護層5中に添加する導電性調整剤としては、金属酸化物微粒子、金属微粒子、導電性物質をコートしたポリマー微粒子、あるいは、電荷輸送物質などを用いることができる。
さらに、表面保護層5中のマイクロカプセルの含有量としては、表面保護層5の固形分の0.1〜50重量%程度とすることができ、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは5〜15重量%程度である。含有量が少なすぎると十分な潤滑性向上効果が得られず、一方、多すぎると表面保護層本来の性能を損なうおそれがある。
そして、本発明においては、最外層の純水との接触角が85度以上であることが必須である。接触角が85度よりも小さいと、感光体表面とトナー、ブレードとの親和力が増加し、フィルミング等の問題を発生することが認められている。
(接触角の測定方法)
本発明に係る接触角は、液体を固体表面に滴下すると液滴(水滴)を形成することを利用し、測定される。図4は、固体表面16上の液滴17を模式的に表した断面図である。液滴の接線と固体表面とのなす角を「接触角」と称し、符号θと表す。
以下の実施例では、協和界面科学(株)製の接触角計(商品名 DROP MASTER 700)を用いて接触角を測定した。作製した電子写真用感光体を約20mm角に切り出したサンプルに純水を滴下し、5箇所で接触角測定を行い、その平均値をその組成の接触角とした。純水の滴下量は約10mgである。なお、この場合、固体表面、すなわち感光体の最外層の表面と純水との接触角が対象となるので、接触角は最外層の膜厚には依存せず、膜を形成する材料組成に特有の数値を示す。この理由から、最外層の膜厚が異なる場合であっても組成が同じ場合には、代表的なサンプルについてのみ測定を行い、組成が同じ最外層の接触角は同一とすればよい。
次に、本発明の電子写真用感光体の実施例について説明する。尚、以下において「部」とは、「重量部」を表すものとする。
(マイクロカプセルの調製)
(調製例1)
和信化学工業(株)製の和信マイクロカプセル(中空状の多孔質シリカ粒子、粒径φ2〜5μm)に、和信化学工業(株)において各種潤滑性オイルを含浸させたものを用意した。潤滑性オイルとしてTSF451(ジメチルシリコーンオイル、GE東芝シリコーン(株)製)を用いたものをマイクロカプセルAとし、J25 FLUID(フルオロエーテル系オイル、NOK(株)製)を用いたものをマイクロカプセルBとした。
(調製例2)
(株)日本マクセルプロダクツ社において製造された、各種潤滑性オイルを内包したマイクロカプセルを用意した。このマイクロカプセルの材質はメラミン樹脂であり、粒径は3〜5μmであった。潤滑性オイルとしてTSF451(ジメチルシリコーンオイル、GE東芝シリコーン(株)製)を用いたものをマイクロカプセルCとし、J25 FLUID(フルオロエーテル系オイル、NOK(株)製)を用いたものをマイクロカプセルDとした。
(調製例3)
JSR(株)製のSX866(A)(中空状の粒状架橋ポリスチレン、粒径φ0.3μm)に、各種潤滑性オイルを含浸させたものを用意した。潤滑性オイルとしてTSF451(ジメチルシリコーンオイル、GE東芝シリコーン(株)製)を用いたものをマイクロカプセルEとし、J25 FLUID(フルオロエーテル系オイル、NOK(株)製)を用いたものをマイクロカプセルFとした。
(実施例1)
以下の手順に従い、電気特性評価用として、ドラム感光体(30mmφ)を作製した。
まず、アルミニウム素管上に、以下の組成の下引き層分散液を浸漬塗工し、100℃で30分乾燥して、溶剤を除去して膜厚3μmの下引き層を形成した。
(下引き層分散液組成)
樹脂バインダ:アルコール可溶性ナイロン(CM8000、東レ(株)製) 5部
添加物:アミノシラン処理された酸化チタン微粒子 5部
溶剤:メタノール/塩化メチレン混合溶剤(6/4(v/v)) 90部
次に、以下の組成の電荷発生層分散液を浸漬塗工し、100℃で30分乾燥して、溶剤を除去して膜厚0.7μmの電荷発生層を形成した。
(電荷発生層分散液組成)
電荷発生物質:α型チタニルフタロシアニン 11部
樹脂バインダ:ポリビニルブチラール樹脂 1部
溶剤:塩化メチレン 98部
次に、以下の組成の電荷輸送層溶液を浸漬塗工し、100℃で30分乾燥して、溶剤を除去して膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
(電荷輸送層溶液組成)
電荷輸送物質:ヒドラゾン化合物(CTC191、高砂香料(株)製) 9部
電荷輸送物質:ブタジエン化合物(T405、高砂香料(株)製) 1部
樹脂バインダ:ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(商品名 パンライトTS2050、帝人化成(株)製) 10部
溶剤:塩化メチレン 90部
次に、以下の組成の表面保護層溶液を浸漬塗工し、80℃で30分、さらに、110℃で1時間乾燥して、溶剤を除去して膜厚3μmの表面保護層を形成した。
(表面保護層分散液組成)
樹脂バインダ:エポキシ樹脂/アルコキシシラン系ハイブリッド材料(商品名 コンポセランE102、荒川化学(株)製) 75部
硬化剤:酸無水物(商品名 リカシッドMH−700、新日本理化(株)製) 9部
促進剤:オクチル酸スズ 0.8部
促進剤:DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン) 0.4部
潤滑性オイルを内包するマイクロカプセル:マイクロカプセルA(調製例1) 20部
導電性調整剤:酸化スズ(NanoTek Powder SnO、シーアイ化成(株)製) 20部
溶剤:メタノール 100部
溶剤:メチルエチルケトン 50部
以上のようにして電子写真用感光体を作製した。表面保護層の表面と純水との接触角は85度であった。
参考例1
表面保護層溶液を以下の組成にした以外は実施例1と同様にして、電子写真用感光体を作製した。表面保護層の表面と純水との接触角は95度であった。
(表面保護層分散液組成)
樹脂バインダ:エポキシ樹脂/アルコキシシラン系ハイブリッド材料(商品名 コンポセランE102:荒川化学(株)製) 75部
硬化剤:酸無水物(商品名 リカシッドMH−700) 9部
促進剤:オクチル酸スズ 0.8部
促進剤:DBU 0.4部
潤滑性オイルを内包するマイクロカプセル:マイクロカプセルC(調製例2) 20部
導電性調整剤:酸化スズ(NanoTek Powder SnO、シーアイ化成(株)製) 20部
溶剤:メタノール 100部
溶剤:メチルエチルケトン 50部
参考例2
表面保護層溶液を以下の組成にした以外は実施例1と同様にして、電子写真用感光体を作製した。表面保護層の表面と純水との接触角は105度であった。
(表面保護層分散液組成)
樹脂バインダ:エポキシ樹脂/アルコキシシラン系ハイブリッド材料(商品名 コンポセランE102:荒川化学(株)製) 75部
硬化剤:酸無水物(商品名 リカシッドMH−700) 9部
促進剤:オクチル酸スズ 0.8部
促進剤:DBU 0.4部
潤滑性オイルを内包したマイクロカプセル:マイクロカプセルE(調製例3) 20部
導電性調整剤:酸化スズ(NanoTek Powder SnO、シーアイ化成(株)製) 30部
溶剤:メタノール 100部
溶剤:メチルエチルケトン 50部
実施例2
表面保護層溶液を以下の組成にした以外は実施例1と同様にして、電子写真用感光体を作製した。表面保護層の表面と純水との接触角は100度であった。
(表面保護層分散液組成)
樹脂バインダ:エポキシ樹脂/アルコキシシラン系ハイブリッド材料(商品名 コンポセランE102:荒川化学(株)製) 75部
硬化剤:酸無水物(商品名 リカシッドMH−700) 9部
促進剤:オクチル酸スズ 0.8部
促進剤:DBU 0.4部潤滑性オイルを内包したマイクロカプセル:マイクロカプセルB(調製例1) 20部
導電性調整剤:酸化スズ(NanoTek Powder SnO、シーアイ化成(株)製) 20部
溶剤:メタノール 100部
溶剤:メチルエチルケトン 50部
参考例3
表面保護層溶液を以下の組成にした以外は実施例1と同様にして、電子写真用感光体を作製した。表面保護層の表面と純水との接触角は110度であった。
(表面保護層分散液組成)
樹脂バインダ:エポキシ樹脂/アルコキシシラン系ハイブリッド材料(商品名 コンポセランE102:荒川化学(株)製) 75部
硬化剤:酸無水物(商品名 リカシッドMH−700) 9部
促進剤:オクチル酸スズ 0.8部
促進剤:DBU 0.4部
潤滑性オイルを内包するマイクロカプセル:マイクロカプセルD(調製例2) 20部
導電性調整剤:酸化スズ(NanoTek Powder SnO、シーアイ化成(株)製) 20部
溶剤:メタノール 100部
溶剤:メチルエチルケトン 50部
参考例4
表面保護層溶液を以下の組成にした以外は実施例1と同様にして、電子写真用感光体を作製した。表面保護層の表面と純水との接触角は108度であった。
(表面保護層分散液組成)
樹脂バインダ:エポキシ樹脂/アルコキシシラン系ハイブリッド材料(商品名 コンポセランE102:荒川化学(株)製) 75部
硬化剤:酸無水物(商品名 リカシッドMH−700) 9部
促進剤:オクチル酸スズ 0.8部
促進剤:DBU 0.4部
潤滑性オイルを内包するマイクロカプセル:マイクロカプセルF(調製例3) 20部
導電性調整剤:酸化スズ(NanoTek Powder SnO、シーアイ化成(株)製) 20部
溶剤:メタノール 100部
溶剤:メチルエチルケトン 50部
実施例3
表面保護層溶液を以下の組成にした以外は実施例1と同様にして、電子写真用感光体を作製した。表面保護層の表面と純水との接触角は105度であった。
(表面保護層分散液組成)
樹脂バインダ:エポキシ樹脂/アルコキシシラン系ハイブリッド材料(商品名 コンポセランE102:荒川化学(株)製) 75部
硬化剤:酸無水物(商品名 リカシッドMH−700) 9部
促進剤:オクチル酸スズ 0.8部
促進剤:DBU 0.4部
潤滑性オイルを内包するマイクロカプセル:マイクロカプセルA(調製例1) 15部
補強フィラー:架橋ポリスチレン(SX8742、φ0.3μm、JSR(株)製)
15部
導電性調整剤:酸化スズ(NanoTek Powder SnO、シーアイ化成(株)製) 30部
溶剤:メタノール 100部
溶剤:メチルエチルケトン 50部
(比較例1)
表面保護層溶液を以下の組成にした以外は実施例1と同様にして、電子写真用感光体を作製した。表面保護層の表面と純水との接触角は65度であった。
(表面保護層分散液組成)
樹脂バインダ:エポキシ樹脂/アルコキシシラン系ハイブリッド材料(商品名 コンポセランE102:荒川化学(株)製) 75部
硬化剤:酸無水物(商品名 リカシッドMH−700) 9部
促進剤:オクチル酸スズ 0.8部
促進剤:DBU 0.4部
導電性調整剤:酸化スズ(NanoTek Powder SnO、シーアイ化成(株)製) 30部
溶剤:メタノール 100部
溶剤:メチルエチルケトン 50部
(比較例2)
表面保護層溶液を以下の組成にした以外は実施例1と同様にして、電子写真用感光体を作製した。表面保護層の表面と純水との接触角は70度であった。
(表面保護層分散液組成)
樹脂バインダ:エポキシ樹脂/アルコキシシラン系ハイブリッド材料(商品名 コンポセランE102:荒川化学(株)製) 75部
硬化剤:酸無水物(商品名 リカシッドMH−700) 9部
促進剤:オクチル酸スズ 0.8部
促進剤:DBU 0.4部
潤滑性付与剤:ジメチルシリコーンオイル(TSF451、GE東芝シリコーン(株)製) 7部
導電性調整剤:酸化スズ(NanoTek Powder SnO、シーアイ化成(株)製) 30部
溶剤:メタノール 100部
溶剤:メチルエチルケトン 50部
(比較例3)
表面保護層を設けない以外は実施例1と同様にして、電子写真用感光体を作製した。
実施例および比較例で作製した感光体につき、潤滑性の指標として摩擦係数、耐刷性の指標として膜削れ量、画像欠陥の指標としてフィルミングの有無を、それぞれ評価した。これらの結果を下記の表1中に示す。
(評価方法)
耐刷性の評価は、図2に示すように、実機を模擬して感光ドラム(感光体)10の周囲に北辰工業(株)製のウレタン製クリーニングブレード11、トナーボックス12、トナー帯電ローラー13をそれぞれ配置してなる装置を用いて行った。具体的には、圧接角25°でクリーニングブレード11を感光ドラム10に接触させ、感光ドラム10を回転速度200rpmで回転させて(10万回転)、クリーニングブレード11による感光ドラム10表面の膜削れ量を評価し、耐刷性の指標とした。なお、図2中の符号14は磁性一成分トナーを示す。
また、10万回転後の感光ドラム10表面におけるフィルミングの有無を、目視により確認した。さらに、10万回転後の感光ドラム10表面のウレタンブレードに対する摩擦抵抗の大きさを、従来の感光ドラム表面(表面保護層を設けていない比較例3)の摩擦抵抗の大きさ(1.0)を基準として、相対比較値として求めた。なお、摩擦抵抗の測定は、図3に示す表面性測定機(HEIDON−14DR、新東科学(株)製)を用いて行った。図3中、符号15は荷重検出器を示す。
上記表1に示す結果から、本発明に係る、最外層の純水との接触角が85度以上である実施例1〜3、参考例1〜4の感光体の摩擦抵抗値は0.4〜0.6であり、またランニング(10万回転)後もその値を維持しており、良好な潤滑性を安定的に保持していることがわかる。これに対し、潤滑性オイルを内包したマイクロカプセルを添加せず、接触角がそれぞれ65,70度であった比較例1、2の感光体、および、表面保護層を設けなかった比較例3の感光体は、ランニング試験後の摩擦抵抗値が0.8〜0.9と大きく、潤滑性が初期から乏しいか、または不安定であった。これらの結果から、潤滑性オイルを内包したマイクロカプセルを添加することが、繰り返し使用時における潤滑性の安定的な保持に有効であることが確かめられた。
また、比較例1および2の感光体ではフィルミングが発生しており、比較例3の感光体では、フィルミングは発生していないものの、膜削れ量が多くなっている。これに対し、潤滑性オイルを内包したマイクロカプセルを添加した実施例1〜3、参考例1〜4の感光体は、膜削れ量が少なく、またフィルミングも発生しておらず、本発明に係るマイクロカプセルの添加が、耐刷性および画像性の改良の点でも有効であることが確認できた。
以上説明してきたように、本発明によれば、潤滑性に優れるとともに、削れにくく、かつ、傷が付きにくい表面を有し、さらにはフィルミング等による画像欠陥の発生を防止することができ、トナー離れの良好な高耐久性の電子写真用感光体を得ることが可能となった。かかる本発明の電子写真用感光体は、電子写真方式を用いたプリンター、複写機、ファクシミリ等の各種画像形成装置に有用である。
(a)〜(e)はいずれも本発明の電子写真用感光体の一構成例を示す模式的断面図であり、(a)および(b)は負帯電機能分離型の感光体の構成を示し、(c)は正帯電機能分離型の感光体の構成を示し、(d)および(e)は正帯電単層型の感光体の構成を示す。 実施例における耐刷性の評価装置を示す概略説明図である。 実施例における摩擦抵抗の測定装置(表面性測定機)を示す概略説明図である。 本発明に係る接触角を説明する模式的断面図である。
1 導電性基体
2 下引き層
3 電荷発生層
4 電荷輸送層
5 表面保護層
6 単層型感光層
10 感光ドラム(感光体)
11 クリーニングブレード
12 トナーボックス
13 トナー帯電ローラー
14 磁性一成分トナー
15 荷重検出器

Claims (6)

  1. 導電性基体上に、少なくとも感光層を有し、該感光層の最外層にマイクロカプセルを含有する電子写真用感光体において、前記マイクロカプセルが潤滑性オイルを含浸させた無機多孔質粒子からなり、前記最外層の純水との接触角が85度以上であることを特徴とする電子写真用感光体。
  2. 前記無機多孔質粒子が中空状である請求項1記載の電子写真用感光体。
  3. 前記無機多孔質粒子が多孔質シリカ粒子である請求項1または2記載の電子写真用感光体。
  4. 前記潤滑性オイルがシリコーンオイルまたはフッ素オイルである請求項1〜3のうちいずれか一項記載の電子写真用感光体。
  5. 前記感光層が、電荷発生層と電荷輸送層とが積層されてなる積層型であり、かつ、該電荷輸送層が前記最外層である請求項1〜4のうちいずれか一項記載の電子写真用感光体。
  6. 前記感光層が、電荷発生物質と電荷輸送物質とを含む単層型であり、かつ、該感光層が前記最外層である請求項1〜4のうちいずれか一項記載の電子写真用感光体。
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